説明

ビル遠隔監視装置

【課題】ビルの設備機器を監視する端末装置の通報先を、新たな監視センタに係る新たな電話番号に変更する処理操作を、現地に作業員を出動させることなく、しかも比較的短時間のうちに完了させることができるビル遠隔監視装置の提供。
【解決手段】本発明は、第2監視センタ20の監視制御装置21が、ビル1に設置されている設備機器の監視情報を定時通報時刻に通報する端末装置2に、監視制御装置21の電話番号を設定する電話番号設定手段と、端末装置2からの定期的な通報時刻を、定時通報時刻に代えて、現在時刻と定時通報時刻との間の時刻である仮時刻に設定する仮時刻設定手段と、仮時刻に至ったときに、端末装置2からの通報が有るかどうかを判断する判断手段と、判断手段で通報が有ると判断されたときに、端末装置2からの定期的な通報時刻を、定時通報時刻に再設定する再設定手段とを含む構成にしてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定時通報時刻に至ったときに、ビルの設備機器の監視情報を監視センタに通報する端末装置を備えたビル遠隔監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として、特許文献1に示されるものがある。この従来技術は、ビルに設置されている設備機器を監視しその監視情報を、予め設定された定期的な通報時刻である定時通報時刻に通報する設備監視装置すなわち端末装置と、この端末装置と通信回線を介して接続され、端末装置から通報された監視情報に応じて各種処理を行うコンピュータ、すなわち監視制御装置を有する監視センタとを備えた構成になっている。
【0003】
ところで、この種の従来技術にあって、監視センタの移転等により、新たな監視センタと、ビルの設備機器を監視する従前の端末装置とを新たに接続する必要が生じることがある。このような接続変更を行う場合、従来にあっては、端末装置が設置されているビル、すなわち現地に作業員が出動することが必要になる。その現地作業員から端末装置の通信先を変更する準備ができたことが新たな監視センタのオペレータに連絡されたとき、通報先の変更処理作業が開始される。
【0004】
新たな監視センタのオペレータは、操作卓を操作して、該当する端末装置に、新たな監視センタの通報先、すなわち新たな監視センタに係る新たな電話番号を設定する。この状態において、監視センタのオペレータは、現地作業員に通報先の新たな電話番号を、該当する端末装置に設定したことを連絡し、確認通報作業の実施を指示する。この指示を受けた現地作業員は、該当する端末装置の電源を遮断して、人為的に停電を発生させる。該当する端末装置は、この停電に応じて通報先情報テーブルに設定された新たな電話番号に停電通報を行う。この停電通報の受信により、新たな監視センタのオペレータは、該当する端末装置の通報先を新たな監視センタに係る新たな電話番号に変更する処理操作が正常に行われたことを確認できる。このようにして新たな電話番号に変更する処理が正常になされたことを確認した監視センタのオペレータは、現地作業員に作業が無事に完了した旨を連絡する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2503816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のように、ビルの設備機器を監視する端末装置の通報先を新たな監視センタの新たな電話番号に変更する処理操作を実施する場合、従来にあっては、端末装置が設置されている現地に作業員が出動し、その現地作業員と新たな監視センタのオペレータとの間で連絡のやり取りを繰り返すことが必要になり、また、作業員によって人為的な停電を発生させる電源の遮断操作、及び電源の復帰操作が必要になる。その結果、従来では、作業工数が増加して所望の処理操作に係る費用が高くなり、また、所望の処理操作に要する作業時間が長くなり、これに伴って該当する端末装置の設備機器の監視停止時間が長くなって、設備機器の所有者に対するサービス性が低下する問題がある。
【0007】
本発明は、前述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、ビルの設備機器を監視する端末装置の通報先を、新たな監視センタに係る新たな電話番号に変更する処理操作を、現地に作業員を出動させることなく、しかも比較的短時間のうちに完了させることができるビル遠隔監視装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明に係るビル遠隔監視装置は、ビルに設置されている設備機器を監視しその監視情報を、予め設定された定期的な通報時刻である定時通報時刻に通報する端末装置と、この端末装置と通信回線を介して接続され、前記端末装置から通報された前記監視情報に応じて各種処理を行う監視制御装置を有する監視センタとを備えたビル遠隔監視装置において、前記監視センタの前記監視制御装置は、前記端末装置に当該監視制御装置の電話番号を設定する電話番号設定手段と、前記端末装置からの定期的な通報時刻を、前記定時通報時刻に代えて、現在時刻と前記定時通報時刻との間の時刻である仮時刻に設定する仮時刻設定手段と、前記仮時刻に至ったときに、前記端末装置からの通報が有るかどうかを判断する判断手段と、前記判断手段で通報が有ると判断されたときに、前記端末装置からの定期的な通報時刻を、前記定時通報時刻に再設定する再設定手段とを含むことを特徴としている。
【0009】
本発明は、監視センタの移転等により、ビルの設備機器を監視する端末装置の通報先を、新たな監視センタの監視制御装置の電話番号に変更する際には、新たな監視センタのオペレータの操作により、監視制御装置の電話番号設定手段を作動させて、端末装置に新たな監視センタの監視制御装置の新たな電話番号が設定される。次に、新たな監視センタのオペレータの操作により、監視制御装置の仮時刻設定手段を作動させて、定期的な通報時刻として、今までに設定されていた定時通報時刻に代えて、現在時刻と定時通報時刻との間の時刻である仮時刻に設定される。その仮時刻に至ったとき、監視制御装置の判断手段で、端末装置からの通報が有るかどうか判断される。判断手段で通報が有ると判断されたことを確認した新たな監視センタのオペレータは、監視制御装置の再設定手段を作動させて、定期的な通報時刻を、仮時刻の設定前に設定されていた定時通報時刻に再設定する。その後は、定時通報時刻に至ったときに、ビルの設備機器の監視情報が端末装置から通信回路を介して監視センタの監視制御装置に送信される。監視制御装置では、端末装置から通報された監視情報に応じて各種の処理操作が行われる。
【0010】
このように構成した本発明は、新たな監視センタのオペレータの操作のみにより、端末装置の通報先を、新たな監視センタの監視制御装置の新たな電話番号に設定変更することができる。すなわち本発明は、ビルの設備機器を監視する端末装置の通報先を、新たな監視センタに係る新たな電話番号に変更する処理操作を、現地に作業員を出動させることなく行うことができる。しかも、仮時刻設定手段で設定される仮時刻を、現在時刻に近い時刻とすることにより、新たな監視センタに係る新たな電話番号に変更する処理操作を、比較的短時間のうちに行うことができる。
【0011】
また本発明は、前記発明において、前記監視センタは、前記監視制御装置の前記電話番号を記憶するとともに、前記端末装置に対応する端末装置リストが設けられたデータベースを有し、前記監視センタの前記監視制御装置は、前記電話番号設定手段によって前記端末装置に前記監視制御装置の前記電話番号を設定する際に、前記データベースに記憶されている前記監視制御装置の前記電話番号を読み出す処理を行うとともに、前記判断手段で通報が有ると判断されたときに、前記データベースの前記端末装置リストに、該当する前記端末装置からの送信が正常である旨を記録する処理を行うことを特徴としている。
【0012】
このように構成した本発明は、電話番号設定手段を作動させて端末装置に新たな監視センタの監視制御装置の新たな電話番号を設定する際に、データベースに記憶されている該当する監視制御装置の新たな電話番号を監視制御装置に読み出すようにすることにより、この端末装置に新たな電話番号を設定する操作を容易に行うことができる。また本発明は、判断手段で通報が有ると判断されたときに、該当する端末装置からの送信が正常である旨がデータベースの端末装置リストに記録されるので、複数の端末装置に新たな監視センタの監視制御装置の新たな電話番号を設定する場合に、端末装置リストを確認して処理操作を行うことにより、設定処理の重複や、設定処理の漏れを確実に防ぐことができる。
【0013】
また本発明は、前記発明において、前記監視センタは、前記監視制御装置の前記判断手段で通報が無いと判断されたときに、前記監視制御装置から出力される信号に応じて、前記端末装置に係る現地調査を指示する画面を表示する操作卓を有することを特徴としている。
【0014】
このように構成した本発明は、監視制御装置の判断手段で通報が無いと判断されたときには、新たな監視センタの操作卓に端末装置に係る現地調査を指示する画面が表示されるので、例えばその画面を確認した新たな監視センタのオペレータによって、通信不良を生じている端末装置が配置されている現地への作業員の出動が指示される。これにより、該当する端末装置に対する迅速な調査を実現させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、監視センタの監視制御装置が、端末装置に当該監視制御装置の電話番号を設定する電話番号設定手段と、端末装置からの定期的な通報時刻を、定時通報時刻に代えて、現在時刻と前記定時通報時刻との間の時刻である仮時刻に設定する仮時刻設定手段と、仮時刻に至ったときに、端末装置からの通報が有るかどうかを判断する判断手段と、判断手段で通報が有ると判断されたときに、端末装置からの定期的な通報時刻を、定時通報時刻に再設定する再設定手段とを含む構成にしてある。この構成に伴って本発明は、ビルの設備機器を監視する端末装置の通報先を、新たな監視センタに係る新たな電話番号に変更する処理操作を、新たな監視センタのオペレータのみによって行うことができるので現地に作業員を出動させることがない。しかも仮時刻を現在時刻に近い時刻に設定することができるので、処理操作を比較的短時間のうちに完了させることができる。すなわち本発明は、新たな監視センタに係る新たな電話番号に変更する処理操作を、従来よりも少ない作業工数で実施でき、この処理操作に係る費用を従来よりも安くすることができる。また本発明は、処理操作を比較的短時間のうちに完了させることができるので、設定する端末装置の設備機器の監視停止時間を従来よりも短くすることができ、設備機器の所有者に対するサービス性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係るビル遠隔監視装置の一実施形態の構成を示す図である。
【図2】本実施形態に備えられる監視制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係るビル遠隔監視装置の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0018】
本実施形態に係るビル遠隔監視装置は、図1に示すように、ビル1に設置されているエレベータ等の設備機器を監視しその監視情報を、予め設定された定期的な通報時刻である定時通報時刻に通報する端末装置2と、この端末装置2と通信回線30を介して接続され、端末装置2から通報された監視情報に応じて各種の処理を行う後述の監視制御装置を有する監視センタを備えている。端末装置2から通報される監視情報には、前述した定時通報時刻に行われる通報の他に、設備機器の異常が検知されたときの通報である異常通報も含まれる。
【0019】
同図1中、第1監視センタ10は、例えば移転前に通信回線30を介してビル1の端末装置2に接続されていた監視センタ、第2監視センタ20は、移転後に通信回線30を介してビル1の端末装置2に新たに接続される監視センタである。
【0020】
本実施形態にあっては、後述するように第1監視センタ10から第2監視センタ20へ移転し、この第2監視センタ20と端末装置2との接続が完了して、定時通報時刻に端末装置2からの監視情報が通信回線30を介して新たな第2監視センタ20に送信される状態が所定期間継続された後、何らかの事情により、再び第2監視センタ20から以前の監視センタである第1監視センタ10に移転する場合が起こり得ることを考慮して、第1監視センタ10と第2監視センタ20の構成を例えば同等に設定してある。
【0021】
移転後に通信回線30を介してビル1の端末装置2に接続される監視センタである第2監視センタ20は、通信回線30に接続される通信装置22と、この通信装置22に接続される監視制御装置21とを備えている。
【0022】
監視制御装置21は、ビル1の端末装置2に当該監視制御装置21の電話番号を設定する電話番号設定手段と、端末装置2からの定期的な通報時刻を、予め設定された定時通報時刻に代えて、現在時刻と定時通報時刻との間の時刻である仮時刻、例えば現在時刻の数分後等の現在時刻に近い時刻に設定する仮時刻設定手段と、仮時刻に至ったときに、端末装置2からの通報が有るかどうかを判断する判断手段と、この判断手段で通報が有ると判断された時に、端末装置2からの定期的な通報時刻を、前述の定時通報時刻に再設定する再設定手段とを含んでいる。
【0023】
また、監視センタ20は、監視制御装置21の電話番号を記憶するとともに、端末装置2に対応して設けられる端末装置リストを有し、監視制御装置21に接続されるデータベース23と、監視制御装置21に接続され、オペレータによる操作が行われ、表示画面を有する操作卓24とを備えている。この操作卓24の画面には、監視制御装置21の判断手段で通報が無いと判断されたときに、監視制御装置21から出力される信号に応じて、端末装置2に係る現地調査を指示する旨が表示されるようになっている。
【0024】
前述した監視制御装置21は、この監視制御装置21に含まれる電話番号設定手段によって端末装置2の通報情報テーブル3に当該監視制御装置21の電話番号を設定する際に、データベース23に記憶されている監視制御装置21の電話番号を読み出す処理を行うとともに、この監視制御装置21に含まれる判断手段で通報が有ると判断されたときに、データベース23に設けられる前述の端末装置リストに、該当する端末装置2からの送信が正常である旨を記録する処理を行う。
【0025】
なお前述したように、例えば移転前の第1監視センタ10の通信装置12、監視制御装置11、データベース13、及び操作卓14のそれぞれも、第2監視センタ20の通信装置22、監視制御装置21、データベース23、及び操作卓24と同等の構成にしてある。
【0026】
以下に、前述のように構成した本実施形態に備えられる監視制御装置で実施される処理動作を図2に基づいて説明する。
【0027】
図2の処理手順は、図1に示すビル1の設備機器を監視する端末装置2の通報先を、それまでの端末装置2の通報先であった第1監視センタ10から新たな監視センタである第2監視センタ20に移転するときの処理手順、すなわち端末装置2が接続される電話番号を第1監視センタ10から第2監視センタ20に変更するときの処理手順を示している。
【0028】
はじめに、新たな監視センタである第2監視センタ20のオペレータの操作により、通信回線30を介して端末装置2にダイヤル発信が行われる(手順S1)。端末装置2からの応答があるまで待機し、応答があったときに(手順S2)、第2監視センタ20のオペレータの操作により、データベース23に記憶されている監視制御装置21の電話番号が読み出され、電話番号設定手段を作動させて、端末装置2の通報情報テーブル3にデータベース23から読み出された電話番号が設定される(手順S3)。
【0029】
次に、第2監視センタ20のオペレータの操作により、仮時刻設定手段を作動させて、定期的な通報時刻を、今までに設定されていた定時通報時刻に代えて、現在時刻と定期通報時刻との間の時刻である仮時刻に設定することが行われる。前述した仮時刻は、現在時刻に近い時刻、例えば現在時刻の数分後に設定される(手順S4)。ここで一旦、回線が遮断される(手順S5)。
【0030】
前述した仮時刻に至ったとき、判断手段で、端末装置2からの通報が有るかどうか判断される(手順S6)。この判断で、通報が有ると判断されたとき、これを確認した第2監視センタ20のオペレータは、再設定手段を作動させて、定期的な通報時刻を、仮時刻の設定前に設定されていた定時通報時刻に再設定する(手順S7)。また、このとき監視制御装置21から出力される信号に応じてデータベース23に設けられる端末装置リストに、該当する端末装置2からの送信が正常である旨が記録される(手順S8)。その後は、定時通報時刻に至ったときに、ビル1の設備機器の監視情報が端末装置2から通信回線30を介して第2監視センタ20の監視制御装置21に送信される。監視制御装置21では、端末装置2から通報された監視情報に応じて各種の処理操作が行われる。なお、ビル1の設備機器に異常を生じた場合には、端末装置2から通信回線30を介して第2監視センタ20の監視制御装置21に異常通報が送信される。
【0031】
また、前述した手順S6の判断で通報が無いと判断されたとき、監視制御装置21から出力される信号に応じて、データベース23に設けられる端末装置リストに、該当する端末装置2からの送信が異常である旨が記録される(手順S9)。続いて、監視制御装置21から出力される信号により、操作卓24の表示画面に、端末装置2に係る現地調査の指示が表示される(手順S10)。例えば、この表示を確認した第2監視センタ20のオペレータによって、通信不良を生じている端末装置2が配置されている現地への作業員の出動が指示される。
【0032】
以上のように構成した本実施形態は、新たな監視センタである第2監視センタ20のオペレータの操作のみにより、ビル1の設備機器を監視する端末装置2の通報先を、第2監視センタ20の監視制御装置21の電話番号に設定変更することができる。すなわち本実施形態は、端末装置2の通報先を、第2監視センタ20に係る新たな電話番号に変更する処理操作を、端末装置2が設定されている現地に作業員を出動させることなく行うことができる。しかも、仮時刻設定手段で設定される仮時刻を、現在時刻に近い時刻とすることにより、第2監視センタ20に係る新たな電話番号に変更する処理操作を、比較的短時間のうちに行うことができる。したがって本実施形態は、第2監視センタ20に係る新たな電話番号に変更する処理操作を、少ない作業工数で実施でき、この処理操作に係る費用を安くすることができる。また本実施形態は、処理操作を比較的短時間のうちに実施させることができるので、該当する端末装置2の設備機器の監視停止時間を短くすることができ、設備機器の所有者に対するサービス性を向上させることができる。
【0033】
また本実施形態は、監視制御装置21の判断手段で通報が有ると判断されたときは、端末装置2からの送信が正常である旨がデータベース23の端末装置リストに記録されるので、複数の端末装置2に新たな監視センタである第2監視センタ20の監視制御装置21の電話番号を設定する場合に、端末装置リストを確認して処理操作を行うことにより、設定処理の重複や、設定処理の漏れを確実に防止できる。
【0034】
また本発明は、監視制御装置21の判断手段で通報が無いと判断されたときには、第2監視センタ20の操作卓24に端末装置2に係る現地調査を指示する画面が表示されるので、前述したように第2監視センタ20のオペレータによって、端末装置2が配置されている現地への作業員の出動が指示される。これにより、該当する端末装置2に対する迅速な調査を実施させることができる。
【0035】
なお、前述した実施形態にあっては、端末装置2の通報先を第1監視センタ10から第2監視センタ20に移転させたものであったが、何らかの事情により、端末装置2の通報先を、第2監視センタ20から再び第1監視センタ10に移転させることが生じたときには、前述した図2に示す手順と同様にして、第1監視センタ10のオペレータの操作のみによって、端末装置2の通報先を第1監視センタ10に容易に変更することができる。
【0036】
また、前述した実施形態にあっては、移転前の第1監視センタ10の構成と、移転後の第2監視センタ20の構成を同等にしてあるが、第2監視センタ20から第1監視センタ10への再移転を生じる可能性が全くない場合には、第1監視センタ10を第2監視センタ20とは異なる構成とすることができる。
【符号の説明】
【0037】
1 ビル
2 端末装置
3 通報先情報テーブル
10 第1監視センタ
11 監視制御装置
12 通信装置
13 データベース
14 操作卓
20 第2監視センタ
21 監視制御装置
22 通信装置
23 データベース
24 操作卓
30 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビルに設置されている設備機器を監視しその監視情報を、予め設定された定期的な通報時刻である定時通報時刻に通報する端末装置と、この端末装置と通信回線を介して接続され、前記端末装置から通報された前記監視情報に応じて各種処理を行う監視制御装置を有する監視センタとを備えたビル遠隔監視装置において、
前記監視センタの前記監視制御装置は、
前記端末装置に当該監視制御装置の電話番号を設定する電話番号設定手段と、
前記端末装置からの定期的な通報時刻を、前記定時通報時刻に代えて、現在時刻と前記定時通報時刻との間の時刻である仮時刻に設定する仮時刻設定手段と、
前記仮時刻に至ったときに、前記端末装置からの通報が有るかどうかを判断する判断手段と、
前記判断手段で通報が有ると判断されたときに、前記端末装置からの定期的な通報時刻を、前記定時通報時刻に再設定する再設定手段とを含むことを特徴とするビル遠隔監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載のビル遠隔監視装置において、
前記監視センタは、前記監視制御装置の前記電話番号を記憶するとともに、前記端末装置に対応する端末装置リストが設けられたデータベースを有し、
前記監視センタの前記監視制御装置は、前記電話番号設定手段によって前記端末装置に前記監視制御装置の前記電話番号を設定する際に、前記データベースに記憶されている前記監視制御装置の前記電話番号を読み出す処理を行うとともに、前記判断手段で通報が有ると判断されたときに、前記データベースの前記端末装置リストに、該当する前記端末装置からの送信が正常である旨を記録する処理を行うことを特徴とするビル遠隔監視装置。
【請求項3】
請求項2に記載のビル遠隔監視装置において、
前記監視センタは、前記監視制御装置の前記判断手段で通報が無いと判断されたときに、前記監視制御装置から出力される信号に応じて、前記端末装置に係る現地調査を指示する画面を表示する操作卓を有することを特徴とするビル遠隔監視装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−90096(P2013−90096A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228017(P2011−228017)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000232955)株式会社日立ビルシステム (895)
【Fターム(参考)】