バンプ配置評価装置、半導体装置設計支援装置及び半導体装置製造方法
【課題】バンプレイアウトの適否を試作前に判定することで、試作チップの製作コストの低減及び半導体装置設計の時間短縮を行うこと。
【解決手段】半導体チップ102の外形寸法、半導体チップ102におけるバンプ座標、各バンプ103のバンプ径、半導体チップ102に印加する超音波振動に基づいて半導体チップ102にかかる回転力を算出し、回転力によって各バンプ103に生じる応力を算出し、各バンプ103に生じる応力に基づいてバンプ103の配置の適否を評価する制御部31を備えている。
【解決手段】半導体チップ102の外形寸法、半導体チップ102におけるバンプ座標、各バンプ103のバンプ径、半導体チップ102に印加する超音波振動に基づいて半導体チップ102にかかる回転力を算出し、回転力によって各バンプ103に生じる応力を算出し、各バンプ103に生じる応力に基づいてバンプ103の配置の適否を評価する制御部31を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置のバンプを最適に配置するためのバンプ配置評価装置、半導体装置設計支援装置及び半導体装置製造方法に関し、特に各バンプに生じる応力に基づいて試作コストを低減できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図22は、半導体装置100の一例を示す断面図である。半導体装置100は、配線基板101上に半導体チップ102をバンプ103を介して実装し、樹脂104で封止して形成されている。このような半導体装置100は、配線基板101上にバンプ103を形成し(図23)、シリコン板105及び加圧ツール106を介して平坦化する(図24)。そして、半導体チップ102を載置した状態で、ボンディングツール107を用いて超音波振動を印加しながら加圧することで接合する(図25)。
【0003】
一方、半導体装置100の設計は次のようにして行われる。すなわち、CAD装置を用いて、配線基板101や半導体チップ102の構造に基づいて設計が行われ、バンプ103の配置が定められる。
【0004】
バンプ配置が不適切な場合、ボンディングツール107による超音波振動の印加を行った際、バンプ103の接合不良が生じる虞があるため、バンプ配置を変えて半導体チップ100を数〜数十種類試作する。そして、所定の温度試験を行った後、分解測定してバンプの状態を観察してバンプ配置の適否を判断するようにしていた。
【0005】
なお、バンプ配置によって超音波振動印加方向を選択する技術が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−252253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した半導体装置の設計方法では、次のような問題があった。すなわち、半導体装置の設計は、バンプレイアウトを変えた試作品を作った上で各種の試験を行わないと、その適否が判明しないため、バンプレイアウトを少しずつ変えた試作チップを何種類も試作することになり、開発コストが増大する。また、多種の試作チップを組み立てて試験を行い、その都度分解測定を行うため開発時間がかかるという問題があった。
【0007】
なお、図26に示すようにバンプ103が均等に配列されている場合と、図27に示すようにバンプ103が偏って配列されている場合とでは、接合不良の発生率が大きく異なる。これは、超音波振動を印加する過程で半導体チップ102に回転力が作用し、各バンプ103に過大な応力が発生し、接合が破断することによることがわかった。原因がわかった場合でも、設計時にはどのバンプ配置が回転しにくいかを予測できないため、やはり試作チップが必要となる。
【0008】
そこで本発明は、バンプ配置の適否を試作前に判定することで、試作チップの製作コストの低減及び半導体装置設計の時間短縮を行うことができるバンプ配置評価装置、半導体装置設計支援装置及び半導体装置製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のバンプ配置評価装置、半導体装置設計支援装置及び半導体装置製造方法は次のように構成されている。
【0010】
バンプを介して半導体チップを配線基板に実装する際の上記バンプの配置の適否を評価するバンプ配置評価装置において、上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプ座標、上記各バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に基づいて上記バンプに生じる回動方向の応力を算出するバンプ応力算出手段と、上記バンプ応力算出手段に求められたバンプに生じる応力に基づいて上記バンプの配置の適否を評価する評価手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
半導体チップがバンプを介して配線基板に実装される半導体装置をコンピュータを使用して設計するための半導体装設計支援装置において、上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプの座標、上記各バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に関する情報を入力として上記バンプに生じる応力をコンピュータに算出させるバンプ応力算出手段と、上記バンプ応力算出手段に求められた各バンプに生じる応力を入力として上記バンプの配置の適否を評価する所定の評価指標との比較をコンピュータに行わせ、比較結果を出力させる評価手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
半導体チップをバンプを介して配線基板に実装する半導体装置製造方法において、上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプの座標、上記バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に基づいて上記バンプに生じる回動方向の応力を算出するバンプ応力算出工程と、上記バンプ応力算出工程に求められたバンプに生じる応力に基づいて上記バンプの配置の適否を評価する評価工程と、上記評価工程において上記バンプの配置が適していた場合に、上記バンプの配置に基づいて、半導体チップ及び配線基板を形成する部品形成工程と、上記半導体チップ又は上記配線基板にバンプを取り付けるバンプ取付工程と、上記配線基板上に上記バンプを介して上記半導体チップを載置する載置工程と、上記半導体チップに超音波印加することで上記半導体チップを上記配線基板に実装する実装工程とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、バンプレイアウトの適否を試作前に判定することで、試作チップの製作コストの低減及び半導体装置設計の時間短縮を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は本発明の一実施の形態に係る半導体装置設計装置10の構成を示すブロック図である。半導体装置設計装置10は、半導体チップ102の形状やバンプ電極103の位置を設計し、座標データを出力するCAD装置20と、このCAD装置20によって設計された座標データに基づいてバンプ103の配置の適否を判断する評価装置30とを備えている。
【0015】
CAD装置20は、制御部21と、この制御部21にデータを入力する入力デバイス22と、制御部21における演算結果等を表示するディスプレイ23とを備えている。また、評価装置30は、制御部31と、この制御部31にデータを入力する入力デバイス32と、制御部31における演算結果等を表示するディスプレイ33とを備えている。
【0016】
このように構成された半導体装置設計装置10では、図2に示すフロー図に沿って半導体装置100の設計を行う。すなわち、CAD装置20をよって半導体チップ102の配置(チップ素子配置)とバンプレイアウトを検討し(ST10)、半導体チップ102の外形寸法、バンプ103の位置座標、バンプ103の半径等の各種データを入力デバイス22から入力する(ST11)。このとき、ディスプレイ23上に半導体チップ102に対するバンプ103の位置等が表示される。
【0017】
次に、評価装置30の制御部31では、CAD装置20で設定されたバンプ103の位置座標のデータが取り込まれ、評価を行う。評価は次のようにして行う。すなわち、図3に示すように、半導体チップ102の重心座標と、各バンプ103の重心座標(剛心座標)を算出し、偏心距離Dを求める。
【0018】
各バンプ103と剛心との距離をri、バンプ103の面積をSiとすると、偏心率Hは、次のように求められる。
【数1】
【0019】
この偏心率Hは半導体チップ102の回転のし易さを示す指標となる。これは、構造体(剛体)にある方向から力が加わった場合、剛心を中心(支点)、重心を力点とした回転力が働くという原理に基づくものである。
【0020】
したがって、半導体チップ102を剛体とみなすことによって剛心を中心に回転力が作用することとなる。また、半導体チップ102の回転に伴う各バンプ103の移動量は剛心からの距離に依存する。すなわち、各バンプ103に生ずる応力は、剛心からの距離に比例することとなる。
【0021】
このことから、各バンプ103に加わる力の比fは、偏心率Hと剛心からの距離の関数となる。これにより、各バンプ103に加わる力は、ベクトルΨiとなる。ここで、半導体チップ102に対し平行に加わる力をF、材料等の条件から定まる定数をKとすると、ベクトルΨiを次のようにして算出する(ST14)。
【数2】
【0022】
図4は、このようにして算出された各バンプ103の配置と各バンプ103に生じる応力との関係を示す説明図である。また、図5は、各バンプ103に生じる応力の方向と大きさを示す説明図であり、ディスプレイ33に表示される。
【0023】
次に、図4の計算結果からベクトルΨiの絶対値が最大値のものと最小値のものが抽出され、それらの比からチップ回転係数GX(最大値/最小値)が算出される。チップ回転係数Gが大きいほどチップ回転容易性が高い。次に、図6に示すようにして、半導体チップ102の向きを90度ずらし、同様にしてチップ回転係数GYを求める。また、図7は、各バンプ103に生じる応力の方向と大きさを示す説明図であり、ディスプレイ33に表示される。
【0024】
そして、図8に示すように、予め定められた部材、接合条件から求められたグラフに基づいてチップ回転係数GXから判定係数PXを求める。同様にしてチップ回転係数GYから判定係数PYを求める。
【0025】
そして、判定係数PX,PYと製品仕様から予め定められた基準値Pとを比較する。そして、基準値P以下、かつ、より判定係数の値が小さいバンプ配置を選択する。本例では判定係数PX、すなわちX方向への超音波振動印加が選択される(ST15)。いずれの判定係数PX,PYも基準値Pを超えている場合は不適とされ、バンプ座標修正要求出力をディスプレイ33に表示し(ST20)、ST10に戻る。ST10では、バンプ数を変更、バンプ位置をずらす等の検討を行う。この際に追加するバンプには、電気信号を通過させてもさせなくてもよく、回転に対する影響のみを考慮して追加・削除がなされる。
【0026】
次に、ST15で選択されたバンプ配置における、接合部寿命を算出する(ST16)。接合部寿命の算出は、最初に、図10に示すように、各バンプ103に生ずる応力の絶対値と、使用するボンディング部材、接合条件によって定まるグラフによって接合強度を算出する。さらに、有限要素計算法を用いて、熱サイクル試験条件下で各バンプ103に加わる熱応力値を求める(図11)。そして、バンプ103毎に求めた接合強度と、バンプ103毎にかかる熱応力値を比較し、予め設定された製品の要求仕様によって定まるグラフに基づいて、判定を行う(図12)。このとき、1つでも接合強度と熱応力値から求められる寿命が基準よりも短い場合には、不適とされ、バンプ座標修正要求出力をディスプレイ33に表示し(ST20)、ST10に戻る。ST10では、バンプ数を変更、バンプ位置をずらす等の検討を行う。この際に追加するバンプには、電気信号を通過させてもさせなくてもよく、回転に対する影響のみを考慮して追加・削除がなされる。
【0027】
全てのバンプ103の判定が適だった場合には、算出結果を表示して終了する(ST17)。
【0028】
なお、上述して適であったバンプ配置に基づいて、下層の配線設計を見直した上、設計を確定させて、配線基板101及び半導体チップ102を製造する。そして、半導体チップ102又は配線基板101にバンプ103を取り付け、配線基板101上にバンプ103を介して半導体チップ102を載置する。バンプ103の平坦化を経て、ボンディングツールを用いて、半導体チップ102に超音波振動を印加することで半導体チップ102を配線基板101に実装し、半導体装置100が完成する。
【0029】
上述したように本実施の形態に係る半導体装置設計装置10によれば、CAD装置20で算出したバンプ配置に基づいて、回転容易性と接合部の寿命とを算出し、予測することができるため、試作チップを試作する必要がなく、コストが低減できるとともに、試験及び分解測定が不要になるため、開発時間を短縮することが可能となる。
【0030】
なお、ST14を行う前に予め超音波振動印加方向を一方向に定めるための演算を行うようにしてもよい。すなわち、図13に示すように、各バンプ103の位置から剛心の位置を求める。次に、Y方向の中心軸(図14参照)及びX方向の中心軸(図15参照)と剛心との最短距離をそれぞれ求める。このとき、剛心の位置との距離が短い中心線に沿って超音波振動を印加するほうが回転容易性が低くなることが予想される。したがって、最適な超音波振動の印加方向においてのみST15の演算を行うことで、計算時間を短縮することが可能となる。
【0031】
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置設計装置40の構成を示すブロック図である。半導体装置設計装置40は、半導体チップ102の形状やバンプ電極103の位置を設計し、座標データを出力するCAD部41と、このCAD部41によって設計された座標データに基づいてバンプ103の配置の適否を判断する評価部42と、データを入力する入力デバイス43、演算結果等を表示するディスプレイ44とを備えている。
【0032】
このように構成された半導体装置設計装置40では、図18に示すフロー図に沿って半導体装置100が行われる。
【0033】
すなわち、チップ設計が開始されると、CAD部41を用いてチップ形状及びバンプ電極を作画する(ST40)。作画されたチップ形状及びバンプ電極から半導体チップ102の外形寸法及びバンプ座標位置を抽出する(ST41)。そして、バンプ配置の適否を判定する(ST42)。ST42においては、上述したST13〜17と同様の演算が行われ、判定が行われる。結果がディスプレイ44に表示され、適合の場合には終了、不適の場合にはST40に戻る。
【0034】
上述したように本実施の形態に係る半導体装置設計装置40においても、CAD部41と評価部42が一体となっているという構成の違いはあるが、上述した半導体装置設計装置10と同様の効果を得ることができる。
【0035】
図19は本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置設計装置50の構成を示すブロック図である。半導体装置設計装置50は、最適なバンプ配置と超音波振動印加方向を算出する評価装置60と、この評価装置60によって算出されたバンプ配置と超音波振動印加方向に基づいて、半導体装置100を設計するCAD装置70とを備えている。
【0036】
評価装置60は、制御部61と、この制御部61にデータを入力する入力デバイス62と、制御部61における演算結果等を表示するディスプレイ63とを備えている。また、CAD装置70は、制御部71と、この制御部71にデータを入力する入力デバイス72と、制御部71における演算結果等を表示するディスプレイ73とを備えている。
【0037】
このように構成された半導体装置設計装置50では、図20に示すフロー図に沿って半導体装置100の設計を行う。
【0038】
すなわち、チップ設計を開始し、最適化条件、具体的には、バンプ103の数、径、移動量、移動方向、可動範囲α〜γ、初期位置及び超音波振動印加方向を入力する(ST50)。各バンプ103を領域α,β,γの初期位置における回転力によって発生する応力値ベクトルΨと、接合部寿命を算出する(ST51)。全ての座標位置における算出が終わったか否かが判断され(ST52)、完了していなければバンプ座標を移動し(ST53)、ST51に戻る。
【0039】
移動が完了していれば、算出結果から最適化条件に最も近いバンプ配置及び超音波振動印加方向を抽出する(ST54)。そして、結果をディスプレイ63に表示する(S55T)。
【0040】
次に、最適なバンプ配置に基づいてCAD作画を開始する(ST60)。開始されると、CAD装置70によって、チップ形状、バンプ位置を作画し(ST61)、完了する(ST62)。
【0041】
上述したように本実施の形態に係る半導体装置設計装置50においても、先に評価を行ってから、設計を行うという構成の違いはあるが、上述した半導体装置設計装置10と同様の効果を得ることができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置設計装置の構成を示すブロック図。
【図2】同半導体装置設計装置における処理の流れを示すフロー図。
【図3】同半導体装置設計装置における評価原理を示す説明図。
【図4】同半導体装置設計装置における評価原理を示す説明図。
【図5】同半導体装置設計装置におけるディスプレイ表示例を示す説明図。
【図6】同半導体装置設計装置における評価原理を示す説明図。
【図7】同半導体装置設計装置におけるディスプレイ表示例を示す説明図。
【図8】同半導体装置設計装置におけるチップ回転係数と判定係数との関係を示すグラフ。
【図9】同半導体装置設計装置におけるチップ回転係数と判定係数との関係を示すグラフ。
【図10】同半導体装置設計装置における応力値と接合強度との関係を示すグラフ。
【図11】同半導体装置設計装置における熱応力値計算結果を示す説明図。
【図12】同半導体装置設計装置における接合強度と熱応力値と寿命との関係を示すグラフ。
【図13】同半導体装置設計装置の変形例に係る評価原理を示す説明図。
【図14】同半導体装置設計装置の変形例に係る評価原理を示す説明図。
【図15】同半導体装置設計装置の変形例に係る評価原理を示す説明図。
【図16】同半導体装置設計装置の変形例に係る評価原理を示す説明図。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置設計装置の構成を示すブロック図。
【図18】同半導体装置設計装置における処理の流れを示すフロー図。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置設計装置の構成を示すブロック図。
【図20】同半導体装置設計装置における処理の流れを示すフロー図。
【図21】同半導体装置設計装置の変形例に係る評価原理を示す説明図。
【図22】半導体装置の一例を示す断面図。
【図23】同半導体装置の製造工程を示す説明図。
【図24】同半導体装置の製造工程を示す説明図。
【図25】同半導体装置の製造工程を示す説明図。
【図26】バンプレイアウトの一例を示す平面図。
【図27】バンプレイアウトの一例を示す平面図。
【符号の説明】
【0044】
10…半導体装置設計装置、20…CAD装置、30…評価装置、40…半導体装置設計装置、50…半導体装置設計装置、60…評価装置、70…CAD装置、100…半導体装置、102…半導体チップ、103…バンプ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置のバンプを最適に配置するためのバンプ配置評価装置、半導体装置設計支援装置及び半導体装置製造方法に関し、特に各バンプに生じる応力に基づいて試作コストを低減できる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図22は、半導体装置100の一例を示す断面図である。半導体装置100は、配線基板101上に半導体チップ102をバンプ103を介して実装し、樹脂104で封止して形成されている。このような半導体装置100は、配線基板101上にバンプ103を形成し(図23)、シリコン板105及び加圧ツール106を介して平坦化する(図24)。そして、半導体チップ102を載置した状態で、ボンディングツール107を用いて超音波振動を印加しながら加圧することで接合する(図25)。
【0003】
一方、半導体装置100の設計は次のようにして行われる。すなわち、CAD装置を用いて、配線基板101や半導体チップ102の構造に基づいて設計が行われ、バンプ103の配置が定められる。
【0004】
バンプ配置が不適切な場合、ボンディングツール107による超音波振動の印加を行った際、バンプ103の接合不良が生じる虞があるため、バンプ配置を変えて半導体チップ100を数〜数十種類試作する。そして、所定の温度試験を行った後、分解測定してバンプの状態を観察してバンプ配置の適否を判断するようにしていた。
【0005】
なお、バンプ配置によって超音波振動印加方向を選択する技術が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−252253号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した半導体装置の設計方法では、次のような問題があった。すなわち、半導体装置の設計は、バンプレイアウトを変えた試作品を作った上で各種の試験を行わないと、その適否が判明しないため、バンプレイアウトを少しずつ変えた試作チップを何種類も試作することになり、開発コストが増大する。また、多種の試作チップを組み立てて試験を行い、その都度分解測定を行うため開発時間がかかるという問題があった。
【0007】
なお、図26に示すようにバンプ103が均等に配列されている場合と、図27に示すようにバンプ103が偏って配列されている場合とでは、接合不良の発生率が大きく異なる。これは、超音波振動を印加する過程で半導体チップ102に回転力が作用し、各バンプ103に過大な応力が発生し、接合が破断することによることがわかった。原因がわかった場合でも、設計時にはどのバンプ配置が回転しにくいかを予測できないため、やはり試作チップが必要となる。
【0008】
そこで本発明は、バンプ配置の適否を試作前に判定することで、試作チップの製作コストの低減及び半導体装置設計の時間短縮を行うことができるバンプ配置評価装置、半導体装置設計支援装置及び半導体装置製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明のバンプ配置評価装置、半導体装置設計支援装置及び半導体装置製造方法は次のように構成されている。
【0010】
バンプを介して半導体チップを配線基板に実装する際の上記バンプの配置の適否を評価するバンプ配置評価装置において、上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプ座標、上記各バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に基づいて上記バンプに生じる回動方向の応力を算出するバンプ応力算出手段と、上記バンプ応力算出手段に求められたバンプに生じる応力に基づいて上記バンプの配置の適否を評価する評価手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
半導体チップがバンプを介して配線基板に実装される半導体装置をコンピュータを使用して設計するための半導体装設計支援装置において、上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプの座標、上記各バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に関する情報を入力として上記バンプに生じる応力をコンピュータに算出させるバンプ応力算出手段と、上記バンプ応力算出手段に求められた各バンプに生じる応力を入力として上記バンプの配置の適否を評価する所定の評価指標との比較をコンピュータに行わせ、比較結果を出力させる評価手段とを備えていることを特徴とする。
【0012】
半導体チップをバンプを介して配線基板に実装する半導体装置製造方法において、上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプの座標、上記バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に基づいて上記バンプに生じる回動方向の応力を算出するバンプ応力算出工程と、上記バンプ応力算出工程に求められたバンプに生じる応力に基づいて上記バンプの配置の適否を評価する評価工程と、上記評価工程において上記バンプの配置が適していた場合に、上記バンプの配置に基づいて、半導体チップ及び配線基板を形成する部品形成工程と、上記半導体チップ又は上記配線基板にバンプを取り付けるバンプ取付工程と、上記配線基板上に上記バンプを介して上記半導体チップを載置する載置工程と、上記半導体チップに超音波印加することで上記半導体チップを上記配線基板に実装する実装工程とを備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、バンプレイアウトの適否を試作前に判定することで、試作チップの製作コストの低減及び半導体装置設計の時間短縮を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は本発明の一実施の形態に係る半導体装置設計装置10の構成を示すブロック図である。半導体装置設計装置10は、半導体チップ102の形状やバンプ電極103の位置を設計し、座標データを出力するCAD装置20と、このCAD装置20によって設計された座標データに基づいてバンプ103の配置の適否を判断する評価装置30とを備えている。
【0015】
CAD装置20は、制御部21と、この制御部21にデータを入力する入力デバイス22と、制御部21における演算結果等を表示するディスプレイ23とを備えている。また、評価装置30は、制御部31と、この制御部31にデータを入力する入力デバイス32と、制御部31における演算結果等を表示するディスプレイ33とを備えている。
【0016】
このように構成された半導体装置設計装置10では、図2に示すフロー図に沿って半導体装置100の設計を行う。すなわち、CAD装置20をよって半導体チップ102の配置(チップ素子配置)とバンプレイアウトを検討し(ST10)、半導体チップ102の外形寸法、バンプ103の位置座標、バンプ103の半径等の各種データを入力デバイス22から入力する(ST11)。このとき、ディスプレイ23上に半導体チップ102に対するバンプ103の位置等が表示される。
【0017】
次に、評価装置30の制御部31では、CAD装置20で設定されたバンプ103の位置座標のデータが取り込まれ、評価を行う。評価は次のようにして行う。すなわち、図3に示すように、半導体チップ102の重心座標と、各バンプ103の重心座標(剛心座標)を算出し、偏心距離Dを求める。
【0018】
各バンプ103と剛心との距離をri、バンプ103の面積をSiとすると、偏心率Hは、次のように求められる。
【数1】
【0019】
この偏心率Hは半導体チップ102の回転のし易さを示す指標となる。これは、構造体(剛体)にある方向から力が加わった場合、剛心を中心(支点)、重心を力点とした回転力が働くという原理に基づくものである。
【0020】
したがって、半導体チップ102を剛体とみなすことによって剛心を中心に回転力が作用することとなる。また、半導体チップ102の回転に伴う各バンプ103の移動量は剛心からの距離に依存する。すなわち、各バンプ103に生ずる応力は、剛心からの距離に比例することとなる。
【0021】
このことから、各バンプ103に加わる力の比fは、偏心率Hと剛心からの距離の関数となる。これにより、各バンプ103に加わる力は、ベクトルΨiとなる。ここで、半導体チップ102に対し平行に加わる力をF、材料等の条件から定まる定数をKとすると、ベクトルΨiを次のようにして算出する(ST14)。
【数2】
【0022】
図4は、このようにして算出された各バンプ103の配置と各バンプ103に生じる応力との関係を示す説明図である。また、図5は、各バンプ103に生じる応力の方向と大きさを示す説明図であり、ディスプレイ33に表示される。
【0023】
次に、図4の計算結果からベクトルΨiの絶対値が最大値のものと最小値のものが抽出され、それらの比からチップ回転係数GX(最大値/最小値)が算出される。チップ回転係数Gが大きいほどチップ回転容易性が高い。次に、図6に示すようにして、半導体チップ102の向きを90度ずらし、同様にしてチップ回転係数GYを求める。また、図7は、各バンプ103に生じる応力の方向と大きさを示す説明図であり、ディスプレイ33に表示される。
【0024】
そして、図8に示すように、予め定められた部材、接合条件から求められたグラフに基づいてチップ回転係数GXから判定係数PXを求める。同様にしてチップ回転係数GYから判定係数PYを求める。
【0025】
そして、判定係数PX,PYと製品仕様から予め定められた基準値Pとを比較する。そして、基準値P以下、かつ、より判定係数の値が小さいバンプ配置を選択する。本例では判定係数PX、すなわちX方向への超音波振動印加が選択される(ST15)。いずれの判定係数PX,PYも基準値Pを超えている場合は不適とされ、バンプ座標修正要求出力をディスプレイ33に表示し(ST20)、ST10に戻る。ST10では、バンプ数を変更、バンプ位置をずらす等の検討を行う。この際に追加するバンプには、電気信号を通過させてもさせなくてもよく、回転に対する影響のみを考慮して追加・削除がなされる。
【0026】
次に、ST15で選択されたバンプ配置における、接合部寿命を算出する(ST16)。接合部寿命の算出は、最初に、図10に示すように、各バンプ103に生ずる応力の絶対値と、使用するボンディング部材、接合条件によって定まるグラフによって接合強度を算出する。さらに、有限要素計算法を用いて、熱サイクル試験条件下で各バンプ103に加わる熱応力値を求める(図11)。そして、バンプ103毎に求めた接合強度と、バンプ103毎にかかる熱応力値を比較し、予め設定された製品の要求仕様によって定まるグラフに基づいて、判定を行う(図12)。このとき、1つでも接合強度と熱応力値から求められる寿命が基準よりも短い場合には、不適とされ、バンプ座標修正要求出力をディスプレイ33に表示し(ST20)、ST10に戻る。ST10では、バンプ数を変更、バンプ位置をずらす等の検討を行う。この際に追加するバンプには、電気信号を通過させてもさせなくてもよく、回転に対する影響のみを考慮して追加・削除がなされる。
【0027】
全てのバンプ103の判定が適だった場合には、算出結果を表示して終了する(ST17)。
【0028】
なお、上述して適であったバンプ配置に基づいて、下層の配線設計を見直した上、設計を確定させて、配線基板101及び半導体チップ102を製造する。そして、半導体チップ102又は配線基板101にバンプ103を取り付け、配線基板101上にバンプ103を介して半導体チップ102を載置する。バンプ103の平坦化を経て、ボンディングツールを用いて、半導体チップ102に超音波振動を印加することで半導体チップ102を配線基板101に実装し、半導体装置100が完成する。
【0029】
上述したように本実施の形態に係る半導体装置設計装置10によれば、CAD装置20で算出したバンプ配置に基づいて、回転容易性と接合部の寿命とを算出し、予測することができるため、試作チップを試作する必要がなく、コストが低減できるとともに、試験及び分解測定が不要になるため、開発時間を短縮することが可能となる。
【0030】
なお、ST14を行う前に予め超音波振動印加方向を一方向に定めるための演算を行うようにしてもよい。すなわち、図13に示すように、各バンプ103の位置から剛心の位置を求める。次に、Y方向の中心軸(図14参照)及びX方向の中心軸(図15参照)と剛心との最短距離をそれぞれ求める。このとき、剛心の位置との距離が短い中心線に沿って超音波振動を印加するほうが回転容易性が低くなることが予想される。したがって、最適な超音波振動の印加方向においてのみST15の演算を行うことで、計算時間を短縮することが可能となる。
【0031】
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置設計装置40の構成を示すブロック図である。半導体装置設計装置40は、半導体チップ102の形状やバンプ電極103の位置を設計し、座標データを出力するCAD部41と、このCAD部41によって設計された座標データに基づいてバンプ103の配置の適否を判断する評価部42と、データを入力する入力デバイス43、演算結果等を表示するディスプレイ44とを備えている。
【0032】
このように構成された半導体装置設計装置40では、図18に示すフロー図に沿って半導体装置100が行われる。
【0033】
すなわち、チップ設計が開始されると、CAD部41を用いてチップ形状及びバンプ電極を作画する(ST40)。作画されたチップ形状及びバンプ電極から半導体チップ102の外形寸法及びバンプ座標位置を抽出する(ST41)。そして、バンプ配置の適否を判定する(ST42)。ST42においては、上述したST13〜17と同様の演算が行われ、判定が行われる。結果がディスプレイ44に表示され、適合の場合には終了、不適の場合にはST40に戻る。
【0034】
上述したように本実施の形態に係る半導体装置設計装置40においても、CAD部41と評価部42が一体となっているという構成の違いはあるが、上述した半導体装置設計装置10と同様の効果を得ることができる。
【0035】
図19は本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置設計装置50の構成を示すブロック図である。半導体装置設計装置50は、最適なバンプ配置と超音波振動印加方向を算出する評価装置60と、この評価装置60によって算出されたバンプ配置と超音波振動印加方向に基づいて、半導体装置100を設計するCAD装置70とを備えている。
【0036】
評価装置60は、制御部61と、この制御部61にデータを入力する入力デバイス62と、制御部61における演算結果等を表示するディスプレイ63とを備えている。また、CAD装置70は、制御部71と、この制御部71にデータを入力する入力デバイス72と、制御部71における演算結果等を表示するディスプレイ73とを備えている。
【0037】
このように構成された半導体装置設計装置50では、図20に示すフロー図に沿って半導体装置100の設計を行う。
【0038】
すなわち、チップ設計を開始し、最適化条件、具体的には、バンプ103の数、径、移動量、移動方向、可動範囲α〜γ、初期位置及び超音波振動印加方向を入力する(ST50)。各バンプ103を領域α,β,γの初期位置における回転力によって発生する応力値ベクトルΨと、接合部寿命を算出する(ST51)。全ての座標位置における算出が終わったか否かが判断され(ST52)、完了していなければバンプ座標を移動し(ST53)、ST51に戻る。
【0039】
移動が完了していれば、算出結果から最適化条件に最も近いバンプ配置及び超音波振動印加方向を抽出する(ST54)。そして、結果をディスプレイ63に表示する(S55T)。
【0040】
次に、最適なバンプ配置に基づいてCAD作画を開始する(ST60)。開始されると、CAD装置70によって、チップ形状、バンプ位置を作画し(ST61)、完了する(ST62)。
【0041】
上述したように本実施の形態に係る半導体装置設計装置50においても、先に評価を行ってから、設計を行うという構成の違いはあるが、上述した半導体装置設計装置10と同様の効果を得ることができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体装置設計装置の構成を示すブロック図。
【図2】同半導体装置設計装置における処理の流れを示すフロー図。
【図3】同半導体装置設計装置における評価原理を示す説明図。
【図4】同半導体装置設計装置における評価原理を示す説明図。
【図5】同半導体装置設計装置におけるディスプレイ表示例を示す説明図。
【図6】同半導体装置設計装置における評価原理を示す説明図。
【図7】同半導体装置設計装置におけるディスプレイ表示例を示す説明図。
【図8】同半導体装置設計装置におけるチップ回転係数と判定係数との関係を示すグラフ。
【図9】同半導体装置設計装置におけるチップ回転係数と判定係数との関係を示すグラフ。
【図10】同半導体装置設計装置における応力値と接合強度との関係を示すグラフ。
【図11】同半導体装置設計装置における熱応力値計算結果を示す説明図。
【図12】同半導体装置設計装置における接合強度と熱応力値と寿命との関係を示すグラフ。
【図13】同半導体装置設計装置の変形例に係る評価原理を示す説明図。
【図14】同半導体装置設計装置の変形例に係る評価原理を示す説明図。
【図15】同半導体装置設計装置の変形例に係る評価原理を示す説明図。
【図16】同半導体装置設計装置の変形例に係る評価原理を示す説明図。
【図17】本発明の第2の実施の形態に係る半導体装置設計装置の構成を示すブロック図。
【図18】同半導体装置設計装置における処理の流れを示すフロー図。
【図19】本発明の第3の実施の形態に係る半導体装置設計装置の構成を示すブロック図。
【図20】同半導体装置設計装置における処理の流れを示すフロー図。
【図21】同半導体装置設計装置の変形例に係る評価原理を示す説明図。
【図22】半導体装置の一例を示す断面図。
【図23】同半導体装置の製造工程を示す説明図。
【図24】同半導体装置の製造工程を示す説明図。
【図25】同半導体装置の製造工程を示す説明図。
【図26】バンプレイアウトの一例を示す平面図。
【図27】バンプレイアウトの一例を示す平面図。
【符号の説明】
【0044】
10…半導体装置設計装置、20…CAD装置、30…評価装置、40…半導体装置設計装置、50…半導体装置設計装置、60…評価装置、70…CAD装置、100…半導体装置、102…半導体チップ、103…バンプ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンプを介して半導体チップを配線基板に実装する際の上記バンプの配置の適否を評価するバンプ配置評価装置において、
上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプ座標、上記各バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に基づいて上記バンプに生じる回動方向の応力を算出するバンプ応力算出手段と、
上記バンプ応力算出手段に求められたバンプに生じる応力に基づいて上記バンプの配置の適否を評価する評価手段とを備えていることを特徴とするバンプ配置評価装置。
【請求項2】
上記評価手段は、上記各バンプに生じる応力に基づいて上記半導体チップの回転し易さを示すチップ回転係数を算出するチップ回転係数算出手段と、
このチップ回転係数算出手段により算出されたチップ回転係数と所定の評価指標とを比較するチップ回転係数比較手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のバンプ配置評価装置。
【請求項3】
上記回転係数は、上記バンプに生じる応力の最大値と最小値との比に基づいて算出されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置設計支援装置。
【請求項4】
上記評価手段は、上記バンプに生じる応力に基づいて上記バンプの接合強度を算出する接合強度算出手段と、
上記接合強度算出手段により算出されたバンプの接合強度と所定の評価指標とを比較する接合強度比較手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のバンプ配置評価装置。
【請求項5】
半導体チップがバンプを介して配線基板に実装される半導体装置をコンピュータを使用して設計するための半導体装設計支援装置において、
上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプの座標、上記各バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に関する情報を入力として上記バンプに生じる応力をコンピュータに算出させるバンプ応力算出手段と、
上記バンプ応力算出手段に求められた各バンプに生じる応力を入力として上記バンプの配置の適否を評価する所定の評価指標との比較をコンピュータに行わせ、比較結果を出力させる評価手段とを備えていることを特徴とする半導体装置設計支援装置。
【請求項6】
半導体チップをバンプを介して配線基板に実装する半導体装置製造方法において、
上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプの座標、上記バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に基づいて上記バンプに生じる回動方向の応力を算出するバンプ応力算出工程と、
上記バンプ応力算出工程に求められたバンプに生じる応力に基づいて上記バンプの配置の適否を評価する評価工程と、
上記評価工程において上記バンプの配置が適していた場合に、上記バンプの配置に基づいて、半導体チップ及び配線基板を形成する部品形成工程と、
上記半導体チップ又は上記配線基板にバンプを取り付けるバンプ取付工程と、
上記配線基板上に上記バンプを介して上記半導体チップを載置する載置工程と、
上記半導体チップに超音波印加することで上記半導体チップを上記配線基板に実装する実装工程とを備えていることを特徴とする半導体装置製造方法。
【請求項1】
バンプを介して半導体チップを配線基板に実装する際の上記バンプの配置の適否を評価するバンプ配置評価装置において、
上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプ座標、上記各バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に基づいて上記バンプに生じる回動方向の応力を算出するバンプ応力算出手段と、
上記バンプ応力算出手段に求められたバンプに生じる応力に基づいて上記バンプの配置の適否を評価する評価手段とを備えていることを特徴とするバンプ配置評価装置。
【請求項2】
上記評価手段は、上記各バンプに生じる応力に基づいて上記半導体チップの回転し易さを示すチップ回転係数を算出するチップ回転係数算出手段と、
このチップ回転係数算出手段により算出されたチップ回転係数と所定の評価指標とを比較するチップ回転係数比較手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のバンプ配置評価装置。
【請求項3】
上記回転係数は、上記バンプに生じる応力の最大値と最小値との比に基づいて算出されることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置設計支援装置。
【請求項4】
上記評価手段は、上記バンプに生じる応力に基づいて上記バンプの接合強度を算出する接合強度算出手段と、
上記接合強度算出手段により算出されたバンプの接合強度と所定の評価指標とを比較する接合強度比較手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載のバンプ配置評価装置。
【請求項5】
半導体チップがバンプを介して配線基板に実装される半導体装置をコンピュータを使用して設計するための半導体装設計支援装置において、
上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプの座標、上記各バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に関する情報を入力として上記バンプに生じる応力をコンピュータに算出させるバンプ応力算出手段と、
上記バンプ応力算出手段に求められた各バンプに生じる応力を入力として上記バンプの配置の適否を評価する所定の評価指標との比較をコンピュータに行わせ、比較結果を出力させる評価手段とを備えていることを特徴とする半導体装置設計支援装置。
【請求項6】
半導体チップをバンプを介して配線基板に実装する半導体装置製造方法において、
上記半導体チップの外形寸法、上記半導体チップにおける上記バンプの座標、上記バンプのバンプ径、上記半導体チップに印加する超音波振動に基づいて上記バンプに生じる回動方向の応力を算出するバンプ応力算出工程と、
上記バンプ応力算出工程に求められたバンプに生じる応力に基づいて上記バンプの配置の適否を評価する評価工程と、
上記評価工程において上記バンプの配置が適していた場合に、上記バンプの配置に基づいて、半導体チップ及び配線基板を形成する部品形成工程と、
上記半導体チップ又は上記配線基板にバンプを取り付けるバンプ取付工程と、
上記配線基板上に上記バンプを介して上記半導体チップを載置する載置工程と、
上記半導体チップに超音波印加することで上記半導体チップを上記配線基板に実装する実装工程とを備えていることを特徴とする半導体装置製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2007−207951(P2007−207951A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−23887(P2006−23887)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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