説明

ビタミンC含有飲料及びその製造方法

【課題】ビタミンCによる呈味が改善され、かつビタミンCの劣化が抑制されたビタミンC含有飲料、その製造方法、ビタミンC含有飲料の呈味改善方法、及びビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法を提供する。
【解決手段】ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを含有するビタミンC含有飲料であって、前記ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gであり、前記ナトリウムの含有量[B](mg/100g)に対する前記カルシウムの含有量[A](mg/100g)の比[A]/[B]が0.4〜1.8であることを特徴とするビタミンC含有飲料。カルシウムの含有量[A]とナトリウムの含有量[B]との合計[A]+[B]は33〜45mg/100gであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビタミンCを含有する飲料であるビタミンC含有飲料、並びにビタミンC含有飲料の製造方法、呈味改善方法及びビタミンC劣化抑制方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ビタミンC(L−アスコルビン酸)は水溶性ビタミンの一種であって、優れた抗酸化作用を有し、またコラーゲン合成における補酵素であるなど、生体活動において重要な役割を果たしている。そのため、美容、健康、ストレス解消、アンチエイジング等を目的として、ビタミンCを積極的に摂取したいというニーズが生まれている。そこで、手軽にビタミンCを補給すべく、多数のビタミンC含有飲料が市販されている。
【0003】
ビタミンCは酸味を有するため、飲料に配合するとその酸味による清涼感を与えるが、一方で高濃度に配合すると強烈な酸味を生じてしまう。また、ビタミンCは、熱や光に弱く、それらによって容易に酸化されてデヒドロアスコルビン酸(DAsA)となる。したがって、製造時や照明下の保管時等において、酸化によるビタミンCの劣化が生じる。そのため、ビタミンCを飲料に高濃度含有させる場合、ビタミンCの呈味(強烈な酸味等)の改善と、製造時及び保管時等におけるビタミンCの劣化の抑制とが課題となっていた。
【0004】
従来、ビタミンCの呈味を改善する方法として、アスコルビン酸とアスコルビン酸ナトリウムとの配合量が調整された、酸味がなく、クセの少ない水溶液が提案されている(特許文献1を参照)。しかし、特許文献1に開示された水溶液はビタミンCの含有量が少ないものであって、ビタミンCを高濃度含有させた場合の呈味改善方法としては不十分なものであり、またビタミンCの劣化を抑制する方法を別途講じなければならなかった。
【0005】
一方、ビタミンCの劣化を抑制する方法として、ビタミンCに所定量のクロロゲン酸を配合する方法が提案されている(特許文献2を参照)。しかし、この方法によれば、クロロゲン酸が渋味を有するために呈味が問題となり、そのためビタミンCを飲料に高濃度含有させることは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−058097号公報
【特許文献2】特開平6−009603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、ビタミンCによる呈味が改善され、かつビタミンCの劣化が抑制されたビタミンC含有飲料、その製造方法、ビタミンC含有飲料の呈味改善方法、及びビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1に本発明は、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを含有するビタミンC含有飲料であって、前記ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gであり、前記ナトリウムの含有量[B](mg/100g)に対する前記カルシウムの含有量[A](mg/100g)の比[A]/[B]が0.4〜1.8であることを特徴とするビタミンC含有飲料を提供する(発明1)。
【0009】
上記発明(発明1)においては、前記カルシウムの含有量[A]と前記ナトリウムの含有量[B]との合計[A]+[B]が33〜45mg/100gであることが好ましい(発明2)。
【0010】
上記目的を達成するために、第2に本発明は、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを含有するビタミンC含有飲料であって、前記ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gであり、前記カルシウムの含有量[A](mg/100g)と前記ナトリウムの含有量[B](mg/100g)との合計[A]+[B]が33〜45mg/100gであることを特徴とするビタミンC含有飲料を提供する(発明3)。
【0011】
上記発明(発明1〜3)によれば、ビタミンCを高濃度で含有するにも関わらず、ビタミンCに由来する強い酸味が抑制されるとともに、配合したカルシウムに由来する苦味が同時に抑制されて、良好な呈味を有するビタミンC含有飲料を得ることができる。さらに上記発明によれば、飲料中のビタミンCの劣化が抑制されるため、ビタミンCの好ましい生理活性を損なわず、かつカルシウム由来の苦味が増強されないビタミンC含有飲料を得ることができる。
【0012】
上記発明(発明1〜3)においては、前記ビタミンCが、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム及びL−アスコルビン酸カルシウムからなる群より選択される1種又は2種以上であることが好ましい(発明4)。
【0013】
上記発明(発明1〜4)においては、さらにカムカム果汁を含有することが好ましい(発明5)。
【0014】
上記発明(発明1〜5)においては、デヒドロアスコルビン酸含有量が総アスコルビン酸含有量中において2.5質量%以下であることが好ましい(発明6)。
【0015】
第3に本発明は、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを含有するビタミンC含有飲料の製造方法であって、前記ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつ前記ナトリウムの含有量[B](mg/100g)に対する前記カルシウムの含有量[A](mg/100g)の比[A]/[B]が0.4〜1.8となるように、前記ビタミンC、前記カルシウム及び前記ナトリウムを配合することを特徴とするビタミンC含有飲料の製造方法を提供する(発明7)。
【0016】
第4に本発明は、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを含有するビタミンC含有飲料の製造方法であって、前記ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつ前記カルシウムの含有量[A](mg/100g)と前記ナトリウムの含有量[B](mg/100g)との合計[A]+[B]が33〜45mg/100gとなるように、前記ビタミンC、前記カルシウム及び前記ナトリウムを配合することを特徴とするビタミンC含有飲料の製造方法を提供する(発明8)。
【0017】
上記発明(発明7又は8)においては、さらにカムカム果汁を配合することが好ましい(発明9)。
【0018】
上記発明(発明7〜9)においては、脱酸素処理を行うことが好ましい(発明10)。
【0019】
第5に本発明は、ビタミンC含有飲料の呈味改善方法であって、ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつナトリウムの含有量[B](mg/100g)に対するカルシウムの含有量[A](mg/100g)の比[A]/[B]が0.4〜1.8となるように、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを配合することを特徴とするビタミンC含有飲料の呈味改善方法を提供する(発明11)。
【0020】
第6に本発明は、ビタミンC含有飲料の呈味改善方法であって、ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつカルシウムの含有量[A](mg/100g)とナトリウムの含有量[B](mg/100g)との合計[A]+[B]が33〜45mg/100gとなるように、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを配合することを特徴とするビタミンC含有飲料の呈味改善方法を提供する(発明12)。
【0021】
第7に本発明は、ビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法であって、ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつナトリウムの含有量[B](mg/100g)に対するカルシウムの含有量[A](mg/100g)の比[A]/[B]が0.4〜1.8となるように、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを配合することを特徴とするビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法を提供する(発明13)。
【0022】
第8に本発明は、ビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法であって、ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつカルシウムの含有量[A](mg/100g)とナトリウムの含有量[B](mg/100g)との合計[A]+[B]が33〜45mg/100gとなるように、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを配合することを特徴とするビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法を提供する(発明14)。
【0023】
上記発明(発明13又は14)においては、さらにカムカム果汁を配合することが好ましい(発明15)。
【0024】
上記発明(発明13〜15)においては、脱酸素処理を行うことが好ましい(発明16)。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ビタミンCを高濃度で含有するにも関わらず、ビタミンCに由来する強い酸味が抑制されるとともに、配合したカルシウムに由来する苦味が同時に抑制されて、良好な呈味を有するビタミンC含有飲料を得ることができる。さらに本発明によれば、飲料中のビタミンCの劣化が抑制されるため、ビタミンCの好ましい生理活性を損なわず、かつカルシウム由来の苦味が増強されないビタミンC含有飲料を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを含有するものである。
【0027】
本実施形態におけるビタミンCには、L−アスコルビン酸のほか、ナトリウム、カリウムやカルシウムとの塩、脂肪酸とのエステル体、糖等とのエーテル体といったL−アスコルビン酸の誘導体、及びL−アスコルビン酸が酸化されて生じるデヒドロアスコルビン酸(DAsA)が含まれる。中でも、本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム及びL−アスコルビン酸カルシウムからなる群より選択される1種又は2種以上のビタミンCを含有することが好ましく、これら3種のビタミンC全てを含有することが特に好ましい。一方、DAsAは生体内で還元されるとL−アスコルビン酸となって生理活性を有するが、さらに劣化により酸化された場合は不可逆的であり、もはやビタミンCとしての生理活性を失ってしまう。また、ビタミンCが劣化するとカルシウムに由来する苦味が増強される等の好ましくない呈味をもたらす。そのため、本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、DAsA含有量が総アスコルビン酸含有量中において2.5質量%以下であることが好ましく、2.0質量%以下であることが特に好ましい。
【0028】
本実施形態に係るビタミンC含有飲料が含有するカルシウムは、カルシウム塩として配合される。カルシウム塩としては、上述したL−アスコルビン酸カルシウムのほか、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム等を挙げることができる。
【0029】
本実施形態に係るビタミンC含有飲料が含有するナトリウムは、ナトリウム塩として配合される。ナトリウム塩としては、上述したL−アスコルビン酸ナトリウムのほか、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、アスパラギン酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0030】
本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gであり、かつナトリウムの含有量[B](mg/100g)に対するカルシウムの含有量[A](mg/100g)の比[A]/[B]が0.4〜1.8となるものである。
【0031】
ここで、本明細書において、飲料に含まれるある物質の当該飲料における「含有量」とは、当該飲料を製造した直後から製造後2週間までの間に測定した値を意味するものとする。
【0032】
本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gであることで、ビタミンC含有飲料にビタミンCの好ましい生理活性が十分に付与され、かつビタミンCに由来するほどよい酸味により爽快な味わいが得られる。なお、1500mg/100gを超えると、ビタミンCに由来する酸味が過大となるためその抑制が困難となり、その結果ビタミンCに由来する酸味が刺激的になりすぎ、爽快感が失われ不快さが残るものとなる。
【0033】
ここで、本明細書において、飲料中におけるビタミンCの含有量とは、上述したビタミンCに包含される化合物の含有量をそれぞれL−アスコルビン酸の含有量に換算した値の合計(総アスコルビン酸含有量)である。本明細書における総アスコルビン酸含有量は、デヒドロアスコルビン酸(DAsA)を含め全てのビタミンCの含有量を高速液体クロマトグラフ法により測定した値であり、具体的には後述する実施例に示すとおりである。なお、DAsAは、総アスコルビン酸含有量の測定においてジチオスレイトール(DTT)を用いたDTT還元法によりL−アスコルビン酸に還元されるため、総アスコルビン酸含有量に合算される。また、本明細書において、総アスコルビン酸含有量とは別に、DAsAの含有量を合算しないためにDTTによる還元を行わずに測定した値として、L−アスコルビン酸含有量という用語を用いることがあり、具体的な測定方法は後述する実施例に示す。
【0034】
本実施形態に係るビタミンC含有飲料におけるビタミンCの含有量は、450〜1250mg/100gであることが好ましく、576〜990mg/100gであることが特に好ましい。
【0035】
また、本実施形態に係るビタミンC含有飲料においては、[A]/[B]が0.4〜1.8であることで、ビタミンCに由来する強い酸味が抑制されるとともに、配合したカルシウムにより喉越しのボディ感がもたらされる等、飲料の風味が向上し、かつカルシウムに由来する苦味も抑制されるため、良好な呈味を有するビタミンC含有飲料が得られる。さらに、[A]/[B]が上述した範囲にあることで、製造時及び製造後(保管時、搬送時等を含む)におけるビタミンCの劣化を抑制することができ、これによりビタミンCの劣化によるカルシウム由来の苦味の増強作用を抑制することができる。本実施形態に係るビタミンC含有飲料において、[A]/[B]は0.5〜1.3であることが好ましく、0.6〜1.1であることが特に好ましい。
【0036】
なお、本明細書において、飲料中におけるカルシウムの含有量は、飲料に配合したカルシウム塩に由来するカルシウムイオンの含有量であり、ICP発光分析法により測定した値である。また、飲料中におけるナトリウムの含有量は、飲料に配合したナトリウム塩に由来するナトリウムイオンの含有量であり、原子吸光光度法により測定した値である。測定方法の詳細は後述する実施例に示す。
【0037】
本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、カルシウムの含有量[A](mg/100g)及びナトリウムの含有量[B](mg/100g)の合計[A]+[B]が33〜45mg/100gであることが好ましい。[A]+[B]がこの範囲にあることで、ビタミンCに由来する強い酸味と、カルシウムに由来する苦味と、ビタミンCの劣化によるカルシウム由来の苦味の増強作用とがさらに抑制され、良好な呈味を有する飲料となるとともに、ビタミンCの好ましい生理活性を損なわない飲料となる。[A]+[B]は、35〜43mg/100gであることが特に好ましい。
【0038】
なお、本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、[A]/[B]が0.4〜1.8であるか、又は[A]+[B]が33〜45mg/100gであれば良いが、[A]/[B]及び[A]+[B]の両方の範囲を満たすことが特に好ましい。
【0039】
また、本実施形態に係るビタミンC含有飲料には、果実から得られる果汁を配合することが好ましい。果汁を得るための果実としては、食用として安全性が確認されている植物体であれば特に限定されるものではない。具体的に、当該果実としては、オレンジ、みかん、リンゴ、バナナ、ブドウ、アセロラ、カムカム、マンゴー、レモン、ブルーベリー、ラズベリー、ザクロ、キウイ、マスカット、桃、柿、イチゴ、グレープフルーツ、パイナップル、あんず、イチジク、梅、シイクワシャー、すいか、さくらんぼ、梨、パパイア、びわ、メロン等が挙げられ、これらからなる群から選ばれる1種又は2種以上の果実から得られる果汁を、本実施形態のビタミンC含有飲料に配合することができる。上記果実から果汁を得るには、従来公知の方法によって行えばよく、例えば、原料としての果実に対して、温める、煮る、蒸す等の加熱処理や、十分な水洗い、水にさらす、薬品処理する等の非加熱処理を施してから、搾汁すればよい。
【0040】
本実施形態に係るビタミンC含有飲料に果汁を配合する場合、上記果実から得られる果汁の中でもカムカム果汁を配合することが特に好ましい。カムカム果汁を配合することで、製造時及び製造後におけるビタミンCの劣化をより効果的に抑制することができる。本実施形態のビタミンC含有飲料にカムカム果汁を配合する場合、その配合量は0.1〜50質量%であることが好ましく、0.2〜20質量%であることが特に好ましい。
【0041】
また、本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、上記成分の他、水や、公知の飲料に含まれる材料(成分)、例えば、ビタミンC以外のビタミン類、甘味付与剤、酸味料、香料、ミネラル分、色素成分、機能性成分等を、本実施形態による効果を損なわない範囲で含有してもよい。
【0042】
水は、飲用に適した水であればよく、例えば、純水、硬水、軟水、イオン交換水等のほか、これらの水をガス置換方法、脱気処理方法等により脱酸素処理した水等が挙げられる。中でも、ビタミンCの劣化を抑制するために、脱酸素処理した水を用いることが好ましく、脱酸素処理したイオン交換水を用いることが特に好ましい。
【0043】
ビタミンC以外のビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンD、ビタミンK及びビタミンB群等が挙げられる。
【0044】
甘味付与剤としては、糖類又は甘味料を使用することができ、糖類としては、例えば、ショ糖、果糖、ブドウ糖、果糖ブドウ糖液糖、還元麦芽糖等が挙げられる。甘味料としては、例えば、砂糖、異性化糖、キシリトール、パラチノース、エリスリトール等のほか、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオテーム、サッカリン、スクラロース、ステビア抽出物等の高甘味度甘味料が挙げられる。また、ソルビトール等の糖アルコールを含んでいてもよいし、シュガーレスバルク甘味料、バルク砂糖甘味料等を含んでいてもよい。
【0045】
酸味料としては、例えば、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、アジピン酸、グルコン酸、コハク酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、リンゴ酸、又はそれらの塩類が挙げられ、中でも、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、アジピン酸等が好ましく、クエン酸及びクエン酸三ナトリウムが特に好ましい。
【0046】
香料としては、例えば、柑橘その他果実から抽出した香料、果汁又は果実ピューレ、植物の種実、根茎、木皮、葉等又はこれらの抽出物、乳又は乳製品、合成香料等が挙げられる。
【0047】
ミネラル分としては、例えば、クロム、銅、フッ素、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、ケイ素、モリブデン及び亜鉛等が挙げられる。
色素成分としては、例えば、クロレラ、葉緑素等が挙げられる。
【0048】
機能性成分としては、例えば、コラーゲン、鮫軟骨、牡蛎エキス、キトサン、プロポリス、オクタコサノール、トコフェロール、カロチン、ポリフェノール、梅エキス、アロエ、乳酸菌、霊芝、アガリクス等が挙げられる。
【0049】
また、本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、その他、各種エステル類、乳化剤、保存料、調味料、ガム、油、pH調整剤、品質安定剤等を含有してもよい。
【0050】
本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを特定の含有量となるよう配合する以外、従来公知の方法により製造することができる。例えば、水に、上述したビタミンC、カルシウム塩及びナトリウム塩を、好ましくはビタミンCとしてL−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム及びL−アスコルビン酸カルシウムからなる群より選択される1種又は2種以上を、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムの含有量が特定の値となるように添加し、さらに所望により上述した他の成分を添加して攪拌し、飲料原液を調製する。そして、必要に応じてpHの調整及び/又は加熱殺菌をしてから冷却した後、容器に充填して、殺菌する工程により製造することができる。
【0051】
この際、殺菌方法は、通常の飲料と同様に行えばよい。例えば金属缶のように容器に充填後、加熱殺菌できる場合にあっては食品衛生法に定められた殺菌条件で殺菌を行えばよい。また、PETボトルや紙容器のようにレトルト殺菌できないものについては、例えばプレート式熱交換器等で高温殺菌後冷却して容器に充填するなどすればよい。
【0052】
本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、容器に充填した形態で提供することができる。当該容器としては、例えば、金属缶、PETボトル、紙容器、ガラスビン等、通常の形態の容器を使用することができる。
【0053】
ここで、本実施形態に係るビタミンC含有飲料を製造する場合、ビタミンC含有飲料に脱酸素処理を行うことが好ましい。脱酸素処理を行うことにより、ビタミンCの劣化の原因となる溶存酸素の濃度が減少し、これにより製造時及び製造後におけるビタミンCの劣化をより効果的に抑制することができるとともに、ビタミンCの劣化によるカルシウム由来の苦味の増強作用をさらに抑制することが可能となる。脱酸素処理は特に制限されず常法によって行うことができ、例えば窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いたガス置換方法、中空糸膜やデアレーター等を用いた脱気方法、又はこれらの組み合わせ等が挙げられる。脱酸素処理は、飲料原料を溶解させる水に対して行ってもよく、また飲料原料を水に溶解させて得られた飲料原液に対して行ってもよいが、両方に対して行うことが好ましい。
【0054】
ここで、脱酸素処理は、容器に充填する前の飲料原液における溶存酸素濃度が5mg/L(=5ppm)以下になるように行うことが好ましく、2mg/L以下になるように行うことが特に好ましい。このように脱酸素処理を行うことで、製造時及び製造後におけるビタミンCの劣化がより効果的に抑制され、その結果本実施形態に係るビタミンC含有飲料においてビタミンCの好ましい生理活性が維持されるとともに、ビタミンCの劣化によるカルシウム由来の苦味の増強作用がさらに抑制される。
【0055】
本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、ビタミンCを高濃度で含有するにも関わらず、飲用したときに、ビタミンCに由来する強い酸味と、配合したカルシウムに由来する苦味とが同時に抑制されて、良好な呈味を有するものである。また、本実施形態に係るビタミンC含有飲料においては、ビタミンCの劣化が抑制され、例えば製造時や照明下の保管時等においても効果的にビタミンCの劣化が抑制される。そのため、本実施形態に係るビタミンC含有飲料は、ビタミンCの好ましい生理活性が損なわれず、かつカルシウムの苦味が増強されない。
【0056】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【実施例】
【0057】
〔実施例1〜9及び比較例1〜4〕
ビタミンCとしてのL−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム及びL−アスコルビン酸カルシウム、その他のナトリウム塩及びカルシウム塩、果汁、甘味料並びに酸味料を、表1に示すように水に添加して2000gの飲料原液を調製し、これを加熱殺菌(95℃達温)してPETボトルに充填し、実施例1〜9及び比較例1〜4のビタミンC含有飲料を得た。なお、実施例8については、加熱殺菌した飲料原液をPETボトルに充填する前に、ガス置換方法(窒素置換)により脱酸素処理を行った。
【0058】
<試験例1>ビタミンC配合量の測定
ビタミンC配合量は、飲料原料を配合した段階において測定した値であり、ビタミンCに包含されるL−アスコルビン酸、及びデヒドロアスコルビン酸の含有量をL−アスコルビン酸含有量に換算し、合計した値(総アスコルビン酸含有量)である。具体的には、DDT還元法によりサンプル中のデヒドロアスコルビン酸を還元処理してL−アスコルビン酸とし、高速液体クロマトグラフィー分析を行い、得られた値を総アスコルビン酸含有量とした。試験方法及び分析条件は以下の通りである。
【0059】
実施例1〜9及び比較例1〜4におけるビタミンC含有飲料の各飲料原液について、加熱殺菌の直前にサンプリングを行い、直ちに6%(w/v)メタリン酸水溶液をサンプルの5倍容量(v/v)添加した(メタリン酸の最終濃度5%(w/v))。このメタリン酸処理した各サンプル100μLに10mM ジチオトレイトールを含む1M KHPO水溶液を50μL添加し、室温で5分間静置した。続いて25%(w/v)メタリン酸水溶液を50μL加え、0.45μmのフィルターでろ過した後、以下のHPLC条件で分析した。結果を表1に示す。
【0060】
=液体クロマトグラフィー条件=
使用機種:Waters社製Alliance HPLCシステム
カラム:Atlantis T3 3μm 3.0mm×150mm
カラム温度:40℃
移動相:1%メタリン酸水溶液
流速:1mL/min
測定波長:242nm
【0061】
<試験例2>カルシウム含有量の測定
実施例1〜9及び比較例1〜4におけるビタミンC含有飲料の各飲料原液について、加熱殺菌の直前にサンプリングを行い、得られたサンプル50μLに1%硝酸を加えて10mLに定量し、内部標準物質として、イットリウム500μLを加え、ICP発光分析装置(バリアン社製,バリアンVISTA−PRO(Ax))を用いて測定した。結果を表1に示す。
【0062】
<試験例3>ナトリウム含有量の測定
実施例1〜9及び比較例1〜4におけるビタミンC含有飲料の各飲料原液について、加熱殺菌の直前にサンプリングを行い、得られたサンプル2.5mLを50mL容のポリプロピレン製メスフラスコに入れ、1%濃度の塩酸を加えて50mLに定量した後、一晩置いた。その後、原子吸光分析装置(バリアン社製,AA240FS)にて測定した。結果を表1に示す。
【0063】
<試験例4>官能評価試験
実施例1〜9及び比較例1〜4の各ビタミンC含有飲料(サンプル)について、官能評価試験を行った。かかる官能評価試験は、飲料の開発を担当する訓練された7人のパネラーにより、5℃に冷却保管されたサンプル20mLを試飲することにより行った。次に示す基準で酸味及び苦味に関し5段階で評価した。得られた結果のうち最も多かった評点をそのサンプルの評価とした。評価を表1に示す。
【0064】
=酸味の評価=
5:極めて弱い
4:弱い
3:やや弱い
2:やや強い
1:強い
【0065】
=苦味の評価=
5:極めて弱い
4:弱い
3:やや弱い
2:やや強い
1:強い
【0066】
また、官能評価試験の結果をもとに、酸味及び苦味の各評点の合計として総合点を算出し、次の基準で総合評価を行った。結果を表1に示す。
【0067】
=総合評価=
◎:総合点が8以上
○:総合点が6以上8未満
△:総合点が4以上6未満
×:総合点が4未満
【0068】
【表1】

【0069】
表1から分かるように、本発明の要件を満たすビタミンC含有飲料は、ビタミンCに由来する強い酸味と、配合したカルシウムに由来する苦味及びビタミンC劣化に伴う苦味増強作用とが同時に抑制され、良好な呈味を有するものであった。
【0070】
〔実施例10及び参考例1〕
ビタミンCとしてのL−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム及びL−アスコルビン酸カルシウム、その他のナトリウム塩及びカルシウム塩、果汁、甘味料並びに酸味料を、表2に示すように水に添加して飲料原液を調製し、これを加熱殺菌(95℃達温)してPETボトルに充填し、実施例10及び参考例1のビタミンC含有飲料を得た。
【0071】
実施例10及び参考例1、並びに上述した実施例5のビタミンC含有飲料の各飲料原液について、加熱殺菌の直前にサンプリングを行い、上述した試験例1〜3と同様にしてビタミンC配合量、カルシウム含有量及びナトリウム含有量を測定し、かつ上述した試験例4と同様にして官能評価試験を実施した。結果を表2に示す。
【0072】
〔比較例5〕
市販のビタミンC含有飲料を購入し、比較例5のサンプルとした。購入後直ちにサンプリングを行い、上述した試験例2及び3と同様にしてカルシウム含有量及びナトリウム含有量を測定した。結果を表2に示す。
【0073】
<試験例5>並びに総アスコルビン酸、L−アスコルビン酸及びデヒドロアスコルビン酸の含有量の測定
実施例5及び10並びに参考例1の各ビタミンC含有飲料について、製造直後にサンプリングし、総アスコルビン酸含有量及びL−アスコルビン酸含有量を測定した。総アスコルビン酸含有量は、得られたサンプルを上述した試験例1と同様に処理して測定した。さらに、L−アスコルビン酸含有量は以下のように測定した。すなわち、サンプリング後直ちに6%(w/v)メタリン酸水溶液をサンプルの5倍容量(v/v)添加し、DTT還元処理を行わずに0.45μmのフィルターでろ過した後、上述の試験例1と同様のHPLC条件にて分析し、得られたL−アスコルビン酸含有量をサンプル中のL−アスコルビン酸含有量とした。さらに総アスコルビン酸含有量からL−アスコルビン酸含有量を差し引いた値をデヒドロアスコルビン酸(DAsA)含有量として算出した。結果を表2に示す。
【0074】
また、総アスコルビン酸含有量に対するDAsA含有量の比、ビタミンC配合量から総アスコルビン酸含有量を差し引いた値であるビタミンC減少量、及びビタミンC配合量に対する総アスコルビン酸含有量の比であるビタミンC減少率を算出した。結果を表2に示す。
【0075】
なお、比較例5のビタミンC含有飲料については、購入後直ちにサンプリングを行い、上述と同様の方法により総アスコルビン酸含有量及びL−アスコルビン酸含有量を測定し、デヒドロアスコルビン酸(DAsA)含有量を算出し、かつ総アスコルビン酸含有量に対するDAsA含有量の比を算出した。結果を表2に示す。
【0076】
さらに、実施例5及び10、参考例1並びに比較例5の各ビタミンC含有飲料(サンプル)を、6000ルクス、25℃の環境下にて2週間保持した後、製造直後又は購入直後と同様の方法により総アスコルビン酸含有量及びL−アスコルビン酸含有量を測定し、かつデヒドロアスコルビン酸(DAsA)含有量、総アスコルビン酸含有量に対するDAsA含有量の比、及びビタミンC減少率を算出した。結果を表2に示す。
【0077】
【表2】

【0078】
表2から分かるように、実施例5及び10並びに参考例1のビタミンC含有飲料は、比較例5と比較して、照明下2週間保管後におけるビタミンCの劣化が抑制されたものであった。さらに、カムカム果汁を配合した実施例5及び10は、製造時においてもビタミンCの劣化が抑制されていた。
【0079】
〔実施例11〕
ビタミンCとしてのL−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム及びL−アスコルビン酸カルシウム、その他のナトリウム塩及びカルシウム塩、果汁、甘味料並びに酸味料を、表3に示すように脱酸素処理を行っていない水に添加し、10000kgの飲料原液を調製した。得られた飲料原液を加熱殺菌(98℃30秒)して冷却し、85℃未満になる前に500mLのPETボトルに充填し、さらに後殺菌(75℃3分)して冷却し、ビタミンC含有飲料を得た。
【0080】
〔実施例12〕
加熱殺菌した飲料原液をガス置換方法(窒素置換)により脱酸素処理してからPETボトルに充填した以外は実施例11と同様にして製造し、ビタミンC含有飲料を得た。
【0081】
〔実施例13〕
原料を溶解させる水として、ガス置換方法(窒素置換)による脱酸素処理を行った水を用いた以外は実施例11と同様にして製造し、ビタミンC含有飲料を得た。
【0082】
〔実施例14〕
原料を溶解させる水として、ガス置換方法(窒素置換)による脱酸素処理を行った水を用い、かつ加熱殺菌した飲料原液をガス置換方法(窒素置換)により脱酸素処理してからPETボトルに充填した以外は実施例11と同様にして製造し、ビタミンC含有飲料を得た。
【0083】
製造直後の実施例11〜14の各ビタミンC含有飲料について、上述した試験例5と同様にして総アスコルビン酸含有量及びL−アスコルビン酸含有量を測定し、得られた結果よりデヒドロアスコルビン酸(DAsA)含有量及び総アスコルビン酸含有量に対するDAsA含有量の比を算出した。結果を表3に示す。また、上述した試験例4と同様にして官能評価試験を実施した。結果を表3に示す。
【0084】
<試験例6>飲料原液における溶存酸素濃度の測定
実施例11〜14のビタミンC含有飲料の各飲料原液について、加熱殺菌処理を行う前にサンプリングし、溶存酸素計を用いて溶存酸素濃度を測定した。結果を表3に示す。
【0085】
【表3】

【0086】
表3から分かるように、製造スケールを大きくした場合であっても、本発明の要件を満たすビタミンC含有飲料は、ビタミンCに由来する強い酸味と、配合したカルシウムに由来する苦味及びビタミンC劣化に伴う苦味増強作用とが同時に抑制され、良好な呈味を有するものであった。また、原料を溶解させる水又は加熱殺菌前の飲料原液に脱酸素処理を行うことにより、製造時におけるビタミンCのデヒドロアスコルビン酸(DAsA)への酸化がさらに抑制されていた。その結果、ビタミンCの劣化に伴うカルシウム由来の苦味の増強作用が抑制され、嗜好的に好ましいビタミンC含有飲料が得られた。さらに、水及び飲料原液に脱酸素処理を行うことにより、製造時におけるビタミンCの劣化がさらに抑制され、嗜好的に極めて好ましいビタミンC含有飲料を得ることができた。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明のビタミンC含有飲料は、ビタミンCを高濃度に含有するが、呈味が良好でかつビタミンCの劣化が抑制された飲料として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを含有するビタミンC含有飲料であって、
前記ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gであり、
前記ナトリウムの含有量[B](mg/100g)に対する前記カルシウムの含有量[A](mg/100g)の比[A]/[B]が0.4〜1.8である
ことを特徴とするビタミンC含有飲料。
【請求項2】
前記カルシウムの含有量[A]と前記ナトリウムの含有量[B]との合計[A]+[B]が33〜45mg/100gであることを特徴とする請求項1に記載のビタミンC含有飲料。
【請求項3】
ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを含有するビタミンC含有飲料であって、
前記ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gであり、
前記カルシウムの含有量[A](mg/100g)と前記ナトリウムの含有量[B](mg/100g)との合計[A]+[B]が33〜45mg/100gである
ことを特徴とするビタミンC含有飲料。
【請求項4】
前記ビタミンCが、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム及びL−アスコルビン酸カルシウムからなる群より選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のビタミンC含有飲料。
【請求項5】
さらにカムカム果汁を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のビタミンC含有飲料。
【請求項6】
デヒドロアスコルビン酸含有量が総アスコルビン酸含有量中において2.5質量%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のビタミンC含有飲料。
【請求項7】
ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを含有するビタミンC含有飲料の製造方法であって、
前記ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつ前記ナトリウムの含有量[B](mg/100g)に対する前記カルシウムの含有量[A](mg/100g)の比[A]/[B]が0.4〜1.8となるように、前記ビタミンC、前記カルシウム及び前記ナトリウムを配合する
ことを特徴とするビタミンC含有飲料の製造方法。
【請求項8】
ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを含有するビタミンC含有飲料の製造方法であって、
前記ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつ前記カルシウムの含有量[A](mg/100g)と前記ナトリウムの含有量[B](mg/100g)との合計[A]+[B]が33〜45mg/100gとなるように、前記ビタミンC、前記カルシウム及び前記ナトリウムを配合する
ことを特徴とするビタミンC含有飲料の製造方法。
【請求項9】
さらにカムカム果汁を配合することを特徴とする請求項7又は8に記載のビタミンC含有飲料の製造方法。
【請求項10】
脱酸素処理を行うことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載のビタミンC含有飲料の製造方法。
【請求項11】
ビタミンC含有飲料の呈味改善方法であって、
ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつナトリウムの含有量[B](mg/100g)に対するカルシウムの含有量[A](mg/100g)の比[A]/[B]が0.4〜1.8となるように、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを配合する
ことを特徴とするビタミンC含有飲料の呈味改善方法。
【請求項12】
ビタミンC含有飲料の呈味改善方法であって、
ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつカルシウムの含有量[A](mg/100g)とナトリウムの含有量[B](mg/100g)との合計[A]+[B]が33〜45mg/100gとなるように、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを配合する
ことを特徴とするビタミンC含有飲料の呈味改善方法。
【請求項13】
ビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法であって、
ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつナトリウムの含有量[B](mg/100g)に対するカルシウムの含有量[A](mg/100g)の比[A]/[B]が0.4〜1.8となるように、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを配合する
ことを特徴とするビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法。
【請求項14】
ビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法であって、
ビタミンCの含有量が400〜1500mg/100gとなるように、かつカルシウムの含有量[A](mg/100g)とナトリウムの含有量[B](mg/100g)との合計[A]+[B]が33〜45mg/100gとなるように、ビタミンC、カルシウム及びナトリウムを配合する
ことを特徴とするビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法。
【請求項15】
さらにカムカム果汁を配合することを特徴とする請求項13又は14に記載のビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法。
【請求項16】
脱酸素処理を行うことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のビタミンC含有飲料のビタミンC劣化抑制方法。

【公開番号】特開2012−170369(P2012−170369A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−33864(P2011−33864)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(591014972)株式会社 伊藤園 (213)
【Fターム(参考)】