説明

パイライト排出装置

【課題】簡単な構成で且つ乾式とし、装置コスト、ランニングコストの低いパイライト排出装置を提供する。
【解決手段】パイライト2を貯蔵するホッパ1と、該ホッパの上端に連通されたパイライト排出ダクト3と、前記ホッパの下部に設けられ開閉扉8により開閉されるパイライト切出し口7と、前記パイライト排出ダクトに設けられゲートシリンダ5により開閉されるゲートバルブ4と、ロックシリンダ12によって駆動され前記開閉扉のロック/ロック解除を行うロック機構11と、前記ゲートシリンダ、前記ロックシリンダにそれぞれ作動圧を給排する駆動回路とを具備し、該駆動回路は前記ゲートシリンダによるゲートバルブの開/閉に対応させ、前記ロックシリンダによる前記ロック機構のロック/解除を行う様に構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭を粉砕する際に粉砕できないで残置するパイライトを採取、貯蔵し、更に系外に排出するパイライト排出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
石炭焚きボイラには、微粉炭を燃料とする微粉炭バーナが用いられ、微粉炭バーナには、粉砕機により微粉に粉砕された微粉炭が、搬送空気と共に微粉炭バーナに供給される。ところが石炭の粉砕過程で粉砕できないもの、即ちパイライトが残置する。斯かるパイライトは、パイライト排出装置に採取され、該パイライト排出装置に一時的に貯蔵され、更に系外に排出される。
【0003】
従来、特許文献1に示される様に、石炭を粉砕する粉砕機、即ち微粉炭ミルから排出されるパイライトは、一旦パイライト排出装置のホッパに貯蔵され、更に水によりホッパから切出され、スラリー状にされて搬出されていた。
【0004】
斯かる従来のパイライト排出装置では、水を使用した湿式であるので、パイライト排出装置の構造が複雑となり、又水処理設備が必要となる等大規模な設備となり、装置コストが大きくなると共にランニングコストも高くなる等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平1−303229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は斯かる実情に鑑み、簡単な構成で且つ乾式とし、装置コスト、ランニングコストの低いパイライト排出装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、パイライトを貯蔵するホッパと、該ホッパの上端に連通されたパイライト排出ダクトと、前記ホッパの下部に設けられ開閉扉により開閉されるパイライト切出し口と、前記パイライト排出ダクトに設けられゲートシリンダにより開閉されるゲートバルブと、ロックシリンダによって駆動され前記開閉扉のロック/ロック解除を行うロック機構と、前記ゲートシリンダ、前記ロックシリンダにそれぞれ作動圧を給排する駆動回路とを具備し、該駆動回路は前記ゲートシリンダによるゲートバルブの開/閉に対応させ、前記ロックシリンダによる前記ロック機構のロック/解除を行う様に構成したパイライト排出装置に係るものである。
【0008】
又本発明は、前記ホッパ内の内圧を開放する圧力逃し弁と、該圧力逃し弁を開閉する弁開閉シリンダと、前記ゲートシリンダのゲートバルブ閉動作の行程端で作動する第1リミットスイッチと、前記弁開閉シリンダの前記圧力逃し弁開閉動作に対応して作動する第2リミットスイッチとを具備し、前記ロックシリンダをロック解除させる駆動圧は前記第1リミットスイッチを介して供給され、前記開閉扉のロック解除はゲートバルブの閉動作に対して遅延して行われ、前記ゲートバルブをゲートバルブ開動作させる駆動圧は前記第2リミットスイッチを介して供給され、前記ゲートバルブの開動作は前記圧力逃し弁の閉動作に遅延して行われるパイライト排出装置に係るものである。
【0009】
又本発明は、前記ゲートバルブをゲートバルブ開動作させる駆動圧が分岐され、分岐された駆動圧は前記圧力逃し弁を閉させ、又前記ロックシリンダをロックさせる駆動圧として供給され、前記ゲートバルブの開動作は前記ロック機構のロック動作に遅延して行われるパイライト排出装置に係るものである。
【0010】
又本発明は、前記第1リミットスイッチ、前記第2リミットスイッチは、シリンダ動作により流路が切替えられるメカニカルスイッチであるパイライト排出装置に係るものである。
【0011】
又本発明は、前記駆動回路は遅延手段を有し、該遅延手段は前記ゲートシリンダのゲートバルブ閉動作に対して前記ロックシリンダのロック解除動作を遅延させ、該ロックシリンダのロック動作に対して前記ゲートシリンダのゲートバルブ開動作を遅延させる様構成されたパイライト排出装置に係るものである。
【0012】
又本発明は、前記パイライト切出し口の下方を走行可能に設けられたパイライト搬出台車と、該パイライト搬出台車を走行させる走行シリンダとを具備し、該走行シリンダは前記駆動回路によってパイライト受載位置とパイライト搬出位置との間を往復する様駆動されるパイライト排出装置に係るものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、パイライトを貯蔵するホッパと、該ホッパの上端に連通されたパイライト排出ダクトと、前記ホッパの下部に設けられ開閉扉により開閉されるパイライト切出し口と、前記パイライト排出ダクトに設けられゲートシリンダにより開閉されるゲートバルブと、ロックシリンダによって駆動され前記開閉扉のロック/ロック解除を行うロック機構と、前記ゲートシリンダ、前記ロックシリンダにそれぞれ作動圧を給排する駆動回路とを具備し、該駆動回路は前記ゲートシリンダによるゲートバルブの開/閉に対応させ、前記ロックシリンダによる前記ロック機構のロック/解除を行う様に構成したので、パイライトの貯溜、排出を乾式で行うことができ、而もパイライトの貯蔵、排出をゲートシリンダによるゲートバルブの開閉、前記ロックシリンダによるロック機構のロック、ロック解除のみで行うので構成が簡潔であり、ランニングコストも低いという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施例に係るパイライト排出装置の概略図である。
【図2】該パイライト排出装置の駆動系統図である。
【図3】(A)(B)(C)は、該パイライト排出装置に於けるパイライトの貯蔵から排出を行う場合の作動説明図である。
【図4】(A)(B)(C)は、該パイライト排出装置に於けるパイライトの排出から貯蔵を行う場合の作動説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施例に係るパイライト排出装置を示している。
【0017】
図1中、1はパイライト2を貯蔵するホッパを示しており、該ホッパ1の上端にはパイライト排出ダクト3が連通され、該パイライト排出ダクト3は図示しない微粉炭ミルに接続され、前記パイライト排出ダクト3の途中にはゲートバルブ4が設けられている。該ゲートバルブ4はゲートシリンダ5によって開閉される。該ゲートシリンダ5には第1リミットスイッチ6が設けられており、該第1リミットスイッチ6は前記ゲートシリンダ5の動作、例えばシリンダロッドの動きによって作動され、該シリンダロッドの動きを介して前記ゲートバルブ4の開閉状態が前記第1リミットスイッチ6によって検出される。
【0018】
前記ホッパ1の下部には水平方向に開口するパイライト切出し口7が設けられ、該パイライト切出し口7は開閉扉8によって開閉され、閉状態では前記パイライト切出し口7は開閉扉8によって気密に閉塞される様になっている。
【0019】
該開閉扉8には、開閉ハンドル9が設けられており、該開閉ハンドル9を回転等操作することで前記開閉扉8が開閉される。更に前記開閉扉8にはロック機構11が設けられ、該ロック機構11は前記開閉扉8をロック又はロック解除し、前記開閉ハンドル9による前記開閉扉8の開閉を制限し、又は開閉を可能とする。前記ロック機構11のロック/解放はロックシリンダ12によって行われる。
【0020】
又、前記ホッパ1の前記パイライト2と干渉しない位置、例えば上面に、前記ホッパ1内の圧力を検知する圧力検出器13、及び前記ホッパ1に貯蔵されたパイライト2のレベルを検出する貯蔵レベル検出器14が設けられ、更にホッパ1内の空気を放出し、内圧を低下させる圧力逃し弁15が設けられている。該圧力逃し弁15の開閉は弁開閉シリンダ16によって行われる。該弁開閉シリンダ16には、前記ゲートシリンダ5と同様、該弁開閉シリンダ16の動作状態を検出する第2リミットスイッチ17が設けられ、前記弁開閉シリンダ16の動作状態を介して前記圧力逃し弁15の開閉状態が検出される様になっている。
【0021】
尚、図中、18は前記ホッパ1内部を照明する為の照明窓(照明装置は省略している)、19は前記ホッパ1内のパイライト2の状態を確認する為の覗き窓である。又、貯蔵されるパイライト2が前記パイライト切出し口7に向って滞留することなく移動する様に、前記ホッパ1の底面は、パイライト2の安息角以上の角度θとなっている。
【0022】
前記パイライト切出し口7の下方には、パイライト搬出台車21が走行可能に設けられている。又該パイライト搬出台車21は、例えば走行シリンダ22が連結され、該走行シリンダ22によりパイライト受載位置とパイライト搬出位置との間を往復する様に設定されている。
【0023】
尚、前記パイライト受載位置では、前記開閉扉8が開かれた場合に、切出された前記パイライト2が前記パイライト搬出台車21に投下され、前記パイライト搬出位置では系外の搬送装置、例えばダンプカーによって前記パイライト搬出台車21のパイライト2が排出される。
【0024】
前記ゲートシリンダ5、前記ロックシリンダ12、前記走行シリンダ22は作動圧給排回路である駆動回路20(図2参照)によって接続され、該駆動回路20は前記ゲートシリンダ5、前記ロックシリンダ12、前記走行シリンダ22への空圧(作動圧)の給排を制御する為の制御弁23を有している。
【0025】
該制御弁23を操作することで、前記駆動回路20のパイライト2の貯蔵状態、パイライト2の排出状態が選択され、前記ゲートシリンダ5、前記ロックシリンダ12、前記走行シリンダ22に空圧が給排され、前記ゲートシリンダ5、前記ロックシリンダ12、前記走行シリンダ22がそれぞれ駆動される様になっている。但し、安全上、前記ゲートシリンダ5、前記ロックシリンダ12の作動には制限が設けられている。これにより、前記ゲートバルブ4と前記開閉扉8が同時に開いて、粉砕機(図示せず)からの熱風が前記パイライト切出し口7より噴出することが防止される。
【0026】
前記第1リミットスイッチ6、前記第2リミットスイッチ17は安全性を更に高める為に設けられている。
【0027】
前記第1リミットスイッチ6が前記ゲートバルブ4の閉状態を検出していない状態、シリンダロッドが閉側のストロークエンド(行程端)に達していない状態では、前記ロックシリンダ12が解除動作しない様にシリンダの前記駆動回路20が構成されている。
【0028】
又、第2リミットスイッチ17は前記圧力逃し弁15が開の状態を検出していない状態、即ち前記ホッパ1の内圧が高い状態では前記ロックシリンダ12が解除動作しない様にシリンダの駆動回路20が構成されている。
【0029】
以下、上記パイライト排出装置の作動について説明する。
【0030】
前記ホッパ1にパイライト2が溜められている状態では前記ゲートバルブ4が解放され、前記開閉扉8は前記ロック機構11によってロックされている。
【0031】
前記貯蔵レベル検出器14が前記ホッパ1内に溜ったパイライト2が所定のレベルになったことを検出すると、操作盤等の警告灯等が点灯され、操作員に、パイライト2の排出時期となったことを告知する。
【0032】
操作員は、前記制御弁23を操作して前記ゲートシリンダ5を駆動させ、前記ゲートバルブ4を閉じる。該ゲートバルブ4の閉状態は、前記第1リミットスイッチ6によって検出される。又、同時に前記弁開閉シリンダ16が駆動され、前記圧力逃し弁15が開放され、前記ホッパ1内の高圧の空気が前記圧力逃し弁15より放出される。前記圧力逃し弁15の開状態は、前記第2リミットスイッチ17によって検出される。
【0033】
前記第1リミットスイッチ6の前記ゲートバルブ4の開状態の検出及び前記第2リミットスイッチ17による前記圧力逃し弁15の開状態の検出に基づき、前記ロックシリンダ12が駆動して前記ロック機構11を解除する。
【0034】
又、前記制御弁23による操作で、前記ロックシリンダ12がロックされると同期して、前記パイライト搬出台車21が前記パイライト受載位置に移動する。
【0035】
操作員は、前記圧力検出器13で検出される圧力、即ち前記ホッパ1内部が圧力が常圧になっていることを確認して前記開閉ハンドル9を操作して前記開閉扉8を開く。前記ホッパ1内の前記パイライト2が前記パイライト搬出台車21に投下される。パイライト2を前記パイライト搬出台車21に積み終った時点で、前記開閉扉8を閉じる。
【0036】
該開閉扉8を完全に閉じ終ると、前記制御弁23を操作して、前記ロックシリンダ12を駆動して前記ロック機構11により前記開閉扉8をロックする。
【0037】
前記ロックシリンダ12の駆動と連動して、前記走行シリンダ22が動作し、前記パイライト搬出台車21が前記パイライト搬出位置に移動する。更に前記弁開閉シリンダ16により前記圧力逃し弁15が閉じられ、更に、前記ゲートシリンダ5が駆動され、前記ゲートバルブ4が開かれる。
【0038】
尚、上記したゲートシリンダ5、ロックシリンダ12、弁開閉シリンダ16、走行シリンダ22には、流体圧シリンダが用いられる。更に、容易に圧力流体が得られ、圧力流体の管理の容易なエアシリンダが好ましい。
【0039】
上記した様に、本実施例ではパイライト2の排出に水が用いられず、乾式でパイライト2の貯蔵、排出を行える。又、基本的には、前記ホッパ1と、前記パイライト排出ダクト3を開閉するゲートバルブ4と前記パイライト切出し口7を開閉する前記開閉扉8をロック/解除する簡単な構造であり、又前記開閉扉8のロック/解除は、前記ゲートバルブ4の開閉に連動して作動する前記ロック機構11によって行われるので、安全性が高い。更に、前記ゲートバルブ4、前記ロック機構11を駆動する動作源にはシリンダが用いられるので、安価な構成とすることができる。
【0040】
次に、図2により具体的な構成を説明する。尚、図2中、図1中で示したものと同一のものには同符号を付しその説明を省略する。
【0041】
前記制御弁23は図示しない空圧源に接続されており、該制御弁23のレバー24の操作により、第1空圧路25、第2空圧路26へ空圧を択一的に供給する様になっている。即ち、前記レバー24の第1の位置24aで前記第1空圧路25に空圧が供給され、前記レバー24の第2の位置24bで前記第2空圧路26に空圧が供給される様になっている。
【0042】
前記第1空圧路25は3つに分岐され、第1空圧路第1分岐25aは前記ロックシリンダ12の前記開閉扉8をロックするポートに接続され、第1空圧路第2分岐25bは前記弁開閉シリンダ16の前記圧力逃し弁15を閉させるポートに接続され、第1空圧路第3分岐25cは前記第2リミットスイッチ17を介して前記ゲートシリンダ5の前記ゲートバルブ4を開させるポートに接続されている。
【0043】
前記第2空圧路26は2つに分岐され、第2空圧路第1分岐26aは前記ゲートシリンダ5の前記ゲートバルブ4を閉じるポートに接続され、第2空圧路第2分岐26bは前記第1リミットスイッチ6を介して前記弁開閉シリンダ16の前記圧力逃し弁15を開くポートに接続されると共に前記ロックシリンダ12のロックを解除するポートに接続されている。
【0044】
前記第1リミットスイッチ6は所謂メカニカルスイッチであり、前記第2空圧路第2分岐26bを連通/切断する切替弁として機能する。前記第1リミットスイッチ6は、常時は前記第2空圧路第2分岐26bを切断する。前記ゲートシリンダ5のロッドの動き、即ち前記ゲートバルブ4を閉とする位置のストロークエンド(行程端)で前記ロッドが前記第1リミットスイッチ6のスプールを変位させ、前記第2空圧路第2分岐26bを連通させる。
【0045】
前記第2リミットスイッチ17も切替弁として機能するメカニカルスイッチであり、前記弁開閉シリンダ16の動作に対応して前記第2リミットスイッチ17が作動する。前記圧力逃し弁15は、常時(前記ゲートバルブ4が開でパイライト2を貯蔵している状態)は前記第1空圧路第3分岐25cを連通させており、前記弁開閉シリンダ16が前記圧力逃し弁15を開とする様作動すると、該弁開閉シリンダ16によって前記第2リミットスイッチ17が作動され、前記第1空圧路第3分岐25cを切断する。
【0046】
尚、前記第1リミットスイッチ6、前記第2リミットスイッチ17は前記ゲートシリンダ5、前記弁開閉シリンダ16の動作を検出して電気的な信号を発するリミットスイッチとしてもよい。
【0047】
以下、図3(A)〜図3(C)により、パイライト貯蔵状態からパイライトを排出する場合の作動を説明する。
【0048】
パイライトを前記ホッパ1に貯蔵している状態は、前記制御弁23が第1の位置24aにあり、空圧は前記第1空圧路25に供給されている状態である(図3(A))。
【0049】
前記弁開閉シリンダ16を介して前記圧力逃し弁15が閉じられ、該弁開閉シリンダ16が該圧力逃し弁15を閉じている状態では、前記第2リミットスイッチ17は前記第1空圧路第3分岐25cを連通している。従って、前記ゲートシリンダ5が前記ゲートバルブ4を開としている。又、前記ロックシリンダ12を介して前記ロック機構11が作動され、開閉扉8がロックされている。
【0050】
次に、パイライト2を排出する為、前記制御弁23を第2の位置24bとすると、空圧が前記第2空圧路26に供給される。該第2空圧路26より分岐した第2空圧路第1分岐26aに空圧が供給されることで、前記ゲートシリンダ5が前記ゲートバルブ4を閉方向に駆動する(図3(B))。尚、この状態では前記第2空圧路第2分岐26bは切断されている。又、前記ロックシリンダ12にはロックを維持する様に空圧が供給され続けている。
【0051】
前記ゲートシリンダ5が前記ゲートバルブ4を完全に閉塞すると、前記第1リミットスイッチ6が前記ゲートバルブ4の閉状態を検出し、前記第2空圧路第2分岐26bを連通させる。該第2空圧路26が連通することで、前記弁開閉シリンダ16、前記ロックシリンダ12に空圧が供給され、前記弁開閉シリンダ16を介して前記圧力逃し弁15が開とされ、又前記ロックシリンダ12が作動して前記ロック機構11により前記開閉扉8のロックが解除される。
【0052】
前記第1リミットスイッチ6を介して前記弁開閉シリンダ16へ空圧が供給され、前記ロックシリンダ12へ空圧が供給されることで、前記ゲートバルブ4の閉動作が完了してから前記圧力逃し弁15を開とし、更に前記開閉扉8の開閉を可能とする時間的な遅れを形成し、前記開閉扉8を開いた時に前記ホッパ1の空気が噴出しない様に構成されている。同時に、前記第2リミットスイッチ17が動作して前記第1空圧路第3分岐25cが切断される。
【0053】
尚、前記ロックシリンダ12がロック解除動作をする場合、分断された前記ロックシリンダ12側の第1空圧路第3分岐25c内部の空圧は、前記第2リミットスイッチ17を介して大気に排出されるが、その際絞り弁等を設け、前記ロックシリンダ12のスピードをコントロールすることができ、前記圧力逃し弁15の開動作に対し、前記ロック機構11のロック解除を時間的に遅らせることができる。このことで、ホッパ1内の圧力が低下する前に前記ロック機構11がロック解除されることが防止できる。
【0054】
而して、前記ゲートバルブ4が閉じられ、前記ホッパ1内部の空圧が開放された状態で、前記ロック機構11のロックが解除され、前記開閉扉8を開放可能となる(図3(C))。
【0055】
次に、図4(A)〜図4(C)により、パイライト排出からパイライトを貯蔵状態に移行する場合の作動を説明する。
【0056】
パイライトを排出している状態は、上記図3(C)で示した状態と同じであり、前記制御弁23は、前記第2の位置24bの位置にあり、空圧は前記第2空圧路26に供給されている。前記弁開閉シリンダ16は前記圧力逃し弁15を開状態であり、前記第1リミットスイッチ6は前記第2空圧路第2分岐26bを連通し、空圧は該第2空圧路第2分岐26bを介して前記ゲートシリンダ5及び前記ロックシリンダ12に供給され、前記ゲートバルブ4を閉とし、前記ロック機構11が前記開閉扉8のロックを解除している(図4(A))。
【0057】
次に、前記制御弁23を操作し、第1の位置24aとすると、前記第1空圧路25に空圧が供給される。
【0058】
第1空圧路第1分岐25aを介して前記ロックシリンダ12に空圧が供給され、前記開閉扉8が閉状態にロックされる。同時に、前記第1空圧路第2分岐25bを介して前記弁開閉シリンダ16に空圧が供給され、前記圧力逃し弁15が閉じられる(図4(B))。
【0059】
該圧力逃し弁15が完全に閉じられると前記第2リミットスイッチ17が作動して前記第1空圧路第3分岐25cが連通する。該第1空圧路第3分岐25cを介して前記ゲートシリンダ5に空圧が供給される。従って、前記ゲートシリンダ5に前記ゲートバルブ4を開させる為の空圧が供給される様になる迄には、前記弁開閉シリンダ16が前記第2リミットスイッチ17を作動させる迄の時間遅れが発生する。即ち、前記ロック機構11が完全にロックされ、又前記圧力逃し弁15が完全に閉となった状態で初めて前記ゲートバルブ4が開動作を開始する。
【0060】
前記第2リミットスイッチ17が作動し、前記第1空圧路第3分岐25cを連通することで、該第1空圧路第3分岐25cを介して前記ゲートシリンダ5に空圧が供給され、前記ゲートシリンダ5が前記ゲートバルブ4を開放する(図4(C))。従って、前記パイライト切出し口7は気密に閉塞され、前記圧力逃し弁15は閉じられ、前記ホッパ1は密閉状態であり、開放された前記ゲートバルブ4を介してパイライト2が貯蔵される。
【0061】
上記した様に、前記第1リミットスイッチ6、前記第2リミットスイッチ17は、前記ホッパ1にパイライト2が貯蔵されている状態、或は/及び前記ホッパ1内部の圧力が高い状態では、前記ロック機構11は前記開閉扉8のロック状態を維持して該開閉扉8が開放されることを阻止するものであり、安全保持手段を構成する。
【0062】
又、前記第1リミットスイッチ6、前記第2リミットスイッチ17は前記ゲートシリンダ5、前記ロックシリンダ12間に作動遅れを発生させる遅延手段として機能する。
【0063】
又、前記第1リミットスイッチ6、前記第2リミットスイッチ17は、シリンダの動きを用いて、空圧回路の切替えを機械的に行うものであり、前記第1リミットスイッチ6、前記第2リミットスイッチ17の作動に電気信号、電力を必要とせず、又前記ゲートバルブ4、前記圧力逃し弁15の開閉を電気的なセンサなしで検出できる。その結果、本実施例ではゲートバルブ4の開閉動、前記ロック機構11によるロック/解除動作、前記ゲートバルブ4の開/閉の検出、前記圧力逃し弁15の開閉の検出を全て空圧回路で行うことができ、構成が簡単で、而も低コストで達成できる。
【0064】
尚、上記実施例では駆動回路として空圧回路を説明したが、油圧回路としても同様に実施できることは言う迄もない。
【符号の説明】
【0065】
1 ホッパ
2 パイライト
3 パイライト排出ダクト
4 ゲートバルブ
5 ゲートシリンダ
6 第1リミットスイッチ
7 パイライト切出し口
8 開閉扉
9 開閉ハンドル
11 ロック機構
12 ロックシリンダ
13 圧力検出器
14 貯蔵レベル検出器
15 圧力逃し弁
16 弁開閉シリンダ
17 第2リミットスイッチ
20 駆動回路
21 パイライト搬出台車
22 走行シリンダ
23 制御弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイライトを貯蔵するホッパと、該ホッパの上端に連通されたパイライト排出ダクトと、前記ホッパの下部に設けられ開閉扉により開閉されるパイライト切出し口と、前記パイライト排出ダクトに設けられゲートシリンダにより開閉されるゲートバルブと、ロックシリンダによって駆動され前記開閉扉のロック/ロック解除を行うロック機構と、前記ゲートシリンダ、前記ロックシリンダにそれぞれ作動圧を給排する駆動回路とを具備し、該駆動回路は前記ゲートシリンダによるゲートバルブの開/閉に対応させ、前記ロックシリンダによる前記ロック機構のロック/解除を行う様に構成したことを特徴とするパイライト排出装置。
【請求項2】
前記ホッパ内の内圧を開放する圧力逃し弁と、該圧力逃し弁を開閉する弁開閉シリンダと、前記ゲートシリンダのゲートバルブ閉動作の行程端で作動する第1リミットスイッチと、前記弁開閉シリンダの前記圧力逃し弁開閉動作に対応して作動する第2リミットスイッチとを具備し、前記ロックシリンダをロック解除させる駆動圧は前記第1リミットスイッチを介して供給され、前記開閉扉のロック解除はゲートバルブの閉動作に対して遅延して行われ、前記ゲートバルブをゲートバルブ開動作させる駆動圧は前記第2リミットスイッチを介して供給され、前記ゲートバルブの開動作は前記圧力逃し弁の閉動作に遅延して行われる請求項1のパイライト排出装置。
【請求項3】
前記ゲートバルブをゲートバルブ開動作させる駆動圧が分岐され、分岐された駆動圧は前記圧力逃し弁を閉させ、又前記ロックシリンダをロックさせる駆動圧として供給され、前記ゲートバルブの開動作は前記ロック機構のロック動作に遅延して行われる請求項2のパイライト排出装置。
【請求項4】
前記第1リミットスイッチ、前記第2リミットスイッチは、シリンダ動作により流路が切替えられるメカニカルスイッチである請求項3のパイライト排出装置。
【請求項5】
前記駆動回路は遅延手段を有し、該遅延手段は前記ゲートシリンダのゲートバルブ閉動作に対して前記ロックシリンダのロック解除動作を遅延させ、該ロックシリンダのロック動作に対して前記ゲートシリンダのゲートバルブ開動作を遅延させる様構成された請求項1のパイライト排出装置。
【請求項6】
前記パイライト切出し口の下方を走行可能に設けられたパイライト搬出台車と、該パイライト搬出台車を走行させる走行シリンダとを具備し、該走行シリンダは前記駆動回路によってパイライト受載位置とパイライト搬出位置との間を往復する様駆動される請求項1のパイライト排出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−171742(P2012−171742A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35363(P2011−35363)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】