説明

パーマネント及びヘアカラー用後処理剤

【課題】 パーマネント及びヘアカラー処理後に毛髪に残留する処理薬剤の除去、毛髪内部のダメージ補修、キューティクルの補修及びリフトアップ抑制、消臭、及び毛髪硬軟の調節を同時に行うことによって、パーマネントウェーブの持続性、ヘアカラー後のカラーの持続性及びヘアスタイルのセット性や保持性に優れたパーマネント及びヘアカラー用後処理剤を提供する。
【解決手段】 毛髪内部及び表面に付着したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤を除去する効果がある成分と、毛髪内部の補修に効果がある成分と、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制に効果がある成分と、毛髪内部に浸透したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤並びに頭皮や頭髪由来の臭いを消臭する効果がある成分と、毛髪硬軟の調節に効果がある成分とを含有してなることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーマネント及びヘアカラー用後処理剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、美容意識の高まりにより、パーマネント及び/又はヘアカラー処理をする人が増加傾向にある。前記パーマネントに使用する処理薬剤は、一般的に、チオグリコール酸等の還元剤及びアンモニア等のアルカリ剤を含む第1剤と、臭素酸塩や過酸化水素等の酸化剤を含む第2剤とからなり、第1剤の還元作用で毛髪内部のシスチン結合を切断し、第2剤の酸化作用で再結合して毛髪にウェーブを付与するものである。
【0003】
また、前記ヘアカラーに使用する処理薬剤は、一般的に、ジアミン系等の酸化染料とアンモニア等のアルカリ剤を含む第1剤と、過酸化水素等の酸化剤を含む第2剤とからなり、第1剤と第2剤を混合して毛髪に塗布することにより、アルカリ剤の働きで毛髪のキューティクルを開き、毛髪内部に浸透したアルカリ剤と過酸化水素が反応して、メラニン色素を脱色させると同時に酸化染料が化学反応することで毛髪の色調を変化させるものである。
【0004】
しかしながら、これらの処理をすることでパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤による毛髪の変性が起こり、毛髪内部のダメージ及びキューティクルのリフトアップ(毛髪表面のダメージによるキューティクルの捲れ)などが発生することが問題とされていた。また、毛髪表面に付着又は毛髪内部に浸透したパーマネント処理薬剤やヘアカラー処理薬剤が処理後に残留することで毛髪の変性や脆化が断続的に起こり、毛髪内部のダメージとキューティクルのリフトアップがさらに進行してしまうことや、毛髪に残留するパーマネント処理薬剤やヘアカラー処理薬剤が不快な反応臭の原因となることも問題とされていた。
【0005】
さらに、毛髪は、軽度のダメージを受けた場合には、毛髪を構成するタンパク質が硬化するために硬い毛髪になり、毛髪にパサつきやごわごわ感などが生じ、ヘアスタイルがまとまり難くなるという問題を発生させる。一方、毛髪が重度のダメージを受けた場合には、アミノ酸などの毛髪の構成に必要な成分が毛髪外部に流出することによって、毛髪重量の減量が起こり、毛髪が軟らかくなってハリやコシが失われ、ヘアスタイルのセットが困難となるという問題を発生させる。
【0006】
前記パーマネント処理後及びヘアカラー処理後に発生する上記の問題は、パーマネントウェーブの持続性、ヘアカラー後のカラーの持続性(褪色の防止)、及びヘアスタイルセット性と保持性などに悪影響を及ぼすので、これら全ての問題を同時に解決することができる後処理剤が望まれていた。
【0007】
このうち、毛髪のダメージを和らげパーマネント処理後のウェーブダウンを防止する技術に関して特許文献1では、塩基性アミノ酸と、ヘミン又はヘマチンと、を配合した処理薬剤を開示している。また、毛髪に残留するアルカリの除去と毛髪のダメージを補修し、ヘアカラー処理後の色持ちを改善する技術に関して特許文献2では、有機酸と、ピロリドンカルボン酸ナトリウムと、L−アルギニンと、両性ポリマーと、を配合した染毛用後処理薬剤を開示している。また、消臭に効果がある技術に関して特許文献3では、茶ポリフェノールと、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸塩と、を配合した洗浄剤用及び化粧品用組成物を開示している。また、キューティクルの剥離を低減させることのできる技術に関して特許文献4では、カチオン性界面活性剤及び液晶構造体と、有機酸と、タンパク質と、高重合ジメチルポリシロキサンと、を配合した毛髪化粧料を開示している。また、毛髪にハリ・コシとボリュームを付与する技術に関して特許文献5では、アシル化ペプチドと、両面界面活性剤と、アミノ酸系界面活性剤及びスルホコハク酸系界面活性剤と、を配合したシャンプー剤組成物を開示している。
【0008】
【特許文献1】特開平6−107528号公報
【特許文献2】特許第3797863号公報
【特許文献3】特許第3748488号公報
【特許文献4】特開2005−187400号公報
【特許文献5】特開2007−99742号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、毛髪のダメージを改善するために毛髪内部の補修と毛髪キューティクルのリフトアップ抑制が不可欠だが、特許文献1にあっては毛髪キューティクルのリフトアップを抑制することは想定されていないので、十分な毛髪全体のダメージ補修は期待できない。また、特許文献2においても毛髪キューティクルのリフトアップを抑制することは想定されていないために、十分な毛髪のダメージ補修は期待できず、また、毛髪内部に吸着した染料が定着しないので、染料が毛髪外部に流出し易く持続的に褪色防止効果を得ることは難しかった。
【0010】
また、特許文献3に開示された洗浄剤用及び化粧品用組成物は毛髪表面に付着したパーマネント及びヘアカラー処理薬剤には一定の消臭効果は期待されるものの、毛髪内部に浸透した処理薬剤を消臭することは想定されていないために、満足できる消臭効果を得ることができなかった。また、特許文献4には洗髪時のキューティクルの剥離を防止する成分については記載されているが、一度剥離したキューティクルを補修することは想定されておらず、ダメージを受けたキューティクルを持続的に補修する効果に欠けていた。また、特許文献5のシャンプー剤組成物は、パーマネント及びヘアカラー処理後に、重度のダメージを受けた毛髪には一定の効果が見られるが、軽度のダメージを受けた毛髪に効果のある成分についての記載がないので、軽度のダメージで硬くなった毛髪に適用すると、必要以上にハリ・コシ及びボリュームがでてしまい、満足できるヘアスタイルのセットが難しくなるという欠点があった。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パーマネント及びヘアカラー処理後に、主にアルカリ及び臭素酸塩や過酸化水素などの毛髪に残留する処理薬剤の除去、毛髪内部のダメージ修復、キューティクルの補修とリフトアップ抑制、消臭、及び毛髪硬軟の調節を同時に行うことによって、パーマネントウェーブの持続性、ヘアカラー後のカラーの持続性(褪色の防止)、及びヘアスタイルのセット性や保持性に優れたパーマネント及びヘアカラー用後処理剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、毛髪内部及び表面に付着したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤を除去する効果がある成分としてリン酸とリン酸塩、及び植物性ヘマチンを配合し、また、毛髪内部補修に効果がある成分としてアミノ酸、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ポリグルタミン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、及び植物性ヘマチンを配合し、また、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制に効果のある成分としてポリクオタニウム−61、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、シアバター、及び植物性ヘマチンを配合し、また、毛髪内部に浸透したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の消臭に効果のある成分として緑茶に配合されるポリフェノール、α−グルカンオリゴサッカリド、及び植物性ヘマチンを配合し、さらに、毛髪硬軟の調節に効果がある成分として加水分解ダイズタンパク、加水分解コムギタンパク、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、及び植物性ヘマチンを配合することで、パーマネントウェーブの持続性、ヘアカラー後のカラーの持続性、及びヘアスタイルのセット性や保持性に優れたパーマネント、及びヘアカラー用後処理剤が得られることを見出した。
【0013】
特に、本発明者は植物性ヘマチンが毛髪からパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の除去、毛髪内部補修、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制、消臭、及び毛髪硬軟の調節の全てに効果があり、その他の配合成分との相乗効果によってより高い効果が得られることを見出した。
【0014】
上記の課題を解決するために請求項1に記載の本発明は、毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、毛髪内部及び表面に付着したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤を除去する効果がある成分として、リン酸と、リン酸塩と、植物性ヘマチンと、を含有し、毛髪内部の補修に効果がある成分として、アミノ酸と、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムと、ポリグルタミン酸と、ヒアルロン酸ナトリウムと、植物性ヘマチンと、を含有し、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制に効果がある成分として、ポリクオタニウム−61と、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムと、シアバターと、植物性ヘマチンと、を含有し、毛髪内部に浸透したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の臭い並びに頭皮や頭髪由来の臭いを消臭する効果がある成分として、緑茶に含まれるポリフェノールと、α−グルカンオリゴサッカリドと、植物性ヘマチンと、を含有し、毛髪硬軟の調節に効果がある成分として、加水分解ダイズタンパクと、加水分解コムギタンパクと、ピロリドンカルボン酸ナトリウムと、植物性ヘマチンと、を含有してなることを特徴とするパーマネント及びヘアカラー用後処理剤を提供する。
【0015】
上記の課題を解決するために請求項2に記載の本発明は、毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、植物性ヘマチンと、リン酸と、リン酸塩とを含有してなり、それによって、毛髪内部及び表面に付着したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の除去を可能としたことを特徴とする。
【0016】
上記の課題を解決するために請求項3に記載の本発明は、毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、アミノ酸と、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムと、ポリグルタミン酸と、ヒアルロン酸ナトリウムと、植物性ヘマチンと、を含有してなり、それによって、毛髪内部の補修を可能としたことを特徴とする。
【0017】
上記の課題を解決するために請求項4に記載の本発明は、毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、ポリクオタニウム−61と、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムと、シアバターと、植物性ヘマチンと、を含有してなり、それによって、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制を可能としたことを特徴とする。
【0018】
上記の課題を解決するために請求項5に記載の本発明は、毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、緑茶に含まれるポリフェノールと、α−グルカンオリゴサッカリド及び、植物性ヘマチンと、を含有してなり、それによって、毛髪内部に浸透したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の臭い並びに頭皮や頭髪由来の臭いの消臭を可能としたことを特徴とする。
【0019】
上記の課題を解決するために請求項6に記載の本発明は、毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、加水分解ダイズタンパクと、加水分解コムギタンパクと、ピロリドンカルボン酸ナトリウムと、植物性ヘマチンと、を含有してなり、それによって、毛髪硬軟の調節を可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤によれば、毛髪からパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤を除去する効果がある成分によって、毛髪にダメージを与えずに徐々に中和しながら毛髪に残留したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤を効率よく除去することができることで、それらの処理薬剤が断続的に毛髪にダメージを与えることを防ぎ、優れたパーマネントウェーブ持続性及びヘアカラー後のカラーの持続性を得ることができるという効果がある。
【0021】
また、本発明に係るパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤によれば、毛髪内部補修に効果がある成分によって、毛髪内部組織の補修及び毛髪外部に流出したアミノ酸などを補充し、補修に有効な成分の定着により、毛髪内部の状態がパーマネント及びヘアカラー処理前の健康な毛髪の状態に近づき、優れたパーマネントウェーブの持続性が得られ、さらに、毛髪の艶や風合いも改善され、ヘアスタイルのセット性も向上するという効果がある。
【0022】
また、本発明に係るパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤によれば、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制に効果がある成分によって、効率的に剥離したキューティクルを補修及び強化し、キューティクルの再剥離及びキューティクルの高低差を抑制することができるので、毛髪表面の状態がパーマネント及びヘアカラー処理前の健康な毛髪の状態に近づくことにより、ブラッシング時の毛髪の絡み合いが減少し、ヘアスタイルのセット性が向上するという効果がある。
【0023】
また、本発明に係るパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤によれば、剥離したキューティクルの隙間からアミノ酸やヘアカラーの染料などが毛髪外部に流出することを防ぎ、ヘアカラー後のカラーの持続性を向上させることができるという効果がある。さらに、リフトアップで毛髪の表面が凹凸状になることを防ぐことで、ヘアカラー後のカラーがくすんで見えることを抑制することができるという効果がある。
【0024】
また、本発明に係るパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤によれば、臭気の包み込み、悪性の常在菌の抑制、及び臭気成分の分解という3段階で消臭することができるので、毛髪内部に浸透したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤や様々な種類の臭いに対応できる優れた消臭効果を得ることができ、不快な臭いや雑菌の繁殖を抑制して頭皮や毛髪を清潔に保ち、毛髪へのダメージを予防することができるという効果がある。
【0025】
また、本発明に係るパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤によれば、毛髪硬軟の調節に効果がある成分によって、パーマネント及びヘアカラー処理による軽度のダメージを受けて硬化した毛髪に対しては、ダメージ箇所の補修と水分バランスの調節により、毛髪を軟らかくし柔軟性を向上させ、一方、重度のダメージで軟化した毛髪に対しては、有効成分がダメージ箇所に吸着し毛髪を構成するタンパク質を補強してハリ・コシ感を回復させる効果とにより、毛髪の硬軟の状態がパーマネント及びヘアカラー処理前の健康な毛髪の状態に近づき、毛髪の風合いが改善され、ヘアスタイルのセット性と保持性が向上するという効果がある。
【0026】
また、本発明に係るパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤によれば、これら有効成分の相乗効果によって、パーマネントウェーブの持続性、ヘアカラー後のカラーの持続性(褪色の防止)、及びヘアスタイルのセット性や保持性により高い効果を持たせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明に係るパーマネント及びヘアカラー用後処理剤の好ましい一実施形態について説明をする。
本発明の好ましい一実施形態のパーマネント及びヘアカラー用後処理剤の成分は、緩衝作用を有し、毛髪からのパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の残留除去に効果がある成分、毛髪内部補修に効果がある成分、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制に効果がある成分、消臭に効果がある成分、及び毛髪硬軟の調節に効果がある成分が配合されていることを特徴としている。
【0028】
まず、上述の残留処理薬剤の除去、毛髪内部補修、キューティクルの補修及びリフトアップ抑制、消臭、毛髪硬軟の調節の全てに効果があるとして配合している植物性ヘマチンについて説明をする。
植物性ヘマチンは、加水分解処理で葉緑素に含まれるクロロフィルからクロロフィリンを抽出し、化学処理で前記クロロフィリンを構成するマグネシウムの金属原子を鉄に置換した植物由来の鉄クロロフィリン複合体である。植物性ヘマチンは血液中でグロビンと結合してヘモグロビンを構成している動物由来のヘマチンと同等の効果があるといわれており、血液中のグロビンは毛髪成分のケラチンと構成が近似していることから、ダメージを受けた毛髪にヘマチンを塗布するとヘマチンとケラチンが結合し、擬似的に毛髪の成分を構成することでダメージを補修するといわれている。
【0029】
ヘマチンは金属原子である鉄が4つのピロール環の中心に配位しているが、鉄以外の金属原子を含む銅クロロフィリン、マグネシウムクロロフィリン、及びコバルトクロロフィリンなども毛髪補修の効果や消臭効果などがある。しかし、その中でも鉄クロロフィリン複合体であるヘマチンがダメージ毛髪中のケラチンとの結合力に優れ、残留処理薬剤の除去、毛髪内部及びキューティクルの補修、消臭効果、毛髪の硬軟調節、及び後処理剤の経時的安定性に優れているので最も好ましい。また、ヘマチンには植物性と動物性があるが、昨今の狂牛病や鳥インフルエンザの発生により、動物由来の成分が敬遠される傾向があるため、本発明に配合するヘマチンとしては植物の葉緑素に含まれるクロロフィルを化学処理した植物由来のヘマチンの方が好ましい。
【0030】
また、前記植物性ヘマチンの濃度はパーマネント及びヘアカラー用後処理剤に対して0.001%以上0.05%以下であることが好ましい。前記植物性ヘマチンの濃度が0.001%以下の場合、植物性ヘマチンとケラチンの結合率が低下するために、十分に毛髪内部及びキューティクルの補修を行なうことができなくなり、また、毛髪に残留する処理薬剤、反応臭、及び毛髪の硬軟調整に対応する植物性ヘマチンの数量も低下するために、十分な効果を得ることが難しくなる。また、前記植物性ヘマチンの濃度を0.05%以上にしても、本発明の効果は変わらず、かえって後処理剤の色が黒ずんでしまい、見た目が悪くなるので好ましくない。
【0031】
次に、毛髪に残留したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の除去に効果がある成分について説明する。
残留処理薬剤の除去に効果がある成分は、緩衝作用を有する成分と、毛髪内部及び表面に付着する処理薬剤の除去作用を有する成分から組成されている。毛髪に残留する処理薬剤は、アルカリ剤や過酸化水素などの酸化剤があるが、処理薬剤を毛髪に残留したままにしておくと、処理薬剤の反応により毛髪にダメージを与え続けることが知られている。毛髪はpHがアルカリ性に傾くと膨潤し、キューティクルが開いた状態となり、毛髪内部のアミノ酸などが流出しやすい。一般的なパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤にはアルカリ剤が配合されており、処理によって毛髪のpHがアルカリ性側に傾いてしまうので、アルカリ性に傾いた毛髪のpHを毛髪に適したpH領域に戻すことが必要であり、そのためには酸を用いてアルカリを中和すればよいが、一気にpHを移動させると逆に毛髪のダメージが拡大することが知られており、徐々にpHを移動させるために弱酸とその塩や、弱塩基酸とその塩からなる緩衝溶液が広く使用されている。緩衝作用を示す組み合わせは多数知られているが、使用する物質によっては毛髪に残留した処理薬剤の除去が不十分であり、毛髪にダメージを与えてしまう場合があることを考慮すると、例えばリン酸とリン酸塩の組み合わせが好ましい。
【0032】
しかし、リン酸とリン酸塩のみでは、毛髪の内部に残留する処理薬剤の除去が難しいので、浸透性に優れた植物性ヘマチンを組み合わせることにより、前記リン酸とリン酸塩の働きと相まって、毛髪内部及び表面の残留処理薬剤を効率良く除去することができる。また、本発明の効果を損ねない範囲で補助的にリン酸以外の弱酸とその塩や、弱塩基酸とその塩からなる緩衝溶液などを配合してもよい。
【0033】
次に、毛髪内部補修に効果がある成分について説明する。
毛髪内部補修に効果がある成分は、毛髪外部に流出した成分の補充成分、水分保持性に優れた成分、浸透力に優れ有効成分を接着する成分、及びダメージ箇所の補修と毛髪を強化する成分から組成されている。毛髪は外側からキューティクル(毛表皮)、コルテックス(毛皮質)、及びメデュラ(毛髄質)の3層構造からなっており、パーマネント及びヘアカラー処理で、特に毛髪内部のコルテックスにある細胞膜複合体がダメージを受けることが知られている。前記細胞膜複合体はラメラ層という多重層構造を形成しており、角質細胞間を埋めて接着剤のような役割を果たしている。
【0034】
また、ラメラ層は毛髪に必要不可欠な水分、及びアミノ酸などの通り道にもなっているので、毛髪内部組織を保つために重要な役割を果たしている。そのため、パーマネント及びヘアカラー処理で、このラメラ層がダメージを受けて亀裂や剥離してしまうと、毛髪内部の各角質細胞間の接着力が低下し、毛髪内部組織が脆くなることによって、毛髪に切毛や裂毛などが生じる。また、ラメラ層の水分保持能力も低下するので、毛髪のパサつきやごわごわ感なども生じ、ヘアスタイルがまとまり難くなり、さらに、ラメラ層のダメージによって、アミノ酸などの毛髪を構成する成分も毛髪外部に流出し易くなるために、毛髪内部補修としてはラメラ層の補修と、毛髪外部に流出したアミノ酸などの補充を同時に行なうことが重要である。
【0035】
毛髪外部に流出した成分の補充成分は、毛髪細胞間脂質を構成するアミノ酸に近似している成分がよく、例えばアルギニン、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、セリン、バリン、プロリン、トレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、及びフェニルアラニンなどが好ましい。また、水分保持効果に優れた成分は、ダメージで低下したラメラ層の水分保持能力を回復させることのできる成分がよく、例えばポリグルタミン酸やヒアルロン酸ナトリウムなどが好ましく、また、浸透力に優れ有効成分を接着する成分は、角質細胞間のラメラ層の亀裂や剥離を補修し、浸透したアミノ酸や他の有効成分を毛髪内部に留めて毛髪内部組織を強化させることができる成分がよく、例えば天然脂肪酸とアミノ酸から生成されたジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムなどが好ましい。その上、毛髪内部に残留する処理薬剤をより効率よく除去し、毛髪ダメージの進行を防止すると同時に、毛髪の主成分であるケラチンと結合して毛髪内部のダメージ箇所を他の有効成分と共に補修及び強化することのできる植物性ヘマチンが好ましい。
【0036】
また、本発明の効果を損ねない範囲でクロレラエキスなどの保湿効果に優れた成分や、ニンニクエキスなどの角質水分量の増加効果及び湿潤に優れた成分を配合してもよい。
【0037】
次に、毛髪のキューティクルの補修及びリフトアップ抑制に効果がある成分について説明する。
毛髪のキューティクルのリフトアップ抑制成分は、キューティクルの隙間を埋めて再剥離を抑制する成分、キューティクルの撥水性の回復と帯電を防止する成分、キューティクルの強化と補修を促進する成分、及び毛髪を保護する成分から組成されている。キューティクルは扁平細胞の集合体で毛髪の最外層に位置しており、疎水性で毛髪保護の役割を果たしている。毛髪は水分を吸収すると、キューティクルが開いて捲れやすくなる性質があり、毛髪内部にある親水性のアミノ酸や細胞膜接着成分のセラミドなどが流出することがあるが、毛髪が乾くとキューティクルも閉じるので、通常の洗髪においては大きな弊害はない。
【0038】
しかし、パーマネント及び/又はヘアカラー処理でアルカリ剤などの処理薬剤を使用した場合、キューティクルが膨潤して捲れ上がり、リフトアップの状態となり、しかも、一度捲れあがったキューティクルは容易に元の状態に戻らないため、毛髪内部にあるアミノ酸、セラミド、及び水分などの毛髪を構成する成分が流出してしまい、毛髪のダメージが進行してしまうことがある。また、キューティクルのリフトアップで、キューティクルの高低差が増すことにより、それぞれの毛髪が絡みやすくなり、ヘアスタイルのセットが困難になる問題も生じる。そこで、捲れて剥がれた状態にあるキューティクルの隙間を埋めて補修し、さらに、キューティクルと馴染みの良い油皮膜などでキューティクルの表面に撥水処理を施し保護することが重要となる。
【0039】
キューティクルの隙間を埋めて再剥離を抑制する成分は、膨潤し捲れあがったキューティクルの隙間に入り込み、剥がれたキューティクルの隙間を埋めて補修し、再剥離を抑制するために、浸透力と接着力に優れている成分がよく、例えばジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムが好ましい。また、キューティクルの撥水性の回復と帯電を防止する成分は、前記ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムなどで補修されたキューティクルを覆うように定着してキューティクル表面の撥水性を回復させ、さらに、帯電防止により毛髪の絡み合いを抑制するために、接着力、撥水力、及び帯電防止力などに優れた成分がよく、例えばポリクオタニウム−61などが好ましい。
【0040】
また、キューティクルの強化と補修を促進する成分としては、ダメージを受けた部分のケラチンやシスチンと結合してキューティクルのダメージ補修を促進させ、前記リフトアップ抑制に効果がある他の成分と相まってキューティクルを強化するために、定着性にも優れてキューティクルのダメージ補修効果を持続させることができる植物性ヘマチンが好ましい。さらに、毛髪を保護する成分は、油脂膜で毛髪表面を皮膜で覆い毛髪を保護することにより、有効成分が毛髪外部に流出することを抑制する成分がよく、例えばシアの実から抽出される植物性天然バターのシアバターが好ましい。
【0041】
また、本発明の効果を損ねない範囲でハチミツなどの毛髪コーティング効果に優れる成分や、シクロペンタシロキサンなどのキューティクルの保護効果に優れる成分を配合してもよい。
【0042】
次に、消臭に効果がある成分について説明する。
消臭に効果がある成分は、臭気を包み込んで消臭する成分、頭皮及び毛髪の悪性の常在菌を抑制して消臭する成分、及び臭気成分の分子を酸化分解する成分から組成されている。臭気を包み込んで消臭する成分は、3次元構造の内部に臭気成分を包み込むことで効果的に消臭することができるフェノール基を有している錯化合物の構成がよく、例えば緑茶に含まれるポリフェノールなどが好ましい。前記ポリフェノールはパーマネント処理薬剤やヘアカラー処理薬剤の臭いだけでなく、汗臭やタバコ臭などの生活臭の消臭にも効果があるので好ましい。
【0043】
また、頭皮及び毛髪の悪性の常在菌を抑制して消臭する成分は、皮膚上に存在する良性の常在菌を増加させる働きに優れた成分がよく、例えばマルトースとショ糖から得られるグルコオリゴ糖であるα−グルカンオリゴサッカリドなどが好ましい。この良性の常在菌が悪臭の発生元である悪性の常在菌を抑制することによって、持続的な消臭効果を可能としている。さらに、臭気成分の分子を酸化分解する成分としては、臭気成分を無臭の非イオン化物質に変換させる効果に優れている植物性ヘマチンが好ましく、植物性ヘマチンに含まれる鉄イオンが臭気成分と結合して酸化還元することにより、イオン化して空気中に拡散した臭気を消臭し、特に、アンモニア、アミン類、及びチオグリコール酸などに優れた消臭効果を発揮する。また、植物性ヘマチンは浸透力と定着力にも優れているので、毛髪内部に浸透及び定着し、断続的に消臭する効果がある。
また、本発明の効果を損ねない範囲でシモツケソウエキスなどの抗酸化及び制汗効果に優れた成分、クレマティスエキスなどの抗酸化及び抗脂漏効果に優れた成分、及びアルニカエキスなどの抗菌効果に優れた成分などを配合してもよい。これによって、毛髪内部に浸透したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤や頭皮及び頭髪由来の臭いの消臭が可能となる。
【0044】
次に、毛髪硬軟の調節に効果がある成分について説明する。
毛髪硬軟の調整成分は、毛髪の水分バランスを整える成分、ハリ・コシ感を付与する成分、柔軟性を付与する成分、及び毛髪強化と保湿効果を持続させる成分から組成されている。毛髪は、パーマネント及びヘアカラー処理で、軽度のダメージを受けた場合には、毛髪を構成するタンパク質が硬化するために毛髪が硬くなり、毛髪にパサつきやごわごわ感などの毛髪の風合いの悪化、及びヘアスタイルがまとまり難くなることがある。一方、毛髪が重度のダメージを受けた場合には、ラメラ層のダメージとキューティクルのリフトアップによって、毛髪を構成するアミノ酸などが毛髪外部に流出するために毛髪が軟らかくなりハリやコシが失われてしまい、毛髪の風合いの悪化、及びヘアスタイルのセットそのものが困難となることが問題とされていた。
【0045】
毛髪の水分バランスを整える成分としては、毛髪のダメージ箇所への定着性が高く補修効果に優れ、毛髪の強度を高めると共に毛髪の水分バランスを整える効果に優れた成分がよく、例えば加水分解ダイズタンパクなどが好ましい。また、毛髪にハリ・コシ感を付与する成分としては、浸透性が高く毛髪のダメージ箇所を補修し、毛髪の強度を高めると共に毛髪にハリ・コシ感を付与する効果に優れた成分がよく、例えば、加水分解コムギタンパクなどが好ましい。上記の毛髪の水分バランスを整える成分及びハリ・コシ感を付与する成分は、動物由来のタンパク質よりも優れた保湿効果のある植物由来のタンパク質の方が好ましい。また、毛髪に柔軟性を付与する成分としては、毛髪のダメージ箇所に定着し強度を高めると共に強い吸湿力があり、毛髪の保湿と湿潤効果を向上させる効果に優れた成分がよく、例えばピロリドンカルボン酸ナトリウムなどが好ましい。さらに、毛髪強化と保湿効果を持続させる成分としては、毛髪のダメージ箇所に定着し毛髪の主成分であるケラチンと結合することにより、毛髪を補修し毛髪の強度を高めると共に、保湿効果が高く毛髪のしっとり感を持続させる効果に優れた植物性ヘマチンが好ましい。
【0046】
また、本発明の効果を損ねない範囲でクロレラエキスなどの頭皮への作用により毛髪細胞の活性化に効果のある成分、オドリコソウエキスなどの毛髪の収斂効果に優れた成分、さらに、ヤグルマギクエキスなどの毛髪及び皮膚の弾力性を改善する効果のある成分などを配合してもよい。
【実施例】
【0047】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
表1に示すように、パーマネント処理薬剤やヘアカラー処理薬剤の残留処理薬剤の除去に効果がある成分は、緩衝溶液としてリン酸とリン酸塩が配合され、その補助成分として乳酸塩、酢酸塩、及びリンゴ酸が配合されている。また、毛髪の内部及び表面に付着するそれらの処理薬剤の除去効果に優れた植物性ヘマチンが配合されている。
【0048】
【表1】

【0049】
次に、毛髪内部補修に効果がある成分は、毛髪細胞間脂質を構成するアミノ酸に近似しているアルギニン、アスパラギン酸、グリシン、アラニン、セリン、バリン、プロリン、トレオニン、イソロイシン、ヒスチジン、及びフェニルアラニンが配合されており、また、水分保持効果に優れた成分として、ポリグルタミン酸、及びヒアルロン酸ナトリウムが配合されている。また、毛髪内部に有効成分を留める働きのあるジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムと、毛髪内部のダメージ箇所を補修及び強化する植物性ヘマチンが配合されている。さらに、補助成分として保湿効果に優れたクロレラエキス、カッコンエキス、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、及びグリチルリチン酸ジカリウムと、角質水分量の増加効果に優れたニンニクエキスが配合されている。
【0050】
次に、毛髪のキューティクルの補修及びリフトアップ抑制に効果がある成分は、再剥離を抑制する成分として、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムが配合され、また、キューティクルの撥水性の回復と帯電防止力に優れた成分として、ポリクオタニウム−61が配合されている。また、キューティクルの補修及び強化に効果のある成分として、植物性ヘマチンが配合され、また、毛髪を保護する成分として、シアバターが配合されている。さらに、補助成分として、毛髪コーティング効果のあるハチミツ、毛髪の保護効果のあるシクロペンタシロキサン、加水分解コラーゲン、及び褐藻エキスと、帯電防止効果のあるキハダ樹脂エキスが配合されている。
【0051】
次に、消臭に効果がある成分は、臭気を包み込んで消臭する成分として、緑茶に含まれるポリフェノールが配合され、また、悪性の常在菌を抑制して消臭する成分として、α−グルカンオリゴサッカリドが配合され、また、臭気成分の分子を酸化分解する成分としては、植物性ヘマチンが配合されている。さらに、補助成分として、抗酸化及び制汗効果のあるシモツケソウエキス、抗酸化及び抗脂漏効果のあるクレマティスエキス、抗菌効果のあるアルニカエキス、ゴボウエキス、ニンニクエキス、及びローズマリーエキスが配合されている。
【0052】
次に、毛髪硬軟の調節に効果がある成分は、毛髪の水分バランスを整える成分として、加水分解ダイズタンパクが配合され、ハリ・コシ感を付与する成分として、加水分解コムギタンパクが配合されている。また、柔軟性を付与する成分として、ピロリドンカルボン酸ナトリウムが配合され、毛髪強化と保湿する効果がある植物性ヘマチンが配合されている。さらに、補助成分として、細胞活性化の効果のあるクロレラエキス、毛髪の収斂効果のあるオドリコソウエキス、及びオランダカラシエキス、毛髪及び皮膚の弾力性を改善する効果のあるヤグルマギクエキス、オオムギエキス、及びビャクダンエキスが配合されている。
【0053】
(比較例1)
パーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の除去効果がある成分のリン酸とリン酸塩の替わりにクエン酸とクエン酸塩を配合した以外は実施例と同様の後処理剤を配合した。
【0054】
(比較例2)
毛髪内部補修に効果がある成分のアミノ酸、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、ポリグルタミン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、及び植物性ヘマチン、並びに補助成分であるクロレラエキス、カッコンエキス、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、ニンニクエキスを配合しない以外は実施例と同様の後処理剤を配合した。
【0055】
(比較例3)
毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制に効果がある成分のポリクオタニウム−61、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム、シアバター、及び植物性ヘマチン、並びに補助成分であるハチミツ、シクロペンタシロキサン、加水分解コラーゲン、褐藻エキス、キハダ樹脂エキスを配合しない以外は実施例と同様の後処理剤を配合した。
【0056】
(比較例4)
消臭に効果がある成分の緑茶に配合されるポリフェノール、α―グルカンオリゴサッカリド、及び植物性ヘマチン、並びに補助成分であるシモツケソウエキス、クレマティスエキス、アルニカエキス、ゴボウエキス、ニンニクエキス、ローズマリーエキスを配合しない以外は実施例と同様の後処理剤を配合した。
【0057】
(比較例5)
毛髪硬軟の調節に効果がある成分の加水分解ダイズタンパク、加水分解コムギタンパク、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、及び植物性ヘマチン、並びに補助成分であるクロレラエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、ヤグルマギクエキス、オオムギエキス、ビャクダンエキスを配合しない以外は実施例と同様の後処理剤を配合した。
【0058】
(比較例6)
植物性ヘマチンを配合しない以外は実施例と同様の後処理剤を配合した。
【0059】
《評価用の毛髪サンプルの作製》
1.前処理
下記の方法でブリーチ処理し、ダメージ毛髪を作製した。
(1)ブリーチ剤は1剤に株式会社メロスコスメティックス製の「パウダーブリーチMR2」、また、2剤に株式会社メロスコスメティックス製の「カラープロキシサイド3」を使用し、1剤:2剤=1:2の割合で混合した。
(2)毛長30cmの未処理毛に上記(1)で混合したブリーチ剤を塗布し、25℃で40分間放置した。
(3)40℃の温湯で1分間洗い流した後、乾燥させた。これを軽度のダメージ毛髪とした。
【0060】
また、重度のダメージ毛髪サンプルとして前述のブリーチ処理(1)〜(3)を3回繰り返した毛髪サンプルも作製した。
【0061】
2.パーマネント処理による毛髪サンプルの作製手順
(1)前述の「1.前処理」の手順でブリーチ処理した毛髪サンプル100本を1束とし、両端を糸で縛り毛束を作製した。
(2)毛束を水道水で湿らせた後、スパイラルロッド(ロッド径10mm、ロッド溝幅10mm)の一端にテープで毛束の一側を固定して、他側に50gの分銅を吊るし、張力をかけながらスパイラルロッドに巻きつけていき、他側もテープで固定した。
(3)パーマネント剤(1剤)として株式会社ミルボン製の「ピクシスC/T CYS/TG PYXIS−1」を塗布し、25℃で15分間放置した後、40℃の温湯で1分間洗い流した。
(4)パーマネント剤(2剤)として株式会社ミルボン製の「ピクシスC/T CYS/TG PYXIS−2」を塗布し、25℃で15分間放置した後、40℃の温湯で1分間洗い流した。
(5)ロッドから毛束をはずし、25℃で15分間放置した後、乾燥させた。
【0062】
3.ヘアカラー処理による毛髪サンプルの作製手順
(1)前述の「1.前処理」の手順でブリーチ処理した毛髪サンプルを20g量り取り、一端のみ糸で縛り毛束を作製した。
(2)株式会社メロスコスメティックス製の染毛剤「ヘアカラーファンデーションBV−8(1剤)」と染毛補助剤「カラープロキシサイド3(2剤)」を1:1の割合で混合させた。
(3)上記(1)で作製した毛束に上記(2)で混合したヘアカラー剤を塗布し、25℃で30分間放置した後、40℃の温湯で1分間洗い流し、乾燥させた。
【0063】
4.ヘアカラー処理後にパーマネント処理を連続して行なうことによる毛髪サンプルの作製手順
前述の「3.ヘアカラー処理による毛髪サンプルの作製手順」によりヘアカラー処理した毛髪サンプルに、前述の「2.パーマネント処理による毛髪サンプルの作製手順」と同様の手順でパーマネント処理を施した。
【0064】
5.パーマネント処理後にヘアカラー処理を連続して行なうことによる毛髪サンプルの作製手順
前述の「2.パーマネント処理による毛髪サンプルの作製手順」によりパーマネント処理した毛髪サンプルに、前述の「3.ヘアカラー処理による毛髪サンプルの作製手順」と同様の手順でヘアカラー処理を施した。
【0065】
《評価用の毛髪サンプルの準備》
実施例及び比較例の評価用として、下記の毛髪サンプルを準備した。
【0066】
(1)ウェーブ保持率測定用の毛髪サンプル
パーマネント処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪サンプルを7束
【0067】
(2)測色値測定用の毛髪サンプル
ヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
パーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
【0068】
(3)pH測定用の毛髪サンプル
パーマネント処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪サンプルを7束
パーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
【0069】
(4)臭気測定用の毛髪サンプル
パーマネント処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
【0070】
(5)引張強度測定用の毛髪サンプル
パーマネント処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪サンプルを7束
パーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
未処理毛髪サンプルを1束
【0071】
(6)水分含率測定用の毛髪サンプル
パーマネント処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪サンプルを7束
パーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
未処理毛髪サンプルを1束
【0072】
(7)表面摩擦測定用の毛髪サンプル
パーマネント処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪サンプルを7束
パーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
未処理毛髪サンプルを1束
【0073】
(8)曲げ剛性値測定用の毛髪サンプル
パーマネント処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束
ヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪サンプルを7束(軽度のダメージ毛髪サンプル)
パーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪サンプルを7束(軽度のダメージ毛髪サンプル)
未処理毛髪サンプルを1束
ブリーチ処理を3回繰り返した重度のダメージ毛髪サンプルを7束
【0074】
《後処理剤の評価方法》
上記手順で作製した毛髪サンプルにそれぞれ実施例及び比較例の後処理剤を塗布した後に、以下の測定を行なった。
A.ウェーブ保持率の測定
1.パーマネント処理によるウェーブの持続性を比較するために、下記の方法でパーマネントウェーブの測定をした。
(1)実施例及び比較例の毛髪束を40℃の温湯で1分間洗い流した。
(2)40℃で5分間、毛髪サンプルを乾燥させてから24時間放置した。
(3)これを14日間繰り返し、下記の方法でウェーブ効率を測定した。測定結果は表2A、Bに示す。
【0075】
【表2A】

【0076】
【表2B】

【0077】
2.測定方法
(1)スプレーで毛髪サンプルに水分を含ませてから、毛髪サンプルの山の距離と山の数、及び谷の距離と谷の数を測定し、下記の式(A1)で平均波長Lを算出した。
式(A1)・・・L=(d1+d2)÷(n1+n2)
L:平均波長
d1:毛髪に付与されたウェーブの任意の山から山までの距離
d2:毛髪に付与されたウェーブの任意の谷から谷までの距離
n1:d1間にある山の数
n2:d2間にある谷の数
(2)次に下記の式(A2)でウェーブ効率を算出した。
式(A2)・・・WE=100×R÷L
WE:ウェーブ効率
R:ロッドの直径(10mm)
(3)ウェーブ効率を測定した毛髪サンプルに後処理剤を塗布し、40℃の温湯で1分間洗い流した。
(4)40℃で5分間、毛髪サンプルを乾燥させた後、7gの分銅を吊るし24時間放置した。
(5)24時間放置後、毛髪サンプルの分銅を外しスプレーで水分を含ませて1時間放置した。
(6)1時間後、スプレーで毛髪サンプルに水分を含ませてから測定し、ウェーブ効率の式(A1)及び(A2)を用いてウェーブ効率を算出し、これを14日間繰り返した。
(7)また、ウェーブ効果の保持性を測定するために、下記の式からウェーブ保持率を算出した。
1日目のウェーブ効率(U1)
14日目のウェーブ効率(U2)
U2÷U1×100=ウェーブ保持率
【0078】
B.測色値の測定
1.ヘアカラー後のカラーの持続性を比較するために、ブリーチ処理した毛髪(イエロー系)にブルー系のカラーでヘアカラー処理し、下記の方法で毛髪の褪色の度合いを比較した。
(1)実施例及び比較例の毛髪束を40℃の温湯で1分間洗い流した。
(2)40℃で5分間、毛髪サンプルを乾燥させてから50回ブラッシングを繰り返した後、24時間放置した。
(3)これを14日間繰り返し、下記の方法で測色値を測定した。測定結果は表3A、Bに示す。
【0079】
【表3A】

【0080】
【表3B】

【0081】
2.測定方法
日立カラーアナライザーC−2000Sを使用し、視野10℃及び光源D65で毛先を台紙に固定し測定した。尚、測定方法は三属性による色の表示JIS Z8721(マンセル表色系)に基づいた。
マンセル表色系の三属性による色の表示の中で、色味の違いを測定することができる色相により、ブルー(B)からイエロー(Y)までの褪色変化を比較した。
【0082】
C.pHの測定
1.毛髪に残留したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の除去、並びにそれらの処理薬剤の中和効果を比較するために、下記の方法でpH値を測定した。
(1)実施例及び比較例の毛髪束を40℃の温湯で1分間洗い流した。
(2)25℃の精製水を入れた試験管に毛髪サンプルを浸して、25℃の室温で24時間放置した。
(3)これを7日間繰り返し、下記の方法でpH値を測定した。測定結果は表4A〜Dに示す。
【0083】
【表4A】

【0084】
【表4B】

【0085】
【表4C】

【0086】
【表4D】

【0087】
2.測定方法
1日一回毛髪サンプルを精製水中で攪拌し、その精製水をpH測定器で測定して、中和の度合いを比較した。尚、測定器はHANNA instruments Japan Corp.製のPICCOLO2を使用した。
【0088】
D.臭気の測定
1.毛髪に付着した不快の臭いの消臭効果を下記の方法で比較した。
(1)実施例及び比較例の毛髪束を40℃の温湯で1分間洗い流した。
(2)40℃で5分間乾燥させ、下記の方法で臭気の測定を行った。測定結果は表5A、Bに示す。
【0089】
【表5A】

【0090】
【表5B】

【0091】
2.測定方法
(1)美容師の資格を持つ専門のパネラー10名により、袋に入れた毛髪サンプルの臭いを評価し、臭いの度合いで下記の点数をつけた。
(2)「4点」不快な臭いがなく、消臭されている
「3点」不快な臭いがほとんど残っていない
「2点」不快な臭いが少し残っている
「1点」不快な臭いがかなり残っている
(3)上記のパネラーの評価の平均点を算出して、消臭効果の評価とした。
◎:非常に優れている(3.5点以上)
○:優れている(3点以上3.5点未満)
△:劣っている(2点以上3点未満)
×:非常に劣っている(2点未満)
【0092】
E.引張強度の測定
1.下記の方法で引張強度を測定し、毛髪のダメージの度合い(毛髪の補修効果)を比較した。
(1)実施例、比較例及び未処理毛髪の毛髪束を40℃の温湯で1分間洗い流した。
(2)40℃で5分間乾燥させ、下記の方法で7日後の引張強度の測定を行った。測定結果は表6A〜Dに示す。
【0093】
【表6A】

【0094】
【表6B】

【0095】
【表6C】

【0096】
【表6D】

【0097】
2.測定方法
株式会社島津製作所の島津小型卓上試験機EZ Testを使用し、試験速度100mm/min、及び標点距離50mmの設定で、0.01kgfから0.03kgfの荷重時の弾性率を測定した。
【0098】
F.水分含率の測定
1.下記の方法により、毛髪内に含まれる固定水の水分含率を測定し、ダメージの度合い(毛髪内部補修効果)を比較した。
(1)実施例、比較例及び未処理毛髪の毛髪束を40℃の温湯で1分間洗い流した後、40℃で5分間乾燥させた。
(2)毛髪サンプルを温度22℃、湿度40%の環境下に24時間放置した後、下記の方法で水分含率の測定を行った。測定結果は表7A〜Dに示す。
【0099】
【表7A】

【0100】
【表7B】

【0101】
【表7C】

【0102】
【表7D】

【0103】
2.測定方法
(1)毛髪の重量(W1)を測定した後、25℃の水に毛髪を浸漬させ、5分間放置した。
(2)水に浸漬させた毛髪を遠心脱水機に入れて25,000rpmの回転数で20秒間脱水し、自由水を除去した。尚、遠心脱水機として、SANYO RIKAGAKUKIKI SEISAKUSHO社製のCENTRIFUGAL FILTERを使用した。
(3)脱水後の毛髪の重量(W2)を測定し、下記の式で固定水の水分含率を算出した。
水分含率=(W2−W1)/W1×100
【0104】
G.表面摩擦の測定
1.毛髪のキューティクルの補修及びリフトアップ抑制効果を比較するために、下記の方法で物と物の触れ合う感触、及び触れ合う感覚を摩擦係数とその変動値によって数値化した。
(1)実施例、比較例及び未処理毛髪の毛髪束を40℃の温湯で1分間洗い流した後、40℃で5分間乾燥させた。
(2)スライドグラス上に毛髪サンプルを固定した。その際、毛髪の根元を右側にし、毛先を左側に配置する。
(3)温度22℃、湿度40%の環境下で毛髪サンプルを24時間放置した後、下記の方法で摩擦係数(MIU)とその変動値(MMD)の測定を行った。測定結果は表8A〜Dに示す。
【0105】
【表8A】

【0106】
【表8B】

【0107】
【表8C】

【0108】
【表8D】

【0109】
2.測定方法
カトーテック株式会社のKES-SH FRICTION TESTERを使用し、感度20gf/V、荷重25gf、及び速度1.0mm/secの設定で毛先から根元方向に測定した。
【0110】
H.曲げ剛性値の測定
1.毛髪の硬軟の状態(風合い)の改善状態を測定するために、川端式測定法を改良したシングルヘアーベンディングテスター(カトーテック(株)製のKES-FB2-SH)を用いて、毛髪サンプルの曲げ剛性を測定した。
(1)実施例、比較例、未処理毛髪、及び重度のダメージ毛髪の毛髪束を40℃の温湯で1分間洗い流した後、40℃で5分間乾燥させた。
(2)温度22℃、湿度40%の環境下で毛髪サンプルを24時間放置した後、下記の方法で曲げ剛性値の測定を行った。測定結果は表9A〜Eに示す。
【0111】
【表9A】

【0112】
【表9B】

【0113】
【表9C】

【0114】
【表9D】

【0115】
【表9E】

【0116】
2.測定方法
下記の測定条件で1本の毛髪全体を一定曲率まで円弧状に等速度で曲げ、それに伴う微小な曲げモーメントを検出し、曲げモーメントと曲率の関係を測定した。これから曲げモーメント/曲率変化により曲げ剛性値を求めた。
・チャック間距離:1cm
・トルク検出器:トーションワイヤー(スチールワイヤー)のねじれ検出方式
・曲率:±2.5cm−1
・曲げ変位速度:0.5cm−1/sec
・測定サイクル:1往復
【0117】
《結果》
実施例と比較例の評価において、パーマネント及びヘアカラー処理後の毛髪が、未処理毛髪の状態に近づくほど効果が優れていると判断した。
A.ウェーブダウン防止の評価
表2A、Bは実施例及び比較例1〜6のウェーブ効率と保持率を示しており、数値(%)が高いほど、ウェーブ効率においてはウェーブの形成が高く、ウェーブ保持率においてはウェーブダウン防止効果が高いことを示している。また、表2Aはパーマネント処理した毛髪、及び表2Bはヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪のウェーブ効率と保持率を示している。
【0118】
実施例では、パーマネント処理した毛髪サンプル(表2A)のウェーブ保持率は80.3%であり、さらにヘアカラー処理後にパーマネント処理をした毛髪サンプル(表2B)でもウェーブ保持率が80.1%と高く、ヘアカラー処理を加えることで毛髪へのダメージが蓄積されても、ウェーブダウン防止効果が非常に優れていた。
【0119】
また、比較例4及び5では、ウェーブ保持率が60%以上であり、優れたウェーブダウン防止効果があった。これは、パーマネントのウェーブダウンを防止する効果のある、残留処理薬剤除去成分、毛髪内部補修成分、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制成分、及び植物性ヘマチンが配合されているためと考えられる。
しかし、比較例1では、残留処理薬剤除去成分がリン酸及びリン酸塩の組み合わせでないため、残留処理薬剤の除去が十分でなく、パーマネント処理した毛髪サンプルのウェーブ保持率が48.8%と低く、また、ヘアカラー処理後にパーマネント処理をした毛髪サンプルのウェーブ保持率も44.0%と実施例と比較して劣っていた。
【0120】
また、比較例6では、植物性ヘマチンが配合されていないため、植物性ヘマチンと毛髪のケラチンとの結合が十分されずに毛髪補修効果が低下し、ウェーブ保持率が低くなり、また、比較例3では、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制成分が配合されていないため、毛髪表面のダメージが補修されず、ウェーブ保持率が40%以下となり、効果が非常に劣っていた。これは、毛髪表面付近には毛髪に含まれるシスチンのうち、約30%があるといわれているが、そのシスチンがダメージを受けたためと考えられる。さらに、比較例2では、毛髪内部補修成分が配合されていないため、ウェーブ保持率が40%以下となり、非常に劣っていた。これは、毛髪内部には毛髪に含まれるシスチンの約70%があるといわれているが、そのシスチンがダメージを受け、パーマネントの保持効果が低下したものと考えられる。
【0121】
B.ヘアカラー処理後のカラー褪色防止の評価
表3A、Bは実施例及び比較例1〜6のヘアカラー処理後のカラーの褪色度合いを示しており、マンセル表色系でブルー系(B)→グリーン系(G)→グリーンイエロー系(GY)→イエロー系(Y)までの色相を示している。ヘアカラー処理前の色相は3.2Yで、ヘアカラー処理後の色相は4.2Bであった。また、表3Aはヘアカラー処理した毛髪の測色値であり、表3Bはパーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪の測色値を示している。
実施例では、毛髪サンプルを洗浄して1日目のヘアカラー処理毛髪(表3A)の色相が1.1B、7日目が7.6G、また、14日目が6.1Gで、色相がブルー系からグリーン系までの変化で抑えられ、また、パーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪(表3B)でも、14日目の色相が5.5Gであり、非常に優れた褪色防止効果が見られ、パーマネント処理を加えることで毛髪へのダメージが蓄積されても、褪色防止効果が非常に優れていた。
【0122】
比較例4及び5では、実施例よりは効果が劣るものの、ヘアカラー処理毛髪の14日目の色相が1.6G(比較例4)及び1.0G(比較例5)の変化で抑えられ、褪色防止効果が見られた。これは、ヘアカラー処理後のカラーの褪色を防止する効果のある、残留処理薬剤除去成分、毛髪内部補修成分、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制成分、及び植物性ヘマチンが配合されているためと考えられる。
【0123】
しかし、比較例1では、ヘアカラー処理毛髪の14日目の色相が6.2GYであり、また、比較例6では、14日目の色相が2.4GYで、色相がブルー系からグリーンイエロー系まで変化し、かなりのカラー褪色が見られた。これは、比較例1は残留処理薬剤除去成分がリン酸とリン酸塩の組み合わせでないために、処理薬剤の除去が十分でなく、断続的に毛髪にダメージが与えられ、その毛髪のダメージ箇所からヘアカラーの染料が外部に流出したものと考えられる。また、比較例6は、植物性ヘマチンを配合していないために、残留処理薬剤除去や毛髪内部補修などの効果が全体的に低下してしまい、染料が毛髪に定着せず褪色が進んでしまったと考えられる。
【0124】
比較例2では、ヘアカラー処理毛髪の14日目の色相が8.6Yで、色相がブルー系からイエロー系まで変化し、著しい褪色が見られた。これは、毛髪内部補修成分を配合していないので、毛髪内部のダメージが補修されず、ヘアカラーの染料が十分に毛髪に定着できないためと考えられる。また、比較例3では、ヘアカラー処理毛髪の14日目の色相が7.1Yで、著しい褪色が見られた。これは、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制成分を配合していないので、毛髪表面のダメージ箇所からヘアカラーの染料が毛髪外部に流出してしまったと考えられる。
【0125】
C.残留処理薬剤の除去の評価
表4A〜Dは処理薬剤の塗布によってアルカリに傾いたpHの中和及び除去の効果を示している。毛髪は等電域のpH4.5からpH6.5の範囲が安定しており、その中でもpH5.5付近が最も安定している。また、表4Aはパーマネント処理した毛髪、表4Bはヘアカラー処理した毛髪、表4Cはヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪、及び表4Dはパーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪のpH測定値を示している。
【0126】
実施例では、パーマネント処理毛髪の1日目のpHはpH6.72で、7日目がpH5.50となり、非常に優れたpHのスライド効果が見られ、さらに、最もpHがアルカリに傾いていたパーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪の7日目のpHも5.52となり、処理薬剤による処理を重ねて加えてもpHの中和及び除去効果に優れていた。また、比較例3、比較例4及び比較例5では、毛髪からパーマネント処理薬剤及びヘアカラーの処理薬剤を除去する効果のある残留処理薬剤除去成分、及び植物性ヘマチンが配合されているため、表4A〜表4Dのいずれにおいても7日目に毛髪の等電域付近であるpH4.5からpH6.5の範囲までスライドして、優れた効果が見られた。
【0127】
しかし、比較例2では、毛髪内部補修成分を配合していないので、毛髪内部補修成分に配合されているpHコントロール効果のあるアラニンなどのアミノ酸の働きがないため、パーマネント処理毛髪(表4A)の7日目のpHが6.70でのスライドにとどまり、表4B〜表4DのいずれにおいてもpHが6.50以上であり、残留処理薬剤の中和及び除去効果が劣っていた。また、比較例6では、植物性ヘマチンを配合していないために、表4A〜表4Dのいずれにおいても、7日目のpHが7.50以上となり、効果的に残留処理薬剤を中和及び除去することができなかった。また、比較例1では、残留処理薬剤除去成分がリン酸とリン酸塩の組み合わせでないため、残留処理薬剤を中和及び除去する効果が最も低かった。
【0128】
D.消臭の評価
表5A、Bは実施例及び比較例1〜6の消臭効果の評価を示しており、美容師の資格を持つ専門のパネラー10名(A〜J)によって、評価された。表5Aはパーマネント処理した毛髪の評価であり、表5Bはヘアカラー処理した毛髪の評価を示している。
【0129】
実施例では、パーマネント処理した毛髪、及びヘアカラー処理した毛髪の消臭効果の評価が3.7点以上であり、不快な臭いがなく、非常に優れた消臭効果が得られた。また、比較例5では、パーマネント処理毛髪の消臭効果の評価が3.1点、また、ヘアカラー処理毛髪の消臭効果の評価が3.2点であり、不快な臭いがほとんど残っていなかった。これは、比較例5に配合される消臭成分、残留処理薬剤除去成分、及び植物性ヘマチンが効果的に働き、不快な臭いを消臭したと考えられる。
【0130】
しかし、比較例3では、表5A及び表5Bに示すように、消臭効果の評価がパーマネント処理毛髪で2.9点、及びヘアカラー処理毛髪で2.8点であり、ある程度の消臭効果が見られたが、完全に消臭するにはいたらなかった。これは、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制成分を配合していないので、毛髪表面のダメージ補修されていない箇所に臭気成分が付着したと考えられる。また、比較例2でも、消臭効果の評価が3.0未満で、ある程度の消臭効果が見られたが、完全に消臭するにはいたらなかった。これは、毛髪内部補修成分を配合していないので、毛髪内部のダメージ補修されていない箇所に臭気成分が付着したと考えられる。また、比較例1では、残留処理薬剤除去成分がリン酸とリン酸塩の組み合わせでないので、臭気のある処理薬剤の除去効果が低かったために、消臭効果が劣っていた。また、比較例6では消臭効果の高い植物性ヘマチンを配合しておらず、また比較例4では消臭成分を配合していないので、不快な臭いを消臭することはできなかった。
【0131】
E.毛髪ダメージ改善の評価(引張強度)
表6A〜Dは実施例及び比較例1〜6の引張強度の評価を示している。表6Aはヘアカラー処理毛髪、表6Bはパーマネント処理毛髪、表6Cはヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪、及び表6Dはパーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪の評価を示している。未処理毛髪サンプルの引張強度は4,783.7N/mmであり、最もダメージの大きかったパーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪の後処理剤塗布前の引張強度は2,569.3N/mmであったが、表6Dに示すように、実施例では、引張強度が4,403.2N/mmで、未処理毛髪の引張強度に近づき、非常に優れたダメージ補修が見られた。また、比較例4でも、毛髪内部補修成分、毛髪硬軟の調整成分などが配合されているので、引張強度は4,335.5N/mmで優れた効果が見られた。
【0132】
しかし、比較例6では、植物性ヘマチンが配合されていないので、毛髪補修効果が低下し、引張強度は3,582.4N/mmであった。また、比較例1では、残留処理薬剤除去成分がリン酸とリン酸塩の組み合わせでないため、毛髪が断続的にダメージを受けて引張強度が低下したと考えられ、引張強度は3,537.3N/mmであり、実施例と比べて改善効果は劣っていた。また、比較例5では、引張強度は3,462.7N/mmであり、改善効果は実施例と比べて劣っていた。これは、引張強度の改善に必要な毛髪硬軟の調整成分が配合されていないので、毛髪のハリ・コシを改善できなかったためと考えられる。
【0133】
また、比較例3では、引張強度は3,248.0N/mmであり、改善効果は実施例と比べて劣っていた。これは、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制成分が配合されていないために、引張強度の改善に必要な毛髪内部補修成分、及び毛髪硬軟の調整成分が毛髪外部に流出してしまい、毛髪内部に定着しなかったためと考えられる。また、比較例2では、引張強度は2,779.2N/mmであり、改善効果は非常に劣っていた。これは、毛髪内部補修成分が配合されていないので、ダメージを受けた毛髪にアミノ酸などの毛髪構成成分が補充されなかったため、毛髪内部が補修されずに引張強度が回復しなかったと考えられる。
【0134】
F.毛髪ダメージ改善の評価(水分含率)
表7A〜Dは実施例及び比較例1〜6の水分含率の評価を示している。また、表7Aはヘアカラー処理毛髪、表7Bはパーマネント処理毛髪、表7Cはヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪、及び表7Dはパーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪の評価を示している。
【0135】
人毛はダメージが少ない時には水中に浸漬しても容易に除去できる自由水の割合が多く、ダメージが大きくなると毛髪と一時的に結合する水が増えて、容易に除去できない固定水の割合が大きくなる傾向がある。そのため、毛髪に含まれる固定水の水分含率を測定することにより、毛髪のダメージの度合い(毛髪内部の補修効果)を比較することができる。
【0136】
未処理毛髪サンプルの水分含率は22.7%であった。これを基準にして、ダメージ毛髪サンプルが後処理剤の塗布により、どの程度未処理毛髪の状態に近づいたのかを測定し、比較した。実施例では、ヘアカラー処理毛髪の水分含率は26.3%、パーマネント処理毛髪は27.7%、ヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪の水分含率は35.9%、及びパーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪の水分含率は36.1%で、パーマネント及びヘアカラー処理前の未処理毛髪の状態に近づき、非常に優れた毛髪内部補修効果がみられた。また、比較例4及び比較例5では、いずれも毛髪内部補修成分、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制成分、残留処理薬剤除去成分、及び植物性ヘマチンが配合されているため、優れた毛髪内部補修が見られた。
【0137】
しかし、比較例1では、残留処理薬剤除去成分がリン酸及びリン酸塩の組み合わせでないので、残留処理薬剤が断続的に毛髪にダメージを与えてしまったこと、また、比較例6では、植物性ヘマチンが配合されていないので、毛髪が十分に補修されなかったことから、毛髪内部補修効果が実施例よりも劣っていた。また、比較例3では、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制成分が配合されていないので、剥離したキューティクルが補修されず、毛髪内部に浸透した毛髪内部補修成分が定着しなかったこと、さらに、比較例2では、毛髪内部補修成分が配合されていないので、毛髪外部に流出したアミノ酸や補修に有効な成分を補充することができなかったことから、パーマネント及びヘアカラー処理前の未処理毛髪の状態に近づくにはいたらなかった。
【0138】
G.毛髪のキューティクルの補修及びリフトアップ抑制効果の評価(毛髪表面の摩擦測定)
表8A〜Dは実施例及び比較例1〜6の毛髪表面の摩擦係数とその変動値の評価を示している。また、表8Aはヘアカラー処理毛髪、表8Bはパーマネント処理毛髪、表8Cはヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪、及び表8Dはパーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪の評価を示している。
【0139】
毛髪はダメージを受けると、キューティクルのリフトアップや剥離などが発生することで、毛髪表面の摩擦係数が大きくなることが知られている。摩擦係数値(MIU)の数値は大きいほど滑りにくく、毛髪がダメージを受けていることを表し、摩擦係数変動値(MMD)の数値が大きいほど毛髪表面全体の凹凸の差が大きく、毛髪がざらつき触感が大きいことを表している。ダメージを受けていない未処理毛髪サンプルの摩擦係数(MIU)は0.049で、摩擦係数の変動値(MMD)は0.0052だった。この毛髪サンプルの数値を基準にして、ダメージ毛髪サンプルが後処理剤の塗布により、どの程度未処理毛髪の状態に近づいたのかを回復率として比較した。
【0140】
表8A及び表8Dに示すように、実施例では、ヘアカラー処理毛髪の摩擦係数値は0.050で、摩擦係数変動値は0.0053であり、最もダメージの大きいパーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪の摩擦係数値は0.053で、摩擦係数変動値は0.0055であり、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制効果に非常に優れて、未処理毛髪のサンプルの状態に近づいていた。また、比較例4及び5では、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制効果に必要な成分が配合されているので、摩擦係数値と摩擦係数変動値の結果は良好だった。
【0141】
しかし、比較例6では、摩擦係数値は0.077で、摩擦係数変動値は0.0083であり、毛髪のキューティクルのリフトアップが十分に改善されなかった。これは、植物性ヘマチンが配合されていないので、植物性ヘマチンと毛髪のケラチンとの結合が十分でなく、毛髪表面の補修効果が低下したものと考えられる。また、比較例1では、残留処理薬剤が断続的に毛髪にダメージを与えてしまうこと、また、比較例2では、毛髪内部の補修がされてないので、毛髪がダメージを受けており、毛髪キューティクルのリフトアップ抑制効果も低下してしまうこと、さらに、比較例3では、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制に必要な成分そのものが配合されていないので、毛髪の軋みやざらつきが高くなり、未処理毛髪の状態に回復できなかった。
【0142】
H.毛髪の硬軟調整効果の評価(曲げ剛性値の測定)
表9A〜Eは実施例及び比較例1〜6の毛髪硬軟の状態の評価を示している。また、表9Aはヘアカラー処理毛髪、表9Bはパーマネント処理毛髪、表9Cはヘアカラー処理後にパーマネント処理した毛髪、表9Dはパーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪、及び表9Eは重度のダメージ毛髪の評価であり、表9A〜表9Dまでが軽度のダメージ毛髪を示している。
【0143】
ダメージ受けていない未処理毛髪の曲げ剛性値は、0.0106×10−3N・cm/本であった。また、図示されていないが、後処理剤塗布前の重度のダメージ毛髪は0.0028×10−3N・cm/本で、軽度のダメージ毛髪となるパーマネント処理後にヘアカラー処理した後処理剤塗布前の毛髪は0.0287×10−3N・cm/本であったことから、毛髪に重度のダメージを与えると毛髪が軟らかくなり、軽度のダメージを与えると毛髪が硬くなる傾向があることがわかる。
【0144】
実施例では、パーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪の曲げ剛性値が0.0115×10−3N・cm/本で、重度のダメージ毛髪の曲げ剛性値は0.0099×10−3N・cm/本であり、未処理毛髪の曲げ剛性値に近づき、毛髪の硬軟が改善されて毛髪の風合いがよくなり、非常に優れた効果が見られた。また、実施例では他のダメージ処理毛髪も未処理毛髪の状態に近づき、非常に優れた改善効果が見られた。また、比較例4では、毛髪硬軟の調整に必要な成分が配合されているので、パーマネント処理後にヘアカラー処理した毛髪の曲げ剛性値が0.0135×10−3N・cm/本で、重度のダメージ毛髪の曲げ剛性値が0.0078×10−3N・cm/本であり、優れた効果が見られた。
【0145】
しかし、比較例1、3、及び6では、実施例と比べて効果が劣っていた。これは、比較例1は、残留処理薬剤除去成分がリン酸とリン酸塩の組み合わせでなく、また、比較例3は、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制成分が配合されておらず、また、比較例6は、植物性ヘマチンが配合されていないことから、毛髪の補修が十分でなく、毛髪にダメージ箇所が残ってしまい、毛髪の硬軟が未処理毛髪の状態に改善しなかったと考えられる。また、比較例2では、毛髪内部補修成分が配合されておらず、さらに、比較例5では、毛髪硬軟の調整成分が配合されていないので、軽度及び重度のダメージ毛髪の硬軟の回復率が実施例と比べて低く、未処理毛髪の状態まで毛髪の硬軟を調整することができなかった。
【0146】
これらの評価結果により、実施例では各項目で顕著な効果が見られ、満足のできるパーマネントのウェーブ保持性、及びヘアカラー後のカラーの褪色防止効果が得られ、毛髪の艶や風合いが改善され、さらに、ヘアスタイルのセット性が向上したが、比較例では、パーマネントウェーブの保持性が低く、ヘアカラー後のカラーの褪色もあり、さらに、毛髪の風合いの改善も不十分であったために、ヘアスタイル性においても満足できる結果を得ることができなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、
毛髪内部及び表面に付着したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤を除去する効果がある成分として、リン酸と、リン酸塩と、植物性ヘマチンと、を含有し、
毛髪内部の補修に効果がある成分として、アミノ酸と、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムと、ポリグルタミン酸と、ヒアルロン酸ナトリウムと、植物性ヘマチンと、を含有し、
毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制に効果がある成分として、ポリクオタニウム−61と、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムと、シアバターと、植物性ヘマチンと、を含有し、
毛髪内部に浸透した前記パーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の臭い並びに頭皮や頭髪由来の臭いを消臭する効果がある成分として、緑茶に含まれるポリフェノールと、α−グルカンオリゴサッカリドと、植物性ヘマチンと、を含有し、
毛髪硬軟の調節に効果がある成分として、加水分解ダイズタンパクと、加水分解コムギタンパクと、ピロリドンカルボン酸ナトリウムと、植物性ヘマチンと、を含有してなることを特徴とするパーマネント及びヘアカラー用後処理剤。
【請求項2】
毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、
植物性ヘマチンと、リン酸と、リン酸塩とを含有してなり、それによって、毛髪内部及び表面に付着したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の除去を可能としたことを特徴とするパーマネント及びヘアカラー用後処理剤。
【請求項3】
毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、
アミノ酸と、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムと、ポリグルタミン酸と、ヒアルロン酸ナトリウムと、植物性ヘマチンと、を含有してなり、それによって、毛髪内部の補修を可能としたことを特徴とするパーマネント及びヘアカラー用後処理剤。
【請求項4】
毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、
ポリクオタニウム−61と、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウムと、シアバターと、植物性ヘマチンと、を含有してなり、それによって、毛髪キューティクルの補修及びリフトアップ抑制を可能としたことを特徴とするパーマネント及びヘアカラー用後処理剤。
【請求項5】
毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、
緑茶に含まれるポリフェノールと、α−グルカンオリゴサッカリド及び、植物性ヘマチンと、を含有してなり、それによって、毛髪内部に浸透したパーマネント処理薬剤及びヘアカラー処理薬剤の臭い並びに頭皮や頭髪由来の臭いの消臭を可能としたことを特徴とするパーマネント及びヘアカラー用後処理剤。
【請求項6】
毛髪に塗布するパーマネント及びヘアカラー用の後処理剤において、
加水分解ダイズタンパクと、加水分解コムギタンパクと、ピロリドンカルボン酸ナトリウムと、植物性ヘマチンと、を含有してなり、それによって、毛髪硬軟の調節を可能としたことを特徴とするパーマネント及びヘアカラー用後処理剤。


【公開番号】特開2010−105964(P2010−105964A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280172(P2008−280172)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(507363576)株式会社アデランス (8)
【Fターム(参考)】