説明

ピクセル化された照明装置を備える自動立体ディスプレイ

自動立体ディスプレイが開示される。自動立体ディスプレイ装置が、複数の垂直なピクセルストライプを有するピクセル化されたバックライトを含む。各ピクセルストライプが左眼用光源と右眼用光源とを有する。画像ディスプレイパネルが、バックライトの複数の垂直なピクセルストライプと位置合わせされた複数の画像ストライプを表示するように構成されている。レンズアレイが、ピクセル化されたバックライトと画像ディスプレイパネルとの間にある。レンズアレイが複数のレンズストライプで形成される。各レンズストライプが右眼用レンズと左眼用レンズとを含み、バックライトの複数の垂直なピクセルストライプが複数のレンズストライプと位置合わせされている。左眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ左眼用レンズを介して左眼用位置に向けられ、右眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ右眼用レンズを介して右眼用位置に向けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ピクセル化された照明装置を備える自動立体ディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
自動立体ディスプレイは、通常、右眼用と左眼用の個々の視点からの視差を有する画像を観察者に示す。観察者の両方の目に視差画像を提供するのに、2つの方法がある。1つの方法では、観察者が、左/右画像ディスプレイの交代と同期化して視聴者の眼から光を透過又は遮断する1対のシャッター又は3Dメガネを利用する。同様に、別の方法では、右眼及び左眼の視点が交互に表示され、3Dメガネを使用せずに観察者のそれぞれの眼にいたる。この第2の方法は、自動立体視と呼ばれ、別個のメガネが不要であるのでステレオ3D観察に望ましい。
【0003】
液晶ディスプレイ(LCD)は、サンプルアンドホールド表示装置であり、ディスプレイの任意の点又はピクセルにおける画像は、そのピクセルが次の画像リフレッシュ時間、通常は1/60秒又はそれより速い時間で更新されるまで、安定している。このようなサンプルアンドホールドシステムでは、異なる画像を表示するために、具体的には自動立体ディスプレイ用の交互の左及び右の画像を表示するためには、例えば、右眼用データが表示されている間に左眼用画像光源がオンではなく、また逆も同様であるように、光源のタイミング順序付けを注意深く行なう必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高品質の自動立体画像を得るためには、右及び左の光源が画像ディスプレイと同期してオン/オフになることを確保することが重要である。しかしながら、画像は時間的に多重化されるので、一方の目は視聴時間の半分ブラックデータを見ることになり、多くの場合「ちらつき」が起こり、これが視聴者に不快感をもたらす。自動立体ディスプレイ、特に60ヘルツ以下のリフレッシュレートで作動するディスプレイにおけるちらつきの解消が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、ピクセル化された照明装置を備える自動立体ディスプレイに関する。
【0006】
代表的な実施形態において、自動立体ディスプレイ装置が、複数の垂直なピクセルストライプを有するピクセル化されたバックライトを含む。各ピクセルストライプが、左眼用光源と右眼用光源とを有する。画像ディスプレイパネルが、バックライトの複数の垂直なピクセルストライプと位置合わせされている複数の画像ストライプを表示するように構成される。レンズアレイが、ピクセル化されたバックライトと画像ディスプレイパネルとの間にある。このレンズアレイが複数のレンズストライプで形成される。各レンズストライプが右眼用レンズと左眼用レンズとを含み、かつバックライトの複数の垂直なピクセルストライプが複数のレンズストライプと位置合わせされている。左眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ左眼用レンズを介して左眼用位置に向けられ、及び右眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ右眼用レンズを介して右眼用位置に向けられる。
【0007】
別の代表的な実施形態において、自動立体画像を表示する方法が、複数の垂直なピクセルストライプを有するピクセル化されたバックライトで液晶ディスプレイパネルを照射する工程を含む。各ピクセルストライプが左眼用光源と右眼用光源とを有する。次に、液晶ディスプレイパネル上の交互の画像ストライプとして、右の光源を用いた右眼用画像の前半と、左眼用光源を用いた左眼用画像の前半とを同時に表示する工程。この画像ストライプがピクセルストライプと位置合わせされ、右眼用画像が視聴者の右眼に向けて方向付けられ、かつ左眼用画像は視聴者の左眼に向けて方向付けられる。次に、液晶ディスプレイパネル上の交互の画像ストライプとして、右の光源を用いた右眼用画像の後半と、左眼用光源を用いた左眼用画像の後半を同時に表示する工程。この画像ストライプがピクセルストライプと位置合わせされ、右眼用画像が視聴者の右眼に向けて方向付けられ、かつ左眼用画像が視聴者の左眼に向けて方向付けられて、3D画像を形成する。
【0008】
別の代表的な実施形態において、自動立体ディスプレイ装置が、複数の垂直なピクセルストライプを有するピクセル化されたバックライトを含む。各ピクセルストライプは左眼用光源と右眼用光源とを有する。画像ディスプレイパネルが、バックライトの複数の垂直なピクセルストライプと位置合わせされた複数の画像ストライプを表示するように構成されている。レンズアレイは、ピクセル化されたバックライトと画像ディスプレイパネルとの間にある。レンズアレイは複数のレンズストライプで形成される。各レンズストライプが右眼用レンズと左眼用レンズとを含み、バックライトの複数の垂直なピクセルストライプが複数のレンズストライプと位置合わせされている。左眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ左眼用レンズを介して左眼用位置に向けられ、右眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ右眼用レンズを介して右眼用位置に向けられる。画像ディスプレイパネルが、右眼用画像及び左眼用画像を同時表示して3D画像を形成するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面と共に以下の本発明の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本開示はより完全に理解され得る。
【図1】例示的なディスプレイ装置の概略正面図。
【図2】図1に示される代表的なディスプレイの概略断面図。
【図3】図1に示される代表的な装置の空間多重化方式の概略図。
【図4A】作動中である図1の例示的なディスプレイ装置の概略断面図。
【図4B】作動中である図1の例示的なディスプレイ装置の概略断面図。
【0010】
図面は、必ずしも一定の比率の縮尺ではない。図中で用いられる類似の数字は、類似の構成要素を示す。しかし、所与の図中の構成要素を意味する数字の使用は、同一数字で表示した別の図中の構成要素を制約するものではないことは理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次の記述において、本明細書の一部を構成する添付の図面を参照し、幾つかの特定の実施形態を例として示す。本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、その他の実施形態が検討され、作成され得ることを理解されたい。したがって、以下の「発明を実施するための形態」は、限定する意味で理解すべきではない。
【0012】
本明細書で使用するすべての科学用語及び専門用語は、特に指示がない限り、当該技術分野において一般的に使用される意味を有する。本明細書にて提供される定義は、本明細書でしばしば使用される幾つかの用語の理解を促進しようとするものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0013】
他に指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴の大きさ、量、物理特性を表わす数字はすべて、どの場合においても用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて、目標対象とする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。
【0014】
端点による数値範囲の詳述には、その範囲内に組み入れられる全ての数が包含され(例えば1〜5には、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5が包含される)並びにその範囲内のあらゆる範囲が包含される。
【0015】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「ある(a及びan)」及び「その(the)」は、その内容が特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を有する実施形態を包含する。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、用語「又は」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、一般的に「及び/又は」を含む意味で用いられる。
【0016】
用語「立体表示用」は、ユーザー又は視聴者の側で特別なヘッドギア又はメガネを使用することなく見ることができる三次元画像を表示することを指す。これらの方法は、画像が平面デバイスによって生成されたとしても、視聴者に奥行き感覚を作り出す。
【0017】
液晶ディスプレイは、任意の特定の点における画像が、典型的には1/50(又は1/60)秒以下である次の画像リフレッシュ時間にその点又はピクセルが更新されるまで安定であるようなサンプルホールド式のディスプレイ装置である。そのようなサンプルアンドホールド式のシステムにおいて、ディスプレイの順次的なリフレッシュ期間中に、異なる画像、具体的には、3D表示用の交互に入れ替わる左用画像と右用画像を表示するには、例えば、左眼用光源が右眼用のデータの表示中にはオンとならず、逆もまた同様となるように、バックライト光源の綿密な順序付けが要求される。
【0018】
本開示は、ピクセル化された照明装置を備える自動立体ディスプレイに関する。ディスプレイが、光学レンズアレイに光を提供して、視聴者の右眼又は左眼のいずれかに向かう指向性光を生成する、ピクセル化された照明装置を備える。各ディスプレイフレームが2つのフィールドから構成されている。第1のフィールドが、ソースフレームの左及び右画像からの交互のストライプからなり、第2のフィールドが、ソースフレームからの残りの左及び右画像からの交互のストライプからなる。同時に、ピクセルの半分が右眼に向けられ、残りの半分が左眼に向けられる。各フィールドにおいて、それぞれの眼がソース画像を構成するピクセルの数の半分のみを見るが、次のフィールドによって画像の残りの半分が提示されるので、組み合わされたフィールドがソース画像の最大解像度を眼に提供し、ちらつき感はない。本開示は自動立体ディスプレイに特に有用である。本開示は3D静止画ディスプレイにも有用である。本開示は、右及び左画像フィールドが同じ又は類似である2D画像ディスプレイにも有用である。本開示はそのように限定されていないが、本開示の様々な態様の理解が、以下に示す例の考察を通じて得られる。
【0019】
図1は、例示的なディスプレイ装置10の概略的正面図である。ディスプレイ装置10が画像ディスプレイパネル15を備える。画像ディスプレイパネル15が複数の垂直な画像ストライプA、B、C、D、E、F(本明細書では垂直なピクセルストライプA、B、C、D、E、Fとも呼ばれる)を表示するように構成されている。本開示を通して6個の垂直な画像ストライプが例示されているが、画像ディスプレイパネル15は、任意の有用な数の画像ストライプ、例えば、10個以上、50個以上、100個以上、又は1000個以上を有することができることは理解される。ディスプレイ装置10が、任意の有用な形状又は構成を有することができる。多くの実施形態において、ディスプレイ装置10が正方形状又は矩形状を有する。
【0020】
画像ディスプレイパネル15が、任意の有用なディスプレイであることができる。多くの実施形態において、画像ディスプレイパネル15が、リフレッシュレートが120ヘルツ以下、若しくは90ヘルツ以下、又は60ヘルツ以下である液晶ディスプレイパネルである。いくつかの実施形態において、画像ディスプレイパネル15が強誘電性ディスプレイパネルである。多くの実施形態において、画像ディスプレイパネル15の各画像ストライプA、B、C、D、E、F又は垂直なピクセルストライプA、B、C、D、E、Fが、例えば、赤色ピクセルと、緑色ピクセルと、及び青色ピクセルなどの2つ以上の色付けされたピクセルを含む。
【0021】
画像ディスプレイパネル15が、右眼用画像と左眼用画像とを同時に表示することができる。以下により詳細に記述されるように、右眼用画像の前半及び左眼用画像の前半は、交互の画像ストライプとして、画像ディスプレイパネル15上に同時に表示される。次に、右眼用画像の後半及び左眼用画像の後半が、交互の画像ストライプとして、画像ディスプレイパネル15上に同時に表示される。
【0022】
図2は、図1に示される代表的なディスプレイ10の概略断面図である。ディスプレイ装置10が、上記の複数の垂直な画像ストライプA、B、C、D、E、F(ピクセルの縦列)を有する画像ディスプレイパネル15を含む。ピクセル化されたバックライト30が、液晶ディスプレイパネル15に光を供給するように位置決めされている。レンズアレイ20が、光学的に画像ディスプレイパネル15とピクセル化されたバックライト30との間にある。
【0023】
垂直な画像ストライプA、B、C、D、E、F、又はピクセルの縦列A、B、C、D、E、Fが、任意の有用な構成に配置された赤、青、及び緑に色付けされたピクセルを含むことができる。多くの実施形態において、垂直な画像ストライプA、B、C、D、E、F又はピクセルの縦列A、B、C、D、E、Fが、垂直な画像ストライプA、B、C、D、E、F又はピクセルの縦列A、B、C、D、E、Fに沿って垂直に配置された、赤、青、及び緑に色付けされたピクセルを含む。色付けされたピクセルが、水平な(垂直なピクセルの縦列に直交する)単一色のピクセル線として配置されることができる。
【0024】
ピクセル化されたバックライト30が、複数の垂直なピクセルストライプ30、30、30、30、30、30を含む。多くの実施形態において、垂直なピクセルストライプが、垂直な画像ストライプと位置合わせされている。各垂直なピクセルストライプ30、30、30、30、30、30が、右眼用光源32と左眼用光源31とを含む。多くの実施形態において、右眼用光源32及び左眼用光源31が、固体光源である。固体光源が、例えば、90ヘルツ以下、60ヘルツ以下、又は50ヘルツ以下などの任意の有用なレートで変調されることができる、任意の有用な固体光源となり得る。多くの実施形態において、固体光源が複数個の発光ダイオードである。他の実施形態において、固体光源が複数個のレーザーダイオード又は有機発光ダイオード(即ち、OLED)である。固体光源が、白、赤、青及び/又は緑などのあらゆる可視光波長を放射することができる。
【0025】
レンズアレイ20が、複数の垂直なレンズストライプ20、20、20、20、20、20を含む。多くの実施形態において、垂直なレンズストライプが、垂直な画像ストライプ及び垂直なピクセルストライプと位置合わせされている。垂直なレンズストライプ20、20、20、20、20、20のそれぞれが、右眼用レンズ22と左眼用レンズ21とを含む。右眼用レンズ22が、右眼用光源32からの光を透過して、これを画像ディスプレイパネル15を介して視聴者の右眼1bに向ける。左眼用レンズ21が、左眼用光源31からの光を透過して、これを画像ディスプレイパネル15を介して視聴者の左眼1aに向ける。多くの実施形態において、右眼用レンズ22及び左眼用レンズ21が、レンズ状の断面輪郭を有する。レンズアレイ20が2個の個別レンズを有して図示されているが、右眼用レンズ22及び左眼用レンズ21が、上記のように光を方向付けるのに十分な、複合形状を有する、又は小平面を有する単一レンズであり得ることは理解される。
【0026】
動作中、ピクセル化されたバックライト30からの光がレンズアレイ20を透過し、画像ディスプレイパネル15を照射する。例えば、画像ストライプAが、ピクセルストライプ30の右眼用光源32及びレンズストライプ20の右画像レンズ22によって供給された光で、右眼用画像の一部分を表示する。次に、画像ストライプAが、ピクセルストライプ30の左眼用光源31及びレンズストライプ20の左画像レンズ21によって供給された光で、左眼用画像の一部分を表示する。したがって、動作中、各ピクセルストライプの左眼用光源31又は右眼用光源32の一方のみが、レンズストライプを介して光を画像ストライプに供給する。
【0027】
同期駆動要素50が、ピクセル化されたバックライト30の光源31、32及び画像ディスプレイパネル15と電気的に接続されている。同期駆動要素50が、1秒当たり90フレーム以下、又は1秒当たり60フレーム以下のレートで、画像フレームが画像ディスプレイパネル15に供給されるように、右眼用画像の固体光源32及び左眼用画像の固体光源31の作動及び停止(即ち、変調)を同期させて、ちらつきのない静止画像シーケンス、ビデオストリーム、又はレンダリングされたコンピュータグラフィックを生成する。画像(例えば、ビデオ又はコンピュータでレンダリングされたグラフィック)ソース60が、同期駆動素子50に接続され、画像フレーム(例えば、右眼用画像及び左眼用画像)を画像ディスプレイパネル15に供給する。
【0028】
画像ソース60が、例えば、ビデオソース又はコンピュータでレンダリング(描画)されたグラフィックソースなどの画像フレーム(例えば、第1の画像視野及び左眼用画像視野)を供給することができる任意の有用な画像ソースであってよい。多くの実施形態において、ビデオソースが、1秒当たり24フレーム〜1秒当たり30フレーム、又はそれ以上の画像フレームを供給することができる。多くの実施形態において、コンピュータでレンダリングされたグラフィックの供給源が、50ヘルツ〜60ヘルツ(1秒当たりのフレーム)、又はそれ以上の画像フレームを供給することができる。
【0029】
コンピュータでレンダリングされたグラフィックソースが、ゲームコンテンツ、医用撮像(medical imaging)コンテンツ、コンピュータ支援設計コンテンツなどを供給することができる。コンピュータでレンダリングされたグラフィックソースが、例えば、Nvidia FX5200グラフィックカード、Nvidia GeForce 9750 GTXグラフィックカード、又はノートパソコンなどの携帯型ソリューションにはNvidia GeForce GO 7900 GSグラフィックカードなどの、グラフィック処理ユニットを含むことができる。コンピュータでレンダリングされたグラフィックソースはまた、例えば、OpenGL、DirectX、又はNvidiaの特許権下にある3Dステレオドライバーなどの、適切なステレオドライバーソフトウェアを組み込むこともできる。
【0030】
ビデオソースがビデオコンテンツを供給することができる。ビデオソースが、例えば、Nvidia Quadro FX1400グラフィックカードなどのグラフィック処理ユニットを含むことができる。ビデオソースがまた、例えば、OpenGL、DirectX、又はNvidiaの特許権下にある3Dステレオドライバーなどの、適切なステレオドライバーソフトウェアを組み込むこともできる。
【0031】
同期駆動要素50が、右眼用画像の固体光源32及び左眼用画像の固体光源31の作動及び停止(即ち変調)を、画像ディスプレイパネル15に供給される画像フレームと同期させて、ちらつきのない3Dビデオ又はレンダリングされた3Dコンピュータグラフィックスを生成する任意の有用な駆動要素を含むことができる。同期駆動素子50が、例えば、カスタムの固体光源駆動電子装置と連結したWestar VP−7ビデオアダプタ(Westar Display Technologies,Inc.,St.Charles,Missouri)などの、ビデオインターフェースを含むことができる。
【0032】
図3は、図1に示される代表的な装置の空間多重化方式の概略図である。ソースフレームが、左画像フィールドと右画像フィールドとを含む(例えば、2つのフィールド=1つのフレーム、左画像フィールド+右画像フィールド)。各右画像及び左画像が、ディスプレイパネルの垂直な画像ストライプ(例えば、ピクセルの縦列)に対応する垂直なストライプに分割されている。したがって、例示の左画像及び右画像が、図1のディスプレイ装置10に対応するように6つの画像ストライプ(A、B、C、D、E、F)に分割されている。ディスプレイ装置が、例えば、1/60秒(又は1/50秒)などの任意の有用な時間の間フィールド1を表示し、次に、例えば、1/60秒(又は1/50秒)などの任意の有用な時間の間フィールド2に変調する。ディスプレイ装置が、画像バッファモジュールと時間遅延モジュールとを含んでもよいことは理解される。
【0033】
フィールド1が、画像ストライプA、C、及びEで表示される左画像の半分であるレフト1、レフト3、レフト5をそれぞれ表示し、フィールド1はまた、画像ストライプB、D、及びFで表示される右画像の半分であるライト2、ライト4、ライト6をそれぞれ表示する。フィールド2が、画像ストライプB、D、及びFで表示される左画像の残りの半分であるレフト2、レフト4、レフト6をそれぞれ表示し、フィールド2はまた、画像ストライプA、C、及びEで表示される右画像の半分であるライト1、ライト3、ライト5をそれぞれ表示する。こうして、各画像ストライプ(A、B、C、D、E、F)が、右眼用画像及び左眼用画像の一部分の表示を繰り返す。更に、画像ストライプ(A、B、C、D、E、F)が、ディスプレイにわたって右画像と左画像とをインターレースする。
【0034】
図4A及び図4Bは、動作中である図1の例示的なディスプレイ装置の概略断面図である。図4Aは、図3のフィールド1を表示しているディスプレイ装置の動作を示す。図4Bは、図3のフィールド2を表示しているディスプレイ装置の動作を示す。図4A及び図4Bは、左画像の一部分及び右画像の一部分を同時に表示し、その後、左画像の残りの部分及び右画像の残りの部分を同時に表示することによって、どのように3D画像が形成されるかを示している。図4A及び図4Bは合わさって、図3に関連して説明したような左(眼用)画像及び右(眼用)画像で構成されるソースフレームの3D画像を視聴者に提供する。
【0035】
図4Aは、レフト1、レフト3、レフト5の画像部分を視聴者の左眼1bに表示すると同時に、ライト2、ライト4、ライト6の画像部分を視聴者の右眼1aに表示するディスプレイ装置を示す。各フィールドの表示時間が、例えば、1/50秒、又は1/60秒などの、任意の有用な持続時間となり得る。
【0036】
レフト1の画像がA画像ストライプに表示され、かつ30A垂直なピクセルストライプの左の光源31によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Aの左眼用レンズ21によって、視聴者の左眼1bに向けられる。レフト3の画像がC画像ストライプに表示され、かつ30C垂直なピクセルストライプの左の光源31によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Cの左眼用レンズ21によって、視聴者の左眼1bに向けられる。レフト5の画像がE画像ストライプに表示され、かつ30E垂直なピクセルストライプの左の光源31によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Eの左眼用レンズ21によって、視聴者の左眼1bに向けられる。レフト1、レフト3、レフト5の画像部分が、同時に視聴者の左眼1bに表示される。
【0037】
ライト2の画像がB画像ストライプに表示され、かつ30B垂直なピクセルストライプの右の光源32によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Bの右眼用レンズ22によって、視聴者の右眼1aに向けられる。ライト4の画像がD画像ストライプに表示され、かつ30D垂直なピクセルストライプの右の光源32によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Dの右眼用レンズ22によって、視聴者の右眼1aに向けられる。ライト6の画像がF画像ストライプに表示され、かつ30F垂直なピクセルストライプの右の光源32によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Fの右眼用レンズ22によって、視聴者の右眼1aに向けられる。ライト2、ライト4、ライト6の画像部分が、同時に視聴者の右眼1aに表示される。
【0038】
図4Bは、レフト2、レフト4、レフト6の画像部分を視聴者の左眼1bに表示すると同時に、ライト1、ライト3、ライト5の画像部分を視聴者の右眼1aに表示するディスプレイ装置を示す。各フィールドの表示時間が、例えば、1/60秒などの、任意の有用な持続時間となり得る。
【0039】
レフト2の画像がB画像ストライプに表示され、かつ30B垂直なピクセルストライプの左の光源31によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Bの左眼用レンズ21によって、視聴者の左眼1bへ向けられる。レフト4の画像がD画像ストライプに表示され、かつ30D垂直なピクセルストライプの左の光源31によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Dの左眼用レンズ21によって、視聴者の左眼1bに向けられる。レフト6の画像がF画像ストライプに表示され、かつ30F垂直なピクセルストライプの左の光源31によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Fの左眼用レンズ21によって、視聴者の左眼1bに向けられる。レフト2、レフト4、レフト6の画像部分が、同時に視聴者の左眼1bに表示される。
【0040】
ライト1の画像がA画像ストライプに表示され、かつ30A垂直なピクセルストライプの右の光源32によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Aの右眼用レンズ22によって、視聴者の右眼1aに向けられる。ライト3の画像がC画像ストライプに表示され、かつ30C垂直なピクセルストライプの右の光源32によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Cの右眼用レンズ22によって、視聴者の右眼1aに向けられる。ライト5の画像がE画像ストライプに表示され、かつ30E垂直なピクセルストライプの右の光源32によって照射される。光が、垂直なレンズストライプ20Eの右眼用レンズ22によって、視聴者の右眼1aに向けられる。ライト1、ライト3、ライト5の画像部分が、同時に視聴者の右眼1aに表示される。
【0041】
各フィールド(即ち、フィールド1及びフィールド2)において、それぞれの眼がソース画像を構成するピクセルの数の半分のみを見るが、次のフィールドによって画像の残りの半分が提示されるので、組み合わされたフィールドはソース画像の最大解像度を眼に提供する。このように、視聴者が、ソース画像が1秒当たり30フレームのレートで画像ディスプレイパネルに供給されるときでさえも、3D画像ディスプレイの「ちらつき」を知覚しない。したがって、90ヘルツ以下又は60ヘルツのリフレッシュレートを有するディスプレイパネルは、ちらつきのない自動立体3D画像を表示することが可能である。
【0042】
このように、自動立体ディスプレイ用のピクセル化された照明装置の実施形態が開示される。本発明は、開示されたもの以外の実施形態でも実施可能であることを当業者は理解するであろう。開示された実施形態は、例証の目的で提示されているのであって、制限するものではなく、本発明は、次に続く請求項によってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ピクセルストライプが左眼用光源と右眼用光源とを含む複数の垂直なピクセルストライプを有するピクセル化されたバックライトと、
前記バックライトの複数の垂直なピクセルストライプと位置合わせされている複数の画像ストライプを表示するように構成された画像ディスプレイパネルと、
前記ピクセル化されたバックライトと前記画像ディスプレイパネルとの間にあって、複数のレンズストライプで形成されたレンズアレイであって、各レンズストライプが右眼用レンズと左眼用レンズとを含み、かつ前記バックライトの複数の垂直なピクセルストライプが前記複数のレンズストライプと位置合わせされている、レンズアレイと、を備え、
前記左眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ前記左眼用レンズを介して左眼用位置に向けられ、及び前記右眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ前記右眼用レンズを介して右眼用位置に向けられる、自動立体ディスプレイ装置。
【請求項2】
前記画像ディスプレイパネルが、右眼用画像及び左眼用画像を同時表示して3D画像を形成するように構成されている、請求項1に記載の自動立体ディスプレイ装置。
【請求項3】
前記画像ディスプレイパネルが液晶ディスプレイパネルである、請求項1に記載の自動立体ディスプレイ装置。
【請求項4】
各画像ストライプが、赤色ピクセル、緑色ピクセル、及び青色ピクセルを含む、請求項1に記載の自動立体ディスプレイ装置。
【請求項5】
前記右眼用レンズ及び前記左眼用レンズがレンズ状である、請求項1に記載の自動立体ディスプレイ装置。
【請求項6】
前記左眼用光源及び右眼用光源が固体光源を備える、請求項1に記載の自動立体ディスプレイ装置。
【請求項7】
前記画像ディスプレイパネルが、前記ピクセルストライプ内の交互の右眼用画像及び左眼用画像を同時表示して3D画像を形成するように構成されている、請求項1に記載の自動立体ディスプレイ装置。
【請求項8】
前記画像ディスプレイパネルが90ヘルツ以下のリフレッシュレートを有する、請求項1に記載の自動立体ディスプレイ装置。
【請求項9】
自動立体画像を表示する方法であって、
各ピクセルストライプが左眼用光源及び右眼用光源で形成される複数の垂直なピクセルストライプを有するピクセル化されたバックライトで液晶ディスプレイパネルを照射する工程と、
前記液晶ディスプレイパネル上で前記ピクセルストライプと位置合わせされた交互の画像ストライプとして、前記右の光源を用いて視聴者の右眼に向けて方向付けられた右眼用画像の前半と、前記左眼用光源を用いて視聴者の左眼に向けて方向付けられた左眼用画像の前半とを同時に表示する工程と、
前記液晶ディスプレイパネル上で前記ピクセルストライプと位置合わせされた交互の画像ストライプとして、前記右の光源を用いて視聴者の右眼に向けて方向付けられた右眼用画像の後半と、前記左眼用光源を用いて視聴者の左眼に向けて方向付けられた左眼用画像の後半とを同時に表示して3D画像を形成する工程と、を含む方法。
【請求項10】
前記右の光源を用いた右眼用画像の前半の表示と、前記左眼用光源を用いた左眼用画像の前半の表示とが、1/50秒以下の間発生する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記右の光源を用いた右眼用画像の後半の表示と、前記左眼用光源を用いた左眼用画像の後半の表示とが、1/50秒以下の間発生する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記左眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ前記左眼用レンズを介して前記視聴者の左眼に向けられ、前記右眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ前記右眼用レンズを介して前記視聴者の右眼に向けられる、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
各画像ストライプが、右眼用画像の表示と左眼用画像の表示とを繰り返す、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
各左眼用光源が左眼用レンズと位置合わせされ、各右眼用光源が右眼用レンズと位置合わせされている、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
前記左眼用光源及び右眼用光源が固体光源を備える、請求項8に記載の方法。
【請求項16】
各画像ストライプが、赤色ピクセルと、緑色ピクセルと、及び青色ピクセルとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記右の光源を用いた右眼用画像の前半の表示と、前記左眼用光源を用いた左眼用画像の前半の表示とが1/50秒間発生し、前記右の光源を用いた右眼用画像の後半の表示と、前記左眼用光源を用いた左眼用画像の後半の表示とが1/50秒間発生する、請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記液晶ディスプレイパネルが60ヘルツ以下のリフレッシュレートを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項19】
各ピクセルストライプが左眼用光源と右眼用光源とを含む複数の垂直なピクセルストライプを有するピクセル化されたバックライトと、
前記バックライトの複数の垂直なピクセルストライプと位置合わせされた複数の画像ストライプを表示するように構成された画像ディスプレイパネルと、
前記ピクセル化されたバックライトと前記画像ディスプレイパネルとの間にあって、複数のレンズストライプで形成されたレンズアレイであって、各レンズストライプが右眼用レンズと左眼用レンズとを含み、かつ前記バックライトの複数の垂直なピクセルストライプが前記複数のレンズストライプと位置合わせされている、レンズアレイと、を備え、
前記左眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ前記左眼用レンズを介して左眼用位置に向けられ、前記右眼用光源からの光が、画像ストライプを通り、かつ前記右眼用レンズを介して右眼用位置に向けられ、そして前記画像ディスプレイパネルが右眼用画像及び左眼用画像を同時表示して3D画像を形成するように構成される、自動立体ディスプレイ装置。
【請求項20】
前記画像ディスプレイパネルが、前記ピクセルストライプ内の交互の右眼用画像及び左眼用画像を同時表示して3D画像を形成するように構成される、請求項19に記載の自動立体ディスプレイ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2011−525253(P2011−525253A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514661(P2011−514661)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/044578
【国際公開番号】WO2009/154925
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】