説明

パルスエコー超音波を用いた医療的な処置の監視方法

【課題】解剖学的な組織の超音波イメージング方法を提供する。
【解決手段】第1の信号が、第1の時間間隔の間に解剖学的な組織のある位置から反射された第1のイメージング超音波から受け取られる。第2の信号が、個別の医療的な処置に続く後の第2の時間間隔の間に解剖学的な組織のそのある位置から反射された第2のイメージング超音波から受け取られる。第2の信号は、第1の信号から減算されて、差信号を形成する。差信号は、スケーリングされ、空間的にフィルタリングされて、次に、表示を生み出すために用いられてよく、その表示は、解剖学的な組織のそのある位置での医療的な処置の効果を示している。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔技術分野〕
本出願は、2001年5月29日に出願された仮特許出願第60/294,135号に基づく優先権を主張する2002年5月22日に出願された出願第10/153,241号の一部継続出願である。本発明は、大まかに言って、超音波に関し、より詳しく言うと、超音波医療イメージング方法に関する。
【0002】
〔背景技術〕
超音波医療システムおよび方法は、医療的な処置のため組織を特定するために、解剖学的な組織を超音波でイメージングすることを含む。超音波は、組織を加熱することによって、望ましくない組織を医療的に処置し破壊するためにも、用いられてもよい。イメージングは、低い強度の超音波を用いて行われ、一方、医療的な処置は、高い強度の超音波を用いて実行される。高い強度の超音波は、超音波供給源から離れた焦点ゾーンに焦点を合わせられると、その焦点ゾーン中の組織にかなりの医療的な影響を及ぼし得る。しかし、高い強度の超音波は、超音波供給源と焦点ゾーンとの間に位置する組織のような、焦点ゾーンの外側の患者の組織には実質的に影響を及ぼし得ない。その他の興味深い治療計画には、焦点合わせされていない高い強度の超音波があり、ここでは、超音波エネルギーは、焦点ゾーン内にほぼ集中されているのではなく、組織の比較的広い領域に亘って分布している。
【0003】
超音波は、トランスデューサアセンブリによって放射され受信されてよい。トランスデューサアセンブリは、解剖学的な構造を撮像するため、および、特定された組織を超音波で切除する(ablate)ために、単一の要素を含んでいるか、または、一体で動作する要素の配列を含んでいる。トランスデューサ要素は、超音波エネルギーを集中させるために、凹形のレンズまたは音響レンズを用いてよい。トランスデューサの配列は、超音波エネルギーを集中させるために、または、他の方向に超音波エネルギーを向けるために、平坦な、凹形の、または、凸形の要素を含んでいてよい。さらに、そのような配列要素は、焦点ゾーンへ向けて配列から放射された超音波を方向付けまたは集束させて、解剖学的な組織の3次元の医療的な超音波処置を提供するように、電気的または機械的に制御されていてよい。いくつかの処置では、トランスデューサは、組織内の領域のイメージングおよび/または処置のために、組織の表面に配置されている。別の処置では、トランスデューサは、バルーンによって取り囲まれていて、そのバルーンが、バルーン内に食塩水のような流体を満たすことによって組織の表面に接触するように膨張して、トランスデューサと組織との間の音響的な結合を提供する。
【0004】
超音波医療システムおよび方法の例には、体の外側に超音波トランスデューサを備えた端部エフェクターを配備して体内の腎結石を破壊すること、直腸内に超音波トランスデューサを備えた端部エフェクターを内視鏡を用いて挿入して前立腺癌を医療的に破壊すること、腹腔内に超音波トランスデューサを備えた端部エフェクターを腹腔鏡を用いて挿入して癌性肝腫瘍を破壊すること、腕の静脈内に超音波トランスデューサを備えたカテーテル端部エフェクターを静脈内挿入し、カテーテルを心臓まで移動させて、罹患した心臓組織を医療的に破壊すること、舌内に超音波トランスデューサを備えた針端部エフェクターを間質的に挿入していびきを治療するために舌の体積を減らすこと、などがある。端部エフェクターを目標の組織へ案内する方法には、X線、磁気共鳴映像法(MRI)、超音波トランスデューサ自体を用いて生み出された画像、などがある。
【0005】
低い強度の超音波エネルギーは、組織を検査するために、露出されていない解剖学的な組織に適用されてもよい。超音波パルスが放射され、反射されたエコーが測定されて、露出されていない組織の特性が求められる。組織の構造および組織の境界の変化は、変化する音響インピーダンスを有し、その結果、超音波エコーの強度が変化する。一般的な超音波イメージング技術は、本分野においては「Bモード」として知られていて、このBモードでは、単一の超音波トランスデューサが関節でつながれて、または、超音波トランスデューサの配列が動かされまたは電子的に走査されて、ある面積の組織の2次元の画像が生み出される。生み出された画像は、複数の画素を含み、各画素は、検査されている組織の面積の一部に対応している。変化するエコーの強度は、好ましくは、比例する画素の輝度に翻訳される。陰極線管または液晶ディスプレイが、検査されている組織の面積の2次元画素画像を表示するために用いられてよい。
【0006】
高い強度の超音波エネルギーが解剖学的な組織に適用されると、有意に有益な生理学的な効果がその組織に生み出されることがある。例えば、望ましくない解剖学的な組織が、その組織を高い強度の超音波エネルギーで加熱することによって、切除される。超音波エネルギーを組織内の一つまたは複数の焦点ゾーンに焦点合わせすることによって、熱的な効果が、超音波トランスデューサから離れた画定された領域内に制限され得る。組織を切除するために高い強度の焦点合わせされた超音波を用いることによって、多くの利益が提供され、それらの利益には、患者の外傷および痛みの低減、患者の回復期間の短縮の可能性、いくつかの外科的な切開および縫合の必要性の除去、全身麻酔の必要性の低減または除去、目標ではない内部の組織の露出の低減、感染またはその他の合併症の危険の低減、目標ではない組織の損傷の回避、周囲の目標ではない組織への超音波エネルギーの有害な蓄積効果の回避、処置コストの低減、血液損失の最小化、病院ではない場所でおよび/または外来患者専用の拠点において超音波処置を実施できること、などがある。
【0007】
解剖学的な組織の超音波処置は、低い強度のイメージング用超音波および高い強度の処置用超音波の両方を交互に使用することを含むことがある。そのような処置の間、イメージングが最初に行われて処置されるべき組織が特定されその組織の位置が求められる。特定された組織は、次に、その組織を切除する目的で、高い強度の超音波エネルギーで医療的に処置される。高い強度の超音波にさらされた期間の後に、その組織のその後の画像が、低い強度の超音波エネルギーを用いて生み出されて、超音波処置の結果が判定され、使用者に対する次の処置を援助するためのガイダンスが提供される。トランスデューサの位置および焦点を案内するのを援助するこの低いエネルギーの超音波を適用する過程と、それに続く望ましくない解剖学的な組織を切除するための高いエネルギーの超音波の適用は、望ましくない組織が完全に切除されるまで、繰り返されてよい。
【0008】
この従来のBモード超音波イメージングは、静的状態の組織をイメージングするための効果的な手段を提供しているが、熱的な高い強度の超音波処置と共に用いる場合には、組織のイメージングは、より問題のあるものとなる。処置の間に組織は切除されるので、組織に対する超音波の加熱効果が、エコーの強度の質的な変化を引き起こすことが多く、それが、処置されている組織に空間的に首尾一貫して対応しない画素ディスプレイの輝度の変化を引き起こす。これらの輝度の変化は、その処置によって熱的に変化させられている組織の領域の実際の形状および寸法を表現していない画像ディスプレイを生み出し、画像にある程度の視覚的なあいまい性を導入する。
【0009】
Bモード超音波イメージングを用いた熱的アブレーションを監視するためのいくつかの方法が知られている。これらの方法のほとんどは、超音波エコーのエネルギーの変化に基づいていて、エコーの振幅の簡単なBモードディスプレイ、遠位のシャドーイング法の分析による組織の減衰の推定、および、エコーのエネルギーの変化の定量化、などが含まれている。これらの方法の各々は、処置されている組織が熱的なアブレーション以外の理由から高エコー性を表すことがあるので、そして、画像の変化が使用者によって定性的に看取されなければならないので、重大な課題を有している。
【0010】
超音波を用いた熱的なアブレーションを監視するための最もうまい公知の方法は、エコーのエネルギーを直接分析するのではなく、エコーのエネルギーの変化を分析することに基づいている。エコーのエネルギーまたは組織の減衰の変化の自動的で定量的なディスプイが可能であり、使用者が既存のエコー特性から熱的に誘起された変化を切り離すことを援助できる。しかし、そのような方法は、画像スキャンまたはいわゆるフレームのかなりの領域に亘ってエコーを集積化することを必要とするので、その結果としての画像は空間的な解像度が非常に限定される。エネルギーが(したがって、Bモードの輝度も)病変(すなわち、熱的に処置された組織)にほぼ対応して増加するが、典型的には、作図されたエネルギーの増加の形状および寸法は、実際の病変に常に空間的に対応するわけではなく、エネルギーの増加が作図されないか、そうでなければ不鮮明であることもある。
【0011】
目的の組織に対する処置の熱的な効果をより高い精度および解像度で監視する、治療的な超音波処置と共に用いることができる、改善された超音波イメージング方法が必要とされている。
【0012】
〔発明の概要〕
本発明は、各々異なる時間で獲得された第1および第2のエコー信号の差をマッピング(作図)することによって、従来技術の限界を打ち破る。第1および第2のエコー信号は、典型的には、短い時間間隔によって切り離されている。第1および第2のエコー信号は、処理され、次に、第1および第2のエコー信号の差の振幅の測定が(一つの信号の差の測定ではなく)行われる。この差信号(difference signal)が、次に、空間的にフィルタリングされて、スケーリングされて、組織の状態の変化に関連するエコーの変化が定量化される。差信号は複数の時間間隔に亘って合計されて、組織の変化の累積的な作図が得られてもよい。結果として得られた信号は、処置の進行に伴う組織のより典型的な超音波画像を生み出すために用いられてもよく、熱的な効果が起こっている場所に関する情報がさらに提供される。これによって、成功した処置の検証、および、成功しなかった処置の変更、が可能になる。公知の超音波イメージングおよび処置トランスデューサが用いられてよく、特別な端部エフェクターを必要とせずに使用者に高められた精度が提供される。
【0013】
本発明のその他の特徴が、添付の図面を参照しながら以下の明細書を読むことで、本発明の関連する分野の当業者には、明らかとなるであろう。
【0014】
〔詳細な説明〕
本発明のある実施の形態に基づく超音波処置方法10の概要が図1に示されている。その方法は、ステップ12で、医療的に処置されるべき目標の解剖学的な組織の近くに超音波信号を送信および受信できるトランスデューサを配置することによって、開始される。トランスデューサが配置された後、ステップ14で、高い強度の超音波信号をトランスデューサから放射することによって、処置が開始される。高い強度の超音波信号は、組織を加熱してその組織の物質を切除する(これに限定されない)など、目標の組織を医療的に処置する。ステップ16では、Bモード信号のような、低い強度の超音波信号が、トランスデューサから放射され、反射された信号が受信されて、第1の画像フレームF1 が形成される。用語「画像」には、以下に限定されないが、視覚的な形態の、例えばモニター、スクリーン、または、ディスプレイ上に表示される画像を生み出すこと、および、電子的な形態の、例えば、最初に視覚的な形態で表示されずにコンピュータによって用いられ得る画像を生み出すこと、が含まれることが、理解される。第1の画像フレームF1 がステップ16で受け取られた後に、予め決められた待ち時間が、次に進む前に、ステップ18で実行される。予め決められた待ち時間は、0秒から最大で数秒まで変化してよいが、好ましくは、ミリ秒の範囲内にあることが、理解されなければならない。予め決められた待ち時間が完了した後に、低い強度の超音波信号が、再び、トランスデューサから放射されて、第2の画像フレームF2 が、ステップ20で受け取られる。ステップ22では、差信号が、以下により詳しく記載されるように、画像フレームF1 ,F2 から導かれる。ステップ22の差信号は、ステップ24で画像として表示され、ステップ14の医療的な処置の結果としての組織の変化の視覚的な表示が得られる。本発明によって提供される組織の変化の視覚的な表示は、本発明が目標の組織からのエコーではなくエコーの差を示す画像を提供する点で、従来技術の処置後の画像とは異なることが、注意されなければならない。エコーの差の画像は、処置が完了したか否かを示すことができる。処置がステップ26で完了していると(例えば、目標の組織が完全に切除されていると)、方法はステップ28で終了する。しかし、組織がさらに処置される必要がある場合には、トランスデューサがステップ30で再び配置されてもよい。方法は、次に、ステップ14に戻り、目標の組織の処置が続けられる。
【0015】
さらに図2を参照すると、図1の方法が、時間軸tに関連して示されている。目標の組織は、ステップ14でのように、比較的高い強度の超音波信号で医療的に処置される。次に、ステップ16で、比較的低い強度のBモード画像走査フレームF1 が受け取られる。ステップ18でのような予め決められたオフ時間の後に、第2の画像フレームF2 が、ステップ20でのように、受け取られる。画像フレームF1 ,F2 の各々は、目標の組織の同じ部分を表す信号を含んでいる。各画像フレームに対して、生のエコー信号データの複数のAラインが受け取られ、各ラインの番号が方位角位置に相当し、信号時間が深さに相当する。
【0016】
図1および図2と組み合わせて、こんどは図3を参照すると、本発明のある実施の形態に基づく熱的アブレーションを含むが、これに限定されない解剖学的な組織の医療的な処置を監視する方法が示されている。超音波トランスデューサが、目標の解剖学的な組織の近くに配置される。その組織は、次に、ステップ14でのように、ある期間に亘って、高い強度の超音波を用いたアブレーションなどによって、医療的に処置されてよい。ステップ16では、第1の画像フレームF1 (図4に示されているような)が、受け取られる。画像フレームは、必要な場合には、コンピュータ、磁気媒体、および、ソリッドステートメモリなどに、電子的に記憶されてもよい。ステップ18の一定の時間間隔だけ画像フレームF1 から切り離された第2の画像フレームF2 が、ステップ20で受け取られる。画像フレームF2 の例が、図5に示されている。次に、差信号がステップ32からステップ38によって、ステップ22で導かれる。フレームF1 ,F2 の生のエコー信号が、ステップ32で処理されてよく、ヒルベルト変換によって、複素解析信号が得られるなどする。次に、差信号が、ステップ34で、画像フレームF2 の信号をF1 の信号から減算することによって、導かれてよい。ステップ34の差信号は、F1 およびF2 の間の位相差および振幅差の両方を考慮に入れてよく、F1 およびF2 の差信号の振幅(信号の振幅の差ではなく)を計算する。画像フレームF1 およびF2 の組み合わせた表示が図6に示されていて、一方、導かれた差信号は、図7に示されている。ステップ36では、差信号は、差信号の平均平方値、元のエコー信号の一方の平均平方値、または、数学的な定数などの好適な値で、スケーリングされてよい。例えば、図7の差信号のスケーリングされた絶対値を表す信号が、図8に示されている。差信号の絶対値の二乗または対数などの、差信号のその他の関数も、同様に用いられてよい。さらに別のスケーリングするアルゴリズムが、第1および第2の信号の差を強調するために、第1および第2の信号の振幅および/または位相を用いてもよい。そのようなアルゴリズムの詳細は、当業者に任される。ステップ38では、差信号は、図9に示すように、空間的にフィルタリングされて、スモールスケールのランダムな変動が滑らかにされる。スケーリングされた差信号の空間的なフィルタリングが、式1によって表されている。
【数1】

【0017】
式1で、Ψは、スケーリングされフィルタリングされた差信号の空間的な差マップ(difference map)(画像)である。フィルタリングは、スケーリングされた差信号を2次元的な窓wで畳み込むことによって実行されてよい。この畳み込みは、2次元高速フーリエ変換(FFT)操作を用いて効率的に実行されてよい。
【0018】
差信号は、最大値が1となるように正規化されてよい。このアプローチは、カラードップラーイメージングシステムでの乱流の測定と同様に、エコーのデコリレーションの空間的なマップをもたらす。しかし、エコーのデコリレーション(エコーの差の正規化された測定値)を検査する代わりに、非正規化マップが、本発明では、好ましくは、考慮され、その理由は、エコーの差がそうすることでより高いエコー源性の領域内で強化されるからである。高エコー性は、組織のアブレーションとの間に相関を有するので、この特徴は、より詳細な画像を提供することによって、熱的なアブレーションによる医療的処置を監視する方法の特異性を増加する。
【0019】
図9の空間的にフィルタリングされた信号は、次に、上述されたいずれかの方法で、ステップ24で画像として表示される(図3を参照のこと)。
【0020】
本発明の第2の実施の形態では、超音波画像は、図10および図11に示されているように生み出されてもよい。ステップ40では、組織は、高い強度の超音波を用いて医療的に処置される。ステップ42では、F1 ,F2 ,...Fn で示された一連の画像フレームが受け取られる。画像フレームF1 ,F2 ,...Fn の各々は、目標の組織の同じ部分を表す信号を含んでいる。ステップ44では、画像フレームF1 ,F2 ,...Fn は合計する、または、平均する、などによって、数学的に分類されて、図11に示されているように、第1の画像フレームの集合FS1 が形成される。ステップ46でのように、予め決められた長さの時間が経過するのを待った後に、画像フレームF1 ,F2 ,...Fn の第2の集合がステップ48で受け取られる。ステップ50では、画像フレームF1 ,F2 ,...Fn の第2の集合が、合計する、または、平均する、などで、数学的に分類されて、図11に示されているように第2の画像フレームの集合FS2 が形成される。画像フレームの集合FS1 ,FS2 の生のエコー信号が、ヒルベルト変換を用いて複素解析信号を導出するためなど、ステップ52で、処理されてよい。次に、画像フレームの集合FS2 の信号が、ステップ54で、画像フレームの集合FS1 の信号から減算されて、差信号が導き出される。その差信号は、FS1 ,FS2 の位相差および振幅差の両方を考慮に入れていてよく、FS1 ,FS2 の差信号の振幅(信号の振幅の差ではなく)を計算する。ステップ56では、差信号は、上述されたようなまたはその他の任意のスケーリング方法およびアルゴリズムを用いて、好都合な値にスケーリングされてよい。ステップ58では、差信号は、ステップ59で画像として表示される前に、スモールスケールのランダムな変動を滑らかにするために、空間的にフィルタリングされる。本発明のこの実施の形態は、組織のアブレーションの間に生み出された激しい泡の活動のような急速な過渡的な効果によって引き起こされるランダムな信号の変動の影響を減らすことによって、後方散乱の変化に対してより頑健なマップを提供し得る。
【0021】
本発明の第3の実施の形態では、画像信号の平滑化は、図12および図13に示されているように、代わりに、複数の画像フレームを用いて達成されてよい。組織が、ステップ60で医療的に処置され、次に、画像フレームF1 ,F2 ,...Fn の集合が、ステップ62で受け取られる。複数の差信号D1 ,D2 ,...Dn が、ステップ64で計算される。差信号は、さまざまな組み合わせの画像フレームの対を用いて計算されてよいことが注意されなければならない。例えば、図13に示されているように、差信号D1 は、F2 をF1 から減算することによって形成されてよく、同様に、D2 はF3 をF2 から減算することによって形成されてよい。(以下に限定されないが、)奇数の番号の画像フレーム(すなわち、F3 をF1 から減算するなど)および偶数の番号の画像フレーム(すなわち、F4 をF2 から減算するなど)などを含む、その他の組み合わせの画像フレームの対が用いられてもよい。組み合わせは、インターレース(すなわち、F2 をF1 から減算し、F3 をF2 から減算するなど)であっても、シーケンシャル(すなわち、F2 をF1 から減算し、F4 をF3 から減算するなど)であってもよい。表示または画像が、ステップ66で、表示されてよく、差信号D1 ,D2 ,...Dn の少なくとも一つが示される。ステップ68では、差信号D1 ,D2 ,...Dn は、平均されるなどによって、さらに処理されてよく、アーティファクトの内容が減らされる。「/D」で示される平均された信号が、ステップ70でのように、画像として表示されてもよい。平均された信号は、ステップ72でのように、それ自体が累積的に合計されたものであり、一連の医療的な処置60の結果の表示を提供する。合計された平均は、ステップ74で、表示されてもよい。処置がステップ76で完了したと判定されると、その方法はステップ78で終了する。しかし、組織がさらに処置される必要があることが明らかになった場合には、トランスデューサがステップ80で再び配置されてもよい。次に、方法は、ステップ60から始まって繰り返され、目標の組織の処置が続けられる。
【0022】
本発明の第4の実施の形態が、図14および図15に示されていて、この実施の形態では、差信号は、医療的な処置の前および後の両方で生み出されたイメージング信号を用いて導かれている。ステップ82では、超音波トランスデューサは、医療的に処置される目標の組織の近くに配置される。ステップ84では、処置前の画像フレームF1 が、受け取られた超音波信号から生み出される。次に、ステップ86で、組織が、組織のアブレーションなどによって、特定量の医療的な処置にさらされる。特定量の医療的な処置が施された後に、ステップ88で、第2の画像フレームF2 が生み出される。差信号が、ステップ90で、上述されたのと同様の方法で、画像フレームF1 ,F2 に含まれているデータを用いて、導かれる。差信号の表示または画像が、ステップ92で表示される。処置が、ステップ94で、完了したと判定されると、方法は、ステップ96で終了する。しかし、目標の組織がさらに処置が必要であると判定された場合には、トランスデューサがステップ98で必要に応じて再び配置されてよい。次に、方法が繰り返されて、その後の特定量の処置がステップ84で開始されて施される。
【0023】
本発明の予測される困難さは、組織のモーションアーティファクトを原因とするアーティファクトの後方散乱の変化である。この困難さは、本発明の方法のいくつかの特徴によって、十分に克服される。第1に、後方散乱の差が、時間的に接近して配置された画像フレームの間で計算され得る。組織が、2つの画像フレームの間で僅かに動いたのみの場合には、モーションアーティファクトは、小さい。第2に、軸方向の組織の動きを原因とするアーティファクトは、信号処理の間の位相補償によって効果的に除去され得る。したがって、差信号の計算の前に、複素画像フレームの一つが、位相補償関数e-iθを乗算され、ここでθは、2つの複素画像フレームの共役積のローパスフィルタリングされた位相である。その結果得られた差信号は、次に、例えば式2を用いて、計算され、
【数2】

式2は、組織のモーションアーティファクトが低減された、改善されたエコー差マップ(echo difference map)である。
【0024】
上述された実施の形態、実施の形態の表現、例、方法、などの一つまたはいくつかは、上述された実施の形態、実施の形態の表現、例、方法、などの別の一つまたはいくつかと組み合わせることができることが理解される。例えば、以下に限定されないが、任意の超音波トランスデューサが、無線周波数(RF)およびレーザーエネルギー、さまざまな非アブレーション的超音波医療的処置、および、さまざまな超音波イメージングの用途、を用いて、組織をアブレーションするのを援助するために、画像を生み出すなどの、その他の医療的な処置方法と共に用いられてもよい。
【0025】
本発明の実施の形態および方法のいくつかの表現の上記の記載は、例示の目的で提供された。上記の記載は、網羅的であることは意図されておらず、本発明を開示された正確な形態および方法に限定することを意図されておらず、多くの変形および変更が上記の教示内容の範囲内で明らかに可能である。本発明の範囲が本明細書に添付された特許請求の範囲によって定義されることが意図されている。
【0026】
〔実施の態様〕
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(1)解剖学的な組織の超音波イメージング方法において、
(a)第1の時間間隔の間に前記解剖学的な組織のある位置から反射された第1のイメージング超音波の第1の信号を受け取る過程と、
(b)個別の医療的な処置に続く後の第2の時間間隔の間に前記解剖学的な組織の前記ある位置から反射された第2のイメージング超音波の第2の信号を受け取る過程と、
(c)前記第2の信号を前記第1の信号から減算して、差信号を導出する過程と、
(d)前記差信号から表示を生み出す過程であって、前記表示が、前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記個別の医療的な処置の効果を示す、表示を生み出す過程と
を具備する、超音波イメージング方法。
(2)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記第1および第2の信号が、前記個別の医療的な処置が完了した後に、受け取られる、
超音波イメージング方法。
(3)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記第1の信号が、前記個別の医療的な処置の前に受け取られ、前記第2の信号が、前記個別の医療的な処置が完了した後に受け取られる、
超音波イメージング方法。
(4)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記第1および第2の信号を処理する過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
(5)前記実施態様(4)に記載の方法において、
前記第1および第2の信号の少なくとも一方を、モーションアーティファクトを低減するために、位相補償関数で乗算する過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
【0027】
(6)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記差信号をスケーリングする過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
(7)前記実施態様(6)に記載の方法において、
前記差信号が、前記差信号の振幅を二乗することによって、スケーリングされる、
超音波イメージング方法。
(8)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記差信号を空間的にフィルタリングする過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
(9)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記医療的な処置が、超音波医療処置である、
超音波イメージング方法。
(10)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記解剖学的な組織の画像を得るために、異なる位置に対して前記過程(a)から前記過程(d)を行う過程をさらに具備し、
前記画像には、前記解剖学的な組織の、医療的に処置された位置、および、医療的に処置されていない位置、が含まれている、
超音波イメージング方法。
【0028】
(11)前記実施態様(1)に記載の方法において、
前記差信号の画像を前記解剖学的な組織の前記ある位置の第2の画像と組み合わせる過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
(12)前記実施態様(11)に記載の方法において、
前記第2の画像が、Bモード超音波走査を用いて生み出される、
超音波イメージング方法。
(13)解剖学的な組織の超音波イメージング方法において、
(a)第1の時間間隔の間に前記解剖学的な組織のある位置から反射された第1のイメージング超音波の第1の信号を受け取る過程と、
(b)個別の医療的な処置に続く後の第2の時間間隔の間に前記解剖学的な組織の前記ある位置から反射された第2のイメージング超音波の第2の信号を受け取る過程と、
(c)前記第1および第2の信号を処理する過程と、
(d)前記第2の信号を前記第1の信号から減算して、差信号を導出する過程と、
(e)前記差信号をスケーリングする過程と、
(f)前記差信号を空間的にフィルタリングする過程と、
(g)前記差信号から表示を生み出す過程であって、前記表示が、前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記個別の医療的な処置の効果を示す、表示を生み出す過程と
を具備する、超音波イメージング方法。
(14)前記実施態様(13)に記載の方法において、
前記第1および第2の信号が、前記個別の医療的な処置が完了した後に、受け取られる、
超音波イメージング方法。
(15)前記実施態様(13)に記載の方法において、
前記第1の信号が、前記個別の医療的な処置の前に受け取られ、前記第2の信号が、前記個別の医療的な処置の後に受け取られる、
超音波イメージング方法。
【0029】
(16)解剖学的な組織の超音波イメージング方法において、
(a)第1の時間間隔の間に前記解剖学的な組織のある位置から反射された複数のイメージング超音波信号を含む第1の画像フレームの集合を受け取る過程と、
(b)個別の医療的な処置に続く後の第2の時間間隔の間に前記解剖学的な組織の前記ある位置から反射された複数のイメージング超音波信号を含む第2の画像フレームの集合を受け取る過程と、
(c)前記第2の画像フレームの集合の前記イメージング超音波信号を前記第1の画像フレームの集合の前記イメージング超音波信号から減算して、差信号を導出する過程と、
(d)前記差信号から表示を生み出す過程であって、前記表示が、前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記医療的な処置の効果を示す、表示を生み出す過程と
を具備する、超音波イメージング方法。
(17)前記実施態様(16)に記載の方法において、
前記第1および第2の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置が完了した後に、受け取られる、
超音波イメージング方法。
(18)前記実施態様(16)に記載の方法において、
前記第1の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置の前に受け取られ、前記第2の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置の後に受け取られる、
超音波イメージング方法。
(19)前記実施態様(16)に記載の方法において、
前記第1および第2の集合の信号を処理する過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
(20)前記実施態様(16)に記載の方法において、
前記差信号をスケーリングする過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
【0030】
(21)前記実施態様(20)に記載の方法において、
前記差信号が、前記差信号の振幅を二乗することによって、スケーリングされる、
超音波イメージング方法。
(22)前記実施態様(16)に記載の方法において、
前記差信号を空間的にフィルタリングする過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
(23)前記実施態様(16)に記載の方法において、
前記医療的な処置が、超音波医療処置である、
超音波イメージング方法。
(24)前記実施態様(16)に記載の方法において、
前記解剖学的な組織の画像を得るために、異なる位置に対して前記過程(a)から前記過程(d)を行う過程をさらに具備し、
前記画像には、前記解剖学的な組織の、医療的に処置された位置、および、医療的に処置されていない位置、が含まれている、
超音波イメージング方法。
(25)解剖学的な組織の超音波イメージング方法において、
(a)第1の時間間隔の間に前記解剖学的な組織のある位置から反射された複数のイメージング超音波信号を含む第1の画像フレームの集合を受け取る過程と、
(b)個別の医療的な処置に続く後の第2の時間間隔の間に前記解剖学的な組織の前記ある位置から反射された複数のイメージング超音波信号を含む第2の画像フレームの集合を受け取る過程と、
(c)前記第1および第2の集合の信号を処理する過程と、
(d)前記第2の画像フレームの集合の前記イメージング超音波信号を前記第1の画像フレームの集合の前記超音波信号から減算して、差信号を導出する過程と、
(e)前記差信号をスケーリングする過程と、
(f)前記差信号を空間的にフィルタリングする過程と、
(g)前記差信号から表示を生み出す過程であって、前記表示が、前記解剖学的な組織の前記ある位置の前記個別の医療的な処置の効果を示す、表示を生み出す過程と
を具備する、超音波イメージング方法。
【0031】
(26)前記実施態様(25)に記載の方法において、
前記第1および第2の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置が完了した後に、受け取られる、
超音波イメージング方法。
(27)前記実施態様(25)に記載の方法において、
前記第1の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置の前に受け取られ、前記第2の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置の後に受け取られる、
超音波イメージング方法。
(28)前記実施態様(25)に記載の方法において、
前記医療的な処置が、超音波医療処置である、
超音波イメージング方法。
(29)前記実施態様(25)に記載の方法において、
前記解剖学的な組織の画像を得るために、異なる位置に対して前記過程(a)から前記過程(g)を行う過程をさらに具備し、
前記画像には、前記解剖学的な組織の、医療的に処置された位置、および、医療的に処置されていない位置、が含まれている、
超音波イメージング方法。
(30)解剖学的な組織の超音波イメージング方法において、
(a)前記解剖学的な組織に個別の医療的な処置を施す過程と、
(b)前記解剖学的な組織のある位置から反射された複数のイメージング超音波信号を含む画像フレームの集合を受け取る過程と、
(c)複数の画像フレームを組み合わせる過程であって、各組み合わせは、第1の画像フレームおよび第2の画像フレームを、前記第2の画像フレームが前記第1の画像フレームより後の時間に前記解剖学的な組織のある位置から反射されたものであるように、含んでいる、組み合わせる過程と、
(d)前記画像フレームの集合の各組み合わせの画像フレームに対して、前記第2の画像フレームの前記信号を前記第1の画像フレームの前記信号から減算して、差信号の集合を導出する過程と、
(e)前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記個別の医療的な処置の効果を示す表示を生み出すために、前記差信号の少なくとも一つを用いる過程と、
(f)医療的な処置が完了するまで、前記過程(a)から前記過程(e)までを繰り返す過程と
を具備する、超音波イメージング方法。
【0032】
(31)前記実施態様(30)に記載の方法において、
(a)前記差信号の集合の平均値を計算する過程と、
(b)前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記個別の医療的な処置の効果を示す表示を生み出すために、前記差信号の集合の前記平均値を用いる過程と
をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
(32)前記実施態様(31)に記載の方法において、
(a)前記差信号の集合の前記平均値の累積的な合計値を求める過程と、
(b)前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記個別の医療的な処置の効果を示す表示を生み出すために、前記差信号の集合の前記平均値の前記累積的な合計値を用いる過程と
をさらに具備する、超音波イメージング方法。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明のある実施の形態に基づく超音波処置方法の概要を示すフロー図である。
【図2】図1の方法での超音波画像フレームおよび超音波処置の相対的な振幅およびタイミングを示す図である。
【図3】本発明のある実施の形態に基づくパルスエコー超音波を用いた解剖学的な組織の医療的な処置を監視する方法のフロー図である。
【図4】時間軸上での第1の超音波信号を示す図である。
【図5】時間軸上での第2の超音波信号を示す図である。
【図6】図4および図5の信号を組み合わせた図である。
【図7】図4および図5から計算された差信号を示す図である。
【図8】図7の差信号の絶対値を示す図である。
【図9】フィルタリング後の図8の信号を示す図である。
【図10】本発明の別の実施の形態に基づくパルスエコー超音波を用いた解剖学的な組織の医療的な処置を監視する方法を示すフロー図である。
【図11】図10の方法の超音波画像フレーム、画像フレームの集合、および、超音波処置の相対的な振幅およびタイミングを示す図である。
【図12】本発明のさらに別の実施の形態に基づくパルスエコー超音波を用いた解剖学的な組織の医療的な処置を監視する方法のフロー図である。
【図13】図12の方法の超音波画像フレームの集合、差信号、および、超音波処置の相対的な振幅およびタイミングを示す図である。
【図14】本発明のさらにまた別の実施の形態に基づくパルスエコー超音波を用いた解剖学的な組織の医療的な処置を監視する方法のフロー図である。
【図15】図14の方法の超音波画像フレームおよび超音波処置の相対的な振幅およびタイミングを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
解剖学的な組織の超音波イメージング方法において、
(a)第1の時間間隔の間に前記解剖学的な組織のある位置から反射された第1のイメージング超音波の第1の信号を受け取る過程と、
(b)個別の医療的な処置に続く後の第2の時間間隔の間に前記解剖学的な組織の前記ある位置から反射された第2のイメージング超音波の第2の信号を受け取る過程と、
(c)前記第2の信号を前記第1の信号から減算して、差信号を導出する過程と、
(d)前記差信号から表示を生み出す過程であって、前記表示が、前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記個別の医療的な処置の効果を示す、表示を生み出す過程と
を具備する、超音波イメージング方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記第1および第2の信号が、前記個別の医療的な処置が完了した後に、受け取られる、
超音波イメージング方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記第1の信号が、前記個別の医療的な処置の前に受け取られ、前記第2の信号が、前記個別の医療的な処置が完了した後に受け取られる、
超音波イメージング方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記第1および第2の信号を処理する過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記第1および第2の信号の少なくとも一方を、モーションアーティファクトを低減するために、位相補償関数で乗算する過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記差信号をスケーリングする過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記差信号が、前記差信号の振幅を二乗することによって、スケーリングされる、
超音波イメージング方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記差信号を空間的にフィルタリングする過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記医療的な処置が、超音波医療処置である、
超音波イメージング方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記解剖学的な組織の画像を得るために、異なる位置に対して前記過程(a)から前記過程(d)を行う過程をさらに具備し、
前記画像には、前記解剖学的な組織の、医療的に処置された位置、および、医療的に処置されていない位置、が含まれている、
超音波イメージング方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記差信号の画像を前記解剖学的な組織の前記ある位置の第2の画像と組み合わせる過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記第2の画像が、Bモード超音波走査を用いて生み出される、
超音波イメージング方法。
【請求項13】
解剖学的な組織の超音波イメージング方法において、
(a)第1の時間間隔の間に前記解剖学的な組織のある位置から反射された第1のイメージング超音波の第1の信号を受け取る過程と、
(b)個別の医療的な処置に続く後の第2の時間間隔の間に前記解剖学的な組織の前記ある位置から反射された第2のイメージング超音波の第2の信号を受け取る過程と、
(c)前記第1および第2の信号を処理する過程と、
(d)前記第2の信号を前記第1の信号から減算して、差信号を導出する過程と、
(e)前記差信号をスケーリングする過程と、
(f)前記差信号を空間的にフィルタリングする過程と、
(g)前記差信号から表示を生み出す過程であって、前記表示が、前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記個別の医療的な処置の効果を示す、表示を生み出す過程と
を具備する、超音波イメージング方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記第1および第2の信号が、前記個別の医療的な処置が完了した後に、受け取られる、
超音波イメージング方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、
前記第1の信号が、前記個別の医療的な処置の前に受け取られ、前記第2の信号が、前記個別の医療的な処置の後に受け取られる、
超音波イメージング方法。
【請求項16】
解剖学的な組織の超音波イメージング方法において、
(a)第1の時間間隔の間に前記解剖学的な組織のある位置から反射された複数のイメージング超音波信号を含む第1の画像フレームの集合を受け取る過程と、
(b)個別の医療的な処置に続く後の第2の時間間隔の間に前記解剖学的な組織の前記ある位置から反射された複数のイメージング超音波信号を含む第2の画像フレームの集合を受け取る過程と、
(c)前記第2の画像フレームの集合の前記イメージング超音波信号を前記第1の画像フレームの集合の前記イメージング超音波信号から減算して、差信号を導出する過程と、
(d)前記差信号から表示を生み出す過程であって、前記表示が、前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記医療的な処置の効果を示す、表示を生み出す過程と
を具備する、超音波イメージング方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法において、
前記第1および第2の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置が完了した後に、受け取られる、
超音波イメージング方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法において、
前記第1の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置の前に受け取られ、前記第2の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置の後に受け取られる、
超音波イメージング方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法において、
前記第1および第2の集合の信号を処理する過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法において、
前記差信号をスケーリングする過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、
前記差信号が、前記差信号の振幅を二乗することによって、スケーリングされる、
超音波イメージング方法。
【請求項22】
請求項16に記載の方法において、
前記差信号を空間的にフィルタリングする過程をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
【請求項23】
請求項16に記載の方法において、
前記医療的な処置が、超音波医療処置である、
超音波イメージング方法。
【請求項24】
請求項16に記載の方法において、
前記解剖学的な組織の画像を得るために、異なる位置に対して前記過程(a)から前記過程(d)を行う過程をさらに具備し、
前記画像には、前記解剖学的な組織の、医療的に処置された位置、および、医療的に処置されていない位置、が含まれている、
超音波イメージング方法。
【請求項25】
解剖学的な組織の超音波イメージング方法において、
(a)第1の時間間隔の間に前記解剖学的な組織のある位置から反射された複数のイメージング超音波信号を含む第1の画像フレームの集合を受け取る過程と、
(b)個別の医療的な処置に続く後の第2の時間間隔の間に前記解剖学的な組織の前記ある位置から反射された複数のイメージング超音波信号を含む第2の画像フレームの集合を受け取る過程と、
(c)前記第1および第2の集合の信号を処理する過程と、
(d)前記第2の画像フレームの集合の前記イメージング超音波信号を前記第1の画像フレームの集合の前記超音波信号から減算して、差信号を導出する過程と、
(e)前記差信号をスケーリングする過程と、
(f)前記差信号を空間的にフィルタリングする過程と、
(g)前記差信号から表示を生み出す過程であって、前記表示が、前記解剖学的な組織の前記ある位置の前記個別の医療的な処置の効果を示す、表示を生み出す過程と
を具備する、超音波イメージング方法。
【請求項26】
請求項25に記載の方法において、
前記第1および第2の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置が完了した後に、受け取られる、
超音波イメージング方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法において、
前記第1の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置の前に受け取られ、前記第2の画像フレームの集合が、前記個別の医療的な処置の後に受け取られる、
超音波イメージング方法。
【請求項28】
請求項25に記載の方法において、
前記医療的な処置が、超音波医療処置である、
超音波イメージング方法。
【請求項29】
請求項25に記載の方法において、
前記解剖学的な組織の画像を得るために、異なる位置に対して前記過程(a)から前記過程(g)を行う過程をさらに具備し、
前記画像には、前記解剖学的な組織の、医療的に処置された位置、および、医療的に処置されていない位置、が含まれている、
超音波イメージング方法。
【請求項30】
解剖学的な組織の超音波イメージング方法において、
(a)前記解剖学的な組織に個別の医療的な処置を施す過程と、
(b)前記解剖学的な組織のある位置から反射された複数のイメージング超音波信号を含む画像フレームの集合を受け取る過程と、
(c)複数の画像フレームを組み合わせる過程であって、各組み合わせは、第1の画像フレームおよび第2の画像フレームを、前記第2の画像フレームが前記第1の画像フレームより後の時間に前記解剖学的な組織のある位置から反射されたものであるように、含んでいる、組み合わせる過程と、
(d)前記画像フレームの集合の各組み合わせの画像フレームに対して、前記第2の画像フレームの前記信号を前記第1の画像フレームの前記信号から減算して、差信号の集合を導出する過程と、
(e)前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記個別の医療的な処置の効果を示す表示を生み出すために、前記差信号の少なくとも一つを用いる過程と、
(f)医療的な処置が完了するまで、前記過程(a)から前記過程(e)までを繰り返す過程と
を具備する、超音波イメージング方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、
(a)前記差信号の集合の平均値を計算する過程と、
(b)前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記個別の医療的な処置の効果を示す表示を生み出すために、前記差信号の集合の前記平均値を用いる過程と
をさらに具備する、
超音波イメージング方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法において、
(a)前記差信号の集合の前記平均値の累積的な合計値を求める過程と、
(b)前記解剖学的な組織の前記ある位置での前記個別の医療的な処置の効果を示す表示を生み出すために、前記差信号の集合の前記平均値の前記累積的な合計値を用いる過程と
をさらに具備する、超音波イメージング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2007−512111(P2007−512111A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541653(P2006−541653)
【出願日】平成16年11月23日(2004.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/039318
【国際公開番号】WO2005/072084
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【出願人】(595057890)エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド (743)
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
【出願人】(307000363)
【出願人】(307000374)
【出願人】(307000330)
【出願人】(307000341)
【出願人】(307000352)
【Fターム(参考)】