パチンコ機
【課題】確変遊技状態において転落抽選を行うパチンコ機において、変化に富んだ遊技を行うことができ、遊技に飽き難いパチンコ機を実現する。
【解決手段】転落抽選の当り値が設定された転落抽選テーブル53cには、中始動口21に対して2個の当り値が、右始動口22に対して1個の当り値がそれぞれ対応付けられており、転落抽選に当選して確変遊技状態から通常遊技状態に転落する確率は、右始動口22に入賞したときの方が中始動口21に入賞したときよりも低くなっている。これにより、変化に富んだ遊技を行うことができる。
【解決手段】転落抽選の当り値が設定された転落抽選テーブル53cには、中始動口21に対して2個の当り値が、右始動口22に対して1個の当り値がそれぞれ対応付けられており、転落抽選に当選して確変遊技状態から通常遊技状態に転落する確率は、右始動口22に入賞したときの方が中始動口21に入賞したときよりも低くなっている。これにより、変化に富んだ遊技を行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、確変遊技中に遊技球が始動口に入賞したときに、確変遊技状態を維持するか通常遊技状態に戻すかを抽選により決定するように構成されたパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
図25は、従来のパチンコ機の正面説明図である。従来のパチンコ機600は、発射ハンドル601と、遊技盤602と、始動口603と、演出表示器604と、上皿605と、変動入賞装置606とを備える。遊技者が発射ハンドル601を操作して発射された遊技球が始動口603に入賞すると、始動口603に入賞した遊技球を検出するスイッチがオンし、制御基板(図示省略)に搭載されたマイクロコンピュータが、大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行う。
【0003】
そして、演出表示器604が、複数の図柄(画像)を配列して成る図柄列(画像列)の変動表示(スクロール表示ともいう)を開始する。たとえば、連続した異なる数字(たとえば、0〜9)を表現した図柄を配列して成る図柄列を画面上の横方向3箇所の表示領域において、数字の昇順に画面の上から下へ移動するように表示する。また、機種によっては、画面の右から左へ移動するように図柄列を表示する。
【0004】
演出表示器604が図柄列を変動表示している途中で遊技球が始動口603に入賞した場合は、その入賞による図柄列の変動表示は直ぐには実行されず、一旦保留される。その保留数は、保留数表示装置609によって表示される。保留数表示装置609は、複数のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数が保留数を表す。なお、機種によっては、演出表示器604の画面に保留数を表示するものもある。
【0005】
そして、演出表示器604が画像列の変動表示を開始してから所定時間経過すると、各表示領域において図柄列の変動表示が停止し、前述したマイクロコンピュータによる判定結果に対応する図柄が各表示領域に確定表示される。たとえば、大当り判定の結果が大当りであった場合は、各表示領域に「7」が確定表示され、表示領域全体で「777」の同一数字から成る大当り図柄が確定表示される。また、抽選結果がハズレであった場合は、表示領域全体で「767」など、少なくとも1つ以上の表示領域に異なる図柄を有するハズレ図柄が確定表示される。
【0006】
なお、確定表示とは、大当り判定の結果を示す図柄が確定された表示状態のことであり、図柄列が再変動することのない表示状態のことである。以下、図柄列の変動表示が各表示領域においてそれぞれ開始されてから、大当り図柄またはハズレ図柄が各表示領域において確定表示されるまでを1回の変動表示と数える。
【0007】
演出表示器604が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、変動入賞装置606が開閉部材607を開作動させ、大入賞口608を開口させる。大入賞口608は、遊技球の入賞領域が普通の入賞口よりも大きいため、入賞が容易になる。そして、大入賞口608に規定数(たとえば、10個)の遊技球が入賞したという条件、あるいは、大入賞口608の開口時間が規定時間(たとえば、約30秒)に達したという条件が満足されると、開閉部材607が閉成し、大入賞口608が閉口する。
【0008】
そして、大入賞口608の開口から閉口までを1ラウンドとし、複数のラウンド(たとえば、最大14ラウンド)が実行され、その間に遊技者は多量の賞球を獲得することができる。以下、第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了までの遊技を大当り遊技という。また、特定の大当り図柄にて大当りが発生した場合は、当該大当りに基づく大当り遊技が終了した以降の遊技状態が、大当りの発生確率の高い遊技状態に変化する。このように大当りの発生確率が低確率から高確率に変化することを確変と呼ぶ。
【0009】
前述したマイクロコンピュータは、大当り判定において大当りと判定したときに、確変大当りか通常大当りかの判定(以下、確変大当り判定という)を行う。将来、確変が発生することになる大当りのことを確変大当りといい、確変大当り以外の大当りのことを通常大当りという。マイクロコンピュータは、大当り図柄の種類を抽選により決定し、その決定した大当り図柄が特定の大当り図柄であるか否かを判定し、特定の図柄であった場合に確変大当りと判定する。確変に変化した遊技状態を確変遊技状態といい、確変遊技状態以外の遊技状態を通常遊技状態という。機種により、確変遊技状態が、次の大当りが発生するまで継続するものもあり、図柄列の変動表示回数が規定回数に達するまで継続するものもある。
【0010】
また、確変遊技状態において遊技球が始動口に入賞したときに、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に戻すか、あるいは、現在の確変遊技状態を維持するかを抽選により決定する。つまり、遊技状態が現在の確変遊技状態から通常遊技状態に転落するか否かの抽選を行う。この抽選は、転落抽選と呼ばれている。この転落抽選において当選すると、つまり通常遊技状態に転落すると、次の確変遊技状態が到来するまで通常遊技状態の状態が継続される。
【0011】
この転落抽選の機能を有する機種では、転落抽選に当選して通常遊技状態に戻るリスクがあるため、確変遊技状態における大当りの発生確率が、転落抽選の機能を有しない機種よりも高く設定されている。
このように、確変遊技状態において転落抽選が行われる機種は、転落抽選に当選しない限り、大当りの発生確率が転落抽選が行われない機種よりも高い確率に維持されるが、転落抽選に当選すれば通常遊技状態に戻るリスクもあるという特徴を有する。また、転落抽選に当選する確率は常に一定となるように設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−178858号公報(第16段落)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、前述した従来のパチンコ機は、複数の始動口のうちどの始動口に入賞した場合でも転落抽選に当選する確率が同じであるため、遊技の変化に乏しく、遊技に早く飽きるという問題がある。
【0014】
そこで、この発明は、上記の問題を解決するために考えられたものであり、確変遊技状態において転落抽選を行うパチンコ機において、変化に富んだ遊技を行うことができ、遊技に飽き難いパチンコ機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明では、遊技球の流下領域が形成された遊技盤(5)と、前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置(4,4a〜4g)と、前記遊技盤に設けられた複数の始動口(21,22)と、前記遊技盤に設けられた入賞口(17〜20)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記複数の始動口のいずれかに入賞したときに大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行う大当り判定手段(S34)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記複数の始動口に入賞した数(以下、入賞数という)を計数する入賞数計数手段(S43)と、前記入賞数計数手段が計数した入賞数を特定の入賞数を上限として記憶し、かつ、前記始動口の入賞の発生順と前記大当り判定手段による判定結果とを対応付けて記憶する入賞数記憶手段(74a)と、前記入賞数記憶手段に1以上の入賞数が記憶されている場合に、識別情報を表した複数の画像を配列して成る画像列の変動表示をそれぞれ複数の表示領域において開始し、その開始から所定時間経過後に前記大当り判定の結果に対応する画像をそれぞれ前記複数の表示領域に確定表示する画像表示装置(30)と、前記画像列の変動表示が開始されてから、前記大当り判定の結果に対応する画像がそれぞれ前記複数の表示領域に確定表示されるまでを1回の変動表示とした場合に、前記画像表示装置が1回の変動表示を行う毎に前記入賞数記憶手段に記憶されている入賞数から1を減算する減算手段(S53)と、前記遊技盤に設けられており、遊技球の入賞領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口(24a,25a)を有し、前記大当り判定手段による大当り判定の結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が確定表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成された変動入賞装置(24,25)と、を備えたパチンコ機(1)において、
前記大当り判定において大当りと判定する確率の低い遊技状態を通常遊技状態とし、前記大当り判定において大当りと判定する確率の高い遊技状態を確変遊技状態とした場合に、
前記大入賞口が所定回数開閉する大当り遊技が終了した後の遊技状態が前記確変遊技状態に変化している場合に、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに、現在の確変遊技状態を前記通常遊技状態に変化させるか否かを抽選により決定する抽選手段(53b,53c、S24〜S26)を備えており、
前記抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、入賞する始動口毎に異なるように構成されたという技術的手段を用いる。
【0016】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のパチンコ機(1)において、前記画像表示装置の下方および右方にそれぞれ始動口(21,22)が設けられており、前記抽選手段(53b,53c、S24〜S26)が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、前記画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が前記画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されているという技術的手段を用いる。
【0017】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のパチンコ機(1)において、前記抽選手段(53b,53c、S24〜S26)が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、前記画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が前記画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されていることを報知する報知手段(Z4、S232)を備えるという技術的手段を用いる。
【0018】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0019】
(請求項1に係る発明の効果)
請求項1に係る発明を実施すれば、抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、入賞する始動口毎に異なるように構成されているため、変化に富んだ遊技を行うことができ、遊技に飽き難いパチンコ機を実現することができる。
【0020】
(請求項2に係る発明の効果)
請求項2に係る発明を実施すれば、抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されているため、確変遊技状態に変化したときに遊技球を画像表示装置の右方へ発射させることができるので、変化に富んだ遊技を行うことができ、遊技に飽き難いパチンコ機を実現することができる。
しかも、画像表示装置の右方に形成された流下領域の活用率を高めることもできる。
【0021】
(請求項3に係る発明の効果)
請求項3に係る発明を実施すれば、抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されていることを報知することができるため、上記の設定内容を知らない遊技者が不測の不利益を被るおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。
【図3】図2に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。
【図4】図2に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。
【図5】(a)は図2に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図2に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【図6】(a)は演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【図7】演出表示器30にメッセージ画像Z4が表示された状態を示す説明図である。
【図8】(a),(b)は演出表示器30に転落抽選結果画像Z2が表示された状態を示す説明図である。
【図9】始動口の入賞、保留数の発生、転落抽選、大当り判定、確変大当り判定および遊技状態の変化の各タイミングを示すタイミングチャートである。
【図10】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図11】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図12】転落抽選カウンタ53bの構成を示す模式図である。
【図13】転落抽選テーブル53cの構成を示す説明図である。
【図14】演出テーブルの構成を示す説明図である。
【図15】変動パターンテーブルの構成を示す説明図である。
【図16】(a)は保留テーブル74aの記憶内容を示す説明図であり、(b)は保留テーブルに記憶されているデータの記憶順位が繰り上がった状態を示す説明図である。
【図17】主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。
【図18】主制御用CPU52が図17のS502において実行する始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】図18に示す始動口処理の続きを示すフローチャートである。
【図20】主制御用CPU52が図17のS504において実行する変動開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】画像音声制御用CPU72が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。
【図22】画像音声制御用CPU72が図21のS601において実行するデータ受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】画像音声制御用CPU72が図21のS603において実行する変動パターン抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】画像音声制御用CPU72が図21のS606において実行する演出処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】従来のパチンコ機600の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施形態に係るパチンコ機について説明する。
[主要構成]
この実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【0024】
パチンコ機1の左側にはプリペイド記録媒体読取装置100が設けられている。パチンコ機1には、外殻を構成する外枠セット8が設けられており、この外枠セット8の前面には前枠セット2が設けられている。また、前枠セット2には天板1aが備えられており、その天板1aの左端前方には回動軸部材1bが設けられている。前枠セット2には透明なガラス枠セット3が、回動軸部材1bを回動軸にして開閉可能に取付けられている。
【0025】
ガラス枠セット3の内側には、遊技盤(図2において符号5で示す)が設けられており、前枠セット2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射ハンドル4aが取付けられている。発射ハンドル4aには、遊技球の発射強度を調節するための発射レバー4bが発射ハンドル4aに対して回動自在に装着されている。
【0026】
遊技盤5の下方には、パチンコ機1の内部から払出された賞球や貸球を貯留する上受け皿6が設けられている。上受け皿6には、貸球の払出しを行わせるために操作する貸出ボタン6cと、プリペイド記録媒体読取装置100のカード挿入口108から挿入され、装置内部に装填されているプリペイド記録媒体をカード挿入口108から返却させるために操作する返却ボタン6dと、プリペイド記録媒体に記録されている残り度数(残高)を表示する度数表示部6eとが設けられている。
【0027】
度数表示部6eは、残り度数を8セグLEDや液晶を使って数字で表示する。たとえば、度数表示部6eは、残り度数を3桁の数字で表示するように構成されており、たとえば、度数の最小表示単位が100円である場合に500円分が残っているときには、005と表示する。
【0028】
上受け皿6の下方には、上受け皿6の貯留可能数を超えて内部から流下した遊技球を貯留する下受け皿7が設けられている。下受け皿7には、下受け皿7に貯留されている遊技球を下受け皿7の下方に配置された賞球箱へ排出するために操作する球抜きレバー7aが設けられている。上受け皿6には、上受け皿6に貯留されている遊技球を下受け皿7へ排出させるために操作する球抜きレバー6aが設けられている。
【0029】
前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14とが設けられている。また、前枠セット2には、効果音を発生する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。また、上受け皿6には、遊技者が演出内容を選択するために操作する演出ボタン9が設けられている。
【0030】
プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイドカードの利用が可能であることを示す利用ランプ101と、貸出金額の単位(たとえば、100円、200円、300円、500円)の選択を行うための金額設定ボタン102と、金額設定ボタン102により選択した貸出金額を表示する貸出金額表示部103と、100円未満の残高およびメンテナンス情報を度数表示部6eに表示させる場合に押す端数表示ボタン104と、プリペイド記録媒体読取装置100が接続されるパチンコ機1の方向を示す連結台方向表示ランプ105とが設けられている。
【0031】
また、プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイドカードがパチンコ機1に対応していることを示す表示ランプ106と、プリペイドカードを挿入するカード挿入口108と、カード挿入口108にプリペイドカードが挿入されていることを示すカード挿入中ランプ107とが設けられている。プリペイド記録媒体読取装置100の内部には、カード挿入口108から挿入されたプリペイドカードを装填する装填装置(図示省略)が設けられている。
【0032】
カード挿入口108から挿入されたプリペイドカードは、その端部がカード挿入口108から突出しない状態で上記の装填装置に装填されるため、装填装置が故障すると、プリペイドカードを返却することができなくなる。そこで、装填装置は、カード挿入口108を含む前面パネルの一部と共に前面に引き出し可能に構成されている。装填装置は、普段はロック機構によって引き出し不能になっているが、プリペイド記録媒体読取装置100に設けられた鍵穴109から鍵を差し込んでロック状態を解除することができるように構成されている。
【0033】
[遊技盤の主要構成]
次に、パチンコ機1に備えられた遊技盤の主要構成について図を参照して説明する。
図2は図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。図3は図2に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。図4は図2に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。図5(a)は図2に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図2に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【0034】
遊技盤5の盤面には、遊技球が流下する遊技領域が形成されており、遊技球の流下経路は、遊技盤5の盤面に打ち込まれた多数の遊技釘28によって規制されている。遊技盤5の盤面の周囲には、発射ソレノイド(図10において符号4fで示す)などの発射装置によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット15が設けられている。
【0035】
遊技盤5の中央には、センター飾り16が設けられている。このセンター飾り16は、図3に示すように盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央領域を占有している。センター飾り16には、演出表示器30が設けられている。演出表示器30は、演出図柄の変動表示、確定図柄の確定表示、各種の演出画像の表示、保留数の表示、確変遊技状態において転落抽選の当選確率の低い始動口を指示するメッセージ画像(図7において符号Z4で示す)の表示および確変遊技状態における転落抽選の抽選結果を示す転落抽選結果画像(図8において符号Z2で示す)の表示などを行う。
この実施形態では、演出表示器30は、液晶表示器により構成されている。なお、LEDをドットマトリクス状に配置したドット表示器、7セグメントLED、有機EL表示器などを演出表示器30として用いることもできる。
【0036】
センター飾り16の左端には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。センター飾り16の下部には、流入口16bからセンター飾り16の内部に流入した遊技球が遊技領域に流出する流出口16cが開口形成されている。盤面の左側には、レールセット15の内周に沿って左サイド飾り36が設けられている。左サイド飾り36とセンター飾り16との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。その左寄り遊技領域には、遊技球の流下経路を変化させる風車35が回転自在に設けられている。
【0037】
左サイド飾り36には、左袖上入賞口17と、左袖入賞口18と、左下入賞口19とが設けられている。センター飾り16の左外面には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。図4に示すように、センター飾り16の内部には、流入口16bから流入した遊技球を案内するための案内通路16eが設けられている。センター飾り16の左内面には、案内通路16eによって案内された遊技球を流出させるための流出口16cが開口形成されている。
【0038】
センター飾り16の下部には、流出口16cから流出した遊技球が転動するためのステージ16dが設けられている。流出口16cから流出した遊技球は、ステージ16dの上を流下経路R2にて流下し、流下経路R3〜R5のいずれかに沿って流下する。ステージ16dの直下であって、流下経路R3に沿った箇所には、中始動口21が設けられている。遊技状態が確変遊技状態に変化しているときに遊技球が中始動口21に入賞すると、現在の確変遊技状態から通常遊技状態へ転落するか否かを決定するための抽選、いわゆる転落抽選が行われる。ステージ16dの上方には、流出口16cから流出した遊技球以外の遊技球がステージ16dに落下しないようにするための防護部材16fが設けられている。センター飾り16の上面には、案内部16aが形成されており、案内部16aに乗った遊技球は、流下経路R1に沿って、センター飾り16の右方に形成された右寄り遊技領域(流下領域)へ案内される。
【0039】
盤面の右側には、右サイド飾り37が設けられており、その右サイド飾り37には、ゲート23および右肩入賞口20が設けられている。右寄り遊技領域のセンター飾り16には、普通電動役物27が設けられている。普通電動役物27は、翼形状の開閉翼片27cを備えている。開閉翼片27cは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方(図中では右方)へ開いたり内方(図中では左方)へ閉じたりする。
【0040】
開閉翼片27cが外方へ開くと、その開いた開閉翼片27cとセンター飾り16との間に右始動口22が形成される。図5は、開閉翼片27cが外方へ開き、右始動口22が形成された状態を示す。遊技状態が確変遊技状態に変化しているときに遊技球が右始動口22に入賞すると、現在の確変遊技状態から通常遊技状態へ転落するか否かを決定するための抽選、いわゆる転落抽選が行われる。遊技盤5の下方には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口26が開口形成されている。
【0041】
演出表示器30の上方であってセンター飾り16の中央には、LEDによって装飾された可動役物40が設けられている。図4に示すように、可動役物40の両端は、支持部材40a,40aによって支持されている。図4に示すように、可動役物40は、確変遊技状態における転落抽選に当選したときに演出表示器30の前面に自然落下し、図2に示すように、モータ(図11において右リフトモータ40dおよび左リフトモータ40fで示す)などの昇降装置によって上昇して落下前の原点に復帰する。また、可動役物40は、転落抽選に当選しなかったときは動作せず、下降しない。
【0042】
また、可動役物40は、モータ(図11において家紋モータ40bで示す)およびカム機構(図示せず)などの駆動装置によって振動する。図4に示すように、可動役物40の背面には、LEDによって装飾された可動役物43が設けられている。可動役物43は、モータ(図11において万華鏡モータ43aで示す)などの駆動装置によって回転し、可動役物40が落下すると、その背後から出現する。また、センター飾り16の両側には、可動役物41,42が設けられている。可動役物41,42は、それぞれモータ(図11において左竜モータ41aおよび右竜モータ42aで示す)などの駆動装置によって作動する。
【0043】
また、図3に示すように、センター飾り16の下部であって、演出表示器30の前面下部には、箱状の収納部材46が設けられている。この収納部材46の内部には、図4に示す可動役物44,45が収納されている。可動役物44,45は、それぞれモータ(図11において扉左モータ44aおよび扉右モータ45aで示す)などの駆動装置によって左右方向へ移動する。可動役物44,45は、合体したときに一つの意匠を構成する。
【0044】
収納部材46の正面および背面は、透光性材料によって形成されており、遊技者が可動役物44,45の状態を視認できるようになっている。また、相互に離反した可動役物44,45間に形成された空間の奥には、LEDにより装飾された装飾部材(図示省略)が設けられており、可動役物44,45が相互に離反したときに装飾部材の各LEDが点灯または点滅するようになっている。
【0045】
この実施形態では、可動役物40は、家紋を模した形状に形成されており、可動役物40を装飾しているLEDが点灯することによって家紋が浮き出るように構成されている。また、可動役物43は万華鏡を模した形状に形成されており、可動役物43を装飾しているLEDが点灯または点滅することにより、あたかも万華鏡を覗いているように見える演出を行う。また、可動役物41,42は、それぞれ竜の頭を模した形状に形成されており、前述した駆動装置によって竜が口を開閉する。
【0046】
図4は、可動役物41,42が作動し、一対の竜がそれぞれ口を開けた状態を示す。また、可動役物41,42の内部には、それぞれLED41c,42cが設けられており、そのLEDが点灯することにより、あたかも竜が火を吹くように見える演出を行う。また、可動役物44,45は、それぞれ扉形状に形成されており、各前面には竜の一部がそれぞれ描かれている。そして、可動役物44,45が合体すると、竜が完成するようになっている。
【0047】
上述した各可動役物40〜45は、遊技中の所定のタイミングで動作して演出効果を高める。また、各可動役物40〜45は、大当りの発生の予告、大当りの発生の示唆、演出表示器30が大当り発生の確率が高い演出画像を表示することの予告など、各種の報知および予告を行う。
【0048】
図2において中始動口21と右肩入賞口20との間(図中において符号Bで示す破線で囲まれた領域)には、図5(a)に示すように、第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25が上下に重ねて設けられている。第1変動入賞装置24は、横長板状の第1開閉部材24dを備えており、この第1開閉部材24dは、ソレノイド(図10において第1大入賞口ソレノイド24bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第1開閉部材24dが開放すると、第1大入賞口24aが開口する。
【0049】
第2変動入賞装置25は、横長板状の第2開閉部材25dを備えており、この第2開閉部材25dは、ソレノイド(図10において第2大入賞口ソレノイド25bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第2開閉部材25dが開放すると、第2大入賞口25aが開口する。図5(a)は、第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aがそれぞれ開口した状態を示す。第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aは、大当りが発生したときに開口する。この実施形態では、第1開閉部材24dおよび第2開閉部材25dは、それぞれ横長の板状に形成されており、両側の下端を軸にして前後に開閉するように構成されている。
【0050】
図2において左サイド飾り36の左袖上入賞口17の左側(図中において符号Aで示す破線で囲まれた領域)には、図5(b)に示すように、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが設けられている。
この実施形態では、特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置33および普通図柄保留数表示装置34は、それぞれLEDにより構成されているが、液晶表示装置などにより構成することもできる。
【0051】
特別図柄表示装置31は複数(たとえば、図5(b)に示すように7個)のLEDにより構成されており、それらのLEDは、遊技球が中始動口21または右始動口22に入賞すると所定の点滅パターンで点滅する。それらのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が特別図柄を構成し、LEDが点滅している状態が、特別図柄が変動表示している状態である。
【0052】
特別図柄表示装置31は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときに点灯しているLEDおよび消灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。大当りの種類は、大当り遊技において実行可能な最大ラウンド数、通常大当り、確変大当りおよび時短のうちの2つ以上を組み合わせて構成されている。
【0053】
また、大当りの種類によって第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25のどちらかが動作して大当り遊技が行われる。
ここで、時短とは、特別図柄が変動表示を開始したタイミングから変動表示を終了したタイミングまでに要する時間が短縮され、かつ、普通図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間が短縮された遊技状態をいう。
【0054】
特別図柄表示装置31が特別図柄を変動表示しているときに遊技球が中始動口21または右始動口22に入賞したときは、その入賞に基づく特別図柄の変動表示は直ぐに実行されず、一旦保留される。その保留数は、演出表示器30によって表示される。この実施形態では、図7に示すように、演出表示器30が保留数の数を示す保留数画像Z3を表示する。図示の例では、保留数画像Z3は、丸い形状の画像であり、保留数画像Z3の数が保留数を表している。
【0055】
図7に示す例では、確変遊技状態において4個の保留数画像Z3が表示されており、保留数が4個であることを表している。また、4個の保留数画像Z3は、保留の発生順に配列されており、左端から順に発生順が1番、2番、3番、4番である。
【0056】
演出表示器30は、液晶表示器であり、特別図柄表示装置31の演出効果を高める目的で設けられている。つまり、特別図柄表示装置31は、複数のLEDによって構成されており、LEDの点滅のみでは演出効果が乏しいため、演出表示器30が演出図柄を示す画像を変動表示したり、演出用の動画などの演出画像を表示したりすることによって演出効果を高めている。
【0057】
なお、演出図柄とは、LEDによって表示される特別図柄に代わって表示する演出用の図柄(画像)のことであり、複数の識別情報を表現した図柄である。たとえば、0〜9の数字(識別情報)を表現した図柄であり、演出表示器30は、図柄を配列した図柄列(画像列)を数字の昇順に表示する。また、演出表示器30は、動画および静止画像により構成された演出画像を単独で、あるいは、演出図柄と共に表示する。
【0058】
演出表示器30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を開始すると同時に演出画像および演出図柄の表示を開始する。また、演出表示器30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を終了すると同時に演出画像および演出図柄の表示を終了し、特別図柄表示装置31が確定表示した大当り図柄またはハズレ図柄に対応する演出図柄を確定表示する。
【0059】
図6(a)は演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
演出表示器30は、横方向に配列された3つの表示領域A,B,Cを有する。各表示領域は、それぞれ数字や英文字などの識別情報を表した演出図柄を変動表示する。この実施形態では、演出表示器30は、0〜9の数字を表した演出図柄を数字の昇順に画面の上から下へ移動するように変動表示する。
【0060】
図6(a)に示す例は、各表示領域A〜Cにおいてそれぞれ変動表示されている演出図柄のある瞬間を表現したものであり、表示領域Aに演出図柄「7」が表示され、表示領域Bに演出図柄「8」が表示され、表示領域Cに演出図柄「6」が表示されている。また、同図(b)に示す例は、表示領域A,Cに演出図柄「7」が確定表示され、表示領域Bのみにおいて演出図柄が変動表示されている状態のある瞬間を表現したものであり、いわゆるリーチ変動の態様になっている。
【0061】
ここで、リーチ変動とは、大当り判定の結果が大当りであることを示す大当り図柄を構成する演出図柄が複数の表示領域のうち1つの表示領域以外の表示領域においてそれぞれ確定表示されており、上記1つの表示領域では演出図柄の図柄列の変動表示が行われている変動態様のことである。リーチ変動以外の図柄列の変動態様のことを通常変動という。
【0062】
演出表示器30は、リーチ変動において、大当り図柄が確定表示されるか否か、遊技者をドキドキさせる演出を行う。たとえば、図6(b)に示す例において、表示領域Bにおける変動速度を遅くし、演出図柄6が画面の上端から出現したときに変動速度をより一段と遅くする。また、一旦、演出図柄7で停止するように見せかけて、再度、表示領域Bのみが変動表示を開始したりする。図6(c)に示す例では、表示領域A〜Cによって大当り図柄の一例である「777」が確定表示されている。
【0063】
また、演出表示器30は、確変大当りに基づく大当り遊技が終了し、確変遊技状態に変化したときに、始動口に入賞したときに行われる転落抽選に当選して通常遊技状態に転落する確率は、中始動口21よりも右始動口22の方が低いことを報知するためのメッセージ画像Z4を演出表示器30に表示する。図7に示す例では、メッセージ画像Z4は、「確変突入!右の始動口は転落確率が低いよ!」という内容である。この実施形態では、転落抽選に当選する確率は、中始動口21が2/10であり、右始動口22が1/10である(図13)。このように、転落抽選に当選する確率が中始動口21よりも右始動口22の方が低いことを報知するため、転落抽選に当選する確率が始動口によって異なることを知らない遊技者が不測の不利益を被るおそれがない。
【0064】
また、演出表示器30は、転落抽選の抽選結果を表示する。この実施形態では、転落抽選の抽選結果が当選の場合は、転落抽選の抽選結果を表す転落抽選結果画像Z2としてドクロを模した画像を表示する。また、転落抽選の抽選結果がハズレの場合は、転落抽選結果画像Z2として人の笑顔を模した画像を表示する。
図8(a)に示す例では、変動表示している演出図柄Z1の背景にドクロを模した転落抽選結果画像Z2が表示されており、転落抽選に当選したことを表している。また、特別図柄の保留数を示す保留数画像を用いて、転落抽選の結果を表示することもできる。
【0065】
図8(b)に示す例では、4個の保留数画像Z3が表示されており、保留数が上限の4個に達していることを示す。また、保留数画像Z3は保留の発生順に左から配列されており、保留の1個目から3個目に対応する保留数画像Z3が人の笑顔を模した画像になっている。これは、保留の1個目から3個目において行われた転落抽選の抽選結果がそれぞれハズレであったことを示している。また、保留の4個目に対応する保留数画像Z3がドクロを模した画像に変化している。これは、保留の4個目が発生したときに行われた転落抽選の抽選結果が当りであったことを示している。
【0066】
また、図8(b)に示す結果は、1個目〜3個目の保留が消化される期間は確変遊技状態が継続するが、4個目の保留が発生したとき以降は通常遊技状態に変化することを意味する。
このように、演出表示器30が、転落抽選の抽選結果を示す転落抽選結果画像Z2を表示するため、遊技者は、その転落抽選結果画像Z2を見ることにより、転落抽選の抽選結果を知ることができる。
【0067】
したがって、遊技者は、ドクロを模した転落抽選結果画像Z2が表示されたから、大当り発生の確率が低くなったので遊技を中止しよう、あるいは、笑顔を模した転落抽選結果画像Z2が表示されたから、大当り発生の確率が高い状態が維持されたので遊技を継続しようなどと決断することができる。
【0068】
転落抽選結果画像Z2は、静止画でも良いし、動画でも良い。たとえば、顔の表情が人の笑顔およびドクロ間で交互に変化し、転落抽選の抽選結果を示す画像で静止するようにしても良い。また、演出図柄の背景色を複数色用意し、その背景色の相違により、転落抽選の結果および当選した場合に決定した遊技状態を報知することもできる。さらに、演出図柄の表示色を複数色用意し、その表示色の相違により、転落抽選の結果および当選した場合に決定した遊技状態を報知することもできる。
【0069】
普通図柄表示装置33は、複数(たとえば、図5(b)に示すように2個)のLEDにより構成されており、各LEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が普通図柄を構成する。また、普通図柄表示装置33がLEDを点滅させている状態が、普通図柄が変動表示している状態であり、変動表示が終了したときに点灯および消灯しているLEDの組合せによって普通図柄の当りまたはハズレが報知される。当りの普通図柄が確定表示されると、普通電動役物27の開閉翼片27cの開放時間が長くなり、普通電動役物27への入賞確率が高くなる。つまり、単位時間当りに特別図柄が変動表示を開始する回数が多くなり、大当りが発生する確率が高くなる。
【0070】
遊技球がゲート23を通過すると、普通図柄表示装置33が普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄表示装置33が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート23を通過したときは、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その保留数は普通図柄保留数表示装置34により表示される。この実施形態では、普通図柄保留数表示装置34は、4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって保留数を表示する。つまり、この実施形態では、普通図柄保留数は最大4個である。
【0071】
[パチンコ機の主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図10および図11を参照して説明する。
【0072】
図10に示すように、主制御基板50には、主制御用MPU51が搭載されている。主制御用MPU51は、主制御用CPU52と、主制御用ROM53と、主制御用RAM54とを備える。
【0073】
主制御用CPU52は、大当り判定、確変大当り判定、転落抽選、転落抽選に当選した場合の遊技状態の設定、大当り図柄の抽選、ハズレ図柄の抽選、入賞の検出、ゲート通過の検出、普通図柄の当り判定、賞球の払出命令など、遊技の進行に必要な処理を実行する。主制御用CPU52は、確変遊技状態のときに遊技球が中始動口21または右始動口に入賞したときは、転落抽選を行った後に大当り判定を行う。
【0074】
また、主制御用MPU51は、バックアップ電源端子VBBと、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子とを備える。
主制御用ROM53には、主制御用CPU52が上記の各処理を実行するためのコンピュータプログラム、各制御基板へ送信する制御コマンド、大当り判定を行う際に参照する大当り値が設定された大当り値テーブル(図示省略)、転落抽選を行う際に参照する転落抽選テーブル(図13において符号53cで示す)、各種の演出を行うときに参照する演出テーブル(図14において符号73bで示す)などが読出し可能に記憶されている。
【0075】
主制御用RAM54は、主制御用CPU52が前述した各処理を実行するときに使用するワーク領域を有する。また、主制御用RAM54は、主制御用CPU52が前述した各処理を実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、主制御用RAM54は、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されたときにコンデンサ(図示省略)からバックアップ電源の供給を受け、確変大当り判定の結果など、電源遮断直前に記憶していたデータを記憶保持する。
【0076】
また、主制御基板50には、中始動口21に入賞した遊技球を検出する中始動口スイッチ21aと、右始動口22に入賞した遊技球を検出する右始動口スイッチ27aと、外部端子板503とが電気的に接続されている。主制御用CPU52は、大当りの発生回数、入賞数および特別図柄の変動回数などのデータを外部端子板503を介してホールコンピュータへ送信する。ホールコンピュータは、当該パチンコ機1が設置されたパチンコホールの管理室などに配置されている。
【0077】
また、主制御基板50には、図柄表示基板84が電気的に接続されている。図柄表示基板84には、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが搭載されている。また、主制御基板50には、払出制御基板60と、セキュリティ中継端子板89と、電源基板76とが電気的に接続されている。
【0078】
セキュリティ中継端子板89には、不正行為において使用される誘導磁界を検出するための誘導磁界センサ500と、不正行為において使用される磁気を検出するための第1磁気センサ501と、第2磁気センサ502とが電気的に接続されている。
払出制御基板60には、下受け皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下皿満杯スイッチ7bと、扉開放中継端子板86とが電気的に接続されている。扉開放中継端子板86には、ガラス枠セット3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ87と、外枠セット8が開放された状態を検出するための外枠開放スイッチ88とが電気的に接続されている。
【0079】
また、払出制御基板60には、払出中継端子板83が電気的に接続されており、払出中継端子板83には、遊技球を上受け皿6へ払出す部材を駆動するための払出モータ38cと、この払出モータ38cによって払出された遊技球を検出するための前部払出センサ38a,後部払出センサ38bと、払出モータ38cによって払出す遊技球が切れていることを検出する前部球切れスイッチ38d,後部球切れスイッチ38eとが電気的に接続されている。これらの前部払出センサ38a〜後部球切れスイッチ38eが賞球払出装置を構成している。
【0080】
払出制御基板60には、払出制御用MPU61が搭載されており、その払出制御用MPU61は、払出制御用CPU62と、払出制御用ROM63と、払出制御用RAM64とを備える。払出制御用CPU62は、主制御用MPU51から送信される払出制御コマンドに従って払出モータ38cを制御し、賞球および貸球の払出しを制御する。また、払出制御用CPU62は、前部払出センサ38aおよび後部払出センサ38bからそれぞれ出力される信号の変化を検出し、払出された賞球数および貸球数を計数する。また、払出制御用MPU61は、バックアップ電源端子VBBと、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子とを備える。
【0081】
払出制御用ROM63には、払出制御用CPU62が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に記憶されている。払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、払出制御用RAM64は、未払いの賞球数および貸球数を記憶し、主電源77が遮断されたときに、未払いの賞球数および貸球数を記憶保持する。
【0082】
また、払出制御基板60には、プリペイドカードなどのプリペイド媒体の残り度数を表示する度数表示基板504が貸出装置接続端子板78を介して電気的に接続されている。貸出装置接続端子板78には、プリペイドカードまたはプリペイドコインなどのプリペイド記録媒体を読取るプリペイド記録媒体読取装置100(図1)が電気的に接続されている。
【0083】
さらに、発射制御基板4には、遊技球を発射する発射装置を駆動する発射ソレノイド4fと、遊技球を発射位置へ供給する球供給装置を駆動する球送りソレノイド4gと、発射レバー4bの回動量に応じて発射装置4の発射強度を調節するための発射強度電子ボリューム4cと、遊技者が発射レバー4bに触れたことを検出して発射装置4を駆動させるためのタッチスイッチ4dと、発射レバー4bの回動によってオンまたはオフし、発射ソレノイド4fを駆動する発射スイッチ4eとが電気的に接続されている。
【0084】
主制御基板50には、盤面中継端子板37が電気的に接続されており、その盤面中継端子板37には、左袖上入賞口17に入賞した遊技球を検出するための左袖上入賞口スイッチ17aと、左袖入賞口18に入賞した遊技球を検出するための左袖入賞口スイッチ18aと、左下入賞口19に入賞した遊技球を検出するための左下入賞口スイッチ19aと、右肩入賞口20に入賞した遊技球を検出するための右肩入賞口スイッチ20aと、第1大入賞口24aに入賞した遊技球を検出するための第1大入賞口スイッチ24cと、ゲート23を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ23aと、第2大入賞口25aに入賞した遊技球を検出するための第2大入賞口スイッチ25cと、第1変動入賞装置24を駆動するための第1大入賞口ソレノイド24bと、普通電動役物27を駆動するための普通電動役物ソレノイド27bと、第2変動入賞装置25を駆動するための第2大入賞口ソレノイド25bとが電気的に接続されている。
【0085】
図11に示すように、パチンコ機1には、演出制御基板400が設けられており、その演出制御基板400には、画像音声制御基板70と、盤面演出中継端子板82と、盤面LED中継端子板81と、補助演出駆動基板410と、演出電源基板79とが電気的に接続されている。演出制御基板400には、演出制御用CPU402を備えた演出制御用MPU401が搭載されている。演出制御用CPU402は、主制御用CPU52(図10)から送信された演出制御信号を受信し、その受信した演出制御信号を対応する基板に振り分ける処理などを行う。
【0086】
画像音声制御基板70には、液晶中継端子板30aを介して演出表示器30が電気的に接続されている。また、画像音声制御基板70には、盤面演出中継端子板82が電気的に接続されており、その盤面中継端子板82には、枠部演出中継端子板85を介して右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが電気的に接続されている。また、枠部演出中継端子板85には、枠部LED駆動基板66を介して照光付演出スイッチ9aが電気的に接続されている。照光付演出スイッチ9aは、演出ボタン9を押圧操作したときにオンし、演出ボタン9に内蔵されているLEDを点灯させるスイッチである。
【0087】
画像音声制御基板70には、画像音声制御用MPU71および音量調節装置75が搭載されている。画像音声制御用MPU71は、画像音声制御用CPU72と、画像音声制御用ROM73と、画像音声制御用RAM74とを備える。画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って演出表示器30を制御し、演出制御信号に対応する画像を演出表示器30に表示させる。また、画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って各スピーカ10〜12を駆動し、演出制御信号に対応する効果音などを各スピーカ10〜12から出力させる。
【0088】
画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブル(図14,図15)が読出し可能に記憶されている。
【0089】
画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。音量調節装置75は、各スピーカ10〜12が出力する効果音などの音量を調節する音量調節つまみを備える。
【0090】
補助演出駆動基板410には、補助演出上中継端子板508と、補助演出右中継端子板68と、補助演出下中継端子板507とが電気的に接続されている。補助演出上中継端子板508には、可動役物40の背面に配置された可動役物43を回転させる万華鏡モータ43aと、その可動役物43が原点に復帰したことを検出する万華鏡原点センサ43bと、可動役物42を駆動する右竜モータ42aと、可動役物42が原点に復帰したことを検出する右竜原点センサ42bと、可動役物41を駆動する左竜モータ41aと、可動役物41が原点に復帰したことを検出する左竜原点センサ41bとが電気的に接続されている。
【0091】
補助演出右中継端子板68には、可動役物40を振動させる家紋モータ40bと、可動役物40の位置を検出する家紋位置確認センサ40cと、可動役物40を上昇させる右リフト(図示省略)を駆動する右リフトモータ40dと、右リフトが原点に復帰したことを検出する右リフト原点センサ40eとが電気的に接続されている。
補助演出下中継端子板507には、可動役物40を上昇させる左リフト(図示省略)を駆動する左リフトモータ40fと、左リフトが原点に復帰したことを検出する左リフト原点センサ40gと、収納部材46に収納された右側の可動役物45を移動させる扉右モータ45aと、その可動役物が原点に復帰したことを検出する扉右原点センサ45bと、左側の可動役物44を移動させる扉左モータ44aと、その可動役物44が原点に復帰したことを検出する扉左原点センサ44bとが電気的に接続されている。
【0092】
補助演出駆動基板410には、補助演出制御用MPU420が搭載されている。補助演出制御用MPU420は、補助演出制御用CPU421と、補助演出制御用ROM422と、補助演出制御用RAM423とを備える。補助演出制御用CPU421は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って可動役物40〜45などの動作を制御する。補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブル(たとえば、可動役物40〜45などの動作パターン)が読出し可能に記憶されている。
【0093】
補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。
【0094】
また、パチンコ機1には、主電源(AC/24V)77に接続された電源基板76(図10)が備えられており、電源基板76は、主電源77から供給される電源を主制御基板50と、払出制御基板60と、演出電源基板79(図11)とに供給する。演出電源基板79は、電源基板76から供給される電源を演出電源基板79と電気的に接続された各基板へ分配する。盤面LED中継端子板81には、遊技盤5に設けられた装飾用の各LEDが搭載されている。
【0095】
[転落抽選の方法]
次に、主制御用CPU52が実行する転落抽選の方法について図を参照して説明する。図12は転落抽選カウンタ53bの構成を示す模式図であり、図13は転落抽選テーブル53cの構成を示す説明図である。
【0096】
図12に示すように、転落抽選カウンタ53bは、0〜9の数値をカウントするリングカウンタである。図13に示すように、転落抽選テーブル53cは、中始動口21および右始動口22と当り値とを対応付けて構成されている。この実施形態では、中始動口21には2個の当り値4,9が、右始動口22には1個の当り値4がそれぞれ対応付けられている。つまり、転落抽選に当選する確率は、中始動口21に入賞した場合が2/10であり、右始動口22に入賞した場合が1/10である。
【0097】
主制御用CPU52は、中始動口スイッチ21a(図10)がオンしたことに基づき、遊技球が中始動口21に入賞したと判定し、右始動口スイッチ27a(図10)がオンしたことに基づき、遊技球が右始動口22に入賞したと判定する。そして、中始動口スイッチ21aまたは右始動口スイッチ27aがオンしたと判定したときに転落抽選カウンタ53bがカウントした数値を1つ取得する。
【0098】
そして、主制御用CPU52は、転落抽選テーブル53cを参照し、上記の取得した数値と同じ数値の当り値が、今回の転落抽選を実行する起因となった入賞の発生した始動口に対応付けられている場合は当りと判定し、対応付けられていない場合はハズレと判定する。たとえば、中始動口21に入賞したときに転落抽選カウンタ53bから取得した数値が9であった場合は、転落抽選テーブル53cの中始動口に当たり値9が対応付けられているため、当りと判定する。
【0099】
[演出テーブル]
図14に示すように、画像音声制御用ROM73には、演出テーブル73bが参照可能に記憶されている。演出テーブル73bには、演出図柄テーブル、変動パターンテーブル、演出内容テーブル、LED点灯パターンテーブル、音楽テーブル、大当り演出画像テーブル、客待ち画像テーブル、ボタン演出画像テーブルなど、演出に必要なデータが参照可能に記憶されている。
【0100】
演出図柄テーブルは、演出表示器30が確定表示するハズレ図柄または大当り図柄を画像音声制御用CPU72が抽選で決定するときに参照するテーブルである。変動パターンテーブルは、演出表示器30が変動表示する演出図柄の変動パターンを画像音声制御用CPU72が抽選で決定するときに参照するテーブルである。この実施形態では、変動パターンテーブルは、図15に示すように、演出図柄の変動パターンを抽選により決定するための乱数A〜乱数Dとを対応付けて構成されている。
【0101】
乱数A〜乱数Dは、それぞれ変動パターン抽選カウンタがカウントするカウント値であり、各乱数は、変動パターン抽選カウンタがカウントするカウント値の範囲に等しい。つまり、画像音声制御用CPU72が所定のタイミングで変動パターン抽選カウンタから取得したカウント値が乱数となる。その変動パターン抽選カウンタは、たとえば、複数の連続した数値(たとえば、0〜239)をカウントするリングカウンタである。乱数A〜乱数Dは、それぞれグループ1〜グループnに分けられている。
【0102】
乱数Aを構成するグループ1にはそれぞれ乱数Bの複数のグループが対応付けられており、乱数Aを構成するグループnには乱数Dのグループnが対応付けられている。乱数Bを構成する各グループにはそれぞれ乱数Cの複数のグループが対応付けられている。乱数Cを構成する各グループにはそれぞれ乱数Dの複数のグループが対応付けられている。また、乱数Dの各グループを構成する各乱数には、それぞれ種類の異なる変動パターンが対応付けられている。
【0103】
画像音声制御用CPU72は、演出図柄の変動パターンを決定するタイミングになると、乱数A〜乱数Dを発生する各変動パターン抽選カウンタから乱数(カウント値)を1つずつ取得する。そして、乱数Aを発生する変動パターン抽選カウンタから取得した乱数が属するグループのうち、乱数Bを発生する変動パターン抽選カウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Bのグループに対応付けられているグループのうち、乱数Cを発生する変動パターン抽選カウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Cのグループに対応付けられているグループのうち、乱数Dを発生する変動パターン抽選カウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Dのグループに対応付けられている変動パターンを選択する。
【0104】
つまり、乱数A、乱数B、乱数C、乱数Dの順に選択し、最終的に乱数Dに対応付けられている変動パターンを選択する。このように複数の乱数と変動パターンとを対応付けて構成することにより、同じ種類の変動パターンが選択される確率が低くなっており、遊技者が飽きないように工夫されている。
また、変動パターンのうち、リーチパターンには、リーチ変動を行うための複数種類のリーチパターンが設定されている。たとえば、ノーマルリーチパターンおよびスーパーリーチパターンが設定されている。
【0105】
ノーマルリーチパターンとは、リーチに発展する変動パターンであるリーチパターンの中でも出現確率の高い変動パターンのことであり、スーパーリーチパターンとは、ノーマルリーチパターンよりも出現確率の低い変動パターンのことである。また、大当りは、リーチパターンを経て発生するようになっており、特に、スーパーリーチパターンが出現したときに大当りの発生確率が高くなるように構成されている。
つまり、遊技者から見ると、スーパーリーチパターンが出現したときの大当り発生に対する期待度が最も高くなるように構成されている。
【0106】
乱数Dのグループnには、演出図柄の変動途中でリーチに発展しない通常変動パターンが対応付けられており、乱数Aのグループnに属する乱数が選択された場合は、通常変動パターンが選択される。
【0107】
また、図示しないが、画像音声制御用ROM73には、通常遊技状態、確変遊技状態、大当り判定の結果および特別図柄保留数によって異なる構成の変動パターンテーブルが記憶されており、遊技状態に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成されている。
【0108】
演出内容テーブル(図14)は、演出表示器30が演出図柄の変動表示を行う過程において演出図柄とは別個に表示する演出内容を抽選で決定するときに参照するテーブルである。演出内容とは、たとえば、動画および静止画像を組み合わせて構成される。また、動画には、パチンコ機のメーカーが独自に創作したオリジナルの動画、あるいは、テレビや映画などで周知になっている動画などが含まれる。
【0109】
また、演出内容は、演出図柄の変動パターンと組み合わせて表示されたり、組み合わされないで単独で表示されたりするものが存在する。演出内容テーブルは、演出内容の表示時間毎に画像音声制御用ROM73に記憶されている。また、演出内容の表示時間は、特別図柄変動時間と等しいため、演出内容テーブルは、少なくとも特別図柄変動時間と同じ数設けられている。
【0110】
演出内容の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする演出内容抽選カウンタを用いて行う。演出内容テーブルは、演出内容抽選カウンタのカウント値と演出内容とを対応付けて構成されている。また、異なる表示時間毎に各演出内容が設定されており、1つの表示時間には複数種類の演出内容が設定されている。
画像音声制御用CPU72は、演出内容抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、主制御用CPU52から指示された変動パターンの変動時間と同じ表示時間の演出内容を演出内容テーブルの中から読出す。
【0111】
LED点灯パターンテーブルは、画像音声制御用CPU72がパチンコ機1に設けられた各種のLEDの点灯パターンを抽選で決定するときに参照するテーブルである。LEDの点灯パターンの抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするLED点灯パターン抽選カウンタを用いて行う。
【0112】
LED点灯パターンテーブルは、LED点灯パターン抽選カウンタのカウント値と、LEDの点灯パターンとを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、LED点灯パターン抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているLEDの点灯パターンをLED点灯パターンテーブルから読出し、その点灯パターンに従ってLEDを点灯するように演出制御用CPU402に指示する。
【0113】
音楽テーブルは、画像音声制御用CPU72が各スピーカ10〜12が出力する音楽を抽選で決定するときに参照するテーブルである。音楽の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする音楽抽選カウンタを用いて行う。
【0114】
音楽テーブルは、音楽抽選カウンタのカウント値と、音楽とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、音楽抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている音楽を音楽テーブルから読出し、それを出力するように音声出力装置43に指示する。
【0115】
大当り演出画像テーブルは、大当りが発生したときに画像音声制御用CPU72が演出画像を抽選で決定するときに参照するテーブルである。演出画像の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り演出画像抽選カウンタを用いて行う。大当り演出画像テーブルは、大当り演出画像抽選カウンタのカウント値と、大当り演出画像の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、大当り演出画像抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている大当り演出画像の種類を大当り演出画像テーブルから読出し、それを表示するように演出表示器30に指示する。
【0116】
客待ち画像テーブルは、パチンコ機1に遊技者が付いていない、いわゆる客待ち状態のときに画像音声制御用CPU72が演出表示器30に客待ち画像の表示を指示するためのデータが記憶されたテーブルである。
【0117】
ボタン演出画像テーブルは、演出ボタン9がオンしたときに画像音声制御用CPU72がボタン演出画像(演出ボタン9を押して選択することが可能な演出画像)の内容を抽選で決定するときに参照するテーブルである。ボタン演出画像の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするボタン演出画像抽選カウンタを用いて行う。ボタン演出画像テーブルは、ボタン演出画像抽選カウンタのカウント値と、ボタン演出画像の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、演出ボタン9がオンしたときにボタン演出画像抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているボタン演出画像の種類をボタン演出画像テーブルから読出し、それを表示するように演出表示器30に指示する。
【0118】
[保留発生時の記憶内容]
次に、特別図柄の保留が発生したときに画像音声制御用RAM74に記憶される内容について図を参照して説明する。
図16(a)は保留テーブルの記憶内容を示す説明図であり、(b)は保留テーブルに記憶されているデータの記憶順位が繰り上がった状態を示す説明図である。
【0119】
なお、以下の説明では、確定図柄とは、演出表示器30が確定表示した演出図柄のことであり、通常大当り図柄、確変大当り図柄およびハズレ図柄のいずれかを指す。また、保留テーブルは、中始動口21および右始動口22に対してそれぞれ設けられているが、ここでは、中始動口21に対する保留テーブルを代表にして説明する。また、中始動口21および右始動口22に対する保留数の上限はそれぞれ4個であるとする。
【0120】
保留テーブル74aは、遊技球が第1始動口21に入賞したときに発生したデータを記憶する。図中の「保留順位」は、保留が発生した順番を示す。また、保留テーブル74aは、特別図柄保留数U1を記憶する。「転落抽選」は、転落抽選の抽選結果を示す。「遊技状態」は、転落抽選により決定された遊技状態を示す。「大当り判定」は、遊技球が中始動口21に入賞したときに主制御用CPU52が行った大当り判定の判定結果と、大当り判定の結果が大当りであったときに行った確変大当り判定の判定結果とを示す。「確定図柄」は、遊技球が中始動口21に入賞したときに主制御用CPU52が抽選により決定した確定図柄である。「変動パターン」は、画像音声制御用CPU72が抽選により決定した演出図柄の変動パターンである。
【0121】
転落抽選、遊技状態、大当り判定および確定図柄は、主制御用CPU52から画像音声制御用CPU72へ送信され、画像音声制御用CPU72によって保留テーブル74aに記憶される。
なお、画像音声制御用CPU72は、特別図柄の変動パターンおよび確定図柄、音楽およびLEDの点灯パターンなども抽選により決定し、それらも保留テーブル74aに記憶するが、ここではそれらの説明を省略し、演出図柄の変動パターンおよび確定図柄を代表にして説明する。
【0122】
図16(a)は、確変遊技状態の所定のタイミングにおける保留テーブル74aの記憶内容を示す一例である。保留順位1〜4番目における転落抽選としては、いずれもハズレが記憶されている。また、保留順位1〜4番目における遊技状態としては、いずれも確変遊技状態(確変)が記憶されている。また、保留順位1〜4番目における大当り判定としては、いずれもハズレが記憶されている。保留順位1〜4番目における確定図柄としては、順に「325」、「565」、「787」、「684」が記憶されている。保留順位1〜4番目における変動パターンとしては、順に「通常変動」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」、「通常変動」が記憶されている。また、保留テーブル74aに記憶されている特別図柄保留数U1は上限の4個に達している。
【0123】
そして、演出図柄(特別図柄)の変動表示が1回終了すると、図16(b)に示すように、保留テーブル74aに記憶されている各データは、保留順位(記憶順位)が1つずつ繰り上がる。同図に示す例では、保留順位4番目の転落抽選として「当り」が記憶されている。つまり、図16(a)に示す状態において、保留順位1番に対応するデータに基づく演出図柄の変動表示が終了し、保留順位2番に対応するデータに基づく演出図柄の変動表示が行われている途中で中始動口21の入賞が発生したときの転落抽選の抽選結果が当りであったことを表している。
【0124】
また、保留順位4番目の遊技状態には、通常遊技状態(通常)が記憶されている。つまり、転落抽選に当選したために遊技状態が通常遊技状態に設定されたことを表している。また、転落抽選において当選すると、直ぐに通常遊技状態に転落し、その後で大当り判定を行う。このため、転落抽選において当選すると、その直後に行う大当り判定は、大当りと判定される確率の低い状態で行うことになる。このため、図16(b)に示す例では、保留順位4番目の遊技状態が通常遊技状態(通常)に決定しているため、保留順位4番目の大当り判定は、大当りと判定される確率が低い状態で行われたことになる。なお、この実施形態では、大当りの発生確率は、通常遊技状態では1/100であり、確変遊技状態では1/10である。
【0125】
[遊技の特徴]
次に、遊技の特徴について図を参照して説明する。図9は、始動口の入賞、保留数の発生、転落抽選、大当り判定、確変大当り判定および遊技状態の変化の各タイミングを示すタイミングチャートである。なお、以下では、中始動口21および右始動口22を単に始動口という。また、図9に記載の始動口入賞は、演出表示器30が演出図柄を変動表示することになる始動口入賞を示し、保留数の上限を超える始動口入賞は含まれない。
【0126】
確変大当りが発生し、大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変遊技状態に変化する。そして、転落抽選を行う期間を抽選により決定し、その抽選した期間において特別図柄の保留数が上限の4個未満のときに遊技球が始動口に入賞すると、転落抽選を行う。そして、転落抽選においてはずれると確変遊技状態を継続する。一方、転落抽選において当選すると、通常遊技状態に転落する。
【0127】
図9に示す例では、転落抽選期間において始動口入賞m4が発生したときに行われた転落抽選に当選している。この場合、図8に示したように、ドクロを模した転落抽選結果画像Z2が演出表示器30に表示される。このため、遊技者は、その転落抽選結果画像Z2を見ることにより、大当りの発生確率が低い通常遊技状態に戻ったので、遊技を中止しようと決断することができる。
【0128】
[遊技の主な流れ]
次に、パチンコ機1における遊技の主な流れについて図を参照して説明する。
(主制御用CPUが実行する主な処理)
最初に、主制御用CPU52が実行する主な処理の流れについて図を参照して説明する。図17は、主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。以下の説明では、各CPUが実行する処理のステップをSと略す。
【0129】
主制御用CPU52は、パチンコ機1が起動したときにセキュリティチェックなどの初期設定を実行する(S500)。次に、主制御用CPU52は、入賞検出処理(S501)、始動口処理(S502)、ゲート処理(S503)、変動開始処理(S504)、普通電動役物処理(S505)、大入賞口処理(S506)および遊技情報送信処理(S507)などを実行する。
【0130】
入賞検出処理(S501)では、入賞口スイッチ17a〜20a、始動口スイッチ21a,27aおよび大入賞口スイッチ24c,25c(図10)からの出力信号の変化を検出し、入賞が発生したことを検出する。ゲート処理(S503)では、ゲートスイッチ23a(図10)からの出力信号の変化を検出し、遊技球がゲート23を通過したことを検出し、普通図柄の当り判定を行う。普通電動役物処理(S505)では、ゲート処理(S503)における普通図柄の当り判定が当りであった場合に普通電動役物ソレノイド27b(図10)を作動させ、普通電動役物27の開閉翼片27c(図3)を開放させる。
【0131】
大入賞口処理(S506)では、通常大当りが発生したときの第1大入賞口24aの開閉制御と、第1または第2確変大当りが発生したときの第2大入賞口25aの開閉制御とを実行する。遊技情報送信処理(S507)では、通常大当りの発生回数、確変大当りの発生回数、特別図柄の変動回数、賞球数の合計(出玉数)などの遊技中に発生する遊技情報をホールコンピュータへ送信する。
【0132】
(始動口処理)
次に、主制御用CPU52が実行する始動口処理(図17のS502)の流れについて図を参照して説明する。
図18は、主制御用CPU52が実行する始動口処理の流れを示すメインフローチャートであり、図19は、図18に示す始動口処理の続きを示すフローチャートである。なお、主制御用CPU52は、中始動口スイッチ21aまたは右始動口スイッチ27aがオンしたときに始動口処理を実行するが、ここでは、中始動口スイッチ21aがオンしたときの始動口処理を代表にして説明する。
【0133】
主制御用CPU52は、中始動口スイッチ21a(図10)がオンしたか否か、つまり遊技球が中始動口21(図2)に入賞したか否かを判定する(S20)。ここで、肯定判定すると(S20:Yes)、主制御用RAM54に記憶されている特別図柄保留数U1を参照し(S21)、特別図柄保留数U1が上限の4個未満であるか否かを判定する(S22)。ここで、肯定判定すると(S22:Yes)、遊技状態が確変遊技状態に変化していることを示す確変大当りフラグが1にセットされているか否かを判定する(S23)。つまり、現在の遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判定する。
【0134】
ここで、現在の遊技状態が確変遊技状態であると判定すると(S23:Yes)、このとき転落抽選カウンタ53b(図12)がカウントした数値を取得し(S24)、転落抽選テーブル53cを参照し(S25)、転落抽選を行う(S26)。ここで、当りと判定した場合は(S26:Yes)、確変大当りフラグを0にリセットし、遊技状態を通常遊技状態に戻す設定を行う(S27)。続いて、主制御用CPU52は、大当り抽選カウンタがカウントした数値を1つ取得する(S28)。ここで、大当り抽選カウンタとは、連続した複数の異なる数値をカウントするカウンタであり、たとえば、リングカウンタである。この実施形態では、0〜99の連続した計100個の数値をカウントするリングカウンタである。
【0135】
続いて、主制御用CPU52は、大当り判定を実行する(S29)。ここで、先のS28において大当り抽選カウンタから取得した数値と同じ数値の大当り値が、主制御用ROM53に記憶されている場合は大当りと判定し(S29:Yes)、記憶されていない場合はハズレと判定する(S29:No)。
また、主制御用CPU52は、S23において現在の遊技状態が確変遊技状態ではないと判定した場合(S23:No)は、転落抽選を行わないで大当り抽選カウンタがカウントした数値を1つ取得し(S28)、大当り判定を行う(S29)。
【0136】
続いて、主制御用CPU52は、S29において大当りと判定した場合は(S29:Yes)、大当り図柄の抽選を実行する(S30)。大当り図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り図柄抽選カウンタと、大当り図柄テーブルとを用いて行う。大当り図柄テーブルは、大当り図柄抽選カウンタがカウントする数値と大当り図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタがカウントする数値を1つ取得し、その取得した数値と対応付けられている大当り図柄を大当り図柄テーブルから読出す。
【0137】
たとえば、大当り図柄抽選カウンタは、0〜9をカウントし、大当り図柄テーブルは、0〜9の数値と、大当り図柄000・111〜999とを対応付けて構成されている。そして、主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタから取得した数値が、たとえば7であった場合は、その7と対応付けられている大当り図柄「777」を大当り図柄テーブルから読出す。
【0138】
また、S29において大当りではない、つまりハズレと判定した場合は(S29:No)、ハズレ図柄の抽選を実行する(S31)。ハズレ図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするハズレ図柄抽選カウンタと、ハズレ図柄テーブルとを用いて行う。ハズレ図柄テーブルは、ハズレ図柄抽選カウンタがカウントする数値とハズレ図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、ハズレ図柄抽選カウンタがカウントする数値を1つ取得し、その取得した数値と対応付けられているハズレ図柄をハズレ図柄テーブルから読出す。
【0139】
続いて、主制御用CPU52は、大当り図柄を抽選により決定すると、その決定した大当り図柄の種類に応じて通常大当りであるか否かを判定する(図19のS32)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が000や222などの偶数を表した大当り図柄であった場合は、通常大当りであると判定する。ここで、通常大当りであると判定すると(S32:Yes)、通常大当りであると判定したことを示す通常大当りフラグをオンする(S33)。
【0140】
また、通常大当りではないと判定した場合は(S32:No)、第1確変大当りであるか否かを判定する(S34)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が777であった場合は、第1確変大当りであると判定する。ここで、第1確変大当りであると判定すると(S34:Yes)、第1確変大当りであると判定したことを示す第1確変大当りフラグをオンする(S35)。
【0141】
また、第1確変大当りではないと判定した場合は(S34:No)、第2確変大当りであるか否かを判定する(S36)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が偶数を表した大当り図柄および777以外の大当り図柄であった場合は、第2確変大当りであると判定する。ここで、第2確変大当りであると判定すると(S36:Yes)、第2確変大当りであると判定したことを示す第2確変大当りフラグをオンする(S37)。
【0142】
ここで、通常大当りは、第1変動入賞装置24が作動する大当りであり、第1大入賞口24aが開閉するラウンドをn3ラウンド実行する大当りである。また、第1確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn1ラウンド実行する大当りである。また、第2確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn2(n2<n1)ラウンド実行する大当りである。たとえば、n1=16、n2=2、n3=15である。
【0143】
また、大当り遊技中に第1大入賞口21または第2大入賞口22に入賞することによって払出される賞球数の総数の平均値を、第1確変大当りがp1個、通常大当りがp3個、第2確変大当りがp2個とすると、p2<p3<p1となるように構成されている。また、p2/p1=rとすると、0.125≦r<1となるように構成されている。
つまり、遊技者が第2確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p2が、第1確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p1の0.125倍(1/8)未満にならないように構成されている。
【0144】
そして、主制御用CPU52は、特別図柄保留数U1に1を加算し(S38)、特別図柄保留数U1、大当り判定の結果、転落抽選の抽選結果、大当りの種類、大当り図柄、ハズレ図柄および大当りの種類などの抽選結果を示すデータを演出制御基板400を介して画像音声制御用CPU72へ送信する(S39)。
【0145】
(変動開始処理)
次に、主制御用CPU52が実行する変動開始処理(図17のS504)の流れについて、それを示す図20のフローチャートを参照して説明する。
【0146】
主制御用CPU52は、特別図柄変動時間を計測中であるか否かを判定し(S50)、計測中ではないと判定した場合は(S50:No)、特別図柄保留数U1を参照する(S51)。そして、特別図柄保留数U1が1個以上であるか否かを判定し(S52)、1個以上であると判定した場合は(S52:Yes)、特別図柄保留数U1から1を減算し(S53)、特別図柄および演出図柄の変動開始を指示する変動開始コマンドと、現在の特別図柄保留数U1を示すデータとを演出制御基板400を介して画像音声制御用CPU72へ送信する(S54)。続いて、特別図柄変動時間(演出図柄変動時間)の計測を開始する(S55)。
【0147】
続いて、確変大当りフラグが1にセットされているか否か、つまり、確変遊技状態になっているか否かを判定し(S56)、確変遊技状態になっていると判定した場合は(S56:Yes)、演出図柄の変動表示回数Cに1を加算する(S57)。続いて、その加算により更新された変動表示回数Cが変動表示回数Cの上限値のn回に達したか否かを判定する(S58)。ここで、変動表示回数Cが上限値のn回に達したと判定した場合は(S58:Yes)、先の始動口処理のS35(図19)においてセットされている第1確変大当りフラグ、または、S37においてセットされている第2確変大当りフラグを0にリセットする(S59)。つまり、確変遊技状態を終了し、通常遊技状態に戻す。
【0148】
(画像音声制御用CPUが実行する主な処理)
次に、画像音声制御用CPU72(図11)が実行する主な処理の流れについて、それを示す図21のフローチャートを参照して説明する。
【0149】
画像音声制御用CPU72は、パチンコ機1が起動したときに初期設定を実行する(S600)。この初期設定では、コンピュータプログラムのセキュリティチェックなどを行う。次に、画像音声制御用CPU72は、データ受信処理(S601)、保留数表示処理(S602)、変動パターン抽選処理(S603)、効果音パターン抽選処理(S604)、LED点灯パターン抽選処理(S605)、演出処理(S606)および可動役物処理(S607)などを実行する。
【0150】
(データ受信処理)
画像音声制御用CPU72が実行するデータ受信処理(図21のS601)の流れについて、それを示す図22のフローチャートを参照して説明する。
【0151】
画像音声制御用CPU72は、演出制御基板400を介して主制御用CPU52からデータを受信したか否かを判定し(S200)、受信したと判定すると(S200:Yes)、その受信したデータを解析する(S201)。そして、その解析の結果、受信したデータが変動開始コマンドであるか、あるいは、大当り判定および確変大当り判定などの抽選結果であるかを判定する(S202,S203)。
【0152】
ここで、変動開始コマンドではない、つまり、受信したデータは抽選結果であると判定すると(S202:No、S203:Yes)、その受信した抽選結果を画像音声制御用RAM74に記憶する(S204)。受信した抽選結果は、図16に示したように、特別図柄保留数U1の発生した順位に対応して保留テーブル74aに記憶される。また、S202において変動開始コマンドであると判定した場合は(S202:Yes)、演出処理を実行する(S220)。
【0153】
(変動パターン抽選処理)
次に、画像音声制御用CPU72が実行する変動パターン抽選処理(図21のS603)の流れについて、それを示す図23のフローチャートを参照して説明する。
【0154】
画像音声制御用CPU72は、保留テーブル74a(図16)を参照し(S211)、保留テーブル74aに記憶されている判定結果および特別図柄保留数などのデータに対応する変動パターンテーブル(図15)を参照する(S212)。続いて、画像音声制御用CPU72は、変動パターンテーブルについて、前述したように乱数A〜乱数Dを用いて変動パターンを選択し、その選択した変動パターンを保留テーブル74aに記憶する(S213)。
【0155】
(演出処理)
次に、画像音声制御用CPU72が実行する演出処理(図21のS606)の流れについて、それを示す図24のフローチャートを参照して説明する。
【0156】
画像音声制御用CPU72は、演出図柄の変動時間を計測中であるか否かを判定し(S221)、計測中ではないと判定した場合は(S221:No)、保留テーブル74a(図16)を参照し、特別図柄保留数U1の発生順の1番目に記憶されている変動パターンを読出し(S222)、その読出した変動パターンに従った演出図柄の変動表示を演出表示器30に開始させる(S223)。続いて、演出図柄変動時間をセットし(S224)、演出図柄変動時間の計測を開始する(S225)。
【0157】
続いて、保留テーブル74aに記憶されている各データの記憶順位を1つずつ繰り上げ(S226)、特別図柄保留数U1から1を減算して特別図柄保留数U1を更新する(S227)。そして、次のサイクルでこの演出処理を実行するときに、S221において変動時間を計測中であると判定した場合は(S221:Yes)、計測している時間がタイムアップしたか否かを判定し(S228)、タイムアップしていないと判定した場合は(S228:No)、メッセージ画像Z4(図7)を表示するタイミングであるか否かを判定する(S231)。
【0158】
ここで、肯定判定した場合は(S231:Yes)、演出表示器30にメッセージ画像Z4を表示する(S232)。続いて、転落抽選結果画像Z2(図8)を表示するタイミングであるか否かを判定し(S233)、肯定判定した場合は(S233:Yes)、演出表示器30に転落抽選結果画像Z2を表示する(S234)。
【0159】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ機1を実施すれば、転落抽選に当選する確率が、入賞する始動口毎に異なるように構成されているため、変化に富んだ遊技を行うことができ、遊技に飽き難いパチンコ機を実現することができる。
【0160】
(2)しかも、転落抽選に当選する確率が、演出表示器30の右方に設けられた右始動口22の方が演出表示器30の下方に設けられた中始動口21よりも低く設定されているため、確変遊技状態に変化したときに遊技球を演出表示器30の右方へ発射させることができるので、変化に富んだ遊技を行うことができ、遊技に飽き難いパチンコ機を実現することができる。
しかも、演出表示器30の右方に形成された流下領域の活用率を高めることもできる。
【0161】
(3)また、転落抽選に当選する確率が、演出表示器30の右方に設けられた右始動口22の方が演出表示器30の下方に設けられた中始動口21よりも低く設定されていることを報知することができるため、上記の設定内容を知らない遊技者が不測の不利益を被るおそれがない。
【0162】
〈他の実施形態〉
(1)演出図柄の変動内容および可動役物41〜45の動作内容を組み合わせた内容が、転落抽選の抽選結果に応じて異なるように構成し、その内容の相違によって転落抽選の抽選結果を報知することもできる。
(2)演出図柄の変動内容、可動役物41〜45の動作内および容遊技盤5に配置されたLEDの点灯パターンの何れか2つ以上を組み合わせた内容が、転落抽選の抽選結果に応じて異なるように構成することもできる。
【0163】
(3)演出図柄の変動内容、可動役物41〜45の動作内、容遊技盤5に配置されたLEDの点灯パターンおよびスピーカ10〜12から出力される効果音の内容の何れか2つ以上を組み合わせた内容が、転落抽選の抽選結果に応じて異なるように構成することもできる。
【0164】
(4)前述した各実施形態では、大当り判定の判定結果が大当りであった場合に確変大当り判定を行うように構成されたパチンコ機について説明したが、大当り判定の判定結果が大当りであった場合に確変大当り判定を行わないで100%の確率で確変遊技状態に変化するように構成されたパチンコ機にも本願発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0165】
1・・パチンコ機(遊技機)、4a・・発射ハンドル(発射装置)、
5・・遊技盤、17・・左袖上入賞口(入賞口)、21・・中始動口(始動口)、
22・・右始動口(始動口)、24・・第1変動入賞装置(変動入賞装置)、
24a・・第1大入賞口(大入賞口)、25・・第2変動入賞装置(変動入賞装置)、
25a・・第2大入賞口(大入賞口)、30・・演出表示器(画像表示装置)、
53b・・転落抽選カウンタ(抽選手段)、
53c・・転落抽選テーブル(抽選手段)、
74a・・保留テーブル(入賞数記憶手段)、Z2・・転落抽選結果画像、
Z3・・保留数画像、Z4・・メッセージ画像。
【技術分野】
【0001】
この発明は、確変遊技中に遊技球が始動口に入賞したときに、確変遊技状態を維持するか通常遊技状態に戻すかを抽選により決定するように構成されたパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
図25は、従来のパチンコ機の正面説明図である。従来のパチンコ機600は、発射ハンドル601と、遊技盤602と、始動口603と、演出表示器604と、上皿605と、変動入賞装置606とを備える。遊技者が発射ハンドル601を操作して発射された遊技球が始動口603に入賞すると、始動口603に入賞した遊技球を検出するスイッチがオンし、制御基板(図示省略)に搭載されたマイクロコンピュータが、大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行う。
【0003】
そして、演出表示器604が、複数の図柄(画像)を配列して成る図柄列(画像列)の変動表示(スクロール表示ともいう)を開始する。たとえば、連続した異なる数字(たとえば、0〜9)を表現した図柄を配列して成る図柄列を画面上の横方向3箇所の表示領域において、数字の昇順に画面の上から下へ移動するように表示する。また、機種によっては、画面の右から左へ移動するように図柄列を表示する。
【0004】
演出表示器604が図柄列を変動表示している途中で遊技球が始動口603に入賞した場合は、その入賞による図柄列の変動表示は直ぐには実行されず、一旦保留される。その保留数は、保留数表示装置609によって表示される。保留数表示装置609は、複数のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数が保留数を表す。なお、機種によっては、演出表示器604の画面に保留数を表示するものもある。
【0005】
そして、演出表示器604が画像列の変動表示を開始してから所定時間経過すると、各表示領域において図柄列の変動表示が停止し、前述したマイクロコンピュータによる判定結果に対応する図柄が各表示領域に確定表示される。たとえば、大当り判定の結果が大当りであった場合は、各表示領域に「7」が確定表示され、表示領域全体で「777」の同一数字から成る大当り図柄が確定表示される。また、抽選結果がハズレであった場合は、表示領域全体で「767」など、少なくとも1つ以上の表示領域に異なる図柄を有するハズレ図柄が確定表示される。
【0006】
なお、確定表示とは、大当り判定の結果を示す図柄が確定された表示状態のことであり、図柄列が再変動することのない表示状態のことである。以下、図柄列の変動表示が各表示領域においてそれぞれ開始されてから、大当り図柄またはハズレ図柄が各表示領域において確定表示されるまでを1回の変動表示と数える。
【0007】
演出表示器604が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、変動入賞装置606が開閉部材607を開作動させ、大入賞口608を開口させる。大入賞口608は、遊技球の入賞領域が普通の入賞口よりも大きいため、入賞が容易になる。そして、大入賞口608に規定数(たとえば、10個)の遊技球が入賞したという条件、あるいは、大入賞口608の開口時間が規定時間(たとえば、約30秒)に達したという条件が満足されると、開閉部材607が閉成し、大入賞口608が閉口する。
【0008】
そして、大入賞口608の開口から閉口までを1ラウンドとし、複数のラウンド(たとえば、最大14ラウンド)が実行され、その間に遊技者は多量の賞球を獲得することができる。以下、第1ラウンドの開始から最終ラウンドの終了までの遊技を大当り遊技という。また、特定の大当り図柄にて大当りが発生した場合は、当該大当りに基づく大当り遊技が終了した以降の遊技状態が、大当りの発生確率の高い遊技状態に変化する。このように大当りの発生確率が低確率から高確率に変化することを確変と呼ぶ。
【0009】
前述したマイクロコンピュータは、大当り判定において大当りと判定したときに、確変大当りか通常大当りかの判定(以下、確変大当り判定という)を行う。将来、確変が発生することになる大当りのことを確変大当りといい、確変大当り以外の大当りのことを通常大当りという。マイクロコンピュータは、大当り図柄の種類を抽選により決定し、その決定した大当り図柄が特定の大当り図柄であるか否かを判定し、特定の図柄であった場合に確変大当りと判定する。確変に変化した遊技状態を確変遊技状態といい、確変遊技状態以外の遊技状態を通常遊技状態という。機種により、確変遊技状態が、次の大当りが発生するまで継続するものもあり、図柄列の変動表示回数が規定回数に達するまで継続するものもある。
【0010】
また、確変遊技状態において遊技球が始動口に入賞したときに、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に戻すか、あるいは、現在の確変遊技状態を維持するかを抽選により決定する。つまり、遊技状態が現在の確変遊技状態から通常遊技状態に転落するか否かの抽選を行う。この抽選は、転落抽選と呼ばれている。この転落抽選において当選すると、つまり通常遊技状態に転落すると、次の確変遊技状態が到来するまで通常遊技状態の状態が継続される。
【0011】
この転落抽選の機能を有する機種では、転落抽選に当選して通常遊技状態に戻るリスクがあるため、確変遊技状態における大当りの発生確率が、転落抽選の機能を有しない機種よりも高く設定されている。
このように、確変遊技状態において転落抽選が行われる機種は、転落抽選に当選しない限り、大当りの発生確率が転落抽選が行われない機種よりも高い確率に維持されるが、転落抽選に当選すれば通常遊技状態に戻るリスクもあるという特徴を有する。また、転落抽選に当選する確率は常に一定となるように設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−178858号公報(第16段落)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかし、前述した従来のパチンコ機は、複数の始動口のうちどの始動口に入賞した場合でも転落抽選に当選する確率が同じであるため、遊技の変化に乏しく、遊技に早く飽きるという問題がある。
【0014】
そこで、この発明は、上記の問題を解決するために考えられたものであり、確変遊技状態において転落抽選を行うパチンコ機において、変化に富んだ遊技を行うことができ、遊技に飽き難いパチンコ機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明では、遊技球の流下領域が形成された遊技盤(5)と、前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置(4,4a〜4g)と、前記遊技盤に設けられた複数の始動口(21,22)と、前記遊技盤に設けられた入賞口(17〜20)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記複数の始動口のいずれかに入賞したときに大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行う大当り判定手段(S34)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記複数の始動口に入賞した数(以下、入賞数という)を計数する入賞数計数手段(S43)と、前記入賞数計数手段が計数した入賞数を特定の入賞数を上限として記憶し、かつ、前記始動口の入賞の発生順と前記大当り判定手段による判定結果とを対応付けて記憶する入賞数記憶手段(74a)と、前記入賞数記憶手段に1以上の入賞数が記憶されている場合に、識別情報を表した複数の画像を配列して成る画像列の変動表示をそれぞれ複数の表示領域において開始し、その開始から所定時間経過後に前記大当り判定の結果に対応する画像をそれぞれ前記複数の表示領域に確定表示する画像表示装置(30)と、前記画像列の変動表示が開始されてから、前記大当り判定の結果に対応する画像がそれぞれ前記複数の表示領域に確定表示されるまでを1回の変動表示とした場合に、前記画像表示装置が1回の変動表示を行う毎に前記入賞数記憶手段に記憶されている入賞数から1を減算する減算手段(S53)と、前記遊技盤に設けられており、遊技球の入賞領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口(24a,25a)を有し、前記大当り判定手段による大当り判定の結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が確定表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成された変動入賞装置(24,25)と、を備えたパチンコ機(1)において、
前記大当り判定において大当りと判定する確率の低い遊技状態を通常遊技状態とし、前記大当り判定において大当りと判定する確率の高い遊技状態を確変遊技状態とした場合に、
前記大入賞口が所定回数開閉する大当り遊技が終了した後の遊技状態が前記確変遊技状態に変化している場合に、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに、現在の確変遊技状態を前記通常遊技状態に変化させるか否かを抽選により決定する抽選手段(53b,53c、S24〜S26)を備えており、
前記抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、入賞する始動口毎に異なるように構成されたという技術的手段を用いる。
【0016】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のパチンコ機(1)において、前記画像表示装置の下方および右方にそれぞれ始動口(21,22)が設けられており、前記抽選手段(53b,53c、S24〜S26)が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、前記画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が前記画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されているという技術的手段を用いる。
【0017】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のパチンコ機(1)において、前記抽選手段(53b,53c、S24〜S26)が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、前記画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が前記画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されていることを報知する報知手段(Z4、S232)を備えるという技術的手段を用いる。
【0018】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0019】
(請求項1に係る発明の効果)
請求項1に係る発明を実施すれば、抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、入賞する始動口毎に異なるように構成されているため、変化に富んだ遊技を行うことができ、遊技に飽き難いパチンコ機を実現することができる。
【0020】
(請求項2に係る発明の効果)
請求項2に係る発明を実施すれば、抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されているため、確変遊技状態に変化したときに遊技球を画像表示装置の右方へ発射させることができるので、変化に富んだ遊技を行うことができ、遊技に飽き難いパチンコ機を実現することができる。
しかも、画像表示装置の右方に形成された流下領域の活用率を高めることもできる。
【0021】
(請求項3に係る発明の効果)
請求項3に係る発明を実施すれば、抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されていることを報知することができるため、上記の設定内容を知らない遊技者が不測の不利益を被るおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。
【図3】図2に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。
【図4】図2に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。
【図5】(a)は図2に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図2に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【図6】(a)は演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
【図7】演出表示器30にメッセージ画像Z4が表示された状態を示す説明図である。
【図8】(a),(b)は演出表示器30に転落抽選結果画像Z2が表示された状態を示す説明図である。
【図9】始動口の入賞、保留数の発生、転落抽選、大当り判定、確変大当り判定および遊技状態の変化の各タイミングを示すタイミングチャートである。
【図10】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図11】パチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図12】転落抽選カウンタ53bの構成を示す模式図である。
【図13】転落抽選テーブル53cの構成を示す説明図である。
【図14】演出テーブルの構成を示す説明図である。
【図15】変動パターンテーブルの構成を示す説明図である。
【図16】(a)は保留テーブル74aの記憶内容を示す説明図であり、(b)は保留テーブルに記憶されているデータの記憶順位が繰り上がった状態を示す説明図である。
【図17】主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。
【図18】主制御用CPU52が図17のS502において実行する始動口処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】図18に示す始動口処理の続きを示すフローチャートである。
【図20】主制御用CPU52が図17のS504において実行する変動開始処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】画像音声制御用CPU72が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。
【図22】画像音声制御用CPU72が図21のS601において実行するデータ受信処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】画像音声制御用CPU72が図21のS603において実行する変動パターン抽選処理の流れを示すフローチャートである。
【図24】画像音声制御用CPU72が図21のS606において実行する演出処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】従来のパチンコ機600の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施形態に係るパチンコ機について説明する。
[主要構成]
この実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【0024】
パチンコ機1の左側にはプリペイド記録媒体読取装置100が設けられている。パチンコ機1には、外殻を構成する外枠セット8が設けられており、この外枠セット8の前面には前枠セット2が設けられている。また、前枠セット2には天板1aが備えられており、その天板1aの左端前方には回動軸部材1bが設けられている。前枠セット2には透明なガラス枠セット3が、回動軸部材1bを回動軸にして開閉可能に取付けられている。
【0025】
ガラス枠セット3の内側には、遊技盤(図2において符号5で示す)が設けられており、前枠セット2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射ハンドル4aが取付けられている。発射ハンドル4aには、遊技球の発射強度を調節するための発射レバー4bが発射ハンドル4aに対して回動自在に装着されている。
【0026】
遊技盤5の下方には、パチンコ機1の内部から払出された賞球や貸球を貯留する上受け皿6が設けられている。上受け皿6には、貸球の払出しを行わせるために操作する貸出ボタン6cと、プリペイド記録媒体読取装置100のカード挿入口108から挿入され、装置内部に装填されているプリペイド記録媒体をカード挿入口108から返却させるために操作する返却ボタン6dと、プリペイド記録媒体に記録されている残り度数(残高)を表示する度数表示部6eとが設けられている。
【0027】
度数表示部6eは、残り度数を8セグLEDや液晶を使って数字で表示する。たとえば、度数表示部6eは、残り度数を3桁の数字で表示するように構成されており、たとえば、度数の最小表示単位が100円である場合に500円分が残っているときには、005と表示する。
【0028】
上受け皿6の下方には、上受け皿6の貯留可能数を超えて内部から流下した遊技球を貯留する下受け皿7が設けられている。下受け皿7には、下受け皿7に貯留されている遊技球を下受け皿7の下方に配置された賞球箱へ排出するために操作する球抜きレバー7aが設けられている。上受け皿6には、上受け皿6に貯留されている遊技球を下受け皿7へ排出させるために操作する球抜きレバー6aが設けられている。
【0029】
前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14とが設けられている。また、前枠セット2には、効果音を発生する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。また、上受け皿6には、遊技者が演出内容を選択するために操作する演出ボタン9が設けられている。
【0030】
プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイドカードの利用が可能であることを示す利用ランプ101と、貸出金額の単位(たとえば、100円、200円、300円、500円)の選択を行うための金額設定ボタン102と、金額設定ボタン102により選択した貸出金額を表示する貸出金額表示部103と、100円未満の残高およびメンテナンス情報を度数表示部6eに表示させる場合に押す端数表示ボタン104と、プリペイド記録媒体読取装置100が接続されるパチンコ機1の方向を示す連結台方向表示ランプ105とが設けられている。
【0031】
また、プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイドカードがパチンコ機1に対応していることを示す表示ランプ106と、プリペイドカードを挿入するカード挿入口108と、カード挿入口108にプリペイドカードが挿入されていることを示すカード挿入中ランプ107とが設けられている。プリペイド記録媒体読取装置100の内部には、カード挿入口108から挿入されたプリペイドカードを装填する装填装置(図示省略)が設けられている。
【0032】
カード挿入口108から挿入されたプリペイドカードは、その端部がカード挿入口108から突出しない状態で上記の装填装置に装填されるため、装填装置が故障すると、プリペイドカードを返却することができなくなる。そこで、装填装置は、カード挿入口108を含む前面パネルの一部と共に前面に引き出し可能に構成されている。装填装置は、普段はロック機構によって引き出し不能になっているが、プリペイド記録媒体読取装置100に設けられた鍵穴109から鍵を差し込んでロック状態を解除することができるように構成されている。
【0033】
[遊技盤の主要構成]
次に、パチンコ機1に備えられた遊技盤の主要構成について図を参照して説明する。
図2は図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。図3は図2に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。図4は図2に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。図5(a)は図2に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図2に示す遊技盤に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【0034】
遊技盤5の盤面には、遊技球が流下する遊技領域が形成されており、遊技球の流下経路は、遊技盤5の盤面に打ち込まれた多数の遊技釘28によって規制されている。遊技盤5の盤面の周囲には、発射ソレノイド(図10において符号4fで示す)などの発射装置によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット15が設けられている。
【0035】
遊技盤5の中央には、センター飾り16が設けられている。このセンター飾り16は、図3に示すように盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央領域を占有している。センター飾り16には、演出表示器30が設けられている。演出表示器30は、演出図柄の変動表示、確定図柄の確定表示、各種の演出画像の表示、保留数の表示、確変遊技状態において転落抽選の当選確率の低い始動口を指示するメッセージ画像(図7において符号Z4で示す)の表示および確変遊技状態における転落抽選の抽選結果を示す転落抽選結果画像(図8において符号Z2で示す)の表示などを行う。
この実施形態では、演出表示器30は、液晶表示器により構成されている。なお、LEDをドットマトリクス状に配置したドット表示器、7セグメントLED、有機EL表示器などを演出表示器30として用いることもできる。
【0036】
センター飾り16の左端には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。センター飾り16の下部には、流入口16bからセンター飾り16の内部に流入した遊技球が遊技領域に流出する流出口16cが開口形成されている。盤面の左側には、レールセット15の内周に沿って左サイド飾り36が設けられている。左サイド飾り36とセンター飾り16との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。その左寄り遊技領域には、遊技球の流下経路を変化させる風車35が回転自在に設けられている。
【0037】
左サイド飾り36には、左袖上入賞口17と、左袖入賞口18と、左下入賞口19とが設けられている。センター飾り16の左外面には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。図4に示すように、センター飾り16の内部には、流入口16bから流入した遊技球を案内するための案内通路16eが設けられている。センター飾り16の左内面には、案内通路16eによって案内された遊技球を流出させるための流出口16cが開口形成されている。
【0038】
センター飾り16の下部には、流出口16cから流出した遊技球が転動するためのステージ16dが設けられている。流出口16cから流出した遊技球は、ステージ16dの上を流下経路R2にて流下し、流下経路R3〜R5のいずれかに沿って流下する。ステージ16dの直下であって、流下経路R3に沿った箇所には、中始動口21が設けられている。遊技状態が確変遊技状態に変化しているときに遊技球が中始動口21に入賞すると、現在の確変遊技状態から通常遊技状態へ転落するか否かを決定するための抽選、いわゆる転落抽選が行われる。ステージ16dの上方には、流出口16cから流出した遊技球以外の遊技球がステージ16dに落下しないようにするための防護部材16fが設けられている。センター飾り16の上面には、案内部16aが形成されており、案内部16aに乗った遊技球は、流下経路R1に沿って、センター飾り16の右方に形成された右寄り遊技領域(流下領域)へ案内される。
【0039】
盤面の右側には、右サイド飾り37が設けられており、その右サイド飾り37には、ゲート23および右肩入賞口20が設けられている。右寄り遊技領域のセンター飾り16には、普通電動役物27が設けられている。普通電動役物27は、翼形状の開閉翼片27cを備えている。開閉翼片27cは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方(図中では右方)へ開いたり内方(図中では左方)へ閉じたりする。
【0040】
開閉翼片27cが外方へ開くと、その開いた開閉翼片27cとセンター飾り16との間に右始動口22が形成される。図5は、開閉翼片27cが外方へ開き、右始動口22が形成された状態を示す。遊技状態が確変遊技状態に変化しているときに遊技球が右始動口22に入賞すると、現在の確変遊技状態から通常遊技状態へ転落するか否かを決定するための抽選、いわゆる転落抽選が行われる。遊技盤5の下方には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口26が開口形成されている。
【0041】
演出表示器30の上方であってセンター飾り16の中央には、LEDによって装飾された可動役物40が設けられている。図4に示すように、可動役物40の両端は、支持部材40a,40aによって支持されている。図4に示すように、可動役物40は、確変遊技状態における転落抽選に当選したときに演出表示器30の前面に自然落下し、図2に示すように、モータ(図11において右リフトモータ40dおよび左リフトモータ40fで示す)などの昇降装置によって上昇して落下前の原点に復帰する。また、可動役物40は、転落抽選に当選しなかったときは動作せず、下降しない。
【0042】
また、可動役物40は、モータ(図11において家紋モータ40bで示す)およびカム機構(図示せず)などの駆動装置によって振動する。図4に示すように、可動役物40の背面には、LEDによって装飾された可動役物43が設けられている。可動役物43は、モータ(図11において万華鏡モータ43aで示す)などの駆動装置によって回転し、可動役物40が落下すると、その背後から出現する。また、センター飾り16の両側には、可動役物41,42が設けられている。可動役物41,42は、それぞれモータ(図11において左竜モータ41aおよび右竜モータ42aで示す)などの駆動装置によって作動する。
【0043】
また、図3に示すように、センター飾り16の下部であって、演出表示器30の前面下部には、箱状の収納部材46が設けられている。この収納部材46の内部には、図4に示す可動役物44,45が収納されている。可動役物44,45は、それぞれモータ(図11において扉左モータ44aおよび扉右モータ45aで示す)などの駆動装置によって左右方向へ移動する。可動役物44,45は、合体したときに一つの意匠を構成する。
【0044】
収納部材46の正面および背面は、透光性材料によって形成されており、遊技者が可動役物44,45の状態を視認できるようになっている。また、相互に離反した可動役物44,45間に形成された空間の奥には、LEDにより装飾された装飾部材(図示省略)が設けられており、可動役物44,45が相互に離反したときに装飾部材の各LEDが点灯または点滅するようになっている。
【0045】
この実施形態では、可動役物40は、家紋を模した形状に形成されており、可動役物40を装飾しているLEDが点灯することによって家紋が浮き出るように構成されている。また、可動役物43は万華鏡を模した形状に形成されており、可動役物43を装飾しているLEDが点灯または点滅することにより、あたかも万華鏡を覗いているように見える演出を行う。また、可動役物41,42は、それぞれ竜の頭を模した形状に形成されており、前述した駆動装置によって竜が口を開閉する。
【0046】
図4は、可動役物41,42が作動し、一対の竜がそれぞれ口を開けた状態を示す。また、可動役物41,42の内部には、それぞれLED41c,42cが設けられており、そのLEDが点灯することにより、あたかも竜が火を吹くように見える演出を行う。また、可動役物44,45は、それぞれ扉形状に形成されており、各前面には竜の一部がそれぞれ描かれている。そして、可動役物44,45が合体すると、竜が完成するようになっている。
【0047】
上述した各可動役物40〜45は、遊技中の所定のタイミングで動作して演出効果を高める。また、各可動役物40〜45は、大当りの発生の予告、大当りの発生の示唆、演出表示器30が大当り発生の確率が高い演出画像を表示することの予告など、各種の報知および予告を行う。
【0048】
図2において中始動口21と右肩入賞口20との間(図中において符号Bで示す破線で囲まれた領域)には、図5(a)に示すように、第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25が上下に重ねて設けられている。第1変動入賞装置24は、横長板状の第1開閉部材24dを備えており、この第1開閉部材24dは、ソレノイド(図10において第1大入賞口ソレノイド24bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第1開閉部材24dが開放すると、第1大入賞口24aが開口する。
【0049】
第2変動入賞装置25は、横長板状の第2開閉部材25dを備えており、この第2開閉部材25dは、ソレノイド(図10において第2大入賞口ソレノイド25bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第2開閉部材25dが開放すると、第2大入賞口25aが開口する。図5(a)は、第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aがそれぞれ開口した状態を示す。第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aは、大当りが発生したときに開口する。この実施形態では、第1開閉部材24dおよび第2開閉部材25dは、それぞれ横長の板状に形成されており、両側の下端を軸にして前後に開閉するように構成されている。
【0050】
図2において左サイド飾り36の左袖上入賞口17の左側(図中において符号Aで示す破線で囲まれた領域)には、図5(b)に示すように、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが設けられている。
この実施形態では、特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置33および普通図柄保留数表示装置34は、それぞれLEDにより構成されているが、液晶表示装置などにより構成することもできる。
【0051】
特別図柄表示装置31は複数(たとえば、図5(b)に示すように7個)のLEDにより構成されており、それらのLEDは、遊技球が中始動口21または右始動口22に入賞すると所定の点滅パターンで点滅する。それらのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が特別図柄を構成し、LEDが点滅している状態が、特別図柄が変動表示している状態である。
【0052】
特別図柄表示装置31は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときに点灯しているLEDおよび消灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。大当りの種類は、大当り遊技において実行可能な最大ラウンド数、通常大当り、確変大当りおよび時短のうちの2つ以上を組み合わせて構成されている。
【0053】
また、大当りの種類によって第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25のどちらかが動作して大当り遊技が行われる。
ここで、時短とは、特別図柄が変動表示を開始したタイミングから変動表示を終了したタイミングまでに要する時間が短縮され、かつ、普通図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間が短縮された遊技状態をいう。
【0054】
特別図柄表示装置31が特別図柄を変動表示しているときに遊技球が中始動口21または右始動口22に入賞したときは、その入賞に基づく特別図柄の変動表示は直ぐに実行されず、一旦保留される。その保留数は、演出表示器30によって表示される。この実施形態では、図7に示すように、演出表示器30が保留数の数を示す保留数画像Z3を表示する。図示の例では、保留数画像Z3は、丸い形状の画像であり、保留数画像Z3の数が保留数を表している。
【0055】
図7に示す例では、確変遊技状態において4個の保留数画像Z3が表示されており、保留数が4個であることを表している。また、4個の保留数画像Z3は、保留の発生順に配列されており、左端から順に発生順が1番、2番、3番、4番である。
【0056】
演出表示器30は、液晶表示器であり、特別図柄表示装置31の演出効果を高める目的で設けられている。つまり、特別図柄表示装置31は、複数のLEDによって構成されており、LEDの点滅のみでは演出効果が乏しいため、演出表示器30が演出図柄を示す画像を変動表示したり、演出用の動画などの演出画像を表示したりすることによって演出効果を高めている。
【0057】
なお、演出図柄とは、LEDによって表示される特別図柄に代わって表示する演出用の図柄(画像)のことであり、複数の識別情報を表現した図柄である。たとえば、0〜9の数字(識別情報)を表現した図柄であり、演出表示器30は、図柄を配列した図柄列(画像列)を数字の昇順に表示する。また、演出表示器30は、動画および静止画像により構成された演出画像を単独で、あるいは、演出図柄と共に表示する。
【0058】
演出表示器30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を開始すると同時に演出画像および演出図柄の表示を開始する。また、演出表示器30は、特別図柄表示装置31が特別図柄の変動表示を終了すると同時に演出画像および演出図柄の表示を終了し、特別図柄表示装置31が確定表示した大当り図柄またはハズレ図柄に対応する演出図柄を確定表示する。
【0059】
図6(a)は演出表示器30において演出図柄が変動表示されている状態を示す説明図であり、(b)は演出図柄がリーチになった状態を示す説明図であり、(c)は大当り図柄が確定表示された状態を示す説明図である。
演出表示器30は、横方向に配列された3つの表示領域A,B,Cを有する。各表示領域は、それぞれ数字や英文字などの識別情報を表した演出図柄を変動表示する。この実施形態では、演出表示器30は、0〜9の数字を表した演出図柄を数字の昇順に画面の上から下へ移動するように変動表示する。
【0060】
図6(a)に示す例は、各表示領域A〜Cにおいてそれぞれ変動表示されている演出図柄のある瞬間を表現したものであり、表示領域Aに演出図柄「7」が表示され、表示領域Bに演出図柄「8」が表示され、表示領域Cに演出図柄「6」が表示されている。また、同図(b)に示す例は、表示領域A,Cに演出図柄「7」が確定表示され、表示領域Bのみにおいて演出図柄が変動表示されている状態のある瞬間を表現したものであり、いわゆるリーチ変動の態様になっている。
【0061】
ここで、リーチ変動とは、大当り判定の結果が大当りであることを示す大当り図柄を構成する演出図柄が複数の表示領域のうち1つの表示領域以外の表示領域においてそれぞれ確定表示されており、上記1つの表示領域では演出図柄の図柄列の変動表示が行われている変動態様のことである。リーチ変動以外の図柄列の変動態様のことを通常変動という。
【0062】
演出表示器30は、リーチ変動において、大当り図柄が確定表示されるか否か、遊技者をドキドキさせる演出を行う。たとえば、図6(b)に示す例において、表示領域Bにおける変動速度を遅くし、演出図柄6が画面の上端から出現したときに変動速度をより一段と遅くする。また、一旦、演出図柄7で停止するように見せかけて、再度、表示領域Bのみが変動表示を開始したりする。図6(c)に示す例では、表示領域A〜Cによって大当り図柄の一例である「777」が確定表示されている。
【0063】
また、演出表示器30は、確変大当りに基づく大当り遊技が終了し、確変遊技状態に変化したときに、始動口に入賞したときに行われる転落抽選に当選して通常遊技状態に転落する確率は、中始動口21よりも右始動口22の方が低いことを報知するためのメッセージ画像Z4を演出表示器30に表示する。図7に示す例では、メッセージ画像Z4は、「確変突入!右の始動口は転落確率が低いよ!」という内容である。この実施形態では、転落抽選に当選する確率は、中始動口21が2/10であり、右始動口22が1/10である(図13)。このように、転落抽選に当選する確率が中始動口21よりも右始動口22の方が低いことを報知するため、転落抽選に当選する確率が始動口によって異なることを知らない遊技者が不測の不利益を被るおそれがない。
【0064】
また、演出表示器30は、転落抽選の抽選結果を表示する。この実施形態では、転落抽選の抽選結果が当選の場合は、転落抽選の抽選結果を表す転落抽選結果画像Z2としてドクロを模した画像を表示する。また、転落抽選の抽選結果がハズレの場合は、転落抽選結果画像Z2として人の笑顔を模した画像を表示する。
図8(a)に示す例では、変動表示している演出図柄Z1の背景にドクロを模した転落抽選結果画像Z2が表示されており、転落抽選に当選したことを表している。また、特別図柄の保留数を示す保留数画像を用いて、転落抽選の結果を表示することもできる。
【0065】
図8(b)に示す例では、4個の保留数画像Z3が表示されており、保留数が上限の4個に達していることを示す。また、保留数画像Z3は保留の発生順に左から配列されており、保留の1個目から3個目に対応する保留数画像Z3が人の笑顔を模した画像になっている。これは、保留の1個目から3個目において行われた転落抽選の抽選結果がそれぞれハズレであったことを示している。また、保留の4個目に対応する保留数画像Z3がドクロを模した画像に変化している。これは、保留の4個目が発生したときに行われた転落抽選の抽選結果が当りであったことを示している。
【0066】
また、図8(b)に示す結果は、1個目〜3個目の保留が消化される期間は確変遊技状態が継続するが、4個目の保留が発生したとき以降は通常遊技状態に変化することを意味する。
このように、演出表示器30が、転落抽選の抽選結果を示す転落抽選結果画像Z2を表示するため、遊技者は、その転落抽選結果画像Z2を見ることにより、転落抽選の抽選結果を知ることができる。
【0067】
したがって、遊技者は、ドクロを模した転落抽選結果画像Z2が表示されたから、大当り発生の確率が低くなったので遊技を中止しよう、あるいは、笑顔を模した転落抽選結果画像Z2が表示されたから、大当り発生の確率が高い状態が維持されたので遊技を継続しようなどと決断することができる。
【0068】
転落抽選結果画像Z2は、静止画でも良いし、動画でも良い。たとえば、顔の表情が人の笑顔およびドクロ間で交互に変化し、転落抽選の抽選結果を示す画像で静止するようにしても良い。また、演出図柄の背景色を複数色用意し、その背景色の相違により、転落抽選の結果および当選した場合に決定した遊技状態を報知することもできる。さらに、演出図柄の表示色を複数色用意し、その表示色の相違により、転落抽選の結果および当選した場合に決定した遊技状態を報知することもできる。
【0069】
普通図柄表示装置33は、複数(たとえば、図5(b)に示すように2個)のLEDにより構成されており、各LEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が普通図柄を構成する。また、普通図柄表示装置33がLEDを点滅させている状態が、普通図柄が変動表示している状態であり、変動表示が終了したときに点灯および消灯しているLEDの組合せによって普通図柄の当りまたはハズレが報知される。当りの普通図柄が確定表示されると、普通電動役物27の開閉翼片27cの開放時間が長くなり、普通電動役物27への入賞確率が高くなる。つまり、単位時間当りに特別図柄が変動表示を開始する回数が多くなり、大当りが発生する確率が高くなる。
【0070】
遊技球がゲート23を通過すると、普通図柄表示装置33が普通図柄の変動表示を開始する。そして、普通図柄表示装置33が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート23を通過したときは、その通過による普通図柄の変動表示が保留され、その保留数は普通図柄保留数表示装置34により表示される。この実施形態では、普通図柄保留数表示装置34は、4個のLEDによって構成されており、そのLEDの点灯数によって保留数を表示する。つまり、この実施形態では、普通図柄保留数は最大4個である。
【0071】
[パチンコ機の主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図10および図11を参照して説明する。
【0072】
図10に示すように、主制御基板50には、主制御用MPU51が搭載されている。主制御用MPU51は、主制御用CPU52と、主制御用ROM53と、主制御用RAM54とを備える。
【0073】
主制御用CPU52は、大当り判定、確変大当り判定、転落抽選、転落抽選に当選した場合の遊技状態の設定、大当り図柄の抽選、ハズレ図柄の抽選、入賞の検出、ゲート通過の検出、普通図柄の当り判定、賞球の払出命令など、遊技の進行に必要な処理を実行する。主制御用CPU52は、確変遊技状態のときに遊技球が中始動口21または右始動口に入賞したときは、転落抽選を行った後に大当り判定を行う。
【0074】
また、主制御用MPU51は、バックアップ電源端子VBBと、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子とを備える。
主制御用ROM53には、主制御用CPU52が上記の各処理を実行するためのコンピュータプログラム、各制御基板へ送信する制御コマンド、大当り判定を行う際に参照する大当り値が設定された大当り値テーブル(図示省略)、転落抽選を行う際に参照する転落抽選テーブル(図13において符号53cで示す)、各種の演出を行うときに参照する演出テーブル(図14において符号73bで示す)などが読出し可能に記憶されている。
【0075】
主制御用RAM54は、主制御用CPU52が前述した各処理を実行するときに使用するワーク領域を有する。また、主制御用RAM54は、主制御用CPU52が前述した各処理を実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、主制御用RAM54は、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されたときにコンデンサ(図示省略)からバックアップ電源の供給を受け、確変大当り判定の結果など、電源遮断直前に記憶していたデータを記憶保持する。
【0076】
また、主制御基板50には、中始動口21に入賞した遊技球を検出する中始動口スイッチ21aと、右始動口22に入賞した遊技球を検出する右始動口スイッチ27aと、外部端子板503とが電気的に接続されている。主制御用CPU52は、大当りの発生回数、入賞数および特別図柄の変動回数などのデータを外部端子板503を介してホールコンピュータへ送信する。ホールコンピュータは、当該パチンコ機1が設置されたパチンコホールの管理室などに配置されている。
【0077】
また、主制御基板50には、図柄表示基板84が電気的に接続されている。図柄表示基板84には、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが搭載されている。また、主制御基板50には、払出制御基板60と、セキュリティ中継端子板89と、電源基板76とが電気的に接続されている。
【0078】
セキュリティ中継端子板89には、不正行為において使用される誘導磁界を検出するための誘導磁界センサ500と、不正行為において使用される磁気を検出するための第1磁気センサ501と、第2磁気センサ502とが電気的に接続されている。
払出制御基板60には、下受け皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下皿満杯スイッチ7bと、扉開放中継端子板86とが電気的に接続されている。扉開放中継端子板86には、ガラス枠セット3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ87と、外枠セット8が開放された状態を検出するための外枠開放スイッチ88とが電気的に接続されている。
【0079】
また、払出制御基板60には、払出中継端子板83が電気的に接続されており、払出中継端子板83には、遊技球を上受け皿6へ払出す部材を駆動するための払出モータ38cと、この払出モータ38cによって払出された遊技球を検出するための前部払出センサ38a,後部払出センサ38bと、払出モータ38cによって払出す遊技球が切れていることを検出する前部球切れスイッチ38d,後部球切れスイッチ38eとが電気的に接続されている。これらの前部払出センサ38a〜後部球切れスイッチ38eが賞球払出装置を構成している。
【0080】
払出制御基板60には、払出制御用MPU61が搭載されており、その払出制御用MPU61は、払出制御用CPU62と、払出制御用ROM63と、払出制御用RAM64とを備える。払出制御用CPU62は、主制御用MPU51から送信される払出制御コマンドに従って払出モータ38cを制御し、賞球および貸球の払出しを制御する。また、払出制御用CPU62は、前部払出センサ38aおよび後部払出センサ38bからそれぞれ出力される信号の変化を検出し、払出された賞球数および貸球数を計数する。また、払出制御用MPU61は、バックアップ電源端子VBBと、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子とを備える。
【0081】
払出制御用ROM63には、払出制御用CPU62が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に記憶されている。払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、払出制御用RAM64は、未払いの賞球数および貸球数を記憶し、主電源77が遮断されたときに、未払いの賞球数および貸球数を記憶保持する。
【0082】
また、払出制御基板60には、プリペイドカードなどのプリペイド媒体の残り度数を表示する度数表示基板504が貸出装置接続端子板78を介して電気的に接続されている。貸出装置接続端子板78には、プリペイドカードまたはプリペイドコインなどのプリペイド記録媒体を読取るプリペイド記録媒体読取装置100(図1)が電気的に接続されている。
【0083】
さらに、発射制御基板4には、遊技球を発射する発射装置を駆動する発射ソレノイド4fと、遊技球を発射位置へ供給する球供給装置を駆動する球送りソレノイド4gと、発射レバー4bの回動量に応じて発射装置4の発射強度を調節するための発射強度電子ボリューム4cと、遊技者が発射レバー4bに触れたことを検出して発射装置4を駆動させるためのタッチスイッチ4dと、発射レバー4bの回動によってオンまたはオフし、発射ソレノイド4fを駆動する発射スイッチ4eとが電気的に接続されている。
【0084】
主制御基板50には、盤面中継端子板37が電気的に接続されており、その盤面中継端子板37には、左袖上入賞口17に入賞した遊技球を検出するための左袖上入賞口スイッチ17aと、左袖入賞口18に入賞した遊技球を検出するための左袖入賞口スイッチ18aと、左下入賞口19に入賞した遊技球を検出するための左下入賞口スイッチ19aと、右肩入賞口20に入賞した遊技球を検出するための右肩入賞口スイッチ20aと、第1大入賞口24aに入賞した遊技球を検出するための第1大入賞口スイッチ24cと、ゲート23を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ23aと、第2大入賞口25aに入賞した遊技球を検出するための第2大入賞口スイッチ25cと、第1変動入賞装置24を駆動するための第1大入賞口ソレノイド24bと、普通電動役物27を駆動するための普通電動役物ソレノイド27bと、第2変動入賞装置25を駆動するための第2大入賞口ソレノイド25bとが電気的に接続されている。
【0085】
図11に示すように、パチンコ機1には、演出制御基板400が設けられており、その演出制御基板400には、画像音声制御基板70と、盤面演出中継端子板82と、盤面LED中継端子板81と、補助演出駆動基板410と、演出電源基板79とが電気的に接続されている。演出制御基板400には、演出制御用CPU402を備えた演出制御用MPU401が搭載されている。演出制御用CPU402は、主制御用CPU52(図10)から送信された演出制御信号を受信し、その受信した演出制御信号を対応する基板に振り分ける処理などを行う。
【0086】
画像音声制御基板70には、液晶中継端子板30aを介して演出表示器30が電気的に接続されている。また、画像音声制御基板70には、盤面演出中継端子板82が電気的に接続されており、その盤面中継端子板82には、枠部演出中継端子板85を介して右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが電気的に接続されている。また、枠部演出中継端子板85には、枠部LED駆動基板66を介して照光付演出スイッチ9aが電気的に接続されている。照光付演出スイッチ9aは、演出ボタン9を押圧操作したときにオンし、演出ボタン9に内蔵されているLEDを点灯させるスイッチである。
【0087】
画像音声制御基板70には、画像音声制御用MPU71および音量調節装置75が搭載されている。画像音声制御用MPU71は、画像音声制御用CPU72と、画像音声制御用ROM73と、画像音声制御用RAM74とを備える。画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って演出表示器30を制御し、演出制御信号に対応する画像を演出表示器30に表示させる。また、画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って各スピーカ10〜12を駆動し、演出制御信号に対応する効果音などを各スピーカ10〜12から出力させる。
【0088】
画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブル(図14,図15)が読出し可能に記憶されている。
【0089】
画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。音量調節装置75は、各スピーカ10〜12が出力する効果音などの音量を調節する音量調節つまみを備える。
【0090】
補助演出駆動基板410には、補助演出上中継端子板508と、補助演出右中継端子板68と、補助演出下中継端子板507とが電気的に接続されている。補助演出上中継端子板508には、可動役物40の背面に配置された可動役物43を回転させる万華鏡モータ43aと、その可動役物43が原点に復帰したことを検出する万華鏡原点センサ43bと、可動役物42を駆動する右竜モータ42aと、可動役物42が原点に復帰したことを検出する右竜原点センサ42bと、可動役物41を駆動する左竜モータ41aと、可動役物41が原点に復帰したことを検出する左竜原点センサ41bとが電気的に接続されている。
【0091】
補助演出右中継端子板68には、可動役物40を振動させる家紋モータ40bと、可動役物40の位置を検出する家紋位置確認センサ40cと、可動役物40を上昇させる右リフト(図示省略)を駆動する右リフトモータ40dと、右リフトが原点に復帰したことを検出する右リフト原点センサ40eとが電気的に接続されている。
補助演出下中継端子板507には、可動役物40を上昇させる左リフト(図示省略)を駆動する左リフトモータ40fと、左リフトが原点に復帰したことを検出する左リフト原点センサ40gと、収納部材46に収納された右側の可動役物45を移動させる扉右モータ45aと、その可動役物が原点に復帰したことを検出する扉右原点センサ45bと、左側の可動役物44を移動させる扉左モータ44aと、その可動役物44が原点に復帰したことを検出する扉左原点センサ44bとが電気的に接続されている。
【0092】
補助演出駆動基板410には、補助演出制御用MPU420が搭載されている。補助演出制御用MPU420は、補助演出制御用CPU421と、補助演出制御用ROM422と、補助演出制御用RAM423とを備える。補助演出制御用CPU421は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って可動役物40〜45などの動作を制御する。補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブル(たとえば、可動役物40〜45などの動作パターン)が読出し可能に記憶されている。
【0093】
補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。
【0094】
また、パチンコ機1には、主電源(AC/24V)77に接続された電源基板76(図10)が備えられており、電源基板76は、主電源77から供給される電源を主制御基板50と、払出制御基板60と、演出電源基板79(図11)とに供給する。演出電源基板79は、電源基板76から供給される電源を演出電源基板79と電気的に接続された各基板へ分配する。盤面LED中継端子板81には、遊技盤5に設けられた装飾用の各LEDが搭載されている。
【0095】
[転落抽選の方法]
次に、主制御用CPU52が実行する転落抽選の方法について図を参照して説明する。図12は転落抽選カウンタ53bの構成を示す模式図であり、図13は転落抽選テーブル53cの構成を示す説明図である。
【0096】
図12に示すように、転落抽選カウンタ53bは、0〜9の数値をカウントするリングカウンタである。図13に示すように、転落抽選テーブル53cは、中始動口21および右始動口22と当り値とを対応付けて構成されている。この実施形態では、中始動口21には2個の当り値4,9が、右始動口22には1個の当り値4がそれぞれ対応付けられている。つまり、転落抽選に当選する確率は、中始動口21に入賞した場合が2/10であり、右始動口22に入賞した場合が1/10である。
【0097】
主制御用CPU52は、中始動口スイッチ21a(図10)がオンしたことに基づき、遊技球が中始動口21に入賞したと判定し、右始動口スイッチ27a(図10)がオンしたことに基づき、遊技球が右始動口22に入賞したと判定する。そして、中始動口スイッチ21aまたは右始動口スイッチ27aがオンしたと判定したときに転落抽選カウンタ53bがカウントした数値を1つ取得する。
【0098】
そして、主制御用CPU52は、転落抽選テーブル53cを参照し、上記の取得した数値と同じ数値の当り値が、今回の転落抽選を実行する起因となった入賞の発生した始動口に対応付けられている場合は当りと判定し、対応付けられていない場合はハズレと判定する。たとえば、中始動口21に入賞したときに転落抽選カウンタ53bから取得した数値が9であった場合は、転落抽選テーブル53cの中始動口に当たり値9が対応付けられているため、当りと判定する。
【0099】
[演出テーブル]
図14に示すように、画像音声制御用ROM73には、演出テーブル73bが参照可能に記憶されている。演出テーブル73bには、演出図柄テーブル、変動パターンテーブル、演出内容テーブル、LED点灯パターンテーブル、音楽テーブル、大当り演出画像テーブル、客待ち画像テーブル、ボタン演出画像テーブルなど、演出に必要なデータが参照可能に記憶されている。
【0100】
演出図柄テーブルは、演出表示器30が確定表示するハズレ図柄または大当り図柄を画像音声制御用CPU72が抽選で決定するときに参照するテーブルである。変動パターンテーブルは、演出表示器30が変動表示する演出図柄の変動パターンを画像音声制御用CPU72が抽選で決定するときに参照するテーブルである。この実施形態では、変動パターンテーブルは、図15に示すように、演出図柄の変動パターンを抽選により決定するための乱数A〜乱数Dとを対応付けて構成されている。
【0101】
乱数A〜乱数Dは、それぞれ変動パターン抽選カウンタがカウントするカウント値であり、各乱数は、変動パターン抽選カウンタがカウントするカウント値の範囲に等しい。つまり、画像音声制御用CPU72が所定のタイミングで変動パターン抽選カウンタから取得したカウント値が乱数となる。その変動パターン抽選カウンタは、たとえば、複数の連続した数値(たとえば、0〜239)をカウントするリングカウンタである。乱数A〜乱数Dは、それぞれグループ1〜グループnに分けられている。
【0102】
乱数Aを構成するグループ1にはそれぞれ乱数Bの複数のグループが対応付けられており、乱数Aを構成するグループnには乱数Dのグループnが対応付けられている。乱数Bを構成する各グループにはそれぞれ乱数Cの複数のグループが対応付けられている。乱数Cを構成する各グループにはそれぞれ乱数Dの複数のグループが対応付けられている。また、乱数Dの各グループを構成する各乱数には、それぞれ種類の異なる変動パターンが対応付けられている。
【0103】
画像音声制御用CPU72は、演出図柄の変動パターンを決定するタイミングになると、乱数A〜乱数Dを発生する各変動パターン抽選カウンタから乱数(カウント値)を1つずつ取得する。そして、乱数Aを発生する変動パターン抽選カウンタから取得した乱数が属するグループのうち、乱数Bを発生する変動パターン抽選カウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Bのグループに対応付けられているグループのうち、乱数Cを発生する変動パターン抽選カウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Cのグループに対応付けられているグループのうち、乱数Dを発生する変動パターン抽選カウンタから取得した乱数が属するグループを選択する。続いて、その選択した乱数Dのグループに対応付けられている変動パターンを選択する。
【0104】
つまり、乱数A、乱数B、乱数C、乱数Dの順に選択し、最終的に乱数Dに対応付けられている変動パターンを選択する。このように複数の乱数と変動パターンとを対応付けて構成することにより、同じ種類の変動パターンが選択される確率が低くなっており、遊技者が飽きないように工夫されている。
また、変動パターンのうち、リーチパターンには、リーチ変動を行うための複数種類のリーチパターンが設定されている。たとえば、ノーマルリーチパターンおよびスーパーリーチパターンが設定されている。
【0105】
ノーマルリーチパターンとは、リーチに発展する変動パターンであるリーチパターンの中でも出現確率の高い変動パターンのことであり、スーパーリーチパターンとは、ノーマルリーチパターンよりも出現確率の低い変動パターンのことである。また、大当りは、リーチパターンを経て発生するようになっており、特に、スーパーリーチパターンが出現したときに大当りの発生確率が高くなるように構成されている。
つまり、遊技者から見ると、スーパーリーチパターンが出現したときの大当り発生に対する期待度が最も高くなるように構成されている。
【0106】
乱数Dのグループnには、演出図柄の変動途中でリーチに発展しない通常変動パターンが対応付けられており、乱数Aのグループnに属する乱数が選択された場合は、通常変動パターンが選択される。
【0107】
また、図示しないが、画像音声制御用ROM73には、通常遊技状態、確変遊技状態、大当り判定の結果および特別図柄保留数によって異なる構成の変動パターンテーブルが記憶されており、遊技状態に応じて異なる変動パターンが選択されるように構成されている。
【0108】
演出内容テーブル(図14)は、演出表示器30が演出図柄の変動表示を行う過程において演出図柄とは別個に表示する演出内容を抽選で決定するときに参照するテーブルである。演出内容とは、たとえば、動画および静止画像を組み合わせて構成される。また、動画には、パチンコ機のメーカーが独自に創作したオリジナルの動画、あるいは、テレビや映画などで周知になっている動画などが含まれる。
【0109】
また、演出内容は、演出図柄の変動パターンと組み合わせて表示されたり、組み合わされないで単独で表示されたりするものが存在する。演出内容テーブルは、演出内容の表示時間毎に画像音声制御用ROM73に記憶されている。また、演出内容の表示時間は、特別図柄変動時間と等しいため、演出内容テーブルは、少なくとも特別図柄変動時間と同じ数設けられている。
【0110】
演出内容の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする演出内容抽選カウンタを用いて行う。演出内容テーブルは、演出内容抽選カウンタのカウント値と演出内容とを対応付けて構成されている。また、異なる表示時間毎に各演出内容が設定されており、1つの表示時間には複数種類の演出内容が設定されている。
画像音声制御用CPU72は、演出内容抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、主制御用CPU52から指示された変動パターンの変動時間と同じ表示時間の演出内容を演出内容テーブルの中から読出す。
【0111】
LED点灯パターンテーブルは、画像音声制御用CPU72がパチンコ機1に設けられた各種のLEDの点灯パターンを抽選で決定するときに参照するテーブルである。LEDの点灯パターンの抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするLED点灯パターン抽選カウンタを用いて行う。
【0112】
LED点灯パターンテーブルは、LED点灯パターン抽選カウンタのカウント値と、LEDの点灯パターンとを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、LED点灯パターン抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているLEDの点灯パターンをLED点灯パターンテーブルから読出し、その点灯パターンに従ってLEDを点灯するように演出制御用CPU402に指示する。
【0113】
音楽テーブルは、画像音声制御用CPU72が各スピーカ10〜12が出力する音楽を抽選で決定するときに参照するテーブルである。音楽の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする音楽抽選カウンタを用いて行う。
【0114】
音楽テーブルは、音楽抽選カウンタのカウント値と、音楽とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、音楽抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている音楽を音楽テーブルから読出し、それを出力するように音声出力装置43に指示する。
【0115】
大当り演出画像テーブルは、大当りが発生したときに画像音声制御用CPU72が演出画像を抽選で決定するときに参照するテーブルである。演出画像の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り演出画像抽選カウンタを用いて行う。大当り演出画像テーブルは、大当り演出画像抽選カウンタのカウント値と、大当り演出画像の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、大当り演出画像抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられている大当り演出画像の種類を大当り演出画像テーブルから読出し、それを表示するように演出表示器30に指示する。
【0116】
客待ち画像テーブルは、パチンコ機1に遊技者が付いていない、いわゆる客待ち状態のときに画像音声制御用CPU72が演出表示器30に客待ち画像の表示を指示するためのデータが記憶されたテーブルである。
【0117】
ボタン演出画像テーブルは、演出ボタン9がオンしたときに画像音声制御用CPU72がボタン演出画像(演出ボタン9を押して選択することが可能な演出画像)の内容を抽選で決定するときに参照するテーブルである。ボタン演出画像の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするボタン演出画像抽選カウンタを用いて行う。ボタン演出画像テーブルは、ボタン演出画像抽選カウンタのカウント値と、ボタン演出画像の種類とを対応付けて構成されている。画像音声制御用CPU72は、演出ボタン9がオンしたときにボタン演出画像抽選カウンタからカウント値を1つ取得し、その取得したカウント値と対応付けられているボタン演出画像の種類をボタン演出画像テーブルから読出し、それを表示するように演出表示器30に指示する。
【0118】
[保留発生時の記憶内容]
次に、特別図柄の保留が発生したときに画像音声制御用RAM74に記憶される内容について図を参照して説明する。
図16(a)は保留テーブルの記憶内容を示す説明図であり、(b)は保留テーブルに記憶されているデータの記憶順位が繰り上がった状態を示す説明図である。
【0119】
なお、以下の説明では、確定図柄とは、演出表示器30が確定表示した演出図柄のことであり、通常大当り図柄、確変大当り図柄およびハズレ図柄のいずれかを指す。また、保留テーブルは、中始動口21および右始動口22に対してそれぞれ設けられているが、ここでは、中始動口21に対する保留テーブルを代表にして説明する。また、中始動口21および右始動口22に対する保留数の上限はそれぞれ4個であるとする。
【0120】
保留テーブル74aは、遊技球が第1始動口21に入賞したときに発生したデータを記憶する。図中の「保留順位」は、保留が発生した順番を示す。また、保留テーブル74aは、特別図柄保留数U1を記憶する。「転落抽選」は、転落抽選の抽選結果を示す。「遊技状態」は、転落抽選により決定された遊技状態を示す。「大当り判定」は、遊技球が中始動口21に入賞したときに主制御用CPU52が行った大当り判定の判定結果と、大当り判定の結果が大当りであったときに行った確変大当り判定の判定結果とを示す。「確定図柄」は、遊技球が中始動口21に入賞したときに主制御用CPU52が抽選により決定した確定図柄である。「変動パターン」は、画像音声制御用CPU72が抽選により決定した演出図柄の変動パターンである。
【0121】
転落抽選、遊技状態、大当り判定および確定図柄は、主制御用CPU52から画像音声制御用CPU72へ送信され、画像音声制御用CPU72によって保留テーブル74aに記憶される。
なお、画像音声制御用CPU72は、特別図柄の変動パターンおよび確定図柄、音楽およびLEDの点灯パターンなども抽選により決定し、それらも保留テーブル74aに記憶するが、ここではそれらの説明を省略し、演出図柄の変動パターンおよび確定図柄を代表にして説明する。
【0122】
図16(a)は、確変遊技状態の所定のタイミングにおける保留テーブル74aの記憶内容を示す一例である。保留順位1〜4番目における転落抽選としては、いずれもハズレが記憶されている。また、保留順位1〜4番目における遊技状態としては、いずれも確変遊技状態(確変)が記憶されている。また、保留順位1〜4番目における大当り判定としては、いずれもハズレが記憶されている。保留順位1〜4番目における確定図柄としては、順に「325」、「565」、「787」、「684」が記憶されている。保留順位1〜4番目における変動パターンとしては、順に「通常変動」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」、「通常変動」が記憶されている。また、保留テーブル74aに記憶されている特別図柄保留数U1は上限の4個に達している。
【0123】
そして、演出図柄(特別図柄)の変動表示が1回終了すると、図16(b)に示すように、保留テーブル74aに記憶されている各データは、保留順位(記憶順位)が1つずつ繰り上がる。同図に示す例では、保留順位4番目の転落抽選として「当り」が記憶されている。つまり、図16(a)に示す状態において、保留順位1番に対応するデータに基づく演出図柄の変動表示が終了し、保留順位2番に対応するデータに基づく演出図柄の変動表示が行われている途中で中始動口21の入賞が発生したときの転落抽選の抽選結果が当りであったことを表している。
【0124】
また、保留順位4番目の遊技状態には、通常遊技状態(通常)が記憶されている。つまり、転落抽選に当選したために遊技状態が通常遊技状態に設定されたことを表している。また、転落抽選において当選すると、直ぐに通常遊技状態に転落し、その後で大当り判定を行う。このため、転落抽選において当選すると、その直後に行う大当り判定は、大当りと判定される確率の低い状態で行うことになる。このため、図16(b)に示す例では、保留順位4番目の遊技状態が通常遊技状態(通常)に決定しているため、保留順位4番目の大当り判定は、大当りと判定される確率が低い状態で行われたことになる。なお、この実施形態では、大当りの発生確率は、通常遊技状態では1/100であり、確変遊技状態では1/10である。
【0125】
[遊技の特徴]
次に、遊技の特徴について図を参照して説明する。図9は、始動口の入賞、保留数の発生、転落抽選、大当り判定、確変大当り判定および遊技状態の変化の各タイミングを示すタイミングチャートである。なお、以下では、中始動口21および右始動口22を単に始動口という。また、図9に記載の始動口入賞は、演出表示器30が演出図柄を変動表示することになる始動口入賞を示し、保留数の上限を超える始動口入賞は含まれない。
【0126】
確変大当りが発生し、大当り遊技が終了すると、遊技状態が確変遊技状態に変化する。そして、転落抽選を行う期間を抽選により決定し、その抽選した期間において特別図柄の保留数が上限の4個未満のときに遊技球が始動口に入賞すると、転落抽選を行う。そして、転落抽選においてはずれると確変遊技状態を継続する。一方、転落抽選において当選すると、通常遊技状態に転落する。
【0127】
図9に示す例では、転落抽選期間において始動口入賞m4が発生したときに行われた転落抽選に当選している。この場合、図8に示したように、ドクロを模した転落抽選結果画像Z2が演出表示器30に表示される。このため、遊技者は、その転落抽選結果画像Z2を見ることにより、大当りの発生確率が低い通常遊技状態に戻ったので、遊技を中止しようと決断することができる。
【0128】
[遊技の主な流れ]
次に、パチンコ機1における遊技の主な流れについて図を参照して説明する。
(主制御用CPUが実行する主な処理)
最初に、主制御用CPU52が実行する主な処理の流れについて図を参照して説明する。図17は、主制御用CPU52が実行する主な処理の流れを示すメインフローチャートである。以下の説明では、各CPUが実行する処理のステップをSと略す。
【0129】
主制御用CPU52は、パチンコ機1が起動したときにセキュリティチェックなどの初期設定を実行する(S500)。次に、主制御用CPU52は、入賞検出処理(S501)、始動口処理(S502)、ゲート処理(S503)、変動開始処理(S504)、普通電動役物処理(S505)、大入賞口処理(S506)および遊技情報送信処理(S507)などを実行する。
【0130】
入賞検出処理(S501)では、入賞口スイッチ17a〜20a、始動口スイッチ21a,27aおよび大入賞口スイッチ24c,25c(図10)からの出力信号の変化を検出し、入賞が発生したことを検出する。ゲート処理(S503)では、ゲートスイッチ23a(図10)からの出力信号の変化を検出し、遊技球がゲート23を通過したことを検出し、普通図柄の当り判定を行う。普通電動役物処理(S505)では、ゲート処理(S503)における普通図柄の当り判定が当りであった場合に普通電動役物ソレノイド27b(図10)を作動させ、普通電動役物27の開閉翼片27c(図3)を開放させる。
【0131】
大入賞口処理(S506)では、通常大当りが発生したときの第1大入賞口24aの開閉制御と、第1または第2確変大当りが発生したときの第2大入賞口25aの開閉制御とを実行する。遊技情報送信処理(S507)では、通常大当りの発生回数、確変大当りの発生回数、特別図柄の変動回数、賞球数の合計(出玉数)などの遊技中に発生する遊技情報をホールコンピュータへ送信する。
【0132】
(始動口処理)
次に、主制御用CPU52が実行する始動口処理(図17のS502)の流れについて図を参照して説明する。
図18は、主制御用CPU52が実行する始動口処理の流れを示すメインフローチャートであり、図19は、図18に示す始動口処理の続きを示すフローチャートである。なお、主制御用CPU52は、中始動口スイッチ21aまたは右始動口スイッチ27aがオンしたときに始動口処理を実行するが、ここでは、中始動口スイッチ21aがオンしたときの始動口処理を代表にして説明する。
【0133】
主制御用CPU52は、中始動口スイッチ21a(図10)がオンしたか否か、つまり遊技球が中始動口21(図2)に入賞したか否かを判定する(S20)。ここで、肯定判定すると(S20:Yes)、主制御用RAM54に記憶されている特別図柄保留数U1を参照し(S21)、特別図柄保留数U1が上限の4個未満であるか否かを判定する(S22)。ここで、肯定判定すると(S22:Yes)、遊技状態が確変遊技状態に変化していることを示す確変大当りフラグが1にセットされているか否かを判定する(S23)。つまり、現在の遊技状態が確変遊技状態であるか否かを判定する。
【0134】
ここで、現在の遊技状態が確変遊技状態であると判定すると(S23:Yes)、このとき転落抽選カウンタ53b(図12)がカウントした数値を取得し(S24)、転落抽選テーブル53cを参照し(S25)、転落抽選を行う(S26)。ここで、当りと判定した場合は(S26:Yes)、確変大当りフラグを0にリセットし、遊技状態を通常遊技状態に戻す設定を行う(S27)。続いて、主制御用CPU52は、大当り抽選カウンタがカウントした数値を1つ取得する(S28)。ここで、大当り抽選カウンタとは、連続した複数の異なる数値をカウントするカウンタであり、たとえば、リングカウンタである。この実施形態では、0〜99の連続した計100個の数値をカウントするリングカウンタである。
【0135】
続いて、主制御用CPU52は、大当り判定を実行する(S29)。ここで、先のS28において大当り抽選カウンタから取得した数値と同じ数値の大当り値が、主制御用ROM53に記憶されている場合は大当りと判定し(S29:Yes)、記憶されていない場合はハズレと判定する(S29:No)。
また、主制御用CPU52は、S23において現在の遊技状態が確変遊技状態ではないと判定した場合(S23:No)は、転落抽選を行わないで大当り抽選カウンタがカウントした数値を1つ取得し(S28)、大当り判定を行う(S29)。
【0136】
続いて、主制御用CPU52は、S29において大当りと判定した場合は(S29:Yes)、大当り図柄の抽選を実行する(S30)。大当り図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントする大当り図柄抽選カウンタと、大当り図柄テーブルとを用いて行う。大当り図柄テーブルは、大当り図柄抽選カウンタがカウントする数値と大当り図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタがカウントする数値を1つ取得し、その取得した数値と対応付けられている大当り図柄を大当り図柄テーブルから読出す。
【0137】
たとえば、大当り図柄抽選カウンタは、0〜9をカウントし、大当り図柄テーブルは、0〜9の数値と、大当り図柄000・111〜999とを対応付けて構成されている。そして、主制御用CPU52は、大当り図柄抽選カウンタから取得した数値が、たとえば7であった場合は、その7と対応付けられている大当り図柄「777」を大当り図柄テーブルから読出す。
【0138】
また、S29において大当りではない、つまりハズレと判定した場合は(S29:No)、ハズレ図柄の抽選を実行する(S31)。ハズレ図柄の抽選は、複数の連続した異なる数値をカウントするハズレ図柄抽選カウンタと、ハズレ図柄テーブルとを用いて行う。ハズレ図柄テーブルは、ハズレ図柄抽選カウンタがカウントする数値とハズレ図柄とを対応付けて構成されている。主制御用CPU52は、ハズレ図柄抽選カウンタがカウントする数値を1つ取得し、その取得した数値と対応付けられているハズレ図柄をハズレ図柄テーブルから読出す。
【0139】
続いて、主制御用CPU52は、大当り図柄を抽選により決定すると、その決定した大当り図柄の種類に応じて通常大当りであるか否かを判定する(図19のS32)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が000や222などの偶数を表した大当り図柄であった場合は、通常大当りであると判定する。ここで、通常大当りであると判定すると(S32:Yes)、通常大当りであると判定したことを示す通常大当りフラグをオンする(S33)。
【0140】
また、通常大当りではないと判定した場合は(S32:No)、第1確変大当りであるか否かを判定する(S34)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が777であった場合は、第1確変大当りであると判定する。ここで、第1確変大当りであると判定すると(S34:Yes)、第1確変大当りであると判定したことを示す第1確変大当りフラグをオンする(S35)。
【0141】
また、第1確変大当りではないと判定した場合は(S34:No)、第2確変大当りであるか否かを判定する(S36)。たとえば、抽選により決定した大当り図柄が偶数を表した大当り図柄および777以外の大当り図柄であった場合は、第2確変大当りであると判定する。ここで、第2確変大当りであると判定すると(S36:Yes)、第2確変大当りであると判定したことを示す第2確変大当りフラグをオンする(S37)。
【0142】
ここで、通常大当りは、第1変動入賞装置24が作動する大当りであり、第1大入賞口24aが開閉するラウンドをn3ラウンド実行する大当りである。また、第1確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn1ラウンド実行する大当りである。また、第2確変大当りは、第2変動入賞装置25が作動する大当りであり、第2大入賞口25aが開閉するラウンドをn2(n2<n1)ラウンド実行する大当りである。たとえば、n1=16、n2=2、n3=15である。
【0143】
また、大当り遊技中に第1大入賞口21または第2大入賞口22に入賞することによって払出される賞球数の総数の平均値を、第1確変大当りがp1個、通常大当りがp3個、第2確変大当りがp2個とすると、p2<p3<p1となるように構成されている。また、p2/p1=rとすると、0.125≦r<1となるように構成されている。
つまり、遊技者が第2確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p2が、第1確変大当りにおいて獲得可能な賞球数の総数p1の0.125倍(1/8)未満にならないように構成されている。
【0144】
そして、主制御用CPU52は、特別図柄保留数U1に1を加算し(S38)、特別図柄保留数U1、大当り判定の結果、転落抽選の抽選結果、大当りの種類、大当り図柄、ハズレ図柄および大当りの種類などの抽選結果を示すデータを演出制御基板400を介して画像音声制御用CPU72へ送信する(S39)。
【0145】
(変動開始処理)
次に、主制御用CPU52が実行する変動開始処理(図17のS504)の流れについて、それを示す図20のフローチャートを参照して説明する。
【0146】
主制御用CPU52は、特別図柄変動時間を計測中であるか否かを判定し(S50)、計測中ではないと判定した場合は(S50:No)、特別図柄保留数U1を参照する(S51)。そして、特別図柄保留数U1が1個以上であるか否かを判定し(S52)、1個以上であると判定した場合は(S52:Yes)、特別図柄保留数U1から1を減算し(S53)、特別図柄および演出図柄の変動開始を指示する変動開始コマンドと、現在の特別図柄保留数U1を示すデータとを演出制御基板400を介して画像音声制御用CPU72へ送信する(S54)。続いて、特別図柄変動時間(演出図柄変動時間)の計測を開始する(S55)。
【0147】
続いて、確変大当りフラグが1にセットされているか否か、つまり、確変遊技状態になっているか否かを判定し(S56)、確変遊技状態になっていると判定した場合は(S56:Yes)、演出図柄の変動表示回数Cに1を加算する(S57)。続いて、その加算により更新された変動表示回数Cが変動表示回数Cの上限値のn回に達したか否かを判定する(S58)。ここで、変動表示回数Cが上限値のn回に達したと判定した場合は(S58:Yes)、先の始動口処理のS35(図19)においてセットされている第1確変大当りフラグ、または、S37においてセットされている第2確変大当りフラグを0にリセットする(S59)。つまり、確変遊技状態を終了し、通常遊技状態に戻す。
【0148】
(画像音声制御用CPUが実行する主な処理)
次に、画像音声制御用CPU72(図11)が実行する主な処理の流れについて、それを示す図21のフローチャートを参照して説明する。
【0149】
画像音声制御用CPU72は、パチンコ機1が起動したときに初期設定を実行する(S600)。この初期設定では、コンピュータプログラムのセキュリティチェックなどを行う。次に、画像音声制御用CPU72は、データ受信処理(S601)、保留数表示処理(S602)、変動パターン抽選処理(S603)、効果音パターン抽選処理(S604)、LED点灯パターン抽選処理(S605)、演出処理(S606)および可動役物処理(S607)などを実行する。
【0150】
(データ受信処理)
画像音声制御用CPU72が実行するデータ受信処理(図21のS601)の流れについて、それを示す図22のフローチャートを参照して説明する。
【0151】
画像音声制御用CPU72は、演出制御基板400を介して主制御用CPU52からデータを受信したか否かを判定し(S200)、受信したと判定すると(S200:Yes)、その受信したデータを解析する(S201)。そして、その解析の結果、受信したデータが変動開始コマンドであるか、あるいは、大当り判定および確変大当り判定などの抽選結果であるかを判定する(S202,S203)。
【0152】
ここで、変動開始コマンドではない、つまり、受信したデータは抽選結果であると判定すると(S202:No、S203:Yes)、その受信した抽選結果を画像音声制御用RAM74に記憶する(S204)。受信した抽選結果は、図16に示したように、特別図柄保留数U1の発生した順位に対応して保留テーブル74aに記憶される。また、S202において変動開始コマンドであると判定した場合は(S202:Yes)、演出処理を実行する(S220)。
【0153】
(変動パターン抽選処理)
次に、画像音声制御用CPU72が実行する変動パターン抽選処理(図21のS603)の流れについて、それを示す図23のフローチャートを参照して説明する。
【0154】
画像音声制御用CPU72は、保留テーブル74a(図16)を参照し(S211)、保留テーブル74aに記憶されている判定結果および特別図柄保留数などのデータに対応する変動パターンテーブル(図15)を参照する(S212)。続いて、画像音声制御用CPU72は、変動パターンテーブルについて、前述したように乱数A〜乱数Dを用いて変動パターンを選択し、その選択した変動パターンを保留テーブル74aに記憶する(S213)。
【0155】
(演出処理)
次に、画像音声制御用CPU72が実行する演出処理(図21のS606)の流れについて、それを示す図24のフローチャートを参照して説明する。
【0156】
画像音声制御用CPU72は、演出図柄の変動時間を計測中であるか否かを判定し(S221)、計測中ではないと判定した場合は(S221:No)、保留テーブル74a(図16)を参照し、特別図柄保留数U1の発生順の1番目に記憶されている変動パターンを読出し(S222)、その読出した変動パターンに従った演出図柄の変動表示を演出表示器30に開始させる(S223)。続いて、演出図柄変動時間をセットし(S224)、演出図柄変動時間の計測を開始する(S225)。
【0157】
続いて、保留テーブル74aに記憶されている各データの記憶順位を1つずつ繰り上げ(S226)、特別図柄保留数U1から1を減算して特別図柄保留数U1を更新する(S227)。そして、次のサイクルでこの演出処理を実行するときに、S221において変動時間を計測中であると判定した場合は(S221:Yes)、計測している時間がタイムアップしたか否かを判定し(S228)、タイムアップしていないと判定した場合は(S228:No)、メッセージ画像Z4(図7)を表示するタイミングであるか否かを判定する(S231)。
【0158】
ここで、肯定判定した場合は(S231:Yes)、演出表示器30にメッセージ画像Z4を表示する(S232)。続いて、転落抽選結果画像Z2(図8)を表示するタイミングであるか否かを判定し(S233)、肯定判定した場合は(S233:Yes)、演出表示器30に転落抽選結果画像Z2を表示する(S234)。
【0159】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ機1を実施すれば、転落抽選に当選する確率が、入賞する始動口毎に異なるように構成されているため、変化に富んだ遊技を行うことができ、遊技に飽き難いパチンコ機を実現することができる。
【0160】
(2)しかも、転落抽選に当選する確率が、演出表示器30の右方に設けられた右始動口22の方が演出表示器30の下方に設けられた中始動口21よりも低く設定されているため、確変遊技状態に変化したときに遊技球を演出表示器30の右方へ発射させることができるので、変化に富んだ遊技を行うことができ、遊技に飽き難いパチンコ機を実現することができる。
しかも、演出表示器30の右方に形成された流下領域の活用率を高めることもできる。
【0161】
(3)また、転落抽選に当選する確率が、演出表示器30の右方に設けられた右始動口22の方が演出表示器30の下方に設けられた中始動口21よりも低く設定されていることを報知することができるため、上記の設定内容を知らない遊技者が不測の不利益を被るおそれがない。
【0162】
〈他の実施形態〉
(1)演出図柄の変動内容および可動役物41〜45の動作内容を組み合わせた内容が、転落抽選の抽選結果に応じて異なるように構成し、その内容の相違によって転落抽選の抽選結果を報知することもできる。
(2)演出図柄の変動内容、可動役物41〜45の動作内および容遊技盤5に配置されたLEDの点灯パターンの何れか2つ以上を組み合わせた内容が、転落抽選の抽選結果に応じて異なるように構成することもできる。
【0163】
(3)演出図柄の変動内容、可動役物41〜45の動作内、容遊技盤5に配置されたLEDの点灯パターンおよびスピーカ10〜12から出力される効果音の内容の何れか2つ以上を組み合わせた内容が、転落抽選の抽選結果に応じて異なるように構成することもできる。
【0164】
(4)前述した各実施形態では、大当り判定の判定結果が大当りであった場合に確変大当り判定を行うように構成されたパチンコ機について説明したが、大当り判定の判定結果が大当りであった場合に確変大当り判定を行わないで100%の確率で確変遊技状態に変化するように構成されたパチンコ機にも本願発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0165】
1・・パチンコ機(遊技機)、4a・・発射ハンドル(発射装置)、
5・・遊技盤、17・・左袖上入賞口(入賞口)、21・・中始動口(始動口)、
22・・右始動口(始動口)、24・・第1変動入賞装置(変動入賞装置)、
24a・・第1大入賞口(大入賞口)、25・・第2変動入賞装置(変動入賞装置)、
25a・・第2大入賞口(大入賞口)、30・・演出表示器(画像表示装置)、
53b・・転落抽選カウンタ(抽選手段)、
53c・・転落抽選テーブル(抽選手段)、
74a・・保留テーブル(入賞数記憶手段)、Z2・・転落抽選結果画像、
Z3・・保留数画像、Z4・・メッセージ画像。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の流下領域が形成された遊技盤と、
前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記遊技盤に設けられた複数の始動口と、
前記遊技盤に設けられた入賞口と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記複数の始動口のいずれかに入賞したときに大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行う大当り判定手段と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記複数の始動口に入賞した数(以下、入賞数という)を計数する入賞数計数手段と、
前記入賞数計数手段が計数した入賞数を特定の入賞数を上限として記憶し、かつ、前記複数の始動口の入賞の発生順と前記大当り判定手段による判定結果とを対応付けて記憶する入賞数記憶手段と、
前記入賞数記憶手段に1以上の入賞数が記憶されている場合に、識別情報を表した複数の画像を配列して成る画像列の変動表示をそれぞれ複数の表示領域において開始し、その開始から所定時間経過後に前記大当り判定の結果に対応する画像をそれぞれ前記複数の表示領域に確定表示する画像表示装置と、
前記画像列の変動表示が開始されてから、前記大当り判定の結果に対応する画像がそれぞれ前記複数の表示領域に確定表示されるまでを1回の変動表示とした場合に、前記画像表示装置が1回の変動表示を行う毎に前記入賞数記憶手段に記憶されている入賞数から1を減算する減算手段と、
前記遊技盤に設けられており、遊技球の入賞領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口を有し、前記大当り判定手段による大当り判定の結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が確定表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成された変動入賞装置と、を備えたパチンコ機において、
前記大当り判定において大当りと判定する確率の低い遊技状態を通常遊技状態とし、前記大当り判定において大当りと判定する確率の高い遊技状態を確変遊技状態とした場合に、
前記大入賞口が所定回数開閉する大当り遊技が終了した後の遊技状態が前記確変遊技状態に変化している場合に、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに、現在の確変遊技状態を前記通常遊技状態に変化させるか否かを抽選により決定する抽選手段を備えており、
前記抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、入賞する始動口毎に異なるように構成されたことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
前記画像表示装置の下方および右方にそれぞれ始動口が設けられており、
前記抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、前記画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が前記画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
【請求項3】
前記抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、前記画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が前記画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されていることを報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパチンコ機。
【請求項1】
遊技球の流下領域が形成された遊技盤と、
前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記遊技盤に設けられた複数の始動口と、
前記遊技盤に設けられた入賞口と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記複数の始動口のいずれかに入賞したときに大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行う大当り判定手段と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記複数の始動口に入賞した数(以下、入賞数という)を計数する入賞数計数手段と、
前記入賞数計数手段が計数した入賞数を特定の入賞数を上限として記憶し、かつ、前記複数の始動口の入賞の発生順と前記大当り判定手段による判定結果とを対応付けて記憶する入賞数記憶手段と、
前記入賞数記憶手段に1以上の入賞数が記憶されている場合に、識別情報を表した複数の画像を配列して成る画像列の変動表示をそれぞれ複数の表示領域において開始し、その開始から所定時間経過後に前記大当り判定の結果に対応する画像をそれぞれ前記複数の表示領域に確定表示する画像表示装置と、
前記画像列の変動表示が開始されてから、前記大当り判定の結果に対応する画像がそれぞれ前記複数の表示領域に確定表示されるまでを1回の変動表示とした場合に、前記画像表示装置が1回の変動表示を行う毎に前記入賞数記憶手段に記憶されている入賞数から1を減算する減算手段と、
前記遊技盤に設けられており、遊技球の入賞領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口を有し、前記大当り判定手段による大当り判定の結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が確定表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成された変動入賞装置と、を備えたパチンコ機において、
前記大当り判定において大当りと判定する確率の低い遊技状態を通常遊技状態とし、前記大当り判定において大当りと判定する確率の高い遊技状態を確変遊技状態とした場合に、
前記大入賞口が所定回数開閉する大当り遊技が終了した後の遊技状態が前記確変遊技状態に変化している場合に、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに、現在の確変遊技状態を前記通常遊技状態に変化させるか否かを抽選により決定する抽選手段を備えており、
前記抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、入賞する始動口毎に異なるように構成されたことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
前記画像表示装置の下方および右方にそれぞれ始動口が設けられており、
前記抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、前記画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が前記画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
【請求項3】
前記抽選手段が、遊技状態を現在の確変遊技状態から通常遊技状態に変化させると決定する確率が、前記画像表示装置の右方に設けられた始動口の方が前記画像表示装置の下方に設けられた始動口よりも低く設定されていることを報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパチンコ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
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【図14】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2013−9757(P2013−9757A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143362(P2011−143362)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
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