説明

ヒドロキシアルキルデンプン誘導体の製造方法

【課題】好ましくはエリスロポエチン治療に有効なヒドロキシアルキルデンプン誘導体の製造方法の提供。
【解決手段】ヒドロキシアルキルデンプンと化合物(D)と化合物(L)と化合物(M)を反応させて得られるヒドロキシアルキルデンプン誘導体の製造方法であって、ヒドロキシアルキルデンプンが、下記式(I)


(上式中、R、RおよびRは、独立して、水素または直鎖もしくは分岐状ヒドロキシアルキル基である。)の構造を有し、化合物(D)、(L)は反応性官能基を有するリンカー類であり、化合物(M)はエリスロポエチン等である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシアルキルデンプンと化合物(D)と化合物(L)とさらなる化合物(M)を反応させて得られるヒドロキシアルキルデンプン誘導体の製造方法であって、前記ヒドロキシアルキルデンプンが、下記式(I)
【化1】

(上式中、R1、R2およびR3は、独立して、水素または直鎖もしくは分岐状ヒドロキシアルキル基である。)
の構造を有し、
式(I)のヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端を化合物(D)と反応させて得ることができるヒドロキシアルキルデンプン誘導体を、化合物(L)と反応させるステップを含み、
前記化合物(D)が、前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端と反応可能な少なくとも1つの官能基Z1と、少なくとも1つの官能基Wを含み、
前記化合物(L)が、前記ヒドロキシアルキルデンプン誘導体に含まれる官能基Wと反応可能な少なくとも1つの官能基Z2と、さらなる化合物(M)の官能基Yと反応可能な少なくとも1つの官能基Xを含み、
前記官能基Yが、チオ基であり、
前記官能基Xが、下記式
【化2】

(上式中、Halは、Cl、Br、またはIである。)
からなる群から選択され、
化合物(D)と前記ヒドロキシアルキルデンプンとの結合の形成が、前記官能基Z1と前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端との反応によってなされ、前記官能基Z1が、
【化3】

(上式中、GはOまたはSであり、Gが2つ存在する場合には、独立してOまたはSであり、R'はメチルである。)
からなる群から選択され、
(i)前記官能基Wまたは前記官能基Z2が、−SHであり、前記官能基Z2または前記官能基Wが、
【化4】

(上式中、Halは、Cl、Br、またはIである。)
からなる群から選択されるか、または
(ii)前記官能基Wまたは前記官能基Z2が、活性化されたエステルまたは必要に応じて活性化されたエステルに変換されるカルボキシル基からなる群から選択され、前記官能基Z2または前記官能基Wが、
【化5】

(上式中、GはOまたはSであり、Gが2つ存在する場合には、独立してOまたはSであり、R'はメチルである。)
からなる群から選択されるヒドロキシアルキルデンプン誘導体の製造方法。
【請求項2】
1、R2およびR3が、独立して、水素または2−ヒドロキシエチル基である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ヒドロキシアルキルデンプンが、ヒドロキシエチルデンプンである請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ヒドロキシアルキルデンプンの還元末端が、化合物(D)との反応前に酸化されておらず、前記ヒドロキシアルキルデンプンが、下記式(I):
【化6】

の構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記ヒドロキシアルキルデンプンの還元末端が、化合物(D)との反応前に酸化されており、前記ヒドロキシアルキルデンプンが、下記式(IIa):
【化7】

および/または下記式(IIb):
【化8】

の構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記還元末端が、アルカリヨウ素溶液によって酸化されている請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ヒドロキシアルキルデンプンを、化合物(D)中に含まれる官能基Z1と前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端との反応を介して化合物(D)と反応させて第1のヒドロキシアルキルデンプン誘導体が得られ、
前記第1のヒドロキシアルキルデンプン誘導体を、化合物(L)中に含まれる官能基Z2と、化合物(D)中に含まれる官能基Wとの反応を介して化合物(L)と反応させて第2のヒドロキシアルキルデンプン誘導体が得られる、
請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第2のヒドロキシアルキルデンプンを、化合物(L)中に含まれる官能基Xと、さらなる化合物(M)に含まれる官能基Yとの反応を介してさらなる化合物(M)と反応させる請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ヒドロキシアルキルデンプンを、化合物(D)中に含まれる官能基Z1と、前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端との反応を介して化合物(D)と反応させて第1のヒドロキシアルキルデンプン誘導体が得られ、
前記第1のヒドロキシアルキルデンプン誘導体を、化合物(D)中に含まれる官能基Wと、化合物(L)中に含まれる官能基Z2との反応を介して化合物(L)と反応させるが、
ここで、化合物(L)を、前記第1のヒドロキシアルキルデンプン誘導体との反応前に、化合物(L)中に含まれる官能基Xと、さらなる化合物(M)中に含まれる官能基Yとの反応を介してさらなる化合物(M)と反応させる請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのさらなる化合物(M)が、ポリペプチドである請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記ポリペプチドが、エリスロポエチンである請求項10に記載の方法。
【請求項12】
化合物(D)が、
【化9A】

【化9B】

からなる群から選択される構造を有する請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化される還元末端を、下記式:
【化10】

の化合物(D)、または下記式:
【化11】

の化合物(D)と反応させるステップを含んでなり、さらに、
得られた反応生成物を、下記式:
【化12】

からなる群から選ばれる化合物(L)と反応させるステップと、
得られた反応生成物とさらなる化合物(M)のチオ基と反応させるステップと
を含んでなる請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
ヒドロキアルキルデンプン誘導体の製造方法によって得ることができる、ヒドロキシアルキルデンプンと化合物(D)と化合物(L)とさらなる化合物(M)を反応させて得られるヒドロキシアルキルデンプン誘導体であって、前記ヒドロキシアルキルデンプンが、下記式(I)
【化13】

(上式中、R1、R2およびR3は、独立して、水素または直鎖もしくは分岐状ヒドロキシアルキル基である。)
の構造を有し、該製造方法が、
式(I)のヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端を化合物(D)と反応させることによって得られるヒドロキシアルキルデンプン誘導体を、化合物(L)と反応させるステップを含み、
前記化合物(D)が、前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端と反応可能な少なくとも1つの官能基Z1と、少なくとも1つの官能基Wを含み、
前記化合物(L)が、前記ヒドロキシアルキルデンプン誘導体中に含まれる官能基Wと反応可能な少なくとも1つの官能基Z2と、さらなる化合物(M)の官能基Yと反応可能な少なくとも1つの官能基Xを含み
前記官能基Yが、チオ基であり、前記官能基Xが、
【化14】

(上式中、Halは、Cl、Br、またはIである。)
からなる群から選択され、
化合物(D)と前記ヒドロキシアルキルデンプンとの結合の形成が、前記官能基Z1と前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端との反応によってなされ、前記官能基Z1が、
【化15】

(上式中、GはOまたはSであり、Gが2つ存在する場合には、独立してOまたはSであり、R'はメチルである。)
からなる群から選択され、
(i)前記官能基Wまたは前記官能基Z2が、−SHであり、前記官能基Z2または官能基Wが、
【化16】

(上式中、Halは、Cl、Br、またはIである。)
からなる群から選択されるか、または
(ii)前記官能基Wまたは前記官能基Z2が、活性化されたエステルまたは必要に応じて活性化されたエステルに変換されるカルボキシル基からなる群から選択され、前記官能基Z2または官能基Wが、
【化17】

(上式中、GはOまたはSであり、Gが2つ存在する場合には、独立してOまたはSであり、R'はメチルである。)
からなる群から選択されるヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項15】
1、R2およびR3が、独立して、水素または2−ヒドロキシエチル基である請求項14に記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項16】
前記ヒドロキシアルキルデンプンが、ヒドロキシエチルデンプンである請求項14または請求項15に記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項17】
前記ヒドロキシアルキルデンプンの還元末端が、化合物(D)との反応前に酸化されておらず、前記ヒドロキシアルキルデンプンが、下記式(I):
【化18】

の構造を有する請求項14〜16のいずれかに記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項18】
前記ヒドロキシアルキルデンプンの還元末端が、化合物(D)との反応前に酸化されており、前記ヒドロキシアルキルデンプンが、下記式(IIa):
【化19】

および/または下記式(IIb):
【化20】

の構造を有する請求項14〜16のいずれかに記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項19】
前記還元末端が、アルカリヨウ素溶液によって酸化されている請求項18に記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項20】
前記ヒドロキシアルキルデンプンを、化合物(D)中に含まれる官能基Z1と前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端との反応を介して化合物(D)と反応させて第1のヒドロキシアルキルデンプン誘導体が得られ、
前記第1のヒドロキシアルキルデンプン誘導体を、化合物(L)中に含まれる官能基Z2と化合物(D)中に含まれる官能基Wとの反応を介して化合物(L)と反応させて第2のヒドロキシアルキルデンプン誘導体が得られる、
請求項14〜19のいずれかに記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項21】
前記第2のヒドロキシアルキルデンプン誘導体を、化合物(L)中に含まれる官能基Xとさらなる化合物(M)中に含まれる官能基Yとの反応を介してさらなる化合物(M)と反応させる請求項20に記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項22】
前記ヒドロキシアルキルデンプンを、化合物(D)中に含まれる官能基Z1と前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端との反応を介して化合物(D)と反応させて第1のヒドロキシアルキルデンプン誘導体が得られ、
前記第1のヒドロキシアルキルデンプン誘導体を、化合物(D)中に含まれる官能基Wおよび化合物(L)中に含まれる官能基Z2との反応を介して化合物(L)と反応させ、
化合物(L)を、前記第1のヒドロキシアルキルデンプン誘導体との反応前に、化合物(L)中に含まれる官能基Xとさらなる化合物(M)中に含まれる官能基Yとの反応を介してさらなる化合物(M)と反応させる、
請求項14〜19のいずれかに記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項23】
前記少なくとも1つのさらなる化合物(M)が、ポリペプチドである請求項14〜22のいずれかに記載のヒドロキシアルキルデンプン。
【請求項24】
前記ポリペプチドが、エリスロポエチンである請求項23に記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項25】
化合物(D)が、
【化21A】

【化21B】

【化21C】

からなる群から選択される構造を有する請求項14〜24のいずれかに記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項26】
前記製造方法が、前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端を、下記式:
【化22】

の化合物(D)、または下記式:
【化23】

の化合物(D)と反応させるステップを含んでなり、さらに、
得られた反応生成物を、下記式:
【化24】

から選択される化合物(L)と反応させるステップと、
得られた反応生成物をさらなる化合物(M)のチオ基と反応させるステップと
を含んでなる請求項14〜24のいずれかに記載のヒドロキシアルキルデンプン誘導体。
【請求項27】
ヒドロキアルキルデンプン誘導体の製造方法によって得ることができる、ヒドロキシアルキルデンプンと化合物(D)と化合物(L)とさらなる化合物(M)を反応させて得られるヒドロキシアルキルデンプン誘導体を治療有効量含む薬学的組成物であって、前記ヒドロキシアルキルデンプンが、下記式(I):
【化25】

(上式中、R1、R2およびR3は、独立して、水素または直鎖もしくは分岐状ヒドロキシアルキル基である。)
の構造を有し、該製造方法が、
式(I)のヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端と化合物(D)との反応によって得ることができるヒドロキシアルキルデンプン誘導体と、化合物(L)を反応させるステップを含んでなり、
前記化合物(D)が、前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端と反応可能な少なくとも1つの官能基Z1と、少なくとも1つの官能基Wを含み、
前記化合物(L)が、前記ヒドロキシアルキルデンプン誘導体中に含まれる官能基Wと反応可能な少なくとも1つの官能基Z2と、さらなる化合物(M)の官能基Yと反応可能な少なくとも1つの官能基Xを含み
前記官能基Yが、チオ基であり、
前記官能基Xが、
【化26】

(上式中、Halは、Cl、Br、またはIである。)
からなる群から選択され、
化合物(D)と前記ヒドロキシアルキルデンプンとの結合の形成が、前記官能基Z1と前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端との反応によってなされ、前記官能基Z1が、
【化27】

(上式中、GはOまたはSであり、Gが2つ存在する場合には、独立してOまたはSであり、R'はメチルである。)
からなる群から選択され、
(i)前記官能基Wまたは前記官能基Z2が、−SHであり、前記官能基Z2または官能基Wが、
【化28】

(上式中、Halは、Cl、Br、またはIである。)
からなる群から選択されるか、または
(ii)前記官能基Wまたは前記官能基Z2が、活性化されたエステルまたは必要に応じて活性化されたエステルに変換されるカルボキシル基からなる群から選択され、前記官能基Z2または官能基Wが、
【化29A】

【化29B】

(上式中、GはOまたはSであり、Gが2つ存在する場合には、独立してOまたはSであり、R'はメチルである。)
からなる群から選択される薬学的組成物。
【請求項28】
前記ポリペプチドが、AT IIIである請求項27に記載の薬学的組成物。
【請求項29】
前記ポリペプチドが、エリスロポエチンである請求項27に記載の薬学的組成物。
【請求項30】
前記官能基Yが、−SHであり、前記化合物(D)が、一般式Z1−D'−Wの化合物であり、前記化合物(L)が、一般式Z2−L'−Xの化合物であり、前記D'が、Z1およびWを架橋する有機鎖であるか、または存在せず、L'が、Z2およびXを架橋する有機鎖であるか、または存在しない、請求項27〜29のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項31】
化合物(D)が、
【化30A】

【化30B】

からなる群から選択される構造を有する請求項27〜30のいずれかに記載の薬学的組成物。
【請求項32】
ヒドロキシアルキルデンプン誘導体の製造方法によって得ることができる、ヒドロキシアルキルデンプンと化合物(D)と化合物(L)とさらなる化合物(M)を含んでなるヒドロキシアルキルデンプン誘導体を治療有効量含む薬学的組成物であって、該製造方法が、前記ヒドロキシアルキルデンプンの必要に応じて酸化された還元末端を、下記式:
【化31】

の化合物(D)、または下記式:
【化32】

の化合物(D)と反応させるステップを含んでなり、さらに、
得られた反応生成物を、下記式:
【化33】

からなる群から選択される化合物(L)と反応させるステップと、
得られた反応生成物をさらなる化合物(M)のチオ基と反応させるステップと
を含んでなる請求項27〜31のいずれかに記載の薬物的組成物。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図14a】
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【図14b】
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【公開番号】特開2010−248528(P2010−248528A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153807(P2010−153807)
【出願日】平成22年7月6日(2010.7.6)
【分割の表示】特願2004−535070(P2004−535070)の分割
【原出願日】平成15年8月8日(2003.8.8)
【出願人】(505090698)フレセニウス・カビ・ドイッチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (6)
【Fターム(参考)】