説明

パラレルメカニズム及びパラレルメカニズムを用いた位置決め装置

【課題】広い屈曲角度を有しながらも、屈曲方向以外の相対的な回転剛性が高く、ねじれにくい高精度な特性を有するパラレルメカニズム及び位置決め装置を提供すること。
【解決手段】位置決め装置1は、パラレルメカニズム2と、パラレルメカニズム2を駆動するリニアアクチュエータ70,80,90と、リニアアクチュエータ70,80,90を保持する保持部7と、スタンド100とから構成される。パラレルメカニズム2は、3組の平行四節リンクからなるアーム部10,30,50から構成され、アーム部10の先端部には、先端部金具14が設けられ、リンク11,12の先端部には、各々、第二互違溝付きばね22,23を介して、先端部金具14が固定され、先端部金具14には、第一互違溝付きばね21を介して接続金具15が固定され、接続金具15にエンドエフェクタ9が固定される。アーム部30,50も同様の構造である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラレルメカニズム及びパラレルメカニズムを用いた位置決め装置に関し、詳細には、複数の自由度を有するパラレルメカニズム及びパラレルメカニズムを用いた位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタやプロジェクタ等の光学製品に使用されるレンズやミラー等の光学部品の取り付けには高い位置・角度精度が必要とされている。これらの生産ラインでは光学部品を別の場所から移動させ、位置決めを精密に行い、当該光学部品の取り付けを自動化して行うことが一般的になっている。このような光学部品の位置決めは、多くの場合、比較的高精度を有する直動アクチュエータを高剛性な金属構造物に組み合わせて行っている。この方法では機械の重量やサイズが大きくなり、また異なる製品への応用のための装置組み替えも煩雑である。
【0003】
この問題を解決するために、関節にヒンジなどの弾性体構造を応用した装置が提案されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照。)。非特許文献1に記載の装置では、高精度の位置決め装置としてパラレルメカニズムを応用したマイクロフィンガーモジュールを用いている。また、非特許文献2に記載の装置では、超弾性ヒンジを用いたパンタグラフ機構を用いている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】谷川民生、新井健生、“並進3自由度を有するマイクロフィンガーモジュール”、日本ロボット学会誌 Vol.20 No.2、p.196−205、2002。
【非特許文献2】堀江三喜男、小林太、池上皓三、岡部信次、“超弾性ヒンジからなるパンタグラフ機構の特性解析”、日本機械学会論文集(C編) 62巻 598号、p.317−322、1996。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の位置決め装置では、直動アクチュエータを高剛性な金属構造物に組み合わせて用いるので、位置決め装置のサイズ、重量が大きくなるという問題点があった。また、非特許文献1に記載の装置では、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)により製作した関節部は大きな変形を考慮した構造ではないため、関節の動作領域が非常に小さいという問題点があった。また、非特許文献2に記載の装置では、関節に平面状の板ばねを用いているので、動作の自由度が小さく動作幅が取れないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、広い屈曲角度を有しながらも、屈曲方向以外の相対的な回転剛性が高く、ねじれにくい高精度な特性を有するパラレルメカニズム及びパラレルメカニズムを用いた位置決め装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様のパラレルメカニズムでは、複数のアーム部と、前記各アーム部により支持される1つの可動先端部と、前記各アーム部の先端部と前記可動先端部との間に設けられた第一ばね関節と、前記各アーム部の基部と前記アーム部を駆動するアクチュエータとの間に設けられた第二ばね関節とを備え、前記第一ばね関節または前記第二ばね関節は、直方体の金属部材の一の面及びその反対側の背面から交互に溝が形成され、前記一の面からの溝と前記背面からの溝は前記溝の延設方向と直交方向に於いて一部重なるように形成されている互違溝付きばねを含み構成されていることを特徴とする。この構成のパラレルメカニズムでは、従来の板ばね関節と比較して、広い屈曲角度を有しながらも、屈曲方向以外の相対的な回転剛性が高く、ねじれにくい高精度な特性を有する。
【0008】
また、前記各アーム部は、左右一対のリンクと上枠及び下枠から構成された四節平行リンク型アームであり、前記上枠が前記アーム部の基部を構成し、前記下枠が前記アーム部の先端部を構成し、前記第一ばね関節または前記第二ばね関節は、第一互違溝付きばねと、左右一対の幅の等しい第二互違溝付きばねから各々構成され、前記左右一対の第二互違溝付きばねは、前記第一互違溝付きばねの左右両端部に前記一の面同士又は前記背面同士が互いに対向するように対称に配置されているようにしてもよい。この構成のパラレルメカニズムでは、第二ばね関節の歪みにより生じる力が互いに拮抗して、第二ばね関節の前記一の面と前記背面への屈曲角度を同じにできる。
【0009】
また、前記第二互違溝付きばねの幅は、前記第一互違溝付きばねの幅よりも狭くしてもよい。この構成のパラレルメカニズムでは、装置を小型化できる。また、第二互違溝付きばねの弾性力を第一互違溝付きばねの弾性力より小さくすることができる。従って、例えば、第二互違溝付きばねの幅を前記第一互違溝付きばねの幅の半分にすれば、第一互違溝付きばねの弾性力と左右一対の第二互違溝付きばねの弾性力を均衡させることができる。
【0010】
また、前記第一互違溝付きばね及び第二互違溝付きばねは、溝と当該溝が形成された面と同じ面側から形成された隣の溝との間に形成される剛体部と、前記溝と当該溝が形成された面と反対の面側から形成された隣の溝との間に形成され、前記剛体部の厚みより薄い板状の弾性変形部とを備えるようにされてもよい。この構成のパラレルメカニズムでは、前記第一互違溝付きばね及び第二互違溝付きばねは、直方体の両側面から溝が切り込まれた構造を有し、また、それぞれの側面からの溝が、互いに重複した箇所が存在する点に特徴がある。前記互違溝付きばねに屈曲方向の荷重が負荷されると、相対的に剛性が低い弾性変形部に変形が生ずる。また、剛体部は相対的に剛性が高いため、本互違溝付きばねは、弾性変形部が変形する屈曲方向のみに剛性の低い異方性を生じる。よって、屈曲角度が大きくかつねじれにくい、高精度な特性を実現できる。
【0011】
また、前記第一互違溝付きばね及び第二互違溝付きばねは、前記一の面側から形成された溝の数と、前記背面側から形成された溝の数が同じであってもよい。この構成のパラレルメカニズムでは、前記一の面側の剛体部の数と前記背面側の剛体部の数が同じになり、前記一の面側の屈曲と前記背面側への屈曲角度を同じにできる。
【0012】
また、前記パラレルメカニズムは並進3自由度を有するデルタ機構であってもよい。 この構成のパラレルメカニズムでは、広い動作域を有し、繰り返し位置決め精度が高く、また、Z軸方向に剛性が高いデルタ機構を実現することができる。
【0013】
また、本発明の第二の態様の位置決め装置は、上記パラレルメカニズムと、当該パラレルメカニズムの各アーム部の基部を移動させるアクチュエータとを備えたことを特徴とする。この構成の位置決め装置では、アクチュエータによりパラレルメカニズムのアームの基部を移動させて、パラレルメカニズムを動作させることができる。
【0014】
また、位置決め装置では、前記アクチュエータを制御する制御部を備えてもよい。この構成の位置決め装置では、制御部により前記アクチュエータを制御して、パラレルメカニズムを動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態の位置決め装置1の斜視図である。
【図2】位置決め装置1の右側面図である。
【図3】位置決め装置1の平面図である。
【図4】パラレルメカニズム2の斜視図である。
【図5】パラレルメカニズム2のアーム部10の先端部の部分斜視図である。
【図6】パラレルメカニズム2のアーム部10の先端部の裏側から見た部分斜視図である。
【図7】パラレルメカニズム2のアーム部10の基部の部分斜視図である。
【図8】第一互違溝付きばね24の正面図である。
【図9】図8に於ける第一互違溝付きばね24のX−X矢視方向断面図である。
【図10】第一互違溝付きばね24の屈曲部120の拡大図である。
【図11】基部金具13の正面図である。
【図12】第二互違溝付きばね25の正面図である。
【図13】図12に於ける第二互違溝付きばね25の屈曲部130のXI−XI矢視方向拡大断面図である。
【図14】位置決め装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図15】位置決め装置1のデルタ機構モデル図である。
【図16】解析に使用した互違溝付きばね200の動作の様子を示す図である。
【図17】解析条件を示すばね関節201と剛体リンク202を示す斜視図である。
【図18】剛体リンク202の屈曲回転時の剛体リンク202の先端の軌跡を示す図である。
【図19】試作機の動作域を示す三次元グラフである。
【図20】動作解析の結果を示す図である。
【図21】精度評価実験装置の斜視図である。
【図22】X軸方向での精度評価実験結果を示すグラフである。
【図23】Y軸方向での精度評価実験結果を示すグラフである。
【図24】Z軸方向での精度評価実験結果を示すグラフである。
【図25】剛性評価実験装置を示す図である。
【図26】X軸方向での剛性評価実験結果を示すグラフである。
【図27】Y軸方向での剛性評価実験結果を示すグラフである。
【図28】Z軸方向での剛性評価実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態のパラレルメカニズム2及び当該パラレルメカニズム2を用いた位置決め装置1の機械的構造について図1〜図4を参照して説明する。
【0017】
位置決め装置1は、所謂パラレルメカニズム2と、パラレルメカニズム2を駆動するリニアアクチュエータ70,80,90と、リニアアクチュエータ70,80,90を保持する保持部7と、保持部7を支えるスタンド100と、リニアアクチュエータ70,80,90を制御する制御装置8とから構成されている。
【0018】
まず、リニアアクチュエータ70,80,90及び保持部7の構造を説明する。保持部7は、図1〜図3に示すように3方向への開口部を上下2段に有する略六角柱に形成されており、3つの側面に円柱状のリニアアクチュエータ70,80,90が固定具71,81,91により、各々、120度ずつ離れて固定されている。リニアアクチュエータ70,80,90には、各々、退出する軸部72,82,92が設けられており、軸部72,82,92の先端部には、各々、先端金具73,83,93が設けられている。また、リニアアクチュエータ70,80,90の上部からは、ケーブル74,84,94が出ており、制御装置8に接続されている。
【0019】
次に、図1〜図3を参照してスタンド100の構造を説明する、スタンド100は、所定厚みの変形六角形のベース3と、当該ベース3から立設された背板4と、当該背板4を支える支持板5と、背板4の上端部から延設され前記保持部7を支えるフレーム6とから構成されている。
【0020】
次に、図1,図2及び図4〜図7を参照して、パラレルメカニズム2の構造について説明する。パラレルメカニズム2は、3組のアーム部10,アーム部30,アーム部50と、これらアーム部10,30,50により支持されるエンドエフェクタ9とから構成されている。このエンドエフェクタ9に工具や治具等が固定される。また、エンドエフェクタ9は、平面視、六角形に形成された板状の部材であり、各種の治具や工具等が固定できるようになっている。尚アーム部10,30,50及びエンドエフェクタ9の材質の一例としては、金属部材を用いることができ、例えば、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の剛性のある金属を使用すればよい。また、十分な剛性があれば、合成樹脂部材を用いてもよい。
【0021】
次に、アーム部10,30,50の構造を説明する。アーム部10,30,50は、同一構造の平行四節リンクから構成され、エンドエフェクタ9の中心部に対して各々120度の角度で、アーム部10,30,50の各先端部がエンドエフェクタ9に接続されている。また、アーム部10,30,50の後端部はリニアアクチュエータ70,80,90の先端金具73,83,93に各々接続されている。
【0022】
アーム部10は、左右一対の長尺且つ角柱状のリンク11,12と、基部金具13と、先端部金具14とから構成された平行四節リンクとなっている。また、アーム部30も、左右一対の長尺且つ角柱状のリンク31,32と、基部33と、先端部34とから構成された平行四節リンクであり、アーム部50は、左右一対の長尺且つ角柱状のリンク51,52と、基部53と、先端部54とから構成された平行四節リンクとなっている。
【0023】
次に、図5及び図6を参照して、アーム部10の先端部の構造を説明する。図5は、アーム部10の先端部を外側から見た部分拡大図であり、図6は、アーム部10の内側から見た部分拡大図である。アーム部10の先端部には、平面視、H型の先端部金具14が設けられている。図5に示すように先端部金具14の中央部には、第一互違溝付きばね21がねじ止めされており、先端部金具14の左右両端部には、当該第一互違溝付きばね21と直交するように第二互違溝付きばね22,23がねじ止めされている。尚、図5には、ねじ孔のみ示し、ねじの図示は省略している。また、第一互違溝付きばね21の先端部金具14への固定部と反対側の端部には、矩形のフレームから構成された接続金具15の一端部が図示外のねじにより固定され、接続金具15の他端部はエンドエフェクタ9に図示外のねじで固定されている。従って、リンク11,12の先端部には、各々、第二互違溝付きばね22、第二互違溝付きばね23を介して、先端部金具14が固定され、先端部金具14には、第一互違溝付きばね21を介して接続金具15が固定され、接続金具15にエンドエフェクタ9が固定される。また、第一互違溝付きばね21は、直方体の金属部材の一の面及びその反対側の背面から交互に溝が形成され、前記一の面からの溝と前記背面からの溝は前記溝の延設方向と直交方向に於いて一部重なるように形成されている所謂「互違溝付きばね」となっている。第二互違溝付きばね22,23も大きさは異なるが同様の構造であり、後述する第一互違溝付きばね24及び第二互違溝付きばね25,26も同様の構造である。尚、溝の形成方法としては、たとえば、ワイヤ放電加工等を用いればよい。
【0024】
次に、図7を参照して、アーム部10の基部の構造を説明する。アーム部10の基部にも平面視、H型の基部金具13が設けられている。基部金具13は、先端部金具14と同様の形状であり、図7に示すように基部金具13の中央部には、第一互違溝付きばね24がねじ止めされており、基部金具13の左右両端部には、当該第一互違溝付きばね24と直交するように第二互違溝付きばね25,26がねじ止めされている。尚、図7には、ねじ孔のみ示し、ねじの図示は省略している。また、第一互違溝付きばね24の基部金具13への固定部と反対側の端部には、正面視逆T字形状の接続金具16の一端部が図示外のねじにより固定され、接続金具16の他端部はリニアアクチュエータ70の先端金具73に図示外のねじにより固定されている。従って、リンク11,12の基部には、各々、第二互違溝付きばね25、第二互違溝付きばね26を介して、基部金具13が固定され、基部金具13には、第一互違溝付きばね24を介して接続金具16が固定され、接続金具16にリニアアクチュエータ70の先端金具73が固定される。尚、アーム部30及びアーム部50もアーム部10と同様の構造になっている。
【0025】
次に、図8及び図9を参照して、第一互違溝付きばね24の構造を説明する。尚、第一互違溝付きばね21も第一互違溝付きばね24と同様の構造である。第一互違溝付きばね24は、正面視、横長の略長方形で下側の両角が斜めに切り取られた金属製の板であり、板状の上部110及び下部113と、上部110と下部113との間に形成された屈曲部120とから構成されている。尚、上部110には、基部金具13(図7参照)と固定するためのねじ(図示外)が挿入されるねじ孔111,112が左右一対形成され、下部113には、接続金具16(図7参照)と固定するためのねじ(図示外)が挿入されるねじ孔114,115が左右一対形成されている。尚、第一互違溝付きばね24の材質の一例としては、ばね鋼を用いており、サイズの一例としては、図8の左右方向の幅が40mmである。
【0026】
次に、図10を参照して、第一互違溝付きばね24の屈曲部120の構造を説明する。図10は、図8に於けるX−X線矢視方向の拡大断面図である。屈曲部120は、所定幅で所定長さに形成された溝122と、当該溝122が形成された面(図10に於ける右側の面)と同じ面側から形成された隣の溝122との間に形成される剛体部121と、前記溝122と当該溝122が形成された面(図10に於ける右側の面)と反対の面(図10に於ける左側の面)から形成された隣の溝122との間に形成され、前記剛体部121の厚みより薄い板状の弾性変形部123とが複数積層されて構成されている。尚、剛体部121の厚みL5>溝122の幅L4となっており、また、剛体部121の厚みL5>弾性変形部123の厚みL6となっている。また、一の面(図10に於ける右側の面)側から形成された溝121の数と、一の面の背面(図10に於ける左側の面)側から形成された溝121の数が同じである。この例では、一の面(図10に於ける右側の面)側から形成された溝121の数が7個であり、背面(図10に於ける左側の面)側から形成された溝121の数が7個であり、剛体部121の数も各々6個であり、弾性変形部123の数は13個である。尚、一例として、各溝121の形状は同一であり、各剛体部121の形状も同一であり、各弾性変形部123の形状も同一である。
【0027】
屈曲部120のサイズの一例としては、屈曲部120の縦の長さL1が6.0mm、厚みL2が2.0mm、溝122の長さL3が1.3mm、溝122の幅L4が0.2mm、剛体部121の厚みL5が0.6mm、弾性変形部123の厚みL6が0.2mm、弾性変形部123の長さL7が0.6mmである。発明者はこのサイズの屈曲部120を用いて有限要素法による基礎解析を行ったので、その結果は後述する。
【0028】
次に、図11及び図12を参照して、第二互違溝付きばね25の構造を説明する。尚、第二互違溝付きばね26も第二互違溝付きばね25と同様の構造である。第二互違溝付きばね25,26は、基部金具13の左右端部に設けられており、第二互違溝付きばね25,26の屈曲方向と第一互違溝付きばね24の屈曲方向とは直交するようになっている。図12に示すように、第二互違溝付きばね25は、正面視、略矩形で上側の両角が斜めに切り取られた金属製の板であり、板状の上部135及び下部140と、上部135及び下部140との間に形成された屈曲部130とから構成されている。尚、下部140には、リンク11の上端部に(図7参照)と固定するためのねじ(図示外)が挿入されるねじ孔1141,144が左右一対形成されている。尚、第二互違溝付きばね25の材質の一例としては、ばね鋼を用いており、サイズの一例としては、図12の左右方向の幅が20mmである。
【0029】
次に、図13を参照して、第二互違溝付きばね25の屈曲部130の構造を説明する。図13は、図12に於けるXI−XI線矢視方向の拡大断面図である。屈曲部130は図10に示す屈曲部120と同様の構造であり、所定幅で所定長さに形成された溝132と当該溝132が形成された面(図13に於ける右側の面)と同じ面側から形成された隣の溝132との間に形成される剛体部131と、前記溝132と当該溝132が形成された面(図13に於ける右側の面)と反対の面(図13に於ける左側の面)から形成された隣の溝132との間に形成され、前記剛体部131の厚みより薄い板状の弾性変形部133とが複数積層されて構成されている。尚、剛体部131の厚みL15>溝132の幅L14となっており、また、剛体部131の厚みL15>弾性変形部133の厚みL16となっている。また、一の面(図13に於ける右側の面)側から形成された溝132の数と、一の面の背面(図13に於ける左側の面)側から形成された溝の数132が同じである。この例では、一の面(図13に於ける右側の面)側から形成された溝132の数が7個であり、背面(図13に於ける左側の面)側から形成された溝の数132が7個であり、剛体部131の数も各々6個であり、弾性変形部133の数は13個である。
【0030】
屈曲部130のサイズの一例としては、屈曲部130の縦の長さL11が6.0mm、厚みL12が2.0mm、溝132の長さL13が1.3mm、溝132の幅L14が0.2mm、剛体部131の厚みL5が0.6mm、弾性変形部133の厚みL16が0.2mm、弾性変形部133の長さL17が0.6mmである。
【0031】
次に、図14を参照して、位置決め装置1の電気的構成について説明する。図14に示すように、位置決め装置1は、リニアアクチュエータ70,80,90と、当該リニアアクチュエータ70,80,90を制御する制御装置8とから構成されている。リニアアクチュエータ70,80,90は、所謂直動アクチュエータから構成されている。尚、直線動作を実現できるものであれば、各種の構造のものを用いることができる。
【0032】
また、制御装置8は、制御コンピュータ88と当該制御コンピュータ88に接続されたドライバ76,86,96とから構成されている。ドライバ76はケーブル74によりリニアアクチュエータ70に接続され、ドライバ86はケーブル84によりリニアアクチュエータ80に接続され、ドライバ96はケーブル94によりリニアアクチュエータ90に接続されている。
【0033】
従って、制御装置8の制御コンピュータ88は、エンドエフェクタ9の目標移動量に対して、位置決め装置1の機構学演算により各アーム部10,30,50の移動量を求め、リニアアクチュエータ70,80,90制御する制御信号を生成する。その後、ドライバ76,86,96は、生成された制御信号を基にリニアアクチュエータ70,80,90を制御することにより、3本のアーム部10,30,50を動作させることができる。尚、本実施の形態の図位置決め装置1の動作領域の一例は、X方向が50mm、Y方向が50mm、Z方向25mmである。
【0034】
次に、図15を参照して、本実施の形態に係るばね位置決め装置1の機構モデルについて説明する。図15に示すように、位置決め装置1は、既存のデルタ機構と同様である。本機構は,平行四節リンクを有した3本のアーム部10,30,50と、原点座標系のZ軸方向に平行に配置された3つの直動動作入力により並進3自由度を実現する。各アーム部10,30,50及び動作入力は,原点座標系のZ軸周りに各120度の角度をなして配置される。各アーム部10,30,50の平行四節リンクにより動作拘束が与えられ、エンドエフェクタ9は常に原点座標系のXY平面と平行を保つ。尚、上記実施の形態においては、制御装置8が制御部の一例であり、エンドエフェクタ9が可動先端部の一例であり、第一互違溝付きばね21及び第二互違溝付きばね22,23が第一ばね関節の一例であり、第一互違溝付きばね24及び第二互違溝付きばね25,26が第二ばね関節の一例である。
【0035】
(基礎解析)
図16に示すように、互違溝付きばね200は屈曲するのであるが、図17及び図18を用いて、本実施の形態に使用される互違溝付きばね関節の弾性域内での最大屈曲角度及び回転剛性を調べるため,有限要素法による解析を行った。以下説明する。
【0036】
(方法)
解析を行った本ばね関節の形状は、図13に示す通りであり、幅(図13に於ける奥行き)は20mmとした。本ばね関節は弾性変形部で屈曲するため、比較として弾性変形部と同じ厚さ0.2mmの板ばね関節(幅20mm、長さ6mm)も同様に解析を行った。材質は、ばね鋼(SUP6、ヤング率:206GPa、横弾性率:78GPa、ポアソン比:0.3、降伏応力:1080MPa)とした。解析手法として、まずプリプロセッサFemap(ver.10.2.0)により、各ばね関節に最小メッシュサイズ0.1mmの六面体メッシュを作成した。図17に示すように、ばね関節201に剛体リンク202を接続し、先端100mmに荷重を負荷した。負荷荷重は、周期4sのコサイン波とし、降伏応力内での最大負荷荷重は、予備解析により、互違溝付きばね関節は屈曲方向に1.5N、Y軸周りに5N、Z軸周りに3N、板ばね関節は屈曲方向に1.3N、Y軸周りに2.4N、Z 軸周りに1.2Nとした。これらの条件下にて、非線形変形解析ソフトウェアDAFUL(ver.3.3)により解析を行った。
【0037】
(結果及び考察)
解析結果を図18に示す。互違溝付きばね関節の屈曲角度は、ばね鋼の降伏応力内で、−24.56〜24.58degであった。板ばね関節の屈曲角度は、±14.43degであった。各ばね関節の回転剛性は表1のように得られた。
【表1】

【表2】

【0038】
表1及び表2を参照すると、板ばね関節の回転剛性比は、Y軸周りに極端に高く、逆にZ軸周りに弱いことが分かる。それに対し、互違溝付きばね関節のZ軸周りの回転剛性比は、板ばね関節と比較し、高いことが分かった。これは、互違溝付きばね関節が剛体部を有することで、Z軸周りの変形が抑制されたからであると考えられる。ばね関節をパラレルメカニズムへ応用した場合、ばね関節には3次元下での複雑な荷重が加わる。互違溝付きばね関節は、特にZ軸周りの回転剛性が板ばね関節と比較し高いため、荷重による変形を抑制し、高精度な動作が可能となると考えられる。
【0039】
(機構応用)
提案する互違溝付きばね関節を、並進3自由度を有する一般的なパラレルメカニズムであるデルタ機構に応用した試作機(位置決め装置1)を開発した。本ばね関節を機構に応用することによって、高精度かつ広動作域が実現可能であることを示す。
【0040】
(実装)
開発したばね−パラレルメカニズム試作機(位置決め装置1)は図1に示す構造である。直動動作入力には、リニアアクチュエータ(シチズン千葉精密製、分解能0.015625μm、ストローク25mm、定格推力30N)を使用した。以下、図15のデルタ機構モデルを参照して説明する。iは各アームを示す。リンク2i及び4iの長さは53mm、リンク3iの長さは150mmである。X軸・Y軸方向におよそ50mm四方動作するよう動作域を設定した場合、要求される互違溝付きばね関節の最大屈曲角度は±20degである。この屈曲角度を満たすよう本ばね関節の全体寸法は、図13に示すように、屈曲部130の縦の長さL11が6.0mm、厚みL12が2.0mm、溝132の長さL13が1.3mm、溝132の幅L14が0.2mm、剛体部131の厚みL5が0.6mm、弾性変形部133の厚みL16が0.2mm、弾性変形部133の長さL17が0.6mmと決定された。アクチュエータのストローク25mmと、本ばね関節の最大屈曲角度±20degから求められた動作域を、図19に示す。Z軸方向の動作域はアクチュエータのストロークのみに依存するため、ストロークの長いアクチュエータを用いることで、Z軸方向への動作域拡大は容易に可能である。ばね関節J2i・J5iの幅は40mm、ばね関節J3i・J4iの幅は20mmとした。各ばね関節の寸法は図13の通りである。材質は、ばね鋼(SUP6)を用いた。各ばね関節は、ワイヤ放電加工により高精度に加工後、熱処理を行うことでばね鋼としての性質を付加した。高精度を実現するため、ばね関節J2i・J20iとそれらを接続するリンク2i、ばね関節J4i・J40iとそれらを接続するリンク4i及び機構基部は、一体部品として製作した。なお、アクチュエータを取り外した試作機質量は426gである。
【0041】
(動作解析)
ばね−パラレルメカニズム試作機(位置決め装置1)について、降伏応力内の動作域について解析的に調べ、評価を行った。
(方法)
基礎解析と同様の条件で、Femap(ver.10.2.0)によりばね関節のみメッシュを作成し、その他のリンクは剛体とした。直動動作入力は、Z軸方向に平行に配置されているため、X・Y軸方向に並進すると、ばね関節に変形が生じる。そこで、エンドエフェクタがX・Y平面上を直径72mmの円(予想される動作域である一辺50mm の正方形の外接円)を周期1sで動作するよう動作入力値を与えた。これらの条件下でDAFUL(ver.3.3)にて動作解析を行った。
【0042】
(結果及び考察)
解析結果を図20に示す。X・Y平面上で直径72mmの円を動作したときにばね関節で生じた最大応力は、983MPaであった。ばね鋼の降伏応力は1080MPaであるため、本試作機は、X・Y軸方向に、50mm四方動作可能であることが確認された。
【0043】
(実機評価、繰り返し位置決め精度評価実験)
現在、レンズやミラーなど光学部品の取付けの際には、エンドエフェクタ位置をカメラなどの画像系によりフィードバック制御を行っている。そのようなシステムでは、特に繰り返し位置決め精度が重要である。そこで、開発した試作機の繰り返し位置決め精度評価を行った。
【0044】
(方法)
実験装置を図21に示す。エンドエフェクタ9を各軸並進方向に、周期20sのサイン波で10周期動作させ、最大変位X:±25mm、Y:±25mm、Z:20mmを生ずるよう入力を与えた。エンドエフェクタ9の位置は、2次元レーザー変位計300(キーエンス社製、分解能1μm)により測定した。実測値の極大値における入力値との誤差を10回分平均し、繰り返し位置決め誤差を算出した。
【0045】
(結果及び考察)
実験結果を図22〜図24に示す。結果から平均繰り返し位置決め誤差は、X:0.84μm、Y:0.56μm、Z:0.74μmであった。レーザー変位計の分解能は1μmであり、本試作機は、レーザー変位計と同等の繰り返し位置決め精度を有することが分かった。これは、各関節がすべてばね要素で構成され、機械的なガタが全く発生しなかったためであると考えられる。
【0046】
(剛性評価実験)
光学部品のピッキング及び精密位置決めには、一般的に荷重を支えるため、Z軸方向の剛性が特に重要である。そこで、試作機の各軸方向の並進剛性を測定する。
【0047】
(方法)
実験装置を図25に示す。直動アクチュエータ210によりエンドエフェクタ9に荷重を負荷した。荷重は、直動アクチュエータ210の出力軸に取り付けられたロードセル211(共和電業製、最大荷重±50N)により測定した。同時にエンドエフェクタ9の変位は、2次元レーザー変位計212(キーエンス社製、分解能1μm)により測定した。
【0048】
(結果及び考察)
実験結果を図26〜図28に示す。剛性は、X:17.9N/mm、Y:19.2N/mm、Z:94.3N/mmであった。X軸・Y軸方向の剛性に対し、Z軸方向の剛性が高いことが分かった。各ばね関節がZ軸方向に沿って配置されていることで、Z軸方向に剛性が高くなったと考えられる。X軸・Y軸方向の変位と負荷荷重の関係には線形性があった。これは、各関節がすべてばね要素で構成され、その変形により変位が生じたためであると考えられる。Z軸方向の変位と負荷荷重の関係には、ヒステリシスが生じた。この原因として、Z軸方向に平行に配置されたアクチュエータの特性が影響した可能性が考えられる。
【0049】
(結論)
上記の解析結果から、本ばね関節が、従来から用いられる板ばね関節と比較し、広い屈曲角度を有しながらも、屈曲方向以外の相対的な回転剛性が高く、ねじれにくい高精度な特性を有することが明らかになった。さらに、本ばね関節を並進3自由度を有した一般的なパラレルメカニズムであるデルタ機構に応用した試作機(位置決め装置1)を開発し、本試作機の解析及び実機評価を行った。その結果、試作機(位置決め装置1)では、X軸・Y軸方向に50mm四方の広い動作域を有しながら、繰り返し位置決め精度が1μmで動作することが分かった。また、Z軸方向に剛性が高く、94.3N/mmであることが分かった。よって、本ばね関節を応用した試作機(位置決め装置1)は、光学部品の自重など外力を抑制し、広動作域を有しながらも高精度に動作可能であることが確認された。
【0050】
尚、本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。例えば、パラレルメカニズム2のアームは3組に限られず、2組、4組等でもよい。また、上記の実施の形態で挙げた違溝付きばねの剛体部121、溝122、弾性変形部123等のサイズや数は一例であり、シミュレーション等により適宜のサイズや数に決定すれば良い。また、第一互違溝付きばね21と第二互違溝付きばね22,23との配置及び第一互違溝付きばね24と第二互違溝付きばね25,26との配置は、必ずしもH型でなくても良く、例えば、U型やL型に配置しても良い。また、パラレルメカニズム2には上記実施の形態以外に関節を設け、その関節にも、互違溝付きばねを用いても良い。さらに、位置決め装置1を上下反対にして、下部にリニアアクチュエータ70,80,90を設けて上部に、パラレルメカニズム2を設け、最上部にエンドエフェクタ9が来るようにしても良い。また、位置決め装置1を水平や斜めに配置しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明のパラレルメカニズム及びパラレルメカニズムを用いた位置決め装置は、各種の位置決め装置に利用でき、特に、光学部品の高精度位置決めなど、産業用ロボットに利用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 位置決め装置
2 パラレルメカニズム
7 保持部
8 制御装置
9 エンドエフェクタ
10 アーム部
11 リンク
12 リンク
13 基部金具
14 先端部金具
15 接続金具
16 接続金具
21 第一互違溝付きばね
22 第二互違溝付きばね
23 第二互違溝付きばね
24 第一互違溝付きばね
25 第二互違溝付きばね
26 第二互違溝付きばね
30 アーム部
50 アーム部
70 リニアアクチュエータ
71 固定具
73 先端金具
80 リニアアクチュエータ
81 固定具
83 先端金具
88 制御コンピュータ
90 リニアアクチュエータ
90 固定具
91 固定具
93 先端金具
120 屈曲部
121 剛体部
122 溝
123 弾性変形部
130 屈曲部
131 剛体部
132 溝
133 弾性変形部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアーム部と、
前記各アーム部により支持される1つの可動先端部と、
前記各アーム部の先端部と前記可動先端部との間に設けられた第一ばね関節と、
前記各アーム部の基部と前記アーム部を駆動するアクチュエータとの間に設けられた第二ばね関節と
を備え、
前記第一ばね関節または前記第二ばね関節は、
直方体の金属部材の一の面及びその反対側の背面から交互に溝が形成され、
前記一の面からの溝と前記背面からの溝は前記溝の延設方向と直交方向に於いて一部重なるように形成されている互違溝付きばねを含み構成されていることを特徴とするパラレルメカニズム。
【請求項2】
前記各アーム部は、左右一対のリンクと上枠及び下枠から構成された四節平行リンク型アームであり、
前記上枠が前記アーム部の基部を構成し、
前記下枠が前記アーム部の先端部を構成し、
前記第一ばね関節または前記第二ばね関節は、第一互違溝付きばねと、左右一対の幅の等しい第二互違溝付きばねから各々構成され、
前記左右一対の第二互違溝付きばねは、前記第一互違溝付きばねの左右両端部に前記一の面同士又は前記背面同士が互いに対向するように対称に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパラレルメカニズム。
【請求項3】
前記第二互違溝付きばねの幅は、前記第一互違溝付きばねの幅よりも狭いことを特徴とする請求項1又は2に記載のパラレルメカニズム。
【請求項4】
前記第一互違溝付きばね及び第二互違溝付きばねは、
溝と当該溝が形成された面と同じ面側から形成された隣の溝との間に形成される剛体部と、
前記溝と当該溝が形成された面と反対の面側から形成された隣の溝との間に形成され、前記剛体部の厚みより薄い板状の弾性変形部とを備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のパラレルメカニズム。
【請求項5】
前記第一互違溝付きばね及び第二互違溝付きばねは、前記一の面側から形成された溝の数と、前記背面側から形成された溝の数が同じであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のパラレルメカニズム。
【請求項6】
前記パラレルメカニズムは並進3自由度を有するデルタ機構であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のパラレルメカニズム。
【請求項7】
請求項1から6の何れかに記載のパラレルメカニズムと、
当該パラレルメカニズムの各アーム部の基部を移動させるアクチュエータと
を備えたことを特徴とする位置決め装置。
【請求項8】
前記アクチュエータを制御する制御部を備えたことを特徴とする請求項7に記載の位置決め装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2013−52487(P2013−52487A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193619(P2011−193619)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)国等の委託研究の成果に係る特許出願(平成21年度独立行政法人科学技術振興機構「研究成果最適展開支援事業」委託研究
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【出願人】(304021277)国立大学法人 名古屋工業大学 (784)
【Fターム(参考)】