説明

ピッキングシステム

【課題】効率よく商品のロットを管理することができるピキングシステムを提供する。
【解決手段】ピッキングシステムは、商品のロット情報を表示するラベルLBを作成するラベル発行部3と、ラベルLBのロット情報をRFIDのタグTGに書き込む書き込み部6と、集品コンベヤ8において集品箱CXにセットされたタグTGのロット情報を読み込むタグ読み込み部13を備えている。更に、情報処理部2は、集品箱CXに付与されたオーダー情報と集品箱CXにセットされたタグTGによるロット情報とを関連付けて、データを管理することができる。これによって、商品を所定のオーダー情報が付与された集品箱CXへ投入する際、当該作業に合わせてタグTGを集品箱CXへセットするという簡単な作業を行うことによって、オーダー情報に対するロット情報を管理することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーダーに従って商品をピッキングし、集品するピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のピッキングシステムとして、例えば特許文献1が知られている。このピッキングシステムは、集品箱を搬送する集品コンベヤと、この集品コンベヤに沿って配置された、商品種毎に商品を保管する保管棚と、集品コンベヤの側部に設けられ、オーダーに従ってピッキングすべき商品の個数を表示する表示器と、を備えている。作業員は、表示器の表示に従って商品を保管棚から取り出し、集品コンベヤに沿って搬送される所定の集品箱に投入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09−301509号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、近年、商品の流通過程においてロット情報まで管理することが要求されている。すなわち、オーダーごとに商品を分けた後であっても、当該商品が、いつ、どこで製造されたという情報を管理することが求められている。従来のピッキングシステムでは、このようなロット管理を効率よく行うことが困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、効率よく商品のロットを管理することができるピキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るピッキングシステムは、商品のロット情報を表示するロット情報表示物を作成するロット情報表示物作成手段と、ロット情報表示物のロット情報を読み込むと共に、当該ロット情報をロット情報保持物に書き込む書き込み手段と、オーダーごとに集品部に集められた商品を搬送する集品コンベヤと、集品部に付与されたオーダー情報を読み込むオーダー情報読み込み手段と、集品部に取り付けられたロット情報保持物に保持されたロット情報を読み込むロット情報読み込み手段と、オーダー情報読み込み手段によって読み込まれたオーダー情報と、ロット情報読み込み手段によって読み込まれたロット情報とを関連付ける情報管理手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係るピッキングシステムによれば、ロット情報表示物作成手段が、商品のロット情報を表示するロット情報表示物を作成するため、例えば、商品が入荷されてから集品を行うまでの間に当該ロット情報表示物を商品の付近に配置しておくことによって、ロットごとに商品を管理することが可能となる。また、ロット情報表示物のロット情報をロット情報保持物に書き込む書き込み手段と、オーダーが付与される集品部にセットされた当該ロット情報保持物を読み込むロット情報読み込み手段と、を備えている。更に、情報管理手段は、集品部に付与されたオーダー情報と集品部にセットされたロット情報保持物によるロット情報とを関連付けることができる。これによって、商品を所定のオーダー情報が付与された集品部へ投入する際、当該作業に合わせてロット情報保持物を集品部へ取り付けるという簡単な作業を行うことによって、オーダー情報に対するロット情報を管理することができる。以上により、効率よく商品のロットを管理することができる。
【0008】
また、本発明に係るピッキングシステムにおいて、ロット情報保持物は、RFIDのタグであることが好ましい。ロット情報保持物として、RFIDのタグを用いているため、ロット情報の書き込みを繰り返し行うことができる。すなわち、オーダー情報とロット情報の関連付けが終了した後は、再び別のロット情報の書き込みが可能となる。これによって、少ないタグにてロット管理を行うことが可能となり、コストを抑えることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、効率よく商品のロットを管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係るピッキングシステムのブロック構成を示すブロック構成図である。
【図2】ピッキングシステムを用いて商品の集品を行う場合の入荷から出荷までの作業フローを示すフローチャートである。
【図3】入荷点検及び仕分けの様子を示す図である。
【図4】商品の補充の様子を示す図である。
【図5】集品コンベヤ付近の概略構成を示す図である。
【図6】集品の作業の様子を示す図である。
【図7】オーダーとロット情報とを関連付ける際において、情報処理部で実行される制御処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】オーダー情報と、当該オーダー情報に関連付けられたロット情報を管理するオーダー情報管理テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に沿って本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るピッキングシステム1のブロック構成を示すブロック構成図である。また、図2は、ピッキングシステム1を用いて商品の集品を行う場合の入荷から出荷までの作業フローを示すフローチャートである。図1に示すように、システム全体の制御やデータ管理を行う情報処理部(情報管理手段)2と、検品・仕分場でラベル(ロット情報表示物)LBの発行を行うラベル発行部(ロット情報表示物作成手段)3と、集品ラック4と、ラベルLBを読み込んで当該情報をタグ(ロット情報保持物)TGに書き込む書き込み部(書き込み手段)6と、商品情報や集品ラック4での商品のロケーション等をチェックするチェック部7と、集品箱(集品部)CXを搬送する集品コンベヤ8と、集品箱CXにオーダー情報を付与するオーダー情報付与部9と、オーダーに従って作業者にピッキングする商品の数を表示する表示器11と、集品後に集品箱CXのオーダーを読み込むオーダー情報読み込み部(オーダー情報読み込み手段)12と、集品箱CXに取り付けられたタグTGを読み込むタグ読み込み部(ロット情報読み込み手段)13と、を備えて構成されている。なお、情報処理部2は、一台の情報端末で構成されていてもよく、あるいは各作業場や情報処理室に配置されている複数の情報端末をネットワークで接続することで構成されていてもよい。以下に、ピッキングシステム1の各構成について、作業の流れと共に説明する。
【0013】
入荷された商品は、入荷点検がなされる(図2:ステップS10)と共に、集品ライン別に仕分けがなされる(図2:ステップS20)。また、仕分けがなされた商品は、原料保管庫に保管される(図2:ステップS30)。入荷点検及び仕分けの様子を図3に具体的に示す。図3に示すように、ラベル発行部3は、検品台車DMに備え付けられたバーコードリーダー、入力端末、及びラベラーによって構成されている。ラベル発行部3は、バーコードリーダーによる読み取り、入力端末からの入力、情報処理部2からの管理情報の受信などによって、各種情報を取得する。また、ラベル発行部3は、取得した情報を表示したラベルLBを発行する。ラベル発行部3が取得・発行する情報には、少なくとも商品のロットに関するロット情報が含まれる。その他、商品情報(商品名、仕入先、消費期限、賞味期限など)、商品の数量情報、ラインに関する情報などが含まれる。なお、情報表示物としてラベルLBを例示しているが、情報を表示できるものであれば特に限定されず、例えば、電子ラベルを用いてもよい。
【0014】
具体的な作業手順としては、図3に示すように、作業者が、商品が梱包されたケースBXをトラックからロット別に荷降ろしする。検品台車DMにて、作業者は、ケースBXに付されたバーコードをバーコードリーダーで読み取る。これによって、ラベル発行部3は商品の商品情報を取得する。また、作業者は、各ケースBXの商品の検品を行い、商品の数量やロットを確認し、それらの情報を入力する。ラベル発行部3は、ライン情報などのその他の情報も、入力端末での入力や情報処理部2からの受信によって取得する。次に、ラベル発行部3は、ライン別ロット別のラベルLBを発行する。作業者は、当該ラベルLBをカゴ車CBに貼り付ける。なお、ラベルLBを貼り付ける場所は特に限定されず、作業者が確認できる場所であればどこでもよい。また、以降の作業の中で貼り付け位置を変更してもよい。カゴ車CBは、ラインごと、及びロットごとに異なったカゴ車CBが用いられる場合と、1つの商品の数量が少ない場合は、1台のカゴ車CBに別の商品を混載することもある。また、ラインが2フロアである場合は、フロアごとにカゴ車CBを分ける。作業者は、ラベルLBに表示されている情報に基づいて、商品のケースBXをそれぞれのカゴ車CBに積載することによって、商品のケースBXをライン別及びロット別に振り分ける。振り分けた後、作業者は、カゴ車CBを原料保管庫へ移動させる。このとき、作業者は、ラベルLBに表示されているアドレスにカゴ車CBを移動させる。
【0015】
次に、所定のタイミングで原料保管庫に保管されている商品が、集品ラック4に補充される(図2:ステップS40)。商品の補充の様子を図4に具体的に示す。図4に示すように、作業者が持っているHHT(Hand Held Terminal)20が、書き込み部6及びチェック部7として機能する。HHT20は、カゴ車CBに貼り付けられているラベルLBのバーコードを読み込むことによって、ロット情報、商品情報、その他の各種情報を取得する。HHT20は、取得した情報を情報処理部2へ送信する。また、HHT20は、当該読み込んだ情報のうち、少なくともロット情報をタグTGに書き込む。これによって、タグTGは、少なくとも商品のロット情報を保持した状態となる。情報を保持するためのタグTGとして、RFID(Radio Frequency IDentification)のタグを用いることができる。同一ロットの商品のケースBXが複数存在するが、図4(b)に示すように、タグTGは、先頭のケースBX1にセットされる。これによって、タグTGは、ロットの区切りを示す札として機能する。集品ラック4は、背面側(図4(a)に示されている側)から商品のケースBXを補充し、表面側(図6(a)に示されている側)から集品場所で商品をピッキングするように配置される。集品ラック4は、多段の棚部21と、各棚部21に割り振られた棚番バーコード22と、補充アドレス表示板23と、タグTGを保管しておくタグ保管部24と、を備えている。集品ラック4には、商品ごとに、集品場所でピッキングされる順番でケースBXが補充される。HHT20は、ケースBXが投入された棚部21の棚番バーコード22を読み取り、情報処理部2へ送信する。
【0016】
具体的な作業手順としては、図4に示すように、原料保管庫から新たなロットの商品が積載されたカゴ車CBが運ばれると、作業者は集品ラック4の背面に設置されているタグ保管部24からタグTGを取り出す。次に、作業者は、カゴ車CBに貼り付けられているラベルLBをHHT20で読み取る。作業者は、HHT20でタグTGにロット情報(及びその他の情報)を書き込む。作業者は、ロット情報が保持されたタグTGを、当該ロットにおける先頭のケースBX1にセットし、集品ラック4の背面へ運ぶ(図4の例では、先頭のケースをケースBX1とし、次に投入されるケースをケースBX2、ケースBX3とする)。次に、作業者は、当該ケースBX1を投入する棚部21の棚番バーコード22をHHT20で読み取り、タグTG付のケースBX1を集品ラック4へ投入する。その次に投入する同一ロットのケースBX2については、HHT20でのラベルLB及び棚番バーコード22の読み取りは行うが、タグTGはセットすることなく集品ラック4へ投入する。その次の同一ロットのケースBX3も同様であり、ロットが変わらない限り、同様の作業が繰り返される。同一ロットの補充が全て完了し、次のロットの商品のカゴ車CBが運ばれてきた場合、先頭のケースBXにはタグTGがセットされ、同様の作業が繰り返される。
【0017】
次に、集品ラック4の商品が、集品コンベヤ8を流れる集品箱CXにオーダーに従って投入される(図2:ステップ50)。また、集品箱CX内の箱内整理と共にオーダー情報とロット情報の関連付けが行われる(図2:ステップS60)。その後、必要な場合は寄せが行われ(図2:ステップS70)、自動積付けが行われ(図2:ステップS80)、出荷される。集品コンベヤ8付近の概略構成を図5に示す。集品の作業の様子を図6に具体的に示す。なお、図5は、一つのオーダーに対して三種類の商品A、商品B、商品Cをピッキングし、一つのオーダーに対して一つの集品箱CXが割り振られている場合を例にして示している。ただし、説明のために商品数を三種類のみにし、ロットの切り替わりが頻繁に生じている例を用いているが、更に商品の種類を多くし、ロット切り替わりの間隔が更に長いものであってもよい。
【0018】
図6(a)に示すように、集品ラック4の表面側が集品場とされる。集品場では、集品コンベヤ8に沿って集品ラック4及び作業者が配置される。図5に示すように、集品場には、集品コンベヤ8に沿って表示器11が設置される。ここでは、商品Aの数量を示す表示器11A、商品Bの数量を示す表示器11B、商品Bの数量を示す表示器11Cが設置されている。各表示器11は、集品箱CXに付与されたオーダーに従って、投入すべき商品の数量を表示する。集品場よりも上流側には、空の集品箱CXにオーダー情報を付与するオーダー情報付与部9が設置されている。オーダー情報付与部9は、情報処理部2が有しているオーダー情報管理テーブル40からのオーダー情報に従って、集品箱CXにオーダー情報を付与する。オーダー情報付与部9は、例えばオートラベラーによって構成されており、集品箱CXにオーダー情報が印字されたラベルを貼り付けることによって、オーダー情報を付与する。
【0019】
集品場よりも下流側には、オーダー情報読み込み部12と、タグ読み込み部13が設置されている。オーダー情報読み込み部12は、例えばバーコードリーダーによって構成され、集品箱CXに貼り付けられたラベルを読み込み、読み込んだオーダー情報を情報処理部2へ送信する。これによって、情報処理部2は、オーダー情報の確認を行う。タグ読み込み部13は、例えばRFIDリーダーによって構成され、タグTGが保持するロット情報を読み込む。タグ読み込み部13は、読み込んだロット情報を情報処理部2へ送信する。情報処理部2は、タグ読み込み部13からのロット情報に基づいて、オーダー情報とロット情報の関連付けを行う。情報処理部2は、オーダー情報を確認している集品箱CXにタグTGがセットされていることを読み取ったときに、当該オーダーにて商品のロットが切り替わったと判断すると共に当該オーダー情報と新たなロット情報とを関連付けし、タグTGがセットされていないときは、前回のロットの切り替わりからロットの変更がないと判断すると共に当該オーダー情報と前回読み取り分のロット情報とを関連付けする。これによって、オーダー情報とロット情報とが関連付けられる。なお、情報を読み取り易くするため、オーダー情報読み込み部12及びタグ読み込み部13の上流側には、ストッパ31が設けられる。
【0020】
具体的な作業手順としては、図5に示すように、空の集品箱CXが集品コンベヤ8で搬送され、オーダー情報付与部9が各集品箱CXに、ラベル貼り付けなどによってオーダー情報を付与する。例えば、6(b)に示すように、集品箱CXの側面にオーダー情報ODを表示するラベルを貼り付ける。図5の例では、集品箱CX1,CX2,CX3,CX4,CX5,CX6,CX7,CX8に対して、オーダーOD1,OD2,OD3,OD4,OD5,OD6,OD7,OD8がそれぞれ付与されている。
【0021】
次に、空の集品箱CXが集品場へ搬送されると、作業者は、表示器11の表示に従って、指示された数量の商品を集品ラック4のケースBXからピッキングし、当該集品箱CXへ投入する。ケースBXの中の商品が無くなったら、次のケースBXから商品を取り出す。このとき、図6(b)に示すように、商品をピッキングしようとするケースBXにタグTGがセットされていた場合、作業者は、当該タグTGを作業中の集品箱CXにセットする。例えば、集品箱CXの上側の縁部にタグTGを引っ掛けるようにしてセットする。前述のように、各ロットの先頭のケースBXにタグTGがセットされていたため、当該タグTGがセットされているケースBXから商品のロットが切り替わることが示される。すなわち、集品箱CXにタグTGがセットされることにより、当該集品箱CXに対応するオーダーにおいて、商品のロットが切り替わることが示される。また、図5に示すように、商品ごとにケースBXが分けられており、商品ごとにロットが切り替わるケースBXにタグTGがセットされている。従って、集品箱CXには、商品の種類の数に対応したタグTGがセットされる。従って、複数の商品のロットが切り替わる集品箱CXには、複数のタグTGがセットされる。
【0022】
図5に示す例では、集品箱CX2に商品Cのロットの切り替りを示すタグTGC1がセットされ、集品箱CX3に商品Bのロットの切り替りを示すタグTGB1がセットされ、集品箱CX5に商品Aのロットの切替りを示すタグTGA1及び商品Cのロットの切り替りを示すタグTGC2がセットされ、集品箱CX7に商品Bのロットの切り替りを示すタグTGB2がセットされている。このような例においては、各タグTGのセットにより、商品Aについては、オーダーOD1〜OD4がロットX1であり、オーダーOD5以降がロットX2であることが示される。また、商品Bについては、オーダーOD1,OD2がロットY1であり、オーダーOD3〜OD6がロットY2であり、オーダーOD7以降がロットY3であることが示される。商品Cについては、オーダーOD1がロットZ1であり、オーダーOD2〜OD4がロットZ2であり、オーダーOD5以降がロットZ3であることが示される。なお、ロットX2,Y3,Z3も、次のタグTGA2,TGB3,TGC3がセットされる集品箱CXにて切り替わる。
【0023】
次に、オーダーに従って各商品が投入された集品箱CXは、集品コンベヤ8で下流へ搬送され、オーダー情報読み込み部12にてオーダー情報が読み込まれると共に、タグTGがセットされていた場合はタグ読み込み部13にて当該タグTGの情報が読み込まれる。ここで、情報処理部2での処理について図7及び図8を参照して説明する。図7は、オーダーとロット情報とを関連付ける際において、情報処理部2で実行される制御処理の内容を示すフローチャートである。図8は、オーダー情報と、当該オーダー情報に関連付けられるロット情報を管理するオーダー情報管理テーブル40の一例を示す図である。
【0024】
情報処理部2は、オーダー情報読み込み部12が読み込んだオーダー情報を取得し、オーダーの確認を行う(ステップS100)。なお、このとき、読み込まれたオーダー情報と、オーダー情報管理テーブル40との間に不整合がある場合、作業者に確認させるような処理を行ってもよい。次に、情報処理部2は、商品Aのロットの切り替りを示すタグTGAが読み込まれたか否かを判定する(ステップS110)。タグ読み込み部13によってタグTGAが読み込まれた場合は、商品Aのロットを切り替える(ステップS120)。一方、読み込まれなかった場合は、商品Aのロットは切り替えず、商品Aについては前回のオーダーと同じロットとする。情報処理部2は、商品Bのロットの切り替りを示すタグTGBが読み込まれたか否かを判定する(ステップS130)。タグ読み込み部13によってタグTGBが読み込まれた場合は、商品Bのロットを切り替える(ステップS140)。一方、読み込まれなかった場合は、商品Bのロットは切り替えず、商品Bについては前回のオーダーと同じロットとする。情報処理部2は、商品Cのロットの切り替りを示すタグTGCが読み込まれたか否かを判定する(ステップS150)。タグ読み込み部13によってタグTGCが読み込まれた場合は、商品Cのロットを切り替える(ステップS160)。一方、読み込まれなかった場合は、商品Cのロットは切り替えず、商品Cについては前回のオーダーと同じロットとする。次に、情報処理部2は、S100において確認したオーダーとロット情報とを関連付けする(ステップS170)。例えば、図8に示すように、オーダー情報管理テーブル40にロット情報を追加することによってデータ管理を行う。一つのオーダー情報についてS170の処理が終了すると、次のオーダー情報を付与された集品箱CXが流れて来たタイミングで再びS100から処理が繰り返される。
【0025】
オーダーとロット情報の関連付けが完了した集品箱CXは、更に下流に搬送され、作業者によって箱内整理が行われる。このとき、セットされていたタグTGは当該作業者によって回収され、回収されたタグTGは、再び集品ラック4のタグ保管部24へ戻される。集品箱CX内の商品は、オーダーごとに出荷用の箱に移し変えられ、出荷される。空になった集品箱CXは、集品コンベヤ8の上流へ搬送され、再び集品に用いられる。なお、一つのオーダーに対して複数の集品箱CXが用いられていた場合(例えば、一つの集品箱CXに対して一種類の商品が投入される)は、箱内整理の後、各集品箱CXから各商品が取り出され一つにまとめる寄せが行われる。この場合、オーダーごとに商品が集められる集品部は、複数の集品箱CXによって構成される。なお、集品部は、商品をオーダーごとに集めることができるものであれば特に限定されず、トレイなどでもよい。
【0026】
次に、本実施形態に係るピッキングシステム1の作用・効果について説明する。
【0027】
ピッキングシステム1は、商品のロット情報を表示するラベルLBを作成するラベル発行部3を備えている。商品が入荷されてから各ライン別に分けられ、原料保管庫での保管を経て集品ラック4に補充されるまでの間、このようなラベルLBを当該商品の近くに配置(本実施形態では、商品のケースBXを積んだカゴ車CBに貼り付けている)しておくことによって、ロットごとに商品を管理することが可能となる。ここで、入荷・検品の段階でラベルLBを用いずRFIDのタグTGを用いた場合、商品の数が多くなることでカゴ車CBの数が増えたときや、ラインの数が増えたときに、大量のタグTGが必要となるため、コストが増加してしまう。更に、入荷から集品までの間には作業者がロットを管理しながらカゴ車CBを移動させる工程が多く含まれるが、作業者がロット情報を確認するためにはHHTを用いて確認しなくてはならず、作業効率が低下してしまう。一方、ラベル発行部3を用いた場合、RFIDのタグTGを用いる場合に比してコストを大幅に抑えることが可能であると共に、ロット情報が表示されているために作業者が一目してロット情報を把握することができ、集品ラック4へ補充するまでのロット管理のための作業効率が著しく向上する。
【0028】
また、ピッキングシステム1は、ラベルLBのロット情報をRFIDのタグTGに書き込む書き込み部6と、集品コンベヤ8において集品箱CXにセットされたタグTGのロット情報を読み込むタグ読み込み部13を備えている。更に、情報処理部2は、集品箱CXに付与されたオーダー情報と集品箱CXにセットされたタグTGによるロット情報とを関連付けて、データを管理することができる。これによって、商品を所定のオーダー情報が付与された集品箱CXへ投入する際、当該作業に合わせてタグTGを集品箱CXへセットするという簡単な作業を行うことによって、オーダー情報に対するロット情報を管理することが可能となる。
【0029】
例えば、集品ラック4に投入するケースBXにロット情報を表示するラベルを貼り付け、ピッキングの際にケースBXの当該ラベルを読み込んで再び新たなラベルを発行し、集品箱CXに貼り付けてロット情報を管理する場合、ピッキング時の作業効率が低下してしまう。しかしながら、本実施形態では、ロット情報を保持できると共にケースBXや集品箱CXに容易に取り付け・取り外し可能なタグTGを用いている。これによって、ケースBXを集品ラック4に補充する際に、タグTGにロット情報を書き込んでおくと共にケースBXにセットしておくことにより、ピッキングを行う作業者は、タグTGをケースBXから集品箱CXに移し変えるという簡単な作業を行うだけでよい。従って、ラベルを再発行するような作業に比して大幅に作業効率を向上させる一方で、ロット情報の管理は確実に行うことが可能となる。
【0030】
また、本実施形態では、タグTGを商品のロットの区切りを示す札として用いている。すなわち、情報処理部2は、オーダー情報を確認している集品箱CXにタグTGがセットされていることを読み取ったときに、当該オーダーにて商品のロットが切り替わったと判断すると共に当該オーダー情報と新たなロット情報とを関連付けし、タグTGがセットされていないときは、前回のロットの切り替わりからロットの変更がないと判断すると共に当該オーダー情報と前回読み取り分のロット情報とを関連付けする。これによって、集品ラック4にケースBXを補充する際は、全てのケースBXにタグTGをセットするのではなく、同一ロットにおける先頭のケースBXのみにセットすればよく、ピッキングの際も、ロットの切り替わりにおける先頭のオーダーに係る集品箱CXにタグTGをセットすればよい。これによって、商品の数が多くなった場合であっても、必要とされるタグTGの数、及びピッキング時におけるタグTGのセットの回数が増加することを防止できる。これによって、ロット管理のためのコストを低減すると共に、作業効率を向上させることができる。
【0031】
また、ロット情報保持物として、RFIDのタグを用いているため、ロット情報の書き込みを繰り返し行うことができる。すなわち、オーダー情報とロット情報の関連付けが終了した後は、再び集品ラック4へ戻すことで、再び別のロット情報の書き込みが可能となる。これによって、少ないタグTGにてロット管理を行うことが可能となり、コストを抑えることができる。
【0032】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、各作業手順の内容は一例にすぎず、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0033】
1…ピッキング、2…情報処理部(情報管理手段)、3…ラベル発行部(ロット情報表示物作成手段)、4…集品ラック、6…書き込み部(書き込み手段)、7…チェック部、8…集品コンベヤ、9…オーダー情報付与部、11…表示部、12…オーダー情報読み込み部(オーダー情報読み込み手段)、13…タグ読み込み部(ロット情報読み込み手段)、LB…ラベル(ロット情報表示物)、TG…タグ(ロット情報保持物)、CX…集品箱(集品部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品のロット情報を表示するロット情報表示物を作成するロット情報表示物作成手段(3)と、
前記ロット情報表示物の前記ロット情報を読み込むと共に、当該ロット情報をロット情報保持物に書き込む書き込み手段(6)と、
オーダーごとに集品部に集められた前記商品を搬送する集品コンベヤ(8)と、
前記集品部に付与されたオーダー情報を読み込むオーダー情報読み込み手段(12)と、
前記集品部に取り付けられた前記ロット情報保持物に保持された前記ロット情報を読み込むロット情報読み込み手段(13)と、
前記オーダー情報読み込み手段(12)によって読み込まれた前記オーダー情報と、前記ロット情報読み込み手段(13)によって読み込まれた前記ロット情報とを関連付ける情報管理手段(2)と、を備えることを特徴とするピッキングシステム。
【請求項2】
前記ロット情報保持物は、RFIDのタグであることを特徴とする請求項1記載のピッキングシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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