ビーム照射装置
【課題】簡素な構成にて、可動部を走査開始位置に迅速に戻すことが可能なビーム照射装置を提供する。
【解決手段】ミラーアクチュエータ100は、支軸111、112の周りに回動可能なミラーホルダ110と、ミラーホルダ110に装着されたミラー113と、ミラーホルダ110に配されたコイル114とを有する。第1FPC10は、コイル114に電気的に接続されるとともに、撓み方向にバネ性を有し、このバネ性を用いてミラーホルダ110を支軸111、112の周りの走査開始位置に向かって付勢するように配置されている。この付勢により、ミラーホルダ110は、走査終了位置から走査開始位置に迅速に戻される。
【解決手段】ミラーアクチュエータ100は、支軸111、112の周りに回動可能なミラーホルダ110と、ミラーホルダ110に装着されたミラー113と、ミラーホルダ110に配されたコイル114とを有する。第1FPC10は、コイル114に電気的に接続されるとともに、撓み方向にバネ性を有し、このバネ性を用いてミラーホルダ110を支軸111、112の周りの走査開始位置に向かって付勢するように配置されている。この付勢により、ミラーホルダ110は、走査終了位置から走査開始位置に迅速に戻される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標領域にレーザ光を照射するビーム照射装置に関し、特に、目標領域にレーザ光を照射したときの反射光をもとに目標領域の状況を検出する、いわゆるレーザレーダに搭載されるビーム照射装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、走行時の安全性を高めるために、レーザレーダが家庭用乗用車等に搭載されている。一般に、レーザレーダは、レーザ光を目標領域内でスキャンさせ、各スキャン位置における反射光の有無から、各スキャン位置における障害物の有無を検出する。さらに、各スキャン位置におけるレーザ光の照射タイミングから反射光の受光タイミングまでの所要時間をもとに、そのスキャン位置における障害物までの距離が検出される。
【0003】
目標領域においてレーザ光をスキャンさせるための構成として、ミラーを2軸駆動する構成を用いることができる(特許文献1)。このスキャン機構では、レーザ光が水平方向斜めからミラーに入射する。ミラーを水平方向と鉛直方向に2軸駆動することにより、レーザ光が目標領域を走査する。ミラーの駆動には、コイルとマグネットによる電磁駆動力が用いられる。ミラーを保持する可動部にコイルが装着され、ベース側にマグネットが配される。
【0004】
レーザ光の水平走査時には、主として、鉛直方向に平行な軸の周りにミラーが回動される。このとき、レーザ光を水平に走査させるために、水平方向に平行な軸の周りにミラーがやや回動される。1ラインの水平走査が終了すると、ミラーが次のラインの先頭近傍に対応する位置(走査開始位置)に戻される。その後、ミラーが水平方向に回動されて、次のラインに対する走査が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−14698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記構成のビーム照射装置では、1ラインの水平走査が終了した後、なるべく早く、次のラインの走査開始位置にミラーを戻す必要がある。走査開始位置にミラーを迅速に戻すための構成として、コイルに流す電流を高める方法や、コイルの巻き数を増やす方法が考えられる。しかし、コイルの巻き数を増やすと、その分、可動部の重量が増加し、可動部の駆動レスポンスが悪くなる。また、コイルの仕様によっては、印加電流を十分に高めることができない場合もある。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、簡素な構成にて、可動部を走査開始位置に迅速に戻すことが可能なビーム照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るビーム照射装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、目標領域において前記レーザ光を走査させるアクチュエータと、前記アクチュエータに駆動信号を供給する配線部とを備える。前記アクチュエータは、第1の軸の周りに回動可能な第1の可動部と、前記第1の可動部に配されるとともに前記レーザ光が入射する光学素子と、前記第1の可動部に配された第1のコイルとを有する。また、前記配線部は、前記第1のコイルに電
気的に接続されるとともに、撓み方向にバネ性を有する配線部材を備える。この配線部材は、前記バネ性を用いて前記第1の可動部を前記第1の軸の周りの第1の走査開始位置に向かって付勢するように配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡素な構成にて、可動部を走査開始位置に迅速に戻すことが可能なビーム照射装置を提供することができる。
【0010】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1に係るミラーアクチュエータの構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係るビーム照射装置の光学系を示す図である。
【図3】実施形態1に係るビーム照射装置の光学系を示す図である。
【図4】実施形態1に係る第1FPCの構成および装着方法を説明する図である。
【図5】実施形態1に係る第2FPCの構成および装着方法を説明する図である。
【図6】実施形態1に係る第1FPCの作用を説明する図である。
【図7】実施形態1の変更例に係る第1FPCおよび第2FPCの構成および装着方法を説明する図である。
【図8】実施形態1の他の変更例に係る第1FPCの構成および装着方法を説明する図である。
【図9】実施形態2に係るミラーアクチュエータの構成を示す図である。
【図10】実施形態2に係るミラーアクチュエータの組み立て過程を示す図である。
【図11】実施形態2に係るミラーアクチュエータの組み立て過程を示す図である。
【図12】実施形態2に係る第1FPCおよび第2FPCの構成を説明する図である。
【図13】実施形態2に係る第1FPCおよび第2FPCの装着方法を説明する図である。
【図14】実施形態2に係るチルトコイルの装着方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態1>
図1に、本実施の形態に係るミラーアクチュエータ100の構成を示す。なお、同図(a)はミラーアクチュエータ100の分解斜視図、同図(b)はアセンブル状態にあるミラーアクチュエータ100の斜視図である。
【0013】
同図(a)において、110は、ミラーホルダである。ミラーホルダ110には、上下に支軸111、112が設けられている。下側の支軸112には、受け部112aが形成されている。受け部112aには、透明体200の厚みと略同じ寸法の凹部が形成されている。この凹部に、平行平板状の透明体200の上部が装着される。さらに、ミラーホルダ110の前面には平板状のミラー113が装着され、背面にはコイル114が装着されている。なお、コイル114は、方形状に巻回されている。
【0014】
透明体200は、2つの平面がミラー113の鏡面に平行となるようにして支軸112に装着される。また、支軸111、112には、それぞれ、軸受140が装着される。
【0015】
120は、支軸111、112を軸としてミラーホルダ110を回動可能に支持する可動枠である。可動枠120には、ミラーホルダ110を収容するための開口121が形成
されている。また、可動枠120には、ミラーホルダ110の支軸111、112に装着された軸受140と嵌合する溝122、123が形成されている。さらに、可動枠120の側面には、支軸124、125が形成され、背面には、コイル126が装着されている。支軸124、125には、それぞれ、軸受141が装着される。コイル126は、方形状に巻回されている。
【0016】
130は、支軸124、125を軸として可動枠120を回動可能に支持する固定枠である。固定枠130には、可動枠120を収容するための凹部131が形成されている。また、固定枠130には、可動枠120の支軸124、125に装着された軸受と嵌合する溝132、133が形成されている。さらに、固定枠130の内面には、コイル114に磁界を印加するマグネット134と、コイル126に磁界を印加するマグネット135が装着されている。なお、溝132、133は、それぞれ固定枠130の前面から上下2つのマグネット135間の隙間まで延びている。
【0017】
ミラーアクチュエータ100をアセンブルする際には、ミラーホルダ110の支軸111、112に軸受140を装着し、これら軸受140を可動枠120の溝122、123に装着する。これにより、ミラーホルダ110が、可動枠120によって、支軸111、112の周りに回動可能に支持される。
【0018】
このようにしてミラーホルダ110を可動枠120に装着した後、可動枠120の支軸124、125に軸受141を装着し、これら軸受141を固定枠130の溝132、133に装着するこれにより、可動枠120が、支軸124、125の周りに回動可能となるように、固定枠130に装着され、ミラーアクチュエータ100のアセンブルが完了する。
【0019】
ミラーホルダ110が可動枠120に対し支軸111、112を軸として回動すると、これに伴ってミラー113が回動する。また、可動枠120が固定枠130に対し支軸124、125を軸として回動すると、これに伴ってミラーホルダ110が回動し、ミラーホルダ110と一体的にミラー113が回動する。このように、ミラーホルダ110は、互いに垂直な支軸111、112と支軸124、125によって回動可能に支持される。また、ミラーホルダ110の回動に伴って、ミラー113が回動する。このとき、支軸112に装着された透明体200も、ミラー113の回動に伴って回動する。
【0020】
なお、同図(b)に示すアセンブル状態において、2つのマグネット134は、コイル114に電流を印加することにより、ミラーホルダ110に支軸111、112を軸とする回動力が生じるよう配置および極性が調整されている。したがって、コイル114に電流を印加すると、コイル114に生じる電磁駆動力によって、ミラーホルダ110が、支軸111、112を軸として回動する。
【0021】
また、同図(b)に示すアセンブル状態において、2つのマグネット135は、コイル126に電流を印加することにより、可動枠120に支軸124、125を軸とする回動力が生じるよう配置および極性が調整されている。したがって、コイル126に電流を印加すると、コイル126に生じる電磁駆動力によって、可動枠120が、支軸124、125を軸として回動し、これに伴って、透明体200が回動する。
【0022】
図2は、ミラーアクチュエータ100が装着された状態の光学系の構成を示す図である。
【0023】
図2において、500は、光学系を支持するベースである。ベース500には、ミラーアクチュエータ100の設置位置に開口503aが形成され、この開口に透明体200が
挿入されるようにして、ミラーアクチュエータ100がベース500上に装着されている。
【0024】
ベース500の上面には、ミラー113にレーザ光を導くための光学系400が装着されている。この光学系400は、レーザ光源401と、ビーム整形用のレンズ402からなっている。レーザ光源401は、ベース500の上面に配されたレーザ光源用の回路基板401aに装着されている。
【0025】
レーザ光源401から出射されたレーザ光(以下、「走査レーザ光」という)は、レンズ402によって水平方向および鉛直方向の収束作用を受ける。レンズ402は、目標領域(たとえば、ビーム照射装置のビーム出射口から前方100m程度の位置に設定される)におけるビーム形状が、所定の大きさ(たとえば、縦2m、横1m程度の大きさ)になるよう設計されている。
【0026】
レンズ402を透過した走査レーザ光は、ミラーアクチュエータ100のミラー113に入射し、ミラー113によって目標領域に向かって反射される。ミラーアクチュエータ100によってミラー113が駆動されることにより、走査レーザ光が目標領域内においてスキャンされる。
【0027】
ミラーアクチュエータ100は、ミラー113が中立位置にあるときに、レンズ402からの走査レーザ光がミラー113のミラー面に対し水平方向において45度の入射角で入射するよう配置されている。なお、「中立位置」とは、ミラー面が鉛直方向に対し平行で、且つ、走査レーザ光がミラー面に対し水平方向において45度の入射角で入射するときのミラー113の位置をいう。
【0028】
ベース500の上面には、回路基板401aの他、ミラーアクチュエータ100の背後に、ミラーアクチュエータ100のコイル114、126に駆動信号を供給するための回路基板150が配置されている。また、ベース500の下面には、回路基板300が配置され、さらに、ベース500の裏面と側面にも回路基板301、302が配置されている。
【0029】
図3(a)は、ベース500を裏面側から見たときの一部平面図である。同図(a)には、ベース500の裏側のうちミラーアクチュエータ100が装着された位置の近傍が示されている。
【0030】
図示の如く、ベース500の裏側周縁には、壁501、502が形成されており、壁501、502よりも中央側は、壁501、502よりも一段低い平面503となっている。壁501には、半導体レーザ303を装着するための開口が形成されている。この開口に半導体レーザ303を挿入するようにして、半導体レーザ303が装着された回路基板301が壁501の外側面に装着されている。他方、壁502の近傍には、PSD308が装着された回路基板302が装着されている。
【0031】
ベース500裏側の平面503には、取り付け具307によって集光レンズ304と、アパーチャ305と、ND(ニュートラルデンシティ)フィルタ306が装着されている。さらに、この平面503には開口503aが形成されており、この開口503aを介して、ミラーアクチュエータ100に装着された透明体200がベース500の裏側に突出している。ここで、透明体200は、ミラーアクチュエータ100のミラー113が中立位置にあるときに、2つの平面が、鉛直方向に平行で、且つ、半導体レーザ303の出射光軸に対し45度傾くように位置づけられる。
【0032】
半導体レーザ303から出射されたレーザ光(以下、「サーボ光」という)は、集光レンズ304を透過した後、アパーチャ305によってビーム径が絞られ、さらにNDフィルタ306によって減光される。その後、サーボ光は、透明体200に入射し、透明体200によって屈折作用を受ける。しかる後、透明体200を透過したサーボ光は、PSD308によって受光され、PSD308から、受光位置に応じた位置検出信号が出力される。
【0033】
図3(b)は、透明体200の回動位置がPSD308によって検出されることを模式的に示す図である。
【0034】
サーボ光は、レーザ光軸に対し傾いて配置された透明体200により屈折作用を受ける。ここで、透明体200が破線の位置から矢印方向に回動すると、サーボ光の光路が図中の点線から実線のように変化し、光検出器308上におけるサーボ光の受光位置が変化する。これにより、光検出器308にて検出されるサーボ光の受光位置によって、透明体200の回動位置を検出することができる。そして、透明体200の回動位置をもって、目標領域における走査レーザ光の走査位置を検出できる。
【0035】
本実施の形態において、回路基板150からコイル114、126への給電は、フレキシブルプリント基板(FPC)によって行われる。FPCの一端には、コネクタが配され、このコネクタが回路基板150側のコネクタに接続される。また、FPCとコイル114、126との接続は、半田付けによって行われる。さらに、FPCは、可動枠120の裏面に接着固定される。
【0036】
図4は、コイル114に給電を行うための第1FPC10の構成と装着方法を説明するための図である。同図(a)は、ミラーホルダ110の構成の詳細を示す斜視図であり、同図(b)は、第1FPC10の構成を示す平面図である。同図(c)および(d)は、第1FPC10の装着状態を前方右斜め上および後方の斜め上から見た斜視図である。
【0037】
同図(a)を参照して、ミラーホルダ110の上面には2つのピン115が突設されている。なお、116は、ミラー113が装着される装着面である。
【0038】
同図(b)を参照して、第1FPC10は、装着部11と、直線部12、14と、屈曲部13とを備えている。装着部11には、Z軸方向に貫通する2つの孔11aが形成されている。同図(b)に矢印で引き出した拡大図に示すように、孔11aの周りには、電極11bが上面から外部に露出している。2つの孔11aは、ミラーホルダ110上面の2つのピン115に対応する位置に配されている。
【0039】
第1FPC10は、同図Z軸方向に薄い形状を有し、Z軸方向に弾性をもって撓み得る。直線部14の端部には、コネクタ(図示せず)が配され、このコネクタから2本の信号線が、それぞれ、第1FPC10の上面を通って、装着部11の電極11bへと至っている。第1FPC10の上面および下面は、絶縁材により被覆されている。2つの孔11aとその周りの電極11bの部分は、絶縁材による被服が行われていない。
【0040】
第1FPC10は、以下のような状態で、ミラーアクチュエータ10に装着される。まず、同図(b)の装着部11の近傍に付した点線の位置で、直線部12、14と屈曲部13とからなる部分がZ軸方向に折り曲げられる。この状態で、2つの孔11aがピン115に挿入され、装着部11がミラーホルダ110の上面に接着固定される。さらに、ミラーホルダ110の背面に装着されたコイル114の両端が、それぞれ、対応するピン115に巻き付けられる。その状態で、コイル114の端部と孔11a周囲の電極11bとが半田付けされる。こうして、第1FPC10がミラーホルダ110に装着される。このと
き、第1FPC10の折り曲げ部(点線位置)の根元での破損・断線を防止するために、接着剤等を塗布して補強しても良い。
【0041】
第1FPC10は、さらに、直線部12が支軸111の周りに回されて、可動枠120の背面に接着される。
【0042】
図5(a)は、ミラーホルダ110が装着された状態の可動枠120を背面側から見た斜視図である。可動枠120の背面側には、コイル126を押さえるための枠状の押さえ板127が装着されている。第1FPC10は、屈曲部13が、押さえ板127の右上の角部分に接着固定される。この状態で、直線部14が下向きに曲げられ、直線部14の端部に配されたコネクタが、図2に示す回路基板150のコネクタに接続される。
【0043】
図4(c)、(d)は、こうして第1FPC10が装着されたときの第1FPC10の状態を示している。これらの図からは、便宜上、可動枠120が図示省略されている。また、コイル114がピン115に巻き付けられている状態も、図示省略されている。なお、同図(d)の31は、半田である。
【0044】
図5(b)は、コイル126に電流を供給するための第2FPC20の構成を示す平面図である。第2FPC20は、直線部21、22、23、25と、屈曲部24とを備えている。直線部21、23には、Z軸方向に貫通する2つの孔21a、23aが形成されている。図5(b)に矢印で引き出した拡大図に示すように、孔21aの周りには、電極21bが上面から外部に露出している。同様に、孔23bの周りにも電極23bが配されている。
【0045】
第2FPC20は、同図Z軸方向に薄い形状を有し、Z軸方向に弾性をもって撓み得る。直線部25の端部には、コネクタ(図示せず)が配され、このコネクタから2本の信号線が、それぞれ、第2FPC20の上面を通って、電極21b、23bへと至っている。第2FPC20の上面および下面は、絶縁材により被服されている。2つの孔21a、23bとその周りの電極21b、23bの部分は、絶縁材による被服が除かれている。
【0046】
同図(a)を参照して、押さえ板127には、2つの孔21a、21bに対応する位置に、それぞれ、ピン128が突設されている。2つの孔21a、23aがピン1128に挿入され、直線部21、22、23が押さえ板127の背面に接着固定される。さらに、可動枠120の背面に装着されたコイル126の両端が、それぞれ、対応するピン128に巻き付けられる。その状態で、コイル128の端部と孔21a、23a周囲の電極11bとが半田31により接続される。こうして、第2FPC10が可動枠120に装着される。この状態で、直線部25が下向きに曲げられ、直線部25の端部に配されたコネクタが、図2に示す回路基板150のコネクタに接続される。
【0047】
次に、図6を参照して、第1FPC10の作用を説明する。
【0048】
同図(a)、(b)、(c)は、それぞれ、走査開始位置、中間位置、走査終了位置におけるミラーホルダ110の状態を上側(支軸111に沿う方向)から見たときの模式図である。また、同図(a)、(b)、(c)の下部には、それぞれ、目標領域における走査ライン(L1、L2、L3)と、ミラーホルダ110が走査開始位置、中間位置、走査終了位置にあるときの走査レーザ光の走査位置(図中、一点鎖線)との関係が模式的に示されている。
【0049】
走査レーザ光が目標領域内を水平方向に走査するとき、ミラーホルダ110は、同図(a)の走査開始位置から、同図(b)の中間位置を介して、同図(c)の走査終了位置へ
と至るよう、支軸111、112の周りに回動する。この場合、一つの走査ラインの走査が終わると、同図(c)の走査終了位置から、次の走査ラインに対する同図(a)の走査開始位置に、ミラーホルダ110を迅速に戻す必要がある。
【0050】
通常、この復帰動作は、コイル114に復帰方向の駆動力を与える向きに電流を印加することによって行われる。このとき、かかる復帰動作を迅速に行うには、大きな電流をコイル114に流す必要がある。しかしながら、コイルの仕様によっては、印加電流を十分に高めることができない場合がある。この場合、復帰動作の速度を上げることが難しくなる。これに対し、コイル114の巻き数を増やして駆動力を高め、復帰速度を上げる方法も考えられる。しかし、このようにコイルの巻き数を増やすと、その分、ミラーホルダ110の重量が増加し、ミラーホルダ110の駆動レスポンスが悪くなってしまう。
【0051】
これに対し、本実施の形態では、上記の如く、第1FPC10の直線部12が支軸111の周りを回った状態で、第1FPC10の屈曲部13が可動枠120に固着されている。このため、図6(c)に示す走査終了位置において、ミラーホルダ110は、直線部12のバネ性(弾性復帰力)によって、反時計方向に付勢される。この付勢は、ミラーホルダ110が同図(c)の走査終了位置から同図(a)の走査開始位置に戻るまでの間、ミラーホルダ110に付与され続ける。このため、本実施の形態では、走査開始位置への復帰動作の際に、この付勢によるアシストを受けることになり、復帰動作時にコイル114に印加する電流をそれほど高めずとも、ミラーホルダ110を走査開始位置に迅速に復帰させることができる。
【0052】
このように、本実施の形態によれば、第1FPC10の構成と装着状態を改良するといった極めて簡素な手法により、ミラーホルダ110の復帰動作を迅速に行うことができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、図5(a)に示す通り、第1FPC10の直線部14と第2FPC20の直線部25が、ともに下向きに曲げられているため、これら直線部14、25のバネ性(弾性復帰力)によって、可動枠120が下方向を向くように付勢される。したがって、本実施の形態では、支軸124、125の周りの可動枠120の走査開始位置を、可動枠120が下方向を向く位置に設定すれば良い。すなわち、図6の下段に示す最下の走査ラインL1から最上の走査ラインL3へと順に走査するように制御を行えば良い。こうすると、最上の走査ラインL3を走査した後、直線部14、25のバネ性(弾性復帰力)によるアシストによって、最下の走査ラインL1に対応する位置(支軸124、125の周りの走査開始位置)へと迅速に、可動枠120を復帰させることができる。
【0054】
なお、図6の下段に示す最上の走査ラインL3から最下の走査ラインL1へと順に走査が行われる場合には、図5(a)の上下が反対となるように、第1FPC10と第2FPC20が装着されれば良い。図7(b)は、この場合の構成を、可動枠120の後方から見た図である。第1FPC10の装着部11は、ミラーホルダ110の下面に装着され、コイル114に半田付けされる。ミラーホルダ110の下面には、2つのピン115が突設され、これらのピン115に、装着部11の孔11aが挿入される。なお、同図(a)は、図4〜6に示した実施の形態の構成を示している。
【0055】
図7(b)のように構成すると、可動枠120が、直線部14、25のバネ性(弾性復帰力)により上向きの付勢を受ける。よって、可動枠120を走査開始位置(図6下段の走査ラインL3に対応する位置)に迅速に復帰させることができる。
【0056】
なお、実施形態1に係る構成は、上記以外に種々の変更が可能である。
【0057】
たとえば、図7(c)に示すように、第1FPC10の装着部11をミラーホルダ110の上面と下面にそれぞれ配置するようにしても良い。この場合、それぞれの装着部11には、孔11aと電極11bが一つずつ配され、各孔11aに挿入されるピン115が、ミラーホルダ110の上面と下面にそれぞれ突設される。上面側のピン115には、コイル114の一端が巻き付けられ、下面側のピン115には、コイル114の他端が巻き付けられる。こうして、コイル114の両端が、対応する電極11bに半田付けされる。上記実施の形態と同様、各第1FPC10の屈曲部13が押さえ板127に接着固定される。
【0058】
なお、図7(c)の構成では、2つの第1FPC10が、可動枠170の背面に装着されたコイル126に対する給電にも共用される。このため、上側の第1FPC10には、屈曲部13から右側のピン128へと延びる直線部15が設けられている。この直線部15には、ピン128に対応する位置に孔15aが形成され、各孔15aの周りに電極15bが配されている。また下側の第1FPC10には、屈曲部13から左側のピン128へと延びるL字部16が設けられている。このL字部16には、ピン128に対応する位置に孔16aが形成され、各孔16aの周りに電極16bが配されている。
【0059】
電極15bは、上側の第1FPC10の直線部14端部のコネクタに接続されている。電極16bは、下側の第1FPC10の直線部14端部のコネクタに接続されている。上記実施の形態と同様、各孔15a、16aが対応するピン128に挿入される。一方のピン128には、コイル126の一端が巻き付けられ、他方のピン128には、コイル126の他端が巻き付けられる。こうして、コイル126の両端が、対応する電極15b、16bに半田付けされる。
【0060】
図7(c)の構成では、2つの第1FPC10の直線部12は、ともに、支軸111、112の周りを同図(c)の左側から回ってミラーホルダ110の上面と下面に至っているため、ミラーホルダ110は、これら2つの直線部12のバネ性(弾性復帰力)によって、同じ回動方向の付勢を受ける。よって、この構成例では、支軸111、112の周りの走査開始位置にミラーホルダ110が復帰する際に、上記実施の形態に比べて、略2倍のアシストを受けることになり、上記実施の形態よりもさらに迅速に、ミラーホルダ110を走査開始位置に戻すことができる。
【0061】
なお、図7(c)の構成では、上下の第1FPC10の直線部14の曲げ方向が互いに逆であるため、これら直線部14による可動枠120の付勢方向も逆になり、2つの直線部14による付勢が互いに相殺される。よって、たとえば、可動枠120を下方向に付勢するには、図7(d)に示す如く、下側の第1FPC10の直線部14を可動枠の上側に位置づけ、この直線部14とL字部16とを、さらにL字部17で連結するようにすれば良い。この場合、L字部17が、押さえ板127に接着固定される。また、可動枠120を上方向に付勢するには、図8(a)に示す如く、図7(d)の上下が反対となるように、2つの第1FPC10が装着されれば良い。
【0062】
また、図8(b)のように、図7(c)の上側の第1FPC10と同じ構成の第1FPC10を下側に配置することもできる。この構成では、上側の第1FPC10の直線部12は、支軸111の周りを図8(b)の左側から回ってミラーホルダ110の上面に至る。これに対して、下側の第1FPC10の直線部12は、支軸112の周りを図8(b)の右側から回ってミラーホルダ110の下面に至る。このため、ミラーホルダ110は、これら2つの直線部12のバネ性(弾性復帰力)によって、反対の回動方向の付勢を受ける。よって、この構成例では、2つの直線部14による付勢が互いに相殺される。
【0063】
ただし、この構成においても、図6(c)の走査終了位置では、上側の第1FPC10
の直線部12によるバネ性(弾性復帰力)の方が、下側の第1FPC10の直線部12によるバネ性(弾性復帰力)よりも大きくなるため、ミラーホルダ110は、上側の第1FPC10の直線部12によって、走査開始位置に向かう付勢を受ける。よって、この構成では、特に大きな駆動力が必要なミラーホルダ110の復帰開始時に、ミラーホルダ110が直線部12によるアシストを受けるため、ミラーホルダ110の走査開始位置への復帰を迅速に行うことができる。
【0064】
なお、支軸111、112の周りの走査開始位置が図6(b)に示す中間位置となるようにミラーホルダ110が制御される場合には、図8(b)は、中間位置から左右の何れに振られても、直線部12による付勢を受けるため、ミラーホルダ110を走査開始位置(中間位置)に迅速に復帰させることができる。
【0065】
図8(b)の構成では、図7(c)の場合と同様、上下2つの直線部14の曲げ方向が逆であるため、これら直線部14による付勢は互いに相殺される。よって、たとえば、下方向にミラーホルダ110を付勢したい場合には、下側の第1FPC10の構成を図8(c)のように変更すれば良く、また、上方向にミラーホルダ110を付勢したい場合には、図8(c)の上下が反対となるように、2つの第1FPC10が装着されれば良い。
【0066】
<実施形態2>
以下、ミラーアクチュエータの構成を変更した場合の実施形態について説明する。
【0067】
図9は、本実施の形態に係るミラーアクチュエータ600の構成を示す分解斜視図である。
【0068】
ミラーアクチュエータ600は、チルトユニット610と、パンユニット620と、マグネットユニット630と、ヨークユニット640と、ミラー650と、透過板660とを備えている。
【0069】
チルトユニット610は、支軸611と、チルトフレーム612と、2つのチルトコイル613とを備えている。支軸611には、両端部近傍に溝611aが形成されている。これら溝611aには、Eリング617a、617bが嵌め込まれる。
【0070】
チルトフレーム612には、左右に、チルトコイル613を装着するためのコイル装着部612aが形成されている。また、チルトフレーム612には、支軸611を嵌め込むための溝612bと、上下に並ぶ2つの孔612cが形成されている。
【0071】
支軸611は、両端に軸受け616a、616b、Eリング617a、617bおよびポリスライダーワッシャ618が取り付けられた状態で、チルトフレーム612に形成された溝612bに嵌め込まれ、接着固定される。さらに、チルトフレーム612の2つの孔612cに、それぞれ、上下から軸受け612dが嵌め込まれる。これにより、図10(a)に示すように、チルトユニット110の組み立てが完了する。なお、図10(a)には、支軸611に、軸受け616a、616bと、Eリング617a、617bと、3つのポリスライダーワッシャ618が装着された状態が示されている。
【0072】
完成したチルトユニット610には、後述の如くして、パンユニット620が装着される。その後、チルトユニット610は、軸受け616a、616bと、Eリング617a、617bと、ポリスライダーワッシャ618と、軸固定部材642を用いて、後述の如く、ヨーク641に取り付けられる。
【0073】
図9に戻り、パンユニット620は、パンフレーム621と、支軸622と、パンコイ
ル623を備えている。パンフレーム621には、凹部621aを挟んで上板部621bと下板部621cが形成されている。これら上板部621bと下板部621cには、支軸622を通すための孔621dが上下に並ぶように形成されている。また、上板部621bと下板部621cの前面には、ミラー650を嵌め込むための段部621eが形成されている。
【0074】
さらに、下板部621cからは、下方向に足部621fが形成され、この足部621fに、前後方向に貫通する開口621gが形成されている。透過板660は、開口621gに前後方向から嵌め込まれる。パンフレーム621の背面には、パンコイル623を装着するためのコイル装着部621hが形成されている。また、パンフレーム621の背面には、凹部621aへと続く開口621iが形成されている。支軸622の上端には、バランサ622dが装着されている。
【0075】
マグネットユニット630は、フレーム631と、2つのパンマグネット633と、8つのチルトマグネット632とを備えている。フレーム631は、前側に凹部631aを有する形状となっている。フレーム631の上板部631bには、前後方向に、2つの切り欠き631cが形成され、さらに、中央に、ネジ穴631dが形成されている。8つのマグネット632は、フレーム631の左右の内側面に、上下2段に分けて装着されている。また、2つのマグネット633は、図示の如く、フレーム631の内側面に、前後方向に傾くように装着されている。
【0076】
なお、フレーム631の背面上部には、後述する第1FPC710と第2FPC720をフレーム631の内側から背面側に通すためのスリット(図示せず)が形成されている。
【0077】
ヨークユニット640は、ヨーク641と、軸固定部材642を備えている。ヨーク641は、磁性部材からなっている。ヨーク641には、左右に壁部641aが形成され、これら壁部641aの下端には、チルトユニット610の支軸611を装着するための凹部641bが形成されている。ヨーク641の上部には上下に貫通する2つのネジ穴641cが形成され、さらに、マグネットユニット633のネジ穴631dに対応する位置に、ネジ穴641dが形成されている。2つの壁部641aの内側面間の距離は、支軸611の2つの溝611a間の距離よりも大きくなっている。
【0078】
軸固定部材642は、可撓性を有する金属性の薄板部材である。軸固定部材642の前側には、板ばね部642a、642bが形成され、これら板ばね部642a、642bの下端には、それぞれ、チルトユニット610の軸受け616a、616bの脱落を規制するための受け部642c、642dが形成されている。また、軸固定部材642の上板部には、ヨーク641側の2つのネジ穴641cに対応する位置にそれぞれ孔642eが形成され、さらに、ヨーク641側のネジ穴641dに対応する位置に孔642fが形成されている。
【0079】
ミラーアクチュエータ600の組み立て時には、上記の如くして、図10(a)に示すチルトユニット610が組み立てられる。その後、チルトフレーム612がパンフレーム621の凹部621a内に収容される。このとき、2つの軸受け612dとパンフレーム621の孔621dとが上下に並ぶように、パンフレーム621が位置づけられる。そして、その状態で、2つの軸受け612eとパンフレーム621の孔621dに、支軸622が通され、支軸622がパンフレーム621に接着剤により固定される。これにより、図10(b)に示す構成体が形成される。この状態で、パンフレーム621は、支軸622の周りに回動可能となり、また、支軸622に沿って上下に僅かに移動可能となる。
【0080】
こうしてパンユニット620が装着された後、パンフレーム621の段部621eにミラー650が嵌め込まれて固定される。その後、チルトユニット610の支軸611の両端に装着された軸受け616a、616bを、図9に示すヨーク641の凹部641a、641bに嵌め込む。そして、この状態で、軸受け616a、616bが凹部641a、641bから脱落しないように、軸固定部材642をヨーク641に装着する。すなわち、受け部642cが軸受け616を下から支え、且つ、受け部642dが軸受け616を前方から挟むようにして軸固定部材642をヨーク642に装着する。この状態で、軸固定部材642の2つの孔642eを介して2つのネジ643をヨーク641のネジ穴641cに螺着する。これにより、図10(b)に示す構成体がヨークユニット640に装着される。
【0081】
こうして、図11(a)に示す構成体が完成する。この状態で、チルトフレーム612は、パンフレーム621と一体的に、支軸611の周りに回動可能となり、また、支軸611に沿って左右に僅かに移動可能となる。
【0082】
こうして組み立てられた図11(a)の構成体は、ヨーク641の2つの壁部641aが、それぞれ、マグネットユニット630側のフレーム631の切り欠き631cに挿入されるようにして、マグネットユニット630に装着される。そして、この状態で、軸固定部材642の孔642fを介して、ネジ644が、ヨーク641のネジ穴641dとマグネットユニット630のネジ穴631dに螺着される。これにより、図11(a)に示す構成体が、マグネットユニット630に固着される。こうして、図11(b)に示すように、ミラーアクチュエータ600の組み立てが完了する。
【0083】
図11(b)に示す組み立て状態において、パンフレーム621が支軸622を軸として回動すると、これに伴ってミラー650が回動する。また、チルトフレーム612が支軸611を軸として回動すると、これに伴ってパンユニット620が回動し、パンユニット620と一体的にミラー650が回動する。このように、ミラー650は、互いに直交する支軸611、622によって回動可能に支持され、チルトコイル613およびパンコイル623への通電によって、支軸611、622の周りに回動する。このとき、パンユニット620に装着された透明体660も、ミラー650の回動に伴って回動する。
【0084】
なお、バランサ622dは、図10(b)に示す構成体が、支軸611を軸として回動するとき、かかる回動がバランス良く行われるよう調整するためのものである。かかる回動のバランスは、バランサ622dの重さによって調整される。この他、バランサ622dが上下に変位可能であれば、上下方向の位置を微調整することにより、回動のバランスを調整可能である。
【0085】
図11(b)に示すアセンブル状態において、8個のマグネット632は、チルトコイル613に電流を印加することにより、チルトフレーム612に支軸611を軸とする回動力が生じるよう、配置および極性が調整されている。したがって、コイル613に電流を印加すると、コイル613に生じる電磁駆動力によって、チルトフレーム612が、支軸611を軸として回動し、これに伴って、ミラー650と透明体660が回動する。
【0086】
また、図11(b)に示すアセンブル状態において、2個のマグネット633は、パンコイル623に電流を印加することにより、パンフレーム621に支軸622を軸とする回動力が生じるよう、配置および極性が調整されている。したがって、パンコイル623に電流を印加すると、パンコイル623に生じる電磁駆動力によって、パンフレーム621が、支軸622を軸として回動し、これに伴って、ミラー650と透明体660が回動する。
【0087】
本実施の形態では、図12においても、パンコイル623とチルトコイル613に電流を供給するための第1FPC30と第2FPC40が、ミラーアクチュエータ600に装着される。なお、第1FPC30と第2FPC40は、上記に説明したミラーアクチュエータ600の組み立て時に装着される。すなわち、第1FPC30は、パンコイル623がコイル装着部621hに装着される前に、コイル装着部621hに装着される。また、第2FPC40は、パンユニット620がチルトユニット610に装着される前に、チルトフレーム612に装着される。
【0088】
図12は、第1FPC30と第2FPC40の構成を示す図である。同図(a)および(c)は、それぞれ、第1FPC30と第2FPC40の斜視図、同図(b)および(d)は、それぞれ、第1FPC30と第2FPC40がミラーアクチュエータ600に装着されたときの状態を示す斜視図である。
【0089】
同図(a)を参照して、第1FPC30は、装着部31と、屈曲部32、34と、直線部33、35とを備えている。装着部31には、2つの孔31aが形成され、それぞれの孔31aの周りには、電極31bが上面から外部に露出している。
【0090】
第1FPC30は、薄い板状の形状を有し、厚み方向に弾性をもって撓み得る。直線部35の端部には、コネクタ(図示せず)が配され、このコネクタから2本の信号線が、それぞれ、第1FPC30の上面を通って、装着部31の電極31bへと至っている。第1FPC30の上面および下面は、絶縁材により被覆されている。2つの孔31aとその周りの電極31bの部分は、絶縁材による被服が行われていない。第1FPC30は、同図(a)の点線の位置で折り曲げられ、同図(b)のような状態で、ミラーアクチュエータ600に装着される。
【0091】
同図(c)を参照して、第2FPC40は、装着部41と、直線部42、43とを備えている。装着部41には、2つの孔41aが形成され、それぞれの孔41aの周りには、電極41bが上面から外部に露出している。
【0092】
第2FPC40は、薄い板状の形状を有し、厚み方向に弾性をもって撓み得る。直線部43の端部には、コネクタ(図示せず)が配され、このコネクタから2本の信号線が、それぞれ、第2FPC40の上面を通って、装着部41の電極41bへと至っている。第2FPC40の上面および下面は、絶縁材により被覆されている。2つの孔41aとその周りの電極41bの部分は、絶縁材による被服が行われていない。第2FPC40は、同図(c)の点線の位置で折り曲げられ、同図(d)のような状態で、ミラーアクチュエータ600に装着される。
【0093】
図13は、第1FPC30と第2FPC40の装着方法を説明する図である。同図(a)および(b)は、図10(b)の構成体に、第1FPC30と第2FPC40が装着された状態を正面側よび背面側から見たときの斜視図である。同図(c)は、パンフレーム621に第1FPC30が装着された状態を正面側から見た斜視図、同図(d)は、チルトフレーム612に第2FPC40が装着された状態を背面側から見た斜視図である。なお、図13では、便宜上、チルトコイル613とパンコイル623が、図示省略されている。
【0094】
同図(c)に示すように、第1FPC30は、パンフレーム621の背面側から開口621iを通って、正面側に引き出されるようにして、パンフレーム621に装着される。同図(b)に示すように、パンフレーム621背面のコイル装着部621hには、2つのピン621jが形成されている。これらピン621jに、第1FPC30の装着部31に形成された孔31aが挿入され、第1FPC30の装着部31と屈曲部32が、コイル装
着部62に接着固定される。そして、第1FPC30の直線部33、35と屈曲部34が、コイル装着部621hの開口621iから正面側に引き出される。
【0095】
同図(d)に示すように、チルトフレーム612の背面には、2つのピン612hが形成されている。これらピン612hに、第2FPC40の装着部41に形成された孔41aが挿入され、第2FPC40の装着部41と直線部42が、チルトフレーム612の背面612gに沿うようにして、背面612gに接着固定される。
【0096】
同図(c)に示すようにして第1FPCが装着されたパンユニット620は、同図(d)に示すようにして第2FPC40が装着されたチルトフレーム612に、上記のようにして、取り付けられる。このとき、同図(c)にハッチングを付した屈曲部34が、チルトフレーム612の背面612fに沿うようにして、背面612fに接着固定される。こうして、同図(a)、(b)に示す構成体が組み立てられる。
【0097】
しかる後、同図(a)、(b)の構成体に、図11(a)に示すようにヨークユニット640が装着され、さらに、この構成体が、同図(b)に示すように、マグネットユニット630に装着される。このとき、第1FPC30の直線部35と第2FPC40の直線部43が、マグネットユニット630のフレーム631の背面上部に形成されたスリット(図示せず)から、背面側に引き出される。スリットは、チルトフレーム612の回動時に、第1FPC30の直線部35と第2FPC40の直線部43が円滑に動き得る程度の隙間を有している。こうして、ミラーアクチュエータ600の組み立てが完了する。
【0098】
なお、図13(d)の状態において、左右のコイル装着部612aに装着されたチルトコイル613の両端が、それぞれ、対応するピン612hに巻き付けられる。すなわち、各コイルの一端が2つのピン612hの一方に巻き付けられ、各コイルの他端が2つのピン612hの他方に巻き付けられる。その状態で、チルトコイル613の端部と孔41a周囲の電極41bとが半田付けされる。
【0099】
また、同図(b)の状態において、第1FPC30の装着部31aの上から、コイル装着部621hにパンコイル623が装着される。図14は、パンコイル623の装着方法を説明する図である。同図(a)に示すように、コイル装着部621hには、パンコイル623を位置決めするための突起621k、621l、621mが形成されている。パンコイル623は、内周部の開口がこれら突起621k、621l、621mに嵌め込まれ、同図(b)に示すように、コイル装着部621hに接着固定される。この状態で、パンコイル623の両端が、それぞれ、対応するピン612jに巻き付けられる。
【0100】
本実施の形態においても、第1FPC30の直線部33が支軸622の周りを回った状態で、第1FPC30の屈曲部34がチルトフレーム612に固着されている。このため、パンフレーム621は、直線部33のバネ性(弾性復帰力)によって、支軸622の周りに回転する力を受ける。よって、この力の向きが、走査開始位置への復帰動作をアシストする向きとなるように、ミラーアクチュエータ600を制御することで、上記実施形態1と同様、復帰動作時にチルトコイル623に印加する電流をそれほど高めずとも、チルトフレーム621およびミラー650を走査開始位置に迅速に復帰させることができる。
【0101】
また、本実施の形態においても、図13(b)に示す通り、第1FPC30の直線部35と第2FPC40の直線部43が、ともに下向きに曲げられているため、これら直線部35、43のバネ性(弾性復帰力)によって、チルトフレーム612が下方向を向くように付勢される。したがって、本実施の形態においても、支軸611の周りの走査開始位置を、チルトフレーム612が下方向を向く位置に設定すると良い。こうすると、直線部35、43のバネ性(弾性復帰力)によるアシストによって、支軸611の周りの走査開始
位置へと迅速に、チルトフレーム612およびミラー650を復帰させることができる。
【0102】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も上記以外に種々の変更が可能である。
【0103】
たとえば、2つの軸の周りにミラーが回転するミラーアクチュエータの構成例を上記2つの実施の形態により示したが、本発明は、上記以外の構成のミラーアクチュエータにも適用可能である。
【0104】
また、上記実施の形態では、配線部材としてFPCを示したが、配線部材は、FPCに限らず、FFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)等、撓み方向に弾性を持つ他の配線部材を用いても良い。また、ミラー以外の光学素子(たとえば、レンズ等)を変位させて走査レーザ光を走査しても良い。さらに、ミラーアクチュエータ100は、少なくとも一つの回動軸を持つものであれば、他の構成であって良い。
【0105】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0106】
10 … 第1FPC(配線部材)
20 … 第2FPC(他の配線部材)
100 … ミラーアクチュエータ(アクチュエータ)
110 … ミラーホルダ(第1の可動部)
113 … ミラー(光学素子)
114 … コイル(第1のコイル)
120 … 可動枠(第2の可動部)
126 … コイル(第2のコイル)
401 … レーザ光源
30 … 第1FPC(配線部材)
40 … 第2FPC(他の配線部材)
600 … ミラーアクチュエータ(アクチュエータ)
621 … パンフレーム(第1の可動部)
650 … ミラー(光学素子)
623 … パンコイル(第1のコイル)
612 … チルトフレーム(第2の可動部)
613 … チルトコイル(第2のコイル)
【技術分野】
【0001】
本発明は、目標領域にレーザ光を照射するビーム照射装置に関し、特に、目標領域にレーザ光を照射したときの反射光をもとに目標領域の状況を検出する、いわゆるレーザレーダに搭載されるビーム照射装置に用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
近年、走行時の安全性を高めるために、レーザレーダが家庭用乗用車等に搭載されている。一般に、レーザレーダは、レーザ光を目標領域内でスキャンさせ、各スキャン位置における反射光の有無から、各スキャン位置における障害物の有無を検出する。さらに、各スキャン位置におけるレーザ光の照射タイミングから反射光の受光タイミングまでの所要時間をもとに、そのスキャン位置における障害物までの距離が検出される。
【0003】
目標領域においてレーザ光をスキャンさせるための構成として、ミラーを2軸駆動する構成を用いることができる(特許文献1)。このスキャン機構では、レーザ光が水平方向斜めからミラーに入射する。ミラーを水平方向と鉛直方向に2軸駆動することにより、レーザ光が目標領域を走査する。ミラーの駆動には、コイルとマグネットによる電磁駆動力が用いられる。ミラーを保持する可動部にコイルが装着され、ベース側にマグネットが配される。
【0004】
レーザ光の水平走査時には、主として、鉛直方向に平行な軸の周りにミラーが回動される。このとき、レーザ光を水平に走査させるために、水平方向に平行な軸の周りにミラーがやや回動される。1ラインの水平走査が終了すると、ミラーが次のラインの先頭近傍に対応する位置(走査開始位置)に戻される。その後、ミラーが水平方向に回動されて、次のラインに対する走査が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−14698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記構成のビーム照射装置では、1ラインの水平走査が終了した後、なるべく早く、次のラインの走査開始位置にミラーを戻す必要がある。走査開始位置にミラーを迅速に戻すための構成として、コイルに流す電流を高める方法や、コイルの巻き数を増やす方法が考えられる。しかし、コイルの巻き数を増やすと、その分、可動部の重量が増加し、可動部の駆動レスポンスが悪くなる。また、コイルの仕様によっては、印加電流を十分に高めることができない場合もある。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みて為されたものであり、簡素な構成にて、可動部を走査開始位置に迅速に戻すことが可能なビーム照射装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るビーム照射装置は、レーザ光を出射するレーザ光源と、目標領域において前記レーザ光を走査させるアクチュエータと、前記アクチュエータに駆動信号を供給する配線部とを備える。前記アクチュエータは、第1の軸の周りに回動可能な第1の可動部と、前記第1の可動部に配されるとともに前記レーザ光が入射する光学素子と、前記第1の可動部に配された第1のコイルとを有する。また、前記配線部は、前記第1のコイルに電
気的に接続されるとともに、撓み方向にバネ性を有する配線部材を備える。この配線部材は、前記バネ性を用いて前記第1の可動部を前記第1の軸の周りの第1の走査開始位置に向かって付勢するように配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡素な構成にて、可動部を走査開始位置に迅速に戻すことが可能なビーム照射装置を提供することができる。
【0010】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態1に係るミラーアクチュエータの構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係るビーム照射装置の光学系を示す図である。
【図3】実施形態1に係るビーム照射装置の光学系を示す図である。
【図4】実施形態1に係る第1FPCの構成および装着方法を説明する図である。
【図5】実施形態1に係る第2FPCの構成および装着方法を説明する図である。
【図6】実施形態1に係る第1FPCの作用を説明する図である。
【図7】実施形態1の変更例に係る第1FPCおよび第2FPCの構成および装着方法を説明する図である。
【図8】実施形態1の他の変更例に係る第1FPCの構成および装着方法を説明する図である。
【図9】実施形態2に係るミラーアクチュエータの構成を示す図である。
【図10】実施形態2に係るミラーアクチュエータの組み立て過程を示す図である。
【図11】実施形態2に係るミラーアクチュエータの組み立て過程を示す図である。
【図12】実施形態2に係る第1FPCおよび第2FPCの構成を説明する図である。
【図13】実施形態2に係る第1FPCおよび第2FPCの装着方法を説明する図である。
【図14】実施形態2に係るチルトコイルの装着方法を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施形態1>
図1に、本実施の形態に係るミラーアクチュエータ100の構成を示す。なお、同図(a)はミラーアクチュエータ100の分解斜視図、同図(b)はアセンブル状態にあるミラーアクチュエータ100の斜視図である。
【0013】
同図(a)において、110は、ミラーホルダである。ミラーホルダ110には、上下に支軸111、112が設けられている。下側の支軸112には、受け部112aが形成されている。受け部112aには、透明体200の厚みと略同じ寸法の凹部が形成されている。この凹部に、平行平板状の透明体200の上部が装着される。さらに、ミラーホルダ110の前面には平板状のミラー113が装着され、背面にはコイル114が装着されている。なお、コイル114は、方形状に巻回されている。
【0014】
透明体200は、2つの平面がミラー113の鏡面に平行となるようにして支軸112に装着される。また、支軸111、112には、それぞれ、軸受140が装着される。
【0015】
120は、支軸111、112を軸としてミラーホルダ110を回動可能に支持する可動枠である。可動枠120には、ミラーホルダ110を収容するための開口121が形成
されている。また、可動枠120には、ミラーホルダ110の支軸111、112に装着された軸受140と嵌合する溝122、123が形成されている。さらに、可動枠120の側面には、支軸124、125が形成され、背面には、コイル126が装着されている。支軸124、125には、それぞれ、軸受141が装着される。コイル126は、方形状に巻回されている。
【0016】
130は、支軸124、125を軸として可動枠120を回動可能に支持する固定枠である。固定枠130には、可動枠120を収容するための凹部131が形成されている。また、固定枠130には、可動枠120の支軸124、125に装着された軸受と嵌合する溝132、133が形成されている。さらに、固定枠130の内面には、コイル114に磁界を印加するマグネット134と、コイル126に磁界を印加するマグネット135が装着されている。なお、溝132、133は、それぞれ固定枠130の前面から上下2つのマグネット135間の隙間まで延びている。
【0017】
ミラーアクチュエータ100をアセンブルする際には、ミラーホルダ110の支軸111、112に軸受140を装着し、これら軸受140を可動枠120の溝122、123に装着する。これにより、ミラーホルダ110が、可動枠120によって、支軸111、112の周りに回動可能に支持される。
【0018】
このようにしてミラーホルダ110を可動枠120に装着した後、可動枠120の支軸124、125に軸受141を装着し、これら軸受141を固定枠130の溝132、133に装着するこれにより、可動枠120が、支軸124、125の周りに回動可能となるように、固定枠130に装着され、ミラーアクチュエータ100のアセンブルが完了する。
【0019】
ミラーホルダ110が可動枠120に対し支軸111、112を軸として回動すると、これに伴ってミラー113が回動する。また、可動枠120が固定枠130に対し支軸124、125を軸として回動すると、これに伴ってミラーホルダ110が回動し、ミラーホルダ110と一体的にミラー113が回動する。このように、ミラーホルダ110は、互いに垂直な支軸111、112と支軸124、125によって回動可能に支持される。また、ミラーホルダ110の回動に伴って、ミラー113が回動する。このとき、支軸112に装着された透明体200も、ミラー113の回動に伴って回動する。
【0020】
なお、同図(b)に示すアセンブル状態において、2つのマグネット134は、コイル114に電流を印加することにより、ミラーホルダ110に支軸111、112を軸とする回動力が生じるよう配置および極性が調整されている。したがって、コイル114に電流を印加すると、コイル114に生じる電磁駆動力によって、ミラーホルダ110が、支軸111、112を軸として回動する。
【0021】
また、同図(b)に示すアセンブル状態において、2つのマグネット135は、コイル126に電流を印加することにより、可動枠120に支軸124、125を軸とする回動力が生じるよう配置および極性が調整されている。したがって、コイル126に電流を印加すると、コイル126に生じる電磁駆動力によって、可動枠120が、支軸124、125を軸として回動し、これに伴って、透明体200が回動する。
【0022】
図2は、ミラーアクチュエータ100が装着された状態の光学系の構成を示す図である。
【0023】
図2において、500は、光学系を支持するベースである。ベース500には、ミラーアクチュエータ100の設置位置に開口503aが形成され、この開口に透明体200が
挿入されるようにして、ミラーアクチュエータ100がベース500上に装着されている。
【0024】
ベース500の上面には、ミラー113にレーザ光を導くための光学系400が装着されている。この光学系400は、レーザ光源401と、ビーム整形用のレンズ402からなっている。レーザ光源401は、ベース500の上面に配されたレーザ光源用の回路基板401aに装着されている。
【0025】
レーザ光源401から出射されたレーザ光(以下、「走査レーザ光」という)は、レンズ402によって水平方向および鉛直方向の収束作用を受ける。レンズ402は、目標領域(たとえば、ビーム照射装置のビーム出射口から前方100m程度の位置に設定される)におけるビーム形状が、所定の大きさ(たとえば、縦2m、横1m程度の大きさ)になるよう設計されている。
【0026】
レンズ402を透過した走査レーザ光は、ミラーアクチュエータ100のミラー113に入射し、ミラー113によって目標領域に向かって反射される。ミラーアクチュエータ100によってミラー113が駆動されることにより、走査レーザ光が目標領域内においてスキャンされる。
【0027】
ミラーアクチュエータ100は、ミラー113が中立位置にあるときに、レンズ402からの走査レーザ光がミラー113のミラー面に対し水平方向において45度の入射角で入射するよう配置されている。なお、「中立位置」とは、ミラー面が鉛直方向に対し平行で、且つ、走査レーザ光がミラー面に対し水平方向において45度の入射角で入射するときのミラー113の位置をいう。
【0028】
ベース500の上面には、回路基板401aの他、ミラーアクチュエータ100の背後に、ミラーアクチュエータ100のコイル114、126に駆動信号を供給するための回路基板150が配置されている。また、ベース500の下面には、回路基板300が配置され、さらに、ベース500の裏面と側面にも回路基板301、302が配置されている。
【0029】
図3(a)は、ベース500を裏面側から見たときの一部平面図である。同図(a)には、ベース500の裏側のうちミラーアクチュエータ100が装着された位置の近傍が示されている。
【0030】
図示の如く、ベース500の裏側周縁には、壁501、502が形成されており、壁501、502よりも中央側は、壁501、502よりも一段低い平面503となっている。壁501には、半導体レーザ303を装着するための開口が形成されている。この開口に半導体レーザ303を挿入するようにして、半導体レーザ303が装着された回路基板301が壁501の外側面に装着されている。他方、壁502の近傍には、PSD308が装着された回路基板302が装着されている。
【0031】
ベース500裏側の平面503には、取り付け具307によって集光レンズ304と、アパーチャ305と、ND(ニュートラルデンシティ)フィルタ306が装着されている。さらに、この平面503には開口503aが形成されており、この開口503aを介して、ミラーアクチュエータ100に装着された透明体200がベース500の裏側に突出している。ここで、透明体200は、ミラーアクチュエータ100のミラー113が中立位置にあるときに、2つの平面が、鉛直方向に平行で、且つ、半導体レーザ303の出射光軸に対し45度傾くように位置づけられる。
【0032】
半導体レーザ303から出射されたレーザ光(以下、「サーボ光」という)は、集光レンズ304を透過した後、アパーチャ305によってビーム径が絞られ、さらにNDフィルタ306によって減光される。その後、サーボ光は、透明体200に入射し、透明体200によって屈折作用を受ける。しかる後、透明体200を透過したサーボ光は、PSD308によって受光され、PSD308から、受光位置に応じた位置検出信号が出力される。
【0033】
図3(b)は、透明体200の回動位置がPSD308によって検出されることを模式的に示す図である。
【0034】
サーボ光は、レーザ光軸に対し傾いて配置された透明体200により屈折作用を受ける。ここで、透明体200が破線の位置から矢印方向に回動すると、サーボ光の光路が図中の点線から実線のように変化し、光検出器308上におけるサーボ光の受光位置が変化する。これにより、光検出器308にて検出されるサーボ光の受光位置によって、透明体200の回動位置を検出することができる。そして、透明体200の回動位置をもって、目標領域における走査レーザ光の走査位置を検出できる。
【0035】
本実施の形態において、回路基板150からコイル114、126への給電は、フレキシブルプリント基板(FPC)によって行われる。FPCの一端には、コネクタが配され、このコネクタが回路基板150側のコネクタに接続される。また、FPCとコイル114、126との接続は、半田付けによって行われる。さらに、FPCは、可動枠120の裏面に接着固定される。
【0036】
図4は、コイル114に給電を行うための第1FPC10の構成と装着方法を説明するための図である。同図(a)は、ミラーホルダ110の構成の詳細を示す斜視図であり、同図(b)は、第1FPC10の構成を示す平面図である。同図(c)および(d)は、第1FPC10の装着状態を前方右斜め上および後方の斜め上から見た斜視図である。
【0037】
同図(a)を参照して、ミラーホルダ110の上面には2つのピン115が突設されている。なお、116は、ミラー113が装着される装着面である。
【0038】
同図(b)を参照して、第1FPC10は、装着部11と、直線部12、14と、屈曲部13とを備えている。装着部11には、Z軸方向に貫通する2つの孔11aが形成されている。同図(b)に矢印で引き出した拡大図に示すように、孔11aの周りには、電極11bが上面から外部に露出している。2つの孔11aは、ミラーホルダ110上面の2つのピン115に対応する位置に配されている。
【0039】
第1FPC10は、同図Z軸方向に薄い形状を有し、Z軸方向に弾性をもって撓み得る。直線部14の端部には、コネクタ(図示せず)が配され、このコネクタから2本の信号線が、それぞれ、第1FPC10の上面を通って、装着部11の電極11bへと至っている。第1FPC10の上面および下面は、絶縁材により被覆されている。2つの孔11aとその周りの電極11bの部分は、絶縁材による被服が行われていない。
【0040】
第1FPC10は、以下のような状態で、ミラーアクチュエータ10に装着される。まず、同図(b)の装着部11の近傍に付した点線の位置で、直線部12、14と屈曲部13とからなる部分がZ軸方向に折り曲げられる。この状態で、2つの孔11aがピン115に挿入され、装着部11がミラーホルダ110の上面に接着固定される。さらに、ミラーホルダ110の背面に装着されたコイル114の両端が、それぞれ、対応するピン115に巻き付けられる。その状態で、コイル114の端部と孔11a周囲の電極11bとが半田付けされる。こうして、第1FPC10がミラーホルダ110に装着される。このと
き、第1FPC10の折り曲げ部(点線位置)の根元での破損・断線を防止するために、接着剤等を塗布して補強しても良い。
【0041】
第1FPC10は、さらに、直線部12が支軸111の周りに回されて、可動枠120の背面に接着される。
【0042】
図5(a)は、ミラーホルダ110が装着された状態の可動枠120を背面側から見た斜視図である。可動枠120の背面側には、コイル126を押さえるための枠状の押さえ板127が装着されている。第1FPC10は、屈曲部13が、押さえ板127の右上の角部分に接着固定される。この状態で、直線部14が下向きに曲げられ、直線部14の端部に配されたコネクタが、図2に示す回路基板150のコネクタに接続される。
【0043】
図4(c)、(d)は、こうして第1FPC10が装着されたときの第1FPC10の状態を示している。これらの図からは、便宜上、可動枠120が図示省略されている。また、コイル114がピン115に巻き付けられている状態も、図示省略されている。なお、同図(d)の31は、半田である。
【0044】
図5(b)は、コイル126に電流を供給するための第2FPC20の構成を示す平面図である。第2FPC20は、直線部21、22、23、25と、屈曲部24とを備えている。直線部21、23には、Z軸方向に貫通する2つの孔21a、23aが形成されている。図5(b)に矢印で引き出した拡大図に示すように、孔21aの周りには、電極21bが上面から外部に露出している。同様に、孔23bの周りにも電極23bが配されている。
【0045】
第2FPC20は、同図Z軸方向に薄い形状を有し、Z軸方向に弾性をもって撓み得る。直線部25の端部には、コネクタ(図示せず)が配され、このコネクタから2本の信号線が、それぞれ、第2FPC20の上面を通って、電極21b、23bへと至っている。第2FPC20の上面および下面は、絶縁材により被服されている。2つの孔21a、23bとその周りの電極21b、23bの部分は、絶縁材による被服が除かれている。
【0046】
同図(a)を参照して、押さえ板127には、2つの孔21a、21bに対応する位置に、それぞれ、ピン128が突設されている。2つの孔21a、23aがピン1128に挿入され、直線部21、22、23が押さえ板127の背面に接着固定される。さらに、可動枠120の背面に装着されたコイル126の両端が、それぞれ、対応するピン128に巻き付けられる。その状態で、コイル128の端部と孔21a、23a周囲の電極11bとが半田31により接続される。こうして、第2FPC10が可動枠120に装着される。この状態で、直線部25が下向きに曲げられ、直線部25の端部に配されたコネクタが、図2に示す回路基板150のコネクタに接続される。
【0047】
次に、図6を参照して、第1FPC10の作用を説明する。
【0048】
同図(a)、(b)、(c)は、それぞれ、走査開始位置、中間位置、走査終了位置におけるミラーホルダ110の状態を上側(支軸111に沿う方向)から見たときの模式図である。また、同図(a)、(b)、(c)の下部には、それぞれ、目標領域における走査ライン(L1、L2、L3)と、ミラーホルダ110が走査開始位置、中間位置、走査終了位置にあるときの走査レーザ光の走査位置(図中、一点鎖線)との関係が模式的に示されている。
【0049】
走査レーザ光が目標領域内を水平方向に走査するとき、ミラーホルダ110は、同図(a)の走査開始位置から、同図(b)の中間位置を介して、同図(c)の走査終了位置へ
と至るよう、支軸111、112の周りに回動する。この場合、一つの走査ラインの走査が終わると、同図(c)の走査終了位置から、次の走査ラインに対する同図(a)の走査開始位置に、ミラーホルダ110を迅速に戻す必要がある。
【0050】
通常、この復帰動作は、コイル114に復帰方向の駆動力を与える向きに電流を印加することによって行われる。このとき、かかる復帰動作を迅速に行うには、大きな電流をコイル114に流す必要がある。しかしながら、コイルの仕様によっては、印加電流を十分に高めることができない場合がある。この場合、復帰動作の速度を上げることが難しくなる。これに対し、コイル114の巻き数を増やして駆動力を高め、復帰速度を上げる方法も考えられる。しかし、このようにコイルの巻き数を増やすと、その分、ミラーホルダ110の重量が増加し、ミラーホルダ110の駆動レスポンスが悪くなってしまう。
【0051】
これに対し、本実施の形態では、上記の如く、第1FPC10の直線部12が支軸111の周りを回った状態で、第1FPC10の屈曲部13が可動枠120に固着されている。このため、図6(c)に示す走査終了位置において、ミラーホルダ110は、直線部12のバネ性(弾性復帰力)によって、反時計方向に付勢される。この付勢は、ミラーホルダ110が同図(c)の走査終了位置から同図(a)の走査開始位置に戻るまでの間、ミラーホルダ110に付与され続ける。このため、本実施の形態では、走査開始位置への復帰動作の際に、この付勢によるアシストを受けることになり、復帰動作時にコイル114に印加する電流をそれほど高めずとも、ミラーホルダ110を走査開始位置に迅速に復帰させることができる。
【0052】
このように、本実施の形態によれば、第1FPC10の構成と装着状態を改良するといった極めて簡素な手法により、ミラーホルダ110の復帰動作を迅速に行うことができる。
【0053】
なお、本実施の形態では、図5(a)に示す通り、第1FPC10の直線部14と第2FPC20の直線部25が、ともに下向きに曲げられているため、これら直線部14、25のバネ性(弾性復帰力)によって、可動枠120が下方向を向くように付勢される。したがって、本実施の形態では、支軸124、125の周りの可動枠120の走査開始位置を、可動枠120が下方向を向く位置に設定すれば良い。すなわち、図6の下段に示す最下の走査ラインL1から最上の走査ラインL3へと順に走査するように制御を行えば良い。こうすると、最上の走査ラインL3を走査した後、直線部14、25のバネ性(弾性復帰力)によるアシストによって、最下の走査ラインL1に対応する位置(支軸124、125の周りの走査開始位置)へと迅速に、可動枠120を復帰させることができる。
【0054】
なお、図6の下段に示す最上の走査ラインL3から最下の走査ラインL1へと順に走査が行われる場合には、図5(a)の上下が反対となるように、第1FPC10と第2FPC20が装着されれば良い。図7(b)は、この場合の構成を、可動枠120の後方から見た図である。第1FPC10の装着部11は、ミラーホルダ110の下面に装着され、コイル114に半田付けされる。ミラーホルダ110の下面には、2つのピン115が突設され、これらのピン115に、装着部11の孔11aが挿入される。なお、同図(a)は、図4〜6に示した実施の形態の構成を示している。
【0055】
図7(b)のように構成すると、可動枠120が、直線部14、25のバネ性(弾性復帰力)により上向きの付勢を受ける。よって、可動枠120を走査開始位置(図6下段の走査ラインL3に対応する位置)に迅速に復帰させることができる。
【0056】
なお、実施形態1に係る構成は、上記以外に種々の変更が可能である。
【0057】
たとえば、図7(c)に示すように、第1FPC10の装着部11をミラーホルダ110の上面と下面にそれぞれ配置するようにしても良い。この場合、それぞれの装着部11には、孔11aと電極11bが一つずつ配され、各孔11aに挿入されるピン115が、ミラーホルダ110の上面と下面にそれぞれ突設される。上面側のピン115には、コイル114の一端が巻き付けられ、下面側のピン115には、コイル114の他端が巻き付けられる。こうして、コイル114の両端が、対応する電極11bに半田付けされる。上記実施の形態と同様、各第1FPC10の屈曲部13が押さえ板127に接着固定される。
【0058】
なお、図7(c)の構成では、2つの第1FPC10が、可動枠170の背面に装着されたコイル126に対する給電にも共用される。このため、上側の第1FPC10には、屈曲部13から右側のピン128へと延びる直線部15が設けられている。この直線部15には、ピン128に対応する位置に孔15aが形成され、各孔15aの周りに電極15bが配されている。また下側の第1FPC10には、屈曲部13から左側のピン128へと延びるL字部16が設けられている。このL字部16には、ピン128に対応する位置に孔16aが形成され、各孔16aの周りに電極16bが配されている。
【0059】
電極15bは、上側の第1FPC10の直線部14端部のコネクタに接続されている。電極16bは、下側の第1FPC10の直線部14端部のコネクタに接続されている。上記実施の形態と同様、各孔15a、16aが対応するピン128に挿入される。一方のピン128には、コイル126の一端が巻き付けられ、他方のピン128には、コイル126の他端が巻き付けられる。こうして、コイル126の両端が、対応する電極15b、16bに半田付けされる。
【0060】
図7(c)の構成では、2つの第1FPC10の直線部12は、ともに、支軸111、112の周りを同図(c)の左側から回ってミラーホルダ110の上面と下面に至っているため、ミラーホルダ110は、これら2つの直線部12のバネ性(弾性復帰力)によって、同じ回動方向の付勢を受ける。よって、この構成例では、支軸111、112の周りの走査開始位置にミラーホルダ110が復帰する際に、上記実施の形態に比べて、略2倍のアシストを受けることになり、上記実施の形態よりもさらに迅速に、ミラーホルダ110を走査開始位置に戻すことができる。
【0061】
なお、図7(c)の構成では、上下の第1FPC10の直線部14の曲げ方向が互いに逆であるため、これら直線部14による可動枠120の付勢方向も逆になり、2つの直線部14による付勢が互いに相殺される。よって、たとえば、可動枠120を下方向に付勢するには、図7(d)に示す如く、下側の第1FPC10の直線部14を可動枠の上側に位置づけ、この直線部14とL字部16とを、さらにL字部17で連結するようにすれば良い。この場合、L字部17が、押さえ板127に接着固定される。また、可動枠120を上方向に付勢するには、図8(a)に示す如く、図7(d)の上下が反対となるように、2つの第1FPC10が装着されれば良い。
【0062】
また、図8(b)のように、図7(c)の上側の第1FPC10と同じ構成の第1FPC10を下側に配置することもできる。この構成では、上側の第1FPC10の直線部12は、支軸111の周りを図8(b)の左側から回ってミラーホルダ110の上面に至る。これに対して、下側の第1FPC10の直線部12は、支軸112の周りを図8(b)の右側から回ってミラーホルダ110の下面に至る。このため、ミラーホルダ110は、これら2つの直線部12のバネ性(弾性復帰力)によって、反対の回動方向の付勢を受ける。よって、この構成例では、2つの直線部14による付勢が互いに相殺される。
【0063】
ただし、この構成においても、図6(c)の走査終了位置では、上側の第1FPC10
の直線部12によるバネ性(弾性復帰力)の方が、下側の第1FPC10の直線部12によるバネ性(弾性復帰力)よりも大きくなるため、ミラーホルダ110は、上側の第1FPC10の直線部12によって、走査開始位置に向かう付勢を受ける。よって、この構成では、特に大きな駆動力が必要なミラーホルダ110の復帰開始時に、ミラーホルダ110が直線部12によるアシストを受けるため、ミラーホルダ110の走査開始位置への復帰を迅速に行うことができる。
【0064】
なお、支軸111、112の周りの走査開始位置が図6(b)に示す中間位置となるようにミラーホルダ110が制御される場合には、図8(b)は、中間位置から左右の何れに振られても、直線部12による付勢を受けるため、ミラーホルダ110を走査開始位置(中間位置)に迅速に復帰させることができる。
【0065】
図8(b)の構成では、図7(c)の場合と同様、上下2つの直線部14の曲げ方向が逆であるため、これら直線部14による付勢は互いに相殺される。よって、たとえば、下方向にミラーホルダ110を付勢したい場合には、下側の第1FPC10の構成を図8(c)のように変更すれば良く、また、上方向にミラーホルダ110を付勢したい場合には、図8(c)の上下が反対となるように、2つの第1FPC10が装着されれば良い。
【0066】
<実施形態2>
以下、ミラーアクチュエータの構成を変更した場合の実施形態について説明する。
【0067】
図9は、本実施の形態に係るミラーアクチュエータ600の構成を示す分解斜視図である。
【0068】
ミラーアクチュエータ600は、チルトユニット610と、パンユニット620と、マグネットユニット630と、ヨークユニット640と、ミラー650と、透過板660とを備えている。
【0069】
チルトユニット610は、支軸611と、チルトフレーム612と、2つのチルトコイル613とを備えている。支軸611には、両端部近傍に溝611aが形成されている。これら溝611aには、Eリング617a、617bが嵌め込まれる。
【0070】
チルトフレーム612には、左右に、チルトコイル613を装着するためのコイル装着部612aが形成されている。また、チルトフレーム612には、支軸611を嵌め込むための溝612bと、上下に並ぶ2つの孔612cが形成されている。
【0071】
支軸611は、両端に軸受け616a、616b、Eリング617a、617bおよびポリスライダーワッシャ618が取り付けられた状態で、チルトフレーム612に形成された溝612bに嵌め込まれ、接着固定される。さらに、チルトフレーム612の2つの孔612cに、それぞれ、上下から軸受け612dが嵌め込まれる。これにより、図10(a)に示すように、チルトユニット110の組み立てが完了する。なお、図10(a)には、支軸611に、軸受け616a、616bと、Eリング617a、617bと、3つのポリスライダーワッシャ618が装着された状態が示されている。
【0072】
完成したチルトユニット610には、後述の如くして、パンユニット620が装着される。その後、チルトユニット610は、軸受け616a、616bと、Eリング617a、617bと、ポリスライダーワッシャ618と、軸固定部材642を用いて、後述の如く、ヨーク641に取り付けられる。
【0073】
図9に戻り、パンユニット620は、パンフレーム621と、支軸622と、パンコイ
ル623を備えている。パンフレーム621には、凹部621aを挟んで上板部621bと下板部621cが形成されている。これら上板部621bと下板部621cには、支軸622を通すための孔621dが上下に並ぶように形成されている。また、上板部621bと下板部621cの前面には、ミラー650を嵌め込むための段部621eが形成されている。
【0074】
さらに、下板部621cからは、下方向に足部621fが形成され、この足部621fに、前後方向に貫通する開口621gが形成されている。透過板660は、開口621gに前後方向から嵌め込まれる。パンフレーム621の背面には、パンコイル623を装着するためのコイル装着部621hが形成されている。また、パンフレーム621の背面には、凹部621aへと続く開口621iが形成されている。支軸622の上端には、バランサ622dが装着されている。
【0075】
マグネットユニット630は、フレーム631と、2つのパンマグネット633と、8つのチルトマグネット632とを備えている。フレーム631は、前側に凹部631aを有する形状となっている。フレーム631の上板部631bには、前後方向に、2つの切り欠き631cが形成され、さらに、中央に、ネジ穴631dが形成されている。8つのマグネット632は、フレーム631の左右の内側面に、上下2段に分けて装着されている。また、2つのマグネット633は、図示の如く、フレーム631の内側面に、前後方向に傾くように装着されている。
【0076】
なお、フレーム631の背面上部には、後述する第1FPC710と第2FPC720をフレーム631の内側から背面側に通すためのスリット(図示せず)が形成されている。
【0077】
ヨークユニット640は、ヨーク641と、軸固定部材642を備えている。ヨーク641は、磁性部材からなっている。ヨーク641には、左右に壁部641aが形成され、これら壁部641aの下端には、チルトユニット610の支軸611を装着するための凹部641bが形成されている。ヨーク641の上部には上下に貫通する2つのネジ穴641cが形成され、さらに、マグネットユニット633のネジ穴631dに対応する位置に、ネジ穴641dが形成されている。2つの壁部641aの内側面間の距離は、支軸611の2つの溝611a間の距離よりも大きくなっている。
【0078】
軸固定部材642は、可撓性を有する金属性の薄板部材である。軸固定部材642の前側には、板ばね部642a、642bが形成され、これら板ばね部642a、642bの下端には、それぞれ、チルトユニット610の軸受け616a、616bの脱落を規制するための受け部642c、642dが形成されている。また、軸固定部材642の上板部には、ヨーク641側の2つのネジ穴641cに対応する位置にそれぞれ孔642eが形成され、さらに、ヨーク641側のネジ穴641dに対応する位置に孔642fが形成されている。
【0079】
ミラーアクチュエータ600の組み立て時には、上記の如くして、図10(a)に示すチルトユニット610が組み立てられる。その後、チルトフレーム612がパンフレーム621の凹部621a内に収容される。このとき、2つの軸受け612dとパンフレーム621の孔621dとが上下に並ぶように、パンフレーム621が位置づけられる。そして、その状態で、2つの軸受け612eとパンフレーム621の孔621dに、支軸622が通され、支軸622がパンフレーム621に接着剤により固定される。これにより、図10(b)に示す構成体が形成される。この状態で、パンフレーム621は、支軸622の周りに回動可能となり、また、支軸622に沿って上下に僅かに移動可能となる。
【0080】
こうしてパンユニット620が装着された後、パンフレーム621の段部621eにミラー650が嵌め込まれて固定される。その後、チルトユニット610の支軸611の両端に装着された軸受け616a、616bを、図9に示すヨーク641の凹部641a、641bに嵌め込む。そして、この状態で、軸受け616a、616bが凹部641a、641bから脱落しないように、軸固定部材642をヨーク641に装着する。すなわち、受け部642cが軸受け616を下から支え、且つ、受け部642dが軸受け616を前方から挟むようにして軸固定部材642をヨーク642に装着する。この状態で、軸固定部材642の2つの孔642eを介して2つのネジ643をヨーク641のネジ穴641cに螺着する。これにより、図10(b)に示す構成体がヨークユニット640に装着される。
【0081】
こうして、図11(a)に示す構成体が完成する。この状態で、チルトフレーム612は、パンフレーム621と一体的に、支軸611の周りに回動可能となり、また、支軸611に沿って左右に僅かに移動可能となる。
【0082】
こうして組み立てられた図11(a)の構成体は、ヨーク641の2つの壁部641aが、それぞれ、マグネットユニット630側のフレーム631の切り欠き631cに挿入されるようにして、マグネットユニット630に装着される。そして、この状態で、軸固定部材642の孔642fを介して、ネジ644が、ヨーク641のネジ穴641dとマグネットユニット630のネジ穴631dに螺着される。これにより、図11(a)に示す構成体が、マグネットユニット630に固着される。こうして、図11(b)に示すように、ミラーアクチュエータ600の組み立てが完了する。
【0083】
図11(b)に示す組み立て状態において、パンフレーム621が支軸622を軸として回動すると、これに伴ってミラー650が回動する。また、チルトフレーム612が支軸611を軸として回動すると、これに伴ってパンユニット620が回動し、パンユニット620と一体的にミラー650が回動する。このように、ミラー650は、互いに直交する支軸611、622によって回動可能に支持され、チルトコイル613およびパンコイル623への通電によって、支軸611、622の周りに回動する。このとき、パンユニット620に装着された透明体660も、ミラー650の回動に伴って回動する。
【0084】
なお、バランサ622dは、図10(b)に示す構成体が、支軸611を軸として回動するとき、かかる回動がバランス良く行われるよう調整するためのものである。かかる回動のバランスは、バランサ622dの重さによって調整される。この他、バランサ622dが上下に変位可能であれば、上下方向の位置を微調整することにより、回動のバランスを調整可能である。
【0085】
図11(b)に示すアセンブル状態において、8個のマグネット632は、チルトコイル613に電流を印加することにより、チルトフレーム612に支軸611を軸とする回動力が生じるよう、配置および極性が調整されている。したがって、コイル613に電流を印加すると、コイル613に生じる電磁駆動力によって、チルトフレーム612が、支軸611を軸として回動し、これに伴って、ミラー650と透明体660が回動する。
【0086】
また、図11(b)に示すアセンブル状態において、2個のマグネット633は、パンコイル623に電流を印加することにより、パンフレーム621に支軸622を軸とする回動力が生じるよう、配置および極性が調整されている。したがって、パンコイル623に電流を印加すると、パンコイル623に生じる電磁駆動力によって、パンフレーム621が、支軸622を軸として回動し、これに伴って、ミラー650と透明体660が回動する。
【0087】
本実施の形態では、図12においても、パンコイル623とチルトコイル613に電流を供給するための第1FPC30と第2FPC40が、ミラーアクチュエータ600に装着される。なお、第1FPC30と第2FPC40は、上記に説明したミラーアクチュエータ600の組み立て時に装着される。すなわち、第1FPC30は、パンコイル623がコイル装着部621hに装着される前に、コイル装着部621hに装着される。また、第2FPC40は、パンユニット620がチルトユニット610に装着される前に、チルトフレーム612に装着される。
【0088】
図12は、第1FPC30と第2FPC40の構成を示す図である。同図(a)および(c)は、それぞれ、第1FPC30と第2FPC40の斜視図、同図(b)および(d)は、それぞれ、第1FPC30と第2FPC40がミラーアクチュエータ600に装着されたときの状態を示す斜視図である。
【0089】
同図(a)を参照して、第1FPC30は、装着部31と、屈曲部32、34と、直線部33、35とを備えている。装着部31には、2つの孔31aが形成され、それぞれの孔31aの周りには、電極31bが上面から外部に露出している。
【0090】
第1FPC30は、薄い板状の形状を有し、厚み方向に弾性をもって撓み得る。直線部35の端部には、コネクタ(図示せず)が配され、このコネクタから2本の信号線が、それぞれ、第1FPC30の上面を通って、装着部31の電極31bへと至っている。第1FPC30の上面および下面は、絶縁材により被覆されている。2つの孔31aとその周りの電極31bの部分は、絶縁材による被服が行われていない。第1FPC30は、同図(a)の点線の位置で折り曲げられ、同図(b)のような状態で、ミラーアクチュエータ600に装着される。
【0091】
同図(c)を参照して、第2FPC40は、装着部41と、直線部42、43とを備えている。装着部41には、2つの孔41aが形成され、それぞれの孔41aの周りには、電極41bが上面から外部に露出している。
【0092】
第2FPC40は、薄い板状の形状を有し、厚み方向に弾性をもって撓み得る。直線部43の端部には、コネクタ(図示せず)が配され、このコネクタから2本の信号線が、それぞれ、第2FPC40の上面を通って、装着部41の電極41bへと至っている。第2FPC40の上面および下面は、絶縁材により被覆されている。2つの孔41aとその周りの電極41bの部分は、絶縁材による被服が行われていない。第2FPC40は、同図(c)の点線の位置で折り曲げられ、同図(d)のような状態で、ミラーアクチュエータ600に装着される。
【0093】
図13は、第1FPC30と第2FPC40の装着方法を説明する図である。同図(a)および(b)は、図10(b)の構成体に、第1FPC30と第2FPC40が装着された状態を正面側よび背面側から見たときの斜視図である。同図(c)は、パンフレーム621に第1FPC30が装着された状態を正面側から見た斜視図、同図(d)は、チルトフレーム612に第2FPC40が装着された状態を背面側から見た斜視図である。なお、図13では、便宜上、チルトコイル613とパンコイル623が、図示省略されている。
【0094】
同図(c)に示すように、第1FPC30は、パンフレーム621の背面側から開口621iを通って、正面側に引き出されるようにして、パンフレーム621に装着される。同図(b)に示すように、パンフレーム621背面のコイル装着部621hには、2つのピン621jが形成されている。これらピン621jに、第1FPC30の装着部31に形成された孔31aが挿入され、第1FPC30の装着部31と屈曲部32が、コイル装
着部62に接着固定される。そして、第1FPC30の直線部33、35と屈曲部34が、コイル装着部621hの開口621iから正面側に引き出される。
【0095】
同図(d)に示すように、チルトフレーム612の背面には、2つのピン612hが形成されている。これらピン612hに、第2FPC40の装着部41に形成された孔41aが挿入され、第2FPC40の装着部41と直線部42が、チルトフレーム612の背面612gに沿うようにして、背面612gに接着固定される。
【0096】
同図(c)に示すようにして第1FPCが装着されたパンユニット620は、同図(d)に示すようにして第2FPC40が装着されたチルトフレーム612に、上記のようにして、取り付けられる。このとき、同図(c)にハッチングを付した屈曲部34が、チルトフレーム612の背面612fに沿うようにして、背面612fに接着固定される。こうして、同図(a)、(b)に示す構成体が組み立てられる。
【0097】
しかる後、同図(a)、(b)の構成体に、図11(a)に示すようにヨークユニット640が装着され、さらに、この構成体が、同図(b)に示すように、マグネットユニット630に装着される。このとき、第1FPC30の直線部35と第2FPC40の直線部43が、マグネットユニット630のフレーム631の背面上部に形成されたスリット(図示せず)から、背面側に引き出される。スリットは、チルトフレーム612の回動時に、第1FPC30の直線部35と第2FPC40の直線部43が円滑に動き得る程度の隙間を有している。こうして、ミラーアクチュエータ600の組み立てが完了する。
【0098】
なお、図13(d)の状態において、左右のコイル装着部612aに装着されたチルトコイル613の両端が、それぞれ、対応するピン612hに巻き付けられる。すなわち、各コイルの一端が2つのピン612hの一方に巻き付けられ、各コイルの他端が2つのピン612hの他方に巻き付けられる。その状態で、チルトコイル613の端部と孔41a周囲の電極41bとが半田付けされる。
【0099】
また、同図(b)の状態において、第1FPC30の装着部31aの上から、コイル装着部621hにパンコイル623が装着される。図14は、パンコイル623の装着方法を説明する図である。同図(a)に示すように、コイル装着部621hには、パンコイル623を位置決めするための突起621k、621l、621mが形成されている。パンコイル623は、内周部の開口がこれら突起621k、621l、621mに嵌め込まれ、同図(b)に示すように、コイル装着部621hに接着固定される。この状態で、パンコイル623の両端が、それぞれ、対応するピン612jに巻き付けられる。
【0100】
本実施の形態においても、第1FPC30の直線部33が支軸622の周りを回った状態で、第1FPC30の屈曲部34がチルトフレーム612に固着されている。このため、パンフレーム621は、直線部33のバネ性(弾性復帰力)によって、支軸622の周りに回転する力を受ける。よって、この力の向きが、走査開始位置への復帰動作をアシストする向きとなるように、ミラーアクチュエータ600を制御することで、上記実施形態1と同様、復帰動作時にチルトコイル623に印加する電流をそれほど高めずとも、チルトフレーム621およびミラー650を走査開始位置に迅速に復帰させることができる。
【0101】
また、本実施の形態においても、図13(b)に示す通り、第1FPC30の直線部35と第2FPC40の直線部43が、ともに下向きに曲げられているため、これら直線部35、43のバネ性(弾性復帰力)によって、チルトフレーム612が下方向を向くように付勢される。したがって、本実施の形態においても、支軸611の周りの走査開始位置を、チルトフレーム612が下方向を向く位置に設定すると良い。こうすると、直線部35、43のバネ性(弾性復帰力)によるアシストによって、支軸611の周りの走査開始
位置へと迅速に、チルトフレーム612およびミラー650を復帰させることができる。
【0102】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施の形態も上記以外に種々の変更が可能である。
【0103】
たとえば、2つの軸の周りにミラーが回転するミラーアクチュエータの構成例を上記2つの実施の形態により示したが、本発明は、上記以外の構成のミラーアクチュエータにも適用可能である。
【0104】
また、上記実施の形態では、配線部材としてFPCを示したが、配線部材は、FPCに限らず、FFC(フレキシブル・フラット・ケーブル)等、撓み方向に弾性を持つ他の配線部材を用いても良い。また、ミラー以外の光学素子(たとえば、レンズ等)を変位させて走査レーザ光を走査しても良い。さらに、ミラーアクチュエータ100は、少なくとも一つの回動軸を持つものであれば、他の構成であって良い。
【0105】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0106】
10 … 第1FPC(配線部材)
20 … 第2FPC(他の配線部材)
100 … ミラーアクチュエータ(アクチュエータ)
110 … ミラーホルダ(第1の可動部)
113 … ミラー(光学素子)
114 … コイル(第1のコイル)
120 … 可動枠(第2の可動部)
126 … コイル(第2のコイル)
401 … レーザ光源
30 … 第1FPC(配線部材)
40 … 第2FPC(他の配線部材)
600 … ミラーアクチュエータ(アクチュエータ)
621 … パンフレーム(第1の可動部)
650 … ミラー(光学素子)
623 … パンコイル(第1のコイル)
612 … チルトフレーム(第2の可動部)
613 … チルトコイル(第2のコイル)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射するレーザ光源と、
目標領域において前記レーザ光を走査させるアクチュエータと、
前記アクチュエータに駆動信号を供給する配線部と、を備え、
前記アクチュエータは、
第1の軸の周りに回動可能な第1の可動部と、
前記第1の可動部に配されるとともに前記レーザ光が入射する光学素子と、
前記第1の可動部に配された第1のコイルと、を有し、
前記配線部は、
前記第1のコイルに電気的に接続されるとともに、撓み方向にバネ性を有し、前記バネ性を用いて前記第1の可動部を前記第1の軸の周りの第1の走査開始位置に向かって付勢するように配置された配線部材を有する、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載のビーム照射装置において、
前記配線部材は、フレキシブルプリント基板からなっている、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のビーム照射装置において、
前記アクチュエータは、
前記第1の可動部を前記第1の軸の周りに回動可能に支持するとともに前記第1の軸に垂直な第2の軸の周りに回動可能な第2の可動部と、
前記第2の可動部に配された第2のコイルと、を備え、
前記配線部材は、
前記第1の可動部が前記第1の走査開始位置に向かって前記第2の可動部から前記バネ性による付勢を受けるように、前記第2の可動部に一部が固着されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項4】
請求項3に記載のビーム照射装置において、
前記配線部材は、さらに、前記第2のコイルに電気的に接続されるとともに、前記バネ性を用いて前記第2の可動部を前記第2の軸の周りの第2の走査開始位置に向かって付勢するように配置されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載のビーム照射装置において、
前記配線部材は、前記可動部の上部と下部にそれぞれ配置され、これら2つの配線部材に、それぞれ、前記第1のコイルの端部が接続されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項6】
請求項3に記載のビーム照射装置において、
前記配線部は、前記配線部材とは別に、前記第2のコイルに信号を供給するための他の配線部材を備え、
前記他の配線部材は、前記第2のコイルに電気的に接続されるとともに、撓み方向にバネ性を有し、前記バネ性を用いて前記第2の可動部を前記第2の軸の周りの第2の走査開始位置に向かって付勢するように配置されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項1】
レーザ光を出射するレーザ光源と、
目標領域において前記レーザ光を走査させるアクチュエータと、
前記アクチュエータに駆動信号を供給する配線部と、を備え、
前記アクチュエータは、
第1の軸の周りに回動可能な第1の可動部と、
前記第1の可動部に配されるとともに前記レーザ光が入射する光学素子と、
前記第1の可動部に配された第1のコイルと、を有し、
前記配線部は、
前記第1のコイルに電気的に接続されるとともに、撓み方向にバネ性を有し、前記バネ性を用いて前記第1の可動部を前記第1の軸の周りの第1の走査開始位置に向かって付勢するように配置された配線部材を有する、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載のビーム照射装置において、
前記配線部材は、フレキシブルプリント基板からなっている、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のビーム照射装置において、
前記アクチュエータは、
前記第1の可動部を前記第1の軸の周りに回動可能に支持するとともに前記第1の軸に垂直な第2の軸の周りに回動可能な第2の可動部と、
前記第2の可動部に配された第2のコイルと、を備え、
前記配線部材は、
前記第1の可動部が前記第1の走査開始位置に向かって前記第2の可動部から前記バネ性による付勢を受けるように、前記第2の可動部に一部が固着されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項4】
請求項3に記載のビーム照射装置において、
前記配線部材は、さらに、前記第2のコイルに電気的に接続されるとともに、前記バネ性を用いて前記第2の可動部を前記第2の軸の周りの第2の走査開始位置に向かって付勢するように配置されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載のビーム照射装置において、
前記配線部材は、前記可動部の上部と下部にそれぞれ配置され、これら2つの配線部材に、それぞれ、前記第1のコイルの端部が接続されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項6】
請求項3に記載のビーム照射装置において、
前記配線部は、前記配線部材とは別に、前記第2のコイルに信号を供給するための他の配線部材を備え、
前記他の配線部材は、前記第2のコイルに電気的に接続されるとともに、撓み方向にバネ性を有し、前記バネ性を用いて前記第2の可動部を前記第2の軸の周りの第2の走査開始位置に向かって付勢するように配置されている、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−186422(P2011−186422A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195155(P2010−195155)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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