説明

パーソナルケア組成物

アルキレンオキシドとラクトンとを共重合形態で含む、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含むパーソナルケア組成物は、毛髪および皮膚のトリートメントに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なパーソナルケア組成物、詳細にはヘアケアまたはスキンケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプーのようなヘアケア組成物は、頭皮が分泌する余分な汚れや皮脂を除去し、人の毛髪を清浄にするため、日常的に用いられる。しかし、シャンプーをすることは、毛髪を濡らし、もつらせ、そして、一般的には扱いにくい状態にすることがある。乾燥後には、毛髪の自然な油分と、他の自然なコンディショニングおよび保湿成分が除去され、毛髪は粗く、艶が無く、または、縮れ毛になる場合が多い。これらのシャンプー後の問題を軽減するために、様々な取り組みがなされてきた。これらの取り組みは、リーブオン(leave-on)およびリンスオフ(rinse-off)製品のようなヘアコンディショナーをシャンプー後に使うことから、1つの製品で洗浄およびコンディショニングの両方を行うヘアコンディショニングシャンプーにまで及ぶ。カチオン性ポリマーおよびシリコーン系コンディショニング剤のような、広範囲にわたるコンディショニング剤が用いられてきた。ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーの子会社であるAmerchol社から市販されているUCAREポリマーは、シャンプー組成物に用いられる公知のカチオン性ヘアコンディショニングポリマーである。多くのシャンプー組成物は、一般的にはウェット時の毛髪のコンディショニングに性能を発揮するが、ドライ時の毛髪をコンディショニングするには効果的ではない。これらのシャンプー組成物は、毛髪が乾燥している場合は、保湿感、滑らかな手触り、または、柔らかい感触といった、良い効果を十分に提供しないことが多い。一方で、毛髪が乾燥している場合には、シリコーン系コンディショニング剤を含むシャンプー組成物は、多くの場合、乾燥した毛髪の滑らかな感触、柔軟さ、および、光沢といったコンディショニング効果を提供する。しかし、一般的にはシリコーン系コンディショニング剤はシャンプーに溶けないため、その大部分がすすぎ中に毛髪から洗い落とされてしまう。カチオン性ポリマー、すなわち正電荷を有する分子を用いる事により、毛髪へのシリコーンの付着を部分的にコントロール可能である。そのようなカチオン性ポリマーを用いたとしても、シリコーン系コンディショニング剤の多くは付着せず、乾燥した毛髪へのコンディショニング効果が十分に得られない。カチオン性ポリマーを不適切に選択して適用すると、シリコーンの付着が乱雑で歯止めがきかなくなることによって、ボリューム減少という結果を伴い、毛髪が重くなり、過剰にコンディショニングされた感触が引き起こされる。さらに、既知のシリコーン系コンディショニング剤は、一般的には水系のシャンプーに不溶であり、不透明なシャンプー配合物のみに使用可能である。今まで、乾燥した毛髪に適切なコンディショニング効果を有する、透明なシャンプー配合物を製造することは、可能ではなかった。
【0003】
国際特許出願WO03/047540A1は、HLB<10のポリアルキレングリコールアルキルエーテルを0.05重量パーセント以上含み、毛髪が乾燥している場合には、長時間持続する保湿感および毛髪乾燥後の滑らかな感触を得、毛髪が油っぽくならず、また、毛髪が濡れている場合には柔軟性およびまとまりの良さを得ることを目的とする、ヘアシャンプー組成物を開示する。このポリアルキレングリコールアルキルエーテルは、シリコーンと組み合わせて使用可能である。ポリアルキレングリコールアルキルエーテルは、水系のヘアシャンプー組成物に不溶性であり、不透明なシャンプーで有用である。
【0004】
米国特許第5,837,661号は、洗浄性界面活性剤、シリコーンヘアコンディショニング剤、懸濁化剤、および、高分子ポリアルキレングリコールを含む、ヘアコンディショニングシャンプーを開示する。エトキシ化度が1500から25000のポリエチレングリコールが好適である。かかる米国特許は、これらのポリアルキレングリコールが、シリコーン含有シャンプー組成物の毛髪への塗布性を増進させることを開示する。
【0005】
米国特許第6,451,300号は、生物学的利用性のあるフケ防止粒子の量に影響を及ぼすため、フケ防止粒子を含むシャンプー組成物にポリアルキレングリコールを混合することを開示する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
消費者の期待が増大し続けることを考えれば、より良いパーソナルケア組成物には一定の需要がある。従って、本発明の目的の1つは、新規なパーソナルケア組成物、詳細には新規なヘアケアまたはスキンケア組成物、好適には新規なヘアクレンジングまたはスキンクレンジング組成物、または、新規なリーブオン(leave-on)ヘアケアまたはスキンケア組成物を提供することである。本発明の好ましい目的は、ウェット時の毛髪もしくはドライ時の毛髪、または、その両方に十分なコンディショニング効果を有し、透明または不透明な配合物として配合可能であり、シリコーン系成分の存在下または不存在下で配合可能な、新規ヘアケア組成物を提供することである。本発明の他の好ましい目的は、シリコーン系成分のような有益な添加剤が毛髪によく付着する、有効新規ヘアケア組成物を提供することである。本発明のさらに他の好ましい目的は、ウェット時もしくはドライ時の毛髪、またはその両方に、改良された好ましい感触を提供する、新規なヘアケア組成物を提供することである。本発明のさらに他の好ましい目的は、ウェット時もしくはドライ時の毛髪、またはその両方に、改良された櫛通り(comb-ability)を提供する、新規なヘアケア組成物を提供することである。本発明のさらに他の好ましい目的は、改良された保湿されたおよび/または柔らかい皮膚の感触を提供する、新規なスキンケア組成物を提供することである。本発明のさらに他の好ましい目的は、改良された保湿およびスキンバリア効果を提供する、新規なリーブオンスキンケア組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの態様は、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含むパーソナルケア組成物であり、前記ポリマーはアルキレンオキシドおよびラクトンを共重合された形態で含む。
【0008】
本発明の他の態様は、本発明のパーソナルケア組成物を毛髪または皮膚に施用することによる、毛髪または皮膚のトリートメント方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
前記アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーは、アルキレンオキシドとラクトンとを共重合形態で含む。「アルキレンオキシドとラクトンを共重合形態で含む」という表現は、ポリマーが1種類以上のアルキレンオキシドと、1種類以上のラクトンを共重合形態で含むことを意味する。最も好適には、前記ポリマーは、1または2種類のアルキレンオキシドと1種類のラクトンを共重合形態で含む。ラクトンとアルキレンオキシドを共重合形態で含むアルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーは公知であり、例えば、これら全てが参照によって全体的に本明細書の一部となる、米国特許第3,312,753号、第3,689,531号、第4,291,155号、および、第5,525,702号を参照。これらの特許に、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを、パーソナルケア組成物中に含むことを示唆するものはない。米国特許第5,525,702号は、非イオン性界面活性剤および発泡抑制剤としてこれらのポリマーを用いることを開示する。
【0010】
本発明のパーソナルケア組成物は、一般的には、組成物の総重量を基準として、0.01から10、好適には0.05から5、より好適には0.5から2パーセントのアルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含む。
【0011】
アルキレンオキシドおよびラクトンから誘導される単位は、米国特許第3,312,753号、第3,689,531号、第4,291,155号に開示のようにブロック状に配置されることが可能であり、または、ランダムに配置されることが可能である。1つ以上のラクトンと1つ以上のアルキレンオキシドとのランダムコポリマーおよびブロックコポリマーは、米国特許第5,525,702に記載されている。ランダムアルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーは、キャッピング無しでもよく、または、ランダムコポリマーの製造に用いられるものと同一のおよび/または1つ以上の異なるアルキレンオキシドを含むアルキレンオキシドブロックでキャッピングしてもよい。
【0012】
アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーは、好適には共重合形態の以下式(I)のアルキレンオキシドA、および、以下式(II)のラクトンB.を含む。
【0013】
アルキレンオキシドAは以下式で表される。
【0014】
【化4】

【0015】
[式中、各Rは独立に、水素、C1〜C12、好適にはC1〜C6アルキル、C1〜C12、好適にはC1〜C6ハロアルキル、もしくは、C1〜C12、好適にはC1〜C6アルコキシ基であり、または、式中、2つのR置換基は隣接する両方のエポキシ炭素と一緒に、飽和もしくはモノエチレン性不飽和脂環式炭化水素環、好適には炭素が5つまたは6つのものを形成する。好適なアルキレンオキシドモノマーは2から12の炭素原子を含み、および、代表的なアルキレンオキシドモノマーとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、1,2−エポキシドデカン、シクロペンテンオキシド、シクロヘキセンオキシド、および、エピクロロヒドリンが挙げられる。ブチレンオキシド、特に1,2−ブチレンオキシドおよびプロピレンオキシドが、より好適なアルキレンオキシドモノマーである。アルキレンオキシド成分は、2つ以上の異なるアルキレンオキシドを含んでいてもよく(例:エチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合物)、一般的には単一のアルキレンオキシドから構成される。
【0016】
本発明で用いるラクトンBは、4つ以上の炭素を環中に含む、任意のラクトンまたはラクトンの組合せであってもよい。好適なラクトンは以下式で示されるものである。
【0017】
【化5】

【0018】
[式中、nは2以上、好適には3から5であり、各R’は独立に水素、C1〜C8アルキル、好適にはC1〜C4アルキル、シクロヘキシル、C1〜C8アルコキシ、好適にはC1〜C4アルコキシ、または、単環芳香族炭化水素基であり、ただし、4つ以上のR’は水素である。]
【0019】
好適なラクトンとしては、非置換イプシロン−カプロラクトン、環内の炭素原子が1つ、2つまたは3つのC1〜C4アルキル基で置換されたイプシロン−カプロラクトン、ならびに、非置換デルタ−バレロラクトンおよびガンマ−ブチロラクトンが挙げられる。好適なε−カプロラクトンは、以下式のものである。
【0020】
【化6】

【0021】
[式中、各R’’は独立に、水素またはC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ基であり、ただし、3つ以下のR’’置換基は水素以外の基である。最も好適なラクトンは、非置換ε―カプロラクトンである。]
【0022】
ラクトンの製造は周知であり、米国特許第5,525,702号に記載されている。
【0023】
前記アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーは、例えば米国特許第3,312,753号、第3,689,531号、第4,291,155号、および、第5,525,702号に記載のように、1つ以上の上記記載のアルキレンオキシドと、1つ以上の既知のラクトンから製造可能である。一般的にこの重合プロセスには連鎖開始剤および触媒を用いる。連鎖開始剤は、ジ−、トリ−、または、テトラ−官能性のような単官能性または多官能性でよく、官能サイトは一般的に反応性水素を含む。好適な連鎖開始剤は、例えば1分子に2つ以上の活性水素原子を含むものであり、例としては、米国特許第4,291,155号のカラム4、45〜52行に記載のもののような、多官能性アルコール、アミン、メルカプタン、フェノールまたはポリカルボン酸、米国特許第3,689,531号のカラム4,18〜35行に記載のもののような有機モノヒドロキシル開始剤、または、米国特許第5,525,702号のカラム3、62〜67行、および、カラム4、1〜29行に開示されている連鎖開始剤である。有用な触媒および反応条件は、上述の特許公開に記載されている。
【0024】
前記アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーは、好適には1から99、より好適には50から98、最も好適には50から80モルパーセントの1つ以上のエチレンオキシド、および、1から99、より好適には2から50、最も好適には20から50モルパーセントの1つ以上のラクトンを共重合形態中に含む。ポリマーの重量平均分子量は、好適には200から100000、より好適には500から20000、最も好適には1000から5000、特に2000から4000である。重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)分析に基づき決定する。
【0025】
本発明の1つの態様においては、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーはアルキレンオキシドでキャッピングされ、前記アルキレンオキシドはポリマーの形成に用いられたアルキレンオキシドど同一でもよいが、好適には異なっている。好適には、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーは、式Iのアルキレンオキシドと式IIのラクトンとを、ランダムに共重合された形態で含み、かかるポリマーは式Iのアルキレンオキシド、最も好適にはエチレンオキシドが重合されたブロックでキャッピングされている。かかるポリマー性ブロックは、単一のモノマーを用いる場合はホモポリマーから構成され、または、複数のモノマーを用いる場合はコポリマーから構成される、キャッピング段階より生成する。キャッピングされたポリマーの実例としては、重量平均分子量が300超、好適には750から20000、より好適には750から4000であり、ポリマーの総重量平均分子量を基準とした最終エチレンオキシド重量パーセントが0を超えて90まで、好適には5から80、より好適には10から40である、(ブチレンオキシド/ラクトン)または(プロピレンオキシド/ラクトン)コポリマーを含む、(ブチレンオキシド/ラクトン)−エチレンオキシドおよび(プロピレンオキシド/ラクトン)−エチレンオキシドポリマーが挙げられる。一部の態様においては、キャッピングブロックは、重合された、イプシロン−カプロラクトンのようなアルキレンオキシド以外のモノマー単位を含むことができる。
【0026】
本発明の他の態様においては、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーは、キャッピングされないままである。
【0027】
本発明のパーソナルケア組成物は、一般的には水性希釈剤、好適には水または1つ以上の低級アルキルアルコールの水溶液、好適には1から6つの炭素を有する一価アルコール、より好適にはエタノールまたはイソプロパノールの水溶液を含む。 好適には、前記水性希釈剤は、実質的には水である。本発明のパーソナルケア組成物のpHは、好適には4から9、より好適には4.5から7.5である。緩衝液および他のpH調整剤を含有させ、望ましいpHを達成することができる。
【0028】
本発明のパーソナルケア組成物はさらに、ヘアケアまたはスキンケア製品に用いられる既知の任意成分を1つ以上含んでもよく、ただし、かかる任意成分は物理的および化学的に本明細書記載の必須成分と相溶性があるか、他の点で製品の安定性、美観または性能を過度に損なわないことが条件となる。当該任意成分の個別の濃度は、一般的にパーソナルケア組成物の0.001から10重量パーセントの範囲である。
【0029】
パーソナルケア組成物に用いる任意成分の非制限的な例としては、カチオン性ポリマー、粒子、コンディショニング剤(例えば炭化水素油、脂肪酸エステルまたはシリコーン)、フケ防止剤、懸濁化剤、増粘剤のような粘度改良剤、色素、不揮発性溶剤もしくは希釈剤(水溶性および水不溶性)、真珠光沢助剤、発泡促進剤、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマー以外の界面活性剤、pH調整剤、香料、保存料、キレート剤(chelant)、プロテイン、スキン活性化剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、ならびに、ビタミンが挙げられる。本発明のパーソナルケア組成物に好適な任意成分の一部を、以下により詳細に記載する。
【0030】
本発明のパーソナルケア組成物は、好適には、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーに加えて、1つ以上のカチオン性ポリマーを含む。かかるカチオン性ポリマーが存在する場合の総量は、好適には、組成物の総重量を基準として0.01から10、より好適には0.05から2、最も好適には0.1から0.5パーセントである。カチオン性ポリマー対アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーの重量比は、好適には0.01から1:1、より好適には0.1から0.5:1である。
【0031】
好適なカチオン性ポリマーは、国際特許出願WO03/047540A1の10〜15ページに記載されており、かかる出願の教示は参照によって本明細書の一部とする。好適なカチオン性ポリマーのカチオン電荷密度は、パーソナルケア組成物に意図される用途におけるpHで、0.4meq/gm以上、好適には0.5meq/gm以上であるが、また好適には7meq/gm未満、より好適には5meq/gm未満である。最も好適なカチオン電荷密度は、0.5から2.1meq/gmである。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は、10000から1千万、好適には50000から5百万、より好適には100000から3百万である。ポリマーの「カチオン電荷密度」とは、本明細書で用いられる限り、ポリマーが構成されるモノマー性単位の正電荷数対前記モノマー性単位の分子量の比をさす。カチオン電荷密度をポリマー分子量で除すと、所定のポリマー鎖上の正電荷を有するサイト数が決定される。カチオン性ポリマーは、好適には第四アンモニウムのようなカチオン性窒素含有原子団、または、カチオン性プロトン化アミノ原子団を含む。カチオン性プロトン化アミンは、第一、第二または第三アミンでもよい。カチオン性ポリマーと共に、既知のアニオン対イオン、好適にはクロリド、フロリド、ブロミドもしくはヨージドのようなハリド、または、スルファートもしくはメチルスルファートを用いることが可能である。
【0032】
好適なカチオン性ポリマーは、参照によって本明細書の一部となる、米国特許第第3,472,840号、第3,962,418号、第4,663,159号、および、米国特許第5,407,919号に記載のような、第四窒素含有ポリサッカリド、好適には第四窒素含有セルロースエーテルである。特に好適なのは、第四窒素含有ヒドロキシエチルセルロースである。好適なカチオン性ポリマーの例は、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩で、産業界ではトイレ化粧品・香料工業協会(CTFA)によってPolyquaternium-10とよばれ、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーの子会社であるAmerchol社から、UCARE(商標)Polymer JR-125、UCARE Polymer JR-400、UCARE Polymer KF、UCARE Polymer JR-30M、UCARE Polymer LR-400、UCARE Polymer LR-30M、および、UCARE Polymer LKとして市販されている。他の好適なカチオン性ポリマーの例は、CTFAによってPolyquaternium-67とよばれる。これらは、Amerchol社からSoftCAT(商標) SL 5、SoftCAT SL 30、SoftCAT SL 60、SoftCAT SL 100、SoftCAT SK-L、SoftCAT SK-M、SoftCAT SK-M、SoftCAT SK-MH およびSoftCAT SK-Hとして市販されている。好適なカチオン性ポリマーの他の例は、産業界においてCTFAによってPolyquaternium-7とよばれるCAS登録番号026590−05−6のもの、および、CTFAによってPolyquaternium-44とよばれるものである。他の好適なカチオン性セルロースエーテルとしては、ヒドロキシエチルセルロースをラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたポリマー性第四アンモニウム塩で、産業界(CTFA)でPolyquaternium 24とよばれるものが挙げられる。他の好適なカチオン性ポリマーとしては、カチオン性ガーゴム(guar gum)誘導体およびカチオン性スターチ誘導体が挙げられる。
【0033】
本発明のパーソナルケア組成物は、1つ以上のコンディショニング剤を含んでいてもよい。コンディショニング剤としては、毛髪および/または皮膚に特定のコンディショニング効果を有する任意の物質が挙げられる。ヘアトリートメント組成物において、好適なコンディショニング剤は、光沢、柔軟性、櫛通り、静電気防止特性、ウェット感、ダメージ、管理しやすさ、ボリューム、および、べとつきに関し1つ以上の効果を発揮するものである。肌トリートメント組成物においては、好適なコンディショニング剤は、保湿および柔軟感に関して1つ以上の効果を発揮するものである。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、一般的に、乳化した液体粒子を形成するか、または、界面活性剤ミセルによって可溶化される、水不溶性、水分散性、不揮発性、液体を含む。
【0034】
好適なコンディショニング剤は、シリコーン油、カチオン性シリコーン、シリコーンゴム、高屈折シリコーンおよびシリコーン樹脂のような、一般的にシリコーンといわれるシリコーン系化合物、または、炭化水素油、ポリオレフィン、および、脂肪酸エステルのような、有機コンディショニング油、または、これらの組合せである。かかるコンディショニング剤が存在する場合の総量は、好適には、組成物の総重量を基準として0.01から10、より好適には0.05から5、最も好適には0.1から1.0パーセントである。パーソナルケア組成物におけるそのようなコンディショニング剤アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーの重量比は、好適には0.01から5:1、より好適には0.1から1:1である。好適なシリコーンは、国際特許出願WO03/047540A1の16〜26ページに記載されており、かかる出願の教示は参照によって本明細書の一部とする。炭化水素油、ポリオレフィンおよび脂肪酸エステルのような好適な有機コンディショニング油は、国際特許出願WO03/047540A1の26〜29ページに記載されており、かかる出願の教示は参照によって本明細書の一部とする。好適なシリコーン油としては、ポリアルキルまたはポリアリールシロキサンが挙げられる。シロキサン鎖上に置換される脂肪族またはアリール基は、得られるシリコーンが室温で液体を保持し、疎水性であり、毛髪または皮膚に適用した場合に、刺激性、毒性または他の有害性のいずれでもない限りは、任意の構造を有していてもよい。各モノマー性シリコーン単位のシリコン原子は、好適には2つの脂肪族またはアリール基で置換され、これらは異なる基を示してもよいが、好適にはこれらは同一の基を示す。好適なアルキルおよびアルケニル置換基はC1からC5、より好適にはC1からC4、最も好適にはC1からC2アルキルおよびアルケニルである。好適なシリコーンの非制限的な具体例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、および、ポリメチルフェニルシロキサンが挙げられる。ポリジメチルシロキサンが特に好適である。
【0035】
さらに、本発明のパーソナルケア組成物は、1つ以上の界面活性剤を含んでいてもよい。かかる界面活性剤が存在する場合の総量は、好適には、組成物の総重量を基準として5から30、より好適には10から20パーセントである。好適な界面活性剤の1種は、国際特許出願WO03/047540A1の3〜8ページに記載されている洗浄性界面活性剤であり、かかる出願の教示は参照によって本明細書の一部とする。アニオン性、非イオン性、両性イオン性、両性界面活性剤、および、それらの混合物が好適である。好適な界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤とアニオン性界面活性剤との混合物が挙げられる。有用な両性イオン性界面活性剤は、米国特許第3,929,678号に記載されている。
【0036】
本明細書において有用なアニオン性界面活性剤は、1981年8月25日発行のBarrat et al出願の米国特許第4,285,841号、および、1975年12月30日発行のLaughlin et al出願の米国特許第3,919,678号に開示されている。好適なアニオン性界面活性剤としては、C11〜C18アルキルベンゼン界面活性剤スルホナートおよび第一級または分枝鎖C10〜C20アルキルスルファート、オレイルスルファートのような不飽和スルファート、C10〜C18アルキルアルコキシスルファート、特に1〜7エトキシ基を含むもの、C10〜C18アルキルアルコキシカルボキシラート、特に1〜7エトキシ基を含むもの、C10〜C18グリセロールエーテル、C10〜C18アルキルポリグリコシドおよびそれらの対応する硫酸化ポリグリコシド、および、C12〜C18アルファ−スルホン化脂肪酸エステルが挙げられる。他の有用なアニオン性界面活性剤としては、その分子構造中に約10から約20の炭素原子を含むアルキル基およびスルホン酸または硫酸エステル基を含む有機硫酸化反応生成物との、水溶性塩、特にアルカリ金属、アンモニウムおよびアルキロールアンモニウム塩、例えばモノエタノールアンモニウムまたはトリエタノールアンモニウム塩が挙げられる。本明細書において有用な他のアニオン性界面活性剤は、アルキルフェノールエチレンオキシドエーテルスルファートの水溶性塩、および、アルファ−スルホン化脂肪酸のエステルの水溶性塩である。脂肪酸に基づくアニオン性界面活性剤としては、自然源から得られた、または、合成的に製造された飽和および/または不飽和脂肪酸が挙げられる。好適な脂肪酸の例としては、カプリ酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、および、ベヘン酸が挙げられる。他の脂肪酸としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、および、リシノール酸が挙げられる。特に好適な界面活性剤の例は、脂肪酸塩、スルホン酸塩または第四アンモニウム塩、および、特にラウリル硫酸ナトリウム(SLS)またはラウレス硫酸ナトリウム(SLES)である。
【0037】
本明細書において好適な非イオン性界面活性剤は、1975年12月30日発行のLaughlin et al出願の米国特許第3,929,678号、および、1981年8月25日発行のBarrat et al出願の米国特許第4,285,841号に開示されている。有用な非イオン性界面活性剤の具体的、非制限的な種類としては、1〜22のエチレンオキシド単位を有する、C8〜C18アルキルエトキシラート、および、C6〜C12アルキルフェノールアルコキシラート、特に、エトキシラートおよび混合エトキシラート/プロポキシラート、アルキルジアルキルアミンオキシド、アルカノイルグルコースアミド、および、それらの混合物が挙げられる。他の有用な非イオン性界面活性剤は、アルキルフェノールのポリエチレン、ポリプロピレン、および、ポリブチレンオキシド縮合物である。これらの化合物は一般的にアルキルフェノールアルコキシラート、特にアルキルフェノールエトキシラートとよばれる。さらなる有用な非イオン性界面活性剤は、脂肪族アルコールと1から25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。脂肪族アルコールのアルキル鎖は直鎖または分枝状、第一級または第二級であることが可能であり、一般的には8から22の炭素原子を含む。この非イオン性界面活性剤のカテゴリーは、一般的には「アルキルエトキシラート」とよばれる。他の有用な非イオン性界面活性剤は、プロピレンオキシドとプロピレングリコールの縮合によって生成した、エチレンオキシドと疎水性塩基との縮合生成物である。さらなる有用な界面活性剤は、エチレンオキシドと、プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応から得られる生成物との縮合生成物である。脂肪酸アミド界面活性剤、C12〜C18ベタインおよびスルホベタイン(スルタイン)もまた既知の界面活性剤である。
【0038】
本発明のパーソナルケア組成物は、1つ以上の粘度改良剤、特に1つ以上のポリマー性増粘剤を含んでいてもよい。かかる粘度改良剤が存在する場合の総量は、好適には、組成物の総重量を基準として0.02から10、より好適には0.5から2、最も好適には0.1から1.0パーセントである。本明細書において非常に有用な市販の粘度改良剤としては、Noveon, Inc.から市販のCarbopol 934、Carbopol 940、Carbopol 950、Carbopol 980、およびCarbopol 981という商品名のカルボマー、全てHerculesにより供給されるBENECELという商品名のメチルセルロース、NATROSOLという商品名のヒドロキシエチルセルロース、KLUCELという商品名のヒドロキシプロピルセルロース、POLYSURF 67という商品名のセチルヒドロキシエチルセルロース、全てAmercholにより共有されるCARBOWAX PEG、POLYOX WSR、および、UCON FLUIDSという商品名のエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド系ポリマー、CELLOSIZEという商品名のヒドロキシエチルセルロース、ならびに、The Dow Chemical Companyより供給されるMETHOCELという商品名のメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。
【0039】
本発明のパーソナルケア組成物は、場合により、粒径が300マイクロメートル未満、より好適には0.01から80マイクロメートルの粒子を含む。一般的な粒子のレベルは、色素パーティクルのような組成物の特定の目的のために選択する。意外なことに、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーは、ヘアケアまたはスキンケア組成物、特にヘアクレンジングまたはスキンクレンジング組成物またはリーブオンヘアケアまたはスキンケア組成物のようなパーソナルケア組成物に予想外の利点を提供することが発見された。予想外なことに、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含む本発明のスキンケア組成物は、改良された皮膚の保湿感および/または柔軟感を示すことが発見された。さらに、予想外なことに、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含む本発明のリーブオンスキンケア組成物は、はっきりと改良された保湿またはスキンバリア効果を数時間示すことが発見された。本発明のリーブオンスキンケア組成物は、長時間持続する保湿または長時間持続する水分補給を提供する。本発明のリーブオンスキンケア組成物はスキンローション、日焼けローション、リップスティックおよびメイクアップの材料として、または、前記用途として用いるのに特に有用である。本発明のリーブオンスキンケア組成物は、インスタントスムージングクリームのようなリーブオンヘアコンディショナーの材料として、または当該用途として用いるのに特に有用である。本発明のリーブオンスキンケア組成物は、べとつきまたはねばつきなく保湿を提供する。
【0040】
予想外なことに、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含む本発明のヘアケア組成物は、シリコーン系成分のような有効な添加剤が毛髪へよく付着することを示すことが発見された。さらに、予想外なことに、本発明のヘアケア組成物は、毛髪のボリュームを抑制するのに有益なことが発見された。例えば、本発明のリンスオフヘアケア組成物でトリートメントした縮毛は、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含まないヘアケア組成物でトリートメントした縮毛と比較して、ボリュームが減少する。また、消費者の一部は、ボリュームが少なく滑らかな毛髪を好む。本発明のヘアケア組成物はまた、これらの需要を充足させるために有用でもある。予想外なことに、本発明のヘアケア組成物は、ウェット時もしくはドライ時の毛髪に改良されたよい感触を、または、ウェット時もしくはドライ時の毛髪に改良された櫛通りを、または、その両方を与えることが発見された。さらに、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含む本発明のパーソナルケア組成物は、透明または不透明な配合物として配合可能であり、および、シリコーン系成分の存在下または不存在下で配合可能であることが発見された。本発明の組成物は特に、2イン1配合(two-in-one formulation)およびフケ防止配合のような、透明または不透明なシャンプー配合に特に有用である。本発明のパーソナルケア組成物は、毛髪または皮膚に既知の方法で適用可能である。これらは好適には、ヒトの毛髪または皮膚に適用され、しかし、パーソナルケア組成物の使用はそれらに限られない。これらは動物にも、好適にはイヌのようなほ乳類にも適用可能である。
【0041】
本発明は以下の実施例によってさらに説明されるが、これらは本発明の範囲を制限するものと解釈されてはならない。特に記載のない限り、すべての部およびパーセンテージは、重量基準である。
【実施例】
【0042】
実施例1〜8および比較実施例A〜E
ウェット時の櫛通りの評価方法
ウェットコーミングワーク(wet combing work、WCW)は、International Hair Importers and Products Inc.より入手可能な、ヨーロッパ人の一回ブリーチされた毛髪の濡れた束を通して櫛を引っ張る時に、インストロン引張試験器のロードセルを用いて測定する。以下の表IおよびIIに記載のシャンプー組成物のウェット時の櫛通りは、表IおよびIIの実施例1および2ならびに比較実施例AおよびBのシャンプー組成物でトリートメントした毛髪の束を、15.5重量パーセントのナトリウムラウレト−2−スルファート、2.5重量パーセントのナトリウムココアンホジアセタート、pHを5.7に調整するためのクエン酸(10%)、および、0.4重量パーセントのGLYDANT(商標)を含み、残余は水であるコントロール組成物でトリートメントした毛髪の束と比較して、ウェットコーミングワーク後(WCWD減少)のパーセント減少に関して以下のように算出する。
【0043】
%WCWD 減少=[(WCWDコントロール−WCWDシャンフ゜ー済ミ)/WCWDコ ントロール]×100
【0044】
[式中、コントロールとは、毛髪の束が上述のコントロール組成物でトリートメントされことを意味し、シャンプー済みとは、毛髪の束が下記の表IおよびIIに記載の材料を含むシャンプー組成物でトリートメントされることを意味する。]
【0045】
シリコーン付着の評価
シリコーン油を含むシャンプー組成物でトリートメントした毛髪に付着したシリコーンの総量を、以下のように測定する。International Hair Importers and Products Inc. NY (USA)で市販の、ヨーロッパ人のバージンブラウンの毛髪をこの試験に用いる。5グラムの毛髪を、下記表IIに記載のシャンプー組成物0.5グラムでトリートメントする。メチルブチルケトンおよびトルエンの体積比1:1の混合物で抽出して、続いての原子吸光分光による決定に基づき、毛髪上のシリコーンの総量を、毛髪1グラムあたりのマイクログラムシリコーンで測定する。
【0046】
ウェットおよびドライ感触の好みならびにウェットおよびドライ櫛通りのパネルスタディ
10人のパネルに、2重に、毛髪の束を触り、櫛ですくことを依頼する。各パネリストに、実施例2の組成物でトリートメントされた毛髪と、比較実施例Bの組成物でトリートメントされた毛髪とを比較し、どちらの束が櫛通りおよび感触が滑らかであるか述べることを依頼する。「同じ」という回答は認められない。
【0047】
ボディウォッシュ組成物のドライスキン感触およびすすぎ特性のパネルスタディ
10人のパネルに、皮膚の感覚試験を依頼する 0.5グラムのボディウォッシュ組成物をパネリストの腕につけ、4.5グラムの水を加える。パネリストは製品を前腕の掌側に塗り、後に洗浄する。洗浄後、腕を10分間乾燥させる。洗浄の容易さと、乾燥後の皮膚の保湿感を記録し、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含むサンプルと含まないサンプルとを比較する。
【0048】
経表皮水分損失(TEWL試験)
TEWLは、皮膚を通じての僅かな水分損失であり、能動的な発汗とは区別され、はっきりと異なる。高TEWLは、皮膚の保護機能が低下していることを示す。TEWL試験方法においては、50マイクロリットルの試験配合物を、1インチ×1インチ(2.5cm×2.5cm)の範囲で、6人のパネリストの前腕の掌側に適用する。30分後、4時間後、6時間後および24時間後に蒸発計試験を行い、テワメーター(Tewameter)機器を用いて水分損失を測定する。TEWL試験の結果が低ければ低いほど、スキンバリア効果が高い。
【0049】
水分補給試験(保湿効果)
保湿効果を、コルネオメーター測定によって、測定する。この試験方法においては、50マイクロリットルの試験配合を、1インチ×1インチ(2.5cm×2.5cm)の範囲で、6人のパネリストの前腕の掌側に適用する。コルネオメーターに表示される値は、スキンケア組成物でトリートメントされる前後の皮膚の表面の保湿の程度を示し、すなわち、かかるユニットは皮膚表面の保湿の状況または変化を表示する。コルネオメーターの評価が高ければ高いほど、スキンケア配合の保湿効果が高い。
【0050】
実施例1〜8および比較実施例A〜Eのヘアケアおよびスキンケア組成物の成分
米国特許第5,525,702号に記載の方法に基づき製造された、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマー
コポリマー4125:エチレンオキシドのホモポリマーブロックでキャッピングされた、ε−カプロラクトンとプロピレンオキシドとのランダムコポリマー かかるポリマーは、28重量パーセントε−カプロラクトン単位、47重量パーセントプロピレンオキシド単位、および、25重量パーセントエチレンオキシド単位を重合形態で含む。重量平均分子量は4000である。
【0051】
コポリマー2187:28重量パーセントε−カプロラクトンおよび72重量パーセントプロピレンオキシドのランダムコポリマー 重量平均分子量は2000である。
【0052】
コポリマー4113:40重量パーセントε−カプロラクトンおよび60重量パーセントエチレンオキシドのランダムコポリマー 重量平均分子量は2000である。
【0053】
カチオン性ポリマー
UCARE(商標)ポリマーJR400:The Dow Chemical Company の子会社であるAmerchol Corp.より市販の、2パーセント溶液粘度が300〜500cPs(mPA.s)であり、1.5〜2.2パーセント窒素を含む、ポリクオタニウム−10
【0054】
UCARE(商標)ポリマーJR30M:1wt%水溶液で測定した粘度が1,250〜2,250cps(mPa.s)、カチオン性窒素含有量がセルロースエーテルの総重量を基準として1.5から2.2パーセントのカチオン性改質ヒドロキシエチルセルロース ポリマーは、Amerchol Corp.から市販されている。
【0055】
シリコーン:
高分子量ポリジメチルシロキサンの非イオン性エマルジョンであり、Dow Corning(登録商標)1664エマルジョンとして市販されている。
【0056】
界面活性剤:
ナトリウムラウレト−2−スルファートおよびナトリウムココアンホジアセタート
【0057】
粘度改良剤
メトキシル置換が28〜30パーセント、ヒドロキシプロポキシル置換が7〜12パーセント、および、2重量パーセント水溶液として測定した見かけ粘度が約4000mPa.sである、ヒドロキシプロピルメチルセルロース The Dow Chemical CompanyからMethocel E-4Mとして市販されている。
【0058】
他の添加剤
ジメチルオルジメチルヒダントインを保存料として用いる。トイレ化粧品・香料工業協会(CTFA)によって、パーソナルケア製品向けと認識され、LONZA Inc.よりGLYDANTの商標で市販されている。
【0059】
クエン酸を10パーセント水溶液として、pH調整に用いる、
【0060】
皮膚保湿剤としてヒマワリ種油を用いる。
【0061】
エチレングリコールジステアレートを、乳白剤として用いる。
【0062】
セテアリルアルコール/セテアレス20は、ローションで乳化剤および増粘剤として一般的に用いられる添加剤である。
【0063】
IPM、イソプロピルミリスチン酸エステルは、Alzo International Inc.からDermolの商標名で市販の皮膚柔軟剤エステルである。
【0064】
カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドは、Alzo International Inc.からDermol M−5の商標名で市販の皮膚柔軟剤エステルである。
【0065】
以下の成分を用いて、透明および不透明のヘアおよびスキンケア組成物を製造する。以下の表中のパーセンテージは全て組成物の重量によるものである。水を用いて、組成物を全部で100パーセントとする。
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【0068】
表IおよびIIの結果は、ヘアケア組成物におけるアルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーの予想外の効果を示す。
【0069】
以下の成分を用いて、透明および不透明のボディウォッシュ組成物を製造する。以下の表中のパーセンテージは全て組成物の重量によるものである。水を用いて、組成物全重量を基準として組成物を全部で100パーセントとする。
【0070】
【表3】

【0071】
表IIIの結果は、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーがスキンケア組成物に、皮膚に対する改良された保湿感を与えることを示す。
【0072】
【表4】

【0073】
表IVの結果は、ほとんどのパネリストが、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含む組成物が、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含まない対照組成物よりも、洗浄が容易、または、同等以上に容易であると感じることを示す。既知の油含有ボディウォッシュ組成物は、洗浄することが難しいことが顕著な欠点である。
【0074】
以下の成分を用いて、リーブオンスキンケア製品を製造する。表V中のパーセンテージは全て組成物の重量によるものである。水を用いて、組成物全重量を基準として組成物を全部で100パーセントとする。
【0075】
【表5】

【0076】
本発明の配合は、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含まない、または、周知の皮膚柔軟剤であるカプリル酸/カプリン酸トリグリセリドを対照的により多量含む比較組成物よりも、水分補給試験による測定において、良好な保湿効果を示す。本発明の配合の改良された保湿効果は、長期持続する。本発明の配合はまた、TEWL試験の測定において、比較組成物よりも良好な24時間後のスキンバリア効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキレンオキシドとラクトンとを共重合形態で含む、アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含むパーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーが、
A.式(I)のアルキレンオキシド、
【化1】

[式中、各Rは独立に、水素、C1〜C12アルキル、C1〜C12ハロアルキル、もしくは、C1〜C12アルコキシ基であり、または、式中、2つのR置換基は隣接する両方のエポキシ炭素と一緒に、飽和もしくはモノエチレン性不飽和脂環式炭化水素環を形成する。]
B.式(II)のラクトン、
【化2】

[式中、nは2以上であり、各R’は独立に水素、C1〜C8アルキル、シクロヘキシル、C1〜C8アルコキシ、または、単環芳香族炭化水素基であり、ただし、4つ以上のR’は水素である。]
を共重合形態で含む、請求項1のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーが、アルキレンオキシドおよびラクトンを、ランダムに共重合した形態で含む、請求項1または2のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーが、式Iのアルキレンオキシドおよび式IIのラクトンをランダムに共重合した形態で含み、前記ポリマーが、重合した式Iのアルキレンオキシドのブロックによってキャッピングされている、請求項2のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマー中の前記アルキレンオキシドが、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、または、ブチレンオキシドである、請求項1から4のいずれかのパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーが、重合したエチレンオキシドのブロックでキャッピングされている、請求項4または5のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記アルキレンオキシド−ラクトン系ポリマー中の前記ラクトンが、ε−カプロラクトンである、請求項1から6のいずれかのパーソナルケア組成物。
【請求項8】
前記ε−カプロラクトンが、式(III)で表される、請求項7のパーソナルケア組成物。
【化3】

[式中、各R’’は独立に、水素またはC1〜C4アルキルもしくはC1〜C4アルコキシ基であり、ただし、3つ以下のR’’置換基は水素以外の基である。]
【請求項9】
前記ε−カプロラクトンが、非置換ε−カプロラクトンである、請求項8のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
前記組成物の総重量を基準として、0.05から5パーセントのアルキレンオキシド−ラクトン系ポリマーを含む、請求項1から9のいずれかのパーソナルケア組成物。
【請求項11】
カチオン性ポリマーをさらに含む、請求項1から10のいずれかのパーソナルケア組成物。
【請求項12】
前記組成物の総重量を基準として、0.05から2パーセントのカチオン性ポリマーを含む、請求項11のパーソナルケア組成物。
【請求項13】
シリコーンをさらに含む、請求項1から12のいずれかのパーソナルケア組成物。
【請求項14】
ヘアまたはスキンクレンジング組成物の形態である、請求項1から13のいずれかのパーソナルケア組成物。
【請求項15】
リーブオンヘアまたはスキンケア組成物の形態である、請求項1から13のいずれかのパーソナルケア組成物。
【請求項16】
請求項1から15のいずれかの前記パーソナルケア組成物を毛髪または皮膚に施用して、前記毛髪または皮膚をトリートメントする方法。

【公表番号】特表2008−543753(P2008−543753A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515711(P2008−515711)
【出願日】平成18年5月9日(2006.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/017974
【国際公開番号】WO2006/135512
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】