説明

バーコード読取装置

【課題】バーコードの読取操作時の操作者の視線方向を考慮して、バーコードの読取結果の確認を、より容易に、迅速に、かつ確実にすることを課題とする。
【解決手段】バーコードが表示されたバーコード読取面に反射して読取口に入射した反射光を検出する読取制御部と、検出された反射光から前記バーコードの読取結果を判断し、バーコードに含まれるデータを取得するデータ解析部と、データ解析部によって判断された前記バーコードの読取結果に対応した照射パターンを持つ読取結果出力光を、前記読取口から出力する読取結果出力部とを備えたことを特徴とするバーコード読取装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、バーコード読取装置に関し、特にバーコードを読み取り、その読み取り結果を報知する機能を有するバーコード読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バーコード読取装置(以下、バーコードリーダーとも呼ぶ)は、POSシステム,レジスター,ハンディ端末,携帯電話などで使用されている。
たとえば、コンビニエンスストアやスーパーマーケットでは、商品に付与されているバーコードを、バーコード読取装置で読み取り、バーコードに含まれている商品コード等の取引情報を取得する。
また、取引情報の取得とともに、読取が成功したこと、または失敗したことを、利用者に報知している。
【0003】
従来、このような読取結果を利用者に知らせる報知方法としては、たとえば次のようなものが利用されている。
(1)スピーカから、音を出力する。
(2)バーコードリーダに備えられたLEDを、点灯させる。
(3)バーコードリーダとは異なる位置に配置された表示装置に、文字や図形で表示する。
(4)バーコードリーダに備えられた振動器を振動させる。
(5)操作者に接触する突起物を突出させる。
【0004】
特許文献1では、上記(4)または(5)の方法により、バーコードが正常に読み取られたか否かを確認するPOSシステムが記載されている。
また、特許文献2では、上記(4)の方法により、読取結果の正常・異常を使用者に知らせるバーコードスキャナが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−293069号公報
【特許文献2】特開平11−110469号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このような従来の報知方法では、次のような問題があった。
(1)音によって読取結果を報知する方法では、周囲の雑音が大きい場合には、その音が聞き取れない場合があり、また隣接する他のバーコードリーダが使用されている場合には、その音を誤認識する場合もあった。
(2)LEDの点灯や、バーコードリーダとは異なる位置に配置された表示装置に読取結果を表示させて視覚的に確認する方法では、操作者は、読取時に商品に付与されているバーコードに向けていた視線を、バーコードリーダのLEDや、表示装置の画面に向ける必要があり、読取結果の確認に時間がかかっていた。
(3)振動器の振動による確認や、突起物の突出による確認では、その振動パターンや突出パターンが正常読取時と読取エラー時では異なるため、どちらのパターンであるかを確認できるまで一定時間待つ必要があり、読取結果の確認に時間がかかっていた。
【0007】
特に、視覚的に読取結果を確認する場合や、振動等によって読取結果を確認する場合は、確認のためにある程度の時間がかかるため、次の商品等のバーコードの読み取りに移るまでに時間がかかっていた。
また、コンビニエンスストアなどで、複数の商品のバーコードを連続的に読み取る場合において、バーコードに向けていた視線を、読取結果の確認のために、表示装置の画面に移し、その後視線をバーコードに戻すことは操作者にとって操作負担が大きく、取引処理の効率も良くない。
【0008】
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、周囲の雑音の有無にかかわらず、操作者の視線を変更することがないようにして操作負担を軽減させ、できるだけ短時間でバーコードの読取結果が確認できるバーコード読取装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、バーコード読取面に反射して読取口に入射した反射光を検出する読取制御部と、検出された反射光から前記バーコードの読取結果を判断し、バーコードに含まれるデータを取得するデータ解析部と、データ解析部によって判断された前記バーコードの読取結果に対応した照射パターンを持つ読取結果出力光を、前記読取口から出力する読取結果出力部とを備えたことを特徴とするバーコード読取装置を提供するものである。
これによれば、バーコードを読み取るための反射光が入射するのと同じ読取口から、バーコードの読取結果を示す読取結果出力光を出力するので、バーコード読取装置の操作者は読取結果を容易かつ確実に確認できる。
【0010】
また、前記読取結果出力部は、光を出射する光源と、前記読取結果に対応した読取結果出力光を出力するために、前記照射パターンを形成する照射パターン形成部と、前記光源から出射された光を、前記形成された照射パターンを利用して読取結果出力光に変換して出力する照射制御部とからなることを特徴とする。
これによれば、操作者は、視覚により読取結果を確認するので、周囲の雑音が気になる場合でも、音による通報に比べて、より迅速かつ確実に、読取結果の確認ができる。
【0011】
さらに、前記読取結果には、バーコードの読み取りに成功したことを示す第1結果と、バーコードの読み取りに失敗したことを示す第2結果とを含み、前記照射パターン形成部は、前記第1結果に対応した読取結果出力光を出力するための第1の照射パターンを形成する第1パターン形成部と、前記第2結果に対応した読取結果出力光を出力するための第2の照射パターンを形成する第2パターン形成部とを備え、前記照射制御部は、前記読取結果に基づいて、前記第1パターン形成部および第2パターン形成部のうちいずれか一方を選択し、選択された照射パターンを利用して読取結果出力光を出力することを特徴とする。
これによれば、バーコードの読み取りの成功または失敗に対応した照射パターンを持つ読取結果出力光が出力されるので、操作者は読取の成否を容易に確認できる。
【0012】
また、前記読取結果出力部は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光を前記読取口の方向へ反射する反射面をその表面に有する回転体と、前記回転体を所定速度で回転させるモーターとを備え、前記回転体の反射面には、前記照射パターンに対応し、かつ前記光源から出射された光の反射方向を変化させる凹凸部が形成されており、前記回転体が一回転することにより、前記反射面の凹凸部に当たって反射された反射光全体により、前記読取口から出力される前記読取結果に対応した読取結果出力光が形成されることを特徴とする。
【0013】
また、前記照射パターン形成部は、前記読取結果に対応した光透過パターンを有する表示フィルターを備え、前記表示フィルターを、前記光源と前記読取口との間に配置させ、前記照射制御部が、前記光源から出射された光を、前記表示フィルターに照射させることにより、前記読取口から前記読取結果に対応した光透過パターンを持つ読取結果出力光を出力させることを特徴とする。
【0014】
また、前記読取結果には、バーコードの読み取りに成功したことを示す第1結果と、バーコードの読み取りに失敗したことを示す第2結果とを含み、前記表示フィルターが、前記第1結果に対応した光透過パターンを有する第1フィルターと、前記第2結果に対応した光透過パターンを有する第2フィルターとを備え、前記照射制御部は、前記読取結果に基づいて、第1および第2フィルターのうち前記光源と読取口との間に配置する表示フィルターを選択し、選択された表示フィルターを利用して読取結果出力光を出力させることを特徴とする。
【0015】
さらに、前記光源が、マトリクス状に配置された複数個の発光素子から構成され、前記照射パターン形成部によって形成される照射パターンは、前記照射制御部が、前記読取結果に対応した位置に配置された複数個の発光素子のみを発光させることにより形成し、その発光素子の発光により形成された照射パターンを持つ読取結果出力光を前記読取口から出力させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、バーコードの読み取りを行うときに反射光が入射する読取口と同じ読取口から、バーコードの読取結果に対応した照射パターンを持つ読取結果出力光を出力するので、操作者は、読み取り操作時と同じ視線のままで、読取結果を容易にかつ確実に確認でき、操作者の負担を軽減できる。また、視覚により読取結果を確認することができるので、周囲に雑音がある場合でも確実に確認でき、より短時間で、次のバーコードの読取操作に移ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明のバーコード読取装置の一実施例の構成ブロック図である。
【図2】この発明の通報条件の一実施例の説明図である。
【図3】この発明のバーコードリーダの読取処理と読取結果出力処理の概要説明図である。
【図4】この発明のバーコードリーダの読取処理の説明図である。
【図5】この発明のバーコードリーダの読取結果を表示した一実施例の説明図である。
【図6】この発明の実施例1の読取結果出力部の概略構成図である。
【図7】この発明の実施例2の読取結果出力部の概略構成図である。
【図8】この発明の実施例3の読取結果出力部の概略構成図である。
【図9】この発明の実施例3の読取結果出力部の概略構成図である。
【図10】この発明の実施例4の読取結果出力部の概略構成図である。
【図11】この発明の実施例4の読取結果出力部の概略構成図である。
【図12】この発明の実施例5の読取結果出力部の概略構成図である。
【図13】この発明の実施例5の読取結果出力部の概略構成図である。
【図14】この発明のホスト装置の一実施例のフローチャートである。
【図15】この発明のバーコード読取装置のメイン処理のフローチャートである。
【図16】この発明のバーコード読取装置の読取処理のフローチャートである。
【図17】この発明のバーコード読取装置の照射通報処理の一実施例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を使用して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施例の記載によって、この発明が限定されるものではない。
<この発明のバーコード読取装置の構成>
図1に、この発明のバーコード読取装置の一実施例の構成ブロック図を示す。
バーコード読取装置(バーコードリーダ)200は、ネットワークあるいは専用のケーブルを用いて、情報処理装置(ホスト装置)100と接続され、両者間で各種情報の送受信を行う。
ホスト装置100は、たとえば、POS,パソコン,レジスター,ハンディ端末のような情報処理を行う装置であり、主として、バーコード読取装置200によって読み取られたバーコードの情報を受信して、その受信情報に基づいて、演算,表示,印刷等を行う装置である。
【0019】
ホスト装置100は、主として、入力情報,演算情報あるいは出力情報などを表示する表示部102と、文字や数字の入力および制御指示を入力するための操作部104と、取引情報やレシートなどを印刷する印刷部105と、バーコード読取装置200との間でデータ送受信を行う通信部103と、これらの各機能ブロックの動作を制御する制御部101とから構成される。
表示部102には、LCDやCRTが用いられる。
操作部104には、キーボード,タッチパネルなどが用いられる。
通信部103は、有線あるいは無線の現在利用されている種々の通信方式を用いることができ、バーコード読取装置の他に、他の入力機器や、出力機器との通信を行う部分である。
【0020】
特に、この通信部103からバーコード読取装置200に対しては、バーコードの読取開始要求情報,読取中止要求情報,音鳴動要求情報,振動要求情報,通報条件設定情報などが送信される。
一方、バーコード読取装置200からは、読取結果225,読み取りデータ226などが通信部103へ送信される。
【0021】
バーコード読取装置(バーコードリーダ)200は、主として、商品等に貼付されたバーコードを読み取り、読み取ったバーコードを解析して、バーコードに含まれるデータを再生し、そのデータの再生に成功した場合は、読み取りデータをホスト装置100へ転送し、読取結果を各種の方法で操作者に通報する機能を有する。
この発明では、読取結果を、バーコード読取面、すなわち、バーコードが印刷されている紙面上に、表示することにより通報することを特徴とする。
ただし、従来から行われている音鳴動による報知,振動による報知、および表示部(102あるいは211)への結果表示による報知を併用してもよい。
【0022】
バーコードリーダ200は、主として、通信部201,制御部202,操作部203,データ解析部205,読取制御部206,4つの通報部(209,2210,211,230),記憶部220とから構成される。
4つの通報部とは、読取結果、すなわちバーコードが正常に読み取れたこと、および読み取りができなかったことのいずれかを、操作者に知らせる部分であり、図1では、振動部209,音鳴動部210,表示部211,および読取結果出力部230から構成される。
振動部209,音鳴動部210,表示部211は、備えなくてもよい。
【0023】
バーコードリーダの通信部201は、ホスト装置100の通信部103との間で、各種データの送受信を行う部分である。
制御部202は、バーコードリーダ200の各機能ブロックの動作を制御する部分であり、主として、CPU,ROM,RAM,I/Oコントローラ,タイマー等のマイクロコンピュータによって実現される。
また、記憶部220に予め記憶された制御プログラムに基づいて、CPUが各種ハードウェアを有機的に動作させることにより、この発明のバーコードリーダの各種機能が実行される。
【0024】
操作部203は、バーコードの読取処理の開始あるいは終了を手動で指示入力する部分であり、たとえば、バーコードリーダ本体を手でにぎる部分に、押しボタンスイッチが設けられる。
この場合、押しボタンスイッチを押したとき、読取制御部206によりバーコードの読取処理が開始され、スイッチを離したとき、読取処理が終了される。
【0025】
データ解析部205は、受光部208によって検出された反射光から、バーコードの読取結果を判断する部分であり、また、読み取ったバーコードから、所定のバーコード規格に基づいて、そのバーコードに含まれているデータを取得(再生)する部分である。バーコード規格としては、特に限定するものではなく、たとえば、EAN,JAN,CODE39,2次元コードなどを利用することができる。
バーコードの解析によって、データが正常に取得された場合は、その取得データを、読み取りデータ226として、記憶部220に記憶する。
また、正常にデータを取得できたときは、読取結果225として、たとえば「成功(OK)」を示す情報を記憶する。一方、バーコードからデータが取得できなかったとき、すなわちバーコードの読み取りに失敗したときは、読取結果225として、たとえば「失敗(NG)」を示す情報を記憶する。この読取結果225と読み取りデータ226は、ホスト装置100へ転送される。
【0026】
読取制御部206は、バーコードを読み取る部分であり、主として、発光部207と、受光部208とを備える。これは、従来のバーコードリーダと同様にしてバーコードを読み取る部分であり、発光部207から出射された光がバーコード読取面に当たり、バーコード読取面からの反射光を受光部208により受光して、バーコードを読み取る。
受光部208では、バーコードに対応する光を電気信号に変換して、データ解析部205に与える。
発光部207としては、たとえば、LED,レーザダイオードなどの発光素子を用いることができる。
受光部208としては、たとえば、CCD,CMOSセンサー,CMOSカメラなどの光電変換素子を用いることができる。
また、発光部207を備えずに、自然光がバーコード読取面に反射して、バーコード読取面からの反射光のうち、バーコードリーダの読取口に入射した光を、受光部208で検出してもよい。
【0027】
振動部209は、バーコードリーダの本体に振動を与える部分であり、たとえば、携帯電話等で従来から用いられている振動部材を用いることができる。
また、振動部209は、読取結果225に基づいて振動パターンを異ならせる。
たとえば、バーコードの読み取りに成功した場合は、1秒間程度の長さの振動を1回だけ与える。また、バーコードの読み取りに失敗した場合は、1秒間の振動を5回繰り返す。
音鳴動部210は、読取結果225に対応した音を出力する部分であり、スピーカが用いられる。たとえば、バーコードの読み取りに成功した場合は、1回だけビープ音を鳴らす。またバーコードの読み取りに失敗した場合は、1秒程度の長さのビープ音を、5回連続して鳴らす。出力する音は、ビープ音のような単音ではなく、合成音声でもよい。
【0028】
表示部211は、読取結果を文字,図形あるいは記号で表示させる部分であり、LCDを用いることができる。あるいは、バーコードリーダ200に表示部を備えるためには、できるだけ軽い方が好ましいので、LEDを用いてもよい。
LEDの場合は、点灯色,点灯回数あるいは点灯の長さを異ならせることにより、読取結果を表示すればよい。
たとえば、読取成功の場合は、青色LEDを1秒間だけ点灯し、読取失敗の場合は、赤色LEDの点滅を5回繰り返すようにする。
なお、上記したように、この振動部209,音鳴動部210および表示部211は、従来から行われている読取結果の報知方法と同じものでもよく、また、バーコードリーダのコスト,機能あるいは重量等の観点からすべてを備えなくてもよい。
【0029】
読取結果出力部230は、バーコードの読取結果を、バーコードリーダの読取口を通してバーコード読取面(バーコードが印刷されている紙面)に、表示させる部分であり、読取口の方向にあるバーコード読取面に光を照射して、読取結果に対応した照射パターンの画像を表示させる。
たとえば、バーコードの読み取りに成功した場合、読取口からバーコード読取面に光を照射して、「成功」あるいは「OK」という照射パターン(文字)の画像を表示させる。
失敗した場合は、読取口からバーコード読取面に光を照射して、「失敗」あるいは「NG」という照射パターン(文字)の画像を、バーコード読取面に表示させる。
【0030】
バーコード読取面は、たとえばバーコードが表示されている商品の包装紙や、バーコードが印刷された貼付ラベルであり、そのバーコードの読取時に、発光部207から出射された光が照射される面でもある。すなわち、バーコードを読み取るために発光部207から出射される光の進行方向と、読取結果を表示するために読取結果出力部230の光源231から出射される光の進行方向とは、操作者が読取結果の確認のために視線を変更することがないように、一致させることが好ましい。
【0031】
読取結果出力部230は、主として、光源231と、照射パターン形成部232と、照射制御部233とから構成される。
光源231は、光を出射する部分であり、たとえばLED,レーザダイオード,豆電球などが用いられる。
照射パターン形成部232は、バーコードの読取結果に対応した表示画像の照射パターンを形成する部分である。ここで形成された表示画像の照射パターンが、バーコード読取面に画像として表示される。形成される表示画像の照射パターンとは、たとえば、「OK」という文字や、「NG」という文字である。
詳細は後述するが、たとえば、複数の凹凸パターンを持つミラーを多数備えた回転体や、光を透過可能な表示画像の照射パターンを複数個有する表示フィルターなどが、照射パターン形成部232に相当する。
【0032】
照射制御部233は、光源から出射された光を、形成された照射パターンを利用して読取結果出力光に変換して出力する部分である。言いかえれば、光源から出射された光をバーコードリーダの読取口からバーコード読取面の方向へ導き、読取結果に対応した表示画像がバーコード読取面に表示されるように、光源231と、照射パターン形成部232とを制御する部分である。
たとえば、光源からの光の出力および停止の制御,後述する回転体の回転制御,利用する表示フィルターの選択制御などを行う部分である。
【0033】
データ解析部205のデータ解析により、バーコードの読取結果225が記憶部220に記憶されると、照射制御部233が、その読取結果に対応した表示画像のパターンを形成するように、照射パターン形成部232に指示を与える。たとえば、読取結果が「成功」の場合、「成功」という文字に対応した光透過パターンを有する表示フィルターを、光源と、バーコード読取面との間に配置させる。その後、光源231から、一定時間光を出射させる。
これにより、出射された光は、表示フィルターに照射され、表示フィルターの「成功」という文字の光透過パターン部分のみを透過して、読取口から出力され、その先にあるバーコード読取面に当たると、「成功」という文字がバーコード読取面に表示されることになる。
以上の読取結果出力部230の動作は一つの例である。読取結果出力部230のその他のいくつかの実施例は、後述する。
【0034】
記憶部220は、この発明のバーコードリーダ200が動作するために必要な情報を記憶しておく部分であり、ROM,RAM,フラッシュメモリなどの半導体記憶素子,ハードディスク,メモリカードなどの記憶媒体が用いられる。
プログラムなど予め固定的に記憶しておく必要のある情報は、ROM,フラッシュメモリあるいはハードディスクに保存され、読取結果225や読み取りデータ226などの書き換えられる情報は、書き換え可能なメモリ(RAM,ハードディスク)に保存される。
この発明では、記憶部220には、主として、図1に示すような通報条件221,読取結果225,読み取りデータ226が記憶される。
【0035】
通報条件221とは、バーコードの読取結果をどのようにして報知するかを決定する情報であり、たとえば、通報種類情報222,照射パターン情報223,照射時間情報224から構成される。
図2に、この発明の通報条件の一実施例の説明図を示す。
通報種類情報222は、読取結果を報知する手段を設定した情報であり、読取正常時設定情報(1)と、読取エラー時設定情報(2)とからなる。
読取正常時設定情報(1)は、バーコードの読取が成功したときの通報手段を設定した情報であり、読取エラー時設定情報(2)は、読取に失敗したときの通報手段を設定した情報である。
【0036】
図1の実施例では、読取結果の通報手段として4つの通報手段(209,210,211,230)を備えたものを示しているが、制御部202は、この設定情報(1)または(2)をチェックして、どの通報手段を利用するかを認識する。
図2の2つの設定情報において、「音」は、音鳴動部210を利用して通報を行うか否かを決定する情報であり、たとえば、「音」=「1」のとき、音による通報を行い、「音」=「0」のとき、音による通報は行わないことを意味する。
また、「表示」は、表示部211を利用して通報を行うか否かを決定する情報であり、「振動」は、振動部209を利用して通報を行うか否かを決定する情報であり、「照射」は、読取結果出力部230を利用して通報を行うか否かを決定する情報である。
【0037】
図2に示した「読取正常時設定情報(1)」の具体例「1,0,0,1」は、音鳴動部210による通報と、読取結果出力部230による通報との2つの手段により、読取が成功したことの通報を行うことを意味する。
また、「読取エラー時設定情報(2)」の具体例「0,0,1,1」は、振動部209による通報と、読取結果出力部230による通報との2つの手段により、読取が失敗したことの通報を行うことを意味する。
これらの設定情報は利用開始時に予め固定的に設定し変更できないようにしてもよいが、これらの設定情報をハードディスクなどの書きかえ可能なメモリに記憶しておき、操作者ごとに、各自が認識しやすい通報方法を、いつでも設定変更できるようにしてもよい。
【0038】
図2の照射パターン情報223は、読取結果出力部230によって読取結果を表示するときの表示画像のパターンを設定した情報である。
図2では、正常時パターン情報(1)と、エラー時パターン情報(2)を示している。
正常時パターン情報(1)は、バーコードの読み取りが成功したときに表示する照射パターンの情報を示したものであり、文字,図形,記号あるいはパターンコードのような形式で設定される。
ここでは、2つの具体例を示しているが、たとえば、文字の場合は、「OK」や「成功」という文字が設定され、パターンコードの場合は、「OK」という文字を意味する「00000001」や、「成功」という文字を意味する「00000010」が設定されている。
【0039】
エラー時パターン情報(2)は、バーコードの読み取りに失敗したときに表示するパターンの情報を示したものであり、図2に示すような「NG」や「失敗」という文字や、これらの文字に対応するパターンコード、あるいは図形や記号が設定される。
【0040】
たとえば、正常時パターン情報(1)として、パターンコード(00000001)が設定されている場合は、バーコードの読取に成功した場合に、「OK」という文字に対応した照射パターンを持つ読取結果出力光が、読取結果として読取口から出力される。
また、エラー時パターン情報(2)として、パターンコード(00001111)が設定されている場合は、バーコードの読取に失敗した場合に、「失敗」という文字に対応した照射パターンを持つ読取結果出力光が読取結果として読取口から出力される。
【0041】
図2の照射時間情報224は、読取結果出力部230の光源231から、光を出射している時間である。
図2のように、照射時間情報224として200msecが設定されていたとすると、光源231から200msecの間だけ光が出射され、バーコード読取面に、照射パターン情報223に設定されていた照射パターンが、その時間(200msec)だけ表示される。
【0042】
<バーコードの読取処理と結果出力処理>
ここでは、この発明のバーコード読取処理と読取結果の出力処理の概略を説明する。
図3に、この発明のバーコード読取処理と読取結果出力処理の概略説明図を示す。
また図4に、バーコード読取処理の一実施例の説明図を示す。
バーコードを読み取る場合、バーコードリーダ200の読取口303から出射された光をバーコード301が印刷された面302(バーコード読取面とも呼ぶ)に当たるように、操作者がバーコードリーダ200をバーコードに近づける。読取制御部206の発光部207から出射された読取光311が、バーコード読取面302に当たると、その反射光312がバーコードリーダの読取口303へ入射され、受光部208で検出される。
【0043】
受光部208で検出された光は電気信号に変換され、この電気信号から画像としてのバーコードが認識され、データ解析部205によって解析が正常に行われると、バーコードに含まれるデータが取得される。
取得されたデータは、読み取りデータ226として記憶部220に記憶され、通信部201を介してホスト装置100へ転送される。
このように、データの解析が正常に終了し、読み取りに成功した場合は、読取結果225として、「成功」であることを示す情報を記憶する。
【0044】
一方、データ解析部205による解析によって、バーコードに含まれるデータを取得できなかった場合、すなわちバーコードの読み取りに失敗した場合は、読取結果225として、「失敗」であることを示す情報を記憶する。
ここまでが、この発明のバーコード読取処理の概要である。
【0045】
次に、読取結果を、バーコード読取面に表示させる処理について説明する。
図5(a)に読取成功時の結果表示の一実施例を示し、図5(b)に読取エラー時の結果表示の一実施例を示す。
上記したように、読取結果225が記憶されると、制御部202は、読取結果出力部230に対して、その読取結果を出力するように指示を与える。
【0046】
読取結果出力部230の照射制御部233は、記憶部に記憶された読取結果225を確認し、その読取結果に対応した照射パターン情報223を読み出す。
読み出した照射パターン情報223は、照射パターン形成部232に与えられる。照射パターン形成部232は、与えられた照射パターン情報223に対応した照射パターンを準備する。たとえば、表示フィルターを用いて照射パターンを形成する場合は、光源233とバーコードリーダの読取口303との間に、上記読取結果に対応した光透過パターン(読取結果透過パターン)を持つ表示フィルターを配置させる。
その後、照射制御部233は、光源231から、照射時間情報224の時間だけ、光を出射させる。
【0047】
光源231から出射された光は、たとえば表示フィルターにある光透過パターンを通過すると、読取結果の文字等を表示するための読取結果出力光313に変換され、バーコードリーダの読取口303から外部へ出力される。
このとき、操作者が、バーコードリーダの方向を、バーコード読取時の向きと同じ方向に向けていたとすると、読取口303から出射された読取結果出力光313は、バーコード読取面302に当たることになる。すなわち、バーコード読取面302に、図5(a)あるいは図5(b)に示すように、読取結果の文字等が表示される。
【0048】
操作者がバーコードを読み取り、図5のように読取結果の表示がされるまでの一連の処理は、CPU等によるリアルタイム的な処理により行われるので、図5の読取結果を表示させるまでの時間は一瞬であり、たとえば100ms以内で行うことができる。
この程度の短い時間に読取結果が表示されれば、操作者は、バーコードを読み取るために視線をバーコード読取面に移動させた後、視線をそのままにした状態で、読取結果を、迅速かつ確実に、視覚で確認することができ、読取結果確認のための操作者の負担を軽減できる。
【0049】
<読取結果出力部の実施例の説明>
以下に、バーコードの読取結果を出力するいくつかの実施例について、説明する。
【実施例1】
【0050】
ここでは、光源から出射された光を、表面に反射面を有する回転体で、バーコードリーダの読取口の方向に反射させて、読取結果をバーコード読取面に表示させる構成を示す。
図6に、この発明の実施例1の読取結果出力部の概略説明図を示す。
図6において、読取結果出力部230は、主として、照射位置指定ユニット502と、レーザダイオード501と、回転体503と、モーター504と、第1ミラー面505と、第2ミラー面506とから構成される。回転体の表面は円形であり、回転体の表面に形成される反射面は、2つに分離されたミラー面からなる。
【0051】
レーザダイオード501は光源に相当し、レーザダイオードから出射された光は、まず、回転体の方向に進行し、回転体の反射面に当たって、読取口の方向に反射する。この反射光が、図3の読取結果出力光313に相当する。
照射位置指定ユニット502は、光源501を収容し、光の照射位置を決定する部材であり、図6の光源の位置を上下方向に移動させるものである。
照射位置指定ユニット502は、たとえばバネと、バネを伸縮させるための電磁石とを備える。電磁石に通電しない場合は、光源の位置は、図6の成功時照射位置となるように設定される。
一方、電磁石に通電をした場合、図6の場合は、バネを伸長させ、光源501を下方へ移動させ、光源の位置を図6のエラー時照射位置となるようにする。
【0052】
成功時照射位置とは、バーコードの読み取りに成功した場合の光源の位置であり、光源から出射された光は、回転体503の方へ進行し、第1ミラー面505に当たり、読取口303とバーコード読取面302の方向へ反射され、読み取りに成功したことを示す読取結果(たとえば、「OK」の文字)が、バーコード読取面302に、表示される。
反射面である第1ミラー面505と第2ミラー面506とは、多数の凹凸部を有し、回転体503が回転することにより、第1または第2ミラー面に当たった光の反射方向が変化させられ、回転体503が一回転する間に、バーコード読取面上に、読取結果の照射パターンが表示される。凹凸部は、照射パターンに対応し、光源から出射された光の反射方向を変化させる表面の凹凸パターンである。
すなわち、2つのミラー面505は、回転体503の表面に備えられ、反射面の凹凸部によって光の反射方向を変化させて、読取結果の照射パターンを形成する部材である。
また、回転体が一回転することにより、反射面の凹凸部に当たって反射された反射光全体により、読取口から出力される読取結果に対応した読取結果出力光が形成されることになる。
【0053】
回転体503は、図6のようにその下方に配置されたモーター504によって、所定速度で一定の方向(図6では反時計回り方向)に回転させられる。
図6の場合、回転体503と、モーター504と、第1および第2ミラー面(505,506)が、照射パターン形成部232に相当する。
【0054】
また、バーコードの読み取りに成功したことを示す第1結果が「OK」であったとすると、図6の第1ミラー面505は、この第1結果(OK)に対応した読取結果出力光を出力するための第1の照射パターンを形成する第1パターン形成部に相当する。
同時に、バーコードの読み取りに失敗したことを示す第2結果が「NG」であったとすると、図6の第2ミラー面506は、この第2結果(NG)に対応した読取結果出力光を出力するための第2の照射パターンを形成する第2パターン形成部に相当する。
【0055】
ここで、照射制御部233は、読取結果に基づいて、上記第1パターン形成部(第1ミラー面505)および第2パターン形成部(第2ミラー面506)のうちいずれか一方を選択する。たとえば、読取結果が成功の場合は、第1パターン形成部(第1ミラー面)を選択する。そして、選択された第1パターン形成部(第1ミラー面)を利用して読取結果出力光を出力するために、照射位置指定ユニット502を動作させて、光源の位置を第1ミラー面と対向する位置である成功時照射位置に移動させる。
【0056】
エラー時照射位置とは、バーコードの読み取りに失敗した場合の光源の位置である。この位置に光源がある場合、光源から出射された光は、回転体503の方へ進行し、第2ミラー面506に当たり、読取口303とバーコード読取面302の方向へ反射される。このとき、回転体503を回転させることにより、読み取りに失敗したことを示す読取結果(たとえば、「NG」の文字)が、バーコード読取面302に表示される。
したがって、図6の場合、回転体を一回転させる間に、第1ミラー面505の凹凸パターンによって、バーコードの読取に成功したときの読取結果に対応する照射パターンが形成され、第2ミラー面506の凹凸パターンによって、バーコードの読取に失敗したときの読取結果に対応する照射パターンが形成される。
【0057】
照射位置指定ユニット502による光源の位置制御と、レーザダイオード501からの光の出射制御と、モーター504による回転体の回転制御とは、図6に図示していない照射制御部233により行われる。
照射制御部233の機能は、CPUが、記憶部220に予め記憶された上記3つの制御プログラムに基づいて、各ハードウェアを動作させることにより、実現される。
図6の回転体503によって反射された読取結果出力光313は、図3に示したバーコードリーダの読取口303から外部へ出射されるが、この方向は、バーコード読取時に発光部207から出射される読取光311と同じ方向である。
したがって、操作者がバーコード読取時に向けていたバーコードリーダの方向を、一定時間そのままの状態に保っていれば、バーコードの読取結果を表示するための読取結果出力光313は、バーコード読取面302に、照射されることになる。
【実施例2】
【0058】
図7に、実施例1の照射位置指定ユニット502の代わりに、固定された2つのレーザダイオード(501−a,501−b)を設けた実施例2の構成図を示す。
第1のレーザダイオード501−aは、読取成功を示す表示をさせるための光源であり、図6の成功時照射位置と同じ位置に配置される。
第2のレーザダイオード501−bは、読取失敗を示す表示をさせるための光源であり、図6のエラー時照射位置と同じ位置に配置される。
回転体503と、モーター504と、第1及び第2ミラー面(505,506)は、図6の実施例1と同じ部材を用いればよい。
ここでは、第1のレーザダイオード501−aと第1ミラー面505とが、第1パターン形成部に相当し、第2のレーザダイオード501−bと第2ミラー面506とが第2パターン形成部に相当する。
【0059】
実施例2では、バーコードの読取成功時には、第1のレーザダイオード501−aの出射制御をし、バーコードの読取失敗時には、第2のレーザダイオード501−bの出射制御をすればよい。
この場合、レーザダイオードを2つ備える必要があるが、図6のような照射位置指定ユニット502を設ける必要はないので、バネや電磁石を制御する複雑な回路を省略してハードウェアの部品数を減らすことができ、光源の位置制御をする必要もなくなり、実施例1に比べて、ハードウェアと制御ソフトウェアの簡略化と低コスト化ができる。
【0060】
なお、読取結果としては、「成功」と、「失敗」の2つがあれば十分なので、実施例2では、レーザダイオードの数を2つとしたが、3つ以上の読取結果を表示させる必要のある場合は、その読取結果の数に対応する数だけ(3つ以上)レーザダイオードとミラー面を設けてもよい。
【実施例3】
【0061】
図8に、回転型表示フィルターを用いた実施例3の構成図を示す。
また、図9に、照射パターン形成部232と、読取口303と、バーコード読取面302との位置関係の説明図を示す。
ここでは、照射パターン形成部232は、回転体503と、表示フィルター510と、モーター504とから構成される。
表示フィルター501は、回転体503の表面に取り付けられ、回転体503はモーターによって回転させられる。回転体の表面は、円形でもよいが、表示フィルターと同じ数の平面を持つ多角形としてもよい。
光源501は、回転体のほぼ中央に配置され、回転することなく、出射光の方向は、常にバーコードリーダ200の読取口303の方向である。
表示フィルター510は、たとえば、光学フィルター,LCDなどを用いればよい。
【0062】
図9(a)では、回転体503は、4つの表面を有するものを示しており、各表面に、異なる光透過パターン(読取結果透過パターンとも呼ぶ)を持つ表示フィルター510(P1,P2,P3,P4)を配置している。
ただし、回転体503の表面の数は4つに限ることなく、3つでもよく、あるいは5つ以上でもよい。
また、4つの表面を持つ場合でも、4つの面すべてに表示フィルター510を設ける必要はなく、2つの読取結果を表示する場合は、特定の2つの表面に、それぞれの読取結果用の表示フィルター510を設ければよい。
【0063】
図9(b)は、表示フィルター510と、その読取結果透過パターン511の一実施例の説明図を示している。
ここで、「OK」が読取結果透過パターン511であり、図面では黒色で示されているが、実際には、この黒色の部分のみが光を透過する部分である。この黒色の部分「OK」を読取結果出力光313が透過することにより、図9(c)に示すように、バーコード読取面302の上に、読取結果320(OK)が表示される。
【0064】
図9(a)では、表示フィルターP1が光源233と読取口303との間にあるので、表示フィルターP1に形成された照射パターン(読取結果透過パターン511)に対応する読取結果320が、バーコード読取面302に表示される。
表示フィルターP2に形成された照射パターンに対応した読取結果320を表示させるためには、回転体503を90度回転させて、表示フィルターP2を、光源233と、読取口303との間に配置させる。
【0065】
他の表示フィルターP3、P4についても、同様に、回転体を回転させて、所望の表示フィルターを、光源233と読取口303との間に配置するようにすればよい。
この実施例3の場合は、照射制御部233が、モーターを制御して回転体を所定の位置まで回転させ、読取結果に対応した表示フィルター510を光源233と読取口303との間に配置させた後、光源233から光を出射させればよい。
光源233から出射された光は、表示フィルター510に照射され、表示フィルターに形成されている光透過パターンの部分を透過し、読取口から、読取結果に対応した光透過パターンを持つ読取結果出力光が出力される。
【0066】
この実施例3では、表示させる読取結果の数に対応した表示フィルターを予め用意する必要があるが、光源は1つでよく、回転体503を一定速度で回転しつづける必要はなく、所定の位置まで回転させるだけでよいので、実施例1に比べて、ハードウェアの構成と制御ソフトウェアの簡易化ができる。
【実施例4】
【0067】
図10に、複数の表示フィルターを用いた実施例の構成図を示す。
また、図11に、照射パターン形成部232と、読取口303と、バーコード読取面302との位置関係の説明図を示す。
ここでは、2つの光源(501−a、501−b)を備え、それぞれの光源の前に、2つの表示フィルター(510−a、510−b)を固定配置している。
また、光源の背後と側面に、反射鏡520を備える。
表示フィルター510−aは、読み取りに成功したことを示す第1結果(OK)に対応した光透過パターンを有する第1フィルターであり、表示フィルター510−bは、失敗したことを示す第2結果(NG)に対応した光透過パターンを有する第2フィルターである。
【0068】
第1光源501−aと第1の表示フィルター510−aとが、バーコードの読取に成功した場合の読取結果(たとえば、OK)を、バーコード読取面302に表示するための構成である。
また、第2光源501−bと第2の表示フィルター510−bとが、バーコードの読取に失敗した場合の読取結果(たとえば、NG)を、バーコード読取面302に表示するための構成である。
ここでは、表示フィルター(510−a、510−b)が、照射パターン形成部232に相当する。
【0069】
2つの表示フィルター(510−a、510−b)は、図9(b)に示すように、それぞれの読取結果透過パターン511を有するフィルターであり、それぞれ対応する光源(501−a、501−b)と、読取口303との間に固定配置する。
たとえば、第1表示フィルター510−aが、「OK」という読取結果透過パターン511を有し、第2表示フィルター510−bが、「NG」という読取結果透過パターン511を有する。
【0070】
実施例4において、たとえばバーコードの読取に成功した場合は、第1フィルターを選択し、第1光源501−aから光を出射する。このとき、出射光は、第1表示フィルター510−aを透過し、読取口から出力された読取結果出力光313がバーコード読取面302に当たり、読取に成功したことを示す読取結果320が表示される。
バーコードの読取に失敗した場合は、第2フィルターを選択し、第2光源501−bから光を出射する。このとき、出射光は、表示フィルター510−bを透過し、読取口から出力された読取結果出力光313がバーコード302に当たり、読取に失敗したことを示す読取結果320が表示される。
この実施例4では、光源と表示フィルターとを、表示する読取結果の数だけ設ける必要があるが、回転体やモーターを設ける必要がなく、光源の点消灯の制御をするだけでよいので、実施例1に比べて、ハードウェアの構成と制御ソフトウェアの簡易化ができる。
【実施例5】
【0071】
図12および図13に、複数のレーザダイオード(発光素子)を用いた実施例の構成図を示す。
ここでは、光源501としては、マトリクス状に配置された複数個のレーザダイオード(発光素子)を用いる。この場合、読取結果に対応した所定の位置に配置された複数個のレーザダイオードのみを点灯(発光)させることにより、光源そのもので、読取結果に相当する照射パターンを形成させる。この場合、光源501が、照射パターン形成部232でもある。
【0072】
図13(a)に示すように、各レーザダイオードから出射された光は、そのまま読取口303の方向へ進行し、バーコード読取面302に照射される。
このとき、図13(b)に示すように、光源501の中の読取結果である「OK」という文字に対応する位置にあるレーザダイオードのみを発光させることにより、読取口303から出力される読取結果出力光313は、読取結果の照射パターンとなっている。
すなわち、図13(c)に示すように、バーコード読取面302に、読取結果である「OK」が表示される。
【0073】
図12は、バーコードの読取に成功した場合に表示する読取り結果である「OK」という文字に相当する位置にあるレーザダイオードを点灯させた状態を示している。
また、バーコードの読取りに失敗した場合は、その読取結果である、たとえば「NG」という文字に相当する位置のレーザダイオードを点灯させればよい。
【0074】
この実施例5では、光源であるレーザダイオードを多数設ける必要があるが、回転体、モータ、および表示フィルター等を設ける必要はなく、点灯するレーザダイオードの位置制御をするだけでよいので、実施例1に比べて、ハードウェアおよびソフトウェアを簡易化できる。
【0075】
<バーコード読取処理および結果出力処理の実施例>
以下に、この発明のバーコード読取処理と、バーコードの読取結果の出力処理の一実施例を説明する。
(1)ホスト装置の処理
図14に、ホスト装置で実行する処理の一実施例のフローチャートを示す。
ホスト装置では、操作者が、操作部104を用いて、所定の入力をすることにより、通報条件の設定要求、バーコードの読取要求、バーコードの読取中止要求などが行われる。
【0076】
ステップS101において、制御部101は、操作部104から通報条件設定要求の入力があるか否か、チェックする。
たとえば、通報条件の設定入力を行うことを指示するための特定のキーの押下げがあるか否か、チェックする。
この設定要求を意味する入力があった場合、ステップ102へ進む。
一方、この入力がない場合はステップS104へ進む。
ステップS102において、制御部101は、通報条件設定処理を行う。ここでは、操作部104から、通報条件221に含まれる情報(通報種類情報222、照射パターン情報223、照射時間情報224)の入力を受け付け、入力されたこれらの情報を、バッファ等に一時記憶する。
【0077】
ステップS103において、通信部103を介して、設定された通報条件を、バーコードリーダ200に送信し、ステップS101へ戻る。バーコードリーダでは、送信されてきた通報条件を、記憶部220に記憶する(後述するステップS203)。
ステップS104において、制御部101は、操作部104から、バーコードの読取要求を意味する入力があるか否か、チェックする。
この読取要求の入力があった場合、ステップS105へ進み、なかった場合はステップS101へ戻る。
【0078】
ステップ105において、通信部103を介して、バーコードの読取開始要求を意味する情報を、バーコードリーダ200に送信する。
この読取開始要求を受信したバーコードリーダ200は、バーコードの読取処理を起動させる(後述するステップS205)。
ここでは、主として、読取制御部206による読取光の出射と、反射光の受光と、バーコードのデータ解析と、読取結果の出力などが行われる(ステップS232〜S248)。
【0079】
ステップS106において、バーコードリーダから、バーコードの読取結果が送られてくるのを待ち、読取結果が受信された場合は、ステップS107へ進み、受信されない場合は、ステップS108へ進む。
ステップS107において、読取結果と、読取に成功した場合に同時に送られてくる読取データとを、記憶し、表示部102に表示させる。
この後ステップS106へ戻る。
【0080】
一方、ステップS108において、操作部104から、バーコードの読取中止要求を意味する入力があるか否か、チェックする。
この入力がない場合は、ステップS106へ戻る。
一方、この入力があった場合は、ステップS109へ進み、読取中止要求を意味する情報を、バーコードリーダ200に送信する。この後、ステップS101へ戻る。
【0081】
(2)バーコードリーダの処理
バーコードリーダの機能を実現するプログラムは、主として、次のメイン処理(図15)、読取処理(図16)、読取結果出力処理のプログラムから構成され、互いに指示コマンドの送受信等により関連して、マルチタスクとして実行されることが好ましい。
読取結果出力処理は、この発明の特徴となる照射通報処理(図17)と、従来から行われている音通報処理、表示通報処理、および振動通報処理とからなり、これらの4つの処理も、マルチタスクとして独立して動作させることが好ましい。
【0082】
図15に、この発明のバーコードリーダのメイン処理の一実施例のフローチャートを示す。
このメイン処理は、主として、ホスト装置から送られてくる各種要求情報に基づいて、その要求に対応した処理を実行させる部分である。
【0083】
ステップS201において、制御部202は、通信部201を介して、ホスト装置100からの要求情報が受信されるか否か、チェックする。受信のない場合は、ステップS201をループする。
要求情報が受信された場合は、ステップS202へ進む。ステップS202において、受信された要求情報が、通報条件の設定要求であるか否か、チェックする。
通報条件の設定要求である場合は、ステップS203に進み、受信した通報条件221を、記憶部220に記憶する。
これにより、どの手段により、バーコードの読取結果を操作者に通報するかが設定される。
その後、ステップS201へ戻る。
【0084】
一方、ステップS202において、受信した要求情報が、通報条件設定要求でない場合は、ステップS204へ進み、その要求情報が、バーコードの読取開始要求であるか否か、チェックする。
受信した要求情報が読取開始要求であった場合、ステップS205へ進み、バーコードリーダの読取処理プログラムに対して、バーコードの読取開始を意味する起動指示を与える。その後、ステップS201へ戻る。
これにより、図16のバーコードリーダの読取処理プログラムが起動させられ、バーコードの読取動作が可能となる。
【0085】
また、ステップS204において、受信した要求情報が読取開始要求でない場合は、ステップS206へ進み、その要求情報が、バーコードの読取中止要求であるか否か、チェックする。
受信した要求情報が、読取中止要求であれば、ステップS207へ進み、そうでない場合は、ステップS201へ戻る。
ステップS207において、バーコードリーダの読取処理プログラムに対して、バーコードの読取中止を意味する中止指示を与える。
その後、ステップS201へ戻る。これにより、バーコードの読取動作が中止される。
【0086】
図16に、この発明のバーコードリーダの読取処理の一実施例のフローチャートを示す。
ここでは、主として、読取制御部206によるバーコードの読取と、データ解析部205による読取ったデータの解析と、読取結果の各通報処理の起動と、読取結果と読取データの送信とが行われる。
【0087】
ステップS231において、メイン処理プログラムから、起動指示が与えられるか否かチェックする。起動指示がない場合は、ステップS231をループし、起動指示があった場合は、ステップS232へ進む。
【0088】
ステップ232において、読取制御部206の発光部207から読取光を出力する。
図3に示したように、読取光311は、バーコードリーダの読取口303から外部へ出力される。
ステップS233において、受光部208によって、バーコードからの反射光が受光されるか否かチェックする。
【0089】
受光部208によって反射光が受光された場合は、ステップS234へ進み、受光されない場合は、ステップS232へ戻る。
反射光が受光された場合、受光部208により、光が電気信号に変換され、たとえば、この電気信号に対して所定のデジタル化処理が行われ、記憶部に一時記憶される。
【0090】
ステップS234において、紙面検出部204が、デジタル化された電気信号のパターンから、バーコードが認識可能か否か、判断する。バーコードは、一般的に所定の規格に基づいて、所定の太さの線分が所定の間隔を空けて並べられたものであるので、受信した電気信号のパターンを確認すれば、受信した光から、バーコードが認識できるか否かがわかる。
【0091】
バーコードとして認識できる場合は、ステップS237へ進み、認識できない場合は、ステップS235へ進む。
ステップS237において、データ解析部205が、受信した電気信号のパターンから、バーコードを抽出し、そのバーコードに含まれるデータを取得するためのデータ解析処理を行う。
このデータ解析処理の具体的な内容は、従来と同様の処理を行えばよいので、その内容は省略する。
【0092】
データ解析処理により、バーコードに含まれるデータが正常に取得できた場合は、ステップS238において、読取結果225として「成功」を示す情報を記憶し、かつ取得したデータを、読み取りデータ226として記憶する。
一方、データ解析処理により、データが取得できなかった場合は、ステップS238において、読取結果225として、「失敗」を示す情報を記憶する。
【0093】
ステップS239において、記憶部220に記憶された通報条件221を読み出す。
たとえば、読取に成功した場合、通報種類情報222の中の読取正常時設定情報(1)を読出し、ステップS240〜S246において、4つの通報手段のうちどの手段を利用して読取結果を通報するかを判断する。
【0094】
ステップS240において、音による通報設定がされているか否かチェックする。音による通報を行うように設定されている場合は、ステップS241へ進み、音通報処理を起動させる。
たとえば、図2の読取正常時設定情報(1)の場合は、「音」に1が設定されているので、音による通報を行う。
音通報処理は、マルチタスク動作で行うことが好ましく、音鳴動部210により所定の音を一定時間出力すればよい。
この後、ステップS242へ進む。
【0095】
一方、ステップS240において、音による通報が設定されていない場合は、ステップS242へ進む。
ステップS242において、表示による通報設定がされているか否か、チェックする。
表示による通報設定がされている場合は、ステップS243へ進み、表示通報処理を起動させ、その後、ステップS244へ進む。表示通報処理は、表示部211により、所定の表示を一定時間行えばよい。
一方、ステップS242において、図2の読取正常時設定情報(1)のように、「表示」に0が設定されている場合は、表示による通報は行わないので、ステップS244へ進む。
【0096】
ステップS244において、振動による通報設定がされているか否か、チェックする。
振動による通報設定がされている場合は、ステップS245へ進み、振動通報処理を起動させ、その後、ステップS246へ進む。一方、ステップS244において振動による通報設定がされていない場合は、ステップS246へ進む。
【0097】
ステップS246において、照射による通報設定がされているか否か、チェックする。
図2の通報種類情報222のように、照射による通報設定がされている場合は、ステップS247へ進み、照射通報処理(図17)を起動させ、その後、ステップS248へ進む。
照射通報処理は、図3、図5、図6〜図13に示したように、読取結果をバーコード読取面に表示させる処理である。その一実施例は、図17のフローで後述する。
【0098】
一方、ステップS246において、照射による通報設定がされていない場合は、ステップS248へ進む。ステップS248において、読取結果(成功、または失敗)225を、ホスト装置へ送信する。
また、バーコードの読取に成功した場合は、読取データ226も、ホスト装置へ送信する。その後、ステップS232へ戻る。
【0099】
また、上記したように、ステップS235へ分岐した場合は、ステップS235において、メイン処理から、バーコードの読取処理の中止指示が与えられたか否か、チェックする。
中止指示があった場合は、ステップS236へ進み、そうでない場合は、ステップS232へ戻る。
ステップS236において、読取制御部206の発光部207から、読取光を出力するのを、停止させる。
これにより、バーコードの読取動作が終了する。
その後、ステップS231へ戻る。
【0100】
図17に、この発明のバーコードリーダの照射通報処理の一実施例のフローチャートを示す。
ここでの照射による通報処理は、図6に示した一実施例の構成を用いるものとする。
ステップS271において、バーコードリーダの読取処理プログラムに、中止指示を与える。
これにより、図16の読取処理が起動中であって、読取光が出力されていても、ステップS235およびS236により、読取光の出力が停止される。
【0101】
ステップS272において、記憶部220から読取結果225を読み出す。
ステップS273において、読み出した読取結果225が、「成功」であるか、「失敗」であるかをチェックする。
読取結果が「成功」である場合は、ステップS274へ進み、光源の照射位置を、図6の成功時照射位置に設定する。
すなわち、図6の照射位置指定ユニット502の電磁石を非通電状態とし、レーザダイオード501(光源)の位置を、成功時照射位置に移動させる。
【0102】
一方、読取結果が「失敗」である場合は、ステップS275へ進み、光源の照射位置を、図6のエラー時照射位置に設定する。
この場合は、照射位置指定ユニット502の電磁石を通電状態としてバネを動作させ、レーザダイオード501の位置を、エラー時照射位置に移動させる。
【0103】
ステップS276において、図6の回転体503を回転させるモータ504を、所定の速度で回転させる。
ステップS277において、レーザダイオード501を点灯させ、出射光を、回転体503の方向へ出射させる。
この出射光は、回転体の表面のミラーによって反射されるが、回転体が一定速度で回転することにより、ミラーの凹凸部により反射光の進行方向がわずかに変化し、バーコードリーダの読取口303から出力される。回転体が一回転するごとに、読取結果の文字(たとえば、OKという文字)が、バーコード読取面上に表示されるように、反射光の方向が変化させられる。
ある瞬間には、バーコード読取面上では、読取結果の文字の一点しか表示されていないが、回転体を高速回転させることにより、人間の目には、読取結果の文字全体がバーコード読取面に表示されているように見える。
【0104】
ステップS278において、レーザダイオードを点灯してから、記憶部220に記憶されている照射時間情報224に相当する時間(たとえば、200msec)が経過したか否か確認する。
この時間が経過したことを確認した場合、ステップS279へ進み、レーザダイオードを消灯させる。すなわち、読取結果出力光の出力を停止させ、読取結果の表示を終了させる。
ステップS280において、回転体503を回転させていたモーター504の回転を停止させる。
ステップS281において、次のバーコードの読取処理を可能とするために、バーコードリーダの読取処理プログラムに、起動指示を与える。
これにより、図16の読取処理プログラムにおいて、ステップS231とS232によって、再度、バーコードの読取処理が開始される。
【0105】
以上が、この発明で特徴となる照射通報処理の一実施例であるが、これに限るものではない。
図7から図13に示す他の実施例の構成を有する場合は、原則として、ステップS271、S272、S273、S277〜S279、S281の各処理は同様に実行されるが、その他の処理はそれぞれの構成に対応した処理が実行される。
【符号の説明】
【0106】
100 情報処理装置(ホスト装置)
101 制御部
102 表示部
103 通信部
104 操作部
105 印刷部
200 バーコード読取装置
201 通信部
202 制御部
203 操作部
205 データ解析部
206 読取制御部
207 発光部
208 受光部
209 振動部
210 音鳴動部
211 表示部
220 記憶部
221 通報条件
222 通報種類情報
223 照射パターン情報
224 照射時間情報
225 読取結果
226 読み取りデータ
230 読取結果出力部
231 光源
232 照射パターン形成部
233 照射制御部
301 バーコード
302 バーコード読取面
303 読取口
311 読取光
312 反射光
313 読取結果出力光
320 読取結果
501 レーザダイオード(光源)
502 照射位置指定ユニット
503 回転体
504 モーター
505 第1ミラー面
506 第2ミラー面
510 表示フィルター
511 読取結果透過パターン
520 反射鏡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーコードが表示されたバーコード読取面に反射して読取口に入射した反射光を検出する読取制御部と、
検出された反射光から前記バーコードの読取結果を判断し、バーコードに含まれるデータを取得するデータ解析部と、
データ解析部によって判断された前記バーコードの読取結果に対応した照射パターンを持つ読取結果出力光を、前記読取口から出力する読取結果出力部とを備えたことを特徴とするバーコード読取装置。
【請求項2】
前記読取結果出力部は、
光を出射する光源と、
前記読取結果に対応した読取結果出力光を出力するために、前記照射パターンを形成する照射パターン形成部と、
前記光源から出射された光を、前記形成された照射パターンを利用して読取結果出力光に変換して出力する照射制御部とからなることを特徴とする請求項1に記載のバーコード読取装置。
【請求項3】
前記読取結果には、バーコードの読み取りに成功したことを示す第1結果と、バーコードの読み取りに失敗したことを示す第2結果とを含み、
前記照射パターン形成部は、前記第1結果に対応した読取結果出力光を出力するための第1の照射パターンを形成する第1パターン形成部と、前記第2結果に対応した読取結果出力光を出力するための第2の照射パターンを形成する第2パターン形成部とを備え、
前記照射制御部は、前記読取結果に基づいて、前記第1パターン形成部および第2パターン形成部のうちいずれか一方を選択し、選択された照射パターンを利用して読取結果出力光を出力することを特徴とする請求項2に記載のバーコード読取装置。
【請求項4】
前記読取結果出力部は、
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光を前記読取口の方向へ反射する反射面をその表面に有する回転体と、
前記回転体を所定速度で回転させるモーターとを備え、
前記回転体の反射面には、前記照射パターンに対応し、かつ前記光源から出射された光の反射方向を変化させる凹凸部が形成されており、前記回転体が一回転することにより、
前記反射面の凹凸部に当たって反射された反射光全体により、前記読取口から出力される前記読取結果に対応した読取結果出力光が形成されることを特徴とする請求項1に記載のバーコード読取装置。
【請求項5】
前記照射パターン形成部は、前記読取結果に対応した光透過パターンを有する表示フィルターを備え、前記表示フィルターを、前記光源と前記読取口との間に配置させ、
前記照射制御部が、前記光源から出射された光を、前記表示フィルターに照射させることにより、前記読取口から前記読取結果に対応した光透過パターンを持つ読取結果出力光を出力させることを特徴とする請求項2に記載のバーコード読取装置。
【請求項6】
前記読取結果には、バーコードの読み取りに成功したことを示す第1結果と、バーコードの読み取りに失敗したことを示す第2結果とを含み、
前記表示フィルターが、前記第1結果に対応した光透過パターンを有する第1フィルターと、前記第2結果に対応した光透過パターンを有する第2フィルターとを備え、
前記照射制御部は、前記読取結果に基づいて、第1および第2フィルターのうち前記光源と読取口との間に配置する表示フィルターを選択し、選択された表示フィルターを利用して読取結果出力光を出力させることを特徴とする請求項5に記載のバーコード読取装置。
【請求項7】
前記光源が、マトリクス状に配置された複数個の発光素子から構成され、
前記照射パターン形成部によって形成される照射パターンは、前記照射制御部が、前記読取結果に対応した位置に配置された複数個の発光素子のみを発光させることにより形成し、
その発光素子の発光により形成された照射パターンを持つ読取結果出力光を前記読取口から出力させることを特徴とする請求項2に記載のバーコード読取装置。
【請求項8】
前記読取制御部は、前記バーコードを読み取るための光を、前記読取口から出力させる発光部と、
前記バーコード読取面からの反射光を受光する受光部とを備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のバーコード読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−43365(P2012−43365A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186363(P2010−186363)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】