説明

ビニル単量体とその単量体から誘導される高分子体、およびその高分子体を用いた発光装置

極性の低い有機溶媒に可溶であり、また正孔注入性を高めるためのドーパントを添加しなくても、高い正孔注入性を有する高分子体を提供することを目的とする。そのため、本発明は、下記一般式(1)で表されるビニル単量体を提供する。なお、式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子注入を促す機能をもつ高分子体、並びに該高分子体を合成するための材料として用いるビニル単量体に関する。また、本発明は、該高分子体を用いた発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
映像表示用ディスプレイは、近代生活には欠かせない発光素子の一つであり、いわゆるテレビモニターに始まり、近年急速に発展した液晶ディスプレイや、今後の発展が期待されているEL(Electro Luminescence)ディスプレイなど、用途に合わせて様々な形態をとる。なかでも有機ELディスプレイは、次世代のフラットパネルディスプレイ素子として最も注目されている。
【0003】
有機ELディスプレイを構成する発光素子の発光機構は、電極間に発光性を有する組成物から構成される発光層を設置して電流を流すことにより、陰極から注入された電子および陽極から注入された正孔が発光層の発光中心で再結合して分子励起子を形成し、その分子励起子が基底状態に戻る際に放出する光子を利用するものである。従って、有機薄膜に効率よく正孔と電子を注入することが効率の良い発光素子を作製するための必要条件の一つである。
【0004】
典型的な電界発光素子の動作条件では、元来電気抵抗の高い有機薄膜に100mA/cm前後の電流が注入されている。このような高密度の電流注入を実現するためには、陽極からの正孔注入障壁と陰極からの電子注入障壁を可能な限り小さくする必要がある。すなわち、陰極としては仕事関数の小さな金属を用い、陽極としては逆に仕事関数の大きい電極を選ばなければならない。陰極に関しては、さまざまな金属、あるいは合金を選択することによって、仕事関数を事実上任意に制御することが可能である。これに対し、一般的な発光素子では、陽極には透明性が求められるため、透明な導電性酸化物に限られるのが現状であり、安定性や透明度、抵抗率などを考慮すると、現時点ではインジウム−錫酸化物(以下、ITOと記す)に代表される幾つかの酸化物導電膜を選ばざるを得ない。ITO膜の仕事関数は成膜時の履歴や表面処理によってある程度変化させ、大きくすることができるが、このような手法には限界がある。これが正孔注入障壁を低減させることを阻害している。
【0005】
ITO陽極からの正孔注入障壁を低減させる一つの手法として、ITO膜上にバッファ層を挿入することが知られている。バッファ層のイオン化ポテンシャルを最適化することによって、正孔注入障壁を下げることができる。このようなバッファ層を正孔注入層と言う。正孔注入層として機能するものの代表として、共役高分子が挙げられる。典型的な例としてはポリアニリン(非特許文献1)やポリチオフェン誘導体(非特許文献2)などの共役高分子が知られている。前記した材料を正孔注入層として用いることにより、正孔注入障壁が低減し、効率よく正孔が注入され、その結果、発光素子の効率や寿命が向上し、駆動電圧も低下させることができる。
【0006】
これらの高分子材料では、共役高分子だけでは十分なホール注入性を達成することができず、必ず正孔注入性を高めるためのドーパントが必要となる。ドーパントとしては、ポリ(スチリルスルホン酸)やカンファースルホン酸などの強酸性の物質がよく用いられるが、このような強酸性の物質は、例えばアクティブマトリクス型の表示装置において、発光素子を駆動するためのトランジスタに悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、これらの高分子材料は一般に水あるいは極性の高い溶媒にしか溶解しない。従って、これらの溶剤に、前述の共役高分子材料を溶解して作製した高分子溶液を基板に塗布した後は、減圧下高温で高沸点の該溶媒を溜去する必要がある。この手法では、必ずしも溶媒、特に水を除去することは容易ではなく、残留した溶媒によって素子の劣化が促進されることが考えられる。
【0007】
こうした技術的背景から、正孔注入性を高めるためのドーパントが不要であり、また低沸点、すなわち極性の低い有機溶媒に可溶なホール注入性高分子が求められている。
【0008】
【非特許文献1】Y.Yang,et al.,Appl.Phys.Lett.1994、64、1245−1247
【0009】
【非特許文献2】S.A.Carter,et al.,Appl.Phys.Lett.1997、70、2067−2069
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
極性の低い有機溶媒に可溶であり、また正孔注入性を高めるためのドーパントを添加しなくても、高い正孔注入性を有する高分子体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、正孔注入を促す機能をもつ高分子体(重合体または共重合体)、並びに該高分子体を合成するための材料として用いることのできるビニル単量体を提供するものである。
【0012】
本発明は、下記一般式または構造式(1)〜(5)で表されるビニル単量体を提供するものである。
【0013】

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。)
【0014】

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。)
【0015】

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、式中Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。)
【0016】

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。)
【0017】

【0018】
本発明は、下記一般式または構造式(6)〜(10)で表される重合体を提供するものである。
【0019】

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
【0020】

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
【0021】

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
【0022】

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは2以上の整数である。)
【0023】

(式中、nは2以上の整数である。)
【0024】
本発明は、下記一般式または構造式(11)〜(15)で表される共重合体を提供するものである。
【0025】

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
【0026】

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
【0027】

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
【0028】

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
【0029】

(式中、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
【0030】
上記一般式または構造式(1)〜(5)で表されるビニル単量体において、重合に預かるビニル基は、チオフェンやフラン骨格などの芳香族置換基と共役しているため、重合活性を示す。また、チオフェン環やフラン骨格、ピロール環は電子過剰型ヘテロ芳香環であるため、ビニル基の電子密度は向上している。このため、上記一般式または構造式(1)〜(5)で表されるビニル単量体はラジカル重合やカチオン重合によって容易に重合体を与える。また、上記一般式(1)〜(4)で表されるビニル単量体において、式中Yを水素原子以外の置換基、例えばアルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基とすることにより、溶解性が増す。
【0031】
さらに、上述した単量体では、5員環のヘテロ環に導入されたオキシエチレン基、または直接縮合したベンゼン環のために、ヘテロ環のイオン化ポテンシャルは非常に小さい。このため、該単量体が重合して合成された、一般式または構造式(6)〜(15)で表される重合体および共重合体は、正孔注入性に優れている。なお、式中Yが、アリール基であった場合には、ホール注入性がさらに向上する。また、一般式または構造式(6)〜(10)で表される重合体において、耐熱性の向上という観点から、nは好ましくは10以上の整数である。さらに、一般式または構造式(11)〜(15)で表される共重合体において、耐熱性の向上という観点から、nとmの和は好ましくは10以上の整数である(但しnは1以上の整数である)。
【0032】
特に構造式(15)で表される共重合体においては、構造式(5)であらわされるビニル単量体と、正孔輸送性を有する物質であるビニルカルバゾールとが共重合していることにより、より優れた正孔注入性を示す。なお、ビニルカルバゾール以外のアリールアミンを側鎖にもつ物質を用いることができる。例えば、一般式(13)で表される共重合体であって、Rを水素原子とし、Rは下記構造式(16)、(17)、(18)、(19)のいずれかひとつで表される物質が挙げられる。


【0033】
本発明の別の構成は、上記一般式または構造式(6)〜(15)で表される重合体、または共重合体を有する発光素子である。
【0034】
より具体的には、上記一般式または構造式(6)〜(15)で表される重合体、または共重合体を正孔注入層として用いている発光素子である。
【0035】
上記一般式または構造式(6)〜(15)で表される重合体または共重合体は、正孔注入性に優れている。このため、正孔注入性を高めるための強酸性のドーパントを添加する必要がない。また、極性の低い有機溶媒(低沸点の有機溶媒)にも可溶であり、一般に発光素子の劣化を促す原因物質とされている水などを溶媒として用いる必要がない。
【発明の効果】
【0036】
本発明により、正孔注入性を促すためのドーパントを添加する必要のない正孔注入材料を提供することができる。また、極性の低い有機溶媒に可溶である正孔注入材料を提供することができる。従って、本発明の重合体または共重合体を用いた発光素子においては、水に起因した発光素子の劣化を抑制することができる。さらに、該発光素子を用いたアクティブマトリクス型のEL表示装置においては、強酸性のドーパントに起因したトランジスタの不良を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
[図1]図1は、本発明の高分子体を用いた発光素子について説明する図である。
[図2]図2は、本発明の高分子体からなる層を一部に用いた発光装置について説明する図である。
[図3]図3は、本発明を適用した電子機器について説明する図である。
[図4]図4は、本発明の発光素子の輝度−電圧特性について説明する図である。
【符号の説明】
【0038】
11基板、12陽極、13正孔注入材料、14正孔輸送材料、15発光層、16電子輸送層、17陰極、401ソース側駆動回路、402画素部、403ゲート側駆動回路、404封止基板、405シール材、407空間、408配線、409FPC、410基板、423nチャネル型TFT、424pチャネル型TFT、411スイッチング用TFT、412電流制御用TFT、413電極、414絶縁物、416層、417電極、418発光素子、5501筐体、5502支持台、5503表示部、5511本体、5512表示部、5513音声入力、5514操作スイッチ、5515バッテリー、5516受像部、5521本体、5522筐体、5523表示部、5524キーボード、5531本体、5532スタイラス、5533表示部、5534操作ボタン、5535外部インターフェイス、5551本体、5552表示部(A)、5553接眼部、5554操作スイッチ、5555表示部(B)、5556バッテリー、5561本体、5562音声出力部、5563マイク、5564表示部、5565操作スイッチ、5566アンテナ
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
本実施の形態では、上記一般式または構造式(6)から(15)で示される化合物を用いた発光素子の基本構造を、図1を用いて説明する。なお、本発明の実施で示す素子構造は、陰極と陽極間に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層を設けたものであるが、本発明はこれに限定するものではなく、種々の発光素子構造、例えば、陽極/正孔注入層/発光層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/陰極等の構造でも構わない。これらの発光素子において、正孔注入層、正孔輸送層、または発光層に前記化合物を用いることができる。
【0040】
図1において、11は発光素子を支持する基板であり、ガラス、石英、透明プラスチックなどからなるものを用いることができる。12は陽極であり、仕事関数の大きい(仕事関数4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。なお、陽極材料の具体例としては、ITO、酸化インジウムに2〜20%の酸化亜鉛(ZnO)を混合したIZO(indium zinc oxide)の他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、または金属材料の窒化物(TiN)等を用いることができる。
【0041】
13は正孔注入材料であり、本発明で提唱する材料、すなわち一般式または構造式(6)から(15)に示す材料を用いることとする。14は正孔輸送材料であり、公知の材料を用いることができる。典型的な例としては、芳香族アミン系化合物であり、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(以下、α−NPDと示す)や、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン(以下、TDATAと示す)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(以下、MTDATAと示す)などのスターバースト型芳香族アミン化合物が挙げられる。15は発光層であり、既知のものでも良く、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Alqと示す)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(以下、Almqと示す)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[η]−キノリナト)ベリリウム(以下、BeBqと示す)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−(4−ヒドロキシ−ビフェニリル)−アルミニウム(以下、BAlqと示す)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾオキサゾラト]亜鉛(以下、Zn(BOX)と示す)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)−ベンゾチアゾラト]亜鉛(以下、Zn(BTZ)と示す)などの金属錯体の他、各種蛍光色素が有効である。なお、16は電子輸送層であり、公知材料を使用することが可能である。具体的には、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体(以下、Alqと記す)に代表されるような、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体やその混合配位子錯体などが好ましい。さらに、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(以下、PBDと示す)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(以下、OXD−7と示す)などのオキサジアゾール誘導体、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(以下、TAZと示す)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(以下、p−EtTAZと示す)などのトリアゾール誘導体、バソフェナントロリン(以下、BPhenと示す)、バソキュプロイン(以下、BCPと示す)などのフェナントロリン誘導体を用いることができる。
【0042】
図1で示した素子においては、これらの各機能層の上に陰極17が形成される。陰極としては仕事関数の小さい金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などがよい。具体的には、1族または2族の典型元素、すなわちLiやCs等のアルカリ金属、およびMg、Ca、Sr等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(Mg:Ag、Al:Li)や化合物(LiF、CsF、CaF)の他、希土類金属を含む遷移金属を用いて形成することができるが、Al、Ag、ITO等の金属(合金を含む)との積層により形成することもできる。
【0043】
なお、上述した陽極材料及び陰極材料は、蒸着法、スパッタリング法等によって形成される。
【0044】
図1に示した発光素子の電極間が通電することにより、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔が再結合し、発光に至る。
【実施例1】
【0045】
(合成例1)
本合成例では、構造式(5)で示される化合物、2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェンの合成について述べる。合成スキーム(a)を次に示す。
【0046】

【0047】
窒素雰囲下、3、4−エチレンジオキシチオフェン(13.8g、0.1mol)の乾燥テトラヒドロフラン(130mL)溶液に−78℃で1.58Nのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(158mL、0.1mol)を滴下した。滴下終了後、−78℃にて45分間攪拌した。この懸濁液に乾燥DMF(7.3g、0.1mol)を加えたのち、反応混合物を45℃で2時間加熱した。反応混合物に1NのHClを約100mL加え、さらに10分間攪拌を続けた。反応溶液をエーテルで抽出し、エーテルを溜去した。残渣をヘキサンによって再結晶することによって、2−ホルミル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(合成スキーム(a)中、化合物A、13.21g、収率84%)を得た。
【0048】
窒素雰囲気下、ヨウ化メチルトリフェニルホスホニウム塩(78mmol)の乾燥THF溶液に、1.58Nのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(49mL、78mmol)を−40℃で滴下した。滴下終了後−78℃に冷却し、これに2−ホルミル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(合成スキーム(a)中、化合物A)の乾燥THF溶液(70mL)を加えた。この後反応混合物を室温に戻し、24時間攪拌した。反応混合物をエーテルで抽出し、エーテルを溜去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル)で精製することによって、構造式(5)で表される2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(合成スキーム(a)中、化合物B、6.93g、58%)を得た。化合物BのNMRデータを以下に示す。H NMR(300MHz、CDCl)δ 6.70(dd、J=11、18Hz、1H)、6.18(s、1H)、5.48(q、J=18Hz、1H)、5.06(d、J=11Hz1H)、4.18−4.25(m、4H)。
【0049】
(合成例2)
本合成例では、構造式(5)で表される2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェンの単独重合例について説明する。合成スキーム(b)を以下に示す。
【0050】

【0051】
窒素下、2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(1.3g)をトルエン1mLに溶解し、トルエン1mLに溶解したアゾビスイロブチロニトリル(32.8mg)を加えた。反応溶液を60℃で24時間放置した。反応溶液を過剰のエタノールへ投入し、生成した沈殿をろ過、乾燥することにより、対応する重合体、ポリ(2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン)を得た。収量50mg(収率36%)。なお、この化合物の窒素雰囲気下における分解温度は340℃、ガラス転移温度は158℃であった。イオン化ポテンシャルは5.60eVであった。
【0052】
(合成例3)
本合成例では、構造式(5)で表される2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェンとN−ビニルカルバゾールとの溶液中における共重合例について説明する。合成スキーム(c)を以下に示す。
【0053】

【0054】
窒素下、2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(0.4mmol)とN−ビニルカルバゾール(3.6mmol)をトルエン1mLに溶解し、トルエン1mLに溶解したアゾビスイロブチロニトリル(0.2mmol)を加えた。反応溶液を60℃で24時間放置した。反応溶液を過剰のメタノールへ投入し、生成した沈殿をろ過、乾燥することにより、一般式(15)で示されるポリマー、ポリ(2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン−co−N−ビニルカルバゾール)を得た。収量79mg(収率32%)。なお、この共重合体の窒素雰囲気下における5%重量減少温度は190℃であった。また、示差走査熱量測定(DSC測定)では、この温度以下においてガラス転移点を示さなかった。
【0055】
(合成例4)
本合成例では、構造式(5)で表される2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェンとN−ビニルカルバゾールとのバルク共重合例について説明する。合成スキーム(d)を以下に示す。
【0056】

【0057】
窒素下、2−エテニル−3,4−エチレンジオキシチオフェン(0.57mmol)とN−ビニルカルバゾール(5.24mmol)にアゾビスイソブチルニトリル(0.29mmol)を加え、80℃にて48時間反応を行った。生成したポリマーをメタノールによって再沈殿することにより、一般式(15)で示される共重合体を単離した。収量230mg(収率21%)。
【実施例2】
【0058】
上記合成例で得られた共重合体をホール注入層として用いた発光素子の作製例、および素子特性を示す。
【0059】
ガラス基板上に成膜されたITO上に、構造式(15)で表される共重合体をクロロホルムに溶解した溶液を、スピンコート法により、塗布して共重合体膜を成膜し、正孔注入層とした。この上にホール輸送材料であるN,N’−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(以下、NPBと記す)を真空蒸着法によって成膜し、正孔輸送層とした。さらにトリス(8−キノリラト)アルミニウム錯体(以下、Alqと記す)を真空蒸着し、発光層とした。さらにAlとLiを共蒸着して陰極を成膜した。
【0060】
以上のようにして作製した発光素子の電圧(V)−輝度(Cd/m)特性を図4に示す。本発明の発光素子は、図4中の(a)で示すように、4.8Vより発光を開始し、発光効率4.0cd/Aで緑色発光が得られた。一方、高分子系ホール注入材料としてポリ(N−ビニルカルバゾール)、ホール輸送材料としてNPBを用いた場合、図4中の(b)で示すように、発光開始電圧は12.0Vであり、構造式(15)で表される本発明の共重合体の方が発光開始電圧が非常に低いことが分かる。このことは、構造式(15)で示される構造の有用性を示している。なお、低分子系の正孔注入層として最も頻繁に用いられる銅フタロシアニンをホール注入材料として、ホール輸送材料としてNPBを用いた場合、図4中(c)で示すように、発光開始電圧は5.4Vである。すなわち、本発明の正孔注入材料は銅フタロシアニンと同程度のホール注入性を示すことが分かった。
【実施例3】
【0061】
本実施例では、画素部に本発明の発光素子を有する発光装置について図2を用いて説明する。なお、図2(A)は、発光装置を示す上面図、図2(B)は図2(A)をA−A’で切断した断面図である。点線で示された401は駆動回路部(ソース側駆動回路)、402は画素部、403は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また、404は封止基板、405はシール材であり、シール材405で囲まれた内側は、空間407になっている。
【0062】
なお、ソース側駆動回路401及びゲート側駆動回路403に入力される信号を伝送するための配線408は、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)409からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていてもよい。本実施例における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
【0063】
次に、断面構造について図2(B)を用いて説明する。素子基板410上には駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路401と、画素部402が示されている。
【0064】
なお、ソース側駆動回路401はnチャネル型TFT423とpチャネル型TFT424とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、公知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。
【0065】
また、画素部402はスイッチング用TFT411と、電流制御用TFT412とそのドレインに電気的に接続された第1の電極413とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極413の端部を覆って絶縁物414が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
【0066】
また、カバレッジを良好なものとするため、絶縁物414の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物414の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物414の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物414として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
【0067】
第1の電極413上には、発光物質を含む層416、および第2の電極417がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極413に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)膜、インジウム亜鉛酸化物(IZO)膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
【0068】
また、発光物質を含む層416は、蒸着マスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法によって形成される。発光物質を含む層416には、本発明の有機化合物をその一部に用いることとする。その他、発光物質を含む層416に、用いることのできる材料としては、低分子系材料であっても高分子系材料であってもよい。また、発光物質を含む層416に用いる材料としては、通常、有機化合物を単層もしくは積層で用いる場合が多いが、本実施例においては、有機化合物からなる膜の一部に無機化合物を用いる構成も含めることとする。
【0069】
なお、複数の色からなる表示画像を得たい場合には、マスクや隔壁層などを利用し、本発明の有機化合物を発光物質として含む層を、発光色の異なるものごとにそれぞれ分離して形成すればよい。この場合、各発光色を呈する発光物質を含む層ごとに、異なる積層構造を有してもよい。
【0070】
さらに、発光物質を含む層416上に形成される第2の電極(陰極)417に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金MgAg、MgIn、Al−Li、CaF、またはCaN)を用いればよい。なお、発光物質を含む層416で生じた光が第2の電極417を透過する場合には、第2の電極(陰極)417として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO(インジウム錫酸化物)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In−ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのがよい。
【0071】
さらにシール材405で封止基板404を素子基板410と貼り合わせることにより、素子基板410、封止基板404、およびシール材405で囲まれた空間407に発光素子418が備えられた構造になっている。なお、空間407には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材405で充填される構成も含むものとする。
【0072】
なお、シール材405にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板404に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
【0073】
以上のような、本発明の発光素子を有する発光装置においては、水または強酸性物質などに起因した不良が抑制されており、良好な表示画像を得ることができる。
【実施例4】
【0074】
本実施例では、本発明を適用した電子機器について、図3を用いて説明する。本発明を適用することにより、例えば下記に示すような電子機器において、水あるいは強酸性物質に起因した不良が抑制された、良好な表示画像を得ることができる。
【0075】
図3(A)は表示装置であり、筐体5501、支持台5502、表示部5503を含む。実施例3に示した発光装置を表示装置に組み込むことで表示装置を完成できる。
【0076】
図3(B)はビデオカメラであり、本体5511、表示部5512、音声入力5513、操作スイッチ5514、バッテリー5515、受像部5516などによって構成されている。実施例3に示した発光装置をビデオカメラに組み込むことで表示装置を完成できる。
【0077】
図3(C)は、本発明を適用して作製したノート型のパーソナルコンピュータであり、本体5521、筐体5522、表示部5523、キーボード5524などによって構成されている。実施例3に示した発光装置をパーソナルコンピュータに組み込むことで表示装置を完成できる。
【0078】
図3(D)は、本発明を適用して作製した携帯情報端末(PDA)であり、本体5531には表示部5533と、外部インターフェイス5535と、操作ボタン5534等が設けられている。また操作用の付属品としてスタイラス5532がある。実施例3に示した発光装置を携帯情報端末(PDA)に組み込むことで表示装置を完成できる。
【0079】
図3(E)はデジタルカメラであり、本体5551、表示部(A)5552、接眼部5553、操作スイッチ5554、表示部(B)5555、バッテリー5556などによって構成されている。実施例3に示した発光装置をデジタルビデオカメラに組み込むことで表示装置を完成できる。
【0080】
図3(F)は、本発明を適用して作製した携帯電話である。本体5561には表示部5564と、音声出力部5562、マイク5563、操作スイッチ5565、アンテナ5566等が設けられている。実施例3に示した発光装置を携帯電話に組み込むことで表示装置を完成できる。
【0081】
以上の様に、本発明を実施して得た発光装置は、あらゆる電子機器の表示部として用いても良い。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で表されるビニル単量体。

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。)
【請求項2】
一般式(2)で表されるビニル単量体。

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。)
【請求項3】
一般式(3)で表されるビニル単量体。

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、式中Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。)
【請求項4】
一般式(4)で表されるビニル単量体。

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。)
【請求項5】
構造式(5)で表されるビニル単量体。

【請求項6】
一般式(6)で表される重合体。

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは1以上の整数である。)
【請求項7】
一般式(7)で表される重合体。

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは1以上の整数である。)
【請求項8】
一般式(8)で表される重合体。

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、nは1以上の整数である。)
【請求項9】
一般式(9)で表される重合体。

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、nは1以上の整数である。)
【請求項10】
構造式(10)で表される重合体。

(式中、nは1以上の整数である。)
【請求項11】
一般式(11)で表される共重合体。

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
【請求項12】
一般式(12)で表される共重合体。

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
【請求項13】
一般式(13)で表される共重合体。

(式中、Xは、酸素原子(O)または硫黄原子(S)のいずれかひとつを表す。また、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
【請求項14】
一般式(14)で表される共重合体。

(式中、Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキル基またはアリール基を置換基として有するシリル基のいずれかひとつを表す。また、Zは、水素原子、またはアルキル基、または無置換または置換基を有するアリール基のいずれかひとつを表す。また、Rは、水素原子またはアルキル基を表す。また、Rは、無置換または置換基を有するアリール基、エステル基、シアノ基、アミド基、アルコキシ基、オキシカルボニルアルキル基、ジアリールアミノ基のいずれかひとつを表す。また、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
【請求項15】
構造式(15)で表される共重合体。

(式中、nおよびmは、それぞれ1以上の整数である。)
【請求項16】
請求項6に記載の重合体を有する発光素子。
【請求項17】
請求項7に記載の重合体を有する発光素子。
【請求項18】
請求項8に記載の重合体を有する発光素子。
【請求項19】
請求項9に記載の重合体を有する発光素子。
【請求項20】
請求項10に記載の重合体を有する発光素子。
【請求項21】
請求項11に記載の共重合体を有する発光素子。
【請求項22】
請求項12に記載の共重合体を有する発光素子。
【請求項23】
請求項13に記載の共重合体を有する発光素子。
【請求項24】
請求項14に記載の共重合体を有する発光素子。
【請求項25】
請求項15に記載の共重合体を有する発光素子。
【請求項26】
請求項6に記載の重合体を正孔注入層として用いている発光素子。
【請求項27】
請求項7に記載の重合体を正孔注入層として用いている発光素子。
【請求項28】
請求項8に記載の重合体を正孔注入層として用いている発光素子。
【請求項29】
請求項9に記載の重合体を正孔注入層として用いている発光素子。
【請求項30】
請求項10に記載の重合体を正孔注入層として用いている発光素子。
【請求項31】
請求項11に記載の共重合体を正孔注入層として用いている発光素子。
【請求項32】
請求項12に記載の共重合体を正孔注入層として用いている発光素子。
【請求項33】
請求項13に記載の共重合体を正孔注入層として用いている発光素子。
【請求項34】
請求項14に記載の共重合体を正孔注入層として用いている発光素子。
【請求項35】
請求項15に記載の共重合体を正孔注入層として用いている発光素子。

【国際公開番号】WO2005/010063
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【発行日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−511996(P2005−511996)
【国際出願番号】PCT/JP2004/009842
【国際出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】