説明

ビデオゲーム装置、ビデオゲームにおける背景音出力設定方法及び背景音出力設定プログラムが記録された可読記録媒体

【課題】 視点及び視線方向が変更された場合にも臨場感に溢れたビデオゲームを実行することができるようにする。
【解決手段】 属性の異なる背景音を出力するための複数の背景音データが記憶された記録媒体122又はRAM123と、記録媒体122又はRAM123から属性の異なる複数の背景音データを読み出して2つのスピーカ164から背景音として出力する一方、2つのスピーカ164における背景音の出力比率をゲーム空間における視点及び視線方向に応じて属性の異なる背景音毎に設定する背景音制御手段201fとを備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プログラムデータの記録された光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリ等を用いた、例えばカセット式記録媒体等を用いるビデオゲーム装置、ビデオゲームにおける背景音出力設定方法及び背景音出力設定プログラムが記録された可読記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からビデオゲームシステムは数多く提案されている。例えば、家庭用の専用機とテレビジョンモニタとからなるシステム、業務用の専用機、パーソナルコンピュータ又はワークステーションとディスプレイと音声出力機とからなるシステム等である。これらのシステムは、何れも、ゲームプレーヤが操作するためのコントローラ、ゲームプログラムデータが記録された記録媒体、ゲームプログラムデータに基づいて画像や音声を生成するための制御を行うCPU、画像を生成するためのプロセッサ、音声を生成するためのプロセッサ、画像を表示するためのCRT等のモニタ及び音声を出力するためのスピーカで構成される。上記の記録媒体としては、CD−ROM、半導体メモリ、半導体メモリ等を内蔵したカセット式等が多用される。
【0003】このようなビデオゲームシステムでは、屋外で行われるサッカー、野球等の各種対戦競技、短距離競走や長距離競走等の各種競走競技、あるいは屋内で行われる跳馬、鉄棒等の体操競技等、種々の競技をゲーム空間において実行させるようにすることが可能である。また、実際に競技が行われる競技場等のイベント場には、観客席からの「歓声」、「がやがや」、「拍手」、「鳴り物」等の各種音成分が存在している。このため、ビデオゲームシステムにおいても実際のイベント場の各種音成分に対応する種々の背景音をゲームの進行に応じてスピーカから出力させることで臨場感に溢れたゲームが実現可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、実際の競技場等のイベント場では、カメラの視点及び視線方向を変えて競技者や観客席等を撮影することがある。このため、ビデオゲームシステムにおいても視点及び視線方向を変えたゲーム画面を表示するようにすることで臨場感に溢れたゲームが実現可能となる。この場合、観客席から聞こえる各種の音成分についても視点及び視線方向が変更されるとそれに応じて音源の位置が移動して聞こえ方が変化することになるため、ビデオゲームシステムにおいても視点及び視線方向が変更された場合に実際のイベント場に近似した聞こえ方となるように背景音の出力を設定変更するようにしないと臨場感に欠ける虞がある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、視点及び視線方向が変更された場合にも臨場感に溢れたビデオゲームを実行することができるビデオゲーム装置、ビデオゲームにおける背景音出力設定方法及び背景音出力設定プログラムが記録された可読記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、請求項1の発明は、モニタに表示されるゲーム空間において所定のイベントが実行され、そのイベントの進行に応じて属性の異なる複数の背景音が互いに離間して配置された複数の発音手段から所定の出力比率で出力されるようにしたビデオゲーム装置において、前記複数の背景音を背景音データとして記憶する記憶手段と、この記憶手段から複数の背景音データを読み出して前記複数の発音手段から背景音として出力する一方、前記発音手段間における出力比率を前記ゲーム空間における視点及び視線方向に応じて属性の異なる背景音毎に設定する背景音制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】また、請求項4及び請求項7の発明は、モニタに表示されるゲーム空間において所定のイベントが実行され、そのイベントの進行に応じて属性の異なる複数の背景音が互いに離間して配置された複数の発音手段から所定の出力比率で出力されるようにしたビデオゲームにおける背景音出力設定方法乃至は背景音出力プログラムが記録された可読記録媒体であって、属性の異なる複数の背景音を背景音データとして記憶する記憶手段乃至はデータ記憶領域から前記背景音データを読み出して前記複数の発音手段から背景音として出力する一方、前記発音手段間における出力比率を前記ゲーム空間における視点及び視線方向に応じて属性の異なる背景音毎に設定するようにしたことを特徴としている。
【0008】これらの構成及び方法によれば、モニタに視点及び視線方向に対応したゲーム画面が表示される一方、その視点及び視線方向に応じて複数の発音手段間の出力比率が属性の異なる背景音毎に個別に設定され、その出力比率に基づいて各発音手段から出力される背景音の音量が設定される。このため、ゲーム空間における視線及び視線方向が変更された場合でも属性の異なる複数の背景音が違和感なく聞こえるようになり臨場感に溢れたビデオゲームを実行することができるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係るアナウンス音声等の背景音出力設定方法が適用されるビデオゲームシステム(ビデオゲーム装置)10の概略構成を示す図である。この図において、ビデオゲームシステム10は、メモリ部12と、画像表示部14と、音声出力部16と、操作入力部18と、制御部20とを備えている。これらメモリ部12、画像表示部14、音声出力部16及び操作入力部18は、制御部20の後述するCPU201に接続されるアドレスバス、データバス及びコントロールバスを含むバス22により相互に接続されている。
【0010】メモリ部12は、画像データ、音声データ及びプログラムデータからなるゲームデータが記録され、インターフェース回路121を介してバス22に接続された記録媒体122と、記録媒体122から読み出したゲームデータを一時的に保持するRAM123とを備えている。この記録媒体122は、例えば、ゲームデータやオペレーティングシステムのプログラムデータの記憶されたROM等がプラスチックケースに収納されてなる、いわゆるROMカセットや、光ディスク、フレキシブルディスク等からなるものである。
【0011】画像表示部14は、ゲームの進行に応じて種々のゲーム画面を表示するためのものであり、インターフェース回路141を介してバス22に接続されたD/Aコンバータ142と、このD/Aコンバータ142に接続されたCRTや液晶ディスプレイ等を含むテレビジョンモニタ(ビデオモニタ)143とを備えている。
【0012】このテレビジョンモニタ143には、プレイキャラクタMAや観客席等を撮影している仮想カメラが存在すると仮定した場合に、その仮想カメラの視点及び視線方向に対応したゲーム画面が表示される。すなわち、このゲーム画面は、視点及び視線方向に対応した画像データが例えば1/60秒の周期でRAM123の所定の記憶領域から読み出され、その画像データに所定の画像処理が施された後にアナログ信号に変換されて表示される。
【0013】音声出力部16は、メモリ部12の記録媒体122又はRAM123のデータ記憶領域に記録されている音声データに基づき、ゲームの進行に応じてゲーム音楽や効果音、あるいは歓声やアナウンス音声等のゲーム内容を盛り上げるための背景音を出力するものであり、それぞれのインターフェース回路161を介してバス22に接続された2つのD/Aコンバータ162と、各D/Aコンバータ162に接続された2つの増幅回路163と、各増幅回路163からの出力信号に基づいて背景音を出力する2つの発音手段としてのスピーカ164とを備えている。すなわち、これら2つのスピーカ164は、互いに独立した信号経路を介して背景音を出力するものであり、テレビジョンモニタ143の左右両側に互いに離間した状態で配設されている。
【0014】操作入力部18は、制御部20に対して操作信号を出力するものであり、インターフェース回路181を介してバス22に接続された操作情報インターフェース回路182と、この操作情報インターフェース回路182に接続されたコントローラ183とを備えている。このコントローラ183は、筐体CAの表面側に配設されたスタートボタン183a、Aボタン183b、Bボタン183c、十字キー183d、スティック型コントローラ183e、左トリガボタン183f、右トリガボタン183g、C1ボタン183h、C2ボタン183i、C3ボタン183j及びC4ボタン183kと、筐体CAの背面側に配設されたZボタン183mとを備えている。
【0015】ここで、スティック型コントローラ183eは、ジョイスティックとほぼ同一構成になるものである。すなわち、直立したスティック(操作桿)を有し、スティックの所定点を支点として前後左右を含む360°方向に亘って傾倒させることが可能な構成とされ、スティックの傾倒方向及び傾倒角度に応じて、直立位置を原点とする左右方向のX座標及び前後方向のY座標の値が、インターフェース回路182,181を介して制御部20に送出されるようになっている。
【0016】制御部20は、ゲームの進行を制御するものであり、バス22が接続されたCPU201、信号処理プロセッサ202及び画像処理プロセッサ203により構成されている。この信号処理プロセッサ202は、主として各視点及び視線方向に対応した画像データの3次元空間上における計算、3次元空間上での位置から擬似3次元空間上の位置への変換のための計算、光源計算処理、音声データの生成、加工処理等を行うものである。また、画像処理プロセッサ203は、信号処理プロセッサ202における計算結果に基づいて、RAM123に対する描画すべき各視点及び視線方向に対応した画像データの書き込み処理、例えば、ポリゴンで指定されるRAM123の所定エリアに対するテクスチャデータの書き込み処理を行うものである。
【0017】上記のように構成されたビデオゲームシステム10は、用途に応じてその形態が異なったものとなる。すなわち、ビデオゲームシステム10が業務用として構成される場合においては、例えば、図1に示されている各構成要素はすべて1つの筐体に収納される。また、ビデオゲームシステム10が家庭用として構成される場合においては、例えば、テレビジョンモニタ143、増幅回路163及びスピーカ164は、ゲーム機本体とは別体となる。
【0018】ここでいうゲーム機本体は、例えば、CPU201に接続されたインターフェース回路121、RAM123、インターフェース回路141とD/Aコンバータ142、インターフェース回路161とD/Aコンバータ162、インターフェース回路181と情報インターフェース回路182とコントローラ183、及び、信号処理プロセッサ202と画像処理プロセッサ203から構成される。このゲーム機本体は、合成樹脂製等の筐体に各構成部材が収納されて構成され、記録媒体122がその筐体に形成されている装着部に着脱自在に装着されるようになっている。また、コントローラ183は、その筐体に設けられたコネクタに通信ケーブル等を介して接続される。
【0019】また、ビデオゲームシステム10が、パーソナルコンピュータやワークステーションを核として構成される場合においては、例えば、テレビジョンモニタ143は、コンピュータ用のディスプレイに対応し、画像処理プロセッサ203は、記録媒体122に記録されているゲームプログラムデータの一部若しくはコンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウェアに対応し、インターフェース回路121,141,161,181、D/Aコンバータ142,162、操作情報インターフェース回路182は、コンピュータの拡張スロットに搭載される拡張ボード上のハードウェアに対応する。また、RAM123は、コンピュータ上のメインメモリ若しくは拡張メモリの各エリアに対応する。
【0020】以下においては、ビデオゲームシステム10が家庭用として構成される場合を例にして説明する。
【0021】次に、このビデオゲームシステム10の概略動作について説明する。まず、図略の電源スイッチがオンにされ、ビデオゲームシステム10に電源が投入されると、CPU201により、記録媒体122に記憶されているオペレーティングシステムに基づいて記録媒体122から画像データ、音声データ及びゲームプログラムデータが読み出され、これら読み出された画像データ、音声データ及びゲームプログラムデータの一部あるいは全部がRAM123に記憶される。その後、CPU201により、RAM123に記憶されているゲームプログラムデータ、及びゲームプレーヤがコントローラ183を介して指示する内容に基づいて、所定のゲームが進行される。
【0022】すなわち、CPU201により、コントローラ183を介してゲームプレーヤから指示される指示内容に基づいて、適宜、描画や音声出力のためのタスクとしてのコマンドが生成される。これらコマンドに基づいて、信号処理プロセッサ202により3次元空間上(勿論、2次元空間上においても同様である)におけるキャラクタの表示位置等の計算、光源計算、音声データの生成、加工処理等が行われる。
【0023】そして、それら計算結果に基いて、画像処理プロセッサ203によりRAM123に対して描画すべき画像データの書き込み処理等が行われる。RAM123に書き込まれた画像データは、インターフェース回路141を介してD/Aコンバータ142に供給されると共に、ここでアナログ映像信号に変換された後にテレビジョンモニタ143に供給され、その表示面上にゲーム画像として表示される。
【0024】一方、信号処理プロセッサ202から出力された音声データは、インターフェース回路161を介してD/Aコンバータ162に供給されると共に、ここでアナログ音声信号に変換された後に増幅回路163で増幅され、所定の音量で2つのスピーカ164から音声として出力される。この音声には、「歓声」、「がやがや」、「拍手」、「鳴り物」等のゲーム内容を盛り上げるための属性(音キャラクタあるいは種別)の異なる各種の背景音を含んでいる。
【0025】次に、記録媒体122に記録されているゲームプログラムに基づいてビデオゲームシステム10により実行されるゲーム内容の概略について説明する。このビデオゲームシステム10では、記録媒体122に複数の競技ゲームプログラムが記録されており、スタートボタン183aを操作することにより複数の競技ゲームのうちから1の競技ゲームが選択できるようになっている。ここでは、例えば、図2及び図3に示すような走幅跳ゲームが実行できるようになっている。
【0026】この図2及び図3に示す走幅跳ゲームは、ゲーム空間における屋外の陸上競技場(イベント場)で競技が行われ、助走した後に所定位置で地面を蹴って飛び動作を実行することで飛距離を競うものである。本実施形態では、1乃至4人のゲームプレーヤによりゲームが進行され、ゲームプレーヤの人数に対応したプレイキャラクタMAが順次登場し、各人が3回飛び動作を実行したうちの最高飛距離で順位を競うようになっている。
【0027】なお、図2は、プレイキャラクタMAが助走開始位置におり、助走を開始する直前のプレイキャラクタMAを背面側から見た状態を示している。この場合、視点はプレイキャラクタMAの背面側にあり、視線方向はプレイキャラクタMAの背面を向いたものとなる。また、図3は、プレイキャラクタMAが2回の飛び動作を終了し、3回目の飛び動作のために助走開始地点に戻るときのプレイキャラクタMAを左側面側から見た状態を示している。この場合、視点は図2の場合とは略90°右側に向きを変えたプレイキャラクタMAの左側面側にあり、視線方向はプレイキャラクタMAの左側面を向いたものとなる。
【0028】このように、このビデオゲームシステム10では、ゲームの進行に応じてゲームプログラムデータに基づき、あるいはゲームプレーヤによるコントローラ183の操作に基づいて仮想カメラの視点及び視線方向が変更され、その変更された視点及び視線方向に対応したプレイキャラクタMA等を含むゲーム画面がテレビジョンモニタ143に表示されるようになっている。
【0029】図4は、背景音の出力設定動作を中心とするCPU201の有する機能実現手段、記録媒体122、RAM123、テレビジョンモニタ143、スピーカ164及びコントローラ183(スタートボタン183a、Aボタン183b、C1ボタン183h及びC2ボタン183i)を示すブロック図である。なお、ここでは、説明の便宜上、インターフェース回路やバス等の図示を省略している。
【0030】すなわち、CPU201には、ボタン操作判別手段201a、ゲーム選択指示手段201b、ゲームデータ読出手段201c、キャラクタ表示制御手段201d、視点/視線方向データ読出手段201e及び背景音制御手段201fとしての各機能実現手段を備えている。また、背景音制御手段201fには、背景音判別手段201g、背景音出力手段201h及び設定終了判別手段201iとしての各機能実現手段を備えている。また、背景音出力手段201hには、出力比率算出手段201j及び音量設定手段201kとしての各機能実現手段を備えている。
【0031】ボタン操作判別手段201aは、スタートボタン183a、Aボタン183b、C1ボタン183h及びC2ボタン183iの各ボタンからの操作信号に基づいてON/OFF操作が行われたか否かを判別するものである。なお、スタートボタン183aが操作されるときは複数のゲームのうちから1のゲームが選択され、Aボタン183bが操作されるときはゲームの開始が可能な状態にされる。また、C1ボタン183h及びC2ボタン183iが交互に連続操作されるとき、走幅跳ゲームの場合ではその操作量に応じてプレイキャラクタMAの走り速度が速くなって飛距離が伸びるようになっている。
【0032】ゲーム選択指示手段201bは、スタートボタン183aの操作によって複数のゲームのうちから1のゲームが選択されたとき、ゲームデータ読出手段201cに対して記録媒体122から選択されたゲームプログラムの読み出し指示を与えるものである。ゲームデータ読出手段201cは、ゲーム選択指示手段201bからの読出指示に基づいて記録媒体122からゲームデータ(ゲームプログラム)を読み出し、その読み出したゲームデータをRAM123に保持する一方、ゲームの進行に応じてRAM123からゲームデータを読み出すものである。なお、ゲーム選択指示手段201bは、スタートボタン183a及びボタン操作判別手段201aと共にゲーム選択手段を構成する。
【0033】キャラクタ表示制御手段201dは、選択されたゲームの進行にともなうプレイキャラクタMAや背景画面等のゲーム画面の表示を制御するもので、ゲームデータ読出手段201cによりRAM123から順次読み出された画像データを画像表示部14に出力すると共に、ゲーム画面をテレビジョンモニタ143に表示するものである。
【0034】視点/視線方向データ読出手段201eは、仮想カメラの視点データ及び視線方向データをRAM123から例えば1/60秒の周期で読み出すものである。これらの視点データ及び視線方向データは、予め設定されたゲームプログラムに基づいて表示されるゲーム画面では記録媒体122に記録されたものがRAM123に読み込まれており、ゲームプレーヤによるコントローラ183の操作に応じて表示制御されるゲーム画面ではコントローラ183の操作量等に基づいて算出された後にRAM123に記録される。
【0035】背景音制御手段201fは、ゲームの進行にともなうゲーム音楽や効果音の出力を制御する他、「歓声」、「がやがや」、「拍手」、「鳴り物」等の属性の異なる複数の背景音の出力を制御するもので、記録媒体122から読み込んだ各背景音データをRAM123から順次読み出して音声出力部16に出力すると共に、2つのスピーカ164から背景音として出力するものである。また、この背景音制御手段201fは、視点/視線方向データ読出手段201eによりRAM123から読み出された視点データ及び視線方向データに基づいて2つのスピーカ164間の背景音の出力比率(音の振り幅)をその背景音の属性に応じて個別に設定変更し、2つのスピーカ164からその設定変更した出力比率に対応した音量で出力する。
【0036】この背景音の出力比率は、例えば次のようにして設定変更される。すなわち、図5に示すように、基準となるX−Z平面座標上に真上から見たイベント場EGを矩形状の枠線(この枠線は、正方形でも円形でもよい。)で表わす一方、このイベント場EG内に仮想カメラが存在するものとする。また、仮想カメラがその視点Pである座標値(Xa,Za)で表わされる位置にあり、その仮想カメラの視線方向(カメラの向き)が矢印SH1で示す方向にあるものとする。
【0037】この状態で、視点Pの座標値(Xa,Za)を通り、視線方向に対し直交する軸線x1を引き、この軸線x1が視線方向に対して右側の位置でイベント場EGを表わす枠線と交わる点をA1とする一方、視線方向に対して左側の位置でイベント場EGを表わす枠線と交わる点をB1とし、交点A1の位置に属性の異なる複数の背景音を含んだ音源Aがあり、交点B1の位置に音源Aと同一の音源Bがあるものとする。
【0038】そして、視点Pと交点A1間の距離a1及び視点Pと交点B1間の距離b1を求めると共に、これらの距離a1及び距離b1に基づいて出力比率を設定する。すなわち、この図5に示す場合では、距離a1が距離b1よりも短くなるので、右側のスピーカ164からの音源Aの音量が大きくなり、左側のスピーカ164からの音源Bの音量が小さくなるように左右のスピーカ164間の出力比率が設定変更される。なお、イベント場EGのX−Z平面座標上における各座標値は予め設定されたものであるので、各交点A1,B1はX−Z平面座標上における軸線x1を表わす式を視点Pの座標値と視線方向とに基づいて算出することで求めることができる。
【0039】また、図6に示すように、視点Pの位置は図5の場合と同じままで視線方向だけが矢印SH2で示される方向に変更されたとすると(すなわち、仮想カメラの向きが矢印SH2方向となる。)、次のようにして左右のスピーカ164間の出力比率が設定変更される。すなわち、上記と同様にして視点Pの座標値(Xa,Za)を通り、視線方向に対し直交する軸線x2を引く。そして、この軸線x2が視線方向に対して右側の位置でイベント場EGを表わす枠線と交わる点をA2とすると共に、視線方向に対して左側の位置でイベント場EGを表わす枠線と交わる点をB2とし、交点A2の位置に音源Aがあり、交点B2の位置に音源Bがあるものとする。
【0040】この状態で、視点Pと交点A2間の距離a2及び視点Pと交点B2間の距離b2を求め、これらの距離a2及び距離b2に基づいて出力比率を設定する。この図6に示す場合では、距離a2が距離b2よりも長くなるので、右側のスピーカ164からの音源Aの音量が小さくなり、左側のスピーカ164からの音源Bの音量が大きくなるように出力比率が設定変更される。
【0041】また、図7に示すように、視点Pが座標値(Xb,Zb)の位置に移動すると共に、視線方向が矢印SH3で示される方向に向いたとすると(すなわち、仮想カメラが座標値(Xb,Zb)の位置に移動し、その向きが矢印SH2方向となる。)、次のようにして左右のスピーカ164間の出力比率が設定変更される。すなわち、上記と同様に視点Pの座標値(Xb,Zb)を通り、視線方向に対し直交する軸線x3を引く。そして、この軸線x3が視線方向に対して右側の位置でイベント場EGを表わす枠線と交わる点をA3とすると共に、視線方向に対して左側の位置でイベント場EGを表わす枠線と交わる点をB3とし、交点A3の位置に音源Aがあり、交点B3の位置に音源Bがあるものとする。
【0042】この状態で、視点Pと交点A3間の距離a3及び視点Pと交点B3間の距離b3を求め、これらの距離a3及び距離b3に基づいて出力比率を設定する。この図7に示す場合では、距離a3が距離b3よりも大きくなるので、右側のスピーカ164からの音源Aの音量が小さくなり、左側のスピーカ164からの音源Bの音量が大きくなるように出力比率が設定変更される。
【0043】すなわち、本実施形態では、イベント場EGの周囲全域に観客席があり、イベント場EGの周囲の各位置に属性の異なる複数の背景音を含んだ同一の音源があるものとして左右のスピーカ164間の出力比率を設定変更するようにしている。また、実際上は視点Pの位置が2つの音源に近づくと背景音が大きく聞こえ、視点Pの位置が2つの音源から遠のくと小さく聞こえることになるが、本実施形態ではデータ処理が煩雑化するのを避けるため、視点Pと2つの音源との距離に応じた音量調節は行わないようにしている。
【0044】また、左右のスピーカ164間の出力比率は背景音の属性に応じて個別に設定変更される。すなわち、本実施形態では、上記のように、「歓声」、「がやがや」、「拍手」、「鳴り物」等の異なる属性を有する複数の背景音が用意されており、これらの複数の背景音が適宜組み合わされて左右の2つのスピーカ164から同時に出力されるようになっている。この「歓声」とは、競技が開始されるときや記録が更新されたとき等に発せられる叫び声の音成分であり、「がやがや」は、場内がざわざわしている状態を表わす音成分である。また、「拍手」は、プレイキャラクタMAがイベント場に入場してきたときや競技が開始されるとき等に発せられる手を叩く音成分であり、「鳴り物」は、口笛、ヤジ、掛け声等を表わす音成分である。
【0045】これら属性の異なる背景音を出力するための背景音データは、それぞれ個別のチャンネルで構成されており、各チャンネルに付与されたチャンネル番号(あるいはラベル番号)により特定することができるようになっている。そして、これらの背景音のうち、低い周波数の音成分である「がやがや」や高い周波数の音成分である「拍手」は左右のスピーカ164間の出力比率をあまり大きく変更しないようにし(すなわち、振り幅を小さくして出力比率の変動が少なくなるようにする。)、中間の周波数の音成分である「歓声」や「鳴り物」等は左右のスピーカ164間の出力比率を大きく変更するようにしている(すなわち、振り幅を大きくして出力比率の変動が大きくなるようにする。)。
【0046】このように背景音の属性に応じて出力比率を個別に変えるのは実験的に導き出された結果であり、「がやがや」や「拍手」を「歓声」や「鳴り物」と同じ出力比率で変更するようにすると、「がやがや」や「拍手」が「歓声」や「鳴り物」から浮いてしまって「がやがや」や「拍手」だけが目立つようになり、きわめて不自然な状態となるからである。具体的にどの成分の音を如何なる出力比率にするかは、実際に2つのスピーカ164から出力される背景音を聞いた上でゲームプレーヤにとって不自然さが生じないように予め調整されることになる。
【0047】なお、視点及び視線方向が変更された場合の左右のスピーカ164間の出力比率は、例えば、次のようにして算出される。すなわち、視点Pが予め設定された基準位置(例えば、図5乃至図7におけるX−Z平面座標の原点Oの位置)にある場合に、各背景音の属性に応じて左右のスピーカ164間における基準値となる出力比率を設定する。この出力比率は、実験を繰り返すことにより不自然な聞こえ方にならないような値が選択される。そして、2つの音源A,B間の距離に対する視点Pと右側の音源A間の距離の比(割合)、及び2つの音源A,B間の距離に対する視点Pと左側の音源B間の距離の比(割合)を求め、これら求めた各比の値に属性の異なる背景音毎に予め設定されている補正係数(「がやがや」成分や「拍手」成分は、「歓声」成分や「鳴り物」成分に比べて出力比率が基準値に対し大きく変更されないような値に設定される。)を掛け合わせ、この掛け合わせた値と上記の基準値とを用いて算出する。
【0048】背景音判別手段201gは、2つのスピーカ164から出力される背景音の属性を判別するものである。すなわち、本実施形態では、上記のように、背景音として「歓声」、「がやがや」、「拍手」、「鳴り物」等が用意されており、各ゲーム場面において出力される背景音の背景音データに付与されているチャンネル番号(あるいはラベル番号)を読み取ることで判別するようになっている。
【0049】背景音出力手段201hは、背景音判別手段201gにより判別された背景音の属性に応じて2つのスピーカ164から出力される背景音のスピーカ164間の出力比率を設定変更する一方、この設定変更した出力比率に基づいて2つのスピーカ164から出力される音量を設定するものである。
【0050】設定終了判別手段201iは、仮想カメラの視点及び視線方向の変動に応じて2つのスピーカ164における背景音の出力比率及び音量の設定が終了したか否かを判別するものである。
【0051】出力比率算出手段201jは、2つのスピーカ164間における背景音の出力比率を背景音判別手段201gにより判別された背景音の属性に応じて個別に算出するものである。例えば、図5乃至図7を参照して述べたように、視点Pが基準位置にある場合の出力比率を基準値とする一方、2つの音源A,B間の距離に対する視点Pと右側の音源A間の距離の比(割合)、及び2つの音源A,B間の距離に対する視点Pと左側の音源B間の距離の比(割合)を求め、これら各比の値に属性の異なる背景音毎に設定されている補正係数を掛け合わせ、この掛け合わせた値と上記の基準値とを用いて算出するようになっている。
【0052】音量設定手段201kは、出力比率算出手段201jにより算出された出力比率に基づいて2つのスピーカ164から出力される背景音の音量を設定するものである。すなわち、各背景音を出力するための背景音データには2つのスピーカ164に対する音量データを含んでおり、その音量データと出力比率とから各背景音について個別に音量が設定され、2つのスピーカ164からは新たに設定された音量で各背景音が出力されることになる。
【0053】次に、ビデオゲームシステム10における背景音の出力設定動作を図8に示すフローチャートを参照して説明する。ここでは、4種類の背景音(第1乃至第4チャンネル)が出力されるものとする。まず、スタートボタン183aがON操作され、その後にAボタン183bがON操作されることによりゲームが開始され、画像データがゲームデータ読出手段201cによりRAM123から読み出されてキャラクタ表示制御手段201dにより所定のゲーム画面がテレビジョンモニタ143に表示される。
【0054】そして、同時に背景音制御手段201fによりイベント場別に用意された背景音データが背景音制御手段201fによりコールされる(ステップST1)。これにより、所定の競技等のイベントが行われる陸上競技場等のイベント場に対応した背景音を出力するための第1乃至第4チャンネルの背景音データがゲームデータ読出手段201cによりRAM123から読み出され、左右の2つのスピーカ164から所定の出力比率で背景音として出力される。
【0055】次いで、ゲームの進行に応じて変動する仮想カメラの視点及び視線方向が視点/視線方向データ読出手段201eによりRAM123から読み出される(ステップST3)。そして、背景音判別手段201gにより判別された第1チャンネルの背景音について新たに出力比率と音量が設定されたか否かが設定終了判別手段201kにより判別される(ステップST5)。この判定が否定されると、その背景音の視点及び視線方向に応じた左右のスピーカ164間の出力比率が出力比率算出手段201jにより算出され、この算出された出力比率に基づいて左右の2つのスピーカ164から出力される背景音の音量が音量設定手段201kにより設定される(ステップST7)。
【0056】次いで、すべてのチャンネルの背景音について設定が終了したか否かが設定終了判別手段201kにより判別される(ステップST9)。この判定が否定されると、ステップST5に移行した後、第2チャンネルの背景音について新たに出力比率と音量が設定されたか否かが設定終了判別手段201kにより判別される(ステップST11)。この判定が否定されると、その背景音の視点及び視線方向に応じた左右のスピーカ164間の出力比率が出力比率算出手段201jにより算出され、この算出された出力比率に基づいて左右の2つのスピーカ164から出力される背景音の音量が音量設定手段201kにより設定される(ステップST13)。
【0057】次いで、ステップST9に移行した後、第3チャンネルの背景音について新たに出力比率と音量が設定されたか否かが設定終了判別手段201kにより判別される(ステップST15)。この判定が否定されると、その背景音の視点及び視線方向に応じた左右のスピーカ164間の出力比率が出力比率算出手段201jにより算出され、この算出された出力比率に基づいて左右の2つのスピーカ164から出力される背景音の音量が音量設定手段201kにより設定される(ステップST17)。
【0058】ステップST15で判定が肯定されると、第4チャンネルの背景音について視点及び視線方向に応じた左右のスピーカ164間の出力比率が出力比率算出手段201jにより算出され、この算出された出力比率に基づいて左右の2つのスピーカ164から出力される背景音の音量が音量設定手段201kにより設定される(ステップST19)。その後、ステップST9に移行して判定が肯定されることによりすべての背景音についての出力設定動作が終了する。
【0059】本発明では、上記のように、属性の異なる複数の背景音データを記録媒体122乃至はRAM123から読み出して2つのスピーカ164から背景音として出力する一方、その背景音の2つのスピーカ164間の出力比率をゲーム空間における視点及び視線方向に応じて属性の異なる背景音毎に設定するようにしているので、特定の属性の背景音が他の属性の背景音よりも強調された状態で出力されるようなことが効果的に阻止され、視点位置及び視線方向が変更された場合でも臨場感に溢れたビデオゲームを実行することができるようになる。
【0060】なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下に述べるような種々の変形態様を採用することができる。
【0061】(1)上記実施形態では、図5乃至図7に示すように、視線方向に対する左右両側に音源が存在するものとして左右のスピーカ164間の出力比率を算出するようにしているが、音源の位置はこれに限るものではない。例えば、2つのスピーカ164を上下方向に離間させて配置し、XYZ立体座標のY軸方向(縦方向)に音源があるものとして2つのスピーカ164間の出力比率及び音量を求めるようにすることも可能である。
【0062】(2)上記実施形態では、2つのスピーカ164から背景音を出力させるようにしているが、3つ以上のスピーカ164をテレビジョンモニタ143の周囲に設置し、この3つ以上のスピーカ164から背景音を出力させるようにすることも可能である。この場合、各スピーカ164から属性の異なる背景音を出力させるようにしてもよい。
【0063】(3)上記実施形態では、図5乃至図7に示すように、視線方向に対する左右両側に同一の背景音を含んだ音源が存在するものとして左右のスピーカ164間の出力比率を算出するようにしているが、左右で異なる背景音を含んだ音源が存在するものとして出力比率及び音量を算出するようにすることも可能である。
【0064】(4)上記実施形態では、実際上は視点の位置が2つの音源に近づくと背景音が大きく聞こえ、視点の位置が2つの音源から遠のくと背景音が小さく聞こえることになるにもかかわらず、視点と2つの音源との距離に応じた音量調節は行わないようになっているが、視点の位置と2つの音源との距離に応じて音量調節を行うようにしてもよい。
【0065】(5)上記実施形態では、ビデオゲームとして走幅跳ゲームを行うものについて説明しているが、種々の対戦競技、競走競技、体操競技等の競技ゲームは勿論のこと、育成ゲーム、音楽ゲーム等の競技ゲーム以外のビデオゲームにも適当することが可能である。
【0066】以上説明したように、本発明は、属性の異なる複数の背景音データを読み出して複数の発音手段から背景音として出力する一方、背景音の出力手段間の出力比率をゲーム空間における視点及び視線方向に応じて属性の異なる背景音毎に設定するようにしたものである。これにより、特定の属性の背景音が他の属性の背景音よりも強調された状態で出力されるようなことが効果的に阻止され、視点及び視線方向が変わった場合でも臨場感に溢れたビデオゲームを実行することができるようになる。
【0067】また、本発明は、属性に応じて背景音の発音手段間の出力比率を算出し、この算出した出力比率で各発音手段から出力される背景音の音量を設定するようにしてもよい。これにより、背景音の属性に応じて各発音手段の音量を設定することが可能になり、より臨場感に溢れたビデオゲームを実行することができるようになる。
【0068】また、本発明は、背景音の出力比率を発音手段がモニタの左右両側にある場合にゲーム空間における視線方向に対する左右両側に背景音の音源があるものとして算出するようにしてもよい。これにより、出力比率の算出が容易になってCPUに対する負担を軽減することができることから、データの高速処理が可能となり臨場感に溢れたビデオゲームを実行することができるようになる。
【0069】また、本発明は、背景音の属性が周波数により特徴づけられるものであって、高い周波数の音成分を含む背景音及び低い周波数の音成分を含む背景音については出力比率の変動が中間の周波数の音成分を含む背景音に比べて小さくなるように設定され、中間の周波数の音成分を含む背景音については出力比率の変動が高い周波数の音成分を含む背景音及び低い周波数の音成分を含む背景音に比べて大きくなるように設定されるようにしてもよい。これにより、特定の属性の背景音が他の属性の背景音よりも強調された状態で出力されるようなことが効果的に阻止され、視点及び視線方向が変更された場合でも臨場感に溢れたビデオゲームを実行することができるようになる。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、属性の異なる複数の背景音データを読み出して複数の発音手段から背景音として出力する一方、背景音の発音手段間の出力比率をゲーム空間における視点及び視線方向に応じて属性の異なる背景音毎に設定するようにしているので、特定の属性の背景音が他の属性の背景音よりも強調された状態で出力されるようなことが効果的に阻止され、視点及び視線方向が変更された場合でも臨場感に溢れたビデオゲームを実行することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る背景音出力設定方法が適用されるビデオゲームシステムを示す構成図である。
【図2】図1に示すビデオゲームシステムにおけるゲームの一画面を示す図である。
【図3】図2に示すゲーム画面についてプレイキャラクタに対する視点及び視線方向を変えて示す図である。
【図4】図1に示すビデオゲームシステムにおけるCPUの機能実現手段を説明するためのブロック図である。
【図5】図1に示すビデオゲームシステムにおける背景音の出力比率を設定変更する方法を説明するための図である。
【図6】図1に示すビデオゲームシステムにおける背景音の出力比率を設定変更する方法を説明するための図である。
【図7】図1に示すビデオゲームシステムにおける背景音の出力比率を設定変更する方法を説明するための図である。
【図8】図1に示すビデオゲームシステムにおける背景音の出力設定動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 ビデオゲームシステム(ビデオゲーム装置)
12 メモリ部(記憶手段)
14 画像表示部
16 音声出力部
20 制御部
143 テレビジョンモニタ(モニタ)
164 スピーカ(発音手段)
201e 視点検出手段
201f 背景音制御手段
201g 背景音判別手段
201h 背景音出力手段
201i 出力比率算出手段
201j 音量設定手段
201k 設定終了判別手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 モニタに表示されるゲーム空間において所定のイベントが実行され、そのイベントの進行に応じて属性の異なる複数の背景音が互いに離間して配置された複数の発音手段から所定の出力比率で出力されるようにしたビデオゲーム装置において、前記複数の背景音を背景音データとして記憶する記憶手段と、この記憶手段から背景音データを読み出して前記複数の発音手段から背景音として出力する一方、前記背景音の発音手段間の出力比率を前記ゲーム空間における視点及び視線方向に応じて属性の異なる背景音毎に設定する背景音制御手段とを備えたことを特徴とするビデオゲーム装置。
【請求項2】 前記背景音制御手段は、前記属性に応じて背景音の発音手段間の出力比率を設定する背景音出力手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のビデオゲーム装置。
【請求項3】 前記背景音出力手段は、前記属性に応じて背景音の発音手段間の出力比率を算出する出力比率算出手段と、この出力比率算出手段により算出された出力比率で各発音手段から出力される背景音の音量を設定する音量設定手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載のビデオゲーム装置。
【請求項4】 モニタに表示されるゲーム空間において所定のイベントが実行され、そのイベントの進行に応じて属性の異なる複数の背景音が互いに離間して配置された複数の発音手段から所定の出力比率で出力されるようにしたビデオゲームにおける背景音出力設定方法であって、属性の異なる複数の背景音を背景音データとして記憶する記憶手段から前記背景音データを読み出して前記複数の発音手段から背景音として出力する一方、前記背景音の発音手段間の出力比率を前記ゲーム空間における視点及び視線方向に応じて属性の異なる背景音毎に設定するようにしたことを特徴とするビデオゲームにおける背景音出力設定方法。
【請求項5】 前記属性に応じて背景音の発音手段間の出力比率を算出し、この算出した出力比率で各発音手段から出力される背景音の音量を設定するようにしたことを特徴とする請求項4記載のビデオゲームにおける背景音出力設定方法。
【請求項6】 前記属性は周波数により特徴づけられるものであって、高い周波数の音成分を含む背景音及び低い周波数の音成分を含む背景音については前記出力比率の変動が中間の周波数の音成分を含む背景音に比べて小さくなるように設定され、中間の周波数の音成分を含む背景音については前記出力比率の変動が高い周波数の音成分を含む背景音及び低い周波数の音成分を含む背景音に比べて大きくなるように設定されることを特徴とする請求項4又は5記載のビデオゲームにおける背景音出力設定方法。
【請求項7】 モニタに表示されるゲーム空間において所定のイベントが実行され、そのイベントの進行に応じて属性の異なる複数の背景音が互いに離間して配置された複数の発音手段から所定の出力比率で出力されるようにしたビデオゲームにおける背景音出力設定プログラムであって、属性の異なる複数の背景音を背景音データとして記憶するデータ記憶領域から前記背景音データを読み出して前記複数の発音手段から背景音として出力する一方、前記背景音の発音手段間の出力比率を前記ゲーム空間における視点及び視線方向に応じて属性の異なる背景音毎に設定するようにしたことを特徴とするビデオゲームにおける背景音出力設定プログラムが記録された可読記録媒体。
【請求項8】 前記属性に応じて背景音の発音手段間の出力比率を算出し、この算出した出力比率で各発音手段から出力される背景音の音量を設定するようにしたことを特徴とする請求項7記載のビデオゲームにおける背景音出力設定プログラムが記録された可読記録媒体。
【請求項9】 前記出力比率は、前記発音手段がモニタの左右両側にある場合に前記ゲーム空間における視線方向に対する左右両側に背景音の音源があるものとして算出することを特徴とする請求項7又は8記載のビデオゲームにおける背景音出力設定プログラムが記録された可読記録媒体。
【請求項10】 前記属性は周波数により特徴づけられるものであって、高い周波数の音成分を含む背景音及び低い周波数の音成分を含む背景音については前記出力比率の変動が中間の周波数の音成分を含む背景音に比べて小さくなるように設定され、中間の周波数の音成分を含む背景音については前記出力比率の変動が高い周波数及び低い周波数の音成分を含む背景音に比べて大きくなるように設定されることを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載のビデオゲームにおける背景音出力設定プログラムが記録された可読記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2001−252467(P2001−252467A)
【公開日】平成13年9月18日(2001.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−69272(P2000−69272)
【出願日】平成12年3月13日(2000.3.13)
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】