パチン錠
【課題】コストの低減化を図ることができるパチン錠を提供する。
【解決手段】パチン錠11は、台座12と、この台座12にハンドル14が回動可能に取り付けられるパチン錠本体12とを備える。台座12は、一枚の金属板を折り曲げることによって、取付孔31を有する一対のベース部30と、それぞれの先端部付近に支持孔を有する一対の支持片部32と、ベース部30側が開口したコ字形をなすハンドル受け部33とを一体に有する構成とした。ハンドル14は、支軸16を介して一対の支持片部32に回動可能に取り付けられる。
【解決手段】パチン錠11は、台座12と、この台座12にハンドル14が回動可能に取り付けられるパチン錠本体12とを備える。台座12は、一枚の金属板を折り曲げることによって、取付孔31を有する一対のベース部30と、それぞれの先端部付近に支持孔を有する一対の支持片部32と、ベース部30側が開口したコ字形をなすハンドル受け部33とを一体に有する構成とした。ハンドル14は、支軸16を介して一対の支持片部32に回動可能に取り付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランク等の筐体の蓋止めなどに使用されるパチン錠に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のパチン錠はてこの原理を利用したもので、基本的には、パチン錠本体と、このパチン錠本体を筐体等の取付対象物に取り付けるための台座とから構成される。このうちパチン錠本体は、手指によって回動操作されるハンドルと、一端部がこのハンドルに回動可能に設けられるとともに他端部に引掛け部を有する引掛け用レバーとを備えている。台座には、前記ハンドルの一端部を回動可能に取り付けるための支持片部が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、この種のパチン錠を、例えば大型の建設機械のトランクの蓋止めに用いるような場合、大きな強度が必要なため、パチン錠本体のハンドルや引掛け用レバー、台座が大型化するとともに大きな強度も必要となる。
【0004】
図13および図14には、この種のパチン錠の一例が示されている。まず、図13において、パチン錠1は、パチン錠本体2と、台座3とから構成される。このうちパチン錠本体2は、この場合金属製のハンドル4と、引掛け用レバー5とを備えている。引掛け用レバー5は、一端部がピン5aにより前記ハンドル4に回動可能に取り付けられている。また、引掛け用レバー5の他端部には引掛け部5bが設けられている。この引掛け部5bは、図示しないばね部材によりハンドル4側に付勢されている。
【0005】
これに対して台座3は、図14に示すように、金属板からなる第1のベース部材6と、同じく金属板からなる第2のベース部材7とを組み合わせて構成されている。このうち、第1のベース部材6は、それぞれ平板状をなし取付孔6aを有する一対のベース部6b,6bと、これら一対のベース部6bに立ち上がり形成された対向する一対の支持片部6c,6cと、これら一対の支持片部6c,6cを側部で連結した連結片部6dとを一体に有していて、一対の支持片部6c,6cの先端部付近に支持孔6eが形成されている。第2のベース部材7は、それぞれ段付きの平板状をなし取付孔7aを有する一対のベース部7bと、これら一対のベース部7b,7b間に一体に設けられたハンドル受け部7cとを有している。ハンドル受け部7cは、一対の支持片部6c,6cの突出方向と同方向に突出して互いに対向する一対の立上がり片部7dと、これら一対の立上がり片部7dの先端部同士を連結した連結片部7eとを一体に有していて、全体として立上がり片部7dの基端部側が開口したコ字形をなしている。連結片部7eには、係合孔7fが形成されている。
【0006】
そして、第1のベース部材6の各ベース部6bの一部と第2のベース部材7の各ベース部7bの一部を、それぞれの取付孔6a,7aを合致させて重ね合わせた状態で、それらを例えばスポット溶接により接合(×印で示す溶接部8参照)することにより、台座3が形成されている。
【0007】
このような構成において、パチン錠本体2と台座3とは次のようにして組み付けられる。すなわち、パチン錠本体2におけるハンドル4の一端部を台座3における前記一対の支持片部6c,6c間に挿入し、そのハンドル4の一端部を支持孔6eに挿通された支軸9を介して回動可能に取り付けることによって、パチン錠本体2が台座3に取り付けられた状態となる。
【0008】
このような構成のパチン錠1は、台座3の取付孔6a,7aを挿通した図示しないボルトにより、台座3を取付対象物である例えば図示しない筐体に固定することによって筐体に取り付けられる。そして、ハンドル4を回動させて引掛け用レバー5の引掛け部5bを、図示しない筐体の蓋に設けられた被引掛け部に引っ掛けて、そのハンドル4をハンドル受け部7c側に回動させることで、前記蓋が閉鎖状態に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−241250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した従来構成のものでは、台座3は、一対の支持片部6c,6cを有する第1のベース部材6と、ハンドル受け部7cを有する第2のベース部材7を製作し、これらを溶接により接合して1部品として構成する必要があった。このため、部品点数が多く、また、接合のための溶接工程や溶接治具が必要であり、コストが高くなるという課題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、コストの低減化を図ることができるパチン錠を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成するために、本発明は、金属板により形成される台座と、一端部が前記台座に回動可能に取り付けられるハンドルと、一端部が前記ハンドルに回動可能に取り付けられ他端部に引掛け部を有する引掛け用レバーとを備えるパチン錠において、
前記台座は、
取付対象物に取り付けるための取付孔を有する一対のベース部と、
これら一対のベース部にそれぞれの先端部が互いに離間する方向に折り曲げられて互いに対向するように立ち上がり形成されるとともにそれぞれの先端部付近に支持孔を有し、前記支持孔に挿通される支軸を介して前記ハンドルの一端部を回動可能に支持する一対の支持片部と、
前記一対のベース部間にあって前記ハンドルの長手方向の中間部に対応する部位に位置させて前記一対の支持片部の突出方向と同じ方向に突出するように設けられ、互いに対向する一対の立上がり片部およびこれら一対の立上がり片部の先端部同士を連結した連結片部を一体に有して全体として前記立上がり片部の基端部側が開口したコ字形に形成され、前記連結片部にて前記ハンドルの長手方向の中間部を受けるハンドル受け部とを有し、
前記台座は、一枚の金属板を折り曲げることによって前記ベース部と前記一対の支持片部と前記ハンドル受け部を一体に形成したものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、台座は、一対のベース部と一対の支持片部とハンドル受け部を、一枚の金属板を折り曲げることによって一体に形成することが可能になったことで、例えば一対の支持片部側とハンドル受け部側とを別々に形成し、これらを溶接等で接合して一体化する場合に比べて、部品点数を少なくできるとともに、溶接などの接合工程を省略でき、コストの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す分解斜視図
【図2】組立状態での上方からの斜視図
【図3】組立状態での裏側からの斜視図
【図4】組立状態を示すもので、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図
【図5】組立状態での縦断正面図
【図6】台座を示すもので、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図
【図7】展開状態で示す台座の平面図
【図8】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図9】分解状態での正面図
【図10】組立状態を示すもので、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は左側面図
【図11】図6相当図
【図12】図7相当図
【図13】従来例を示す組立状態の斜視図
【図14】台座の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図7を参照して説明する。本実施形態が対象とするパチン錠は、例えば建設機械における筐体の蓋止めに用いられるものであるが、それ以外の用途に用いることができることは勿論である。
【0016】
まず、図1〜図4において、パチン錠11は、金属板により形成される台座12と、パチン錠本体13とを備える。パチン錠本体13は、一方向に延びる金属製のハンドル14と、引掛け用レバー15とを備えている。ハンドル14の一端部14aには、台座12に回動可能に取り付けるための支軸16が取り付けられる。なお、ハンドル14の台座12への取付構造は後述する。
【0017】
ハンドル14において、これの長手方向の中間部14bにはロック手段を構成するシリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、キー挿入穴18aを有するキーロータ18が回動可能に設けられていて、そのキーロータ18の先端部に、係合手段を構成するロックプレート19(図3、図5参照)が取着されている。ロックプレート19は、一方向に長い小判形に形成されている。キーロータ18は、キー挿入穴18aに挿入される図示しないキーによって回動させることが可能になる。ハンドル14において、これの一端部14aとシリンダ錠17との間には、台座12側へ突出するアーム部20が一体に設けられている。ハンドル14の他端部14cは、台座12側(図1において下方)へやや湾曲している。
【0018】
前記引掛け用レバー15は、ハンドル14と同方向に長いコ字形をなす金属板製のレバー本体22と、環状をなす引掛け部23aを有するフック部材23とを備えている。レバー本体22において、前記ハンドル14側が開放した一端部22aがピン24によりハンドル14のアーム部20に回動可能に取り付けられている。フック部材23は、引掛け部23aとは反対側に棒状部23b(図4、図5参照)を有していて、その棒状部23bが、レバー本体22の他端部22bに長手方向に移動方向に挿入されている(図5参照)。引掛け部23aは、レバー本体22の他端部22bの外側に配置されている。棒状部23bの周りには圧縮コイルばねからなるばね部材25が設けられていて、その棒状部23bの先端部には、ばね受けプレート26がピン27により取着されている。ばね部材25は、棒状部23bの周りに位置した状態で、プレート26とレバー本体22の他端部22bとの間に配置され、フック部材23をハンドル14側に付勢している。
【0019】
次に台座12について図6および図7も参照して説明する。この台座12は、一枚の金属板を折り曲げることによって形成したものである。台座12は、一対のベース部30,30を有している。各ベース部30は取付孔31を有している。各取付孔31は、並び方向に長い長孔となっている。一対のベース部30には、互いに対向するように一対の支持片部32が形成されている。これら一対の支持片部32は、それぞれの先端部が互いに離間する方向に折り曲げられて立ち上がるように形成されている。各支持片部32の先端部付近には、円形の支持孔32a,32bが形成されている。一対の支持片部32は、これらの支持孔32a,32bに挿入される前記支軸16を介して前記ハンドル14の一端部14aを回動可能に支持する部分である。
【0020】
台座12において、一対のベース部30,30間には、一対の支持片部32の隣に位置させてハンドル受け部33がベース部30に一体に設けられている。ハンドル受け部33は、ハンドル14の中間部14bに対応する位置に位置させて前記支持片部32の突出方向と同方向に突出するように設けられている。ハンドル受け部33は、具体的には、互いに対向する一対の立上がり片部34,34と、これら一対の立上がり片部34,34の先端部同士を連結する連結片部35を一体に有していて、全体として立上がり片部34の基端部側が開口したコ字形に形成されている。連結片部35には、係合部を構成する係合孔36が形成されている。
【0021】
この係合孔36は、前記ロックプレート19が挿通可能な小判形をなしている。ロックプレート19が係合孔19に挿入された状態で、当該ロックプレート19がキーロータ18を介して90度回動されることに伴い、係合孔19の周縁部に係合されるようになっている。したがって、ロックプレート19は、係合孔36に対して係脱可能に係合するようになっている。連結片部35において、一対の支持片部32とは反対側の端部に補強用の折曲げ片37が一体に設けられている。
【0022】
図7には、台座12の展開図が示されている。この図7において、台座12の各部に対応する部分は図6などと同一の符号が付されており、各部の折り曲げラインは二点鎖線で示されている。そして、この場合、図6(a)に示すように、ハンドル受け部33における連結片部35の上面の高さ寸法(ハンドル受け部33のベース部30の裏面からの高さ寸法)H1は、支持片部32における支持孔32a,32bの中心の高さ寸法(ベース部30の裏面からの高さ寸法)H2とほぼ同じで(H1≒H2)、この場合、約30mmに設定している。
【0023】
このような構成のパチン錠11において、台座12とパチン錠本体13とは次のようにして組み付けられる。すなわち、パチン錠本体13におけるハンドル14の一端部14aを台座12における一対の支持片部32,32間に挿入し、そのハンドル14の一端部14aを、支持孔32a,32bに挿通された支軸16を介して回動可能に取り付けることによって、パチン錠本体13が台座12に取り付けられた状態となる(図2、図3、図4参照)。
【0024】
このような構成のパチン錠11は、台座12の取付孔31を挿通した図示しないボルトにより、台座12を取付対象物である例えば建設機械の筐体39(図5の二点鎖線参照)に固定することによって筐体39に取り付けられる。そして、ハンドル14を回動させて引掛け用レバー15の引掛け部23aを、筐体39の蓋40(図5の二点鎖線参照)に設けられた被引掛け部40aに引っ掛けて、そのハンドル14をハンドル受け部33側に回動させることで、前記蓋40が閉鎖状態に保持される。このとき、ロックプレート19が連結片部35の係合孔36に挿入された状態で、ハンドル14の中間部14bがハンドル受け部33の連結片部35にて受けられた状態となる。またこのとき、蓋40を閉鎖状態に保持するためには、図5において、支点となる支軸16(ハンドル14と台座12との連結部)と、作用点となる引掛け部23aと被引掛け部41との係合点とを結ぶ直線より、力点となるピン24(ハンドル14と引掛け用レバー15との連結点)が筐体39側に位置する必要がある。
【0025】
そして、キーロータ18のキー挿入穴18aに図示しないキーを挿入して、そのキーによりキーロータ18を90度回動させることで、ロックプレート19も同方向に回動し、当該ロックプレート19が係合孔36の周縁部に係合することで、ロック状態となる。このロック状態においては、キー挿入穴18aに合致するキーを用いて開放させないと、前記蓋40の閉鎖状態を開放することができない。
【0026】
上記した第1の実施形態によれば次のような作用効果を得ることができる。
まず、台座12は、一対のベース部30,30と一対の支持片部32,32とハンドル受け部33を、一枚の金属板を折り曲げることによって一体に形成することが可能になったことで、例えば一対の支持片部側とハンドル受け部側とを別々に形成し、これらを溶接等で接合して一体化する場合に比べて、部品点数を少なくできるとともに、溶接などの接合工程を省略でき、コストの低減化を図ることができる。
【0027】
また、ハンドル受け部33における連結片部35の上面の高さ寸法(ベース部30の裏面からの高さ寸法)H1を、支持片部32における支持孔32a,32bの中心の高さ寸法(ベース部30の裏面からの高さ寸法)H2とほぼ同じ(H1≒H2)となるように設定することで、ハンドル受け部33の高さ寸法H1を従来のものよりも高く設定することができる。これにより、ハンドル14の他端部14cに手指を掛ける際に、その他端部14cと取付対象物となる筐体39との間に手指を差し込み易くなり、ハンドル14の操作性、ひいてはパチン錠11の操作性の向上を図ることが可能になる。
【0028】
さらに、ハンドル14には係合手段を構成するロックプレート19が設けられ、ハンドル受け部33における連結片部35には、前記ロックプレート19が係脱可能に係合する係合孔36が設けられているので、これらロックプレート19と係合孔36により、蓋40の閉鎖状態を一層確実に保持することが可能になる。なお、ハンドル14におけるシリンダ錠17およびロックプレート19、ハンドル受け部33側の係合孔36は、必ずしも必要なものではなく、必要に応じて設ければよいものである。
【0029】
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について図8〜図11を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なっている部分について説明する。
【0030】
パチン錠41は、金属板により形成される台座42と、パチン錠本体43とを備える。このうち台座42は、一枚の金属板を折り曲げることによって形成したものであるが、前記台座12とは次の点が異なっている。すなわち、一対のベース部30,30における両取付孔44は、並び方向に対して直交する方向に長い長孔とされている。一対の支持片部32,32の立ち上がり寸法および支持孔32a,32bの中心までの高さ寸法は、第1の実施形態と同じであるが、一対の支持片部32,32間の間隔寸法K2(図11(b)参照)が、第1の実施形態の間隔寸法K1(図6(b)参照)よりも大きく設定されている(K2>K1)。また、ハンドル受け部45における一対の立上がり片部46,46の高さ寸法、ひいては連結片部35の高さ寸法H3(図11(a)参照)を、第1の実施形態の連結片部35の高さ寸法H1および支持片部32における支持孔32a,32bの中心の高さ寸法H2よりも低く設定している(H3<H1,H2)。
【0031】
パチン錠本体43において、一対の支持片部32,32に支持される支軸16には、間隔寸法K2が大きくなった分のスペースを埋めるため、スペーサ47が設けられている。また、引掛け用レバー48におけるレバー本体49の長手方向の中間部から一端部49a側にかけては、他端部49b側よりも幅広に形成されていて、一端部49aとハンドル14のアーム部20との間にスペーサ50が設けられている。
【0032】
このような構成とした第2の実施形態においても、基本的に第1の実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
本発明は上記した実施形態に限られず、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0033】
図面中、11はパチン錠、12は台座、13はパチン錠本体、14はハンドル、14aは一端部、14bは中間部、14cは他端部、15は引掛け用レバー、16は支軸、17はシリンダ錠(ロック手段)、19はキーロータ(係合手段)、22はレバー本体、23aは引掛け部、25はばね部材、30はベース部、31は取付孔、32は支持片部、32a,32bは支持孔、33はハンドル受け部、34は立上がり片部、35は連結片部、36は係合孔(係合部)、39は筐体(取付対象物)、40は蓋、41はパチン錠、42は台座、43はパチン錠本体、44は取付孔、45はハンドル受け部、46は立上がり片部、48は引掛け用レバーを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランク等の筐体の蓋止めなどに使用されるパチン錠に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のパチン錠はてこの原理を利用したもので、基本的には、パチン錠本体と、このパチン錠本体を筐体等の取付対象物に取り付けるための台座とから構成される。このうちパチン錠本体は、手指によって回動操作されるハンドルと、一端部がこのハンドルに回動可能に設けられるとともに他端部に引掛け部を有する引掛け用レバーとを備えている。台座には、前記ハンドルの一端部を回動可能に取り付けるための支持片部が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、この種のパチン錠を、例えば大型の建設機械のトランクの蓋止めに用いるような場合、大きな強度が必要なため、パチン錠本体のハンドルや引掛け用レバー、台座が大型化するとともに大きな強度も必要となる。
【0004】
図13および図14には、この種のパチン錠の一例が示されている。まず、図13において、パチン錠1は、パチン錠本体2と、台座3とから構成される。このうちパチン錠本体2は、この場合金属製のハンドル4と、引掛け用レバー5とを備えている。引掛け用レバー5は、一端部がピン5aにより前記ハンドル4に回動可能に取り付けられている。また、引掛け用レバー5の他端部には引掛け部5bが設けられている。この引掛け部5bは、図示しないばね部材によりハンドル4側に付勢されている。
【0005】
これに対して台座3は、図14に示すように、金属板からなる第1のベース部材6と、同じく金属板からなる第2のベース部材7とを組み合わせて構成されている。このうち、第1のベース部材6は、それぞれ平板状をなし取付孔6aを有する一対のベース部6b,6bと、これら一対のベース部6bに立ち上がり形成された対向する一対の支持片部6c,6cと、これら一対の支持片部6c,6cを側部で連結した連結片部6dとを一体に有していて、一対の支持片部6c,6cの先端部付近に支持孔6eが形成されている。第2のベース部材7は、それぞれ段付きの平板状をなし取付孔7aを有する一対のベース部7bと、これら一対のベース部7b,7b間に一体に設けられたハンドル受け部7cとを有している。ハンドル受け部7cは、一対の支持片部6c,6cの突出方向と同方向に突出して互いに対向する一対の立上がり片部7dと、これら一対の立上がり片部7dの先端部同士を連結した連結片部7eとを一体に有していて、全体として立上がり片部7dの基端部側が開口したコ字形をなしている。連結片部7eには、係合孔7fが形成されている。
【0006】
そして、第1のベース部材6の各ベース部6bの一部と第2のベース部材7の各ベース部7bの一部を、それぞれの取付孔6a,7aを合致させて重ね合わせた状態で、それらを例えばスポット溶接により接合(×印で示す溶接部8参照)することにより、台座3が形成されている。
【0007】
このような構成において、パチン錠本体2と台座3とは次のようにして組み付けられる。すなわち、パチン錠本体2におけるハンドル4の一端部を台座3における前記一対の支持片部6c,6c間に挿入し、そのハンドル4の一端部を支持孔6eに挿通された支軸9を介して回動可能に取り付けることによって、パチン錠本体2が台座3に取り付けられた状態となる。
【0008】
このような構成のパチン錠1は、台座3の取付孔6a,7aを挿通した図示しないボルトにより、台座3を取付対象物である例えば図示しない筐体に固定することによって筐体に取り付けられる。そして、ハンドル4を回動させて引掛け用レバー5の引掛け部5bを、図示しない筐体の蓋に設けられた被引掛け部に引っ掛けて、そのハンドル4をハンドル受け部7c側に回動させることで、前記蓋が閉鎖状態に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−241250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記した従来構成のものでは、台座3は、一対の支持片部6c,6cを有する第1のベース部材6と、ハンドル受け部7cを有する第2のベース部材7を製作し、これらを溶接により接合して1部品として構成する必要があった。このため、部品点数が多く、また、接合のための溶接工程や溶接治具が必要であり、コストが高くなるという課題があった。
【0011】
そこで、本発明の目的は、コストの低減化を図ることができるパチン錠を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記した目的を達成するために、本発明は、金属板により形成される台座と、一端部が前記台座に回動可能に取り付けられるハンドルと、一端部が前記ハンドルに回動可能に取り付けられ他端部に引掛け部を有する引掛け用レバーとを備えるパチン錠において、
前記台座は、
取付対象物に取り付けるための取付孔を有する一対のベース部と、
これら一対のベース部にそれぞれの先端部が互いに離間する方向に折り曲げられて互いに対向するように立ち上がり形成されるとともにそれぞれの先端部付近に支持孔を有し、前記支持孔に挿通される支軸を介して前記ハンドルの一端部を回動可能に支持する一対の支持片部と、
前記一対のベース部間にあって前記ハンドルの長手方向の中間部に対応する部位に位置させて前記一対の支持片部の突出方向と同じ方向に突出するように設けられ、互いに対向する一対の立上がり片部およびこれら一対の立上がり片部の先端部同士を連結した連結片部を一体に有して全体として前記立上がり片部の基端部側が開口したコ字形に形成され、前記連結片部にて前記ハンドルの長手方向の中間部を受けるハンドル受け部とを有し、
前記台座は、一枚の金属板を折り曲げることによって前記ベース部と前記一対の支持片部と前記ハンドル受け部を一体に形成したものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、台座は、一対のベース部と一対の支持片部とハンドル受け部を、一枚の金属板を折り曲げることによって一体に形成することが可能になったことで、例えば一対の支持片部側とハンドル受け部側とを別々に形成し、これらを溶接等で接合して一体化する場合に比べて、部品点数を少なくできるとともに、溶接などの接合工程を省略でき、コストの低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す分解斜視図
【図2】組立状態での上方からの斜視図
【図3】組立状態での裏側からの斜視図
【図4】組立状態を示すもので、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図
【図5】組立状態での縦断正面図
【図6】台座を示すもので、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図
【図7】展開状態で示す台座の平面図
【図8】本発明の第2の実施形態を示す図1相当図
【図9】分解状態での正面図
【図10】組立状態を示すもので、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は右側面図、(d)は左側面図
【図11】図6相当図
【図12】図7相当図
【図13】従来例を示す組立状態の斜視図
【図14】台座の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図7を参照して説明する。本実施形態が対象とするパチン錠は、例えば建設機械における筐体の蓋止めに用いられるものであるが、それ以外の用途に用いることができることは勿論である。
【0016】
まず、図1〜図4において、パチン錠11は、金属板により形成される台座12と、パチン錠本体13とを備える。パチン錠本体13は、一方向に延びる金属製のハンドル14と、引掛け用レバー15とを備えている。ハンドル14の一端部14aには、台座12に回動可能に取り付けるための支軸16が取り付けられる。なお、ハンドル14の台座12への取付構造は後述する。
【0017】
ハンドル14において、これの長手方向の中間部14bにはロック手段を構成するシリンダ錠17が設けられている。シリンダ錠17は、キー挿入穴18aを有するキーロータ18が回動可能に設けられていて、そのキーロータ18の先端部に、係合手段を構成するロックプレート19(図3、図5参照)が取着されている。ロックプレート19は、一方向に長い小判形に形成されている。キーロータ18は、キー挿入穴18aに挿入される図示しないキーによって回動させることが可能になる。ハンドル14において、これの一端部14aとシリンダ錠17との間には、台座12側へ突出するアーム部20が一体に設けられている。ハンドル14の他端部14cは、台座12側(図1において下方)へやや湾曲している。
【0018】
前記引掛け用レバー15は、ハンドル14と同方向に長いコ字形をなす金属板製のレバー本体22と、環状をなす引掛け部23aを有するフック部材23とを備えている。レバー本体22において、前記ハンドル14側が開放した一端部22aがピン24によりハンドル14のアーム部20に回動可能に取り付けられている。フック部材23は、引掛け部23aとは反対側に棒状部23b(図4、図5参照)を有していて、その棒状部23bが、レバー本体22の他端部22bに長手方向に移動方向に挿入されている(図5参照)。引掛け部23aは、レバー本体22の他端部22bの外側に配置されている。棒状部23bの周りには圧縮コイルばねからなるばね部材25が設けられていて、その棒状部23bの先端部には、ばね受けプレート26がピン27により取着されている。ばね部材25は、棒状部23bの周りに位置した状態で、プレート26とレバー本体22の他端部22bとの間に配置され、フック部材23をハンドル14側に付勢している。
【0019】
次に台座12について図6および図7も参照して説明する。この台座12は、一枚の金属板を折り曲げることによって形成したものである。台座12は、一対のベース部30,30を有している。各ベース部30は取付孔31を有している。各取付孔31は、並び方向に長い長孔となっている。一対のベース部30には、互いに対向するように一対の支持片部32が形成されている。これら一対の支持片部32は、それぞれの先端部が互いに離間する方向に折り曲げられて立ち上がるように形成されている。各支持片部32の先端部付近には、円形の支持孔32a,32bが形成されている。一対の支持片部32は、これらの支持孔32a,32bに挿入される前記支軸16を介して前記ハンドル14の一端部14aを回動可能に支持する部分である。
【0020】
台座12において、一対のベース部30,30間には、一対の支持片部32の隣に位置させてハンドル受け部33がベース部30に一体に設けられている。ハンドル受け部33は、ハンドル14の中間部14bに対応する位置に位置させて前記支持片部32の突出方向と同方向に突出するように設けられている。ハンドル受け部33は、具体的には、互いに対向する一対の立上がり片部34,34と、これら一対の立上がり片部34,34の先端部同士を連結する連結片部35を一体に有していて、全体として立上がり片部34の基端部側が開口したコ字形に形成されている。連結片部35には、係合部を構成する係合孔36が形成されている。
【0021】
この係合孔36は、前記ロックプレート19が挿通可能な小判形をなしている。ロックプレート19が係合孔19に挿入された状態で、当該ロックプレート19がキーロータ18を介して90度回動されることに伴い、係合孔19の周縁部に係合されるようになっている。したがって、ロックプレート19は、係合孔36に対して係脱可能に係合するようになっている。連結片部35において、一対の支持片部32とは反対側の端部に補強用の折曲げ片37が一体に設けられている。
【0022】
図7には、台座12の展開図が示されている。この図7において、台座12の各部に対応する部分は図6などと同一の符号が付されており、各部の折り曲げラインは二点鎖線で示されている。そして、この場合、図6(a)に示すように、ハンドル受け部33における連結片部35の上面の高さ寸法(ハンドル受け部33のベース部30の裏面からの高さ寸法)H1は、支持片部32における支持孔32a,32bの中心の高さ寸法(ベース部30の裏面からの高さ寸法)H2とほぼ同じで(H1≒H2)、この場合、約30mmに設定している。
【0023】
このような構成のパチン錠11において、台座12とパチン錠本体13とは次のようにして組み付けられる。すなわち、パチン錠本体13におけるハンドル14の一端部14aを台座12における一対の支持片部32,32間に挿入し、そのハンドル14の一端部14aを、支持孔32a,32bに挿通された支軸16を介して回動可能に取り付けることによって、パチン錠本体13が台座12に取り付けられた状態となる(図2、図3、図4参照)。
【0024】
このような構成のパチン錠11は、台座12の取付孔31を挿通した図示しないボルトにより、台座12を取付対象物である例えば建設機械の筐体39(図5の二点鎖線参照)に固定することによって筐体39に取り付けられる。そして、ハンドル14を回動させて引掛け用レバー15の引掛け部23aを、筐体39の蓋40(図5の二点鎖線参照)に設けられた被引掛け部40aに引っ掛けて、そのハンドル14をハンドル受け部33側に回動させることで、前記蓋40が閉鎖状態に保持される。このとき、ロックプレート19が連結片部35の係合孔36に挿入された状態で、ハンドル14の中間部14bがハンドル受け部33の連結片部35にて受けられた状態となる。またこのとき、蓋40を閉鎖状態に保持するためには、図5において、支点となる支軸16(ハンドル14と台座12との連結部)と、作用点となる引掛け部23aと被引掛け部41との係合点とを結ぶ直線より、力点となるピン24(ハンドル14と引掛け用レバー15との連結点)が筐体39側に位置する必要がある。
【0025】
そして、キーロータ18のキー挿入穴18aに図示しないキーを挿入して、そのキーによりキーロータ18を90度回動させることで、ロックプレート19も同方向に回動し、当該ロックプレート19が係合孔36の周縁部に係合することで、ロック状態となる。このロック状態においては、キー挿入穴18aに合致するキーを用いて開放させないと、前記蓋40の閉鎖状態を開放することができない。
【0026】
上記した第1の実施形態によれば次のような作用効果を得ることができる。
まず、台座12は、一対のベース部30,30と一対の支持片部32,32とハンドル受け部33を、一枚の金属板を折り曲げることによって一体に形成することが可能になったことで、例えば一対の支持片部側とハンドル受け部側とを別々に形成し、これらを溶接等で接合して一体化する場合に比べて、部品点数を少なくできるとともに、溶接などの接合工程を省略でき、コストの低減化を図ることができる。
【0027】
また、ハンドル受け部33における連結片部35の上面の高さ寸法(ベース部30の裏面からの高さ寸法)H1を、支持片部32における支持孔32a,32bの中心の高さ寸法(ベース部30の裏面からの高さ寸法)H2とほぼ同じ(H1≒H2)となるように設定することで、ハンドル受け部33の高さ寸法H1を従来のものよりも高く設定することができる。これにより、ハンドル14の他端部14cに手指を掛ける際に、その他端部14cと取付対象物となる筐体39との間に手指を差し込み易くなり、ハンドル14の操作性、ひいてはパチン錠11の操作性の向上を図ることが可能になる。
【0028】
さらに、ハンドル14には係合手段を構成するロックプレート19が設けられ、ハンドル受け部33における連結片部35には、前記ロックプレート19が係脱可能に係合する係合孔36が設けられているので、これらロックプレート19と係合孔36により、蓋40の閉鎖状態を一層確実に保持することが可能になる。なお、ハンドル14におけるシリンダ錠17およびロックプレート19、ハンドル受け部33側の係合孔36は、必ずしも必要なものではなく、必要に応じて設ければよいものである。
【0029】
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について図8〜図11を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、主に異なっている部分について説明する。
【0030】
パチン錠41は、金属板により形成される台座42と、パチン錠本体43とを備える。このうち台座42は、一枚の金属板を折り曲げることによって形成したものであるが、前記台座12とは次の点が異なっている。すなわち、一対のベース部30,30における両取付孔44は、並び方向に対して直交する方向に長い長孔とされている。一対の支持片部32,32の立ち上がり寸法および支持孔32a,32bの中心までの高さ寸法は、第1の実施形態と同じであるが、一対の支持片部32,32間の間隔寸法K2(図11(b)参照)が、第1の実施形態の間隔寸法K1(図6(b)参照)よりも大きく設定されている(K2>K1)。また、ハンドル受け部45における一対の立上がり片部46,46の高さ寸法、ひいては連結片部35の高さ寸法H3(図11(a)参照)を、第1の実施形態の連結片部35の高さ寸法H1および支持片部32における支持孔32a,32bの中心の高さ寸法H2よりも低く設定している(H3<H1,H2)。
【0031】
パチン錠本体43において、一対の支持片部32,32に支持される支軸16には、間隔寸法K2が大きくなった分のスペースを埋めるため、スペーサ47が設けられている。また、引掛け用レバー48におけるレバー本体49の長手方向の中間部から一端部49a側にかけては、他端部49b側よりも幅広に形成されていて、一端部49aとハンドル14のアーム部20との間にスペーサ50が設けられている。
【0032】
このような構成とした第2の実施形態においても、基本的に第1の実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
本発明は上記した実施形態に限られず、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0033】
図面中、11はパチン錠、12は台座、13はパチン錠本体、14はハンドル、14aは一端部、14bは中間部、14cは他端部、15は引掛け用レバー、16は支軸、17はシリンダ錠(ロック手段)、19はキーロータ(係合手段)、22はレバー本体、23aは引掛け部、25はばね部材、30はベース部、31は取付孔、32は支持片部、32a,32bは支持孔、33はハンドル受け部、34は立上がり片部、35は連結片部、36は係合孔(係合部)、39は筐体(取付対象物)、40は蓋、41はパチン錠、42は台座、43はパチン錠本体、44は取付孔、45はハンドル受け部、46は立上がり片部、48は引掛け用レバーを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板により形成される台座と、一端部が前記台座に回動可能に取り付けられるハンドルと、一端部が前記ハンドルに回動可能に取り付けられ他端部に引掛け部を有する引掛け用レバーとを備えるパチン錠において、
前記台座は、
取付対象物に取り付けるための取付孔を有する一対のベース部と、
これら一対のベース部にそれぞれの先端部が互いに離間する方向に折り曲げられて互いに対向するように立ち上がり形成されるとともにそれぞれの先端部付近に支持孔を有し、前記支持孔に挿通される支軸を介して前記ハンドルの一端部を回動可能に支持する一対の支持片部と、
前記一対のベース部間にあって前記ハンドルの長手方向の中間部に対応する部位に位置させて前記一対の支持片部の突出方向と同じ方向に突出するように設けられ、互いに対向する一対の立上がり片部およびこれら一対の立上がり片部の先端部同士を連結した連結片部を一体に有して全体として前記立上がり片部の基端部側が開口したコ字形に形成され、前記連結片部にて前記ハンドルの長手方向の中間部を受けるハンドル受け部とを有し、
前記台座は、一枚の金属板を折り曲げることによって前記一対のベース部と前記一対の支持片部と前記ハンドル受け部を一体に形成したものであることを特徴とするパチン錠。
【請求項2】
前記ハンドル受け部における前記連結片部の高さ寸法を、前記一対の支持片部における前記支持孔の中心の高さ寸法とほぼ同じとなるように設定したことを特徴とする請求項1記載のパチン錠。
【請求項3】
前記ハンドルには係合手段が設けられ、前記ハンドル受け部における前記連結片部には、前記係合手段が係脱可能に係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のパチン錠。
【請求項1】
金属板により形成される台座と、一端部が前記台座に回動可能に取り付けられるハンドルと、一端部が前記ハンドルに回動可能に取り付けられ他端部に引掛け部を有する引掛け用レバーとを備えるパチン錠において、
前記台座は、
取付対象物に取り付けるための取付孔を有する一対のベース部と、
これら一対のベース部にそれぞれの先端部が互いに離間する方向に折り曲げられて互いに対向するように立ち上がり形成されるとともにそれぞれの先端部付近に支持孔を有し、前記支持孔に挿通される支軸を介して前記ハンドルの一端部を回動可能に支持する一対の支持片部と、
前記一対のベース部間にあって前記ハンドルの長手方向の中間部に対応する部位に位置させて前記一対の支持片部の突出方向と同じ方向に突出するように設けられ、互いに対向する一対の立上がり片部およびこれら一対の立上がり片部の先端部同士を連結した連結片部を一体に有して全体として前記立上がり片部の基端部側が開口したコ字形に形成され、前記連結片部にて前記ハンドルの長手方向の中間部を受けるハンドル受け部とを有し、
前記台座は、一枚の金属板を折り曲げることによって前記一対のベース部と前記一対の支持片部と前記ハンドル受け部を一体に形成したものであることを特徴とするパチン錠。
【請求項2】
前記ハンドル受け部における前記連結片部の高さ寸法を、前記一対の支持片部における前記支持孔の中心の高さ寸法とほぼ同じとなるように設定したことを特徴とする請求項1記載のパチン錠。
【請求項3】
前記ハンドルには係合手段が設けられ、前記ハンドル受け部における前記連結片部には、前記係合手段が係脱可能に係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のパチン錠。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−167441(P2012−167441A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27242(P2011−27242)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(390015392)三恭金属株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(390015392)三恭金属株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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