説明

ビス(トリアルコキシシリルアルキル)アミンをベースとする水性シラン系

本発明は、実質的に有機溶剤不含であり、かつ架橋の際にアルコールを放出しないビス−アミノ官能性シリコン化合物の水性組成物ならびにそれらの製法及び例えば、金属表面又はガラス表面を疎水化するためのその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、実質的に有機溶剤不含であり、かつ架橋の際に実質的にアルコールを放出しないビス−アミノ官能性シリコン化合物の水性組成物ならびにその製法、及び例えば、金属表面もしくはガラス表面を疎水化又は疎油化するための使用に関する。
【0002】
水溶性もしくは有機溶剤を僅かにしか含まないか、もしくは含まないゆえに環境を汚染しない水性シラン系には多くの関心がある。しかし、安定な水性シラン系はシランと水の混合により簡単に製造することができない。なぜならば、多くのシランは水相には溶解かつ加水分解せずに、水と接触する際に縮合するからである。
【0003】
例えばDE 102005004872A1には、アルコキシシランをベースとする水性油中水エマルションの製造、ならびに乳化剤の存在でのそれらの縮合ポリマーが記載されている。エマルションは高圧ホモジナイザー内で製造されている。前記水性エマルションは、例えば多孔性の鉱物材料を表面処理する際に使用される。使用の際には、従来と同じく加水分解によりアルコールが放出される。
【0004】
水溶性アミノポリシロキサンの製造は、EP0590270A2に記載されている。アミノシランは、50%濃度のアルコール性溶液内で、使用されるシランの0.25〜4倍モルのシリコン含有量に相当する適量の水と混合され、かつ60℃で加水分解される。言及された方法条件では、合成の際に多量の水を使用する場合に加水分解産物が沈殿する。引き続き得られた生成物は水中で溶解する。欠点は有機溶剤の高い含有量であり、それにより低い引火点を伴うことである。希釈したポリシロキサン水性混合物の硬化は80℃で行われる。
【0005】
DE 10335178A1には、水で希釈可能なシラン系、例えばアルコール性溶剤中の3−アミノプロピルトリアルコキシシランとビス(トリアルコキシシリルプロピル)アミンから成る混合物の製造が開示されている。これらのシラン混合物は、定義づけられたモルの水量で部分的に加水分解される。前記シラン混合物は、25〜99.99%のアルコール含有量ではVOC(揮発性有機化合物)不含ではない。
【0006】
US 5051129には、水溶性アミノシランとアルキルトリアルコキシシランの水溶液の組成物が開示されている。製造は、定義付けられた量の水をシラン混合物に添加し、かつ引き続き60℃に調節することにより行われる。このように製造されたシラン混合物は、特定の割合で水に溶解し、かつ表面の疎水化に使用される。
【0007】
EP0716128A1には、水ベースのオルガノポリシロキサン含有組成物、その製法ならびにそれらの使用が開示されている。水溶性アミノアルキルアルコキシシランをアルキルトリアルコキシシラン及び/又はジアルキルジアルコキシシランと混合し、かつ定義づけられたpH値で水を添加することにより、オルガノポリシロキサン含有組成物が生じる。生じた加水分解アルコールは蒸留により除去される。従って、VOC不含の水性ポリシロキサン含有組成物が得られ、これは鉱物性材料の表面の疎水化と更なる用途に使用できる。
【0008】
アミノアルキルトリアルコキシシランとビス−シリルアミノシランを反応させた反応生成物から成る水性シラン系は、EP1031593A2に開示されている。ビス−シリルアミノシランの唯一の加水分解に基づくこの水溶液は利用できない。それというのも、これはゲル化かつ析出する傾向があるからである。
【0009】
WO 00/39177A2には、アルコール含有水溶液中のビス−シリルアミノシラン及び/又はビス−シリルポリスルファンの使用が記載されている。シランを水、アルコール及び場合により酢酸と混合し、かつ少なくとも24時間加水分解させる。引き続き金属にて使用される。
【0010】
US6955728B1には、水溶液中の他のシランと組み合わせたアセトキシシランの使用と金属における使用が記載されている。特に、アセトキシシランと組み合わせたビス(トリアルコキシシリルプロピル)アミンも使用される。水溶液の安定性に関しては供述されていない。販売に際しシランの縮合を阻止するために2−成分系の形の加水分解されていない濃縮物もしくは水不含の予備混合された縮合体が推奨されている。水溶液は、混合後に常に加水分解アルコールを含有している。
【0011】
WO 2006/010666A1は、アルキルトリアルコキシシラン及びフッ素化シランとアミノシランから成る共縮合体、及び場合によりアミノシランとアルキルシランから成る共縮合体から製造されるブロック縮合体から成る水性系に関する。
【0012】
WO 2004/076717A1では、ビス−シリルアミノシランは、更なるシランと金属キレートと組合せて水溶液中で使用されている。シランは、水性濃縮物中で少なくとも2週間のエージングにより部分的に加水分解される。引き続き、金属キレートと混合し、かつ水で更に希釈される。更に、全ての水性調製物は従来のように加水分解からのアルコールを含有している。水性系は金属表面の前処理に使用される。
【0013】
WO 2004/076718A1には、金属表面を、ビス−シリルアミノシランのような部分的に加水分解されたシランと部分的に加水分解されたフッ素含有シランを含有している水溶液で被覆する方法に関する。フッ素含有シランの使用により、被覆系の疎水性と腐食耐性は改善されるが、加水分解アルコールは系から除去されていない。
【0014】
US 5206285には、エポキシ−及び一級アミノシランから成る水ベースの付加生成物の製造と使用が記載されている。水性シラン系は溶剤不含ではない。これらは金属被覆に使用され、かつ腐食耐性が改善されるのであろう。
【0015】
EP1760128A1には、Si−O−Si−結合が無いオルガノシロキサンの成分のうち1つと、水不含の界面活性剤を含む2成分から成る水性結合剤組成物が開示されていて、その際、前記2成分は水性である。更に、付着又は気密にする方法におけるその使用が請求されている。結合剤の1成分はビス−シリルアミノシランを含有していてもよい。
【0016】
DE 102004037045A1には、加水分解触媒の存在で、グリシジルオキシプロピルアルコキシシランと水性シリカゾルから製造された水性シラン−ナノコンポジットが請求されている。水性系は、実質的に溶剤不含であり、かつ金属被覆に適切である。200℃の高い架橋温度が欠点である。
【0017】
本発明の課題は、多様に使用可能で、特に良好な疎水性、腐食防止特性及び/又はプライマー処理特性を有し、かつ有利には低温で架橋するビス−アミノ官能性アルコキシシランをベースとする水性でかつVOC−不含の組成物を提供することであった。
【0018】
前記課題は特許請求項により解決された。
【0019】
意外にも、ビス−アミノ官能性アルコキシシランと有機官能性、特にアルキル官能性アルコキシシランから成るシリコン化合物をベースとする、実質的にアルコール不含の安定な水性組成物が得られることが見出され、その際、シリコン化合物は特に実質的に完全に加水分解されて存在し、更に、これらの組成物は低温で既に架橋する。
【0020】
架橋とは、シリコン化合物の縮合、かつ特に支持体の官能基との縮合であると解釈される。これにより、場合により相互作用もしくは反応、例えばシリコン化合物のアミノ官能基と支持体の官能基の錯体形成により、沸騰水に耐性の安定な層が形成される。
【0021】
ガラスプレート、金属表面、又は他の支持体表面上に塗布される共縮合体含有の組成物は、支持体と迅速に架橋し、かつ高い安定性の疎水性層を形成する。このように、室温で架橋したシラン系は、沸騰水中でもガラス表面又は金属表面から再び溶解しない。ビス−アミノ官能性アルコキシシラン、例えば、ビス(トリエトキシシラン)アミンもしくはビス(トリメトキシシラン)アミンと、n−プロピルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン(PTMO)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(GLYEO)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GLYMO)、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(AMEO)、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(AMMO)、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(MEEO)、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(MEMO)、N−(n―ブチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン(VTMO)、N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(Dynasylan(R)1189)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MTMO)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(MTEO)、N−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(DAMO)、ポリエチレングリコール官能化アルコキシシラン、テトラエトキシシラン(Dynasylan A)、テトラメトキシシラン(Dynasylan M)、メチルトリエトキシシラン(MTES)、メチルトリエトキシシラン(MTMS)、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン(Si 69)、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルファン(Si 266)、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルファン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)テトラスルファン、ビニルトリエトキシシラン(VTEO)、1−アミノメチルトリエトキシシラン、1−アミノメチルトリメトキシシラン、1−メタクリロキシ−メチルトリメトキシシラン1−メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、1−メルカプトメチル−トリエトキシシラン、1−メルカプトメチルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン(Dynasylan(R) OTEO)、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、2−アミノエチル−3−アミノプロピル−メチルジメトキシシラン、2−アミノエチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、Dynasylan(R) 1151(アルコール不含アミノシラン加水分解物)、Dynasylan(R) HS2627(アミノシランとアルキルシランから成るアルコール不含共縮合体)、Dynasylan(R) HS2776(ジアミノシランとアルキルシランから成るアルコール不含水性共縮合体)、Dynasylan(R) HS2909(アミノシランとアルキルシランから成るアルコール不含共縮合体)、Dynasylan(R) HS 2926(エポキシシランをベースとするルコール不含水性生成物)、Dynasylan(R) SIVO 110(エポキシシランから成るアルコール不含水性生成物)から成る共縮合体をベースとするシラン系も支持体層で高い強度を有する。
【0022】
シランの特殊な組合せにより、ねらいを定めて硬化表面の疎水性と反応性を調節できることが特に重要である。しかし、実質的に溶剤不含の組成物、例えばビス(トリアルコキシシラン)アミン中に少なくとも1つのビス−アミノ官能性化合物もしくはそれらの加水分解生成物及び/又は縮合生成物が存在することは、低い硬化温度を得るために前提条件である。従って、更なる成分として1つのビス−アミノ官能性化合物が存在する限りは、他の置換アルコキシシランをベースとする水性シラン系は自体が低温で硬化する。フルオロシランとの共縮合によって室温で硬化する、すなわち、特に支持体表面の反応性官能基と架橋及び/又は相互作用もしくは反応を行うことで水性シラン系が製造可能であり、安定な疎油性表面が形成される。
【0023】
1実施態様によれば、本発明による実質的に溶剤不含のビス−アミノ官能性シリコン化合物含有組成物を更なるシラン系と混合して一緒に使用することにより、これらのシラン系の生成物特性を有利に変えることができる。例えばこれらのシラン系の硬化温度を性能に不利な影響を与えることなく下げることができる。
【0024】
本発明による水性シラン系の適用スペクトルは、極めて多方面にわたるので、これらを例えば、ガラス又はコンクリート、煉瓦、砂岩などのような種々の支持体において疎水化剤として使用できる。共縮合体又は混合物として、フルオロシランと組み合わせて、付加的な疎油性及び抗−落書き性及び/又は抗−指紋特性を有する支持体を更に得ることができる。更なる適用分野は、例えばガラス、金属、コンクリート、砂岩、煉瓦のような支持体表面、ならびに更なる無機支持体などのプライマー処理において生じる。例えば金属表面のプライマー処理により、被覆層の接着ひいては改善された腐食防止が達成される。更に、ビス−アミノ官能性シラン化合物をベースとする水性シラン系は、岩石の固化又は水性塗料調製物においても使用できる。
【0025】
以下に挙げてある組成物(最終生成物)中の質量パーセントの内容は、本発明による反応の前及び反応混合物から加水分解アルコールを除去する前に使用したアルコキシシラン化合物の割合を表記している。
【0026】
本発明による組成物(更にシラン系とも称する)は、実質的に水溶性のビス−アミノ官能性シリコン化合物、特に実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物ならびに水を含有し、特にシリコン化合物はアルコキシシランから誘導され、かつ鎖状、環状、架橋構造及び/又は立体架橋構造を形成する架橋構造エレメントを有する。その際、少なくとも1つの構造は理想的な形で一般式I
(R2O)[(R2O)1-x(R3xSi(B)O]b[(Y)2Si(A)Si(Y)2O]a[Si(C)(R5y(OR41-yO]c[Si(D)(R7)u(OR61-uO]d[Si(E)x(R8v(OR91-vO]w R9・(HX)e (I)
[式中、アルコキシシランから誘導される構造エレメント中
− Aは、ビス−アミノアルキル基であり、
− Bは、アミノアルキル基であり、
− Cは、アルキル基であり、
− Dは、エポキシ基、又はエーテル基であり、かつ
− Eは、有機官能基に相応し、
− Yは、OR1に相応するか、又は互いに無関係に架橋及び/又は立体架橋構造の形のOR1又はO1/2に相応し、
及び/又はR8は、有機官能性基に相応し、
− HXは酸であり、その際、Xは無機酸基、又は有機酸基であり、
− 0≦x≦1、0≦y≦1、0≦u≦1、a≧1、b≧0、c≧0、d≧0、
w≧0、e≧0であり、特にe≧1、かつ(a+b+c+d+w)≧2である]
に相応するか、もしくは理想化した式Iにより表現できる(図表1を参照のこと)。前記組成物は実質的に有機溶剤不含であり、かつ架橋の際に実質的にアルコールを放出せず、特に90℃を上回る引火点を有する。
【0027】
構造エレメント、モノマーシロキサン単位又はビス−シロキサン単位とは、個々の構成単位M、D、T又はQの存在、すなわち、アルコキシ置換シラン、これから形成される加水分解されたシラン及び/又は縮合生成物の存在であると解釈される。本発明によれば、構造エレメント、特に以下の構造エレメント
(R2O)[(R2O)1-x(R3xSi(B)O]b
[(R2O)1-x(R3xSi(B)O]b
[(Y)2Si(A)Si(Y)2O]a
(Y)[(Y)2Si(A)Si(Y)2O]a
[Si(C)(R5y(OR41-yO]c
[Si(C)(R5y(OR41-yO]R4c
[Si(D)(R7)u(OR61-uO]d
[Si(D)(R7)u(OR61-uO]R6d
[Si(E)(R8v(OR91-vO]w 及び/又は
[Si(E)(R8v(OR91-vO]w R9
前記構造エレメントのランダム及び/又は規則的な分布を有する鎖状、環状、架橋及び/又は立体架橋構造及び/又は前記構造エレメントのブロック縮合体が形成される(図表Iを参照)。一般式Iは、実際に存在する構造又は組成物を描写しているのでなく、理想化された表現の可能性に相当する。組成物は、有利には、前記構造エレメントのランダム及び/又は規則的な共加水分解及び/又は共縮合及び/又は前記構造エレメントのブロック縮合により(本発明によれば、A、B、C、D又はE−基で置換されたアルコキシシランをベースとして)生じる及び/又は選択された試験条件下に形成されるシリコン化合物を含有する。
【0028】
置換パターンは理想化した形で記載されていない鎖状、環状、架橋及び/又は立体架橋されたシラン系/シリコン化合物にも当てはまり、その際、Yは、OR1、又は相互に無関係に架橋及び/又は立体架橋した構造のOR1又はO1/2(シロキサン結合)に相応し、R1、R2、R4、R6及び/又はR9は、実質的に水素に相応し、その際、架橋及び/又は立体架橋した構造で、互いに無関係に基OR2、OR4、OR6及び/又はOR9からのO1/2とシロキサン結合を形成するか、もしくはこれらの基は相互に無関係にO1/2として存在していてもよく、かつR3、R5、R7及び/又はR8は有機官能性基に相応し、Aはビス−アミノアルキル基であり、Bはアミノアルキル基、Cはアルキル基、Dはエポキシ基、又はエーテル基であり、かつEは有機官能性基である。図表Iには、考え得る理想化された一般式Iの表記のバリエーションが例示されているが包括的ではない。
【0029】
【表1】

【0030】
実質的に有機溶剤不含の組成物とは、極めて僅かな含有量までしか有機溶剤、特にメタノール、エタノール又はプロパノールのようなアルコールを含有しない組成物であると解釈される。この定義によれば、アルコキシシランの加水分解の際に形成される加水分解アルコールは、これらの組成物から殆ど完全に除去される。実質的に有機溶剤不含の、特にアルコール及び/又はアルコキシ基不含のものとして、すなわち架橋の際に実質的にアルコールを放出しないものとして、含有量が5質量%未満、特に4質量%未満、有利には2質量%未満、特に1質量%未満、とりわけ有利には0.5質量%未満又は0.1質量%未満の組成物が当てはまる。特に、シリコン化合物の含有量は、1〜40質量%、特に5〜40質量%、有利には7.5〜40質量%、特に有利には12.5〜40質量%である。
【0031】
本発明によるビス−アミノ官能性組成物は、式IIのビス−アミノ官能性シランをベースとする少なくとも1つのビス−アミノ官能性構造エレメントを含有し、かつ0℃以上、特に5℃以上、有利には5〜30℃、特に有利には15〜25℃の温度で架橋する。卓越した特性を有する組成物は、5〜30℃の間で、24時間以内、特に12時間以内、有利には2時間以内に架橋する。
【0032】
本発明によるビス−アミノ官能性組成物は、ビス(トリアルコキシシラン)アミンをベースとする少なくとも1つのビス−アミノ官能性構造エレメントを含有し、その際、構造エレメントの数値は、b≧0、a≧1、c≧1、d≧0、w≧0及びe≧1である。少なくとも1つのビス(トリアルコキシシリルアルキル)アミン、ビス−N,N’−(トリアルコキシシリルアルキル)アルキレンジアミン及び/又はビス−N,N’−(トリアルコキシシリルアルキル)ジアルキレントリアミン、特にビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン((H5C2O)3Si(CH2)3NH(CH2)3Si(OC2H5)3、ビス−AMEO)、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン((H3CO)3Si(CH2)3NH(CH2)3Si(OCH3)3、ビス−AMMO)、ビス−DAMO((H3CO)3Si(CH2)3NH(CH2)2NH(CH2)3Si(OCH33)及び/又はビス−TRIAMO((H3CO)3Si(CH2)3NH(CH2)2NH(CH2)2 NH(CH2)3Si(OCH33)[その際、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン((H5C2O)3Si(CH2)3NH(CH2)3Si(OC2H5)3、ビス−AMEO)が特に有利である]と、アルキルアルコキシシラン、特にn−プロピルトリエトキシシラン(PTEO)、n−プロピルトリメトキシシラン(PTMO)、ジメチルジメトキシシラン(DMDMO)、ジメチルジエトキシシラン、n−オクチルトリアルコキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン(Dynasylan(R) OTEO)、オクチルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン及び/又はメチルトリエトキシシランとの組合せが有利であり、その際、シランはメトキシ及びエトキシが置換されていてもよい。反応体が互いに使用され、相応して組成物中にも存在する好適な質量比は、ビス−アミノ官能性シラン:アルキル官能性シラン=3:1〜1:2である。
【0033】
有利には、シリコン化合物は組成物中に5〜35質量%、又は7.5〜35質量%、特に12.5〜35質量%、有利には15〜35質量%、特に有利には15〜30質量%の全重量で存在する。好適には、組成物は1〜12.5質量%、特に1〜7.5質量%の含有量でシリコン化合物を有して存在していてもよく、これらは特に組成物を希釈することにより、例えば使用の直前に、支持体を処理及び/又は変性するための手段として行うことができる。
【0034】
組成物がa≧1かつb、c及びd=0のシランから成る場合、又はa≧1かつb≧1及びc、d=0のシランから成る場合には、シリコン化合物は組成物中に12.5質量%、有利には15〜35質量%、特に有利には15〜30質量%の全含量で存在する。
【0035】
pH値が1.0〜5.4の間、特に3.0〜5.4の間、有利には3.0〜4.8の間、特に有利には3.5〜4.8の範囲内である場合には、一般的に全ての組成物が特に安定である。好適には、架橋の際にも実質的にアルコールを放出しない実質的に溶剤不含の組成物中では、シリコン化合物が水溶性でかつ/又は安定であるようにpH値を調節することもできる。通常、これを約6.0のpH値まで又はこれを僅かに越えるまで加えることができる。
【0036】
本発明による組成物中、例えば特に一般式I中、[(Y)2Si(A)Si(Y)2O]aのような構造エレメントのAは一般式II
(OR13Si−A−Si(OR1)3 (II)
から誘導されるビス−アミノアルキル基に相応する。
【0037】
前記式中、Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
[式中、i、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、かつR1=1〜4個の炭素原子を有する線状、環状及び/又は分枝アルキル基であり、その際、i及び/又はi*は、特に1、2、3又は4の数字、有利は3に相応し、特にビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン
[(H5C2O)3Si(CH23NH(CH23 Si(OC2H5)3、ビス−AMEO]
(式中、i、i*=3であり、g、g*=0である)が有利である]
のビス−アミノ官能基である。
【0038】
更に、ビス−アミノ官能性アルコキシシランが有利である:
(H3CO)3Si(CH23NH(CH23 Si(OCH3)3(ビス−AMMO)、
(H3CO)3Si(CH23NH(CH22NH(CH23Si(OCH3)3(ビス−DAMO)、
(H3CO)3Si(CH23NH(CH22NH(CH22NH(CH23Si(OCH3)3(ビス−TRIAMO)、
ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)アミン、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)アミン、
ビス(トリエトキシシリルメチル)アミン、ビス(トリメトキシシリルメチル)アミン、
ビス(ジエトキシメチルシリルメチル)アミン、ビス(ジメトキシメチルシリルメチル)アミン、(H3CO)2(CH3)Si(CH23NH(CH22NH(CH23Si(OCH3)2(CH3)及び/又は(H3CO)3(CH3)Si(CH23NH(CH22NH(CH22NH(CH23Si(OCH3)2(CH3)。
【0039】
本発明による組成物中、例えば特に一般式I中、(R2O)[(R2O)1-x(R3)xSi(B)O]bのような構造エレメントのBは一般式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
から誘導されるアミノ官能基に相応する。
【0040】
前記式中、x=0又は1であり、R2は、1〜4個の炭素原子を有する線状及び/又は分枝アルキル基であり、R3は、1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、かつBは以下の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のうち1つのアミノ官能基に相応する。
【0041】
有利には、k=3、n=1又は2、l=1、2又は3であり、かつj=0であり、特に有利にはk=3、n=1又は2、l=2であり、かつj=0;m=2かつp=3であり、N,N−ジ(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基である。
【0042】
有利に使用可能なアミノアルキルアルコキシシランは以下のものである:
アミノプロピルトリメトキシシラン(H2N(CH23Si(OCH3)3、AMMO)、
アミノプロピルトリエトキシシラン(H2N(CH23Si(OC2H5)3、AMEO)、
ジアミノエチレン−3−プロピルトリメトキシシラン(H2N(CH22 NH(CH23Si(OCH3)3、DAMO);
トリアミノジエチレン−3−プロピルトリメトキシシランH2N(CH22 NH(CH22 NH(CH23Si(OCH3)3、TRIAMO)、
アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノプロピルメチルジメトキシシラン、2−アミノエチル−トリメトキシシラン、2−アミノエチル−メチル−ジメトキシシラン、2−アミノエチル−フェニル−ジメトキシシラン、2−アミノエチル−トリエトキシシラン、2−アミノエチル−メチル−ジエトキシシラン、2−アミノエチル−トリエトキシシラン、(2−アミノエチルアミノ)−エチルトリエトキシシラン、6−アミノ−n−ヘキシル−トリエトキシシラン、6−アミノ−n−ヘキシル−トリメトキシシラン、6−アミノ−n−ヘキシル−メチル−ジメトキシシランならびに特に3−アミノ−n−プロピル−トリメトキシシラン、3−アミノ−n−プロピル−メチル−ジメトキシシラン、3−アミノ−n−プロピル−トリエトキシシラン、3−アミノ−n−プロピル−メチル−ジエトキシシラン、1―アミノメチルトリエトキシシラン、1−アミノメチルメチルジエトキシシラン、1−アミノメチルトリメトキシシラン、1−アミノメチルメチルジエトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ブチル−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−1−アミノ−メチルトリエトキシシラン、N−ブチル−1−アミノメチルメチルジメトキシシラン、N−ブチル−1−アミノメチルトリメトキシシラン、N−ブチル−1−アミノメチルメチルトリエトキシシラン、N−ホルミル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ホルミル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ホルミル−1−アミノメチルメチルジメトキシシラン及び/又はN−ホルミル−1−アミノメチルメチルジエトキシシラン又はそれらの混合物。
【0043】
更に、例えば本発明による組成物中、特に一般式I中、[Si(C) (R5y(OR41-yO]のような構造エレメントのCは、例えば一般式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状及び/又は分枝アルキル基に相応する]
から誘導されるアルキル基に相応する。y=0又は1であるのが有利であり、その際、Cは1〜8個の炭素原子を有する線状又は分枝アルキル基であり、有利にはメチル、エチル、特に有利にはn−プロピル、イソプロピル又はオクチル基であるのが有利であり、R5は、1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基、有利にはメチル、エチルであり、特に有利にはn−プロピル基、イソプロピル基及び/又はオクチル基であり、R4は、1〜3個の炭素原子を有する線状及び/又は分枝アルキル基であり、特に有利にはメチル基、エチル基及び/又はイソプロピル基又はn−プロピル基に相応する。
【0044】
この例は以下のものである:プロピルトリメトキシシラン(PTMO)、ジメチルジメトキシシラン(DMDMO)、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン(MTES)、プロピルメチルジメトキシシラン、プロピルメチルジエトキシシラン、n−オクチル−メチル−ジメトキシシラン、n−ヘキシル−メチル−ジメトキシシラン、n−ヘキシル−メチル−ジエトキシシラン、プロピル−メチル−ジエトキシシラン、プロピル−メチル−ジエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、n−ヘキシル−トリエトキシシラン、シクロヘキシル−トリエトキシシラン、n−プロピル−トリ−n−ブトキシシラン、n−プロピル−トリメトキシシラン、n−プロピル−トリエトキシシラン、イソブチル−トリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルメチルジエトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン、ヘキサデシルメチルジメトキシシラン及び/又はヘキサデシルメチルジエトキシシランならびにこれらのシランの混合物。
【0045】
本発明による組成物中、特に一般式I中、例えば構造エレメント[Si(D) (R7u(OR61-uO]のDは、一般式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、その際、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル基、又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状及び/又は分枝アルキル基である]
から誘導されるエポキシ基、又はエーテル基に相応する。ポリエチレングリコール−3−プロピル(PEG−プロピル)、ポリプロピレングリコール−3−プロピル、ポリメチレン−グリコール−3−プロピルから成るグループ又はプロピレングリコール基及びエチレングリコール基とのコポリマー、例えば、ランダムな分布を有するもの又はブロックポリマーから選択されるポリアルキルグリコール基が好適であり、その際、ポリアルキレングリコール基は有利には分子当たり約3〜14個のアルキレングリコール基の平均分布度を有する。
【0046】
本発明による組成物中、特に一般式I中の構造エレメント[Si(E) (R8v(OR91-vO]w R9のEは、例えば一般式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、その際、Eは基R8*−Ym−(CH2s−であり、かつR8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であり、かつ/又はEはビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルコキシ基であり、かつR9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
から誘導される有機官能基に相応する。有利な実施態様によれば、EはF3C(CF2)r(CH2s−基に相応し、その際rは0〜9の整数であり、sは0又は2であり、特に有利にはrは5であり、かつsは2であり、CF3(CF2)5(CH2)2−基、又はCF3(C6H4)−基、又はC6H5−基に相応する。好適な実施態様によれば、Eは、一般式IX
(CH2q−X−(CH2q−Si(R8v(OR93-v (IX)
(式中、q=1、2又は3であり、X=Spであり、
pは平均2もしくは2.18であるか、又は平均4もしくは3.8であり、鎖中2〜12個の硫黄原子の分布を有し、かつv、R8とR9先に定義した通りである)
のスルファンアルキル基に相応する。
【0047】
得られるシラン(Eは一般式IXに相応する)は、例えばビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルファン(Si 266)、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ジスルファン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン(Si 69)、ビス(トリメトキシシリルプロピル)テラスルファン、ビス(トリエトキシシリルメチル)ジスルファン、ビス(トリメトキシシリルメチル)ジスルファン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルファン、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)ジスルファン、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)ジスルファン、ビス(ジメトキシメチルシリルメチル)ジスルファン、ビス(ジエトキシメチルシリルメチル)ジスルファン、ビス(ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルファン、ビス(ジメトキシメチルシリルプロピル)テトラスルファン、ビス(ジメトキシメチルシリルメチル)テトラスルファン及び/又はビス(ジエトキシメチルシリルメチル)テトラスルファンであることができる。
【0048】
もう1つの好適な実施態様によれば、Eは、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、又はn−プロポキシ基に相応し、その際、v=0であるので、一般式VIIIの化合物はテトラアルコキシシランに相応する。通常のテトラアルコキシシランは、テトラメトキシシラン又はテトラエトキシシランである。
【0049】
一般式VIIIの特に有利な化合物は以下のものである:
トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−1−トリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシラン又はこれらから誘導されるシランを含有する相応の混合物又は3,3,3−トリフルオロプロピル−トリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチル−ジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピル−メチル−ジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピル−シクロヘキシル−ジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピル−フェニル−ジエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピル−トリエトキシシラン、3,3,3,2,2−ペンタフルオロプロピル−メチル−ジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシエチル−トリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメルカプトエチル−トリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルオキシエチル−メチル−ジメトキシシランならびに特にトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−トリメトキシシラン及びトリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−トリエトキシシランならびにアクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランであり、その際、アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基によって置換可能である。適切な化合物は、同様にメタクリロキシメチルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピル−メチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピル−メチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピル−メチルジエトキシシラン、メタクリロキシメチル−メチルジエトキシシラン及び/又はメタクリロキシメチル−メチルジメトキシシランである。
【0050】
本発明による組成物は、1.0〜5.4の範囲内、特に3.0〜5.4、有利には3.5〜5.4、特に有利には3.5〜4.8の範囲内のpH値を有する。この場合には、これらは組成物の製造に使用される最初のアルコキシシランに対して、5〜35質量%のシリコン化合物の含有量を有し、特に、7.5〜40質量%、有利には10〜40質量%、特に有利には12.5〜30質量%である。組成物の1つの利点は、それ自体が12.5〜30質量%のシリコン化合物の含有量の場合に、2.0〜5.4の間、特に3.5〜5.4の間、有利には3.5〜4.8の間、特に有利には4.2〜4.8のpH値で安定であることである。
【0051】
組成物は、これが室温にて密封容器内で少なくとも2カ月、有利には6カ月の期間にわたり、特に有利には室温(20〜25℃)にて10カ月にわたり何もゲルを形成しない場合に安定なものとしてみなされる。特に安定な組成物は、前記上記条件下で12カ月にわたり安定である。二者択一的に、特に安定な組成物は、ストレス条件下に2カ月まで、特に6カ月まで安定性を有する。ストレス条件下とは、60℃の密閉容器内での貯蔵と解釈される。
【0052】
組成物のpH値の調節は、通常はその製造の際に既に行われるのでpH値を後から調節しなくてもよい。pH値を調節する酸として、特にHX(Xは、無機又は有機酸基である)として、有利にはギ酸、酢酸、酸性シリカゾル、氷酢酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が使用される。シリカゾルとして、特にLevasil 100Sが用いられ、酸性シリカゾルとして、沈降ケイ酸、分散性ケイ酸が用いられる。
【0053】
助剤として、かつ更なる成分として、組成物はナノスケールの充填剤又は一般的な通常の充填剤を添加してもよい。これらは、中性又は塩基性のシリカゾルもしくはシリカゲルであってもよい。流動助剤のような添加剤又は例えば硬化速度を変更する触媒を組成物に添加してもよい。
【0054】
同様に、本発明によれば実質的に溶剤不含の組成物は、実質的に完全に加水分解され、かつ実質的に水溶性のビス−アミノ官能性シリコン化合物を含有し、その際、少なくとも1つの構造は、理想的な形で記載したb≧0、a≧1、c≧1、d≧0及び/又はw≧0かつe≧1である一般式(I)に相応し、かつその際、pH値は<12であり、特にb=0であってよい。
【0055】
組成物は、有利には水、酸のみ、及び一般式II、IV、VI、VII及び/又はVIIIの実質的に水溶性のアルコキシシランから誘導されるシリコン化合物及び/又はそれらの実質的に完全に加水分解された水溶性共縮合生成物から成り、その際、少なくとも1つの構造は理想的な形で記載された一般式(I)に相応し、かつ実質的に有機溶剤不含である。従って、本発明による組成物は有利には、5〜40質量%、有利には7.5〜35質量%、特に12.5〜30質量%の前記シリコン化合物の作用物質含有量を有する。これらの組成物のpH値は、2.0〜5.4の間である。組成物を安定化する更なる添加剤は通常は必要不可欠ではない。さらに、本発明によれば実質的に溶剤不含の組成物は、実質的に完全に加水分解され、かつ実質的に水溶性のアミノ官能性シリコン化合物から成り、その際、少なくとも1つの構造はb=0、a≧1、c=0、d=0、w=0及びe≧1である理想的な形で記載された一般式(I)に相応し、かつその際、上記定義によるビス−アミノアルキルアルコキシシランの含有量は、組成物中に少なくとも12.5質量%まで、特に12.5〜35質量%、有利には15〜35質量%、特に有利には15〜25質量%で存在し、その際、製法の際及び/又は組成物中のpH値は1.0〜5.4、特に3,5〜5.4の間、有利には3.5〜4.8の間、特に有利には4.2〜4.8の間である。それ自体、これらの組成物は密閉容器内で、室温にて少なくとも6カ月、有利には室温にて12カ月、特に60℃で5カ月までの貯蔵安定性を有する。好適な実施態様によれば、これらの組成物中のビス−アミノアルキルアルコキシシランの含有量は、1〜12.5質量%の範囲内、特に5〜12.5質量%の範囲内であってよく、その際、pH値は製法の際及び/又は組成物中で、1.0〜5.4の間、特に3.5〜5.4の間、有利には3.5〜4.8の間、特に有利には4.2〜4.8の間である。
【0056】
更なる実施態様によれば、実質的に溶剤不含の組成物は、実質的に完全に加水分解され、かつ実質的に水溶性のビス−アミノ官能性シリコン化合物から成り、その際、少なくとも1つの構造は、b≧1、a≧1、c=0、d=0、w=0及びe≧1である理想的な形で記載された一般式(I)に相応し、かつビス−アミノ官能性アルコキシシラン:アミノ官能性アルコキシシランのモル比は≧1.0であり、かつその際、pH値は1.0〜5.4であり、特に3,5〜5.4の間、有利には3.5〜4.8の間である。これらの組成物は、ビス−アミノ官能性アルコキシシラン:アミノ官能性アルコキシシランの比が≧1.2、特に2であり、かつpH値が3.5〜5.4の間、有利には3.5〜4.8の間である場合に特に安定である。これらの組成物の場合には、密閉容器内で60℃にて少なくとも6カ月、特に8カ月までの貯蔵安定性を達成できる。二者択一的に、実質的に溶剤不含の組成物は実質的に水溶性のビス−アミノ官能性シリコン化合物を含有し、但し少なくとも1つの構造は、b≧1、a≧1、c≧0、d≧0、w≧1及びe≧1である理想的な形で記載された一般式(I)に相応し、その際、pH値は有利には1.0〜5.4の間であり、特に3.0〜5.4の間、特に3.5〜5.4の間、特に有利には3.5〜4.5の間である。使用されるアルコキシシラン化合物に対して、5〜20質量%の含有量を有するのが有利であり、この場合にフルオロ官能性アルコキシシランの含有量は、1〜18質量%の間、有利には2〜15質量%の間、特に有利には3〜10質量%の間であってよい。
【0057】
更に、本発明の組成物は有利かつ実用的に、水もしくは望ましい限りは水溶性溶剤で、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールで任意に希釈することができるが、これに限定されるわけではない。この場合に、本発明による組成物において作用物質含有量、すなわち上記のシリコン化合物の含有量を水及び/又は水溶性溶剤で希釈することにより、0.0001〜40質量%までの含有量まで実用的に連続的に調節することができる。
【0058】
本発明は、実質的に水溶性のビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水ならびに酸を含有する組成物の製法に関し、その際、水、酸、場合によりアルコール及び/又は場合により触媒を予め装入し、かつ式II
(OR13Si−A−Si(OR13 (II)
[式中、Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
(式中、i、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、かつR1=1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応し、その際i及び/又はi*は特に1、2、3又は4の数、有利には3である)
のビス−アミノ官能基に相応し、特にi、i*=3、かつg、g*=0である化合物ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン((H5C2O)3Si(CH2)3NH(CH2)3Si(OC2H5)3、ビス−AMEO)が有利である]
の少なくとも1つのビス−アミノシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により、式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
[式中、
x=0又は1であり、R2は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、Bは下記の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のうち1つのアミノ官能基に相応する]
の少なくとも1つのアミノアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により、一般式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
の少なくとも1つのアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により、一般式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、その際、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル基、又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
の少なくとも1つエポキシ−アルコキシシラン又はエーテル−アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、Eは基R8*−Ym−(CH2s−であり、その際R8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であり、又はビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルコキシ基であり、かつR9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、ここでスルファンアルキル基は、一般式IX
−(CH2q−X−(CH2q−Si(R8v(OR93-v (IX)
(式中、q=1、2又は3であり、X=Spであり、pは平均で2もしくは2.18であるか、又は平均で4もしくは3.8であり、鎖中2〜12個の硫黄原子の分布を有し、v、R8及びR9は、先に定義した通りである)に相応する]
の少なくとも1つ有機官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を、
− 加水分解し、かつアルコールを実質的に除去する。
【0059】
本発明によれば、実質的に加水分解されていない式IIのビス−アミノ官能性アルキルアルコキシシランが使用される。ここで、加水分解されていないとは、>80質量%、特に>95質量%、特に98質量%がまだ加水分解されていないビス−アミノ官能性シラン化合物を反応混合物に添加することを意味する。もう1つの本発明による変法によれば、式IIの少なくとも1つのビス−アミノ官能性アルキルアルコキシシランと、一般式VIの少なくとも1つのアルキルアルコキシシランだけが方法で使用される。特に有利な化合物は、ビス−AMEO、プロピルトリアルコキシシラン(PTMO、PTEO)、メチルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシランである。これらのアルコキシシランは、上記の定義により有利には加水分解されずに方法で使用される。
【0060】
組成物のpH値の調節は、通常は既にその製造の際に行われるので、後からpH値の調節を行わなくてもよい。pH値を調節する酸として、特にHX(Xは、無機又は有機酸基である)として、有利にはギ酸、酢酸、酸性シリカゲル、もしくは酸性シリカゾル、氷酢酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が使用される。シリカゾルとして、特にLevasil 100Sが用いられ、また酸性シリカゾルとして、沈降ケイ酸、分散性ケイ酸も用いられる。触媒として、例えばジルコニウム−n−プロピレート又は他の通常の触媒を使用することができる。
【0061】
通常、水と酸を予め装入し、かつ一般式II、IV、VI、VII及び/又はVIIIのシラン及び/又はそれから誘導される生成物、例えば、プロトン化されたシラン、加水分解生成物、共縮合生成物及び/又は縮合生成物を連続してかつ/又は混合物として添加し、加水分解し、かつ場合により特に2.0〜5.4の間のpH値で、有利には3.0〜5.4の間のpH値で縮合する。酸を更に添加することにより、方法の際にpH値を保持もしくは調節することができる。この場合に、一般式II、IV、VI、VII及び/又はVIIIのシラン、それらの加水分解生成物、共縮合生成物、縮合生成物及び/又はそれらの混合物を水溶液及び/又はアルコール性溶液に添加してもよい。これらは、連続してもしくは混合物の形で行うことができる。1つの方法では、水溶液/アルコール性溶液中で、アルコールもしくはアルコール性シラン溶液の添加により、加水分解を12未満のpH値で、すなわちアルカリ性でも実施できる。引き続き、加水分解アルコール及び場合により更に添加されるアルコールは、反応混合物から実質的に完全に除去される。pH値の調節は、アルコール除去の前又は後に行うことができる。
【0062】
予め装入してある酸性化された水へのアルコール性溶液の添加は、特に以下の方法で行うことができる。まず、アルコール、例えばエタノールを式II、IV、VI、VII及び/又はVIIIのシランと、場合により僅かな水及び場合により触媒又は場合により酸と混合し、かつ短い反応の後に、予め装入してある酸性化された水に添加する。pH値が所望の範囲にない場合には、更なる酸の添加によりこれを改変することができる。同様に、少なくとも1つのシランを反応混合物に添加した後に更なる水を添加することもできる。
【0063】
組成物の所望する特性に応じて、既に方法において、TiO2、SiO2、シリカゾル、Aerosil分散液及び/又はAl2O3のような無機充填剤を添加することが好適である。
【0064】
加水分解アルコールもしくは添加したアルコールを完全に除去するために、組成物に繰り返し水を添加し、組成物が実質的にアルコール不含になるまで共沸混合物をアルコールで留去することができる。
【0065】
二者択一的に、一般式IIの水性シラン及び/又はそれらの共縮合生成物もしくは縮合生成物、例えば式IIとVIの共縮合生成物を予め装入し、例えば1.0〜3.5の低いpH値で加水分解し、かつ一般式IV、VII及び/又はVIIIのシラン及び/又はその縮合生成物を個別に又は混合物として添加できる。有利には、式VIの少なくとも1つのシランを添加する。式II及び/又はIVの更なるアミノシランの添加により、pH値を上げることができる。最後のシランの添加の後に、反応混合物を撹拌しながら30〜100℃の温度で、実質的に完全に加水分解することができる。加水分解は全ての方法で55〜80℃で行うのが有利である。
【0066】
本発明の対象は、実質的に水溶性のビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する組成物の製法ならびにこの方法により得られる組成物である。その際、一般式II、IV及び/又はVIIの少なくとも1つの水溶性シランの水溶液もしくはそれらの水溶性縮合生成物、特に式II、IV及び/又はVII相互のシランからの、又はVI及び/又はVIII、又は例えばシリカゾルとの共縮合生成物、又は一般式VIのシランの水溶性加水分解生成物、特にメチル官能化されたものを予め装入し、
− ここで式II
(OR13Si−A−Si(OR1)3 (II)
[式中、
Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
(式中、i、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、かつR1=1〜4個の炭素原子を有する線状、環状及び/又は分枝アルキル基である)
のビス−アミノ官能基である]
のシランは、ビス−アミノアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物に相応し、特に少なくとも部分的にプロトン化されている、
− 式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
[式中、
x=0又は1であり、R2は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつBは以下の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のアミノ官能基のうち1つに相応する]
のシランはアミノアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物に相応し、特に少なくとも部分的にプロトン化されている、
− 式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、その際、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル基、又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
のシランは、エポキシ−アルコキシシラン又はエーテル−アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物に相応し、
− 式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
のシランは、アルキルアルコキシシランに相応する、
かつ場合により酸、場合によりアルコール及び場合により触媒及び場合により一般式II、IV、VI、VII及び/又はVIIIの1つ以上の更なるシラン又はそれらの縮合生成物を添加し、
− その際、添加される式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
のシランは、アルキルアルコキシシランに相応し、
− 式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、Eは基R8*−Ym−(CH2s−であり、その際R8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であり、又はビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルコキシ基であり、かつR9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
のシランは、有機官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物に相応する、
− 加水分解し、かつアルコールを実質的に除去する。
【0067】
所望する組成物の特性に応じて、好適には方法において無機充填剤、例えばTiO2、SiO2、シリカゾル、Aerosil分散液及び/又はAl2O3を既に添加してもよい。
【0068】
既に存在する及び/又は反応の際に生じるアルコールは、本発明による方法の全てのバリエーションで反応混合物から除去される。アルコールの蒸留による除去は、有利には減圧下に実施される。アルコールの蒸留による除去は、有利にはカラムの塔頂で水の沸騰温度が達成されるまで行われる。アルコールが実質的に完全に除去できなかった場合は、新たに水を添加し、かつ更にアルコール/水−混合物が特に蒸留により除去される。この操作は、アルコールが実質的に除去されるまで繰り返される。実質的に除去されるとは、アルコールの含有量が4質量%未満、特に2質量%未満、有利には1質量%未満、特に有利には0.5質量%未満、0.1質量%もしくは0.05質量%未満であることに該当する。得られる組成物は、実質的にアルコール不含である。すなわち、場合により添加されるアルコールも加水分解アルコールも、殆ど完全な加水分解の後に反応系から有利に除去される。従って、前記含有量が4質量%未満、特に2質量%未満、有利には1質量%未満、特に有利には0.5質量%未満、0.1質量%未満又は0.05質量%未満である場合には、使用される組成物は実質的に遊離アルコール及び/又はアルコキシ基不含である。
【0069】
従来技術の方法とは異なり、前記方法での置換アルコキシシランは、50〜90質量%、特に65〜90質量の含水量の場合に水で加水分解される。含水量は、予め装入した水の量又はアルコール及び/又は水を混合物から除去する前の、全反応混合物中の全含水量に対する。反応の間に、pH値は2.0〜5.4、特に3.0〜5.4、有利には3.5〜5.4の間であるのがよい。アルコールを反応混合物から除去した後にも、組成物のpH値は1.0〜5.4の間、特に3.0〜5.4の間、有利には3.5〜5.4の間である。使用されるビス−アミノ基、アミノ基、アルキル基、エポキシ基、ポリアルキルグリコールアルキル基、3−グリシドキシアルキル基、グリシドキシアルキル基、フルオルアルキル基、メルカプト基、ウレイドアルキル基、アルケニル基、アクリロキシアルキル基が置換されたアルコキシシラン及び/又はテトラアルコキシシランは、アルコールを除去した後に、組成物中で使用されたアルコキシシランに対して、全部で7.5〜50質量%、特に10〜40質量%、有利には10〜35質量%、特に有利には20〜35質量%の含有量で存在する。
【0070】
本発明の方法により製造された組成物は、安定かつ透明であるか又は部分的に乳濁ないし混濁した溶液であるが実質的に有機溶剤不含であり、どの比率でも水で希釈でき、水を添加する際に実質的に加水分解アルコールを何も生じず、かつ63℃を上回る、有利には80℃を上回る、特に有利には93℃を上回る引火点を有する。
【0071】
本発明のもう1つの対象は、水、酸及び場合によりアルコールを予め装入し、かつ式II
(OR13Si−A−Si(OR1)3 (II)
[式中、
Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
(ここでi、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、R1は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である)のビス−アミノ官能基である]
の少なくとも1つのビス−アミノ官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
[式中、
x=0又は1であり、
2は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつBは以下の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のアミノ官能基のうち1つに相応する]
の少なくとも1つのアミノアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により一般式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により一般式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、その際、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのエポキシシラン又はエーテルシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、Eは基R8*−Ym−(CH2s−であり、かつR8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であり、又はビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルコキシ基であり、かつR9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルコキシ基に相応し、
ここでスルファンアルキル基は、一般式IX
−(CH2q−X−(CH2q−Si(R8v(OR93-v (IX)
(式中、q=1、2又は3であり、X=Spであり、pは平均で2もしくは2.18であるか、又は平均で4もしくは3.8であり、鎖中2〜12個の硫黄原子の分布を有し、v、R8及びR9は、先に定義した通りである)に相応する]
の少なくとも1つの有機官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、
と反応させ、加水分解、特に完全に加水分解させて実質的に完全にアルコールを除去することにより得られる、実質的に水溶性のビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する水性組成物もしくは水性シラン系に関する。
【0072】
記載したように、実質的に加水分解されていない式IIのビス−アミノ官能性アルキルアルコキシシランもしくは加水分解されていない式IV、VI、VII及び/又はVIIIのアルコキシシランが使用される。得られる組成物は実質的にアルコール不含である。
【0073】
更に本発明の対象は、実質的に水溶性のビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する組成物の製法であり、その際、有機溶剤、場合により水、場合により酸及び/又は場合により触媒を予め装入し、かつ
− 式II
(OR13Si−A−Si(OR1)3 (II)
[式中、
Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
(ここでi、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、R1は、1〜4個の炭素原子を有する線状、環状及び/又は分枝アルキル基に相応する)のビス−アミノ官能基である]
の少なくとも1つのビス−アミノアルコキシシラン、及び/又はその縮合生成物、及び場合により式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
[式中、
x=0又は1であり、
2は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつBは以下の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のアミノ官能基のうち1つに相応する]
の少なくとも1つのアミノアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により一般式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により一般式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、その際、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル基、又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのエポキシ−アルコキシシラン又はエーテル−アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、その際、Eは基R8*−Ym−(CH2s−であり、R8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であり、又はビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルコキシ基であり、かつR9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルコキシ基に相応する]
の少なくとも1つの有機官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を、
−加水分解、特に完全に加水分解させ、かつ加水分解アルコール又は溶剤を実質的に除去することにより得られる。
【0074】
溶剤として、特にメタノール、エタノール、プロパノール及び/又はこれらの混合物のグループから選択されるアルコールが用いられる。好適には、溶剤は酢酸エステル、THF、ケトン又は炭化水素であってもよい。
【0075】
本発明によれば、アルコールは、一般式II、IV、VI、VII及び/又はVIIIのシランの少なくとも1つ、その縮合生成物及び/又はこれらの混合物と一緒に予め装入される。引き続き、水及び/又は酸を添加することができる。水だけを添加する場合には、加水分解をアルカリ性で行うことができる。
【0076】
前記方法は、アルコール及び場合により水を予め装入し、一般式IIの少なくとも1つのビス−アミノアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を添加し、かつ加水分解ならびに場合により縮合するように実施するのが有利である。反応混合物は、一般式Iのビス−アミノアルコキシシランの添加によりアルカリ性である。式IIの実質的に加水分解されていないビス−アミノアルキルアルコキシシランを使用するのが有利である。本発明によれば、式IIの少なくとも1つのビス−アミノアルキルアルコキシシランと一般式VIのアルキルアルコキシシランを使用するのが有利である。
【0077】
アルコール及び場合により水及び場合により酸を予め装入する場合には、一般式IIのビス−アミノアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を添加し、かつ加水分解ならびに場合により縮合する。引き続き、式VIの少なくとも1つのアルキルアルコキシシランと、場合により式IVの少なくとも1つのアミノアルキルアルコキシシラン、場合により一般式VIIの少なくとも1つのエポキシ−アルコキシシラン又はエーテル−アルコキシシラン及び場合により式VIIIの少なくとも1つの有機官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を連続して又は混合物として添加するのが有利である。この場合に、加水分解をアルカリ性で行い、pHは12未満であるのが有利である。
【0078】
一般式II、IV、VI、VII又はVIIIのシラン及び/又はこれらから誘導される生成物、例えば、加水分解生成物及び/又は縮合生成物、例えば、共縮合生成物の添加は、連続して又は混合物として行うことができる。同様に、一般式II、IV、VI、VII又はVIIIのシラン及び/又はこれらの縮合生成物の添加は、水溶液及び/又はアルコール性溶液中で行うことができる。必要な場合には、方法の際に少なくとも1つの無機充填剤、例えば、二酸化チタン、二酸化ケイ素、シリカゾル、Aerosil分散液又は酸化アルミニウムを添加することができる。
【0079】
加水分解の前もしくは間に酸を添加しない場合には、pH値はアルカリ性であり、特に12を下回っていてよい。反応は、30〜100℃の間、有利には55〜80℃の間で実施できる。加水分解と場合により行われる縮合の後に、pH値を1.0〜7.0の間の値に調節してもよい。これは酸の添加により行われる。
【0080】
pH値を調節する酸として、特にHX(Xは、無機又は有機酸基である)として、有利にはギ酸、酢酸、酸性シリカゲル、もしくは酸性シリカゾル、氷酢酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸が使用される。シリカゾルとして、特にLevasil 100Sが用いられ、また酸性シリカゾルとして、沈降ケイ酸、分散性ケイ酸も用いられる。
【0081】
溶剤及び反応の際に生じるアルコールは、反応混合物から除去される。溶剤及び/又はアルコールの蒸留による除去は、有利には減圧下に実施される。蒸留による除去は、有利にはカラムの塔頂で水の沸騰温度に相当する温度が達成されるまで行われる。アルコール及び/又は溶剤が実質的に完全に除去できなかった場合は、新たに水を添加し、かつ溶剤/水もしくはアルコール/水−混合物を除去し、特に蒸留により除去する。この操作は、アルコールが実質的に除去されるまで繰り返される。
【0082】
生じる組成物は、実質的に溶剤不含、特にアルコール不含である。すなわち、場合により添加されるアルコールも加水分解アルコールも有利には殆ど完全な加水分解の後に反応系から除去される。従って、前記含有量が5質量%未満、4質量%未満、特に2質量%未満、有利には1質量%未満、特に有利には0.5質量%未満、0.1質量%未満又は0.05質量%未満である場合には、使用される組成物は実質的に遊離アルコール及び/又はアルコキシ基不含である。
【0083】
加水分解アルコールと溶剤を除去した後の組成物のpH値は、3.0〜5.4の間、特に有利には3.5〜5.4の間であるのが有利である。
【0084】
本発明のもう1つの対象は、ビス−アミノ官能性及び実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する実質的に水溶液の組成物であり、該組成物は、有機溶剤、場合により水、場合により酸及び/又は場合により触媒を予め装入し、かつ
− 式II
(OR13Si−A−Si(OR1)3 (II)
[式中、
Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
(ここでi、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、R1は、1〜4個の炭素原子を有する線状、環状及び/又は分枝アルキル基に相応する)
のビス−アミノ官能基である]
の少なくとも1つのビス−アミノアルコキシシラン、及び/又はその縮合生成物、及び場合により式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
[式中、
x=0又は1であり、
2は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつBは以下の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のアミノ官能基のうち1つに相応する]
の少なくとも1つのアミノアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により一般式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により一般式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、その際、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル基、又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのエポキシ−アルコキシシラン又はエーテル−アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、Eは基R8*−Ym−(CH2s−であり、R8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であり、又はビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルコキシ基であり、かつR9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルコキシ基に相応する]
の少なくとも1つの有機官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を、
− 加水分解、特に完全に加水分解し、かつ加水分解アルコールと溶剤を実質的に除去することにより得られる。
【0085】
本発明の方法により製造された組成物は、安定かつ透明であるか又は部分的に乳濁ないし混濁した溶液であるが実質的に有機溶剤不含であり、どの比率でも水で希釈でき、水を添加する際に実質的に加水分解アルコールを何も生じず、かつ63℃を上回る、有利には80℃を上回る、特に有利には93℃を上回る引火点を有する。
【0086】
また本発明の対象は、実質的に水溶性のビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリカ化合物、水及び酸を含有する組成物の製法、ならびに前記方法により得られる組成物であり、その際、一般式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル基、又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのエポキシ−アルコキシシラン又はエーテル−アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び/又は一般式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び/又は式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、Eは基R8*−Ym−(CH2s−であり、R8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であり、又はビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルコキシ基であり、かつR9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルコキシ基に相応する]
の少なくとも1つの有機官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を予め装入し、二者択一的に、式IV、VI及び/又はVIIIのシランを式II及び/又はIVの少なくとも1つのシランと混合した形で予め装入し、
− かつ水の存在、かつ酸及び/又は触媒と水の存在、及び場合により溶剤の存在で、少なくとも部分的に加水分解し、引き続き二番目の加水分解工程では、
− 更なる水及び場合により更なる酸の存在で、
− 式II
(OR13Si−A−Si(OR1)3 (II)
[式中、
Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
(ここでi、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、R1は、1〜4個の炭素原子を有する線状、環状及び/又は分枝アルキル基に相応する)
のビス−アミノ官能基である]
の少なくとも1つのビス−アミノアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により
−式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
[式中、
x=0又は1であり、
2は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつBは以下の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のアミノ官能基のうち1つに相応する]
の少なくとも1つのアミノアルキルアルコキシシラン、及び/又はその縮合生成物を添加し、加水分解し、かつアルコールを実質的に除去する。
【0087】
その際に、一般式VI、VII又はVIIIのシラン及び/又は縮合生成物を連続して又は混合物として添加してもよい。2番目の加水分解工程での水の添加は、水性シラン混合物の添加もしくは別々の水の添加により行うことができる。特に、2番目の加水分解工程の間の含水量は、50〜90質量%、特に有利には65〜90質量%である。加水分解の際のpH値は2.0〜5.4の間、有利には3.0〜5.4の間である。pH値の調節は、各時点で先に挙げた酸のうち1つの添加により行うことができる。
【0088】
シリコン化合物の含有量は、全部で7.5〜40質量%である。有利な実施態様によれば、式IIの実質的に加水分解されていないビス−アミノアルキルアルコキシシランが使用される。本発明によれば、式IIの少なくとも1つのビス−アミノアルキルアルコキシシランと一般式VIのアルキルアルコキシシランが使用される。
【0089】
好適な態様の変法では、方法の間に少なくとも1つの無機充填剤、例えばTiO2、SiO2、シリカゾル、Aerosil分散液及び/又はAl2O3を使用できる。加水分解と縮合は、30〜100℃の間、有利には55〜80℃の間の温度範囲内で実施される。
【0090】
更に加水分解アルコール及び場合により添加されたアルコールを更に除去するために、混合物に更なる水が添加され、組成物が実質的にアルコール不含になるまで新たにアルコール/水−混合物が除去される。この操作は、組成物が実質的にアルコール不含になるまで繰り返すことができる。アルコールを除去した後の組成物のpH値は有利には1.0〜5.4の間、特に有利には3.0〜5.4の間である。
【0091】
本発明の対象は、更なるシランをベースとする組成物と混合した形の、本発明による組成物の使用であり、特に前記混合物は、アルキル−、アルケニル−、アリール−、エポキシ−、ジヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、ポリアルキルグリコールアルキル−、ハロゲンアルキル−、メルカプトアルキル−、スルファンアルキル−、ウレイドアルキル−、アクリロキシアルキル−官能性及び/又はテトラアルコキシ−官能性シラン及び/又はこれらの混合物をベースとするシランベースの組成物と一緒に、ビス−アミノ官能性シリコン化合物を含む組成物を含有している。特に、更なるシランとの混合物の形で本発明による組成物を添加すると硬化温度を下げる。その際、更なるシランの撥水特性は保持又は改善される。このための例は、以下の実施例で明らかになる。
【0092】
本発明による組成物及び/又は混合物は、例えば、遊離ヒドロキシ官能基を有する支持体表面の疎水化に使用できる。ヒドロキシ官能基の架橋及び/又は作り得る錯体形成及び/又はアミノ官能基の反応により、支持体表面上に塗布された層の高い強度が達成される。全体的に、支持体表面を処理又は変性するため、特に支持体表面のバリヤー層を構成するために前記組成物及び/又は混合物は役立つ。前記組成物もしくは混合物は、金属表面、例えば、特殊鋼、アルミニウム、鋼、チタンのようなもの、ガラス表面、有機材料、例えば、プラスチック表面のようなもの、又は特に天然繊維、例えば紙、木綿又は木材のようなもの、鉱物表面、例えばコンクリート、煉瓦、砂岩ならびに更なる無機表面を疎水化するために使用するのが有利である。組成物が共縮合体の形もしくは混合物の形でフルオロシランを含有するシリコン化合物をベースとする場合には、疎油性及び抗−落書き特性を達成できる。更なる利用分野は、ガラス、金属から成る表面、鉱物表面、例えば、コンクリート、モルタル、セメントの床又は砂岩又は有機材料、特に天然繊維、例えば、紙、木綿又は木材のプライマー処理の際に明らかになる。例えば、金属表面のプライマー処理により、改善された接着性ひいては特に改善された腐食防止を達成できる。同様に、このような組成物ベースとする本発明による組成物又は混合物を、若干の例として挙げるにすぎないが、鉄、鋼、特殊鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、銀、銅のような金属の腐食防止に使用するのも有利である。
【0093】
この場合に、腐食前の保護すべき金属もしくは金属表面は未処理又は前処理されていてよい。特に処理された金属表面の例として、リン酸塩処理、クロム酸塩処理、亜クロム酸塩処理、亜鉛めっきされた金属表面、又は付加的にクロム酸塩処理、亜クロム酸塩処理又はリン酸塩処理してある亜鉛めっきされた金属表面が挙げられる。クロム酸塩処理された金属表面とは、一般的にクロム(VI)含有試薬で処理もしくは不動態化したようなものと解釈される。これと同様に、ここで亜クロム酸塩処理された金属表面とは、クロム(III)含有試薬で処理もしくは不動態化したようなものと解釈される。更に、石油採掘の際に岩石を固化する水性組成物は、例えばセメント及び/又はモルタル既成部材の製造の際に、例えばパイプなど又は水溶性塗料又は樹脂調製物において使用できる。もう1つの利用の可能性によれば、本発明による組成物は、特に添加剤及び/又は充填剤の添加によりそれらの製品特性を更に変性することができる。従って、例えば流動助剤の添加により、表面上で改善された分布を達成できる。触媒、例えばジルコニウム−n−プロピレートの添加により、又はpH値の変性により、完成した組成物の硬化を加速することができる。
【0094】
本発明の対象は、組成物及び/又は混合物の使用により得られる被覆又は固化された製品でもある。ここで挙げられるのは、特に被覆ガラス、被覆アクリルガラス、腐食防止金属又は腐食防止された鉱物支持体、例えば、硬化コンクリート又はモルタル又は前記有機材料、特に処理もしくは被覆した天然繊維から成る製品である。この例は、前記組成物で処理した鉄筋であり、これはコンクリートにおけるその使用前に前記組成物で被覆される。更に、まだ硬化されていないコンクリート混合物を本発明による組成物と混合、加工し、引き続き硬化することもできる。この場合には、例えば正確なpH値もしくはそれらのパラメーターの選択により、前記組成物を加工可能なままにすることに注意すべきである。このように、例えば疎水化剤、腐食耐性コンクリート又はコンクリートから成る製品、例えば、配水管又は建築物用の既成部材が得られる。このように処理されたコンクリートは、環境の影響に対して著しく良好な腐食耐性を有する。本発明を以下の実施例を用いて詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】図1は、アルミニウム試験薄板上の、加水分解したエポキシシラン縮合体から成る被覆を示す図である。
【図2】図2は、アルミニウム試験薄板上の、ビス−アミノ官能性シリコン化合物と加水分解したエポキシシラン縮合体から成る被覆を示す図である。
【0096】
実施例
分析による試験:
残留物:
水性シラン系の固形含有量を以下のように測定した:
試験体1gを小さな陶磁器シャーレに量り入れ、かつ105℃で乾燥棚中で重量が一定になるまで乾燥させた。
【0097】
SiO2−含有量:
試験体1.0〜5.0gをケルダール錠剤及び硫酸20mlと一緒に400mlビーカー中で混合し、まずゆっくり加熱した。その際にビーカーを時計ガラスで覆った。硫酸が著しく煙を出し、かつ全ての有機成分が分解し、かつ溶液が透明で済んだままになるまで温度を高めた。冷たい溶解溶液を蒸留水で200mlまで希釈し、かつ短時間煮立たせた(水をビーカーの縁に流しながら)。白色バンドフィルターを通して残留物を濾過し、かつ洗浄水が>4のpH値(pH紙)を示すまで熱い水で洗浄した。フィルターを白金るつぼ内で乾燥させ、灰化し、かつマッフル炉中、800℃で1時間灼熱させた。残留物を揺り動かした後に、フッ化水素酸で蒸散させ、るつぼを吹管で灼熱させ、かつ場合によりもう一度800℃で灼熱させ、かつ冷却後に秤量した。両方の計量の差はSiO2の含有量に相応した。
評価:D×100/E=質量%SiO2
D=フッ素添加の前と後の質量差(mg)
100=%での換算
E=秤量(mg)
遊離メタノールとエタノール含有量の測定:
アルコールの測定はGCクロマトグラフィーにより実施した。
カラム:RTX200(60m)
温度プログラム:90−10−25−240−0
検出器:FID
注入量:1.0μl
内部標準物質:2−ブタノール
使用したシランとシラン系:
【0098】
【表2】

【0099】
例1
供給装置と還流冷却器を備えた撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水592.84gとギ酸(HCOOH濃度=85%)17.16gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO90.0gを供給した。pH値は3.5であった。これを60℃で3時間撹拌した。この後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでETOH/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は600gであった。圧力フィルター(Seitz-T-950)を介して残留物を濾過した。3.5のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:9.4%(w/w)
SiO2含有量:3.1%
遊離エタノール:1.8%
【0100】
例2:
供給装置と還流冷却器を備えた撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水598.6gとギ酸(HCOOH濃度=85%)10.49gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO75.0gを供給した。pH値は4.2であった。これを60℃で1時間撹拌し、その後にPTMO28.91gを供給し、かつ反応混合物を更に2時間60℃まで温度調節した。その後に60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は600gであった。圧力フィルター(Seitz-T-950)を介して残留物を濾過した。4.2のpH値を有し、かつ貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:10.5%(w/w)
SiO2含有量:4.8%
遊離メタノール:0.8%
遊離エタノール:1.4%
【0101】
例3
供給装置と還流冷却器を備えた撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水597.41gとギ酸(HCOOH濃度=85%)36.97gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO90.0gとAMEO90.0gならびにPTMO30gを供給した。pH値は4.03であった。これを60℃で3時間撹拌した。この後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は600gであった。圧力フィルター(Seitz-T-950)を介して残留物を濾過した。3.86のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:22.2%(w/w)
SiO2含有量:9.1%
遊離メタノール:0.3%
遊離エタノール:1.2%
引火点: >95℃
【0102】
例4
供給装置と還流冷却器を備えた撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水597.41gとギ酸(HCOOH濃度=85%)30.0gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO90.0gとAMEO90.0gならびにPTMO60.0gを供給した。更にギ酸4.09gを供給した。pH値は5.39であった。これを60℃で3時間撹拌した。この後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は600gであった。圧力フィルター(Seitz-T-950)を介して残留物を濾過した。5.4のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:21.9%(w/w)
SiO2含有量:10.0%
遊離メタノール:0.7%
遊離エタノール:1.0%
【0103】
例5
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)4.75gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO40.0gを供給した。更にギ酸1.55gを添加した。pH値は4.17であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続きPTMO40gを供給し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.11のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:11.8%(w/w)
SiO2含有量:6.1%
遊離メタノール:0.1%
遊離エタノール:<1.0%
【0104】
例6
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)4.75gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO40.0gを供給した。更にギ酸1.45gを添加した。pH値は4.15であった。これを60℃で90分間(供給時間も含める)撹拌した。引き続きPTMO32gを供給し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.10のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:10.1%(w/w)
SiO2含有量:5.1%
遊離メタノール:0.1%
遊離エタノール:1.1%
【0105】
例7
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)2.8gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO20.0gを供給した。更にギ酸0.54gを添加した。pH値は4.28であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続きPTMO40.0gを供給し、かつ反応体を65℃で更に2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.3のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:8.9%(w/w)
SiO2含有量:4.9%
遊離メタノール:0.1%
遊離エタノール:0.3%
引火点: >95℃
【0106】
例8
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)2.8gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO20.0gを供給した。更にギ酸0.50gを添加した。pH値は4.24であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続きPTMO32.0gとジメチルジメトキシシラン8.0gを供給し、かつ65℃で更に2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.0のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:8.8%(w/w)
SiO2含有量:5.1%
遊離メタノール:0.7%
遊離エタノール:0.2%
【0107】
例9
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)8.3gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO40.0gを供給した。pH値は3.60であった。これを60℃で60分間撹拌した。引き続きPTMO40gとAMEO10gから成る混合物を供給し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。3.8のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:13.6%(w/w)
SiO2含有量:7.1%
遊離メタノール:1.2%
遊離エタノール:1.0%
【0108】
例10
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)10.8gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO40.0gを供給した。pH値は3.25であった。これを60℃で60分間撹拌した。引き続きPTMO40.0gとDAMO10gから成る混合物を供給し、かつ65℃で更に2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。3.38のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:14.3%(w/w)
SiO2含有量:7.0%
遊離メタノール:1.3%
遊離エタノール:0.6%
【0109】
例11
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水性製品Dynasylan(R)F 8815 150gを予め装入した。次に、撹拌しながら蒸留水60gとギ酸(HCOOH濃度=85%)1.1gを供給した。引き続き、供給装置によりビス−AMEO7.5gを供給した。これを60℃で90分間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は200gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.41のpH値を有し、貯蔵安定性である乳濁した僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:4.9%(w/w)
SiO2含有量:1.4%
遊離メタノール:0.3%
遊離エタノール:3.8%
【0110】
例12
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下にエタノール200.00gと水20gならびにギ酸(HCOOH濃度=85%)2.9gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO20.0gとDynasylan(R)F 826110gを供給した。更にギ酸2.85gを添加した。pH値は3.45であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き水200gをゆっくり添加した。この溶液は均一のままで、かつ僅かに乳濁していた。引き続き、混合物を65℃で2時間撹拌した。次に、新たに水200gを添加し、かつ続いてエタノール/水−混合物を60〜65℃かつ130〜200mbarで除去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。3.70のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに乳濁している液体が得られた。
残留物:4.9%(w/w)
SiO2含有量:1.3%
遊離メタノール:<0.1%
遊離エタノール:2.1%
【0111】
例13
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)2.8gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO20.0gを供給した。pH値は4.24であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続きPTMO40.0gとGLYMO10gから成る混合物を添加し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.4のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:10.9%(w/w)
SiO2含有量:5.6%
遊離メタノール:0.7%
遊離エタノール:2.0%
前記反応体(400g)に、新たに蒸留水100gを添加し、かつ約130〜200mbarでアルコール/水−混合物約100を留去した。残留物の最終重量は400gであった。透明で黄色がかった液体が得られた。
遊離エタノール含有量 <0.1%(w/w)
遊離メタノール含有量 <0.1%(w/w)
引火点: >95℃
【0112】
例14
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)2.8gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO20.0gを供給した。更にギ酸1.8gを添加した。pH値は4.21であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続きPTMO32.0gとGLYMO18.0gから成る混合物を添加し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を蒸留により除去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.35のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:11.4%(w/w)
SiO2含有量:5.5%
遊離メタノール:1.5%
遊離エタノール:0.4%
【0113】
例15
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下に水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)2.8gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO20.0gを供給した。pH値は4.3であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続きMTES(メチルトリエトキシシラン)40.0gを添加し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を蒸留により除去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.35のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で僅かに黄色がかった液体が得られた。
残留物:10.7%(w/w)
SiO2含有量:6.0%
遊離メタノール:<0.1%
遊離エタノール:0.8%
【0114】
例16
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、窒素雰囲気下に室温でGLYMO40.00gをまず氷酢酸(100%濃度酢酸)4.8gと混合した。5分後に、ジルコニウム−n−プロピレート4.8gを添加し、かつ更に5分後に水83.7gとLevasil 100S/45%12.0gから成る混合物を供給装置を介して添加した。該溶液は僅かに不透明であり、かつpH値は3.1であった。Levasil 100S/45%を添加している間に温度が僅かに上がった。引き続き前記混合物を65℃まで2時間加熱した。その後に、前記溶液を水400gで希釈し、かつ65℃まで加熱した。引き続き、新たに酢酸10.6gを添加し、その後にビス−AMEO75.0gをゆっくり供給した。pH値は4.5であった。反応体を撹拌しながら65℃で2時間保持した。次に、60〜65℃でメタノール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は500gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.67のpH値を有し、貯蔵安定性である不透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:16.9%(w/w)
SiO2含有量:6.5%
遊離メタノール:0.4%
遊離エタノール:0.5%
【0115】
例17
供給装置と還流冷却器を備えた撹拌装置内に、水597.41gとギ酸(HCOOH濃度=85%)30gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO90.0gとAMEO90gならびにPTMO60gを供給した。更にギ酸4.09gを供給した。pH値は5.39であった。これを60℃で3時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は600gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。5.4のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:21.9%(w/w)
SiO2含有量:10.0%
遊離メタノール:0.7%
遊離エタノール:1.0%
【0116】
例18
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、エタノール200.00gと水20gならびにギ酸(HCOOH濃度=85%)1.4gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO10.0gとDynasylan(R)F 8261 7.5gを供給した。更にギ酸2.01gを添加した。pH値は3.53であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き水100gをゆっくり添加した。引き続き、混合物を65℃で2時間撹拌した。次に、新たに水150gを添加し、かつ続いてエタノール/水−混合物を60〜65℃かつ130〜200mbarで除去した。残留物の最終重量は200gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。3.85のpH値を有し、貯蔵安定性である乳濁した黄色がかった液体が得られた。
残留物:5.8%(w/w)
SiO2含有量:1.4%
遊離エタノール:2.0%
【0117】
例19
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、エタノール200.00gと水20gならびにギ酸(HCOOH濃度=85%)1.8gを装入した。供給装置を介してビス−AMEO10.0gとAMEO1.0gならびにDynasylan(R)F 8261 9gを供給した。更にギ酸0.65gを添加した。pH値は3.52であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き水100gをゆっくり添加した。引き続き、混合物を65℃で2時間撹拌した。次に、新たに水150gを添加し、かつ続いてエタノール/水−混合物を60〜65℃かつ130〜200mbarで除去した。残留物の最終重量は200gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。3.78のpH値を有し、貯蔵安定性である乳濁した黄色がかった液体が得られた。
残留物:6.3%(w/w)
SiO2含有量:1.7%
遊離エタノール:3.4%
【0118】
例20
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)4.75gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO40.0gとMTES(メチルトリエトキシシラン)40gから成る混合物を供給した。更にギ酸2.40gを添加した。pH値は3.99であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き、65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.05のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:9.9%(w/w)
SiO2含有量:5.7%
遊離エタノール:0.8%]
【0119】
例21
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)4.75gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO40.0gとMTES(メチルトリエトキシシラン)60gから成る混合物を供給した。pH値は4.3であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続きGL YMO10gをゆっくり添加し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.38のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:13.6%(w/w)
SiO2含有量:8.4%
遊離メタノール:0.1%
遊離エタノール:0.6%
【0120】
例22
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)2.8gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO20.0gを供給した。pH値は4.23であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続きDynasylan(R)4144 40.0gを供給し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.45のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:12.4%(w/w)
SiO2含有量:2.3%
遊離メタノール:0.2%
遊離エタノール:0.1%
【0121】
例23
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)2.8gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO20.0gを供給した。pH値は4.21であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続きDynasylan(R)4144 60.0gを供給し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.37のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:16.0%(w/w)
SiO2含有量:2.0%
遊離メタノール:0.1%
遊離エタノール:0.1%
【0122】
例24
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00g、Levasil 100S 12.0gとギ酸(HCOOH濃度=85%)4.75gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO40.0gとMTES(メチルトリエトキシシラン)60gから成る混合物を供給した。更にギ酸2.18gを添加した。pH値は4.33であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.43のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:12.9%(w/w)
SiO2含有量:8.4%
遊離エタノール:0.5%
【0123】
例25
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gと85%濃度のリン酸5.0gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO40.0gとMTES(メチルトリエトキシシラン)60gから成る混合物を供給した。更にギ酸6.25gを添加した。pH値は4.19であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.32のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:13.3%(w/w)
SiO2含有量:7.9%
遊離エタノール:2.7%
反応体(400g)に新たに蒸留水100gを添加し、かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物約100を留去した。残留物の最終重量は400gであった。<0.1%(w/w)の遊離エタノール含有量を有する透明で黄色がかった液体が得られた。
引火点: >95%
【0124】
例26
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gと70%濃度の硝酸7.9gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO40.0gとMTES(メチルトリエトキシシラン)60gから成る混合物を供給した。更にギ酸0.95gを添加した。pH値は4.15であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.15のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:11.8%(w/w)
SiO2含有量:7.2%
遊離エタノール:0.8%
【0125】
例27
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)4.0gを予め装入した。次に良く撹拌しながら水性製品Dynasylan(R) HS 2926 100gを添加した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO40.0gを供給した。pH値は4.15であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.25のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:13.5%(w/w)
SiO2含有量:5.0%
遊離エタノール:0.2%
【0126】
例28
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)4.0gを予め装入した。次に良く撹拌しながら水性製品Dynasylan(R) HS 2926 120gを添加した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO32.0gを供給した。pH値は4.03であった。これを60℃で90分間撹拌し、引き続き65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.10のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:14.4%(w/w)
SiO2含有量:4.9%
遊離エタノール:<0.1%
【0127】
例29
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)4.0gを予め装入した。次に撹拌しながらLevasil 100S/45 12gと水性製品Dynasylan(R) HS 2926 120gを添加した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO32.0gを供給した。pH値は4.20であった。これを60℃で90分間撹拌した。その後に、滴下漏斗によりVTMO20gをゆっくり添加し、かつ引き続き、65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.23のpH値を有し、貯蔵安定性である不透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:18.1%(w/w)
SiO2含有量:8.2%
遊離メタノール:<0.1%
遊離エタノール:<0.1%
【0128】
例30
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)3.2gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO30.0gを供給した。これに更にギ酸2.45gを添加した。pH値は4.27であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続きGLYMO30.0gを添加し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.36のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:10.6%(w/w)
SiO2含有量:4.1%
遊離メタノール:0.1%
遊離エタノール:<0.1%
【0129】
例31
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)4.3gならびにLevasil 100S/45 12gを予め装入した。pH値は4.17であった。供給装置を介してビス−AMEO30gを供給した。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き、GLYMO30.0gを添加し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.30のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:11.9%(w/w)
SiO2含有量:5.2%
遊離メタノール:0.7%
遊離エタノール:0.6%
【0130】
例32
二重外壁、供給装置及び還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)6.9gを予め装入した。pH値は4.34であった。供給装置を介してビス−AMEO50.0gを供給した。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き、DMDMO9.6gを添加し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.16のpH値を有し、貯蔵安定性である不透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:8.90%(w/w)
SiO2含有量:4.3%
遊離メタノール:0.1%
遊離エタノール:0.3%
【0131】
例33
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gと塩酸(濃度HCl=37%)7.8gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO34.0gを供給した。pH値を塩酸(37%濃度)0.33gで2.04に調節した。これを60℃で30分間撹拌した。引き続きMTES(メチルトリエトキシシラン)40gを添加し、かつ65℃で2時間撹拌した。次に、新たにビス−AMEO3gを添加した。その際に、pH値は5.4に上がった。新たに塩酸(37%濃度)0.37gを添加することによりpH値を3.2に調節した。引き続き、新たにビス−AMEO3.0gを添加し、その際にpH値が6.0に上がった。塩酸(37%濃度)0.74gの添加により、pH値を4.1に調節した。引き続き、アルコール/水−混合物を65℃の塔底温度かつ130〜200mbarの圧力下に取り去った。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.30のpH値を有し、貯蔵安定性である不透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:9.1%(w/w)
SiO2含有量:5.7%
遊離エタノール:1.7%
【0132】
例34
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gと塩酸(濃度HCl=37%)9.3gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO40.0gを供給した。pH値を塩酸(37%濃度)2.41gで2.05に調節した。これを60℃で30分間撹拌した。引き続きMTES(メチルトリエトキシシラン)40gを添加し、かつ65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。1.75のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:9.6%(w/w)
SiO2含有量:5.7%
遊離エタノール:1.5%
【0133】
例35
二重外壁、供給装置及び還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水426.9gとギ酸(HCOOH濃度=85%)5.1gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO40.0gを供給した。これに更にギ酸0.55gを添加した。pH値は4.30であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き、N−ホルミル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン14.0gとMTES14.0gから成る混合物を供給した。pH値は4.3であった。引き続き、65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.1のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:9.3%(w/w)
SiO2含有量:4.5%
遊離エタノール:0.2%
【0134】
例36
二重外壁、供給装置及び還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gとギ酸(HCOOH濃度=85%)6.0gを予め装入した。引き続き、供給装置を介してビス−AMEO50.0gを供給した。これに更にギ酸2.51gを添加した。pH値は4.28であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続きN−ホルミル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン19.20gを供給した。pH値は4.3であった。引き続き、65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.07のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:12.7%(w/w)
SiO2含有量:5.1%
遊離エタノール:0.2%
【0135】
例37
磁気撹拌機及び温度装置及びN2−供給管を備えた250mlのマルチネックフラスコ内に、ビス−AMEO40.0g、MTES40.0g及びエタノール40.0gを予め装入した。撹拌しながら、水4.0gを供給した。反応混合物を60℃で1時間撹拌した。供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.0gとギ酸(HCOOH濃度=85%)4.75gを予め装入した。引き続き、供給装置を介して事前に加水分解した反応混合物を60℃で供給した。これに更にギ酸1.00gを添加した。pH値は4.25であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き、65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.24のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:9.9%(w/w)
SiO2含有量:5.1%
遊離エタノール:0.3%
【0136】
例38
磁気撹拌機及び温度装置及びN2−供給管を備えた250mlのマルチネックフラスコ内に、ビス−AMEO40.0g、MTES40.0g及びエタノール40.0gを予め装入した。撹拌しながら、水8.0gを供給した。反応混合物を60℃で1/4時間撹拌した。供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.0gとギ酸(HCOOH濃度=85%)4.75gを予め装入した。引き続き、供給装置を介して事前に加水分解した反応混合物を60℃で供給した。これに更にギ酸0.93gを添加した。pH値は4.27であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き、65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.3のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:10.2%(w/w)
SiO2含有量:6.0%
遊離エタノール:1.4%
【0137】
例39
磁気撹拌機及び温度装置及びN2−供給管を備えた250mlのマルチネックフラスコ内に、ビス−AMEO40.0g、MTES40.0g及びエタノール40.0gを予め装入した。撹拌しながら、ギ酸(HCOOH濃度=85%)5.5gを一気に添加した。引き続き、水3.2gを供給した。反応混合物を60℃で1時間撹拌した。供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00gを予め装入した。供給装置を介して、事前に加水分解した混合物を60℃で供給した。これに更にギ酸0.23gを添加した。pH値は4.10であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き、65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.00のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:10.0%(w/w)
SiO2含有量:5.8%
遊離エタノール:1.0%
【0138】
例40
供給装置と還流冷却器を備えた10リットルの撹拌装置内に、水5000.00gと85%濃度のギ酸95.34gを予め装入した。供給装置により、ビス−AMEO750gをゆっくり供給した。これに更にギ酸11.66gを添加した。pH値は4.30であった。これを65℃で3時間間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は5000gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-950フィルタープレートにより濾過した。4.25のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:8.9%(w/w)
SiO2含有量:3,7%
遊離エタノール:1.7%
【0139】
例41
供給装置と還流冷却器を備えた1リットルの撹拌装置内に、水400.00g、Levasil 100S 12g及びギ酸(HCOOH濃度=85%)4.75gを予め装入した。供給装置を介してビス−AMEO40.0gとMTES(メチルトリエトキシシラン)80gから成る混合物を供給した。これにギ酸2.54gを添加した。pH値は4.24であった。これを60℃で90分間撹拌した。引き続き65℃で2時間撹拌した。その後に、60〜65℃かつ130〜200mbarでアルコール/水−混合物を留去した。残留物の最終重量は400gであった。前記生成物を室温にてSeitz-T-2100フィルタープレートにより濾過した。4.27のpH値を有し、貯蔵安定性である透明で黄色がかった液体が得られた。
残留物:14.9%(w/w)
SiO2含有量:10.2%
遊離エタノール:1.0%
【0140】
適用技術例
1.方法
1.1 ガラスプレートの被覆
塗布前に表面を洗浄し、特にオイルフリーであることに注意した。ガラス表面(ガラスプレートの大きさ0.07×0.15m)を前処理した。ガラスプレートをイソプロパノールで事前に洗浄し、かつ水性酸化セリウム研磨剤で活性化した。乾き始めた酸化セリウムをペーパータオルで完全に除去した。
【0141】
実施例からの系を洗浄した表面上に12μmドクターブレードで塗布した。引き続き、これから生じた被覆を室温で少なくとも12時間硬化した。
【0142】
1.2 鉛筆硬度の測定
鉛筆硬度試験をISO 15184に倣って"ERICHSON Scratch Hardness Tester Model 291"を用いて実施した。これらの試験結果は表2にまとめてある。
【0143】
1.3 煮沸試験
被覆したガラスプレートを沸騰した蒸留水中に1時間置いた。試験結果は表2と3にまとめてある。煮沸試験後の被覆の視覚的評価は以下の評点により行った。
(−)=破壊もしくは溶解した層
(0)=前処理したが粗く、疎水性の失われた層
(+)=変化の無い層
【0144】
1.5 静止接触角の測定
静止接触角の測定は、DIN EN 828に従い、KRUESS社製の接触角測定器G-15を用いて多重測定することにより行った。疎水性特性の検査には、静止接触角(RW)を蒸留水で測定した。疎油特性の検査には、Kaydol(鉱油)で静止接触角(RW)を測定した。
【0145】
1.6 鉱物性試験体の処理
試験体(キューブ、縁の長さ=5cm=0.0015m2)の処理は、実施例からのシラン水溶液中に浸漬することにより行った。るつぼ挟みを用いて試験体を2×5秒間、水性シラン系に浸漬した。浸漬工程の間の待ち時間は1分間であった。試験体の検査を1日後に行った。結果は表4に示してある。
【0146】
1.7 Dynasylan(R) F8815/例43−混合物での処理
使用例5でのコンクリート表面の処理は、コンクリートプレート(1.5cm×7.5cm×15cm=0.02925m2)上にブラシで1回塗布することにより行った。3日間の停止時間の後に、抗落書き−高速試験を実施した。
【0147】
抗落書き被覆の試験
次に倣って行った:抗落書き登録団体の品質基準の落書き除去及び防止の方法、技術及び材料を評価する工業規則(1998年5月18日時点)。
【0148】
処理したコンクリート表面を3種の色(Edding 800 パーマネントマーカー・ブラック、Dupli-Colorアクリル塗料RAL 3000ファイヤーレッド及びGenius Pro水性塗料高度光沢リンドウブルー)でスプレーした。室温で塗料を1時間乾燥させた後に、落書き洗浄剤(Profi Clean Gel-Reiniger)を塗布した。10分間の作用時間の後に、表面をブラシで機械的に処理した。引き続き、水を流しながら柔らかいブラシで洗浄した。湿ったコンクリートを循環空気棚中、60℃で15分間乾燥させ、かつ引き続き室温まで冷却した。これらのストレス試験を9回繰り返した。
【0149】
各々の洗浄後に、下記の点数に倣って試験結果を乾燥した支持体において評価した。
除去 0〜30% (実質的に色の除去なし)=1点
除去 30〜75% (部分的な色の除去、色の輪郭が著しく識別できる)=2点
除去 75〜90% (大部分の色の除去、輪郭を持った陰が識別できる)=3点
除去 >90% (効果的な色の除去、輪郭を持った薄い陰が識別できる)=4点
完全な色の除去(孔の中に若干の着色顔料が有り得る)=5点
各々の洗浄の後に、個々のカラードットの視覚的評価によりCi値を算出した。これらは以下のように計算した。Ci値=(個々のカラードットの点数を加える*20)/(色点の数)Ci値max=100
【0150】
【表3】

【0151】
1.8 防水効果の評価
防水効果を決定するために、パスツールピペットで蒸留水1mlを試験体に載せた。この場合に、パスツールピペットの先端は支持体表面に触れていなくてはならない。10分後に水滴を振り落とし、かつ湿潤度を視覚的に評価した。
【0152】
試薬結果の評価:
0=液滴を弾く
1=液滴が吸収されない → 湿りなし
2=液滴が吸収されない → 接触面が半分まで湿った
3=液滴が吸収されない → 接触面が完全に湿った
4=液滴が幾分か吸収される → 接触面が暗色を呈し、接触面が完全に湿った
5=液滴が50%まで吸収される → 接触面が暗色を呈する
6=液滴が完全に吸収される → 接触面が暗色を呈する。
【0153】
使用例1
例1からの製品10.0gを水性製品Dynasylan(R) F88151.0gと混合した。この混合物を12μmのドクターブレードで洗浄したガラスプレート(サイズ=8×15cm)上に塗布した。これから生じた被覆を室温で1時間乾燥させ、かつ引き続き循環空気乾燥棚中、150℃で30分間後硬化させた。これから生じた被覆は、透明で非常に硬くかつ極めて顕著な疎水性と疎油特性を示した。この層は、Edding 800 パーマネントマーカーで書けなかった。
【0154】
使用例1に対する比較例
使用例1に対する比較として、水性製品Dynasylan(R) F8815を12μmのドクターブレードで洗浄したガラスプレート(サイズ=8×15cm)上に塗布した。ガラス表面は完全に湿らなかった。これから生じた被覆を室温で1時間乾燥させ、かつ引き続き循環空気乾燥棚中、150℃で30分間後硬化させた。これから生じた被覆は、非常に柔らかく、かつ乳白色の外観を有した。
【0155】
使用例2
例40からの生成物5.0gを水性製品Dynasylan(R) Hydrosil 2926 5.0gと混合した。この混合物を12μmのドクターブレードで洗浄したガラスプレート(サイズ=8×15cm)上に塗布した。これから生じた被覆を室温で1週間乾燥させた。これを鉛筆硬度HBに固定した。
【0156】
使用例2に対する比較例
使用例2に対する比較として、水性製品Dynasylan(R) HS2926を12μmのドクターブレードで洗浄したガラスプレート(サイズ=8×15cm)上に塗布した。ガラス表面は完全に湿らなかった。これから生じた被覆は、硬化せずにかつ極めて粘性であった。
【0157】
使用例3
例43からの生成物50.0gをDynasylan(R) F8815 50.0gと混合した。これから生じた被覆調製物を1.7の工程によりコンクリート表面(サイズ=1.5cm×7.5cm×15cm)上に塗布した。これらの試験結果は表1に記載されている。
【0158】
表1
使用例5の抗落書き試験の結果
【表4】

【0159】
項目1.7での評価基準により、これらの試験は良好な結果で合格した。
【0160】
使用例4
表2
選択例におけるガラス表面上の透明で均一な被覆の鉛筆硬度試験と煮沸耐性の結果
【表5】

【0161】
使用例5
例12、18及び19からの生成物を1.1の方法によりガラス表面上に塗布した。被覆の硬化は1週間後に行った。結果は表3にある。
【0162】
表3
例12、18及び19の生成物から製造した表面の疎水性と疎油性の結果
【表6】

【0163】
接触角は、これらの被覆の傑出した疎水性と疎油性特性を示している。更に被覆は傑出した防水特性を示した。
【0164】
使用例6
研磨した特殊鋼表面を例41からの生成物で片側を被覆した。これに、例41からの調製物をスポンジで塗布した。室温で1日架橋した後に、被覆表面を被覆していない特殊鋼表面と比較した。
【0165】
そのために、被覆していない表面と被覆した表面に指紋を押した。1日の作用時間の後に、指紋を紙タオルで拭き取った。被覆していないプレート上には指紋が残ったままであったのに対して、被覆した側では指紋を容易に取り除くことができた。従って、結果として極めて良好な抗指紋特性が得られた。
【0166】
蒸留水中で煮沸試験を1時間行った後でも被覆は完全に機能があった。
【0167】
使用例7
表4
項目1.7)の方法で処理した被覆建築材の防水効果の評価
【表7】

【0168】
使用例8
実施:
Dynasylan(R) SIVO 110と例1から製造された生成物を室温(21〜25℃)にて20mlシンチレーションボトル内で磁気撹拌機を用いて混合:例1からの生成物40.0gをSIVO 110 60.0gと混合した。混合の約30分後に、エチルアセテートで洗浄したアルミニウム試験薄板(Pausch社製、合金: 5005 H024)上に塗布した。そのために、前記混合物を4μmのドクターブレードで塗布し、室温(21〜25℃)で乾燥させ、かつヘレウス(Heraeus)循環空気乾燥棚中150℃で10分間硬化させた(乾燥層厚さ≦1μm)。
【0169】
比較例として、アルミニウム薄板を理想的な条件でSIVO 110で被覆し、かつ硬化させた。
【0170】
沸騰水の耐性試験:塗布後24時間以内に、被覆したアルミニウム試験薄板を沸騰水中に2時間置き、かつ引き続き変色/剥離及び接着(DIN EN ISO 2409によるクロスハッチング)をコントロールした。
【0171】
結果:150℃の乾燥温度(10分)にて、例1からの生成物40%を混合した際に、傑出した沸騰水耐性が達成された。被覆は変化せずかつ良好な接着を示した:クロスハッチング0(DIN EN 2409に倣って)。それに対して、製品Dynasylan(R) SIVO 110は150℃の硬化温度で水中で沸騰させた後に、著しく黄変し、かつ完全に剥離した。従って、Dynasylan(R) SIVO 110では、混合で得られたのと同じ特性が得られ、硬化温度は220℃まで高めなくてはならなかった。
【0172】
図1に記載されたアルミニウム試験薄板上の加水分解したエポキシシラン縮合体から成る被覆は、2工程の沸騰水試験の後に著しい黄変を示した。これは図1では黒い陰影で記載されている。図2には、相応して処理したビス−アミノ官能性シリコン化合物と加水分解したエポキシシラン縮合体から成る被覆を有するアルミニウム試験薄板が示されている。その際、ビス−アミノ官能性シリコン化合物の含有量は40質量%であり、かつエポキシシラン縮合体は60質量%であった。これらの被覆は、2工程の沸騰水試験の後でもそれ自体が無色のままであった。図2では黒い陰影は識別されず、更にはクロスハッチング0で示される良好な接着を示した。
【0173】
本発明を図に記載された実施例を用いて以下に詳説する。
【0174】
図1 加水分解したエポキシシラン縮合体を有する被覆;
図2 ビス−アミノ官能性シリコン化合物と加水分解したエポキシシラン縮合体から成る被覆。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビス−アミノ官能性シリコン化合物と水を含有する実質的に水溶性の組成物であって、前記シリコン化合物がアルコキシシランから誘導され、かつ鎖状、環状、架橋構造及び/又は立体架橋構造を形成する架橋構造エレメントを有し、その際、少なくとも1つの構造は理想的な形で一般式I
(R2O)[(R2O)1-x(R3xSi(B)O]b[(Y)2Si(A)Si(Y)2O]a[Si(C)(R5y(OR41-yO]c[Si(D)(R7)u(OR61-uO]d[Si(E)(R8v(OR91-vO]w R9・(HX)e (I)
[式中、アルコキシシランから誘導される構造エレメント中
− Aは、ビス−アミノアルキル基であり、
− Bは、アミノアルキル基であり、
− Cは、アルキル基であり、
− Dは、エポキシ基、又はエーテル基であり、かつ
− Eは、有機官能基に相応し、
− Yは、OR1に相応するか、又は互いに無関係に架橋及び/又は立体架橋構造の形のOR1又はO1/2に相応し、
− R1、R2、R4、R6及び/又はR9は実質的に水素であり、かつR3、R5、R7及び/又はR8は、有機官能性基に相応し、かつ
− HXは酸であり、その際、Xは無機又は有機酸基であり、
− 0≦x≦1、0≦y≦1、0≦u≦1、a≧1、b≧0、c≧0、d≧0、
w≧0、e≧0であり、かつ(a+b+c+d+w)≧2である]
に相応し、前記組成物は実質的に有機溶剤不含であり、かつ架橋の際に実質的にアルコールを放出しない、ビス−アミノ官能性シリコン化合物と水を含有する実質的に水溶性の組成物。
【請求項2】
構造エレメント中のAは、一般式II
(OR13Si−A−Si(OR1)3 (II)
から誘導されるビス−アミノアルキル基に相応し、Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
[式中、i、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、かつR1=1〜4個の炭素原子を有する線状、環状及び/又は分枝アルキル基である]
のビス−アミノ官能基に相応する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
構造エレメント中のBは、一般式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
[式中、
x=0又は1であり、R2は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、R3は、1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基である]
から誘導されるアミノ官能基に相応し、かつBは以下の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のうち1つのアミノ官能基に相応する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
構造エレメント中のCは、一般式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
から誘導されるアルキル基に相応する、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
構造エレメント中のDは、一般式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、その際、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル基、又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
から誘導されるエポキシ基、又はエーテル基に相応する、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
構造エレメント中のEは、一般式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基である]
から誘導される有機官能基に相応し、
−Eは、基R8*−Ym−(CH2s−であり、R8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であり、かつ/又は
−Eはビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルコキシ基であり、かつ
−R9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
90℃を上回る引火点を有する、請求項1から6までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
0℃以上で既に架橋する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
15〜25℃の間で架橋する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
1〜5.4の間のpH値を有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項11】
3.0〜5.4の間のpH値を有する、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
3.5〜5.4の間のpH値を有する、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
使用されるアルコキシシランに対して、7.5〜40質量%のシリコン化合物の含有量を有する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項14】
3.0〜4.8のpH値の場合に、12.5〜30質量%のシリコン化合物の含有量を有する、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
アルキル基を構造エレメントに含んでいるCに関しては、c≧1である、請求項1から14までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
pH値は12未満である、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
密閉された容器内で、室温で少なくとも3カ月の安定性を有する、請求項1から16までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
酸は、ギ酸、酢酸、酸性シリカゾル、氷酢酸、硝酸、硫酸及び/又はリン酸である、請求項1から17までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
水又は水溶液で希釈可能である、請求項1から18までのいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
任意に希釈可能である、請求項19に記載の組成物。
【請求項21】
実質的に水溶性のビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する組成物を製造する方法において、水、酸及び場合によりアルコール及び場合により触媒を予め装入し、かつ
− 式II
(OR13Si−A−Si(OR1)3 (II)
[式中、Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
(ここでi、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、かつR1は1〜4個の炭素原子を有する線状、環状及び/又は分枝アルキル基に相応する)
のビス−アミノ官能基である]
の少なくとも1つのビス−アミノアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により
− 式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
[式中、
x=0又は1であり、
2は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつBは以下の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のアミノ官能基のうち1つに相応する]
の少なくとも1つのアミノアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により
− 一般式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により
− 一般式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、その際、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル基、又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのエポキシ−アルコキシシラン又はエーテル−アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により
− 式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、Eは基R8*−Ym−(CH2s−であり、その際R8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であるか、又はビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルコキシ基であり、かつR9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基である]
の少なくとも1つの有機官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を
− 加水分解し、かつアルコールを実質的に除去することを特徴とする、実質的に水溶性のビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する組成物を製造する方法。
【請求項22】
ビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する実質的に水溶性の組成物を製造する方法において、一般式II、IV及び/又はVIIの少なくとも1つの水溶性シランの水溶液又はそれらの水溶性縮合生成物又は一般式VIのシランの水溶性加水分解生成物を予め装入し、その際、
− 式IIの
(OR13Si−A−Si(OR1)3 (II)
[式中、Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
(ここでi、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、かつR1は1〜4個の炭素原子を有する線状、環状及び/又は分枝アルキル基に相応する)
のビス−アミノ官能基である]
のシランは、ビス−アミノアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物に相応し、
− 式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
[式中、
x=0又は1であり、R2は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつBは以下の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のアミノ官能基のうち1つに相応する]
のシランはアミノアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物に相応し、
− 式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、その際、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル基、又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
のシランは、エポキシ−アルコキシシラン又はエーテル−アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物に相応し、
− 式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
のシランは、アルキルアルコキシシランに相応する、
かつ場合により酸、場合によりアルコール及び場合により触媒及び場合により一般式II、IV、VI、VII及び/又はVIIIの1つ以上の更なるシラン又はそれらの縮合生成物を添加し、
− その際、添加した式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
のシランは、アルキルアルコキシシランに相応し、
− 式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、Eは基R8*−Ym−(CH2s−であり、その際R8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であり、又はビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルコキシ基であり、かつR9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
のシランは、有機官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物に相応する、かつ
− 加水分解し、かつアルコールを実質的に除去することを特徴とする、実質的に水溶性のビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する組成物を製造する方法。
【請求項23】
一般式II、IV、VI、VII及び/又はVIIIのシラン、それらの縮合生成物及び/又はこれらの混合物を水溶液及び/又はアルコール性溶液に添加する、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
一般式II、IV、VI、VII及び/又はVIIIのシラン及び/又はその縮合生成物を連続して又は混合物として添加する、請求項21から23までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
少なくとも1つのシランを添加した後に更に水を添加する、請求項21から24までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
加水分解の間の含水量は50〜90質量%である、請求項21から25までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
加水分解の間の含水量は65〜90質量%である、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
加水分解の間のpH値は2.0〜5.4である、請求項21から27までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
加水分解の間のpH値は3.0〜5.4である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
pH値は酸の更なる添加により調節される、請求項21から29までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
シリコン化合物は全部で7.5〜40質量%の含有量で存在する、請求項21から30までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
加水分解は水性−アルコール性溶液中で12未満のpH値で実施される、請求項21から25までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
実質的に加水分解されていない式IIのビス−アミノアルキルアルコキシシランを使用する、請求項21に記載の方法。
【請求項34】
式IIのビス−アミノアルキルアルコキシシランと一般式VIのアルキルアルコキシシランを使用する、請求項21から33までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
加水分解及び場合により縮合は55〜80℃で実施される、請求項21から34までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
無機充填剤を添加する、請求項21から35までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
組成物が実質的にアルコール不含になるまで水を添加し、かつアルコール/水−混合物を除去する、請求項21から36までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
組成物のpH値はアルコールを除去した後に1.0〜5.4の間である、請求項21から37までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
組成物のpH値はアルコールを除去した後に3.0〜5.4の間である、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
ビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する実質的に水溶性の組成物を製造する方法において、有機溶剤、場合により水、場合により酸及び/又は場合により触媒を予め装入し、かつ
− 式IIの
(OR13Si−A−Si(OR1)3 (II)
[式中、Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
(ここでi、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、かつR1は1〜4個の炭素原子を有する線状、環状及び/又は分枝アルキル基に相応する)
のビス−アミノ官能基である]
の少なくとも1つのビス−アミノアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により
− 式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
[式中、
x=0又は1であり、R2は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつBは以下の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のアミノ官能基のうち1つに相応する]
の少なくとも1つのアミノアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により
− 一般式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基である]
の少なくとも1つのアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により
− 一般式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、その際、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル基、又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくともエポキシ−アルコキシシラン又はエーテル−アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により
− 式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、Eは基R8*−Ym−(CH2s−であり、その際R8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であり、又はビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルコキシ基であり、かつR9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルコキシ基である]
の少なくとも1つの有機官能性アルコキシシラン、及び/又はその縮合生成物を
− 加水分解し、かつ加水分解アルコールと溶剤を実質的に除去することを特徴とする、実質的に水溶性のビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する組成物を製造する方法。
【請求項41】
溶剤は、メタノール、エタノール、プロパノール及び/又はこれらの混合物を含むグループから選択される少なくとも1つのアルコールである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
一般式II、IV、VI、VII及び/又はVIIIのシラン、それらの縮合生成物及び/又はこれらの混合物を水溶液及び/又はアルコール性溶液に添加する、請求項40又は41に記載の方法。
【請求項43】
一般式II、IV、VI、VII又はVIIIのシラン及び/又はその縮合生成物は、連続して又は混合物として添加される、請求項40から42までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
実質的に加水分解されていない式IIのビス−アミノアルキルアルコキシシランを使用する、請求項40から43までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
式IIのビス−アミノアルキルアルコキシシランと一般式VIのアルキルアルコキシシランを使用する、請求項40から44までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
アルコールを予め装入し、一般式IIの少なくとも1つのビス−アミノアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を添加し、かつ水及び場合により酸の添加により加水分解し、かつ場合により縮合する、請求項40から45までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
引き続き、式VIの少なくとも1つのアルキルアルコキシシラン、及び場合により式IVの少なくとも1つのアミノアルキルアルコキシシラン、場合により一般式VIIの少なくとも1つのエポキシ−アルコキシシラン又はエーテル−アルコキシシラン、及び場合により式VIIIの少なくとも1つの有機官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を連続して又は混合物として添加する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
加水分解の間のpH値は12未満である、請求項40から47までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
無機充填剤を添加する、請求項40から48までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項50】
加水分解及び場合により縮合は55〜80℃の温度で実施される、請求項40から49までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項51】
加水分解及び場合により縮合の後のpH値は1.0〜7.0の間の値に調節される、請求項40から50までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項52】
pH値は酸の添加により調節される、請求項40から51までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項53】
水を添加し、かつ組成物が実質的に溶剤不含になるまで溶剤/水−混合物が除去される、請求項40から52までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項54】
加水分解アルコールと溶剤を除去した後の組成物のpH値は1.0〜5.4の間である、請求項40から53までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項55】
加水分解アルコールと溶剤を除去した後の組成物のpH値は3.0〜5.4の間である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
実質的に水溶性のビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する組成物を製造する方法において、
− 一般式VII
D−Si(R7u(OR63-u (VII)
[式中、
u=0又は1であり、その際、Dは3−グリシドキシアルキル基、3−グリシドキシプロピル基、エポキシアルキル基、エポキシシクロアルキル基、ポリアルキルグリコールアルキル基、又はポリアルキルグリコール−3−プロピル基であり、R7は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、かつR6は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのエポキシ−アルコキシシラン又はエーテル−アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び/又は
− 一般式VI
C−Si(R5y(OR43-y (VI)
[式中、
y=0又は1であり、その際、Cは1〜20個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、R5は1〜12個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基及び/又はアリール基であり、R4は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つのアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び/又は
− 式VIII
E−Si(R8v(OR93-v (VIII)
[式中、
v=0又は1であり、R8は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基であり、Eは基R8*−Ym−(CH2s−であり、その際R8*は、1〜9個の炭素原子を有するモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアルキル基であるか、又はモノ−、オリゴ−又はペルフルオロアリール基であり、その際、YはCH2−基、O−基、アリール基、又はS−基に相応し、かつm=0又は1であり、かつs=0又は2であり、又はビニル基、アリル基、イソプロペニル基、メルカプトアルキル基、スルファンアルキル基、ウレイドアルキル基、アクリロキシアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルコキシ基であり、かつR9は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝又は環状アルキル基に相応する]
の少なくとも1つの有機官能性アルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を予め装入し、かつ
− 水の存在で、かつ酸及び/又は触媒と水、及び場合により溶剤の存在で少なくとも部分的に加水分解し、かつ
− 引き続き2番目の加水分解工程で
− 更なる水及び場合により更なる酸の存在で、
− 式II
(OR13Si−A−Si(OR1)3 (II)
[Aは式III
−(CH2i−[NH(CH2f]gNH[(CH2f* NH]g*−(CH2i*− (III)
(式中、i、i*、f、f*、g又はg*は、同じ又は異なっていてよく、i及び/又はi*=0〜8であり、f及び/又はf*=1、2又は3であり、g及び/又はg*=0、1又は2であり、かつR1=1〜4個の炭素原子を有する線状、環状及び/又は分枝アルキル基に相応する)
のビス−アミノ官能基である]
の少なくとも1つのビス−アミノアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物、及び場合により
− 式IV
B−Si(R3x(OR2)3-x (IV)
[式中、x=0又は1であり、R2は、1〜4個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基であり、かつBは以下の一般式Va又はVb
10h*NH(2-h*)[(CH2)h(NH)]j[(CH2)l(NH)]n−(CH2)k−(Va)
(式中、0≦h≦6;h*=0、1又は2、j=0、1又は2;0≦l≦6;n=0、1又は2;0≦k≦6であり、かつR10は、ベンジル基、アリール基、ビニル基、ホルミル基及び/又は1〜8個の炭素原子を有する線状、分枝及び/又は環状アルキル基に相応する)及び/又は
[NH2(CH2)m2N(CH2)p− (Vb)
(式中、0≦m≦6かつ0≦p≦6である)
のうち1つのアミノ官能基に相応する]
の少なくとも1つのアミノアルキルアルコキシシラン及び/又はその縮合生成物を添加し、
− 加水分解し、かつアルコールを実質的に除去する
ことを特徴とする、実質的に水溶性のビス−アミノ官能性で、かつ実質的にアルコキシ基不含のシリコン化合物、水及び酸を含有する組成物を製造する方法。
【請求項57】
一般式VI、VII、VIIIのシラン及び/又はその縮合生成物を連続して又は混合物として添加する、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
2番目の加水分解工程で更に水を添加する、請求項56又は57に記載の方法。
【請求項59】
加水分解の間のpH値は2.0〜5.4である、請求項56から58までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
酸を更に添加することによりpH値を調節する、請求項56から59までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項61】
実質的に加水分解されていない式IIのビス−アミノアルキルアルコキシシランを使用する、請求項56から60までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
式IIのビス−アミノアルキルアルコキシシランと一般式VIのアルキルアルコキシシランを使用する、請求項56から61までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
無機充填剤を添加する、請求項56から62までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項64】
水を添加し、かつ組成物が実質的にアルコール不含になるまでアルコール/水−混合物が除去される、請求項56から63までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
アルコールを除去した後の組成物のpH値は1.0〜5.4の間である、請求項56から64までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
アルコールを除去した後の組成物のpH値は3.0〜5.4の間である、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
請求項21から39までのいずれか1項に記載の方法により得られる組成物。
【請求項68】
請求項40から55までのいずれか1項に記載の方法により得られる組成物。
【請求項69】
請求項56から66までのいずれか1項に記載の方法により得られる組成物。
【請求項70】
シランベースの組成物と混合した形の、請求項1から69までのいずれか1項に記載の組成物の使用。
【請求項71】
混合物は、アルキル−、アルケニル−、アリール−、エポキシ−、ジヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、ポリアルキルグリコールアルキル−、ハロゲンアルキル−、メルカプトアルキル−、スルファンアルキル−、ウレイドアルキル−、アクリロキシアルキル−官能性及び/又はテトラアルコキシ−官能性シラン及び/又はこれらの混合物をベースとするシランベースの組成物と一緒に、ビス−アミノ官能性シリコン化合物を含む組成物を含有している、請求項70に記載の使用。
【請求項72】
混合物の硬化温度は、シランベースの組成物よりも低い、請求項70又は71に記載の使用。
【請求項73】
支持体表面を変性、処理するための、及び/又はバリヤー層を支持体表面上に構成するための、請求項1から69までのいずれか1項に記載の組成物又は請求項70又は71に記載の混合物の使用。
【請求項74】
支持体表面を疎水化するための、腐食防止としての、岩石を固化するための及び/又は疎油化するための、請求項73に記載の組成物又は混合物の使用。
【請求項75】
特殊鋼、アルミニウム、鋼鉄、チタンのような金属、ガラス、プラスチック、ポリマー、鉱物表面、コンクリート、煉瓦、モルタル、セメントの床、砂岩、天然繊維、紙、木材を疎水化するための、ガラス表面、金属表面、鉱物表面、コンクリート、モルタル、セメントの床、砂岩又は天然繊維、紙、木材をプライマー処理するための、金属、コンクリート、モルタル及び/又は煉瓦の腐食防止としての、及び/又は水性塗料調製物又は樹脂調製物中の添加剤としての、又は抗指紋性被覆としての、請求項73又は74に記載の組成物又は混合物の使用。
【請求項76】
未処理又は前処理した金属もしくは金属表面、特にリン酸塩処理、クロム酸塩処理、亜クロム酸塩処理又は亜鉛めっきされた金属表面の、ならびにそれ自体がリン酸塩処理、クロム酸塩処理、亜クロム酸塩処理してある亜鉛めっきされた金属表面の、腐食防止としての、請求項73から75までのいずれか1項に記載の組成物又は混合物の使用。
【請求項77】
請求項73から76までのいずれか1項に記載の組成物の使用により得られた被覆製品又は固定製品。
【請求項78】
鋼鉄補強材、コンクリート管及び/又はコンクリート既成部材である、請求項77に記載の製品。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2010−537016(P2010−537016A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522275(P2010−522275)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058509
【国際公開番号】WO2009/030538
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】