説明

バーナ制御装置を備えた燃焼炉

【課題】燃料として高価なLPGの使用割合を減らし、代わりに安価な重油の使用比率を増やして炉出口温度を燃焼処理物が還元される値に保ちつつ、排ガス中の硫黄酸化物濃度を規制値以下に保つこと。
【解決手段】重油バーナとLPGバーナを有し、プラント排ガス及び/又はプラント廃液を高温分解処理する燃焼炉において、硫黄酸化物濃度を計測する硫黄酸化物濃度計測器8と、燃焼炉出口の排ガス温度を計測する温度計測器4とを設け、第1の制御回路によって、計測した硫黄酸化物濃度の多・寡に対してLPG流量を増加・減少するように制御すると同時に、第2の制御回路によって、LPG流量の増加・減少に伴う計測した燃焼炉出口排ガス温度の高・低に対して重油流量を減少・増加するように制御すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラント排ガス及び/又はプラント廃液を燃焼処理する、重油とLPGの混焼バーナを備えた竪型多段分割式燃焼炉に係わり、特に、バーナで使用するLPGと重油の流量比率を制御するバーナ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の竪型多段分割式燃焼炉に設置していたバーナは殆どが重油専焼タイプであり、排ガス中の硫黄酸化物濃度はバーナ燃料である重油に含まれる硫黄量によって左右されていた。
【0003】
図3は従来技術に関する竪型多段分割式燃焼炉におけるバーナ制御の基本的構成を示す図である。図3において、1は竪型多段分割式燃焼炉、2はバーナ、3は煙突、4は温度検出器、5はバーナ制御装置、6は重油流量調節弁、7はプラント排ガス及びプラント廃液、8は連続排ガス計測装置、をそれぞれ表す。
【0004】
竪型多段分割式燃焼炉1は複数台存在するバーナ2を順次点火し、温度検出器4で測定した燃焼炉出口温度が800℃を超えた時点で昇温完了となり、有害なプラント排ガス及び/又はプラント廃液7を受け入れて高温分解処理を開始する。高温分解処理中は温度検出器4で測定した燃焼炉出口温度が任意に設定した温度となるように、バーナ制御装置5から出力される操作指令に従って重油流量調節弁6を開閉操作する。このとき、燃焼炉1で処理した排ガスを煙突3に設置した連続排ガス計測装置8は、有害ガス成分を計測しているが、その用途は記録用である。
【0005】
また、重油専焼ボイラの硫黄酸化物排出量を一定水準に維持管理する自動制御方式の従来技術は、例えば、特許文献1に提示されている。これによると、硫黄含有率の異なる2種の重油を混合弁により混合し、これらを流量測定して燃焼させており、一方、燃焼排ガス中の硫黄酸化物と酸素の濃度を測定し、単位時間硫黄酸化物の総量が目標値に合致するように制御することが開示されている。
【特許文献1】特開昭54−23230号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した竪型多段分割式燃焼炉の基本的構成をもつ従来技術は、排ガス中の硫黄酸化物濃度を制御する点について配慮がされておらず、排ガス中の硫黄酸化物濃度はバーナ燃料である重油に含まれる硫黄量次第であった。そのため、排ガス中の硫黄酸化物濃度を規定値以下とすることが求められる場合は、含有する硫黄分が少ない重油を使用するか、又はバーナ燃料としてLPGを使用するという選択をする必要があった。
【0007】
また、上記の特許文献1には、硫黄酸化物濃度に応じて硫黄含有率の異なる燃料に切り替える考え方は開示されているが、炉内温度と硫黄産物濃度との関係を基づいてバーナ燃料を切り替えるという配慮はなされていない。
【0008】
本発明の目的は、大気に放出する前の排ガス中の硫黄酸化物濃度及び燃焼炉出口の排ガス温度に応じてLPGバーナの燃料使用量及び重油バーナの燃料使用量を制御して、LPGの使用量を低く抑えつつ排出ガス中の硫黄酸化物濃度を規定値内に維持するバーナ制御装置を備えた燃焼炉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
重油バーナとLPGバーナを有し、プラント排ガス及び/又はプラント廃液を高温分解処理する燃焼炉において、
前記燃焼炉の排ガスの硫黄酸化物濃度を計測する硫黄酸化物濃度計測器と、前記燃焼炉出口の排ガス温度を計測する温度計測器とを設け、前記計測した硫黄酸化物濃度に対応して、前記LPGバーナに流れるLPG流量を制御する第1の制御回路と、前記計測した燃焼炉出口温度に対応して、前記重油バーナに流れる重油流量を制御する第2の制御回路と、を有するバーナ制御装置を設け、前記第1の制御回路によって、前記硫黄酸化物濃度の多・寡に対して前記LPG流量を増加・減少するように制御すると同時に、前記第2の制御回路によって、前記LPG流量の増加・減少に伴う燃焼炉出口温度の高・低に対して前記重油流量を減少・増加するように制御する構成とする。
【0010】
また、前記燃焼炉において、前記燃焼炉出口温度が規定範囲から外れたことを検出した場合、前記LPGバーナに流れるLPG流量の制御は、前記LPG流量を制御する第1の制御回路から、前記重油流量を制御する第2の制御回路に切り替えることで、前記燃焼炉出口温度の前記規定範囲から外れた高・低に対して前記LPG流量を減少・増加するように制御する構成とする。
【0011】
また、前記燃焼炉において、前記重油バーナを複数設け、前記複数の重油バーナの内で点火されている重油バーナの数分の失火防止の最低油量の合計量を算出する制御系を設け、前記燃焼炉出口温度による重油量指示信号よりも前記制御系による合計量が大であれば、重油流量の調節を、前記燃焼炉出口温度による制御に代えて、前記最低油量の合計量を算出する制御系に切り替えて重油油量を調節する構成とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、バーナで使用するLPGと重油の流量比率を燃焼炉から排出される硫黄酸化物濃度に基づいて制御することにより、LPGの使用量を低く抑えながら、排出ガス中の硫黄酸化物濃度を規定値内に制御できる。また、燃料としての重油中の硫黄含有量が変動する場合においても、排出ガス中の硫黄酸化物濃度を適宜に制御することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の実施形態に係るバーナ制御装置を備えた燃焼炉について、図1と図2を参照しながら以下説明する。図1は本発明の実施形態に係る燃焼炉におけるバーナ制御の基本的構成を示す図である。図2は本発明の実施形態に関するバーナ制御装置の内部構成を示す図である。
【0014】
図において、1は竪型多段分割式燃焼炉、2はバーナ、3は煙突、4は温度検出器、5はバーナ制御装置、6は重油流量調節弁、7はプラント排ガス及び/又はプラント廃液、8は連続排ガス計測装置、9はLPG流量調節弁、をそれぞれ表す。
【0015】
竪型多段分割式燃焼炉1(炉を多段に分割可能とする竪型の燃焼炉であり、本発明では竪型多段分割式に限らず炉であれば適用可能)は、複数台存在するバーナ2のLPGバーナ及び重油バーナを順次点火し、温度検出器4で測定した燃焼炉出口温度が800℃となるのを待つ。燃焼炉出口温度が800℃を超えた時点で昇温完了となり、有害なプラント排ガス及び/又はプラント廃液7(一般的には硫黄含有量は重油に比べて僅少)を受け入れて高温分解処理を開始する。高温分解処理中は温度検出器4で測定した燃焼炉出口温度が任意に設定した温度となるように、バーナ制御装置5から出力される操作指令に従って重油流量調節弁6を開閉操作する。
【0016】
また、煙突3に設置した連続排ガス計測装置8によって計測した排ガス中の硫黄酸化物濃度が、任意に設定した濃度となるようにバーナ制御装置5から出力される操作指令に従ってLPG流量調節弁9を開閉操作する。
【0017】
次に、図2に示すバーナ制御装置5内の制御系統を説明する。燃焼炉の昇温が完了し、プラント排ガス及び/又はプラント廃液を受け入れて高温分解処理を実施する状態において、連続排ガス計測装置8で測定した硫黄酸化物濃度が硫黄酸化物濃度設定器(SV(Set Value))の設定値を上回る場合には、測定濃度と設定値との減算器(Δ)の偏差を基にした硫黄酸化物濃度PID演算器(PID)の出力に応じて、LPG流量調節弁9への開度指令を増とし(LPGには硫黄含有量が殆ど無い)、LPGの使用量を増加するので、温度検出器4で測定する燃焼炉出口温度は上昇傾向となる。
【0018】
燃焼炉出口温度が上昇傾向となることで、温度検出器4による測定温度と設定値SVとの減算器(Δ)の偏差を基にした燃焼炉出口温度PID演算器(PID)は温度維持のため重油流量調節弁6への開度指令を減とし、重油の使用量を減少するので、結果として硫黄酸化物の発生量が減少するものである(重油量を減少させることで硫黄酸化物濃度を低下させることができる)。
【0019】
これとは逆に、連続排ガス計測装置8で測定した硫黄酸化物濃度が硫黄酸化物濃度設定器(SV)の設定値を下回る場合には、硫黄酸化物濃度PID演算器(PID)はLPG流量調節弁9への開度指令を減とし、LPGの使用量を減少するので、温度検出器4で測定する燃焼炉出口温度は下降傾向となる。
【0020】
燃焼炉出口温度が下降傾向となることで、温度維持のため燃焼炉出口温度PID演算器(PID)の出力に応じて重油流量調節弁6への開度指令を増とし、重油の使用量を増加するので、結果として排ガス中の硫黄酸化物濃度を規定値内に抑制しつつ重油使用比率を高い値で維持することになる(重油使用比率を高くすることで低コストの運転費用となる)。
【0021】
ところで、上述した制御は、重油バーナの最小負荷時に排ガス中の硫黄酸化物濃度がバーナ制御装置で設定する値を下回ることが前提となる。硫黄含有量が多い重油を使用して、バーナ制御装置で排ガス中の硫黄酸化物濃度を極端に低く設定した場合には、その設定が重油バーナの失火しない最小の重油流量になっているにも関わらず、LPGの使用量が硫黄酸化物濃度の高さに応じて増加してゆき、燃焼炉出口温度を維持できない状況に陥る可能性がある。換言すると、上述した制御を採用した場合に、硫黄含有量の多い重油を使用すると、計測された硫黄酸化物濃度は高くなり、この計測濃度に応じてLPG使用量が多くなるように制御され、燃焼炉出口温度は高くなるが、この温度を低下させるべく重油使用量を減少させることができない(失火防止の最小流量以下にすることはできないから)。
【0022】
このような硫黄酸化物濃度制御の制御可能範囲を超過する状態を回避する対策として、重油バーナの失火防止を目的として設定する最小燃料流量値を極力下げることで、制御可能範囲を拡大する考え方がある。この考え方は燃焼炉を構成する重油バーナの本数を増やして個々のバーナを小容量化することで達成可能であるが(各バーナは全て点火して使用することが前提)、費用の面から現実的ではない。
【0023】
そこで、前述した硫黄酸化物濃度制御における制御可能範囲の超過状態を回避する第1の対策として、図2の点線枠で囲まれた制御系Iを含む本実施形態の構成例を創案し、これが本実施形態の特徴の1つでもある。一般的に、竪型多段分割式燃焼炉は燃焼炉上部からみた断面の円周上に等間隔で重油バーナを配置する場合が多く、点火するバーナを1本又は2本おきとしても燃焼処理が可能であるため(各バーナに点火器を設けて点火器を例えば1本又は2本おきに点火制御する)、安価に重油バーナの最小燃料流量設定値を下げる方法として、バーナ全数を点火させずに運転するようにする。重油バーナ全数を点火させずに燃焼処理を行う場合、燃焼炉内の温度バランスに影響を与えないために、消火運用するバーナは等間隔また対向上に配置されたバーナを選定する。点火バーナとしてどのバーナを選択するかは予め設定しておけばよい。また、重油バーナの失火防止を目的として設定する最小燃料流量下限値が、全バーナの最低燃料流量の積算値から算出された固定値の場合には、点火中のバーナ本数に応じて最小燃料流量下限を変更可能な制御回路に変更する。なお、本実施形態の構成例においては、単一の重油流量調節弁6を通った重油が、選択された点火バーナのすべてに略均等に供給される構成例となっている。
【0024】
図2に示す制御系Iを説明すると、バーナが複数設置されている場合(バーナ1〜n)、バーナの失火を防止するため、点火されているバーナには最低油量が供給されることが条件となる。従って、点火されているバーナに対しては、バーナ毎に設けられている切替器(T)により信号発生器(SG)からのmin%(最低油量)信号が合算器(Σ)に与えられ(バーナが点火されていることを判定すれば、a→cのルートをb→cのルートに切り替わる)、点火されているバーナ数分のmin%(最低油量)が合計されて高選択器(H>)(高い方の入力信号を選択するもの)に与えられる。
【0025】
一方、重油流量調節弁6は、温度検出器4による燃焼炉出口温度により点火中のバーナ全数に供給される重油量を制御している。即ち、燃焼炉出口温度と設定値(SV)とを減算器(Δ)に入力してその偏差を求め、この偏差をPID演算して関数発生器(f(x))に入力し、関数発生器の出力が測定した重油流量と比較(減算Δ)され、その偏差を求めて重油流量調節弁6を制御し、点火中のバーナ全てに略均等に制御された重油を供給する。この燃焼炉出口温度を基にした重油量指示信号と、制御系Iで示した点火されているバーナ数分のmin%(最低油量)の合計量信号とが、高選択器「H>」で比較され高い方の値(高値)が重油流量調節弁6に与えられる。
【0026】
即ち、燃焼炉出口温度による重油量指示信号が高であれば、この量に重油供給量が調節されて点火されている各バーナに配分され、点火されているバーナ数分のmin%(最低油量)の合計量信号が高であれば、点火されている各バーナに最低油量が供給されるように重油供給量が調節される。
【0027】
なお、点火されていないバーナに対しては信号発生器(SG:Signal Generator)から0%信号が切替器(T)を介して合算器(Σ)に与えられる。また、バーナが点火されているか否かは、各バーナに設置したフレームアイからの火炎信号等により判定される。
【0028】
次に、前述した硫黄酸化物濃度制御における制御可能範囲の超過状態を回避する第2の対策として、図2の点線枠で囲まれた制御系IIを含む本実施形態の他の構成例を創案し、これが本実施形態の特徴の1つでもある。この制御系IIを説明すると、燃焼炉出口温度測定値が燃焼炉出口温度設定器(SV)の設定値を上回り、その乖離幅が大きくなった場合を差分高検出器(H/)で検出し、即ち、出口温度測定値が設定値を規定量上回ったことを差分高検出器で検出すると、切替器(T)をa→cのルートからb→cのルートに切り替える。
【0029】
このようにして、LPG流量調節の制御回路は、硫黄酸化物濃度のPID演算側から、重油流量調節と同様の燃焼炉出口温度PID演算側に自動で切り替えられる。LPGの制御回路が燃焼炉出口温度PID演算側に切り替わると、重油及びLPG共に燃焼炉出口温度と設定器(SV)の乖離を最小とするよう制御に切替わるものである。なお、b→cのルートに切り替えた場合には、重油流量調節弁6をシャットオフするように制御してもよい。
【0030】
また、燃焼炉出口温度測定値が燃焼炉出口温度設定器(SV)設定値を下回り、その乖離幅が大きくなった場合も、同様に差分低検出器(L/)で検出し、LPG流量調節の制御回路を、重油と同様の燃焼炉出口温度PID演算側に自動で切替えるものである。なお、第1の対策と第2の対策を、個別に実施することも可能であるし、両者を併用して実施することも可能である。
【0031】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る燃焼炉におけるバーナ制御装置は、次のような構成を備えることを特徴とするものである。すなわち、実測した排ガス中の硫黄酸化物濃度が設定値を上回る場合には、硫黄酸化物濃度PID演算出力に応じてLPGバーナの燃料使用量を増方向とするので、燃焼炉出口温度は上昇傾向となる。これに対して重油バーナの燃料使用量は燃焼炉出口温度PID演算出力に応じて減方向とする。また、硫黄酸化物濃度の実測値と設定値の大小関係が逆となった場合は、LPGバーナの燃料使用量が減方向、重油バーナの燃料使用量が増方向となり、結果として排ガス中の硫黄酸化物濃度を規定値内に抑制しつつ、重油使用比率を高い値で維持可能となる。
【0032】
再度概説すると、本実施形態に関するバーナ制御装置においては、バーナで使用するLPGと重油の流量比率を燃焼炉から排出される硫黄酸化物濃度に基づいて制御することにより、LPGの使用量を低く抑えながらも排出ガス中の硫黄酸化物濃度を規定値内に制御し、加えて燃焼炉のランニングコストを安価とすることができる。
【0033】
加えて、硫黄酸化物濃度制御及び燃焼炉出口温度の制御範囲を拡大する第1の構成例は、点火されているバーナ数分の失火防止の最低油量の合計量を算出する制御系Iを設け、燃焼炉出口温度による重油量指示信号よりも制御系Iによる合計量が高ければ、制御系Iに切り替えて重油油量を調節しようとするものである。さらに、第2の構成例は、燃焼炉出口温度が設定値SVを規定量上回り、又は規定量下回った場合には、差分高検出器による検出でLPG流量の調節について、硫黄酸化物濃度のPID演算側から燃焼炉出口温度のPID演算側(制御系II)に自動的に切り替えてLPG流量を調節しようとするものである。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態に係る燃焼炉におけるバーナ制御の基本的構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に関するバーナ制御装置の内部構成を示す図である。
【図3】従来技術に関する竪型多段分割式燃焼炉におけるバーナ制御の基本的構成を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1 竪型多段分割式燃焼炉
2 バーナ
3 煙突
4 温度検出器
5 バーナ制御装置
6 重油流量調節弁
7 プラント排ガス及び/又はプラント廃液
8 連続排ガス計測装置
9 LPG流量調節弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重油バーナとLPGバーナを有し、プラント排ガス及び/又はプラント廃液を高温分解処理する燃焼炉において、
前記燃焼炉の排ガスの硫黄酸化物濃度を計測する硫黄酸化物濃度計測器と、前記燃焼炉出口の排ガス温度を計測する温度計測器とを設け、
前記計測した硫黄酸化物濃度に対応して、前記LPGバーナに流れるLPG流量を制御する第1の制御回路と、前記計測した燃焼炉出口温度に対応して、前記重油バーナに流れる重油流量を制御する第2の制御回路と、を有するバーナ制御装置を設け、
前記第1の制御回路によって、前記硫黄酸化物濃度の多・寡に対して前記LPG流量を増加・減少するように制御すると同時に、前記第2の制御回路によって、前記LPG流量の増加・減少に伴う燃焼炉出口温度の高・低に対して前記重油流量を減少・増加するように制御する
ことを特徴とする燃焼炉。
【請求項2】
請求項1に記載の燃焼炉において、
前記燃焼炉出口温度が規定範囲から外れたことを検出した場合、前記LPGバーナに流れるLPG流量の制御は、前記LPG流量を制御する第1の制御回路から、前記重油流量を制御する第2の制御回路に切り替えることで、前記燃焼炉出口温度の前記規定範囲から外れた高・低に対して前記LPG流量を減少・増加するように制御する
ことを特徴とする燃焼炉。
【請求項3】
請求項1に記載の燃焼炉において、
前記重油バーナを複数設け、前記複数の重油バーナの内で点火されている重油バーナの数分の失火防止の最低油量の合計量を算出する制御系を設け、
前記燃焼炉出口温度による重油量指示信号よりも前記制御系による合計量が大であれば、重油流量の調節を、前記燃焼炉出口温度による制御に代えて、前記最低油量の合計量を算出する制御系に切り替えて重油油量を調節する
ことを特徴とする燃焼炉。
【請求項4】
重油バーナとLPGバーナを有してプラント排ガス及び/又はプラント廃液を高温分解処理する燃焼炉におけるバーナ制御装置において、
計測された前記燃焼炉の排ガス硫黄酸化物濃度に対応して、前記LPGバーナに流れるLPG流量を制御する第1の制御回路と、計測された前記燃焼炉の出口排ガス温度に対応して、前記重油バーナに流れる重油流量を制御する第2の制御回路と、を設け、
前記第1の制御回路によって、前記排ガス硫黄酸化物濃度の多・寡に対して前記LPG流量を増加・減少するように制御すると同時に、前記第2の制御回路によって、前記LPG流量の増加・減少に伴う燃焼炉出口温度の高・低に対して前記重油流量を減少・増加するように制御する
ことを特徴とする燃焼炉のバーナ制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−198053(P2009−198053A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−38924(P2008−38924)
【出願日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(000005441)バブコック日立株式会社 (683)
【Fターム(参考)】