説明

ヒエ植物タンパク質含有調製物からなる抗がん剤、それを含む医薬組成物、食品等

【課題】抗がん作用を有する新規な成分、特に摂取が簡便で安全な食品由来成分を利用した抗がん剤、それを含む医薬組成物、食品、飼料等を提供する。
【解決手段】ヒエ属(Echinochloa)植物のタンパク質含有調製物からなる抗がん剤及びそれを含有する、食品、食品素材、飼料、医薬組成物等の組成物、並びにヒエ属植物にアミラーゼ及びグルコアミラーゼを作用させてデンプンを分解する工程及びその生成物を脱脂する工程を含む、ヒエ属植物のタンパク質含有調製物又はタンパク質濃縮物からなる抗がん剤の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗がん作用を有するヒエ植物のタンパク質含有調製物からなる抗がん剤、それを含む医薬組成物、食品、飼料等の組成物、及びその製造方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
がんは、日本人の死亡原因の第1位であり、2004年の厚生労働省の人口動態統計によると全体の約31%を占めている。数年前までは、脳血管疾患と心疾患を合計した動脈硬化症による死亡者数は、がんを上回っていたが、この数値が逆転した。したがって、医薬品による治療だけでなく、がんの予防は重要であり、特に日常の食品や生活習慣の改善等によりがんの増殖を抑制することが望まれている(特許文献1)。
【0003】
これまでに、肥満が乳がん、大腸がん、直腸がん、前立腺がんなどさまざまながんと関係しているという報告がされている。また、血管新生とがんとの関係が報告されている。
【0004】
近年、アワ、キビ、ヒエ等の雑穀は消費が増加しており、その健康機能性が注目されている。本発明者らは、キビタンパク質濃縮物が担がんラットに対してがん増殖抑制、血清VLDL及びLDL−コレステロール濃度抑制、肝臓コレステロール・トリグリセリド含量低下作用を有すること(非特許文献1)、アワタンパク質濃縮物が血漿HDL−コレステロール濃度上昇作用を有すること(特許文献3)を見出した。
【0005】
また、本発明者らは、黒ヒエ、二戸在来ヒエのタンパク質濃縮物が2型糖尿病ラット及び肥満型2型糖尿病マウスにおける血糖値の低下、血中HDL−コレステロール濃度上昇、アディポネクチン濃度上昇の作用を有することを明らかにした(非特許文献2)。
【0006】
しかし、ヒエ属植物のタンパク質については、腫瘍細胞の増殖抑制や抗がん作用などがんに対する効果は、全く明らかにされていない。
【0007】
【特許文献1】特開2001−172192号公報
【特許文献2】特許第3413168号公報
【特許文献3】特許第3202558号公報
【特許文献4】特許第3533161号公報
【非特許文献1】第59回 日本栄養・食糧学会大会講演要旨集、173頁、2H−1a、川崎ら、「キビタンパク質濃縮物摂取による固形癌増殖抑制ならびに脂質代謝に対する効果」、日本栄養・食糧学会、平成17年4月1日発行
【非特許文献2】第60回 日本栄養・食糧学会大会講演要旨集、97頁、2C−3a、外川ら、「雑穀キビ、ヒエタンパク質濃縮物の糖質、脂質代謝改善機能」、日本栄養・食糧学会、平成18年4月1日発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、抗がん作用を有する新規な成分、特に摂取が簡便で安全な食品由来成分を利用した抗がん剤、それを含む医薬組成物、食品、飼料等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、
〔1〕 ヒエ属(Echinochloa)植物のタンパク質含有調製物からなる抗がん剤;
〔2〕 前記ヒエ属植物が、ヒエ(Echinochloa utilis (Ohwi et Yabuno))である、前記〔1〕記載の抗がん剤;
〔3〕 前記ヒエ属植物が、ヒエ属植物の穎果又は穎果を含む植物体である、前記〔1〕又は〔2〕記載の抗がん剤;
〔4〕 前記ヒエ属植物が、受領番号FERM AP−21512のヒエ属植物である、前記〔2〕又は〔3〕記載の抗がん剤;
〔5〕 ヒエ属植物にアミラーゼ及びグルコアミラーゼを作用させてデンプンを分解する工程及びその生成物を脱脂する工程を含む方法によって調製されたタンパク質濃縮物からなる前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の抗がん剤;
〔6〕 前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の抗がん剤を含有する、食品、食品素材、飼料、医薬組成物等の組成物;
〔7〕 ヒエ属植物にアミラーゼ及びグルコアミラーゼを作用させてデンプンを分解する工程及びその生成物を脱脂する工程を含む、ヒエ属植物のタンパク質含有調製物又はタンパク質濃縮物からなる抗がん剤の製造方法、
が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、新規な抗がん剤、特に摂取が簡便で安全な食品由来成分からなる抗がん剤が提供される。本発明の抗がん剤は、国内で容易に栽培することができるヒエ属植物を原料としているため、安価に容易に入手することができる。また、その製造も単純な工程により容易に行うことができ、複雑な化学合成技術や高度な精製技術を必要としない。したがって、本発明によれば、非常に安全性の高い有効な抗がん剤が、比較的工業技術水準の低い国や地域においても、低コストで大量に製造可能となる。
【0011】
本発明の抗がん剤は、伝統的に食用に供されてきたヒエ属植物に由来するため、安全性が高く、容易に各種の食品、医薬品、飼料等に含有させることができる。副作用の恐れが低い又はほとんどないため、既にがんを有する個体に対してだけでなく、発症の可能性のある個体に対して予防的に常用することも可能である。
【0012】
さらには、本発明の抗がん剤は、血糖値の低下、血中HDL−コレステロール濃度上昇及びアディポネクチン濃度上昇機能の効果を併せ持つため(非特許文献2)、抗がん剤としてと同時に、2型糖尿病にみられる糖代謝や脂質代謝を改善する効果も必要な用途に特に有利に供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の抗がん剤は、イネ科ヒエ属植物を原料として製造される。ヒエ属植物は、日本を含むアジア、アフリカ等の温帯地域でイヌビエ、ヒメイヌビエ、インドビエ、コヒヌビエ、タイヌビエ、ヒメタイヌビエなど数種が知られており、食用とされている。日本では、ヒエ(Echinochloa utilis (Ohwi et Yabuno))が一般的に自生し又は栽培されており、その果実(穎果)は従来より雑穀として食用されている。したがって、本発明において原料として用いられるヒエ属植物は、上述のようないずれの種又は品種の植物であってもよいが、入手容易性などの点から日本では好ましくはヒエである。また、植物の部分としては、葉、茎、花など、特に制限はないが、入手容易性、食習慣などの点からは、特に穎果(雑穀ヒエ)が好ましい。
【0014】
本発明において、ヒエ属植物のタンパク質含有調製物は、ヒエ属植物のタンパク質を含有するヒエ属植物の任意の調製物を指し、抽出物、粗精製物、精製物などを包含する。これらの調製物のうち、原料として用いたヒエ属植物体のタンパク質含量よりも高いタンパク質含量を有するものを(タンパク質)濃縮物という。
【0015】
ヒエ属植物のタンパク質含有調製物及び濃縮物は、例えば、ヒエ属植物体から、アミラーゼなどを用いてデンプンなどの炭水化物成分を分解除去することにより得ることができる。また、炭水化物分解に加えて、さらに脱脂工程を行うことにより、さらにタンパク質含量を高めた濃縮物を得ることができる。さらに、得られた濃縮物にもう一度アミラーゼ及びグルコアミラーゼを作用させてタンパク質濃度を高めることができる。
【0016】
具体的な好ましい製造方法の一例は、ヒエ植物体にα−アミラーゼ及びグルコアミラーゼを作用させた後、有機溶媒(安全性の点から好ましくはヘキサンなど)を用いて脱脂を行う方法が挙げられる。α−アミラーゼ及びグルコアミラーゼは、別々に作用させてもよいが、同一の反応条件下で同時に作用させることができる。
【0017】
本発明のヒエ属植物タンパク質含有調製物は、一般的には約5〜約100%のタンパク質含量を有するが、好ましくは、少なくとも10%程度のタンパク含量を有し、より好ましくは少なくとも20%程度のタンパク含量を有する。上記のようなデンプン分解及び脱脂工程を含む方法によって調製した場合、本発明のヒエタンパク質含有調製物(濃縮物)は、典型的には約30〜約90%程度、より典型的には約40〜約80%程度のタンパク含量を有する。本発明のヒエ属植物タンパク質含有調製物は、液体、粉末、ペースト状などの所望の形態とすることができる。
【0018】
本発明のヒエ属植物タンパク質含有調製物は、食用植物由来であって非常に安全性が高いので、食用、飲用に供することができる。したがって、本発明のヒエ属植物タンパク質含有調製物(又は濃縮物)をそのまま食品(飲料を含む)として食用にすることができるほか、食品素材又は添加物として各種の食品に添加することもできる。例えば、パン、麺類のような主食のほか、菓子類などの任意の食品に添加することができる。また、家畜やペット用の飼料に本発明のヒエ属植物タンパク質含有調製物(又は濃縮物)を配合することもできる。
【0019】
また、本発明のヒエ属植物タンパク質含有調製物に1以上の薬学的に許容されうる担体を含む製剤分野で公知の成分を含有させて医薬組成物とすることもできる。即ち、一般的な製剤技術にしたがって、賦形剤、結合剤、崩壊剤、安定化剤、保存料、香料、甘味料、着色料などの成分とともに、経口投与可能な種々の剤型の製剤(例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、ドリンク剤、液剤など)とすることができる。また、場合によっては、軟膏、貼付剤などの外用剤とすることもできる。なお、本発明に関しては、動物に用いる薬剤、即ち獣医薬も、医薬組成物の用語に包含されるものとする。
【0020】
医薬組成物の投与量は、剤型、治療対象者の状態などによって異なるが、本発明のヒエ属植物タンパク質含有調製物は食用植物由来であって非常に安全性が高いので、副作用の恐れが低く、広い範囲の投与量が可能である。例えば、ヒエタンパク質量に換算して、1日あたり500mg/kg体重〜10g/kg体重であることができる。
【実施例1】
【0021】
1.ヒエタンパク質濃縮物の調製:
2003年に岩手県二戸市の畑作で生産された精白ヒエ(Echinochloa utilis (Ohwi et Yabuno)、品種:二戸在来)を用いて、Biosci. Biotechnol. Biochem. 66, 92-96(2002)に記載された方法と同様にしてヒエタンパク質濃縮物を調製した。なお、ここで用いたヒエ植物の種子は、2008年2月20日に独立行政法人産業技術総合研究所特許微生物寄託センターに寄託された(受領番号FERM AP−21512)。
【0022】
精白ヒエを穀物用粉砕機(「やまびこ号L型」、株式会社國光社、愛知)で粉砕してヒエ粉末を得た。精製ヒエの粉末400gあたり純水4Lを加え、90℃で1時間加熱して糊化した。試料の温度が60℃まで下がった後、グルコアミラーゼ(商品名「マグナックス JW−203」、洛東化成工業株式会社)140mg及びα−アミラーゼ(商品名「ラクターゼ SR−140」、洛東化成工業株式会社)680mgを同時に加えて攪拌した。60℃で24時間保温し、デンプンのα−1,4、α−1,6グリコシド結合を加水分解した。
【0023】
反応物を4,000×gで8分間遠心分離し、得られた沈殿物を凍結乾燥(RLE II−103、共和真空技術(株)、埼玉)した。乾燥後の粉末にヘキサン約2.5Lを加えて攪拌することにより脱脂した。この脱脂の操作を5回繰り返した後、粉末を風乾して、粉末状のヒエタンパク質濃縮物を得た。
【0024】
この濃縮物の成分含量組成(濃縮物重量を100%とする重量%)は、水分8.5%、タンパク質63.1%、脂質1.3%、灰分2.1%、糖質16.1%、食物繊維(不溶性食物繊維)9.1%であり、水溶性食物繊維は含まれていなかった。
【0025】
この濃縮物のアミノ酸組成及び原料として使用したヒエ精白粒のアミノ酸組成を、以下の表1に示す。
【0026】
【表1】

【0027】
表中、「DM」は「Dry matter」を表す。
【0028】
上記のアミノ酸組成の数値は、4回の測定値の平均値であり、この方法で得られる濃縮物の典型的な組成であるが、用いる品種・方法・反応条件の変更などによってある程度変動しうる。
【0029】
本発明のヒエタンパク質濃縮物の効果を検討するための比較材料として、以下のようにしてヒエデンプン画分を調製した。
【0030】
精白ヒエを穀物用粉砕機(「やまびこ号L型」、株式会社國光社、愛知)で粉砕してヒエ粉末を得た。ヒエ粉末400gあたり0.075N HClを4L加え、ペプシンをヒエ粉末のタンパク質含量の約1.0%となるように加えて37℃で24時間反応させた。上清を捨てた後、3,000×gで5分間遠心分離して得られた沈殿物をMQ水にて洗浄するという作業を中性になるまで繰り返した。この反応物を8,000×gで10分間遠心分離して得られた沈殿物を凍結乾燥(RLE II−103、共和真空技術(株)、埼玉)してヒエデンプン画分を調製した。
【0031】
精白ヒエ粉末をペプシンによりタンパク質を分解することでヒエデンプン画分の粗タンパク質含有量は2.3%、粗脂肪含有量は1.40%、糖質含有量は93.9%にまで高まった。ヒエデンプン画分中に食物繊維が1.8%含まれており、その含有量の全てが不溶性食物繊維であった。また、ヒエデンプン画分中のアミロース含有量は48.9%、レジスタントスターチ含有量は1.2%とヒエデンプン画分にはレジスタントスターチが極く少ないことが示された。
【0032】
2.ヒエタンパク質の抗がん作用
4週齢の雄C57BL/6Nマウスを2群に分け、一方には世界的なラット・マウスの標準飼料組成であるAIN−93G組成に準拠した20%カゼインを含有する飼料(対照群)を、他方には、カゼインの代わりに実施例1で調製したヒエタンパク質濃縮物20%を含むこと以外はAIN−93Gと同様の組成としたヒエタンパク質濃縮物飼料(ヒエ群)を与え、21日間飼育した。飼育中は、飼料摂取量と体重変化を測定した。
【0033】
飼育22日目にマウス肺がん細胞であるLewis lung cancer細胞(LLC、東北大学加齢医学研究所附属医用細胞資源センター、宮城)5×105個を皮下移植し、さらに14日間飼育した。飼育終了日に4時間の絶食を行い、麻酔下で腫瘍を皮下より採取し、その重量を測定した。
【0034】
比較のため、上記のように調製したヒエデンプン画分についても、上記と同様の方法でがん細胞増殖抑制に及ぼす影響を調べた。ただし、飼料としては、タンパク質として20%カゼインを含み、糖質源として、一方にはコーンスターチを、他方にはヒエデンプン画分を、それぞれ50%含む飼料を与えた。
【0035】
ヒエタンパク質濃縮物(飼料)を与えたヒエ群又は対照群の35日間の飼育による解剖時の体重、総飼料摂取量、組織重量を表2に示す。また、腫瘍重量の変化を図1に示す。
【0036】
【表2】

【0037】
本実験で得られたデータの計算及び整理には、MacintoshのMicrosoft office 2001 Microsoft Excel、KaleidaGraph 3.0を使用した。データは、平均値と標準偏差で表した(n=9〜10)。また、異なる群間で有意差があるかどうかを検討するために、Instat Ver. 3.0を使用し、One-way ANOVAで検定した。有意差が認められた場合、Student-Newman-Keulsによりどの群間に有意差があるかを検定した。横列の異なる符号は、平均値間の有意差を示す。有意水準は、p<0.05とした。
【0038】
体重増加量は対照群の7.98±1.41gと比較して、ヒエタンパク質濃縮物を与えた群で6.17±1.08gと低値を示したが、飼料摂取量に関しては、対照群の130.82±12.63gと比較してヒエタンパク質濃縮物を与えた群で121.35±17.75gと2群間で有意な差は認められなかった。臓器重量では、肝臓重量は対照群の1.06±0.06gと比較してヒエタンパク質濃縮物を与えた群で1.01±0.07gと2群間で有意な差は認められなかった。しかし、ヒエタンパク質濃縮物を摂取させることによって、腫瘍重量は、対照群の1.30±0.95gと比較して、ヒエタンパク質濃縮物を与えた群では0.42±0.47gであり、ヒエタンパク質濃縮物群で著しくがん細胞の増殖が抑制された(p<0.05)。体重100g当たりの腫瘍重量に換算した場合も、対照群の4.97±3.64gと比較して、ヒエタンパク質濃縮物を与えた群では1.67±1.86gと大きく減少していた(p<0.05)。
【0039】
この結果は、ヒエタンパク質濃縮物が、がん細胞の増殖を顕著に抑制することを明らかに示す。
【0040】
ヒエデンプン画分を与えたマウスについての比較実験の34日間の飼育による解剖時の体重、総飼料摂取量、組織重量を表3及び図2に示す。
【0041】
【表3】

【0042】
34日間の飼育の結果、体重増加量は対照群で10.07±1.91g、ヒエデンプン群で9.68±1.58gであり、2群間で有意な差は見られなかった。また、飼料摂取量に関しては、対照群で138.84±16.62g、ヒエデンプン群で121.37±9.72gと2群間で有意差は認められなかった。体重100g中、肝臓重量は対照群で4.08±0.21g、ヒエデンプン群で3.19±1.33gと2群間で有意差は認められず、腫瘍重量に関しても対照群で4.30±4.67g、ヒエデンプン群で4.65±4.34gと2群間で有意差は認められなかった。
【0043】
したがって、ヒエデンプン画分については、がん細胞の増殖抑制作用に関して有意差は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、カゼインを与えた対照群(C)及びヒエタンパク質濃縮物を与えた群(J)におけるマウスの腫瘍重量の変化を示す図である。値は、n=9〜10の平均値±標準偏差を示し、「*」は有意差を示す(p<0.05)。
【図2】図1は、コーンスターチを与えた対照群(C)及びヒエデンプンを与えた群(J)におけるマウスの腫瘍重量の変化を示す図である。値は、n=7の平均値±標準偏差を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒエ属(Echinochloa)植物のタンパク質含有調製物からなる抗がん剤。
【請求項2】
前記ヒエ属植物が、ヒエ(Echinochloa utilis (Ohwi et Yabuno))である、請求項1記載の抗がん剤。
【請求項3】
前記ヒエ属植物が、ヒエ属植物の穎果又は穎果を含む植物体である、請求項1又は2記載の抗がん剤。
【請求項4】
前記ヒエ属植物が、受領番号FERM AP−21512のヒエ属植物である、請求項2又は3記載の抗がん剤。
【請求項5】
ヒエ属植物にアミラーゼ及びグルコアミラーゼを作用させてデンプンを分解する工程及びその生成物を脱脂する工程を含む方法によって調製されたタンパク質濃縮物からなる請求項1〜4のいずれか1項記載の抗がん剤。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項記載の抗がん剤を含有する食品。
【請求項7】
請求項1〜5のいずれか1項記載の抗がん剤を含有する食品素材。
【請求項8】
請求項1〜5のいずれか1項記載の抗がん剤を含有する飼料。
【請求項9】
請求項1〜5のいずれか1項記載の抗がん剤を含有する医薬組成物。
【請求項10】
ヒエ属植物にアミラーゼ及びグルコアミラーゼを作用させてデンプンを分解する工程及びその生成物を脱脂する工程を含む、ヒエ属植物のタンパク質含有調製物又はタンパク質濃縮物からなる抗がん剤の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−196964(P2009−196964A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−43100(P2008−43100)
【出願日】平成20年2月25日(2008.2.25)
【出願人】(504165591)国立大学法人岩手大学 (222)
【出願人】(507234427)公立大学法人岩手県立大学 (22)
【Fターム(参考)】