バネ鋼製高超過圧力ベント構造体
超過圧力状態の解放のためのベント孔(aperture)を有する閉じ込められた空間を保護するための、長方形、または、円形のベント装置は、ベント孔(aperture)の上にそれと通常閉鎖する関係で配置されるように適合しているベントユニットを有するベント構造体を備える。好ましくは、それぞれのベントユニットは、ベント孔(aperture)を覆って延在する初期位置を有する移動可能な圧力解放部を備えた、少なくとも1つのバネ鋼製パネルを含む。バックストップは、バネ鋼製パネルの動作の程度を止めるために備えられ、バネ鋼製パネルの開口の運動エネルギーを吸収し、所定の超過圧力が、ベントユニットの圧力解放部に対して適用される場合に、バネ鋼製パネルの圧力解放部が、実質的に元の形状で、選択された開口位置に戻ることを保証する。終端間の一連のスリットを含む低強度線は、それぞれのバネ鋼製パネルの移動可能な圧力解放部を規定する。合成樹脂製シートは、それぞれの低強度線のスリットをカバーする。あるいはまた、ベントユニットは、圧力解放部を備えた金属シートに対して配置され、通常はベント孔(aperture)を閉鎖する関係に配置されたバネ鋼製板を有しても良い。バネ鋼製パネル、および、バネ鋼製板は、バネ鋼製パネル、または、金属シートの圧力解放部が、閉じ込められた空間の中の超過圧力状態の解放の際に、その開口位置からそれらのそれぞれの初期位置に戻すことができるくらいの、弾性エネルギー係数と弾性係数とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願に対する相互参照>
本出願は、2006年8月17日に出願され、バネ鋼製高超過圧力ベント構造体と題し、言及することによってここに併合された番号11/465,257の米国特許出願の部分継続出願である。
【0002】
<本発明の分野>
本発明は、高超過圧力状態の解放のためのベント孔(aperture)を有する閉じ込められた空間を保護するためのほぼ長方形の、または、円形のベント装置に関する。当該ベント装置は、バグハウス、当該バグハウスとつながっている配管、処理装置、当該処理装置に至る配管と当該処理装置から導かれる配管、建物、圧力容器、および、高超過圧力が起こる爆発、または、コントロールされていない燃焼の発生があるかもしれない他の種類の商工業施設において、爆発中、または、コントロールされていない燃焼の発生中に起こるかもしれないような急速な圧力上昇にさらされる、エンクロージャー内の圧力解放開口部をカバーするのに特に役立つ。
【0003】
より具体的には、本発明は、所定の大きさの過度の超過圧力が当該ベント装置に加えられた場合に、当該閉じ込められた空間を通気し、次に、当該圧力の解放の際に以下の理由で再閉鎖する、全体的に長方形の、または、ほぼ円形の形状のベント装置に関する。
【0004】
当該保護される領域が当該ベント開口部を通して周囲の大気にさらされたまま残っていた場合に、空気とその結果として酸素の侵入を排除するか、または、減少させ、その結果、二次爆発の影響を緩和するため。
当該保護される設備に永続的な損傷を引き起こすプロセス材料の燃焼の継続を防ぐため。
得られた燃焼ガス/炎が通気孔を通り抜けて逃げることができないという事実のため、不活性ガス、水ミスト、または、同様のものが消火薬剤として使用される場所での炎/火炎の抑制向上のため。
当該保護されるプロセス領域(zone)の汚染物を減少させるか、または、排除するため。
【0005】
高超過圧力状態から保護される閉じ込められた空間のベント孔(aperture)の上に取り付けられるように適合している当該ベント構造体は、バネ鋼製パネルを有するベントユニットを含み、そのパネルは、低強度線によって規定され、所定の超過圧力の下で崩壊して当該圧力解放部を開口させる移動可能な圧力解放部を備える。当該超過圧力が解放されるとすぐに、当該バネ鋼の十分な弾性エネルギー係数と弾性係数によって、当該圧力解放部は初期位置に戻され、その結果、当該ベント孔(aperture)は閉鎖される。当該ベント装置の全体的な形状によって、長方形か円形のいずれかになるバックストップは、当該ベントから外側に延在し、所定の超過圧力が当該ベント構造体の当該ベントユニットの当該圧力解放部に対して適用される場合に、選択された開口位置に対する当該バネ鋼製パネルの当該圧力解放部の動作を止めるために備えられる。その結果、当該ベント構造体の当該ベントユニットが爆発か、または、他の予期しなかった圧力状態の結果として高超過圧力になる場合に、当該圧力解放部の過度の湾曲が防がれる。好ましくは、当該バックストップは、当該バックストップの本体から離れて延在するその上端の曲面と同様に、当該ベントユニットの当該圧力解放部に隣接し、かつ、外側に湾曲した表面を有する。当該バックストップは、当該ベントの当該圧力解放部が当該バネ鋼金属の弾性限界を超過する程度まで開口するのを防ぐために配置される。さらに、当該ベントの当該圧力解放部の動作が、その対向する終端部がそれぞれの間隔を開けた曲面の周辺で湾曲している際に当該バックストップの接触(engage)によって停止される場合は、当該バックストップの2つの曲面が、開口中に急速に移動する圧力解放部によって生じた運動エネルギーを、運動エネルギーが消散されるまで徐々に減少させ、吸収して、抑制するように機能する。
【背景技術】
【0006】
<従来技術の説明>
爆発ベントは、伝統的に、当該ベントの当該圧力解放領域を示す低強度線を規定する切り込み線か、または、分断されたスリットを有する金属製の破裂可能なシートを備えてきた。当該ベントの当該圧力解放領域を開口するのに必要な超過圧力の量は、特に、種類、厚さ、および、当該爆発ベントの製作のために選択された当該金属の物理的性質、当該低強度線の形状と性質、当該ベントの全領域内の低強度線の配置、および、多くの場合、所定の相対的な位置の中の当該低強度線の上に位置する間隔を開けた一連のクロスタブの供給によって決定される。
【0007】
この種の典型的な爆発ベントは、米国特許番号6,070,365に示されて、説明されているが、この中では、長方形の圧力解放パネルは、圧力解放開口部を覆って固定されるように適合しているフレーム内に取り付けられている。当該一体化した圧力解放パネルは、鋼、ステンレス鋼、インコネル、または、他の同様の金属製の単一シートで形成され、分断された複数のスリットが規定する三方向の低強度線を有している。当該'365特許に示されているように、当該低強度線上に配置されている間隔を開けた一連の破裂タブは、当該パネルの当該圧力解放領域が、爆発、または、高速燃焼の炎から生じる所定の高超過圧力で変形する前に、破裂しなければならない。
【0008】
米国特許番号5,036,632は、分断されたスリットが規定する三方向の低強度線を有する、従来の長方形の金属シートの爆発ベントに関する別の例である。合成樹脂材料、または、同様のものの層は、当該低強度線のスリットをカバーする関係に備えられていても良い。また、当該'632特許に示されて、説明されているベントの種類の中に、破裂可能なタブを備えているが、そのタブは、当該パネルの当該中央部が、超過圧力を解放するために当該スリット線に沿って破裂する前に、壊れなければならない。当該破裂可能な金属シートの周辺に、1つ、または、複数の弾性シーリングガスケットを備えても良い。
【0009】
当該'632特許の公開で参照している米国特許番号4,498,261は、比較的低い圧力で開口する長方形のベントパネルであり、当該薄いシート構造体は、中程度の耐衝撃性のポリスチレン、アルミニウム合金などの比較的軟質の金属、または、完全に焼きなまされたステンレス鋼であると記載されている。分断されたX字状のスリットは、当該ベントパネルまで延在し、当該Xの頂点で終わる個別の低強度線を規定している。当該破裂パネルと同じ領域を有する薄いシーリング膜は、当該破裂パネルに接着されているが、その膜は、ポリエチレン、ステンレス鋼、または、アルミニウムで形成されても良い。類似構造体は、米国特許番号4,612,739に示されて、説明されている。
【0010】
記載された種類の従来技術の圧力解放ベントは、順調に開口し、保護される空間の中で所定の超過圧力状態を解放するが、これらのベントは、開口したまま残り、その結果、当該閉じ込められた空間が周囲の大気に継続的にアクセスするのを許容する。当該爆発、または、炎からの燃焼生成物の奔流、および、当該高圧力の解放に続いて、大気中に存在する酸素は、二次爆発、炎の激化、または、当該炎の再点火を発生させることができ、当該ベント孔(aperture)を通り抜けてすぐに利用可能である。より具体的には、長方形か円形のいずれかのベント開口部と共に使用可能なベントのための、長年に渡って未だに実現されていない要求事項が存在してきた。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、爆発、または、コントロールされていない炎から生じる超過圧力からの保護を必要とする空間のベント孔(aperture)を、閉鎖する関係に取り付けられるように適合している、長方形、または、ほぼ円形のベント装置に関する。当該ベント装置は、少なくとも1つのバネ鋼製パネルを備えたベントユニットを有し、そのバネ鋼製パネルが有する低強度線は、当該パネルの移動可能な圧力解放部を規定する。好ましい長方形の実施形態では、当該低強度線は、ほぼU字型の形状を有し、当該パネルの中の終端間の間隔を開けた一連のスリットによって規定される。当該低強度線は、その間の当該パネルの蝶番領域を示す1組の対向する脚部、および、当該蝶番領域から遠く離れた脚間部(bight segment)を有する。好ましくは、当該ベントユニットの中に含まれる弾性層は、当該スリットをカバーする。別の実施形態では、当該ベント装置は、円形の形状を有し、従って、円形のベント孔(aperture)の上に閉鎖する関係に取り付けられるように適合している。当該円形のベント装置は、バネ鋼製パネルを有するベントユニットを支持する環状のフレーム部材を有し、そのバネ鋼製パネルが備える移動可能な圧力解放部は、実質的にC字型の低強度線を示す終端間の間隔を開けたスリットによって規定される。当該ベントユニットの中に低強度線を規定する当該スリットは、弾性材料でカバーされている。当該C字型の低強度線は、当該円形のベントユニットの当該中央の圧力解放部が、当該環状のフレーム支持部材の内径との関係において最大領域を有するように、戦略的に配置されている。また、当該円形のベント装置は、当該バネ鋼の弾性係数が当該圧力解放部の開口中に超過しない程度に、当該円形のベントユニットの当該バネ鋼製圧力解放部の動作を制限するために、当該環状のフレーム部材から外側に延在するバックストップを備える。当該円形のベント装置用の当該バックストップは、長方形であるよりもむしろ円形の形状を有するという点だけで、当該長方形のベント装置用の当該バックストップと異なっている。
【0012】
当該ベントユニットのそれぞれのパネルの製作に使用される当該バネ鋼の材料は、所定の圧力が適用される場合に、当該ベントユニットの圧力解放部が急速に開口し、当該圧力が解放され次第、当該ベント孔(aperture)を閉鎖する初期位置に戻るような厚さを有する。好ましくは、当該バネ鋼は、厚さ0.05mmから3mmまでのステンレス製品で、好ましい厚さは0.5mmである。当該ベントユニットの当該圧力解放部の開口圧力は、バネ鋼の材料の種類だけではなく、当該低強度線を規定する当該スリットのサイズや長さ、および、当該スリットの隣接する終端間の距離のような、当該製品の厚さ、当該ベントユニットの全体寸法、および、当該パネルの中の1本か複数の当該低強度線の性質の関数である。あるいはまた、当該低強度線は、当該バネ鋼製パネルの中の切り込み線でも良い。
【0013】
所定の超過圧力が、保護される空間の中で、長方形か円形のいずれかのベントユニットの当該圧力解放部を開口することができるくらいに起こる場合は、その当該圧力解放部は、すぐに、当該保護される領域の中の圧力上昇を解放するために、それぞれの蝶番領域の周辺で湾曲する。当該ベントの当該圧力解放部から離れて延在する当該バックストップは、その開口中に、当該ベント構造体を構成する当該バネ鋼の材料の弾性限界を超過しない程度に、当該圧力解放部の動作を止めるのに役立つ。開口位置にある間、当該バネ鋼製パネルの当該圧力解放部の弾性エネルギー係数と弾性係数によって、当該ベント装置による当該超過圧力状態の解放後の、周囲の大気に対する当該保護される領域の重大な暴露を防ぐために、当該圧力解放部は、当該ベント孔(aperture)を覆った初期位置にすぐに戻される。例えば、激しい爆発と同様に、高超過圧力の発生があると、当該ベントユニットの当該圧力解放部の当該バックストップとの接触(engage)は、ある程度当該バックストップのたわみをもたらすことがある。当該バックストップのたわみは、さらに、当該ベントユニットの当該移動する圧力解放部の中の運動エネルギーの吸収、抑制、および、消散に貢献すると考えられ、その結果、当該バネ鋼の材料の弾性限界を超過せずに、周囲のボディー部からの当該ベントユニットの当該圧力解放部の分離をもたらすことができたことを保証する。
【0014】
本発明の重要な面は、当該ベントユニットのそれぞれの当該バネ鋼製圧力解放部が、所定の超過圧力状態の下で開口し、次に、圧力解放の際に元のベント孔(aperture)を閉鎖する位置に戻れることであり、また、超過圧力に続いて起こるかもしれない減圧の下で内側にたわみ、その後、減圧の正常化の際に元の閉鎖位置に戻ることができるものである。
【0015】
当該ベント装置のある実施形態では、当該ベント構造体は、複数の多層部品を備えたラミネートされた複合のベントユニットを含み、その部品の1つは、当該パネルの中の低強度線によって規定された、U字型の圧力解放部を有するバネ鋼製パネルである。当該ラミネートされたベントユニットの別の部品は、また、当該バネ鋼製パネルの中の当該低強度線と少なくともほぼ位置合わせされた低強度線を有する、非バネ鋼製の金属シートを含んでも良い。当該非バネ鋼製の金属シートの降伏点と引張り強度の差は、当該バネ鋼製パネルの降伏点と引張り強度の差よりも実質的に大きい。好ましくは、当該低強度線は、終端間の間隔を開けた一連のスリットによってそれぞれ規定され、1枚の合成樹脂材料シートは、当該低強度線のスリットを閉鎖するために、当該バネ鋼製パネルと非バネ鋼製の金属シートの間に挿入される。
【0016】
好ましくは、当該ベントユニットの当該移動可能な圧力解放部から離れて延在する当該バックストップは、当該ベント孔(aperture)の上に位置するその初期位置の中の当該圧力解放部に対して約90°の角度を成す。好ましくは、それぞれのバックストップは、当該ベントの当該圧力解放部に隣接し、面する内側の曲面、中間部、および、当該ベントの当該圧力解放部から離れる方向に延在する外側の曲面を有する。内側の曲面、および、外側の曲面の間のそれぞれのバックストップの当該中央部は、ほぼ平面的な形状を有するか、または、必要に応じて、当該ベント構造体の当該圧力解放部に向かってわずかに湾曲しても良い。当該長方形のバックストップは、当該ベントユニットの当該圧力解放部の長さとほぼ等しい長さを有する。同様に、当該円形のベント装置の当該バックストップは、当該円形のベントユニットの当該圧力解放部の直径とほぼ等しい直径を有する。
【0017】
それぞれのベントユニットの当該圧力解放部の当該蝶番領域に隣接したそれぞれのバックストップの、当該横方向に延びる最も内側の湾曲部は、その開口中に、所定の高圧力の下で当該ベントユニットの当該圧力解放部を湾曲させるために、スムーズな移行領域(zone)を提供する。当該ベント構造体の当該圧力解放部は、所定の超過圧力の下で開口するので、当該圧力解放部は、当該バックストップの当該隣接する表面と接触(engage)し、これとぴったり一致する。当該バックストップの当該曲面、特に、当該ベント構造体の当該圧力解放部から遠く離れた当該最も外側の曲面は、当該バックストップが対向する曲面なしで本質的に平坦であった場合よりも当該圧力解放部が当該バックストップと完全に接触(engage)するまで、開口中の当該圧力解放部の運動エネルギー勾配を連携して吸収し、次第に制御する。
【0018】
それぞれのバックストップは、当該パネル材料に当該バネ鋼の降伏強度の超過をもたらし、当該圧力解放部の開口後に、当該圧力解放部が、当該ベント孔(aperture)を実質的に閉鎖する初期位置にすぐに戻らないようにするように、円弧に沿ってそれぞれのベントユニットの当該圧力解放部が、所定の超過圧力の下で開口することを防ぐのに役立つ。
【0019】
当該長方形のベント装置のための代替バックストップは、選択された開口位置に対する当該ベントユニットの当該圧力解放部の動作を止めるために配置された、曲線を成す外表面を示す湾曲部を有する、管状のほぼ楕円形の形状を有しても良い。当該管状のバックストップの当該湾曲部は、当該ステンレス鋼製パネルの当該圧力解放部に隣接し、当該管状のバックストップの曲線を成す隣接する外表面部よりも大きい曲率の、曲線を成す外表面部を有する。好ましくは、当該管状のバックストップの当該最も外側の部分は、その中の一連の開口部を有し、それによって、当該バネ鋼製パネルの当該圧力解放部に対して、所定の位置に当該バックストップを取り付けるのに役立つコネクタへのアクセスが可能となる。また、当該管状のバックストップの当該曲面は、当該ベント構造体の当該圧力解放部の開口中に、運動エネルギーの吸収と消散に貢献する。
【0020】
管状のバックストップを有する長方形のベント装置は、当該バネ鋼製パネルから離れる方向における低い全高、および、多くの異なったサイズのパネルを備える当該管状のバックストップを使用できるため、特定の設置における使用には特に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ベント構造体と当該ベント構造体のためのフレーム組立品を含む本発明のベント装置の好ましい実施形態の斜視図であり、フレーム組立品は、当該ベント構造体の当該ベントユニットの当該移動可能な圧力解放部のための、外側に向けられて2箇所で湾曲したバックストップを有する。
【図2】図1のベント装置の平面図であり、当該ベントユニットの上に位置し、当該ベントユニットのパネルの中に低強度線を規定する当該スリットを説明するために除去された発泡体パネルの部分を備える。
【図3】図2の線3-3に沿って切断し、矢印の向きに見たベント装置の垂直方向の部分断面図である。
【図4】図1に示すような、ベント装置の分解斜視図である。
【図5】図1のベント装置の一部を形成するベントユニットの分解斜視図である。
【図6】図1のベント装置の一部の垂直方向の部分拡大断面図である。
【図7】図5のU字型の弾性スリットカバーの描写のない、図4のベントユニットの部分拡大断面図である。
【図8】図1のベント装置のための代替フレーム部材の垂直方向の断面図である。
【図9】薄板の部品を説明する代替ベントユニットの一部の部分拡大断面図である。
【図10】図9の代替ベントユニットを組み込んだベント装置の垂直方向の断面図であり、図9に示す当該ベントユニットの当該圧力解放部をその当該開口位置で説明し、そのベント装置は、所定の超過圧力の下でその開口に続いて初期位置に戻った当該移動可能な圧力解放部パネルを備える。
【図11】ベントユニットの別の代替実施形態の平面図であり、通常、閉じ込められた空間の当該ベント孔(aperture)の上に位置する非バネ鋼製の金属シートの当該圧力解放部と接触(engage)した一連のバネ鋼製板を説明し、そのベントユニットは、閉じ込められた空間の中の超過圧力の解放後に、当該非バネ鋼製の金属シートの当該圧力解放部をその当該初期位置に動作可能に戻す当該板を備える。
【図12】代替ベントユニットの他の薄板の部品の一部を描写した、図7と9と同様の部分拡大断面図である。
【図13】当該薄板のベントユニットの当該移動可能な圧力解放部の完全開口と再閉鎖後の当該ベントユニットを示す、図12の当該薄板の部品の位置を説明する垂直方向の断面図である。
【図14】薄板のもう1つの代替ベントユニットの一部の部分拡大断面図である。
【図15】その当該移動可能な圧力解放部の当該バネ鋼部の完全開口と再閉鎖後の図14の当該ベントユニットの当該薄板の部品の位置を説明する、垂直方向の断面図である。
【図16】特に衛生上のアプリケーションに役立つように当該ベント装置を適合させる関連ガスケットを有する、別の代替形式のベント構造体の平面図である。
【図17】図16に示すような当該ベント構造体の縮小したスケールでの垂直方向の部分断面図である。
【図18】図16に描写した当該ベント構造体の一部の部分拡大断面図であり、当該ベント構造体の当該ベントユニットと当該ガスケット用の支持部材との間に備えても良い、横断面がU字型のほぼ長方形のガスケットを説明する。
【図19】当該ベントユニットの当該圧力解放部の開口を制限するための、外側に向けられたバックストップを有する代替ベント装置の垂直方向の部分拡大断面図である。
【図20】上面の長方形の押さえフレームのない、図19に示すような当該ベント装置の縮小した平面図である。
【図21】図15に示すような当該ベント装置の斜視図である。
【図22】当該ベントユニットの当該圧力解放部のための代替バックストップ構造体を有する、ベント装置の斜視図である。
【図23】図22に示す当該ベント装置の垂直方向の部分拡大断面図である。
【図24】本発明に従った円形ベント装置の斜視図である。
【図25】図24に示すような当該円形のベント装置の平面図である。
【図26】図24と25に説明するような当該円形のベント装置のほぼ概要の側面図である。
【図27】当該装置の当該下部取り付けフレームを除去した、図24と26の当該ベント装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<詳細な説明>
本発明の好ましい長方形のベント装置は、図1-7に説明され、ほぼ数字30で指定される。ベント装置30は、予期しなかった超過圧力の発生からの保護を必要とする領域を示す、構造体34(図6)の当該ベント孔(aperture)32を通常閉鎖する位置に取り付けられるように適合している。この点で、本発明の当該ベント装置30は、図1-7に示す形式の中で、または、例えば、図15、17、および、20-22に示すように、代替フレーム支持部材と併せて、ユーザに提供しても良いことが理解されるべきである。
【0023】
例えば、長方形の金属製のフレーム要素36は、ベント孔(aperture)32を取り囲む関係に、構造体34の上に取り付けられ、固定されても良い。フレーム要素36の内側の開口部38は、構造体34の当該ベント孔(aperture)32とほぼ位置合わせされる。ベント装置30のフレームユニット40は、フレーム要素36と下に位置する構造体34の上に取り付けられる。フレームユニット40は、相互に間隔を開け、長方形のベース部46と一体化した、外側に湾曲した4枚のリップ部42と44を有する。内側に湾曲した一連の環状フランジ48は、フレーム要素36に固定され、フレームユニット40のベース部46の外表面を通り抜けて延在し、それから外側に突出したスタッド52をはめ込むためのそれぞれの開口部50を規定する。ナット54は、それぞれのスタッド52にねじ込まれ、フレームユニット40のベース部46の外表面に対して置かれた座金56と接触(engage)係合する。好ましくは、シリコンゴム製の、または、同様のもの製の、分割された、長方形の弾性ガスケット58は、フレーム組立品のフレーム要素36とベース部46の間に配置され、フレームユニット40のそれぞれの環状フランジ48をはめ込むためにその中に一連の開口部を有する。あるいはまた、構造体34に対してフレームユニット40を固定するために、構造体34、フレーム要素36、および、フレームユニット40のベース部46を通り抜けて延在するボルトを備えても良い。それぞれのスタッド52にねじ込まれたナット54は、対応するベント孔(aperture)32と位置を合わせた構造体34に対して、フレームユニット40と、その結果、当該装置30を確実に固定するのに役立つ。
【0024】
装置30のベント構造体60は、バネ鋼製パネル64、および、第2のバネ鋼製パネル66で構成される、ラミネートされた複合のベントユニット62(図5)を含み、同じサイズ、および、外形寸法の2つのバネ鋼製パネルは、フレームユニット40の幅寸法と長さ寸法に実質的に対応する。適当なバネ鋼の材料は、硬化した301、304、316、316L、および、316LTiステンレス鋼である。ステンレスのバネ鋼の代わりに、当該パネル64と66は、既知の金属硬化技術に従って、圧延、焼き戻し、および/または、焼きなましすることによって適当に硬化した、例えば、インコネル、チタニウム、ニッケル、または、ハステロイのような、他のバネ鋼金属から製作されても良い。当該パネル64と66は、その外周に配置された間隔を開けた一連の孔(aperture)68を有し、パネル64の当該孔(aperture)68は、パネル66のそれぞれの孔(aperture)68と位置合わせされる。孔(aperture)68は、フレームユニット40のベース部46と一体化した環状フランジ48によって規定された対応する開口部50と位置が合うように配置される。
【0025】
ラミネートされたベントユニット62のバネ鋼製パネル64と66は、それぞれU字型の低強度線72を連携して規定する、終端間の間隔を開けた一連のスリット70を有する。当該パネル64と66のそれぞれの中の当該低強度線72は、脚間部(bight segment)72cの終端によって接合された、対向する1組の脚部72aと72bを有する。それぞれの低強度線72は、開口の際にそれぞれのパネル64と66の当該蝶番領域76の周辺で湾曲し、それぞれの脚間部(bight portion)72cから遠く離れたそれぞれの低強度線72の脚部72aと72bの終端部(terminal end)の間にある圧力解放部74を規定する。従って、それぞれの蝶番領域76が、パネル64と66と一体化され、一体化した部品になることが理解されるべきである。
【0026】
合成樹脂材料製の比較的薄くて細長い部品78は、パネル64の中の当該低強度線72をカバーする関係で、パネル64の下に位置し、合成樹脂材料製の同様に比較的薄くて細長い部品80は、パネル66の中の当該低強度線72の上に位置する。比較的薄い合成樹脂製シート82は、パネル64と66の間、および、細長い部品78と80のそれぞれの間に挿入される。当該シート82は、パネル64と66と同じ長さ寸法と幅寸法を有しても良く、その結果、孔(aperture)68と位置が合う開口部をその中に有しても良く、または、シート82は、細長い部品78と80の外側のエッジと実質的に等しい寸法を有しても良い。パネル64と66と同じ寸法を有する場合は、シート82は、パネル64と66の中の孔(aperture)68と位置が合う開口部をその中に有する。好ましくは、当該細長い部品78と80、および、シート82は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、または、PTFEやPFAなどの同等物から製作される。
【0027】
例えば、図1、6、および、7に示すように、細長い部品78がラミネートされた複合のベントユニットに組み込まれると、細長い部品78は、パネル64とシート82の間に挿入され、細長い部品80は、シート82とパネル66の間に配置される。
【0028】
好ましくは、フレームユニット40の外形寸法は、ラミネートされたベントユニット62の外形寸法とほぼ同じである。フレームユニット40の金型切断された(die cut)中央部84は、外側に向けられたバックストップ86を形成するために、フレームユニット40の長方形の外周から離れて湾曲する。中央部84の幅は、低強度線72の脚部72aと72bの間の距離とほぼ等しく、中央部84の長さは、それぞれの脚部72aと72bの長さ、およびその結果、低強度線72の脚間部(bight portion)72cと蝶番領域76の間の距離とほぼ等しい。バックストップ86は、フレームユニット40のベース部46の隣接する横方向部分46aと一体化した、横方向に延びる最も内側の湾曲部88を有する。バックストップ86の最も外側の湾曲部90は、また、バックストップ86の中央部84から離れて湾曲し、最も内側の湾曲部88と同じ方向に湾曲している。ベント装置30の好ましい実施形態における、バックストップ86の湾曲部88と90の湾曲の内側の曲率半径は、約50mmである。フレームユニット40の長方形の外周部から外側に延在するバックストップ86の主要な中央部84は、パネル64の面に対して、約90°の角度に向けられる。好ましくは、バックストップ86の中央部84と湾曲部90は、その縦方向の合計で、ベントユニット62の圧力解放部74の長さとほぼ等しい長さを有する。
【0029】
当該バックストップ86用の補強を提供するために、通常バックストップ86の最後部の面に、図2と3に説明するように、1組の支柱92を備えても良い。これらの図から明らかなように、それぞれの支柱92は、フレームユニット40のベース部46の横方向部分46aに固定された脚内側端部94を含む。それぞれの支柱92の脚中間部96は、図3に示すように、バックストップ86の中央部84に対してある角度を成す。それぞれの支柱92の脚外側端部98は、湾曲部90に近接したバックストップ86の中央部84の隣接する面に取り付けられる。
【0030】
ベント装置30の特定のアプリケーションでは、ベントユニット62のベントパネル64の圧力解放部74上に凝縮物が溜まるのを防ぐために、絶縁材の層100を、ベントパネル64の最も外側の面の上に位置する関係に備えるのが望ましい。絶縁材の層100は、従来の多孔性の発泡材料で形成されても良い。好ましくは、発泡材の層100の長さ寸法と幅寸法は、パネル64の圧力解放部74の長さと幅とほぼ等しい。
【0031】
動作中に、弾性ガスケット58が、当該弾性ガスケットを通り抜けて延在するスタッド52と位置合わせして、フレーム要素36の上に置かれる。次に、例えば、図1に示すような形状と構造体のベント装置30が、フレーム要素36の上に置かれ、構造体34に装置30を確実に固定するために、ナット54が締め付けられる。開口部50を規定する環状フランジ48の外側の余白部が、フレーム要素36に対して最低位置にあり、弾性ガスケット58の超過圧縮を防ぎ、同時に、弾性ガスケット58が、当該保護される領域の内側と周囲の大気との間をシールできるくらい圧縮されることに注意すべきである。
【0032】
ベント装置30によって保護される閉じ込められた空間の中の超過圧力状態が、隣接するスリット70の終端間のパネル64と66の領域を切り裂くことができるくらいのレベルに達し、さらに、低強度線72と位置合わせされたエッジに沿って細長い部品78と80とシート82を切断すると、パネル64と66の圧力解放部74は開口し、それぞれの蝶番領域76の周辺で湾曲する。ベントユニット62の圧力解放部74は、ベント孔(aperture)32を閉鎖するそれらの初期位置から、選択された開口位置まで、バックストップ86の隣接する面と接触(engage)するパネル64と共に移動する。バックストップ86は、パネル64と66の圧力解放部74の湾曲動作を止め、当該ベントユニット62の当該圧力解放部74の動作の運動エネルギーを制限し、吸収し、抑制し、その結果、パネル64と66の蝶番領域76の弾性エネルギー係数と弾性係数を超過する対応する円弧に沿った圧力解放部74の揺動を防ぐ。従って、当該バネ鋼製パネル64と66の弾性エネルギー係数と弾性係数が超過しないので、圧力解放部74の約90°の角度への揺動運動に関するこの制限は、当該ステンレスのバネ鋼製パネル64と66の当該圧力解放部74が、その開口位置からそれらの初期位置に戻ることを保証する。
【0033】
バックストップ86の湾曲部90の供給は、ベントパネル64と66の圧力解放部74の運動エネルギーを吸収し、抑制する際に特に役立ち、低強度線72の脚間部(bight portions)72cによって規定されたパネル64と66のエッジは、蝶番領域76から最も遠く間隔を開けており、従って、構造体34によって規定された保護される領域の中に起こる超過圧力状態に対応した圧力解放部74の開口中に、最大速度で移動する。
【0034】
ベントパネル64の最も外側の面上に、発泡材料の絶縁材の層100を備える場合は、絶縁材の層100は、バックストップ86の隣接する面に対して圧縮する。絶縁材の層100は、ベントユニット62の圧力解放部の開口中に発生する運動エネルギーをさらに減少させるように機能する。その結果、絶縁材の層100は、圧力が解放された後に、圧力解放部74が孔(aperture)32を閉鎖するそれらの初期位置に戻らない状況を、ベントパネル64と66の圧力解放部74が引き起こさないようにしている。
【0035】
好ましくは、パネル64と66が製作されるバネ鋼の材料は、鉄鋼であり、それぞれのバネ鋼製パネルの降伏点と引張り強度の差は、約300N/mm2以下である。好ましくは、当該バネ鋼の材料の降伏点と引張り強度は、それぞれ少なくとも約1200N/mm2と1450N/mm2である。ステンレスのバネ鋼は、耐食性のために好まれる。当該バネ鋼の降伏点と引張り強度は、熱硬化、圧延、または、その両者によって上昇する。当該バネ鋼の必要な降伏点と引張り強度を得るために、当該金属の焼きなましと焼き戻しを実施しても良い。
【0036】
ベント装置30のベントユニット62の製作に役立つ典型的なバネ鋼の材料としては、Precision Metals M.V. B-2800 メッヘレン、ベルギーから購入可能であり、1404-1463N/mm2の引張り強度、431-446HVの硬度、および、11.5-16.5の伸び(A80mm%)を有するオーステナイト系ステンレス鋼1.4310C1300の固い圧延EN10088-2、1440-1460N/mm2の引張り強度、465-468HVの硬度、および、13-16の伸び(A80mm%)を有するEN10151 AMS 5519、および、(a) 1325N/mm2の引張り強度、403HVの硬度、および、A50:9の伸び(A80mm%)、(b) 1412-1428N/mm2の引張り強度、429-431HVの硬度、および、1.2の伸び(A80mm%)、(c) 1397N/mm2の引張り強度、423HVの硬度、および、A50:4の伸び(A80mm%)、(d) 1410-1414N/mm2の引張り強度、400-402HVの硬度、および、1.4の伸び(A80mm%)、および、(e) 1380-1382N/mm2の引張り強度、441HVの硬度、および、16-18の伸び(A80mm%)、を有するEN10151タイプを含む。特に役立つステンレスのバネ鋼の材料は、1350 N/mm2から1500N/mm2までの引張り強度と0.05 mmから3mmまでの、好ましくは、0.5mmの厚さを有するC1300である。好ましくは、当該細長い部品78と80、および、シート82は、約0.250mm、好ましくは、約0.0125mmから約0.30mmまでの厚みを有し、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、あるいはまた、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、または、ペルフルオロアルコキシル基を持つポリマー(PFA)でできている。当該ベントユニット62を含む典型的なベント装置30は、例えば、幅420mm×長さ475mmでも良い。例えば、そのベント構造体60のバックストップ86は、パネル64の面から外側の方向に約310mm延在しても良い。
【0037】
超過圧力時の破壊圧力の仕様が、ベント装置30のベントユニット62のために確立された後に、ベントユニット62の製作用の寸法を含む特定の材料が決定され、そして、低強度線72は、当該パネルの当該圧力解放部74が、当該指定された超過圧力で完全に開口することを保証する当該金属製パネルの中に形成される。特定の例では、受け入れられた産業的慣例に従って、部品の特別な選択とそのための製作パラメータによって、所定の超過圧力で開口するベント構造体が実際に得られることを確認するために、経験的テストを実施し、次に、当該テストデータの結果に従って、顧客に届けられるベント構造体を製造しても良い。
【0038】
図3は、例として爆発、または、高速燃焼の炎によって引き起こされた予期しなかった超過圧力から閉じ込められた領域(zone)を保護する当該ベント装置30の、正常な動作位置におけるほぼ概要の断面図である。ベントユニット62のパネル64と66の圧力解放部74は、当該保護される領域の中の当該高圧力を解放するために、それぞれの蝶番領域76の周辺ですぐに完全に開口する。当該バックストップ86は、パネル64の外表面の当該バックストップ86との接触(engage)の結果、それぞれの蝶番領域76の周辺で圧力解放部74の揺動運動の程度を制限して、止めるのに役立つ。バックストップ86の横方向に延びる内側の湾曲部88は、パネル64と66の圧力解放部74を、内側の湾曲部88の湾曲した形状とぴったり一致するように、パネル64の隣接する蝶番領域76に対して、戦略的に配置されている。バックストップ86の内側の湾曲部88の滑らかな変化の湾曲は、ベントパネル64と66の圧力解放部74の蝶番領域76が、高圧力作動中とその開口中にパネル64と66の蝶番領域76に加えられた高い力の結果、それぞれのパネル64と66からの圧力解放部74の分離を引き起こす傾向がある折り目線の周辺で湾曲するのを防ぐ。また、バックストップ86の最も内側の湾曲部88の湾曲は、当該パネルの開口中に生じた運動エネルギーを取り除くためのなめらかに湾曲した表面を備えている。同様に、バックストップ86の湾曲部90の曲面の周辺での、ベントパネル64と66の圧力解放部74の外側の余白部の湾曲は、当該圧力解放部74の開口からの運動エネルギーの吸収、抑制、および、除去に貢献し、例えば、図1と6に示すように、バネ鋼製パネル64と66の圧力解放部74がそれらの初期位置に戻るのを妨げる程度まで、当該バネ鋼の材料が、その降伏点と引張り強度を超過するのを防ぐ。
【0039】
図8に示すベント装置30'は、孔(aperture)32と位置を合わせた構造体34に接続されるように適合している、横断面がL字型の従来の長方形のフレーム102の供給のみにおいて、装置30と異なる。フレーム102は、図6のフレーム要素36に対する代替物として役立ち、構造体34などのような壁構造体に垂直な外側に向けられた4本の脚104、および、それぞれの脚104に垂直な4本の脚106を有する。従って、フレーム102の脚106は、図6に示すような当該フレーム要素36と本質的に同等である。スタッド108は、脚106に固定され、脚106から離れて延在し、当該ベントユニット62の中の孔(aperture)を貫通する。平坦で、長方形のフレーム部材110は、ベントユニット62、および、フレームユニット40'の外周エッジの上に位置し、それぞれの当該スタッド108の上のナット112によって、所定の位置に固定される。フレーム部材110が、スタッド108をはめ込むための開口部を規定して、フレーム102の脚106の隣接する表面に載せた環状フランジ48と同様の一連の環状のフランジを有することが理解されるべきである。また、大抵の場合、フレーム102の脚106とベントユニット62のパネル66の隣接する表面の間に、弾性ガスケット58などの長方形の弾性シールガスケットを備える。また、当該フレームユニット40'は、好ましくは、バックストップ86と同じ形状を有するバックストップ86を規定する外側に延びる湾曲部を有する。
【0040】
図8は、圧力解放部74の開口に影響を与える超過圧力による作動後のベント構造体60のベントユニット62の状態をほぼ表している。当該ベントパネル64と66は、それらの固有の弾力と復元力のため、圧力が解放されるとすぐに、図8に示されているように、ベント孔(aperture)を閉鎖する位置に戻る。図8から観測されるように、当該パネル64と66のそれぞれの低強度線72によって規定される圧力解放部74の余白部は、フレーム102とフレーム部材110の隣接する内側のエッジと実質的に隣接し、その結果、当該圧力解放部74が、構造体34の中の孔(aperture)32を封鎖(block)する。ベントパネル64と66によるベント孔(aperture)32の即座の閉鎖は、当該ベント孔(aperture)が即座に封鎖(block)されない場合に起こり得る二次爆発と、高速燃焼の炎の再点火の継続か回避に対する軽減効果を有する。
【0041】
ベント構造体160を有する代替ベント装置130は、図10に示すように、説明目的のためだけに再び示す、フレーム102と同様に、従来のフレーム134に取り付けられるように適合している。ベント構造体160のベントユニット162は、バネ鋼製パネル64と同様の構造体、材料寸法、および、厚さの単一部品のバネ鋼製パネル164を有するという点だけが当該ベントユニット62と異なっている。パネル164は、パネル64と66の中の低強度線72を規定するスリットのように、終端間の間隔を開けた一連の(図示しない)スリットによって規定されたU字型の低強度線を備える。ステンレスの非バネ鋼製パネル178と180は、非バネ鋼製パネル178と180の間に挿入されたFEP、PTFE、または、PFAのシート182を備えるバネ鋼製パネル164の上に位置する。また、当該非バネ鋼製パネル178と180は、パネル164の中の低強度線を補完する低強度線を規定するスリットを有する。好ましくは、当該非バネ鋼製パネル178と180は、当該バネ鋼製パネル164とほぼ同じ厚さを有する。フレーム部材110と同様に、スタッド139とナット142と関連したフレーム要素136は、フレーム134の上にベントユニット162を保持するのに役立つ。
【0042】
フレームユニット40'のようなフレームユニット140は、バックストップ186を規定する外側の直立部184を有する。ベント装置130の代替バックストップ186は、最も内側の湾曲部188を有するという点においてバックストップ86と同様であるが、主に当該直立部184が実質的に直線的であり、外側の湾曲部を有していないという点においてバックストップ86と異なっている。しかしながら、必要に応じて、バックストップ186は、本発明の好ましい実施形態に従って、バックストップ86の湾曲部90のように、第2の外側の曲面を有しても良い。
【0043】
図10から観測されるように、当該ベントユニット162の開口の際に、パネル164の圧力解放部174は、フレーム134のベント孔(aperture)138を封鎖(block)する初期位置に戻り、非バネ鋼製パネル178と180の圧力解放部174は、バックストップ186の直立部184によって制限されたそれらの作動状態のまま残っている。当該FEP、PTFE、または、PFAのシート182は、パネル178と180の圧力解放部174の間に挟み込まれたまま残っている。
【0044】
図11-13に示すように、当該ベント装置230は、フレーム102と同様の従来のフレーム202とフレーム要素236の間で固定されるように示される、ベントユニット262を備えるベント構造体260を含む。当該ベント構造体260は、図の非バネ鋼製パネル178と180と同様に、ステンレスの非バネ鋼製パネル278と280を有する。当該パネル278と280は、FEP、PTFE、または、PFAのシート282によって分離される。図11を見て分かるように、パネル278は、終端間の間隔を開けた一連のスリット270によって規定されたU字型の低強度線272を有する。低強度線272の脚部272aと272bの終端部(terminal end)は、当該低強度線272の脚間部(bight portion)272cを接合し、脚間部(bight)272cから遠く離れた脚部272aと272bの終端部は、パネル278の蝶番領域276を構成する。当該パネル280が、低強度線272を補完する低強度線を規定する、終端間の間隔を開けた一連の(図示しない)スリットを有することが理解されるべきである。
【0045】
隣り合って間隔を開けて平行に並んだ、複数のステンレスのバネ鋼製板294は、ベントパネル278の最も外側の面の上に位置する。パネル278の中の低強度線272の脚間部(bight)272cから遠く離れた板294の終端は、スポット溶接296の例のように、パネル278の上面にスポット溶接される。蝶番領域276に隣接する板294の終端は、フレーム234の脚とフレーム要素236の隣接する脚の間に挟み込まれる。フレームユニット240の金型切断された(die cut)中央部284は、フレームユニットの長方形の外周から離れて湾曲し、バックストップ186と同じ形状か、または、バックストップ86と同様かのいずれかの、外側に向けられたバックストップ286を形成する。
【0046】
図13は、所定の超過圧力によるその作動の結果、ベントユニット262のパネル278と280の圧力解放部274の開口後のベント装置230の断面の説明図である。図13から観測できるように、当該バネ鋼製板294が、パネル278と280を実質的にその初期位置に戻し、その結果、フレーム202のベント孔(aperture)の即座の閉鎖が、炎か爆発から生じる圧力の消散に影響を与える。当該板294は、前述したバネ鋼製パネル64と66のものと同様の復元力と弾力パラメータを有するバネ鋼の材料で構成される。板294の外側の終端は、最初に、パネル278の圧力解放部274がバックストップ286と接触(engage)するまで湾曲させられる。パネル280の圧力解放部274は、バックストップ286によって同様に抑制される。超過圧力状態が解放されるとすぐに、パネル278に対して加圧する板294によって、パネル278が元の位置に実質的に戻り、その結果パネル280もまた初期位置に戻り、それによって、パネル278と280がベント孔(aperture)238を実質的に閉鎖する。
【0047】
図14、15、および、21に示すようなベント装置330は、従来のフレーム502に取り付けられるベント構造体360を有し、図14の概要の部分断面図に説明するように、ステンレスの非バネ鋼製パネル378と関連して、単一部品のバネ鋼製パネル364を備えるのを除いて、ベントユニット162と同じ構造体と動作を有するベントユニット362を含む。ベント装置230の中にあるような中間的なステンレスの非バネ鋼製パネルは、ステンレスの非バネ鋼製パネル378とステンレスのバネ鋼製パネル364の間で省略される。1枚のFEP、PTFE、または、PFAのシート382は、ステンレスの非バネ鋼製パネル378とステンレスのバネ鋼製パネル364の間に挿入される。図15は、部品の作動後の位置を示し、図10における描写のように、バネ鋼製パネル364の圧力解放部374が、ベント孔(aperture)338の上の初期の閉鎖位置に戻ったのに対して、ステンレスの非バネ鋼製パネル378の圧力解放部374が、バックストップ386の中央部384に近接したまま残っている。FEP、PTFE、または、PFAのシート382の作動部分は、描写したように、パネル378の圧力解放部374に隣接したまま残っても良いし、または、初期位置に戻ったバネ鋼製パネル364の圧力解放部374に対して横置きしても良い。
【0048】
図16-18に描写したようなベント装置430は、衛生上のアプリケーション用に特に適合している。この実施形態では、ベント装置430のベントユニット462は、ベントユニット62、162、262、または、362のいずれにも備えられるような金属製パネルを有しても良い。図16の平面図に示すようなベントユニット462の上面パネル464は、U字型の低強度線472を規定する、間隔を開けた一連のスリット470を有し、中央の圧力解放部474を構成する。ベントユニット462を構成するすべての金属製パネルは、同様に位置合わせされたU字型の低強度線を有する。
【0049】
前述したベント装置と比較したときのベント装置430の違いは、ベントユニット462を支持するためのフレーム組立品440、および、図17に示すように、ベントユニット462が閉鎖している状態のときに、周囲の大気からフレーム部材402のベント孔(aperture)438を隔離する関連した長方形の弾性ガスケット410である。孔(aperture)438を規定する開口部を有するフレーム部材402は、超過圧力状態から保護されるべき容器、さまざまな構造物、または、設備の一部であっても良いし、そのような容器、構造物、または、設備に取り付けられるように適合している長方形のフレームか、または、同様のものを含んでも良い。フレーム部材402が、別々のフレームである場合は、その結果規定されたベント孔(aperture)438は、弾性ガスケットの一部が、ある程度まで図17と18に示すようなフレーム部材402の下に位置することができるように、保護を必要とする領域の中の開口部よりも小さな寸法のものでなければならない。
【0050】
ベントユニット462を支持するためのフレーム組立品440は、フレーム部材402を含み、別々のフレームとして備えられる場合は、長方形のフレーム部材412、および、長方形の主要なフレーム要素436を含んでも良い。図18に示すように、フレーム部材412は、フレーム部材402か、または、ベント装置430が取り付けられる容器、構造物、または、他の種類の設備の壁かのいずれかに対して置かれる。フレーム要素436は、フレーム要素436の外周に延在する外側に向けられた周辺のリップ部442を有する。ベントユニット462の1つの余白部は、フレーム部材412とフレーム要素436の間に挟み込まれる。一連のスタッド406は、フレーム部材412に接続され、ベントユニット462とフレーム要素436のベース部446を通り抜けて延在する。スタッド406の上のナット408は、フレーム組立品440に対して、ベントユニット462を確実に固定する。
【0051】
フレーム要素436の金型切断された(die cut)中央部484は、好ましくは、図3に示すように、バックストップ86と同じ形状を有し、従って、最も内側の湾曲部と外側の湾曲部を有するか、または、バックストップ186の形状を有する外側に向けられたバックストップ486を形成するために、フレーム要素436の長方形の外周から離れて湾曲する。
【0052】
弾性ガスケット410は、ベント孔(aperture)438の長さ寸法と幅寸法にほぼ対応する全体的に長方形の形状を有し、フレーム部材402のエッジを規定する孔(aperture)を補完し、その上にぴったり合うU字型の溝414を有する。フレーム部材412は、フレーム部材402とベントユニット462の隣接する部品の間に挟み込まれた弾性ガスケット410の一部418が圧縮されるような厚さを有するので、その結果、保護を必要とする容器、構造物、または、設備の内側が、周囲の大気から隔離されることを保証する。弾性ガスケット410の外側に向けられたリップ部416は、ベントユニット462の下表面と接触(contact)してシールする関係にある。
【0053】
ベントユニット462の動作は、パネルの圧力解放部474が、所定の超過圧力の下で開口し、次に、超過圧力状態の解放の際にベント孔(aperture)438を閉鎖するために、その初期位置に戻るという点でベントユニット62と162-362の動作と同じである。
【0054】
また、ベント装置530も、図19-21に示すように、特に衛生上のアプリケーションに役立つ。ベント構造体560のベントユニット562は、ベントユニット62、または、ベントユニット162、262、または、362と同じでも良い。備えられたガスケット構造体は、ベント構造体560とベント構造体460の間の第一の違いである。説明目的で、フレーム502は、必要に応じて、図8に示すフレーム102と同様に、横断面がL字型の長方形のフレーム要素536を有しても良い。フレーム502は、内側のベント孔(aperture)538を規定するフランジか、または、脚部502aと脚部502bを有する。長方形の弾性ガスケット582は、フランジ502aの最も外側の面の上に置かれる。長方形のフレーム部材590は、フランジ502aに対向する弾性ガスケット582の表面に対して配置される。図20から分かるように、フレーム部材590の最も内側のエッジ590aは、弾性ガスケット582の最も内側のエッジを越えて内側に延在する。別の長方形のフレーム部材592は、フレーム部材590に対して配置される。部材592の最も内側の余白部は、弾性ガスケット582の内側の余白部と位置合わせされ、従って、フレーム部材590のケースのように、弾性ガスケット582とフレーム部材592の内側には延在しない。ベント構造体560の複合のベントユニット562は、フレーム部材592の外側の面に対して置かれる。ベース部536aと下向きに湾曲した外周のリップ部536bを有する長方形のフレーム要素536は、複合のベントユニット562のエッジの上に置かれる。長方形の押さえフレーム部材596は、フレーム要素536のベース部536aの上に位置する。スタッド550の上のナット556は、押さえフレーム部材596の外表面と接触(engage)する。
【0055】
また、フレーム要素536の金型切断された(die cut)中央部584は、好ましくは、図3に示すように、バックストップ86と同じ形状を有するか、または、図15に描写したように、バックストップ386と同様の本質的に外側の直線部を備える、外側に向けられたバックストップ586を形成するために、フレーム要素536の長方形の外周から離れて湾曲する。
【0056】
そのエッジ590aに隣接するフレーム部材590の最も内側の部分によって備えられる、長方形の管状のガスケット598は、ベントユニット562の対向する表面と接触(engage)するように構成され、配置される。図20から分かるように、ガスケット582と598は、周囲の大気から内側の保護される空間を隔離するシールとして機能する。
【0057】
ベント構造体560のベントユニット562とベントユニット62、162、262、および、362の間の別の違いは、パネルの中の低強度線の代替形状である。例えば、図19に示すように、終端間の間隔を開けた一連のスリット570によって規定された、最も上側のパネル564の中の低強度線572は、低強度線572の脚間部(bight section)578の反対側に、内側に湾曲した脚部576を有する。低強度線560の内側に湾曲した脚部562は、間隔を開けた関係であり、連携して、ベントユニット562を構成するパネルの圧力解放部574のための蝶番領域580を規定する。
【0058】
ベント装置530の動作は、超過圧力がベントユニット562の圧力解放部574に適用される場合に、圧力解放部がバックストップ586によって制限された円弧に沿って開口する点で、前述したベント装置と同じである。保護される領域の中の高圧力の解放の際に、偏った(biased)圧力解放部574は、バネ鋼製部品か、または、ベントユニット562の一部を構成する部品のため、それらの閉鎖位置に戻る。
【0059】
図22と23に示すようなベント装置630の実施形態と前述した他の実施形態との間の主要な違いは、直立のバックストップ86、186-586との交換品としての管状のバックストップ686である。管状のバックストップ686は、平坦なベース部688a、ベース部688aと一体化した対向する湾曲部688b、湾曲部688bと一体化した上側の対向する湾曲部688c、および、湾曲部688cと一体化した頂上部(crown segment)688dを含むシェル688を有する。ベース部688aは、構造体の容易さのために単一部品として示すが、ベース部688aは、ベース部688aの中央で相互に隣接する、2つの別々の部品でも良いことが理解されるべきである。
【0060】
バックストップ686の典型的な実施形態では、バックストップ686のシェル688は、管状のシェルの約130mmの全幅と約2mmの肉厚を有するステンレス鋼の材料でできていても良い。仮想点A-1とA-2の周辺の湾曲部688bの外径曲率半径は、約50mmである。仮想点B-1とB-2の周辺の湾曲部688cの外径曲率半径は、約105mmである。仮想点Cの周辺のクラウン部688dの外径曲率半径は、約70mmである。
【0061】
バックストップ686は、ベントユニット662のエッジ部、および、ベース部688aに対して置かれたプレート654を通り抜けてフランジ602aから突出するスタッド650を含む接合具によって、代表するフレーム602のフランジ602aに固定されている。ナット656は、プレート654とバックストップ686をフレーム636に固定する。バックストップ686のクラウン部688dは、アプリケーションのための素早いアクセスとバックストップ686を着脱するためのナット656の取り外しを提供するために、それぞれのスタッド650と位置合わせされた一連の開口部688eを有する。
【0062】
ベントユニット662は、ベントユニット62、162、262、または、362のいずれか1つと同様に構成されても良い。ベントユニット662の開口と再閉鎖は、他のベントユニットの動作と同じである。管状のバックストップ686の利点は、ベントユニット662の圧力解放部668の開口動作を制限するための、連続的な曲面を提供することと、それらの圧力解放部が開口して、次に、それらの初期位置に戻るように、ベント構造体の圧力解放部の蝶番領域に適用された湾曲力を、より均一に分散するのに役立つことである。バネ鋼製ベント膜の弾性変形は、例えば、図10、13、15、および、21に示すように、直立のバックストップよりも管状のバックストップ686の方が大きく、その結果、ベント構造体の圧力解放部の動作の運動エネルギーの制限と吸収を増加させる。管状のバックストップ686の他の利点は、1つのサイズが複数のベントユニットのために使用されることがあることと、管状のバックストップが占める利用可能な空間が、直立のバックストップよりも小さいことである。
【0063】
本発明のベント構造体は、例えば、約200mm×200mmから約1500mm×2000mmまで、比較的大きいサイズで特に役立つ。ここに記載されて、説明された様々な実施形態は、異なった超過圧力で開口するために製作されても良い。例えば、ラミネートされた複合のベントユニット62の部品の製作のために選択された材料の種類と厚さを変えること、金属製パネルに引っかき傷対スリットを供給すること、および、スリット70の長さ、低強度線72を規定する個々のスリットの長さ、および/または、隣接するスリットの間のスリットのない距離を変えることによって、ラミネートされた複合のベントユニット62の圧力解放部74の開口に影響を与えるのに必要な超過圧力を変更できる。
【0064】
本発明の物理的な実施形態の動作の停止動作研究は、爆発によって発生したような、所定の超過圧力状態の下で開口中のベントユニットの圧力解放部が、たとえ重要なひずみを受けて、高圧力前部の結果として外観が移動する波状になるとしても、圧力状態の解放の際に、ベント孔(aperture)をほぼ閉鎖する関係にある実質的に元の平面的なひずみのない形状に、予想外に戻ることを示していた。
【0065】
図24-26に示すようなほぼ円形のベント装置700は、爆発か、または、予期しなかった超過圧力の発生から保護されるべき領域の構造体の上に取り付けられるように適合している、横断面がL字型の環状のカップリング部材702を含む。カップリング部材702は、外側に向けられて、周方向に延在する、ほぼ平坦なフランジ部702aと一体化した環状のフランジか、または、脚部702bを有する。ベント装置700の脚部702bは、超過圧力状態からの保護を必要とする構造体に、構造体の中の円形のベント孔(aperture)と位置を合わせて固定されるように適合している。
【0066】
円形のベント装置700のフレーム部材704は、カップリング部材702のフランジ部702aにフレーム要素706を固定するための、ボルトなどの締結具をはめ込むための間隔を開けた一連の孔(aperture)708を備える、ほぼ平面的な環状のフレーム要素706を含む。環状のフレーム要素706と一体化したバックストップ710は、要素706に対して約90°の角度でフレーム要素706の平面から離れて延在する。バックストップ710は、対向する湾曲部714と716とそれぞれ一体化したほぼ平面的な形状の中央部712を有する点で、バックストップ86と同様の構造体を有する。フレーム要素706とバックストップ710の湾曲部714の通常裏面の間に、必要に応じて、1組の支柱718を備えても良い。バックストップ710とバックストップ86の間の主要な違いは、例えば、バックストップ710が全体的にほぼ円形の形状を有するのに対して、図1に最も良く説明するように、バックストップ86が実質的に長方形の形状であることである。
【0067】
円形のベントユニット720は、環状のフレーム要素706とカップリング部材702のフランジ部702aの間に挿入される。好ましくは、ベントユニット720は、終端間の一連のスリット724を有するステンレスのバネ鋼製パネル722を含み、そのスリットが規定するほぼC字型の低強度線726は、中央の圧力解放部727を構成する。低強度線726の対向する終端部(terminal end)726aと726bは、相互に間隔を開け、その間にパネル722の一体化した蝶番領域728を構成する。パネル722の外周の一連の開口部730は、フレーム要素706の中のそれぞれの孔(aperture)708と位置が合うように配置される。
【0068】
円形のベントユニット720は、パネル722と同じ直径、形状、および、構造体の第2のバネ鋼製パネル732を有する。従って、パネル732は、中央の圧力解放部735を示す終端間の一連のスリット736によって規定された円形の低強度線734を有する。低強度線734の間隔を開けた終端部(terminal end)734aと734bは、パネル732と一体化した蝶番領域738を規定する。蝶番領域728と738は、低強度線726と734の対向する終端間の同じ長さを有し、相互に位置合わせされる。
【0069】
好ましくは、FEP、あるいはまた、PTFE、またはPFAの比較的薄い円形のカバーシート740は、パネル722と732の間に挿入される。好ましくは、FEP、PTFE、または、PFAの実質的にC字型の比較的薄い細長い部品742は、カバーシート740とパネル722の隣接する面の間に挿入される。細長い部品742は、低強度線726のスリット724と位置合わせされてカバーするように構成され、戦略的に配置される。細長い部品742の対向する終端742aと742bは、蝶番領域728の幅とほぼ等しい距離に間隔を開けられ、後者と位置合わせされる。FEP、PTFE、または、PFAの実質的にC字型の比較的薄い第2の細長い部品744は、カバーシート740とパネル732の隣接する面の間に挿入される。細長い部品744は、低強度線734のスリット736をカバーするように構成される。細長い部品744の対向する終端744aと744bは、蝶番領域738と位置合わせされ、蝶番領域738の幅とほぼ等しい距離に間隔を開けられる。
【0070】
好ましくは、円形のベント装置700の構造体の材料は、ベント装置30の構造体の材料と同じである。従って、バネ鋼製パネルは、ベント装置30のバネ鋼製パネルと同じ厚さを有し、同じ種類の金属から製作される。同様に、好ましくは、円形のベント装置700のFEP、PTFE、または、PFAの細長い部品とカバーシートは、ベント装置30に関して記載されるように、FEP、PTFE、または、PFA、および、同等な部品と同じ厚さ、および、同じ材料から成る。
【0071】
ベント装置700の好ましい実施形態は、記載したように、その間にポリフッ素化された材料の中間層を有する、パネル722と732などの2つのバネ鋼製パネルを備えるが、ベントユニット720が、図4、5、7、9、12、および、14に説明され、詳細に上述された実施形態のいずれに関しても記載されるようなラミネートされた構造体を有しても良いことが理解されるべきである。
【0072】
また、ベント装置700は、高超過圧力状態を解放するために、ベント装置30と同様の方法で動作する。円形のベント装置700によって保護される領域の中に、それぞれ隣接するスリット724と736の間のパネル722と732のタブ部を分離するのに十分な超過圧力が起こる場合に、パネル722と732の圧力解放部727と735は、保護される領域の中の高超過圧力を解放するために、すぐにそれぞれ開口する。図25から観測されるように、パネル722の中の低強度線726は、フレーム部材704の内側の弓形の余白部に極めて隣接する。パネル722の中の低強度線726とパネル732の中の低強度線734が位置合わせされるので、ベントユニット720を通り抜けた実質的に最大の通気が、最大圧力解放のために得られる。パネル722の隣接する圧力解放部727が接触(engage)したバックストップ710は、バネ鋼の材料の降伏点と引張り強度を超過する程度まで、パネル722と732の蝶番領域728と738に超過ストレスを与えないようにするのに役立つ。従って、保護される領域の中の高超過圧力状態の解放の際に、長方形のベント装置30の圧力解放領域の再閉鎖に関して記載されたものと同様の方法で、パネル722と732は、保護される領域の構造体の中のベント孔(aperture)を実質的に閉鎖するそれらの初期位置に戻る。
【技術分野】
【0001】
<関連出願に対する相互参照>
本出願は、2006年8月17日に出願され、バネ鋼製高超過圧力ベント構造体と題し、言及することによってここに併合された番号11/465,257の米国特許出願の部分継続出願である。
【0002】
<本発明の分野>
本発明は、高超過圧力状態の解放のためのベント孔(aperture)を有する閉じ込められた空間を保護するためのほぼ長方形の、または、円形のベント装置に関する。当該ベント装置は、バグハウス、当該バグハウスとつながっている配管、処理装置、当該処理装置に至る配管と当該処理装置から導かれる配管、建物、圧力容器、および、高超過圧力が起こる爆発、または、コントロールされていない燃焼の発生があるかもしれない他の種類の商工業施設において、爆発中、または、コントロールされていない燃焼の発生中に起こるかもしれないような急速な圧力上昇にさらされる、エンクロージャー内の圧力解放開口部をカバーするのに特に役立つ。
【0003】
より具体的には、本発明は、所定の大きさの過度の超過圧力が当該ベント装置に加えられた場合に、当該閉じ込められた空間を通気し、次に、当該圧力の解放の際に以下の理由で再閉鎖する、全体的に長方形の、または、ほぼ円形の形状のベント装置に関する。
【0004】
当該保護される領域が当該ベント開口部を通して周囲の大気にさらされたまま残っていた場合に、空気とその結果として酸素の侵入を排除するか、または、減少させ、その結果、二次爆発の影響を緩和するため。
当該保護される設備に永続的な損傷を引き起こすプロセス材料の燃焼の継続を防ぐため。
得られた燃焼ガス/炎が通気孔を通り抜けて逃げることができないという事実のため、不活性ガス、水ミスト、または、同様のものが消火薬剤として使用される場所での炎/火炎の抑制向上のため。
当該保護されるプロセス領域(zone)の汚染物を減少させるか、または、排除するため。
【0005】
高超過圧力状態から保護される閉じ込められた空間のベント孔(aperture)の上に取り付けられるように適合している当該ベント構造体は、バネ鋼製パネルを有するベントユニットを含み、そのパネルは、低強度線によって規定され、所定の超過圧力の下で崩壊して当該圧力解放部を開口させる移動可能な圧力解放部を備える。当該超過圧力が解放されるとすぐに、当該バネ鋼の十分な弾性エネルギー係数と弾性係数によって、当該圧力解放部は初期位置に戻され、その結果、当該ベント孔(aperture)は閉鎖される。当該ベント装置の全体的な形状によって、長方形か円形のいずれかになるバックストップは、当該ベントから外側に延在し、所定の超過圧力が当該ベント構造体の当該ベントユニットの当該圧力解放部に対して適用される場合に、選択された開口位置に対する当該バネ鋼製パネルの当該圧力解放部の動作を止めるために備えられる。その結果、当該ベント構造体の当該ベントユニットが爆発か、または、他の予期しなかった圧力状態の結果として高超過圧力になる場合に、当該圧力解放部の過度の湾曲が防がれる。好ましくは、当該バックストップは、当該バックストップの本体から離れて延在するその上端の曲面と同様に、当該ベントユニットの当該圧力解放部に隣接し、かつ、外側に湾曲した表面を有する。当該バックストップは、当該ベントの当該圧力解放部が当該バネ鋼金属の弾性限界を超過する程度まで開口するのを防ぐために配置される。さらに、当該ベントの当該圧力解放部の動作が、その対向する終端部がそれぞれの間隔を開けた曲面の周辺で湾曲している際に当該バックストップの接触(engage)によって停止される場合は、当該バックストップの2つの曲面が、開口中に急速に移動する圧力解放部によって生じた運動エネルギーを、運動エネルギーが消散されるまで徐々に減少させ、吸収して、抑制するように機能する。
【背景技術】
【0006】
<従来技術の説明>
爆発ベントは、伝統的に、当該ベントの当該圧力解放領域を示す低強度線を規定する切り込み線か、または、分断されたスリットを有する金属製の破裂可能なシートを備えてきた。当該ベントの当該圧力解放領域を開口するのに必要な超過圧力の量は、特に、種類、厚さ、および、当該爆発ベントの製作のために選択された当該金属の物理的性質、当該低強度線の形状と性質、当該ベントの全領域内の低強度線の配置、および、多くの場合、所定の相対的な位置の中の当該低強度線の上に位置する間隔を開けた一連のクロスタブの供給によって決定される。
【0007】
この種の典型的な爆発ベントは、米国特許番号6,070,365に示されて、説明されているが、この中では、長方形の圧力解放パネルは、圧力解放開口部を覆って固定されるように適合しているフレーム内に取り付けられている。当該一体化した圧力解放パネルは、鋼、ステンレス鋼、インコネル、または、他の同様の金属製の単一シートで形成され、分断された複数のスリットが規定する三方向の低強度線を有している。当該'365特許に示されているように、当該低強度線上に配置されている間隔を開けた一連の破裂タブは、当該パネルの当該圧力解放領域が、爆発、または、高速燃焼の炎から生じる所定の高超過圧力で変形する前に、破裂しなければならない。
【0008】
米国特許番号5,036,632は、分断されたスリットが規定する三方向の低強度線を有する、従来の長方形の金属シートの爆発ベントに関する別の例である。合成樹脂材料、または、同様のものの層は、当該低強度線のスリットをカバーする関係に備えられていても良い。また、当該'632特許に示されて、説明されているベントの種類の中に、破裂可能なタブを備えているが、そのタブは、当該パネルの当該中央部が、超過圧力を解放するために当該スリット線に沿って破裂する前に、壊れなければならない。当該破裂可能な金属シートの周辺に、1つ、または、複数の弾性シーリングガスケットを備えても良い。
【0009】
当該'632特許の公開で参照している米国特許番号4,498,261は、比較的低い圧力で開口する長方形のベントパネルであり、当該薄いシート構造体は、中程度の耐衝撃性のポリスチレン、アルミニウム合金などの比較的軟質の金属、または、完全に焼きなまされたステンレス鋼であると記載されている。分断されたX字状のスリットは、当該ベントパネルまで延在し、当該Xの頂点で終わる個別の低強度線を規定している。当該破裂パネルと同じ領域を有する薄いシーリング膜は、当該破裂パネルに接着されているが、その膜は、ポリエチレン、ステンレス鋼、または、アルミニウムで形成されても良い。類似構造体は、米国特許番号4,612,739に示されて、説明されている。
【0010】
記載された種類の従来技術の圧力解放ベントは、順調に開口し、保護される空間の中で所定の超過圧力状態を解放するが、これらのベントは、開口したまま残り、その結果、当該閉じ込められた空間が周囲の大気に継続的にアクセスするのを許容する。当該爆発、または、炎からの燃焼生成物の奔流、および、当該高圧力の解放に続いて、大気中に存在する酸素は、二次爆発、炎の激化、または、当該炎の再点火を発生させることができ、当該ベント孔(aperture)を通り抜けてすぐに利用可能である。より具体的には、長方形か円形のいずれかのベント開口部と共に使用可能なベントのための、長年に渡って未だに実現されていない要求事項が存在してきた。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、爆発、または、コントロールされていない炎から生じる超過圧力からの保護を必要とする空間のベント孔(aperture)を、閉鎖する関係に取り付けられるように適合している、長方形、または、ほぼ円形のベント装置に関する。当該ベント装置は、少なくとも1つのバネ鋼製パネルを備えたベントユニットを有し、そのバネ鋼製パネルが有する低強度線は、当該パネルの移動可能な圧力解放部を規定する。好ましい長方形の実施形態では、当該低強度線は、ほぼU字型の形状を有し、当該パネルの中の終端間の間隔を開けた一連のスリットによって規定される。当該低強度線は、その間の当該パネルの蝶番領域を示す1組の対向する脚部、および、当該蝶番領域から遠く離れた脚間部(bight segment)を有する。好ましくは、当該ベントユニットの中に含まれる弾性層は、当該スリットをカバーする。別の実施形態では、当該ベント装置は、円形の形状を有し、従って、円形のベント孔(aperture)の上に閉鎖する関係に取り付けられるように適合している。当該円形のベント装置は、バネ鋼製パネルを有するベントユニットを支持する環状のフレーム部材を有し、そのバネ鋼製パネルが備える移動可能な圧力解放部は、実質的にC字型の低強度線を示す終端間の間隔を開けたスリットによって規定される。当該ベントユニットの中に低強度線を規定する当該スリットは、弾性材料でカバーされている。当該C字型の低強度線は、当該円形のベントユニットの当該中央の圧力解放部が、当該環状のフレーム支持部材の内径との関係において最大領域を有するように、戦略的に配置されている。また、当該円形のベント装置は、当該バネ鋼の弾性係数が当該圧力解放部の開口中に超過しない程度に、当該円形のベントユニットの当該バネ鋼製圧力解放部の動作を制限するために、当該環状のフレーム部材から外側に延在するバックストップを備える。当該円形のベント装置用の当該バックストップは、長方形であるよりもむしろ円形の形状を有するという点だけで、当該長方形のベント装置用の当該バックストップと異なっている。
【0012】
当該ベントユニットのそれぞれのパネルの製作に使用される当該バネ鋼の材料は、所定の圧力が適用される場合に、当該ベントユニットの圧力解放部が急速に開口し、当該圧力が解放され次第、当該ベント孔(aperture)を閉鎖する初期位置に戻るような厚さを有する。好ましくは、当該バネ鋼は、厚さ0.05mmから3mmまでのステンレス製品で、好ましい厚さは0.5mmである。当該ベントユニットの当該圧力解放部の開口圧力は、バネ鋼の材料の種類だけではなく、当該低強度線を規定する当該スリットのサイズや長さ、および、当該スリットの隣接する終端間の距離のような、当該製品の厚さ、当該ベントユニットの全体寸法、および、当該パネルの中の1本か複数の当該低強度線の性質の関数である。あるいはまた、当該低強度線は、当該バネ鋼製パネルの中の切り込み線でも良い。
【0013】
所定の超過圧力が、保護される空間の中で、長方形か円形のいずれかのベントユニットの当該圧力解放部を開口することができるくらいに起こる場合は、その当該圧力解放部は、すぐに、当該保護される領域の中の圧力上昇を解放するために、それぞれの蝶番領域の周辺で湾曲する。当該ベントの当該圧力解放部から離れて延在する当該バックストップは、その開口中に、当該ベント構造体を構成する当該バネ鋼の材料の弾性限界を超過しない程度に、当該圧力解放部の動作を止めるのに役立つ。開口位置にある間、当該バネ鋼製パネルの当該圧力解放部の弾性エネルギー係数と弾性係数によって、当該ベント装置による当該超過圧力状態の解放後の、周囲の大気に対する当該保護される領域の重大な暴露を防ぐために、当該圧力解放部は、当該ベント孔(aperture)を覆った初期位置にすぐに戻される。例えば、激しい爆発と同様に、高超過圧力の発生があると、当該ベントユニットの当該圧力解放部の当該バックストップとの接触(engage)は、ある程度当該バックストップのたわみをもたらすことがある。当該バックストップのたわみは、さらに、当該ベントユニットの当該移動する圧力解放部の中の運動エネルギーの吸収、抑制、および、消散に貢献すると考えられ、その結果、当該バネ鋼の材料の弾性限界を超過せずに、周囲のボディー部からの当該ベントユニットの当該圧力解放部の分離をもたらすことができたことを保証する。
【0014】
本発明の重要な面は、当該ベントユニットのそれぞれの当該バネ鋼製圧力解放部が、所定の超過圧力状態の下で開口し、次に、圧力解放の際に元のベント孔(aperture)を閉鎖する位置に戻れることであり、また、超過圧力に続いて起こるかもしれない減圧の下で内側にたわみ、その後、減圧の正常化の際に元の閉鎖位置に戻ることができるものである。
【0015】
当該ベント装置のある実施形態では、当該ベント構造体は、複数の多層部品を備えたラミネートされた複合のベントユニットを含み、その部品の1つは、当該パネルの中の低強度線によって規定された、U字型の圧力解放部を有するバネ鋼製パネルである。当該ラミネートされたベントユニットの別の部品は、また、当該バネ鋼製パネルの中の当該低強度線と少なくともほぼ位置合わせされた低強度線を有する、非バネ鋼製の金属シートを含んでも良い。当該非バネ鋼製の金属シートの降伏点と引張り強度の差は、当該バネ鋼製パネルの降伏点と引張り強度の差よりも実質的に大きい。好ましくは、当該低強度線は、終端間の間隔を開けた一連のスリットによってそれぞれ規定され、1枚の合成樹脂材料シートは、当該低強度線のスリットを閉鎖するために、当該バネ鋼製パネルと非バネ鋼製の金属シートの間に挿入される。
【0016】
好ましくは、当該ベントユニットの当該移動可能な圧力解放部から離れて延在する当該バックストップは、当該ベント孔(aperture)の上に位置するその初期位置の中の当該圧力解放部に対して約90°の角度を成す。好ましくは、それぞれのバックストップは、当該ベントの当該圧力解放部に隣接し、面する内側の曲面、中間部、および、当該ベントの当該圧力解放部から離れる方向に延在する外側の曲面を有する。内側の曲面、および、外側の曲面の間のそれぞれのバックストップの当該中央部は、ほぼ平面的な形状を有するか、または、必要に応じて、当該ベント構造体の当該圧力解放部に向かってわずかに湾曲しても良い。当該長方形のバックストップは、当該ベントユニットの当該圧力解放部の長さとほぼ等しい長さを有する。同様に、当該円形のベント装置の当該バックストップは、当該円形のベントユニットの当該圧力解放部の直径とほぼ等しい直径を有する。
【0017】
それぞれのベントユニットの当該圧力解放部の当該蝶番領域に隣接したそれぞれのバックストップの、当該横方向に延びる最も内側の湾曲部は、その開口中に、所定の高圧力の下で当該ベントユニットの当該圧力解放部を湾曲させるために、スムーズな移行領域(zone)を提供する。当該ベント構造体の当該圧力解放部は、所定の超過圧力の下で開口するので、当該圧力解放部は、当該バックストップの当該隣接する表面と接触(engage)し、これとぴったり一致する。当該バックストップの当該曲面、特に、当該ベント構造体の当該圧力解放部から遠く離れた当該最も外側の曲面は、当該バックストップが対向する曲面なしで本質的に平坦であった場合よりも当該圧力解放部が当該バックストップと完全に接触(engage)するまで、開口中の当該圧力解放部の運動エネルギー勾配を連携して吸収し、次第に制御する。
【0018】
それぞれのバックストップは、当該パネル材料に当該バネ鋼の降伏強度の超過をもたらし、当該圧力解放部の開口後に、当該圧力解放部が、当該ベント孔(aperture)を実質的に閉鎖する初期位置にすぐに戻らないようにするように、円弧に沿ってそれぞれのベントユニットの当該圧力解放部が、所定の超過圧力の下で開口することを防ぐのに役立つ。
【0019】
当該長方形のベント装置のための代替バックストップは、選択された開口位置に対する当該ベントユニットの当該圧力解放部の動作を止めるために配置された、曲線を成す外表面を示す湾曲部を有する、管状のほぼ楕円形の形状を有しても良い。当該管状のバックストップの当該湾曲部は、当該ステンレス鋼製パネルの当該圧力解放部に隣接し、当該管状のバックストップの曲線を成す隣接する外表面部よりも大きい曲率の、曲線を成す外表面部を有する。好ましくは、当該管状のバックストップの当該最も外側の部分は、その中の一連の開口部を有し、それによって、当該バネ鋼製パネルの当該圧力解放部に対して、所定の位置に当該バックストップを取り付けるのに役立つコネクタへのアクセスが可能となる。また、当該管状のバックストップの当該曲面は、当該ベント構造体の当該圧力解放部の開口中に、運動エネルギーの吸収と消散に貢献する。
【0020】
管状のバックストップを有する長方形のベント装置は、当該バネ鋼製パネルから離れる方向における低い全高、および、多くの異なったサイズのパネルを備える当該管状のバックストップを使用できるため、特定の設置における使用には特に有利である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】ベント構造体と当該ベント構造体のためのフレーム組立品を含む本発明のベント装置の好ましい実施形態の斜視図であり、フレーム組立品は、当該ベント構造体の当該ベントユニットの当該移動可能な圧力解放部のための、外側に向けられて2箇所で湾曲したバックストップを有する。
【図2】図1のベント装置の平面図であり、当該ベントユニットの上に位置し、当該ベントユニットのパネルの中に低強度線を規定する当該スリットを説明するために除去された発泡体パネルの部分を備える。
【図3】図2の線3-3に沿って切断し、矢印の向きに見たベント装置の垂直方向の部分断面図である。
【図4】図1に示すような、ベント装置の分解斜視図である。
【図5】図1のベント装置の一部を形成するベントユニットの分解斜視図である。
【図6】図1のベント装置の一部の垂直方向の部分拡大断面図である。
【図7】図5のU字型の弾性スリットカバーの描写のない、図4のベントユニットの部分拡大断面図である。
【図8】図1のベント装置のための代替フレーム部材の垂直方向の断面図である。
【図9】薄板の部品を説明する代替ベントユニットの一部の部分拡大断面図である。
【図10】図9の代替ベントユニットを組み込んだベント装置の垂直方向の断面図であり、図9に示す当該ベントユニットの当該圧力解放部をその当該開口位置で説明し、そのベント装置は、所定の超過圧力の下でその開口に続いて初期位置に戻った当該移動可能な圧力解放部パネルを備える。
【図11】ベントユニットの別の代替実施形態の平面図であり、通常、閉じ込められた空間の当該ベント孔(aperture)の上に位置する非バネ鋼製の金属シートの当該圧力解放部と接触(engage)した一連のバネ鋼製板を説明し、そのベントユニットは、閉じ込められた空間の中の超過圧力の解放後に、当該非バネ鋼製の金属シートの当該圧力解放部をその当該初期位置に動作可能に戻す当該板を備える。
【図12】代替ベントユニットの他の薄板の部品の一部を描写した、図7と9と同様の部分拡大断面図である。
【図13】当該薄板のベントユニットの当該移動可能な圧力解放部の完全開口と再閉鎖後の当該ベントユニットを示す、図12の当該薄板の部品の位置を説明する垂直方向の断面図である。
【図14】薄板のもう1つの代替ベントユニットの一部の部分拡大断面図である。
【図15】その当該移動可能な圧力解放部の当該バネ鋼部の完全開口と再閉鎖後の図14の当該ベントユニットの当該薄板の部品の位置を説明する、垂直方向の断面図である。
【図16】特に衛生上のアプリケーションに役立つように当該ベント装置を適合させる関連ガスケットを有する、別の代替形式のベント構造体の平面図である。
【図17】図16に示すような当該ベント構造体の縮小したスケールでの垂直方向の部分断面図である。
【図18】図16に描写した当該ベント構造体の一部の部分拡大断面図であり、当該ベント構造体の当該ベントユニットと当該ガスケット用の支持部材との間に備えても良い、横断面がU字型のほぼ長方形のガスケットを説明する。
【図19】当該ベントユニットの当該圧力解放部の開口を制限するための、外側に向けられたバックストップを有する代替ベント装置の垂直方向の部分拡大断面図である。
【図20】上面の長方形の押さえフレームのない、図19に示すような当該ベント装置の縮小した平面図である。
【図21】図15に示すような当該ベント装置の斜視図である。
【図22】当該ベントユニットの当該圧力解放部のための代替バックストップ構造体を有する、ベント装置の斜視図である。
【図23】図22に示す当該ベント装置の垂直方向の部分拡大断面図である。
【図24】本発明に従った円形ベント装置の斜視図である。
【図25】図24に示すような当該円形のベント装置の平面図である。
【図26】図24と25に説明するような当該円形のベント装置のほぼ概要の側面図である。
【図27】当該装置の当該下部取り付けフレームを除去した、図24と26の当該ベント装置の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<詳細な説明>
本発明の好ましい長方形のベント装置は、図1-7に説明され、ほぼ数字30で指定される。ベント装置30は、予期しなかった超過圧力の発生からの保護を必要とする領域を示す、構造体34(図6)の当該ベント孔(aperture)32を通常閉鎖する位置に取り付けられるように適合している。この点で、本発明の当該ベント装置30は、図1-7に示す形式の中で、または、例えば、図15、17、および、20-22に示すように、代替フレーム支持部材と併せて、ユーザに提供しても良いことが理解されるべきである。
【0023】
例えば、長方形の金属製のフレーム要素36は、ベント孔(aperture)32を取り囲む関係に、構造体34の上に取り付けられ、固定されても良い。フレーム要素36の内側の開口部38は、構造体34の当該ベント孔(aperture)32とほぼ位置合わせされる。ベント装置30のフレームユニット40は、フレーム要素36と下に位置する構造体34の上に取り付けられる。フレームユニット40は、相互に間隔を開け、長方形のベース部46と一体化した、外側に湾曲した4枚のリップ部42と44を有する。内側に湾曲した一連の環状フランジ48は、フレーム要素36に固定され、フレームユニット40のベース部46の外表面を通り抜けて延在し、それから外側に突出したスタッド52をはめ込むためのそれぞれの開口部50を規定する。ナット54は、それぞれのスタッド52にねじ込まれ、フレームユニット40のベース部46の外表面に対して置かれた座金56と接触(engage)係合する。好ましくは、シリコンゴム製の、または、同様のもの製の、分割された、長方形の弾性ガスケット58は、フレーム組立品のフレーム要素36とベース部46の間に配置され、フレームユニット40のそれぞれの環状フランジ48をはめ込むためにその中に一連の開口部を有する。あるいはまた、構造体34に対してフレームユニット40を固定するために、構造体34、フレーム要素36、および、フレームユニット40のベース部46を通り抜けて延在するボルトを備えても良い。それぞれのスタッド52にねじ込まれたナット54は、対応するベント孔(aperture)32と位置を合わせた構造体34に対して、フレームユニット40と、その結果、当該装置30を確実に固定するのに役立つ。
【0024】
装置30のベント構造体60は、バネ鋼製パネル64、および、第2のバネ鋼製パネル66で構成される、ラミネートされた複合のベントユニット62(図5)を含み、同じサイズ、および、外形寸法の2つのバネ鋼製パネルは、フレームユニット40の幅寸法と長さ寸法に実質的に対応する。適当なバネ鋼の材料は、硬化した301、304、316、316L、および、316LTiステンレス鋼である。ステンレスのバネ鋼の代わりに、当該パネル64と66は、既知の金属硬化技術に従って、圧延、焼き戻し、および/または、焼きなましすることによって適当に硬化した、例えば、インコネル、チタニウム、ニッケル、または、ハステロイのような、他のバネ鋼金属から製作されても良い。当該パネル64と66は、その外周に配置された間隔を開けた一連の孔(aperture)68を有し、パネル64の当該孔(aperture)68は、パネル66のそれぞれの孔(aperture)68と位置合わせされる。孔(aperture)68は、フレームユニット40のベース部46と一体化した環状フランジ48によって規定された対応する開口部50と位置が合うように配置される。
【0025】
ラミネートされたベントユニット62のバネ鋼製パネル64と66は、それぞれU字型の低強度線72を連携して規定する、終端間の間隔を開けた一連のスリット70を有する。当該パネル64と66のそれぞれの中の当該低強度線72は、脚間部(bight segment)72cの終端によって接合された、対向する1組の脚部72aと72bを有する。それぞれの低強度線72は、開口の際にそれぞれのパネル64と66の当該蝶番領域76の周辺で湾曲し、それぞれの脚間部(bight portion)72cから遠く離れたそれぞれの低強度線72の脚部72aと72bの終端部(terminal end)の間にある圧力解放部74を規定する。従って、それぞれの蝶番領域76が、パネル64と66と一体化され、一体化した部品になることが理解されるべきである。
【0026】
合成樹脂材料製の比較的薄くて細長い部品78は、パネル64の中の当該低強度線72をカバーする関係で、パネル64の下に位置し、合成樹脂材料製の同様に比較的薄くて細長い部品80は、パネル66の中の当該低強度線72の上に位置する。比較的薄い合成樹脂製シート82は、パネル64と66の間、および、細長い部品78と80のそれぞれの間に挿入される。当該シート82は、パネル64と66と同じ長さ寸法と幅寸法を有しても良く、その結果、孔(aperture)68と位置が合う開口部をその中に有しても良く、または、シート82は、細長い部品78と80の外側のエッジと実質的に等しい寸法を有しても良い。パネル64と66と同じ寸法を有する場合は、シート82は、パネル64と66の中の孔(aperture)68と位置が合う開口部をその中に有する。好ましくは、当該細長い部品78と80、および、シート82は、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、または、PTFEやPFAなどの同等物から製作される。
【0027】
例えば、図1、6、および、7に示すように、細長い部品78がラミネートされた複合のベントユニットに組み込まれると、細長い部品78は、パネル64とシート82の間に挿入され、細長い部品80は、シート82とパネル66の間に配置される。
【0028】
好ましくは、フレームユニット40の外形寸法は、ラミネートされたベントユニット62の外形寸法とほぼ同じである。フレームユニット40の金型切断された(die cut)中央部84は、外側に向けられたバックストップ86を形成するために、フレームユニット40の長方形の外周から離れて湾曲する。中央部84の幅は、低強度線72の脚部72aと72bの間の距離とほぼ等しく、中央部84の長さは、それぞれの脚部72aと72bの長さ、およびその結果、低強度線72の脚間部(bight portion)72cと蝶番領域76の間の距離とほぼ等しい。バックストップ86は、フレームユニット40のベース部46の隣接する横方向部分46aと一体化した、横方向に延びる最も内側の湾曲部88を有する。バックストップ86の最も外側の湾曲部90は、また、バックストップ86の中央部84から離れて湾曲し、最も内側の湾曲部88と同じ方向に湾曲している。ベント装置30の好ましい実施形態における、バックストップ86の湾曲部88と90の湾曲の内側の曲率半径は、約50mmである。フレームユニット40の長方形の外周部から外側に延在するバックストップ86の主要な中央部84は、パネル64の面に対して、約90°の角度に向けられる。好ましくは、バックストップ86の中央部84と湾曲部90は、その縦方向の合計で、ベントユニット62の圧力解放部74の長さとほぼ等しい長さを有する。
【0029】
当該バックストップ86用の補強を提供するために、通常バックストップ86の最後部の面に、図2と3に説明するように、1組の支柱92を備えても良い。これらの図から明らかなように、それぞれの支柱92は、フレームユニット40のベース部46の横方向部分46aに固定された脚内側端部94を含む。それぞれの支柱92の脚中間部96は、図3に示すように、バックストップ86の中央部84に対してある角度を成す。それぞれの支柱92の脚外側端部98は、湾曲部90に近接したバックストップ86の中央部84の隣接する面に取り付けられる。
【0030】
ベント装置30の特定のアプリケーションでは、ベントユニット62のベントパネル64の圧力解放部74上に凝縮物が溜まるのを防ぐために、絶縁材の層100を、ベントパネル64の最も外側の面の上に位置する関係に備えるのが望ましい。絶縁材の層100は、従来の多孔性の発泡材料で形成されても良い。好ましくは、発泡材の層100の長さ寸法と幅寸法は、パネル64の圧力解放部74の長さと幅とほぼ等しい。
【0031】
動作中に、弾性ガスケット58が、当該弾性ガスケットを通り抜けて延在するスタッド52と位置合わせして、フレーム要素36の上に置かれる。次に、例えば、図1に示すような形状と構造体のベント装置30が、フレーム要素36の上に置かれ、構造体34に装置30を確実に固定するために、ナット54が締め付けられる。開口部50を規定する環状フランジ48の外側の余白部が、フレーム要素36に対して最低位置にあり、弾性ガスケット58の超過圧縮を防ぎ、同時に、弾性ガスケット58が、当該保護される領域の内側と周囲の大気との間をシールできるくらい圧縮されることに注意すべきである。
【0032】
ベント装置30によって保護される閉じ込められた空間の中の超過圧力状態が、隣接するスリット70の終端間のパネル64と66の領域を切り裂くことができるくらいのレベルに達し、さらに、低強度線72と位置合わせされたエッジに沿って細長い部品78と80とシート82を切断すると、パネル64と66の圧力解放部74は開口し、それぞれの蝶番領域76の周辺で湾曲する。ベントユニット62の圧力解放部74は、ベント孔(aperture)32を閉鎖するそれらの初期位置から、選択された開口位置まで、バックストップ86の隣接する面と接触(engage)するパネル64と共に移動する。バックストップ86は、パネル64と66の圧力解放部74の湾曲動作を止め、当該ベントユニット62の当該圧力解放部74の動作の運動エネルギーを制限し、吸収し、抑制し、その結果、パネル64と66の蝶番領域76の弾性エネルギー係数と弾性係数を超過する対応する円弧に沿った圧力解放部74の揺動を防ぐ。従って、当該バネ鋼製パネル64と66の弾性エネルギー係数と弾性係数が超過しないので、圧力解放部74の約90°の角度への揺動運動に関するこの制限は、当該ステンレスのバネ鋼製パネル64と66の当該圧力解放部74が、その開口位置からそれらの初期位置に戻ることを保証する。
【0033】
バックストップ86の湾曲部90の供給は、ベントパネル64と66の圧力解放部74の運動エネルギーを吸収し、抑制する際に特に役立ち、低強度線72の脚間部(bight portions)72cによって規定されたパネル64と66のエッジは、蝶番領域76から最も遠く間隔を開けており、従って、構造体34によって規定された保護される領域の中に起こる超過圧力状態に対応した圧力解放部74の開口中に、最大速度で移動する。
【0034】
ベントパネル64の最も外側の面上に、発泡材料の絶縁材の層100を備える場合は、絶縁材の層100は、バックストップ86の隣接する面に対して圧縮する。絶縁材の層100は、ベントユニット62の圧力解放部の開口中に発生する運動エネルギーをさらに減少させるように機能する。その結果、絶縁材の層100は、圧力が解放された後に、圧力解放部74が孔(aperture)32を閉鎖するそれらの初期位置に戻らない状況を、ベントパネル64と66の圧力解放部74が引き起こさないようにしている。
【0035】
好ましくは、パネル64と66が製作されるバネ鋼の材料は、鉄鋼であり、それぞれのバネ鋼製パネルの降伏点と引張り強度の差は、約300N/mm2以下である。好ましくは、当該バネ鋼の材料の降伏点と引張り強度は、それぞれ少なくとも約1200N/mm2と1450N/mm2である。ステンレスのバネ鋼は、耐食性のために好まれる。当該バネ鋼の降伏点と引張り強度は、熱硬化、圧延、または、その両者によって上昇する。当該バネ鋼の必要な降伏点と引張り強度を得るために、当該金属の焼きなましと焼き戻しを実施しても良い。
【0036】
ベント装置30のベントユニット62の製作に役立つ典型的なバネ鋼の材料としては、Precision Metals M.V. B-2800 メッヘレン、ベルギーから購入可能であり、1404-1463N/mm2の引張り強度、431-446HVの硬度、および、11.5-16.5の伸び(A80mm%)を有するオーステナイト系ステンレス鋼1.4310C1300の固い圧延EN10088-2、1440-1460N/mm2の引張り強度、465-468HVの硬度、および、13-16の伸び(A80mm%)を有するEN10151 AMS 5519、および、(a) 1325N/mm2の引張り強度、403HVの硬度、および、A50:9の伸び(A80mm%)、(b) 1412-1428N/mm2の引張り強度、429-431HVの硬度、および、1.2の伸び(A80mm%)、(c) 1397N/mm2の引張り強度、423HVの硬度、および、A50:4の伸び(A80mm%)、(d) 1410-1414N/mm2の引張り強度、400-402HVの硬度、および、1.4の伸び(A80mm%)、および、(e) 1380-1382N/mm2の引張り強度、441HVの硬度、および、16-18の伸び(A80mm%)、を有するEN10151タイプを含む。特に役立つステンレスのバネ鋼の材料は、1350 N/mm2から1500N/mm2までの引張り強度と0.05 mmから3mmまでの、好ましくは、0.5mmの厚さを有するC1300である。好ましくは、当該細長い部品78と80、および、シート82は、約0.250mm、好ましくは、約0.0125mmから約0.30mmまでの厚みを有し、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、あるいはまた、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、または、ペルフルオロアルコキシル基を持つポリマー(PFA)でできている。当該ベントユニット62を含む典型的なベント装置30は、例えば、幅420mm×長さ475mmでも良い。例えば、そのベント構造体60のバックストップ86は、パネル64の面から外側の方向に約310mm延在しても良い。
【0037】
超過圧力時の破壊圧力の仕様が、ベント装置30のベントユニット62のために確立された後に、ベントユニット62の製作用の寸法を含む特定の材料が決定され、そして、低強度線72は、当該パネルの当該圧力解放部74が、当該指定された超過圧力で完全に開口することを保証する当該金属製パネルの中に形成される。特定の例では、受け入れられた産業的慣例に従って、部品の特別な選択とそのための製作パラメータによって、所定の超過圧力で開口するベント構造体が実際に得られることを確認するために、経験的テストを実施し、次に、当該テストデータの結果に従って、顧客に届けられるベント構造体を製造しても良い。
【0038】
図3は、例として爆発、または、高速燃焼の炎によって引き起こされた予期しなかった超過圧力から閉じ込められた領域(zone)を保護する当該ベント装置30の、正常な動作位置におけるほぼ概要の断面図である。ベントユニット62のパネル64と66の圧力解放部74は、当該保護される領域の中の当該高圧力を解放するために、それぞれの蝶番領域76の周辺ですぐに完全に開口する。当該バックストップ86は、パネル64の外表面の当該バックストップ86との接触(engage)の結果、それぞれの蝶番領域76の周辺で圧力解放部74の揺動運動の程度を制限して、止めるのに役立つ。バックストップ86の横方向に延びる内側の湾曲部88は、パネル64と66の圧力解放部74を、内側の湾曲部88の湾曲した形状とぴったり一致するように、パネル64の隣接する蝶番領域76に対して、戦略的に配置されている。バックストップ86の内側の湾曲部88の滑らかな変化の湾曲は、ベントパネル64と66の圧力解放部74の蝶番領域76が、高圧力作動中とその開口中にパネル64と66の蝶番領域76に加えられた高い力の結果、それぞれのパネル64と66からの圧力解放部74の分離を引き起こす傾向がある折り目線の周辺で湾曲するのを防ぐ。また、バックストップ86の最も内側の湾曲部88の湾曲は、当該パネルの開口中に生じた運動エネルギーを取り除くためのなめらかに湾曲した表面を備えている。同様に、バックストップ86の湾曲部90の曲面の周辺での、ベントパネル64と66の圧力解放部74の外側の余白部の湾曲は、当該圧力解放部74の開口からの運動エネルギーの吸収、抑制、および、除去に貢献し、例えば、図1と6に示すように、バネ鋼製パネル64と66の圧力解放部74がそれらの初期位置に戻るのを妨げる程度まで、当該バネ鋼の材料が、その降伏点と引張り強度を超過するのを防ぐ。
【0039】
図8に示すベント装置30'は、孔(aperture)32と位置を合わせた構造体34に接続されるように適合している、横断面がL字型の従来の長方形のフレーム102の供給のみにおいて、装置30と異なる。フレーム102は、図6のフレーム要素36に対する代替物として役立ち、構造体34などのような壁構造体に垂直な外側に向けられた4本の脚104、および、それぞれの脚104に垂直な4本の脚106を有する。従って、フレーム102の脚106は、図6に示すような当該フレーム要素36と本質的に同等である。スタッド108は、脚106に固定され、脚106から離れて延在し、当該ベントユニット62の中の孔(aperture)を貫通する。平坦で、長方形のフレーム部材110は、ベントユニット62、および、フレームユニット40'の外周エッジの上に位置し、それぞれの当該スタッド108の上のナット112によって、所定の位置に固定される。フレーム部材110が、スタッド108をはめ込むための開口部を規定して、フレーム102の脚106の隣接する表面に載せた環状フランジ48と同様の一連の環状のフランジを有することが理解されるべきである。また、大抵の場合、フレーム102の脚106とベントユニット62のパネル66の隣接する表面の間に、弾性ガスケット58などの長方形の弾性シールガスケットを備える。また、当該フレームユニット40'は、好ましくは、バックストップ86と同じ形状を有するバックストップ86を規定する外側に延びる湾曲部を有する。
【0040】
図8は、圧力解放部74の開口に影響を与える超過圧力による作動後のベント構造体60のベントユニット62の状態をほぼ表している。当該ベントパネル64と66は、それらの固有の弾力と復元力のため、圧力が解放されるとすぐに、図8に示されているように、ベント孔(aperture)を閉鎖する位置に戻る。図8から観測されるように、当該パネル64と66のそれぞれの低強度線72によって規定される圧力解放部74の余白部は、フレーム102とフレーム部材110の隣接する内側のエッジと実質的に隣接し、その結果、当該圧力解放部74が、構造体34の中の孔(aperture)32を封鎖(block)する。ベントパネル64と66によるベント孔(aperture)32の即座の閉鎖は、当該ベント孔(aperture)が即座に封鎖(block)されない場合に起こり得る二次爆発と、高速燃焼の炎の再点火の継続か回避に対する軽減効果を有する。
【0041】
ベント構造体160を有する代替ベント装置130は、図10に示すように、説明目的のためだけに再び示す、フレーム102と同様に、従来のフレーム134に取り付けられるように適合している。ベント構造体160のベントユニット162は、バネ鋼製パネル64と同様の構造体、材料寸法、および、厚さの単一部品のバネ鋼製パネル164を有するという点だけが当該ベントユニット62と異なっている。パネル164は、パネル64と66の中の低強度線72を規定するスリットのように、終端間の間隔を開けた一連の(図示しない)スリットによって規定されたU字型の低強度線を備える。ステンレスの非バネ鋼製パネル178と180は、非バネ鋼製パネル178と180の間に挿入されたFEP、PTFE、または、PFAのシート182を備えるバネ鋼製パネル164の上に位置する。また、当該非バネ鋼製パネル178と180は、パネル164の中の低強度線を補完する低強度線を規定するスリットを有する。好ましくは、当該非バネ鋼製パネル178と180は、当該バネ鋼製パネル164とほぼ同じ厚さを有する。フレーム部材110と同様に、スタッド139とナット142と関連したフレーム要素136は、フレーム134の上にベントユニット162を保持するのに役立つ。
【0042】
フレームユニット40'のようなフレームユニット140は、バックストップ186を規定する外側の直立部184を有する。ベント装置130の代替バックストップ186は、最も内側の湾曲部188を有するという点においてバックストップ86と同様であるが、主に当該直立部184が実質的に直線的であり、外側の湾曲部を有していないという点においてバックストップ86と異なっている。しかしながら、必要に応じて、バックストップ186は、本発明の好ましい実施形態に従って、バックストップ86の湾曲部90のように、第2の外側の曲面を有しても良い。
【0043】
図10から観測されるように、当該ベントユニット162の開口の際に、パネル164の圧力解放部174は、フレーム134のベント孔(aperture)138を封鎖(block)する初期位置に戻り、非バネ鋼製パネル178と180の圧力解放部174は、バックストップ186の直立部184によって制限されたそれらの作動状態のまま残っている。当該FEP、PTFE、または、PFAのシート182は、パネル178と180の圧力解放部174の間に挟み込まれたまま残っている。
【0044】
図11-13に示すように、当該ベント装置230は、フレーム102と同様の従来のフレーム202とフレーム要素236の間で固定されるように示される、ベントユニット262を備えるベント構造体260を含む。当該ベント構造体260は、図の非バネ鋼製パネル178と180と同様に、ステンレスの非バネ鋼製パネル278と280を有する。当該パネル278と280は、FEP、PTFE、または、PFAのシート282によって分離される。図11を見て分かるように、パネル278は、終端間の間隔を開けた一連のスリット270によって規定されたU字型の低強度線272を有する。低強度線272の脚部272aと272bの終端部(terminal end)は、当該低強度線272の脚間部(bight portion)272cを接合し、脚間部(bight)272cから遠く離れた脚部272aと272bの終端部は、パネル278の蝶番領域276を構成する。当該パネル280が、低強度線272を補完する低強度線を規定する、終端間の間隔を開けた一連の(図示しない)スリットを有することが理解されるべきである。
【0045】
隣り合って間隔を開けて平行に並んだ、複数のステンレスのバネ鋼製板294は、ベントパネル278の最も外側の面の上に位置する。パネル278の中の低強度線272の脚間部(bight)272cから遠く離れた板294の終端は、スポット溶接296の例のように、パネル278の上面にスポット溶接される。蝶番領域276に隣接する板294の終端は、フレーム234の脚とフレーム要素236の隣接する脚の間に挟み込まれる。フレームユニット240の金型切断された(die cut)中央部284は、フレームユニットの長方形の外周から離れて湾曲し、バックストップ186と同じ形状か、または、バックストップ86と同様かのいずれかの、外側に向けられたバックストップ286を形成する。
【0046】
図13は、所定の超過圧力によるその作動の結果、ベントユニット262のパネル278と280の圧力解放部274の開口後のベント装置230の断面の説明図である。図13から観測できるように、当該バネ鋼製板294が、パネル278と280を実質的にその初期位置に戻し、その結果、フレーム202のベント孔(aperture)の即座の閉鎖が、炎か爆発から生じる圧力の消散に影響を与える。当該板294は、前述したバネ鋼製パネル64と66のものと同様の復元力と弾力パラメータを有するバネ鋼の材料で構成される。板294の外側の終端は、最初に、パネル278の圧力解放部274がバックストップ286と接触(engage)するまで湾曲させられる。パネル280の圧力解放部274は、バックストップ286によって同様に抑制される。超過圧力状態が解放されるとすぐに、パネル278に対して加圧する板294によって、パネル278が元の位置に実質的に戻り、その結果パネル280もまた初期位置に戻り、それによって、パネル278と280がベント孔(aperture)238を実質的に閉鎖する。
【0047】
図14、15、および、21に示すようなベント装置330は、従来のフレーム502に取り付けられるベント構造体360を有し、図14の概要の部分断面図に説明するように、ステンレスの非バネ鋼製パネル378と関連して、単一部品のバネ鋼製パネル364を備えるのを除いて、ベントユニット162と同じ構造体と動作を有するベントユニット362を含む。ベント装置230の中にあるような中間的なステンレスの非バネ鋼製パネルは、ステンレスの非バネ鋼製パネル378とステンレスのバネ鋼製パネル364の間で省略される。1枚のFEP、PTFE、または、PFAのシート382は、ステンレスの非バネ鋼製パネル378とステンレスのバネ鋼製パネル364の間に挿入される。図15は、部品の作動後の位置を示し、図10における描写のように、バネ鋼製パネル364の圧力解放部374が、ベント孔(aperture)338の上の初期の閉鎖位置に戻ったのに対して、ステンレスの非バネ鋼製パネル378の圧力解放部374が、バックストップ386の中央部384に近接したまま残っている。FEP、PTFE、または、PFAのシート382の作動部分は、描写したように、パネル378の圧力解放部374に隣接したまま残っても良いし、または、初期位置に戻ったバネ鋼製パネル364の圧力解放部374に対して横置きしても良い。
【0048】
図16-18に描写したようなベント装置430は、衛生上のアプリケーション用に特に適合している。この実施形態では、ベント装置430のベントユニット462は、ベントユニット62、162、262、または、362のいずれにも備えられるような金属製パネルを有しても良い。図16の平面図に示すようなベントユニット462の上面パネル464は、U字型の低強度線472を規定する、間隔を開けた一連のスリット470を有し、中央の圧力解放部474を構成する。ベントユニット462を構成するすべての金属製パネルは、同様に位置合わせされたU字型の低強度線を有する。
【0049】
前述したベント装置と比較したときのベント装置430の違いは、ベントユニット462を支持するためのフレーム組立品440、および、図17に示すように、ベントユニット462が閉鎖している状態のときに、周囲の大気からフレーム部材402のベント孔(aperture)438を隔離する関連した長方形の弾性ガスケット410である。孔(aperture)438を規定する開口部を有するフレーム部材402は、超過圧力状態から保護されるべき容器、さまざまな構造物、または、設備の一部であっても良いし、そのような容器、構造物、または、設備に取り付けられるように適合している長方形のフレームか、または、同様のものを含んでも良い。フレーム部材402が、別々のフレームである場合は、その結果規定されたベント孔(aperture)438は、弾性ガスケットの一部が、ある程度まで図17と18に示すようなフレーム部材402の下に位置することができるように、保護を必要とする領域の中の開口部よりも小さな寸法のものでなければならない。
【0050】
ベントユニット462を支持するためのフレーム組立品440は、フレーム部材402を含み、別々のフレームとして備えられる場合は、長方形のフレーム部材412、および、長方形の主要なフレーム要素436を含んでも良い。図18に示すように、フレーム部材412は、フレーム部材402か、または、ベント装置430が取り付けられる容器、構造物、または、他の種類の設備の壁かのいずれかに対して置かれる。フレーム要素436は、フレーム要素436の外周に延在する外側に向けられた周辺のリップ部442を有する。ベントユニット462の1つの余白部は、フレーム部材412とフレーム要素436の間に挟み込まれる。一連のスタッド406は、フレーム部材412に接続され、ベントユニット462とフレーム要素436のベース部446を通り抜けて延在する。スタッド406の上のナット408は、フレーム組立品440に対して、ベントユニット462を確実に固定する。
【0051】
フレーム要素436の金型切断された(die cut)中央部484は、好ましくは、図3に示すように、バックストップ86と同じ形状を有し、従って、最も内側の湾曲部と外側の湾曲部を有するか、または、バックストップ186の形状を有する外側に向けられたバックストップ486を形成するために、フレーム要素436の長方形の外周から離れて湾曲する。
【0052】
弾性ガスケット410は、ベント孔(aperture)438の長さ寸法と幅寸法にほぼ対応する全体的に長方形の形状を有し、フレーム部材402のエッジを規定する孔(aperture)を補完し、その上にぴったり合うU字型の溝414を有する。フレーム部材412は、フレーム部材402とベントユニット462の隣接する部品の間に挟み込まれた弾性ガスケット410の一部418が圧縮されるような厚さを有するので、その結果、保護を必要とする容器、構造物、または、設備の内側が、周囲の大気から隔離されることを保証する。弾性ガスケット410の外側に向けられたリップ部416は、ベントユニット462の下表面と接触(contact)してシールする関係にある。
【0053】
ベントユニット462の動作は、パネルの圧力解放部474が、所定の超過圧力の下で開口し、次に、超過圧力状態の解放の際にベント孔(aperture)438を閉鎖するために、その初期位置に戻るという点でベントユニット62と162-362の動作と同じである。
【0054】
また、ベント装置530も、図19-21に示すように、特に衛生上のアプリケーションに役立つ。ベント構造体560のベントユニット562は、ベントユニット62、または、ベントユニット162、262、または、362と同じでも良い。備えられたガスケット構造体は、ベント構造体560とベント構造体460の間の第一の違いである。説明目的で、フレーム502は、必要に応じて、図8に示すフレーム102と同様に、横断面がL字型の長方形のフレーム要素536を有しても良い。フレーム502は、内側のベント孔(aperture)538を規定するフランジか、または、脚部502aと脚部502bを有する。長方形の弾性ガスケット582は、フランジ502aの最も外側の面の上に置かれる。長方形のフレーム部材590は、フランジ502aに対向する弾性ガスケット582の表面に対して配置される。図20から分かるように、フレーム部材590の最も内側のエッジ590aは、弾性ガスケット582の最も内側のエッジを越えて内側に延在する。別の長方形のフレーム部材592は、フレーム部材590に対して配置される。部材592の最も内側の余白部は、弾性ガスケット582の内側の余白部と位置合わせされ、従って、フレーム部材590のケースのように、弾性ガスケット582とフレーム部材592の内側には延在しない。ベント構造体560の複合のベントユニット562は、フレーム部材592の外側の面に対して置かれる。ベース部536aと下向きに湾曲した外周のリップ部536bを有する長方形のフレーム要素536は、複合のベントユニット562のエッジの上に置かれる。長方形の押さえフレーム部材596は、フレーム要素536のベース部536aの上に位置する。スタッド550の上のナット556は、押さえフレーム部材596の外表面と接触(engage)する。
【0055】
また、フレーム要素536の金型切断された(die cut)中央部584は、好ましくは、図3に示すように、バックストップ86と同じ形状を有するか、または、図15に描写したように、バックストップ386と同様の本質的に外側の直線部を備える、外側に向けられたバックストップ586を形成するために、フレーム要素536の長方形の外周から離れて湾曲する。
【0056】
そのエッジ590aに隣接するフレーム部材590の最も内側の部分によって備えられる、長方形の管状のガスケット598は、ベントユニット562の対向する表面と接触(engage)するように構成され、配置される。図20から分かるように、ガスケット582と598は、周囲の大気から内側の保護される空間を隔離するシールとして機能する。
【0057】
ベント構造体560のベントユニット562とベントユニット62、162、262、および、362の間の別の違いは、パネルの中の低強度線の代替形状である。例えば、図19に示すように、終端間の間隔を開けた一連のスリット570によって規定された、最も上側のパネル564の中の低強度線572は、低強度線572の脚間部(bight section)578の反対側に、内側に湾曲した脚部576を有する。低強度線560の内側に湾曲した脚部562は、間隔を開けた関係であり、連携して、ベントユニット562を構成するパネルの圧力解放部574のための蝶番領域580を規定する。
【0058】
ベント装置530の動作は、超過圧力がベントユニット562の圧力解放部574に適用される場合に、圧力解放部がバックストップ586によって制限された円弧に沿って開口する点で、前述したベント装置と同じである。保護される領域の中の高圧力の解放の際に、偏った(biased)圧力解放部574は、バネ鋼製部品か、または、ベントユニット562の一部を構成する部品のため、それらの閉鎖位置に戻る。
【0059】
図22と23に示すようなベント装置630の実施形態と前述した他の実施形態との間の主要な違いは、直立のバックストップ86、186-586との交換品としての管状のバックストップ686である。管状のバックストップ686は、平坦なベース部688a、ベース部688aと一体化した対向する湾曲部688b、湾曲部688bと一体化した上側の対向する湾曲部688c、および、湾曲部688cと一体化した頂上部(crown segment)688dを含むシェル688を有する。ベース部688aは、構造体の容易さのために単一部品として示すが、ベース部688aは、ベース部688aの中央で相互に隣接する、2つの別々の部品でも良いことが理解されるべきである。
【0060】
バックストップ686の典型的な実施形態では、バックストップ686のシェル688は、管状のシェルの約130mmの全幅と約2mmの肉厚を有するステンレス鋼の材料でできていても良い。仮想点A-1とA-2の周辺の湾曲部688bの外径曲率半径は、約50mmである。仮想点B-1とB-2の周辺の湾曲部688cの外径曲率半径は、約105mmである。仮想点Cの周辺のクラウン部688dの外径曲率半径は、約70mmである。
【0061】
バックストップ686は、ベントユニット662のエッジ部、および、ベース部688aに対して置かれたプレート654を通り抜けてフランジ602aから突出するスタッド650を含む接合具によって、代表するフレーム602のフランジ602aに固定されている。ナット656は、プレート654とバックストップ686をフレーム636に固定する。バックストップ686のクラウン部688dは、アプリケーションのための素早いアクセスとバックストップ686を着脱するためのナット656の取り外しを提供するために、それぞれのスタッド650と位置合わせされた一連の開口部688eを有する。
【0062】
ベントユニット662は、ベントユニット62、162、262、または、362のいずれか1つと同様に構成されても良い。ベントユニット662の開口と再閉鎖は、他のベントユニットの動作と同じである。管状のバックストップ686の利点は、ベントユニット662の圧力解放部668の開口動作を制限するための、連続的な曲面を提供することと、それらの圧力解放部が開口して、次に、それらの初期位置に戻るように、ベント構造体の圧力解放部の蝶番領域に適用された湾曲力を、より均一に分散するのに役立つことである。バネ鋼製ベント膜の弾性変形は、例えば、図10、13、15、および、21に示すように、直立のバックストップよりも管状のバックストップ686の方が大きく、その結果、ベント構造体の圧力解放部の動作の運動エネルギーの制限と吸収を増加させる。管状のバックストップ686の他の利点は、1つのサイズが複数のベントユニットのために使用されることがあることと、管状のバックストップが占める利用可能な空間が、直立のバックストップよりも小さいことである。
【0063】
本発明のベント構造体は、例えば、約200mm×200mmから約1500mm×2000mmまで、比較的大きいサイズで特に役立つ。ここに記載されて、説明された様々な実施形態は、異なった超過圧力で開口するために製作されても良い。例えば、ラミネートされた複合のベントユニット62の部品の製作のために選択された材料の種類と厚さを変えること、金属製パネルに引っかき傷対スリットを供給すること、および、スリット70の長さ、低強度線72を規定する個々のスリットの長さ、および/または、隣接するスリットの間のスリットのない距離を変えることによって、ラミネートされた複合のベントユニット62の圧力解放部74の開口に影響を与えるのに必要な超過圧力を変更できる。
【0064】
本発明の物理的な実施形態の動作の停止動作研究は、爆発によって発生したような、所定の超過圧力状態の下で開口中のベントユニットの圧力解放部が、たとえ重要なひずみを受けて、高圧力前部の結果として外観が移動する波状になるとしても、圧力状態の解放の際に、ベント孔(aperture)をほぼ閉鎖する関係にある実質的に元の平面的なひずみのない形状に、予想外に戻ることを示していた。
【0065】
図24-26に示すようなほぼ円形のベント装置700は、爆発か、または、予期しなかった超過圧力の発生から保護されるべき領域の構造体の上に取り付けられるように適合している、横断面がL字型の環状のカップリング部材702を含む。カップリング部材702は、外側に向けられて、周方向に延在する、ほぼ平坦なフランジ部702aと一体化した環状のフランジか、または、脚部702bを有する。ベント装置700の脚部702bは、超過圧力状態からの保護を必要とする構造体に、構造体の中の円形のベント孔(aperture)と位置を合わせて固定されるように適合している。
【0066】
円形のベント装置700のフレーム部材704は、カップリング部材702のフランジ部702aにフレーム要素706を固定するための、ボルトなどの締結具をはめ込むための間隔を開けた一連の孔(aperture)708を備える、ほぼ平面的な環状のフレーム要素706を含む。環状のフレーム要素706と一体化したバックストップ710は、要素706に対して約90°の角度でフレーム要素706の平面から離れて延在する。バックストップ710は、対向する湾曲部714と716とそれぞれ一体化したほぼ平面的な形状の中央部712を有する点で、バックストップ86と同様の構造体を有する。フレーム要素706とバックストップ710の湾曲部714の通常裏面の間に、必要に応じて、1組の支柱718を備えても良い。バックストップ710とバックストップ86の間の主要な違いは、例えば、バックストップ710が全体的にほぼ円形の形状を有するのに対して、図1に最も良く説明するように、バックストップ86が実質的に長方形の形状であることである。
【0067】
円形のベントユニット720は、環状のフレーム要素706とカップリング部材702のフランジ部702aの間に挿入される。好ましくは、ベントユニット720は、終端間の一連のスリット724を有するステンレスのバネ鋼製パネル722を含み、そのスリットが規定するほぼC字型の低強度線726は、中央の圧力解放部727を構成する。低強度線726の対向する終端部(terminal end)726aと726bは、相互に間隔を開け、その間にパネル722の一体化した蝶番領域728を構成する。パネル722の外周の一連の開口部730は、フレーム要素706の中のそれぞれの孔(aperture)708と位置が合うように配置される。
【0068】
円形のベントユニット720は、パネル722と同じ直径、形状、および、構造体の第2のバネ鋼製パネル732を有する。従って、パネル732は、中央の圧力解放部735を示す終端間の一連のスリット736によって規定された円形の低強度線734を有する。低強度線734の間隔を開けた終端部(terminal end)734aと734bは、パネル732と一体化した蝶番領域738を規定する。蝶番領域728と738は、低強度線726と734の対向する終端間の同じ長さを有し、相互に位置合わせされる。
【0069】
好ましくは、FEP、あるいはまた、PTFE、またはPFAの比較的薄い円形のカバーシート740は、パネル722と732の間に挿入される。好ましくは、FEP、PTFE、または、PFAの実質的にC字型の比較的薄い細長い部品742は、カバーシート740とパネル722の隣接する面の間に挿入される。細長い部品742は、低強度線726のスリット724と位置合わせされてカバーするように構成され、戦略的に配置される。細長い部品742の対向する終端742aと742bは、蝶番領域728の幅とほぼ等しい距離に間隔を開けられ、後者と位置合わせされる。FEP、PTFE、または、PFAの実質的にC字型の比較的薄い第2の細長い部品744は、カバーシート740とパネル732の隣接する面の間に挿入される。細長い部品744は、低強度線734のスリット736をカバーするように構成される。細長い部品744の対向する終端744aと744bは、蝶番領域738と位置合わせされ、蝶番領域738の幅とほぼ等しい距離に間隔を開けられる。
【0070】
好ましくは、円形のベント装置700の構造体の材料は、ベント装置30の構造体の材料と同じである。従って、バネ鋼製パネルは、ベント装置30のバネ鋼製パネルと同じ厚さを有し、同じ種類の金属から製作される。同様に、好ましくは、円形のベント装置700のFEP、PTFE、または、PFAの細長い部品とカバーシートは、ベント装置30に関して記載されるように、FEP、PTFE、または、PFA、および、同等な部品と同じ厚さ、および、同じ材料から成る。
【0071】
ベント装置700の好ましい実施形態は、記載したように、その間にポリフッ素化された材料の中間層を有する、パネル722と732などの2つのバネ鋼製パネルを備えるが、ベントユニット720が、図4、5、7、9、12、および、14に説明され、詳細に上述された実施形態のいずれに関しても記載されるようなラミネートされた構造体を有しても良いことが理解されるべきである。
【0072】
また、ベント装置700は、高超過圧力状態を解放するために、ベント装置30と同様の方法で動作する。円形のベント装置700によって保護される領域の中に、それぞれ隣接するスリット724と736の間のパネル722と732のタブ部を分離するのに十分な超過圧力が起こる場合に、パネル722と732の圧力解放部727と735は、保護される領域の中の高超過圧力を解放するために、すぐにそれぞれ開口する。図25から観測されるように、パネル722の中の低強度線726は、フレーム部材704の内側の弓形の余白部に極めて隣接する。パネル722の中の低強度線726とパネル732の中の低強度線734が位置合わせされるので、ベントユニット720を通り抜けた実質的に最大の通気が、最大圧力解放のために得られる。パネル722の隣接する圧力解放部727が接触(engage)したバックストップ710は、バネ鋼の材料の降伏点と引張り強度を超過する程度まで、パネル722と732の蝶番領域728と738に超過ストレスを与えないようにするのに役立つ。従って、保護される領域の中の高超過圧力状態の解放の際に、長方形のベント装置30の圧力解放領域の再閉鎖に関して記載されたものと同様の方法で、パネル722と732は、保護される領域の構造体の中のベント孔(aperture)を実質的に閉鎖するそれらの初期位置に戻る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超過圧力状態の解放のためのベント孔(aperture)を有する閉じ込められた空間を保護するためのベント装置であって、
当該ベント孔(aperture)を通常閉鎖する関係で、その上に配置されるように適合しているベントユニットを含み、当該ベント孔(aperture)を覆った初期の閉鎖位置を有する移動可能な圧力解放部で、当該閉じ込められた空間の中の所定の超過圧力が、当該ベント孔(aperture)を通り抜けて当該ベントユニットの当該圧力解放部に対して適用される場合に、当該ベント孔(aperture)から離れて延在する開口位置に移動可能である圧力解放部を備えるベント構造体と、
当該移動可能な圧力解放部の弾性係数が超過しない程度まで、当該ベントユニットの当該圧力解放部の開口中に、当該ベントユニットの当該圧力解放部と接触(engage)し、当該ベントユニットの当該圧力解放部の動作を止めるために、選択された位置に配置され、当該ベントユニットの当該圧力解放部と接触(engage)している間に、当該移動可能な圧力解放部の中の運動エネルギーを吸収して消散することができるバックストップとを含み、
当該ベント装置の前記圧力解放部は、当該超過圧力状態の解放の際に、当該圧力解放部が開口位置から初期位置に戻ることができるくらいの弾性エネルギー係数と弾性係数とを有する、ベント装置。
【請求項2】
前記ベントユニットは、バネ鋼製パネルを有し、前記圧力解放部は、少なくとも当該パネルの一部である、請求項1に記載のベント装置。
【請求項3】
前記パネルは、ステンレスのバネ鋼製である、請求項2に記載のベント装置。
【請求項4】
当該パネルの降伏点と引張り強度の差は、約30%以下である、請求項2に記載のベント装置。
【請求項5】
当該パネルの降伏点と引張り強度は、それぞれ少なくとも約1200N/mm2と約1450N/mm2である、請求項2に記載のベント装置。
【請求項6】
前記圧力解放部は、当該ベントユニットの中の低強度線によって規定される、請求項1に記載のベント装置。
【請求項7】
前記低強度線は、当該ベントユニットの中の終端間の間隔を開けた一連のスリットによって規定される、請求項6に記載のベント装置。
【請求項8】
前記低強度線は、対向する1組の脚部とその間の脚間部(bight segment)を有する、ほぼU字型の形状を有し、前記脚間部(bight segment)から遠く離れた当該脚部の終端部(end extremities)は、当該ベントユニットの当該圧力解放部のための蝶番領域を規定する、請求項6に記載のベント装置。
【請求項9】
前記ベント構造体は、ほぼ円形の形状を有し、当該低強度線はC字型であり、前記C字型の低強度線の対向する終端間に蝶番領域を構成する、請求項6に記載のベント装置。
【請求項10】
当該ベントユニットに対して、当該ベントユニットの中の前記スリットを閉鎖する関係で配置された1枚の合成樹脂材料シートを備える、請求項7に記載のベント装置。
【請求項11】
前記合成樹脂材料は、フッ素化エチレンプロピレンである、請求項10に記載のベント装置。
【請求項12】
前記ベントユニットは、複数の多層部品を含み、前記部品の1つは、当該ベントユニットの前記圧力解放部を規定する低強度線を備えるバネ鋼製パネルであり、前記部品の別の1つは、当該パネルの中に当該低強度線と少なくともほぼ位置合わせされた低強度線を有する金属シートであり、当該金属シートの降伏点と引張り強度の差は、当該バネ鋼製パネルの降伏点と引張り強度の差よりも実質的に大きい、請求項1に記載のベント装置。
【請求項13】
前記パネルと当該シートは、それぞれの低強度線を規定する終端間の間隔を開けた一連のスリットを備え、前記ベントユニットは、当該パネルと当該シートの中に前記スリットの上に位置して、閉鎖する1枚の合成樹脂材料シートを含む、請求項12に記載のベント装置。
【請求項14】
その中に低強度線を有し、当該バネ鋼製パネルの反対側に配置される1組の前記金属シートを備える、請求項12に記載のベント装置。
【請求項15】
前記ベントユニットは、複数の多層金属部品を含み、2つの前記部品のそれぞれは、位置合わせされた低強度線を備えるバネ鋼製パネルであり、その低強度線は、それぞれのパネルの中の終端間の間隔を開けた一連のスリットによって規定され、当該部品の中の前記スリットは、連携して当該ベントユニットの前記圧力解放部を規定し、少なくとも1枚の合成樹脂材料シートは、対向する部品の中の当該スリットを閉鎖する関係に、前記パネルの間に挿入される、請求項1に記載のベント装置。
【請求項16】
前記バックストップは、外側に向けられたほぼ平面的な部分、および、当該ベントユニットに隣接する横方向に延びる湾曲部を有する、請求項1に記載のベント装置。
【請求項17】
当該バックストップの当該湾曲部の横方向の幅は、当該パネルから離れる方向への当該バックストップの当該平面的な部分の長さよりも実質的に短い、請求項16に記載のベント装置。
【請求項18】
当該バックストップの前記長さは、所定の超過圧力が、当該パネルの当該圧力解放部に対して適用される場合に開口する当該パネルの長さと、少なくともほぼ同じである、請求項16に記載のベント装置。
【請求項19】
前記ベント構造体、および、その当該ベントユニットは、ほぼ円形の形状を有し、前記ベントユニットは、ほぼ円形の圧力解放部を有し、当該バックストップは、当該ベントユニットの当該圧力解放部の形状と実質的にぴったり一致する、ほぼ円形の形状を有する、請求項16に記載のベント装置。
【請求項20】
前記ベント構造体は、当該ベント孔(aperture)と位置を合わせて配置されるように適合しているフレーム部材を含み、当該バックストップの前記横方向に延びる湾曲部は、当該フレーム部材と一体化される、請求項16に記載のベント装置。
【請求項21】
前記ベントユニットは、複数の多層部品を含み、前記部品の1つは、バネ鋼製パネルであり、少なくとも他の2つの部品は、金属シートであり、前記パネルとシートは、終端間の間隔を開けた一連のスリットを備え、そのスリットは、当該パネルと金属シートの中にそれぞれ位置合わせされた低強度線を規定し、前記スリットは、連携して当該ベントユニットの前記圧力解放部を規定し、当該金属シートの降伏点と引張り強度の差は、当該バネ鋼製パネルの降伏点と引張り強度の差よりも実質的に大きく、1枚の合成樹脂材料シートは、当該パネルと前記金属シートに対して、当該パネルと前記金属シートの中の前記スリットを閉鎖する関係に配置される、請求項1に記載のベント装置。
【請求項22】
前記ベントユニットは、少なくとも1組の並列配置されたバネ鋼製パネルを含み、それぞれの前記パネルは、低強度線を規定する終端間の間隔を開けた一連のスリットを有し、当該パネルの中の当該低強度線は、当該ベントユニットの前記圧力解放部を規定するように位置合わせされ、1組の合成樹脂製シートは、当該バネ鋼製パネルの間に、それぞれの低強度線をカバーする関係に配置される、請求項2に記載のベント装置。
【請求項23】
前記ベントユニットは、少なくとも1組の並列配置された金属シート、および、当該金属シートの1つに対するステンレス鋼製パネルを含み、前記金属シート、および、前記ステンレス鋼製パネルは、それぞれの低強度線を規定する終端間の間隔を開けた一連のスリットを有し、当該金属シート、および、ステンレス鋼製パネルの中の前記低強度線は、当該ベントユニットの当該移動可能な圧力解放部を規定するために位置合わせされ、合成樹脂製シートは、前記金属シート、および、ステンレス鋼製パネルの中の当該スリットを閉鎖する位置に配置され、それぞれの当該金属シートの降伏点と引張り強度の差は、当該ステンレス鋼製パネルの降伏点と引張り強度の差よりも実質的に大きい、請求項2に記載のベント装置。
【請求項24】
前記バックストップは、曲線的な外表面を示し、当該ベントユニットの当該圧力解放部の前記選択された開口位置への動作を制限するために配置された湾曲部を有する管状の形状を有する、請求項1に記載のベント装置。
【請求項25】
当該管状のバックストップの前記湾曲部は、当該管状のバックストップの隣接する曲線的な外表面部よりも曲率が大きい、当該ステンレス鋼製パネルの当該圧力解放部に隣接する、曲線的な外表面部を有する、請求項24に記載のベント装置。
【請求項26】
前記管状のバックストップは、その横断面がほぼ楕円形の形状である、請求項24に記載のベント装置。
【請求項27】
前記管状のバックストップは、当該バネ鋼製パネルの当該圧力解放部に対して所定の位置に、当該バックストップを取り付けるためのコネクタへのアクセスを提供する開口部をその中に有する、請求項24に記載のベント装置。
【請求項28】
超過圧力状態の解放のためのベント孔(aperture)を有する閉じ込められた空間を保護するためのベント装置であって、
フレーム組立品と、
当該フレーム組立品の上に取り付けられ、当該ベント孔(aperture)の上に、通常閉鎖する関係で配置されるように適合し、当該ベント孔(aperture)を覆って延在する初期位置を有する、移動可能な圧力解放部を備えるベントユニットを含むベント構造体とを含み、
前記フレーム組立品は、当該移動可能な圧力解放部の弾性係数が超過しない程度まで、当該ベントユニットの当該圧力解放部の開口中に、当該ベントユニットの当該圧力解放部と接触(engage)し、当該ベントユニットの当該圧力解放部の動作を止めるために、選択された位置に配置されるバックストップユニットを含み、前記バックストップは、当該ベントユニットの当該圧力解放部と接触(engage)している間に、当該移動可能な圧力解放部の中の運動エネルギーを吸収して消散することができ、さらに、前記バックストップユニットは、合体して当該フレーム組立品の一部になる、横方向に延びる湾曲部を含み、
当該ベント装置の前記圧力解放部は、前記閉じ込められた空間の中の当該超過圧力状態の解放の際に、当該圧力解放部が開口位置から初期位置に戻ることができるくらいの弾性エネルギー係数と弾性係数とを有する、ベント装置。
【請求項29】
前記フレーム組立品、その上に取り付けられた当該ベント構造体、当該ベントユニット、および、当該バックストップユニットのすべては、ほぼ長方形の形状を有する、請求項28に記載のベント装置。
【請求項30】
前記フレーム組立品、その上に取り付けられた当該ベント構造体、当該ベントユニット、および、当該バックストップユニットのすべては、ほぼ円形の形状を有する、請求項28に記載のベント装置。
【請求項31】
後者が当該ベント孔(aperture)を通常閉鎖する関係にある場合に、当該ベントユニットの外周をシールするよう形状が決められている、ほぼフレキシブルなガスケットを備える、請求項28に記載のベント装置。
【請求項32】
前記ガスケットは、横断面がU字型の形状を有し、当該フレーム組立品に関連する支持部材をはめ込むための溝を有する、請求項31に記載のベント装置。
【請求項33】
超過圧力状態の解放のためのベント孔(aperture)を有する閉じ込められた空間を保護するためのベント装置であって、
当該ベント孔(aperture)の上に、通常閉鎖する関係で配置されるように適合し、当該ベント孔(aperture)を覆って延在する初期位置を有する、移動可能な圧力解放部を備える金属シートを有するベントユニットを含むベント構造体と、
当該閉じ込められた空間の中の所定の超過圧力が、当該ベント孔(aperture)を通り抜けて当該圧力解放部に対して適用される場合に、当該ベント孔(aperture)から離れて延在し、当該金属シートの当該圧力解放部の動作を、選択された開口位置で止めるためのバックストップと、
当該金属シートと接触(engage)し、当該金属シートの当該圧力解放部の開口中に湾曲を受け、前記閉じ込められた空間の中の当該超過圧力状態の解放の際に、当該圧力解放部が、開口位置から初期位置に戻ることができるくらいの力を、当該金属シートの当該圧力解放部に及ぼすような、十分な弾性エネルギー係数と弾性係数を有する一連のバネ鋼製板とを含む、ベント装置。
【請求項34】
当該パネルの前記圧力解放部は、当該金属シートの中の低強度線によって規定される、請求項33に記載のベント装置。
【請求項35】
前記低強度線は、当該金属シートの中の終端間の間隔を開けた一連のスリットによって規定される、請求項33に記載のベント装置。
【請求項36】
当該金属シートに対して、当該金属シートの中の前記スリットを閉鎖する関係に配置された、1枚の合成樹脂材料シートを備える、請求項33に記載のベント装置。
【請求項1】
超過圧力状態の解放のためのベント孔(aperture)を有する閉じ込められた空間を保護するためのベント装置であって、
当該ベント孔(aperture)を通常閉鎖する関係で、その上に配置されるように適合しているベントユニットを含み、当該ベント孔(aperture)を覆った初期の閉鎖位置を有する移動可能な圧力解放部で、当該閉じ込められた空間の中の所定の超過圧力が、当該ベント孔(aperture)を通り抜けて当該ベントユニットの当該圧力解放部に対して適用される場合に、当該ベント孔(aperture)から離れて延在する開口位置に移動可能である圧力解放部を備えるベント構造体と、
当該移動可能な圧力解放部の弾性係数が超過しない程度まで、当該ベントユニットの当該圧力解放部の開口中に、当該ベントユニットの当該圧力解放部と接触(engage)し、当該ベントユニットの当該圧力解放部の動作を止めるために、選択された位置に配置され、当該ベントユニットの当該圧力解放部と接触(engage)している間に、当該移動可能な圧力解放部の中の運動エネルギーを吸収して消散することができるバックストップとを含み、
当該ベント装置の前記圧力解放部は、当該超過圧力状態の解放の際に、当該圧力解放部が開口位置から初期位置に戻ることができるくらいの弾性エネルギー係数と弾性係数とを有する、ベント装置。
【請求項2】
前記ベントユニットは、バネ鋼製パネルを有し、前記圧力解放部は、少なくとも当該パネルの一部である、請求項1に記載のベント装置。
【請求項3】
前記パネルは、ステンレスのバネ鋼製である、請求項2に記載のベント装置。
【請求項4】
当該パネルの降伏点と引張り強度の差は、約30%以下である、請求項2に記載のベント装置。
【請求項5】
当該パネルの降伏点と引張り強度は、それぞれ少なくとも約1200N/mm2と約1450N/mm2である、請求項2に記載のベント装置。
【請求項6】
前記圧力解放部は、当該ベントユニットの中の低強度線によって規定される、請求項1に記載のベント装置。
【請求項7】
前記低強度線は、当該ベントユニットの中の終端間の間隔を開けた一連のスリットによって規定される、請求項6に記載のベント装置。
【請求項8】
前記低強度線は、対向する1組の脚部とその間の脚間部(bight segment)を有する、ほぼU字型の形状を有し、前記脚間部(bight segment)から遠く離れた当該脚部の終端部(end extremities)は、当該ベントユニットの当該圧力解放部のための蝶番領域を規定する、請求項6に記載のベント装置。
【請求項9】
前記ベント構造体は、ほぼ円形の形状を有し、当該低強度線はC字型であり、前記C字型の低強度線の対向する終端間に蝶番領域を構成する、請求項6に記載のベント装置。
【請求項10】
当該ベントユニットに対して、当該ベントユニットの中の前記スリットを閉鎖する関係で配置された1枚の合成樹脂材料シートを備える、請求項7に記載のベント装置。
【請求項11】
前記合成樹脂材料は、フッ素化エチレンプロピレンである、請求項10に記載のベント装置。
【請求項12】
前記ベントユニットは、複数の多層部品を含み、前記部品の1つは、当該ベントユニットの前記圧力解放部を規定する低強度線を備えるバネ鋼製パネルであり、前記部品の別の1つは、当該パネルの中に当該低強度線と少なくともほぼ位置合わせされた低強度線を有する金属シートであり、当該金属シートの降伏点と引張り強度の差は、当該バネ鋼製パネルの降伏点と引張り強度の差よりも実質的に大きい、請求項1に記載のベント装置。
【請求項13】
前記パネルと当該シートは、それぞれの低強度線を規定する終端間の間隔を開けた一連のスリットを備え、前記ベントユニットは、当該パネルと当該シートの中に前記スリットの上に位置して、閉鎖する1枚の合成樹脂材料シートを含む、請求項12に記載のベント装置。
【請求項14】
その中に低強度線を有し、当該バネ鋼製パネルの反対側に配置される1組の前記金属シートを備える、請求項12に記載のベント装置。
【請求項15】
前記ベントユニットは、複数の多層金属部品を含み、2つの前記部品のそれぞれは、位置合わせされた低強度線を備えるバネ鋼製パネルであり、その低強度線は、それぞれのパネルの中の終端間の間隔を開けた一連のスリットによって規定され、当該部品の中の前記スリットは、連携して当該ベントユニットの前記圧力解放部を規定し、少なくとも1枚の合成樹脂材料シートは、対向する部品の中の当該スリットを閉鎖する関係に、前記パネルの間に挿入される、請求項1に記載のベント装置。
【請求項16】
前記バックストップは、外側に向けられたほぼ平面的な部分、および、当該ベントユニットに隣接する横方向に延びる湾曲部を有する、請求項1に記載のベント装置。
【請求項17】
当該バックストップの当該湾曲部の横方向の幅は、当該パネルから離れる方向への当該バックストップの当該平面的な部分の長さよりも実質的に短い、請求項16に記載のベント装置。
【請求項18】
当該バックストップの前記長さは、所定の超過圧力が、当該パネルの当該圧力解放部に対して適用される場合に開口する当該パネルの長さと、少なくともほぼ同じである、請求項16に記載のベント装置。
【請求項19】
前記ベント構造体、および、その当該ベントユニットは、ほぼ円形の形状を有し、前記ベントユニットは、ほぼ円形の圧力解放部を有し、当該バックストップは、当該ベントユニットの当該圧力解放部の形状と実質的にぴったり一致する、ほぼ円形の形状を有する、請求項16に記載のベント装置。
【請求項20】
前記ベント構造体は、当該ベント孔(aperture)と位置を合わせて配置されるように適合しているフレーム部材を含み、当該バックストップの前記横方向に延びる湾曲部は、当該フレーム部材と一体化される、請求項16に記載のベント装置。
【請求項21】
前記ベントユニットは、複数の多層部品を含み、前記部品の1つは、バネ鋼製パネルであり、少なくとも他の2つの部品は、金属シートであり、前記パネルとシートは、終端間の間隔を開けた一連のスリットを備え、そのスリットは、当該パネルと金属シートの中にそれぞれ位置合わせされた低強度線を規定し、前記スリットは、連携して当該ベントユニットの前記圧力解放部を規定し、当該金属シートの降伏点と引張り強度の差は、当該バネ鋼製パネルの降伏点と引張り強度の差よりも実質的に大きく、1枚の合成樹脂材料シートは、当該パネルと前記金属シートに対して、当該パネルと前記金属シートの中の前記スリットを閉鎖する関係に配置される、請求項1に記載のベント装置。
【請求項22】
前記ベントユニットは、少なくとも1組の並列配置されたバネ鋼製パネルを含み、それぞれの前記パネルは、低強度線を規定する終端間の間隔を開けた一連のスリットを有し、当該パネルの中の当該低強度線は、当該ベントユニットの前記圧力解放部を規定するように位置合わせされ、1組の合成樹脂製シートは、当該バネ鋼製パネルの間に、それぞれの低強度線をカバーする関係に配置される、請求項2に記載のベント装置。
【請求項23】
前記ベントユニットは、少なくとも1組の並列配置された金属シート、および、当該金属シートの1つに対するステンレス鋼製パネルを含み、前記金属シート、および、前記ステンレス鋼製パネルは、それぞれの低強度線を規定する終端間の間隔を開けた一連のスリットを有し、当該金属シート、および、ステンレス鋼製パネルの中の前記低強度線は、当該ベントユニットの当該移動可能な圧力解放部を規定するために位置合わせされ、合成樹脂製シートは、前記金属シート、および、ステンレス鋼製パネルの中の当該スリットを閉鎖する位置に配置され、それぞれの当該金属シートの降伏点と引張り強度の差は、当該ステンレス鋼製パネルの降伏点と引張り強度の差よりも実質的に大きい、請求項2に記載のベント装置。
【請求項24】
前記バックストップは、曲線的な外表面を示し、当該ベントユニットの当該圧力解放部の前記選択された開口位置への動作を制限するために配置された湾曲部を有する管状の形状を有する、請求項1に記載のベント装置。
【請求項25】
当該管状のバックストップの前記湾曲部は、当該管状のバックストップの隣接する曲線的な外表面部よりも曲率が大きい、当該ステンレス鋼製パネルの当該圧力解放部に隣接する、曲線的な外表面部を有する、請求項24に記載のベント装置。
【請求項26】
前記管状のバックストップは、その横断面がほぼ楕円形の形状である、請求項24に記載のベント装置。
【請求項27】
前記管状のバックストップは、当該バネ鋼製パネルの当該圧力解放部に対して所定の位置に、当該バックストップを取り付けるためのコネクタへのアクセスを提供する開口部をその中に有する、請求項24に記載のベント装置。
【請求項28】
超過圧力状態の解放のためのベント孔(aperture)を有する閉じ込められた空間を保護するためのベント装置であって、
フレーム組立品と、
当該フレーム組立品の上に取り付けられ、当該ベント孔(aperture)の上に、通常閉鎖する関係で配置されるように適合し、当該ベント孔(aperture)を覆って延在する初期位置を有する、移動可能な圧力解放部を備えるベントユニットを含むベント構造体とを含み、
前記フレーム組立品は、当該移動可能な圧力解放部の弾性係数が超過しない程度まで、当該ベントユニットの当該圧力解放部の開口中に、当該ベントユニットの当該圧力解放部と接触(engage)し、当該ベントユニットの当該圧力解放部の動作を止めるために、選択された位置に配置されるバックストップユニットを含み、前記バックストップは、当該ベントユニットの当該圧力解放部と接触(engage)している間に、当該移動可能な圧力解放部の中の運動エネルギーを吸収して消散することができ、さらに、前記バックストップユニットは、合体して当該フレーム組立品の一部になる、横方向に延びる湾曲部を含み、
当該ベント装置の前記圧力解放部は、前記閉じ込められた空間の中の当該超過圧力状態の解放の際に、当該圧力解放部が開口位置から初期位置に戻ることができるくらいの弾性エネルギー係数と弾性係数とを有する、ベント装置。
【請求項29】
前記フレーム組立品、その上に取り付けられた当該ベント構造体、当該ベントユニット、および、当該バックストップユニットのすべては、ほぼ長方形の形状を有する、請求項28に記載のベント装置。
【請求項30】
前記フレーム組立品、その上に取り付けられた当該ベント構造体、当該ベントユニット、および、当該バックストップユニットのすべては、ほぼ円形の形状を有する、請求項28に記載のベント装置。
【請求項31】
後者が当該ベント孔(aperture)を通常閉鎖する関係にある場合に、当該ベントユニットの外周をシールするよう形状が決められている、ほぼフレキシブルなガスケットを備える、請求項28に記載のベント装置。
【請求項32】
前記ガスケットは、横断面がU字型の形状を有し、当該フレーム組立品に関連する支持部材をはめ込むための溝を有する、請求項31に記載のベント装置。
【請求項33】
超過圧力状態の解放のためのベント孔(aperture)を有する閉じ込められた空間を保護するためのベント装置であって、
当該ベント孔(aperture)の上に、通常閉鎖する関係で配置されるように適合し、当該ベント孔(aperture)を覆って延在する初期位置を有する、移動可能な圧力解放部を備える金属シートを有するベントユニットを含むベント構造体と、
当該閉じ込められた空間の中の所定の超過圧力が、当該ベント孔(aperture)を通り抜けて当該圧力解放部に対して適用される場合に、当該ベント孔(aperture)から離れて延在し、当該金属シートの当該圧力解放部の動作を、選択された開口位置で止めるためのバックストップと、
当該金属シートと接触(engage)し、当該金属シートの当該圧力解放部の開口中に湾曲を受け、前記閉じ込められた空間の中の当該超過圧力状態の解放の際に、当該圧力解放部が、開口位置から初期位置に戻ることができるくらいの力を、当該金属シートの当該圧力解放部に及ぼすような、十分な弾性エネルギー係数と弾性係数を有する一連のバネ鋼製板とを含む、ベント装置。
【請求項34】
当該パネルの前記圧力解放部は、当該金属シートの中の低強度線によって規定される、請求項33に記載のベント装置。
【請求項35】
前記低強度線は、当該金属シートの中の終端間の間隔を開けた一連のスリットによって規定される、請求項33に記載のベント装置。
【請求項36】
当該金属シートに対して、当該金属シートの中の前記スリットを閉鎖する関係に配置された、1枚の合成樹脂材料シートを備える、請求項33に記載のベント装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公表番号】特表2010−501060(P2010−501060A)
【公表日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524715(P2009−524715)
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/068669
【国際公開番号】WO2008/021599
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(593224670)ファイク・コーポレーション (18)
【氏名又は名称原語表記】FIKE CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際出願番号】PCT/US2007/068669
【国際公開番号】WO2008/021599
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(593224670)ファイク・コーポレーション (18)
【氏名又は名称原語表記】FIKE CORPORATION
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]