説明

ビデオゲーム処理装置、ビデオゲーム処理方法、およびビデオゲーム処理プログラム

【課題】ビデオゲームにおける戦闘シーンでの戦闘中の臨場感を高めてプレイヤの操作に関する趣向性を向上させ、遊技の興趣を向上させることができるようすることを目的とする。
【解決手段】プレイヤキャラクタ行動制御処理において、プレイヤによる行動指定操作によって複数のプレイヤキャラクタのうちの所定のプレイヤキャラクタの行動指定を受け付け、受け付けた行動指定に応じてプレイヤキャラクタが行動するようにマニュアル制御を行うとともに、行動指定を受け付けなかった他のプレイヤキャラクタが自動的に行動するようにオート制御を行い、所定期間内に特定のプレイヤキャラクタに対する新たな行動指定を受け付けなかった場合に、自動的に行動するようにオート制御に切り替えるとともに、他のプレイヤキャラクタが受け付けられる行動指定により行動するようにマニュアル制御に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて表示画面上に表示されている複数のプレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、RPG(ロールプレイングゲーム:プレイヤがゲームの世界の中であるキャラクタの役割を演じ、様々な経験を通して成長していく過程を楽しみながら、所定の目的を達成していくことを遊戯するゲーム。)と呼ばれるゲームが各種提供されている。
【0003】
このRPGでは、一般に、プレイヤの操作に応じて行動するプレイヤキャラクタが、所定目的の達成を阻害する敵キャラクタとの戦闘に勝利することによって、プレイヤキャラクタに対して経験値やアイテムなどの様々な特典が与えられる。
【0004】
このようなRPGなどのビデオゲームにおいては、複数のプレイヤキャラクタを操作して互いに協力しながら敵キャラクタとの戦闘を行うものもあり、この場合は、各プレイヤキャラクタに対して戦闘コマンドをそれぞれ指定して最終的にコマンド指定完了後に戦闘を実行するものがある。
【0005】
また、アクションRPGと呼ばれるジャンルのビデオゲームでは、メインのプレイヤキャラクタに対する戦闘コマンドの指定を、あらかじめ割り当てられたコントローラなどのボタン類を押下することにより瞬時に指定して攻撃動作を実行させ、リアルタイムに戦闘を実行するものもある。
【0006】
また、アクションゲームと呼ばれる敵キャラクタとの戦闘をメインに進行するジャンルのビデオゲームでは、例えば特定のキーやボタン類を用いたプレイヤの操作入力によるプレイヤキャラクタの行動指定を、あらかじめ定められた所定のプレイヤキャラクタと結びつけておき、どのキーやボタン類が操作されたのかを判断して、それぞれ所定のプレイヤキャラクタの行動を制御するものはあった(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】特開2002−224435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが、このような従来のビデオゲームにおける複数のプレイヤキャラクタへの行動指定に関する操作入力の方式では、プレイヤが操作していないプレイヤキャラクタについては、プレイヤが一のプレイヤキャラクタのみを操作している間は他のプレイヤキャラクタが動作を停止しているというような制御が行われる。このため、プレイヤは常に操作対象となる複数のプレイヤキャラクタすべてに対して注意を払いつつそれぞれのプレイヤキャラクタに対して操作指示を与える必要があるため、操作に高度な技術が必要となりゲーム初心者には操作が難しいという問題があった。一方、操作可能なプレイヤキャラクタを1体に限定し、残りのプレイヤキャラクタについてはビデオゲーム装置が自動的に制御を行って行動させることでこの難点を解決しようとする方式も一般的になってきているが、この場合は、複数のプレイヤキャラクタを同時に独立して操作することはできず、プレイヤによっては遊技の興趣を著しく損ねてしまうという問題が残った。
【0009】
本発明は、上述した問題を解消し、ビデオゲームにおける戦闘シーンでの戦闘中の臨場感を高めてプレイヤの操作に関する趣向性を向上させ、遊技の興趣を向上させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のビデオゲーム処理装置(例えば、ビデオゲーム装置100、ビデオゲーム装置本体10)は、複数のプレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されている複数の前記プレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、プレイヤによる行動指定操作によって複数の前記プレイヤキャラクタのうちの所定のプレイヤキャラクタの行動指定を受け付ける行動指定受付手段と、該行動指定受付手段が受け付けた行動指定に応じてプレイヤキャラクタの行動を制御するマニュアル制御と、前記行動指定を受け付けていないプレイヤキャラクタの行動を自動的に制御するオート制御とを行うキャラクタ制御手段と、複数のプレイヤキャラクタそれぞれの制御方式を前記マニュアル制御と前記オート制御とのいずれか一方から他方に切り替える制御方式切替手段と、を備え、該制御方式切替手段は、複数の前記プレイヤキャラクタのうち、前記マニュアル制御によって行動が制御されている特定のプレイヤキャラクタについて、当該特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つを前記マニュアル制御により制御していることを条件に、該特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式を前記オート制御に切り替えることを特徴とする。
【0011】
上記のように構成したことで、複数のプレイヤキャラクタを同時に操作することができるとともに、特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうちの少なくとも一つのプレイヤキャラクタをマニュアル制御下において操作している場合に、特定のプレイヤキャラクタをオート制御により操作することができるので、ビデオゲームにおける戦闘シーンでの戦闘中の臨場感を高めてプレイヤの操作に関する趣向性を向上させ、遊技の興趣を向上させることができるようになる。
【0012】
制御方式切替手段が、行動指定受付手段が行動指定を受け付けてから所定のプレイヤキャラクタに対する新たな行動指定の受け付けが無い期間が所定期間を経過したときに、特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つをマニュアル制御により制御しているか否か判定し、この判定結果に応じて特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式をマニュアル制御からオート制御に切り替えるか否か決定するように構成されていてもよい。このように構成すれば、特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうちの少なくとも一つのプレイヤキャラクタの制御状態に応じて特定のプレイヤキャラクタの制御切り替えを決定することができ、マニュアル制御下におけるプレイヤキャラクタの操作を常時できるようにして操作に関する趣向性を向上させることができるようになる。
【0013】
また、制御方式切替手段が、オート制御によって行動が制御されているプレイヤキャラクタに対する行動指定を行動指定受付手段が受け付けたときに、このプレイヤキャラクタに対する制御方式をオート制御からマニュアル制御に切り替えるように構成されていてもよい。このように構成すれば、オート制御中においてもプレイヤの操作入力があった場合に即座にマニュアル制御に切り替えてプレイヤキャラクタを操作することができ、操作に関する趣向性を向上させることができるようになる。
【0014】
キャラクタ制御手段からのプレイヤキャラクタに関する制御情報にもとづいて、表示画面が複数設けられている場合に、各表示画面ごとにそれぞれ少なくとも一つのプレイヤキャラクタを配置して表示する表示制御手段をさらに備えるように構成されていてもよい。このように構成すれば、複数の表示画面を用いた遊戯においても興趣を向上させつつ操作に関する趣向性を向上させることができるようになる。
【0015】
プレイヤによる行動指定操作に伴う操作入力を、複数のプレイヤキャラクタのいずれかが対応付けされた状態でそれぞれ行う複数の入力手段を備え、行動指定受付手段が、入力手段からの行動指定を当該入力手段に対応付けされているプレイヤキャラクタに対する行動指定であるとして受け付けるように構成されていてもよい。このように構成すれば、複数のプレイヤキャラクタのいずれかについての行動指定を、それぞれ入力手段に対応付けされているプレイヤキャラクタに対する行動指定として受け付けることができ、操作に関する趣向性を向上させることができるようになる。
【0016】
また、本発明のビデオゲーム処理方法は、複数のプレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されている複数の前記プレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、プレイヤによる行動指定操作によって複数の前記プレイヤキャラクタのうちの所定のプレイヤキャラクタの行動指定を受け付ける行動指定受付処理と、該行動指定受付処理にて受け付けた行動指定に応じてプレイヤキャラクタの行動を制御するマニュアル制御と、前記行動指定を受け付けていないプレイヤキャラクタの行動を自動的に制御するオート制御とを行うキャラクタ制御処理と、複数のプレイヤキャラクタそれぞれの制御方式を前記マニュアル制御と前記オート制御とのいずれか一方から他方に切り替える制御方式切替処理と、を含み、該制御方式切替処理では、複数の前記プレイヤキャラクタのうち、前記マニュアル制御によって行動が制御されている特定のプレイヤキャラクタについて、当該特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つを前記マニュアル制御により制御していることを条件に、該特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式を前記オート制御に切り替えることを特徴とする。
【0017】
さらに、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、複数のプレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されている複数の前記プレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、コンピュータに、プレイヤによる行動指定操作によって複数の前記プレイヤキャラクタのうちの所定のプレイヤキャラクタの行動指定を受け付けさせる行動指定受付処理と、該行動指定受付処理にて受け付けられた行動指定に応じてプレイヤキャラクタの行動を制御するマニュアル制御と、前記行動指定を受け付けていないプレイヤキャラクタの行動を自動的に制御するオート制御とを行わせるキャラクタ制御処理と、複数のプレイヤキャラクタそれぞれの制御方式を前記マニュアル制御と前記オート制御とのいずれか一方から他方に切り替えさせる制御方式切替処理と、を実行させ、該制御方式切替処理にて、複数の前記プレイヤキャラクタのうち、前記マニュアル制御によって行動が制御されている特定のプレイヤキャラクタについて、当該特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つを前記マニュアル制御により制御していることを条件に、該特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式を前記オート制御に切り替えさせる処理を実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ビデオゲームにおける戦闘シーンでの戦闘中の臨場感を高めてプレイヤの操作に関する趣向性を向上させ、遊技の興趣を向上させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム装置100の構成の例を示すブロック図である。
【0020】
図1に示すように、本例のビデオゲーム装置100は、ビデオゲーム装置本体10と、表示装置50と、サウンド出力装置60とを含む。ビデオゲーム装置本体10は、例えば市販のビデオゲーム機によって構成される。また、表示装置50は、例えばテレビジョン装置や液晶表示装置などによって構成され、複数の画像表示部である上方画像表示部51および下方画像表示部52を有している。
【0021】
ビデオゲーム装置本体10は、制御部11と、RAM12と、ハードディスクドライブ(HDD)13と、サウンド処理部14と、グラフィック処理部15と、DVD/CD−ROMドライブ16と、通信インターフェイス17と、インターフェイス部18と、フレームメモリ19と、メモリーカードスロット20と、入力インターフェイス部21とを含む。
【0022】
制御部11、RAM12、ハードディスクドライブ(HDD)13、サウンド処理部14、グラフィック処理部15、DVD/CD−ROMドライブ16、通信インターフェイス17、およびインターフェイス部18は、それぞれ内部バス22に接続されている。
【0023】
制御部11は、CPUやROMなどを含み、HDD13や記憶媒体70に格納された制御プログラムにしたがってビデオゲーム装置100全体の制御を行う。この制御部11は、例えばタイマ割り込みを発生させるためなどに用いられる内部タイマを備えている。RAM12は、主に制御部11のワークエリアとして用いられる。HDD13は、制御プログラムや各種のデータを保存するためのビデオゲーム装置本体10における記憶領域である。
【0024】
サウンド処理部14は、サウンド信号のD/A変換およびA/D変換を行う音声入出力インターフェイスの機能を備え、例えばスピーカによって構成されるサウンド出力装置60に接続される。サウンド処理部14は、各種の制御プログラムにしたがって処理を実行している制御部11からのサウンド出力指示にしたがって、サウンド出力装置60に対してサウンド信号を出力する。また、サウンド処理部14は、例えばマイクロフォンにより構成される図示しないサウンド入力装置に接続され、制御部11からのサウンド入力指示にしたがって、サウンド入力装置からサウンド信号を入力する。なお、サウンド出力装置60は、表示装置50あるいはビデオゲーム装置本体10に内蔵されていてもよい。
【0025】
グラフィック処理部15は、画面表示がなされる上方画像表示部51および下方画像表示部52を有する表示装置50に接続される。グラフィック処理部15は、制御部11からの描画命令にしたがって、フレームメモリ19に画像を展開するとともに、上方および下方画像表示部51,52に画像を表示させるためのビデオ信号を表示装置50に対して出力する。ビデオ信号によって表示される画像の切替時間は、例えば、1フレームあたり1/30秒とされる。
【0026】
DVD/CD−ROMドライブ16には、DVD−ROMやCD−ROMなどのゲーム用の制御プログラムが格納された記憶媒体70が装着される。DVD/CD−ROMドライブ16は、装着された記憶媒体70から、制御プログラムなどの各種のデータを読み出す処理を行う。記憶媒体70は、上述したDVD−ROMやCD−ROMの他に、各種のDVD(DVD−RAM、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW、DVD+R DLなど)や各種のCD(CD−R、CD−RWなど)であってもよい。この場合、DVD/CD−ROMドライブ16の代わりに、あるいは加えて、ビデオゲーム装置本体10はこれらの記憶媒体70に対して、各種のデータの読み出しや書き込み処理を行うドライブを備えていてもよい。
【0027】
通信インターフェイス17は、インターネットなどの通信ネットワーク80に無線あるいは有線によって接続される。ビデオゲーム装置本体10は、通信インターフェイス17における通信機能を用いて、通信ネットワーク80を介して、例えば他のコンピュータとの通信を行う。
【0028】
インターフェイス部18には、入力インターフェイス部21と、メモリーカードスロット20と、操作入力部(コントローラ)としてのタッチパネル40とが接続される。インターフェイス部18は、プレイヤによるキーパッド30の操作にもとづく入力インターフェイス部21からの指示データと、プレイヤによるタッチペン41などを用いたタッチパネル40の操作にもとづく指示データをRAM12に格納する。すると、RAM12に格納された指示データにしたがって、制御部11が各種の演算処理を実行する。
【0029】
なお、タッチパネル40は、例えば、上方および下方画像表示部51,52のうちの少なくともいずれかの表示画面側に積層して使用されるとよい。この場合、上方および下方画像表示部51,52のうちのタッチパネル40が積層された側における表示タイミングと、タッチパネル40に対するタッチペン41などを用いた操作タイミングおよびその位置座標とを管理制御することによって、制御部11がプレイヤの入力操作による操作入力に応じて入力情報を認識する。
【0030】
このように、タッチパネル40を上方および下方画像表示部51,52のうちの少なくともいずれかの表示画面上に積層することにより、プレイヤの操作手段の形態を大型化することなく、キーパッド30とあわせて多くの情報入力を行うことが可能となる。ここで、タッチパネル40の種類としては、抵抗膜式や感圧式などの公知の各種タッチパネルを用いることができる。
【0031】
ビデオゲーム装置本体10は、上述したようにインターフェイス部18を介してタッチパネル40に接続されるとともに、入力インターフェイス部21を介して操作入力部(コントローラ)としてのキーパッド30に接続される。
【0032】
キーパッド30の上部には、例えば、十字キー31と、ボタン群32と、左ジョイスティック38と、右ジョイスティック39とが配設されており、十字キー31には、上方キー31a、下方キー31b、右方キー31cおよび左方キー31dが含まれ、ボタン群32には、○ボタン32a、×ボタン32b、△ボタン32cおよび□ボタン32dが含まれる。また、十字キー31が配設される基部と、ボタン群32が配設される基部との連結部には、セレクトボタン35やスタートボタン37が配設されている。なお、キーパッド30の側部にもR1ボタン36やL1ボタン33などの複数のボタンが配設されている。
【0033】
このように構成されたキーパッド30は、十字キー31、○ボタン32a、×ボタン32b、△ボタン32c、□ボタン32d、セレクトボタン35、スタートボタン37、R1ボタン36およびL1ボタン33などのそれぞれと連係するスイッチを備え、各ボタンに対して押圧力が加えられると、例えばその対応したスイッチがオンする。このスイッチのオン/オフに応じた検出信号がキーパッド30において生成されるとともに、左ジョイスティック38および右ジョイスティック39のそれぞれの傾倒方位に対応した検出信号がキーパッド30において生成される。
【0034】
キーパッド30において生成された2系統の検出信号が入力インターフェイス部21に供給され、キーパッド30からの検出信号が入力インターフェイス部21を介されることにより、キーパッド30上のどのボタンがオンされたかを示す検出情報と、左ジョイスティック38および右ジョイスティック39のそれぞれの状態を示す検出情報となる。このようにキーパッド30に対してなされたユーザによる操作指令(操作入力)がビデオゲーム装置本体10に与えられる。
【0035】
また、インターフェイス部18は、制御部11からの指示にしたがって、RAM12に記憶されているゲームの進行状況を示すデータをメモリーカードスロット20に装着されているメモリーカード90に格納する処理や、メモリーカード90に保存されている中段時のゲームのデータを読み出してRAM12に転送する処理などを行う。
【0036】
ビデオゲーム装置100でゲームを行うための制御プログラムなどの各種のデータは、例えば記憶媒体70に記憶されている。記憶媒体70に記憶されている制御プログラムなどの各種のデータは、記憶媒体70が装着されているDVD/CD−ROMドライブ16によって読み出され、RAM12にロードされる。
【0037】
制御部11は、RAM12にロードされた制御プログラムにしたがって、グラフィック処理部15に対して描画命令を出力する処理や、サウンド処理部14に対してサウンド出力の指示を出力する処理などの各種の処理を実行する。なお、制御部11が処理を実行している間は、ワークメモリとして用いられるRAM12に、ゲームの進行状況によって中間的に発生するデータ(例えば、ゲームの得点やプレイヤキャラクタの状態を示すデータなど)が保存される。
【0038】
この実施の形態に係る3次元ビデオゲームは、上方および下方画像表示部51,52の表示画面上に表示される仮想3次元空間に設けられたフィールド上を、プレイヤキャラクタ(PC:プレイヤによるキーパッド30やタッチパネル40の操作にしたがって動作するキャラクタ)などの複数のキャラクタが移動していくことによりゲームが進行する部分を含むゲームであるものとする。なお、フィールドが形成された仮想3次元空間は、ワールド座標系によって示されるものとする。また、フィールドは複数の面で構成され、各構成面の頂点の座標を特徴点として表したものである。
【0039】
次に、本例のビデオゲーム装置100の動作について説明する。
ここでは、説明を簡単にするため、仮想3次元空間において動作するオブジェクトとして、少なくとも一つのプレイヤキャラクタPCと、複数のノンプレイヤキャラクタ(NPC:ゲーム機側の制御(具体的には制御部11の制御)にしたがって動作するキャラクタ)のみが存在するものとし、本発明に特に関わる処理以外は、説明を省略している場合があるものとする。なお、本例では、RPGについてのビデオゲーム制御が実行されるものとする。
【0040】
図2は、本例のビデオゲーム装置100におけるメイン処理の例を示すフローチャートである。メイン処理は、1フレーム分の画像を生成するための処理、およびビデオゲームの制御に必要な処理であり、1/30秒ごとのタイマ割り込みに応じて実行される。なお、「1/30秒」は一例であり、メイン処理は、例えば、1フィールド期間(1/60秒)ごとのタイマ割り込みに応じて実行されるものとしても、処理量によっては2フレーム期間(1/15秒)ごとのタイマ割り込みに応じて実行されるものとしてもよい。
【0041】
本例では、プレイヤキャラクタPCの移動やプレイヤキャラクタPCによる戦闘を含む各種の行動が許容された共通のフィールド上でゲームが進行するものとし、当該フィールド上での所定目的が達成されるとステージ終了となり、次のフィールド上でのステージに移行するものとする。
【0042】
また、本例では、戦闘シーンにおいてフィールド上に登場する各キャラクタは、同一時間軸が与えられており、一旦登場するとHP(ヒットポイント:生命力を表す値)が0にならない限り同一時間軸にしたがってフィールド上を移動したりフィールド上で静止していたりする。例えば、HPが0になった場合は、プレイヤキャラクタPCは戦闘不能状態となり、ゲームが終了したり、他のイベントが発生したりする。
【0043】
但し、例えばプレイヤキャラクタPCが複数登場する場合は、各プレイヤキャラクタPCのHPがそれぞれ0にならない限りすべてのプレイヤキャラクタPCが戦闘不能状態とはならないこととする。なお、キャラクタ画像として上方および下方画像表示部51,52に表示される部分は、フィールドにおける仮想カメラの視界内に存在する部分である。
【0044】
メイン処理において、制御部11は、ゲーム開始前であればプレイヤによるキーパッド30やタッチパネル40の操作によりゲーム開始指示があったか否かを判定し、ゲームの実行中であれば場面変更(例えば、フィールドの変更)を行うタイミングとなったか否かを判定する(ステップS101)。なお、「ゲーム開始」は、「ゲームスタート」や「デモンストレーション」などの選択メニューが提示されているときにその「ゲームスタート」が選択されたことによるゲームの開始を意味する。よって、オープニングムービーは、ゲーム開始前に再生される場合(電源投入により自動的に再生される場合)と、ゲーム開始後に再生される場合(プレイヤからのゲーム開始の指示があったことに応じて再生される場合)とがある。
【0045】
このステップS101にて判定する場面変更を行うタイミングは、例えば、これまで上方および下方画像表示部51,52に表示していた場面(例えば、仮想3次元空間によって表されている場面、ムービー画像による動画演出によって表されていた場面)を終了し、新たな場面に切り替えるために、上方および下方画像表示部51,52に新たな場面を示す仮想3次元空間を表示するタイミングを意味する。
【0046】
ゲームの開始指示があったと判定したとき、あるいは場面変更を行うタイミングとなったと判定したときは(ステップS101のY)、制御部11は、制御プログラムにしたがって、初期画面(ゲーム開始時の初期画面、場面変更時の初期画面)を決定する(ステップS102)。なお、ゲーム開始時の初期画面は、例えばプレイヤからのゲーム開始指示があったときに最初に表示される画面を意味する。また、場面変更時の初期画面は、例えばあるステージをクリアして新しいステージに移行するとき(場面変更を行うタイミングとなったとき)に、その新しいステージにおいて最初に表示される画面を意味する。
【0047】
なお、ゲームに用いられる画面やキャラクタ、あるいはアイコンなどの各種のデータは、記憶媒体70に格納されている。ステップS102では、初期画面あるいは変更後の場面(例えば、新しいステージ)におけるプレイヤキャラクタPCの初期表示位置、表示するノンプレイヤキャラクタNPCおよびその初期表示位置、表示するアイコンおよびその初期表示位置などが、制御プログラムにしたがって決定される。
【0048】
次いで、制御部11は、仮想カメラの視点の位置、視軸の方向、および視角の大きさを、制御プログラムにしたがって決定し、透視変換を行うための仮想カメラの初期設定を行う(ステップS103)。そして、ステップS115に移行する。
【0049】
ゲームの実行中であり場面変更を行うタイミングでないと判定したときは(ステップS101のN)、制御部11は、プレイヤによるキーパッド30やタッチパネル40の操作にもとづく指示データを受け付ける(ステップS104)。すなわち、プレイヤキャラクタPCの動作などを実行させるための指示データがキーパッド30やタッチパネル40から入力されているか否かを判定し、有効な指示データ(受付が許容されている指示データを意味する)が入力されていれば、その指示データを受け付ける。
【0050】
本例では、例えば上方画像表示部51に表示されるプレイヤキャラクタPCはキーパッド30によって操作可能で、かつ下方画像表示部52に表示されるプレイヤキャラクタPCはタッチパネル40によって操作可能となるようにあらかじめ設定されている。また、上方画像表示部51に表示されるプレイヤキャラクタPCについては、移動が許容されていない設定となっており、次のステップS105からS107の処理については下方画像表示部52に表示されるプレイヤキャラクタPCについてのみ適用されることとする。なお、キーパッド30およびタッチパネル40によって操作可能なプレイヤキャラクタPCをそれぞれ入れ替えた設定であってもよいし、キーパッド30の十字キー31やボタン群32ごとに、あるいはタッチパネル40の検知領域が分割されている場合はそれぞれの検知領域ごとによって操作可能なプレイヤキャラクタPCが異なっている設定であってもよい。
【0051】
移動に関するプレイヤキャラクタPCの行動を指示するためのタッチパネル40の操作(移動操作)に応じて、ステップS104にて移動に関する行動を指示するための指示データ(移動指示データ:タッチペン41によるタッチパネル40への移動コマンドの選択やタッチペン41による下方画像表示部52上(すなわち、タッチパネル40上)のプレイヤキャラクタPCへの移動指示など)を受け付けた場合には(ステップS105のY)、制御部11は、受け付けた移動指示データに応じて移動処理を実行する(ステップS106)。
【0052】
このステップS106での移動処理では、制御部11は、仮想空間(現在のフィールド上)におけるプレイヤキャラクタPCの位置を、受け付けた移動指示データに応じて移動させる。なお、移動コマンドには、例えばダッシュ指示コマンドなどがある。ダッシュ指示コマンドは、プレイヤキャラクタPCを素早く移動させるためのコマンドであり、戦闘中であれば戦闘エリアの所定領域から他の領域へ素早く移動する指示を与えるためのコマンドとなる。
【0053】
次いで、制御部11は、移動処理に伴って派生するプレイヤキャラクタPCの位置情報にもとづいて移動情報を生成する(ステップS107)。すなわち、移動処理によるプレイヤキャラクタPCの位置の移動に応じて、仮想カメラの視点の位置、視軸の方向、視角の大きさのうち、必要なデータを更新し、仮想カメラの設定内容の変更を行う。
【0054】
このステップS107にて生成される移動情報は、プレイヤキャラクタPCの移動後の位置、プレイヤキャラクタPCの移動によって変更された仮想カメラの視点の位置、視軸の方向、視角の大きさなど、移動に関する各種の情報を含む。そして、ステップS113に移行する。
【0055】
戦闘に関するプレイヤキャラクタPCの行動を指示するためのキーパッド30やタッチパネル40の操作(バトル操作)に応じて、ステップS104にて戦闘に関する行動を指示するための指示データ(バトル指示データ:バトルコマンド)を受け付けた場合には(ステップS108のY)、制御部11は、受け付けたバトル指示データに応じてバトル処理を実行する(ステップS109)。
【0056】
本例のビデオゲーム装置100では、具体的には、キーパッド30の十字キー31やボタン群32を用いた入力操作、あるいはタッチパネル40へのタッチペン41による入力操作によって、プレイヤキャラクタPCに対して戦闘を行うための行動を指示するための操作入力が行われた場合に、制御部11がバトル指示データを受け付けた(ステップS108のY)と判断してバトル処理を実行する(ステップS109)。このステップS109にて行われるバトル処理では、制御部11は、例えば、戦闘相手となっている敵キャラクタとプレイヤキャラクタPCとの戦闘結果や戦闘経過を決定する処理などが実行される。
【0057】
次いで、制御部11は、バトル処理によって決定された戦闘結果や戦闘経過にもとづいてバトル情報を生成する(ステップS110)。すなわち、バトル処理による戦闘結果や戦闘経過に応じて、対戦したプレイヤキャラクタPCおよび敵キャラクタ名、対戦経過、その対戦結果、プレイヤキャラクタPCの能力を規定するパラメータなどのうち、必要な情報の更新および設定を行う。バトル情報は、対戦したプレイヤキャラクタPCおよび敵キャラクタ名、対戦経過、その対戦結果、プレイヤキャラクタPCの能力を規定するパラメータなど、戦闘に関する各種の情報を含む。そして、ステップS113に移行する。
【0058】
その他の指示を行うためのキーパッド30やタッチパネル40の操作(その他操作)に応じて、ステップS104にてその他の指示のための指示データ(その他指示データ:その他コマンド)を受け付けた場合には(ステップS111のY)、制御部11は、受け付けたその他指示データに応じて処理(例えば、会話、買物、拾得、アイテムを動かすなど)を実行する(ステップS112)。そして、ステップS112の処理結果に応じたその他の諸情報が生成され、ステップS113に移行する。
【0059】
ステップS113にて、制御部11は、ステップS107にて生成させた移動情報をRAM12の所定のデータ領域に格納することにより、プレイヤキャラクタPCの現在位置を更新する。また、ステップS113にて、制御部11は、ステップS110にて生成したバトル情報や、ステップS112のあとに生成したその他の諸情報をRAM12の所定のデータ領域に格納することにより、プレイヤキャラクタPCの各種の行動履歴を記憶保持する。
【0060】
次いで、制御部11は、RAM12に一旦格納されたプレイヤキャラクタPCの行動履歴を示す情報にもとづいて、行動評価処理を実行する(ステップS114)。具体的には、数値化が必要な情報に対しては、あらかじめ用意されている変換テーブルが用いられて数値化がなされ、また、重み付けが必要な情報に対しては、所定の係数が乗算されてそれらの数値が合計されて得点が計算される。そして、算出された得点がRAM12の所定のデータ領域に格納されている旧得点に加算され、再び所定のデータ領域に格納されることにより評価情報としての得点が更新される。
【0061】
そして、制御部11は、仮想カメラの設定内容などに応じて、仮想カメラから表示すべきプレイヤキャラクタPCやノンプレイヤキャラクタNPCを含む仮想3次元空間を仮想スクリーン上に透視変換して、上方および下方画像表示部51,52に表示させる2次元画像を生成するための表示処理を行う(ステップS115)。
【0062】
このステップS115にて表示処理を終了すると、今回のメイン処理を終了する。その後、次のフレーム期間の開始タイミングにおいてタイマ割り込みが発生すると、次回のメイン処理が実行されることとなる。そして、メイン処理が繰り返し実行されることで、キャラクタ画像がフレーム期間ごとに切り替えられて、上方および下方画像表示部51,52にて動画が表示されることになる。
【0063】
ここで、ステップS115における表示処理について簡単に説明する。ステップS115では、制御部11は、まず、プレイヤキャラクタPCやノンプレイヤキャラクタNPCなどを含む仮想3次元空間を構成するポリゴン(Polygon)の頂点の座標のうち、少なくとも仮想スクリーン上に透視変換される範囲に含まれるポリゴンの頂点の座標を、ワールド座標系の座標から視点座標系の座標に変換する。
【0064】
次いで、制御部11は、プレイヤキャラクタPCやノンプレイヤキャラクタNPCなどについての視点座標系におけるポリゴンの頂点の座標をグラフィック処理部15に送信し、このグラフィック処理部15に対して描画命令を出力する。
【0065】
描画命令が入力すると、グラフィック処理部15は、視点座標系の座標にもとづいて、各面を構成する各点について、前側にある点のデータが残るようにZバッファの内容を更新する。Zバッファの内容を更新すると、グラフィック処理部15は、前側にある残った点についての画像データをフレームメモリ19に展開する。また、グラフィック処理部15は、展開される画像データに対して、シェーディングやテクスチャマッピングなどの処理も行う。
【0066】
そして、グラフィック処理部15は、フレームメモリ19に展開された画像データを順次読み出し、同期信号を付加してビデオ信号を生成し、表示装置50に出力する。表示装置50は、グラフィック処理部15から出力されたビデオ信号に対応した画像を上方および下方画像表示部51,52に表示する。1フレーム時間ごとに上方および下方画像表示部51,52の画像が切り替えられていくことで、プレイヤは、プレイヤキャラクタPCやノンプレイヤキャラクタNPCなどがフィールド上を移動する様子を含む画像を見ることができる。
【0067】
本例のビデオゲーム装置100では、上記ステップS108からステップS110におけるバトル処理に関連して、例えば、プレイヤがキーパッド30あるいはタッチパネル40を介して複数のプレイヤキャラクタPCに戦闘を行うための行動指示の操作入力を行った場合に、各プレイヤキャラクタPCごとに同時に独立して操作することができるとともに、所定期間内に次の操作入力がない場合であっても、少なくとも特定のプレイヤキャラクタPC、あるいはこの特定のプレイヤキャラクタPC以外のプレイヤキャラクタPCのうち少なくとも一つのプレイヤキャラクタPCについてはマニュアル制御下での操作を維持しつつ他のプレイヤキャラクタPCを自動的に行動させることができるため、臨場感を高めてプレイヤの操作に関する趣向性を向上させて、遊技の興趣を向上させるという新たなゲーム要素を実現している。
【0068】
具体的には、本例のビデオゲーム装置100では、例えば一人のプレイヤによって、表示装置50の上方画像表示部51上に表示されるプレイヤキャラクタPCと、下方画像表示部52上に表示されるプレイヤキャラクタPCを、それぞれ各プレイヤキャラクタPCと対応付けられたキーパッド30およびタッチパネル40を介して操作して、互いに協力させ合いながらゲームを進行させていくという形態が採用されている。なお、以降において、本実施の形態では、上方画像表示部51上に表示されるプレイヤキャラクタPC(以下、「プレイヤキャラクタA」と呼ぶ。)をキーパッド30を用いて操作し、下方画像表示部52上に表示されるプレイヤキャラクタPC(以下、「プレイヤキャラクタB」と呼ぶ。)をタッチパネル40によって操作する場合の処理について説明する。
【0069】
図3は、制御部11によるキャラクタ制御の際にプレイヤキャラクタPCに自動的に戦闘動作を実行させるオートモードの設定例を説明するための説明図である。図3に示すように、本例のビデオゲーム装置100では、あらかじめ例えばプレイヤキャラクタAについてはオートモードがONとなるように設定され、プレイヤキャラクタBについてはオートモードがOFFとなるように設定されている。すなわち、プレイヤキャラクタAについてはプレイヤからの操作入力が所定期間内になかった場合に制御部11によって自動的に戦闘動作が実行されるように設定され、プレイヤキャラクタBについてはプレイヤからの操作入力が所定期間内になかった場合であっても自動的に戦闘動作が実行されないように設定されている。これらオートモードのON/OFFの設定は、プレイヤによって任意に変更することもできるが、制御部11によって各プレイヤキャラクタA,Bの制御状態に応じて切り替えられたり、プレイヤによる戦闘中の行動指示操作にもとづいて自動的に切り替えられたりしてもよい。
【0070】
次に、このようなオートモードによるキャラクタ制御処理を含む本例のビデオゲーム装置100での上述したバトル処理109におけるプレイヤキャラクタ行動制御処理について説明する。なお、このプレイヤキャラクタ行動制御処理は、図2に示したフローチャートにおけるステップS109でのバトル処理中に繰り返し実行される。
【0071】
図4は、本例のビデオゲーム装置100におけるプレイヤキャラクタ行動制御処理の例を示すフローチャートである。ここでは、プレイヤキャラクタAがキャラクタに対応付けられたキーパッド30を介して操作され、プレイヤキャラクタBがキャラクタに対応付けられたタッチパネル40を介して操作される場合を例に説明する。
【0072】
まず、プレイヤキャラクタ行動制御処理が実行される前提として、図2に示したフローチャートにおけるステップS108にてバトル操作が行われ、ステップS109にて戦闘中に複数のプレイヤによって各プレイヤキャラクタA,Bに対して行動の指定に関する操作入力が行われる際の上方および下方画像表示部51,52の表示画面の例について説明する。図5は、本例のビデオゲーム装置100の表示装置50における表示画面の例を説明するための説明図である。なお、図5においては、各プレイヤキャラクタA,Bと敵キャラクタとが戦闘する戦闘モードとなった場合を示している。
【0073】
図5に示すように、例えば、戦闘中の表示装置50の上方画像表示部51には中央付近にプレイヤキャラクタA42が表示されるとともに、このプレイヤキャラクタA42の向かって左右両側に敵キャラクタ48a,48bが表示されている。また、この上方画像表示部51の中央上方には、後述する操作ガイドの終点表示アイコンが提示する特定画像を示す表示画像を、通常は隠蔽状態にして表示(すなわち、表示画像描画面を表面とすると通常は裏面を表示)するカード型アイコン群120が表示されている。さらに、この上方画像表示部51の中央下方には、プレイヤによるキーパッド30への操作入力を規則的かつ連続的に継続して行わせることを指示するための操作ガイド110が表示されている。
【0074】
一方、表示装置50の下方画像表示部52には、中央付近にプレイヤキャラクタB43が表示されるとともに、このプレイヤキャラクタB43の向かって左右両側に敵キャラクタ49a,49bが表示されている。また、この下方画像表示部52の左側上方には、例えばプレイヤキャラクタB43が使用可能な攻撃やアイテムなどをプレイヤに選択させるためのアイコン群46aと、このアイコン群46aによって選択された攻撃などの使用回数を表すための使用ゲージ46bが表示されている。
【0075】
さらに、これら上方および下方画像表示部51,52の向かって右側端部付近には、プレイヤキャラクタA42,B43のヒットポイントを表すHPゲージ53が表示されている。このHPゲージ53は、各プレイヤキャラクタPC42,43のHPを共有する状態(すなわち、各プレイヤキャラクタPC42,43のHPをあわせた状態)で表すとともに、各プレイヤキャラクタPC42,43のHPの推移に連動してHPの変化状態をプレイヤに視認しやすい状態で表示すべく連動してHPゲージ53内のメータ表示が可変するように設けられている。
【0076】
ここで、各画像表示部51,52におけるプレイヤキャラクタA42,B43の攻撃に関する操作方法について説明する。図6および図7は、プレイヤキャラクタA42,B43の攻撃に関する操作方法を説明するための説明図である。図6に示すように、上方画像表示部51におけるプレイヤキャラクタA42の攻撃に関する操作方法は、例えば次のように行われる。
【0077】
すなわち、上方画像表示部51に表示された操作ガイド110にしたがって、プレイヤがプレイヤキャラクタA42に対応付けられたキーパッド30の十字キー31に対して入力操作を正確に行うことにより、各矢印型表示アイコンの終点位置にある画像アイコンを選択することができる。この画像アイコンが示す画像を有するカード型アイコンが制御部11によって予測カードとして選択され(例えば、図示しない予測用カーソルにより選択表示され)、カード型アイコン群120に含まれている場合は、そのカード型アイコンの画像が表示され、予測カードに画像が含まれておらず、他のカード型アイコンがその画像を有する場合は、瞬間的に他のカード型アイコンの画像が表示される。そして、操作ガイド110にしたがってキーパッド30の十字キー31を用いたすべての操作入力を行い、カード型アイコン群120のすべてのカード型アイコンにつき画像を表示させると、プレイヤキャラクタA42の敵キャラクタ48a,48bに対する攻撃が行われる。このように、プレイヤキャラクタA42に対しては、移動に関する操作指示は与えられず、戦闘動作のみが行われる構成となっている。
【0078】
一方、図7に示すように、下方画像表示部52におけるプレイヤキャラクタB43の攻撃に関する操作方法は、例えば次のように行われる。すなわち、図7(a)に示すように、プレイヤは、プレイヤキャラクタB43の使用可能な攻撃を抽象的な表現にしたアイコン群46aからタッチペン41などによりプレイヤキャラクタB43に対応付けられたタッチパネル40上をタッチすることで選択し、同図(b)に示すように、選択した攻撃によって攻撃したい敵キャラクタ49a(あるいは敵キャラクタ49b)をタッチペン41などによりタッチパネル40上をタッチすることで指定する。すると、同図(c)に示すように、敵キャラクタ49aに対して選択された攻撃が行われるとともに、その攻撃の使用ゲージ46bのメータ表示が変化する。プレイヤキャラクタB43を、例えば敵キャラクタ49aに近づけたい場合は、タッチペン41などによってプレイヤキャラクタB43をタッチすることで選択し、そのまま移動したい位置へタッチペン41を滑らせることによりプレイヤキャラクタB43を移動させることができる。このように、プレイヤキャラクタB43に対しては、戦闘動作において移動に関する操作指示を与えることができる構成となっている。
【0079】
なお、上述したように、(1)タッチペン41によってアイコン群46aを選択し、(2)敵キャラクタ49a(あるいは敵キャラクタ49b)を指示する操作の代わりに、次のような操作によって敵キャラクタ49a,49bに攻撃を与えることができるようにしてもよい。すなわち、プレイヤキャラクタB43により攻撃を与えたい敵キャラクタ49a(あるいは敵キャラクタ49b)が表示されている下方画像表示部52上の領域に対して、タッチペン41を用いて「つつく」、「こする」、「円を描くように囲む」などの規定の操作を行うことで、それぞれの操作に対応した攻撃を与えることが可能となる。このようにすることで、上記(1)の攻撃方法を選択するステップおよび(2)の敵キャラクタを指示するステップを省略して敵キャラクタを攻撃することができるため、より迅速に攻撃指示を与えられる上に、表示されている敵キャラクタ49a,49bの画像に直接タッチペン41を用いた操作によって攻撃を与えられるので操作の実感を得やすく、戦闘シーンにおけるプレイヤの臨場感を高めることが可能となる。
【0080】
なお、上述した規定の操作を行って攻撃を与えるようにする場合であっても、選択可能な攻撃の種類はアイコン群46aによって下方画像表示部52の表示画面上に表示されているものに限られることとする。このため、例えば「円を描くように囲む」という操作が敵キャラクタ49a(あるいは敵キャラクタ49b)を火炎によって攻撃する「火炎攻撃」とあらかじめ対応付けられている場合は、表示画面上に表示されているアイコン群46aの中に「火炎攻撃」表すものが含まれている必要がある。したがって、「火炎攻撃」を示すアイコンが表示されているアイコン群46a中に含まれていないときに、「円を描くように囲む」という操作をプレイヤが行ったとしても「火炎攻撃」は実行されないものとする。そして、上記規定の操作を行って敵キャラクタ49a(あるいは敵キャラクタ49b)に対して攻撃が行われた場合も、その攻撃に使用したアイコンの使用ゲージ46bのメータ表示が変化する。
【0081】
また、表示されるアイコン群46aには、敵キャラクタ49a,49bに加える攻撃の種類を表すもの以外に、プレイヤキャラクタB43のダメージを回復する作用をもたらすものが含まれていてもよい。この場合は、当該アイコンをタッチペン41にてタッチして選択することにより、プレイヤキャラクタB43のHPを表示するHPゲージ53の表示が変化するなどの処理が即座に実行される。
【0082】
そして、このような攻撃が行われるステップS109のバトル処理が実行されると、プレイヤキャラクタ行動制御処理も実行され、図4に示すように、まず、制御部11によって、上述したようなビデオゲーム装置100におけるオートモードの設定状態にもとづき、プレイヤキャラクタA42が自動的に制御されるオートモードであるか否かを判断する(ステップS120)。
【0083】
プレイヤキャラクタA42がオートモードであると判断した場合は(ステップS120のY)、制御部11は、キーパッド30を用いたプレイヤキャラクタA42に対するプレイヤからの行動指示操作があるか否かを判断する(ステップS121)。
【0084】
行動指示操作があったと判断した場合は(ステップS121のY)、制御部11は、プレイヤキャラクタA42の行動をプレイヤがキーパッド30を介して操作するマニュアルモードに制御を変更し(ステップS122)、プレイヤキャラクタA42に対して行動指示操作に応じた行動を実行させて(ステップS124)、オートモードの設定状態を確認することで、プレイヤキャラクタB43が自動的に制御されるオートモードであるか否かを判断する(ステップS129)。
【0085】
行動指示操作がなかったと判断した場合は(ステップS121のN)、制御部11は、プレイヤキャラクタA42の行動内容をあらかじめ決められている行動テーブルなどを参照して自動的に選択し(ステップS123)、プレイヤキャラクタA42に対して選択した行動を実行させて(ステップS124)、オートモードの設定状態を確認することで、プレイヤキャラクタB43が自動的に制御されるオートモードであるか否かを判断する(ステップS129)。
【0086】
一方、上記ステップS120にてプレイヤキャラクタA42がオートモードでないと判断した場合は(ステップS120のN)、制御部11は、キーパッド30を用いたプレイヤキャラクタA42に対するプレイヤからの行動指示操作があるか否かを判断する(ステップS125)。
【0087】
行動指示操作があったと判断した場合は(ステップS125のY)、上記ステップS124に移行して、制御部11によってプレイヤキャラクタA42に対して行動指示操作に応じた行動を実行させる。
【0088】
行動指示操作がなかったと判断した場合は(ステップS125のN)、制御部11は、あらかじめ設定された所定期間が経過したか否かを判断し(ステップS126)、所定期間が経過したと判断した場合は(ステップS126のY)、プレイヤキャラクタA42以外の他のすべてのプレイヤキャラクタがオートモードであるか否かを判断する(ステップS127)。
【0089】
他のすべてのプレイヤキャラクタがオートモードでないと判断した場合は(ステップS127のN)、制御部11は、プレイヤキャラクタA42の行動を自動的に制御するオートモードに制御を変更し(ステップS128)、オートモードの設定状態を確認することで、プレイヤキャラクタB43が自動的に制御されるオートモードであるか否かを判断する(ステップS129)。
【0090】
なお、上記ステップS126にて所定期間が経過していないと判断した場合(ステップS126のN)および上記ステップS127にて他のすべてのプレイヤキャラクタがオートモードであると判断した場合は(ステップS127のY)、上記ステップS129に移行して、制御部11は、プレイヤキャラクタB43がオートモードであるか否かを判断する。
【0091】
そして、プレイヤキャラクタB43がオートモードであると判断した場合は(ステップS129のY)、制御部11は、オートモードの設定状態を確認して、プレイヤキャラクタA42がオートモードであるか否かを判断する(ステップS130)。
【0092】
プレイヤキャラクタA42がオートモードでないと判断した場合は(ステップS130のN)、制御部11は、タッチパネル40を介したプレイヤキャラクタB43に対するプレイヤからの行動指示操作があるか否かを判断する(ステップS131)。
【0093】
行動指示操作があったと判断した場合は(ステップS131のY)、制御部11は、プレイヤキャラクタB43の行動をプレイヤがタッチパネル40を介して操作するマニュアルモードに制御を変更し(ステップS132)、プレイヤキャラクタB43に対して行動指示操作に応じた行動を実行させる(ステップS134)。
【0094】
なお、プレイヤキャラクタA42がオートモードであると判断した場合は(ステップS130のY)、上記ステップS132に移行して、制御部11によって、プレイヤキャラクタB43の行動の制御をマニュアルモードに変更する。
【0095】
行動指示操作がなかったと判断した場合は(ステップS131のN)、制御部11は、プレイヤキャラクタB43の行動内容をあらかじめ決められている行動テーブルなどを参照して自動的に選択し(ステップS133)、プレイヤキャラクタB43に対して選択した行動を実行させる(ステップS134)。
【0096】
プレイヤキャラクタB43に行動を実行させたら、制御部11は、敵キャラクタ48a,48b,49a,49bなどがすべて戦闘不能状態になり戦闘終了となったか否かを判断する(ステップS139)。戦闘終了となっていないと判断した場合は(ステップS139のN)、上記ステップS120に移行して処理を繰り返す。戦闘終了となったと判断した場合は、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
【0097】
一方、上記ステップS129にてプレイヤキャラクタB43がオートモードでないと判断した場合は(ステップS129のN)、制御部11は、タッチパネル40を介したプレイヤキャラクタB43に対するプレイヤからの行動指示操作があるか否かを判断する(ステップS135)。
【0098】
行動指示操作があったと判断した場合は(ステップS135のY)、上記ステップS134に移行して、制御部11によってプレイヤキャラクタB43に対して行動指示操作に応じた行動を実行させる。
【0099】
行動指示操作がなかったと判断した場合は(ステップS135のN)、制御部11は、あらかじめ設定された所定期間が経過したか否かを判断し(ステップS136)、所定期間が経過したと判断した場合は(ステップS136のY)、プレイヤキャラクタB43以外の他のすべてのプレイヤキャラクタがオートモードであるか否かを判断する(ステップS137)。
【0100】
他のすべてのプレイヤキャラクタがオートモードでないと判断した場合は(ステップS137のN)、制御部11は、プレイヤキャラクタB43の行動を自動的に制御するオートモードに制御を変更し(ステップS138)、上記ステップS139に移行して、戦闘終了となったか否かを判断する。
【0101】
なお、上記ステップS136にて所定期間が経過していないと判断した場合(ステップS136のN)および上記ステップS137にて他のすべてのプレイヤキャラクタがオートモードであると判断した場合は(ステップS137のY)、同様に上記ステップS139に移行して、制御部11は、戦闘終了となったか否かを判断する。
【0102】
以上説明したように、上述した一実施の形態では、プレイヤによる行動指定操作によって複数のプレイヤキャラクタA42,B43のうちの所定のプレイヤキャラクタの行動指定を受け付け(ステップS121およびS131参照)、受け付けた行動指定に応じてプレイヤキャラクタの行動を制御するマニュアル制御と(ステップS122およびS132参照)、行動指定を受け付けていないプレイヤキャラクタの行動を自動的に制御するオート制御と(ステップS128およびS138参照)を行い、複数のプレイヤキャラクタA42,B43それぞれの制御方式をマニュアル制御とオート制御とのいずれか一方から他方に切り替えるとともに(ステップS122、S128など参照)、複数のプレイヤキャラクタのうちマニュアル制御によって行動が制御されている特定のプレイヤキャラクタについて、当該特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つをマニュアル制御により制御していることを条件に(ステップS127およびS137参照)、この特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式をオート制御に切り替える(ステップS128およびS138参照)ようにしたので、複数のプレイヤキャラクタA42,B43を同時に操作することができるとともに、特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうちの少なくとも一つのプレイヤキャラクタをマニュアル制御下において操作している場合に、特定のプレイヤキャラクタをオート制御により操作することができるので、ビデオゲームにおける戦闘シーンでの戦闘中の臨場感を高めてプレイヤの操作に関する趣向性を向上させ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0103】
また、図示はしないが、常に特定のプレイヤキャラクタをマニュアル制御において制御することでプレイヤによる操作を必須の条件とし、この特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタはすべて所定期間の間行動指定操作を行わないことでオート制御に切り替わるようにしてもよい。このとき、プレイヤによる操作を必須の条件とするプレイヤキャラクタは、上述した一実施の形態に係るビデオゲーム処理プログラムを実行することによりあらかじめ指定されてもよいし、プレイヤが任意の選択指定したり、メニュー画面などから当該プレイヤキャラクタを変更可能としたりしてもよい。
【0104】
すなわち、このような構成によると、複数のプレイヤキャラクタA42,B43のすべてについてオート制御することができるにもかかわらず、少なくとも一つのプレイヤキャラクタについてはマニュアル制御により操作することをプレイヤに強制させることになるので、戦闘シーンにおいてまったくの手放し状態にて戦闘が終了してしまうという状況を避け、ある程度のゲーム初心者のプレイヤであっても比較的容易に操作が可能となるというメリットを残しつつ、戦闘シーンにおいては少なくとも1体のプレイヤキャラクタを必ず操作することが必要になるため、戦闘中の臨場感を高めてゲームプレイが単調となることなく遊技の興趣を向上させることができる。
【0105】
例えば、戦闘中において複数のプレイヤキャラクタA42,B43を操作するにあたっては、キーパッド30およびタッチパネル40の少なくともいずれか一方を介した入力操作を継続して行う必要があるため、特に、ゲーム初心者やゲーム熟練者を問わず、臨場感を高めつつ遊戯意欲を維持・継続させることが期待できる。
【0106】
なお、複数のプレイヤキャラクタをできるだけまんべんなく操作することをプレイヤに促せるように、現在操作すべきプレイヤキャラクタを何らかの方法でプレイヤに対して提示可能となるように特殊効果を発生させる構成としてもよい。例えば、現在操作すべきプレイヤキャラクタを点滅表示したり、現在操作すべきプレイヤキャラクタが表示されている上方あるいは下方画像表示部51,52の表示画面の背景色を変化させたり、現在操作すべきプレイヤキャラクタを示す特定の目印となるようなアイコンを各プレイヤキャラクタ間で移動させて当該操作すべきプレイヤキャラクタを表示したりする方法が挙げられる。このような特殊効果が発生しているときに操作すべきプレイヤキャラクタを操作すると、特殊効果が発生していないときに操作するよりも高い攻撃効果が得られるようにあらかじめ設定しておくことで、プレイヤに対してこれらの特殊効果が発生しているときのプレイヤキャラクタを優先的に操作させるインセンティブとなる。このようにすることにより、複数のプレイヤキャラクタを同時に操作できるという趣向を無理なくプレイヤに浸透させることが可能となる。
【0107】
また、上述した一実施の形態では、行動指定を受け付けてから所定のプレイヤキャラクタに対する新たな行動指定の受け付けが無い期間が所定期間を経過したときに(ステップS126およびS136参照)、特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つをマニュアル制御により制御しているか否か判定し(ステップS127およびS137参照)、この判定結果に応じて特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式をマニュアル制御からオート制御に切り替えるか否か決定するように構成しているので、特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうちの少なくとも一つのプレイヤキャラクタの制御状態に応じて特定のプレイヤキャラクタの制御切り替えを決定することができ、マニュアル制御下におけるプレイヤキャラクタの操作を常時できるようにして操作に関する趣向性を向上させることができる。
【0108】
また、上述した一実施の形態では、オート制御によって行動が制御されているプレイヤキャラクタに対する行動指定を受け付けたときに(ステップS121およびS131参照)、このプレイヤキャラクタに対する制御方式をオート制御からマニュアル制御に切り替える(ステップS122およびS132参照)ように構成しているので、オート制御中においてもプレイヤの操作入力があった場合に即座にマニュアル制御に切り替えてプレイヤキャラクタを操作することができ、操作に関する趣向性を向上させることができる。
【0109】
また、上述した一実施の形態では、プレイヤキャラクタに関する制御情報にもとづいて、表示画面が複数設けられている場合に、各表示画面ごとにそれぞれ少なくとも一つのプレイヤキャラクタを配置して表示するようにしているので、複数の表示画面(例えば、上方および下方画像表示部51,52参照)を用いた遊戯においても興趣を向上させつつ操作に関する趣向性を向上させることができる。
【0110】
さらに、上述した一実施の形態では、プレイヤによる行動指定操作に伴う操作入力を、複数のプレイヤキャラクタA42,B43のいずれかが対応付けされた状態でそれぞれ行う複数の入力手段(キーパッド30やタッチパネル40参照)を備え、制御部11が、入力手段からの行動指定を当該入力手段に対応付けされているプレイヤキャラクタに対する行動指定であるとして受け付けるようにしているので、複数のプレイヤキャラクタA42,B43のいずれかについての行動指定を、それぞれ入力手段に対応付けされているプレイヤキャラクタに対する行動指定として結びつけて受け付けることができ、操作に関する趣向性を向上させることができるようになる。
【0111】
なお、上述した一実施の形態においては、プレイヤキャラクタA42と一の入力手段であるキーパッド30とが対応付けられ、プレイヤキャラクタB43と他の入力手段であるタッチパネル40とが対応付けられていたが、例えばキーパッド30の十字キー31とプレイヤキャラクタA42とが対応付けられ、ボタン群32とプレイヤキャラクタB43とが対応付けられたり、タッチパネル40の入力検知領域が分割されそれぞれプレイヤキャラクタA42,B43と対応付けられたりするように構成してもよい。
【0112】
このように構成することで、理論的には入力手段の数だけ同時に操作可能となるプレイヤキャラクタの数を増加させることが可能となる。同様に、特にタッチパネル40を介した操作入力を行う場合は、タッチパネル40における検知領域を分割することにより、分割した各領域に1体ずつプレイヤキャラクタを表示するようにすれば、どの領域に操作入力が行われたかによって、どのプレイヤキャラクタに対する操作指示であるかを判別することができるため、分割された検知領域の数と同数のプレイヤキャラクタを操作可能なキャラクタとすることが可能となる。
【0113】
また、上述した一実施の形態では、ビデオゲーム装置本体10と表示装置50とが別体として構成されていたが、ビデオゲーム装置本体10に表示装置50を備える構成としてもよく、表示装置50が上方および下方画像表示部51,52以外のさらに多くの画像表示部を備える構成としてもよい。
【0114】
また、上述した実施の形態では、RPGのゲーム制御について説明していたが、ガンアクションRPG等の同種のゲームに適用することができることは勿論であり、さらに他の種のゲームにも好適に適用することができるとともに、単数あるいは複数のプレイヤによって遊戯することができる。
【0115】
また、上述した実施の形態ではビデオゲーム装置100を例に説明したが、画像生成機能を備えた機器であれば、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末、携帯用ゲーム機などの各種の機器に本発明を適用することができる。なお、携帯用ゲーム機などに適用する場合には、上述した記憶媒体70として、CD−ROMやDVD−ROMの替わりに半導体メモリーカードなどの小型の記憶媒体を用いるようにすればよい。
【0116】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム装置本体10に上述した各種の処理を実行させるためのゲーム用データ(ゲームに用いられる制御プログラムなどの各種のデータ)が記憶媒体70に格納されているものとしていたが、ゲーム用データは、WWWサーバなどのサーバ装置によって配信されるものであってもよい。この場合、ビデオゲーム装置本体10は、サーバ装置によって配信されるゲーム用データを通信ネットワーク80を介して取得してHDD13に格納し、ゲーム用データをHDD13からRAM12にロードして使用するようにすればよい。なお、上記の例ではゲーム用データとしていたが、少なくとも上述した実施の形態における画像生成処理をコンピュータに実行させるための制御プログラムを含むデータであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明によれば、複数のプレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて表示画面上に表示されている複数のプレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム装置、パーソナルコンピュータ、携帯電話端末、携帯用ゲーム機などに適用するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】メイン処理の例を示すフローチャートである。
【図3】キャラクタ制御のオートモードの設定例を説明するための説明図である。
【図4】プレイヤキャラクタ行動制御処理の例を示すフローチャートである。
【図5】表示画面の例を説明するための説明図である。
【図6】プレイヤキャラクタの攻撃に関する操作方法を説明するための説明図である。
【図7】プレイヤキャラクタの攻撃に関する操作方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0119】
10 ビデオゲーム装置本体
11 制御部
12 RAM
13 HDD
14 サウンド処理部
15 グラフィック処理部
16 DVD/CD−ROM
17 通信インターフェイス
18 インターフェイス部
19 フレームメモリ
20 メモリーカードスロット
21 入力インターフェイス部
22 内部バス
30 キーパッド
40 タッチパネル
41 タッチペン
50 表示装置
51 上方画像表示部
52 下方画像表示部
60 サウンド出力装置
70 記憶媒体
80 通信ネットワーク
90 メモリーカード
100 ビデオゲーム装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されている複数の前記プレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
プレイヤによる行動指定操作によって複数の前記プレイヤキャラクタのうちの所定のプレイヤキャラクタの行動指定を受け付ける行動指定受付手段と、
該行動指定受付手段が受け付けた行動指定に応じてプレイヤキャラクタの行動を制御するマニュアル制御と、前記行動指定を受け付けていないプレイヤキャラクタの行動を自動的に制御するオート制御とを行うキャラクタ制御手段と、
複数のプレイヤキャラクタそれぞれの制御方式を前記マニュアル制御と前記オート制御とのいずれか一方から他方に切り替える制御方式切替手段と、を備え、
該制御方式切替手段は、複数の前記プレイヤキャラクタのうち前記マニュアル制御によって行動が制御されている特定のプレイヤキャラクタについて、当該特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つを前記マニュアル制御により制御していることを条件に、該特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式を前記オート制御に切り替える
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
前記制御方式切替手段は、前記行動指定受付手段が行動指定を受け付けてから前記所定のプレイヤキャラクタに対する新たな行動指定の受け付けが無い期間が所定期間を経過したときに、前記特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つを前記マニュアル制御により制御しているか否か判定し、該判定結果に応じて前記特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式を前記マニュアル制御から前記オート制御に切り替えるか否か決定する
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記制御方式切替手段は、前記オート制御によって行動が制御されているプレイヤキャラクタに対する行動指定を前記行動指定受付手段が受け付けたときに、該プレイヤキャラクタに対する制御方式を該オート制御から前記マニュアル制御に切り替える
請求項1または請求項2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記キャラクタ制御手段からのプレイヤキャラクタに関する制御情報にもとづいて、前記表示画面が複数設けられている場合に、各表示画面ごとにそれぞれ少なくとも一つのプレイヤキャラクタを配置して表示する表示制御手段をさらに備える
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
前記プレイヤによる行動指定操作に伴う操作入力を、複数のプレイヤキャラクタのいずれかが対応付けされた状態でそれぞれ行う複数の入力手段を備え、
前記行動指定受付手段は、入力手段からの行動指定を当該入力手段に対応付けされているプレイヤキャラクタに対する行動指定であるとして受け付ける
請求項1から請求項4のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項6】
複数のプレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されている複数の前記プレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
プレイヤによる行動指定操作によって複数の前記プレイヤキャラクタのうちの所定のプレイヤキャラクタの行動指定を受け付ける行動指定受付処理と、
該行動指定受付処理にて受け付けた行動指定に応じてプレイヤキャラクタの行動を制御するマニュアル制御と、前記行動指定を受け付けていないプレイヤキャラクタの行動を自動的に制御するオート制御とを行うキャラクタ制御処理と、
複数のプレイヤキャラクタそれぞれの制御方式を前記マニュアル制御と前記オート制御とのいずれか一方から他方に切り替える制御方式切替処理と、を含み、
該制御方式切替処理では、複数の前記プレイヤキャラクタのうち前記マニュアル制御によって行動が制御されている特定のプレイヤキャラクタについて、当該特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つを前記マニュアル制御により制御していることを条件に、該特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式を前記オート制御に切り替える
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【請求項7】
前記制御方式切替処理では、前記行動指定受付処理にて行動指定を受け付けてから前記所定のプレイヤキャラクタに対する新たな行動指定の受け付けが無い期間が所定期間を経過したときに、前記特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つを前記マニュアル制御により制御しているか否か判定し、該判定結果に応じて前記特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式を前記マニュアル制御から前記オート制御に切り替えるか否か決定する
請求項6記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項8】
前記制御方式切替処理では、前記オート制御によって行動が制御されているプレイヤキャラクタに対する行動指定を前記行動指定受付処理にて受け付けたときに、該プレイヤキャラクタに対する制御方式を該オート制御から前記マニュアル制御に切り替える
請求項6または請求項7記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項9】
前記キャラクタ制御処理にて生成されるプレイヤキャラクタに関する制御情報にもとづいて、前記表示画面が複数設けられている場合に、各表示画面ごとにそれぞれ少なくとも一つのプレイヤキャラクタを配置して表示する表示制御処理をさらに含む
請求項6から請求項8のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項10】
前記行動指定受付処理では、前記プレイヤによる行動指定操作に伴う操作入力を、複数のプレイヤキャラクタのいずれかが対応付けされた状態でそれぞれ行う複数の入力手段からの行動指定を当該入力手段に対応付けされているプレイヤキャラクタに対する行動指定であるとして受け付ける
請求項6から請求項9のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理方法。
【請求項11】
複数のプレイヤキャラクタを画像表示装置の表示画面上に表示し、プレイヤの操作に応じて前記表示画面上に表示されている複数の前記プレイヤキャラクタの行動を制御することでビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、
コンピュータに、
プレイヤによる行動指定操作によって複数の前記プレイヤキャラクタのうちの所定のプレイヤキャラクタの行動指定を受け付けさせる行動指定受付処理と、
該行動指定受付処理にて受け付けられた行動指定に応じてプレイヤキャラクタの行動を制御するマニュアル制御と、前記行動指定を受け付けていないプレイヤキャラクタの行動を自動的に制御するオート制御とを行わせるキャラクタ制御処理と、
複数のプレイヤキャラクタそれぞれの制御方式を前記マニュアル制御と前記オート制御とのいずれか一方から他方に切り替えさせる制御方式切替処理と、を実行させ、
該制御方式切替処理にて、複数の前記プレイヤキャラクタのうち前記マニュアル制御によって行動が制御されている特定のプレイヤキャラクタについて、当該特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つを前記マニュアル制御により制御していることを条件に、該特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式を前記オート制御に切り替えさせる処理を実行させる
ためのビデオゲーム処理プログラム。
【請求項12】
コンピュータに、前記制御方式切替処理にて、前記行動指定受付処理にて行動指定が受け付けられてから前記所定のプレイヤキャラクタに対する新たな行動指定の受け付けが無い期間が所定期間を経過したときに、前記特定のプレイヤキャラクタ以外のプレイヤキャラクタのうち少なくとも一つを前記マニュアル制御により制御しているか否か判定させ、該判定結果に応じて前記特定のプレイヤキャラクタに対する制御方式を前記マニュアル制御から前記オート制御に切り替えるか否か決定させる処理を
実行させるための請求項11記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項13】
コンピュータに、前記制御方式切替処理にて、前記オート制御によって行動が制御されているプレイヤキャラクタに対する行動指定が前記行動指定受付処理にて受け付けられたときに、該プレイヤキャラクタに対する制御方式を該オート制御から前記マニュアル制御に切り替えさせる処理を
実行させるための請求項11または請求項12記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項14】
コンピュータに、
さらに、前記キャラクタ制御処理にて生成されるプレイヤキャラクタに関する制御情報にもとづいて、前記表示画面が複数設けられている場合に、各表示画面ごとにそれぞれ少なくとも一つのプレイヤキャラクタを配置して表示させる表示制御処理を
実行させるための請求項11から請求項13のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理プログラム。
【請求項15】
コンピュータに、前記行動指定受付処理にて、前記プレイヤによる行動指定操作に伴う操作入力を、複数のプレイヤキャラクタのいずれかが対応付けされた状態でそれぞれ行う複数の入力手段からの行動指定を当該入力手段に対応付けされているプレイヤキャラクタに対する行動指定であるとして受け付けさせる処理を
実行させるための請求項11から請求項14のうちいずれかに記載のビデオゲーム処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−113758(P2008−113758A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−298145(P2006−298145)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 〔刊行物1〕 集英社、週刊少年ジャンプ、第39巻、第38号、平成18年10月2日発行 〔刊行物2〕 集英社、Vジャンプ、第14巻、第11号、平成18年11月1日発行 〔刊行物3〕 株式会社エンターブレイン、週刊ファミ通、第21巻、第40号、平成18年10月6日発行 〔刊行物4〕 メディアワークス、電撃魔王、第12号、平成18年11月1日発行 〔刊行物5〕 株式会社エンターブレイン、週刊ファミ通、第21巻、第41号、平成18年10月13日発行 〔刊行物6〕 メディアワークス、電撃PlayStation、第12巻、第35号、平成18年10月13日発行 〔刊行物7〕 株式会社エンターブレイン、ファミ通PS2、第11巻、第17号、平成18年10月13日発行 〔刊行物8〕 株式会社スクウェア・エニックス、月刊少年ガンガン、第16巻、第16号、平成18年11月1日発行 〔刊行物9〕 メディアワークス、デンゲキニンテンドーDS(電撃DSスタイル)、第6巻、第17号、平成18年11月1日発行 〔刊行物10〕 株式会社毎日コミュニケーションズ、Nintendo Dream、第11巻、第12号、平成18年12月1日発行 〔刊行物11〕 株式会社スクウェア・エニックス、月刊Gファンタジー第14巻、第11号、平成18年11月1日発行 〔刊行物12〕 ソフトバンククリエイティブ株式会社、ゲーマガ、第23巻、第11号、平成18年11月1日発行 〔刊行物13〕 ソフトバンククリエイティブ株式会社、ゲーマガ、第23巻、第12号、平成18年12月1日発行 〔刊行物14の1〕東京ゲームショウ 2006 パンフレット、社団法人コンピュータエンターテインメント協会、平成18年9月22日から9月24日迄開催 〔刊行物14の2〕東京ゲームショウ 2006、社団法人コンピュータエンターテインメント協会、平成18年9月22日から9月24日迄開催、「すばらしきこのせかい」の試遊コーナーにて提示した操作方法の説明パネル1のコピー 〔刊行物14の3〕東京ゲームショウ 2006、社団法人コンピュータエンターテインメント協会、平成18年9月22日から9月24日迄開催、「すばらしきこのせかい」の試遊コーナーにて提示した操作方法の説明パネル2のコピー 〔刊行物14の4〕東京ゲームショウ 2006、社団法人コンピュータエンターテ
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成18年9月22〜24日 社団法人 コンピュータエンターテインメント協会主催の「東京ゲームショウ 2006」に出品
【出願人】(592044813)株式会社スクウェア・エニックス (115)
【Fターム(参考)】