説明

ピストンとコンロッドとの球面連結構造

【課題】コンロッドの球状にされた小端部を保持する2つの凹状の球面の軸心ずれを吸収しつつ、コストを抑え、更にピストンの剛性低下を防止可能なピストンとコンロッドとの球面連結構造を提供する。
【解決手段】カップ状支持部78及びホルダ68に、底面92又は上面68aから球面76側及び/又は球面67側に向かって延びるとともに球面76及び球面67の内径D1よりも大きい内径D2を有する円柱状の空間88が形成され、底面92又は上面68aに沿う方向の球面76と球面67との軸心ずれを吸収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストンとコンロッドとの球面連結構造の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のピストンとコンロッドとの球面連結構造として、コンロッドの球状の小端部が、それぞれ凹状の球面が形成された上部保持部材と下部保持部材とで滑り自在に保持され、上部保持部材が下部保持部材に対してピストンの半径方向に移動可能にされて、上部保持部材の球面と下部保持部材の球面との軸心ずれを自動調心するものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2006−275113公報
【0003】
特許文献1の図3を以下の図7で説明する。なお、符号は振り直した。
図7は従来のピストンとコンロッドとの球面連結構造を説明する断面図であり、ピストン220は、上部ピストン221と、この上部ピストン221の下部にねじ結合される下部ピストン222とからなり、コンロッド226に球面継手215を介して連結されている。
【0004】
詳細には、上部ピストン221は、中央部の裏面に下方に突出する突出部223が設けられ、この突出部223の下部におねじ224が形成されるとともに、突出部223の内側に上部保持部材225を介してコンロッド226の球状の小端部227が当てられている。なお、符号225aは小端部227に滑り自在に嵌合させるために上部保持部材225に形成された凹状の球面である。
上部保持部材225は、突出部223に形成された凹部228内に且つ上部ピストン221の半径方向に移動自在に収納されている。
【0005】
下部ピストン222は、中央部に筒部231が設けられ、この筒部231の上部に、上部ピストン221のおねじ224にねじ結合されるめねじ232が形成されるとともに、筒部231の内側に下部保持部材233を介してコンロッド226の小端部227が当てられている。なお、符号233aは小端部227に滑り自在に嵌合させるために下部保持部材233に形成された凹状の球面である。
【0006】
上部保持部材225に設けられた球面225aの中心を通って鉛直に延びる中心線(軸心)と、下部保持部材233に設けられた球面233aの中心を通って鉛直に延びる中心線(軸心)とに軸心ずれが生じていても、上部保持部材225が突出部223に対して半径方向に移動自在に配置されているため、上記2本の中心線間の軸心ずれが自動調心される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
引用文献1では、上部保持部材225による自動調心のために、突出部223に凹部228を形成したり、上部保持部材225を設けるというように、上部ピストン221の加工工数及び部品点数が増加し、更には凹部228と上部保持部材225との隙間の管理が必要となるため、ピストン220のコストアップを招く。
更には、上部ピストン221に凹部228を形成するために、冠部中央部の肉厚が薄くなるため、上部ピストン221の剛性低下が懸念される。
【0008】
本発明の目的は、コンロッドの球状にされた小端部を保持する2つの凹状の球面の軸心ずれを吸収しつつ、部品点数及び加工工数を削減し、コストを抑え、更にピストンの剛性低下を防止可能なピストンとコンロッドとの球面連結構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、ピストン冠部裏面に突出部が設けられ、この突出部の底に凹状の第1球面が設けられ、この第1球面にコンロッドに設けられた球状の小端部の先端側が滑り自在に嵌合され、小端部の大端部側に保持部材に設けられた凹状の第2球面が滑り自在に嵌合されるともに、突出部及び保持部材に互いに当接する当接面が形成され、それぞれの当接面を当接させることで小端部が第1球面と第2球面とで保持されるピストンとコンロッドとの球面連結構造であって、突出部及び保持部材に、当接面から第1球面側及び/又は第2球面側に向かって延びるとともに第1球面及び第2球面の内径よりも大きい内径を有する円柱状の位置調整空間が形成され、当接面に沿う方向の第1球面と第2球面との軸心ずれを吸収することを特徴とする。
【0010】
作用として、位置調整空間の内径を第1球面及び第2球面の内径よりも大きくすることで、当接面に沿う方向での小端部と第1・第2球面とのクリアランスが確保され、位置調整空間を当接面から第1球面側及び/又は第2球面側に向かって延びるようにすることで、当接面に直交する方向での小端部と第1・第2球面とのクリアランスが確保されて、当接面に沿う方向の第1球面と第2球面との軸心ずれが吸収され、コンロッドの小端部と第1球面及び第2球面との局部当たりが防止される。
【0011】
このように、当接面からピストンの突出部の第1球面側及び/又は保持部材に位置調整空間を形成するだけであるから、コンロッドの球状にされた小端部を保持する2つの凹状の球面の軸心ずれを吸収しつつ、ピストンのコストを抑えることが可能になり、また、ピストンの冠部の肉厚が確保されるからピストン剛性が低下しない。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明では、突出部と保持部材との当接面から第1球面側及び/又は第2球面側に向かって延びるとともに第1球面及び第2球面の内径よりも大きい内径を有する円柱状の位置調整空間が形成され、当接面に沿う方向の第1球面と第2球面との軸心ずれを吸収するので、加工誤差等による第1球面と第2球面との軸心ずれによる小端部と第1球面・第2球面との局部当たりによる球面連結構造の損傷や焼き付き、早期摩耗を防止することができる。
しかも、従来の位置調整技術に比べて、ピストンの加工工数や組立工数の低減、部品数の削減によるコストダウン、ピストン剛性アップを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係るピストンとコンロッドとの球面連結構造を採用した内燃機関の断面図であり、内燃機関10は、シリンダブロック11と、このシリンダブロック11に設けられたシリンダボア12に移動自在に挿入されたピストン13と、このピストン13に球面継手14を介して連結されたコンロッド16と、シリンダブロック11の下部に回転自在に取付けられるとともに中空のクランクピン17でコンロッド16をスイング自在に支持する組立式のクランクシャフト18とを備える。
【0014】
シリンダブロック11は、上部に設けられたシリンダ部21と、このシリンダ部21の内側に嵌合されるとともにシリンダボア12が形成された筒状のスリーブ22と、シリンダ部21の下部に取付けられたアッパークランクケース23とからなる。
【0015】
コンロッド16は、ピストン13に連結された球状の小端部24と、クランクピン17に連結された大端部25と、これらの小端部24及び大端部25のそれぞれを連結するロッド部26とからなり、大端部25がクランクピン17に滑り軸受31を介して連結されている。
【0016】
ここで、符号32はクランクシャフト18に設けられたカウンタウエイト、33はシリンダブロック11の上部にヘッドガスケット(不図示)を介して取付けられたシリンダヘッド、34は吸気バルブ、36は排気バルブ、37は燃焼室、38はアッパークランクケース23とでクランクケースを形成するためにアッパークランクケース23の下部に複数のボルト41で取付けられたロアクランクケース、42はロアクランクケース38の下部に複数のボルト44で取付けられたオイルパンである。
【0017】
図2は本発明に係るピストン及びコンロッドの断面図であり、ピストン13は、円板状の冠部65と、この冠部65の縁から下方に延びる筒状で厚肉のランド部74と、このランド部74から更に下方に延びる筒状でランド部74よりも薄肉のスカート部75,75と、コンロッド16の小端部24に滑り自在に嵌合する凹状の球面76を備えるとともに冠部65の裏面77から下方に突出形成されたカップ状支持部78と、ランド部74及びカップ状支持部78のそれぞれに渡されるとともに冠部65の裏面77から下方に延びる複数のリブ81とが一体成形された部材である。
【0018】
冠部65は、燃焼室37(図1参照)の一部を形成する冠面83を備える。
ランド部74は、冠部65の縁に、冠面83側から順に、トップランド74a、トップリング溝74b、セカンドランド74c、セカンドリング溝74d、サードランド74e及びオイルリング溝74fが設けられた部分であり、トップリング溝74bにトップリングが嵌められ、セカンドリング溝74dにセカンドリングが嵌められ、オイルリング溝74fにオイルリングが嵌められる。なお、74gはオイルリング溝74fの溝底からランド部74の内面74hに貫通するオイル孔である。
【0019】
カップ状支持部78は、下向きに開口する下向き凹部91と、この下向き凹部91の底面92に形成された円形状の底部凹部85と、この底部凹部85の底面86に形成された球面76と、下向き凹部91の内周面93に形成されためねじ94とを備える。
【0020】
下向き凹部91には、2分割されたホルダ68が挿入され、ホルダ68の上面68aが下向き凹部91の底面92に当てられるとともにホルダ68に形成された球面67がコンロッド16の小端部24に滑り自在に嵌合している。
【0021】
ホルダ68は、カップ状支持部78のめねじ94にねじ結合するおねじ95が形成された締結部材71で下から保持されている。なお、符号68cは締結部材71の上面71aが当てられたホルダ68の下面である。
締結部材71は、端面に工具を掛けて回すための複数の係合凹部71bを備える。
【0022】
上記したカップ状支持部78、ホルダ68、締結部材71及び小端部24は、球面継手14を構成する部分である。
【0023】
ホルダ68は、回り止め用ピン(不図示)でカップ状支持部78に対して回転しないようにされるとともに、コンロッド16のロッド部26に当てられる案内面(不図示)が設けられ、ピストン13がコンロッド16に対して回転するのを防止している。
【0024】
コンロッド16は、大端部25(図1参照)とロッド部26とが一体成形され、ロッド部26に小端部24が埋込み式の連結ボルト101で取付けられた部品である。
ロッド部26には中空部103とオイル穴104とねじ穴106が形成され、連結ボルト101にはロッド部26のねじ穴106に連通するオイル穴107が形成され、小端部24にはねじ穴111とねじ穴111から外周面に至る複数のオイル穴112,113とが形成され、大端部25側から上記の中空部103、オイル穴104、ねじ穴106、オイル穴107、ねじ穴111、オイル穴112,113へ順に潤滑油が供給され、球面継手14の滑り面、即ち、小端部24と球面76との間、小端部24と球面67との間が潤滑される。
【0025】
上記したカップ状支持部78の底部凹部85は、ピストン13の上下に延びる中心線120に直交するとともに小端部24の球面の中心を通る直線121から大端部25側に高さH1だけ離れた底面92から底面86までの高さH2の範囲の部分であって、更に、球面67,76の内径D1(即ち、小端部24の外径D1)よりも大きい内径D2の部分であり、底部凹部85の内面87と小端部24との間には片側で寸法Cの隙間が設けられている。
このように、底部凹部85は、小端部24の中央部を囲む空間88を形成している。
【0026】
上記のように、底部凹部85が、コンロッド16の小径部24の内径よりも大きい内径Dを有するとともに、カップ状支持部78の底面92から(又はホルダ68の上面68a)から底面86までの高さH2を有することで、小端部24と底部凹部85との間で、直線121に沿う方向のクリアランスや、中心線120に沿う方向のクリアランスを確保することができる。
【0027】
従って、加工誤差などによって、カップ状支持部78側の球面76の中心を通りピストン13の中心線120に平行な中心線(軸心)に対して、ホルダ68側の球面67の中心を通り中心線120に平行な中心線(軸心)が一致していない場合でも、その軸心ずれを吸収することが可能になり、ピストン13と小端部24とホルダ68とを無理なく組付けることができ、小端部24と球面67,76とをスムーズに滑らせることができる。
【0028】
また、底部凹部85は、ピストン13の下側からカップ状支持部78の下向き凹部91、めねじ94、球面76を加工する際に、段取りを変更せずに工具を変更するだけで容易に加工することができ、加工工数の増加を少なくすることができる。
【0029】
更に、従来のように、小端部24の上部を支持する上部保持部材を移動自在に収納するための凹部をカップ状支持部78に設ける必要がないので、冠部65の肉厚を確保することができ、従来に比べて冠部65の剛性を高めることができる。
【0030】
以上に述べたピストン13とコンロッド16との球面連結構造の作用を次に説明する。
図3は本発明に係るピストンとコンロッドとの球面連結構造の作用を示す第1作用図であり、底部凹部86、即ち空間88の決定方法の前半を順に説明する。なお、図面は簡略化されている。
(1)において、ホルダ68の球面67に小端部24を嵌合させる。
(2)は小端部24が球面67に嵌合した状態を示している。
【0031】
(3)において、ホルダ68とカップ状支持部78とを組付けたときに、ホルダ68側の球面67とカップ状支持部78側の球面76Aとがずれていると、小端部24とカップ状支持部78の球面76Aとは干渉することになり、組付けが困難になるとともに、無理に組み付けたとしても小端部24と球面76Aとが局部的に強く当たり、焼き付き、偏摩耗などが発生する。
【0032】
(4)において、ホルダ68とカップ状支持部78とを組付ける場合に、ホルダ68側の球面67の中心を通り中心線120(図2参照)に平行な中心線125と、カップ状支持部78側の球面76Aの中心を通り中心線120に平行な中心線126とが距離δだけずれているとする。
【0033】
図4は本発明に係るピストンとコンロッドとの球面連結構造の作用を示す第2作用図であり、図3に続いて、底部凹部86、即ち空間88の決定方法の後半を順に説明する。なお、図面は簡略化されている。
(5)において、小端部24とカップ状支持部78の球面76Aとの干渉を避けるために、カップ状支持部78側の球面76Aに底部凹部85Aを形成する。
この結果、干渉部A(ハッチング部分が施された部分である。)での干渉は回避されたが、干渉部B(ハッチング部分が施された部分である。)は残っている。
【0034】
(6)において、干渉部Bでの干渉を回避するために、カップ状支持部78の球面76Aを小径部24から離れるように中心線126に沿って平行に移動させる。実線で描かれた球面76Bは球面76Aを移動した後のものである。
【0035】
(7)において、底部凹部85Aと球面76Bとを繋ぐ。
(8)は中心線125に対して対称になるように移動された底部凹部85及び球面76を示している。これで、カップ状支持部78における底部凹部85及び球面76の位置が決定された。
【0036】
図5(a)〜(c)は本発明に係る球面継手の作用を示す作用図である。
(a)はホルダ68の球面67と、底部凹部85と、カップ状支持部78の球面76を示している。
【0037】
(b)は上記の球面67、底部凹部86及び球面76で囲まれる空間130に小端部24を配置した状態を示している。
例えば、白抜き矢印で示す向きに外力(爆発力及び慣性力)が作用した場合には、小端部24は、カップ状支持部78の球面76に密着しながら外力を受ける。
【0038】
(c)において、(b)の状態から例えば、白抜き矢印で示す向きに外力(慣性力)が切り換わった場合には、小端部24は、矢印で示すように、カップ状支持部78の球面76から離れ、ホルダ68の球面67に密着しながら外力を受ける。
【0039】
このように、底部凹部85を設けても、大きな外力が作用したときには、球面76と小端部24、又は球面67と小端部24が嵌合して確実に外力を受けることができる。
図では、空間130内の小端部24の相対移動距離は誇張されているが、実際には、上記の移動量は、球面67の中心線と球面76の中心線との軸心ずれ量が、例えば20μmのときには、上記中心線に沿う方向の小端部24の移動量は100μm程度となる。
【0040】
図6(a),(b)は本発明に係るピストンとコンロッドとの球面連結構造の別実施形態を示す模式図である。
(a)の実施形態は、カップ状支持部78の底面92に凹状の球面131が形成され、ホルダ68の上面68aにコンロッドの大端部側に延びる上部凹部132が形成され、この上部凹部132の底面133に凹状の球面134が形成され、カップ状支持部78の底面92とホルダ68の上面68aとが当てられた状態を示している。
上記の上部凹部132が図2に示された底部凹部85に相当する部分である。
【0041】
(b)の実施形態は、カップ状支持部78の底面92に冠部側に延びる底部凹部136が形成され、この底部凹部136の底面137に凹状の球面138が形成され、ホルダ68の上面68aにコンロッドの大端部側に延びる上部凹部141が形成され、この上部凹部141の底面142に凹状の球面143が形成され、カップ状支持部78の底面92とホルダ68の上面68aとが当てられた状態を示している。
上記の底部凹部136及び上部凹部141が図2に示された底部凹部85に相当する部分である。
【0042】
以上の図2に示したように、ピストン13の冠部65の裏面77に突出部としてのカップ状支持部78が設けられ、このカップ状支持部78の底に凹状の第1球面としての球面76が設けられ、この球面76にコンロッド16に設けられた球状の小端部24の先端側が滑り自在に嵌合され、小端部24の大端部25(図1参照)側に保持部材としてのホルダ68に設けられた凹状の第2球面としての球面67が滑り自在に嵌合されるともに、カップ状支持部78及びホルダ68に互いに当接する当接面としての底面92、上面68aが形成され、それぞれの当接面(底面92、上面68a)を当接させることで小端部24が球面76と球面67とで保持されるピストン13とコンロッド16との球面連結構造であって、カップ状支持部78及びホルダ68に、底面92又は上面68aから球面76側及び/又は球面67側に向かって延びるとともに球面76及び球面67の内径D1よりも大きい内径D2を有する円柱状の位置調整空間としての空間88が形成され、底面92又は上面68aに沿う方向の球面76と球面67との軸心ずれを吸収するので、加工誤差等による球面76と球面67との軸心ずれによる小端部24と球面76及び小端部24と球面67のそれぞれの局部当たりによる球面連結構造の損傷や焼き付き、早期摩耗を防止することができる。
しかも、従来の位置調整技術に比べて、ピストン13の加工工数や組立工数の低減、部品数の削減によるコストダウン、ピストン13の剛性アップを図ることができる。
【0043】
尚、図3及び図4に示した実施形態では、ホルダ68の球面67を基準にして底部凹部85及び球面76の位置を決定したが、これに限らず、カップ状支持部78の球面76を基準にして底部凹部及び球面67の位置を決定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明のピストンとコンロッドとの球面連結構造は、内燃機関に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係るピストンとコンロッドとの球面連結構造を採用した内燃機関の断面図である。
【図2】本発明に係るピストン及びコンロッドの断面図である。
【図3】本発明に係るピストンとコンロッドとの球面連結構造の作用を示す第1作用図である。
【図4】本発明に係るピストンとコンロッドとの球面連結構造の作用を示す第2作用図である。
【図5】本発明に係る球面継手の作用を示す作用図である。
【図6】本発明に係るピストンとコンロッドとの球面連結構造の別実施形態を示す模式図である。
【図7】従来のピストンとコンロッドとの球面連結構造を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10…内燃機関、13…ピストン、16…コンロッド、24…小端部、65…冠部、67…第2球面(球面)、68…保持部材(ホルダ)、68a,92…当接面(上面、底面)、76…第1球面(球面)、77…裏面、78…突出部(カップ状支持部)、88…位置調整空間(空間)、D1…球面の内径、D2…位置調整空間の内径。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピストン冠部裏面に突出部が設けられ、この突出部の底に凹状の第1球面が設けられ、この第1球面にコンロッドに設けられた球状の小端部の先端側が滑り自在に嵌合され、前記小端部の大端部側に保持部材に設けられた凹状の第2球面が滑り自在に嵌合されるともに、前記突出部及び前記保持部材に互いに当接する当接面が形成され、それぞれの当接面を当接させることで前記小端部が第1球面と第2球面とで保持されるピストンとコンロッドとの球面連結構造であって、
前記突出部及び前記保持部材に、前記当接面から第1球面側及び/又は第2球面側に向かって延びるとともに第1球面及び第2球面の内径よりも大きい内径を有する円柱状の位置調整空間が形成され、前記当接面に沿う方向の第1球面と第2球面との軸心ずれを吸収することを特徴とするピストンとコンロッドとの球面連結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−65784(P2010−65784A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233869(P2008−233869)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】