説明

パケット伝送装置、信号終端装置、通信システム及び通信方法

【課題】端末装置から送信されたトラヒックをパケット伝送装置からネットワークに流入させる帯域を動的に制御する。
【解決手段】パケット伝送装置4は、端末装置2から送信された信号をパケット化して生成されたパケットにヘッダが付加されたカプセル化データを受信するカプセル化データ受信部20と、ヘッダに含まれる識別子毎にカプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置2を記憶する端末記憶部22と、識別子毎に記憶された端末装置2の数に識別子毎に定めた係数を乗じた値に基づいて、各識別子のカプセル化データに格納されたパケットを通過させる帯域を制御する帯域制御部25と、帯域制御部25により通過帯域が制御されたパケットを第1ネットワーク5へ送信するパケット送信部27を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で論じられる実施態様は、端末装置から送信された信号を信号終端装置及びパケット伝送装置を経由してネットワークへ伝送する通信方法、この通信方法に使用される信号終端装置、パケット伝送装置及びこれら装置を含む通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置から送信された信号を、信号終端装置及びパケット伝送装置を経由してネットワークへ伝送する通信システムが提案及び利用されている。このような通信システムは、例えば無線端末装置から送信されたアップリンク信号をネットワークへ伝送するために使用される。
【0003】
なお、各端末がアクセス速度の比に比例した帯域の利用を可能にするノードの制御方法が開示されている。この方法では、複数の端末が異なるアクセス速度で集約される通信ネットワーク上のノードに、各端末のアクセス速度毎にキューを設け、入力パケットのヘッダ情報からIPアドレス毎に端末がアクティブか、インアクティブかを管理する。一定時間の間にある端末からの到着データ量の増加が見られた場合に、該端末はアクティブであると判定することにより、アクセス速度毎にアクティブ端末数を計算し、該計算されたアクティブ端末数の情報を用いてキュー毎に帯域の割り当てを決定する。
【0004】
また、トラフィック量が増加しても品質クラス毎に規定されるサービス品質を保証する方法が提案されている。この方法では、ユーザ数の増減時毎に、品質クラス毎の必要帯域の演算を行い必要帯域比率を求める。この必要帯域比率を使用して、AAL−2(ATMアダプテーション・レイヤ−2)ショートセルをATM(非同期転送モード)セルにコンポジットするためのコンポジット順序テーブルとATMセルを送信するためのATMセル送信順序テーブルとを生成する。このコンポジット順序テーブルによりAAL−2ショートセルをATMセルにコンポジットし、このATMセル送信順序テーブルによりATMセルをVP回線に送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−124987号公報
【特許文献2】特開2002−354037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、端末装置から送信されたトラヒックをパケット伝送装置からネットワークに流入させる帯域は、予め計画的に許容帯域を定めることによって制御されていた。しかしながら、近年、端末装置からネットワークへ流入するトラヒックの属性が多種多様であるため、適正な許容帯域を予め定めることが困難であるという問題があった。
【0007】
実施態様に係る装置及び方法は、端末装置から送信されたトラヒックをパケット伝送装置からネットワークに流入させる帯域を動的に制御することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態によるパケット伝送装置は、端末装置から送信された信号をパケット化して生成されたパケットにヘッダが付加されたカプセル化データを受信するカプセル化データ受信部と、ヘッダに含まれる識別子毎にカプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置を記憶する端末記憶部と、識別子毎に記憶された端末装置の数に識別子毎に定めた係数を乗じた値に基づいて、各識別子のカプセル化データに格納されたパケットを通過させる帯域を制御する帯域制御部と、帯域制御部により通過帯域が制御されたパケットを第1ネットワークへ送信するパケット送信部を備える。
【0009】
他の実施形態による信号終端装置は、信号端末装置から送信された信号を受信する信号受信部と、この信号からパケットを生成するパケット生成部と、この信号の種別を識別する識別部と、この種別に対応する識別子を含むヘッダをパケットに付加したカプセル化データを生成するカプセル化部と、カプセル化データを送信するカプセル化データ送信部と、を備える。
【0010】
他の実施形態による通信システムは、信号終端装置及びパケット伝送装置を備える。この信号終端装置は、端末装置から送信された信号を受信する信号受信部と、この信号からパケットを生成するパケット生成部と、この信号の種別を識別する識別部と、この種別に対応する識別子を含むヘッダをパケットに付加したカプセル化データを生成するカプセル化部と、カプセル化データをパケット伝送装置へ送信するカプセル化データ送信部を備える。またパケット伝送装置は、カプセル化データを信号終端装置から受信するカプセル化データ受信部と、識別子毎にカプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置を記憶する端末記憶部と、識別子毎に記憶された端末装置の数に識別子毎に定めた係数を乗じた値に基づいて、各識別子のカプセル化データに格納されたパケットを通過させる帯域を制御する帯域制御部と、帯域制御部により通過帯域が制御されたパケットを第1ネットワークへ送信するパケット送信部を備える。
【0011】
また他の実施形態によれば、端末装置から送信された信号を信号終端装置及びパケット伝送装置を経由して第1ネットワークへ伝送する通信方法が与えられる。この方法では、信号終端装置において端末装置から受信した信号からパケットを生成し、信号終端装置においてこの信号の種別を識別し、この種別に対応する識別子を含むヘッダをパケットに付加したカプセル化データを信号終端装置からパケット伝送装置へ送信し、パケット伝送装置において識別子毎にカプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置を記憶し、パケット伝送装置において識別子毎に記憶された端末装置の数に識別子毎に定めた係数を乗じた値に基づいて各識別子のカプセル化データに格納されたパケットを通過させる帯域を制御し、通過帯域が制御されたパケットを第1ネットワークへ送信する。
【発明の効果】
【0012】
本件開示の装置又は方法によれば、端末装置から送信されたトラヒックをパケット伝送装置からネットワークに流入させる帯域を動的に制御することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】通信ネットワークの全体構成図である。
【図2】信号終端装置の第1例の構成図である。
【図3】第1サービス属性テーブルの構成例の説明図である。
【図4】(A)及び(B)は、第1サービス属性テーブルの第1例及び第2例を示す図である。
【図5】(A)及び(B)は、サービスヘッダの構成例の説明図である。
【図6】図2に示す信号終端装置の処理の説明図である。
【図7】パケット伝送装置の構成例を示す図である。
【図8】サービスヘッダ学習テーブルの構成例の説明図である。
【図9】サービスヘッダ学習部の処理の説明図(その1)である。
【図10】サービスヘッダ学習部の処理の説明図(その2)である。
【図11】帯域管理部の処理の説明図である。
【図12】帯域制御部の構成例を示す図である。
【図13】(A)〜(C)は、サービスヘッダ学習テーブルの変化の説明図(その1)〜(その3)である。
【図14】(A)〜(C)は、サービスヘッダ学習テーブルの変化の説明図(その4)〜(その6)である。
【図15】第2サービス属性テーブルの第2構成例の説明図である。
【図16】第2サービス属性テーブルの第3構成例の説明図である。
【図17】第2サービス属性テーブルの第4構成例の説明図である。
【図18】図17に示す第2サービス属性テーブルを用いた帯域制御の説明図である。
【図19】信号終端装置の第2例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上述の通り、端末装置から送信されたトラヒックをパケット伝送装置からネットワークに流入させる帯域は、オペレーションシステムを操作するオペレータが、予め計画的に許容帯域を定めることによって制御されていた。しかしながら、近年、端末装置からネットワークへ流入するトラヒックの属性が多種多様になっている。
【0015】
例えば、ある種の端末装置には接続が持続するものがある一方で、他の種類の端末装置には頻繁に接続及び切断を繰り返すものがある。また、ある種の端末装置には高速なデータ速度を必要とするが重要度及び緊急度が低いものがある一方で、他の種類の端末装置には低速なデータ速度を使用するが重要度や緊急度が高いものがある。また、ある種の端末装置にはバースト性が低いものがある一方で、他の種類の端末装置には低速なデータ速度を使用するがバースト性が高いものがある。このような端末装置は、例えば無線端末装置である。
【0016】
このため、予め定めた許容帯域による帯域制御は以下のような点で課題を有していた。まず、各端末装置が常時ネットワークに接続されているとは限らない場合に、接続中の端末数の増減に対して、ネットワークへのトラヒック流入のために確保する帯域をリアルタイムに制御できなかった。
【0017】
また、端末装置のトラヒックに対して帯域保証型サービスを提供する場合には、実際のトラヒック量に関わらず予め大きな帯域を割り当てておく必要がある。このため、ネットワークリソースの利用に無駄が生じやすくなっていた。
【0018】
また、端末装置のトラヒックに対してベストエフォート型サービスを提供する場合には、帯域保証型サービスで確保された残りの空き帯域しか使用できない。このためパケットの遅延や欠落が生じる恐れがあった。
【0019】
以下、添付する図面を参照して本発明の実施例について説明する。図1は、通信ネットワークの全体構成図である。通信ネットワーク1は、端末装置2a〜2dと、信号終端装置3a及び3bと、パケット伝送装置4と、第1ネットワーク5と、受信装置6a〜6cを備える。以下の説明において、端末装置2a〜2dを総称して「端末装置2」と表記することがある。また以下の説明において、信号終端装置3a及び3bを総称して「信号終端装置3」と表記することがある。また以下の説明において、受信装置6a〜6cを総称して「受信装置6」と表記することがある。
【0020】
端末装置2は、信号を信号終端装置3へ送信する。このような端末装置は、例えば無線通信回線を経由してアップリンク信号を信号終端装置3へ送信する無線端末装置である。以下の説明は、端末装置2がこのような無線通信端末装置である実施例について説明する。しかし以下の説明は、本明細書に開示される実施態様が、端末装置2が無線通信端末装置である態様に限定されることを意図するものでなない。信号終端装置3は、端末装置2から受信したアップリンク信号をパケット化することによりパケットを生成する。終端装置3は、生成したパケットをパケット伝送装置4へ送信する。
【0021】
パケット伝送装置4は、信号終端装置3から送信されたパケットを受信する。パケット伝送装置4は、第1ネットワーク5を経由して指定された宛先の受信装置6へパケットを転送するために、受信したパケットをルーティングする。受信装置6は、第1ネットワーク5を経由して伝送されたパケットを受信する。
【0022】
例えば、端末装置2、信号終端装置3及びパケット伝送装置4は、LTE(Long Term Evolution)に準拠するシステムの一部分であってよい。端末装置2から送信されたアップリンクの無線信号は、信号終端装置3としての基地局(eNB: Evolved UTRAN NodeB)に受信される。
【0023】
基地局は、受信したアップリンク信号からパケットを生成し、パケット伝送装置4としてのSAE−GW(System Architecture Evolution Gateway)へパケットを送信する。SAE−GWは、受信したパケットをネットワークへ伝送する。この場合、受信装置6は、例えば端末装置2からのアップリンク信号を受信するアプリケーションサーバであってよい。
【0024】
また、端末装置2、信号終端装置3及びパケット伝送装置4は、例えばZigbeeを採用する通信システムであってよい。例えば、Zigbee端末である端末装置2から送信されたアップリンクの無線信号は、信号終端装置3としてのセンサーゲートウエイに受信される。センサーゲートウエイは、受信したアップリンク信号からパケットを生成し、パケット伝送装置4としてのゲートウエイへパケットを送信する。ゲートウエイは、受信したパケットをネットワーク5へ伝送する。
【0025】
続いて、図1に示した信号終端装置3の構成及び処理について説明する。図2は、信号終端装置3の第1例の構成図である。信号終端装置3は、アンテナ10と、信号受信部11と、識別部12と、インターネットプロトコルパケット生成部13と、レイヤ2フレーム生成部14と、カプセル化部15と、送信部16と、記憶部17を備える。なお、以下の説明及び図面において「インターネットプロトコル」及び「レイヤ2」をそれぞれ「IP」及び「L2」と表記することがある。
【0026】
信号受信部11は、端末装置2から送信されたアップリンク信号を、アンテナ10を介して受信する。識別部12は、アップリンク信号の種別を識別する。識別部12により識別されるアップリンク信号の種別は、例えばサービス種別であってよい。ここに「サービス種別」とは、端末装置2がアップリンク信号を送信する通信規格の種別であってよい。例えば、サービス種別は、「LTE」、「HSPA」及び「Zigbee」等の通信方式を区別する種別であってよい。また、各端末当たりに保証する保証帯域による分類と通信方式による分類とを組み合わせた種別を、サービス種別として使用してもよい。
【0027】
IPパケット生成部13は、受信されたアップリンク信号をIPパケットにパケット化する。L2フレーム生成部14は、IPパケット生成部13が生成したパケットをL2フレームに格納する。
【0028】
カプセル化部15は、L2フレーム生成部14が生成したL2フレームに後述のヘッダを付加することによって、カプセル化データを生成する。以下の説明において、カプセル化部15によって、L2フレームに付加されるヘッダを「サービスヘッダ」と表記する。
【0029】
送信部16は、カプセル化データをパケット伝送装置4へ送信する。記憶部17には、第1サービス属性テーブル18が記憶される。第1サービス属性テーブル18は、識別部12により識別されるアップリンク信号の種別に関する情報を格納するテーブルである。
【0030】
図3は、第1サービス属性テーブル18の構成例の説明図である。図3に例示する第1サービス属性テーブル18は、サービス種別に関する情報を格納する。以下の説明では、識別部12により識別されるアップリンク信号の種別がサービス種別である例について説明する。
【0031】
第1サービス属性テーブル18は、端末サービス識別子フィールド、保証帯域フィールド、グループ識別子フィールド及びサービス宛先識別子フィールドを備える。端末サービス識別子フィールドには、信号終端装置3がアップリンク信号を受信する端末装置2の種別を示す情報が格納される。例えば、端末サービス識別子フィールドの値は、端末装置2が使用する通信方式を識別する識別子であってよい。
【0032】
保証帯域フィールドは、各サービス種別において端末1台あたりのアップリンク信号のトラヒックに保証する帯域を示す情報が格納される。グループ識別子フィールドには、各サービス種別のサービスグループの識別情報が格納される。ここで「サービスグループ」とは、同一のサービス種別によってアップリンク信号を送信する端末装置2のグループを意味する。また、以下の説明においてグループ識別子フィールドに格納される識別情報を、「グループ識別子」と表記する。
【0033】
サービス宛先識別子フィールドには、カプセル化データを送信する宛先のパケット伝送装置4のアドレスを格納してよい。以下の説明において、サービス宛先識別子フィールドに格納されるアドレスを「サービス宛先識別子」と表記する。
【0034】
図4の(A)及び図4の(B)は、第1サービス属性テーブル18の第1例及び第2例を示す図である。図4の(A)に示すエントリの場合、端末サービス識別子フィールドには、LTEを示す識別子「1」が格納される。同様に、保証帯域フィールド、グループ識別子フィールド及びサービス宛先識別子フィールドには、それぞれ帯域「50Mbps」、グループ識別子「00-FF-68-5D-00-01」及びサービス宛先識別子「00-FF-68-5D-10-00」が格納される。
【0035】
図4の(B)に示すエントリの場合、端末サービス識別子フィールドには、Zigbeeを示す識別子「2」が格納される。同様に、保証帯域フィールド、グループ識別子フィールド及びサービス宛先識別子フィールドには、それぞれ帯域「250Kbps」、グループ識別子「00-FF-68-5D-00-02」及びサービス宛先識別子「00-FF-68-5D-10-00」が格納される。
【0036】
図2に示すカプセル化部15は、識別部12により識別されたサービス種別に応じて、第1サービス属性テーブル18に格納された情報に基づいて、各端末装置2から送信された信号を格納するL2フレームに付加するサービスヘッダを生成する。
【0037】
例えばカプセル化部15は、識別部12により識別されたサービス種別の通信方式の識別子と保証帯域を格納するレコードを、第1サービス属性テーブル18の中で検索する。カプセル化部15は、検出されたレコードのグループ識別子フィールドに格納されたグループ識別子をサービスヘッダに格納する。
【0038】
サービスヘッダは、例えば特定の通信プロトコルにおいて伝送されるフレームやパケットのヘッダ形式に準拠していてよい。このようなヘッダ形式を採用することにより、信号終端装置3とパケット伝送装置4との間で、特定の通信プロトコルのネットワークを経由してカプセル化データを伝送することが可能となる。
【0039】
すなわち通信ネットワーク1は、信号終端装置3とパケット伝送装置4との間で、特定の通信プロトコルに従ってカプセル化データを伝送する第2ネットワークを備えていてもよい。この場合、カプセル化部15は、上記検索により検出されたレコードのサービス宛先識別子フィールドに格納されたサービス宛先識別子を、第2ネットワークにおけるパケット伝送装置4の宛先アドレスとしてサービスヘッダに格納してよい。
【0040】
以下に、特定の通信プロトコルにおいて伝送されるフレームやパケットのヘッダ形式に準拠するサービスヘッダの例を説明する。図5の(A)及び図5の(B)は、サービスヘッダの構成例の説明図である。図5の(A)のヘッダ形式は、IEEE802.1adに準拠するMACヘッダの形式である。MACヘッダは、DAフィールド、SAフィールド、TPIDフィールド及びS−VIDフィールドを備える。カプセル化部15は、宛先アドレスとしてサービス宛先識別子をDAフィールドに格納してよい。
【0041】
また、カプセル化部15は、送信元アドレス用に用意されたSAフィールドにグループ識別子を格納してよい。カプセル化部15は、TPIDフィールド及びS−VIDフィールドにそれぞれ任意の値を格納してよい。
【0042】
図5の(B)のヘッダ形式は、IEEE802.1ahに準拠するMACヘッダの形式である。MACヘッダは、B−DAフィールド、B−SAフィールド、TPIDフィールド、B−VIDフィールド及びI−SIDを備える。カプセル化部15は、宛先アドレスとしてサービス宛先識別子をB−DAフィールドに格納してよい。また、カプセル化部15は、送信元アドレス用に用意されたB−SAフィールドにグループ識別子を格納してよい。カプセル化部15は、TPIDフィールド、B−VIDフィールド及びI−SIDフィールドにそれぞれ任意の値を格納してよい。
【0043】
次に、図2に示す信号終端装置3の処理について説明する。図6は、信号終端装置3の処理の説明図である。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションAA〜AEの各オペレーションはステップであってもよい。
【0044】
オペレーションAAにおいて信号受信部11は、端末装置2から送信されたアップリンク信号を受信する。オペレーションABにおいて識別部12は、アップリンク信号の種別を識別する。オペレーションACにおいてIPパケット生成部13は、アップリンク信号からパケット信号を生成する。L2フレーム生成部14は、IPパケット生成部13が生成したパケットをL2フレーム内に格納する。
【0045】
オペレーションADにおいてカプセル化部15は、L2フレーム生成部14が生成したL2フレームに、アップリンク信号の種別に応じたサービスヘッダを付加することによって、L2フレームをカプセル化する。オペレーションAEにおいて送信部16は、カプセル化データをパケット伝送装置4へ送信する。
【0046】
続いて、図1に示したパケット伝送装置4の構成及び処理について説明する。図7は、パケット伝送装置4の構成例を示す図である。パケット伝送装置4は、受信部20と、サービスヘッダ学習部21と、記憶部22と、転送学習部23と、帯域管理部24と、帯域制御部25と、ヘッダ付与部26と、送信部27を備える。記憶部22には、第2サービス属性テーブル30と、サービスヘッダ学習テーブルと、転送テーブル32が記憶される。
【0047】
受信部20は、信号終端装置3から送信されたカプセル化データを受信する。サービスヘッダ学習部21は、受信した各カプセル化データに含まれるIPパケットを参照することにより、カプセル化データに格納されるアップリンク信号を送信した端末装置2を識別する。
【0048】
また、サービスヘッダ学習部21はカプセル化データのサービスヘッダに格納されるグループ識別子を参照することにより、アップリンク信号の送信元の端末装置2が属するサービスグループ、すなわちサービス種別を識別する。
【0049】
サービスヘッダ学習部21は、アップリンク信号の送信元の端末装置2を、グループ識別子毎に分類してサービスヘッダ学習テーブル31に記憶する。また、サービスヘッダ学習部21は、サービスヘッダ学習テーブル31に記憶された端末装置2から、所定のエイジング期間内にアップリンク信号を受信しない場合には、サービスヘッダ学習テーブル31からこの端末装置2を削除する。
【0050】
図8は、サービスヘッダ学習テーブル31の構成例の説明図である。サービスヘッダ学習テーブル31は、グループ識別子フィールドと、キュー識別子フィールドと、IPパケットのSA(Source Address)フィールド[1]〜[n]と、フラグフィールド[1]〜[n]を有する。
【0051】
グループ識別子フィールドには、パケット伝送装置4により受信されたカプセル化データのグループ識別子が格納される。キュー識別子フィールドには、各グループ識別子のサービスグループのパケットを格納するために使用される、帯域制御部25内のパケットキューを指定するキューの識別子が格納される。
【0052】
各サービスグループのパケットを格納するパケットキューには、例えば予め所定のキューが割り当てられていてもよい。また、各サービスグループのパケットを格納するために使用されるパケットキューは、各カプセル化データに格納されたL2フレームのMACヘッダに指定されたVIDの値に応じて定まる優先度に応じて指定されてもよい。また、各サービスグループのパケットを格納するために使用されるパケットキューは、後述するように各グループ識別子毎に指定された優先度に応じて指定されてもよい。
【0053】
IPパケットのSAフィールドには、各グループ識別子により分類された、アップリンク信号の送信元の端末装置2のIPアドレスが格納される。フラグフィールドには、所定のエイジング期間内に、各端末装置2からアップリンク信号が受信されたか否かを示すフラグ情報が格納される。
【0054】
サービスヘッダ学習部21は、端末装置2毎にIPパケットのSAフィールド及びフラグフィールドに情報を格納する。したがって、サービスヘッダ学習テーブル31は、各グループ識別子毎に、複数のIPパケットのSAフィールド及びフラグフィールドを有する。図8の例示では、サービスヘッダ学習テーブル31は、各グループ識別子毎に、それぞれn個のIPパケットのSAフィールド及びフラグフィールドを有する。
【0055】
図7を参照する。サービスヘッダ学習部21は、各グループ識別子毎にサービスヘッダ学習テーブル31に格納した端末装置2に関する学習情報を帯域管理部24へ送信する。学習情報は、各グループ識別子毎にサービスヘッダ学習テーブル31に登録された端末装置2の数を含んでいてもよい。学習情報は、グループ識別子毎に指定されたパケットキューに関する情報を含んでいてもよい。
【0056】
サービスヘッダ学習部21は、カプセル化データからサービスヘッダを除去し、カプセル化データに格納されていたL2フレームを転送学習部23へ出力する。
【0057】
図9及び図10を参照して、サービスヘッダ学習部21による端末装置2の学習処理を説明する。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションBA〜BPの各オペレーションはステップであってもよい。
【0058】
オペレーションBAにおいてサービスヘッダ学習部21は、所定のエイジング期間が過ぎたか否かを判定する。所定のエイジング期間が過ぎた場合(オペレーションBA:Y)には、処理はオペレーションBLへ進む。所定のエイジング期間が過ぎていない場合(オペレーションBA:N)には、処理はオペレーションBBへ進む。
【0059】
オペレーションBBにおいてサービスヘッダ学習部21は、カプセル化データの受信があったか否かを判定する。カプセル化データの受信があった場合(オペレーションBB:Y)、処理はオペレーションBCへ進む。カプセル化データの受信がない場合(オペレーションBB:N)、処理はオペレーションBAへ戻る。
【0060】
オペレーションBCにおいてサービスヘッダ学習部21は、受信したカプセル化データのサービスヘッダに格納されるグループ識別子を検出する。サービスヘッダ学習部21は、検出されたグループ識別子が、既にサービスヘッダ学習テーブル31に登録されているか否かを判定する。グループ識別子が登録済みである場合(オペレーションBC:Y)、処理はオペレーションBEへ進む。グループ識別子が登録済みでない場合(オペレーションBC:N)、処理はオペレーションBDへ進む。
【0061】
オペレーションBDにおいてサービスヘッダ学習部21は、受信されたカプセル化データのグループ識別子を、サービスヘッダ学習テーブル31に登録する。その後処理はオペレーションBFへ進む。
【0062】
オペレーションBEにおいてサービスヘッダ学習部21は、受信されたカプセル化データのサービスヘッダに格納されるIPパケットの送信元アドレス、すなわち端末装置2のIPアドレスがサービスヘッダ学習テーブル31に登録済であるか否かを判定する。
【0063】
端末装置2のIPアドレスが登録済みである場合(オペレーションBE:Y)、処理はオペレーションBHへ進む。端末装置2のIPアドレスが登録済みでない場合(オペレーションBE:N)、処理はオペレーションBFへ進む。
【0064】
オペレーションBFにおいてサービスヘッダ学習部21は、受信したカプセル化データに格納されたアップリンク信号の送信元の端末装置2のIPアドレスをサービスヘッダ学習テーブル31に登録する。
【0065】
オペレーションBGにおいてサービスヘッダ学習部21は、オペレーションBFにおいて登録されたIPアドレスについて、サービスヘッダ学習テーブル31に記憶されるフラグの値を「ON」にセットする。その後処理はオペレーションBIへ進む。
【0066】
オペレーションBHにおいてサービスヘッダ学習部21は、受信されたカプセル化データのサービスヘッダに格納されるIPパケットの送信元アドレスについて、サービスヘッダ学習テーブル31に記憶されるフラグの値を「ON」にセットする。その後処理はオペレーションBIへ進む。
【0067】
オペレーションBIにおいてサービスヘッダ学習部21は、学習情報を帯域管理部24へ送信する。オペレーションBJにおいてサービスヘッダ学習部21は、カプセル化データからサービスヘッダを削除する。オペレーションBKにおいてサービスヘッダ学習部21は、L2フレームを転送学習部23へ出力する。その後処理はオペレーションBAへ戻る。
【0068】
オペレーションBLにおいてサービスヘッダ学習部21は、フラグフィールドに格納されるフラグが「ON」にセットされていない端末装置のアドレスが、サービスヘッダ学習テーブル31に登録されているか否かを判定する。フラグが「ON」にセットされていない端末装置のアドレスが登録されている場合には(オペレーションBL:Y)、処理はオペレーションBMへ進む。フラグが「ON」にセットされていない端末装置のアドレスが登録されていない場合には(オペレーションBL:N)、処理はオペレーションBOへ進む。
【0069】
オペレーションBMにおいてサービスヘッダ学習部21は、フラグフィールドに格納されるフラグが「ON」にセットされていない端末装置のアドレスの登録を、サービスヘッダ学習テーブル31から削除する。オペレーションBNにおいてサービスヘッダ学習部21は、学習情報を帯域管理部24へ送信する。
【0070】
オペレーションBOにおいてサービスヘッダ学習部21は、オペレーションBLにおいてサービスヘッダ学習部21は、フラグフィールドに格納されるフラグが「ON」にセットされている端末装置のアドレスが、サービスヘッダ学習テーブル31に登録されているか否かを判定する。フラグが「ON」にセットされている端末装置のアドレスが登録されている場合には(オペレーションBO:Y)、処理はオペレーションBPへ進む。フラグが「ON」にセットされている端末装置のアドレスが登録されていない場合には(オペレーションBO:N)、処理はオペレーションBAへ戻る。
【0071】
オペレーションBPにおいてサービスヘッダ学習部21は、フラグフィールドに格納されるフラグが「ON」にセットされている端末装置のアドレスについて、サービスヘッダ学習テーブル31に記憶されるフラグの値を「OFF」へリセットする。その後処理はオペレーションBAへ戻る。
【0072】
図7を参照する。転送学習部23は、L2フレームのMACヘッダの送信元アドレスを転送テーブル32に記憶する。また、転送学習部23は、L2フレームを帯域制御部25へ転送する。
【0073】
帯域管理部24は、サービスヘッダ学習部21から学習情報を受信する。また、帯域管理部24は、第2サービス属性テーブル30に記憶される、各サービスグループにおいて端末1台当たり保証される保証帯域の値を取得する。第2サービス属性テーブル30の構成は、図3に例示した第1サービス属性テーブル18の構成と同様であってよい。
【0074】
帯域管理部24は、学習情報と、各サービスグループにおいて端末1台当たり保証される保証帯域の値に基づいて、各サービスグループに割り当てる帯域を算出する。例えば、あるサービスグループについて、端末1台当たり保証する保証帯域をBとしサービスヘッダ学習テーブル31に登録された端末数をNとするとき、帯域管理部24は、サービスグループに割り当てる帯域を次式(1)により算出してよい。
【0075】
(サービスグループに割り当てる帯域)=N×B (1)
【0076】
帯域管理部24は、各サービスグループについて算出した帯域と、この帯域を割り当てるパケットキューを指定する情報を帯域制御部25に出力する。
【0077】
図11を参照して、上記の帯域管理部24の処理を説明する。なお、他の実施態様においては、下記のオペレーションCA〜CDの各オペレーションはステップであってもよい。オペレーションCAにおいて帯域管理部24は、サービスヘッダ学習部21から学習情報を受信する。オペレーションCBにおいて帯域管理部24は、第2サービス属性テーブル30から、各サービスグループにおいて端末1台当たり保証される保証帯域の値を取得する。
【0078】
オペレーションCCにおいて帯域管理部24は、学習情報と、各サービスグループにおいて端末1台当たり保証される保証帯域の値に基づいて、各サービスグループに割り当てる帯域を算出する。オペレーションCDにおいて帯域管理部24は、各サービスグループについて算出した帯域と、この帯域を割り当てるパケットキューを指定する情報を帯域制御部25へ出力する。
【0079】
帯域制御部25は、転送学習部23から転送された各サービスグループのL2フレームが通過する許容帯域を、帯域管理部24にて指定される帯域以下となるように制御する。図12は、帯域制御部25の構成例を示す図である。
【0080】
帯域制御部25は、複数のパケットキュー40−1〜40−mと、分配部41と、読出部42と、多重化部43を備える。以下の説明において、パケットキュー40−1〜40−mを総称して「パケットキュー40」と表記することがある。
【0081】
パケットキュー40には、転送学習部23から転送されたL2フレームがそれぞれ格納される。分配部41は、転送学習部23から転送されたL2フレームを、各サービスグループ毎に指定されたパケットキュー40へ分配する。
【0082】
読出部42は、各サービスグループについて算出した帯域と、各サービスグループに割り当てるパケットキュー40を指定する情報を帯域管理部24から受信する。読出部42は、各パケットキューから指定された帯域でL2フレームを読み出す。多重化部43は、読み出されたL2フレームを多重化し、多重化されたL2フレームをヘッダ付与部26へ出力する。
【0083】
図7を参照する。ヘッダ付与部26は、帯域制御部25から出力されるL2フレームに、第1ネットワーク5を伝送させるために使用される所定のヘッダを付与する。送信部27は、ヘッダが付与されたフレームを、第1ネットワーク5へ出力する。
【0084】
以下、カプセル化データを受信した場合のサービスヘッダ学習テーブル31の変化と、それに伴う帯域制御部25による帯域制御について説明する。図13の(A)〜図13の(C)及び図14の(A)〜図14の(C)は、サービスヘッダ学習テーブル31の変化の説明図(その1)〜(その6)である。なお、以下の説明は、下記(1)〜(4)の条件を前提とする。
【0085】
(1)パケット伝送装置4は、図4の(A)及び図4の(B)に例示される識別子「00-FF-68-5D-00-01」及び「00-FF-68-5D-00-02」のサービスグループのカプセル化データを受信する。これらの保証帯域は、図4の(A)及び図4の(B)の例示の通りである。
【0086】
(2)帯域制御部25は、パケットキュー40のうち識別子「1」のパケットキューに識別子「00-FF-68-5D-00-01」のサービスグループのパケットを格納する。また、帯域制御部25は、識別子「2」のパケットキューに識別子「00-FF-68-5D-00-02」のサービスグループのパケットを格納する。
【0087】
(3)帯域制御部25が、これらのグループに割当可能な物理帯域の合計の上限は1000Mbpsであり、識別子「2」のパケットキューの読み出し優先度は、識別子「1」のパケットキューの読み出し優先度よりも高く設定されている。
【0088】
(4)帯域制御部25が割り当てる帯域の最小単位は1Mbpsである。
【0089】
図13の(A)は、初期状態におけるサービスヘッダ学習テーブル31を示す。パケット伝送装置4はカプセル化データを受信していないため、サービスヘッダ学習テーブル31には、まだ端末装置2のIPアドレスの登録はない。
【0090】
その後、パケット伝送装置4は、カプセル化データを受信する。このカプセル化データは、グループ識別子「00-FF-68-5D-00-01」のサービスグループに属する端末装置2のアップリンク信号を格納する。この端末装置2はIPアドレス「123.234.34.1」を持つ。この場合、サービスヘッダ学習テーブル31は図13の(B)に示す状態となる。
【0091】
図13の(B)に示す通り、グループ識別子フィールド、キュー識別子フィールド、IPパケットのSAフィールドにそれぞれ「00-FF-68-5D-00-01」、「1」、「123.234.34.1」が格納されるレコードが、サービスヘッダ学習テーブル31に作成される。フラグフィールドの値は「ON」にセットされる。
【0092】
グループ識別子「00-FF-68-5D-00-01」のサービスグループにおける端末1台当たりの保証帯域は50Mbpsであり、サービスヘッダ学習テーブル31に登録されるこのサービスグループの端末装置2の数は1台である。したがって、識別子「1」のパケットキューの通過帯域として50Mbps×1台=50Mbpsが割り当てられる。
【0093】
その後、カプセル化データがパケット伝送装置4に届き、パケット伝送装置4は、グループ識別子「00-FF-68-5D-00-01」のサービスグループに属する20番目の端末装置2のアップリンク信号を格納したカプセル化データを受信する。この場合、サービスヘッダ学習テーブル31は図13の(C)に示す状態となる。図示の例では、20番目の端末装置2は、IPアドレス「123.234.34.20」を持つ。
【0094】
この結果、グループ識別子フィールド、キュー識別子フィールド、IPパケットのSAフィールドにそれぞれ「00-FF-68-5D-00-01」、「1」、「123.234.34.20」が格納されるレコードが、サービスヘッダ学習テーブル31に追加される。またフラグフィールドの値は「ON」にセットされる。
【0095】
サービスヘッダ学習テーブル31に登録されるこのサービスグループの端末装置2の数は20台である。したがって、識別子「1」のパケットキューの通過帯域として50Mbps×20台=1000Mbpsが割り当てられる。
【0096】
その後、伝送装置4は、新たにカプセル化データを受信する。このカプセル化データは、グループ識別子「00-FF-68-5D-00-02」のサービスグループに属する端末装置2のアップリンク信号を格納する。この端末装置2はIPアドレス「234.34.56.1」を持つ。この場合、サービスヘッダ学習テーブル31は図14の(A)に示す状態となる。
【0097】
この結果、グループ識別子フィールド、キュー識別子フィールド、IPパケットのSAフィールドにそれぞれ「00-FF-68-5D-00-02」、「2」、「234.34.56.1」が格納されるレコードが、サービスヘッダ学習テーブル31に追加される。またフラグフィールドの値は「ON」にセットされる。
【0098】
グループ識別子「00-FF-68-5D-00-02」のサービスグループにおける端末1台当たりの保証帯域は250Kbpsであり、サービスヘッダ学習テーブル31におけるこのサービスグループの登録台数は1台である。したがって、帯域管理部24は、このサービスグループに割り当てる帯域として、帯域250Kbps×1台=250Kbpsを算出する。帯域制御部25は、最小単位である1Mbpsの通過帯域を識別子「2」のパケットキューに割り当てる。
【0099】
また帯域制御部25は、パケットキュー「1」及び「2」の割当帯域が、物理帯域の上限は1000Mbpsを超えないように、識別子「1」のパケットキューの通過帯域を低減する。例えば、帯域制御部25は、現在割当中の帯域1000Mbpsから、端末1台分の保証帯域50Mbpsを低減し、帯域950Mbpsを識別子「1」のパケットキューに再割り当てする。
【0100】
その後、アドレス「234.34.56.1」の端末装置2とネットワークとの接続が切断される。すると、この端末装置2からのアップリンク信号の送信がエイジング期間中に到来しなくなり、サービスヘッダ学習テーブル31は図14の(B)に示す状態となる。アドレス「234.34.56.1」の端末装置2について記憶されるフラグの値は「OFF」にリセットされる。
【0101】
この結果、サービスヘッダ学習部21は、サービスヘッダ学習テーブル31からアドレス「234.34.56.1」の端末装置2の登録を削除する。サービスヘッダ学習テーブル31は図14の(C)に示す状態となる。
【0102】
帯域制御部25は、識別子「2」のパケットキューに割り当てる通過帯域を0にする。この結果、パケットキュー「1」及び「2」の割当帯域の合計950Mbpsが、物理帯域の上限の1000Mbpsを下回る。帯域制御部25は、識別子「1」のパケットキューの帯域の値を、帯域管理部24が算出した値1000Mbpsへ戻す。
【0103】
本実施例によれば、端末装置から送信されたアップリンク信号の種別毎に分類した送信元の端末装置の台数と、種別毎に定めた係数との積に応じて、接続中の端末装置に割り当てる保証帯域の合計を算出できる。このため、パケット伝送装置からネットワークに流入させる帯域を、接続中の端末装置の接続状況に応じて動的に制御することが可能となる。
【0104】
このようにパケット伝送装置からネットワークに流入させる帯域を、動的に制御することにより、帯域保証型サービスを提供する場合に接続状況に応じて割当帯域量を調整することが可能になる。この結果、本実施例によれば、ネットワークリソースの利用効率を高めることが可能となる。
【0105】
また、帯域保証型サービスを提供する場合のネットワークリソースの利用効率が高まることにより、本実施例によれば、帯域保証型サービスの利用が促進される。帯域保証型サービスの利用頻度が高まることにより、相対的にベストエフォート型サービスの利用頻度が減少するので上記のベストエフォート型サービスを利用する際の問題が解消される。
【0106】
また、信号終端装置3においてアップリンク信号の種別を識別し、その識別子によりアップリンク信号のパケットをカプセル化したことにより、パケット伝送装置4はサービスヘッダを参照することで、アップリンク信号の種別を判定することが可能となる。このため、本発明によれば、帯域制御処理を実行するパケット伝送装置4におけるアップリンク信号の種別判定を容易にする。
【0107】
また、本実施例では、サービスヘッダの形式として、特定の通信プロトコルにおいて伝送されるフレームやパケットのヘッダ形式を使用し、その送信元アドレスにアップリンク信号の種別の識別子を格納する。この結果、特定の通信プロトコルにおいてフレームやパケットの送信元アドレスを学習する既存のアルゴリズムを用いて、サービスヘッダに格納されたアップリンク信号の種別の識別子を学習することが可能となる。この結果、本実施例の実装が容易になる。
【0108】
次に、他の実施例について説明する。図15は、第2サービス属性テーブル30の第2構成例の説明図である。第2サービス属性テーブル30は、図3に示す第1サービス属性テーブル18が有するフィールドと同じフィールドを含む。第2サービス属性テーブル30は、更に優先度フィールドを有する。
【0109】
優先度フィールドには、各サービスグループに割り当てられる優先度に関する情報が格納される。図12に示す帯域制御部25の分配部41は、優先度フィールドに格納された各サービスグループの優先度に応じて、L2フレームをパケットキュー40へ分配する。また、サービスヘッダ学習部21は、優先度フィールドに格納された各サービスグループの優先度に応じて、サービスヘッダ学習テーブル31のキュー識別子フィールドの値を指定する。
【0110】
図16は、第2サービス属性テーブル30の第3構成例の説明図である。第2サービス属性テーブル30は、図3に示す第1サービス属性テーブル18が有するフィールドと同じフィールドを含む。第2サービス属性テーブル30は、更に最低保証端末数フィールドを有する。なお、第2サービス属性テーブル30は、図15に示す優先度フィールドを更に有していてもよい。
【0111】
最低保証端末数フィールドには、各サービスグループにおいて、帯域制御部25により帯域が保証される端末数の最小値が格納される。例えば最低保証端末数がMのとき、帯域管理部24は、サービスグループに割り当てる帯域を次式(2)により算出してよい。
【0112】
(サービスグループに割り当てる帯域)=(N+M)×B (2)
【0113】
図17は、第2サービス属性テーブル30の第4構成例の説明図である。第2サービス属性テーブル30は、図3に示す第1サービス属性テーブル18が有するフィールドと同じフィールドを含む。第2サービス属性テーブル30は、更に増加ステップ幅フィールドと、減少ステップ幅フィールドを有する。なお、第2サービス属性テーブル30は、図15に示す優先度フィールド及び図16に示す最低保障端末数フィールドを更に有していてもよい。
【0114】
増加ステップ幅フィールドには、端末数の増加に応じて帯域制御部25が帯域を増加させるときの1回当たりの増加ステップ幅を示す値が格納される。減少ステップ幅フィールドには、端末数の減少に応じて帯域制御部25が帯域を減少させるときの1回当たりの減少ステップ幅を示す値が格納される。増加ステップ幅フィールド及び減少ステップ幅フィールドにて指定される帯域の大きさは、保証帯域フィールドにて指定される保証帯域よりも大きくてよい。
【0115】
図18は、図17に示す第2サービス属性テーブル30を用いた帯域制御の説明図である。図18の実線は、端末装置の数に応じて帯域管理部24によって算出された割当帯域の計算値の時間変化を示す。破線は、帯域制御部25により割り当てられる帯域の時間変化を示す。一点鎖線は、帯域制御部25が割当帯域の増加の要否を判定する際に帯域管理部24による出力値と比較される上方閾値を示す。二点鎖線は、帯域制御部25が割当帯域の減少の要否を判定する際に帯域管理部24による出力値と比較される下方閾値を示す。
【0116】
時刻t1及びt2において、割当帯域の計算値が上方閾値を超えると、帯域制御部25は増加ステップ幅フィールドで示される帯域分だけ割当帯域を増加させる。このとき、上方閾値も増加ステップ幅フィールドで示される帯域分だけ増加させる。時刻t3及びt4において、割当帯域の計算値が下方閾値を下回ると、帯域制御部25は減少ステップ幅フィールドで示される帯域分だけ割当帯域を減少させる。このとき、下方閾値も減少ステップ幅フィールドで示される帯域分だけ減少させる。
【0117】
増加ステップ幅及び減少ステップ幅を指定することにより、帯域制御部25の制御頻度を低減することが可能になる。この結果、帯域制御部25の処理負荷が低減される。
【0118】
次に、信号終端装置3の他の実施例について説明する。図19は、信号終端装置3の第2例の構成図である。図2に示す構成要素と同じ要素には、図2で使用した参照符号と同じ参照符号を付する。
【0119】
本実施例は、サービス種別に代えて及び/又はサービス種別に加えて、端末装置2から送信されるユーザフローの種別毎に、ユーザフローの送信元の端末装置2の数を判定する。本実施例は、各ユーザフロー毎に保証されるフロー保証帯域と、ユーザフロー毎の端末装置2の数との積に応じて、各フロー毎に割り当てられる保証帯域を制御する。
【0120】
このため、信号終端装置3はフロー制御部19を備える。フロー制御部19は、端末装置2から送信されるユーザフローの種別を識別する。例えば、フロー制御部19は、端末装置2から送信されるアップリンク信号に含まれる呼制御データを参照することによって、ユーザフローの種別を識別してよい。
【0121】
図2に示すカプセル化部15は、フロー識別部19により識別されたサービスフローの種別に応じて、第1サービス属性テーブル18に格納された情報に基づいて、各端末装置2から送信された信号を格納するL2フレームに付加するサービスヘッダを生成する。本実施例では、第1サービス属性テーブル18及び第2サービス属性テーブル30の端末サービス識別子フィールドには、サービスフローの種別を指示する識別子が格納される。また、保証帯域フィールドには、各サービスフロー毎に保証される保証帯域を示す情報が格納される。
【0122】
本実施例によれば、パケット伝送装置からネットワークに流入させる帯域を、ユーザフローの発生状況に応じて動的に制御することが可能となる。
【0123】
以上の実施例を含む実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
【0124】
(付記1)
端末装置から送信された信号をパケット化して生成されたパケットにヘッダが付加されたカプセル化データを受信するカプセル化データ受信部と、
前記ヘッダに含まれる識別子毎に、前記カプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置を記憶する端末記憶部と、
前記識別子毎に記憶された端末装置の数に前記識別子毎に定めた係数を乗じた値に基づいて、各前記識別子の前記カプセル化データに格納されたパケットを通過させる帯域を制御する帯域制御部と、
前記帯域制御部により通過帯域が制御された前記パケットを第1ネットワークへ送信するパケット送信部と、
を備えるパケット伝送装置。
【0125】
(付記2)
カプセル化データが受信されたとき、該カプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置を前記端末記憶部に記憶させ、エイジング期間内にいずれかの端末装置から送信された信号を格納するカプセル化データが受信されないとき、該いずれかの端末装置を前記端末記憶部から消去する、学習部を備える付記1に記載のパケット伝送装置。
【0126】
(付記3)
前記帯域制御部は、
複数のパケットキューと、
前記識別子毎に前記パケットを前記複数のパケットキューへ分配する分配部と、
前記識別子毎に記憶された端末装置の数に前記識別子毎に定めた係数を乗じた値に応じた読出し速度で、各前記パケットキューからパケットを読み出す読出部と、
を備える、付記1又は2に記載のパケット伝送装置。
【0127】
(付記4)
前記読出部は、前記複数のパケットキューのいずれかからパケットを読み出す優先度と異なる優先度で、前記複数のパケットキューの他のパケットキューのいずれかからパケットを読み出し、
前記分配部は、前記識別子に応じて定められた優先度に従って前記パケットを前記複数のパケットキューへ分配する、
付記3に記載のパケット伝送装置。
【0128】
(付記5)
前記帯域制御部は、前記識別子に応じてそれぞれ定められた前記帯域よりも大きいステップ幅で、前記パケットを通過させる帯域を増減することを特徴とする付記1〜4のいずれか一項に記載のパケット伝送装置。
【0129】
(付記6)
前記ヘッダはMACヘッダであって、該MACヘッダの送信元MACアドレス格納領域に前記識別子が格納されることを特徴とする付記1〜5のいずれか一項に記載のパケット伝送装置。
【0130】
(付記7)
前記ヘッダはMACヘッダであって、
前記カプセル化データ受信部は、第2ネットワークから前記カプセル化データを受信し、
該MACヘッダの宛先MACアドレス格納領域に、前記第2ネットワークにおける前記パケット伝送装置のMACアドレスが格納されることを特徴とする付記1〜5のいずれか一項に記載のパケット伝送装置。
【0131】
(付記8)
前記識別子は、前記端末装置の種別に応じて定められる付記1〜7のいずれか一項に記載のパケット伝送装置。
【0132】
(付記9)
前記識別子は、前記端末装置から送信されるユーザフローの種別に応じて定められる付記1〜7のいずれか一項に記載のパケット伝送装置。
【0133】
(付記10)
端末装置から送信された信号を受信する信号受信部と、
前記信号からパケットを生成するパケット生成部と、
前記信号の種別を識別する識別部と、
前記種別に対応する識別子を含むヘッダを前記パケットに付加したカプセル化データを生成するカプセル化部と、
前記カプセル化データを送信するカプセル化データ送信部と、
を備える信号終端装置。
【0134】
(付記11)
信号終端装置及びパケット伝送装置を備える通信システムであって、
前記信号終端装置は、
端末装置から送信された信号を受信する信号受信部と、
前記信号からパケットを生成するパケット生成部と、
前記信号の種別を識別する識別部と、
前記種別に対応する識別子を含むヘッダを前記パケットに付加したカプセル化データを生成するカプセル化部と、
前記カプセル化データを前記パケット伝送装置へ送信するカプセル化データ送信部と、
を備え、
前記パケット伝送装置は、
前記カプセル化データを前記信号終端装置から受信するカプセル化データ受信部と、
前記識別子毎に、前記カプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置を記憶する端末記憶部と、
前記識別子毎に記憶された端末装置の数に前記識別子毎に定めた係数を乗じた値に基づいて、各前記識別子の前記カプセル化データに格納されたパケットを通過させる帯域を制御する帯域制御部と、
前記帯域制御部により通過帯域が制御された前記パケットを第1ネットワークへ送信するパケット送信部と、
を備える、通信システム。
【0135】
(付記12)
端末装置から送信された信号を信号終端装置及びパケット伝送装置を経由して第1ネットワークへ伝送する通信方法であって、
前記信号終端装置において、前記端末装置から受信した信号からパケットを生成し、
前記信号終端装置において、前記信号の種別を識別し、
前記種別に対応する識別子を含むヘッダを前記パケットに付加したカプセル化データを、前記信号終端装置から前記パケット伝送装置へ送信し、
前記パケット伝送装置において、前記識別子毎に、前記カプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置を記憶し、
前記パケット伝送装置において、前記識別子毎に記憶された端末装置の数に前記識別子毎に定めた係数を乗じた値に基づいて、各前記識別子の前記カプセル化データに格納されたパケットを通過させる帯域を制御し、
通過帯域が制御された前記パケットを前記第1ネットワークへ送信する、通信方法。
【符号の説明】
【0136】
1 通信ネットワーク
2、2a〜2d 端末装置
3、3a、3b 信号終端装置
4 パケット伝送装置
5 第1ネットワーク
6、6a〜6c 受信装置
11 信号受信部
12 識別部
13 IPパケット生成部
14 L2フレーム生成部
15 カプセル化部
16 送信部
18 第1サービス属性テーブル
20 受信部
21 サービスヘッダ学習部
24 帯域管理部
25 帯域制御部
27 送信部
30 第2サービス属性テーブル
31 サービスヘッダ学習テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置から送信された信号をパケット化して生成されたパケットにヘッダが付加されたカプセル化データを受信するカプセル化データ受信部と、
前記ヘッダに含まれる識別子毎に、前記カプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置を記憶する端末記憶部と、
前記識別子毎に記憶された端末装置の数に前記識別子毎に定めた係数を乗じた値に基づいて、各前記識別子の前記カプセル化データに格納されたパケットを通過させる帯域を制御する帯域制御部と、
前記帯域制御部により通過帯域が制御された前記パケットを第1ネットワークへ送信するパケット送信部と、
を備えるパケット伝送装置。
【請求項2】
カプセル化データが受信されたとき、該カプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置を前記端末記憶部に記憶させ、エイジング期間内にいずれかの端末装置から送信された信号を格納するカプセル化データが受信されないとき、該いずれかの端末装置を前記端末記憶部から消去する、学習部を備える請求項1に記載のパケット伝送装置。
【請求項3】
前記帯域制御部は、
複数のパケットキューと、
前記識別子毎に前記パケットを前記複数のパケットキューへ分配する分配部と、
前記識別子毎に記憶された端末装置の数に前記識別子毎に定めた係数を乗じた値に応じた読出し速度で、各前記パケットキューからパケットを読み出す読出部と、
を備える、請求項1又は2に記載のパケット伝送装置。
【請求項4】
前記読出部は、前記複数のパケットキューのいずれかからパケットを読み出す優先度と異なる優先度で、前記複数のパケットキューの他のパケットキューのいずれかからパケットを読み出し、
前記分配部は、前記識別子に応じて定められた優先度に従って前記パケットを前記複数のパケットキューへ分配する、
請求項3に記載のパケット伝送装置。
【請求項5】
前記ヘッダはMACヘッダであって、該MACヘッダの送信元MACアドレス格納領域に前記識別子が格納されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のパケット伝送装置。
【請求項6】
端末装置から送信された信号を受信する信号受信部と、
前記信号からパケットを生成するパケット生成部と、
前記信号の種別を識別する識別部と、
前記種別に対応する識別子を含むヘッダを前記パケットに付加したカプセル化データを生成するカプセル化部と、
前記カプセル化データを送信するカプセル化データ送信部と、
を備える信号終端装置。
【請求項7】
信号終端装置及びパケット伝送装置を備える通信システムであって、
前記信号終端装置は、
端末装置から送信された信号を受信する信号受信部と、
前記信号からパケットを生成するパケット生成部と、
前記信号の種別を識別する識別部と、
前記種別に対応する識別子を含むヘッダを前記パケットに付加したカプセル化データを生成するカプセル化部と、
前記カプセル化データを前記パケット伝送装置へ送信するカプセル化データ送信部と、
を備え、
前記パケット伝送装置は、
前記カプセル化データを前記信号終端装置から受信するカプセル化データ受信部と、
前記識別子毎に、前記カプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置を記憶する端末記憶部と、
前記識別子毎に記憶された端末装置の数に前記識別子毎に定めた係数を乗じた値に基づいて、各前記識別子の前記カプセル化データに格納されたパケットを通過させる帯域を制御する帯域制御部と、
前記帯域制御部により通過帯域が制御された前記パケットを第1ネットワークへ送信するパケット送信部と、
を備える、通信システム。
【請求項8】
端末装置から送信された信号を信号終端装置及びパケット伝送装置を経由して第1ネットワークへ伝送する通信方法であって、
前記信号終端装置において、前記端末装置から受信した信号からパケットを生成し、
前記信号終端装置において、前記信号の種別を識別し、
前記種別に対応する識別子を含むヘッダを前記パケットに付加したカプセル化データを、前記信号終端装置から前記パケット伝送装置へ送信し、
前記パケット伝送装置において、前記識別子毎に、前記カプセル化データに格納される信号の送信元の端末装置を記憶し、
前記パケット伝送装置において、前記識別子毎に記憶された端末装置の数に前記識別子毎に定めた係数を乗じた値に基づいて、各前記識別子の前記カプセル化データに格納されたパケットを通過させる帯域を制御し、
通過帯域が制御された前記パケットを前記第1ネットワークへ送信する、通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公開番号】特開2012−84984(P2012−84984A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−227585(P2010−227585)
【出願日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】