説明

ピッキング用ワーク供給装置、およびワークピッキング装置

【課題】
バラ積みされたワークの位置と姿勢を確実に変化させ、新たなバラ積み状態を生成するピッキング用ワーク供給装置、および当該ピッキング用ワーク供給装置を用いたワークピッキング装置を提供する。
【解決手段】
ワーク供給装置に、複数のワークをバラ積み可能な上方が開いた容器本体と、前記容器本体の底部から上方内側に進退自在に設けられた突出部と、前記突出部を進退自在に動作させる突出駆動部と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バラ積み状態で供給されるワークをロボットでピッキングするワークピッキング装置、および当該ワークピッキング装置に用いるワーク供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バラ積み状態(山積み状態も含む)にある複数ワークの中からワークを順次把持して、指定の位置へ運ぶピッキングでは、ステレオカメラやレーザ光を用いた距離センサにより得られたデータから、ワークの位置と姿勢を認識することが行われている。
【0003】
しかし、バラ積みのワークは位置および姿勢は一定ではなく、ワークの重なりも発生しているため、位置と姿勢を認識できるワークは複数のワークの一部であり、ワークのバラ積み状態によっては1つもワークの位置と姿勢を認識できないこともある。
【0004】
また、位置と姿勢を認識したワークが、ワークを収納しているパレットの壁面近傍に位置する場合がある。このようなワークは、ロボットのアームやハンドとパレットが干渉してしまいワークがピッキングできない。
【0005】
上記のように、ワークの位置と姿勢が認識できない場合や、ワークの位置がピッキングできない場合には、バラ積みされたワークの位置と姿勢を変化させ、改めてワークの位置と姿勢を認識することが行われている。例えば、特許文献1に記載の従来技術は、ワークが認識できなくなるとロボットのハンドをパレットの中で動作させ、パレット内のワークを掻き雑ぜる。特許文献2に記載の従来技術では、パレットを逆ピラミッド形とし、加振装置によって斜面部材に振動を与え、バラ積みされたワークをピッキング可能な位置に移動させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−179677号公報
【特許文献2】特開2010−5722号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の従来技術では、部品の位置と姿勢を変化させる手段として部品をピッキングするロボットを用いている。そのため、生産ラインに使用される場合では、ロボットで掻き雑ぜることによってその分だけタクトタイムが長くなってしまい、生産台数が少なくなってしまう。
【0008】
また、特許文献2に記載の従来技術では、加振装置による振動だけではバラ積みされたワークの位置は変わるが姿勢を大きく変えることは難しく、加振装置による振動を付与した前後で認識できるワークの数が増加しない場合がある。そのため、加振装置による振動を付与しても1つもワークの位置と姿勢を認識できていない場合には、他の方法によりワークのバラ積み状態を変更しない限り、ロボットによる部品のピッキングが不可能となる。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みて、バラ積みされたワークの位置と姿勢を確実に変化させ、新たなバラ積み状態を生成するピッキング用ワーク供給装置、および当該ピッキング用ワーク供給装置を用いたワークピッキング装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係るバラ積みピッキング用ワーク供給装置は、ロボットに取り付けられたロボットハンドでバラ積みされたワークから1つずつ取り出すためのワーク供給装置であって、複数のワークをバラ積み可能な上方が開いた容器本体と、前記容器本体の底部から上方内側に進退自在に設けられた突出部と、前記突出部を進退自在に動作させる突出駆動部と、を備えている。
【0011】
また、本発明に係るワークピッキング装置は、複数のワークをバラ積みするワーク供給装置と、バラ積みされた前記ワークの位置と姿勢を計測するワーク位置姿勢計測装置と、計測されたワークごとの位置と姿勢とに基いて、当該ワークを1個ずつ把持して所定の動作を行うロボットと、を備え、前記ワーク供給装置は、複数のワークをバラ積み可能な上方が開いた容器本体と、前記容器本体の底部から上方内側に進退自在に設けられた突出部と、前記突出部を進退自在に動作させる突出駆動部と、を有し、前記ワーク位置姿勢計測装置にて計測されたワークの位置と姿勢が所定の条件を具備した場合に、前記突出部を前進動作または後退動作させるため前記突出駆動部を制御する制御手段を備えている。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るバラ積みピッキング用ワーク供給装置によれば、突出部を容器の底部から上方内側に前進または後退させることで、少なくとも突出部の上方にあるワークが突出部により位置または姿勢を変えることができる。さらに、ワークが重なっている場合には、突出部で位置および姿勢が変わったワークの周辺のワークについても、位置および姿勢を変えることができる。
【0013】
また、本発明に係るワークピッキング装置によれば、容器内にバラ積みされたワークの位置および姿勢を変えることで、ワークピッキング装置でピッキング可能なワークの新たな位置および姿勢を把握し、ワークのピッキングを継続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】

【図1】ワークピッキング装置の概略構成図である。
【図2】ワークの斜視図である。
【図3】容器本体の平面図である。
【図4】ワークピッキング装置のフローチャートである。
【図5】位置および姿勢が認識できたワークを示す図である。
【図6】全ての突出部が後退端にある状態の図である。
【図7】全ての突出部が前進端にある状態の図である。
【図8】第2の実施形態における突出部の駆動パターンを示す図である。
【図9】分割領域を示す図である。
【図10】突出部の先端形状の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るワークピッキング装置の実施形態について詳細に説明する。
なお、本発明に係るピッキング用ワーク供給装置の実施形態は、本発明に係るワークピッキング装置の実施形態に包含されている。
【0016】
まず、ワークピッキング装置の第1の実施形態について説明する。図1は、ワークピッキング装置の概略構成図である。
図1において、ワークピッキング装置100は、ワーク供給装置300、ワーク位置姿勢計測装置400、ロボット500、制御手段600から構成されている。ワーク200は、ワーク供給装置にバラ積み(山積みを含む)されている。図2はワーク200の斜視図である。なお、ワーク200は図2の形状に限定されず、任意の形状であって良い。
【0017】
ワーク供給装置300は、容器本体310、突出部321、突出駆動部320を備えている。容器本体310は、上方が開口した底面のみ有する筒状の容器である。本実施形態では、断面が四角形の筒状容器であるが、断面が他の形状である筒状容器でもよい。図3は容器本体310の平面図である。容器本体310は、図3に示すように底面に複数の穴311が開いている。それぞれの穴311に対応して突出部321および突出駆動部320を備えている。突出駆動部320は、容器本体310に対して相対的に位置が固定され、突出部321を容器本体310に対して進退自在に駆動させる。ここで、突出駆動部320は、エアシリンダや電動シリンダ等を用いることが出来る。そして、突出部321は、突出駆動部320を駆動によって突出部321の上方側先端部が容器本体310のワーク200の収納領域を上方開口側および下方底面側に進退動作するように設けられている。なお、突出駆動部320の後退端において、突出部321の上方側先端部が容器本体310の底面より凹んだ位置となっても良い。
【0018】
なお、穴311の配置、数、形状は図3に示した内容に限定されない。穴311の配置、数、形状は、ワーク200の形状や大きさ等、容器本体311の大きさ等、突出部321の形状・大きさ等に適合するように任意に設計することができる。
【0019】
ワーク位置姿勢計測装置400は、本実施形態においてはステレオカメラによるワーク位置計測装置であり、ステレオカメラ410、画像処理部420を備えている。ワーク位置姿勢計測装置400は、ステレオカメラ410により撮像された画像を画像処理部420に取り込み、周知のステレオカメラによるワークの3次元位置・姿勢認識技術を用いて、ワーク供給装置300内のワーク200の位置および姿勢を求める。ここで、ステレオカメラによるワークの3次元位置・姿勢認識技術は、本願発明の要部ではないので、これ以上の説明は省略する。
【0020】
なお、ワーク位置姿勢計測装置400は、ステレオカメラによるワーク位置姿勢計測装置に限定されることはなく、ワーク供給装置300内のワーク200の位置および姿勢を計測することが可能な他の技術を適用することができる。例えば、周知であるレーザ光による3次元測定器を用いたワーク位置姿勢計測装置であっても良い。
【0021】
ロボット500は、ワーク200を把持できるハンドを供えている。図1においてロボット500は垂直多関節ロボットとして記載しているが、ワーク200をある程度の自由度を備えて把持可能であれば、他の形式のロボットでも良い。また、ロボット500のハンドは、ワーク200を把持するものに限定されることはなく、バキュームによってワーク200を保持してもよい。いずれにしても、ロボットの形式やハンドの形式は、本願発明の要部ではないので、これ以上の説明は省略する。
【0022】
制御装置600は、ワーク供給装置300の突出駆動部320、ワーク位置姿勢計測装置400、ロボット500と必要なデータ・信号等をお互いに入出力可能とするように接続されている。制御装置600は、ワーク位置姿勢計測装置400にワーク200の位置および姿勢を計測する計測指令を出力し、ワーク位置姿勢計測装置400からワーク200の位置および姿勢の計測結果が入力される。そして、制御装置600は、ワーク位置姿勢計測装置400から取得したワーク200の位置および姿勢の計測結果に基づいて、突出駆動部320を駆動制御する。また、制御装置600は、ロボット500に対してピッキングするワーク200の位置および姿勢を出力する。そしてロボット500は、制御装置600から取得したワーク200の位置および姿勢に基づいて、1つのワーク200をワーク供給装置からピッキングして所定の作業を行う。
【0023】
次に動作の詳細について説明する。図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
ワークピッキング装置100は、運転開始の信号を受け取ると、S10にてワーク位置姿勢計測処理を実行する。具体的には、ワーク位置姿勢計測装置400にて、ワーク供給装置300にバラ積みされたワーク200をステレオカメラ410により撮像し、撮像された画像を画像処理部420に取り込み、周知のステレオカメラによるワークの3次元位置・姿勢認識技術を用いて、ワーク供給装置300内のワーク200の位置および姿勢を求める。図5は、位置および姿勢が認識できたワークを示す図である。図5においては、位置および姿勢を認識できたワーク200をハッチング表示している。このように、通常は1回のワーク位置姿勢計測処理により、複数のワーク200の位置および姿勢を認識する。しかし、条件によっては、位置および姿勢を認識したワーク200が1つもない場合がある。
【0024】
次に、S20にて、位置および姿勢を認識したワークがあるか否かを確認し、位置および姿勢を認識したワークがある場合には以下に説明するS30へ進み、位置および姿勢を認識したワークがない場合には以下に説明するS40へ進む。具体的には、制御装置600がワーク位置姿勢計測装置400からワーク位置姿勢の計測結果を受け取り、位置および姿勢を認識したワーク200があるか否かを判断する。位置および姿勢を認識したワーク200がある場合には以下に説明するS30へ進み、位置および姿勢を認識したワーク200がない場合には以下に説明するS40へ進む。
【0025】
次にS30では、位置および姿勢を認識したワークの中に、ピッキング可能なワークがあるか否か確認し、ピッキング可能なワークがある場合には以下に説明するS50へ進み、ピッキング可能なワークがない場合には以下に説明するS40へ進む。具体的には、制御装置600が、ワーク位置姿勢計測装置400から受け取ったワーク位置姿勢の計測結果から、位置および姿勢を認識したワーク200が、所定条件を具備する位置および姿勢であるか否かを判断する。例えば、筒状の壁面近傍のワーク200は、ロボット500のハンドが壁面と干渉するためピッキングできない。そのため、ハンドが壁面と干渉しない領域を予め制御装置600に記憶しておき、干渉しない領域に位置および姿勢を認識したワーク200が存在するか否かを判断する。なお、ピッキング可能か否かの条件はこの例に限定されず、必要に応じて任意に設定できる。
【0026】
S40では、突出部駆動の命令が出されると突出駆動部320を駆動し、突出部321を動作させ、S10のワーク位置姿勢計測処理に戻る。具体的には、S20で位置および姿勢を認識したワーク200がなかったと判断された場合、またはS30にてピッキング可能なワークがない場合に、制御装置600が突出駆動部320を駆動制御して突出部321を動作させ、ワーク200のバラ積み状態を変化させる。その後、S100のワーク位置姿勢計測処理に戻り、再びワーク位置姿勢計測装置400にて、ワーク供給装置300にバラ積みされたワーク200をステレオカメラ410により撮像し、撮像された画像を画像処理部420に取り込み、周知のステレオカメラによるワークの3次元位置・姿勢認識技術を用いて、ワーク供給装置300内のワーク200の位置および姿勢を求める。
【0027】
突出部320が動作した時の状態の一例を図6および図7に示す。図6は、全ての突出部321が後退端にある状態の図である。図7は、全ての突出部321が前進端にある状態の図である。図6および図7から明らかなように、突出駆動部320を前進駆動して突出部321を前進させ、容器本体310の内部に突出部321を突出させることで、容器本体310のワーク200の位置および姿勢を変えることができる。また、予め突出部321を前進させて図7に示す状態としておき、突出駆動部320を後退駆動して突出部321を後退させ、容器本体310の内部から突出部321を抜いて図6に示す状態とすることで、容器本体310のワーク200の位置および姿勢を変えることもできる。
【0028】
S50では、位置および姿勢が認識されているピッキング可能なワーク200を、ロボット500にてピッキングして所定の動作を行う。具体的には、ワーク供給装置300内にバラ積みされた複数のワーク200から、位置および姿勢が認識されているピッキング可能な1つのワーク200をロボット500にてピッキングし、所定の動作を行う。なお、所定の動作としては、図1には図示していない所定の場所へ移動させ、他の部品への組み付け動作や、ワークの整列動作や、図示しない他のロボットに引き渡す動作であっても良い。
【0029】
次にS60では、ピッキング動作を継続するか終了するかを制御装置600にて判断し、継続する場合にはS10のワーク位置姿勢計測処理に戻り、終了する場合には処理を終了する。
【0030】
なお、本実施形態においては、位置および姿勢を認識したワークがない場合に、突出部を駆動しているが、位置および姿勢を認識したワークが所定数以下となった時に突出部を駆動しても良い。
【0031】
上記記載のワーク供給装置300によれば、ワーク200の位置および姿勢を認識できない場合、位置および姿勢が認識されているピッキング可能なワーク200がない場合に、バラ積みされたワーク200を確実に位置および姿勢を変化させ、バラ積み状態を変化させる事ができる。これにより、新たなワーク200のバラ積み状態で、ワーク位置姿勢計測装置400にて、ワーク200の位置および姿勢を認識することできる。また、突出部321は容器開口部方向への進退駆動であるため、ワーク200に無理な力が加わらない。
【0032】
さらに、上記記載のワークピッキング装置100によれば、ワーク供給装置300にてバラ積みされたワーク200を確実に位置および姿勢を変化させることが可能となるため、ロボット500に無駄な動作をさせる必要がなく、時間当たりのピッキング動作処理の数を増加させる事ができる。また、あるバラ積み状態のワークにおいてピッキングに適したワーク200が見つからなくても、ワーク供給装置300にてバラ積みされたワーク200を確実に位置および姿勢を変化させることが可能となるため、短時間で異なるバラ積み状態における位置および姿勢が認識されているピッキング可能なワーク200をピッキングすることが出来る。
【0033】
次に、実施形態の変形例として、いくつかの突出部321の動作方法について説明する。
まず、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態と第1の実施形態の違いは、突出部321の駆動方法が異なるのみで他の部分は共通する。よって、共通部分の説明は省略する。
【0034】
第2の実施形態においては、突出部321の全てを同時に動かすのではなく、突出部の動かす順番を予め定めておき、その順番に基づいて動かす。動作方法の例として、図8に動作順序を示す。図8の(a)と(b)に示した突出部の状態を交互に繰り返す。
【0035】
第2の実施形態によれば、ワーク200に合わせたパターンにて突出部321を進退動作させることができ、より確実にバラ積み状態を変化させることができる。
また、第3の実施形態について説明する。第2の実施形態と第1の実施形態の違いは、突出部321の駆動方法が異なるのみで他の部分は共通する。よって、共通部分の説明は省略する。
【0036】
第3の実施形態において、まずワーク位置姿勢計測装置400にて計測される領域を複数に分割した分割領域を、識別記号と共に制御装置600にて記憶しておく。例えば、図9に示すように、突出部321に対応するように領域を分割し、識別記号として各領域を行と列で表現できるようにしておく。本例においては、6行5列に分割している。
【0037】
次に、制御装置600にて、所定の分割領域に位置および姿勢を認識できるワークが存在しなかった場合に動作させる所定の突出部を突出駆動パターンとして記憶させておく。例えば、3行3列の領域に位置および姿勢を認識できるワークが存在しなかった場合には、2行2列・2行4列・4行2列・4行4列の突出部を駆動するように記憶する。他の領域も同様に、駆動させる突出部を記憶させておく。また、3行3列と3行4列のいずれの分割領域に位置および姿勢を認識できるワークが存在しなかった場合に動作させる突出部を記憶させるなどしても良い。つまり、任意に定めた1つのまたは複数の分割領域に位置および姿勢を認識できるワークが存在しなかった場合に動作させる1つまたは複数の突出部を任意に定めて記憶させておけば良い。
【0038】
制御装置600は、ワーク位置姿勢計測装置400から受け取ったワーク位置姿勢の計測結果に基づいて、位置および姿勢を認識できるワークが存在しない領域を把握する。そして、当該位置および姿勢を認識できるワークが存在しない領域に基づいて、制御装置600に記憶された突出駆動パターンを探索し、突出駆動パターンに基づいて突出部321を駆動する。
【0039】
第3の実施形態によれば、ワーク200の位置および姿勢を認識できなかった領域に基づき、ワーク200の形状等に適した突出部321の動作パターンで、ワーク200のバラ積み状態を変化させる事ができる。よって、ワークの位置および姿勢が認識できる領域のバラ積み状態を変化させず、バラ積み状態を変化させたい領域のみ変化させることが可能となり、ピッキング装置が停止するリスクを小さくできる。
【0040】
第4の実施形態と他の実施形態の違いは、突出部321の先端の形状のみで他の部分は共通する。よって、共通部分の説明は省略する。
第4の実施形態における突出部321の先端形状が、図10に示すドーム形状321aまたは錐体形状321bとなっている。先端形状が平面となっている場合、ワークの平らな面をワークの重心に向けて押し出しても、ワークの姿勢が変わらないことがある。これをドーム形状や錐体形状としておけば、ワークの平らな面を押し出しても必ずその姿勢を変更することが可能となる。
【符号の説明】
【0041】
100 ワークピッキング装置
200 ワーク
300 ワーク供給装置300
320 突出駆動部
321 突出部
400 ワーク位置姿勢計測装置
500 ロボット
600 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットに取り付けられたロボットハンドでワークを1つずつ取り出すためのバラ積みピッキング用ワーク供給装置であって、
複数のワークをバラ積み可能な上方が開いた容器本体と、
前記容器本体の底部から上方内側に進退自在に設けられた突出部と、
前記突出部を進退自在に動作させる突出駆動部と、
を備えたことを特徴とするバラ積みピッキング用ワーク供給装置。
【請求項2】
前記容器本体は、底部に複数の貫通穴を有し、
複数の前記突出部は、前記貫通穴から容器内側上方に突き出ること、
を特徴とする請求項1に記載のバラ積みピッキング用ワーク供給装置。
【請求項3】
前記突出部は、突出方向端部がドーム形状であること、
を特徴とする請求項2に記載のバラ積みピッキング用ワーク供給装置。
【請求項4】
前記突出部は、突出方向端部が錐体形状であること、
を特徴とする請求項2に記載のバラ積みピッキング用ワーク供給装置。
【請求項5】
複数のワークをバラ積みするワーク供給装置と、
バラ積みされた前記ワークの位置と姿勢を計測するワーク位置姿勢計測装置と、
計測されたワークごとの位置と姿勢とに基いて、当該ワークを1個ずつ把持して所定の動作を行うロボットと、を備えたワークピッキング装置において、
前記ワーク供給装置は、複数のワークをバラ積み可能な上方が開いた容器本体と、前記容器本体の底部から上方内側に進退自在に設けられた突出部と、前記突出部を進退自在に動作させる突出駆動部と、を有し、
前記ワーク位置姿勢計測装置にて計測されたワークの位置と姿勢が所定の条件を具備した場合に、前記突出部を前進動作または後退動作させるため前記突出駆動部を制御する制御手段を備えたこと、を特徴とするワークピッキング装置。
【請求項6】
前記ワーク供給装置は、
前記容器本体の底部に複数の貫通穴を有し、
当該貫通穴ごとに前記突出部と前記突出駆動部とを備えたこと、
を特徴とする請求項5に記載のワークピッキング装置
【請求項7】
前記制御手段は、
前記ワーク供給装置にワークがバラ積みされているが、前記ワーク位置姿勢計測装置にてワークの位置と姿勢とが計測できなかった場合に、前記突出駆動部を制御し、前記突出部を前進動作または後退動作させること、
を特徴とする請求項5または6に記載のワークピッキング装置。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記ワーク位置姿勢計測装置にて位置と姿勢が計測できたワークが所定の数以下であった場合に、前記突出駆動部を制御し、前記突出部を前進動作または後退動作させること、
を特徴とする請求項5または6に記載のワークピッキング装置。
【請求項9】
前記制御手段は、
前記ワーク位置姿勢計測装置にて計測される領域を、前記突出部に基づいて複数に分割した分割領域を記憶し、
前記ワーク位置姿勢計測装置にてワークの位置と姿勢とが計測できなかった前記分割領域に基づいて予め定められた1つまたは複数の前記突出部のみ、前記制御手段にて前記突出駆動部を制御し、当該突出部を前進動作または後退動作させること、
を特徴とする請求項6に記載のワークピッキング装置。
【請求項10】
前記突出部は、突出方向端部がドーム形状であること、
を特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載のワークピッキング装置。
【請求項11】
前記突出部は、突出方向端部が錐体形状であること、
を特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項に記載のワークピッキング装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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