説明

ビタミン混合物

本発明は、特にAMDを有するヒトにおける網膜の健康を強化および増進するビタミン組成物に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある種の眼疾患を有するヒトにおける視力低下の予防、安定化、回復および/または処置を介して網膜の健康を強化および増進するビタミン組成物に関する。
【発明の開示】
【0002】
より具体的に、本発明は、加齢黄斑変性症(AMD)発症の危険性を低下させることにより視力低下を減少させる、抗酸化剤、オメガ−3−脂肪酸およびルテイン補足組成物に関する。さらに抗酸化剤、オメガ−3−脂肪酸、クロムおよびセレン組成物に関する。抗酸化剤、オメガ−3−脂肪酸、クロム、セレンおよび亜鉛組成物にも関する。さらに、該組成物は、典型的に、網膜色素変性症のような眼の他の慢性病因において有利な役割を示す。
【0003】
ここで使用する抗酸化剤はビタミンE、ビタミンC、ベータ−カロテンおよびルテインおよびそれらの混合物から選択される。好ましい局面において、ベータ−カロテンはこれらの抗酸化剤から除かれる。
【0004】
本発明は、同様に、有効量のここに記載のいずれかの組成物を投与することを含む、AMDを有するまたはAMDを発症するリスクのあるヒトまたは他の動物の処置/予防方法を提供する。
【0005】
本発明の化合物は経口、腹腔内、静脈内、皮下、経皮または筋肉内経路により投与できる。好ましい投与経路は経口経路である。
【0006】
従って、特に本明細書の全ての具体的実施例および特許請求の範囲に従う、黄斑変性症および/または視力低下、および/またはいくつかの他の網膜疾患(例えば網膜色素変性症)の予防、安定化、回復および/または処置に有効な医薬組成物を提供することが本発明の目的である。
【0007】
下記の詳細な記載は、本発明が関連する技術分野の当業者がこれを製造し、使用することを確実にし、そして本発明の主題の実施に際し、本発明者らにより企図された最良の態様を明示するために提供する。
【0008】
本発明の好ましいビタミン組成物は、好ましくは表1に明示する量の、毎日摂取すべき必須成分の製剤である。
【0009】
【表1】

【0010】
上に特記した対象組成物の好ましい1日量を、1個以上の錠剤の形で投与し得る。最も好ましくは、対象組成物の1日量を、1日3回、1日合計3錠摂取するための1錠の形で、または1日2回、1日合計2錠摂取するための1錠の形で提供する。総1日量の1日1回摂取と比較して、1回あたり1錠またはそれ以上での1日2回または3回投与は、必須成分の改善された吸収および血中濃度の良好な維持を提供する。
【0011】
対象組成物の好ましい製剤の錠剤は、上に特記した1錠あたりの最少量よりも多いまたは少ない量の必須成分を含み得る。
【0012】
必須成分の多い量は、経時的に起こり得るある分解を補うためである。必須成分の少ない量は、例えば、患者/動物の摂食状況を斟酌するためである。
【0013】
典型的に、本発明の組成物に含まれるとして挙げた成分の量は、典型的に各成分の示す量より20%少なくから、各成分の示す量より20%多くまでの範囲であり得る。故に、ここで使用する、扱う(addressed)濃度は、扱うおよび挙げる成分の±20重量%を含むべきである。説明の目的で、10mg ビタミンEは、例えば8−12mg ビタミンEの範囲を含む。
【0014】
各錠剤中に多目の量の必須成分を提供することにより、成分が分解してさえ、錠剤販売ラベルに明記した成分量の100%が、錠剤の明記した有効期限の間、錠剤の経口投与により提供されることが確実となる。対象組成物製剤時の他の考慮は、個々の成分の源および/または製造法に依存して、個々の成分の分解速度が異なり得ることである。例えば、ベータ−カロテンの源に依存して、製品の有効期限の間、錠剤の販売ラベルに挙げた1錠あたりのベータ−カロテンの明記された量を提供するために、約5から10%多いベータ−カロテンが1錠あたり必要であり得る。従って、対象組成物の特定の製剤は、個々の成分の源および有効期限までの製品貯蔵寿命の具体的長さに依存する。典型的に、栄養剤または栄養補助食品の製品貯蔵寿命は、約2〜3年である。錠剤製剤はまた、当分野では慣用の通り、制御された許容範囲内で、製造仕様書からのわずかな偏差に幾分依存して変化し得る。故に、典型的に好ましい組成物における±20%(少ない/多い)の量の偏差が、薬理学的有効性を示すのにまだ適している。
【0015】
対象組成物をヒトまたは他の動物に投与する際に企図される変法は、徐放性錠剤または1回投与としてまたは他の複数回投与として投与するために製造された錠剤を含むが、これらに限定されない。さらに、例えば、腹腔内、静脈内、皮下、舌下、経皮、筋肉内または類似の投与形態を含むが、これに限定されない、経口投与以外の別の投与経路が、ここで企図される。
【0016】
好ましい投与経路は経口経路である。対象組成物の各錠剤は、好ましくは下記必須成分を、以下に明記する量(成分分解を補うための過多量を含む)で含む。簡単にする目的のみで、対象組成物の製剤は、3錠経口1日量レジメンに従い以下に提供する。
【0017】
ここで使用する用語錠剤はまたカプセル、糖衣錠、ペレット、坐薬などにも関する。故に、用語錠剤は、特に各片に含まれる量に関する。
【0018】
ビタミンC
ビタミンCは既知の水溶性抗酸化剤である。ヒトはそのビタミンC必要量を満たすために、ビタミンCの外部源に依存する。アスコルベートの形のビタミンCがヒト眼の房水中に見られる。
ビタミンCは典型的に網膜を光の副作用から保護する。
アスコルビン酸の形のビタミンCについての米国推奨食事許容量(RDA)は60mgである。
対象組成物は好ましくは60mgのビタミンCの1日量を提供する。
アスコルビン酸は、対象錠剤におけるビタミンCの好ましい源であるが、例えばアスコルビン酸ナトリウムのような別の源も代替的に使用できる。
好ましい局面において、医薬本発明の組成物は1錠あたり60mg ビタミンCを含む。
総1日量について、ビタミンCは、典型的に10−150mg、より好ましくは30−100mg、および特に40−80mgの量で存在する。
【0019】
ビタミンE
ビタミンEも既知の抗酸化剤である。ビタミンEは、生存細胞機能の通常の酸化剤からの保護において、ビタミンCと相乗的に働き得る。本発明のDHA補給は、膜脂質に対する保護的役割を有するビタミンEの補給を必要とする。ビタミンEは相対的に非毒性の脂溶性ビタミンである。ビタミンEは摂取前の貯蔵期間中に容易に酸化され、それによりその活性が著しく低下する。摂取されると、ビタミンEは体内に貯蔵され、1年にわたりビタミンEの総体内貯蔵に寄与し得る。
好ましくは対象組成物は1錠あたり約10mgのビタミンEを提供する。
Dl−アルファトコフェリルアセテートが対象錠剤における好ましいビタミンEの源であるが、例えばトリメチルトコフェリルアセテートおよび/またはビタミンEスクシネートのようなビタミンEの他の源を、代替的に使用できる。
1.0mgのビタミンEは1IUのdl−アルファトコフェリルアセテートと等しい。あるいは、1mg D−アルファトコフェリルアセテートは1.5IUに対応する。
総1日量について、ビタミンEは典型的に5−30mg、とりわけ7−20mg、および特に10−15mgの量で存在する。
【0020】
亜鉛
亜鉛は眼の網膜の健康の維持に重要であり、そして消化、代謝、生殖および創傷治癒に関与する100種を超える酵素の必須部分である。亜鉛のRDAは約10mgである。
亜鉛は、酸化防御に直接関与する酵素の補助因子として抗酸化役割を有する。
網膜および脈絡膜における亜鉛濃度は、体内で最も高い。
亜鉛は網膜の視物質の産生においてビタミンAと相互作用を有するとも考えられている。
試験は、亜鉛がAMD患者における視野損失を遅らせることを示している。
好ましくは、対象組成物は1錠あたり15mg 亜鉛を提供する。
亜鉛は、酸化亜鉛が元素亜鉛の最も濃縮された形を提供し、そして消化系で十分耐容性であるため、対象錠剤において酸化亜鉛の形が好ましい。しかし、例えばグルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、酢酸亜鉛、塩化亜鉛、乳酸亜鉛、または硫酸亜鉛のような亜鉛の他の形態も、対象組成物において代替的に使用でき、または酸化亜鉛と組み合わせて使用できる。ここで使用する亜鉛は、亜鉛塩、およびより好ましくは酸化亜鉛、塩化亜鉛またはグルコン酸亜鉛、最も好ましくはグルコン酸亜鉛を言う。
総1日量について、亜鉛は、典型的に5−45mg、より好ましくは10−40mg、および特に25−35mgの量で存在する。
【0021】
クロム
ここで使用するクロムはCr3+塩を言う。好ましいクロム塩は三塩化クロム六水和物、硫酸クロムまたは酸化クロム、およびより好ましくは三塩化クロム六水和物である。
クロムは、下記の2つの理由のために特に重要である:
酸化的バランスのため
インスリン血症バランスのため(糖尿病はしばしばAMDに関係する)。
さらに、クロムは、亜鉛と同様、金属酵素のための他の重要な補助因子である。
例えば三塩化クロム六水和物の形のクロムを、好ましくは本発明の組成物において使用する。例えば硫酸塩、酸化物などのような他のクロム塩も同様に使用され得る。
好ましくは対象組成物は1錠あたり約25mgのクロムを提供する。
総1日量について、クロムは典型的に5−75mg、より好ましくは10−50mg、およびとりわけ20−40mgの量で存在し得る。
【0022】
ルテイン
ルテインは、ベータ−カロテンと同様カロテノイドである。ルテインはまた健康な眼の網膜において見られる抗酸化剤である。
ルテインおよびゼアキサンチン(zeaxanthine)はカロチノイドに属するキサントフィルである。
ルテインおよびゼアキサンチンは網膜;主として網膜黄斑の領域に見られる色素であり、その場所でそれらは青色光のフィルターの役割および恐らく抗酸化役割を有する。これらの色素はインビボで合成されず、故に外的(食事)補給が、黄斑性色素組成物のために必要である。
ルテインはゼアキサンチンの前駆体である。
疫学的試験は、ルテイン消費がAMDのような眼疾患に反比例するはずであることを示唆する。ヒトでの試験は、ルテイン補給が網膜黄斑色素の増加をもたらすことを示す。
6mg/日の補給がAMD発病率を低下させるように見える。故に、対象組成物は、好ましくは1錠あたり約6mgの純粋ルテインを提供する。
純粋Flora Glo(供給者Roche)の形のルテインを好ましくは使用する。この源は、マリーゴールド花(マンジュギク)から抽出したマリーゴールド含油樹脂から結晶ルテインおよびゼアキサンチンを提供する。ルテイン、ゼアキサンチンおよび他のカロテノイドは、そのラベルに従うと、“FloraGLO結晶ルテイン”と呼ばれる原料の重量の80%に相当する。これは、本発明の組成物に提供するとき考慮される。
好ましくは扱う組成物は、1日あたり約1−20mg、より好ましくは2−17mg、およびさらに好ましくは3−14mg ルテインを含む。
【0023】
オメガ−3−脂肪酸
オメガ3グループからの脂肪酸は主にエイコサペンタエン酸(EPA)およびドコサヘキサエン酸(DHA)である。これらの脂肪酸は、例えば組成物を膜透過性に関して変更する。それらはまた膜タンパク質受容体(proteinic receptor)の分布も変更する。
故にAMDに対するDHAの保護的役割は、下記の異なる機構に由来するように見える:
ペア色素性上皮光受容体レベルでのロドプシン(rhodopsine)(網膜色素)再生の改善
ロドプシン活性を改善するであろう脂質バックグラウンドの構築における役割。
DHAは網膜に対するさらなる役割を発揮し得、すなわち:
外部光受容体セグメントの構造および脂質バランスの維持に対する直接の正の効果。
抗アポトーシス作用
抗酸化作用
ミトコンドリア活性の増加。
【0024】
オメガ−3−脂肪酸の好ましい例はドコサヘキサエン酸(DHA)またはエイコサペンタエン酸(EPA)である。
EPA/DHA補給について推奨される最大容量は、例えば300mg/kg(Simopoulos et al. Conference report: workshop on the essentiality of and recommended dietary intakes for omega -6- and omega-3-fatty acids. J Am Coll Nutr, 1999;18: 487-9)である。
例えば、フランスにおいて、オメガ−3−脂肪酸の最大推奨1日量は500mg/日であり、DHAについては120mg/日である。このような国独特の必要量を、本発明の組成物を提供するときに考慮する。故に、オメガ−3−脂肪酸量は、記載の量から逸脱するが、このような国独特の必要量の知識は等しく考慮され、本発明の教示に同等に包含される。
網膜がDHAを含むとき、EPAがDHAの生理学的前駆体であるため、EPA/DHAの両方の補給が必要である。
オメガ−3−脂肪酸の好ましい源は魚油である。魚油は33%DHA/23%EPAを含む。魚油の源は、DHAおよびEPAの含量に影響し得る。
好ましくは対象組成物は、1錠あたり、33%DHA/23%EPAを有する約200mgのオメガ−3−脂肪酸、より好ましくは200mgの魚油を提供する。
ここで使用する魚油は、グリセロールによりエステル化された脂肪酸を含み、故にトリグリセライドである。これらの脂肪酸は2グループ、すなわち飽和脂肪酸および非飽和(または不飽和)脂肪酸に分類される。非飽和脂肪酸の中で、また2グループ、すなわちオメガ−6−脂肪酸およびオメガ−3−脂肪酸が存在する。
【0025】
源は:
約18%EPAおよび12%DHA(重量)を有するトリグリセライド形としての天然魚油。
EPA/DHAを富化した油(例:60%EPA/20%DHA)
エチルエステルおよび純粋DHA/EPAを含む組成物である。
本発明のそれ異物は典型的に:
1日投与量あたり、組成物は典型的に20から100mg(平均66mg、すなわち33%のEPAを含む200mgの油)および10から80mg(平均44mg、すなわち22%のDHAを含む200mgの油)を含み得る。これら2種の脂肪酸はトリグリセライド(魚油)として、エチルエステルとしてまたは純粋形で取り込み得る。
好ましくは対象組成物は、1日あたり約10−600mg、より好ましくは20−500mg、およびさらに好ましくは30−400mg オメガ−3−脂肪酸を提供する。
【0026】
ベータ−カロテン
ビタミンAの代用形であるベータ−カロテンは、多くの植物において見られる脂溶性のオレンジ色色素である。ベータ−カロテンは、約50%の効率で体内でビタミンAに変換される。ビタミンAの推奨される1日量は、3mgに対応する5,000IUである。ベータ−カロテンは、抗酸化剤のカナかで最高抗酸化能を有する一つである。
暗所視に必要な視覚色素であるロドプシンは、ビタミンAの生理学的量に依存する。
また、抗酸化剤としてのベータカロテンは、ルテインを酸化から保護する。
以前に心筋梗塞を発症した男性における致死的冠動脈心臓発作の増加した危険性、および男性喫煙者における肺癌の増加した危険性が、特に20mg/日のベータ−カロテンを摂取する個体において報告されている。
他の局面において、ベータ−カロテンを本発明の組成物から除く。このような組成物は好ましくは喫煙者に推奨される。
ベータ−カロテンが存在するとき、対象組成物は、好ましくは1錠あたり約2mg ベータ−カロテン(3334IU)を提供する。
各ベータ−カロテンは1,667IU ビタミンAの能力に対応する。
ベータ−カロテンが本発明の組成物中に存在すべきであるならば、それは好ましくは1日あたり約0.5−6mg、より好ましくは1−4mg、およびさらに好ましくは2−3mg ベータ−カロテンを含む。
【0027】
セレン
DHA補給は、膜脂質における保護的役割を有するセレンの補給を必要とする。
セレンはまた酸化防御に直接関与する酵素(例えばグルタチオンペルオキシダーゼ)の補助因子として抗酸化役割を有する。
セレンと関連するこれらの酵素の中で、あるものはまた特にAMD予防に酸化し、すなわちチオレドキシンレダクターゼおよびセレン含有タンパク質Pである。
チオレドキシンレダクターゼは細胞の急激な増殖およびアポトーシス防御において作用する。
セレンの血中循環形態を代表するセレン含有タンパク質Pは、血管内皮細胞を酸化因子から保護するはずである。
ビタミンEが脂溶性抗酸化剤であり、セレンに対する相補的作用を有するため、ビタミンEとセレンの関係は重要である。故に、それは微量元素として除くべきではなく、本発明の組成物の必須成分である。
ここで使用するセレンは亜セレン酸ナトリウムのような亜セレン酸塩を言う。セレンはまたセレン含有メチオニンの形で、またはセレン酸ナトリウム、またはそれらの混合物として使用できる。好ましいセレンは亜セレン酸ナトリウムである。
好ましくは対象組成物は1錠あたり約50mg セレンを提供する。
総1日量セレンは、典型的に約15−150mg、より好ましくは20−100mgおよび特に30−70mgの量で存在する。
【0028】
他の局面において、本発明は大凡または正確に10−150mgのビタミンC、5−30mgのビタミンE、1−20mgのルテイン、5−30mg 亜鉛、15−150mg セレン、5−75mg クロム、および10−600mgのオメガ−3−脂肪酸から成る組成物に関する。このように厳密に定義された組成物は、例えば毎日、例えば1個以上のフラクションで、例えば経口経路または他の全身経路により投与したとき、加齢性黄斑変性症として既知の眼病または網膜の何らかの他の病的障害の、このような処置を有する好ましくはヒト対象における、処置および/または予防用医薬の製造において特に有用である。故に、本発明は、有効量の上記で定義の組成物を投与することを含む、対象における加齢性黄斑変性症または網膜の何らかの他の病的障害の処置方法にも関する。
【0029】
本発明の組成物は、それ自体既知の方法で、例えば慣用の混合、造粒、コーティング、溶解または凍結乾燥工程により製造する。
【0030】
本組成物は滅菌してよく、および/または賦形剤、例えば防腐剤、安定化剤、湿潤剤および/または乳化剤、可溶化剤、浸透圧調整用塩および/または緩衝剤を含んでよく、そしてそれ自体既知の方法で、例えば慣用の溶解および凍結乾燥工程により製造する。該溶液または懸濁液は増粘剤、典型的にナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン、またはゼラチン、または可溶化剤、例えばTween 80[ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート;ICI Americas, Inc, USAの商標]も含み得る。
【0031】
適当な担体は、とりわけ増量剤、例えば糖、例えばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビトール、セルロース製剤、および/またはリン酸カルシウム、例えば三リン酸カルシウムまたはリン酸水素カルシウム、およびまた結合剤、例えばデンプン、例えばコーン、小麦、コメまたはジャガイモデンプン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、および/またはポリビニルピロリドン、および/または、所望により、崩壊剤、例えば上記のデンプン、他にカルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、アルギン酸またはその塩、例えばアルギン酸ナトリウムである。さらなる賦形剤は、とりわけ流動調節剤および滑剤、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸またはその塩、例えばステアリン酸マグネシウムもしくはカルシウム、および/またはポリエチレングリコール、またはその誘導体である。
【0032】
経口投与用組成物はまたゼラチンから成る硬カプセル、およびゼラチンと可塑剤、例えばグリセロールまたはソルビトールから成る軟、密封カプセルも含む。硬カプセルは、例えば増量剤、例えばコーンデンプン、結合剤、および/または流動促進剤、例えばタルクまたはステアリン酸マグネシウム、および所望により安定化剤と混合された、顆粒の形の活性成分を含み得る。軟カプセルにおいて、活性成分は好ましくは適当な液体賦形剤、例えば脂肪油、パラフィン油または液体ポリエチレングリコールまたはエチレンもしくはプロピレングリコール脂肪酸エステルに溶解または懸濁しており、それに安定化剤および、例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルタイプの界面活性剤も添加し得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約10−150mgのビタミンC、
約5−30mgのビタミンE、
約1−20mgのルテイン、
約5−30mg 亜鉛、
約15−150mg セレン、
約5−75mg クロム、および
約10−600mgのオメガ−3−脂肪酸
を含む、組成物。
【請求項2】
約0.5−6mg ベータ−カロテンをさらに含む、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
該ビタミンCがアスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウムまたはそれらの混合物として提供されている、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
該ビタミンEがd,l−アルファトコフェリルアセテートとして提供されている、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項5】
該オメガ−3−脂肪酸が33%DHAおよび23%EPA(魚油の総量の重量パーセント)を含む魚油である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項6】
【表1】

(ここで、これらの量は該組成物の総重量の重量%である)
を含む、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
該ベータ−カロテンを含まない、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
該亜鉛が酸化亜鉛として提供される、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
該組成物が1個、2個、3個またはそれ以上の錠剤に成形される、請求項1から8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
加齢性黄斑変性症または網膜の何らかの他の病的障害の処置および/または予防用医薬の製造における、請求項1から9のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項11】
有効量の請求項1から9のいずれかに記載の組成物を投与することを含む、対象における加齢性黄斑変性症または網膜の何らかの他の病的障害の処置および/または予防方法。
【請求項12】
該組成物を経口で投与する、請求項11記載の方法。

【公表番号】特表2008−533075(P2008−533075A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501216(P2008−501216)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/002303
【国際公開番号】WO2006/097267
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】