説明

パワーコンディショナ

【課題】生成した正弦波電圧の波形の一部にスパイク状電圧が発生することを抑制する。
【解決手段】第3パルス電圧列の電圧と正弦波電圧との差電圧の正負に応じてチョッピングするタイミングと、第7、第8スイッチ素子16,17のオンオフデューティの切り替わりタイミングとのずれを演算し、かつ、前記タイミングずれに対応して前記第7、第8スイッチ素子16,17のオンオフデューティを制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流電力をチョッピングして交流電力に変換するチョッパ式の電力変換装置に用いるパワーコンディショナに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護の観点から、環境への影響が少ない太陽電池、燃料電池、等による発電システムの開発が活発に進められている。
【0003】
かかる発電システムでは、太陽電池等の発電を行なう直流電力源からの直流電力を、パワーコンディショナによって系統に連系した商用周波数の交流電力に変換すると共に、変換後の交流電力を、商用電力系統に接続されている家庭内負荷に供給する一方で、そうした電力源が発生する電力が家庭内負荷の消費電力を上回る場合には余剰電力を系統側へ逆潮流するようにしたものがある。
【0004】
そうした発電システムに用いるパワーコンディショナは、一般には、太陽電池等で発電した直流電力を交流電力に変換するインバータと、系統連系のための保護装置と、を備えている。そして、かかるパワーコンディショナには、絶縁トランスによって直流部と交流部とを電気的に絶縁した絶縁型と、絶縁トランスを用いない非絶縁型とがある。これら両型を比較すると、後者の非絶縁型の方が、前者よりも、電力変換効率に優れていることから、より多用されている。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−10496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図8に、非絶縁型のパワーコンディショナを備えた太陽光発電システムの構成例を示す。このパワーコンディショナ36は、商用電源2と連系運転するようになっている。パワーコンディショナ36は、太陽電池パネル1からの発電出力を平滑化する平滑コンデンサ33と、PWM制御のインバータ34と、リアクトルとコンデンサからなるフィルタ35と、図示しない制御回路と、を備えている。パワーコンディショナ36においては、平滑コンデンサ33で太陽電池パネル1からの発電出力を平滑化する。インバータ34はダイオードを逆並列に接続した4個のMOSFET等からなるスイッチ素子37〜40によって構成されている。そして、パワーコンディショナ36においては、インバータ34内のスイッチ素子37〜40を18kHz前後といった高い周波数でのON/OFFさせるスイッチング制御することにより、平滑コンデンサ33で平滑化した太陽電池パネル1の発電出力を商用電力系統に同期した交流電力に変換出力する。そしてパワーコンディショナ36は、こうして変換した交流電力を、フィルタ35を介して図示しない負荷に供給したり、あるいは、系統側に逆潮流したりする。
【0007】
かかるパワーコンディショナ36が備えるPWM制御のインバータ34は、太陽電池パネル1からの、例えば800V程度の高い直流電力を、上記した18kHz前後といった高い周波数でスイッチ素子37〜40をスイッチング動作させて交流電力に変換する必要がある。そのため、従来のパワーコンディショナ36を備えた電力変換装置においては、パワーコンディショナ36内における電力変換に際して大きなスイッチング損失が発生する構成であり、その結果として、電力の変換効率が低いという課題がある。
【0008】
上記課題を解消すべく本発明者らは平成21年3月13日付けの特願2009−61915号「電力変換装置、パワーコンディショナ、および発電システム」で出願している。
【0009】
この出願に係るパワーコンディショナにおいては、生成する正弦波電圧の波形の一部にスパイク状の電圧が発生していた。
【0010】
本発明は、前記先出願の発明に係るパワーコンディショナにおいて、正弦波電圧波形の一部におけるスパイク状電圧の発生を抑制したパワーコンディショナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明第1のパワーコンディショナは、それぞれ直列接続した2つのスイッチ素子を含む第1、第2組と、これら両組に並列のコンデンサと、第1組の両スイッチ素子を所定周波数で交互にオンオフし、第2組の両スイッチ素子を前記所定周波数より高周波数で交互にオンオフする制御手段と、を備え、前記制御手段は、第1組のスイッチ素子の第1直列接続部に正弦波的に変化するパルス電圧列を形成し、前記第2組のスイッチ素子の第2直列接続部に前記パルス電圧列と正弦波電圧との差分に応じた差電圧を形成し、前記第2組の両スイッチ素子のオンオフデューティを制御することで正負両側に変化する正弦波電圧を得るように制御するパワーコンディショナであって、前記パルス電圧列を正弦波電圧との差分の正負に応じてチョッピングするタイミングと、前記第2組の両スイッチ素子のオンオフデューティの切り替わりタイミングとのずれを演算し、前記タイミングずれに対応して前記第2組の両スイッチ素子のオンオフデューティを制御する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明第2のパワーコンディショナは、直流電力源からの直流電力を、商用電源に系統連系した交流電力に変換するパワーコンディショナにおいて、第1ないし第4チョッパ回路と、演算手段と、デューティ制御手段と、を含み、前記第1チョッパ回路は、直列接続した2つの第1、第2スイッチ素子からなる第1スイッチ回路を含み、前記第1、第2スイッチ素子は、第1周波数で交互にON/OFFされて前記直流電力源からの直流電圧を、第1周波数でチョッピングして電圧レベルが第1基準電位に対して正側の電圧V1の第1パルス電圧列を生成し、前記第2チョッパ回路は、第2コンデンサと第2スイッチ回路との並列接続回路を含み、前記並列接続回路の並列接続一方側が、前記第1、第2スイッチ素子の直列接続部に接続され、前記第2スイッチ回路は、2つの第3、第4スイッチ素子を直列接続してなり、前記第3、第4スイッチ素子は、前記第2周波数で交互にON/OFFされて、前記第1パルス電圧列の電位を第2基準電位とし、前記第1チョッパ回路出力を前記第1周波数より所定倍高い第2周波数でチョッピングして電圧レベルが前記第1パルス電圧列より低電圧で前記第2基準電位に対して負側の電圧V2の第2パルス電圧列を生成すると共に、前記第1、第2パルス電圧列の電圧を加算(V1+V2)して前記第1基準電位に対してその正負両側に交互に正弦波的に変化する第3パルス電圧列を形成し、前記第3チョッパ回路は、2つの第5、第6スイッチ素子を直列接続し、前記第5、第6スイッチ素子の直列接続部が、前記第3、第4スイッチ素子の直列接続部に接続され、前記第5、第6スイッチ素子は、前記第3周波数で交互にON/OFFされて、前記第3パルス電圧列を正弦波電圧との差分の正負に応じたタイミングで定まる第3周波数でチョッピングして充放電出力させ、前記第4チョッパ回路は、2つの第7、第8スイッチ素子を直列接続してなり、前記第3チョッパ回路の充放電出力を、前記第3パルス電圧列と前記正弦波電圧との差分を補正するように、前記第3周波数よりも高い周波数で前記第7、第8スイッチ素子をオンオフすると共に、そのオンオフデューティを制御(PWM制御)することで、前記第1基準電位に対して正負両側に連続して変化する正弦波電圧を得るように制御し、前記演算手段は、前記第3パルス電圧列を正弦波電圧との差分の正負に応じてチョッピングするタイミングと、前記第7、第8スイッチ素子のオンオフデューティの切り替わりタイミングとのずれを演算し、前記デューティ制御手段は、前記タイミングずれに対応して前記第7、第8スイッチ素子のオンオフデューティを制御する、ことを特徴とする。
【0013】
なお、正負両側に交互に正弦波的に変化するとは、基準電位に対して、正(一方)側のパルス電圧と負(他方)側のパルス電圧とが、交互に一定の周期で現れることをいい、パルスの周期と正弦波の周期とが一致するのが好ましい。
【0014】
なお、パルス電圧列との差分を得るための正弦波電圧は、電力変換の目標となる正弦波電圧、すなわち、正弦波電圧の目標値(指令値)であるのが好ましい。
【0015】
なお、直流電力源とは、太陽電池、燃料電池、風力発電などの直流電力を発生する電力源をいう。
【0016】
なお、本発明は、直流電力をチョッピングして交流電力に変換する電力変換装置を含むことができる。すなわち、本発明は、名称はパワーコンディショナであるが、そのパワーコンディショナには電力変換装置を含むことができるものである。
【0017】
なお、本発明は、直流電力源で発電された直流電力をパワーコンディショナで交流電力に変換して商用電源に連系する発電システムにおいて、そのパワーコンディショナに適用することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によると、生成する正弦波電圧の波形の一部にスパイク状の電圧が発生することを抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明の実施形態に係る太陽光発電システムの構成図である。
【図2】図2は図1のパワーコンディショナの動作説明に供する図である。
【図3】図3は図1の第1チョッパ回路の動作原理を説明するための図である。
【図4】図4は図1の第2チョッパ回路の動作原理を説明するための図である。
【図5】図5は図1の第3チョッパ回路の動作原理を説明するための図である。
【図6】図6は図5の各部の電圧波形を示す図である。
【図7】図7は正弦波電圧波形からスパイク電圧を解消するためのタイムチャート等を示す図である。
【図8】図8は従来例の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の一つの実施の形態に係る太陽光発電システムの構成図であり、単相2線の場合の構成を示している。
【0022】
この実施形態の太陽光発電システムは、太陽電池パネル1と、太陽電池パネル1からの直流電力を交流電力に変換し、商用電源2と連系運転するパワーコンディショナ3と、を備えている。
【0023】
太陽電池パネル1は、複数の太陽電池モジュールを直列、並列に接続して所要の発電電力を得られるように構成されている。この実施形態の太陽電池パネル1は、アモルファスシリコン製の薄膜太陽電池から構成されている。この実施形態のパワーコンディショナ3は、絶縁トランスを備えていない非絶縁型トランスレスのパワーコンディショナである。このパワーコンディショナ3は、平滑コンデンサである第1コンデンサ4と、第1〜第3チョッパ回路5〜7と、ノイズフィルタ8と、各部の電圧等を計測して各チョッパ回路5〜7を制御する制御回路9と、を備えている。
【0024】
第1〜第3チョッパ回路5〜7および制御回路9は、太陽電池パネル1に対してカスケード接続されたチョッパコンバータを構成する。太陽電池パネル1の負極側はグランドされている。図中で示す(a)点はグランドであり、このグランドの電圧はゼロである。(b)点は、太陽電池パネル1の正極側である。太陽電池パネル1の正負両極間に、第1コンデンサ4が並列に接続されている。
【0025】
第1チョッパ回路5は、第1コンデンサ4に並列に接続されている。第1チョッパ回路5は、直列接続した2つの第1、第2スイッチ素子10、11を含む。第1、第2スイッチ素子10、11にはダイオードが各々逆並列に接続されている。
【0026】
第1チョッパ回路5は、これら2つの第1、第2スイッチ素子10、11により第1スイッチ回路を構成している。
【0027】
第1チョッパ回路5において、第1、第2スイッチ素子10、11は、制御回路9からのゲート信号によって、系統周波数、例えば50Hzと同じ第1チョッピング周波数f1で交互にON/OFF制御される。これら第1、第2スイッチ素子10、11は、第2、第3チョッパ回路6、7のスイッチ素子12〜17と同様に、例えば、NチャンネルMOSFETで構成されている。なお、スイッチ素子は、MOSFETに限らず、IGBT、トランジスタ等の他のスイッチ素子であってもよい。
【0028】
第2チョッパ回路6は、第2コンデンサ18と、ダイオードを逆並列に接続した2つの第3、第4スイッチ素子12、13を直列接続してなる第2スイッチ回路と、を含む。第2コンデンサ18と第2スイッチ回路とは互いに並列接続されている。第3、第4スイッチ素子12、13は、制御回路9からのゲート信号によって、第1チョッピング周波数f1の2倍の第2チョッピング周波数f2、例えば、100Hzで交互にON/OFF制御される。
【0029】
この第2チョッパ回路6において第2コンデンサ18と第2スイッチ回路との並列接続一端側は、第1チョッパ回路5において第1、第2スイッチ素子10、11の直列接続部に接続されている。その接続点を図中(c)で示す。図中(c)(d)は第2コンデンサ18の両コンデンサ電極側に該当する。
【0030】
第3チョッパ回路7は、ダイオードを逆並列に接続した2つの第5、第6スイッチ素子14、15を直列接続してなる第3スイッチ回路と、第3コンデンサ19と、ダイオードを逆並列に接続した2つの第7、第8スイッチ素子16、17を直列接続してなる第4スイッチ回路と、を含む。第3チョッパ回路7において、これら第3スイッチ回路、第3コンデンサ19および第4スイッチ回路は互いに並列接続されている。これら回路の並列接続一端側と他端側とをそれぞれ図中(f)(g)で示す。第3コンデンサ19の両コンデンサ電極側はこの(f)(g)に該当する。
【0031】
第5、第6スイッチ素子14、15は、制御回路9からのゲート信号によって、第1チョッピング周波数f1の3倍の第3チョッピング周波数f3、例えば、150Hzで交互にON/OFF制御される。
【0032】
第7、第8スイッチ素子16、17は、制御回路9からのゲート信号によって、高周波数f4、例えば、18kHzでPWM制御される。
【0033】
第3チョッパ回路7の第5、第6スイッチ素子14、15の直列接続部は、第2チョッパ回路6の第3、第4スイッチ素子12、13の直列接続部に接続されている。その接続点を図中(e)で示す。
【0034】
また、第3チョッパ回路7の第7、第8スイッチ素子16、17の直列接続部に、リアクトル20と第4コンデンサ21とからなるノイズフィルタ8が接続されている。その接続点を図中(h)で示す。
【0035】
このノイズフィルタ8には、図示しない負荷および商用電源2が接続されている。
【0036】
制御回路9は、系統電圧Vsおよび系統電流Isを、図示しない差動増幅回路等を介して計測し、従来と同様に商用電源2の系統周波数に同期した正弦波状の目標電圧の指令値(目標正弦波電圧)V*を算出するとともに、第1〜第3コンデンサ4、18、19の両端の電圧Vd1、Vd2、Vd3を図示しない差動増幅回路等を介して計測して、各チョッパ回路5〜7を制御するためのゲート信号を生成する。
【0037】
前記電圧Vd1は、グランドである(a)点電圧を基準として(b)点に現れる太陽電池パネル1の直流出力電圧である。
【0038】
電圧Vd2は、第2チョッパ回路6の第2コンデンサ18の一方のコンデンサ電極点(d)を基準とした他方のコンデンサ電極点(c)での充電電圧である。
【0039】
電圧Vd3は、第3チョッパ回路7の第3コンデンサ19の一方のコンデンサ電極点(f)を基準とした他方のコンデンサ電極点(g)での充電電圧である。
【0040】
図2は、この実施形態の各チョッパ回路5〜7の動作の概略を説明するための図であり、同図(A)は図1の要部の構成図、同図(B)〜(D)は、同図(A)中の電圧V1、V2、V3をそれぞれ示しており、同図(B),(C)には、上述の系統に同期した目標正弦波電圧V*の波形を細い実線で示している。
【0041】
前記電圧V1は、グランドである(a)点の電位を第1基準電位とした第1チョッパ回路5の第1、第2スイッチ素子10、11の直列接続部である(c)点の電圧である。
【0042】
電圧V2は、前記(c)点の電位を第2基準電位とした第2チョッパ回路6の第3、第4スイッチ素子12、13の直列接続部である(e)点の電圧である。
【0043】
電圧V3は、第3チョッパ回路7の第5、第6のスイッチ素子14、15の直列接続部である(e)点を基準とした第7、第8のスイッチ素子16、17の直列接続部である(h)点の電圧である。
【0044】
第1チョッパ回路5では、商用電源2の系統周波数と同じ50Hzの場合、系統周波数と同じ50Hzの第1チョッピング周波数f1で第1、第2スイッチ素子10、11を交互にON/OFF制御する。
【0045】
これにより、第1、第2スイッチ素子10、11の直列接続部である(c)点の電圧波形は、同図(B)に示すように、(a)点の電位に対して正側の電圧V1の複数のパルス電圧からなる第1パルス電圧列となる。この電圧V1は、太陽電池パネル1の直流出力電圧Vd1となる。
【0046】
第2チョッパ回路6では、第1チョッピング周波数f1の2倍の100Hzの第2チョッピング周波数f2で第3,第4スイッチ素子12、13を交互にON/OFF制御する。
【0047】
これにより、第3、第4スイッチ素子12、13の直列接続部である(e)点の電圧V2は、同図(C)に示すように、第1、第2スイッチ素子10、11の直列接続部である(c)点を基準として、負側に立ち下がる複数のパルス電圧からなる第2パルス電圧列となる。
【0048】
この電圧V2のパルス電圧レベルは、直流出力電圧Vd1の1/2となるように制御される。
【0049】
この第2チョッパ回路6の第3、第4スイッチ素子12、13の直列接続部である(e)点の電圧V2は、グランドである(a)点を基準とした場合、すなわち、第1基準電位を基準とした場合は、後述の図4(D)に示すように、(a)−(c)点間の電圧V1と、(c)−(e)点間電圧V2とを合計した正負に交互に変化する正弦波状に対応した階段状波形のパルス電圧V1+V2となる。この階段状のパルス電圧V1+V2は、図4(D)に細い実線で示される上述の目標正弦波電圧V*と同期して正負に交互に変化する。
【0050】
第3チョッパ回路7では、この階段状のパルス電圧V1+V2と、正弦波状の目標電圧の指令値V*との差電圧を補償するように第5、第6スイッチ素子14、15を、第1チョッピング周波数f1の3倍の150Hzの第3チョッピング周波数f3で交互にオンオフし、また、第7、第8スイッチ素子16、17を、18kHzの周波数f4で交互にオンオフする。
【0051】
これによって、図2(A)の第3チョッパ回路7の第7、第8のスイッチ素子16、17の直列接続部である(h)点の電圧V3は、図2(D)で示すように正側は第5スイッチ素子14がオフ、第6スイッチ素子15がオン、負側は第5スイッチ素子14がオン、第6スイッチ素子15がオンであり、また、電圧V3の大きさは、階段状波形の電圧V1+V2と、目標正弦波電圧V*との差電圧に対応したものであり、その差電圧に対応して第7、第8スイッチ素子17,18のオンオフデューティの大きさに対応する。
【0052】
以下、第1〜第3チョッパ回路5〜7の動作原理を更に詳細に説明する。
【0053】
図3は、第1チョッパ回路5の動作原理を説明するための図であり、同図(A)は太陽電池パネル1、第1コンデンサ4および第1チョッパ回路5を、同図(B)は(a)−(c)間電圧V1をそれぞれ示している。特に、同図(B)には、目標正弦波電圧V*を細い実線で示している。
【0054】
太陽電池パネル1の正極側である(b)点には、グランドである(a)点の電位を第1基準電位として第1コンデンサ4で平滑化された太陽電池パネル1の直流出力電圧Vd1が現れる。
【0055】
第1チョッパ回路5において、直流出力電圧Vd1は、50Hzの第1周波数f1で交互にON/OFF制御される第1、第2スイッチ素子10、11によってチョッピングされる。
【0056】
第1スイッチ素子10がON、第2スイッチ素子11がOFFのときは、(b)点電圧である第1コンデンサ4の充電電圧Vd1が、第1チョッパ回路5の第1、第2スイッチ素子10、11の直列接続部である(c)点に現れる。
【0057】
第1スイッチ素子10がOFF、第2スイッチ素子11がONのときは、(a)点のグランド電圧が、第1チョッパ回路5の第1、第2スイッチ素子10、11の直列接続部である(c)点に現れる。
【0058】
したがって、上述のように、第1、第2スイッチ素子10、11の直列接続部である(c)点の電圧V1は、同図(B)に示すように、グランド電位を第1基準電位として正側に立ち上がる複数のパルス電圧からなる第1パルス電圧列となる。このパルス電圧V1は、(a)点を基準とした第1、第2スイッチ素子10、11の直列接続部である(c)点の電圧であり、パルス電圧レベルは、太陽電池パネル1の直流出力電圧Vd1、例えば、800Vとなる。
【0059】
この第1チョッパ回路5では、系統の電圧と位相が一致したパルス電圧列を生成するので、有効電力を出力することができる。
【0060】
図4は、第2チョッパ回路6の動作原理を説明するための図であり、同図(A)は第1チョッパ回路5および第2チョッパ回路6を、同図(B)は電圧V1を、同図(C)は電圧V2を、同図(D)は電圧V1+V2をそれぞれ示しており、同図(B)〜(D)は、目標正弦波電圧V*を細い実線で併せて示している。
【0061】
第2チョッパ回路6において、同図(B)に示される(c)点の電圧V1は、100Hzの第2チョッピング周波数f2で交互にON/OFF制御される第3,第4スイッチ素子12、13により、チョッピングされる。
【0062】
第3スイッチ素子12がON、第4スイッチ素子13がOFFのときは、第3、第4スイッチ素子12、13の直列接続部である(e)点は、第1チョッパ回路5の第1、第2スイッチ素子10、11の直列接続部である(c)点と同電位となり、第3スイッチ素子12がOFF、第4スイッチ素子13がONのときは、第3、第4スイッチ素子12、13の直列接続部である(e)点の電位は、(c)点の電位よりもマイナスとなる。したがって、第3、第4スイッチ素子12、13の直列接続部である(e)点の電圧V2は、上述のように、第1、第2スイッチ素子10、11の直列接続部である(c)点の電位を第2基準電位として同図(C)に示すように、負側に立ち下がる複数のパルス電圧からなる第2パルス電圧列となる。
【0063】
なお、第1チョッパ回路5の第1スイッチ素子10がON、第2スイッチ素子11がOFFしたときに、第2チョッパ回路6の第3スイッチ素子12がOFF、第4スイッチ素子13がONすることによって、第2コンデンサ18が充電される。また、第1チョッパ回路5の第1スイッチ素子10がOFF、第2スイッチ素子11がONしているときに、第2チョッパ回路6の第3スイッチ素子12がOFF、第4スイッチ素子13がONすることによって、第2コンデンサ18の充電電荷はそれらONしているスイッチ素子11,13を介して放電される。このように第2コンデンサ18は、図4(C)に示すように、充電期間T1に亘る充電と、放電期間T2に亘る放電とを交互に繰り返し、(c)点の第2基準電位を基準にして負側に立ち下がるパルス電圧が生成される。このパルスの電圧レベルVd2は、太陽電池パネル1の直流出力電圧Vd1の1/2(Vd2=−Vd1/2)、例えば、400Vである。
【0064】
前記電圧V2は、第1、第2スイッチ素子10、11の直列接続部である(c)点を基準とした第3、第4スイッチ素子12、13の直列接続部である(e)点の電圧である。したがって、第2チョッパ回路6では、グランドである(a)点の電位を第1基準電位として(e)点には、同図(B)の(a)−(c)点間電圧V1と、同図(C)の(c)−(e)点間電圧V2とを合計した、同図(D)に示す目標正弦波電圧V*の変化に対応して交互に正負に変化する階段状波形の電圧V1+V2が現れることになる。この第2チョッパ回路6では、負側に立ち下がるパルス電圧列を生成するので、偶数次の高調波を除去することができ、また、等しい電力で充電と放電とを繰り返すので原理的な有効電力は、ゼロとなる。
【0065】
図5は、第3チョッパ回路7の動作原理を説明するための図であり、図6(A)は前記階段状のパルス電圧V1+V2を、図6(B)は、第5、第6のスイッチ素子14、15の直列接続部である(e)点を基準として、第7、第8スイッチ素子16、17の直列接続部である(h)点の電圧V3を示したものであり、図6(A)には、目標正弦波電圧V*を細い実線で併せて示している。
【0066】
第5,第6スイッチ素子14、15は、図6(A)に示す(e)点の階段状波形の電圧V1+V2と目標正弦波電圧V*との差電圧の正負に応じたタイミングでON/OFF制御される。その結果、上記電圧V1+V2は、そのON/OFF制御のタイミングで第3コンデンサ19に充放電される。
【0067】
換言すれば、電圧V1+V2>目標正弦波電圧V*の関係式が成立するときは、差電圧は正であり、第5スイッチ素子14がオン、第6スイッチ素子15がオフに制御される結果、電圧V1+V2は第3コンデンサ19に充電される。
【0068】
一方、電圧V1+V2<目標正弦波電圧V*の関係式が成立するときは、差電圧は負であり、第5スイッチ素子14がオフ、第6スイッチ素子15がオンに制御される結果、第3コンデンサ19に充電された電圧は放電される。
【0069】
上記差電圧の大小関係の周期は、第3チョッピング周波数f3である150Hzであり、結果として、第5,第6スイッチ素子14、15は、その第3チョッピング周波数f3で交互にオンオフ制御される。
【0070】
更に、第3チョッパ回路7では、電圧V1+V2と目標正弦波電圧V*との差電圧を補正するオンオフデューティで、第1チョッピング周波数f1よりも数百倍高い周波数である18kHzのPWM周波数f4で第7、第8スイッチ素子16、17を制御する。これによって、第7,第8スイッチ素子16、17の直列接続部である(h)点には、図6(B)に示すように、階段状のパルス電圧V1+V2と目標正弦波電圧V*との差電圧に対応する電圧V3が現れる。
【0071】
この電圧V3は、オンオフデューティ制御によるPWM平均値を示しており、この電圧V3は、第5、第6のスイッチ素子14、15の直列接続部である(e)点を基準とした第7、第8のスイッチ素子16、17の直列接続部である(h)点の電圧である。
【0072】
したがって、第3チョッパ回路7では、グランドである(a)点の第1基準電位を基準として、第7、第8のスイッチ素子16、17の直列接続部である(h)点には、図6(A)に示される(a)−(e)点間電圧V1+V2と、図6(B)に示される(e)−(h)点間電圧V3とを合計した、図6(A)の細い実線で示される電力系統周波数の変化と同相の目標正弦波電圧V*が現れることになる。
【0073】
次に図7を参照して上記パワーコンディショナにおいて、目標正弦波電圧V*の一部におけるスパイク状電圧の発生の抑制について説明する。図7(A)は、パルス電圧V1+V2と目標正弦波電圧V*それぞれの波形を示し、図7(B)は、時刻t0前後におけるパルス電圧V1+V2と目標正弦波電圧V*との差電圧V3に対応した第7、第8のスイッチ素子16、17のオンオフデューティの切り替わりを示し、図7(C)は、時刻t1前後におけるパルス電圧V1+V2と目標正弦波電圧V*との差電圧V3に対応した第7、第8のスイッチ素子16、17のオンオフデューティの切り替わりを示す。図7(B)の時刻t0前のオンオフデューティdxと時刻t0後のオンオフデューティdyにおいて、オンオフデューティdx,dyは差電圧V3の変化に応じて変化する。そして、時刻t0前ではオンオフデューティdxは徐々に、また、時刻t後はオンオフデューティdyは徐々に変化するが、時刻t0では差電圧V3の急変に応じてオンオフデューティもdxからdyに急変する。
【0074】
ここで、図7(B)は図7(A)に対応して理想的に時刻t0でパルス電圧V1+V2と目標正弦波電圧V*との差電圧V3がV1+V2<V*の関係からV1+V2<V*の関係に切り替わるタイミングと、上記差電圧V3に対応した第7、第8のスイッチ素子16、17のオンオフデューティがオンオフデューティdxからオンオフデューティdyへの切り替わるタイミングとが一致している。
【0075】
しかし、第7、第8のスイッチ素子16、17のオンオフデューティの切り替わりタイミングは上記差電圧の切り替わりタイミングとは非同期であり、図7(C)は、図7(A)に対応して、時刻t0でパルス電圧V1+V2と目標正弦波電圧V*との差電圧V3がV1+V2<V*の関係からV1+V2<V*の関係に切り替わり、時刻t1で上記差電圧V3に対応した第7、第8のスイッチ素子16、17のオンオフデューティがオンオフデューティdxからオンオフデューティdyへ切り替わり、これら両切り替わりタイミングはずれている。
【0076】
図7(D)は、図7(A)による差電圧V3波形を示す。この差電圧V3が急変するタイミングと上記オンオフデューティがオンオフデューティdxからオンオフデューティdyに切り替わるタイミングとがずれている。そのため、図7(E)で示すように実際の(h)での目標正弦波電圧Vにスパイク電圧Vs1が発生してしまう。
【0077】
そこで、制御回路9は、まず、内部の演算手段により、第3パルス電圧列(V1+V2)と目標正弦波電圧V*との差分の正負、すなわち、差電圧V3の正負に応じてチョッピングするタイミングと、第7、第8スイッチ素子16,17のオンオフデューティの切り替わりタイミングとのずれを演算する。
【0078】
図7(A)ないし図7(C)では、このずれは、時刻t0−t1間の時刻差Δtである。この演算の後、制御回路9は、内部のデューティ制御手段により、前記タイミングずれΔtに対応して第7、第8スイッチ素子16,17のオンオフデューティを例えば図7(F)で示すように時刻t0前はオンオフデューティdxであり、時刻t0後はΔtの間、オンオフデューティをオンオフデューティdy´に制御する。そして、このΔtの経過後は、オンオフデューティをオンオフデューティdyにする。この場合、dyが100%であれば、dy´は100%以下であり、dyが0%であれば、dy´は0%以上である。
【0079】
すなわち、時刻t1後からΔtの間のオンオフデューティはdyからdy´に変更したので、図7(G)で示すように目標正弦波電圧Vには時刻t0からΔtの間、スパイク電圧Vs1が発生するが、そのΔtの後、スパイク電圧Vs1と極性が反転したスパイク電圧Vs2が現れるようにし、これら両スパイク電圧Vs1,Vs2同士で相殺させ、結果として正弦波電圧Vの波形からスパイク電圧波形が抑制される。これにより図7(H)で示すように正弦波電流Iにはスパイク電圧Vs1に対応した破線部分のスパイク電流は解消されるようになる。
【0080】
以上説明したように本実施形態では、演算手段により、前記第3パルス電圧列を正弦波電圧との差分の正負に応じてチョッピングするタイミングと、前記第7、第8スイッチ素子のオンオフデューティの切り替わりタイミングとのずれを演算し、デューティ制御手段により、前記タイミングずれに対応して前記第7、第8スイッチ素子のオンオフデューティを制御するようにしたので、生成する正弦波電圧の波形の一部にスパイク状の電圧の発生が抑制される。これら演算手段、デューティ制御手段は制御回路においてソフトウエアにより実行することができる。
【0081】
なお、本明細書においては、直流電圧を第1チョッピング周波数でチョッピングして電圧レベルがグランド電位である第1基準電位に対して正側に変化する複数のパルス電圧からなる第1パルス電圧列を生成する第1チョッパ回路と、前記第1パルス電圧列の電位を第2基準電位とし、前記第1チョッパ回路の出力を前記第1チョッピング周波数より高い第2チョッピング周波数でチョッピングして電圧レベルが前記正側の第1パルス電圧列より低電圧で前記第2基準電位に対して負側に変化する複数のパルス電圧からなる第2パルス電圧列を生成すると共に、前記第1、第2パルス電圧列を加算することでそれらが前記第1基準電位に対してその正負両側に交互に正弦波的に変化する第3パルス電圧列を形成する第2チョッパ回路と、前記第3パルス電圧列を正弦波電圧との差分の正負に応じたタイミングで定まる第3チョッピング周波数でチョッピングして充放電出力し、かつ、その充放電出力を、前記第3パルス電圧列と前記正弦波電圧との差分を補正するように、前記第3チョッピング周波数よりも高いPWM周波数でPWM制御すると共に、前記第3パルス電圧列と前記PWM出力とで前記第1基準電位に対して正負両側に連続して変化する正弦波電圧を得る第3チョッパ回路とを具備した電力変換装置を含む。
【0082】
本明細書は、直流電力源と、前記直流電力源に接続されるパワーコンディショナとを備え、前記直流電力源で発電された直流電力を、前記パワーコンディショナで交流電力に変換して商用電源に連系する発電システムであって、前記パワーコンディショナは、前記直流電力源からの直流電圧を、系統周波数に関連するチョッピング周波数でチョッピングして電圧レベルが基準電位に対してその正負両側に交互に正弦波的に変化する複数のパルス電圧からなるパルス電圧列を、生成すると共に、前記パルス電圧列を正弦波電圧との差分の正負に応じたタイミングで充放電出力するパルス電圧生成手段と、前記充放電出力を、前記パルス電圧列と正弦波電圧との差分を補正するように、前記チョッピング周波数より高いPWM周波数でPWM制御して、前記パルス電圧列と前記PWM出力とから、基準電位に対して正負両側に連続して変化する正弦波電圧を得ると共に、この正弦波電圧を負荷側に出力する正弦波電圧生成手段と、を具備した発電システムを含む。
【0083】
本明細書は、直流電力源と、前記直流電力源に接続されるパワーコンディショナとを備え、前記直流電力源で発電された直流電力を、前記パワーコンディショナで交流電力に変換して商用電源に連系する発電システムであって、前記パワーコンディショナは、前記直流電力源からの直流電圧を、系統周波数である第1チョッピング周波数でチョッピングして電圧レベルが第1基準電位に対して正側に変化する複数のパルス電圧からなる第1パルス電圧列を、生成する第1チョッパ回路と、
前記第1パルス電圧列の電位を第2基準電位とし、前記第1チョッパ回路の出力を前記第1チョッピング周波数より所定倍高い第2チョッピング周波数でチョッピングして電圧レベルが前記正側の第1パルス電圧列より低電圧で前記第2基準電位に対して負側に変化する複数のパルス電圧からなる第2パルス電圧列を生成すると共に、前記第1、第2パルス電圧列を加算することでそれらが前記第1基準電位に対してその正負両側に交互に正弦波的に変化する第3パルス電圧列を形成する第2チョッパ回路と、
前記第3パルス電圧列を正弦波電圧との差分の正負に応じたタイミングで定まる第3周波数でチョッピングして充放電出力させ、かつ、その充放電出力を、前記第3パルス電圧列と前記正弦波電圧との差分を補正するように、前記第3チョッピング周波数よりも高いPWM周波数でPWM制御すると共に、前記第3パルス電圧列と前記PWM出力とで前記第1基準電位に対して正負両側に連続して変化する正弦波電圧を得ると共に、この正弦波電圧を負荷側に出力する第3チョッパ回路とを具備した発電システムを含む。
【符号の説明】
【0084】
1 太陽電池パネル
2 商用電源
3 パワーコンディショナ
5 第1チョッパ回路
10,11 第1、第2スイッチ素子
6 第2チョッパ回路
12,13 第3、第4スイッチ素子
7 第3チョッパ回路
14,15 第5、第6スイッチ素子(第1組)
16,17 第7、第8スイッチ素子(第2組)
19 コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ直列接続した2つのスイッチ素子を含む第1、第2組と、
これら両組に並列のコンデンサと、
第1組の両スイッチ素子を所定のチョッピング周波数で交互にオンオフし、第2組の両スイッチ素子を前記チョッピング周波数より高いPWM周波数で交互にオンオフする制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、第1組のスイッチ素子の第1直列接続部に正弦波的に変化するパルス電圧列を形成し、前記第2組のスイッチ素子の第2直列接続部に前記パルス電圧列と正弦波電圧との差分に応じた差電圧を形成し、前記第2組の両スイッチ素子のオンオフデューティを制御することで正負両側に変化する正弦波電圧を得るように制御するパワーコンディショナであって、
前記パルス電圧列を正弦波電圧との差電圧が正負に切り替わるタイミングと、前記第2組の両スイッチ素子のオンオフデューティの切り替わりタイミングとのずれを演算し、
前記演算に係るタイミングずれに対応して前記第2組の両スイッチ素子のオンオフデューティを制御する、
ことを特徴とするパワーコンディショナ。
【請求項2】
第1ないし第3チョッパ回路と、制御手段と、を含み、
前記第1チョッパ回路は、直列接続した2つの第1、第2スイッチ素子からなる第1スイッチ回路を含み、前記第1、第2スイッチ素子は、第1チョッピング周波数で交互にオンオフされて前記直流電力源からの直流電圧をチョッピングして電圧レベルが第1基準電位に対して正側の電圧V1の第1パルス電圧列を生成し、
前記第2チョッパ回路は、第2コンデンサと第2スイッチ回路との並列接続回路を含み、前記並列接続回路の並列接続一方側が、前記第1、第2スイッチ素子の直列接続部に接続され、前記第2スイッチ回路は、2つの第3、第4スイッチ素子を直列接続してなり、前記第3、第4スイッチ素子は、前記第2チョッピング周波数で交互にオンオフされて、前記第1パルス電圧列の電位を第2基準電位とし、前記第1チョッパ回路出力をチョッピングして電圧レベルが前記第1パルス電圧列より低電圧で前記第2基準電位に対して負側の電圧V2の第2パルス電圧列を生成すると共に、前記第1、第2パルス電圧列の電圧を加算(V1+V2)して前記第1基準電位に対してその正負両側に交互に正弦波的に変化する第3パルス電圧列を形成し、
前記第3チョッパ回路は、2つの第5、第6スイッチ素子の直列接続を含み、前記第5、第6スイッチ素子の直列接続部が、前記第3、第4スイッチ素子の直列接続部に接続され、前記第5、第6スイッチ素子は、前記第3チョッピング周波数で交互にオンオフされて、前記第3パルス電圧列を正弦波電圧との差分の正負に応じてチョッピングして充放電出力させ、かつ、2つの第7、第8スイッチ素子の直列接続を含み、前記充放電出力を、前記第3パルス電圧列と前記正弦波電圧との差分を補正するように、前記第3チョッピング周波数よりも高いPWM周波数で前記第7、第8スイッチ素子をオンオフすると共に、そのオンオフデューティを制御することで、前記第1基準電位に対して正負両側に連続して変化する正弦波電圧を得るように制御し、
前記制御手段は、前記第3パルス電圧列を正弦波電圧との差電圧の正負に応じてチョッピングするタイミングと、前記第7、第8スイッチ素子のオンオフデューティの切り替わりタイミングとのずれを演算し、かつ、前記タイミングずれに対応して前記第7、第8スイッチ素子のオンオフデューティを制御する、ことを特徴とするパワーコンディショナ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−60856(P2012−60856A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−204317(P2010−204317)
【出願日】平成22年9月13日(2010.9.13)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】