説明

パーソナルサービスユニットを乗り物に取り付ける構造

【課題】乗り物へのパーソナルサービスユニットの組付を簡単にする。
【解決手段】乗り物において乗客用座席の上方に配置される少なくとも1つのパーソナルサービスユニットを乗り物に取り付ける構造は、上部が乗り物の天井側に取り付けられる少なくとも1つのレール10と、レール10の下部にパーソナルサービスユニットを固定する少なくとも1つの取付コンポーネント12と、を含んで構成される。レール10の下端面には少なくとも1つの導線22が配置される。取付コンポーネント12の本体26の上端面には少なくとも1つの集電装置32が配置される。パーソナルサービスユニットが取付コンポーネント12を介してレール10に固定された状態において、集電装置32が導線22に導電接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのパーソナルサービスユニットを乗り物に取り付ける構造に関する。
【背景技術】
【0002】
バスおよび特に航空機のような乗り物では、通常、乗客用座席の上方にパーソナルサービスユニットが取り付けられており、このパーソナルサービスユニットには、たとえば読書灯、スピーカおよびエンターテイメントユニットのような装置、ならびに新鮮な空気を供給する手段が配置されていてよい。旅客機において使用されるパーソナルサービスユニットは、典型的な場合、乗客用の酸素緊急供給装置も含んでいる。
【0003】
パーソナルサービスユニットに配置されたこのような装置へのエネルギー供給、およびこのようなパーソナルサービスユニットないしそこに配置された装置への制御信号の伝送は、通常、当該乗り物の天井側の供給導管に配置されたケーブルを通じて行われる。使用されるケーブルは、それぞれのパーソナルサービスユニットへと通じる多数のケーブル分岐部を有しており、その端部には、パーソナルサービスユニットに配置された装置へ接続するためのコネクタが設けられる。必要なケーブルハーネスの製作、およびパーソナルサービスユニットに配置された装置へのケーブルの接続部の製作は、著しいコストと結びついている。このことは、このような乗り物の供給導管へのケーブルストランドの敷設についても当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上を背景としたうえで、本発明の課題は、乗り物へのパーソナルサービスユニットのいっそう簡単な組付を可能にする、乗り物へのパーソナルサービスユニットの取り付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、上記課題は、請求項1に記載の構成要件を備える、パーソナルサービスユニットを乗り物に取り付ける構造によって解決される。本発明の好ましい発展例は、従属請求項、以下の説明および図面から明らかである。
【0006】
本発明は、少なくとも1つの、ただし典型的には多数の乗り物におけるパーソナルサービスユニットを意図しており、少なくとも1つの導線を有する少なくとも1つのレールが乗り物側に配置される。それぞれのパーソナルサービスユニットには、パーソナルサービスユニットが乗り物に取り付けられた状態のときにレールの少なくとも1つの導線と導電接触するように配置された、少なくとも1つの集電装置が設けられる。
【0007】
本発明による構造は、たとえば列車の大部屋式コンパートメントまたは長距離旅行用バスの乗客室で使用するため、および特に航空機の乗客用キャビンで使用するために想定されており、すなわち多数の乗客用シートが前後および/または左右に並んで配置された客室用として想定されている。このような客室では、特に客室の天井の領域に、少なくとも1つ、好ましくは2つのレールが、そこに設けられた少なくとも1つの供給導管に配置される。この供給導管は、典型的な場合、パーソナルサービスユニットを収容する役目も果たすものである。
【0008】
レールによって、通常は集中式である乗り物のエネルギー供給装置から、少なくとも1つ、好ましくは多数のパーソナルサービスユニットへの電気的な導電接続が成立する。この目的のためにレールは、乗り物のエネルギー供給装置に直接的または間接的に接続された少なくとも1つ、典型的には2つまたはそれ以上の導線を有する。
【0009】
それぞれのパーソナルサービスユニットの1つないし複数の集電装置は、当該パーソナルサービスユニットに設けられた電気操作式の装置と回線接続される。集電装置は、たとえばすり接触またはばね接触として構成されてよく、客室に組み付けられたときにレールの内部または表面に配置された導線に対して嵌合により押圧されて導電接触するように、パーソナルサービスユニットに配置される。これに対応して、レールの内部または表面に設けられた導線は、1つまたは複数の集電装置のために少なくとも1つの露出した接触面を形成するように配置される。集電装置と導線との接触領域を、たとえば腐食などから守るために、集電装置には、この接触領域を周囲に対して気密に封止する密閉手段が設けられるのが好ましい。
【0010】
このように構成された本発明の構造は、1つのパーソナルサービスユニットないし多数のパーソナルサービスユニットを車室の中で、かつ好ましくは当該車室に設けられた供給導管の中でほぼ任意の個所に配置することを可能にする。それに応じて本発明の構造は、これまでの従来技術に比べて、客室の構成または将来的な改装に関して大幅なフレキシビリティの向上を保証する。これとの関連で、ビジネスクラスとしての用途からツーリストクラスとしての用途に乗客用キャビンが構造変更されるべき、将来的な航空機の改装だけを例として挙げておく。
【0011】
本発明のさらに別の主要な利点は、これまで知られているものに比べて明らかに組立コストが減ることにある。このことは、中央のエネルギー供給部から1つまたは複数のパーソナルサービスユニットへの回線接続の製作だけでなく、乗り物へのパーソナルサービスユニットの取付についても当てはまる。従来必要であったケーブルハーネスの準備または敷設に比べて、このようなケーブルハーネスに代わるレールの取付は、大幅な時間の削減およびこれに伴うコストの削減を意味している。パーソナルサービスユニットの取付についても同様のことが当てはまる。本発明の構造では、パーソナルサービスユニットを対応する取付個所へ機械的に固定するだけでよくなり、取付位置では条導体と集電装置との位置が対応しているので、必要な電気接触が自動的に成立するからである。
【0012】
乗り物側に配置されたレールは、パーソナルサービスユニットへのエネルギー供給のためだけでなく、パーソナルサービスユニットへの、ないしパーソナルサービスユニットからの信号伝送のためにも利用されるのが好都合である。そのためにレールは、本発明による構造の1つの好ましい発展例では、パーソナルサービスユニットへエネルギー供給をするための、典型的には複数の導線に加えて、パーソナルサービスユニットへの、ないしパーソナルサービスユニットからの信号伝送をするための、典型的には複数の別の導線を有する。
【0013】
この実施形態では、1つのパーソナルサービスユニットに、エネルギー供給のための1つないし複数の導線との導電接触を成立させる、1つまたは複数の集電装置が設けられてよく、レールの表面または内部に配置された信号伝送のための導線と接触する、1つまたは複数の追加の集電装置が設けられてよい。このような実施形態のほか、たとえばエネルギー供給のために設けられた1つないし複数の導線と、信号伝送のために設けられた1つないし複数の導線とに同時に接触するように、集電装置を構成することも可能である。
【0014】
原則として、パーソナルサービスユニットの信号処理装置への制御信号および/または信号処理装置からの制御信号を、電力供給のために設けられた導線に合わせて変調することもできる。それに応じて、本発明による構造のさらに別の好ましい実施形態では、レールの表面または内部に配置された少なくとも1つの導線は、パーソナルサービスユニットからの、および/またはパーソナルサービスユニットへのエネルギー供給用としても信号伝送用としても設けられていることが意図される。
【0015】
さらに別の好ましい実施形態では、パーソナルサービスユニットの信号処理装置への制御信号および/または信号処理装置からの制御信号を無線伝送することが意図される。そのためにパーソナルサービスユニットには、無線信号を送信および/または受信する少なくとも1つの装置がそれぞれ設けられるのが好都合である。無線信号を送信および/または受信するこの装置は、パーソナルサービスユニットの信号処理装置と直接的または間接的に信号接続されてよく、乗り物に設置された無線網を通じて、たとえば「ワイヤレスローカルエリアネットワーク」(WLAN)を通じて、乗り物側に設けられた制御装置と通信する。
【0016】
パーソナルサービスユニットのフレキシブルな配置、ないしその簡単な位置変更をレールに沿って可能にするために、レールは、乗り物のデータバスシステムの一部を形成するのが好ましく、レールの特定の区域に特定のデータバスアドレスが割り当てられる。
【0017】
この実施形態では、たとえば4ビットデータバスシステムまたは8ビットデータバスシステムのような使用するデータバスシステムの選択が、信号伝送のためにレールに設けられる導線の個数を規定するが、信号伝送のために設けられるレールの導線に合わせて、パーソナルサービスユニットに配置された制御可能な複数の装置または制御装置の制御信号を変調することも可能である。
【0018】
パーソナルサービスユニットにはデータバス制御電子装置が配置されるのが好ましく、このデータバス制御電子装置は、一方では1つないし複数の集電装置および乗り物側の信号回線を介して乗り物側の制御装置と通信し、他方ではパーソナルサービスユニットの制御可能な装置および/または制御装置と通信して、個々の装置に相応の制御信号を配信する。
【0019】
データ信号の送信と受信とを特定のパーソナルサービスユニットに割り当て、それに伴って特定の乗客用シートに割り当てることができるようにするために、レールは、各区域に区分され、どの区域にも異なるデータバスアドレスが割り当てられるのが好ましい。それに応じて個々のレール区域は、データバスシステムのアドレス指定されたノード点を形成し、これらのノード点は、集電装置を介して、当該ノードないし当該区域に接続されているパーソナルサービスユニットを識別表示する。パーソナルサービスユニットを組み付けるときに必要なのは、当該パーソナルサービスユニットを、そこにあるレール区域に関してアドレス指定することだけである。
【0020】
本発明による構造の特別に好ましい発展例では、少なくとも1つのレールはパーソナルサービスユニットを取り付けるためにも構成される。それに応じて乗り物には、パーソナルサービスユニットを取り付ける役目を果たし、ただし同時に当該パーソナルサービスユニットに電流および場合により制御信号も供給するレールが設けられる。それによって組付コストがいっそう低減される。パーソナルサービスユニットを固定するために、乗り物側に別途の取付手段を取り付ける必要がないからである。
【0021】
パーソナルサービスユニットには取付手段が設けられるのが好ましく、この取付手段によってパーソナルサービスユニットを乗り物、および特にそこに設けられたレールに取り付けることができ、この取付手段は、同時に少なくとも1つの集電装置を形成する。このとき、取付手段のうち少なくとも1つの集電装置を形成する部分は、パーソナルサービスユニットの固定後に、レールに配置された1つないし複数の導線と導電接触するように配置されるのが好都合である。
【0022】
この構成では、レールは、中空レールとして構成されるのが好ましく、パーソナルサービスユニットの方を向く側に、パーソナルサービスユニットの取付手段を収容するためのスリットを有することができる。このとき、レールの矩形中空形材が好ましく、この中空形材は、パーソナルサービスユニットと向かい合う側面に、中空形材の中空スペースへの入口を形成するスリットを、レールの長手方向に有するのが好ましい。このようなスリットのある、パーソナルサービスユニットに向かい合うレールの側面において、レールの1つまたは複数の導線がスリットの側方に配置されるのが好ましい。
【0023】
レールのスリットに挿入可能な取付手段の部分は、ピン状に構成されるのが好ましく、スリット幅と対応する幅を有するのが好ましく、すなわちスリットへ挿入可能なこの取付手段の部分の幅は、レールに構成されたスリットの幅よりもわずかに狭いのが好都合である。取付手段のこのピン状の部分の端部領域にはロック部材が設けられるのが好都合であり、このロック部材は、ピン状の部分の直径上で間隔をおくそれぞれの側でT字型に突き出ているのが好ましく、この部分を回すことによって、中空形材のスリットを区切るレールの内壁に後方から係合するように動かすことができ、それによって取付手段がレールに嵌合により固定される。
【0024】
さらに別の好ましい実施形態では、パーソナルサービスユニットは、モジュール形式で構成される。それに応じてパーソナルサービスユニットは、複数の部分で構成されており、これら各々の部分にパーソナルサービスユニットの特定の装置が配置されるのが好都合である。たとえばモジュールの1つにはスピーカが配置されてよく、それに対して別のモジュールには新鮮な空気供給のための手段だけが装備される。そのほか乗り物の天井外装の一部を形成するだけのパーソナルサービスユニットのモジュールも考えられ、このモジュールにはいかなる装置も設けられない。これに応じて、最後に挙げたモジュールには集電装置も不要である。
【0025】
特に本発明の構造が旅客機用として意図されている場合、パーソナルサービスユニットは、分散型の酸素供給システムを有するのが好ましく、分散型の換気システムを有するのがさらに好ましい。それに応じて、酸素緊急供給のための供給配管網を航空機に敷設することは不要である。同様にして、新鮮な空気供給のための配管網も省略することができる。この実施形態では、各々のパーソナルサービスユニットは、たとえば化学式の酸素発生器または酸素アキュムレータの形態の自律的な酸素源を含むことができ、この装置は、緊急事態のときに、乗り物の中央個所からレールおよびパーソナルサービスユニットに配置された集電装置を介して、この装置を作動させる相応の制御信号を受信する。個々の乗客用シートの換気をするために、パーソナルサービスユニットは、たとえば送風機を有することができる。
【0026】
次に、図面に示された実施例を参照しながら、本発明について詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による構造を示す斜視部分図である。
【図2】図1の構造の一部を示す平面図である。
【図3】レールおよびこれに組み付けられた集電装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、旅客機で使用されるようなパーソナルサービスユニット2を示している。このパーソナルサービスユニット2は、モジュール形式で構成されており、4つのモジュール2’,2’’,2’’’および2IVからなっている。すべてのモジュール2’,2’’,2’’’および2IVがカバープレートとして、航空機の天井に配置された供給導管の下方で、航空機キャビンの天井外装の一部を形成している。そのほかモジュール2’,2’’,2’’’および2IVには、航空機のパーソナルサービスユニット2に典型的に設けられるサービス装置が配置されている。たとえばもっとも大きいモジュール2’は、裏側の箱型をした拡張部4に、酸素緊急供給装置の乗客用酸素マスクを支持している。その隣りに配置されたモジュール2’’には4つの照明装置6が配置されており、それに対してモジュール2’’’は、4つの換気用ファン8を支持している。モジュール2’,2’’および2’’’は、いかなる装置も支持せずに天井外装の役目だけをする2つのモジュール2IVで取り囲まれている。
【0029】
パーソナルサービスユニットは、その長辺の領域で2つのレール10に取り付けられており、図1では、図面を見やすくするためにこれら両方のレール10のうち一方だけが図示されている。レール10にパーソナルサービスユニット2を固定するための取付手段として、パーソナルサービスユニット2の長辺を形成する側辺でモジュール2’から2IVにそれぞれ配置された取付コンポーネント12が設けられている。このとき、モジュール2’から2IVの各々には、上に述べた両方の側辺にそれぞれ2つの取付コンポーネント12が配置されている。
【0030】
図1および図3から見て取れるように、レール10は、実質的に二重のT形状をなしており、ウェブ14の長辺に、ウェブ14に対して横向きに配置されたフランジ16とフランジ18とがそれぞれ配置されている。フランジ16は、フランジ鍔として構成されており、キャビン屋根の領域で航空機側に配置された供給導管にレール10を取り付ける役目をする。フランジ18は、矩形に構成された中空形材を有している。フランジ16とは反対を向く側、すなわちパーソナルサービスユニット2の方を向くフランジ16の側に、レール10の長手方向に延びるスリット20が設けられている。
【0031】
スリット20の両側には、パーソナルサービスユニット2と向かい合うフランジ18の側面に、4つの導線22がそれぞれ配置されている。これらの導線22の1つは、酸素供給装置4、照明装置6および換気ファン8へエネルギー供給をする役目をする。この導線22は、図面には示さない航空機の中央のエネルギー供給部に接続されている。その他の導線22は、パーソナルサービスユニット2に配置された装置から、ないしこのような装置へ制御信号を伝送する役目をするものであり、航空機のデータバスシステムの一部を形成する。
【0032】
取付コンポーネント12は、その組付状態では目に見えないモジュール2’から2IVの裏側で、長辺の領域に互いに平行に延びるように取り付けられた2つの保持アーム24をそれぞれ有している。取付コンポーネント12のそれぞれ2つの保持アーム24が、モジュール2’から2IVから間隔を空けた端部において本体26を連結している。この本体26は、ピン28を回転運動可能に支承する役目をする穴を有している。このとき、ピン28は、該当するモジュールの裏面から間隔を空けた本体26の側で突出する。本体26から突出しているピン28の端部には、ロック部材30が配置されている。ロック部材は、ピン28の長手方向に対して横向きに延びており、ピン28の直径上のそれぞれの側でT字型に突き出している。
【0033】
レール10へのモジュール2’から2IVの取付は、ピン28をこれに配置されたロック部材30とともに、レール10のフランジ18に構成されたスリット20へ挿入し、次いでピン28を回すことによって行われ、ピン28から側方に突き出ているロック部材30の領域が、スリット20の側方で、フランジ18の中空形材の内壁に後方から係合する。これにより、取付コンポーネント12およびこれに伴ってモジュール2’から2IVが、レール20に嵌合によって固定される。
【0034】
取付コンポーネント12は、モジュール2’から2IVの取付以外に、モジュール2’から2IVに配置されているサービス装置へエネルギーおよび制御信号が供給される集電装置32としての役目も果たす。集電装置32は、取付コンポーネント12の本体26のうち、取付状態においてレール10のフランジ18の方を向く側に配置されており、集電装置32の電気接触部34の位置は、フランジ18に配置された導線22の位置と対応している。
【0035】
モジュール2’,2’’および2’’’には、データバス制御電子装置38がそれぞれ配置されており、これによってモジュール2’,2’’および2’’’にそれぞれ設けられたサービス装置が制御され、電力の供給を受ける。データバス制御電子装置38は、それぞれ回線ケーブル36を介して、取付コンポーネント12の集電装置32と回線接続されている。
【符号の説明】
【0036】
2 パーソナルサービスユニット
2’,2’’,2’’’,2IV モジュール
4 拡張部
6 照明装置
8 換気ファン
10 レール
12 取付コンポーネント
14 ウェブ
16 フランジ
18 フランジ
20 スリット
22 導線
24 保持アーム
26 本体
28 ピン
30 ロック部材
32 集電装置
34 接触部
36 回線ケーブル
38 データバス制御電子装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物において乗客用座席の上方に配置される少なくとも1つのパーソナルサービスユニット(2)を前記乗り物に取り付ける構造であって、
上部が前記乗り物の天井側に取り付けられる少なくとも1つのレール(10)と、
前記レール(10)の下部に前記パーソナルサービスユニット(2)を固定する少なくとも1つの取付コンポーネント(12)と、
を含んで構成され、
前記レール(10)の下端面には少なくとも1つの導線(22)が配置され、
前記取付コンポーネント(12)の本体(26)の上端面には少なくとも1つの集電装置(32)が配置され、
前記パーソナルサービスユニット(2)が前記取付コンポーネント(12)を介して前記レール(10)に固定された状態において、前記集電装置(32)が前記導線(22)に導電接触することを特徴とする構造。
【請求項2】
前記レール(10)は、矩形断面を成す中空レールとして構成されており、その下端部に、前記レール(10)の長手方向に延びるスリット(20)が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の構造。
【請求項3】
前記取付コンポーネント(12)は、前記本体(26)の穴に装着されて前記本体(26)より上方に突出し、前記レール(10)の前記スリット(20)に挿入可能なピン(28)と、前記ピン(28)の上端部に配置されたロック部材(30)と、を含んで構成され、前記ピン(28)の前記スリット(20)への挿入時に、前記ロック部材(30)が前記レール(10)の内壁に係合可能であることを特徴とする、請求項2に記載の構造。
【請求項4】
前記集電装置(32)と前記導線(22)との接触領域を周囲に対して封止する密閉手段が設けられていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の構造。
【請求項5】
前記導線(22)は、前記パーソナルサービスユニット(2)へのエネルギー供給と、前記パーソナルサービスユニット(2)への信号伝送と、前記パーソナルサービスユニットからの信号伝送とのうち少なくとも1つのために設けられていることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の構造。
【請求項6】
前記レール(10)は、前記乗り物のデータバスシステムの一部を形成し、前記レール(10)の特定の区域に特定のデータバスシステムアドレスが割り当てられていることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の構造。
【請求項7】
前記パーソナルサービスユニット(2)は、モジュール形式で構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の構造。
【請求項8】
前記パーソナルサービスユニット(2)は、分散型の酸素供給システム(4)と分散型の換気システム(8)との少なくとも一方を有することを特徴とする、請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−79071(P2013−79071A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−275982(P2012−275982)
【出願日】平成24年12月18日(2012.12.18)
【分割の表示】特願2009−541900(P2009−541900)の分割
【原出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(504197639)ベー/エー エアロスペース システムズ ゲー.エム.ベー.ハー. (3)
【Fターム(参考)】