パチンコ遊技機
【課題】遊技球を始動領域と非始動領域に振り分ける機能を備えたパチンコ遊技機であっても、情報表示装置に表示されるスタート回数により遊技者にマイナスイメージを与えないようにする。
【解決手段】遊技球が入球可能な入球口を通過した遊技球を検知する入球検知SWと、入球検知SWを通過した遊技球を始動領域又はハズレ領域の何れかに振り分ける振分手段と、始動領域に振り分けられた遊技球を検知する始動検知SWと、遊技中に生成した遊技情報を外部信号として出力可能な外部信号出力制御手段71と、を備え、外部信号出力制御手段71は、入球検知SWの検知結果に基づいて生成した入球検知情報を外部信号として出力する入球検知情報出力制御手段76を有する。
【解決手段】遊技球が入球可能な入球口を通過した遊技球を検知する入球検知SWと、入球検知SWを通過した遊技球を始動領域又はハズレ領域の何れかに振り分ける振分手段と、始動領域に振り分けられた遊技球を検知する始動検知SWと、遊技中に生成した遊技情報を外部信号として出力可能な外部信号出力制御手段71と、を備え、外部信号出力制御手段71は、入球検知SWの検知結果に基づいて生成した入球検知情報を外部信号として出力する入球検知情報出力制御手段76を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入球口に入球した遊技球を始動領域又は非始動領域の何れかに振り分ける振分手段を備えたパチンコ遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今の1種2種混合タイプの遊技機は、周知のように、一対の羽根(可動片)からなる変動入賞装置(大入賞口)が遊技盤に設けられ、所定の始動口に遊技球が入賞すると、ソレノイドが作動して変動入賞装置の羽根が1回ないし2回開閉作動し、遊技盤面を流下する遊技球を捕捉して変動入賞装置内に導くように構成されている。
変動入賞装置の内部には、Vゾーンと称される特定領域が設けられており、変動入賞装置に入賞した遊技球がさらに特定領域に入賞した場合に特別遊技(大当たり)状態が発生する。大当たり遊技状態においては、ソレノイドの作動により羽根が所定期間開放されるか、所定期間に規定数の遊技球の入賞が検出されるまで継続的に開閉するか、もしくは、所定回数(例えば18回)継続的に開閉することで第1ラウンドとして動作する。そして、当選した大当たりの内容に応じて第2ラウンドが連続的に開始されて羽根の継続的な開閉が更に繰り返される。以下同様に所定ラウンド数(当選した大当たりの内容に応じて、最高16ラウンド)まで繰り返され、このような特定遊技状態の期間中に多数の遊技球を獲得できるようにしたものである。大当たり遊技時のラウンド回数は、始動口の入賞を契機に内部的に抽選を行って決定するようにしている。
【0003】
ところで、従来の2種タイプの遊技機では、始動入賞口に入賞した全ての入賞数をデータ収集でき、かつ、可動片の開閉に係った入賞数を正確にデータ収集できる遊技機等が提案されている。例えば、特許文献1には、始動入賞口へ入賞した遊技球を外部においてデータ収集可能に信号を出力する制御を行う始動入賞信号出力制御手段を備え、始動入賞信号出力制御手段は、始動入賞口へ入賞したすべての始動入賞球を検出するための始動入賞信号を各々出力する制御を行う全始動入賞信号出力制御手段と、可動片の作動に係わった有効始動入賞球であることを検出するための有効始動入賞信号を出力する制御を行う有効始動入賞信号出力制御手段と、を備えた遊技機が開示されている。
また、昨今のパチンコ遊技機には、入球した遊技球を当りルートと外れルートのいずれか一方へと振り分ける振分装置を備えたものが提案されている。
例えば、特許文献2には、遊技盤面上を転動した遊技球が振分装置に入球すると、この遊技球を最後部の揺動誘導面部(第1段目の揺動誘導面部)まで案内し、この揺動誘導面部上で遊技球を揺動させ、遊技球の揺動が終息すると遊技球を前後方向中央部の揺動誘導面部(第2段目の揺動誘導面部)に誘導する。第2段目の揺動誘導面部は、この揺動誘導面部上で遊技球を揺動させ、遊技球の揺動が終息すると遊技球を最前部の揺動誘導面部(第3段目の揺動誘導面部)に誘動する。第3段目の揺動誘導面部は、この揺動誘導面部の上で遊技球を揺動させ、揺動が終息したとき、遊技球が始動入賞口の真上に位置する場合には、遊技球は当りルートへ振り分けられたこととなり、始動入賞口への遊技球の入賞の確率を高くし、他方、揺動が終息したとき、遊技球が始動入賞口の真上以外に位置する場合には、遊技球は外れルートへ振り分けられたこととなり、始動入賞口への遊技球の入賞を低くするようにした振分装置が開示されている。
【特許文献1】特開2000−350847公報
【特許文献2】特開2001−334031公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パチンコ遊技機が設置されるホールなどにおいては、各遊技機の遊技情報を表示する情報表示装置が遊技機ごとに備えられている。情報表示装置は、遊技機から入力される外部出力信号に基づいて、対応する遊技機のスタート回数や大当たり回数を表示する表示機能を備えている。
このため、例えば、1種2種混合タイプの遊技機は、始動入賞口に入賞した遊技球によって特別図柄表示器の特別図柄が変動・停止(確定)するごとに、外部出力信号としてスタート信号(始動入賞信号)を出力するようにしていた。また特別図柄表示器の特別図柄が大当たり図柄で停止した場合、或いは、変動入賞装置内に誘導された遊技球が特定領域に入賞した場合は、外部出力信号として大当たり情報信号(特別遊技状態信号)を出力するようにしていた。
【0005】
しかしながら、上記特許文献2の振分装置を1種2種混合タイプの遊技機に適用した場合は以下のような問題点があった。
振分装置を備えた遊技機では、通常、振分装置に入球する遊技球の個数より始動領域を通過する遊技球の個数のほうが少ないため、情報表示装置に表示されるスタート回数を始動入賞信号に基づいてカウントアップした場合は、振分装置を備えていない遊技機に比べて情報表示装置に表示されるスタート回数が少なくなる。
この結果、遊技者に、遊技球が思ったほど始動入賞口に入賞しない遊技機、或いは遊技球が始動入賞口に入賞しないので大当たりが発生し難い遊技機といったマイナスイメージを与えてしまうおそれがあった。特に、振分装置によってハズレ領域に遊技球を振り分ける割合を高くした場合は、情報表示装置に表示されるスタート回数が極端に少なくなるため、遊技者が遊技機に対してマイナスイメージを強く抱くおそれがあった。
本発明は、上記したような点を鑑みてなされたものであり、遊技球を始動領域と非始動領域に振り分ける機能を備えたパチンコ遊技機であっても、情報表示装置に表示されるスタート回数により遊技者にマイナスイメージを与えないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態により実現することが可能である。
即ち、本発明の第1の形態は、遊技球が入球可能な入球口と、前記入球口の近傍に配置され、前記入球口を通過した遊技球を検知する入球検知手段と、前記入球検知手段を通過した遊技球を始動領域又は非始動領域の何れかに振り分ける振分手段と、前記始動領域に振り分けられた遊技球を検知する始動検知手段と、遊技中に生成した遊技情報を外部信号として出力可能な外部信号出力制御手段と、を備え、前記外部信号出力制御手段は、前記入球検知手段の検知結果に基づいて生成した入球検知情報を外部信号として出力する入球検知情報出力制御手段を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の形態は、演算可能な演算手段を備え、前記演算手段は、前記入球検知手段の検知数と前記始動検知手段の検知数とから始動領域通過率を算出する始動領域通過率算出手段を有することを特徴とする。
また、本発明の第3の形態は、前記始動検知手段により遊技球が検知されることにより特別図柄の変動表示を制御する図柄表示制御手段と、遊技球が入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な変動入賞装置と、前記図柄表示手段に所定図柄が停止表示されることにより、前記変動入賞装置を所定時間開状態に変化させる開閉制御手段と、所定の大当たりゲームを実行する大当たりゲーム制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の第4の形態は、前記振分手段は、前記入球口に入球した遊技球を後方へ誘導する誘導通路と、前記誘導通路により誘導され遊技球を左右方向へ揺動させる第1揺動誘導面部と、前記第1揺動誘導面部により前方へ誘導された遊技球を左右方向へ揺動させて前記始動領域又は前記非始動領域のいずれか一方へ誘導する第2揺動誘導面部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のパチンコ遊技機では、外部信号出力制御手段に入球検知情報出力制御手段を設け、この入球検知情報出力制御手段から入球口への入球を示す入球検知情報信号を出力可能に構成したことで、情報表示装置などの外部装置に入球情報信号を入力することが可能になる。よって、例えば情報表示装置に表示されるスタート回数は、入球口に入球した遊技球数をスタート回数として表示できるので、遊技者が遊技前あるいは遊技中に情報表示装置の表示によって大当たりし難い遊技機であるといったマイナスイメージを抱くことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の全体正面図である。
この図1に示すパチンコ遊技機100は、矩形形状の枠101を有し、この枠101の窓孔に対して遊技盤1が着脱可能に取り付けられている。
遊技盤1の前面側には、図示しないガラス枠が開閉可能に取り付けられている。また遊技盤1の下部には遊技球を貯留する受け皿部102と、この受け皿部102の遊技球を発射する発射レバー103等が設けられている。
受け皿部102の上面には、例えば遊技者自身に操作を行わせて遊技に対する参加感を演出する演出ボタン104が設けられている。また、図示しないが受け皿部102の上面には遊技球の購入ボタン、購入取り消しボタン、受け皿部102内の遊技球を下方から外部に抜くための球抜きボタン等が設けられている。
遊技盤1の略中央には、上大入賞口(変動入賞装置)2が設けられている。
上大入賞口2の上部両側には、遊技球を上大入賞口2内へ導入する導入部として、遊技球が入賞し難い閉状態と遊技球が入賞し易い開状態に変化可能な一対の可動片3L、3Rが設けられている。
また上大入賞口2の内部後方には、画像表示用の画像表示器(画像表示手段)21が配置されている。なお、本実施形態では可動片3L,3Rの形状を羽根形状としているが、これはあくまでも一例であり、羽根形状でなくてもよい。
上大入賞口2の内部には、特定領域(Vゾーン)4と、可動片3L、3Rを介して入賞した遊技球が特定領域4を通過し易い特別通路5と、遊技球が特定領域4を通過し難い通常通路6と、遊技球を特別通路5または通常通路6に振り分けるように作動する可動振分体(可動体)7とが設けられている。
【0010】
特定領域4内には、後述する特定領域スイッチ4aが設けられている。特別通路5を通過した遊技球は第1の回転体8に誘導される。一方、通常通路6を通過した遊技球は第2の回転体9に誘導される。
第1の回転体8には、遊技球を収容する収容部8aが例えば3つ設けられており、これは3つの収容部8aのうち何れか1つの収容部8aに遊技球が収容された場合、遊技球は特定領域4へ誘導され、それ以外の収容部8aに遊技球が収容された場合、遊技球は特定領域4以外の領域(非特定領域)へ誘導される。一方、第2の回転体9には、遊技球を収容する収容部9aが例えば5つ設けられており、これは5つの収容部9aのうち何れか1つの収容部9aに遊技球が収容された場合、遊技球は特定領域4へ誘導され、それ以外の収容部9aに遊技球が収容された場合、遊技球は非特定領域へ誘導される。よって、上大入賞口2に入賞した遊技球は通常通路6へ誘導されるより特別通路5へ誘導されたほうが特定領域4を通過し易くなる。
なお、本実施形態では、第1及び第2の回転体8、9を用いることで、特別通路5に誘導された遊技球が特定領域4に入賞する入賞率を、通常通路6に誘導された遊技球が特定領域4に入賞する入賞率より高くなるように構成しているが、これはあくまでも一例であり、特別通路5の遊技球が特定領域4に入賞する入賞率を、通常通路6の遊技球が特定領域4に入賞する入賞率より高くできれば、他の構成であっても良い。
【0011】
また、上大入賞口2内の前面下方には、第1特別図柄の変動と表示を行う第1特図表示器10と、普通図柄の変動と表示を行う普通図柄表示器11と、第2特別図柄の変動と表示を行う第2特図表示器12が設けられている。この場合、第1特図表示器10及び第2特図表示器12は、例えば7セグメント表示器により構成されている。また普通図柄表示器11は、例えば「○」と「×」を象ったランプ表示器によって構成されている。
上大入賞口2の下方領域には、第1特図表示器10に表示される第1特別図柄を作動させるための始動入球装置30が設けられている。なお、始動入球装置30の詳細は後述する。
上大入賞口2の右側領域には、普通図柄表示器11に表示される普通図柄を作動させるためのゲート14が設けられている。ゲート14の内部にはゲートスイッチ14aが設けられており、遊技球がゲートスイッチ(SW)14aを通過したときに普通図柄表示器11の普通図柄を変動表示する。
【0012】
ゲート14の下方には、第2特図表示器12に表示される第2特別図柄を作動させるための第2始動口として機能する電動式チューリップ15が設けられている。電動式チューリップ15の内部には、第2始動口スイッチ15aが設けられており、遊技球が第2始動口スイッチ(SW)15aを通過したときに第2特図表示器12の第2特別図柄を変動表示する。
電動式チューリップ(以下、「電チュー」と称する)15は、普通図柄表示器11が特定図柄(この例では「○」)にて停止した場合に遊技球の入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態になる。なお、本実施形態では、第2変動入賞装置の一例として、電チューを例に挙げて説明したが、あくまでも一例であり、遊技球の入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な構造のものであれば良い。
電チュー15の下方には、下大入賞口16が設けられている。下大入賞口16は、特別遊技状態である大当り状態のときに開放状態になる開閉扉17を有しており、その内部には下大入賞口スイッチ(SW)16aが設けられている。なお、本実施形態では、下大入賞口16を遊技盤1の右側領域に設けるようにしたが、あくまでも一例であり、例えば遊技盤1の中央下部に配置しても良い。遊技盤1の最下部にはアウト口20が設けられている。
【0013】
図2は本実施形態のパチンコ遊技機に備えられている始動入球装置の斜視図、図3は始動入球装置の分解斜視図、図4は始動入球装置から正面カバー体を取り外した後の始動入球装置の斜視図、図5は遊技盤に取り付けられた始動入球装置の要部断面図、図6は前側揺動誘導部材の背面図をそれぞれ示す。
図2〜図6において、始動入球装置30は、遊技盤面(遊技盤の正面)1aにねじで固定されるベースプレート31を備える。
ベースプレート31は、ほぼ四角形状の窓孔32を有する。窓孔32の上端中央部には半円状の切欠部33が形成されており、この切欠部33の周縁部から後方に、ほぼ遊技球1個分の長さだけ、ほぼ半円筒状のフード部34が延設されている。また、窓孔32の下端部の後方に、後述する後側揺動誘導部材49を支持する支持部35が延設されている。
ベースプレート31の表面(前面)には、表面カバー体36が固着される。
表面カバー体36は、多角形の枠形状に形成されており、ほぼ遊技球1個分の厚さを有する。表面カバー体36は、前面に窓孔37を有し、この窓孔37は透明樹脂板38で塞がれ、表面カバー体36の内部は視認することができる。
【0014】
表面カバー体36の上端中央部には、入球口39及び誘導通路40が形成されている。入球口39は、上方へ開口しており、遊技盤面1a上を転動している遊技球が入球可能である。誘導通路40は、入球口39の下方に位置し、入球口39に入球した遊技球を受止め、ほぼ遊技球1個分だけ後方へ誘導する後下がりの傾斜部41を有する。誘導通路40の前面開口部42は、小カバー体43で塞がれる。
表面カバー体36の下端部の収容凹部44には、後方から前側揺動誘導部材45が挿入、収容される。
前側揺動誘導部材45の上面は、前側揺動誘導面部(第2揺動誘導面部)46を構成する。前側揺動誘導面部46は、左右方向に3つの谷部47を有し、互いに隣り合う谷部47の間に山部48が形成されている。各谷部47は、図6に示すように、後下がりの傾斜面によって形成されている。前側揺動誘導面部46は、後述する後側揺動誘導面部(第1揺動誘導面部)53の前端から落下してくる遊技球を山部48で受止め、左右方向へ揺動させた後、遊技球を、後方の後述する始動領域ルート58又はハズレ領域ルート(非始動領域ルート)59のいずれかのルートに振り分ける。ベースプレート31の窓孔32の後面には後側揺動誘導部材49が配される。
【0015】
後側揺動誘導部材49は、入球口39の近傍である上端中央部に上下方向の貫通孔50を有する入球検知スイッチ52と、後壁部51とを有する。貫通孔50は、ベースプレート31のフード部34の真下に位置し、表面カバー体36の誘導通路40によって後方へ誘導されてきた遊技球を下方へ誘導する。また、後壁部51は、フード部34の後端開口部を塞ぎ、誘導通路40によって後方へ誘導されてきた遊技球を受け止め貫通孔50へ誘導する。
貫通孔50の下方に、後側揺動誘導面部53が配置される。後側揺動誘導面部53は、左右方向に2つの谷部54を有し、互いに隣り合う谷部54の間に山部55が形成されている。各谷部54は、前下がりの傾斜面によって形成されている。後側揺動誘導面部53は、貫通孔50から落下してきた遊技球を受止め、左右方向へ揺動させた後、ほぼ遊技球1個分だけ遊技球を前方へ誘導し、前端から前側揺動誘導面部46へ誘導する。
後側揺動誘導部材49の前面部の下端部に、開口部56が3つ左右方向に並んで設けられている。3つの開口部56は、後側揺動誘導面部53の下方に位置すると共に前側揺動誘導部材45の3つの谷部47に対向し、前側揺動誘導部材45の谷部47の上の遊技球を通過させて後方の始動領域ルート58又はハズレ領域ルート59へ案内する。
前側揺動誘導部材45の開口部56の後面に、ルート形成部材57が配置される。ルート形成部材57は、左右方向の中央部に位置する1つの始動領域ルート58と、始動領域ルート58の左側及び右側に位置する2つのハズレ領域ルート59を形成する。各ルート58、59は、後側揺動誘導部材49の開口部56から後方へ延びる水平通路部60と、水平通路部60の後端から下方へ垂直に延びる垂直通路部61とによって構成される。始動領域ルート58の垂直通路部61には、始動領域ルート58を通過する遊技球を検知するための第1始動口スイッチ(始動検知手段)62が配設される。始動入球装置30は、図5に示すように、遊技盤1の貫通した取付孔1bに挿入され、ねじ等で固定されている。
【0016】
次に、上記のように構成される始動入球装置30の動作を説明する。
遊技盤面1a上を転動している遊技球が始動入球装置30の入球口39に上方から入球すると、遊技球は誘導通路40の傾斜部41によって後方へ誘導され、入球検知スイッチ52の貫通孔50を通過して後側揺動誘導面部53の山部55の上に落下する。遊技球が貫通孔50を通過すると入球検知スイッチ52がオンになり、後述する遊技制御基板111において、始動入球装置30の入球口39に遊技球が入球したことを検知し、遊技制御基板111は賞球払出装置に対して所定個数の賞球の払出を指示する。
後側揺動誘導面部53の山部55の上に落下した遊技球は、後側揺動誘導面部53において左右方向へ揺動し、揺動が終息して2つの谷部54のうちのいずれか一方の谷部54に落ち着くと、この谷部54の前下がりの傾斜面によりより前方へ移動し、谷部54の前端から前側揺動誘導面部46の対応する山部48の上に落下する。
前側揺動誘導面部46の山部48の上に落下した遊技球は、前側揺動誘導面部46において左右方向へ揺動し、揺動が終息して3つの谷部47のうちのいずれかの谷部47に落ち着くと、この谷部47の後下がりの傾斜面により後方へ移動し、後側揺動誘導部材49の対応する開口部56を通過して、ルート形成部材57の当りルート59又は2つのハズレ領域ルート59、59の何れかに振り分けられる。
遊技球が始動領域ルート58に振り分けられた場合、遊技球が垂直通路部61を通過するときに第1始動口スイッチ62がオンになり、遊技制御基板111において、始動領域への入賞が検知される。
他方、遊技球がハズレ領域ルート59に振り分けられた場合、遊技球は水平通路部60と垂直通路部61を通過してパチンコ遊技機の外へ排出される。
【0017】
このように構成される始動入球装置30は、遊技盤面1a上を転動し、入球口39に入球した遊技球は、振分手段を構成している誘導通路40によってほぼ遊技球1個分だけ後方へ誘導され、落下して後側揺動誘導面部53に受止められ、この後側揺動誘導面部53の上で揺動した後、ほぼ遊技球1個分だけ前方へ誘導され、落下して前側揺動誘導面部46に受止められ、この前側揺動誘導面部46の上で揺動した後、後方の始動領域ルート58又はハズレ領域ルート59のいずれか一方へと誘導される。
このため、入球口39及び前側揺動誘導面部46は、遊技盤面1aから突出した位置に配されるとともに、後側揺動誘導面部53の少なくとも一部は、遊技盤1の取付孔1bの内側に位置することになり、始動入球装置30の前後方向の寸法が縮小化され、装置の小型化を図ることができる。また、始動入球装置30を遊技盤1に取り付けた際、遊技盤1の裏面から後方へ突出する長さが縮小し、設計の自由度の向上などを図ることができる。
【0018】
図7は、本実施形態のパチンコ遊技機全体の遊技制御を行う遊技制御装置の構成を示したブロック図である。
この図7に示す遊技制御装置には、主(メイン)制御基板として、遊技の進行を制御する遊技制御基板111が設けられている、また副(サブ)制御基板として、遊技演出を制御する演出制御基板120、ランプ制御基板141、賞球の払い出しを制御する払出制御基板151等が設けられている。
遊技制御基板111は、メインCPU112、ROM113、RAM114、及び入出力インターフェース(以下、「I/O」と称する)115、116を有し、当該パチンコ遊技機の主たる制御を行う。
I/O115には、上大入賞口2内の可動振分体7、始動入球装置30の入球口39の近傍に配置された入球検知スイッチ(SW)52、始動入球装置30の始動領域ルート58に配置された第1始動口スイッチ(SW)62、電チュー15に設けられた第2始動口SW15a、電チュー15を開閉動作させるための電チューソレノイド15b、ゲート14に設けられたゲートSW14a、上大入賞口2に入賞した遊技球を検出する上大入賞口SW2a、下大入賞口16に入賞した遊技球を検出する下大入賞口SW16aが接続されている。また上大入賞口2の可動片3L、3Rを開閉動作させるための上大入賞口ソレノイド2b、下大入賞口16の開閉扉17を開閉動作させるための下大入賞口ソレノイド16b、普通図柄表示器11、特定領域4に設けられた特定領域SW4a、第1特図表示器10、第2特図表示器12等が接続されている。
一方、I/O116は、演出制御基板120の演出制御部121に設けられているI/O125、払出制御基板151のI/O155、及び遊技制御基板111で生成された遊技情報を外部に出力可能な盤用外部情報端子基板160が接続されている。
【0019】
演出制御基板120は、演出制御部121、及び画像・音声制御部131から構成される。演出制御部121は、CPU122、ROM123、RAM124、I/O125、126、127を有し、遊技演出全体の制御を行う。
I/O125には、遊技制御基板111のI/O116と演出ボタン104とが接続されている。I/O126は、画像・音声制御部131のI/O135と接続され、I/O127はランプ制御基板141のI/O145と接続される。
画像・音声制御部131は、CPU132、ROM133、RAM134、I/O135、136を有し、演出制御部121の指示に基づいて画像及び音声の制御を行う。I/O136にはスピーカ105及び演出用の画像表示器21が接続されている。
ランプ制御基板141は、CPU142、ROM143、RAM144、I/O145、146を有し、I/O146に接続されている各種ランプ、例えば盤ランプ147や枠ランプ148、可動役物149等の制御を行う。
払出制御基板151は、CPU152、ROM153、RAM154、I/O155、156を有し、I/O156に接続されている遊技球を払い出す払出装置157の払出駆動モータ等の駆動制御を行う。
また、I/O156には定位置検出SW158aや、払出球検出SW158b、球有り検出SW158c、満タン検出SW158d等が接続されている。また、I/O155には、枠用外部情報端子基板170等が接続されている。
【0020】
図8は、本実施形態のパチンコ遊技機の遊技制御基板に設けられている特徴的な機能ブロックを示した図である。
遊技制御基板111のROM113には、外部信号出力制御手段71、演算手段72、図柄表示制御手段73、開閉ゲーム制御手段74、及び大当たりゲーム制御手段75などを備えている。
外部信号出力制御手段71は、第1始動口SW62又は第2始動口SW15aにおいて遊技球の入賞が検知されたときに外部情報信号として始動検知情報信号を生成し、生成した始動検知情報信号を盤用外部情報端子基板160に出力する出力制御を行う。また大当たりゲームに当選したときに外部情報信号として大当たり情報信号を生成し、生成した大当たり情報信号を盤用外部情報端子基板160に出力する出力制御を行う。
さらに外部信号出力制御手段71は、入球検知情報出力制御手段76を有する。入球検知情報出力制御手段76は、入球検知SW52において遊技球の入球を検知したときに外部情報信号として入球検知情報信号を生成し、生成した入球検知情報信号を盤用外部情報端子基板160に出力する出力制御を行う。
【0021】
演算手段72は、始動領域通過率算出手段76を有し、入球検知SW52での遊技球の検知数と第1始動口SW62での遊技球の検知数とに基づいて始動領域通過率の算出を行う。
図柄表示制御手段73は、第1始動口SW62又は第2始動口SW15aにより遊技球が検知されることにより第1特図表示器10又は第2特図表示器12の特別図柄の変動表示を制御する。
開閉ゲーム制御手段74は、第1特図表示器10に所定図柄が停止表示されたときに、上大入賞口2を所定時間(例えば、0.8秒)、開状態に変化させる開閉ゲーム(通常ゲーム)を実行する。また、第2特図表示器12により所定の図柄が停止表示されることにより、上大入賞口2を上記所定時間よりも長い時間(例えば、1.6秒)、開状態に変化させる第2開閉ゲーム(時短ゲーム)を実行する。
大当たりゲーム制御手段75は、第1特図表示器10又は第2特図表示器12に特定図柄(大当たり図柄)が停止表示されるか、或いは開閉ゲーム中に遊技球が上大入賞口2内の特定領域4を通過することにより所定の大当たりゲームを実行する。
【0022】
図9は、本実施形態のパチンコ遊技機の演出制御基板に設けられている特徴的な機能ブロックを示した図である。
演出制御基板121のROM123には、振分表示制御手段81を備えている。
振分表示制御手段81は、始動入球装置30の入球口39に遊技球が入球したときに、画像表示器21に始動入球装置30において遊技球が振り分け中である旨を表示する表示制御を行う。この場合の表示期間としては、例えば、始動入球装置30の入球検知SW52において遊技球を検知してから第1始動口SW62において遊技球を検知するまでの期間、又は入球検知SW52において遊技球を検知してから所定時間経過するまでの期間などが考えられる。
【0023】
図10は、本実施形態の始動入球装置の検知タイミングと遊技制御基板から出力される外部情報信号の出力タイミングの関係を示した図であり、図10(a)は入球検知SWの検知タイミング、図10(b)は遊技制御基板から出力される入球情報信号の出力タイミング、図10(c)は第1始動口SWの検知タイミング、図10(d)は遊技制御基板から出力される第1始動検知情報信号の出力タイミングをそれぞれ示した図である。
遊技制御基板111は、図10(a)に示すように、入球検知SW52において遊技球が検知したときは、図10(b)に示すように入球検知情報信号を生成して、例えばホール(管理者)側のコンピュータや情報表示装置などの外部装置に出力する。また図10(c)に示すように第1始動口SW62において遊技球が検知したときは、図10(d)に示すように第1始動検知情報信号を生成して、上記同様外部装置に出力する。
【0024】
図11は、情報表示装置の一例を示した図であり、(a)は概略外観図、(b)は内部構成の一例を示した図である。
この図11(a)に示す情報表示装置300は遊技機の上方位置にそれぞれ設置される。
情報表示装置300の正面には表示器301が取り付けられている。
表示器301は、スタート回数を表示するスタート回数表示領域302と、当たり回数を表示する当たり回数表示領域303とを有し、夫々の表示領域にスタート回数と当たり回数とを表示するようにしている。
図11(a)に示す例では、スタート回数が「58」、本日の当たり回数が「20」回であることが表示されている。
表示器301の表示制御は、図11(b)に示す制御部304が行う。制御部304は、パチンコ遊技機から信号入力端子t1に入力される外部情報信号(スタート信号)に基づいてスタート回数表示領域302に表示するスタート回数のカウントアップを行う。また、信号入力端子t2に入力される外部情報信号(当たり信号)に基づいて、当たり回数表示領域303に表示する当たり回数のカウントアップとスタート回数表示領域302のスタート回数のリセットなどを行う。
通常、信号入力端子t1には、始動口に遊技球が入賞したことを示す始動検知情報信号を入力する。また、信号入力端子t2には、大当たりに当選したことを示す大当たり情報信号を入力する。
【0025】
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機では、始動入球装置30に入球する遊技球の個数より始動領域を通過する遊技球の個数のほうが少ないため、情報表示装置300に表示されるスタート回数を始動検知情報信号に基づいてカウントアップした場合は、始動入球装置30を備えていない遊技機に比べて情報表示装置300に表示されるスタート回数が少なくなる。この結果、遊技者に、遊技球が思ったほど始動領域に入賞しない遊技機、或いは遊技球が始動領域に入賞しないので、大当たりが発生し難い遊技機といったマイナスイメージを与えてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機では、外部信号出力制御手段71に入球検知情報出力制御手段76を設け、この入球検知情報出力制御手段76から始動入球装置30の入球口39への入球を示す入球検知情報信号を出力可能に構成した。このように構成することで、例えば情報表示装置300の信号入力端子t1に入球情報信号を入力することが可能になる。この結果、情報表示装置300のスタート回数は始動入球装置30に入球した遊技球数をスタート回数として表示できるので、遊技者が遊技前あるいは遊技中に情報表示装置300の表示によって大当たりし難い遊技機であるといったマイナスイメージを抱くことがない。特に、始動入球装置30の球振分手段によってハズレ領域に遊技球を振り分ける割合を高くした場合でも遊技者がマイナスイメージを抱くことなく有効である。
【0026】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、外部情報信号として、始動検知情報信号と入球検知情報信号との両方を外部に出力することで、外部装置(例えばホール側のコンピュータや情報表示装置)において始動入球装置30に入球した遊技球が振分手段によって始動領域に振り分けられる割合を算出するといったことも可能になる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、始動領域通過率算出手段76により入球検知SW52での遊技球の検知数と、第1始動口SW62での遊技球の検知数とに基づいて、遊技球の始動領域通過率の算出を行うことで、遊技機自体で始動入球装置30に入球した遊技球の始動領域通過率を算出することが可能になる。この場合は、算出した始動領域通過率情報は、外部情報信号として外部装置に出力したり、或いは画像表示器21に表示して遊技者に提供したりすることが可能になる。
【0027】
さらに、本実施形態のパチンコ遊技機では、始動入球装置30の入球検知SW52により遊技球を検知したときは、振分表示制御手段81により第1始動口SW62により遊技球を検知するまでの期間、又は入球検知SW52により遊技球を検知してから所定時間経過するまでの期間、画像表示器21に遊技球が始動入球装置30による振り分中である旨の表示制御を行うようにした。
このように構成することで、始動入球装置30に遊技球が入球した段階で遊技者の視線が上大入賞口2に移ってしまった場合でも、図12に示すように上大入賞口2内の画像表示器21の表示により、遊技者は遊技球がまだ始動入球装置30で振り分け中であることを容易に把握することができる。よって、遊技者が、始動入球装置30の振分手段による振り分けゲームを見逃してしまったり、或いは遊技機が故障していると勘違いしたりするおそれがない。
【0028】
以下、これまで説明した本実施の形態のパチンコ遊技機の動作を実現するために遊技制御装置の遊技制御基板111又は演出制御基板121が実行する処理について説明する。
なお、図13〜図18に示す処理は遊技制御基板111のメインCPU112がROM113に格納されているプログラムを実行することにより実現できる。また、図19に示す処理は演出制御基板121のCPU122がROM123に格納されているプログラムを実行することにより実現できる。
[メイン処理]
図13は、メインCPU112が実行するメイン処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、例えば1000msの時間待機した後(S1)、RAM114のアクセスを許可する(S2)。次に、RAMクリアスイッチがONであるか否かの判定を行い(S3)、ONであると判定した場合は(S3:Yes)、RAM114をクリアする(S4)。次いで、クリア時の作業領域を設定し(S5)、演出制御基板やランプ制御基板、払出制御基板などの各種サブ基板の設定を行う(S6)。
一方、ステップS3において、RAMクリアスイッチがONでないと判定した場合は(S3:No)、バックアップフラグがONであるか否かの判定を行う(S7)。バックフラグがONであると判定した場合は(S7:Yes)、チェックサムが正常であるか否かの判定を行う(S8)。チェックサムが正常であると判定した場合は(S8:Yes)、復旧処理を実行する(S9)。また、バックアップフラグがONでないと判定した場合(S7:No)、又はチェックサムが正常でないと判定した場合(S8:No)、ステップS4に進み、RAM114をクリアする。
次に、メインCPU112は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(例えば、4ms)を設定し(S10)、次いで、電源断監視処理を実行する(S11)。次に、変動パターン乱数を更新し(S12)、割込を禁止する(S13)。次に、初期値乱数を更新し(S14)、割込を許可する(S15)。以降、ステップS11からステップS15の処理を繰り返し実行する。
【0029】
[タイマ割込処理]
図14は、メインCPU112が実行するタイマ割込処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、割込処理として、乱数更新処理(S21)、スイッチ処理(S22)、大入賞口処理(S23)、可動体処理(S24)、図柄処理(S25)、賞球処理(S26)、出力処理(S27)を実行してメイン処理に戻る。
【0030】
以下、メインCPU112がタイマ割込処理において実行する各種処理について説明する。
[入球検知SW処理]
図15はメインCPUが実行する入球検知SW処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、入球口39の入球検知SW52がONであるか否かの判定を行い(S31)、入球検知SW52がONであると判定した場合は(S31:Yes)、RAM114に入球検知情報を記憶する(S32)。
次に、CPU112は、図柄変動中であるか否かの判定を行い(S33)、図柄変動中でないと判定した場合は(S33:No)、次に大当たり中であるか否かの判定を行う(S34)。大当たり中でないと判定した場合は(S34:No)、次に小当たり中であるか否かの判定を行う(S35)。そして小当たり中でないと判定した場合は(S35:No)、振分表示開始コマンドをセットして(S36)、メイン処理に戻る。
なお、ステップS31において、入球検知SW52がONでないと判定した場合(S31:No)、ステップS33において、図柄変動中であると判定した場合は(S33:Yes)、ステップS34において、大当たり中であると判定した場合は(S34:Yes)、ステップS35において、小当たり中であると判定した場合は(S35:Yes)、そのままメイン処理に戻る。
【0031】
[第1始動口SW処理]
図16はメインCPUが実行する第1始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、第1始動口SW62がONであるか否かの判定を行い(S41)、第1始動口SW62がONであると判定した場合は(S41:Yes)、第1始動口SW62の検知回数をカウントした第1始動口検知カウンタのカウント値U1が、U1<4であるか否かの判定を行う(S42)。カウント値U1が「4」より小さい場合は(S42:Yes)、カウント値U1に「1」を加算し(S43)、乱数を取得してRAM114に格納する(S44)。この後、RAM114に始動検知情報を記憶する(S45)。次に、振分表示中であるか否かの判定を行い(S46)、振分表示中であると判定した場合は(S46:Yes)、振分表示終了コマンドをセットして(S47)、メイン処理に戻る。
一方、ステップS42において、カウント値U1が「4」であると判定した場合は(S42:No)、ステップS45に移行して、RAM114に始動検知情報を記憶する(S45)。この後、振分表示中であるか否かの判定を行い(S46)、振分表示中であると判定した場合は(S46:Yes)、振分表示終了コマンドをセットして(S47)、メイン処理に戻る。
なお、ステップS41において、第1始動口SW62がONでないと判定した場合(S41:No)、或いはステップS46において、振分表示中でないと判定した場合は(S46:No)、そのままメイン処理に戻る。
【0032】
[第2始動口SW処理]
図17はメインCPUが実行する第2始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、第2始動口SW15aがONであるか否かの判定を行い(S51)、第2始動口SW15aがONであると判定した場合は(S51:Yes)、第2始動口SW15aの検知回数をカウントした第2始動口検知カウンタのカウント値U2が、U2<4であるか否かの判定を行う(S52)。カウント値U2が「4」より小さい場合は(S52:Yes)、カウント値U2に「1」を加算し(S53)、乱数を取得してRAM114に格納する(S54)。この後、RAM114に始動検知情報を記憶する(S55)。次に、振分表示中であるか否かの判定を行い(S56)、振分表示中であると判定した場合は(S56:Yes)、振分表示終了コマンドをセットして(S57)、メイン処理に戻る。
一方、ステップS52において、カウント値U2が「4」であると判定した場合は(S52:No)、ステップS55に移行して、RAM114に始動検知情報を記憶する(S55)。この後、振分表示中であるか否かの判定を行い(S56)、振分表示中であると判定した場合は(S56:Yes)、振分表示終了コマンドをセットして(S57)、メイン処理に戻る。
なお、ステップS51において、第2始動口SW15aがONでないと判定した場合(S51:No)、或いはステップS56において、振分表示中でないと判定した場合は(S56:No)、そのままメイン処理に戻る。
【0033】
[外部情報出力処理]
図18はメインCPUが実行する外部情報出力処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、入球検知SW52で検知された入球検知情報の出力(S61)、第1始動口SW62で検知された第1始動検知情報の出力(S62)、第2始動口SW15aで検知された第2始動検知情報の出力(S63)、図柄情報の出力(S64)、大当たり情報の出力(S651)を行ってメイン処理に戻る。
【0034】
次に、演出制御基板121において実行される特徴的な処理について説明する。
[振分表示処理]
図19は、CPU122が実行する振分表示処理の一例を示したフローチャートである。
CPU122は、画像表示器21に振分表示中と表示しているか否かの判定を行い(S71)、ステップS71において、振分表示中でないと判定した場合は(S71:No)、次に遊技制御基板111から送られてくる振分表示開始コマンドを受信したか否かの判定を行う(S72)。ステップS72において、振分表示開始コマンドを受信したと判定したときは(S72:Yes)、振分表示を開始して(S73)、メイン処理に戻る。一方、ステップS72において、振分表示開始コマンドを受信できないと判定したときは(S72:No)、振分表示を開始することなくメイン処理に戻る。
また、ステップS71において、振分表示中であると判定した場合は(S71:Yes)、次に遊技制御基板111から送られてくる振分表示終了コマンドを受信したか否かの判定を行う(S74)。ステップS74において、振分表示終了コマンドを受信したと判定したときは(S74:Yes)、振分表示を終了して(S75)、メイン処理に戻る。また、ステップS74において、振分表示終了コマンドを受信できないと判定したときは(S74:No)、所定時間経過したか否かの判定を行い(S76)、所定時間経過したと判定したときは(S76:Yes)、振分表示を終了して(S75)、メイン処理に戻る。一方、ステップS76において、所定時間経過していないと判定したときは(S76:No)、振分表示を終了することなく、メイン処理に戻る。
【0035】
このような処理を遊技制御装置が実行することにより、上述した本実施形態のパチンコ遊技機の動作を実現することができる。
なお、これまで説明した本実施形態のパチンコ遊技機の構成はあくまでも一例であり、本発明は、1種2種混合タイプ、1種タイプ、或いは2種タイプの全てのパチンコ遊技機に適用可能である。
また、始動入球装置30の構成はあくまでも一例であり、入球した遊技球を始動領域と非始動領域に振り分ける機能を有する装置であれば他の構造でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の全体正面図である。
【図2】振分装置の斜視図である。
【図3】振分装置の分解斜視図である。
【図4】振分装置から正面カバー体を取り外した後の振分装置の斜視図である。
【図5】遊技盤に取り付けられた振分装置の要部断面図である。
【図6】前側揺動誘導部材の背面図である。
【図7】本実施形態のパチンコ遊技機の遊技制御を行う遊技制御装置の構成を示したブロック図である。
【図8】本実施形態のパチンコ遊技機の遊技制御基板の機能ブロックを示した図である。
【図9】本実施形態のパチンコ遊技機の演出制御基板の機能ブロックを示した図である。
【図10】本実施形態の始動入球装置の検知タイミングと遊技制御基板から出力される情報信号の出力タイミングの関係を示した図である。
【図11】情報表示装置の一例を示した図である。
【図12】画像表示器に表示される振り分け中である旨の表示画像の一例を示した図である。
【図13】メインCPUが実行するメイン処理の一例を示したフローチャートである。
【図14】メインCPUが実行するタイマ割込処理の一例を示したフローチャートである。
【図15】メインCPUが実行する入球検知SW処理の一例を示したフローチャートである。
【図16】メインCPUが実行する第1始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。
【図17】メインCPUが実行する第2始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。
【図18】メインCPUが実行する外部情報出力処理の一例を示したフローチャートである。
【図19】演出制御基板のCPUが実行する振分表示処理の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1…遊技盤、1a…遊技盤面、1b…取付孔、2…上大入賞口、2b…上大入賞口ソレノイド、3L 3R…可動片、4…特定領域、4a…特定領域スイッチ(SW)、5…特別通路、6…通常通路、7…可動振分体、8…回転体、8a…収容部、9…回転体、9a…収容部、10…特図表示器、11…普通図柄表示器、12…特図表示器、14…ゲート、14a…ゲートスイッチ(SW)、15…電動式チューリップ(電チュー)、15a…第2始動口スイッチ(SW)、15b…電チューソレノイド、16…下大入賞口、16b…下大入賞口ソレノイド、17…開閉扉、20…アウト口、21…画像表示器、30…始動入球装置、31…ベースプレート、32…窓孔、33…切欠部、34…フード部、35…支持部、36…表面カバー体、37…窓孔、38…透明樹脂板、39…入球口、40…誘導通路、41…傾斜部、42…前面開口部、43…小カバー体、44…収容凹部、45…前側揺動誘導部材、46…前側揺動誘導面部、47…谷部、48…山部、49…後側揺動誘導部材、50…貫通孔、51…後壁部、52…入球検知スイッチ(SW)、53…後側揺動誘導面部、54…谷部、55…山部、56…開口部、57…ルート形成部材、58…始動領域ルート、59…ハズレ領域ルート、60…水平通路部、61…垂直通路部、62…第1始動口スイッチ(SW)、71…外部信号出力制御手段、72…演算手段、74…開閉ゲーム制御手段、75…ゲーム制御手段、76…始動領域通過率算出手段、81…振分表示制御手段、100…パチンコ遊技機、101…枠、102…皿部、103…発射レバー、104…演出ボタン、105…スピーカ、111…遊技制御基板、112…メインCPU、113…ROM、114…RAM、120…演出制御基板、121…演出制御基板、121…演出制御部、122…CPU、123…ROM、124…RAM、160…盤用外部情報端子基板、170…枠用外部情報端子基板、300…情報表示装置、301…表示器、302…スタート回数表示領域、303…回数表示領域、304…制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、入球口に入球した遊技球を始動領域又は非始動領域の何れかに振り分ける振分手段を備えたパチンコ遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今の1種2種混合タイプの遊技機は、周知のように、一対の羽根(可動片)からなる変動入賞装置(大入賞口)が遊技盤に設けられ、所定の始動口に遊技球が入賞すると、ソレノイドが作動して変動入賞装置の羽根が1回ないし2回開閉作動し、遊技盤面を流下する遊技球を捕捉して変動入賞装置内に導くように構成されている。
変動入賞装置の内部には、Vゾーンと称される特定領域が設けられており、変動入賞装置に入賞した遊技球がさらに特定領域に入賞した場合に特別遊技(大当たり)状態が発生する。大当たり遊技状態においては、ソレノイドの作動により羽根が所定期間開放されるか、所定期間に規定数の遊技球の入賞が検出されるまで継続的に開閉するか、もしくは、所定回数(例えば18回)継続的に開閉することで第1ラウンドとして動作する。そして、当選した大当たりの内容に応じて第2ラウンドが連続的に開始されて羽根の継続的な開閉が更に繰り返される。以下同様に所定ラウンド数(当選した大当たりの内容に応じて、最高16ラウンド)まで繰り返され、このような特定遊技状態の期間中に多数の遊技球を獲得できるようにしたものである。大当たり遊技時のラウンド回数は、始動口の入賞を契機に内部的に抽選を行って決定するようにしている。
【0003】
ところで、従来の2種タイプの遊技機では、始動入賞口に入賞した全ての入賞数をデータ収集でき、かつ、可動片の開閉に係った入賞数を正確にデータ収集できる遊技機等が提案されている。例えば、特許文献1には、始動入賞口へ入賞した遊技球を外部においてデータ収集可能に信号を出力する制御を行う始動入賞信号出力制御手段を備え、始動入賞信号出力制御手段は、始動入賞口へ入賞したすべての始動入賞球を検出するための始動入賞信号を各々出力する制御を行う全始動入賞信号出力制御手段と、可動片の作動に係わった有効始動入賞球であることを検出するための有効始動入賞信号を出力する制御を行う有効始動入賞信号出力制御手段と、を備えた遊技機が開示されている。
また、昨今のパチンコ遊技機には、入球した遊技球を当りルートと外れルートのいずれか一方へと振り分ける振分装置を備えたものが提案されている。
例えば、特許文献2には、遊技盤面上を転動した遊技球が振分装置に入球すると、この遊技球を最後部の揺動誘導面部(第1段目の揺動誘導面部)まで案内し、この揺動誘導面部上で遊技球を揺動させ、遊技球の揺動が終息すると遊技球を前後方向中央部の揺動誘導面部(第2段目の揺動誘導面部)に誘導する。第2段目の揺動誘導面部は、この揺動誘導面部上で遊技球を揺動させ、遊技球の揺動が終息すると遊技球を最前部の揺動誘導面部(第3段目の揺動誘導面部)に誘動する。第3段目の揺動誘導面部は、この揺動誘導面部の上で遊技球を揺動させ、揺動が終息したとき、遊技球が始動入賞口の真上に位置する場合には、遊技球は当りルートへ振り分けられたこととなり、始動入賞口への遊技球の入賞の確率を高くし、他方、揺動が終息したとき、遊技球が始動入賞口の真上以外に位置する場合には、遊技球は外れルートへ振り分けられたこととなり、始動入賞口への遊技球の入賞を低くするようにした振分装置が開示されている。
【特許文献1】特開2000−350847公報
【特許文献2】特開2001−334031公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パチンコ遊技機が設置されるホールなどにおいては、各遊技機の遊技情報を表示する情報表示装置が遊技機ごとに備えられている。情報表示装置は、遊技機から入力される外部出力信号に基づいて、対応する遊技機のスタート回数や大当たり回数を表示する表示機能を備えている。
このため、例えば、1種2種混合タイプの遊技機は、始動入賞口に入賞した遊技球によって特別図柄表示器の特別図柄が変動・停止(確定)するごとに、外部出力信号としてスタート信号(始動入賞信号)を出力するようにしていた。また特別図柄表示器の特別図柄が大当たり図柄で停止した場合、或いは、変動入賞装置内に誘導された遊技球が特定領域に入賞した場合は、外部出力信号として大当たり情報信号(特別遊技状態信号)を出力するようにしていた。
【0005】
しかしながら、上記特許文献2の振分装置を1種2種混合タイプの遊技機に適用した場合は以下のような問題点があった。
振分装置を備えた遊技機では、通常、振分装置に入球する遊技球の個数より始動領域を通過する遊技球の個数のほうが少ないため、情報表示装置に表示されるスタート回数を始動入賞信号に基づいてカウントアップした場合は、振分装置を備えていない遊技機に比べて情報表示装置に表示されるスタート回数が少なくなる。
この結果、遊技者に、遊技球が思ったほど始動入賞口に入賞しない遊技機、或いは遊技球が始動入賞口に入賞しないので大当たりが発生し難い遊技機といったマイナスイメージを与えてしまうおそれがあった。特に、振分装置によってハズレ領域に遊技球を振り分ける割合を高くした場合は、情報表示装置に表示されるスタート回数が極端に少なくなるため、遊技者が遊技機に対してマイナスイメージを強く抱くおそれがあった。
本発明は、上記したような点を鑑みてなされたものであり、遊技球を始動領域と非始動領域に振り分ける機能を備えたパチンコ遊技機であっても、情報表示装置に表示されるスタート回数により遊技者にマイナスイメージを与えないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態により実現することが可能である。
即ち、本発明の第1の形態は、遊技球が入球可能な入球口と、前記入球口の近傍に配置され、前記入球口を通過した遊技球を検知する入球検知手段と、前記入球検知手段を通過した遊技球を始動領域又は非始動領域の何れかに振り分ける振分手段と、前記始動領域に振り分けられた遊技球を検知する始動検知手段と、遊技中に生成した遊技情報を外部信号として出力可能な外部信号出力制御手段と、を備え、前記外部信号出力制御手段は、前記入球検知手段の検知結果に基づいて生成した入球検知情報を外部信号として出力する入球検知情報出力制御手段を有することを特徴とする。
【0007】
また、本発明の第2の形態は、演算可能な演算手段を備え、前記演算手段は、前記入球検知手段の検知数と前記始動検知手段の検知数とから始動領域通過率を算出する始動領域通過率算出手段を有することを特徴とする。
また、本発明の第3の形態は、前記始動検知手段により遊技球が検知されることにより特別図柄の変動表示を制御する図柄表示制御手段と、遊技球が入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な変動入賞装置と、前記図柄表示手段に所定図柄が停止表示されることにより、前記変動入賞装置を所定時間開状態に変化させる開閉制御手段と、所定の大当たりゲームを実行する大当たりゲーム制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の第4の形態は、前記振分手段は、前記入球口に入球した遊技球を後方へ誘導する誘導通路と、前記誘導通路により誘導され遊技球を左右方向へ揺動させる第1揺動誘導面部と、前記第1揺動誘導面部により前方へ誘導された遊技球を左右方向へ揺動させて前記始動領域又は前記非始動領域のいずれか一方へ誘導する第2揺動誘導面部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のパチンコ遊技機では、外部信号出力制御手段に入球検知情報出力制御手段を設け、この入球検知情報出力制御手段から入球口への入球を示す入球検知情報信号を出力可能に構成したことで、情報表示装置などの外部装置に入球情報信号を入力することが可能になる。よって、例えば情報表示装置に表示されるスタート回数は、入球口に入球した遊技球数をスタート回数として表示できるので、遊技者が遊技前あるいは遊技中に情報表示装置の表示によって大当たりし難い遊技機であるといったマイナスイメージを抱くことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の全体正面図である。
この図1に示すパチンコ遊技機100は、矩形形状の枠101を有し、この枠101の窓孔に対して遊技盤1が着脱可能に取り付けられている。
遊技盤1の前面側には、図示しないガラス枠が開閉可能に取り付けられている。また遊技盤1の下部には遊技球を貯留する受け皿部102と、この受け皿部102の遊技球を発射する発射レバー103等が設けられている。
受け皿部102の上面には、例えば遊技者自身に操作を行わせて遊技に対する参加感を演出する演出ボタン104が設けられている。また、図示しないが受け皿部102の上面には遊技球の購入ボタン、購入取り消しボタン、受け皿部102内の遊技球を下方から外部に抜くための球抜きボタン等が設けられている。
遊技盤1の略中央には、上大入賞口(変動入賞装置)2が設けられている。
上大入賞口2の上部両側には、遊技球を上大入賞口2内へ導入する導入部として、遊技球が入賞し難い閉状態と遊技球が入賞し易い開状態に変化可能な一対の可動片3L、3Rが設けられている。
また上大入賞口2の内部後方には、画像表示用の画像表示器(画像表示手段)21が配置されている。なお、本実施形態では可動片3L,3Rの形状を羽根形状としているが、これはあくまでも一例であり、羽根形状でなくてもよい。
上大入賞口2の内部には、特定領域(Vゾーン)4と、可動片3L、3Rを介して入賞した遊技球が特定領域4を通過し易い特別通路5と、遊技球が特定領域4を通過し難い通常通路6と、遊技球を特別通路5または通常通路6に振り分けるように作動する可動振分体(可動体)7とが設けられている。
【0010】
特定領域4内には、後述する特定領域スイッチ4aが設けられている。特別通路5を通過した遊技球は第1の回転体8に誘導される。一方、通常通路6を通過した遊技球は第2の回転体9に誘導される。
第1の回転体8には、遊技球を収容する収容部8aが例えば3つ設けられており、これは3つの収容部8aのうち何れか1つの収容部8aに遊技球が収容された場合、遊技球は特定領域4へ誘導され、それ以外の収容部8aに遊技球が収容された場合、遊技球は特定領域4以外の領域(非特定領域)へ誘導される。一方、第2の回転体9には、遊技球を収容する収容部9aが例えば5つ設けられており、これは5つの収容部9aのうち何れか1つの収容部9aに遊技球が収容された場合、遊技球は特定領域4へ誘導され、それ以外の収容部9aに遊技球が収容された場合、遊技球は非特定領域へ誘導される。よって、上大入賞口2に入賞した遊技球は通常通路6へ誘導されるより特別通路5へ誘導されたほうが特定領域4を通過し易くなる。
なお、本実施形態では、第1及び第2の回転体8、9を用いることで、特別通路5に誘導された遊技球が特定領域4に入賞する入賞率を、通常通路6に誘導された遊技球が特定領域4に入賞する入賞率より高くなるように構成しているが、これはあくまでも一例であり、特別通路5の遊技球が特定領域4に入賞する入賞率を、通常通路6の遊技球が特定領域4に入賞する入賞率より高くできれば、他の構成であっても良い。
【0011】
また、上大入賞口2内の前面下方には、第1特別図柄の変動と表示を行う第1特図表示器10と、普通図柄の変動と表示を行う普通図柄表示器11と、第2特別図柄の変動と表示を行う第2特図表示器12が設けられている。この場合、第1特図表示器10及び第2特図表示器12は、例えば7セグメント表示器により構成されている。また普通図柄表示器11は、例えば「○」と「×」を象ったランプ表示器によって構成されている。
上大入賞口2の下方領域には、第1特図表示器10に表示される第1特別図柄を作動させるための始動入球装置30が設けられている。なお、始動入球装置30の詳細は後述する。
上大入賞口2の右側領域には、普通図柄表示器11に表示される普通図柄を作動させるためのゲート14が設けられている。ゲート14の内部にはゲートスイッチ14aが設けられており、遊技球がゲートスイッチ(SW)14aを通過したときに普通図柄表示器11の普通図柄を変動表示する。
【0012】
ゲート14の下方には、第2特図表示器12に表示される第2特別図柄を作動させるための第2始動口として機能する電動式チューリップ15が設けられている。電動式チューリップ15の内部には、第2始動口スイッチ15aが設けられており、遊技球が第2始動口スイッチ(SW)15aを通過したときに第2特図表示器12の第2特別図柄を変動表示する。
電動式チューリップ(以下、「電チュー」と称する)15は、普通図柄表示器11が特定図柄(この例では「○」)にて停止した場合に遊技球の入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態になる。なお、本実施形態では、第2変動入賞装置の一例として、電チューを例に挙げて説明したが、あくまでも一例であり、遊技球の入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な構造のものであれば良い。
電チュー15の下方には、下大入賞口16が設けられている。下大入賞口16は、特別遊技状態である大当り状態のときに開放状態になる開閉扉17を有しており、その内部には下大入賞口スイッチ(SW)16aが設けられている。なお、本実施形態では、下大入賞口16を遊技盤1の右側領域に設けるようにしたが、あくまでも一例であり、例えば遊技盤1の中央下部に配置しても良い。遊技盤1の最下部にはアウト口20が設けられている。
【0013】
図2は本実施形態のパチンコ遊技機に備えられている始動入球装置の斜視図、図3は始動入球装置の分解斜視図、図4は始動入球装置から正面カバー体を取り外した後の始動入球装置の斜視図、図5は遊技盤に取り付けられた始動入球装置の要部断面図、図6は前側揺動誘導部材の背面図をそれぞれ示す。
図2〜図6において、始動入球装置30は、遊技盤面(遊技盤の正面)1aにねじで固定されるベースプレート31を備える。
ベースプレート31は、ほぼ四角形状の窓孔32を有する。窓孔32の上端中央部には半円状の切欠部33が形成されており、この切欠部33の周縁部から後方に、ほぼ遊技球1個分の長さだけ、ほぼ半円筒状のフード部34が延設されている。また、窓孔32の下端部の後方に、後述する後側揺動誘導部材49を支持する支持部35が延設されている。
ベースプレート31の表面(前面)には、表面カバー体36が固着される。
表面カバー体36は、多角形の枠形状に形成されており、ほぼ遊技球1個分の厚さを有する。表面カバー体36は、前面に窓孔37を有し、この窓孔37は透明樹脂板38で塞がれ、表面カバー体36の内部は視認することができる。
【0014】
表面カバー体36の上端中央部には、入球口39及び誘導通路40が形成されている。入球口39は、上方へ開口しており、遊技盤面1a上を転動している遊技球が入球可能である。誘導通路40は、入球口39の下方に位置し、入球口39に入球した遊技球を受止め、ほぼ遊技球1個分だけ後方へ誘導する後下がりの傾斜部41を有する。誘導通路40の前面開口部42は、小カバー体43で塞がれる。
表面カバー体36の下端部の収容凹部44には、後方から前側揺動誘導部材45が挿入、収容される。
前側揺動誘導部材45の上面は、前側揺動誘導面部(第2揺動誘導面部)46を構成する。前側揺動誘導面部46は、左右方向に3つの谷部47を有し、互いに隣り合う谷部47の間に山部48が形成されている。各谷部47は、図6に示すように、後下がりの傾斜面によって形成されている。前側揺動誘導面部46は、後述する後側揺動誘導面部(第1揺動誘導面部)53の前端から落下してくる遊技球を山部48で受止め、左右方向へ揺動させた後、遊技球を、後方の後述する始動領域ルート58又はハズレ領域ルート(非始動領域ルート)59のいずれかのルートに振り分ける。ベースプレート31の窓孔32の後面には後側揺動誘導部材49が配される。
【0015】
後側揺動誘導部材49は、入球口39の近傍である上端中央部に上下方向の貫通孔50を有する入球検知スイッチ52と、後壁部51とを有する。貫通孔50は、ベースプレート31のフード部34の真下に位置し、表面カバー体36の誘導通路40によって後方へ誘導されてきた遊技球を下方へ誘導する。また、後壁部51は、フード部34の後端開口部を塞ぎ、誘導通路40によって後方へ誘導されてきた遊技球を受け止め貫通孔50へ誘導する。
貫通孔50の下方に、後側揺動誘導面部53が配置される。後側揺動誘導面部53は、左右方向に2つの谷部54を有し、互いに隣り合う谷部54の間に山部55が形成されている。各谷部54は、前下がりの傾斜面によって形成されている。後側揺動誘導面部53は、貫通孔50から落下してきた遊技球を受止め、左右方向へ揺動させた後、ほぼ遊技球1個分だけ遊技球を前方へ誘導し、前端から前側揺動誘導面部46へ誘導する。
後側揺動誘導部材49の前面部の下端部に、開口部56が3つ左右方向に並んで設けられている。3つの開口部56は、後側揺動誘導面部53の下方に位置すると共に前側揺動誘導部材45の3つの谷部47に対向し、前側揺動誘導部材45の谷部47の上の遊技球を通過させて後方の始動領域ルート58又はハズレ領域ルート59へ案内する。
前側揺動誘導部材45の開口部56の後面に、ルート形成部材57が配置される。ルート形成部材57は、左右方向の中央部に位置する1つの始動領域ルート58と、始動領域ルート58の左側及び右側に位置する2つのハズレ領域ルート59を形成する。各ルート58、59は、後側揺動誘導部材49の開口部56から後方へ延びる水平通路部60と、水平通路部60の後端から下方へ垂直に延びる垂直通路部61とによって構成される。始動領域ルート58の垂直通路部61には、始動領域ルート58を通過する遊技球を検知するための第1始動口スイッチ(始動検知手段)62が配設される。始動入球装置30は、図5に示すように、遊技盤1の貫通した取付孔1bに挿入され、ねじ等で固定されている。
【0016】
次に、上記のように構成される始動入球装置30の動作を説明する。
遊技盤面1a上を転動している遊技球が始動入球装置30の入球口39に上方から入球すると、遊技球は誘導通路40の傾斜部41によって後方へ誘導され、入球検知スイッチ52の貫通孔50を通過して後側揺動誘導面部53の山部55の上に落下する。遊技球が貫通孔50を通過すると入球検知スイッチ52がオンになり、後述する遊技制御基板111において、始動入球装置30の入球口39に遊技球が入球したことを検知し、遊技制御基板111は賞球払出装置に対して所定個数の賞球の払出を指示する。
後側揺動誘導面部53の山部55の上に落下した遊技球は、後側揺動誘導面部53において左右方向へ揺動し、揺動が終息して2つの谷部54のうちのいずれか一方の谷部54に落ち着くと、この谷部54の前下がりの傾斜面によりより前方へ移動し、谷部54の前端から前側揺動誘導面部46の対応する山部48の上に落下する。
前側揺動誘導面部46の山部48の上に落下した遊技球は、前側揺動誘導面部46において左右方向へ揺動し、揺動が終息して3つの谷部47のうちのいずれかの谷部47に落ち着くと、この谷部47の後下がりの傾斜面により後方へ移動し、後側揺動誘導部材49の対応する開口部56を通過して、ルート形成部材57の当りルート59又は2つのハズレ領域ルート59、59の何れかに振り分けられる。
遊技球が始動領域ルート58に振り分けられた場合、遊技球が垂直通路部61を通過するときに第1始動口スイッチ62がオンになり、遊技制御基板111において、始動領域への入賞が検知される。
他方、遊技球がハズレ領域ルート59に振り分けられた場合、遊技球は水平通路部60と垂直通路部61を通過してパチンコ遊技機の外へ排出される。
【0017】
このように構成される始動入球装置30は、遊技盤面1a上を転動し、入球口39に入球した遊技球は、振分手段を構成している誘導通路40によってほぼ遊技球1個分だけ後方へ誘導され、落下して後側揺動誘導面部53に受止められ、この後側揺動誘導面部53の上で揺動した後、ほぼ遊技球1個分だけ前方へ誘導され、落下して前側揺動誘導面部46に受止められ、この前側揺動誘導面部46の上で揺動した後、後方の始動領域ルート58又はハズレ領域ルート59のいずれか一方へと誘導される。
このため、入球口39及び前側揺動誘導面部46は、遊技盤面1aから突出した位置に配されるとともに、後側揺動誘導面部53の少なくとも一部は、遊技盤1の取付孔1bの内側に位置することになり、始動入球装置30の前後方向の寸法が縮小化され、装置の小型化を図ることができる。また、始動入球装置30を遊技盤1に取り付けた際、遊技盤1の裏面から後方へ突出する長さが縮小し、設計の自由度の向上などを図ることができる。
【0018】
図7は、本実施形態のパチンコ遊技機全体の遊技制御を行う遊技制御装置の構成を示したブロック図である。
この図7に示す遊技制御装置には、主(メイン)制御基板として、遊技の進行を制御する遊技制御基板111が設けられている、また副(サブ)制御基板として、遊技演出を制御する演出制御基板120、ランプ制御基板141、賞球の払い出しを制御する払出制御基板151等が設けられている。
遊技制御基板111は、メインCPU112、ROM113、RAM114、及び入出力インターフェース(以下、「I/O」と称する)115、116を有し、当該パチンコ遊技機の主たる制御を行う。
I/O115には、上大入賞口2内の可動振分体7、始動入球装置30の入球口39の近傍に配置された入球検知スイッチ(SW)52、始動入球装置30の始動領域ルート58に配置された第1始動口スイッチ(SW)62、電チュー15に設けられた第2始動口SW15a、電チュー15を開閉動作させるための電チューソレノイド15b、ゲート14に設けられたゲートSW14a、上大入賞口2に入賞した遊技球を検出する上大入賞口SW2a、下大入賞口16に入賞した遊技球を検出する下大入賞口SW16aが接続されている。また上大入賞口2の可動片3L、3Rを開閉動作させるための上大入賞口ソレノイド2b、下大入賞口16の開閉扉17を開閉動作させるための下大入賞口ソレノイド16b、普通図柄表示器11、特定領域4に設けられた特定領域SW4a、第1特図表示器10、第2特図表示器12等が接続されている。
一方、I/O116は、演出制御基板120の演出制御部121に設けられているI/O125、払出制御基板151のI/O155、及び遊技制御基板111で生成された遊技情報を外部に出力可能な盤用外部情報端子基板160が接続されている。
【0019】
演出制御基板120は、演出制御部121、及び画像・音声制御部131から構成される。演出制御部121は、CPU122、ROM123、RAM124、I/O125、126、127を有し、遊技演出全体の制御を行う。
I/O125には、遊技制御基板111のI/O116と演出ボタン104とが接続されている。I/O126は、画像・音声制御部131のI/O135と接続され、I/O127はランプ制御基板141のI/O145と接続される。
画像・音声制御部131は、CPU132、ROM133、RAM134、I/O135、136を有し、演出制御部121の指示に基づいて画像及び音声の制御を行う。I/O136にはスピーカ105及び演出用の画像表示器21が接続されている。
ランプ制御基板141は、CPU142、ROM143、RAM144、I/O145、146を有し、I/O146に接続されている各種ランプ、例えば盤ランプ147や枠ランプ148、可動役物149等の制御を行う。
払出制御基板151は、CPU152、ROM153、RAM154、I/O155、156を有し、I/O156に接続されている遊技球を払い出す払出装置157の払出駆動モータ等の駆動制御を行う。
また、I/O156には定位置検出SW158aや、払出球検出SW158b、球有り検出SW158c、満タン検出SW158d等が接続されている。また、I/O155には、枠用外部情報端子基板170等が接続されている。
【0020】
図8は、本実施形態のパチンコ遊技機の遊技制御基板に設けられている特徴的な機能ブロックを示した図である。
遊技制御基板111のROM113には、外部信号出力制御手段71、演算手段72、図柄表示制御手段73、開閉ゲーム制御手段74、及び大当たりゲーム制御手段75などを備えている。
外部信号出力制御手段71は、第1始動口SW62又は第2始動口SW15aにおいて遊技球の入賞が検知されたときに外部情報信号として始動検知情報信号を生成し、生成した始動検知情報信号を盤用外部情報端子基板160に出力する出力制御を行う。また大当たりゲームに当選したときに外部情報信号として大当たり情報信号を生成し、生成した大当たり情報信号を盤用外部情報端子基板160に出力する出力制御を行う。
さらに外部信号出力制御手段71は、入球検知情報出力制御手段76を有する。入球検知情報出力制御手段76は、入球検知SW52において遊技球の入球を検知したときに外部情報信号として入球検知情報信号を生成し、生成した入球検知情報信号を盤用外部情報端子基板160に出力する出力制御を行う。
【0021】
演算手段72は、始動領域通過率算出手段76を有し、入球検知SW52での遊技球の検知数と第1始動口SW62での遊技球の検知数とに基づいて始動領域通過率の算出を行う。
図柄表示制御手段73は、第1始動口SW62又は第2始動口SW15aにより遊技球が検知されることにより第1特図表示器10又は第2特図表示器12の特別図柄の変動表示を制御する。
開閉ゲーム制御手段74は、第1特図表示器10に所定図柄が停止表示されたときに、上大入賞口2を所定時間(例えば、0.8秒)、開状態に変化させる開閉ゲーム(通常ゲーム)を実行する。また、第2特図表示器12により所定の図柄が停止表示されることにより、上大入賞口2を上記所定時間よりも長い時間(例えば、1.6秒)、開状態に変化させる第2開閉ゲーム(時短ゲーム)を実行する。
大当たりゲーム制御手段75は、第1特図表示器10又は第2特図表示器12に特定図柄(大当たり図柄)が停止表示されるか、或いは開閉ゲーム中に遊技球が上大入賞口2内の特定領域4を通過することにより所定の大当たりゲームを実行する。
【0022】
図9は、本実施形態のパチンコ遊技機の演出制御基板に設けられている特徴的な機能ブロックを示した図である。
演出制御基板121のROM123には、振分表示制御手段81を備えている。
振分表示制御手段81は、始動入球装置30の入球口39に遊技球が入球したときに、画像表示器21に始動入球装置30において遊技球が振り分け中である旨を表示する表示制御を行う。この場合の表示期間としては、例えば、始動入球装置30の入球検知SW52において遊技球を検知してから第1始動口SW62において遊技球を検知するまでの期間、又は入球検知SW52において遊技球を検知してから所定時間経過するまでの期間などが考えられる。
【0023】
図10は、本実施形態の始動入球装置の検知タイミングと遊技制御基板から出力される外部情報信号の出力タイミングの関係を示した図であり、図10(a)は入球検知SWの検知タイミング、図10(b)は遊技制御基板から出力される入球情報信号の出力タイミング、図10(c)は第1始動口SWの検知タイミング、図10(d)は遊技制御基板から出力される第1始動検知情報信号の出力タイミングをそれぞれ示した図である。
遊技制御基板111は、図10(a)に示すように、入球検知SW52において遊技球が検知したときは、図10(b)に示すように入球検知情報信号を生成して、例えばホール(管理者)側のコンピュータや情報表示装置などの外部装置に出力する。また図10(c)に示すように第1始動口SW62において遊技球が検知したときは、図10(d)に示すように第1始動検知情報信号を生成して、上記同様外部装置に出力する。
【0024】
図11は、情報表示装置の一例を示した図であり、(a)は概略外観図、(b)は内部構成の一例を示した図である。
この図11(a)に示す情報表示装置300は遊技機の上方位置にそれぞれ設置される。
情報表示装置300の正面には表示器301が取り付けられている。
表示器301は、スタート回数を表示するスタート回数表示領域302と、当たり回数を表示する当たり回数表示領域303とを有し、夫々の表示領域にスタート回数と当たり回数とを表示するようにしている。
図11(a)に示す例では、スタート回数が「58」、本日の当たり回数が「20」回であることが表示されている。
表示器301の表示制御は、図11(b)に示す制御部304が行う。制御部304は、パチンコ遊技機から信号入力端子t1に入力される外部情報信号(スタート信号)に基づいてスタート回数表示領域302に表示するスタート回数のカウントアップを行う。また、信号入力端子t2に入力される外部情報信号(当たり信号)に基づいて、当たり回数表示領域303に表示する当たり回数のカウントアップとスタート回数表示領域302のスタート回数のリセットなどを行う。
通常、信号入力端子t1には、始動口に遊技球が入賞したことを示す始動検知情報信号を入力する。また、信号入力端子t2には、大当たりに当選したことを示す大当たり情報信号を入力する。
【0025】
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機では、始動入球装置30に入球する遊技球の個数より始動領域を通過する遊技球の個数のほうが少ないため、情報表示装置300に表示されるスタート回数を始動検知情報信号に基づいてカウントアップした場合は、始動入球装置30を備えていない遊技機に比べて情報表示装置300に表示されるスタート回数が少なくなる。この結果、遊技者に、遊技球が思ったほど始動領域に入賞しない遊技機、或いは遊技球が始動領域に入賞しないので、大当たりが発生し難い遊技機といったマイナスイメージを与えてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機では、外部信号出力制御手段71に入球検知情報出力制御手段76を設け、この入球検知情報出力制御手段76から始動入球装置30の入球口39への入球を示す入球検知情報信号を出力可能に構成した。このように構成することで、例えば情報表示装置300の信号入力端子t1に入球情報信号を入力することが可能になる。この結果、情報表示装置300のスタート回数は始動入球装置30に入球した遊技球数をスタート回数として表示できるので、遊技者が遊技前あるいは遊技中に情報表示装置300の表示によって大当たりし難い遊技機であるといったマイナスイメージを抱くことがない。特に、始動入球装置30の球振分手段によってハズレ領域に遊技球を振り分ける割合を高くした場合でも遊技者がマイナスイメージを抱くことなく有効である。
【0026】
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、外部情報信号として、始動検知情報信号と入球検知情報信号との両方を外部に出力することで、外部装置(例えばホール側のコンピュータや情報表示装置)において始動入球装置30に入球した遊技球が振分手段によって始動領域に振り分けられる割合を算出するといったことも可能になる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機では、始動領域通過率算出手段76により入球検知SW52での遊技球の検知数と、第1始動口SW62での遊技球の検知数とに基づいて、遊技球の始動領域通過率の算出を行うことで、遊技機自体で始動入球装置30に入球した遊技球の始動領域通過率を算出することが可能になる。この場合は、算出した始動領域通過率情報は、外部情報信号として外部装置に出力したり、或いは画像表示器21に表示して遊技者に提供したりすることが可能になる。
【0027】
さらに、本実施形態のパチンコ遊技機では、始動入球装置30の入球検知SW52により遊技球を検知したときは、振分表示制御手段81により第1始動口SW62により遊技球を検知するまでの期間、又は入球検知SW52により遊技球を検知してから所定時間経過するまでの期間、画像表示器21に遊技球が始動入球装置30による振り分中である旨の表示制御を行うようにした。
このように構成することで、始動入球装置30に遊技球が入球した段階で遊技者の視線が上大入賞口2に移ってしまった場合でも、図12に示すように上大入賞口2内の画像表示器21の表示により、遊技者は遊技球がまだ始動入球装置30で振り分け中であることを容易に把握することができる。よって、遊技者が、始動入球装置30の振分手段による振り分けゲームを見逃してしまったり、或いは遊技機が故障していると勘違いしたりするおそれがない。
【0028】
以下、これまで説明した本実施の形態のパチンコ遊技機の動作を実現するために遊技制御装置の遊技制御基板111又は演出制御基板121が実行する処理について説明する。
なお、図13〜図18に示す処理は遊技制御基板111のメインCPU112がROM113に格納されているプログラムを実行することにより実現できる。また、図19に示す処理は演出制御基板121のCPU122がROM123に格納されているプログラムを実行することにより実現できる。
[メイン処理]
図13は、メインCPU112が実行するメイン処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、例えば1000msの時間待機した後(S1)、RAM114のアクセスを許可する(S2)。次に、RAMクリアスイッチがONであるか否かの判定を行い(S3)、ONであると判定した場合は(S3:Yes)、RAM114をクリアする(S4)。次いで、クリア時の作業領域を設定し(S5)、演出制御基板やランプ制御基板、払出制御基板などの各種サブ基板の設定を行う(S6)。
一方、ステップS3において、RAMクリアスイッチがONでないと判定した場合は(S3:No)、バックアップフラグがONであるか否かの判定を行う(S7)。バックフラグがONであると判定した場合は(S7:Yes)、チェックサムが正常であるか否かの判定を行う(S8)。チェックサムが正常であると判定した場合は(S8:Yes)、復旧処理を実行する(S9)。また、バックアップフラグがONでないと判定した場合(S7:No)、又はチェックサムが正常でないと判定した場合(S8:No)、ステップS4に進み、RAM114をクリアする。
次に、メインCPU112は、内蔵されているCTC(タイマカウンタ)の周期(例えば、4ms)を設定し(S10)、次いで、電源断監視処理を実行する(S11)。次に、変動パターン乱数を更新し(S12)、割込を禁止する(S13)。次に、初期値乱数を更新し(S14)、割込を許可する(S15)。以降、ステップS11からステップS15の処理を繰り返し実行する。
【0029】
[タイマ割込処理]
図14は、メインCPU112が実行するタイマ割込処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、割込処理として、乱数更新処理(S21)、スイッチ処理(S22)、大入賞口処理(S23)、可動体処理(S24)、図柄処理(S25)、賞球処理(S26)、出力処理(S27)を実行してメイン処理に戻る。
【0030】
以下、メインCPU112がタイマ割込処理において実行する各種処理について説明する。
[入球検知SW処理]
図15はメインCPUが実行する入球検知SW処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、入球口39の入球検知SW52がONであるか否かの判定を行い(S31)、入球検知SW52がONであると判定した場合は(S31:Yes)、RAM114に入球検知情報を記憶する(S32)。
次に、CPU112は、図柄変動中であるか否かの判定を行い(S33)、図柄変動中でないと判定した場合は(S33:No)、次に大当たり中であるか否かの判定を行う(S34)。大当たり中でないと判定した場合は(S34:No)、次に小当たり中であるか否かの判定を行う(S35)。そして小当たり中でないと判定した場合は(S35:No)、振分表示開始コマンドをセットして(S36)、メイン処理に戻る。
なお、ステップS31において、入球検知SW52がONでないと判定した場合(S31:No)、ステップS33において、図柄変動中であると判定した場合は(S33:Yes)、ステップS34において、大当たり中であると判定した場合は(S34:Yes)、ステップS35において、小当たり中であると判定した場合は(S35:Yes)、そのままメイン処理に戻る。
【0031】
[第1始動口SW処理]
図16はメインCPUが実行する第1始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、第1始動口SW62がONであるか否かの判定を行い(S41)、第1始動口SW62がONであると判定した場合は(S41:Yes)、第1始動口SW62の検知回数をカウントした第1始動口検知カウンタのカウント値U1が、U1<4であるか否かの判定を行う(S42)。カウント値U1が「4」より小さい場合は(S42:Yes)、カウント値U1に「1」を加算し(S43)、乱数を取得してRAM114に格納する(S44)。この後、RAM114に始動検知情報を記憶する(S45)。次に、振分表示中であるか否かの判定を行い(S46)、振分表示中であると判定した場合は(S46:Yes)、振分表示終了コマンドをセットして(S47)、メイン処理に戻る。
一方、ステップS42において、カウント値U1が「4」であると判定した場合は(S42:No)、ステップS45に移行して、RAM114に始動検知情報を記憶する(S45)。この後、振分表示中であるか否かの判定を行い(S46)、振分表示中であると判定した場合は(S46:Yes)、振分表示終了コマンドをセットして(S47)、メイン処理に戻る。
なお、ステップS41において、第1始動口SW62がONでないと判定した場合(S41:No)、或いはステップS46において、振分表示中でないと判定した場合は(S46:No)、そのままメイン処理に戻る。
【0032】
[第2始動口SW処理]
図17はメインCPUが実行する第2始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、第2始動口SW15aがONであるか否かの判定を行い(S51)、第2始動口SW15aがONであると判定した場合は(S51:Yes)、第2始動口SW15aの検知回数をカウントした第2始動口検知カウンタのカウント値U2が、U2<4であるか否かの判定を行う(S52)。カウント値U2が「4」より小さい場合は(S52:Yes)、カウント値U2に「1」を加算し(S53)、乱数を取得してRAM114に格納する(S54)。この後、RAM114に始動検知情報を記憶する(S55)。次に、振分表示中であるか否かの判定を行い(S56)、振分表示中であると判定した場合は(S56:Yes)、振分表示終了コマンドをセットして(S57)、メイン処理に戻る。
一方、ステップS52において、カウント値U2が「4」であると判定した場合は(S52:No)、ステップS55に移行して、RAM114に始動検知情報を記憶する(S55)。この後、振分表示中であるか否かの判定を行い(S56)、振分表示中であると判定した場合は(S56:Yes)、振分表示終了コマンドをセットして(S57)、メイン処理に戻る。
なお、ステップS51において、第2始動口SW15aがONでないと判定した場合(S51:No)、或いはステップS56において、振分表示中でないと判定した場合は(S56:No)、そのままメイン処理に戻る。
【0033】
[外部情報出力処理]
図18はメインCPUが実行する外部情報出力処理の一例を示したフローチャートである。
メインCPU112は、入球検知SW52で検知された入球検知情報の出力(S61)、第1始動口SW62で検知された第1始動検知情報の出力(S62)、第2始動口SW15aで検知された第2始動検知情報の出力(S63)、図柄情報の出力(S64)、大当たり情報の出力(S651)を行ってメイン処理に戻る。
【0034】
次に、演出制御基板121において実行される特徴的な処理について説明する。
[振分表示処理]
図19は、CPU122が実行する振分表示処理の一例を示したフローチャートである。
CPU122は、画像表示器21に振分表示中と表示しているか否かの判定を行い(S71)、ステップS71において、振分表示中でないと判定した場合は(S71:No)、次に遊技制御基板111から送られてくる振分表示開始コマンドを受信したか否かの判定を行う(S72)。ステップS72において、振分表示開始コマンドを受信したと判定したときは(S72:Yes)、振分表示を開始して(S73)、メイン処理に戻る。一方、ステップS72において、振分表示開始コマンドを受信できないと判定したときは(S72:No)、振分表示を開始することなくメイン処理に戻る。
また、ステップS71において、振分表示中であると判定した場合は(S71:Yes)、次に遊技制御基板111から送られてくる振分表示終了コマンドを受信したか否かの判定を行う(S74)。ステップS74において、振分表示終了コマンドを受信したと判定したときは(S74:Yes)、振分表示を終了して(S75)、メイン処理に戻る。また、ステップS74において、振分表示終了コマンドを受信できないと判定したときは(S74:No)、所定時間経過したか否かの判定を行い(S76)、所定時間経過したと判定したときは(S76:Yes)、振分表示を終了して(S75)、メイン処理に戻る。一方、ステップS76において、所定時間経過していないと判定したときは(S76:No)、振分表示を終了することなく、メイン処理に戻る。
【0035】
このような処理を遊技制御装置が実行することにより、上述した本実施形態のパチンコ遊技機の動作を実現することができる。
なお、これまで説明した本実施形態のパチンコ遊技機の構成はあくまでも一例であり、本発明は、1種2種混合タイプ、1種タイプ、或いは2種タイプの全てのパチンコ遊技機に適用可能である。
また、始動入球装置30の構成はあくまでも一例であり、入球した遊技球を始動領域と非始動領域に振り分ける機能を有する装置であれば他の構造でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機の全体正面図である。
【図2】振分装置の斜視図である。
【図3】振分装置の分解斜視図である。
【図4】振分装置から正面カバー体を取り外した後の振分装置の斜視図である。
【図5】遊技盤に取り付けられた振分装置の要部断面図である。
【図6】前側揺動誘導部材の背面図である。
【図7】本実施形態のパチンコ遊技機の遊技制御を行う遊技制御装置の構成を示したブロック図である。
【図8】本実施形態のパチンコ遊技機の遊技制御基板の機能ブロックを示した図である。
【図9】本実施形態のパチンコ遊技機の演出制御基板の機能ブロックを示した図である。
【図10】本実施形態の始動入球装置の検知タイミングと遊技制御基板から出力される情報信号の出力タイミングの関係を示した図である。
【図11】情報表示装置の一例を示した図である。
【図12】画像表示器に表示される振り分け中である旨の表示画像の一例を示した図である。
【図13】メインCPUが実行するメイン処理の一例を示したフローチャートである。
【図14】メインCPUが実行するタイマ割込処理の一例を示したフローチャートである。
【図15】メインCPUが実行する入球検知SW処理の一例を示したフローチャートである。
【図16】メインCPUが実行する第1始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。
【図17】メインCPUが実行する第2始動口SW処理の一例を示したフローチャートである。
【図18】メインCPUが実行する外部情報出力処理の一例を示したフローチャートである。
【図19】演出制御基板のCPUが実行する振分表示処理の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0037】
1…遊技盤、1a…遊技盤面、1b…取付孔、2…上大入賞口、2b…上大入賞口ソレノイド、3L 3R…可動片、4…特定領域、4a…特定領域スイッチ(SW)、5…特別通路、6…通常通路、7…可動振分体、8…回転体、8a…収容部、9…回転体、9a…収容部、10…特図表示器、11…普通図柄表示器、12…特図表示器、14…ゲート、14a…ゲートスイッチ(SW)、15…電動式チューリップ(電チュー)、15a…第2始動口スイッチ(SW)、15b…電チューソレノイド、16…下大入賞口、16b…下大入賞口ソレノイド、17…開閉扉、20…アウト口、21…画像表示器、30…始動入球装置、31…ベースプレート、32…窓孔、33…切欠部、34…フード部、35…支持部、36…表面カバー体、37…窓孔、38…透明樹脂板、39…入球口、40…誘導通路、41…傾斜部、42…前面開口部、43…小カバー体、44…収容凹部、45…前側揺動誘導部材、46…前側揺動誘導面部、47…谷部、48…山部、49…後側揺動誘導部材、50…貫通孔、51…後壁部、52…入球検知スイッチ(SW)、53…後側揺動誘導面部、54…谷部、55…山部、56…開口部、57…ルート形成部材、58…始動領域ルート、59…ハズレ領域ルート、60…水平通路部、61…垂直通路部、62…第1始動口スイッチ(SW)、71…外部信号出力制御手段、72…演算手段、74…開閉ゲーム制御手段、75…ゲーム制御手段、76…始動領域通過率算出手段、81…振分表示制御手段、100…パチンコ遊技機、101…枠、102…皿部、103…発射レバー、104…演出ボタン、105…スピーカ、111…遊技制御基板、112…メインCPU、113…ROM、114…RAM、120…演出制御基板、121…演出制御基板、121…演出制御部、122…CPU、123…ROM、124…RAM、160…盤用外部情報端子基板、170…枠用外部情報端子基板、300…情報表示装置、301…表示器、302…スタート回数表示領域、303…回数表示領域、304…制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が入球可能な入球口と、
前記入球口の近傍に配置され、前記入球口を通過した遊技球を検知する入球検知手段と、
前記入球検知手段を通過した遊技球を始動領域又は非始動領域の何れかに振り分ける振分手段と、
前記始動領域に振り分けられた遊技球を検知する始動検知手段と、
遊技中に生成した遊技情報を外部信号として出力可能な外部信号出力制御手段と、を備え、
前記外部信号出力制御手段は、前記入球検知手段の検知結果に基づいて生成した入球検知情報を外部信号として出力する入球検知情報出力制御手段を有することを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
演算可能な演算手段を備え、
前記演算手段は、前記入球検知手段の検知数と前記始動検知手段の検知数とから始動領域通過率を算出する始動領域通過率算出手段を有することを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
前記始動検知手段により遊技球が検知されることにより特別図柄の変動表示を制御する図柄表示制御手段と、
遊技球が入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な変動入賞装置と、
前記図柄表示手段に所定図柄が停止表示されることにより、前記変動入賞装置を所定時間開状態に変化させる開閉制御手段と、
所定の大当たりゲームを実行する大当たりゲーム制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
前記振分手段は、
前記入球口に入球した遊技球を後方へ誘導する誘導通路と、
前記誘導通路により誘導され遊技球を左右方向へ揺動させる第1揺動誘導面部と、
前記第1揺動誘導面部により前方へ誘導された遊技球を左右方向へ揺動させて前記始動領域又は前記非始動領域のいずれか一方へ誘導する第2揺動誘導面部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のパチンコ遊技機。
【請求項1】
遊技球が入球可能な入球口と、
前記入球口の近傍に配置され、前記入球口を通過した遊技球を検知する入球検知手段と、
前記入球検知手段を通過した遊技球を始動領域又は非始動領域の何れかに振り分ける振分手段と、
前記始動領域に振り分けられた遊技球を検知する始動検知手段と、
遊技中に生成した遊技情報を外部信号として出力可能な外部信号出力制御手段と、を備え、
前記外部信号出力制御手段は、前記入球検知手段の検知結果に基づいて生成した入球検知情報を外部信号として出力する入球検知情報出力制御手段を有することを特徴とするパチンコ遊技機。
【請求項2】
演算可能な演算手段を備え、
前記演算手段は、前記入球検知手段の検知数と前記始動検知手段の検知数とから始動領域通過率を算出する始動領域通過率算出手段を有することを特徴とする請求項1記載のパチンコ遊技機。
【請求項3】
前記始動検知手段により遊技球が検知されることにより特別図柄の変動表示を制御する図柄表示制御手段と、
遊技球が入賞し難い閉状態から入賞し易い開状態に変化可能な変動入賞装置と、
前記図柄表示手段に所定図柄が停止表示されることにより、前記変動入賞装置を所定時間開状態に変化させる開閉制御手段と、
所定の大当たりゲームを実行する大当たりゲーム制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のパチンコ遊技機。
【請求項4】
前記振分手段は、
前記入球口に入球した遊技球を後方へ誘導する誘導通路と、
前記誘導通路により誘導され遊技球を左右方向へ揺動させる第1揺動誘導面部と、
前記第1揺動誘導面部により前方へ誘導された遊技球を左右方向へ揺動させて前記始動領域又は前記非始動領域のいずれか一方へ誘導する第2揺動誘導面部と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のパチンコ遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−279322(P2009−279322A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136665(P2008−136665)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000161806)京楽産業.株式会社 (4,820)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]