説明

パウダ供給ノズルおよび肉盛溶接方法

【課題】本発明の目的は、肉盛部の酸化を抑制し、高品質の肉盛部の作製が可能なパウダ供給ノズルおよび肉盛溶接方法を提供することにある。
【解決手段】施工対象物にレーザを照射するレーザ出射部と、レーザ出射部の外周に設置され、レーザ照射部にパウダを吐出するパウダ供給部を備えたパウダ供給ノズルにおいて、前記パウダ供給部の外周にレーザ照射部の周囲の大気をレーザ照射部外へ誘導する機構を備えたことを特徴とするパウダ供給ノズル。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウダを溶加材とするレーザ肉盛に用いるパウダ供給ノズル及び肉盛溶接方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ニアネットシェイプの直接造形や耐摩耗性などの機能付与を目的とした表面処理技術等にパウダを溶加材としたレーザ肉盛が用いられている。このレーザ肉盛において、高品質な肉盛を形成するためには、シールドガスを施工部に吹き付けて、肉盛部の酸化を抑制する必要がある。パウダを用いたレーザ肉盛の場合、パウダを安定に施工部に供給するために、パウダを輸送するためのキャリアガス流量を上げ、パウダ流の流速を大きくして施工することがある。しかしながら、パウダ流の流速が大きくなると、パウダ流の周囲の大気を巻込んでしまうため、施工部に大気が入り込み、シールド性が悪くなることがあった。これらの課題に対し、特許文献1に記載されているように、パウダ供給ノズルの外周にシールドガス供給ノズルを設け、シールド性を高めたパウダ供給ノズルが考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表平10−501463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のレーザによる粉末金属クラッディングノズルはパウダの外周にシールドガスを流し、シールド性を高めることを可能とした発明である。レーザの外周から施工部へ向けてパウダをキャリアガスと共に供給する構造となっており、パウダ供給部の外周には施工部へ向けてシールドガスを吹き付けるシールドガスノズルを備えている。パウダの周囲にシールドガスを流すことで肉盛部の酸化防止を可能とした発明である。しかしながら、該クラッディングノズルではシールドガスの流速が大きくなると、周囲の大気を巻き込んでしまうため、肉盛部の酸化を抑制しにくい。
【0005】
そこで、本発明の目的は、肉盛部の酸化を抑制し、高品質の肉盛部の作製が可能なパウダ供給ノズルおよび肉盛溶接方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
パウダ供給ノズルは、レーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の最内ノズルがあって、前記最内ノズルはレーザ集光部とガス供給源に接続され、最内ノズルの先端から施工対象物に向かって、レーザを照射すると共に、不活性ガスを吹き付けるレーザ出射部と、レーザ出射部の外周に設置され、レーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の内ノズルがあって、前記内ノズルはパウダ供給源と接続され、前記内ノズルと前記レーザ出射部によって形成される空間をパウダ流路とし、レーザ照射部に向かってキャリアガスとともにパウダを吐出するパウダ供給部を有するパウダ供給ノズルにおいて、前記パウダ供給部の外周に設置され、レーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の外ノズルがあって、前記外ノズルは吸引設備またはガス供給源と接続され、前記内ノズルと前記外ノズルによって形成される空間を吸引流路またはガス供給流路としたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、第一に肉盛部の酸化を防止することが可能であり、高品質の肉盛部の作製が可能となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第一の実施例におけるパウダ供給ノズルの断面図である。
【図2】第一の実施例における肉盛施工部近傍の模式図である。
【図3】第一の実施例におけるパウダ供給ノズルのパウダ及びガス導入部の配置図である。
【図4】第二の実施例におけるパウダ供給ノズルの断面図である。
【図5】第二の実施例における肉盛施工部近傍の模式図である。
【図6】第二の実施例におけるパウダ供給ノズルのパウダ及びガス導入部の配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
第一の形態として、溶加材にパウダを用いたレーザ肉盛において、肉盛部の酸化を防止するという目的を、レーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の最内ノズルがあって、前記最内ノズルはレーザ集光部とガス供給源に接続され、最内ノズルの先端から施工対象物に向かって、レーザを照射すると共に、不活性ガスを吹き付けるレーザ出射部と、レーザ出射部の外周に設置され、レーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の内ノズルがあって、前記内ノズルはパウダ供給源と接続され、前記内ノズルと前記レーザ出射部によって形成される空間をパウダ流路とし、レーザ照射部に向かってキャリアガスとともにパウダを吐出するパウダ供給部を有するパウダ供給ノズルにおいて、前記パウダ供給部の外周に設置され、レーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の外ノズルがあって、前記外ノズルはガス供給源と接続され、前記内ノズルと前記外ノズルによって形成される空間をガス供給流路とし、外ノズル先端の吹き出し角度がレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲であると共に、前記外ノズルは複数のガス吹き出し口を備え、各々のガス吹き出し口から供給されるガス流量を外部信号により調整する機構を有するパウダ供給ノズルを用いて実現した。
【0010】
第二の形態として、溶加材にパウダを用いたレーザ肉盛において、肉盛部の酸化を防止するという目的をレーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の最内ノズルがあって、前記最内ノズルはレーザ集光部とガス供給源に接続され、最内ノズルの先端から施工対象物に向かって、レーザを照射すると共に、不活性ガスを吹き付けるレーザ出射部と、レーザ出射部の外周に設置され、レーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の内ノズルがあって、前記内ノズルはパウダ供給源と接続され、前記内ノズルと前記レーザ出射部によって形成される空間をパウダ流路とし、レーザ照射部に向かってキャリアガスとともにパウダを吐出するパウダ供給部を有するパウダ供給ノズルにおいて、前記パウダ供給部の外周に設置され、レーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の外ノズルがあって、前記外ノズルが吸引設備に接続され、前記外ノズルは複数の吸引口を備え、各々の吸引口から吸引する流量を外部信号により調整する機構を有することを特徴とするパウダ供給ノズルを用いて実現した。
【実施例1】
【0011】
図1に実施例1のパウダ供給ノズルの断面図を示す。
【0012】
1はレーザ発振器、11は光ファイバ、12はレーザ集光部、13はレーザ出射部、2はパウダ供給装置、21はパウダ送給路、3は内ノズル、4はパウダ流、5はレーザ、6は施工対象物、7はガス供給源、71はガス供給管、72はガス供給量調整機構、74はガス供給量調整信号線、8はシールドガス流、9は外ノズル、91は誘導ガスを示している。レーザ発振器1で生成されたレーザ5は光ファイバ11を通じてレーザ集光部12に伝送され、レーザ集光部12で集光されたレーザ5はレーザ出射部13を通じて施工対象物6に照射される。内ノズル3はレーザ出射部の13の外周に設けられ、レーザ出射部13と内ノズル3の間に形成される空間をパウダ流路とした。パウダ供給装置2からキャリアガスとともに送給されたパウダはパウダ送給路21を通じて内ノズルに送られ、内ノズルから施工部に向けて吹き付けられる。レーザ出射部13はガス供給源7と接続しており、ガス供給管71とレーザ出射部13を通じてシールドガス流8を施工部に吹き付けることが可能である。外ノズル9は内ノズル3の外周に設けられ、内ノズル3と外ノズル9の間に形成される空間をガス流路とした。外ノズル9はガス供給源7に接続されており、ガス供給管71と外ノズル9を通じて、ガスを吐出することが可能である。外ノズル9の出射口は施工部外に向けてあり、外ノズル9を通じて吐出された誘導ガス91はシールドガス流8の外側に向けて出射される。
【0013】
図2に施工部の近傍の模式図を示す。100は大気、200は肉盛部を示す。施工対象物6に向けて照射されたレーザ5によってパウダ流4を溶融して、肉盛部200を形成する。このとき、レーザ出射部13からシールドガス流8を施工部へ向けて吹きつけた。しかしながら、パウダ流4の流速が大きい場合には周囲の大気100がパウダ流4に巻込まれて、肉盛部200は酸化し、品質が低下する恐れがある。
【0014】
内ノズル3の外周に設置された外ノズル9の吹き出し口は肉盛部外を向いている。本実施例ではレーザ光軸に対して、約15°外側に傾けている。外ノズル9から誘導ガス91をパウダ流4よりも大きい流速で吹き付けながら施工を行った。パウダ流4よりも流速を大きくすることで、施工部の周囲に存在する大気100は優先的に誘導ガス91に巻込まれるため、大気は肉盛部外へ誘導され、肉盛部200の酸化は抑制される。
【0015】
図3に本ノズルのパウダ及びガス導入部の配置図を示す。3A、3B、3C、3Dはパウダ導入部、73A、73Bはガス導入部を示している。ガス導入部73A、73Bはガス供給量調整機構72にガス供給管71で接続されており、ガス導入部73A、73Bに送られるガス流量は任意に調整することができ、外ノズル9から吐出されるガスの流量分布を調整することが可能である。施工部の周囲の流体の流れは施工対象物形状によって変化することがあるため、施工対象物形状に合わせて、外ノズル9から吐出されるガス流量の分布を調整することで、施工対象物形状が変化しても安定したシールド効果が得られ、高品質の肉盛部を形成することができる。
【0016】
本実施例では外ノズルの角度をレーザ光軸に対して約15°外側に傾けたが、好ましくは0°から60°であり、より好ましくは0°から30°の範囲で傾けるとよい。また本実施例ではパウダ導入部を4箇所、ガス導入部を2箇所としたが、本効果はこれらに限定されるものではない。
【実施例2】
【0017】
図4に実施例2のパウダ供給ノズルの断面図を示す。1はレーザ発振器、11は光ファイバ、12はレーザ集光部、13はレーザ出射部、2はパウダ供給装置、21はパウダ送給路、3は内ノズル、4はパウダ流、5はレーザ、6は施工対象物、7はガス供給源、8はシールドガス流、9は外ノズル、300はロータリーポンプ、301は吸引流量調整機構、303は吸引流体、304は吸引配管、306は吸引流量調整信号を示している。
【0018】
レーザ発振器1で生成されたレーザ5は光ファイバ11を通じてレーザ集光部12に伝送され、レーザ集光部12で集光されたレーザ5はレーザ出射部13を通じて施工対象物6に照射される。内ノズル3はレーザ出射部13の外周に設けられ、レーザ出射部13と内ノズル3の間に形成される空間をパウダ流路とした。パウダ供給装置2から送給されたパウダはパウダ送給路21を通じて内ノズルに送られ、内ノズルから施工部に向けて吹き付けられる。レーザ出射部13はガス供給源7と接続しており、ガス供給管71とレーザ出射部13を通じてシールドガス流8が施工部に吹き付けることが可能である。外ノズル9は内ノズル3の外周に設けられ、内ノズル3と外ノズル9の間に形成される空間を吸引流路とした。外ノズル9はロータリーポンプ300に接続されており、吸引配管304と外ノズル9を通じて、施工部周辺の流体を吸引することが可能である。
【0019】
図5に施工部近傍の模式図を示す。施工対象物6に向けて照射されたレーザ5によってパウダ流4を溶融して、肉盛部200を形成する。このとき、レーザ出射部13からシールドガス流8を施工部へ向けて吹きつけた。しかしながらパウダ流4の流速が大きい場合には周囲の大気100がパウダ流4に巻込まれて、肉盛部200は酸化し、品質が低下する恐れがある。
【0020】
内ノズル3の外周に外ノズル9を設置した。外ノズル9の吸引口はレーザ光軸と平行に下向きとなっている。外ノズル9によって、施工部周囲の流体、主に大気を吸引しながら、施工を行った。パウダ流に巻込まれる大気を吸引ノズルで吸い込むことで、肉盛部200への大気の混入を抑制し、高品質の肉盛部200が形成される。
【0021】
図6に本実施例のパウダ供給ノズルのパウダ及び吸引部の配置図を示す。305A、305Bは吸引部を示している。吸引部305A、305Bは吸引流量調整機構301に吸引配管304で接続されており、吸引部305A、305Bで吸引する流量を任意に調整することができ、外ノズル9から吸い込まれる流体の流量分布を調整することが可能である。施工部の周囲の流体の流れは施工対象物形状によって変化することがあるため、施工対象物形状に合わせて、外ノズル9から吸い込む流体の流量の分布を調整することで、施工対象物形状が変化しても安定したシールド効果が得られ、高品質の肉盛部を形成することができる。
【0022】
本実施例では吸引ノズルの角度をレーザ光軸と平行で下向きとしたが、好ましくは0°から60°であり、より好ましくは0°から30°の範囲で傾けるとよい。
【0023】
また本実施例ではパウダ導入部を4箇所、ガス導入部を2箇所としたが、本効果はこれらに限定されるものではない。
【0024】
また本実施例では吸引機構にロータリーポンプを用いたが、本効果はこれに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0025】
1 レーザ発振器
2 パウダ供給装置
3 内ノズル
3A、3B、3C、3D パウダ導入部
4 パウダ流
5 レーザ
6 施工対象物
7 ガス供給源
8 シールドガス流
9 外ノズル
11 光ファイバ
12 レーザ集光部
13 レーザ出射部
21 パウダ送給路
71 ガス供給管
72 ガス供給量調整機構
73A、73B ガス導入部
74 ガス供給量調整信号線
91 誘導ガス
100 大気
200 肉盛部
300 ロータリーポンプ
301 吸引流量調整機構
303 吸引流体
304 吸引配管
305A、305B 吸引部
306 吸引流量調整信号線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の最内ノズルがあって、前記最内ノズルはレーザ集光部とガス供給源に接続され、最内ノズルの先端から施工対象物に向かって、レーザを照射すると共に、不活性ガスを吹き付けるレーザ出射部と、レーザ出射部の外周に設置され、レーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の内ノズルがあって、前記内ノズルはパウダ供給源と接続され、前記内ノズルと前記レーザ出射部によって形成される空間をパウダ流路とし、レーザ照射部に向かってキャリアガスとともにパウダを吐出するパウダ供給部を有するパウダ供給ノズルにおいて、前記パウダ供給部の外周に設置され、レーザ光軸と同一の中心軸を有した筒状の外ノズルがあって、前記外ノズルは吸引設備またはガス供給源と接続され、前記内ノズルと前記外ノズルによって形成される空間を吸引流路またはガス供給流路としたことを特徴とするパウダ供給ノズル。
【請求項2】
請求項1において、前記外ノズルがガス供給源に接続され、外ノズル先端の吹き出し方向が前記内ノズルの吹き出し方向よりも外側であることを特徴とするパウダ供給ノズル。
【請求項3】
請求項1において、前記外ノズルがガス供給源に接続され、外ノズル先端の吹き出し角度がレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲であることを特徴とするパウダ供給ノズル。
【請求項4】
請求項1において、前記外ノズルがガス供給源に接続され、外ノズル先端の吹き出し角度がレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲であると共に、前記外ノズルは複数のガス吹き出し口を備え、各々のガス吹き出し口から供給されるガス流量を外部信号により調整する機構を有することを特徴とするパウダ供給ノズル。
【請求項5】
請求項1において、前記外ノズルが吸引設備に接続され、前記外ノズルは複数の吸引口を備え、各々の吸引口から吸引する流量を外部信号により調整する機構を有することを特徴とするパウダ供給ノズル。
【請求項6】
請求項1において、前記外ノズルがガス供給源に接続され、外ノズルの吹き出し方向が前記内ノズルの吹き出し方向よりも外側であると共に、前記外ノズルの外周に設置され、吸引設備に接続された筒状の最外ノズルがあって、前記外ノズルと最外ノズルで形成される空間を吸引流路とすることを特徴とするパウダ供給ノズル。
【請求項7】
請求項1において、前記外ノズルがガス供給源に接続され、外ノズルの吹き出し角度がレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲であると共に、前記外ノズルの外周に設置され、吸引設備に接続された筒状の最外ノズルがあって、前記外ノズルと最外ノズルで形成される空間を吸引流路とすることを特徴とするパウダ供給ノズル。
【請求項8】
請求項1において、前記外ノズルがガス供給源に接続され、外ノズルの吹き出し角度がレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲であって、前記外ノズルの外周に設置され、吸引設備に接続された筒状の最外ノズルがあって、前記外ノズルと最外ノズルで形成される空間を吸引流路とすると共に、前記外ノズル及び最外ノズルは複数のガス吹き出し口と吸引口を備え、各々の吹き出し口、吸引口から吸排気する流量を外部信号により調整する機構を有することを特徴とするパウダ供給ノズル。
【請求項9】
請求項1において、吸引設備に接続された前記外ノズルと、前記外ノズルの外周に設置され、ガス供給源に接続された筒状の最外ノズルがあって、前記最外ノズルの吹き出し方向が前記外ノズルの吹き出し方向よりも外側であると共に、前記外ノズルと最外ノズルで形成される空間をガス供給流路とすることを特徴とするパウダ供給ノズル。
【請求項10】
請求項1において、吸引設備に接続された前記外ノズルと、前記外ノズルの外周に設置され、ガス供給源に接続された筒状の最外ノズルがあって、前記最外ノズルの吹き出し角度がレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲であると共に、前記外ノズルと最外ノズルで形成される空間をガス供給流路とすることを特徴とするパウダ供給ノズル。
【請求項11】
請求項1において、吸引設備に接続された前記外ノズルと、前記外ノズルの外周に設置され、ガス供給源に接続された筒状の最外ノズルがあって、前記最外ノズルの吹き出し角度がレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲であり、前記外ノズルと最外ノズルで形成される空間をガス供給流路とすると共に、前記外ノズル及び最外ノズルは複数のガス吹き出し口と吸引口を備え、各々の吹き出し口、吸引口から吸排気する流量を外部信号により調整する機構を有することを特徴とするパウダ供給ノズル。
【請求項12】
施工対象物にレーザ出射部から不活性ガスを吹き付けながら、レーザを照射し、前記レーザ出射部と前記レーザ出射部の外周に設けられた内ノズルで形成するパウダ供給部からキャリアガスとともにパウダをレーザ照射部に供給して肉盛部を形成する肉盛溶接方法において、前記パウダ供給部の外周に設置され、ガス供給源に接続された外ノズルからガスを前記不活性ガスの吹き付け方向よりも外側に向けて吹き付けることを特徴とする肉盛溶接方法。
【請求項13】
請求項12において、前記外ノズルからガスをレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲で吹き付けることを特徴とする肉盛溶接方法。
【請求項14】
請求項12において、前記外ノズルからガスをレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲で、前記パウダ供給部から供給される前記パウダよりも大きな流速で吹き付けることを特徴とする肉盛溶接方法。
【請求項15】
請求項12において、前記外ノズルからガスをレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲で、前記パウダ供給部から供給される前記パウダよりも大きな流速で吹き付けると共に、前記外ノズルは複数のガス吹き出し口と、各々のガス吹き出し口から供給されるガス流量を調整する機構を有し、各々のガス吹き出し口からガスを任意の流量で吹き付けることを特徴とする肉盛溶接方法。
【請求項16】
請求項12において、前記外ノズルの外周に、吸引設備に接続された最外ノズルを設置し、前記外ノズルからガスをレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲で、前記パウダ供給部から供給される前記パウダよりも大きな流速で吹き付けると共に、前記最外ノズルから前記不活性ガスの周囲の大気を吸引することを特徴とする肉盛溶接方法。
【請求項17】
請求項12において、前記外ノズルの外周に、吸引設備に接続された最外ノズルを設置し、前記外ノズルと最外ノズルは複数のガス吹き出し口と吸引口を備え、各々のガス吹き出し口から供給するガス流量と吸引口から吸引する流量を調整する機構を有し、前記外ノズルと最外ノズルの任意の吸引口と吹き出し口から、任意の吸引流量とガス供給流量で前記不活性ガスの周囲の大気の吸引とガス吹き付けを行うことを特徴とする肉盛溶接方法。
【請求項18】
施工対象物にレーザ出射部から不活性ガスを吹き付けながら、レーザを照射し、前記レーザ出射部と前記レーザ出射部の外周に設けられた内ノズルで形成するパウダ供給部からキャリアガスとともにパウダをレーザ照射部に供給して肉盛部を形成する肉盛溶接方法において、前記パウダ供給部の外周に設置され、吸引設備に接続された外ノズルから前記不活性ガスの周囲の大気を吸引することを特徴とする肉盛溶接方法。
【請求項19】
請求項18に記載の肉盛溶接方法において、前記外ノズルは複数の吸引口を有し、各々の吸引口から吸引する流量を調整する機構を備え、各々の吸引口から任意の流量で前記不活性ガスの周囲の大気を吸引することを特徴とする肉盛溶接方法。
【請求項20】
請求項18に記載の肉盛溶接方法において、前記外ノズルの外周に、ガス供給源に接続された最外ノズルを設置し、前記外ノズルから前記不活性ガスの周囲の大気を吸引すると共に、前記最外ノズルからガスをレーザ光軸に対して、ノズルの外側に広がる方向に0°から60°の範囲で、前記パウダ供給部から供給される前記パウダよりも大きな流速で吹き付けることを特徴とする肉盛溶接方法。
【請求項21】
請求項18に記載の肉盛溶接方法において、前記外ノズルの外周に、ガス供給源に接続された最外ノズルを設置し、前記外ノズルと最外ノズルは複数のガス吹き出し口と吸引口を備え、各々のガス吹き出し口から供給するガス流量と吸引口から吸引する流量を調整する機構を有し、前記外ノズルと最外ノズルの任意の吸引口と吹き出し口から、任意の吸引流量とガス供給流量で前記不活性ガスの周囲の大気の吸引とガス吹き付けを行うことを特徴とする肉盛溶接方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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