バンドパスフィルタ
【課題】 誘電体共振器を用いるバンドパスフィルタにおいて、低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となるようにする。
【解決手段】 BPF10において、共振器10aの内導体S10aは、キャパシタンスC14を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL14を介して共振器10bの内導体S10bに接続され、内導体S10bはインダクタンスL15を介して共振器10cの内導体S10cに接続され、内導体S10cは出力端子OUTにキャパシタンスC15を介して接続されている。BPF10の4つの結合素子はキャパシタンスの数とインダクタンスの数とが同数とされていることから、通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となる。
【解決手段】 BPF10において、共振器10aの内導体S10aは、キャパシタンスC14を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL14を介して共振器10bの内導体S10bに接続され、内導体S10bはインダクタンスL15を介して共振器10cの内導体S10cに接続され、内導体S10cは出力端子OUTにキャパシタンスC15を介して接続されている。BPF10の4つの結合素子はキャパシタンスの数とインダクタンスの数とが同数とされていることから、通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続素子により共振器間を接続して構成したバンドパスフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のTEM(Transverse Electro Magnetic)モード共振器を用いたバンドパスフィルタ(以下、「BPF」という)は、共振器と外部回路とが電気的に結合して構成されている。また、2個以上の共振器を多段に設けたBPFにおいては、さらに共振器間も電気的に結合されている。共振器間の結合方法は、キャパシタンス結合、インダクタンス結合、電磁界結合に大きく分類できるが、金属パイプや金属板を加工して共振器の筐体を作るTEMモード共振器を用いた半同軸型BPFにおいては、主に結合用ループを用いたり共振器の隔壁に穴をあける方法により共振器間を結合させる電磁界結合を採用することが多い。一方、最近では製品の小型化を図る目的等で、誘電体共振器を用いる誘電体フィルタが移動用・可搬用として用いられている。誘電体フィルタにおいては、誘電体共振器が同軸構造のセラミックスで作られており、全長は通過周波数近傍の約1/4波長に誘電体の材質で決まる比誘電率から求めた短縮率を乗じた長さとなっており、片方の端面が短絡されて、他方の端面が開放された構造となっている。この場合、BPFを製作するに当たり、開放面に露出した内部導体と入出力端子あるいは隣接する誘電体共振器の内部導体同士を電気的に結合させる必要がある。この結合では、物理的な制約から電磁界結合を採用しづらいことから、キャパシタンス結合やインダクタンス結合を用いることが多くされている。
【0003】
キャパシタンス結合やインダクタンス結合における結合素子とされるキャパシタンスやインダクタンスは誘電体共振器に対し直列に接続されるため、その等価回路の類似性から、キャパシタンス結合の場合はHPF(高域通過型フィルタ)傾向の減衰特性となり、反対にインダクタンス結合の場合は、LPF(低域通過型フィルタ)傾向の減衰特性となる。すなわち、キャパシタンス結合では、通過帯域より低域側減衰量の立ち下がり特性が急峻となる反面、高域側の減衰量の立ち下がり特性は緩慢となる。これに対しインダクタンス結合の場合は逆の特性となる。この傾向は、段数が多くなるほど直列接続される結合素子が増えることから顕著となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−162209号公報
【特許文献2】特開平11−27006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
将来の通信システムは現在よりさらに高速大容量になると予想されるが、誘電体フィルタの利点を生かせるVHF・UHF帯でもその傾向は同様である。例えば地上波デジタル放送移行後に空く170MHz帯においても、モバイルWiMAX方式あるいはLTE(Long Term Evolution)方式の導入が計画されており、従来の通信方式よりもさらに広い占有周数帯域幅が必要になると予想される。広帯域を必要とする通信システムの場合には、近接周波数帯域を使用する放送や通信との相互干渉を避けるために、周波数帯域の低域側および高域側においてガードバンドが設定される。このような広周波数帯域を通過させるBPFは、急峻な減衰特性を有する多段構成とされた広帯域な通過周波数特性のBPFとされる。誘電体共振器を用いるBPFは、前述したように低域側と高域側の減衰特性が非対称になり、特に、誘電体共振器を多段に接続した構成のBPFでは非対称が顕著になるという問題点があった。このように、減衰特性が非対称となると、ガードバンドを介して隣接する他の放送・通信周波数帯域との間に相互干渉が起きやすくなってしまうことになる。
そこで、本発明は、誘電体共振器を用いるバンドパスフィルタにおいて、低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となるバンドパスフィルタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバンドパスフィルタは、誘電体共振器を少なくとも1段備えるバンドパスフィルタであって、誘電体と、該誘電体に形成された貫通孔の内周面に形成された導電膜からなる内導体と、該誘電体の外面に形成された導電膜からなる外導体とを有する前記誘電体共振器と、初段の前記誘電体共振器の前記内導体と入力端子との間、終段の前記誘電体共振器の前記内導体と出力端子との間、前記誘電体共振器が2段以上備えられている場合は、前記誘電体共振器の前記内導体と次段の前記誘電体共振器の前記内導体との間に接続された結合素子とを備え、前記結合素子は、キャパシタンス結合素子とインダクタンス結合素子のいずれかとされ、前記結合素子数が偶数とされている場合はキャパシタンス結合素子数とインダクタンス結合素子数とが同数とされ、前記結合素子数が奇数とされている場合はキャパシタンス結合素子数とインダクタンス結合素子数との差が1とされていることを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、共振器と入出力端子間および2段以上備えられている共振器間を接続するキャパシタンス結合素子数とインダクタンス結合素子数とが同数、あるいは、両者の差が1となるようにされていることから、低域側と高域側の減衰特性をほぼ対称とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のバンドパスフィルタと対比するための1段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図2】図1に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図3】本発明のバンドパスフィルタと対比するための他の1段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図4】図3に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例の1段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図6】本発明にかかる1段構成のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図7】図1、図3および図5に示す1段構成のバンドパスフィルタの電気的特性を対比して示す図表である。
【図8】本発明のバンドパスフィルタと対比するための2段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図9】図8に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図10】本発明のバンドパスフィルタと対比するための2段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図11】図10に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図12】本発明の第2実施例の2段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図13】本発明にかかる2段構成のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図14】本発明の第2実施例の2段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図15】本発明にかかる2段構成の他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図16】図8、図10、図12および図14に示す2段構成のバンドパスフィルタの電気的特性を対比して示す図表である。
【図17】本発明のバンドパスフィルタと対比するための3段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図18】図17に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図19】本発明のバンドパスフィルタと対比するための3段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図20】図19に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図21】本発明の第3実施例の3段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図22】本発明にかかる3段構成のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図23】本発明にかかる3段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図24】本発明にかかる3段構成の他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図25】本発明にかかる3段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図26】本発明にかかる3段構成のさらに他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図27】本発明にかかる3段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図28】本発明にかかる3段構成のさらに他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図29】図17、図19,図21、図23、図25および図27に示す3段構成のバンドパスフィルタの電気的特性を対比して示す図表である。
【図30】本発明のバンドパスフィルタと対比するための4段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図31】図30に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図32】本発明のバンドパスフィルタと対比するための4段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図33】図32に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図34】本発明の第4実施例の4段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図35】本発明にかかる4段構成のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図36】本発明にかかる4段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図37】本発明にかかる4段構成の他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図38】本発明にかかる4段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図39】本発明にかかる4段構成のさらに他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図40】本発明にかかる4段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図41】本発明にかかる4段構成のさらに他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図42】図30、図32、図34、図36,図38および図40に示す4段構成のバンドパスフィルタの電気的特性を対比して示す図表である。
【図43】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図44】図43に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図45】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図46】図45に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図47】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図48】図47に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図49】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図50】図49に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図51】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図52】図51に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図53】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図54】図53に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図55】本発明の第5実施例の5段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図56】本発明にかかる5段構成のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図57】本発明にかかる4段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図58】本発明にかかる4段構成の他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図59】図43、図45、図47、図49、図51、図53、図55および図57に示す5段構成のバンドパスフィルタの電気的特性を対比して示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1実施例のバンドバスフィルタを図1ないし図7を参照しながら説明する。なお、図1に示す1段構成のバンドパスフィルタ(以下、「BPF」という)1および図3に示す1段構成のBPF2は、図5に示す本発明の1段構成のBPF3と対比するためのBPFとされている。
本発明の第1実施例のBPF3は、図5に示すように共振器3aを1段用いた1段構成のBPFとされている。共振器3aは誘電体共振器とされ、酸化チタン系、酸化バリウム系等の誘電体セラミック材料を円筒状の形状になるよう焼結して構成されている。共振器3aにはほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S3aが形成されている。共振器3aの上面を除く外面の全体には導電膜からなる外導体が形成されている。共振器3aの下面において内導体S3aと外導体とが短絡されて、下面は短絡面とされており、共振器3aの上面は導電膜が形成されておらず開放面とされている。短絡面はアースされている。共振器3aの電気長は、その共振周波数における波長λの約λ/4とされている。すなわち、共振器3aの物理長は、約λ/4に誘電体材料の材質で決まる比誘電率から求めた短縮率を乗じた長さとされている。共振器3aの開放面に露出している内導体S3aは、キャパシタンスC3を介して入力端子INに接続されると共に、出力端子OUTにインダクタンスL3を介して接続されている。
【0010】
図5に示す本発明の第1実施例における1段構成のBPF3は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器3aの特性インピーダンスZ3aが約16.667Ωとされ、共振周波数f3aが通過周波数と同じ約150.00MHzとされ、キャパシタンスC3は約4.08pFとされ、インダクタンスL3は約275.9nHとされている。このようなBPF3の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図6に示されている。図6を参照すると、通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約21.7dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約21.6dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約19.7dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約19.7dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約17.2dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約17.1dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約13.7dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約13.7dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。
【0011】
次に、図1に示す1段構成のBPF1は、共振器1aを1段用いた1段構成のBPFとされている。共振器1aは共振器3aと同様の構成とされていることからその説明は省略するが、共振器1aのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S1aが形成されている。また、共振器1aの開放面に露出している内導体S1aは、キャパシタンスC1を介して入力端子INに接続されると共に、出力端子OUTにキャパシタンスC2を介して接続されている。図1に示す1段構成のBPF1は、BPF1の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器1aの特性インピーダンスZ1aが約16.667Ωとされ、共振周波数f1aが約162.324MHzとされ、キャパシタンスC1およびキャパシタンスC2が約3.946pFとされている。このようなBPF1の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図2に示されている。
【0012】
図2を参照すると、BPF1は通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約25.0dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約18.9dBとなり、両減衰量の差分は6.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約22.3dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約17.4dBとなり、両減衰量の差分は4.9dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約19.1dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約15.5dBとなり、両減衰量の差分は3.6dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約14.9dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約12.6dBとなり、両減衰量の差分は2.3dBとなっている。
【0013】
また、図3に示す1段構成のBPF2は、共振器2aを1段用いた1段構成のBPFとされている。共振器2aは共振器3aと同様の構成とされていることからその説明は省略するが、共振器2aのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S2aが形成されている。また、共振器2aの開放面に露出している内導体S2aは、インダクタンスL1を介して入力端子INに接続されると共に、出力端子OUTにインダクタンスL2を介して接続されている。図3に示す1段構成のBPF2は、BPF2の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器2aの特性インピーダンスZ2aが約16.667Ωとされ、共振周波数f2aが約138.674MHzとされ、インダクタンスL1およびインダクタンスL2が約263.5nHとされている。このようなBPF2の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図4に示されている。
【0014】
図4を参照すると、BPF2は周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約18.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約24.5dBとなり、両減衰量の差分は6.0dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約17.2dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約22.0dBとなり、両減衰量の差分は4.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約15.4dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約18.9dBとなり、両減衰量の差分は3.5dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約12.6dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約14.9dBとなり、両減衰量の差分は2.3dBとなっている。
【0015】
1段構成とされた図1に示すBPF1および図3に示すBPF2と、本発明にかかる1段構成とされた図5に示すBPF3の減衰特性の図表を図7に示す。図7を参照すると、結合素子がC1+C2のキャパシタンスのみとされているBPF1においては、差分の合計が16.9dBとなっており、BPF1の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。また、結合素子がL1+L2のインダクタンスのみとされているBPF2においても、差分の合計が16.6dBとなっており、BPF2の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。これに対して、結合素子がC3+L3のキャパシタンスとインダクタンスとの組み合わせとされている第1実施例のBPF3においては、差分の合計が0.2dBとなっており、BPF3の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。このように、結合素子におけるキャパシタンスの数とインダクタンスの数とを同数として組み合わせることにより、BPF3の減衰特性をほぼ対称とすることができる。
【0016】
次に、本発明の第2実施例のバンドバスフィルタを図8ないし図16を参照しながら説明する。なお、図8に示す2段構成のBPF4および図10に示す2段構成のBPF5は、図12および図14に示す本発明の2段構成のBPF6およびBPF7と対比するためのBPFとされている。
本発明の第2実施例のBPF6は、図12に示すように共振器6aと共振器6bとを2段接続した2段構成のBPFとされている。共振器6aと共振器6bとは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器6aおよび共振器6bのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S6aおよび内導体S6bが形成されている。また、共振器6aの開放面に露出している内導体S6aは、キャパシタンスC7を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL7を介して共振器6bの内導体S6bに接続され、内導体S6bは出力端子OUTにキャパシタンスC8を介して接続されている。
【0017】
図12に示す本発明の第2実施例における2段構成のBPF6は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器6aおよび共振器6bの特性インピーダンスZ6aおよび特性インピーダンスZ6bが共に約16.667Ωとされ、共振周波数f6aおよび共振周波数f6bが共に約138.17MHzとされ、キャパシタンスC7およびキャパシタンスC8は共に約6.53pFとされ、インダクタンスL7は約584nHとされている。このようなBPF6の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図13に示されている。図13を参照すると、リターンロスは双峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約28dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約34.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約31.3dBとなり、両減衰量の差分は3.2dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約30.1dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約27.6dBとなり、両減衰量の差分は2.5dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約24.6dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約22.8dBとなり、両減衰量の差分は1.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約17.2dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約16.0dBとなり、両減衰量の差分は1.2dBとなっている。
【0018】
次に、本発明の第2実施例の他のBPF7の構成が図12に示されている。このBPF7は、共振器7aと共振器7bとを2段接続した2段構成のBPFとされている。共振器7aと共振器7bとは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器7aおよび共振器7bのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S7aおよび内導体S7bが形成されている。また、共振器7aの開放面に露出している内導体S7aは、インダクタンスL8を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC9を介して共振器7bの内導体S7bに接続され、内導体S7bは出力端子OUTにインダクタンスL9を介して接続されている。
【0019】
また、図14に示す本発明の第2実施例における2段構成の他のBPF7は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器7aおよび共振器7bの特性インピーダンスZ7aおよび特性インピーダンスZ7bが共に約16.667Ωとされ、共振周波数f7aおよび共振周波数f7bが共に約143.98MHzとされ、インダクタンスL8およびインダクタンスL9は共に約166nHとされ、キャパシタンスC9は約2.07pFとされている。このようなBPF7の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図15に示されている。図15を参照すると、リターンロスは双峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約28dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約31.6dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約34.4dBとなり、両減衰量の差分は2.8dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約27.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約30.1dBとなり、両減衰量の差分は2.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約23.0dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約24.7dBとなり、両減衰量の差分は1.7dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約16.2dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約17.3dBとなり、両減衰量の差分は1.1dBとなっている。
【0020】
次に、図8に示す2段構成のBPF4は、共振器4aと共振器4bとを2段接続した2段構成のBPFとされている。共振器4aと共振器4bとは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器4aおよび共振器4bのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S4aおよび内導体S4bが形成されている。また、共振器4aの開放面に露出している内導体S4aは、キャパシタンスC4を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC5を介して共振器4bの内導体S4bに接続され、内導体S4bは出力端子OUTにキャパシタンスC6を介して接続されている。図8に示す2段構成のBPF4は、BPF4の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器4aおよび共振器4bの特性インピーダンスZ4aおよび特性インピーダンスZ4bが共に約16.667Ωとされ、共振周波数f4aおよび共振周波数f4bが共に約162.70MHzとされ、キャパシタンスC4およびキャパシタンスC6は共に約6.49pFとされ、キャパシタンスC5は約1.90pFとされている。このようなBPF4の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図9に示されている。
【0021】
図9を参照すると、リターンロスは双峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約28dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約37.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約28.2dBとなり、両減衰量の差分は9.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約32.4dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約25.1dBとなり、両減衰量の差分は7.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約26.3dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約20.8dBとなり、両減衰量の差分は5.5dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約18.2dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約14.7dBとなり、両減衰量の差分は3.5dBとなっている。
【0022】
また、図10に示す2段構成の他のBPF5は、共振器5aと共振器5bとを2段接続した2段構成のBPFとされている。共振器5aと共振器5bとは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器5aおよび共振器5bのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S5aおよび内導体S5bが形成されている。また、共振器5aの開放面に露出している内導体S5aは、インダクタンスL4を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL5を介して共振器5bの内導体S5bに接続され、内導体S5bは出力端子OUTにインダクタンスL6を介して接続されている。図10に示す2段構成のBPF5は、BPF5の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器5aおよび共振器5bの特性インピーダンスZ5aおよび特性インピーダンスZ5bが共に約16.667Ωとされ、共振周波数f5aおよび共振周波数f5bが共に約138.17MHzとされ、インダクタンスL4およびインダクタンスL6は共に約159nHとされ、インダクタンスL5は約505nHとされている。このようなBPF5の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図11に示されている。
【0023】
図11を参照すると、リターンロスは双峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約28dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約27.8dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約37.0dBとなり、両減衰量の差分は9.2dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約24.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約32.1dBとなり、両減衰量の差分は7.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約20.7dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約26.1dBとなり、両減衰量の差分は5.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約14.6dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約18.1dBとなり、両減衰量の差分は3.5dBとなっている。
【0024】
2段構成とされた図8に示すBPF4および図10に示すBPF5、並びに、本発明にかかる2段構成とされた図12に示すBPF6および図14に示すBPF7の減衰特性の図表を図16に示す。図16を参照すると、結合素子がC4+C5+C6のキャパシタンスのみとされているBPF4においては、差分の合計が25.6dBとなっており、BPF4の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。また、結合素子がL4+L5+L6のインダクタンスのみとされているBPF5においても、差分の合計が25.4dBとなっており、BPF5の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。これに対して、結合素子がC7+L7+C8のキャパシタンスとインダクタンスの組み合わせとされている第2実施例のBPF6においては、差分の合計が8.7dBとなっており、BPF6の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらに、結合素子がL8+C9+L9のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第2実施例の他のBPF7においても、差分の合計が7.9dBとなっており、BPF6の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。このように、結合素子をキャパシタンスの数とインダクタンスの数との差が1となるように組み合わせることにより、BPF6およびBPF7の減衰特性をほぼ対称とすることができる。なお、本発明の第2実施例における2段構成のBPF6,BPF7の3dB帯域幅は約8.5MHzが得られており、1段構成のBPFより2段構成のBPFとすることにより通過帯域幅を広帯域化できると共に急峻な減衰特性とできることがわかる。
【0025】
次に、本発明の第3実施例のバンドバスフィルタを図17ないし図29を参照しながら説明する。なお、図17に示す3段構成のBPF8および図19に示す3段構成のBPF9は、図21、図23、図25および図27に示す本発明にかかる3段構成のBPF10,BPF11,BPF12およびBPF13と対比するためのBPFとされている。
本発明の第3実施例のBPF10は、図21に示すように共振器10aと共振器10bと共振器10cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器10a,共振器10bおよび共振器10cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器10a,共振器10bおよび共振器10cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S10a,内導体S10bおよび内導体S10cが形成されている。また、共振器10aの開放面に露出している内導体S10aは、キャパシタンスC14を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL14を介して共振器10bの内導体S10bに接続され、内導体S10bはインダクタンスL15を介して共振器10cの内導体S10cに接続され、内導体S10cは出力端子OUTにキャパシタンスC15を介して接続されている。
【0026】
図21に示す本発明の第3実施例における3段構成のBPF10は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器10a,共振器10bおよび共振器10cの特性インピーダンスZ10a,特性インピーダンスZ10bおよび,特性インピーダンスZ10cが共に約16.667Ωとされ、共振器10aの共振周波数f10aおよび共振器10cの共振周数f10cが共に約157.89MHzとされ、共振器10bの共振周数f10bが約143.72MHzとされている。キャパシタンスC14およびキャパシタンスC15は共に約8.22pFとされ、インダクタンスL14およびインダクタンスL15は共に約492nHとされている。このようなBPF10の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図22に示されている。図22を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約45.9dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約45.9dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約39.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約39.9dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約32.1dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約32.1dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約21.2dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約21.2dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。
【0027】
また、本発明の第3実施例の他のBPF11の構成が図23に示されている。このBPF11は、共振器11aと共振器11bと共振器11cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器11a,共振器11bおよび共振器11cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器11a,共振器11bおよび共振器11cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S11a,内導体S11bおよび内導体S11cが形成されている。また、共振器11aの開放面に露出している内導体S11aは、インダクタンスL16を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC16を介して共振器11bの内導体S11bに接続され、内導体S11bはキャパシタンスC17を介して共振器11cの内導体S11cに接続され、内導体S11cは出力端子OUTにインダクタンスL17を介して接続されている。
【0028】
図23に示す本発明の第3実施例における3段構成の他のBPF11は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器11a,共振器11bおよび共振器11cの特性インピーダンスZ11a,特性インピーダンスZ11bおよび特性インピーダンスZ11cが共に約16.667Ωとされ、共振器11aの共振周波数f11aおよび共振器11cの共振周数f11cが共に約142.56MHzとされ、共振器11bの共振周数f11bが約156.79MHzとされている。インダクタンスL16およびインダクタンスL17は共に約132nHとされ、キャパシタンスC16およびキャパシタンスC17は共に約2.25pFとされている。このようなBPF11の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図24に示されている。図24を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約47.0dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約46.5dBとなり、両減衰量の差分は0.5dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約40.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約40.4dBとなり、両減衰量の差分は0.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約33.0dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約32.7dBとなり、両減衰量の差分は0.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約22.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約21.8dBとなり、両減衰量の差分は0.2dBとなっている。
【0029】
さらに、本発明の第3実施例のさらに他のBPF12の構成が図25に示されている。このBPF12は、共振器12aと共振器12bと共振器12cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器12a,共振器12bおよび共振器12cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器12a,共振器12bおよび共振器12cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S12a,内導体S12bおよび内導体S12cが形成されている。また、共振器12aの開放面に露出している内導体S12aは、キャパシタンスC18を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL18を介して共振器12bの内導体S12bに接続され、内導体S12bはキャパシタンスC19を介して共振器12cの内導体S12cに接続され、内導体S12cは出力端子OUTにインダクタンスL19を介して接続されている。
【0030】
図25に示す本発明の第3実施例における3段構成のさらに他のBPF12は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器12a,共振器12bおよび共振器12cの特性インピーダンスZ12a,特性インピーダンスZ12bおよび特性インピーダンスZ12cが共に約16.667Ωとされ、共振器12aの共振周波数f12aが約158.10MHzとされ共振器12bの共振周数f12bが約150.12MHzとされ、共振器12cの共振周数f12cが共に約142.55MHzとされている。キャパシタンスC18は約8.42pFとされ、インダクタンスL18は約490nHとされ、キャパシタンスC19は約2.37pFとされ、インダクタンスL19は約129nHとされている。このようなBPF12の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図26に示されている。図26を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約48dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約45.6dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約45.3dBとなり、両減衰量の差分は0.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約39.5dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約39.3dBとなり、両減衰量の差分は0.2dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約31.7dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約31.5dBとなり、両減衰量の差分は0.2dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約20.8dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約20.7dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。
【0031】
次に、本発明の第3実施例のさらに他のBPF12の構成が図27に示されている。このBPF13は、共振器13aと共振器13bと共振器13cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器13a,共振器13bおよび共振器13cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器13a,共振器13bおよび共振器13cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S13a,内導体S13bおよび内導体S13cが形成されている。また、共振器13aの開放面に露出している内導体S13aは、キャパシタンスC20を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC21を介して共振器13bの内導体S13bに接続され、内導体S13bはインダクタンスL20を介して共振器13cの内導体S13cに接続され、内導体S13cは出力端子OUTにインダクタンスL21を介して接続されている。
【0032】
図27に示す本発明の第3実施例における3段構成のさらに他のBPF13は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器13a,共振器13bおよび共振器13cの特性インピーダンスZ13a,特性インピーダンスZ13bおよび特性インピーダンスZ13cが共に約16.667Ωとされ、共振器13aの共振周波数f13aが約165.22MHzとされ共振器13bの共振周数f13bが約149.55MHzとされ、共振器13cの共振周数f13cが共に約135.96MHzとされている。キャパシタンスC20は約8.08pFとされ、キャパシタンスC21は約2.25pFとされ、インダクタンスL20は約444nHとされ、インダクタンスL21は約119nHとされている。このようなBPF13の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図28に示されている。図28を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約35dBのリターンロスが得られ、最大約41dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約45.2dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約45.1dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約39.1dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約39.0dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約31.3dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約31.3dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約20.4dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約20.4dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。
【0033】
次に、図17に示す3段構成のBPF8は、共振器8aと共振器8bと共振器8cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器8a,共振器8bおよび共振器8cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器8a,共振器8bおよび共振器8cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S8a,内導体S8bおよび内導体S8cが形成されている。また、共振器8aの開放面に露出している内導体S8aは、キャパシタンスC10を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC11を介して共振器8bの内導体S8bに接続され、内導体S8bはキャパシタンスC12を介して共振器8cの内導体S8c接続され、内導体S8cは出力端子OUTにキャパシタンスC13を介して接続されている。図17に示す3段構成のBPF8は、BPF8の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器8a,共振器8bおよび共振器8cの特性インピーダンスZ8a,特性インピーダンスZ8bおよび特性インピーダンスZ8cが共に約16.667Ωとされ、共振器8aの共振周波数f8aおよび共振器8cの共振周数f8cが共に約165.14MHzとされ、共振器8bの共振周数f8bが約156.80MHzとされている。キャパシタンスC10およびキャパシタンスC13は共に約8.10pFとされ、キャパシタンスC11およびキャパシタンスC12は共に約2.17pFとされとされている。このようなBPF8の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図18に示されている。
【0034】
図18を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約48dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約52.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約40.0dBとなり、両減衰量の差分は12.5dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約45.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約35.1dBとなり、両減衰量の差分は9.9dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約35.8dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約28.5dBとなり、両減衰量の差分は7.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約23.6dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約18.9dBとなり、両減衰量の差分は4.7dBとなっている。
【0035】
また、図19に示す3段構成のBPF9は、共振器9aと共振器9bと共振器9cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器9a,共振器9bおよび共振器9cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器9a,共振器9bおよび共振器9cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S9a,内導体S9bおよび内導体S9cが形成されている。また、共振器9aの開放面に露出している内導体S9aは、インダクタンスL10を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL11を介して共振器9bの内導体S9bに接続され、内導体S9bはインダクタンスL12を介して共振器9cの内導体S9c接続され、内導体S9cは出力端子OUTにインダクタンスL13を介して接続されている。図19に示す3段構成のBPF9は、BPF9の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器9a,共振器9bおよび共振器9cの特性インピーダンスZ9a,特性インピーダンスZ9bおよび特性インピーダンスZ9cが共に約16.667Ωとされ、共振器9aの共振周波数f9aおよび共振器9cの共振周数f9cが共に約136.29MHzとされ、共振器9bの共振周数f9bが約142.85MHzとされている。インダクタンスL10およびインダクタンスL13は共に約125nHとされ、インダクタンスL11およびインダクタンスL12は共に約451nHとされとされている。このようなBPF9の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図20に示されている。
【0036】
図20を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約50dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約39.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約51.8dBとなり、両減衰量の差分は12.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約34.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約44.6dBとなり、両減衰量の差分は9.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約28.3dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約35.7dBとなり、両減衰量の差分は7.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約18.8dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約23.6dBとなり、両減衰量の差分は4.8dBとなっている。
【0037】
3段構成とされた図17に示すBPF8および図19に示すBPF9、並びに、本発明にかかる3段構成とされた図21に示すBPF10、図23に示すBPF11、図25に示すBPF12および図27に示すBPF13の減衰特性の図表を図29に示す。図29を参照すると、結合素子がC10+C11+C12+C13のキャパシタンスのみとされているBPF8においては、差分の合計が34.4dBとなっており、BPF8の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。また、結合素子がL10+L11+L12+L13のインダクタンスのみとされているBPF9においても、差分の合計が34.3dBとなっており、BPF9の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。これに対して、結合素子がC14+L14+L15+C15のキャパシタンスとインダクタンスの組み合わせとされている第3実施例のBPF10においては、差分の合計が0.1dBとなっており、BPF10の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。
【0038】
さらに、結合素子がL16+C16+C17+L17のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第3実施例の他のBPF11においても、差分の合計が1.4dBとなっており、BPF11の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がC18+L18+C19+L19のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第3実施例のさらに他のBPF12においても、差分の合計が0.8dBとなっており、BPF12の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がC20+C21+L20+L21のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第3実施例のさらに他のBPF13においても、差分の合計が0.2dBとなっており、BPF13の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。このように、4つの結合素子をキャパシタンスの数とインダクタンスの数とを同数として組み合わせることにより、BPF10ないしBPF13の減衰特性をほぼ対称とすることができる。また、キャパシタンスとインダクタンスとの接続素子の接続順により若干減衰特性は変化するが、いずれのBPFにおいてもほぼ対称の減衰特性が得られていることから、接続順は任意の接続順とすることができる。なお、本発明の第3実施例における3段構成のBPF10ないしBPF13の3dB帯域幅は約10MHzが得られており、2段構成のBPFより3段構成のBPFとすることにより通過帯域幅を広帯域化できると共により急峻な減衰特性とできることがわかる。
【0039】
次に、本発明の第4実施例のバンドバスフィルタを図30ないし図42を参照しながら説明する。なお、図30に示す4段構成のBPF14および図32に示す4段構成のBPF15は、図34、図36、図38および図40に示す本発明にかかる4段構成のBPF16,BPF17,BPF18およびBPF19と対比するためのBPFとされている。
本発明の第4実施例のBPF16は、図34に示すように共振器16aと共振器16bと共振器16cと共振器16dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器16a,共振器16b,共振器16cおよび共振器16dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器16a,共振器16b,共振器16cおよび共振器16dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S16a,内導体S16b,内導体S16cおよび内導体S16dが形成されている。また、共振器16aの開放面に露出している内導体S16aは、キャパシタンスC35を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL35を介して共振器16bの内導体S16bに接続され、内導体S16bはインダクタンスL36を介して共振器16cの内導体S16cに接続され、内導体S16cはインダクタンスL37を介して共振器16dの内導体S16dに接続され、内導体S16dは出力端子OUTにキャパシタンスC36を介して接続されている。
【0040】
図34に示す本発明の第4実施例における4段構成のBPF16は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器16a,共振器16b,共振器16cおよび共振器16dの特性インピーダンスZ16a,特性インピーダンスZ16b,特性インピーダンスZ16cおよび特性インピーダンスZ16dが共に約16.667Ωとされ、共振器16aの共振周波数f16aおよび共振器16dの共振周数f16dが共に約158.31MHzとされ、共振器16bの共振周数f16bおよび共振器16cの共振周数f16cが共に約143.60MHzとされている。キャパシタンスC35およびキャパシタンスC36は共に約9.16pFとされ、インダクタンスL35およびインダクタンスL37は共に約425nHとされ、インダクタンスL36は約563nHとされている。このようなBPF16の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図35に示されている。図35を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約59.4dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約62.7dBとなり、両減衰量の差分は3.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約51.6dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約54.2dBとなり、両減衰量の差分は2.6dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約41.6dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約43.5dBとなり、両減衰量の差分は1.9dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約27.1dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約28.3dBとなり、両減衰量の差分は1.2dBとなっている。
【0041】
また、本発明の第4実施例の他のBPF17は、図36に示すように共振器17aと共振器17bと共振器17cと共振器17dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器17aと共振器17bと共振器17cと共振器17dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器17aと共振器17bと共振器17cと共振器17dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S17a,内導体S17b,内導体S17cおよび内導体S17dが形成されている。また、共振器17aの開放面に露出している内導体S17aは、インダクタンスL38を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC37を介して共振器17bの内導体S17bに接続され、内導体S17bはキャパシタンスC38を介して共振器17cの内導体S17cに接続され、内導体S17cはキャパシタンスC39を介して共振器17dの内導体S17dに接続され、内導体S17dは出力端子OUTにインダクタンスL39を介して接続されている。
【0042】
図36に示す本発明の第4実施例における4段構成のBPF17は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器17aと共振器17bと共振器17cと共振器17dの特性インピーダンスZ17a,特性インピーダンスZ17b,特性インピーダンスZ17cおよび特性インピーダンスZ17dが共に約16.667Ωとされ、共振器17aの共振周波数f17aおよび共振器17dの共振周数f17dが共に約142.17MHzとされ、共振器17bの共振周数f17bおよび共振器17cの共振周数f17cが共に約156.68MHzとされている。インダクタンスL38およびインダクタンスL39は共に約118nHとされ、キャパシタンスC37およびキャパシタンスC39は共に約2.63pFとされ、キャパシタンスC38は約1.82pFとされている。このようなBPF17の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図37に示されている。図37を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約63.8dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約60.1dBとなり、両減衰量の差分は3.7dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約55.2dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約52.3dBとなり、両減衰量の差分は2.9dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約44.3dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約42.2dBとなり、両減衰量の差分は2.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約29.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約27.7dBとなり、両減衰量の差分は1.3dBとなっている。
【0043】
さらに、本発明の第4実施例のさらに他のBPF18は、図38に示すように共振器18aと共振器18bと共振器18cと共振器18dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器18aと共振器18bと共振器18cと共振器18dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器18aと共振器18bと共振器18cと共振器18dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S18a,内導体S18b,内導体S18cおよび内導体S18dが形成されている。また、共振器18aの開放面に露出している内導体S18aは、キャパシタンスC40を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL40を介して共振器18bの内導体S18bに接続され、内導体S18bはキャパシタンスC41を介して共振器18cの内導体S18cに接続され、内導体S18cはインダクタンスL41を介して共振器18dの内導体S18dに接続され、内導体S18dは出力端子OUTにキャパシタンスC42を介して接続されている。
【0044】
図38に示す本発明の第4実施例における4段構成のBPF18は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器18aと共振器18bと共振器18cと共振器18dの特性インピーダンスZ18a,特性インピーダンスZ18b,特性インピーダンスZ18cおよび特性インピーダンスZ18dが共に約16.667Ωとされ、共振器18aの共振周波数f18aおよび共振器18dの共振周数f18dが共に約158.44MHzとされ、共振器18bの共振周数f18bおよび共振器18cの共振周数f18cが共に約149.08MHzとされている。キャパシタンスC40およびキャパシタンスC42は共に約9.18pFとされ、キャパシタンスC41は約1.92pFとされ、インダクタンスL40およびインダクタンスL41は共に約433nHとされている。このようなBPF18の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図39に示されている。図39を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約62.7dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約59.6dBとなり、両減衰量の差分は3.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約54.2dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約51.8dBとなり、両減衰量の差分は2.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約43.4dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約41.6dBとなり、両減衰量の差分は1.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約28.2dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約27.1dBとなり、両減衰量の差分は1.1dBとなっている。
【0045】
さらにまた、本発明の第4実施例のさらに他のBPF19は、図40に示すように共振器19aと共振器19bと共振器19cと共振器19dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器19aと共振器19bと共振器19cと共振器19dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器19aと共振器19bと共振器19cと共振器19dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S19a,内導体S19b,内導体S19cおよび内導体S19dが形成されている。また、共振器19aの開放面に露出している内導体S19aは、インダクタンスL42を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC43を介して共振器19bの内導体S19bに接続され、内導体S19bはインダクタンスL43を介して共振器19cの内導体S19cに接続され、内導体S19cはキャパシタンスC44を介して共振器19dの内導体S19dに接続され、内導体S19dは出力端子OUTにインダクタンスL44を介して接続されている。
【0046】
図40に示す本発明の第4実施例における4段構成のBPF19は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器19aと共振器19bと共振器19cと共振器19dの特性インピーダンスZ19a,特性インピーダンスZ19b,特性インピーダンスZ19cおよび特性インピーダンスZ19dが共に約16.667Ωとされ、共振器19aの共振周波数f19aおよび共振器19dの共振周数f19dが共に約142.124MHzとされ、共振器19bの共振周数f19bおよび共振器19cの共振周数f19cが共に約151.15MHzとされている。インダクタンスL42およびインダクタンスL44は共に約115nHとされ、インダクタンスL43は約588nHとされ、キャパシタンスC43およびキャパシタンスC44は共に約2.74pFとされている。このようなBPF19の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図41に示されている。図41を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約59.7dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約62.0dBとなり、両減衰量の差分は2.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約51.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約53.6dBとなり、両減衰量の差分は1.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約41.6dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約42.9dBとなり、両減衰量の差分は1.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約27.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約27.8dBとなり、両減衰量の差分は0.8dBとなっている。
【0047】
次に、図30に示す4段構成のBPF14は、共振器14aと共振器14bと共振器14cと共振器14dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器14aと共振器14bと共振器14cと共振器14dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器14aと共振器14bと共振器14cと共振器14dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S14a,内導体S14b,内導体S14cおよび内導体S14dが形成されている。また、共振器14aの開放面に露出している内導体S14aは、キャパシタンスC30を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC31を介して共振器14bの内導体S14bに接続され、内導体S14bはキャパシタンスC32を介して共振器14cの内導体S14cに接続され、内導体S14cはキャパシタンスC33を介して共振器14dの内導体S14dに接続され、内導体S14dは出力端子OUTにキャパシタンスC34を介して接続されている。
【0048】
図30に示す4段構成のBPF14は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器14aと共振器14bと共振器14cと共振器14dの特性インピーダンスZ14a,特性インピーダンスZ14b,特性インピーダンスZ14cおよび特性インピーダンスZ14dが共に約16.667Ωとされ、共振器14aの共振周波数f14aおよび共振器14dの共振周数f14dが共に約166.90MHzとされ、共振器14bの共振周数f14bおよび共振器14cの共振周数f14cが共に約156.88MHzとされている。キャパシタンスC30およびキャパシタンスC34は共に約9.09pFとされ、キャパシタンスC31およびキャパシタンスC33は共に約2.54pFとされ、キャパシタンスC32は約1.87pFとされている。このようなBPF14の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図31に示されている。図31を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約68.8dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約53.2dBとなり、両減衰量の差分は15.6dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約58.9dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約46.5dBとなり、両減衰量の差分は12.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約46.7dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約37.5dBとなり、両減衰量の差分は9.2dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約30.1dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約24.2dBとなり、両減衰量の差分は5.9dBとなっている。
【0049】
また、図32に示す4段構成のBPF15は、共振器15aと共振器15bと共振器15cと共振器15dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器15aと共振器15bと共振器15cと共振器15dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器15aと共振器15bと共振器15cと共振器15dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S15a,内導体S15b,内導体S15cおよび内導体S15dが形成されている。また、共振器15aの開放面に露出している内導体S15aは、インダクタンスL30を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL31を介して共振器15bの内導体S15bに接続され、内導体S15bはインダクタンスL32を介して共振器15cの内導体S15cに接続され、内導体S15cはインダクタンスL33を介して共振器15dの内導体S15dに接続され、内導体S15dは出力端子OUTにインダクタンスL34を介して接続されている。
【0050】
図32に示す4段構成のBPF15は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器15aと共振器15bと共振器15cと共振器15dの特性インピーダンスZ15a,特性インピーダンスZ15b,特性インピーダンスZ15cおよび特性インピーダンスZ15dが共に約16.667Ωとされ、共振器15aの共振周波数f15aおよび共振器15dの共振周数f15dが共に約134.92MHzとされ、共振器15bの共振周数f15bおよび共振器15cの共振周数f15cが共に約142.87MHzとされている。インダクタンスL30およびインダクタンスL34は共に約109nHとされ、インダクタンスL31およびインダクタンスL33は共に約380nHとされ、インダクタンスL32は約546nHとされている。このようなBPF15の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図33に示されている。図33を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約52.4dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約67.7dBとなり、両減衰量の差分は15.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約46.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約58.1dBとなり、両減衰量の差分は12.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約37.2dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約46.2dBとなり、両減衰量の差分は9.0dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約24.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約29.8dBとなり、両減衰量の差分は5.8dBとなっている。
【0051】
4段構成とされた図30に示すBPF14および図32に示すBPF15、並びに、本発明にかかる4段構成とされた図34に示すBPF16、図36に示すBPF17、図38に示すBPF18および図40に示すBPF19の減衰特性の図表を図42に示す。図42を参照すると、結合素子がC30+C31+C32+C33+C34のキャパシタンスのみとされているBPF14においては、差分の合計が43.1dBとなっており、BPF14の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。また、結合素子がL30+L31+L32+L33+L34のインダクタンスのみとされているBPF15においても、差分の合計が42.2dBとなっており、BPF15の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。これに対して、結合素子がC35+L35+L36+L37+C36のキャパシタンスとインダクタンスの組み合わせとされている第4実施例のBPF16においては、差分の合計が9.0dBとなっており、BPF16の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。
【0052】
さらに、結合素子がL38+C37+C38+C39+L39のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第4実施例の他のBPF17においても、差分の合計が10.0dBとなっており、BPF17の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がC40+L40+C41+L41+C42のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第4実施例のさらに他のBPF18においても、差分の合計が8.4dBとなっており、BPF18の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がL42+C43+L43+C44+L44のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第4実施例のさらに他のBPF19においても、差分の合計が6.2dBとなっており、BPF19の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。このように、結合素子をキャパシタンスの数とインダクタンスの数との差が1となるように組み合わせることにより、BPF16ないしBPF19の減衰特性をほぼ対称とすることができる。また、キャパシタンスとインダクタンスとの接続素子の接続順により若干減衰特性は変化するが、いずれのBPFにおいてもほぼ対称の減衰特性が得られていることから、接続順は任意の接続順とすることができる。なお、本発明の第4実施例における4段構成のBPF16ないしBPF19の3dB帯域幅は約11MHzが得られており、3段構成のBPFより4段構成のBPFとすることにより通過帯域幅を広帯域化できると共により急峻な減衰特性とできることがわかる。
【0053】
次に、本発明の第5実施例のバンドバスフィルタを図43ないし図59を参照しながら説明する。なお、図43、図45、図47、図49、図51、図53に示す5段構成のBPF20ないし5段構成のBPF25は、図55および図57に示す本発明にかかる5段構成のBPF26およびBPF27と対比するためのBPFとされている。
本発明の第5実施例のBPF26は、図55に示すように共振器26aと共振器26bと共振器26cと共振器26dと共振器26eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器26aと共振器26bと共振器26cと共振器26dと共振器26eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器26aと共振器26bと共振器26cと共振器26dと共振器26eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S26a,内導体S26b,内導体S26c,内導体S26dおよび内導体S26eが形成されている。また、共振器26aの開放面に露出している内導体S26aは、キャパシタンスC68を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL68を介して共振器26bの内導体S26bに接続され、内導体S26bはキャパシタンスC69を介して共振器26cの内導体S26cに接続され、内導体S26cはインダクタンスL69を介して共振器26dの内導体S26dに接続され、内導体S26dはキャパシタンスC70を介して共振器26eの内導体S26eに接続され、内導体S26eは出力端子OUTにインダクタンスL70を介して接続されている。
【0054】
図55に示す本発明の第5実施例における5段構成のBPF26は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器26aと共振器26bと共振器26cと共振器26dと共振器26eの特性インピーダンスZ26a,特性インピーダンスZ26b,特性インピーダンスZ26c,特性インピーダンスZ26dおよび特性インピーダンスZ26eが共に約16.667Ωとされ、共振器26aの共振周波数f26aが約158.61MHzとされ、共振器26bの共振周数f26bが約148.80MHzとされ、共振器26cの共振周数f26cが約150.02MHzとされ、共振器26dの共振周数f26dが約151.45MHzとされ、共振器26eの共振周数f26eが約141.88MHzとされている。キャパシタンスC68は約9.64pFとされ、インダクタンスL68は約401nHとされ、キャパシタンスC69は約1.94pFとされ、インダクタンスL69は約585nHとされ、キャパシタンスC70は約2.95pFとされ、インダクタンスL70は約108nHとされている。このようなBPF26の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図56に示されている。図56を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約41dBのリターンロスが得られ、最大46dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約78.2dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約77.8dBとなり、両減衰量の差分は0.4dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約68.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約67.6dBとなり、両減衰量の差分は0.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約54.8dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約54.6dBとなり、両減衰量の差分は0.2dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約35.9dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約35.8dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。
【0055】
また、本発明の第5実施例の他のBPF27は、図57に示すように共振器27aと共振器27bと共振器27cと共振器27dと共振器27eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器27aと共振器27bと共振器27cと共振器27dと共振器27eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器27aと共振器27bと共振器27cと共振器27dと共振器27eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S27a,内導体S27b,内導体S27c,内導体S27dおよび内導体S27eが形成されている。また、共振器27aの開放面に露出している内導体S27aは、キャパシタンスC71を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC72を介して共振器27bの内導体S27bに接続され、内導体S27bはキャパシタンスC73を介して共振器27cの内導体S27cに接続され、内導体S27cはインダクタンスL71を介して共振器27dの内導体S27dに接続され、内導体S27dはインダクタンスL72を介して共振器27eの内導体S27eに接続され、内導体S27eは出力端子OUTにインダクタンスL73を介して接続されている。
【0056】
図57に示す本発明の第5実施例における5段構成のBPF27は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器27aと共振器27bと共振器27cと共振器27dと共振器27eの特性インピーダンスZ27a,特性インピーダンスZ27b,特性インピーダンスZ27c,特性インピーダンスZ27dおよび特性インピーダンスZ27eが共に約16.667Ωとされ、共振器27aの共振周波数f27aが約167.83MHzとされ、共振器27bの共振周数f27bが約157.18MHzとされ、共振器27cの共振周数f27cが約149.86MHzとされ、共振器27dの共振周数f27dが約142.77MHzとされ、共振器27eの共振周数f27eが約134.46MHzとされている。キャパシタンスC71は約9.63pFとされ、キャパシタンスC72は約2.73pFとされ、キャパシタンスC73は約1.92pFとされ、インダクタンスL71は約561nHとされ、インダクタンスL72は約357nHとされ、インダクタンスL73は約105nHとされている。このようなBPF26の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図56に示されている。図58を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約38dBのリターンロスが得られ、最大40dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約77.8dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約77.7dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約67.6dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約67.5dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約54.4dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約54.3dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約35.5dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約35.4dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。
【0057】
次に、図43に示す5段構成のBPF20は、共振器20aと共振器20bと共振器20cと共振器20dと共振器20eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器20aと共振器20bと共振器20cと共振器20dと共振器20eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器20aと共振器20bと共振器20cと共振器20dと共振器20eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S20a,内導体S20b,内導体S20c,内導体S20dおよび内導体S20eが形成されている。また、共振器20aの開放面に露出している内導体S20aは、キャパシタンスC50を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC51を介して共振器20bの内導体S20bに接続され、内導体S20bはキャパシタンスC52を介して共振器20cの内導体S20cに接続され、内導体S20cはキャパシタンスC53を介して共振器20dの内導体S20dに接続され、内導体S20dはキャパシタンスC54を介して共振器20eの内導体S20eに接続され、内導体S20eは出力端子OUTにキャパシタンスC55を介して接続されている。
【0058】
図43に示す5段構成のBPF20は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器20aと共振器20bと共振器20cと共振器20dと共振器20eの特性インピーダンスZ20a,特性インピーダンスZ20b,特性インピーダンスZ20c,特性インピーダンスZ20dおよび特性インピーダンスZ20eが共に約16.667Ωとされ、共振器20aの共振周波数f20aおよび共振器20eの共振周波数f20eが共に約167.73MHzとされ、共振器20bの共振周数f20bおよび共振器20dの共振周波数f20dが約157.16MHzとされ、共振器20cの共振周数f20cが約155.75MHzとされている。キャパシタンスC50およびキャパシタンスC55は共に約9.62pFとされ、キャパシタンスC51およびキャパシタンスC54は共に約2.73pFとされ、キャパシタンスC52およびキャパシタンスC53は共に約1.88pFとされている。このようなBPF20の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図44に示されている。図44を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約87.4dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約68.8dBとなり、両減衰量の差分は18.6dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約75.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約60.3dBとなり、両減衰量の差分は14.7dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約59.8dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約48.9dBとなり、両減衰量の差分は10.9dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約38.8dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約32.0dBとなり、両減衰量の差分は6.8dBとなっている。
【0059】
また、図45に示す5段構成のBPF21は、共振器21aと共振器21bと共振器21cと共振器21dと共振器21eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器21aと共振器21bと共振器21cと共振器21dと共振器21eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器21aと共振器21bと共振器21cと共振器21dと共振器21eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S21a,内導体S21b,内導体S21c,内導体S21dおよび内導体S21eが形成されている。また、共振器21aの開放面に露出している内導体S21aは、インダクタンスL50を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL51を介して共振器21bの内導体S21bに接続され、内導体S21bはインダクタンスL52を介して共振器21cの内導体S21cに接続され、内導体S21cはインダクタンスL53を介して共振器21dの内導体S21dに接続され、内導体S21dはインダクタンスL54を介して共振器21eの内導体S21eに接続され、内導体S21eは出力端子OUTにインダクタンスL55を介して接続されている。
【0060】
図45に示す5段構成のBPF21は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器21aと共振器21bと共振器21cと共振器21dと共振器21eの特性インピーダンスZ21a,特性インピーダンスZ21b,特性インピーダンスZ21c,特性インピーダンスZ21dおよび特性インピーダンスZ21eが共に約16.667Ωとされ、共振器21aの共振周波数f21aおよび共振器21eの共振周波数f21eが共に約134.37MHzとされ、共振器21bの共振周数f21bおよび共振器21dの共振周波数f21dが約142.63MHzとされ、共振器21cの共振周数f21cが約144.19MHzとされている。インダクタンスL50およびインダクタンスL55は共に約103.2nHとされ、インダクタンスL51およびインダクタンスL54は共に約355nHとされ、インダクタンスL52およびインダクタンスL53は共に約550nHとされとされている。このようなBPF21の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図46に示されている。図46を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約68.1dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約86.5dBとなり、両減衰量の差分は18.4dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約60.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約74.5dBとなり、両減衰量の差分は14.5dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約48.9dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約59.6dBとなり、両減衰量の差分は10.7dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約32.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約38.9dBとなり、両減衰量の差分は6.9dBとなっている。
【0061】
さらに、図47に示す5段構成のBPF22は、共振器22aと共振器22bと共振器22cと共振器22dと共振器22eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器22aと共振器22bと共振器22cと共振器22dと共振器22eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器22aと共振器22bと共振器22cと共振器22dと共振器22eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S22a,内導体S22b,内導体S22c,内導体S22dおよび内導体S22eが形成されている。また、共振器22aの開放面に露出している内導体S22aは、キャパシタンスC56を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL56を介して共振器22bの内導体S22bに接続され、内導体S22bはインダクタンスL57を介して共振器22cの内導体S22cに接続され、内導体S22cはインダクタンスL58を介して共振器22dの内導体S22dに接続され、内導体S22dはインダクタンスL59を介して共振器22eの内導体S22eに接続され、内導体S22eは出力端子OUTにキャパシタンスC57を介して接続されている。
【0062】
図47に示す5段構成のBPF21は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器22aと共振器22bと共振器22cと共振器22dと共振器22eの特性インピーダンスZ22a,特性インピーダンスZ22b,特性インピーダンスZ22c,特性インピーダンスZ22dおよび特性インピーダンスZ22eが共に約16.667Ωとされ、共振器22aの共振周波数f22aおよび共振器22eの共振周波数f22eが共に約156.39MHzとされ、共振器22bの共振周数f22bおよび共振器22dの共振周波数f22dが約143.41MHzとされ、共振器22cの共振周数f22cが約144.42MHzとされている。キャパシタンスC56およびキャパシタンスC57は共に約9.49pFとされ、インダクタンスL56およびインダクタンスL59は共に約401nHとされ、インダクタンスL57およびインダクタンスL58は共に約564nHとされとされている。このようなBPF22の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図48に示されている。図48を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約50dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約75.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約81.9dBとなり、両減衰量の差分は6.4dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約66.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約71.1dBとなり、両減衰量の差分は5.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約53.6dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約57.4dBとなり、両減衰量の差分は3.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約35.5dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約37.9dBとなり、両減衰量の差分は2.4dBとなっている。
【0063】
さらにまた、図49に示す5段構成のBPF23は、共振器23aと共振器23bと共振器23cと共振器23dと共振器23eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器23aと共振器23bと共振器23cと共振器23dと共振器23eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが共振器23aと共振器23bと共振器23cと共振器23dと共振器23eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S23a,内導体S23b,内導体S23c,内導体S23dおよび内導体S23eが形成されている。また、共振器23aの開放面に露出している内導体S23aは、インダクタンスL60を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC58を介して共振器23bの内導体S23bに接続され、内導体S23bはキャパシタンスC59を介して共振器23cの内導体S23cに接続され、内導体S23cはキャパシタンスC60を介して共振器23dの内導体S23dに接続され、内導体S23dはキャパシタンスC61を介して共振器23eの内導体S23eに接続され、内導体S23eは出力端子OUTにインダクタンスL61を介して接続されている。
【0064】
図49に示す5段構成のBPF23は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器23aと共振器23bと共振器23cと共振器23dと共振器23eの特性インピーダンスZ23a,特性インピーダンスZ23b,特性インピーダンスZ23c,特性インピーダンスZ23dおよび特性インピーダンスZ23eが共に約16.667Ωとされ、共振器23aの共振周波数f23aおよび共振器23eの共振周波数f23eが共に約141.98MHzとされ、共振器23bの共振周数f23bおよび共振器23dの共振周波数f23dが約157.08MHzとされ、共振器23cの共振周数f23cが約155.58MHzとされている。インダクタンスL60およびインダクタンスL61は共に約110.6nHとされ、キャパシタンスC58およびキャパシタンスC61は共に約2.85pFとされとされ、キャパシタンスC59およびキャパシタンスC60は共に約1.85pFとされている。このようなBPF23の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図50に示されている。図50を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約47dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約82.4dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約75.4dBとなり、両減衰量の差分は7.0dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約71.4dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約65.8dBとなり、両減衰量の差分は5.6dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約57.4dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約53.3dBとなり、両減衰量の差分は4.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約37.8dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約35.1dBとなり、両減衰量の差分は2.7dBとなっている。
【0065】
さらにまた、図51に示す5段構成のBPF24は、共振器24aと共振器24bと共振器24cと共振器24dと共振器24eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器24aと共振器24bと共振器24cと共振器24dと共振器24eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが共振器24aと共振器24bと共振器24cと共振器24dと共振器24eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S24a,内導体S24b,内導体S24c,内導体S24dおよび内導体S24eが形成されている。また、共振器24aの開放面に露出している内導体S24aは、キャパシタンスC62を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL62を介して共振器24bの内導体S24bに接続され、内導体S24bはキャパシタンスC63を介して共振器24cの内導体S24cに接続され、内導体S24cはキャパシタンスC64を介して共振器24dの内導体S24dに接続され、内導体S24dはインダクタンスL63を介して共振器24eの内導体S24eに接続され、内導体S24eは出力端子OUTにキャパシタンスC65を介して接続されている。
【0066】
図51に示す5段構成のBPF24は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器24aと共振器24bと共振器24cと共振器24dと共振器24eの特性インピーダンスZ24a,特性インピーダンスZ24b,特性インピーダンスZ24c,特性インピーダンスZ24dおよび特性インピーダンスZ24eが共に約16.667Ωとされ、共振器24aの共振周波数f24aおよび共振器24eの共振周波数f24eが共に約158.63MHzとされ、共振器24bの共振周数f24bおよび共振器24dの共振周波数f24dが約148.78MHzとされ、共振器24cの共振周数f24cが約155.76MHzとされている。キャパシタンスC62およびキャパシタンスC65は共に約9.68pFとされとされ、インダクタンスL62およびインダクタンスL63は共に約401nHとされ、キャパシタンスC63およびキャパシタンスC64は共に約1.91pFとされている。このようなBPF24の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図52に示されている。図52を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約48dBのリターンロスが得られ、最大50dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約81.3dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約75.2dBとなり、両減衰量の差分は6.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約70.3dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約65.5dBとなり、両減衰量の差分は4.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約56.5dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約53.0dBとなり、両減衰量の差分は3.5dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約37.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約34.7dBとなり、両減衰量の差分は2.3dBとなっている。
【0067】
さらにまた、図53に示す5段構成のBPF25は、共振器25aと共振器25bと共振器25cと共振器25dと共振器25eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器25aと共振器25bと共振器25cと共振器25dと共振器25eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが共振器25aと共振器25bと共振器25cと共振器25dと共振器25eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S25a,内導体S25b,内導体S25c,内導体S25dおよび内導体S25eが形成されている。また、共振器25aの開放面に露出している内導体S25aは、インダクタンスL64を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC66を介して共振器25bの内導体S25bに接続され、内導体S25bはインダクタンスL65を介して共振器25cの内導体S25cに接続され、内導体S25cはインダクタンスL66を介して共振器25dの内導体S25dに接続され、内導体S25dはキャパシタンスC67を介して共振器25eの内導体S25eに接続され、内導体S25eは出力端子OUTにインダクタンスL67を介して接続されている。
【0068】
図53に示す5段構成のBPF25は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器25aと共振器25bと共振器25cと共振器25dと共振器25eの特性インピーダンスZ25a,特性インピーダンスZ25b,特性インピーダンスZ25c,特性インピーダンスZ25dおよび特性インピーダンスZ25eが共に約16.667Ωとされ、共振器25aの共振周波数f25aおよび共振器25eの共振周波数f25eが共に約141.97MHzとされ、共振器25bの共振周数f25bおよび共振器25dの共振周波数f25dが約151.36MHzとされ、共振器25cの共振周数f25cが約144.48MHzとされている。インダクタンスL64およびインダクタンスL67は共に約109nHとされ、キャパシタンスC66およびキャパシタンスC67は共に約2.95pFとされとされ、インダクタンスL65およびインダクタンスL66は共に約570nHとされとされている。このようなBPF25の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図54に示されている。図54を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約48dBのリターンロスが得られ、最大50dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約75.1dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約80.4dBとなり、両減衰量の差分は5.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約65.5dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約69.7dBとなり、両減衰量の差分は4.2dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約53.0dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約56.0dBとなり、両減衰量の差分は3.0dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約34.7dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約36.6dBとなり、両減衰量の差分は1.9dBとなっている。
【0069】
5段構成とされた図43に示すBPF20、図45に示すBPF21、図47に示すBPF22、図49に示すBPF23、図51に示すBPF24および図53に示すBPF25、並びに、本発明にかかる5段構成とされた図55に示すBPF26,図57に示すBPF27の減衰特性の図表を図59に示す。図59を参照すると、結合素子がC50+C51+C52+C53+C54+C55のキャパシタンスのみとされているBPF20においては、差分の合計が51.0dBとなっており、BPF20の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。また、結合素子がL50+L51+L52+L53+L54+L55のインダクタンスのみとされているBPF21においても、差分の合計が50.5dBとなっており、BPF21の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。さらに、結合素子がC56+L56+L57+L58+L59+C57のキャパシタンスとインダクタンスの組み合わせとされているBPF227においては、差分の合計が17.7dBと減少しているが、BPF22の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性はやや非対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がL60+C58+C59+C60+C61+L61のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされているBPF23においても、差分の合計が19.4dBと減少しているが、BPF23の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性はやや非対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がC62+L62+C63+C64+L63+C65のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされているBPF24においても、差分の合計が16.7dBと減少しているが、BPF24の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性はやや非対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がL64+C66+L65+L66+C67+L67のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされているBPF24においても、差分の合計が14.4dBと減少しているが、BPF24の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性はやや非対称となっていることが分かる。
【0070】
これに対して、結合素子がC68+L68+C69+L69+C70+L70のキャパシタンスとインダクタンスの組み合わせとされている第5実施例のBPF26においては、差分の合計が1.1dBとなっており、BPF26の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらに、結合素子がC718+C72+C73+L71+L72+L73のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第4実施例の他のBPF27においても、差分の合計が0.4dBとなっており、BPF27の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。このように、結合素子をキャパシタンスの数とインダクタンスの数とを同数として組み合わせることにより、BPF26およびBPF27の減衰特性をほぼ対称とすることができる。また、結合素子をキャパシタンスの数とインダクタンスの数との差が2となるように組み合わせると、BPF22ないしBPF25の減衰特性を対称に近づけることはできるが、ほぼ対称とすることまではできない。なお、本発明の第5実施例における5段構成のBPF26およびBPF27の3dB帯域幅は約11MHzが得られており、4段構成のBPFより5段構成のBPFとするとより急峻な減衰特性とできることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上説明した本発明のバンドパスフィルタにおいては、共振器を1段ないし5段で構成したバンドパスフィルタとしたが、これに限ることはなく共振器を6段以上で構成したバンドパスフィルタとすることができる。この場合、結合素子はインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとすると共に、インダクタンスの結合素子数とキャパシタンスの結合素子数とを同数あるいは両者の差が1となるように組み合わせる。ただし、インダクタンスとキャパシタンスの結合素子の接続順は任意の接続順とすることができる。また、本発明のバンドパスフィルタにおける上記した通過帯域幅は、一例を示したものであり多段に接続された共振器の共振周波数や接続素子の値を変更することにより、所定の範囲内において通過帯域幅を変更することが可能となる。さらに、本発明のバンドパスフィルタにおいては、共振器は誘電体セラミック材料を焼結して円筒状に形成していたが、これに限ることはなく共振器を角柱状等に形成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0072】
1〜27 BPF、1a〜27a 共振器、4b〜27b 共振器、8c〜27c 共振器、14d〜27d 共振器、20e〜27e 共振器、S1a〜S27a 内導体、S4b〜S27b 内導体、S8c〜S27c 内導体、S14d〜S27d 内導体、S20e〜S27e 内導体、IN 入力端子、OUT 出力端子
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続素子により共振器間を接続して構成したバンドパスフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のTEM(Transverse Electro Magnetic)モード共振器を用いたバンドパスフィルタ(以下、「BPF」という)は、共振器と外部回路とが電気的に結合して構成されている。また、2個以上の共振器を多段に設けたBPFにおいては、さらに共振器間も電気的に結合されている。共振器間の結合方法は、キャパシタンス結合、インダクタンス結合、電磁界結合に大きく分類できるが、金属パイプや金属板を加工して共振器の筐体を作るTEMモード共振器を用いた半同軸型BPFにおいては、主に結合用ループを用いたり共振器の隔壁に穴をあける方法により共振器間を結合させる電磁界結合を採用することが多い。一方、最近では製品の小型化を図る目的等で、誘電体共振器を用いる誘電体フィルタが移動用・可搬用として用いられている。誘電体フィルタにおいては、誘電体共振器が同軸構造のセラミックスで作られており、全長は通過周波数近傍の約1/4波長に誘電体の材質で決まる比誘電率から求めた短縮率を乗じた長さとなっており、片方の端面が短絡されて、他方の端面が開放された構造となっている。この場合、BPFを製作するに当たり、開放面に露出した内部導体と入出力端子あるいは隣接する誘電体共振器の内部導体同士を電気的に結合させる必要がある。この結合では、物理的な制約から電磁界結合を採用しづらいことから、キャパシタンス結合やインダクタンス結合を用いることが多くされている。
【0003】
キャパシタンス結合やインダクタンス結合における結合素子とされるキャパシタンスやインダクタンスは誘電体共振器に対し直列に接続されるため、その等価回路の類似性から、キャパシタンス結合の場合はHPF(高域通過型フィルタ)傾向の減衰特性となり、反対にインダクタンス結合の場合は、LPF(低域通過型フィルタ)傾向の減衰特性となる。すなわち、キャパシタンス結合では、通過帯域より低域側減衰量の立ち下がり特性が急峻となる反面、高域側の減衰量の立ち下がり特性は緩慢となる。これに対しインダクタンス結合の場合は逆の特性となる。この傾向は、段数が多くなるほど直列接続される結合素子が増えることから顕著となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−162209号公報
【特許文献2】特開平11−27006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
将来の通信システムは現在よりさらに高速大容量になると予想されるが、誘電体フィルタの利点を生かせるVHF・UHF帯でもその傾向は同様である。例えば地上波デジタル放送移行後に空く170MHz帯においても、モバイルWiMAX方式あるいはLTE(Long Term Evolution)方式の導入が計画されており、従来の通信方式よりもさらに広い占有周数帯域幅が必要になると予想される。広帯域を必要とする通信システムの場合には、近接周波数帯域を使用する放送や通信との相互干渉を避けるために、周波数帯域の低域側および高域側においてガードバンドが設定される。このような広周波数帯域を通過させるBPFは、急峻な減衰特性を有する多段構成とされた広帯域な通過周波数特性のBPFとされる。誘電体共振器を用いるBPFは、前述したように低域側と高域側の減衰特性が非対称になり、特に、誘電体共振器を多段に接続した構成のBPFでは非対称が顕著になるという問題点があった。このように、減衰特性が非対称となると、ガードバンドを介して隣接する他の放送・通信周波数帯域との間に相互干渉が起きやすくなってしまうことになる。
そこで、本発明は、誘電体共振器を用いるバンドパスフィルタにおいて、低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となるバンドパスフィルタを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のバンドパスフィルタは、誘電体共振器を少なくとも1段備えるバンドパスフィルタであって、誘電体と、該誘電体に形成された貫通孔の内周面に形成された導電膜からなる内導体と、該誘電体の外面に形成された導電膜からなる外導体とを有する前記誘電体共振器と、初段の前記誘電体共振器の前記内導体と入力端子との間、終段の前記誘電体共振器の前記内導体と出力端子との間、前記誘電体共振器が2段以上備えられている場合は、前記誘電体共振器の前記内導体と次段の前記誘電体共振器の前記内導体との間に接続された結合素子とを備え、前記結合素子は、キャパシタンス結合素子とインダクタンス結合素子のいずれかとされ、前記結合素子数が偶数とされている場合はキャパシタンス結合素子数とインダクタンス結合素子数とが同数とされ、前記結合素子数が奇数とされている場合はキャパシタンス結合素子数とインダクタンス結合素子数との差が1とされていることを最も主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、共振器と入出力端子間および2段以上備えられている共振器間を接続するキャパシタンス結合素子数とインダクタンス結合素子数とが同数、あるいは、両者の差が1となるようにされていることから、低域側と高域側の減衰特性をほぼ対称とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のバンドパスフィルタと対比するための1段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図2】図1に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図3】本発明のバンドパスフィルタと対比するための他の1段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図4】図3に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図5】本発明の第1実施例の1段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図6】本発明にかかる1段構成のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図7】図1、図3および図5に示す1段構成のバンドパスフィルタの電気的特性を対比して示す図表である。
【図8】本発明のバンドパスフィルタと対比するための2段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図9】図8に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図10】本発明のバンドパスフィルタと対比するための2段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図11】図10に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図12】本発明の第2実施例の2段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図13】本発明にかかる2段構成のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図14】本発明の第2実施例の2段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図15】本発明にかかる2段構成の他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図16】図8、図10、図12および図14に示す2段構成のバンドパスフィルタの電気的特性を対比して示す図表である。
【図17】本発明のバンドパスフィルタと対比するための3段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図18】図17に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図19】本発明のバンドパスフィルタと対比するための3段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図20】図19に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図21】本発明の第3実施例の3段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図22】本発明にかかる3段構成のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図23】本発明にかかる3段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図24】本発明にかかる3段構成の他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図25】本発明にかかる3段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図26】本発明にかかる3段構成のさらに他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図27】本発明にかかる3段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図28】本発明にかかる3段構成のさらに他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図29】図17、図19,図21、図23、図25および図27に示す3段構成のバンドパスフィルタの電気的特性を対比して示す図表である。
【図30】本発明のバンドパスフィルタと対比するための4段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図31】図30に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図32】本発明のバンドパスフィルタと対比するための4段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図33】図32に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図34】本発明の第4実施例の4段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図35】本発明にかかる4段構成のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図36】本発明にかかる4段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図37】本発明にかかる4段構成の他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図38】本発明にかかる4段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図39】本発明にかかる4段構成のさらに他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図40】本発明にかかる4段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図41】本発明にかかる4段構成のさらに他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図42】図30、図32、図34、図36,図38および図40に示す4段構成のバンドパスフィルタの電気的特性を対比して示す図表である。
【図43】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図44】図43に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図45】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図46】図45に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図47】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図48】図47に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図49】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図50】図49に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図51】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図52】図51に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図53】本発明のバンドパスフィルタと対比するための5段構成のさらに他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図54】図53に示すバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図55】本発明の第5実施例の5段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図56】本発明にかかる5段構成のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図57】本発明にかかる4段構成の他のバンドパスフィルタの回路構成を示す図である。
【図58】本発明にかかる4段構成の他のバンドパスフィルタの減衰特性およびリターンロス特性を示す図である。
【図59】図43、図45、図47、図49、図51、図53、図55および図57に示す5段構成のバンドパスフィルタの電気的特性を対比して示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1実施例のバンドバスフィルタを図1ないし図7を参照しながら説明する。なお、図1に示す1段構成のバンドパスフィルタ(以下、「BPF」という)1および図3に示す1段構成のBPF2は、図5に示す本発明の1段構成のBPF3と対比するためのBPFとされている。
本発明の第1実施例のBPF3は、図5に示すように共振器3aを1段用いた1段構成のBPFとされている。共振器3aは誘電体共振器とされ、酸化チタン系、酸化バリウム系等の誘電体セラミック材料を円筒状の形状になるよう焼結して構成されている。共振器3aにはほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S3aが形成されている。共振器3aの上面を除く外面の全体には導電膜からなる外導体が形成されている。共振器3aの下面において内導体S3aと外導体とが短絡されて、下面は短絡面とされており、共振器3aの上面は導電膜が形成されておらず開放面とされている。短絡面はアースされている。共振器3aの電気長は、その共振周波数における波長λの約λ/4とされている。すなわち、共振器3aの物理長は、約λ/4に誘電体材料の材質で決まる比誘電率から求めた短縮率を乗じた長さとされている。共振器3aの開放面に露出している内導体S3aは、キャパシタンスC3を介して入力端子INに接続されると共に、出力端子OUTにインダクタンスL3を介して接続されている。
【0010】
図5に示す本発明の第1実施例における1段構成のBPF3は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器3aの特性インピーダンスZ3aが約16.667Ωとされ、共振周波数f3aが通過周波数と同じ約150.00MHzとされ、キャパシタンスC3は約4.08pFとされ、インダクタンスL3は約275.9nHとされている。このようなBPF3の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図6に示されている。図6を参照すると、通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約21.7dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約21.6dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約19.7dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約19.7dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約17.2dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約17.1dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約13.7dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約13.7dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。
【0011】
次に、図1に示す1段構成のBPF1は、共振器1aを1段用いた1段構成のBPFとされている。共振器1aは共振器3aと同様の構成とされていることからその説明は省略するが、共振器1aのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S1aが形成されている。また、共振器1aの開放面に露出している内導体S1aは、キャパシタンスC1を介して入力端子INに接続されると共に、出力端子OUTにキャパシタンスC2を介して接続されている。図1に示す1段構成のBPF1は、BPF1の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器1aの特性インピーダンスZ1aが約16.667Ωとされ、共振周波数f1aが約162.324MHzとされ、キャパシタンスC1およびキャパシタンスC2が約3.946pFとされている。このようなBPF1の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図2に示されている。
【0012】
図2を参照すると、BPF1は通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約25.0dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約18.9dBとなり、両減衰量の差分は6.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約22.3dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約17.4dBとなり、両減衰量の差分は4.9dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約19.1dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約15.5dBとなり、両減衰量の差分は3.6dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約14.9dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約12.6dBとなり、両減衰量の差分は2.3dBとなっている。
【0013】
また、図3に示す1段構成のBPF2は、共振器2aを1段用いた1段構成のBPFとされている。共振器2aは共振器3aと同様の構成とされていることからその説明は省略するが、共振器2aのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S2aが形成されている。また、共振器2aの開放面に露出している内導体S2aは、インダクタンスL1を介して入力端子INに接続されると共に、出力端子OUTにインダクタンスL2を介して接続されている。図3に示す1段構成のBPF2は、BPF2の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器2aの特性インピーダンスZ2aが約16.667Ωとされ、共振周波数f2aが約138.674MHzとされ、インダクタンスL1およびインダクタンスL2が約263.5nHとされている。このようなBPF2の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図4に示されている。
【0014】
図4を参照すると、BPF2は周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約18.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約24.5dBとなり、両減衰量の差分は6.0dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約17.2dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約22.0dBとなり、両減衰量の差分は4.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約15.4dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約18.9dBとなり、両減衰量の差分は3.5dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約12.6dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約14.9dBとなり、両減衰量の差分は2.3dBとなっている。
【0015】
1段構成とされた図1に示すBPF1および図3に示すBPF2と、本発明にかかる1段構成とされた図5に示すBPF3の減衰特性の図表を図7に示す。図7を参照すると、結合素子がC1+C2のキャパシタンスのみとされているBPF1においては、差分の合計が16.9dBとなっており、BPF1の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。また、結合素子がL1+L2のインダクタンスのみとされているBPF2においても、差分の合計が16.6dBとなっており、BPF2の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。これに対して、結合素子がC3+L3のキャパシタンスとインダクタンスとの組み合わせとされている第1実施例のBPF3においては、差分の合計が0.2dBとなっており、BPF3の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。このように、結合素子におけるキャパシタンスの数とインダクタンスの数とを同数として組み合わせることにより、BPF3の減衰特性をほぼ対称とすることができる。
【0016】
次に、本発明の第2実施例のバンドバスフィルタを図8ないし図16を参照しながら説明する。なお、図8に示す2段構成のBPF4および図10に示す2段構成のBPF5は、図12および図14に示す本発明の2段構成のBPF6およびBPF7と対比するためのBPFとされている。
本発明の第2実施例のBPF6は、図12に示すように共振器6aと共振器6bとを2段接続した2段構成のBPFとされている。共振器6aと共振器6bとは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器6aおよび共振器6bのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S6aおよび内導体S6bが形成されている。また、共振器6aの開放面に露出している内導体S6aは、キャパシタンスC7を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL7を介して共振器6bの内導体S6bに接続され、内導体S6bは出力端子OUTにキャパシタンスC8を介して接続されている。
【0017】
図12に示す本発明の第2実施例における2段構成のBPF6は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器6aおよび共振器6bの特性インピーダンスZ6aおよび特性インピーダンスZ6bが共に約16.667Ωとされ、共振周波数f6aおよび共振周波数f6bが共に約138.17MHzとされ、キャパシタンスC7およびキャパシタンスC8は共に約6.53pFとされ、インダクタンスL7は約584nHとされている。このようなBPF6の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図13に示されている。図13を参照すると、リターンロスは双峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約28dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約34.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約31.3dBとなり、両減衰量の差分は3.2dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約30.1dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約27.6dBとなり、両減衰量の差分は2.5dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約24.6dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約22.8dBとなり、両減衰量の差分は1.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約17.2dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約16.0dBとなり、両減衰量の差分は1.2dBとなっている。
【0018】
次に、本発明の第2実施例の他のBPF7の構成が図12に示されている。このBPF7は、共振器7aと共振器7bとを2段接続した2段構成のBPFとされている。共振器7aと共振器7bとは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器7aおよび共振器7bのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S7aおよび内導体S7bが形成されている。また、共振器7aの開放面に露出している内導体S7aは、インダクタンスL8を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC9を介して共振器7bの内導体S7bに接続され、内導体S7bは出力端子OUTにインダクタンスL9を介して接続されている。
【0019】
また、図14に示す本発明の第2実施例における2段構成の他のBPF7は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器7aおよび共振器7bの特性インピーダンスZ7aおよび特性インピーダンスZ7bが共に約16.667Ωとされ、共振周波数f7aおよび共振周波数f7bが共に約143.98MHzとされ、インダクタンスL8およびインダクタンスL9は共に約166nHとされ、キャパシタンスC9は約2.07pFとされている。このようなBPF7の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図15に示されている。図15を参照すると、リターンロスは双峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約28dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約31.6dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約34.4dBとなり、両減衰量の差分は2.8dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約27.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約30.1dBとなり、両減衰量の差分は2.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約23.0dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約24.7dBとなり、両減衰量の差分は1.7dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約16.2dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約17.3dBとなり、両減衰量の差分は1.1dBとなっている。
【0020】
次に、図8に示す2段構成のBPF4は、共振器4aと共振器4bとを2段接続した2段構成のBPFとされている。共振器4aと共振器4bとは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器4aおよび共振器4bのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S4aおよび内導体S4bが形成されている。また、共振器4aの開放面に露出している内導体S4aは、キャパシタンスC4を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC5を介して共振器4bの内導体S4bに接続され、内導体S4bは出力端子OUTにキャパシタンスC6を介して接続されている。図8に示す2段構成のBPF4は、BPF4の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器4aおよび共振器4bの特性インピーダンスZ4aおよび特性インピーダンスZ4bが共に約16.667Ωとされ、共振周波数f4aおよび共振周波数f4bが共に約162.70MHzとされ、キャパシタンスC4およびキャパシタンスC6は共に約6.49pFとされ、キャパシタンスC5は約1.90pFとされている。このようなBPF4の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図9に示されている。
【0021】
図9を参照すると、リターンロスは双峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約28dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約37.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約28.2dBとなり、両減衰量の差分は9.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約32.4dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約25.1dBとなり、両減衰量の差分は7.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約26.3dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約20.8dBとなり、両減衰量の差分は5.5dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約18.2dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約14.7dBとなり、両減衰量の差分は3.5dBとなっている。
【0022】
また、図10に示す2段構成の他のBPF5は、共振器5aと共振器5bとを2段接続した2段構成のBPFとされている。共振器5aと共振器5bとは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器5aおよび共振器5bのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S5aおよび内導体S5bが形成されている。また、共振器5aの開放面に露出している内導体S5aは、インダクタンスL4を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL5を介して共振器5bの内導体S5bに接続され、内導体S5bは出力端子OUTにインダクタンスL6を介して接続されている。図10に示す2段構成のBPF5は、BPF5の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器5aおよび共振器5bの特性インピーダンスZ5aおよび特性インピーダンスZ5bが共に約16.667Ωとされ、共振周波数f5aおよび共振周波数f5bが共に約138.17MHzとされ、インダクタンスL4およびインダクタンスL6は共に約159nHとされ、インダクタンスL5は約505nHとされている。このようなBPF5の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図11に示されている。
【0023】
図11を参照すると、リターンロスは双峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約28dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約27.8dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約37.0dBとなり、両減衰量の差分は9.2dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約24.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約32.1dBとなり、両減衰量の差分は7.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約20.7dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約26.1dBとなり、両減衰量の差分は5.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約14.6dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約18.1dBとなり、両減衰量の差分は3.5dBとなっている。
【0024】
2段構成とされた図8に示すBPF4および図10に示すBPF5、並びに、本発明にかかる2段構成とされた図12に示すBPF6および図14に示すBPF7の減衰特性の図表を図16に示す。図16を参照すると、結合素子がC4+C5+C6のキャパシタンスのみとされているBPF4においては、差分の合計が25.6dBとなっており、BPF4の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。また、結合素子がL4+L5+L6のインダクタンスのみとされているBPF5においても、差分の合計が25.4dBとなっており、BPF5の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。これに対して、結合素子がC7+L7+C8のキャパシタンスとインダクタンスの組み合わせとされている第2実施例のBPF6においては、差分の合計が8.7dBとなっており、BPF6の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらに、結合素子がL8+C9+L9のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第2実施例の他のBPF7においても、差分の合計が7.9dBとなっており、BPF6の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。このように、結合素子をキャパシタンスの数とインダクタンスの数との差が1となるように組み合わせることにより、BPF6およびBPF7の減衰特性をほぼ対称とすることができる。なお、本発明の第2実施例における2段構成のBPF6,BPF7の3dB帯域幅は約8.5MHzが得られており、1段構成のBPFより2段構成のBPFとすることにより通過帯域幅を広帯域化できると共に急峻な減衰特性とできることがわかる。
【0025】
次に、本発明の第3実施例のバンドバスフィルタを図17ないし図29を参照しながら説明する。なお、図17に示す3段構成のBPF8および図19に示す3段構成のBPF9は、図21、図23、図25および図27に示す本発明にかかる3段構成のBPF10,BPF11,BPF12およびBPF13と対比するためのBPFとされている。
本発明の第3実施例のBPF10は、図21に示すように共振器10aと共振器10bと共振器10cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器10a,共振器10bおよび共振器10cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器10a,共振器10bおよび共振器10cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S10a,内導体S10bおよび内導体S10cが形成されている。また、共振器10aの開放面に露出している内導体S10aは、キャパシタンスC14を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL14を介して共振器10bの内導体S10bに接続され、内導体S10bはインダクタンスL15を介して共振器10cの内導体S10cに接続され、内導体S10cは出力端子OUTにキャパシタンスC15を介して接続されている。
【0026】
図21に示す本発明の第3実施例における3段構成のBPF10は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器10a,共振器10bおよび共振器10cの特性インピーダンスZ10a,特性インピーダンスZ10bおよび,特性インピーダンスZ10cが共に約16.667Ωとされ、共振器10aの共振周波数f10aおよび共振器10cの共振周数f10cが共に約157.89MHzとされ、共振器10bの共振周数f10bが約143.72MHzとされている。キャパシタンスC14およびキャパシタンスC15は共に約8.22pFとされ、インダクタンスL14およびインダクタンスL15は共に約492nHとされている。このようなBPF10の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図22に示されている。図22を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約45.9dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約45.9dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約39.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約39.9dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約32.1dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約32.1dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約21.2dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約21.2dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。
【0027】
また、本発明の第3実施例の他のBPF11の構成が図23に示されている。このBPF11は、共振器11aと共振器11bと共振器11cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器11a,共振器11bおよび共振器11cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器11a,共振器11bおよび共振器11cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S11a,内導体S11bおよび内導体S11cが形成されている。また、共振器11aの開放面に露出している内導体S11aは、インダクタンスL16を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC16を介して共振器11bの内導体S11bに接続され、内導体S11bはキャパシタンスC17を介して共振器11cの内導体S11cに接続され、内導体S11cは出力端子OUTにインダクタンスL17を介して接続されている。
【0028】
図23に示す本発明の第3実施例における3段構成の他のBPF11は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器11a,共振器11bおよび共振器11cの特性インピーダンスZ11a,特性インピーダンスZ11bおよび特性インピーダンスZ11cが共に約16.667Ωとされ、共振器11aの共振周波数f11aおよび共振器11cの共振周数f11cが共に約142.56MHzとされ、共振器11bの共振周数f11bが約156.79MHzとされている。インダクタンスL16およびインダクタンスL17は共に約132nHとされ、キャパシタンスC16およびキャパシタンスC17は共に約2.25pFとされている。このようなBPF11の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図24に示されている。図24を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約47.0dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約46.5dBとなり、両減衰量の差分は0.5dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約40.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約40.4dBとなり、両減衰量の差分は0.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約33.0dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約32.7dBとなり、両減衰量の差分は0.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約22.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約21.8dBとなり、両減衰量の差分は0.2dBとなっている。
【0029】
さらに、本発明の第3実施例のさらに他のBPF12の構成が図25に示されている。このBPF12は、共振器12aと共振器12bと共振器12cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器12a,共振器12bおよび共振器12cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器12a,共振器12bおよび共振器12cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S12a,内導体S12bおよび内導体S12cが形成されている。また、共振器12aの開放面に露出している内導体S12aは、キャパシタンスC18を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL18を介して共振器12bの内導体S12bに接続され、内導体S12bはキャパシタンスC19を介して共振器12cの内導体S12cに接続され、内導体S12cは出力端子OUTにインダクタンスL19を介して接続されている。
【0030】
図25に示す本発明の第3実施例における3段構成のさらに他のBPF12は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器12a,共振器12bおよび共振器12cの特性インピーダンスZ12a,特性インピーダンスZ12bおよび特性インピーダンスZ12cが共に約16.667Ωとされ、共振器12aの共振周波数f12aが約158.10MHzとされ共振器12bの共振周数f12bが約150.12MHzとされ、共振器12cの共振周数f12cが共に約142.55MHzとされている。キャパシタンスC18は約8.42pFとされ、インダクタンスL18は約490nHとされ、キャパシタンスC19は約2.37pFとされ、インダクタンスL19は約129nHとされている。このようなBPF12の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図26に示されている。図26を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約48dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約45.6dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約45.3dBとなり、両減衰量の差分は0.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約39.5dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約39.3dBとなり、両減衰量の差分は0.2dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約31.7dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約31.5dBとなり、両減衰量の差分は0.2dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約20.8dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約20.7dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。
【0031】
次に、本発明の第3実施例のさらに他のBPF12の構成が図27に示されている。このBPF13は、共振器13aと共振器13bと共振器13cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器13a,共振器13bおよび共振器13cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器13a,共振器13bおよび共振器13cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S13a,内導体S13bおよび内導体S13cが形成されている。また、共振器13aの開放面に露出している内導体S13aは、キャパシタンスC20を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC21を介して共振器13bの内導体S13bに接続され、内導体S13bはインダクタンスL20を介して共振器13cの内導体S13cに接続され、内導体S13cは出力端子OUTにインダクタンスL21を介して接続されている。
【0032】
図27に示す本発明の第3実施例における3段構成のさらに他のBPF13は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器13a,共振器13bおよび共振器13cの特性インピーダンスZ13a,特性インピーダンスZ13bおよび特性インピーダンスZ13cが共に約16.667Ωとされ、共振器13aの共振周波数f13aが約165.22MHzとされ共振器13bの共振周数f13bが約149.55MHzとされ、共振器13cの共振周数f13cが共に約135.96MHzとされている。キャパシタンスC20は約8.08pFとされ、キャパシタンスC21は約2.25pFとされ、インダクタンスL20は約444nHとされ、インダクタンスL21は約119nHとされている。このようなBPF13の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図28に示されている。図28を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約35dBのリターンロスが得られ、最大約41dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約45.2dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約45.1dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約39.1dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約39.0dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約31.3dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約31.3dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約20.4dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約20.4dBとなり、両減衰量の差分は0.0dBとなっている。
【0033】
次に、図17に示す3段構成のBPF8は、共振器8aと共振器8bと共振器8cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器8a,共振器8bおよび共振器8cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器8a,共振器8bおよび共振器8cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S8a,内導体S8bおよび内導体S8cが形成されている。また、共振器8aの開放面に露出している内導体S8aは、キャパシタンスC10を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC11を介して共振器8bの内導体S8bに接続され、内導体S8bはキャパシタンスC12を介して共振器8cの内導体S8c接続され、内導体S8cは出力端子OUTにキャパシタンスC13を介して接続されている。図17に示す3段構成のBPF8は、BPF8の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器8a,共振器8bおよび共振器8cの特性インピーダンスZ8a,特性インピーダンスZ8bおよび特性インピーダンスZ8cが共に約16.667Ωとされ、共振器8aの共振周波数f8aおよび共振器8cの共振周数f8cが共に約165.14MHzとされ、共振器8bの共振周数f8bが約156.80MHzとされている。キャパシタンスC10およびキャパシタンスC13は共に約8.10pFとされ、キャパシタンスC11およびキャパシタンスC12は共に約2.17pFとされとされている。このようなBPF8の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図18に示されている。
【0034】
図18を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約48dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約52.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約40.0dBとなり、両減衰量の差分は12.5dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約45.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約35.1dBとなり、両減衰量の差分は9.9dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約35.8dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約28.5dBとなり、両減衰量の差分は7.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約23.6dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約18.9dBとなり、両減衰量の差分は4.7dBとなっている。
【0035】
また、図19に示す3段構成のBPF9は、共振器9aと共振器9bと共振器9cとを3段接続した3段構成のBPFとされている。共振器9a,共振器9bおよび共振器9cは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器9a,共振器9bおよび共振器9cのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S9a,内導体S9bおよび内導体S9cが形成されている。また、共振器9aの開放面に露出している内導体S9aは、インダクタンスL10を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL11を介して共振器9bの内導体S9bに接続され、内導体S9bはインダクタンスL12を介して共振器9cの内導体S9c接続され、内導体S9cは出力端子OUTにインダクタンスL13を介して接続されている。図19に示す3段構成のBPF9は、BPF9の通過周波数を150.0MHzとした際に、共振器9a,共振器9bおよび共振器9cの特性インピーダンスZ9a,特性インピーダンスZ9bおよび特性インピーダンスZ9cが共に約16.667Ωとされ、共振器9aの共振周波数f9aおよび共振器9cの共振周数f9cが共に約136.29MHzとされ、共振器9bの共振周数f9bが約142.85MHzとされている。インダクタンスL10およびインダクタンスL13は共に約125nHとされ、インダクタンスL11およびインダクタンスL12は共に約451nHとされとされている。このようなBPF9の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図20に示されている。
【0036】
図20を参照すると、リターンロスは三峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約50dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約39.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約51.8dBとなり、両減衰量の差分は12.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約34.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約44.6dBとなり、両減衰量の差分は9.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約28.3dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約35.7dBとなり、両減衰量の差分は7.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約18.8dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約23.6dBとなり、両減衰量の差分は4.8dBとなっている。
【0037】
3段構成とされた図17に示すBPF8および図19に示すBPF9、並びに、本発明にかかる3段構成とされた図21に示すBPF10、図23に示すBPF11、図25に示すBPF12および図27に示すBPF13の減衰特性の図表を図29に示す。図29を参照すると、結合素子がC10+C11+C12+C13のキャパシタンスのみとされているBPF8においては、差分の合計が34.4dBとなっており、BPF8の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。また、結合素子がL10+L11+L12+L13のインダクタンスのみとされているBPF9においても、差分の合計が34.3dBとなっており、BPF9の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。これに対して、結合素子がC14+L14+L15+C15のキャパシタンスとインダクタンスの組み合わせとされている第3実施例のBPF10においては、差分の合計が0.1dBとなっており、BPF10の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。
【0038】
さらに、結合素子がL16+C16+C17+L17のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第3実施例の他のBPF11においても、差分の合計が1.4dBとなっており、BPF11の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がC18+L18+C19+L19のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第3実施例のさらに他のBPF12においても、差分の合計が0.8dBとなっており、BPF12の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がC20+C21+L20+L21のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第3実施例のさらに他のBPF13においても、差分の合計が0.2dBとなっており、BPF13の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。このように、4つの結合素子をキャパシタンスの数とインダクタンスの数とを同数として組み合わせることにより、BPF10ないしBPF13の減衰特性をほぼ対称とすることができる。また、キャパシタンスとインダクタンスとの接続素子の接続順により若干減衰特性は変化するが、いずれのBPFにおいてもほぼ対称の減衰特性が得られていることから、接続順は任意の接続順とすることができる。なお、本発明の第3実施例における3段構成のBPF10ないしBPF13の3dB帯域幅は約10MHzが得られており、2段構成のBPFより3段構成のBPFとすることにより通過帯域幅を広帯域化できると共により急峻な減衰特性とできることがわかる。
【0039】
次に、本発明の第4実施例のバンドバスフィルタを図30ないし図42を参照しながら説明する。なお、図30に示す4段構成のBPF14および図32に示す4段構成のBPF15は、図34、図36、図38および図40に示す本発明にかかる4段構成のBPF16,BPF17,BPF18およびBPF19と対比するためのBPFとされている。
本発明の第4実施例のBPF16は、図34に示すように共振器16aと共振器16bと共振器16cと共振器16dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器16a,共振器16b,共振器16cおよび共振器16dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器16a,共振器16b,共振器16cおよび共振器16dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S16a,内導体S16b,内導体S16cおよび内導体S16dが形成されている。また、共振器16aの開放面に露出している内導体S16aは、キャパシタンスC35を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL35を介して共振器16bの内導体S16bに接続され、内導体S16bはインダクタンスL36を介して共振器16cの内導体S16cに接続され、内導体S16cはインダクタンスL37を介して共振器16dの内導体S16dに接続され、内導体S16dは出力端子OUTにキャパシタンスC36を介して接続されている。
【0040】
図34に示す本発明の第4実施例における4段構成のBPF16は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器16a,共振器16b,共振器16cおよび共振器16dの特性インピーダンスZ16a,特性インピーダンスZ16b,特性インピーダンスZ16cおよび特性インピーダンスZ16dが共に約16.667Ωとされ、共振器16aの共振周波数f16aおよび共振器16dの共振周数f16dが共に約158.31MHzとされ、共振器16bの共振周数f16bおよび共振器16cの共振周数f16cが共に約143.60MHzとされている。キャパシタンスC35およびキャパシタンスC36は共に約9.16pFとされ、インダクタンスL35およびインダクタンスL37は共に約425nHとされ、インダクタンスL36は約563nHとされている。このようなBPF16の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図35に示されている。図35を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約59.4dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約62.7dBとなり、両減衰量の差分は3.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約51.6dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約54.2dBとなり、両減衰量の差分は2.6dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約41.6dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約43.5dBとなり、両減衰量の差分は1.9dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約27.1dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約28.3dBとなり、両減衰量の差分は1.2dBとなっている。
【0041】
また、本発明の第4実施例の他のBPF17は、図36に示すように共振器17aと共振器17bと共振器17cと共振器17dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器17aと共振器17bと共振器17cと共振器17dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器17aと共振器17bと共振器17cと共振器17dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S17a,内導体S17b,内導体S17cおよび内導体S17dが形成されている。また、共振器17aの開放面に露出している内導体S17aは、インダクタンスL38を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC37を介して共振器17bの内導体S17bに接続され、内導体S17bはキャパシタンスC38を介して共振器17cの内導体S17cに接続され、内導体S17cはキャパシタンスC39を介して共振器17dの内導体S17dに接続され、内導体S17dは出力端子OUTにインダクタンスL39を介して接続されている。
【0042】
図36に示す本発明の第4実施例における4段構成のBPF17は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器17aと共振器17bと共振器17cと共振器17dの特性インピーダンスZ17a,特性インピーダンスZ17b,特性インピーダンスZ17cおよび特性インピーダンスZ17dが共に約16.667Ωとされ、共振器17aの共振周波数f17aおよび共振器17dの共振周数f17dが共に約142.17MHzとされ、共振器17bの共振周数f17bおよび共振器17cの共振周数f17cが共に約156.68MHzとされている。インダクタンスL38およびインダクタンスL39は共に約118nHとされ、キャパシタンスC37およびキャパシタンスC39は共に約2.63pFとされ、キャパシタンスC38は約1.82pFとされている。このようなBPF17の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図37に示されている。図37を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約63.8dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約60.1dBとなり、両減衰量の差分は3.7dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約55.2dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約52.3dBとなり、両減衰量の差分は2.9dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約44.3dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約42.2dBとなり、両減衰量の差分は2.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約29.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約27.7dBとなり、両減衰量の差分は1.3dBとなっている。
【0043】
さらに、本発明の第4実施例のさらに他のBPF18は、図38に示すように共振器18aと共振器18bと共振器18cと共振器18dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器18aと共振器18bと共振器18cと共振器18dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器18aと共振器18bと共振器18cと共振器18dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S18a,内導体S18b,内導体S18cおよび内導体S18dが形成されている。また、共振器18aの開放面に露出している内導体S18aは、キャパシタンスC40を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL40を介して共振器18bの内導体S18bに接続され、内導体S18bはキャパシタンスC41を介して共振器18cの内導体S18cに接続され、内導体S18cはインダクタンスL41を介して共振器18dの内導体S18dに接続され、内導体S18dは出力端子OUTにキャパシタンスC42を介して接続されている。
【0044】
図38に示す本発明の第4実施例における4段構成のBPF18は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器18aと共振器18bと共振器18cと共振器18dの特性インピーダンスZ18a,特性インピーダンスZ18b,特性インピーダンスZ18cおよび特性インピーダンスZ18dが共に約16.667Ωとされ、共振器18aの共振周波数f18aおよび共振器18dの共振周数f18dが共に約158.44MHzとされ、共振器18bの共振周数f18bおよび共振器18cの共振周数f18cが共に約149.08MHzとされている。キャパシタンスC40およびキャパシタンスC42は共に約9.18pFとされ、キャパシタンスC41は約1.92pFとされ、インダクタンスL40およびインダクタンスL41は共に約433nHとされている。このようなBPF18の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図39に示されている。図39を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約62.7dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約59.6dBとなり、両減衰量の差分は3.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約54.2dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約51.8dBとなり、両減衰量の差分は2.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約43.4dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約41.6dBとなり、両減衰量の差分は1.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約28.2dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約27.1dBとなり、両減衰量の差分は1.1dBとなっている。
【0045】
さらにまた、本発明の第4実施例のさらに他のBPF19は、図40に示すように共振器19aと共振器19bと共振器19cと共振器19dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器19aと共振器19bと共振器19cと共振器19dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器19aと共振器19bと共振器19cと共振器19dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S19a,内導体S19b,内導体S19cおよび内導体S19dが形成されている。また、共振器19aの開放面に露出している内導体S19aは、インダクタンスL42を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC43を介して共振器19bの内導体S19bに接続され、内導体S19bはインダクタンスL43を介して共振器19cの内導体S19cに接続され、内導体S19cはキャパシタンスC44を介して共振器19dの内導体S19dに接続され、内導体S19dは出力端子OUTにインダクタンスL44を介して接続されている。
【0046】
図40に示す本発明の第4実施例における4段構成のBPF19は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器19aと共振器19bと共振器19cと共振器19dの特性インピーダンスZ19a,特性インピーダンスZ19b,特性インピーダンスZ19cおよび特性インピーダンスZ19dが共に約16.667Ωとされ、共振器19aの共振周波数f19aおよび共振器19dの共振周数f19dが共に約142.124MHzとされ、共振器19bの共振周数f19bおよび共振器19cの共振周数f19cが共に約151.15MHzとされている。インダクタンスL42およびインダクタンスL44は共に約115nHとされ、インダクタンスL43は約588nHとされ、キャパシタンスC43およびキャパシタンスC44は共に約2.74pFとされている。このようなBPF19の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図41に示されている。図41を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約59.7dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約62.0dBとなり、両減衰量の差分は2.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約51.8dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約53.6dBとなり、両減衰量の差分は1.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約41.6dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約42.9dBとなり、両減衰量の差分は1.3dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約27.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約27.8dBとなり、両減衰量の差分は0.8dBとなっている。
【0047】
次に、図30に示す4段構成のBPF14は、共振器14aと共振器14bと共振器14cと共振器14dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器14aと共振器14bと共振器14cと共振器14dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器14aと共振器14bと共振器14cと共振器14dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S14a,内導体S14b,内導体S14cおよび内導体S14dが形成されている。また、共振器14aの開放面に露出している内導体S14aは、キャパシタンスC30を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC31を介して共振器14bの内導体S14bに接続され、内導体S14bはキャパシタンスC32を介して共振器14cの内導体S14cに接続され、内導体S14cはキャパシタンスC33を介して共振器14dの内導体S14dに接続され、内導体S14dは出力端子OUTにキャパシタンスC34を介して接続されている。
【0048】
図30に示す4段構成のBPF14は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器14aと共振器14bと共振器14cと共振器14dの特性インピーダンスZ14a,特性インピーダンスZ14b,特性インピーダンスZ14cおよび特性インピーダンスZ14dが共に約16.667Ωとされ、共振器14aの共振周波数f14aおよび共振器14dの共振周数f14dが共に約166.90MHzとされ、共振器14bの共振周数f14bおよび共振器14cの共振周数f14cが共に約156.88MHzとされている。キャパシタンスC30およびキャパシタンスC34は共に約9.09pFとされ、キャパシタンスC31およびキャパシタンスC33は共に約2.54pFとされ、キャパシタンスC32は約1.87pFとされている。このようなBPF14の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図31に示されている。図31を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約68.8dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約53.2dBとなり、両減衰量の差分は15.6dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約58.9dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約46.5dBとなり、両減衰量の差分は12.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約46.7dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約37.5dBとなり、両減衰量の差分は9.2dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約30.1dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約24.2dBとなり、両減衰量の差分は5.9dBとなっている。
【0049】
また、図32に示す4段構成のBPF15は、共振器15aと共振器15bと共振器15cと共振器15dとを4段接続した4段構成のBPFとされている。共振器15aと共振器15bと共振器15cと共振器15dは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器15aと共振器15bと共振器15cと共振器15dのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S15a,内導体S15b,内導体S15cおよび内導体S15dが形成されている。また、共振器15aの開放面に露出している内導体S15aは、インダクタンスL30を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL31を介して共振器15bの内導体S15bに接続され、内導体S15bはインダクタンスL32を介して共振器15cの内導体S15cに接続され、内導体S15cはインダクタンスL33を介して共振器15dの内導体S15dに接続され、内導体S15dは出力端子OUTにインダクタンスL34を介して接続されている。
【0050】
図32に示す4段構成のBPF15は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器15aと共振器15bと共振器15cと共振器15dの特性インピーダンスZ15a,特性インピーダンスZ15b,特性インピーダンスZ15cおよび特性インピーダンスZ15dが共に約16.667Ωとされ、共振器15aの共振周波数f15aおよび共振器15dの共振周数f15dが共に約134.92MHzとされ、共振器15bの共振周数f15bおよび共振器15cの共振周数f15cが共に約142.87MHzとされている。インダクタンスL30およびインダクタンスL34は共に約109nHとされ、インダクタンスL31およびインダクタンスL33は共に約380nHとされ、インダクタンスL32は約546nHとされている。このようなBPF15の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図33に示されている。図33を参照すると、リターンロスは四峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約27dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約52.4dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約67.7dBとなり、両減衰量の差分は15.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約46.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約58.1dBとなり、両減衰量の差分は12.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約37.2dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約46.2dBとなり、両減衰量の差分は9.0dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約24.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約29.8dBとなり、両減衰量の差分は5.8dBとなっている。
【0051】
4段構成とされた図30に示すBPF14および図32に示すBPF15、並びに、本発明にかかる4段構成とされた図34に示すBPF16、図36に示すBPF17、図38に示すBPF18および図40に示すBPF19の減衰特性の図表を図42に示す。図42を参照すると、結合素子がC30+C31+C32+C33+C34のキャパシタンスのみとされているBPF14においては、差分の合計が43.1dBとなっており、BPF14の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。また、結合素子がL30+L31+L32+L33+L34のインダクタンスのみとされているBPF15においても、差分の合計が42.2dBとなっており、BPF15の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。これに対して、結合素子がC35+L35+L36+L37+C36のキャパシタンスとインダクタンスの組み合わせとされている第4実施例のBPF16においては、差分の合計が9.0dBとなっており、BPF16の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。
【0052】
さらに、結合素子がL38+C37+C38+C39+L39のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第4実施例の他のBPF17においても、差分の合計が10.0dBとなっており、BPF17の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がC40+L40+C41+L41+C42のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第4実施例のさらに他のBPF18においても、差分の合計が8.4dBとなっており、BPF18の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がL42+C43+L43+C44+L44のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第4実施例のさらに他のBPF19においても、差分の合計が6.2dBとなっており、BPF19の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。このように、結合素子をキャパシタンスの数とインダクタンスの数との差が1となるように組み合わせることにより、BPF16ないしBPF19の減衰特性をほぼ対称とすることができる。また、キャパシタンスとインダクタンスとの接続素子の接続順により若干減衰特性は変化するが、いずれのBPFにおいてもほぼ対称の減衰特性が得られていることから、接続順は任意の接続順とすることができる。なお、本発明の第4実施例における4段構成のBPF16ないしBPF19の3dB帯域幅は約11MHzが得られており、3段構成のBPFより4段構成のBPFとすることにより通過帯域幅を広帯域化できると共により急峻な減衰特性とできることがわかる。
【0053】
次に、本発明の第5実施例のバンドバスフィルタを図43ないし図59を参照しながら説明する。なお、図43、図45、図47、図49、図51、図53に示す5段構成のBPF20ないし5段構成のBPF25は、図55および図57に示す本発明にかかる5段構成のBPF26およびBPF27と対比するためのBPFとされている。
本発明の第5実施例のBPF26は、図55に示すように共振器26aと共振器26bと共振器26cと共振器26dと共振器26eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器26aと共振器26bと共振器26cと共振器26dと共振器26eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器26aと共振器26bと共振器26cと共振器26dと共振器26eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S26a,内導体S26b,内導体S26c,内導体S26dおよび内導体S26eが形成されている。また、共振器26aの開放面に露出している内導体S26aは、キャパシタンスC68を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL68を介して共振器26bの内導体S26bに接続され、内導体S26bはキャパシタンスC69を介して共振器26cの内導体S26cに接続され、内導体S26cはインダクタンスL69を介して共振器26dの内導体S26dに接続され、内導体S26dはキャパシタンスC70を介して共振器26eの内導体S26eに接続され、内導体S26eは出力端子OUTにインダクタンスL70を介して接続されている。
【0054】
図55に示す本発明の第5実施例における5段構成のBPF26は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器26aと共振器26bと共振器26cと共振器26dと共振器26eの特性インピーダンスZ26a,特性インピーダンスZ26b,特性インピーダンスZ26c,特性インピーダンスZ26dおよび特性インピーダンスZ26eが共に約16.667Ωとされ、共振器26aの共振周波数f26aが約158.61MHzとされ、共振器26bの共振周数f26bが約148.80MHzとされ、共振器26cの共振周数f26cが約150.02MHzとされ、共振器26dの共振周数f26dが約151.45MHzとされ、共振器26eの共振周数f26eが約141.88MHzとされている。キャパシタンスC68は約9.64pFとされ、インダクタンスL68は約401nHとされ、キャパシタンスC69は約1.94pFとされ、インダクタンスL69は約585nHとされ、キャパシタンスC70は約2.95pFとされ、インダクタンスL70は約108nHとされている。このようなBPF26の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図56に示されている。図56を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約41dBのリターンロスが得られ、最大46dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約78.2dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約77.8dBとなり、両減衰量の差分は0.4dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約68.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約67.6dBとなり、両減衰量の差分は0.4dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約54.8dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約54.6dBとなり、両減衰量の差分は0.2dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約35.9dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約35.8dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。
【0055】
また、本発明の第5実施例の他のBPF27は、図57に示すように共振器27aと共振器27bと共振器27cと共振器27dと共振器27eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器27aと共振器27bと共振器27cと共振器27dと共振器27eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器27aと共振器27bと共振器27cと共振器27dと共振器27eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S27a,内導体S27b,内導体S27c,内導体S27dおよび内導体S27eが形成されている。また、共振器27aの開放面に露出している内導体S27aは、キャパシタンスC71を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC72を介して共振器27bの内導体S27bに接続され、内導体S27bはキャパシタンスC73を介して共振器27cの内導体S27cに接続され、内導体S27cはインダクタンスL71を介して共振器27dの内導体S27dに接続され、内導体S27dはインダクタンスL72を介して共振器27eの内導体S27eに接続され、内導体S27eは出力端子OUTにインダクタンスL73を介して接続されている。
【0056】
図57に示す本発明の第5実施例における5段構成のBPF27は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器27aと共振器27bと共振器27cと共振器27dと共振器27eの特性インピーダンスZ27a,特性インピーダンスZ27b,特性インピーダンスZ27c,特性インピーダンスZ27dおよび特性インピーダンスZ27eが共に約16.667Ωとされ、共振器27aの共振周波数f27aが約167.83MHzとされ、共振器27bの共振周数f27bが約157.18MHzとされ、共振器27cの共振周数f27cが約149.86MHzとされ、共振器27dの共振周数f27dが約142.77MHzとされ、共振器27eの共振周数f27eが約134.46MHzとされている。キャパシタンスC71は約9.63pFとされ、キャパシタンスC72は約2.73pFとされ、キャパシタンスC73は約1.92pFとされ、インダクタンスL71は約561nHとされ、インダクタンスL72は約357nHとされ、インダクタンスL73は約105nHとされている。このようなBPF26の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図56に示されている。図58を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約38dBのリターンロスが得られ、最大40dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約77.8dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約77.7dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約67.6dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約67.5dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約54.4dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約54.3dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約35.5dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約35.4dBとなり、両減衰量の差分は0.1dBとなっている。
【0057】
次に、図43に示す5段構成のBPF20は、共振器20aと共振器20bと共振器20cと共振器20dと共振器20eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器20aと共振器20bと共振器20cと共振器20dと共振器20eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器20aと共振器20bと共振器20cと共振器20dと共振器20eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S20a,内導体S20b,内導体S20c,内導体S20dおよび内導体S20eが形成されている。また、共振器20aの開放面に露出している内導体S20aは、キャパシタンスC50を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC51を介して共振器20bの内導体S20bに接続され、内導体S20bはキャパシタンスC52を介して共振器20cの内導体S20cに接続され、内導体S20cはキャパシタンスC53を介して共振器20dの内導体S20dに接続され、内導体S20dはキャパシタンスC54を介して共振器20eの内導体S20eに接続され、内導体S20eは出力端子OUTにキャパシタンスC55を介して接続されている。
【0058】
図43に示す5段構成のBPF20は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器20aと共振器20bと共振器20cと共振器20dと共振器20eの特性インピーダンスZ20a,特性インピーダンスZ20b,特性インピーダンスZ20c,特性インピーダンスZ20dおよび特性インピーダンスZ20eが共に約16.667Ωとされ、共振器20aの共振周波数f20aおよび共振器20eの共振周波数f20eが共に約167.73MHzとされ、共振器20bの共振周数f20bおよび共振器20dの共振周波数f20dが約157.16MHzとされ、共振器20cの共振周数f20cが約155.75MHzとされている。キャパシタンスC50およびキャパシタンスC55は共に約9.62pFとされ、キャパシタンスC51およびキャパシタンスC54は共に約2.73pFとされ、キャパシタンスC52およびキャパシタンスC53は共に約1.88pFとされている。このようなBPF20の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図44に示されている。図44を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約87.4dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約68.8dBとなり、両減衰量の差分は18.6dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約75.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約60.3dBとなり、両減衰量の差分は14.7dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約59.8dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約48.9dBとなり、両減衰量の差分は10.9dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約38.8dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約32.0dBとなり、両減衰量の差分は6.8dBとなっている。
【0059】
また、図45に示す5段構成のBPF21は、共振器21aと共振器21bと共振器21cと共振器21dと共振器21eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器21aと共振器21bと共振器21cと共振器21dと共振器21eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器21aと共振器21bと共振器21cと共振器21dと共振器21eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S21a,内導体S21b,内導体S21c,内導体S21dおよび内導体S21eが形成されている。また、共振器21aの開放面に露出している内導体S21aは、インダクタンスL50を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL51を介して共振器21bの内導体S21bに接続され、内導体S21bはインダクタンスL52を介して共振器21cの内導体S21cに接続され、内導体S21cはインダクタンスL53を介して共振器21dの内導体S21dに接続され、内導体S21dはインダクタンスL54を介して共振器21eの内導体S21eに接続され、内導体S21eは出力端子OUTにインダクタンスL55を介して接続されている。
【0060】
図45に示す5段構成のBPF21は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器21aと共振器21bと共振器21cと共振器21dと共振器21eの特性インピーダンスZ21a,特性インピーダンスZ21b,特性インピーダンスZ21c,特性インピーダンスZ21dおよび特性インピーダンスZ21eが共に約16.667Ωとされ、共振器21aの共振周波数f21aおよび共振器21eの共振周波数f21eが共に約134.37MHzとされ、共振器21bの共振周数f21bおよび共振器21dの共振周波数f21dが約142.63MHzとされ、共振器21cの共振周数f21cが約144.19MHzとされている。インダクタンスL50およびインダクタンスL55は共に約103.2nHとされ、インダクタンスL51およびインダクタンスL54は共に約355nHとされ、インダクタンスL52およびインダクタンスL53は共に約550nHとされとされている。このようなBPF21の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図46に示されている。図46を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約68.1dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約86.5dBとなり、両減衰量の差分は18.4dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約60.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約74.5dBとなり、両減衰量の差分は14.5dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約48.9dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約59.6dBとなり、両減衰量の差分は10.7dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約32.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約38.9dBとなり、両減衰量の差分は6.9dBとなっている。
【0061】
さらに、図47に示す5段構成のBPF22は、共振器22aと共振器22bと共振器22cと共振器22dと共振器22eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器22aと共振器22bと共振器22cと共振器22dと共振器22eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが、共振器22aと共振器22bと共振器22cと共振器22dと共振器22eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S22a,内導体S22b,内導体S22c,内導体S22dおよび内導体S22eが形成されている。また、共振器22aの開放面に露出している内導体S22aは、キャパシタンスC56を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL56を介して共振器22bの内導体S22bに接続され、内導体S22bはインダクタンスL57を介して共振器22cの内導体S22cに接続され、内導体S22cはインダクタンスL58を介して共振器22dの内導体S22dに接続され、内導体S22dはインダクタンスL59を介して共振器22eの内導体S22eに接続され、内導体S22eは出力端子OUTにキャパシタンスC57を介して接続されている。
【0062】
図47に示す5段構成のBPF21は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器22aと共振器22bと共振器22cと共振器22dと共振器22eの特性インピーダンスZ22a,特性インピーダンスZ22b,特性インピーダンスZ22c,特性インピーダンスZ22dおよび特性インピーダンスZ22eが共に約16.667Ωとされ、共振器22aの共振周波数f22aおよび共振器22eの共振周波数f22eが共に約156.39MHzとされ、共振器22bの共振周数f22bおよび共振器22dの共振周波数f22dが約143.41MHzとされ、共振器22cの共振周数f22cが約144.42MHzとされている。キャパシタンスC56およびキャパシタンスC57は共に約9.49pFとされ、インダクタンスL56およびインダクタンスL59は共に約401nHとされ、インダクタンスL57およびインダクタンスL58は共に約564nHとされとされている。このようなBPF22の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図48に示されている。図48を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約50dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約75.5dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約81.9dBとなり、両減衰量の差分は6.4dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約66.0dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約71.1dBとなり、両減衰量の差分は5.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約53.6dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約57.4dBとなり、両減衰量の差分は3.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約35.5dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約37.9dBとなり、両減衰量の差分は2.4dBとなっている。
【0063】
さらにまた、図49に示す5段構成のBPF23は、共振器23aと共振器23bと共振器23cと共振器23dと共振器23eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器23aと共振器23bと共振器23cと共振器23dと共振器23eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが共振器23aと共振器23bと共振器23cと共振器23dと共振器23eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S23a,内導体S23b,内導体S23c,内導体S23dおよび内導体S23eが形成されている。また、共振器23aの開放面に露出している内導体S23aは、インダクタンスL60を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC58を介して共振器23bの内導体S23bに接続され、内導体S23bはキャパシタンスC59を介して共振器23cの内導体S23cに接続され、内導体S23cはキャパシタンスC60を介して共振器23dの内導体S23dに接続され、内導体S23dはキャパシタンスC61を介して共振器23eの内導体S23eに接続され、内導体S23eは出力端子OUTにインダクタンスL61を介して接続されている。
【0064】
図49に示す5段構成のBPF23は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器23aと共振器23bと共振器23cと共振器23dと共振器23eの特性インピーダンスZ23a,特性インピーダンスZ23b,特性インピーダンスZ23c,特性インピーダンスZ23dおよび特性インピーダンスZ23eが共に約16.667Ωとされ、共振器23aの共振周波数f23aおよび共振器23eの共振周波数f23eが共に約141.98MHzとされ、共振器23bの共振周数f23bおよび共振器23dの共振周波数f23dが約157.08MHzとされ、共振器23cの共振周数f23cが約155.58MHzとされている。インダクタンスL60およびインダクタンスL61は共に約110.6nHとされ、キャパシタンスC58およびキャパシタンスC61は共に約2.85pFとされとされ、キャパシタンスC59およびキャパシタンスC60は共に約1.85pFとされている。このようなBPF23の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図50に示されている。図50を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約47dBのリターンロスが得られ、最大50dB以上のリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約82.4dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約75.4dBとなり、両減衰量の差分は7.0dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約71.4dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約65.8dBとなり、両減衰量の差分は5.6dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約57.4dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約53.3dBとなり、両減衰量の差分は4.1dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約37.8dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約35.1dBとなり、両減衰量の差分は2.7dBとなっている。
【0065】
さらにまた、図51に示す5段構成のBPF24は、共振器24aと共振器24bと共振器24cと共振器24dと共振器24eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器24aと共振器24bと共振器24cと共振器24dと共振器24eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが共振器24aと共振器24bと共振器24cと共振器24dと共振器24eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S24a,内導体S24b,内導体S24c,内導体S24dおよび内導体S24eが形成されている。また、共振器24aの開放面に露出している内導体S24aは、キャパシタンスC62を介して入力端子INに接続されると共に、インダクタンスL62を介して共振器24bの内導体S24bに接続され、内導体S24bはキャパシタンスC63を介して共振器24cの内導体S24cに接続され、内導体S24cはキャパシタンスC64を介して共振器24dの内導体S24dに接続され、内導体S24dはインダクタンスL63を介して共振器24eの内導体S24eに接続され、内導体S24eは出力端子OUTにキャパシタンスC65を介して接続されている。
【0066】
図51に示す5段構成のBPF24は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器24aと共振器24bと共振器24cと共振器24dと共振器24eの特性インピーダンスZ24a,特性インピーダンスZ24b,特性インピーダンスZ24c,特性インピーダンスZ24dおよび特性インピーダンスZ24eが共に約16.667Ωとされ、共振器24aの共振周波数f24aおよび共振器24eの共振周波数f24eが共に約158.63MHzとされ、共振器24bの共振周数f24bおよび共振器24dの共振周波数f24dが約148.78MHzとされ、共振器24cの共振周数f24cが約155.76MHzとされている。キャパシタンスC62およびキャパシタンスC65は共に約9.68pFとされとされ、インダクタンスL62およびインダクタンスL63は共に約401nHとされ、キャパシタンスC63およびキャパシタンスC64は共に約1.91pFとされている。このようなBPF24の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図52に示されている。図52を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約48dBのリターンロスが得られ、最大50dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約81.3dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約75.2dBとなり、両減衰量の差分は6.1dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約70.3dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約65.5dBとなり、両減衰量の差分は4.8dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約56.5dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約53.0dBとなり、両減衰量の差分は3.5dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約37.0dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約34.7dBとなり、両減衰量の差分は2.3dBとなっている。
【0067】
さらにまた、図53に示す5段構成のBPF25は、共振器25aと共振器25bと共振器25cと共振器25dと共振器25eを5段接続した5段構成のBPFとされている。共振器25aと共振器25bと共振器25cと共振器25dと共振器25eは共振器3aと同様の構成とされていることから、その詳細な説明は省略するが共振器25aと共振器25bと共振器25cと共振器25dと共振器25eのほぼ中央軸に沿って貫通孔が形成されており、貫通孔の内周面には導電膜からなる内導体S25a,内導体S25b,内導体S25c,内導体S25dおよび内導体S25eが形成されている。また、共振器25aの開放面に露出している内導体S25aは、インダクタンスL64を介して入力端子INに接続されると共に、キャパシタンスC66を介して共振器25bの内導体S25bに接続され、内導体S25bはインダクタンスL65を介して共振器25cの内導体S25cに接続され、内導体S25cはインダクタンスL66を介して共振器25dの内導体S25dに接続され、内導体S25dはキャパシタンスC67を介して共振器25eの内導体S25eに接続され、内導体S25eは出力端子OUTにインダクタンスL67を介して接続されている。
【0068】
図53に示す5段構成のBPF25は、通過周波数を150MHzとした際に、共振器25aと共振器25bと共振器25cと共振器25dと共振器25eの特性インピーダンスZ25a,特性インピーダンスZ25b,特性インピーダンスZ25c,特性インピーダンスZ25dおよび特性インピーダンスZ25eが共に約16.667Ωとされ、共振器25aの共振周波数f25aおよび共振器25eの共振周波数f25eが共に約141.97MHzとされ、共振器25bの共振周数f25bおよび共振器25dの共振周波数f25dが約151.36MHzとされ、共振器25cの共振周数f25cが約144.48MHzとされている。インダクタンスL64およびインダクタンスL67は共に約109nHとされ、キャパシタンスC66およびキャパシタンスC67は共に約2.95pFとされとされ、インダクタンスL65およびインダクタンスL66は共に約570nHとされとされている。このようなBPF25の減衰特性およびリターンロスの周波数特性が図54に示されている。図54を参照すると、リターンロスは五峰特性とされ通過周波数150.0MHzにおいて約48dBのリターンロスが得られ、最大50dBのリターンロスが得られている。また、通過周波数より25MHz低い125MHzにおける減衰量が約75.1dBとなり、通過周波数より25MHz高い175MHzにおける減衰量が約80.4dBとなり、両減衰量の差分は5.3dBとなっている。さらに、通過周波数より20MHz低い130MHzにおける減衰量が約65.5dBとなり、通過周波数より20MHz高い170MHzにおける減衰量が約69.7dBとなり、両減衰量の差分は4.2dBとなっている。さらにまた、通過周波数より15MHz低い135MHzにおける減衰量が約53.0dBとなり、通過周波数より15MHz高い165MHzにおける減衰量が約56.0dBとなり、両減衰量の差分は3.0dBとなっている。さらにまた、通過周波数より10MHz低い140MHzにおける減衰量が約34.7dBとなり、通過周波数より10MHz高い160MHzにおける減衰量が約36.6dBとなり、両減衰量の差分は1.9dBとなっている。
【0069】
5段構成とされた図43に示すBPF20、図45に示すBPF21、図47に示すBPF22、図49に示すBPF23、図51に示すBPF24および図53に示すBPF25、並びに、本発明にかかる5段構成とされた図55に示すBPF26,図57に示すBPF27の減衰特性の図表を図59に示す。図59を参照すると、結合素子がC50+C51+C52+C53+C54+C55のキャパシタンスのみとされているBPF20においては、差分の合計が51.0dBとなっており、BPF20の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。また、結合素子がL50+L51+L52+L53+L54+L55のインダクタンスのみとされているBPF21においても、差分の合計が50.5dBとなっており、BPF21の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性が非対称となっていることが分かる。さらに、結合素子がC56+L56+L57+L58+L59+C57のキャパシタンスとインダクタンスの組み合わせとされているBPF227においては、差分の合計が17.7dBと減少しているが、BPF22の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性はやや非対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がL60+C58+C59+C60+C61+L61のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされているBPF23においても、差分の合計が19.4dBと減少しているが、BPF23の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性はやや非対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がC62+L62+C63+C64+L63+C65のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされているBPF24においても、差分の合計が16.7dBと減少しているが、BPF24の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性はやや非対称となっていることが分かる。さらにまた、結合素子がL64+C66+L65+L66+C67+L67のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされているBPF24においても、差分の合計が14.4dBと減少しているが、BPF24の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性はやや非対称となっていることが分かる。
【0070】
これに対して、結合素子がC68+L68+C69+L69+C70+L70のキャパシタンスとインダクタンスの組み合わせとされている第5実施例のBPF26においては、差分の合計が1.1dBとなっており、BPF26の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。さらに、結合素子がC718+C72+C73+L71+L72+L73のインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとされている第4実施例の他のBPF27においても、差分の合計が0.4dBとなっており、BPF27の通過周波数を挟んだ低域側と高域側の減衰特性がほぼ対称となっていることが分かる。このように、結合素子をキャパシタンスの数とインダクタンスの数とを同数として組み合わせることにより、BPF26およびBPF27の減衰特性をほぼ対称とすることができる。また、結合素子をキャパシタンスの数とインダクタンスの数との差が2となるように組み合わせると、BPF22ないしBPF25の減衰特性を対称に近づけることはできるが、ほぼ対称とすることまではできない。なお、本発明の第5実施例における5段構成のBPF26およびBPF27の3dB帯域幅は約11MHzが得られており、4段構成のBPFより5段構成のBPFとするとより急峻な減衰特性とできることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上説明した本発明のバンドパスフィルタにおいては、共振器を1段ないし5段で構成したバンドパスフィルタとしたが、これに限ることはなく共振器を6段以上で構成したバンドパスフィルタとすることができる。この場合、結合素子はインダクタンスとキャパシタンスの組み合わせとすると共に、インダクタンスの結合素子数とキャパシタンスの結合素子数とを同数あるいは両者の差が1となるように組み合わせる。ただし、インダクタンスとキャパシタンスの結合素子の接続順は任意の接続順とすることができる。また、本発明のバンドパスフィルタにおける上記した通過帯域幅は、一例を示したものであり多段に接続された共振器の共振周波数や接続素子の値を変更することにより、所定の範囲内において通過帯域幅を変更することが可能となる。さらに、本発明のバンドパスフィルタにおいては、共振器は誘電体セラミック材料を焼結して円筒状に形成していたが、これに限ることはなく共振器を角柱状等に形成するようにしても良い。
【符号の説明】
【0072】
1〜27 BPF、1a〜27a 共振器、4b〜27b 共振器、8c〜27c 共振器、14d〜27d 共振器、20e〜27e 共振器、S1a〜S27a 内導体、S4b〜S27b 内導体、S8c〜S27c 内導体、S14d〜S27d 内導体、S20e〜S27e 内導体、IN 入力端子、OUT 出力端子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体共振器を少なくとも1段備えるバンドパスフィルタであって、
誘電体と、該誘電体に形成された貫通孔の内周面に形成された導電膜からなる内導体と、該誘電体の外面に形成された導電膜からなる外導体とを有する前記誘電体共振器と、
初段の前記誘電体共振器の前記内導体と入力端子との間、終段の前記誘電体共振器の前記内導体と出力端子との間、前記誘電体共振器が2段以上備えられている場合は、前記誘電体共振器の前記内導体と次段の前記誘電体共振器の前記内導体との間を接続する結合素子とを備え、
前記結合素子は、キャパシタンス結合素子とインダクタンス結合素子のいずれかとされ、前記結合素子数が偶数とされている場合はキャパシタンス結合素子数とインダクタンス結合素子数とが同数とされ、前記結合素子数が奇数とされている場合はキャパシタンス結合素子数とインダクタンス結合素子数との差が1とされていることを特徴とするバンドパスフィルタ。
【請求項1】
誘電体共振器を少なくとも1段備えるバンドパスフィルタであって、
誘電体と、該誘電体に形成された貫通孔の内周面に形成された導電膜からなる内導体と、該誘電体の外面に形成された導電膜からなる外導体とを有する前記誘電体共振器と、
初段の前記誘電体共振器の前記内導体と入力端子との間、終段の前記誘電体共振器の前記内導体と出力端子との間、前記誘電体共振器が2段以上備えられている場合は、前記誘電体共振器の前記内導体と次段の前記誘電体共振器の前記内導体との間を接続する結合素子とを備え、
前記結合素子は、キャパシタンス結合素子とインダクタンス結合素子のいずれかとされ、前記結合素子数が偶数とされている場合はキャパシタンス結合素子数とインダクタンス結合素子数とが同数とされ、前記結合素子数が奇数とされている場合はキャパシタンス結合素子数とインダクタンス結合素子数との差が1とされていることを特徴とするバンドパスフィルタ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【公開番号】特開2010−288179(P2010−288179A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141977(P2009−141977)
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(000227892)日本アンテナ株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月15日(2009.6.15)
【出願人】(000227892)日本アンテナ株式会社 (176)
【Fターム(参考)】
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