説明

パターン形成方法、パターン複製方法、及び微細な凹凸形状層を有する樹脂成形品

【課題】 パターンを、配置(形成)する材料によって柱や孔を作成し、工程を簡素化することが可能な微細粒子を用いたパターン作成方法を提供する。
【解決手段】 基板11上に、水分散性紫外線硬化型樹脂とポリスチレン標準微粒子13と混ぜ合わせたものを、スピンコートにて塗布する。塗布した膜の水分を揮発させてポリスチレン標準微粒子13を表層化した後、紫外線を照射することにより樹脂層12を固定する。次に、庫内温度90℃に設定したオーブンを用いて30秒間加熱保持する。このようにしてできた基板11を遠心分離機にセットして、2000rpmで30秒間回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細な凹凸形状を形成するパターン形成方法、パターン複製方法、及び微細な凹凸形状層を有する樹脂成形品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザプリンタの高解像度化が求められてきている。ところが、従来のレーザプリンタにおける感光体構成では、高解像度化が困難になってきた。そこで、数μm間隔に複数の材料を微細にちりばめたような感光体構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。以下、このような感光体を傾斜構造感光体と称する。
【0003】
この傾斜構造感光体の安価な製造方法として、金型を用いた転写方法が考えられる。しかしながら、この金型の制作方法が課題となる。傾斜構造感光体の金型の形状としては、次の内容を満たす形状を作る必要がある。
【0004】
まず、孔がパターン化されている必要がある。次に、凹部のアスペクト比が大きい(孔径に対して深さが大きい)ことも必要とされる。さらには、図4に例示するような構造の傾斜構造感光体を制作する場合、2.6×109個の微細な凹凸が必要となる。
【0005】
また、上述した傾斜構造感光体の形状を作成するための金型を製造する場合、金型の製造時間が短いことや、金型が安価に製造可能であることや、円筒状に加工された傾斜構造感光体を作成できること、などが製造課題として挙げられる。現在の金型の製造方法として代表的なものを以下に例示する。
【0006】
機械加工の場合には、まず、金型の製造時間に、1孔0.1秒で加工するものとして、約8年ほどかかる。製造にかかる金額は、約数千万円を要する。また、この機械加工の場合には、傾斜構造感光体を円筒状に加工することができる。
【0007】
次に、EB露光+フォトリソグラフィによる加工の場合には、数時間から数日ほどかかる。この点においては、前述した機械加工の場合よりも製造時間が短縮される。しかし、製造にかかる金額は、約数億円を要することになり、また、機械加工の場合と異なり、傾斜構造感光体を円筒状に加工することができない。円筒状に加工するためには、円筒状に加工するためだけの金型を特別に製作する必要がある。
【0008】
その他にも、FIB等の加工方法があるが、機械加工での場合と同様に、製造時間が数年かかってしまう計算になる。
【0009】
以上のように、従来の除去加工方法では、製造までに多大な時間を要するか、高価な製造装置を要するかのどちらかになってしまう。
【0010】
そこで、除去加工方法以外で傾斜構造感光体の金型を製造する方法が考案されている。
特許文献2には、ブロックコポリマーの自己組織化より形成されるエッチングマスクを用いた微細加工技術において、十分なエッチング耐性を有し、しかも自己組織化により形成されるパターンを忠実に転写することができる加工方法及び成形体を提供する発明が開示されている。
【0011】
この方法によれば、金型の製造にかかる製造期間は数分から数日、装置の費用は数万円程度に抑えることができる。また、特許文献3や特許文献4などにも、微少球を並べる方法を用いて、大面積パターンの作成時間を短縮する方法が提案されている。
【0012】
一方、高アスペクト形状の金型の製造方法としては、従来、延伸(例えば、特許文献5参照)、エッチング(例えば、前述した特許文献2参照)、アルミナの陽極酸化(例えば、特許文献6参照)、結晶の成長(例えば、特許文献7参照)、などが開示されている。
【特許文献1】特開2000−231203号公報
【特許文献2】特開2003−155365号公報
【特許文献3】特開平7−060908号公報
【特許文献4】特開平10−166528号公報
【特許文献5】特開2004−118119号公報
【特許文献6】特開2004−213764号公報
【特許文献7】特開2002−220300号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、上述した従来例には以下に述べるような課題がある。
【0014】
特許文献2から4に開示された発明の工法では、パターンを容易に作ることが可能である反面、高アスペクト比のものは製造できないという欠点がある。
【0015】
また、特許文献5から7に開示された発明の工法は、何れの方法もパターンを配置させる材料と柱や孔を作る材料とは異なるものである。例えば特許文献2にもあるように、単なるエッチングでは高アスペクト比は得られないため、一旦エッチングした跡にマスク層を設け、さらに再度エッチングを行うことにより高アスペクト形状を形成している。
【0016】
また、特許文献5に開示された発明の工法には櫛状成形品を用意する工程と、櫛状成形品を2P樹脂に接触させた後、引き上げる工程とがある。
【0017】
また、特許文献6に開示された発明の工法には、パターニングする部材を用意する工程と、アルミにパターニング部材を押し当てて窪みを作りこの窪みを起点に陽極酸化する工程と複数の工程がある。
【0018】
また、特許文献7に開示された発明の工法には、基板表面の微結晶粒子を載置する工程と、真空中で基板を加熱し、表面にナノファイバーを偏析させる工程とがある。
【0019】
これらの方法は、何れの方法においてもパターンを配置させる工程と柱や孔を作る工程とが別である。したがって、工法が複雑となりコストアップや製造された金型の精度低下などの欠点があった。
【0020】
そこで本発明は、パターンを、配置(形成)する材料によって柱や孔を作成し、工程を簡素化することが可能な微細粒子を用いたパターン作成方法、及び該パターン作成方法を用いた樹脂成形品を提供することを目的としている。
【0021】
より具体的には、熱可塑性の樹脂で形成された微粒子を自己配置させる、または、メッシュ構造フィルムを延伸の制御(加熱による樹脂粘度や、延伸する力の大きさや方向等)をすることによって、上述したような微細な凹凸を有する傾斜構造感光体等の金型を制作することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、基板上に凹凸形状層を形成する形成工程と、前記凹凸形状層を延伸変形し、微細な凹凸形状層を形成する変形工程と、を有することを特徴とする。
【0023】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のパターン形成方法において、前記凹凸形状層は、微細な粒子によって形成されることを特徴とする。
【0024】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のパターン形成方法において、前記凹凸形状層は、微細孔のあるフィルムによって形成されることを特徴とする。
【0025】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2記載のパターン形成方法において、前記形成工程は、微細な粒子を含む紫外線硬化型樹脂層を前記基板上に積層し、該積層した紫外線硬化型樹脂層に対し紫外線を照射して前記凹凸形状層を形成することを特徴とする。
【0026】
請求項5に記載の発明は、請求項1または3に記載のパターン形成方法において、前記形成工程は、前記基板上に積層した紫外線硬化型樹脂層上にさらに微細孔のあるフィルムを積層し、該積層した紫外線硬化型樹脂層に対し紫外線を照射して前記フィルムを固定し、前記フィルムの層上にさらにシリコーン樹脂からなる層を積層する工程をさらに有することを特徴とする。
【0027】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載のパターン形成方法において、前記変形工程は、前記凹凸形状層を加熱する加熱工程と、前記加熱した凹凸形状層に対し慣性力を加える慣性力付加工程と、を有し、前記凹凸形状層を延伸変形することを特徴とする。
【0028】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のパターン形成方法において、前記慣性力は、遠心力であることを特徴とする。
【0029】
請求項8に記載の発明は、請求項1から7の何れか1項に記載のパターン形成方法により形成された微細な凹凸形状層を有する樹脂成形品であることを特徴とする。
【0030】
請求項9に記載の発明は、請求項1から7の何れか1項に記載のパターン形成方法により形成された微細な凹凸形状層を有する樹脂成形品を用いて電鋳方法により前記微細な凹凸形状を金型に形成し、前記金型を樹脂に転写することで前記微細な凹凸形状面を有する樹脂を形成するパターン複製方法であることを特徴とする。
【0031】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のパターン複製方法により形成された微細な凹凸形状層を有する樹脂成形品であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
このように、本発明のパターン作成方法、及び該パターン作成方法を用いた樹脂成形品によれば、パターンを、配置・形成する材料によって柱や孔を作成するので、工程を簡素化することができる。また、設備にかかる費用の低減化や、製造された金型の精度低下の防止などが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
次に、本発明の実施形態を、実施例を挙げながら図面を用いて説明する。なお、本実施形態は以下に述べるものに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々変更が可能である。
【実施例1】
【0034】
まず、平面状の表面に微細な凹凸形状を設ける方法を図面を用いて説明する。
本実施例においては、図1に示すような表面に微細な凹凸形状1を作成することになる。
【0035】
図2は、凹凸形状1を拡大した図である。
まず、基板11にアクリル板を用い、この基板11上に、水分散性紫外線硬化型樹脂(新中村化学工業(株):NKポリマーRO−116E)を水で10%に希釈して平均粒子径3μm径のポリスチレン標準微粒子13と混ぜ合わせる。そして、回転数3000rpmでスピンコート(円盤上に設置した基材に原料溶液(スピンコート材料)をのせ、円盤を回転させることにより均一な液膜が形成され、これを焼成し薄膜を作成する技術)にて塗布する。
【0036】
塗布した膜の水分を揮発させると、ポリスチレン標準微粒子13は樹脂層12の表面に層となって広がるが、凝集力もあるため拡散はしない。その後、紫外線を照射することにより樹脂層12を固定した。このとき球状のポリスチレン標準微粒子13は、図2(a)に示すように、樹脂層12に球状の粒子の大きさのおよそ半分が沈み込んだ状態であった。
【0037】
次に庫内温度90℃に設定したオーブンを用いて、図2(a)に示した上記サンプルを30秒間加熱保持した。回転時に、球状のポリスチレン標準微粒子13のついた面を回転面の外向きになるように、図3に示すような遠心分離機にセットして、2000rpmで30秒間回転させた。このとき、サンプルの回転半径は200mmである。
【0038】
遠心分離機から取り出したサンプルのポリスチレン標準微粒子13部分は、図2(b)に示すように、円柱形状15が出来ていた。円柱の高さは平均すると5μmであった。
【0039】
これは、粘着剤の役割を果たす樹脂層12より出ている部分が慣性力(遠心力)で引き伸ばされたことによるものである。また、慣性力は、樹脂が引き伸ばされて円錐状に変形した後も、樹脂が引き伸ばされる方向に対して働く。よって、冷却するときに引き伸ばされた樹脂が、元の球状に戻る現象を押さえる効果も含まれている。
【0040】
従って、慣性力(遠心力)を調整することにより、円柱状の形状のもの(円柱形状15)から円錐状の形状のものまで作成することが可能である。図2(c)は、凹凸形状1において、表面が円錐形状14となる場合を示す図である。
【0041】
回転時に球状のポリスチレン標準微粒子13のついた面を回転面の外向きになるように遠心分離機にセットし、5000rpmで30秒間回転させた。
【0042】
遠心分離機から取り出したサンプルのポリスチレン標準微粒子13部分は、円錐形状14が出来ていた。円錐の高さは平均すると3μmであった。
【0043】
なお、本実施例の慣性力は、遠心力を用いて行ったが、直線状運動を急激に停止させたときに生じるリニア方式の慣性力を用いても同様の効果を得ることが可能ある。
【実施例2】
【0044】
次に、ドラム形状の表面に微細な凹凸形状を設ける方法を図面を用いて説明する。
図4は、ドラム形状の表面にフィルムを用いて凹凸形状を設けた場合を示す断面図である。
【0045】
まず、図4(a)に示すように、直径30mmのガラス管21と、孔径14μm、孔間リブの厚み16μm、ピッチ30μm間隔で開いた厚み25ミクロンのアクリル製フィルム22と、を用意する。
【0046】
アクリル製フィルム22に形成された微細な孔は、オーブンにて80℃に加熱したアクリル製フィルムに先端が鋭利な直径30μmのタングステン線の束を押し付けることによって形成した(図5(a))。タングステン線の先端は水酸化カリウム水溶液を用いて電界研磨方法で鋭利に加工した。
【0047】
次に、ガラス管21の上に、紫外線硬化型樹脂23(大日本インキ化学(株):SD301)をディッピング(静止した液体槽から基材を垂直に引き上げる塗工方法)した後、スキージで30μmの厚みに塗布する(図4(b))。
【0048】
その上に微細孔の空いたアクリル製フィルム22を被せて、アクリル製フィルム22と紫外線硬化型樹脂23とを接触させた。このとき、アクリル製フィルム22は紫外線硬化型樹脂23におよそ4μm程度食い込む状態である(図4(c))。そして、この状態で高圧水銀ランプ光源より紫外線を照射して、紫外線硬化型樹脂23を固化させる。
【0049】
次に、アクリル製フィルム22の孔に離型材を塗布し、フィルム表面の離型材をきれいに除去する。アクリル製フィルム22の表面から離型材を除去した後、シリコーン樹脂24(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株):SE1821)をディッピングの手法を用いて5mmの厚みに塗布する。そして、80℃の環境下で30分置き、シリコーン樹脂を硬化させた(図4(d))。
【0050】
次に、このようにして加工されたガラス管を、庫内温度140℃のオーブンに1分間入れた後、ガラス管の中心軸を回転軸にして5000rpmで1分間回転した(図4(e))。
【0051】
その後、室温に下がった状態で、シリコーン樹脂24を取り除くと、ガラス管21の表面にアクリル樹脂の微細な凹凸形状が形成された(図4(f))。このようにして形成されたアクリル製フィルム22の表面の微細な凹凸形状は、図5(b)に示すように、孔径17μm、孔の間のリブ厚みは13μmであった。また、アクリル製フィルム22の高さは34μmあった。
【0052】
これは、シリコーン樹脂24が、回転による遠心力で径方向に拡がり、アクリル製フィルム22を引き伸ばすという効果によるものである。さらには、アクリル製フィルム22の厚み方向に引き伸ばされて変形することにより穴径が拡大する、いわゆるポアソン比(外力による主たるひずみと、該ひずみに対して垂直な方向のひずみとの比率)の効果によるものである。
【0053】
また、シリコーン樹脂24は可とう性(たわみ)があるため、遠心力を受けて径方向に拡がることが可能となった。さらに、アクリル製フィルム22の孔側面には離型剤層があるので、孔の部分のシリコーン樹脂24はアクリル製フィルム22に固着することなく容易に取り除くことが出来た。
【実施例3】
【0054】
さらに、上述した実施例1、2で作製した凹凸形状を用いて、金型を作成することも可能である。本実施例では、実施例1で作成した微細な凹凸形状をマスタ型として、精密電鋳によってニッケル製の金型31を作成した場合を説明する。この金型31の表面の形状は、マスタ型の形状を反転した形状であり、その形状誤差は1μm以下で作製されている。
【0055】
まず、図6(A)に示すように、ニッケル製の金型31をプレス機30((株)オリエンテック:STA−1150)にセットして、アクリル板33に転写する。
【0056】
次に、プレス機30上に、ヒータ(図示せず)を組み込んだアルミブロック321、ニッケル製の金型31、精密電鋳によって転写された1mm厚のアクリル板33、ヒータを組み込んだアルミブロック322をセットする。そして、この順番通りに配置して上からシリンダで加圧する図6(B)。
【0057】
温度コントローラ34の制御によりヒータでアクリル板33を150℃に加熱した後、5MPaの圧力を付与した。そして、加圧開始から1分後にヒータの加熱を中止した。さらに、加圧しながら自然空冷によってアクリル板33を80℃まで冷却した後、プレス機30から取り出した。
【0058】
その結果、アクリル板33の表面には、マスタ型と同様の微細な凹凸形状が転写されていた。転写された凹凸形状の形状誤差は、孔径、深さとも1μm以下であった。
【0059】
以上、本実施形態によれば、微細凹凸形状を作成する方法に延伸変形させる方法を用いるので、高アスペクト比の立体的な微細凹凸形状を作成することができる。また、パターンを作成するのに粒子を並べる方法を用いるため、金型が不要となる。また、メッシュ状のフィルムを延伸変形させるので、孔の間のリブ厚みを薄くすることが出来る。すなわち、孔密度を高くすることが出来る。
【0060】
さらに、一層に並べた微細な粒子またはメッシュ構造フィルムを紫外線硬化型樹脂層を介して基板の上に固定するので、粒子の配列やメッシュの形が移動して崩れてしまうことがない。また、慣性力を用いるので、一方向(one way)の力で延伸変形することができるため、凹凸形状を均一にすることが出来る。この慣性力には遠心力を用いるので、パターンを形成するための装置が簡単に出来る。
【0061】
また、このようなパターン形成方法で作成された成形品は、微細な凹凸形状になる。また、金型を用いて、転写することが出来るので、微細な凹凸形状をもつ成形品を大量複製することが出来る。さらに、転写複製により、微細な凹凸形状を有する成形品を低コストで提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施例1において表面に凹凸形状1が形成された基板11を示す外観図である。
【図2】実施例1における凹凸形状1の拡大図である。
【図3】遠心分離機に基板をセットした場合を示す外観図である。
【図4】ドラム形状の表面に凹凸形状を設ける場合を示す図である。
【図5】(a)は、実施例2の工程を施す前の加工されたアクリル樹脂を示す図であり、(b)は、実施例2の工程を施した後の加工されたアクリル樹脂を示す図である。
【図6】実施例3の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
【0063】
1 凹凸形状
11 基板
12 樹脂層
13 ポリスチレン標準微粒子
14 円錐形状
15 円柱形状
21 ガラス管
22 アクリル製フィルム
23 紫外線硬化型樹脂
24 シリコーン樹脂
30 プレス機
31 金型
32 アルミブロック
33 アクリル板
34 温度コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に凹凸形状層を形成する形成工程と、
前記凹凸形状層を延伸変形し、微細な凹凸形状層を形成する変形工程と、
を有することを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
前記凹凸形状層は、微細な粒子によって形成されることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記凹凸形状層は、微細孔のあるフィルムによって形成されることを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記形成工程は、
微細な粒子を含む紫外線硬化型樹脂層を前記基板上に積層し、該積層した紫外線硬化型樹脂層に対し紫外線を照射して前記凹凸形状層を形成することを特徴とする請求項1または2記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記形成工程は、
前記基板上に積層した紫外線硬化型樹脂層上にさらに微細孔のあるフィルムを積層し、該積層した紫外線硬化型樹脂層に対し紫外線を照射して前記フィルムを固定し、前記フィルムの層上にさらにシリコーン樹脂からなる層を積層する工程をさらに有することを特徴とする請求項1または3に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記変形工程は、
前記凹凸形状層を加熱する加熱工程と、
前記加熱した凹凸形状層に対し慣性力を加える慣性力付加工程と、
を有し、前記凹凸形状層を延伸変形することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のパターン形成方法。
【請求項7】
前記慣性力は、遠心力であることを特徴とする請求項6に記載のパターン形成方法。
【請求項8】
請求項1から7の何れか1項に記載のパターン形成方法により形成された微細な凹凸形状層を有する樹脂成形品。
【請求項9】
請求項1から7の何れか1項に記載のパターン形成方法により形成された微細な凹凸形状層を有する樹脂成形品を用いて電鋳方法により前記微細な凹凸形状を金型に形成し、
前記金型を樹脂に転写することで前記微細な凹凸形状面を有する樹脂を形成することを特徴とするパターン複製方法。
【請求項10】
請求項9に記載のパターン複製方法により形成された微細な凹凸形状層を有する樹脂成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−247973(P2006−247973A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−66361(P2005−66361)
【出願日】平成17年3月9日(2005.3.9)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】