説明

パッケージ及びパッケージ製造方法

本発明は、少なくとも部分的に円筒形の本体部1、テーパ肩部2、底部5、及び開口装置3を備える包装用材料製のパッケージに関する。肩部2の、本体部1の円筒形部分に当接する部分が、包装用材料が複数の重なった折曲げ部6に折り曲げられて、包装用材料の3つの円周上に連続する区画が折り曲げられ、それにより第1区画が外側を形成し、第2区画が第1区画の内側に当接して内側及び後方に折り曲げられ、第3区画がパッケージの内側に面する第2区画の包装用材料の外側に当接して折り曲げられてテーパ形状となっている。本発明は、更に、パッケージを製造する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、添付の請求項1の前提部に記載のパッケージ(収納容器)、並びに添付の請求項5の前提部に記載のパッケージ製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳やジュース等の飲料には、半剛性の包装用積層紙を折り曲げた、ブリック(レンガ)形パッケージが一般に使用されている。この種のパッケージを開封する従来の方法は、長い間、コーナー・フラップの隅部を引き裂くか、又は切り取ることで注出口を得るものであった。このタイプのパッケージは、近年では、再密閉できる様々なタイプの開口装置も備えている。これらの開口装置は、例えば、包装用積層体に予め形成された弱化線を覆う、後付けで接着された蓋とすることができる。また、包装用積層体の穴を覆う位置に直接射出成型されたプラスチック製の開口装置である場合もある。これらの開口装置の1つの変形例は、ねじキャップを担持するように設けられた、射出成型されたねじ付き首部に関する。
【0003】
近年見受けられるようになってきたもう1つの傾向として、ねじキャップをもった瓶形パッケージから、ジュースや他の飲料を直接飲めるようになりたいという要望がある。これらの瓶には、例えば、ガラス、金属、又はプラスチック製のものがある。とりわけ、プラスチック瓶の市場が成長している。これは恐らく、主にこの種の瓶がその他の材料に比べて軽量であるからと考えられる。
【0004】
瓶形状及び再封可能なねじキャップの要件を満たす紙製パッケージを作成する試みもいくつかなされてきている。
【0005】
包装用積層紙製の瓶形パッケージを実現する1つの試みが、米国特許第5088642号に記載されている。この公報は、矩形で、ねじキャップ等を備えたテーパ首部を有するブリック形パッケージを開示している。しかし、そのテーパ状の矩形首部が滑らかな周面を形成していないため、これでは顧客の要望を満たすことができない。隅部に向かって延びる突出したフラップ(延出部)のために、このパッケージは扱い難く、又、完全に円形で滑らかな表面を有するプラスチック瓶に比べると、このパッケージは見た目上にも消費者にとって魅力に欠ける。
【0006】
もう1つの包装用積層紙製の瓶形パッケージが、米国特許第5046660号に記載されている。このパッケージも、形状及び扱いやすさの点で消費者が求める要件を満たしてはいない。突出したフラップは、この場合更に、2つの対向したフラップを互いに離れる方向に引っ張ることで、把持されるフラップに対して横断方向に配置された第2の対の融着フラップを引き離すための把持面として機能させるものである。
【0007】
したがって、当技術分野では、例えば、包装用積層紙等の包装用材料製の瓶形パッケージを実現することが求められている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、例えば、包装用積層紙等の包装用材料製の瓶形パッケージを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、添付の請求項1の特徴部分から明らかである特有の特徴を与えた、導入文として開示したタイプのパッケージによって達成される。
【0010】
肩部の、本体部の円筒形部分に連結する部分が、包装用材料を複数の重なった折曲げ部で折り曲げて、包装用材料の3つの円周上に連続する部分を折り曲げ、それにより第1部分が外側を形成し、第2部分が第1部分の内側に当接して内側及び後方に折り曲げられ、第3部分がパッケージの内側に面する第2部分の材料の外側に当接して折り曲げられてテーパ形状となっているので、円形で、テーパ形状であるけれども突出したフラップのない滑らかな外側面を有する形状を得ることが可能である。本体部及び肩部は、ウェブ状又はシート状の包装用材料製のスリーブを含み、それは折り曲げられて、2つの両縁部がパッケージ及びスリーブに沿って延びる長手方向に沿って互いに合わせられ融着されるので、包装用積層紙等の任意選択の包装用材料製のスリーブを簡単に製造することが可能である。底部は本体部と一体に形成されるので、単一のスリーブから完全なパッケージ本体を得ることが可能である。更に、一体型本体は、分離型の底板等を使用するほとんどの構造に比べて極めて頑丈になる。
【0011】
本発明の好ましい実施例は、添付の従属請求項から明らかである。
【0012】
1つの好ましい実施例によれば、円周方向にある重なった折曲げ部は、同じ方向に折り曲げられる。この場合、同時回転中、円錐形スリーブがスリーブの上端部に押し付けられるので、折り曲げを簡単に実施することが可能であるため、製造が容易になる。
【0013】
もう1つの好ましい実施例によれば、重なった折曲げ部は、円周上で交互に反対方向に折り曲げられる。このようにして、例えば、2つの半円筒の間に2つの直線側面を有するパッケージが製造される場合、明瞭な対称形を簡単に得ることが可能である。
【0014】
スリーブが所与の円周を有し、且つ、重なった折曲げ部を形成する部分の円周方向の大きさが、本体部に面する肩部の端部でよりも、開口装置に面する肩部の端部での方がより大きいので、開口装置に面する肩部の端部でより小さい円周が得られることになる。
【0015】
上述の目的は、又、添付の請求項5の特徴部分から明らかである特有の特徴を与えた、導入文として開示されるタイプの方法によって達成される。本発明による上述のパッケージは、含まれる工程が異なる順序で実施されるいくつかの異なる従来のやり方で製造することができる。更に、請求項5は本発明による特有の方法を開示する。
【0016】
この方法は、ウェブ状又はシート状の包装用材料から、2つの両縁部を互いに合わせ融着してスリーブを形成する段階と、少なくとも部分的に円筒形になるようにスリーブを形成する段階と、スリーブの、一方の端部の円筒形部分を、包装用材料を複数の重なった折曲げ部で折り曲げて、包装用材料の3つの円周上に連続する部分を折り曲げ、それにより第1部分が外側を形成し、第2部分が第1部分の内側に当接して内側及び後方に折り曲げられ、第3部分がパッケージの内側に面する材料の外側の第2部分に当接して折り曲げられるようにして、テーパ肩部に形成することで、スリーブの一方の端部でテーパ肩部を形成する段階と、テーパ肩部に形成されたスリーブのその端部上に開口装置を固定して形成する段階とを含むので、円形、円筒形、又は部分円筒形で、更にプラスチック瓶又はガラス瓶のものと同様のテーパ肩部を有するパッケージを得ることが可能である。このテーパ部は、更に、突出したフラップのない円錐形の円周表面を有することになる。この方法は、スリーブの端部を平坦にして、その端部の縁部を溶着或いは融着してパッケージを閉鎖する段階を更に含むので、スリーブの端部を平坦にし、その内側をいわゆる合掌接合(praying joint)で互いに融着することで、スリーブの一方の端部をより確実に封止することが可能である。この横断方向の封止部は、次いで、接合部の各隅部が中央の方に内側に折り曲げられ、それによってパッケージの下側に何らかの形のフラップが形成されるように互いに折り曲げることができる。
【0017】
1つの好ましい実施例によれば、この方法は、開口装置とは反対側のスリーブ端部からパッケージに製品を充填する段階を更に含む。このようにして、その究極の機能、即ち、消費者が使用するときにパッケージを開封及び閉鎖するためだけの開口装置を設計することが可能である。前述の底部を封止する方法は、更に、充填済みのパッケージに使用するのにも適している。というのは、最後に底部を形成する際に、パッケージに充填された製品を被当接部として使用できるからである。
【0018】
もう1つの好ましい実施例によれば、この方法は、開口装置が定位置に固定される前に、テーパ部に形成されたスリーブの端部からパッケージを充填する段階を含む。このようにして、単に機械的強度と製造技術的側面から見て、底部を形成することが可能である。このようにして充填する際、1つの好ましい実施例によれば、先ずスリーブ又は首部が、包装用材料(とりわけ包装用積層紙製である場合)の自由縁部を覆って定位置に固定される場合、その後パッケージはスリーブから充填され、最後にその上に、ねじキャップ等が、例えば、ねじ付きスリーブ上の定位置に取り付けられるので有利である。したがって、この方法は、開口装置からパッケージを充填する段階、並びに開口装置を封止してパッケージを閉鎖する段階を更に含むことが好ましい。
【0019】
本発明の現時点で好ましい実施例を例示のために示す添付の概略図面を参照しながら、本発明を以下でより詳細に説明する。
【実施例】
【0020】
図1から明らかなように、パッケージは、本体部1、上部のテーパ肩部2、開口装置3、そして底部5を含む。開口装置3は、首部4を介して肩部2に連結されている。この首部4は、好ましくは、肩部2の最上部を成す材料自由縁部の両側に連結されて、そうでなければ露出する縁部を、パッケージの内側からも外側からも、水分及び汚れから保護するようになっている。更に、首部4は、好ましくは、ねじキャップがその上にねじ込まれるねじ山を備えている。図1に示す構造では、開口装置3は、ねじ付き首部4の延長部及びその上に取り付けられるねじキャップから成る。
【0021】
当然ながら、他のタイプの開口装置も使用できる。例えば、栓を引き上げるだけのもの、或いはキャップ若しくは栓がわずかな回転角度でねじ込まれているものといった、様々なタイプのスナップ栓を使用することが考えられる。更に、開口装置は、既製のものを肩部2上に取り付けることもでき、或いは直接射出成型することで開口部に直接形成することもできる。
【0022】
既製の開口装置は、例えば、包装用積層体の内側及び/又は外側上のプラスチック層を溶融し、その溶融領域に対して、それが硬化し十分に固まるまで開口装置を押し付けて定位置に固定することができる。別の方法としては、何らかの形の接着剤を後から加えて、開口装置を包装用積層体の内側及び/又は外側に融着することもできる。図5は、パッケージのテーパ部2の上部によって形成される穴に配置された、既製の開口装置3を示す。下方に延びる環状フランジ3aは、内側の方に上方に折り曲げられるものである。外側に延びる環状フランジ3bは、外側の方に下方に折り曲げられるものである。内側フランジ3aは、パッケージの内側を封止するものである。外側フランジ3bは、そうでなければ周辺環境に露出する紙縁部を保護し、且つパッケージに見た目上魅力的な外観を与えるものである。更に、外側フランジ3bは、何らかの形のいたずら痕跡明示用の固定点としても使用することができる。図5から明らかなように、この開口装置は、上部開口が封止されるように、ねじキャップがその上に固定されることになるねじ山3cを備える。
【0023】
開口部上に直接形成される上述の構造は、ねじ付き首部を、プラスチックがパッケージ壁の内側と外側の両方に連結するように開放縁部上に直接射出成型し、その上に既製のねじキャップを定位置に押し込むか又はねじ込むことで実現できる。図6は、この種の開口装置の1つの実施例を示す。内側から、工具20がテーパ部2の内側に当接して押し付けられる。外側から、もう1つの工具21がテーパ部2の外側に当接して押し付けられる。2つの工具の間に形成される空間に溶融プラスチックが注入され、それが固まって開口装置3が形成される。この種の開口装置は、開口を覆う薄膜3dを備え、それによって自動的にいたずら痕跡明示具を構成することもできる。薄膜を備える開口装置では、更に、消費者がパッケージを一旦開封した後は、満足のいくように封止するだけでよい簡単なねじキャップを使用することが可能である。適用可能である場合は、外側のねじキャップをまったく備えなくてもよい。薄膜を引き裂くのを容易にするために、薄膜は企図する引裂線の周りに延在する弱化部3eを備える。更に、薄膜はプルタブ又はつまみ3fを備える。工具を開口装置から取り外せるように、外側の工具21は、図6の紙面の分割線で2つに分割される。
【0024】
図1及び図2から明らかなように、胴体部又は本体部1及び肩部2が、完全に円形(図1参照)、或いは部分円筒形(図2参照)になるように、パッケージを設計することが可能である。図2に、上から見て、わずかに細長い外観の断面を有するパッケージが示されている。図に示す構成では、パッケージは2つの直線側面と、その2つの直線側面を互いに結合する2つの短い半円筒側面とを有する。他の実施例では、部分円筒部によって互いに結合される3つ又は4つ以上の直線部が存在することも考えられる。複数の異なる形状から構成されるパッケージ、及び図2に示すようなパッケージに明瞭な形状を与えるために、スリーブは、断面の形状が変わる位置で、パッケージの長手方向に沿って延びる折線18を備える。図2は、直線部と部分円筒部の間の移行部を示す2本の折線18を示す。
【0025】
テーパ肩部2は、包装用材料の3つの円周上に連続する区画6a〜cが、第1区画6aが外側を形成し、第2区画6bが第1区画6aの内側に当接して内側及び後方に折り曲げられ、第3区画6cがパッケージの内側に面する第2区画6bの包装用材料の外側に当接して折り曲げられるように折り曲げられて、テーパ形状となっている。
【0026】
図3は、円形パッケージが最終的に形成される前に、それがどのように見えるかを示す。図3は、7つの重なった折曲げ部を示す。1つの好ましい実施例によれば、パッケージは部分円筒部にわたって分散配置された6つ又は8つの重なった折曲げ部を含む。図2に示すパッケージは、この場合、直線部分の両側に3つ又は4つの重なった折曲げ部を備える。図3は、パッケージの最終的な輪郭を点線で示している。本体部1の下方へ下がる程、重なった折曲げ部6の重なりは小さくなり、開口装置3の方へ上がる程、その重なりは大きくなる。最上領域(開口装置3の最近位)では、重なりは、例えば、1つの重なった折曲げ部が終わると直ぐに次の重なった折曲げ部が始まる程、大きくなる場合がある。
【0027】
もう1つの実施例(図示せず)によれば、重なった折曲げ部は、例えば円周の周りで1つおきに第1の方向に折り曲げられ、もう一方は1つおきに第1の方向と反対方向に折り曲げられるように、異なる方向に折り曲げられる。この実施例では、重なった折曲げ部は、好ましくは互いに近接して対を成して配置され、それによってそれらの対は、Ω記号を平坦にした形を成すようになる。
【0028】
適切な包装用材料は、例えば、アルミニウムのバリヤ層と、例えばポリエチレン等の密封可能なプラスチック外層とを備える包装用積層紙である。当然ながら、その代わりに、例えばSiOx等の任意選択のバリヤ層や、例えばポリプロピレン等の任意選択の外層を使用することもできる。ある場合では、バリヤ層はまったく必要でない。このような場合の例は、例えば、貯蔵期間全体を通して、低温貯蔵される製品、いわゆる低温流通に使用される。
【0029】
上述の重なった折曲げ部の結果、円筒部又は部分円筒部の延長部にあるパッケージの肩部2にテーパ形状が確保されると、パッケージは瓶形状を有することになる。
【0030】
1つの好ましい実施例によれば、パッケージは、第1の段階で、ウェブ上又はシート状の包装用材料から、2つの両縁部を互いに合わせ融着してスリーブを形成することで製造される。この長手方向の接合部7はいわゆる重なり接合部又は継ぎ目であり、即ち、一方の長手方向の縁部が、相接する長手方向接合部の下に延在している。この構成によれば、内側縁部7aの外側は、外側縁部7bの内側に接して融着される。従来の方法では、接合部7に、何らかの形のプラスチック等の耐液性材料のいわゆる長手方向接合ストリップ7cを設けることも可能である。この長手方向接合ストリップは、内側縁部をパッケージに詰められた製品から保護する。或いは、内側縁部を、内側縁部の外側と外側縁部の内側の間で二重に折り曲げる技術を使用することもできる。この種の長手方向接合については、米国特許第6265009号により詳細に記載されている。
【0031】
その後、スリーブは、少なくとも部分的に円筒形を有するように、即ち、完全に円形、楕円形であるか、或いは直線部及び円形若しくは楕円形部から構成されるように形成される。これは、スリーブを持ち上げて、マンドレル等に通すことで実施される。
【0032】
その後、テーパ肩部2が、スリーブの一方の端部の円筒形部分が、複数の重なった折曲げ部6で折り曲げられ、そのため包装用材料の3つの円周上に連続する区画6a〜cが、第1区画6aが外側を形成し、第2区画6bが第1区画6aの内側に当接して内側及び後方に折り曲げられ、第3区画6cがパッケージの内側に面する第2区画6bの包装用材料の外側に当接して折り曲げられて形成される。
【0033】
その後、パッケージは開口装置を備え、底部が封止されて、パッケージに所期の製品が充填されることになる。これらの最後の段階は、原則として、パッケージを製造且つ充填する機械の種類に従って、異なる順序で実施することもできる。
【0034】
一実施例によれば、スリーブ1は閉鎖された開口装置3(それは、消費者が製品を手に取るまで開封されないものである)を備え、その後パッケージは、パッケージの開口装置と反対側の端部から製品を充填され、その後その反対側の端部は、スリーブ1の端部を平坦にして融着することで封止される。
【0035】
もう1つの実施例によれば、パッケージは、テーパ部2に形成されたスリーブ1の端部から充填される。この充填は、開口端部から、或いは最も好ましくは開口端部上に設けられ、ねじキャップ3等を担持することになる首部4から実施することもできる。
【0036】
当然ながら、開口装置3は、パッケージが既に開封されているか否かに関する情報を消費者に与える、いわゆるいたずら痕跡明示具を何らかの形で備えることもできる。使用できるこの種のいたずら痕跡明示具には非常に多くの変形例がある。ねじキャップと、パッケージに対して回転可能に固定され、首部4を覆うリング等との間に延在するブリッジ(架橋部)を使用することもできる。
【0037】
底部封止部は、スリーブの各端部の内側が互いに面して融着される合掌接合である。更に、底部封止部は長手方向封止部に対して横断方向である。
【0038】
図7a及び7bは、底部封止部5b及びスリーブ1の一部から形成される底部封止フィン5aを有するスリーブを備えるパッケージを示し、この底部封止フィンは、2つのクランピング・ジョーによってスリーブ1の端部が互いに締め付けられ、融着されることで実現される。図7cは、部分的に折り曲げ済みの状態にあるパッケージ底部を示す。底部5は、主フラップ5cと副フラップ5dを有する。図7dは、折り曲げ済みの底部を示す。
【0039】
第1の予備段階で、フィン5aは、長手方向接合部7から離れる方向にわずかに予め折り曲げられる。この段階及び他の折り曲げ段階に関して、熱気等を用いて材料を加熱すると、材料がより柔軟でよりしなやかになり、その結果材料に亀裂が生じる危険が低減するので有利である。包装用材料製の層がいくつか互いに重なり合う長手方向接合部7を折り重ねるのは一層困難であるので、フィン5aを長手方向接合部7から離れる方向に予め折り曲げることは有利である。
【0040】
その後、フィン5aは折り曲げられて各隅部が締められる。即ち、最終的な折曲げに向けた予備段階として、折線に沿って折り曲げられ始める。
【0041】
予め折り曲げられたフィン5aの中央部が、スリーブの底部5を構成する部分まで押し下げられる。この段階によって、フィン5aの横断方向の両端部上に主フラップ5cが確実に形成されることになる。底部の最終的な折曲げ状態を魅力的に見せるために、又、パッケージが確実に安定して立つように、フラップがパッケージから下に突出しないことが重要である。したがって、各主フラップ5cの両側の、上側端部と、スリーブの底部を構成する部分とスリーブの残りの部分の間の移行部との間の部分に、内方凹部が設けられている。
【0042】
このようにして、各部分に、副フラップ5dが主フラップ5cの下に幾分内方に延在して形成されることになる。図7cは、主フラップ5c及び副フラップ5dを備えるパッケージを示す。凹部で形成される副フラップ5dによって、最後まで折り曲げられたパッケージ底部は、図7dに示すように八角形を有することになる。
【0043】
最後に、主フラップ5cが底部5に完全に押し込まれると、主フラップ5c、副フラップ5d、及び封止フィン5aが底部5に接して平坦に位置することになる。それらを併せて圧縮する直前に材料を加熱すると、材料は部分的に溶融し、それによって、プラスチックが再度固まるときに、隣接する部分が融着することになる。これは、当然ながら、何らかの形の接着材を少量、選択された箇所からフラップの下に注入することでも実現できる。このようにして折り曲げられたパッケージは、したがって図7dに示すような折り曲げ済の状態になる。
【0044】
底部断面が矩形のパッケージを形成したい場合は、これは上述の断面が八角形のものとほぼ同じやり方で実施することができる。原則として、唯一の違いは、副フラップが形成されず、フィン及び主フラップのみが折り曲げられることである。
【0045】
添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の本発明の実施例にいくつかの修正例が可能であることは、当業者には容易に理解されよう。
【0046】
例えば、長手方向接合部を、互いに近接する長手方向縁部の両内側を互いに封止する、いわゆる合掌接合として形成することが可能である。更に、横断方向の封止は、当然ながら、上述の横断方向ではなく別の方向であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の第1の好ましい実施例によるパッケージを示す図である。
【図2】本発明の第2の好ましい実施例によるパッケージを示す図である。
【図3】部分的に内側に折り曲げられた状態を示す、テーパ部分の上から見た断面図である。
【図4】図1で印を付けたスリーブの断面図である。
【図5】既製の開口装置を固定する様子を示す断面図である。
【図6】直接射出成型された開口装置を示す断面図である。
【図7a】1つの好ましい実施例による八角形の底部を折り曲げる1つの方法を示す図である。
【図7b】1つの好ましい実施例による八角形の底部を折り曲げる1つの方法を示す図である。
【図7c】1つの好ましい実施例による八角形の底部を折り曲げる1つの方法を示す図である。
【図7d】1つの好ましい実施例による八角形の底部を折り曲げる1つの方法を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に円筒形の本体部(1;11)と、前記本体部(1;11)と一体に形成されると共に該本体部(1;11)の一方の端部に連結するテーパ肩部(2;12)と、前記本体部(1;11)の肩部(2;12)とは反対側の端部に連結する底部(5;15)と、前記肩部(2;12)の本体部(1;11)とは反対側の端部に連結する開口装置(3;13)とを備える、包装用材料製のパッケージにおいて、前記肩部(2;12)の、前記本体部(1;11)の円筒形を有する部分に連結する部分が、包装用材料が複数の重なった折曲げ部(6;16)に折り曲げられて、包装用材料の3つの円周上に連続する区画(6a〜c)が折り曲げられ、それにより第1区画(6a)が外側を形成し、第2区画が前記第1区画(6a)の内側に当接して内側及び後方に折り曲げられ、第3区画(6c)がパッケージの内側に面する前記第2区画(6b)の包装用材料の外側に当接して折り曲げられて、テーパ形状となっているパッケージであって、前記本体部(1;11)及び前記肩部(2;12)が、2つの両縁部が前記パッケージ及びスリーブに沿って延びる長手方向接合部(7)に沿って互いに合わせられ融着されるように折り曲げられた、ウェブ状又はシート状の包装用材料製の前記スリーブを含み、前記底部(5;15)が前記本体部(1;11)と一体に形成され、前記底部(5;15)が前記スリーブ(1)の端部を平坦にして融着されることで封止されることを特徴とするパッケージ。
【請求項2】
円周方向にある前記重なった折曲げ部(6;16)が、同じ方向に折り曲げられる、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記重なった折曲げ部(6;16)が、円周上で交互に反対方向に折り曲げられる、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記重なった折曲げ部(6;16)を形成する区画(6a〜c)の円周方向の大きさが、前記本体部(1;11)に面する前記肩部(2;12)の端部でよりも、前記開口装置(3;13)に面する肩部(2;12)の端部での方がより大きい、請求項1から3までのいずれか一項又は複数項に記載のパッケージ。
【請求項5】
パッケージを製造する方法であって、
ウェブ状又はシート状の包装用材料から、2つの両縁部を互いに合わせ融着して(7)スリーブを形成する段階と、
少なくとも部分的に円筒形を有するように前記スリーブを形成する段階と、
前記スリーブの、一方の端部の円筒形を有する部分を、包装用材料を複数の重なった折曲げ部(6;16)に折り曲げて、包装用材料の3つの円周上に連続する区画(6a〜c)を折り曲げ、それにより第1区画(6a)が外側を形成し、第2区画が前記第1区画(6a)の内側に当接して内側及び後方に折り曲げられ、第3区画(6c)が前記パッケージの内側に面する前記第2区画(6b)の包装用材料の外側に当接して折り曲げられるようにして、テーパ肩部(2;12)に形成することで、前記スリーブの一方の端部でテーパ肩部(2;12)を形成する段階と、
テーパ肩部(2;12)に形成された前記スリーブのその端部上に開口装置(3;13)を固定する段階と、
前記スリーブの端部(5;15)を平坦にして前記端部の縁部を融着して前記パッケージを封止する段階とを含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記スリーブの、前記開口装置(3;13)に対して反対側の端部から製品を前記パッケージに充填する段階を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記開口装置(3;13)が定位置に固定される前に、テーパ部(2;12)に形成された前記スリーブのその端部から前記パッケージを充填する段階を更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記開口装置(3;13)から前記パッケージを充填する段階、並びに前記開口装置(3;13)を封止して前記パッケージを閉鎖する段階を更に含む、請求項5に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

image rotate


【公表番号】特表2006−503772(P2006−503772A)
【公表日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−549427(P2004−549427)
【出願日】平成15年10月16日(2003.10.16)
【国際出願番号】PCT/IB2003/004610
【国際公開番号】WO2004/041663
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】