説明

ビード炉

【課題】試料をビードの形状において作成するための方法及び装置、特には蛍光X線に対して使用され得るガラスビードの形状における試料を作成するための方法及び装置を与える。
【解決手段】ビード炉は、炉チャンバ4及び開口6を有する炉を備える。閉鎖組立体20は、閉鎖組立体の異なる側部においてブランク閉鎖要素26及び能動閉鎖要素32を備え、該要素は各々が開口6と合致する。るつぼを保持するためのデテントと有するるつぼホルダ、及び鋳型を保持するための鋳型ホルダは、能動面上に与えられる。閉鎖組立体は、ブランク要素26が炉開口に装填状態と能動閉鎖要素32が炉においてるつぼ及び鋳型を有する炉開口にある作動状態とである2つの状態間において動く。閉鎖組立体は、るつぼの内容物を撹拌し、続いて溶解された内容物を鋳型へと注ぐようるつぼを傾けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビードを製造するための炉及び当該炉の作動方法に係る。
【背景技術】
【0002】
蛍光X線用試料の作成(製造)は、多数の方途において達成され得る。試料作成に対する1つのアプローチは、試料を溶解(溶融)してからビードを形成することである。本願において、「ビード(bead)」とは、典型的にはディスク形状にされ得るガラス状試料、を意味している。「溶解(Fuse)」とは、実質的に均質な試料を製造するよう試料を完全に溶融すること、を意味する。このアプローチは、本来の試料における粒子寸法偏差及び鉱物効果の問題を克服することができる。
【0003】
ビードを作成するための全自動機器は、PANalytical BV社によって商標名「Perl'X」として製作及び販売されている。該機器は、自動的に制御される炉である。
【0004】
US5,315,091(特許文献1)は、分析用ビードを形成するよう使用され得るるつぼを加熱するオーブンを記載している。一実施例において、該オーブンは、るつぼ及び鋳造皿(casting dish)を包含して冷却される。他の実施例においては、るつぼは、オーブンから取り外され、成形サンプル(molden sample)を酸性溶液へと注ぐよう回転される。US5,315,091は、炉チャンバ及び開口を有するビード炉、マウンティング部を有する閉鎖組立体、並びに、閉鎖組立体に対して炉の対向する面上の鋳型ホルダ及びるつぼホルダ、について記載する。
【0005】
US4,329,136(特許文献2)は、るつぼの周囲に誘導コイルを備える試料の作成のための機器を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US5,315,091
【特許文献2】US4,329,136
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、試料をビードの形状において作成するための方法及び装置を与えることを目的とし、特には蛍光X線に対して使用され得るガラスビードの形状における試料を作成するための方法及び装置を与えることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、請求項1記載のビード炉(bead furnace)が与えられる。
【0009】
炉を密封するための2つの要素を有する閉鎖(クロージャ)組立体(closure assembly)、及び適切なマウンティング(取付け)部(mounting)を与えることによって、閉鎖組立体は、一方が炉を密封するブランク要素と鋳型及び試料を有するるつぼが交換されるよう露出される能動要素とを有し、他方が作動を可能にするよう炉を密封する能動要素を有する、2つの状態間で動かされ得る。密封の機能も備える閉鎖組立体はまた、鋳型を保持する鋳型ホルダ及びるつぼホルダ上で保持されるるつぼを撹拌するよう一体的なるつぼ駆動部を備え、試料は、炉において混合され次第、るつぼ駆動部を更に作動させることによって鋳型ホルダに保持される鋳型上へと注がれ得る。
【0010】
このようにして、装填(ロード)及び非装填(アンロード)中にブランク要素が炉を密封するため、炉の効率的な作動は達成され、全体的に機器が有効となる。
【0011】
試料混合は、横方向、即ち側方から側方へのロッキング動作、時計回り及び反時計回りの回転、及び/又は、ある角度での振動又は回転、あるいはこれら又は他の撹拌アプローチのなんらかの組み合わせを伴い得る。
【0012】
望ましくは、るつぼホルダは、るつぼをしっかりと保持するためのデテント備え、るつぼがるつぼホルダから落ちずに撹拌動作及び特には注入動作が行なわれるようにする。
【0013】
デテントは特に、リングから延在する一組の突起を備える。るつぼは、るつぼホルダを通って延在するるつぼ体を有して、また、るつぼホルダ上のリム又は位置決めリング(るつぼの外周の周りに位置付けられる)を有して取り付けられ得、突起によって維持される。
【0014】
閉鎖組立体マウンティング部は、閉鎖組立体の回転、並びに、閉鎖組立体の開口に向かう動作及び該開口から離れる動作を可能にし得る。実施例において、これは、直線状レール及び回転駆動部を使用して達成される。
【0015】
光学検出器は、機械の作動前に鋳型が適所にあるか否かを確認するよう与えられ得る。
【0016】
自動コントローラは、駆動部を制御するよう与えられ得る。
【0017】
他の態様において、請求項10に記載されるようなビード炉の作動方法(method of operation)が与えられる。
【0018】
本発明がよりよく理解されるよう、実施例は、添付の図面を参照して単なる例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】ビード炉の第1の実施例の概略図である。
【図2】閉鎖組立体の分解斜視図である。
【図3】るつぼホルダの平面図である。
【図4】図3中のるつぼホルダの側面図である。
【図5】閉鎖組立体マウンティング部上の図2中の閉鎖組立体を図示する。
【図6】使用時における上述の閉鎖組立体を図示する。
【図7】鋳型ホルダを図示する。
【図8】本発明の第2の実施例に従ったるつぼホルダを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図面は、概略的であり、実寸大ではない。類似又は同様の構成要素は、異なる図面において同一の参照符号を与えられており、そのような構成要素に関連する説明は、必ずしも繰り返されていない。
【0021】
図1及び6を参照すると、炉は、一組のハウジング2を有し、該ハウジングの各々は開口6を備える炉チャンバを有する。開口は、第1の半径を備える外側円筒領域8、及び第2の半径を備える内側円筒領域10を備え、該内側及び外側円筒領域は、それらの間において段差(ステップ)12を画定する。炉チャンバは、コントローラに対して接続されるヒータ(図示せず)を有する。コントローラは、炉における所望される温度を維持するようヒータを制御する。当業者は、適用され得る加熱方法及び制御方法が複数有ることを認識しているため、これらを更に説明することはしない。
【0022】
各炉は、閉鎖組立体マウンティング部(closure assembly mounting)22上に取り付けられる夫々の閉鎖組立体20によって閉鎖される。
【0023】
閉鎖組立体は、全般的に平らな形状である閉鎖体(closure body)24を有し、該閉鎖体の一側上にブランク閉鎖要素26、及び閉鎖体の対向する側部上に能動(アクティブ)閉鎖要素32を備える。
【0024】
閉鎖組立体は、図2における分解図でより詳細に示される。
【0025】
閉鎖体24は、鋳造アルミニウムギアヘッド(gearhead)28を有して形成される。ブランクプレート30は、ギアヘッド28の一側上に取り付けられ、ブランク閉鎖要素26は、ブランクプレート30の外側上、即ちギアヘッド28から見て外方を向く側部において取り付けられる。ブランク閉鎖要素は、開口6の形状に密接に合致する段差付き円筒形状であるため、炉を密封できる。ブランク閉鎖要素26は、難溶性材料を有して作られるため、炉の熱による損傷を受けない。
【0026】
ギアヘッド28の対向する側部は、能動プレート31を備える。能動閉鎖要素32は、能動プレート31の前部上に取り付けられ、能動閉鎖要素の形状は、開口6の形状に合致する。
【0027】
能動プレートの後部は、るつぼ駆動部34を支持する。これは、ホール効果フィードバックを有する三相ブラシレス直流モータ36、該直流モータ36に対して接続され該モータによって駆動されるウォームギア38、該ウォームギアに対して接続され該ウォームギアによって駆動される駆動ギア40、及びるつぼホルダ44をグリップするための駆動ギア40の中心における中心グリップ42を有する。中心グリップ42は、キーイング/スプリングデテント機構を備える。
【0028】
るつぼホルダ44は、図3中の平面図及び図4中の側面図において示される。るつぼホルダ44は、中心グリップ42に係合されるよう適合される内側端部においてグリップ領域48を有する長手方向シャフト46を有する。るつぼホルダ44の対向する端部は、円形リングの形状におけるるつぼマウント部50を有し、該るつぼマウント部50は、るつぼマウント部50から延在する2つの突起52を有する。2つの突起は、長手方向シャフトに沿って延在する線の同じ側上にあり、2つの突起の中心は、リングの80°の角度に内在し、各突起は25°をカバーする。2つの突起は、突起とるつぼホルダリングとの間においてリム又は位置決めリングを有してるつぼホルダにおいて取り付けられるるつぼのリム又は位置決めリング(るつぼの外周の周囲に位置付けられる)に係合するよう適合される。
【0029】
閉鎖組立体20及び閉鎖組立体マウンティング部22は、図5において示される。能動閉鎖要素32は、明確に示されている。るつぼホルダ44は、中心グリップ42(図2)と係合するよう能動閉鎖要素32を通って延在する長手方向シャフト46を有して取り付けられる。
【0030】
鋳型ホルダ60も図示される。該鋳型ホルダは同様に、能動閉鎖要素32上へと取り付けられるキーイング/スプリングデテント機構において係合するよう能動閉鎖要素32から延在する。
【0031】
鋳型ホルダ60は、図7中の斜視図においてより詳細に示される。鋳型ホルダは、ホルダへの鋳型の挿入及びホルダからの鋳型の取外しをより容易にするよう、リングの前部において窪み74を備えるリング72を有する、ことが留意される。
【0032】
鋳型ホルダ60の機能は、るつぼの下方において鋳型を保持することである。
【0033】
閉鎖組立体マウンティング部22は、ギアヘッド駆動プーリー64によって駆動されるギアヘッドプーリー62上に取り付けられる閉鎖組立体20全体を回転させることができる。ドエルピン66は、ギアヘッドプーリー62において取り付けられ、これは、約180°を上回る閉鎖組立体20の回転を防ぐ。
【0034】
シールド68(待避されて図示)は、ギアヘッドプーリー62及びギアヘッド駆動プーリーを保護する。
【0035】
閉鎖組立体マウンティング部は、開口6の中心軸に位置合せされるレールに沿った方向において直線状に駆動され得る下方レールを有し、能動及び受動閉鎖要素は、開口6へと直線状にもたらされ得る。
【0036】
図6を参照すると、使用時に閉鎖組立体20は、ブランク閉鎖要素26が炉4の開口6を閉鎖し、能動閉鎖要素32が外方向に向くためるつぼホルダ44及び鋳型ホルダ60をユーザに示す、装填状態において取り付けられる。図6中の右手側の炉は、この状態である。
【0037】
るつぼ70は、るつぼホルダ44上に取り付けられ、突起52(図3)とリング形状のるつぼマウント部50との間において保持される。鋳型は同様に、鋳型ホルダ60上に取り付けられる。試験されるべき材料の試料は、るつぼにおいて与えられる。
【0038】
るつぼ及び鋳型が取り付けられるとき、コントローラ16は、ブランク閉鎖要素26を開口6から外すよう、閉鎖組立体20を炉から外方向に動かすよう作動される。
【0039】
続いて、駆動プーリー64は、閉鎖組立体20を180°回転させるためにギアヘッドプーリー62を回転させるよう作動され、能動閉鎖要素32は、開口6に対面する。
【0040】
図6中の左手側の炉は、能動閉鎖要素32が炉開口6へと動かされる途中の位置を示す。
【0041】
続いて閉鎖組立体20は、るつぼと鋳型を作動位置においてチャンバへと導入するために能動閉鎖要素32によって開口6を閉鎖するよう動かされる。
【0042】
炉は、試料を溶解(溶融)するよう、700℃乃至1200℃の温度において維持され得る。試料が溶融している際、るつぼ駆動部は、るつぼの内容物を混合するよう始動される。
【0043】
試料が溶解され次第、駆動部は、るつぼを90°より大きく回転させるよう始動され、溶解された試料は、ビードを形成するよう鋳型へと注がれる。
【0044】
続いてコントローラは、閉鎖組立体の動作を反転させるよう閉鎖組立体マウンティング部を作動させ、閉鎖組立体を作動状態からるつぼ及び鋳型にアクセス可能である本来の装填状態まで戻るように動かす。この装填状態において、ブランク閉鎖部材26は、熱損失を防ぐよう炉開口6を密封する。
【0045】
一旦冷却及び固化されて形成されたビードは続いて、鋳型から取り外され得る。
【0046】
機器は、鋳型ホルダにおいて位置付けられる鋳型を検出するよう光学検出器を追加的に有する。
【0047】
特定の一実施例において、光学検出器は、適所において取り付けられ、閉鎖組立体が装填位置と作動位置との間の中間の位置にあるとき、即ち閉鎖組立体が装填位置及び作動位置の両方から90°回転されるときに、鋳型が鋳型ホルダに位置付けられることを検出することができる。
【0048】
使用時には、閉鎖組立体を180°回転させる代わりに、閉鎖組立体はまず90°回転される。るつぼ駆動部は続いて、るつぼホルダ、ひいてはるつぼを動かすよう始動される。光学検出器がるつぼの運動を検出する場合、作動は反転され、機器は、鋳型を装填するよう装填位置まで戻される。他方で、光学検出器がるつぼの運動を検出しない場合、閉鎖組立体は、上述された通り能動閉鎖部材を有して開口を閉鎖する前に180°の回転を完了させるよう、更に90°回転される。
【0049】
このようにして、鋳型を有さない機器の不慮の作動は避けられる。
【0050】
図8は、るつぼホルダ44の他の実施例を示す。図4に示されたるつぼホルダとは異なり、このるつぼホルダは、リング50の上方表面上の第1の組の突起52、及びリング50の下方表面上の第2の組の突起52を備える。これにより、るつぼホルダはどちらが上向きでも取り付けられ得、誤ったほうを上にしてホルダを取り付ける操作者の間違いの可能性を低減する。更には、るつぼホルダは、いずれかの向きにおいて使用され得、るつぼホルダの寿命を延ばし、長期に亘る使用後に低下(sagging)が発生した場合には、るつぼホルダは反対にされ得、時間の経過とともに低下がそれ自体を補正し得る(低下が自然と補正されていく)べきである。
【0051】
上述された実施例は、本発明を限定するのではなく、図示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく多くの他の実施例を設計することができる、ことが留意されるべきである。
【0052】
特には、他の実施例は、閉鎖体24の各側部上に1つである一組の能動閉鎖要素32を備え得、るつぼは、閉鎖体24の両面上に取り付けられ得る。
【0053】
上述された炉は、一組の炉チャンバ4を備える。他の設計は、単一の炉チャンバ、又は複数の炉チャンバを備え得る。
【0054】
例えば、ブランク及び能動閉鎖要素が閉鎖組立体の対向する面上にあるが、代替案では、かかる要素は隣接する面上にあってもよい。
【0055】
上述された要素の具体的な寸法及び配置は、変えられ得る。例えば、るつぼの寸法及び形状は変わり得る。更に、実施例において突起52は80°の角度において離間されるが、これは所望に応じて変えられ得る。同様に、突起の寸法及び形状は、るつぼに対する適切なグリップを確実なものとするよう変えられ得る。
【0056】
炉の種類、加熱及び制御の配置は、所望に応じて変えられ得る。所望される温度及び時間は、当業者には既知である方途において使用に依存して変わる。
【0057】
単一の連続的な線形及び回転動作は、閉鎖要素を装填状態と作動状態との間において動かし得るか、あるいは該動作は、別個の段階において実行され得る。
【0058】
炉チャンバ4は、複数の能動閉鎖要素32によって単一又は複数の試料作成を可能にするよう複数の開口6を備え得る。
【0059】
閉鎖体24は、2つの能動閉鎖要素32を支持し得、同様にいずれかの側部上に取り付けられる能動プレート31を支持し得、連続的な作成を可能にする。
【0060】
請求項において、括弧内の参照符号は、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「有する」という語は、請求項において記載される要素又は段階以外の存在を除外するものではない。単数形で示される要素は、該要素の複数の存在を除外しない。本発明は、複数の別個の要素を有するハードウェアを用いて実行され得る。複数の手段を列挙する装置の請求項において、かかる複数の手段は、ハードウェアの単一のアイテムによって実施され得る。特定の方策が相互に異なる従属請求項において挙げられるという単なる事実は、かかる方策の組合せが有利に使用され得ない、ことを示すものではない。
【符号の説明】
【0061】
2 ハウジング
4 炉チャンバ
6 開口
8 外側円筒領域
10 内側円筒領域
12 段差
20 閉鎖組立体
24 閉鎖組立体マウンティング部
24 閉鎖体
26 ブランク閉鎖要素
28 ギアヘッド
30 ブランクプレート
32 能動閉鎖要素
34 るつぼ駆動部
36 三相ブラシレス直流モータ
38 ウォームギア
40 駆動ギア
42 中心グリップ
44 るつぼホルダ
46 長手方向シャフト
48 グリップ領域
50 るつぼマウント部
52 突起
60 鋳型ホルダ
62 ギアヘッドプーリー
64 ギアヘッド駆動プーリー
66 ドエルピン
68 シールド
70 るつぼ
72 リング
74 窪み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビード炉であって、
開口を備える炉チャンバと、
閉鎖組立体と、
該閉鎖組立体に対する閉鎖組立体マウンティング部と、
を有し、
前記閉鎖組立体は、
るつぼ駆動部を備える閉鎖体と、
装填状態において前記開口を前記閉鎖組立体で密封するよう適合される、該閉鎖体の第1の側部における第1の閉鎖要素と、
作動状態において前記開口を前記閉鎖組立体で密封するよう適合される、前記閉鎖体の第2の側部における能動閉鎖要素と、
該能動閉鎖要素から延在する鋳型ホルダと、
前記能動閉鎖要素から延在し且つ前記るつぼ駆動部に対して接続されるるつぼホルダと、
ブランク閉鎖要素が前記開口を密封する前記装填状態と前記能動閉鎖要素が前記開口を密封する前記作動状態との間において前記閉鎖組立体マウンティング部上の前記閉鎖組立体を駆動する、閉鎖駆動部と、
を有し、
前記るつぼ駆動部は、前記るつぼホルダにおいて維持されるるつぼを撹拌し、前記るつぼホルダにおいて維持されるるつぼの内容物を前記鋳型ホルダにおいて維持される鋳型へと注ぐ、
ビード炉。
【請求項2】
前記るつぼホルダは、該るつぼホルダにおいて取り付けられるるつぼとの係合をロックするためのるつぼデテントを有する、
請求項1記載のビード炉。
【請求項3】
前記るつぼホルダは、リングの形状におけるるつぼマウント部を有し、前記るつぼデテントは、一組の突起を有し、該突起は、リム、又は該突起と前記るつぼホルダとの間における前記るつぼの外周の周囲に位置付けられる位置決めリングを保持するよう前記るつぼマウント部から延在する、
請求項2記載のビード炉。
【請求項4】
前記るつぼホルダは、軸を有するリングの形状におけるるつぼマウント部を有し、該るつぼホルダは、前記リングのいずれかの面を上方向にして取付け可能であり、
前記るつぼデテントは、
前記リングから延在する前記るつぼマウント部から延在する第1の組の突起と、
該第1の組の突起に対して対向する軸方向において前記リングから延在する前記るつぼマウント部から延在する第2の組の突起と、
を有し、
前記第1の組の突起は、前記るつぼマウント部が該第1の組の突起を上方向にして取り付けられるときにるつぼを保持し、
前記第2の組の突起は、前記るつぼマウント部が該第2の組の突起を上方向にして取り付けられるときにるつぼを保持する、
請求項2記載のビード炉。
【請求項5】
前記るつぼホルダは、前記能動閉鎖要素を通って前記るつぼ駆動部まで延在し、
前記るつぼ駆動部は、前記閉鎖体内に包含されるモータと、前記るつぼホルダと係合するためのグリップと、を有する、
請求項1乃至4のうちいずれか一項記載のビード炉。
【請求項6】
前記閉鎖組立体マウンティング部は、前記開口に向かう摺動動作及び前記開口から離れる摺動動作を可能にする直線状レールと、前記閉鎖組立体の180°回転を可能にする回転駆動部と、を有する、
請求項1乃至5のうちいずれか一項記載のビード炉。
【請求項7】
前記鋳型ホルダ上へと位置付けられる鋳型の存在を検出するための光学検出器を更に有する、
請求項1乃至6のうちいずれか一項記載のビード炉。
【請求項8】
前記るつぼ駆動部及び前記閉鎖駆動部を制御するよう適合される自動コントローラを更に有する、
請求項1乃至7のうちいずれか一項記載のビード炉。
【請求項9】
前記自動コントローラは、前記閉鎖駆動部を制御するよう適合され、
前記るつぼホルダ上に試料を包含するるつぼを装填し、
前記装填状態において前記閉鎖組立体を有して前記鋳型ホルダ上に鋳型を装填し、
前記閉鎖組立体を当該炉において前記るつぼを有する前記作動状態へともたらすよう前記閉鎖駆動部を作動させ、
前記るつぼを撹拌するよう前記るつぼ駆動部を作動させ、
ガラスビードを形成するよう前記鋳型上へと溶解状態における前記試料を注ぐよう前記るつぼを少なくとも90°回転させるよう前記るつぼ駆動部を作動させ、また、
前記閉鎖組立体を前記装填状態へともたらすよう前記閉鎖駆動部を作動させるようにする、
請求項8記載のビード炉。
【請求項10】
前記第1の閉鎖要素は、るつぼホルダ又は鋳型ホルダを有さないブランク閉鎖要素である、
請求項1乃至9のうちいずれか一項記載のビード炉。
【請求項11】
前記第1の閉鎖要素は、更なるるつぼホルダと更なる鋳型ホルダを有する更なる能動閉鎖要素である、
請求項1乃至9のうちいずれか一項記載のビード炉。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちいずれか一項記載のビード炉の作動方法であって、
るつぼホルダ上に試料を包含するるつぼを装填し、且つ装填状態において閉鎖組立体を有して鋳型ホルダ上に鋳型を装填する段階と、
前記るつぼを炉において有する作動状態へと前記閉鎖組立体をもたらすよう閉鎖駆動部を作動させる段階と、
前記るつぼを撹拌するようるつぼ駆動部を作動させる段階と、
ガラスビードを形成するよう、溶解された状態における前記試料を鋳型上へと注ぐために前記るつぼを少なくとも90°回転させるよう前記るつぼ駆動部を作動させる段階と、
前記閉鎖組立体を前記装填状態へともたらすよう前記閉鎖駆動部を作動させる段階と、
を有する方法。
【請求項13】
前記閉鎖組立体マウンティング部は、前記開口に向かう摺動動作及び前記開口から離れる摺動動作を可能にする直線状レールと、前記閉鎖組立体の180°回転を可能にする回転駆動部とを有し、
前記閉鎖組立体を前記装填状態へともたらすよう前記閉鎖駆動部を作動させる段階は、
前記閉鎖組立体を前記直線状レールに沿って前記炉から離れるよう動かす段階と、
前記閉鎖組立体を180°回転させる段階と、
前記能動閉鎖要素が前記開口を密封するまで、前記閉鎖組立体を前記直線状レールに沿って前記炉に向かって動かす段階と、
を有する請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記閉鎖組立体を180°回転させる段階は、
前記るつぼ及び前記鋳型を光学検出器と位置合わせさせるよう前記閉鎖組立体を回転させる段階と、
前記るつぼを撹拌するよう前記るつぼ駆動部を作動させる段階と、
前記鋳型が前記鋳型ホルダにおいて存在するか否かを検出する段階と、
前記鋳型が存在する場合には前記180°回転を完了させ、前記鋳型が存在しない場合には前記閉鎖組立体を前記装填状態まで戻す段階と、
を有する請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記閉鎖組立体が有する第1の閉鎖要素は、更なるるつぼホルダと更なる鋳型ホルダを有する更なる能動閉鎖要素であり、
当該方法は、
前記更なるるつぼホルダにおいて更なる試料を包含する更なるるつぼを装填する段階と、前記作動状態において前記閉鎖組立体を有して前記更なる鋳型ホルダにおいて更なる鋳型を装填する段階と、
を更に有する請求項12乃至14のうちいずれか一項記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−13221(P2011−13221A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151872(P2010−151872)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(503310327)
【出願人】(510185181)エックスアールエフ サイエンティフィック リミテッド (1)
【Fターム(参考)】