説明

ビマトプロストの結晶およびその製造方法と用途

本発明は、式Iに示されるビマトプロストの結晶型Aおよびその製造方法と用途を公開した。前述結晶型Aの粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下述の2θ角:3.2±0.2°、5.5±0.2°、11.4±0.2°、16.7±0.2°、17.6±0.2°、19.9±0.2°、20.8±0.2°、および22.8±0.2°に特徴的ピークがある。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学製薬分野に、さらに新規なビマトプロストの結晶およびその製造方法と用途に関する。
【背景技術】
【0002】
PGF2a類似物である(Z)-7-[(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-[(E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エニル]シクロペンチル]-N-エチルヘプト-5-エンアミド(Bimatoprost、ビマトプロスト)は既に、他の眼圧降下剤に耐えられない或いは感度が充分ではない開放隅角緑内障および高眼圧症の患者の眼内圧を降下させるために用いられている。同時に、美容の面でもその応用が期待されている。なかでは、US2007282006A1では、ビマトプロストが睫毛と髪の増加促進作用を有すること、かつWO2007111806A2では、ビマトプロストがダイエット作用を有することが報告された。この化合物の合成方法について、US7166730B2、US7157590B2、WO2005058812などの特許では詳細に報告されたが、当該化合物の結晶型に関する研究や報告が少なく、US2009/016359A1だけで一つの結晶型(結晶型Bと呼ぶ。図1を参照)が公開され、その粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下述の2θ角:5.4、6.2、10.9、11.3、13.7、16.6、17.5、18.3、18.6、18.9、19.4、19.7、19.9、20.7、20.9、21.6、22.7および28.2に特徴的ピークがある。
【0003】
従来技術では、結晶のビマトプロストが低温条件で酢酸エチル、酢酸-t-ブチル、塩化メチレン、メチル-iso-ブチルケトンなどの溶媒に溶解しにくい故、従来技術の結晶の場合、溶媒の沸騰点に近い又は沸騰点の温度で溶解させた後、冷却して結晶させる。例えば、US2009/016359A1では、結晶型Bを製造する方法が提供されたが、主にビマトプロストを酢酸エチル、酢酸-t-ブチル、塩化メチレン、メチル-iso-ブチルケトン、トルエン、アセトニトリル、エチルエーテル、n-ヘプタン、メチル-t-ブチルエーテルなどの単一の溶媒、或いはこれらの溶媒とエーテル類(エチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテルやiso-プロピルエーテル)との混合溶媒に、沸騰点に近い又は沸騰点の温度で溶解させ、温度を降下させて結晶させることによって製造する。しかしながら、この方法はビマトプロストの安定性に不利で、温度が高ければ、ビマトプロストが分解しやすくなるため、低温で溶解して結晶させる方法が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US2007282006A1
【特許文献2】WO2007111806A2
【特許文献3】US7166730B2
【特許文献4】US7157590B2
【特許文献5】WO2005058812
【特許文献6】US2009/016359A1
【特許文献7】US2009/016359A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、新規なビマトプロストの結晶を提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は、前述新規なビマトプロストの結晶の製造方法を提供することにある。
【0007】
さらに、本発明の目的は、前述新規なビマトプロストの結晶の用途を提供することにある。
【0008】
本発明の第四の目的は、新規なビマトプロストの結晶を含む薬物組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第一は、構造が式Iに示すように、粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下述の2θ角:3.2±0.2°、19.9±0.2°、20.8±0.2°、および22.8±0.2°に特徴的ピークがある、ビマトプロストの結晶型Aを提供する。
【0010】
【化1】

【0011】
好ましくは、前述結晶型Aの粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下述の2θ角:5.5±0.2°、11.4±0.2°、16.7±0.2°、および17.6±0.2°に特徴的ピークがある。
【0012】
より好ましくは、前述結晶型Aの粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下述の2θ角:6.3±0.2°、8.3±0.2°、9.5±0.2°、10.9±0.2°、12.6±0.2°、13.8±0.2°、18.4±0.2°、19.0±0.2°、21.7±0.2°、23.9±0.2°、26.2±0.2°、27.7±0.2°、28.3±0.2°、30.4±0.2°、32.4±0.2°、35.3±0.2°に特徴的ピークがある。
【0013】
他の好ましい例において、前述結晶型Aの粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下述の2θ±0.1°反射角:19.9、20.8および22.8にピークがある。好ましくは、前述結晶型Aの粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下述の2θ±0.1°反射角:3.2、5.5、11.4、16.7および17.6にピークがある。より好ましくは、前述結晶型Aの粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下述の2θ±0.1°反射角:6.3、8.3、9.5、10.9、12.6、13.8、18.4、19.0、21.7、23.9、26.2、27.7、28.3、30.4、32.4、35.3にピークがある。
【0014】
本発明によって提供されるビマトプロストの結晶型Aは、示差走査熱量分析チャート(DSC)において、66.5-70.5℃で最大のピーク値がある。より好ましくは、前述結晶型Aは図3に示される示差走査熱量分析チャート(DSC)を有する。
【0015】
本発明によって提供されるビマトプロストの結晶型Aは、図4に示される赤外スペクトルを有する。
【0016】
本発明の第二は、(1)式Iに示される油状物のビマトプロストと、アセトン、ブタノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-iso-プロピル、酢酸-t-ブチル、塩化メチレン、およびiso-プロピルアルコールから選ばれる一種の溶媒とを混合し、溶液1を得る工程、
(2)溶液1とペンタン、ヘキサン、ヘプタン、および石油エーテルから選ばれる一種又は一種以上の非極性溶媒とを混合し、溶液2を得る工程、および
(3)溶液2を撹拌し、上述のような本発明のビマトプロストの結晶型Aを得る工程、
を含む、上述のような本発明のビマトプロストの結晶型Aの製造方法を提供する。
【0017】
好ましくは、工程(1)において、前述混合の温度は10〜30℃である。
【0018】
好ましくは、工程(2)において、前述撹拌時間は1〜50時間である。
【0019】
好ましくは、工程(3)において、前述撹拌温度は-25〜10℃である。より好ましくは、工程(3)において、前述撹拌の温度は-25℃、-10℃、0℃、5℃、或いは10℃である。
【0020】
好ましくは、工程(1)において、前述式Iに示される化合物のビマトプロストと溶媒との混合比率は1:5〜100で、溶液1を得る。
【0021】
好ましくは、工程(2)において、溶液1と非極性溶媒との混合比率は0.3〜2:1である。
【0022】
他の好ましい例において、工程(1)における前述の油状物のビマトプロストは、式Iに示されるビマトプロストとC1〜C4の直鎖又は分枝のアルキルアルコールであるアルコール系溶媒とを混合した後、溶媒がなくなるまで濃縮することによって得られる。
【0023】
本発明の第三は、上述のような本発明のビマトプロストの結晶型Aの、緑内障を治療する薬物の製造のための用途を提供する。
【0024】
本発明の第四は、上述のような本発明のビマトプロストの結晶型Aと薬学的に許容される担体とを含む薬物組成物を提供する。
【0025】
本発明の第五は、上述のような本発明のビマトプロストの結晶型Aと薬学的に許容される担体とを混合し、上述のような本発明の薬物組成物を得る工程、を含む上述のような本発明の薬物組成物の製造方法を提供する。
【0026】
よって、本発明は安定性が良く、かつ低温で溶解して結晶を得ることができる新規なビマトプロストの結晶を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】US2009/016359A1で公開された結晶型Bの粉末X線回折スペクトルを示すものである。
【図2】本発明で製造したビマトプロストの結晶型Aの粉末X線回折スペクトルを示すものである。
【図3】本発明で製造したビマトプロストの結晶型Aの示差走査熱量分析チャート(DSC)を示すものである。
【図4】本発明で製造したビマトプロストの結晶型Aの赤外スペクトルを示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明者らは、実験を繰り返したところ、ビマトプロストを低温でアルコール系溶媒に溶解させた後、低温で溶媒がなくなるまで減圧で濃縮し、油状物のビマトプロストが得られ、さらに低温でアセトン、ブタノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-iso-プロピル、酢酸-t-ブチル、塩化メチレン、或いはiso-プロピルアルコールに溶解させ、最後に非極性溶媒を入れて温度を降下させ、結晶させる。それで、好適に高温溶解による欠陥を避け、また省エネルギーにもなる。
【0029】
ここで用いられるように、「式I化合物」或いは「ビマトプロスト」は置き換えて使用してもよく、両者ともPGF2a類似物である(Z)-7-[(1R,2R,3R,5S)-3,5-ジヒドロキシ-2-[(E,3S)-3-ヒドロキシ-5-フェニルペント-1-エニル]シクロペンチル]-N-エチルヘプト-5-エンアミドを指すが、構造は以下の通りである。
【0030】
【化2】

【0031】
本発明において、式I化合物とはビマトプロストのことで、本分野の通常の方法で得られる。
【0032】
ビマトプロストの結晶型Aの製造方法
発明者らは深く研究したところ、油状物のビマトプロストが低温でアセトン、ブタノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-iso-プロピル、酢酸-t-ブチル、塩化メチレン或いはiso-プロピルアルコールと混合して均相の溶液を形成した後、非極性溶媒のペンタン、ヘキサン、ヘプタン、或いは石油エーテル又はこれらの混合物でビマトプロスト溶液を希釈してから、結晶させ、同時に結晶温度、モル濃度、冷却速度或いは撹拌状況、結晶時間などの要素を変えることによって、ビマトプロストがいずれの条件でも単一の結晶型Aが析出することを発見し、さらに結晶型Aがもう一種の安定した結晶型で、且つこのような方法の結晶収率が高いことが証明された。
【0033】
これに基づき、発明者らがこの発明を完成した。本発明は、下述の工程を含む前述のビマトプロストの結晶を製造する方法を提供する。
(1)式Iに示されるようなビマトプロストとアルコール系溶媒とを混合し、溶液aを得る。
(2)溶液aを溶媒がなくなるまで減圧で濃縮することによって、油状物のビマトプロストを得る。
(3)油状物のビマトプロストと極性溶媒とを混合し、溶液bを得る。
(4)溶液bと非極性溶媒とを混合し、溶液cを得る。
(5)溶液cを撹拌し、本発明のビマトプロストの結晶型Aを得る。
【0034】
ここで、工程(1)のビマトプロストは結晶質或いは非晶質である。
【0035】
ここで、工程(1)において、前述のアルコール系溶媒はC1〜C4の直鎖又は分枝のアルキルアルコールで、好ましくはメタノール、エタノールおよびiso-プロピルアルコールである。
【0036】
ここで、工程(1)において、ビマトプロストと溶媒の混合温度は10〜30℃、好ましくは20〜30℃である。
【0037】
ここで、工程(2)において、減圧濃縮温度は10〜30℃、好ましくは20〜30℃である。
【0038】
ここで、工程(3)において、前述の極性溶媒はアセトン、ブタノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-iso-プロピル、酢酸-t-ブチル、塩化メチレン、或いはiso-プロピルアルコールから選ばれる一種で、好ましくはアセトン、酢酸エチル、塩化メチレン、或いはiso-プロピルアルコールである。
【0039】
ここで、工程(3)において、ビマトプロストと溶媒の混合温度は10〜30℃、好ましくは20〜30℃である。
【0040】
ここで、工程(3)において、油状物のビマトプロストと溶媒の混合比率は1:5〜100(m:v)である。
【0041】
ここで、工程(4)において、非極性溶媒はペンタン、ヘキサン、ヘプタン、或いは石油エーテルから選ばれる一種又はこれらの混合物で、好ましくはヘキサン、ヘプタン、および石油エーテルである。
【0042】
ここで、工程(4)において、溶液bと非極性溶媒との混合比率は0.3〜2:1(v:v)である。
【0043】
ここで、工程(5)において、撹拌時間は1〜50hで、好ましくは10〜25hである。
【0044】
ここで、工程(5)において、撹拌温度は-25〜10℃で、好ましくは-10〜5℃である。
【0045】
結晶が完成したら、ろ過、溶媒の除去、或いは他の方法で、好ましくはろ過で結晶を分離する。さらに、必要によって、結晶を洗浄し、本分野で既知の方法で乾燥させる。
【0046】
原料が油状物のビマトプロストの場合、工程3からはじめればよい。(具体的に、実施例4、5、10、13を参照)。
【0047】
ビマトプロストの結晶型Aの同定および性質
本発明者らはビマトプロストの結晶型Aを得た後、さらに複数の手段でその性質を検討した。
【0048】
「粉末X線回折」は、「X線多晶回折(XRPD)」とも呼ばれ、現在結晶構造(すなわち結晶型)を測定する場合よく使われる試験方法である。粉末X線回折装置を用いて、X線が結晶を透過するとき一連の回折スペクトルが生じ、そのスペクトルにおいて回折線およびその強度はそれぞれある構造の原子団で決められるため、結晶の具体的な結晶型構造が確定できる。
【0049】
結晶の粉末X線回折を測定する方法は、本分野では既知である。例えば、Bruker D8 Advanced型の粉末X線回折装置を使用し、2°/分の走査速度で、銅輻射ターゲットでスペクトルを得る。
【0050】
本発明のビマトプロストの結晶型Aは特定の結晶の様態を持ち、粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて特定の特徴的ピークを有する。具体的に、本発明のビマトプロストの結晶型Aの粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下述の2θ角:3.2±0.2°、19.9±0.2°、20.8±0.2°、および22.8±0.2°に特徴的ピークがある。一つの好ましい実施形態では、そのスペクトルにおいてさらに下述の2θ角:5.5±0.2°、11.4±0.2°、16.7±0.2°および17.6±0.2°に特徴的ピークがある。もう一つの好ましい実施形態では、そのスペクトルにおいてさらに下述の2θ角:6.3±0.2°、8.3±0.2°、9.5±0.2°、10.9±0.2°、12.6±0.2°、13.8±0.2°、18.4±0.2°、19.0±0.2°、21.7±0.2°、23.9±0.2°、26.2±0.2°、27.7±0.2°、28.3±0.2°、30.4±0.2°、32.4±0.2°、35.3±0.2°に特徴的ピークがある。より好ましくは、前述ビマトプロストの結晶型Aは図2と基本的に一致する粉末X線回折(XRPD)スペクトルを有する。
【0051】
本発明のビマトプロストの結晶型Aの粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて2θ反射角でのピークは特別な特徴で、US2009/016359A1で報告された結晶型Bの粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて2θ反射角での特徴的ピークとは顕著な違いがある。スペクトルの吸収強度および2θ角の比較では、以下の通りである。(1)本発明で製造した結晶型Aに中等強度の3.2±0.2°の特徴的吸収ピークがあるが、US2009/016359A1で報告された結晶型Bにはその吸収ピークがない。(2)結晶型Aにおける5.5±0.2°の特徴的な吸収強度は中等吸収強度であるが、結晶型Bでは最強の特徴的吸収ピークである。(3)結晶型Aにおける19.9±0.2°の最強の特徴的吸収ピークは、結晶型Bでは第二特徴的吸収強度の19.4±0.2°、19.7±0.2°および19.9±0.2°の三つに分かれる。(4)結晶型Aにおける20.8±0.2°の第二特徴的吸収ピークは、結晶型Bでは第三特徴的吸収強度の20.7±0.2°および20.9±0.2°の二つに分かれる。(5)結晶型Aにおける16.7±0.2°和17.6±0.2°の低強度特徴的吸収ピークは、結晶型Bではいずれも多重ピークに分かれる。(6)結晶型Aにおける30.4±0.2°、32.4±0.2°および35.3±0.2°の低強度特徴的吸収ピークは、結晶型Bではそのような吸収が示されない。
【0052】
「示差走査熱量分析」は、「示差走査熱量測定」(DSC)とも呼ばれ、加熱の過程において被測物質と参照物の間のエネルギー差と温度の関係を測定する技術である。DSCチャートにおけるピークの位置、形状およびピークの数は物質の性質に関連するため、定性的に物質を同定することができる。本分野では、この方法がよく物質の相転移温度、ガラス転移温度、反応熱などの複数のパラメーターの測定に用いられる。
【0053】
DSCの測定方法は、本分野では既知である。例えば、DSC Q20示差走査熱量分析装置を使用し、10℃/分の昇温速度で25℃から300℃に昇温させ、結晶のDSC走査チャートを得る。
【0054】
本発明の一つの実施形態において、DSCで測定した本発明の方法で得たビマトプロストの結晶型Aは66.5-70.5℃で最大のピーク値があり、好ましくは本発明のビマトプロストの結晶型Aは図3と基本的に一致するDSCチャートを有し、より好ましくは67.91℃で最大のピーク値がある。
【0055】
赤外スペクトル法(IR)でも結晶構造を同定することができ、その測定方法は本分野では既知である。例えば、PE Spectrum One Bを使用し、KBr:サンプル=200:1で圧力をかけて板とし、400〜4000cm-1の範囲で走査する。本発明のビマトプロストの結晶型Aの赤外スペクトルは、以下の波数:3415.03 cm-1、3326.69 cm-1、3085.84 cm-1、2914.06 cm-1、2865.73 cm-1、1619.61 cm-1、1546.22 cm-1、1496.54 cm-1、1455.38 cm-1、1372.19 cm-1、1346.23 cm-1、1317.02 cm-1、1290.25 cm-1、1248.99 cm-1、1151.57 cm-1、1097.45 cm-1、1054.67 cm-1、1027.58 cm-1、975.78 cm-1、920.47 cm-1、859.10 cm-1、698.34 cm-1、596.08 cm-1に特徴的ピークがある。好ましくは図4と基本的に一致する赤外スペクトルを有する。
【0056】
本発明のビマトプロストの結晶型Aは特定の安定性を有し、保存に有利である。発明者らは安定性試験で本発明の方法で製造した結晶型Aと従来技術による結晶型Bの安定性を比較した。データによると、結晶型Aは40℃で密封して4日間保存しても顕著な分解がなかったが、結晶型Bは顕著に分解した。その分解物は化合物IIおよび化合物IIIである。これは、本発明の方法で製造した結晶型Aは、安定性が従来技術で製造した結晶型Bより優れたことを証明した。
【0057】
【化3】

【0058】
ビマトプロストの結晶型Aの用途およびその組成物
本発明で製造するビマトプロストの結晶型Aは優れた安定性を持ち、保存と使用が便利で、且つ純度が高いため、原薬として提供する、或いは緑内障を治療する薬物の製造に用いることができる。
【0059】
そのため、本発明は、有効量の本発明のビマトプロストの結晶型Aと薬学的に許容される担体とを含む組成物に関する。
【0060】
ここで用いられるように、用語「含有」或いは「含む」は「含める」、「基本的に・・・からなる」および「・・・で構成する」を含む。用語「有効量」とは、ヒト及び/又は動物に機能や活性があり、且つヒト及び/又は動物にとって受けられる量である。
【0061】
ここで用いられるように、「薬学的に許容される」成分は、ヒト及び/又は動物に適用する場合、過度の不良な副反応(例えば毒性、刺激とアレルギー反応)がない、すなわち、合理的なベネフィット/リスク比を持つ物質である。用語「薬学的に許容される担体」とは、治療剤の給与のための担体で、各種の賦形剤と希釈剤を含む。この用語は、自身が必要な活性成分ではなく、かつ使用後過度の毒性がない薬剤の担体のことを指す。適切な担体は、本分野の技術者に熟知である。「レミントンの医薬科学」(Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Pub. Co.,N.J. 1991年)において、薬学的に允許される賦形剤に関する十分な検討が見つけられる。
【0062】
好ましくは、前述の「薬学的に許容される担体」は充填剤、崩壊剤、滑剤、流動助剤、沸騰剤、矯味剤、コーティング材、賦形剤、或いは徐放剤から選ばれる。組成物において、薬学的に許容される担体は液体、例えば水、塩水、グリセリンやエタノールを含んでも良い。さらに、これらの担体には、充填剤、崩壊剤、滑剤、流動助剤、沸騰剤、潤滑剤或いは乳化剤、矯味剤、pH緩衝物質のような補助性の物質があってもよい。通常、これらの物質は無毒で不活性の薬学的に許容される水系媒体に配合してもよく、ここで、pHは通常約5〜8、好ましくは6〜8である。
【0063】
本発明で説明された上述特徴、或いは実施例で説明された特徴は任意に組み合わせることができる。本願説明書で開示されたすべての特徴はいずれの組成物の様態とも併用することができ、説明書で開示された各特徴は、いずれの相同、同等或いは類似の目的の代替性特徴にも任意に替えることができる。そのため、特に説明しない限り、開示された特徴は同等或いは類似の特徴の一般的な例にすぎない。
【0064】
本発明の主な利点は以下の通りである。
1、本発明で新規な安定したビマトプロストの結晶が得られる。
2、本発明の新規なビマトプロストの結晶を製造する方法は、エネルギー消費が低く、収率が安定で、産業的生産がしやすい。
【0065】
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるものだけで、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常、通常の条件、或いはメーカーの薦めの条件で行われた。別の説明がない限り、すべての百分率、比率、比例或いは部は、重量で計算される。
【0066】
本発明における重量体積百分率の単位は当業者にとって熟知で、例えば100mLの溶液における溶質の重量を指す。
【0067】
別の定義がない限り、本文に用いられるすべての専門用語と科学用語は、本分野の技術者に知られている意味と同様である。また、記載の内容と類似或いは同等の方法及び材料は、いずれも本発明の方法に用いることができる。ここで記載の好ましい実施方法及び材料は例示のためだけである。
【0068】
ここで用いられるように、「HPLC純度」は、HPLC測定で得られたスペクトルから面積百分率で得られた式Iで示される化合物のピーク面積が、全ピーク面積の合計に占める百分率である。
【0069】
前述のHPLC測定方法は以下の通りである。
カラム:4.6×150mm 3μmのC18カラム、カラム温度:35℃、移動相:A:アセトニトリル:水(20mMのリン酸カリウム緩衝液、pH=2.8)20:80;B:アセトニトリル:水(20mMのリン酸カリウム緩衝液,pH=2.8)40:60;勾配溶離条件:A:B=100:0, 1 min;A:B=100:0から40:60,16 min;A:B=40:60,4 min;A:B=40:60から100:0,1 min。流速:1 ml/min;主ピーク保持時間:19min程度;仕込み量:15μl;カラム温度:35℃±5℃;検出波長:210nm;実行時間:40min
【実施例1】
【0070】
ビマトプロストの油状物の製造
US7166730B2の合成方法を参照して製造し、ビマトプロストの油状物を得た。
【実施例2】
【0071】
ビマトプロストの結晶型Bの製造
US2009/016359A1の方法を参照して製造し、ビマトプロストの結晶型Bを得た。
【実施例3】
【0072】
ビマトプロストの結晶型Aの製造
100mlのナスフラスコに実施例2で得たビマトプロストの結晶型B(0.50g)およびメタノール(5ml)を入れ、10℃で溶解させ、さらに10℃で溶媒がなくなるまで減圧濃縮して油状物のビマトプロストを得た後、アセトン(50ml)を入れ、10℃で加熱して溶解させ、この温度でn-ヘキサン(25ml)を滴下し、-25℃で1h撹拌し、ろ過し、-25℃のアセトンとn-ヘキサン(2:1)で2〜3回洗浄し、乾燥して結晶固体0.46gを得た。粉末X線回折スペクトルは図2と一致し、示差走査熱量分析チャート(DSC)は図3と一致し、赤外スペクトルは図4と一致した。(収率:92%)
【実施例4】
【0073】
ビマトプロストの結晶型Aの製造
50mlのナスフラスコに油状物のビマトプロスト(0.50g)と酢酸メチル(25ml)を入れ、30℃で加熱して溶解させ、この温度でn-ヘキサン(25ml)を滴下し、磁気撹拌の条件で-10℃に冷却し、この温度で続けて5h撹拌し、ろ過し、-10℃の酢酸メチルとn-ヘキサン(1:1)で2〜3回洗浄し、乾燥して結晶固体0.47gを得た。粉末X線回折スペクトルは図2と一致し、示差走査熱量分析チャート(DSC)は図3と一致し、赤外スペクトルは図4と一致した。(収率:94%)
【実施例5】
【0074】
ビマトプロストの結晶型Aの製造
10mlのナスフラスコに油状物のビマトプロスト(0.30g)と塩化メチレン(3ml)を入れ、30℃で加熱して溶解させ、磁気撹拌の条件で30℃でn-ヘキサン(6ml)を滴下した後、0℃に冷却し、撹拌を5h続け、ろ過し、0℃の塩化メチレンとn-ヘキサン(1:2)で2〜3回洗浄し、乾燥して結晶固体0.27gを得た。粉末X線回折スペクトルは図2と一致し、示差走査熱量分析チャート(DSC)は図3と一致し、赤外スペクトルは図4と一致した。(収率:90%)
【実施例6】
【0075】
ビマトプロストの結晶型Aの製造
10mlのナスフラスコに実施例2で得たビマトプロストの結晶型B(0.20g)およびエタノール(4ml)を入れ、30℃で溶解させ、さらに30℃で溶媒がなくなるまで減圧濃縮して油状物のビマトプロストを得た後、iso-プロピルアルコール(2ml)を入れ、30℃で加熱して溶解させ、磁気撹拌で30℃でn-ヘキサン(6ml)を滴下し、0℃で50h撹拌し、ろ過し、0℃のiso-プロピルアルコールとn-ヘキサン(1:3)で2〜3回洗浄し、乾燥して結晶固体0.18gを得た。粉末X線回折スペクトルは図2と一致し、示差走査熱量分析チャート(DSC)は図3と一致し、赤外スペクトルは図4と一致した。(収率:90%)
【実施例7】
【0076】
ビマトプロストの結晶型Aの製造
50mlのナスフラスコに実施例2で得たビマトプロストの結晶型B(0.50g)およびメタノール(5ml)を入れ、30℃で溶解させ、さらに30℃で溶媒がなくなるまで減圧濃縮して油状物のビマトプロストを得た後、アセトン(20ml)を入れ、25℃で加熱して溶解させ、磁気撹拌で25℃でn-ヘプタン(10ml)を滴下し、10℃で25h撹拌し、ろ過し、10℃のアセトンとn-ヘプタン(1:1)で2〜3回洗浄し、乾燥して結晶固体0.48gを得た。粉末X線回折スペクトルは図2と一致し、示差走査熱量分析チャート(DSC)は図3と一致し、赤外スペクトルは図4と一致した。(収率:96%)
【実施例8】
【0077】
ビマトプロストの結晶型Aの製造
50mlのナスフラスコに実施例2で得たビマトプロストの結晶型B(0.20g)およびiso-プロピルアルコール(10ml)を入れ、30℃で溶解させ、さらに30℃で溶媒がなくなるまで減圧濃縮して油状物のビマトプロストを得た後、酢酸-iso-プロピル(30℃)を入れ、30℃で加熱して溶解させ、磁気撹拌で30℃で石油エーテル(10ml)を滴下し、5℃で40h撹拌し、ろ過し、5℃の酢酸-iso-プロピルと石油エーテル(1:2)で2〜3回洗浄し、乾燥して結晶固体0.19gを得た。粉末X線回折スペクトルは図2と一致し、示差走査熱量分析チャート(DSC)は図3と一致し、赤外スペクトルは図4と一致した。(収率:95%)
【実施例9】
【0078】
ビマトプロストの結晶型Aの製造
100mlのナスフラスコに実施例2で得たビマトプロストの結晶型B(0.50g)およびiso-プロピルアルコール(25ml)を入れ、30℃で溶解させ、さらに30℃で溶媒がなくなるまで減圧濃縮して油状物のビマトプロストを得た後、塩化メチレン(20ml)を入れ、30℃で加熱して溶解させ、磁気撹拌で30℃で石油エーテル(60ml)を滴下し、10℃に冷却し、この温度で撹拌を10h続け、ろ過し、10℃の塩化メチレンと石油エーテル(1:3)で2〜3回洗浄し、乾燥して結晶固体0.48gを得た。粉末X線回折スペクトルは図2と一致し、示差走査熱量分析チャート(DSC)は図3と一致し、赤外スペクトルは図4と一致した。(収率:96%)
【実施例10】
【0079】
ビマトプロストの結晶型Aの製造
50mlのナスフラスコに油状物のビマトプロスト(0.20g)およびiso-プロピルアルコール(1ml)を入れ、30℃で溶解させ、この温度で石油エーテル(3ml)を滴下し、-25℃で1h撹拌し、ろ過し、-25℃のiso-プロピルアルコールと石油エーテル(1:3)の混合液で2〜3回洗浄し、乾燥して結晶固体0.19gを得た。粉末X線回折スペクトルは図2と一致し、示差走査熱量分析チャート(DSC)は図3と一致し、赤外スペクトルは図4と一致した。(収率:95%)
【実施例11】
【0080】
ビマトプロストの結晶型Aの製造
100mlのナスフラスコに実施例2で得たビマトプロストの結晶型B(0.50g)およびエタノール(10ml)を入れ、30℃で溶解させ、さらに30℃で溶媒がなくなるまで減圧濃縮して油状物のビマトプロストを得た後、アセトン(50ml)を入れ、20℃で加熱して溶解させ、この温度でn-ヘキサン(25ml)を滴下し、0℃で10h撹拌し、ろ過し、0℃のアセトンとn-ヘキサン(2:1)の混合液で2〜3回洗浄し、乾燥して結晶固体0.46gを得た。粉末X線回折スペクトルは図2と一致し、示差走査熱量分析チャート(DSC)は図3と一致し、赤外スペクトルは図4と一致した。(収率:92%)
【実施例12】
【0081】
ビマトプロストの結晶型Aの製造
50mlのナスフラスコに実施例2で得たビマトプロストの結晶型B(0.20g)およびメタノール(1ml)を入れ、30℃で溶解させ、さらに溶媒がなくなるまで減圧濃縮して油状物のビマトプロストを得た後、塩化メチレン(5ml)を入れ、30℃で加熱して溶解させ、この温度でn-ヘキサン(2.5ml)を滴下し、冷却して10℃で25h撹拌し、ろ過し、10℃の塩化メチレンとn-ヘキサン(2:1)の混合液で2〜3回洗浄し、乾燥して結晶固体0.18gを得た。粉末X線回折スペクトルは図2と一致し、示差走査熱量分析チャート(DSC)は図3と一致し、赤外スペクトルは図4と一致した。(収率:90%)
【実施例13】
【0082】
ビマトプロストの結晶型Aの製造
50mlのナスフラスコに油状物のビマトプロスト(0.50g)およびiso-プロピルアルコール(5ml)を入れ、30℃で溶解させ、この温度でn-ヘキサン(15ml)を滴下し、5℃で40h撹拌し、ろ過し、5℃のiso-プロピルアルコールとn-ヘキサン(1:3)の混合液で2〜3回洗浄し、乾燥してビマトプロストサンプルの結晶固体0.45gを得た。粉末X線回折スペクトルは図2と一致し、示差走査熱量分析チャート(DSC)は図3と一致し、赤外スペクトルは図4と一致した。(収率:90%)
【実施例14】
【0083】
安定性の比較
実施例4で製造したビマトプロスト結晶Aサンプル(0.8g、HPLC純度99.7%)を取って等量の4つに分け、それぞれ40℃で密封して1日、2日、3日および4日置いた後、サンプルを取って分析したところ、HPLC純度はそれぞれ99.7%、99.7%、99.7%および99.7%であった。一方、実施例2で製造したビマトプロスト結晶Bサンプル(0.8g、HPLC純度99.6%)を取って等量の4つに分け、それぞれ40℃で密封して1日、2日、3日および4日置いた後、サンプルを取って分析したところ、HPLC純度はそれぞれ99.4%、99.2%、99.1%および98.7%であった。上述のデータは、本発明の結晶型Aは従来技術で製造した結晶型Bよりも安定していることを証明した。
【0084】
以上の説明は本発明の好ましい実施例だけで、本発明の実質の技術内容の範囲を限定するものではなく、本発明の実質の技術内容は広義的に出願の請求の範囲に定義され、他の人が完成した技術実体或いは方法は、出願の請求の範囲に定義されたものとまったく同じものであれば、或いは効果が同等の変更であれば、いずれもその請求の範囲に含まれるとみなされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造が式Iに示されるように、粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下述の2θ角:3.2±0.2°、19.9±0.2°、20.8±0.2°、および22.8±0.2°に特徴的ピークがある、ビマトプロストの結晶型A。
【化1】

【請求項2】
粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下述の2θ角:5.5±0.2°、11.4±0.2°、16.7±0.2°および17.6±0.2°に特徴的ピークがある、ことを特徴とする請求項1に記載のビマトプロストの結晶型A。
【請求項3】
粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下述の2θ角:6.3±0.2°、8.3±0.2°、9.5±0.2°、10.9±0.2°、12.6±0.2°、13.8±0.2°、18.4±0.2°、19.0±0.2°、21.7±0.2°、23.9±0.2°、26.2±0.2°、27.7±0.2°、28.3±0.2°、30.4±0.2°、32.4±0.2°、35.3±0.2°に特徴的ピークがある、ことを特徴とする請求項2に記載のビマトプロストの結晶型A。
【請求項4】
粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいて下述の2θ±0.1°反射角:19.9、20.8および22.8にピークがある、ことを特徴とする請求項1に記載のビマトプロストの結晶型A。
【請求項5】
粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下述の2θ±0.1°反射角:3.2、5.5、11.4、16.7および17.6にピークがある、ことを特徴とする請求項4に記載のビマトプロストの結晶型A。
【請求項6】
粉末X線回折(XRPD)スペクトルにおいてさらに下述の2θ±0.1°反射角:6.3、8.3、9.5、10.9、12.6、13.8、18.4、19.0、21.7、23.9、26.2、27.7、28.3、30.4、32.4、35.3にピークがある、ことを特徴とする請求項5に記載のビマトプロストの結晶型A。
【請求項7】
示差走査熱量分析チャート(DSC)において、66.5-70.5℃で最大のピーク値がある、ことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれかに記載のビマトプロストの結晶型A。
【請求項8】
図3に示される示差走査熱量分析チャート(DSC)を有する、ことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれかに記載のビマトプロストの結晶型A。
【請求項9】
図4に示される赤外スペクトルを有する、ことを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれかに記載のビマトプロストの結晶型A。
【請求項10】
(1)式Iに示される油状物のビマトプロストと、アセトン、ブタノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸-iso-プロピル、酢酸-t-ブチル、塩化メチレン、およびiso-プロピルアルコールから選ばれる一種の溶媒とを混合し、溶液1を得る工程、
(2)溶液1とペンタン、ヘキサン、ヘプタン、および石油エーテルから選ばれる一種又は一種以上の非極性溶媒とを混合し、溶液2を得る工程、および
(3)溶液2を撹拌し、請求項1〜9のうちのいずれかに記載のビマトプロストの結晶型Aを得る工程、
を含む、ことを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれかに記載のビマトプロストの結晶型Aの製造方法。
【請求項11】
工程(1)において、前述混合の温度は10〜30℃である、ことを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
工程(2)において、前述撹拌時間は1〜50時間である、ことを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項13】
工程(3)において、前述撹拌温度は-25〜10℃である、ことを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項14】
工程(3)において、前述撹拌の温度は-25℃、-10℃、0℃、5℃、或いは10℃である、ことを特徴とする請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
工程(1)において、前述式Iに示される化合物のビマトプロストと溶媒との混合比率は1:5〜100で、溶液1を得る、ことを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項16】
工程(2)において、溶液1と非極性溶媒との混合比率は0.3〜2:1である、ことを特徴とする請求項10に記載の製造方法。
【請求項17】
工程(1)における前述の油状物のビマトプロストは、式Iに示されるビマトプロストとC1〜C4の直鎖又は分枝のアルキルアルコールであるアルコール系溶媒とを混合した後、溶媒がなくなるまで濃縮することによって得られる、ことを特徴とする請求項10〜16のうちのいずれかに記載の製造方法。
【請求項18】
請求項1〜9のうちのいずれかに記載のビマトプロストの結晶型Aの、緑内障を治療する薬物の製造のための使用。
【請求項19】
請求項1〜9のうちのいずれかに記載のビマトプロストの結晶型Aと薬学的に許容される担体とを含む、ことを特徴とする薬物組成物。
【請求項20】
請求項1〜9のうちのいずれかに記載のビマトプロストの結晶型Aと薬学的に許容される担体とを混合し、請求項19に記載の薬物組成物を得る工程、
を含む、ことを特徴とする請求項19に記載の薬物組成物の製造方法。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−509358(P2013−509358A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535603(P2012−535603)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【国際出願番号】PCT/CN2010/075574
【国際公開番号】WO2011/050638
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(506010046)上海天偉生物制薬有限公司 (6)
【Fターム(参考)】