説明

バンパ構造

【課題】 歩行者保護性能と車体保護性能とを、より高いレベルで、安定的に且つ確実に両立させることが出来るバンパ構造を提供する。
【解決手段】 バンパカバー12とバンパ補強部材10との間のスペース20内におけるバンパ補強部材10側に、バンパカバー12側の部位が平坦面部40とされた第一の衝撃吸収体14を配置する一方、かかるスペース20内のバンパカバー12側に、該第一の衝撃吸収体14よりも変形強度が小さな第二の衝撃吸収体16を、前記平坦面部40のバンパカバー12との対向面上において組み付けられるか又は一体化された状態で、配置して、構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の車両用のバンパ構造に係り、特に、バンパ補強部材とバンパカバーとの間に配置された衝撃吸収手段の変形により、バンパカバーに入力される衝撃を吸収せしめるようにしたバンパ構造の改良された技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両においては、他の車両等との低速での衝突、所謂軽衝突の際に、車体の損傷を軽減することを主な目的として、車体の前面部と後面部とに、バンパが設置されている。そして、よく知られているように、このバンパには、各種の構造のものがあり、その中の一種として、車体の前面側や後面側に対して、車幅方向に延びるように取り付けられる、剛性を有するバンパ補強部材と、バンパ補強部材の車体側とは反対側の面を覆って設置されるバンパカバーとの間に、変形により衝撃を吸収する衝撃吸収手段が配置されてなるものが、知られている。
【0003】
このようなバンパの構造によれば、例えば、車両間等での軽衝突時に、バンパカバーに対して衝撃が入力せしめられた際に、バンパ補強部材にて、バンパ全体の剛性が適度に確保される一方で、衝撃吸収手段が、バンパ補強部材とバンパカバーとの間に挟まれて変形せしめられることにより、かかる衝撃が吸収せしめられるようになる。そして、それによって、相手方の衝突物が、バンパの変形に伴って、バンパカバーの表面側からバンパ補強部材側に大きく進入することがくい止められ、以て、車体周りに装備されるヘッドライト等の外装部品やフェンダ等のボデー部品等と、かかる衝突物との接触が可及的に阻止されて、車体の保護が図られるようになっているのである。
【0004】
ところで、近年では、自動車等に対する安全基準がより厳しくなる傾向にあり、そのような安全基準を満たすために、歩行者との接触乃至は衝突事故の発生時に、歩行者の安全を可及的に確保し得る対策が、バンパに対しても種々講じられるようになってきている。
【0005】
例えば、バンパカバーとバンパ補強部材との間に、バンパカバーへの外部からの衝撃により変形せしめられる発泡体を、その変形がバンパカバーとの接触により阻害されないように、バンパカバーの内側空間よりも十分に小さな大きさをもって配設するようにしたり(例えば、特許文献1参照)、或いはアルミニウム合金材料からなる中空筒状の押出形材を、バンパカバーとバンパ補強部材との間に、バンパ補強部材と平行に延びるように配設したり(例えば、特許文献2参照)して、バンパが、構成されているのである。
【0006】
ところが、このような従来のバンパの構造は、あくまでも、歩行者保護を目的とするものであるため、バンパカバーとバンパ補強部材との間に配設される発泡体や中空筒状の押出形材等からなる衝撃吸収手段が、荷重の小さな衝撃により容易に変形するように、変形強度が小さくされていた。それ故、車両間等での軽衝突によって生ずる大荷重の衝撃を十分に吸収することが出来ず、従って、バンパ本来の車体保護機能が大きく損なわれる構造となっていた。
【0007】
一方、バンパカバーとバンパ補強部材との間におけるバンパ補強部材側に、車両間等での軽衝突時に生ずる衝撃エネルギーの吸収を目的としたエネルギー吸収部材を配置する一方、それらバンパカバーとバンパ補強部材との間におけるバンパカバー側に、柔軟部材を、エネルギー吸収部材と当接配置し、更に、エネルギー吸収部材の柔軟部材との当接面に溝を設けてなるバンパ構造も、知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
このバンパ構造では、歩行者と衝突せしめられたときに、その際に生ずる比較的に荷重の小さな衝撃により、柔軟部材のみが、その一部をエネルギー吸収部材の溝内に入り込ませるように変形せしめられることで、かかる衝撃が吸収せしめられて、歩行者が受けるダメージの軽減が図られるようになっている。また、車両間等での軽衝突の発生時には、その際に生ずる大荷重の衝撃により、柔軟部材と共に、エネルギー吸収部材も変形せしめられることで、かかる大荷重の衝撃が吸収せしめられて、車体の保護が図られるようになっているのである。
【0009】
しかしながら、かくの如き従来のバンパ構造にあっては、柔軟部材の十分な変形量を確保する上で、エネルギー吸収部材の柔軟部材との当接面に溝が設けられているところから、そのような溝の形成のために、エネルギー吸収部材の全体形状の設計に制限が生ずることが避けられなかった。しかも、バンパカバーとバンパ補強部材との間におけるエネルギー吸収部材の配置スペース内において、エネルギー吸収部材の溝形成部分が占めるスペースがデッドスペースとなってしまうため、かかる配置スペースの全部を有効活用することが出来なかった。それ故、エネルギー吸収部材において、柔軟部材との当接面に設けられる溝が、車体保護を目的とした所望の衝撃エネルギー吸収性能を確保する上での障害となる恐れが、極めて大きかったのである。
【0010】
【特許文献1】特開2003−160009号公報
【特許文献2】特開2003−212069号公報
【特許文献3】実開平4−118845号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、歩行者保護性能と車体保護性能とを、より高いレベルで、安定的に且つ確実に両立させることが出来るバンパ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そして、かかる課題の解決のために、本発明の第一の態様とするところは、車体に取り付けられる、剛性を有するバンパ補強部材と、該バンパ補強部材の車体側とは反対側の面を覆って設置されるパンパカバーとの間に、衝撃吸収手段を配置して、該バンパカバーに対して入力される衝撃を、該衝撃吸収手段の変形により吸収せしめるようにしたバンパ構造において、前記衝撃吸収手段を、前記バンパカバーと前記バンパ補強部材との間において該バンパ補強部材側に位置せしめられて、該バンパカバー側の部位が該バンパカバーと対向する平坦面部とされた第一の衝撃吸収体と、該バンパカバーと該バンパ補強部材との間において該バンパカバー側に、該第一の衝撃吸収体の平坦面部におけるバンパカバーとの対向面上に組み付けられるか又は一体化されて、位置せしめられた、該第一の衝撃吸収体よりも小さな変形強度を有する第二の衝撃吸収体とから構成し、該バンパカバーに荷重の小さな衝撃が入力せしめられたときには、該第二の衝撃吸収体の変形により、かかる小衝撃を吸収せしめる一方、荷重の大きな衝撃が入力せしめられたときには、該第一の衝撃吸収体と該第二の衝撃吸収体の両方の変形により、かかる大衝撃を吸収せしめ得るように構成したことを特徴とするバンパ構造にある。なお、ここで言う平坦面部には、多少の反りを有する、曲率の小さな湾曲面形態を呈するものも含まれることとする。
【0013】
要するに、この本態様に係るバンパ構造においては、車両が歩行者と衝突せしめられたときに、バンパカバーに入力される比較的に荷重の小さな衝撃により、第二の衝撃吸収体が変形せしめられることで、かかる衝撃が吸収せしめられ、以て、歩行者が受けるダメージの軽減が図られて、歩行者の保護が図られるようになっている。また、車両間等での軽衝突の発生時には、バンパカバーに入力される大荷重の衝撃により、第二の衝撃吸収体と第一の衝撃吸収体の両方が変形せしめられることで、かかる大荷重の衝撃が吸収せしめられて、車体の保護が図られるようになっているのである。
【0014】
そして、特に、かかる本態様では、車体保護を目的として、バンパカバーとバンパ補強部材との間に配置される第一の衝撃吸収体が、バンパカバーと対向する平坦面部を有し、この平坦面部上に、第二の衝撃吸収体が組み付けられるか又は一体化されるようになっているのであって、車体保護の目的で設置されるエネルギー吸収部材に対して、歩行者保護の目的で設置される柔軟部材の変形量を確保するための溝が設けられてなる、前記せる如き従来のバンパ構造とは異なり、そのような溝や局部的な凹所等が、車体保護を可能ならしめる第一の衝撃吸収体に対して、何等設けられてはいない。
【0015】
それ故、このような本態様に係るバンパ構造によれば、バンパカバーとバンパ補強部材との間における第一の衝撃吸収体の配置スペースの全部を有効的に利用して、第一の衝撃吸収体の全体形状を自由に設計することが出来、それによって、所望の衝撃エネルギーの吸収量を確保可能な衝撃吸収性能が、第一の衝撃吸収体において、より確実に発揮され得るようになるのである。
【0016】
また、本発明に従うバンパ構造の第二の態様では、前記第二の衝撃吸収体が、中空角筒形状を呈する、合成樹脂製の筒状体を含んで構成されると共に、かかる筒状体が、軸方向一方側の端部において、前記第一の衝撃吸収体の前記平坦面部における前記バンパカバーとの対向面上に組み付けられるか又は一体化された状態で、軸心が該バンパカバーに対して外部から入力される衝撃の入力方向に延びるように、配置される。なお、ここで言う衝撃の入力方向とは、衝撃が入力せしめられる方向に一致する方向と、それに近い方向とを含む方向を意味する。以下、同一の意味において使用する。
【0017】
このような本態様によれば、バンパカバーに対して外部から衝撃が入力せしめられた際に、この外部からの衝撃力が、第二の衝撃吸収体を構成する筒状体の筒壁に対して、その高さ方向の圧縮荷重として作用し、筒壁が高さ方向において座屈変形せしめられるようになる。これによって、前述せる如き従来のバンパ構造とは異なって、第一の衝撃吸収体における第二の衝撃吸収体が組付乃至は一体化される部位に、溝や局部的な凹所を何等設けることなく、筒状体の変形量が、十分に確保され得る。
【0018】
そして、かくの如き第二の衝撃吸収体を構成する筒状体の座屈変形によって、第二の衝撃吸収体の荷重変位特性が、衝撃入力の初期段階に、小さな変位量で荷重値が急激に上昇し、その後、変位量の増加に拘わらず、荷重値が略一定に推移するといった理想的な矩形波に近い特性とされ、しかも、そのような荷重変位特性における初期荷重の立上りが早く、且つ初期荷重値がより大きな値となって、衝撃入力の初期段階における衝撃エネルギーの吸収量が効果的に大ならしめられ得るようになる。
【0019】
さらに、本発明に従うバンパ構造の第三の態様においては、前記第二の衝撃吸収体を構成する前記筒状体が、先端に向かうに従って、軸方向に対して直角な断面積が徐々に小さくなるか又は徐々に大きくなる中空角錐台形状を有して、構成される。
【0020】
このような本形態によれば、バンパカバーに対して外部から衝撃が入力せしめられることにより、第二の衝撃吸収体を構成する筒状体が変形せしめられた際に、筒状体の変形部位同士が、高さ方向に重なり合うことが可及的に抑制乃至は解消され得る。それによって、筒状体が、十分に大きな変形量をもって変形せしめられ得ると共に、筒状体の変形後の高さが有利に小さく為され得、以て、筒状体の変形前の高さに対する筒状体の変形量の割合にて示される、所謂有効ストローク指数が大きくされ得るようになる。
【0021】
更にまた、本発明に従うバンパ構造の第四の態様においては、前記第二の衝撃吸収体を構成する前記筒状体が、前記第一の衝撃吸収体とは反対側の開口部を閉塞する平板状の底部を一体的に有して構成される。
【0022】
かかる本態様によれば、バンパカバーに外部から入力される衝撃に対する応力が、第二の衝撃吸収体を構成する筒状体の底部において効果的に分散せしめられ、それによって、筒状体の筒壁に対する高さ方向の圧縮荷重として作用せしめられる衝撃力が、かかる筒壁の全体に対して可及的に均等に作用せしめられ、以て、筒状体の筒壁が、高さ方向において、より確実に座屈変形せしめられるようになる。
【0023】
また、本発明に従うバンパ構造の第五の態様では、前記第二の衝撃吸収体が、前記筒状体の複数を含んでなり、且つ該複数の筒状体が、互いに所定の間隔を隔てて、それぞれの筒壁を対向させた状態で隣り合って配置せしめられると共に、互いに隣り合うもの同士が、合成樹脂製の連結体にて相互に連結せしめられて、構成される。
【0024】
このような本態様によれば、バンパカバーに対する外部からの衝撃の入力により、第二の衝撃吸収体を構成する複数の筒状体が変形せしめられる際に、例えば、各筒状体が移動等して、隣り合う筒状体同士が互いに接触し、それぞれの変形を阻害するようなことが有利に回避され得、以て、複数の筒状体のそれぞれの変形量が、十分に確保され得るようになる。
【0025】
さらに、本発明に従うバンパ構造の第六の態様においては、前記第一の衝撃吸収体が、平板状の基板からなる前記平坦面部を有すると共に、該平坦面部の前記バンパカバーとの対向面とは反対側の面上に、所定高さを有する板状の複数のリブが格子状に組み合わされて、一体的に立設せしめられてなる合成樹脂材製のリブ構造体にて構成される。
【発明の効果】
【0026】
そして、本発明に従うバンパ構造の第一の態様にあっては、上述せる如く、第二の衝撃吸収体により、歩行者の保護が図られ得る。また、第一の衝撃吸収体において、所望の衝撃エネルギーの吸収量を確保し得る衝撃吸収性能がより確実に発揮され得るようになっており、それによって、かかる第一の衝撃吸収体の衝撃吸収性能に基づいて、車体が、更に一層安定的に且つ確実に保護され得る。
【0027】
従って、このような本発明に従うバンパ構造によれば、行者保護性能と車体保護性能とを、より高いレベルで、安定的に且つ確実に両立させることが出来るのである。
【0028】
また、本発明に従うバンパ構造の第二の態様おいては、上述せる特徴に加えて、第二の衝撃吸収体が、衝撃入力の初期段階において、より大きな衝撃エネルギーの吸収量が得られるようになっており、それによって、車両の歩行者との衝突により生ずる衝撃のエネルギーが、第二の衝撃吸収体にて、更に一層効率的に且つ確実に吸収され得る。
【0029】
従って、かくの如き本発明に従うバンパ構造によれば、歩行者保護性能が、飛躍的に高められ得ることとなるのである。
【0030】
しかも、このような本発明に従うバンパ構造にあっては、第二の衝撃吸収体が、中空角筒形状を呈する、合成樹脂製の筒状体にて構成されているところから、かかる第二の衝撃吸収体、ひいてはバンパ全体の製作性と軽量性とが有利に高められ得る。また、筒状体の筒壁の厚さや高さ、形状、更には筒壁を与える側壁の個数等を変更するだけで、第二の衝撃吸収体の衝撃吸収性能を容易にチューニングすることが出来、以て、歩行者保護に対する要求性能が、極めて有利に且つ確実に実現され得るといった利点も得られる。
【0031】
さらに、本発明に従うバンパ構造の第三の態様では、前述せるように、第二の衝撃吸収体を構成する筒状体の有効ストローク指数が、有利に増大せしめられ得るところから、第二の衝撃吸収体が、限られた狭いスペース内に配置されて、筒状体の高さが制限される場合にあっても、そのような筒状体において、優れた衝撃吸収性能が有効に発揮され得る。そして、その結果として、優れた歩行者保護性能が、より安定的に確保され得ることとなるのである。
【0032】
更にまた、本発明に従うバンパ構造の第四の態様においては、上記せるように、車両の歩行者との衝突時に、その衝撃により、第二の衝撃吸収体を構成する筒状体の筒壁が、高さ方向において、より確実に座屈変形せしめられるようになっている。これによっても、かかる筒状体において、優れた衝撃吸収性能が効果的に発揮され得、以て、歩行者の保護性能が向上が、更に有利に実現され得る。
【0033】
また、本発明に従うバンパ構造の第五の態様では、第二の衝撃吸収体を構成する複数の筒状体のそれぞれの変形量が、十分に確保され得るようになっているため、歩行者保護性能が、より安定的に且つ更に高いレベルで実現され得る。
【0034】
さらに、本発明に従うバンパ構造の第六の態様によれば、第一の衝撃吸収体、ひいてはバンパ全体の製作性と軽量性とが有利に高められ得る。また、第一の衝撃吸収体を構成するリブ構造体における複数のリブの厚さや高さ、隣り合うもの同士の間の距離、或いは個数等を、単に変更するだけで、第一の衝撃吸収体の衝撃吸収性能を容易にチューニングすることが出来、以て、車体保護に対する要求性能が、極めて有利に且つ確実に実現され得ることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係るバンパ構造の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0036】
先ず、図1には、本発明に従う構造を有するバンパの一実施形態としての自動車の前面部に取り付けられるバンパが、その縦断面形態において、概略的に示されている。かかる図1から明らかなように、本実施形態のバンパは、バンパ補強部材としてのバンパリーンホースメント10と、このバンパリーンホースメント10に対して所定距離を隔てて対向配置されたバンパカバー12と、それらバンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間に配置された衝撃吸収手段としての第一の衝撃吸収体14と第二の衝撃吸収体16とを有して、構成されている。
【0037】
より具体的には、バンパリーンホースメント10は、十分な剛性と、バンパ全体の長さと略同一長さとを有する金属製の中空材からなり、バンパ全体に対して剛性を付与し得る公知の構造を有している。そして、自動車の前面側に、車幅方向に延びるように位置せしめられて、自動車の前面部を構成するボデーパネル18(図1において、二点鎖線で示す)の前面に対して、ボルト固定等にて取り付けられるようになっている。
【0038】
また、バンパカバー12も、従来品と同様に、変形が容易で、且つある程度の弾性(復元性)を有する軟質の合成樹脂材料からなり、バンパ全体に対して、所望の意匠と、変形による衝撃吸収性能を付与し得るように構成されている。そして、自動車の前面側に位置せしめられるバンパリーンホースメント10の前方において、バンパリーンホースメント10との間に所定のスペース20を形成しつつ、その前面を覆って対向配置された状態で、バンパリーンホースメント10に対して、直接に若しくは適当な取付部材等を介して、ねじ止め等により、固定されている。
【0039】
そして、上述せる如く、かかる構造を有するバンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース20内に、互いに異なる構造を有する第一の衝撃吸収体14と第二の衝撃吸収体16とが、前者をバンパリーンホースメント10側に位置せしめる一方、後者をバンパカバー12側に位置せしめた状態で、収容されている。
【0040】
すなわち、第二の衝撃吸収体16は、図2乃至図4から明らかなように、複数(ここでは、8個)の筒状体22と、それら複数の筒状体22を連結する複数(ここでは、7個)の第一連結体28と、複数対(ここでは、7対)の第二連結体30とから成っている。
【0041】
そして、この第二の衝撃吸収体16を構成する筒状体22は、上底が下底よりも所定寸法だけ短い略台形状を呈する薄肉平板からなる四つの側壁24と、長手矩形の薄肉平板からなる底壁26とを有している。また、これら四つの側壁24は、互いに同じ大きさの台形状を呈する二つの側壁24a,24bと、それらよりも面積は小さいものの、互いに同じ台形状とされた二つの側壁24c,24dとから構成されている。そして、そのような四つの側壁24が、互いに同じ大きさの面積を有するもの同士において対向位置せしめられた状態で、筒状部20の軸心に向かって漸次接近するように傾斜しつつ、上方に向かって延びるように立設されており、また、それら各側壁24の上底側の辺縁部に対して、底壁26が、四つの辺部において、それぞれ一体化されている。
【0042】
つまり、換言すれば、ここでは、筒状体22が、四つの側壁24と、それら四つの側壁24が組み合わされてなる筒壁の上部開口部を閉塞する底壁26とからなる一体品として構成されており、全体として、軸直方向に広がる断面が矩形状とされ、且つ先端に向かうに従って、該断面の面積が次第に小さくなる、片側有底の中空角錐台形状をもって形成されている。そして、このような筒状体22の複数が、互いに一定の間隔をおいて、面積が大なる側壁24a,24b同士を対向させつつ隣り合って、一列(一直線)に並べられるように独立して配置されているのである。
【0043】
また、かくの如き構造とされた筒状体22にあっては、図1に示されるように、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース20内に配置された状態下において、四つの側壁24が、車体の前後方向となるバンパリーンホースメント10とバンパカバー12の対向方向、つまり、バンパカバー12への衝撃の入力方向(図1において、矢印アにて示される方向)に延び出して立設された状態で位置せしめられるようになっている。そして、その形成材料として、座屈変形し易いオレフィン系樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の合成樹脂材料が用いられている。
【0044】
かくして、かかる筒状体22を複数有する第二の衝撃吸収体16にあっては、前記スペース20内への配置状態下で、バンパカバー12を介して、各筒状体22に対して、その高さ方向(軸方向)に外部から衝撃が加えられた際に、その衝撃力が、各側壁24に対して、その高さ方向の圧縮荷重として作用されて、それら各側壁24が座屈変形せしめられるようになっている。これによって、第二の衝撃吸収体16の荷重変位特性が、理想的な矩形波に近い特性とされ、以て、小さな衝撃ストローク(衝撃による変形量)において、十分に大きな衝撃吸収量が得られるようになっている。
【0045】
そして、そのような側壁24の四つが互いに一体化されて、角筒状の筒壁形態を有しているため、筒状体22の衝撃吸収特性を表すFS曲線における衝撃入力初期段階での勾配(立上り角度)がより大きく為され得ると共に、その初期荷重値も十分に増大せしめられ得て、衝撃入力の初期段階における衝撃エネルギーの吸収量が、更に一層効果的に大ならしめられ得るようになっている。
【0046】
しかも、筒状体22が、全体として、先端に向かうに従って、軸直方向に広がる断面の面積が次第に小さくなる四角錐台形状とされているため、各側壁24の座屈変形時に、各側壁24の変形部分同士が高さ方向に重なり合うことが可及的に解消されて、十分に大きな有効ストローク(衝撃エネルギーの吸収に有効な変形量)が確保され得るようになっているのである。
【0047】
また、筒状体22の先端部に、その先端開口部を閉塞する底壁26が一体形成されているところから、筒状体22に入力される衝撃に対する応力が、底壁26において分散せしめられて、複数の側壁24に高さ方向の圧縮荷重として作用せしめられる衝撃力が、それら複数の側壁24のそれぞれに対して可及的に均等に作用せしめられ、以て、各側壁24が、高さ方向において、より確実に座屈変形せしめられ得るようになっている。これによっても、第二の衝撃吸収体16において、より優れた衝撃吸収性能が発揮され得るように構成されている。
【0048】
一方、図1乃至図4から明らかなように、二種類の連結体28,30のうち、第一連結体28は、所定の幅と前記薄肉の側壁24と略同程度の肉厚とを有する平板形状を呈しており、互いに隣り合う筒状体22の間のそれぞれにおいて、一方の筒状体22における面積が大なる側壁24a(24b)の基部の幅方向中央部から、かかる側壁24a(24b)に対向する、他方の筒状体22の側壁24b(24a)に向かって真っ直ぐに延び出して位置せしめられている。
【0049】
また、第二連結体30は、第一連結体28と略同一の厚さとそれよりも狭い幅とを有する平板形状を呈しており、互いに隣り合う筒状体22の間において、一方の筒状体22における側壁24a(24b)の基部の幅方向両端から、それぞれ一つずつ、かかる側壁24a(24b)に対向する、他方の筒状体22の側壁24b(24a)に向かって真っ直ぐに、且つ互いに平行に延び出して位置せしめられている。
【0050】
そして、このような第一連結体28と第二連結体30とが、それぞれの両端において、互いに隣り合う筒状体22の対向する側壁24a,24bに対して、それぞれ一体化せしめられている。これによって、上述の如く一列に並べられて配置された複数の筒状体22の互いに隣り合うもの同士が一体的に連結せしめられており、以て、第二の衝撃吸収体16が、それら複数の筒状体22と、それらを連結する第一及び第二連結体28,30とからなる一体成形品として、構成されているのである。
【0051】
また、そのような第二の衝撃吸収体16において、その長さ方向両端に位置する筒状体22とそれに隣り合う筒状体22とを連結する二つの第一連結体28の裏面と、第二の衝撃吸収体16の長さ方向の中央に位置する二つの筒状体22,22同士を連結する第一連結体28の裏面とには、公知の構造を有する係合クリップ32が、それぞれ、一つずつ、一体的に設けられている。
【0052】
すなわち、この係合クリップ32は、第一連結体28の裏面に所定高さをもって突設された支柱部34と、この支柱部34の先端から第一連結体28の裏面に向かって、支柱部34から漸次離隔しつつ傾斜して延びる一対のアーム状の係止片36,36とを有しており、それら各係止片36が、支柱部34側への押圧力に対して、弾性による復元力を発揮し得るように構成されている。また、かかる係合クリップ32の各係止片36においては、自由端とされた先端部の支柱部34側とは反対側の面に係合突起38が、それぞれ一体的に突設されている。
【0053】
なお、このような係合クリップ32を有する第一連結体28も、かかる第一連結体28と共に筒状体22を連結する第二連結体30も、前記筒状体22を与えるオレフィン系樹脂と同一の樹脂材料にて形成されている。これによって、第二の衝撃吸収体16の全体が、一種類の合成樹脂材料を用いた、例えば、射出成形等により一挙に成形され得るようになっていると共に、第一連結体28に対して良好な可撓性が付与されて、第二の衝撃吸収体16の全体において、かかる第一連結体28の可撓性に基づく、それの板厚方向への撓み変形が許容されるようになっている。
【0054】
また、ここでは、隣り合う筒状体22同士が、第一連結体28と共に、第二連結体30にて連結されていることによって、それら筒状体22同士を離隔させる方向への第二の衝撃吸収体16の引張強度が補強されていると共に、第一連結体28と第二連結体30の板厚や板幅が、それぞれ適度な大きさに調節されることによって、それら各連結体28,30の板厚方向や板幅における第二の衝撃吸収体16の曲げ強度も補強されており、以て、第二の衝撃吸収体16全体の剛性のチューニングが図られている。
【0055】
そして、本実施形態においては、第二の衝撃吸収体16における筒状体22の各側壁24の板厚:t1 が、有利には1.0〜3.0mm程度とされる。これによって、例えば、第二の衝撃吸収体16がバンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間に配置された状態下で、自動車の歩行者との衝突時に、歩行者の脚部等のバンパカバー12との接触により生ずる比較的に荷重の小さな衝撃が、バンパカバー12を介して、第二の衝撃吸収体16に入力された際に、各側壁24が、より確実に座屈変形せしめられるようになり、また、そのような各側壁24の座屈変形によって、第二の衝撃吸収体16に入力される衝撃のエネルギーが、極めて確実に且つ効率的に吸収され得るようになる。
【0056】
また、好ましくは、かかる筒状体22の底壁26の板厚:t2 も1.0〜3.0mm程度とされると共に、第一連結体28の板厚:t3 が1.0〜2.0mm程度で、第二連結体30の板厚:t4 は0.8〜1.5mm程度とされる。このように、筒状体22の各側壁24だけでなく、その底壁26と第一及び第二連結体24,26の各板厚も、適度に薄い肉厚とされることによって、各側壁24の座屈変形による十分な衝撃吸収性能と第二の衝撃吸収体16全体における所望の剛性とを確保しつつ、第二の衝撃吸収体16全体の軽量化が、有利に図られ得るようになる。勿論、これら各側壁24や底壁26、第一及び第二連結体24,26の各板厚は、上記例示のものに、何等限定されるものではない。
【0057】
さらに、第二の衝撃吸収体16においては、望ましくは、筒状体22の高さ:h1 が35〜60mm程度で、その幅:wが15〜40mm程度とされると共に、隣り合う筒状体22同士の間の距離:mが15〜40mm程度とされる。これにより、第二の衝撃吸収体16の全体形状のコンパクト化が図られると共に、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間の限られたスペース20内に、十分な数の筒状体22が位置せしめられるようになる。そして、その結果として、様々な車種のバンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース20、つまり、バンパの内側の様々な大きさのスペース20に対して有利に対応位置せしめられ得るようになると共に、かかるスペース20内への配置状態下で、バンパの長さ方向において、衝撃吸収性能に部分的なバラツキが生ずるようなことが防止され得るようになる。
【0058】
また、前述せる如く、第二の衝撃吸収体16の筒状体22が、有効ストロークが大きく且つ衝撃入力の初期段階において十分に大きな衝撃エネルギーの吸収が図られ得るように構成されているため、そのような筒状体22の高さ:h1 が低く設計されていても、第二の衝撃吸収体16において、優れた衝撃吸収性能が有効に確保され得るようになっている。なお、これら筒状体22の高さ:hや幅:w、或いは樹脂成形体同士の間の距離:mは、上記例示のものに何等限定されるものではなく、バンパの内側スペース20の大きさや、要求される衝撃吸収性能等に応じて、適宜に決定されることは、言うまでもないところである。換言すれば、筒状体22の板厚を調節したり、或いは筒状体22が有する側壁24の個数や高さ、幅、隣り合う筒状体22同士の間隔等を変更したりすることによって、筒状体22ひいては第二の衝撃吸収体16全体の衝撃吸収性能が、容易にチューニングされ得るのである。
【0059】
一方、第一の衝撃吸収体14は、図1及び図5から明らかなように、所定の合成樹脂材料からなり、平坦面部40と、この平坦面部40の一方の面上に一体的に立設された複数のリブ42とを有するリブ構造体として、構成されている。
【0060】
なお、この第一の衝撃吸収体14を与える合成樹脂材料は、何等限定されるものではなく、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂材料やABS樹脂等、従来の一般的な車両用衝撃吸収構造体の構成材料が、何れも使用され得るのであって、その中から、例えば、成形性や要求される衝撃吸収特性等を考慮して、適宜に選択されて、使用されることとなる。また、このような第一の衝撃吸収体14の構成材料は、前記第二の衝撃吸収体16を構成する合成樹脂材料と、同一のものであっても良く、或いは互いに異なる種類のものであっても良い。
【0061】
そして、かかる第一の衝撃吸収体14における平坦面部40は、所定の厚さを有する長手矩形の平板からなる基板形態を有して構成されており、それによって、複数のリブ42の形成側とは反対側の面が、局部的な凹所な何等存在しない平滑面41とされている。また、この平坦面部40においては、後述するように、第一の衝撃吸収体16と第二の衝撃吸収体16とが相互に組み付けられた際に、第二の衝撃吸収体16に設けられた前記三つの係合クリップ32と対応位置せしめられる裏面側の三個所に、各係合クリップ32が挿通可能な係合孔44が、形成されている。
【0062】
また、そのような平坦面部40に一体形成される複数のリブ42は、同一の高さと薄い肉厚とを有する平板形状をもって、構成されている。そして、ここでは、それら複数のリブ42が、平坦面部40の平滑面41とは反対側の面上において、その幅方向(図1中、上下方向)に一定の間隔をあけて対向しつつ、長さ方向(図1中、紙面に垂直な方向)に連続して互いに平行に延びる複数(ここでは、4個)の縦リブ42aと、平坦面部40の長さ方向に一定の間隔をあけて対向しつつ、その幅方向に連続して互いに平行に延びる複数(ここでは、10個)の横リブ42bとからなっている。
【0063】
つまり、本実施形態では、第一の衝撃吸収体14が、平坦面部40の平滑面41とは反対側の面に対して、薄肉の平板形状を有する4個の縦リブ42aと10個の横リブ42bとが、互いに直角に交差しつつ、格子状に組み合わされた状態で、一体的に立設されてなる一体成形品として、構成されているのである。
【0064】
これによって、かくの如き構造とされた第一の衝撃吸収体14にあっては、例えば、平坦面部40に対して、平滑面41側から衝撃が加えられた際に、その衝撃力が、複数のリブ42に対して、その高さ方向の圧縮荷重として作用されて、それらリブ42が、高さ方向において徐々に潰れ変形せしめられるようになっており、以て、第二の衝撃吸収体16の荷重変位特性が、各リブ42の変位量(変形量)の増加に応じて、荷重値も増大するといった略比例的な特性とされている。
【0065】
また、図1から明らかな如く、かかる第一の衝撃吸収体14では、複数のリブ42が、格子状に組み合わされた状態で、平坦面部40上に一体的に立設されていることによって、複数のリブ42が、衝撃の入力により、その衝撃の入力方向に交差する方向に変位したり、倒伏したりして、各リブ42の変位量が減少するようなことが、未然に防止され得るようになっている。しかも、それら複数のリブ42のうち、少なくとも縦リブ42a同士の間の距離が、第二の衝撃吸収体16の二つの側壁24c,24dの間の距離よりも小さくされているため、第一の衝撃吸収体14全体の剛性、つまり変形強度が、第二の衝撃吸収体16の変形強度よりも適度に大きくされている。
【0066】
かくして、第一の衝撃吸収体14においては、比較的に大きな荷重の衝撃が入力せしめられた際にも、その衝撃エネルギーが、十分に且つ確実に吸収され得るようになっているのである。
【0067】
なお、このような第一の衝撃吸収体14の寸法諸元は、特に限定されるものではないものの、良好な成形性と軽量性とを有し、且つ衝撃の入力時に確実に変形せしめられ得るように為すために、好ましくは、平坦面部40の厚さ:t5 が1.0〜3.5mm程度で、縦リブ42aと横リブ42bのそれぞれの厚さ:t6 ,t7 が0.8〜3.5mm程度とされ、また、縦リブ42aと横リブ42bのそれぞれのリブピッチ:P1 ,P2 が15〜100mm程度とされる。そして、そのような範囲内において、第二の衝撃吸収体16よりも高い変形強度が確実に得られるように、平坦面部40の厚さ:t5 と各リブ42の厚さ:t6 ,t7 とリブピッチ:P1 ,P2 とが、それぞれ適宜に決定されることとなる。換言すれば、それら平坦面部40や各リブ42の厚さ、或いはリブピッチ等を調節することによって、第一の衝撃吸収体14全体の衝撃吸収性能が、容易にチューニングされ得ることとなる。
【0068】
また、第一の衝撃吸収体14の各リブ42の高さ:h2 は、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース20において、第二の衝撃吸収体16の配置スペースを除いた大きさに応じて、適宜に決定されるところである。更に、このような第一の衝撃吸収体14は、一般に、射出成形により容易に成形されることとなるが、その成形時における離型性等を考慮した場合、例えば、リブピッチ:P1 ,P2 が大きくされると共に、縦リブ42aと横リブ42bとにて形成される格子の各角部に、格子の内側に向かって凸となる凸状湾曲部が設けられ、この凸状湾曲部の端面において、金型に設けられるイジェクタピン等の突き出し部材にて突き出されるように構成されていることが、望ましい。
【0069】
而して、本実施形態においては、図1に示されるように、上述の如き構造とされた第二の衝撃吸収体16が、第一の衝撃吸収体14における平坦面部40の平滑面41上に、第一及び第二連結体28,30を接触させて、配置されており、また、そのような配置状態下で、複数の第一連結体28のうちの三つのものにそれぞれ設けられた係合クリップ32の係止片36が、かかる平坦面部40に形成された三つの係合孔44内に、それぞれ突入せしめられ、更に、かかる係止片36の係合突起38が、平坦面部40の平滑面41における係合孔44の開口周縁部に係合させられている。これによって、第二の衝撃吸収体16が、第一の衝撃吸収体14に対して、その平坦面部40の平滑面41上に立設される状態において、一体的に組み付けられている。なお、このような係合クリップ32の係合孔44に対する係合状態の解消によって、第二の衝撃吸収体16が、第一の衝撃吸収体14から容易に取り外される。
【0070】
そして、そのようにして一体的に組み付けられた第一の衝撃吸収体14と第二の衝撃吸収体16とが、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース20内において、前述せるように、バンパリーンホースメント10側とバンパカバー12側とに、それぞれ位置せしめられ、且つ第一の衝撃吸収体14における平坦面部40の平滑面41面を、バンパカバー12のバンパリーンホースメント10との対向面に対向させた状態で、配置されている。また、そのような配置状態下で、第一の衝撃吸収体14における各リブ42が、その平坦面部40側とは反対側の先端面において、バンパリーンホースメント10のバンパカバー12との対向面に接着されている。
【0071】
換言すれば、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース20内において、それらの対向方向の中間部に、第一の衝撃吸収体14の平坦面部40が、平滑面41とその反対側の面とにおいて、バンパカバー12とバンパリーンホースメント10とに対してそれぞれ対向位置せしめられ、且つそのような平坦面部40におけるバンパカバー12との対向面(平滑面41)上と、バンパリーンホースメント10との対向面(平滑面41とは反対側の面)上とに、第二の衝撃吸収体16の各筒状体22と、第一の衝撃吸収体14の各リブ42とが、何れも、自動車の衝突事故の発生時に外部から入力される衝撃の入力方向(図1中、矢印アにて示される方向)に延び出して、立設されるようにして、第一の衝撃吸収体14と第二の衝撃吸収体16とが、位置固定に配設されているのである。
【0072】
かくして、本実施形態においては、例えば、自動車の歩行者等との衝突により、歩行者がバンパカバー12に接触し、パンパカバー12に対して、図1に矢印アにて示される方向やそれに近い方向に、比較的に荷重の小さな衝撃が入力された際に、かかるバンパカバー12の歩行者との接触部位に対応位置する、第二の衝撃吸収体16における筒状体22の各側壁24が、第二の衝撃吸収体14の平坦面部40とバンパカバー12との間に挟まれて、入力衝撃により座屈変形せしめられる。これにより、第二の衝撃吸収体16において、前述せる如き極めて優れた荷重変位特性が発揮され、以て、歩行者との衝突によって生ずる衝撃のエネルギーが、より効率的且つ確実に吸収せしめられ得る。
【0073】
なお、このとき、前記せるように、第二の衝撃吸収体16の変形強度が、第一の衝撃吸収体14の変形強度よりも小さくされているため、第二の衝撃吸収体16が、優先的に変形せしめられることとなるが、歩行者との衝突によって生ずる衝撃の大きさによっては、第一の衝撃吸収体14における複数のリブ42のうちの一部も、潰れ変形せしめられる。これによって、歩行者との衝突により生ずる衝撃が想定以上の大きさのもので合った場合にも、その衝撃エネルギーが、確実に吸収され得る。
【0074】
また、自動車間等での軽衝突の発生により、バンパカバー12に対して、図1に矢印アにて示される方向やそれに近い方向に、大荷重の衝撃が入力された際には、第二の衝撃吸収体16における筒状体22の各側壁24が座屈変形せしめられる一方で、第一の衝撃吸収体14における複数の縦リブ42aと複数の横リブ42bも、平坦面部40とバンパリーンホースメント10との間に挟まれて、潰れ変形せしめられる。そして、このような第二の衝撃吸収体16と第一の衝撃吸収体14とのそれぞれの変形に伴って、互いに協働して発揮せしめられる両衝撃吸収体16,14の衝撃吸収作用によって、自動車間等での軽衝突により生ずる衝撃のエネルギーが、極めて確実に且つ十分に吸収せしめられ得る。
【0075】
従って、このような本実施形態によれば、歩行者との衝突時における歩行者の安全が効果的に図られ得る。そして、それと共に、自動車間での軽衝突時に、衝突物がバンパリーンホースメント10側に大きく進入して、車体やその付属部品等を損傷させることも、有利に防止され得る。
【0076】
そして、本実施形態では、特に、歩行者との衝突時に生ずる小荷重の衝撃によって、第二の衝撃吸収体16における筒状体22の各側壁24が、バンパカバー12と平坦面部40との間で座屈変形せしめられるようになっていることによって、例えば、第一の衝撃吸収体14における平坦面部40の平滑面41側に、筒状体22の変形量が十分な大きさにおいて確保するための局部的な凹所等を設ける必要が、有利に解消され得ている。それ故、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース20内における、特に第二の衝撃吸収体16の配置スペースの全部を有効利用して、第二の衝撃吸収体16の全体形状、例えば各リブ42の高さや厚さ、リブピッチ等を自由に設計することが可能となる。
【0077】
従って、かくの如き本実施形態によれば、第一の衝撃吸収体14において、所望の衝撃エネルギーの吸収量が得られる衝撃吸収性能が、より確実に発揮され得、その結果として、車体の保護性能が、更に一層高いレベルで確保され得ることとなる。
【0078】
また、本実施形態においては、第二の衝撃吸収体14における複数の筒状体22同士が、第一及び第二連結体28,30にて相互に連結されているところから、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース20内への第二の衝撃吸収体16の配置状態下で、この第二の衝撃吸収体16に外部から衝撃が入力せしめられて、各筒状体22が変形せしめられる際に、例えば、各筒状体22が移動等して、隣り合う筒状体22同士が互いに接触し、それぞれの変形を阻害するようなことが有利に回避され得、以て、複数の筒状体22のそれぞれの変形量が、十分に確保され得る。そして、その結果として、歩行者保護性能も、より安定的に且つ更に高いレベルで実現され得る。
【0079】
さらに、本実施形態では、第二の衝撃吸収体16が、それに一体形成された複数の係合クリップ32にて、第一の衝撃吸収体14に対して、係合せしめられて、着脱可能に固定されているところから、例えば、歩行者との衝突により、第二の衝撃吸収体16とが変形せしめられた後に、かかる第二の衝撃吸収体16を新しいものに容易に取り替えることが出来る。これによって、第二の衝撃吸収体16の交換作業が容易となっているばかりでなく、その交換コストも、可及的に抑制され得るといった利点が得られる。
【0080】
次に、本発明に従う構造を有するバンパの内部に取り付けられるべき第一の衝撃吸収体と第二の衝撃吸収体とからなる衝撃吸収手段の衝撃吸収特性に関して、本発明者等が行った試験について、以下に詳述することとする。
【0081】
すなわち、先ず、図1乃至図4に示される如き構造、即ち、四角錐台形状を呈する片側有底の筒状体の複数が、連結体にて相互に連結されてなる第二の衝撃吸収体を、ポリプロピレンを用いて一体成形した。なお、この第二の衝撃吸収体における筒状体の各側壁の厚さを2.0mmとし、且つその高さを55mmとした。
【0082】
また、それとは別に、図1及び図5に示される如き構造、即ち、長手矩形平板状の平坦面部を有し、かかる平坦面部の一方の面上に、複数の平板状のリブが格子状に組み合わされた状態で立設されてなる第一の衝撃吸収体を、ポリプロピレンを用いて一体成形した。なお、この第一の衝撃吸収体における平坦面部の厚さを2.0mmとし、また、各リブの厚さを1.5mm、高さを50mmとし、更にリブピッチを30mmとした。このような構成とすることにより、第一の衝撃吸収体の変形強度を、第二の衝撃吸収体の変形強度よりも大きくなるようにした。そして、それら第一の衝撃吸収体と第二の衝撃吸収体16とを、それらにそれぞれ設けられた係合クリップと係合孔との係合により一体的に組み付けて、供試品を作製した。
【0083】
次に、かくして作製された供試品を用い、これを、第一の衝撃吸収体における各リブの先端面において、テーブル上に当接させた状態で、移動不能に固定し、そして、重量が21.3kg、直径が75mmの円筒体からなるインパクタとオートグラフィ装置とを用いた公知の手法に従って、6m/sの衝撃速度により、衝突試験を、公知の方法により実施した。その後、従来手法に従って、かかる衝突試験での供試品における衝撃の荷重値と衝撃による変位量とを求めて、それらの関係を調べた。その結果を図6に示した。
【0084】
かかる図6から明らかなように、本発明に従う構造とされた供試品にあっては、変位量が、第一の衝撃吸収体の高さと略同じ大きさ(図6中、矢印aにて示される変位量)となるまでの領域:Aでは、変位量の増大に拘わらず、荷重値が略一定の大きさで推移する矩形波的な荷重変位特性を示し、変位量が、第一の衝撃吸収体の高さを越えた値となる領域:Bでは、変位量の増加に伴って、荷重値も増大する略比例的な荷重変位特性を示している。
【0085】
これは、例えば歩行者との衝突により生ずる荷重の小さな衝撃が入力された際に、その衝撃のエネルギーが、第二の衝撃吸収体の変形によって、効率的に且つ確実に吸収される一方、例えば自動車間での軽衝突により生ずる荷重の大きな衝撃が入力された際には、先ず、その衝撃のエネルギーが、第二の衝撃吸収体の変形により吸収され、そして、それに引き続いて、第一の衝撃吸収体の変形により吸収されることで、十分に且つ確実に吸収され得ることを、如実に示している。このことから、本発明に従うバンパ構造を採用することによって、歩行者保護と車体保護とが、何れも有利に達成され得ることが、明確に認識され得るのである。
【0086】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0087】
例えば、第一の衝撃吸収体14と第二の衝撃吸収体16のそれぞれの構造は、例示のものに、何等限定されるものではなく、バンパリーンホースメント10とバンパカバー12との間のスペース20内への配置状態での第一の衝撃吸収体14のバンパカバー12側部位が、バンパカバー12と対向する平坦面部40とされ、且つ変形強度が、かかる第一の衝撃吸収体14よりも第二の衝撃吸収体16の方が小さくされておれば、それら第一及び第二の衝撃吸収体14,16として、様々な構造を有するものを種々組み合わせて、採用することが出来る。
【0088】
例えば、第二衝撃吸収体16として、鉄やアルミニウム等の金属材料からなる筒状体を用い、これを、前記スペース20内のバンパカバー12側に、衝撃入力方向に対して直角な方向に延びるように配置する一方、第一の衝撃吸収体14として、少なくも一面が平坦面とされた、第二の衝撃吸収体16よりも変形強度の大きなブロック状の樹脂発泡体を、かかる平坦面がバンパカバー12と対向するように、スペース20内のバンパリーンホースメント10側に配置することも、可能である。
【0089】
また、第二の衝撃吸収体16として、樹脂発泡体を用いる一方、第一の衝撃吸収体14として、平坦面を有し、且つ第二の衝撃吸収体16よりも変形強度が大きくされた樹脂発泡体を用い、それらを上記と同様にして、スペース20内に配置しても良い。
【0090】
さらに、その他、第一の衝撃吸収体14と第二の衝撃吸収体16との組合せとして、前記実施形態に示される如きリブ構造体と金属材料からなる筒状体との組合せや、かかるリブ構造体と樹脂発泡体との組合せ、更には樹脂発泡体と前記実施形態に示される如き樹脂製の筒状体との組合せ等が、例示され得る。勿論、これらの組合せでは、第二の衝撃吸収体16たる各組合せの後者が、第一の衝撃吸収体14たる各組合せの前者よりも変形強度が小さくされている必要がある。
【0091】
また、第二の衝撃吸収体16として、樹脂製の筒状体22を採用する場合にあっても、かかる筒状体22の全体形状は、例示される如き軸方向に直角な断面の面積が次第に小さくなる四角錐台形状に、特に限定されるものではない。例えば、軸方向に直角な断面の面積が次第に大きくなる四角錐台形状、軸方向に直角な断面の面積が次第に小さくなるか若しくは大きくなる、四角錐台形状以外の角錐台形状、更には軸方向に直角な断面積が一定な角筒形状等であっても良く、更には、円筒形状や、断面楕円形状、或いは断面無定形状の筒体形状であっても良いのである。
【0092】
そのような筒状体22を連結する第一及び第二連結体28,30も、本発明において、何等必須のものではないものの、それを形成する場合には、その形状は配設個数が、特に限定されるものではない。
【0093】
また、第一の衝撃吸収体14として、前記実施形態に示される如きリブ構造体を採用する場合にあっても、例えば、基板からなる平坦面部40の一方の面上に、縦リブ42aと横リブ42bとが格子状に組み合わされてなる格子状体の幾つかが、互いに独立して、複数設けられてなる如き構造も、採用され得る。
【0094】
さらに、第一の衝撃吸収体14と第二の衝撃吸収体16との相互の組付構造も、決して限定されるものではない。例えば、それらを接着したり、互いの当接部同士を溶融せしめて、一体化させたり、或いはテープ等によって締結させるようにしても良い。
【0095】
また、それら互いに組み付けられた第一の衝撃吸収体14と第二の衝撃吸収体16とを、スペース20内に配置させて、固定する際にも、第一の衝撃吸収体14を、接着により、バンパリーンホースメント10に固定する以外に、公知のクリップ等の係合機構を利用したり、テープ等を利用したりして、第一の衝撃吸収体14をバンパリーンホースメント10に固定することも可能である。勿論、それら接着や係合機構やテープ等により、第二の衝撃吸収体16を、バンパカバー12に固定しても、何等差し支えない。
【0096】
さらに、スペース20内に、第一の衝撃吸収体14と第二の衝撃吸収体16とを、それぞれ複数個ずつ、配置することも、勿論可能である。
【0097】
更にまた、バンパカバー12とバンパ補強部材としてのバンパリーンホースメント10の配設構造や材質、形状等も、前記実施形態に示されるものに、何等限定されるものではない。
【0098】
また、バンパカバー12が、一般的なバンパ部分とスポイラ等のエアロパーツ部分(所謂足払い部)とを一体的に含んで構成されるものであっても良く、その場合に、かかるエアロパーツ部分の内部に、第一及び第二の衝撃吸収体14,16を配設されていても、何等差し支えない。
【0099】
さらに、前記実施形態では、第一の衝撃吸収体14における平坦面部40のバンパカバー12との対向面が、フラットな平滑面41とされていたが、例えば、バンパ全体が緩やかな湾曲形態とされている場合には、かかる平坦面40のバンパカバー12との対向面は、そのようなバンパの湾曲形態に応じた湾曲面とされていても良い。
【0100】
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車の前面部に取り付けられるバンパの構造に適用したものの具体例を示したが、本発明は、その他、自動車の後面部に取り付けられるバンパの構造や、自動車以外の車両に取り付けられるバンパ構造の何れに対しても、有利に適用され得ることは、勿論である。
【0101】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明に従う構造を有するバンパの一例を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されるバンパの内側に配置される第二の衝撃吸収体を示す正面説明図である。
【図3】図2に示された第二の衝撃吸収体の平面説明図である。
【図4】図3におけるIV−IV断面拡大説明図である。
【図5】図1に示されるバンパの内側に配置される第一の衝撃吸収体を示す斜視説明図である。
【図6】図1に示されるバンパの内側に配置される第一の衝撃吸収体と第二の衝撃吸収体との組付体における荷重値と変位量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0103】
10 バンパリーンホースメント 12 バンパカバー
14 第一の衝撃吸収体 16 第二の衝撃吸収体
20 スペース 22 筒状体
24 側壁 32 係合クリップ
40 平坦面部 41 平滑面
42 リブ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に取り付けられる、剛性を有するバンパ補強部材と、該バンパ補強部材の車体側とは反対側の面を覆って設置されるパンパカバーとの間に、衝撃吸収手段を配置して、該バンパカバーに対して入力される衝撃を、該衝撃吸収手段の変形により吸収せしめるようにしたバンパ構造において、
前記衝撃吸収手段を、前記バンパカバーと前記バンパ補強部材との間において該バンパ補強部材側に位置せしめられて、該バンパカバー側の部位が該バンパカバーと対向する平坦面部とされた第一の衝撃吸収体と、該バンパカバーとバンパ補強部材との間において該バンパカバー側に、該第一の衝撃吸収体の平坦面部におけるバンパカバーとの対向面上に組み付けられるか又は一体化されて、位置せしめられた、該第一の衝撃吸収体よりも小さな変形強度を有する第二の衝撃吸収体とから構成し、該バンパカバーに荷重の小さな衝撃が入力せしめられたときには、該第二の衝撃吸収体の変形により、かかる小衝撃を吸収せしめる一方、荷重の大きな衝撃が入力せしめられたときには、該第一の衝撃吸収体と該第二の衝撃吸収体の両方の変形により、かかる大衝撃を吸収せしめ得るように構成したことを特徴とするバンパ構造。
【請求項2】
前記第二の衝撃吸収体が、中空角筒形状を呈する、合成樹脂製の筒状体を含んで構成されると共に、かかる筒状体が、軸方向一方側の端部において、前記第一の衝撃吸収体の前記平坦面部における前記バンパカバーとの対向面上に組み付けられるか又は一体化された状態で、軸心が該バンパカバーに対して外部から入力される衝撃の入力方向に延びるように、配置されている請求項1に記載のバンパ構造。
【請求項3】
前記第二の衝撃吸収体を構成する前記筒状体が、先端に向かうに従って、軸方向に対して直角な断面積が徐々に小さくなるか又は徐々に大きくなる中空角錐台形状を有している請求項2に記載のバンパ構造。
【請求項4】
前記第二の衝撃吸収体を構成する前記筒状体が、前記第一の衝撃吸収体とは反対側の開口部を閉塞する平板状の底部を一体的に有して構成されている請求項2又は請求項3に記載のバンパ構造。
【請求項5】
前記第二の衝撃吸収体が、前記筒状体の複数を含んでなり、且つ該複数の筒状体が、互いに所定の間隔を隔てて、それぞれの筒壁を対向させた状態で隣り合って配置せしめられると共に、互いに隣り合うもの同士が、合成樹脂製の連結体にて相互に連結せしめられて、構成されている請求項2乃至請求項4のうちの何れか1項に記載のバンパ構造。
【請求項6】
前記第一の衝撃吸収体が、平板状の基板からなる前記平坦面部を有すると共に、該平坦面部の前記バンパカバーとの対向面とは反対側の面上に、所定高さを有する板状の複数のリブが格子状に組み合わされて、一体的に立設せしめられてなる合成樹脂材製のリブ構造体にて構成されている請求項1乃至請求項5のうちの何れか1項に記載のバンパ構造。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−21601(P2006−21601A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200507(P2004−200507)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000185617)小島プレス工業株式会社 (515)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】