ピッキング設備
【課題】タクト送りされる物品集品容器の数が多くなっても、作業効率の低下を防止できるピッキング設備を提供する。
【解決手段】各ピッキングゾーンZ毎に搬送される、多くの所定個数(例えば、6個)の物品集品容器1からなる物品集品容器1群に、これら物品集品容器1を搬送方向上流側(例えば、3個)と下流側(例えば、3個)に分ける隙間5を設け、また各ピッキングゾーンZ毎に仮置台4を物品集品容器1の所定個数と同じ台数だけ、前記隙間5を空けて主搬送経路Rに沿って配置する。この構成によれば、ピッキングした物品を物品集品容器1へ投入するとき、物品集品容器1群の隙間5或いは仮置台4の隙間5との組合せにより、多くの物品集品容器1の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器1を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
【解決手段】各ピッキングゾーンZ毎に搬送される、多くの所定個数(例えば、6個)の物品集品容器1からなる物品集品容器1群に、これら物品集品容器1を搬送方向上流側(例えば、3個)と下流側(例えば、3個)に分ける隙間5を設け、また各ピッキングゾーンZ毎に仮置台4を物品集品容器1の所定個数と同じ台数だけ、前記隙間5を空けて主搬送経路Rに沿って配置する。この構成によれば、ピッキングした物品を物品集品容器1へ投入するとき、物品集品容器1群の隙間5或いは仮置台4の隙間5との組合せにより、多くの物品集品容器1の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器1を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング設備、特に先行ピッキングを行い得るピッキング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数の物品(商品)を複数の仕分け先(例えば、店舗)に効率よく仕分けするピッキング設備は、仕分け先毎に対応した物品集品容器(例えば、コンテナや段ボール箱)を主搬送経路に沿って搬送装置(例えば、コンベヤ装置)により搬送し、搬送されてきた物品集品容器に対して、異なる品目の物品が収納された複数の物品収納部(間口)からそれぞれ、コンピュータシステムにて指示された注文物品をピッキングして投入を行うようにしたものである。
【0003】
このようなピッキング設備の一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示されているピッキング設備では、主搬送経路に沿って、前記複数の物品収納部から形成されるピッキング作業領域が複数設けられ、また所定個数の前記物品集品容器毎に群(グループ)が形成されて、これら各物品集品容器群が各ピッキング作業領域毎に順に搬送され(物品集品容器群がタクト送りされ)、各ピッキング作業領域毎では、タクト送りされてきた物品集品容器群に対してピッキング作業が実行される。そして、全てのピッキング作業領域において、物品集品容器群に対するピッキング作業が終了すると、物品集品容器群は次のピッキング作業領域へ搬送される。
【0004】
またピッキング設備には、例えば特許文献2に開示されているように、各ピッキング作業領域毎に、先行ピッキングを行うために仮置台(置き台)が具備された設備がある。この設備では、前記仮置台の台数はピッキング作業領域を移動している物品集品容器の所定個数に合わせて設けられている。
【特許文献1】特開2002−326708号公報
【特許文献2】特開平7−172519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されているピッキング設備の構成によると、作業効率を維持するには物品集品容器がタクト送りされている途中であっても、作業すべき物品集品容器を瞬間的な判断することが求められるが、物品集品容器の所定個数が多くなると、瞬間的な判断が困難になり、作業効率が低下してしまう問題があった。例えば、図12に示すように、各ピッキングゾーン(ピッキング作業領域)51毎に、コンベヤ装置52によりタクト送りされる物品集品容器53の個数が6個まで増加してくると(6個/タクト搬送)、ピッキング作業を行う作業者Pは,物品を投入する目的の物品集品容器53を瞬間的に判断することが困難となる。
【0006】
また先行ピッキングを可能とするために、図12に示すように、物品集品容器53の所定個数に合わせて仮置台54を備えると、同様にタクト送りされる物品集品容器53の個数が6個まで増加し(6個/タクト搬送)、仮置台54の台数が6台まで増加してくると、先行ピッキング作業を行う作業者Pは,物品を投入する目的の仮置台54を瞬間的に判断することが困難となる。
【0007】
そこで、本発明は、タクト送りされる物品集品容器の数が多くなっても、作業効率の低下を防止できるピッキング設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係るピッキング設備は、所定個数の物品集品容器からなる物品集品容器群を搬送する搬送装置が備えられ、前記搬送装置に沿って、異なる品目の物品が収納された複数の物品収納部から形成される複数のピッキング作業領域が配置され、前記各ピッキング作業領域には、前記物品集品容器群が前記搬送装置により順に搬送され、搬送されてきた物品集品容器群に対して前記物品収納部より物品のピッキング作業が実行されるピッキング設備であって、前記物品集品容器群毎を、その群の途中に少なくとも1つの隙間を空けて前記搬送装置の最上流へ供給する隙間形成手段を設け、前記搬送装置は、前記各ピッキング作業領域に、前記隙間を設けた物品集品容器群を順に搬送することを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、隙間形成手段により各ピッキング作業領域毎に搬送される所定個数の物品集品容器からなる物品集品容器群に、これら物品集品容器群を分ける隙間が少なくとも1つ設けられる。したがって、前記隙間により多くの物品集品容器の中から、物品を投入する目的の1つの物品集品容器を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率が向上する。
【0010】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記隙間形成手段を、前記各物品集品容器群をその群毎に前記隙間を空けて前記搬送装置の最上流へ切り出す切り出し装置により構成したことを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、切り出し装置により、各物品集品容器群はその群毎に隙間が空けられて搬送装置の最上流へ切り出される。
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記各ピッキング作業領域毎に、前記物品収納部より先行してピッキングされた物品を貯留する仮置台を、前記搬送されてくる物品集品容器群の物品集品容器の所定個数と同じ台数だけ、同じ位置に隙間を空けて前記搬送装置に沿って配置したことを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、仮置台が物品集品容器の所定個数と同じ台数だけ、前記隙間を空けて前記主搬送経路に沿って配置され、つまり物品集品容器と仮置台は1対1で対向して配置され、仮置台群を分ける隙間が少なくとも1つ設けられる。このように、仮置台を隙間により前後に分離することにより、多くの物品集品容器の中から目的の1つの物品集品容器、或いは多くの仮置台の中から目的の1つの仮置台を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率が向上する。
【0013】
また請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明であって、前記各ピッキング作業領域毎に、前記隙間の前記物品集品容器搬送方向の上流側の仮置台と下流側の仮置台を色分けしたことを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、仮置台は隙間の前後(上流側と下流側)で色分けされる。このように、仮置台を前後で色分けすることにより、多くの物品集品容器の中から目的の1つの物品集品容器、或いは多くの仮置台の中から目的の1つの仮置台を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のピッキング設備は、各ピッキング作業領域毎に搬送される所定個数の物品集品容器からなる物品集品容器群に、これら物品集品容器群を分ける隙間が少なくとも1つ設けられることにより、多くの物品集品容器の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上できる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるピッキング設備の平面図、図2は同ピッキング設備の要部の平面図である。
【0017】
本発明の実施の形態のピッキング設備を、簡単に説明すると、主搬送経路に沿って搬送される物品集品容器(例えば、コンテナや段ボール箱やトレイ)に、その主搬送経路に沿って配置された、異なる品目(種類)の物品を収納している複数の物品収納部(収納棚)から、仕分け先の注文に係る品目の物品を、作業者(ピッカーともいう)が、直接到着(または、到来)した物品集品容器に投入する、或いは予め仮置台上に先行ピッキング(集品)しておき、その仕分け先に対応する物品集品容器が到着(または、到来)したときに、仮置台に先行ピッキングされた物品を当該物品集品容器に投入するようにしたものである。
【0018】
また、このピッキング設備においては、作業者によるピッキングゾーン(ピッキング作業領域)が決められており、このピッキングゾーンに応じて、収納棚での物品収納部の範囲、つまり作業者が担当する物品収納部および担当する仮置台の台数が予め決められている。そして各ピッキングゾーンでは、店舗(仕分け先の一例)からの注文データに基づいて形成されるピッキングデータ(情報;後述する)に基づいて、物品集品容器或いは仮置台に対して物品収納部より物品のピッキング作業が実行される。
【0019】
すなわち、このピッキング設備は、図1および図2に示すように、物品集品容器1を所定の主搬送経路Rに沿って搬送するための搬送装置である搬送用コンベヤ装置(具体的には、ローラコンベヤ装置が用いられるが、ベルトコンベヤ装置を用いてもよい)2と、この搬送用コンベヤ装置2に沿って配置された、品目が異なるピッキング対象の物品がそれぞれ収納された複数の物品収納部11からなる収納棚3と、この収納棚3に対向して且つ上記搬送用コンベヤ装置2の上方に配置された物品の仮置台4群と、物品集品容器1を多くの個数(所定個数;図では6個)ずつの区切り(所謂、1群である)、物品集品容器1群毎に、群の途中に隙間5を空けて、搬送用コンベヤ装置2の最上流へ切り出す切り出し装置を構成する切出用コンベヤ装置(隙間形成手段の一例)6と、この設備における仕分け作業を制御するコンピュータからなる制御装置7とから構成されている。
【0020】
上記収納棚3は、所定幅の間口でもって複数のピッキングゾーンZ1〜Zn[図1では11個(n=11)設けられている]に仕切られるとともに、これら各ピッキングゾーンZ毎に複数の物品収納部11が具備されている。なお、ピッキングゾーンZの番号1〜n(図では11)は、物品集品容器1の搬送方向(以下、搬送方向と略す)の下流側から順に付している。
【0021】
また前記物品集品容器1群は、図2に示すように、搬送方向の上流側3個と下流側3個との間に隙間5を空けて、各ピッキングゾーンZへ順にタクト送りされている。
上記仮置台4群は、各ピッキングゾーンZ毎に、物品集品容器1群の物品集品容器1の所定個数に合わせた同数(図では6台)で、かつ搬送方向の上流側3台と下流側3台との間に前記6個の物品集品容器1に設けた隙間5と同じ位置に同じ幅の隙間5を設けて配置されている。すなわち、各ピッキングゾーンZにおいて、一人の作業者Pが担当する物品集品容器1および仮置台4はそれぞれ6であり、6台の仮置台4と6個の物品集品容器1とは、1対1で対応付けされている。また6台の仮置台4は、隙間5の搬送方向の上流側3台と下流側3台とで色分けされており、下流側3台は緑色、上流側3台は赤色とされている。
【0022】
なお、以下の説明に際して、ピッキングゾーンZにおける6台の仮置台4を上流側から第1、第2、第3、第4、第5、第6と番号を付し、また1つのタクトに相当する6個で一群の物品集品容器1についても、下流側から第1、第2、第3、第4、第5、第6…と番号を付して、序数(順序数)を用いて取り扱うことにする。
【0023】
また、各物品収納部11の開口部分にはそれぞれピッキング表示器(収納部側表示器)13が配置され、各仮置台4にはそれぞれ、先行投入表示器(仮置台側表示器)14と投入指示表示器15が配置されている。
【0024】
各ピッキング表示器13は、図2に示すように、ピッキングする物品の数量を示す2桁のディジタル表示器13aと、ピッキング作業があることを表示するランプとピッキング作業終了時に操作するボタンスイッチを兼ねた表示/完了ボタン13bから形成されている。
【0025】
また各先行投入表示器14は、図2に示すように、仮置台4上の物品を投入する物品集品容器1がどのピッキングゾーンZにあるか(移動しているか)を、上流のピッキングゾーンZまでの数、つまりタクト数で表示する2桁のディジタル表示器14aと、仮置台4上への物品投入が終了したことを表示するランプと仮置台4上への物品投入終了確認時に操作するボタンスイッチを兼ねた表示/完了ボタン14bから形成されている。
【0026】
また各投入指示表示器15は、仮置台4上の物品を到着した物品集品容器1へ投入することを指示(表示)するランプと仮置台4から物品集品容器1への物品の投入終了時に操作するボタンスイッチを兼ねた表示/完了ボタン15aから形成されている。
【0027】
上記切出用コンベヤ装置6は、ローラコンベヤ装置から構成され、図3に示すように、切出用コンベヤ装置6には、搬送方向の下流端に物品集品容器1の移動を阻止する第1ストッパ21が設けられ、この第1ストッパ21より上流側に3個の物品集品容器1が入る範囲で区切り、物品集品容器1の移動を阻止する第2ストッパ22が設けられ、この第2ストッパ22より上流側にさらに3個の物品集品容器1が入る範囲で区切り、物品集品容器1の移動を阻止する第3ストッパ23が設けられ、この第3ストッパ23の上流側に第3ストッパ23より4個目の物品集品容器1を係止する切出ストッパ24が設けられている。また切出用コンベヤ装置6の第3ストッパ23の上流側には、この位置を移動する物品集品容器1に設けられたバーコードを読み取るバーコードリーダ25が設けられている。
【0028】
次に、制御装置7について説明する。
この制御装置7は、図4に示すように、各ピッキングゾーンZ毎に設けられた、ピッキングゾーンZを形成する物品収納部11のピッキング表示器13と、仮置台4毎の6台の先行投入表示器14および投入指示表示器15を制御するピッキングコントローラ31と、切出用コンベヤ装置6を制御して物品集品容器1の切り出し制御を行う切り出しコントローラ32と、各ピッキングゾーンZ毎のピッキングコントローラ31および切り出しコントローラ32を統括する統括コントローラ33から形成されている。これら各コントローラ31,32,33について詳細に説明する。
「統括コントローラ33」
統括コントローラ33には、各ピッキングコントローラ31、切り出しコントローラ32、バーコードリーダ25および搬送用コンベヤ装置2が接続されており、予め物品を仕分けて出荷する店舗(仕分け先の一例)のリストが設定され、各店舗から物品の品目および数量からなる注文データが入力される。また、統括コントローラ33には、各ピッキングゾーンZに保管される物品の品目が予め設定される。
【0029】
統括コントローラ33は、図4に示すように、全体制御部41と、後述する注文リスト(図5)を記憶する注文リスト記憶部42と、後述する店舗−物品集品容器のバーコードのデータ(図5)を記憶する店舗−物品集品容器リスト記憶部43と、後述するタクト送りリスト(図6)を記憶するタクト送りリスト記憶部44と、ピッキング制御部45と、切り出し制御部46から構成されている。各制御部41,45,46について説明する。
*全体制御部41
全体制御部41は、以下の3つの機能を有している。
【0030】
イ.各店舗から物品の品目および数量からなる注文データが入力されると、入力された注文データにしたがって各ピッキングゾーンZ毎に、図5に示すように、各店舗と注文された物品5の品目および数量からなる注文リストを形成して注文リスト記憶部42へ記憶する。
【0031】
ロ.バーコードリーダ25より新たな、搬送用コンベヤ装置2の最上流へ投入される物品集品容器1のバーコードを入力すると、入力順に店舗コード(店舗を特定する情報の一例)に割り付け、図5に示すように、店舗コード−物品集品容器のバーコードの店舗割り付けデータを形成して店舗−物品集品容器リスト記憶部43へ記憶する。また同時に図6に示すように、割り付けた6個の店舗コードを仮置台4の下流側から順にタクト送りリストの切り出し予定欄に書き込む。前記タクト送りリストは、図6に示すように、各ピッキングゾーンZ1〜Z11の各仮置台4位置にある物品集品容器1が割り付けられた店舗コードのリストである。
【0032】
ハ.後述するピッキング制御部45からのタクトピッキング終了信号により、タクト送りリストの各ピッキングゾーンZの各仮置台4の店舗コード(物品集品容器1が割り付けられた店舗コード)を1段下へ移動して、タクト送りリストを更新する。例えば、ピッキングゾーンZ11の各仮置台4の店舗コードm,n,o,p,q,rをピッキングゾーンZ10へそのまま移動する。そして、最も上流側のピッキングゾーンZ11に、上記切り出し予定欄に書き込まれた店舗コードを移動する。
【0033】
ニ.ピッキング作業開始に伴い、ピッキング制御部45と切り出し制御部46へピッキング開始信号を出力する。
*ピッキング制御部45
ピッキング制御部45には、各ピッキングゾーンZ毎のピッキングコントローラ31が接続されており、以下の3つの機能を有している。
【0034】
イ.注文リスト記憶部42に記憶された注文リストより、各ピッキングゾーンZ毎に各店舗と注文された物品の品目および数量からなるピッキングデータを形成し、全体制御部51よりピッキング開始信号を入力すると、各ピッキングゾーンZのピッキングコントローラ31へ該当するピッキングデータを出力する。
【0035】
ロ.全ピッキングゾーンZのピッキングコントローラ31より、後述するゾーンピッキング終了信号を入力すると、このタクトにおける全ピッキングゾーンZのピッキング作業が終了したと判断して、全体制御部41と切り出し制御部46へタクトピッキング終了信号を出力する。
【0036】
ハ.切り出し制御部46よりタクト送り要求信号(後述する)を入力すると、タクト送りリスト記憶部44に記憶されている、更新済みのタクト送りリスト(データ)を各ピッキングゾーンZ毎のピッキングコントローラ31へ出力する。
*切り出し制御部46
切り出し制御部46には、搬送用コンベヤ装置2と切り出しコントローラ32が接続されており、次の機能を有している。
【0037】
ピッキング制御部45よりタクトピッキング終了信号を入力すると、切り出しコントローラ32とピッキング制御部45へタクト送り要求信号を出力し、同時に搬送用コンベヤ装置2を駆動して、物品集品容器1群をそれぞれ隣接する下流側のピッキングゾーンZへ移動させる。つまりタクト送りする。
「ピッキングコントローラ31」
各ピッキングコントローラ31には、所属するピッキングゾーンZを形成する物品収納部11のピッキング表示器13と、仮置台4毎の6台の先行投入表示器14および6台の投入指示表示器15が接続されており、次の機能を有している。なお、各物品収納部11に収納されている物品の品目は予め設定されているものとする。
【0038】
イ.統括コントローラ33(ピッキング制御部45)より前記ピッキングデータ(各店舗毎に注文された物品5の品目および数量からなるデータ)を入力すると、図7に示すピッキングリストを形成し、入力したピッキングデータを記憶し、またピッキングデータの物品の品目によりこの物品が収納されている物品収納部11を求めてピッキングリストとして記憶する。またピッキングリストにより各店舗のピッキングデータに基づいて、ピッキング作業が実行されたかどうかを管理する(後述する)。
【0039】
ロ.自己のピッキングゾーンZの6台の仮置台4の使用状況を、図8に示す仮置台使用状況リストにより管理する。この仮置台使用状況リストでは、仮置台4が使用してピッキング作業が実行されると「使用中」とし、使用したピッキングデータの店舗コードを記憶し、上流の何タクト前のピッキングデータによるか示すタクト数を記憶する(後述する)。また仮置台使用状況リストでは、仮置台4上の物品が物品集品容器1へ投入されると「未使用」とする。
【0040】
ハ.自己のピッキングゾーンZに到達している物品集品容器1に対して直接、物品を投入する通常ピッキング作業を行うのか、仮置台4に貯留している物品を、到達した物品集品容器1へ投入する投入作業を行うのか、仮置台4へ一旦物品を投入して貯留する先行ピッキング作業を行うのか、を判断してピッキング作業を実行する。
【0041】
この実行手順を図9に示すフローチャートにしたがって説明する。
まず、タクト送りリスト(図6)を入力すると、自己のピッキングゾーンZに到達している6個の物品集品容器1の店舗コードを読み出し(ステップ−1)、これら店舗コードによりピッキングリスト(図7)を検索して各店舗コードのピッキング作業の実行状況が「実行済み」かどうかを判断する(ステップ−2)。例えば、ピッキングゾーンZがピッキングゾーンZ9の場合、図6に示すように、店舗コードa,b,c,d,e,fが割り付けられた物品集品容器1が到達しているとすると、これら店舗コードでピッキングリストを検索してピッキング作業の実行状況が実行済みとされているか、つまり先行ピッキング作業が既に実行されていたかを確認する。図7では、店舗コードc,dのピッキング作業が実行済みとされている。
【0042】
ステップ−2において、先行ピッキング作業が終了していないピッキングデータがあると、このピッキングデータを取り出し、店舗毎に通常ピッキングを実行する(ステップ−3)。
【0043】
[通常ピッキング]
すなわち、この店舗の物品集品容器1が位置する投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点滅し、ピッキングデータにより予め検索していた物品収納部11のピッキング表示器13の表示/完了ボタン13bのランプを点灯し(点滅とすることも可能)、ディジタル表示器13aにピッキングする物品の数量を表示する。
【0044】
そして、表示/完了ボタン13bの操作信号によりこの表示/完了ボタン13bを設けた物品収納部11におけるピッキング作業が終了と判断し(ピッキング作業の実行を確認し)、ディジタル表示器13aの数量表示を消し、表示/完了ボタン13bのランプを消灯する。
【0045】
そして、店舗の全てのピッキング作業が終了したことを確認すると(ピッキングする物品収納部11の表示/完了ボタン13bの操作信号を全て入力したことを確認すると)、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点灯状態とする。
【0046】
そして投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのボタンの操作信号を入力すると、通常ピッキング作業終了が確認されたと判断し、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを消灯し、ピッキングリストに記憶していたこの店舗の実行状況を「実行済み」に更新して、終了する。
【0047】
通常ピッキング作業は、各店舗毎に実行される。
そして上記ステップ−2において、先行ピッキング作業が終了していないピッキングデータがないと、つまり通常ピッキング動作を実行する店舗がないと、次に、仮置台使用状況リスト(図8)により管理している仮置台4の使用状況の店舗のコードと、自己のピッキングゾーンZに到達している6個の物品集品容器1の店舗コードが一致しているかどうかを確認し(ステップ−4)、一致していると、一致している仮置台4から物品集品容器1へ物品の投入動作を実行する(ステップ−5)。
【0048】
「投入動作」
すなわち、一致している仮置台4の投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点滅状態として、仮置台4における投入作業を示す。そして投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのボタンの操作信号を入力すると、投入作業が終了したと判断し、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを消灯し、仮置台使用状況リスト(図8)により管理している仮置台4の使用状況を「未使用」とする。
【0049】
そして、直接あるいは仮置台4から、6個全ての物品集品容器1へのピッキング作業が終了すると(ステップ−6)、統括コントローラ33(ピッキング制御部45)へゾーンピッキング終了信号を出力する(ステップ−7)。
【0050】
続いて、管理している仮置台使用状況リスト(図8)の仮置台4の使用状況から未使用の仮置台4を求め(ステップ−8)、未使用の仮置台4毎に、同位置の上流の仮置台4のピッキングデータを取り出し、最も上流に近いピッキングデータを先行ピッキングデータとする(ステップ−9)。例えば、ピッキングゾーンZ9の第2の仮置台4では、図6に示す例の場合、ピッキングリスト(図7)より上流の第2の仮置台4の店舗コードh,n,tのピッキングデータを取り出し、最も近い店舗コードhのピッキングデータを先行ピッキングデータとし、どれだけ上流のピッキングゾーンZのデータか、つまりタクト数を記憶する。なお、最も近い店舗のためのピッキングデータ、つまり1タクト前のピッキングデータが無いとき(ピッキングする物品が無いとき)、次に近い店舗のピッキングデータ、つまり2タクト前のピッキングデータを先行ピッキングデータとする。
【0051】
先行ピッキングデータに基づいてそれぞれ先行ピッキング動作を実行する(ステップ−10)。
「先行ピッキング」
先行ピッキング作業を実行する先行投入表示器14のディジタル表示器14aに、何タクトの前のピッキングデータを実行するかを示すタクト数を表示し、表示/完了ボタン14bのランプを点滅し、ピッキングデータにより予め検索していた物品収納部11のピッキング表示器13の表示/完了ボタン13bのランプを点灯し(点滅とすることも可能)、ディジタル表示器13aにピッキングする物品の数量を表示する。
【0052】
そして、表示/完了ボタン13bの操作信号によりこの表示/完了ボタン13bを設けた物品収納部11における先行ピッキング作業が終了と判断し(ピッキング作業の実行を確認し)、ディジタル表示器13aの数量表示を消し、表示/完了ボタン13bのランプを消灯する。
【0053】
そして、店舗の全ての先行ピッキング作業が終了したことを確認すると(ピッキングする物品収納部11の表示/完了ボタン13bの操作信号を全て入力したことを確認すると)、先行投入表示器14の表示/完了ボタン14bのランプを点灯状態とする。
【0054】
そして先行投入表示器14の表示/完了ボタン14bのボタンの操作信号を入力すると、先行ピッキング作業終了が確認されたと判断し、先行投入表示器14の表示/完了ボタン14bのランプを消灯し、管理しているピッキングリスト(図7)においてこの店舗の実行状況を「実行済み」に更新し、管理している仮置台使用状況リスト(図8)の仮置台4の使用状況を「使用中」に更新し、店舗コードとタクト数を記憶して終了する。
【0055】
そして、各先行ピッキングデータによるピッキング作業が終了すると(ステップ−11)、ピッキングは終了する。
また先行投入表示器14のディジタル表示器14a表示したタクト数は、タクト送りが実行される毎に、1つずつ減少されて、目的の店舗コードが割り付けられた物品集品容器1が接近してきたことが表示される。
「切り出しコントローラ32」
切り出しコントローラ32には、切出用コンベヤ装置6が接続されており、次の物品集品容器1の切り出し制御を実行する。
【0056】
この切り出し制御を図10を参照しながら説明する。なお、今、図10(a)に示すように、第1ストッパ21によりNo.1〜3の3個の物品集品容器1の移動が停止され、第2ストッパ22によりNo.4〜6の3個の物品集品容器1の移動が停止され、第3ストッパ23によりNo.7の物品集品容器1より上流側の物品集品容器1の移動が停止され、さらに切出ストッパ24によりNo.10の物品集品容器1が係止されているものとする。
【0057】
まず、図10(b)に示すように、統括コントローラ33(切り出し制御部46)からのタクト送り要求信号に基づいて、第1ストッパ21と第2ストッパ22を開放して、No.1〜3の3個の物品集品容器1、さらにNo.4〜6の3個の物品集品容器1を搬送用コンベヤ装置2へ搬出する。このとき、切出用コンベヤ装置6と搬送用コンベヤ装置2の搬送速度の差により、No.1〜3の3個の物品集品容器1とNo.4〜6の3個の物品集品容器1との間に上記隙間5が形成される。
【0058】
続いて図10(c)に示すように、物品集品容器1が1個分下流へ移動したタイミングで、第3ストッパ23を開放してNo.7〜9の3個の物品集品容器1を切り出し、さらに図10(d)に示すように、物品集品容器1がさらに1個分下流へ移動したタイミングで、切出ストッパ24を開放してNo.10〜12の3個の物品集品容器1を切り出す。
【0059】
続いて図10(e)に示すように、No.6の物品集品容器1が搬送用コンベヤ装置2へ搬出されたタイミングで、第1ストッパ21と第2ストッパ22と第3ストッパ23と切出ストッパ24により物品集品容器1の移動を停止する。これにより、図10(a)に示したものと同様に、第1ストッパ21によりNo.7〜9の3個の物品集品容器1の移動が停止され、第2ストッパ22によりNo.10〜12の3個の物品集品容器1の移動が停止され、第3ストッパ23によりNo.13の物品集品容器1より上流側の物品集品容器1の移動が停止され、さらに切出ストッパ24によりNo.16の物品集品容器1が係止される。
【0060】
このように、6個の物品集品容器1により物品集品容器1群が形成され、かつ群の途中に隙間5が空けられて、搬送方向の最も上流側のピッキングゾーン11へ送られ(搬送用コンベヤ装置2の最上流へ供給され)、タクト送りされることにより、各ピッキングゾーンZにおいて、図11に示すように、各物品集品容器1は仮置台4にそれぞれ1対1で対向し隙間5を設けて配置される。
【0061】
上記ピッキング設備の構成による作用を説明する。
切出用コンベヤ装置6において、物品集品容器1がバーコードリーダ25位置を通過したときに、物品集品容器1のバーコードが読み取られ、統括コントローラ33へ入力され、仕分け先の店舗が順にこの物品集品容器1のバーコードに割り付けられ、店舗コード−物品集品容器1のバーコードからなる店舗割り付けデータが形成され、店舗と物品集品容器1が関連付けされて記憶される。また切出用コンベヤ装置6の下流端から6個の物品集品容器1に割り付けられた店舗コードがタクト用リスト(図6)に記憶される。
【0062】
そして、ピッキング作業が開始されると、統括コントローラ33からのタクト送り要求信号が切出用コンベヤ装置6へ出力され、切出用コンベヤ装置6から、物品集品容器1群が隙間5を設けて搬送用コンベヤ装置2へ切り出され、同時に搬送用コンベヤ装置2が駆動されて各ピッキングゾーンZへ物品集品容器1群がタクト送りされる。またタクト送りによりタクト送りリスト(図6)が更新される。
【0063】
また統括コントローラ33は、各店舗から物品の品目および数量からなる注文データが入力されると、図5に示す注文リストを形成し、続いてこの注文リストに基づいて、各ピッキングゾーンZ毎のピッキングデータを形成し、各ゾーンのピッキングコントローラ31へそれぞれ出力する。また上記タクト用リストを各ゾーンのピッキングコントローラ31へそれぞれ出力する。
これにより、各ピッキングコントローラ31はピッキングデータに基づいてピッキング動作を実行する。
【0064】
各ピッキングゾーンZにおけるピッキング作業を説明する。
各ピッキングゾーンZでは、物品集品容器1群をタクト送りし迅速にピッキング作業を進めるために最低限、上記通常ピッキング作業および投入作業を実行して、タクト送りを可能するゾーン作業を終了しなければならない。
【0065】
まず、到達している物品集品容器1に対する通常ピッキング作業が必要なとき、最優先で実行する。すなわち投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点滅させ、続いてピッキング表示器13の表示/完了ボタン13bのランプを点灯させ、ディジタル表示器13aにピッキングする物品の数量を表示してピッキング作業を作業者Pへ報知し、作業者Pは、投入指示表示器15で示された位置の物品集品容器1に、ピッキング表示器13の表示にしたがってピッキングした物品を投入する。このとき、物品集品容器1群に隙間5が設けられことにより、さらに隙間5の前後(主搬送経路Rに沿って物品集品容器1の搬送方向の上流側と下流側)で仮置台4が色分けされることにより、多く(図では6個)の物品集品容器1の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器1を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率が向上される。
【0066】
そして、通常ピッキングが終了すると、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点灯状態へ変更させ、作業者Pがこの表示/完了ボタン15aを操作すると、物品集品容器1への通常ピッキング作業は終了され、ピッキングリストが更新される(実行済みとされる)。
【0067】
また到達している物品集品容器1に対する投入作業が必要なとき、続いて投入動作を実行する。すなわち、到達している物品集品容器1の位置の投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点滅させ、このときピッキング表示器13の表示がないことにより、投入作業の実行を作業者Pへ報知し、作業者Pは、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプが点滅している位置の仮置台4から、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプが点滅している位置の物品集品容器1へ物品を投入する。投入が終了すると、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aを操作する。この操作により物品集品容器1への投入作業は終了し、仮置台使用状況リスト(図8)は未使用に更新される。
【0068】
6個の物品集品容器1の全てへの上記通常ピッキング作業および投入作業が終了すると、このピッキングゾーンZにおける1タクトのピッキング作業が終了し、ゾーンピッキング終了信号が統括コントローラ31へ出力され、そして全ピッキングゾーンZにおけるピッキングが終了すると、各ピッキングゾーンZの物品集品容器1群はタクト送りされ、最も上流のピッキングゾーンZ11には、切出用コンベヤ装置6により6個の物品集品容器1が搬入され、タクト送りリストが更新され、再び更新済みタクト送りリストがピッキングコントローラ31へ出力される。
【0069】
また各ピッキングゾーンZでは、通常ピッキング作業および投入作業が終了していて未だタクト送りが実行させずに、時間的に余裕が有るときに、先行ピッキング作業を実行する。今、ピッキングゾーンZ9を例として先行ピッキング動作を説明する。
【0070】
ピッキングゾーンZ9では、上流側、ピッキングゾーンZ10,Z11および切り出し予定の個所にある、店舗コードが割り当てられた物品集品容器1のための先行ピッキング作業が可能であるが、仮置台4は、到達する物品集品容器1に対して1対1で配置されているため、各仮置台4への先行ピッキングはそれぞれ1店舗に限られる。また各仮置台4毎に最も接近している物品集品容器1用のピッキングでないと、先行ピッキングの意味がない。
【0071】
そこで、未使用の仮置台4に対して、最も近い上流の同じナンバーの仮置台4に位置する物品集品容器1に割り付けられた店舗コードより、ピッキングデータを求め、このときのタクト数を求める。
【0072】
この未使用の仮置台4の先行投入表示器14のディジタル表示器14aにタクト数を表示させ、かつ表示/完了ボタン14bのランプを点滅させて、先行ピッキング作業を作業者Pへ報知し、続いて求めたピッキングデータに基づいて、各物品収納部11のピッキング表示器13の表示/完了ボタン13bのランプを点灯させ、ディジタル表示器13aにピッキングする物品の数量を表示させる。作業者Pは、先行投入表示器14で示された仮置台4に、ピッキング表示器13の表示にしたがってピッキングした物品を投入する。先行ピッキング作業が終了すると、表示/完了ボタン14bのランプを点灯状態に変更させ、この表示/完了ボタン14bが作業者Pにより操作されると、先行ピッキング作業は終了し、仮置台使用状況リスト(図8)において先行ピッキングを実行した仮置台4は「使用中」に更新され、ピッキングリスト(図7)おいて先行ピッキングを実行した店舗の実行状況は「実行済み」に更新される。
【0073】
この先行ピッキング作業に際して、仮置台4群に隙間5が設けられ、さらに隙間5の前後(主搬送経路Rに沿って物品集品容器1の搬送方向の上流側と下流側)で仮置台4が色分けされることにより、多く(図では6台)の仮置台4の中から物品を投入する目的の1つの仮置台4を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上される。
【0074】
また図11に示すように、先行投入表示器14のディジタル表示器14aにタクト数が表示されることから、急いで実行する必要がある先行ピッキング作業であるか否かが判断され、タクト数が大きく、急いで実行する必要がないと判断できる場合、この先行ピッキング作業をすぐに実行せずに、前後のピッキングゾーンZにおいてタクト数が少ないピッキングが実行されているときに手助けすることが可能となっている。
【0075】
なお、タクト送りが実行されると、先行投入表示器14のディジタル表示器14aに表示されたタクト数は更新される(タクト数は1減少される)。タクト数が0のとき、物品集品容器1が到達していることが示される。
【0076】
以上のように本実施の形態によれば、各ピッキングゾーンZ毎に搬送される所定個数の物品集品容器1からなる物品集品容器1群に、これら物品集品容器1群を分ける隙間5が設けられことにより、多くの物品集品容器1の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器1を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
【0077】
また本実施の形態によれば、仮置台4が物品集品容器1の所定個数と同じ台数だけ、前記隙間5を空けて主搬送経路Rに沿って配置され、つまり物品集品容器1と仮置台4は1対1で対向して配置され、仮置台4群が隙間5により前後に分離されていることにより、多くの物品集品容器1の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器1、或いは多くの仮置台4の中から物品を投入する目的の1つの仮置台4を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
【0078】
また本実施の形態によれば、仮置台4が隙間5の前後(主搬送経路Rに沿って物品集品容器1の搬送方向の上流側と下流側)で色分けされることにより、多くの物品集品容器1の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器1、或いは多くの仮置台4の中から物品を投入する目的の1つの仮置台4をより瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
【0079】
また本実施の形態によれば、作業者Pによりピッキングデータに基づいて物品を仮置台4に投入する先行ピッキング作業を行っているとき、この仮置台4上の物品を投入する物品集品容器1が上流のどのピッキングゾーンZにあるかが先行投入表示器14に表示されることにより、作業者Pは、実行しているピッキング作業が時間的に余裕があるピッキング作業なのか否かを判断でき、余裕があるとき、前後のピッキングゾーンZにおいて近くに物品集品容器1が移動してきて未だピッキングが実行されているときに手助けすることが可能となる。
【0080】
また本実施の形態によれば、先行投入表示器14には、仮置台4上の物品を投入する物品集品容器1が上流のどのピッキングゾーンにあるかが、タクト数で、かつカウントダウン方式で表示されることにより、作業者Pは、より的確に実行しているピッキング作業が余裕があるピッキング作業なのか否かを判断できる。
【0081】
また本実施の形態によれば、先行ピッキングして仮置台4に貯留されていた物品を、物品集品容器1に移載する指示が、投入指示表示器15により指示されることにより、作業者Pは、この投入指示表示器15の指示に従って、物品を移載すればよくなり、作業者P自身で判断する必要を無くすことができ、作業効率を改善することができる。
【0082】
なお、本実施の形態では、タクト送りする物品集品容器1の所定数量を6個としているが、さらに多くの数量とすることもできる。また所定数量の物品集品容器1群には、隙間5を1ヶ所しか設けていないが、さらに多くの隙間5を設けることもでき、このように多くの隙間5を設けることにより、物品を投入する目的の1つの物品集品容器1の瞬間的な判別がさらに可能となり、作業効率をさらに向上させることができる。またこのとき仮置台4を、これら多くの隙間5に合わせて同じ位置に同じ隙間を空けることにより、多くの隙間5を空けた物品集品容器1に対向して1対1で仮置台4を配置することができるとともに、多くの隙間5により仮置台4の位置(主搬送経路Rに沿って物品集品容器1の搬送方向の位置)をより容易に判別でき、物品を投入する目的の1つの物品集品容器1或いは仮置台4の瞬間的な判別がより可能となり、作業効率をさらに向上させることができる。
【0083】
また本実施の形態では、仮置台4から物品集品容器1への物品の投入を作業者Pが行うようにしているが、例えば自動投入にて行うようにしてもよい。
また本実施の形態では、隙間形成手段を、各物品集品容器1群をその群毎に隙間5を空けて搬送用コンベヤ装置2の最上流へ切り出す切出用コンベヤ装置6により構成しているが、このような切出用コンベヤ装置6に限ることはなく、隙間5を設けて物品集品容器1群を搬送用コンベヤ装置2の最上流へ供給できる装置であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の概略構成を示す平面図である。
【図2】同ピッキング設備のピッキングゾーンの平面図である。
【図3】同ピッキング設備の切出用コンベヤ装置の平面図である。
【図4】同ピッキング設備の制御構成図である。
【図5】同ピッキング設備の統括コントローラに記憶される注文リスト、店舗−物品集品容器リストの説明図である。
【図6】同ピッキング設備の統括コントローラに記憶されるタクト送りリストの説明図である。
【図7】同ピッキング設備のピッキングコントローラに記憶されるピッキングリストの説明図である。
【図8】同ピッキング設備のピッキングコントローラに記憶される仮置台使用状況リストの説明図である。
【図9】同ピッキング設備のピッキングコントローラで実行されるピッキング作業の動作を示すフローチャートである。
【図10】同ピッキング設備の切出用コンベヤ装置による切り出し制御の説明図である。
【図11】同ピッキング設備の先行ピッキング作業時の動作説明図である。
【図12】従来のピッキング設備の課題の説明図である。
【符号の説明】
【0085】
1 物品集品容器
2 搬送用コンベヤ装置
3 収納棚
4 仮置台
5 隙間
6 切出用コンベヤ装置
7 制御装置
11 物品収納部
13 ピッキング表示器
13a ディジタル表示器
13b 表示/完了ボタン
14 先行投入表示器
14a ディジタル表示器
14b 表示/完了ボタン
15 投入指示表示器
15a 表示/完了ボタン
21 第1ストッパ
22 第2ストッパ
23 第3ストッパ
24 切出ストッパ
25 バーコードリーダ
31 ピッキングコントローラ
32 切り出しコントローラ
33 統括コントローラ
41 全体制御部
42 注文リスト記憶部
43 店舗−物品集品容器リスト記憶部
44 タクト送りリスト記憶部
45 ピッキング制御部
46 切り出し制御部
P 作業者
R 主搬送経路
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング設備、特に先行ピッキングを行い得るピッキング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数の物品(商品)を複数の仕分け先(例えば、店舗)に効率よく仕分けするピッキング設備は、仕分け先毎に対応した物品集品容器(例えば、コンテナや段ボール箱)を主搬送経路に沿って搬送装置(例えば、コンベヤ装置)により搬送し、搬送されてきた物品集品容器に対して、異なる品目の物品が収納された複数の物品収納部(間口)からそれぞれ、コンピュータシステムにて指示された注文物品をピッキングして投入を行うようにしたものである。
【0003】
このようなピッキング設備の一例が、特許文献1に開示されている。この特許文献1に開示されているピッキング設備では、主搬送経路に沿って、前記複数の物品収納部から形成されるピッキング作業領域が複数設けられ、また所定個数の前記物品集品容器毎に群(グループ)が形成されて、これら各物品集品容器群が各ピッキング作業領域毎に順に搬送され(物品集品容器群がタクト送りされ)、各ピッキング作業領域毎では、タクト送りされてきた物品集品容器群に対してピッキング作業が実行される。そして、全てのピッキング作業領域において、物品集品容器群に対するピッキング作業が終了すると、物品集品容器群は次のピッキング作業領域へ搬送される。
【0004】
またピッキング設備には、例えば特許文献2に開示されているように、各ピッキング作業領域毎に、先行ピッキングを行うために仮置台(置き台)が具備された設備がある。この設備では、前記仮置台の台数はピッキング作業領域を移動している物品集品容器の所定個数に合わせて設けられている。
【特許文献1】特開2002−326708号公報
【特許文献2】特開平7−172519号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されているピッキング設備の構成によると、作業効率を維持するには物品集品容器がタクト送りされている途中であっても、作業すべき物品集品容器を瞬間的な判断することが求められるが、物品集品容器の所定個数が多くなると、瞬間的な判断が困難になり、作業効率が低下してしまう問題があった。例えば、図12に示すように、各ピッキングゾーン(ピッキング作業領域)51毎に、コンベヤ装置52によりタクト送りされる物品集品容器53の個数が6個まで増加してくると(6個/タクト搬送)、ピッキング作業を行う作業者Pは,物品を投入する目的の物品集品容器53を瞬間的に判断することが困難となる。
【0006】
また先行ピッキングを可能とするために、図12に示すように、物品集品容器53の所定個数に合わせて仮置台54を備えると、同様にタクト送りされる物品集品容器53の個数が6個まで増加し(6個/タクト搬送)、仮置台54の台数が6台まで増加してくると、先行ピッキング作業を行う作業者Pは,物品を投入する目的の仮置台54を瞬間的に判断することが困難となる。
【0007】
そこで、本発明は、タクト送りされる物品集品容器の数が多くなっても、作業効率の低下を防止できるピッキング設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係るピッキング設備は、所定個数の物品集品容器からなる物品集品容器群を搬送する搬送装置が備えられ、前記搬送装置に沿って、異なる品目の物品が収納された複数の物品収納部から形成される複数のピッキング作業領域が配置され、前記各ピッキング作業領域には、前記物品集品容器群が前記搬送装置により順に搬送され、搬送されてきた物品集品容器群に対して前記物品収納部より物品のピッキング作業が実行されるピッキング設備であって、前記物品集品容器群毎を、その群の途中に少なくとも1つの隙間を空けて前記搬送装置の最上流へ供給する隙間形成手段を設け、前記搬送装置は、前記各ピッキング作業領域に、前記隙間を設けた物品集品容器群を順に搬送することを特徴とするものである。
【0009】
上記構成によれば、隙間形成手段により各ピッキング作業領域毎に搬送される所定個数の物品集品容器からなる物品集品容器群に、これら物品集品容器群を分ける隙間が少なくとも1つ設けられる。したがって、前記隙間により多くの物品集品容器の中から、物品を投入する目的の1つの物品集品容器を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率が向上する。
【0010】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記隙間形成手段を、前記各物品集品容器群をその群毎に前記隙間を空けて前記搬送装置の最上流へ切り出す切り出し装置により構成したことを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、切り出し装置により、各物品集品容器群はその群毎に隙間が空けられて搬送装置の最上流へ切り出される。
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記各ピッキング作業領域毎に、前記物品収納部より先行してピッキングされた物品を貯留する仮置台を、前記搬送されてくる物品集品容器群の物品集品容器の所定個数と同じ台数だけ、同じ位置に隙間を空けて前記搬送装置に沿って配置したことを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、仮置台が物品集品容器の所定個数と同じ台数だけ、前記隙間を空けて前記主搬送経路に沿って配置され、つまり物品集品容器と仮置台は1対1で対向して配置され、仮置台群を分ける隙間が少なくとも1つ設けられる。このように、仮置台を隙間により前後に分離することにより、多くの物品集品容器の中から目的の1つの物品集品容器、或いは多くの仮置台の中から目的の1つの仮置台を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率が向上する。
【0013】
また請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明であって、前記各ピッキング作業領域毎に、前記隙間の前記物品集品容器搬送方向の上流側の仮置台と下流側の仮置台を色分けしたことを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、仮置台は隙間の前後(上流側と下流側)で色分けされる。このように、仮置台を前後で色分けすることにより、多くの物品集品容器の中から目的の1つの物品集品容器、或いは多くの仮置台の中から目的の1つの仮置台を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のピッキング設備は、各ピッキング作業領域毎に搬送される所定個数の物品集品容器からなる物品集品容器群に、これら物品集品容器群を分ける隙間が少なくとも1つ設けられることにより、多くの物品集品容器の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上できる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるピッキング設備の平面図、図2は同ピッキング設備の要部の平面図である。
【0017】
本発明の実施の形態のピッキング設備を、簡単に説明すると、主搬送経路に沿って搬送される物品集品容器(例えば、コンテナや段ボール箱やトレイ)に、その主搬送経路に沿って配置された、異なる品目(種類)の物品を収納している複数の物品収納部(収納棚)から、仕分け先の注文に係る品目の物品を、作業者(ピッカーともいう)が、直接到着(または、到来)した物品集品容器に投入する、或いは予め仮置台上に先行ピッキング(集品)しておき、その仕分け先に対応する物品集品容器が到着(または、到来)したときに、仮置台に先行ピッキングされた物品を当該物品集品容器に投入するようにしたものである。
【0018】
また、このピッキング設備においては、作業者によるピッキングゾーン(ピッキング作業領域)が決められており、このピッキングゾーンに応じて、収納棚での物品収納部の範囲、つまり作業者が担当する物品収納部および担当する仮置台の台数が予め決められている。そして各ピッキングゾーンでは、店舗(仕分け先の一例)からの注文データに基づいて形成されるピッキングデータ(情報;後述する)に基づいて、物品集品容器或いは仮置台に対して物品収納部より物品のピッキング作業が実行される。
【0019】
すなわち、このピッキング設備は、図1および図2に示すように、物品集品容器1を所定の主搬送経路Rに沿って搬送するための搬送装置である搬送用コンベヤ装置(具体的には、ローラコンベヤ装置が用いられるが、ベルトコンベヤ装置を用いてもよい)2と、この搬送用コンベヤ装置2に沿って配置された、品目が異なるピッキング対象の物品がそれぞれ収納された複数の物品収納部11からなる収納棚3と、この収納棚3に対向して且つ上記搬送用コンベヤ装置2の上方に配置された物品の仮置台4群と、物品集品容器1を多くの個数(所定個数;図では6個)ずつの区切り(所謂、1群である)、物品集品容器1群毎に、群の途中に隙間5を空けて、搬送用コンベヤ装置2の最上流へ切り出す切り出し装置を構成する切出用コンベヤ装置(隙間形成手段の一例)6と、この設備における仕分け作業を制御するコンピュータからなる制御装置7とから構成されている。
【0020】
上記収納棚3は、所定幅の間口でもって複数のピッキングゾーンZ1〜Zn[図1では11個(n=11)設けられている]に仕切られるとともに、これら各ピッキングゾーンZ毎に複数の物品収納部11が具備されている。なお、ピッキングゾーンZの番号1〜n(図では11)は、物品集品容器1の搬送方向(以下、搬送方向と略す)の下流側から順に付している。
【0021】
また前記物品集品容器1群は、図2に示すように、搬送方向の上流側3個と下流側3個との間に隙間5を空けて、各ピッキングゾーンZへ順にタクト送りされている。
上記仮置台4群は、各ピッキングゾーンZ毎に、物品集品容器1群の物品集品容器1の所定個数に合わせた同数(図では6台)で、かつ搬送方向の上流側3台と下流側3台との間に前記6個の物品集品容器1に設けた隙間5と同じ位置に同じ幅の隙間5を設けて配置されている。すなわち、各ピッキングゾーンZにおいて、一人の作業者Pが担当する物品集品容器1および仮置台4はそれぞれ6であり、6台の仮置台4と6個の物品集品容器1とは、1対1で対応付けされている。また6台の仮置台4は、隙間5の搬送方向の上流側3台と下流側3台とで色分けされており、下流側3台は緑色、上流側3台は赤色とされている。
【0022】
なお、以下の説明に際して、ピッキングゾーンZにおける6台の仮置台4を上流側から第1、第2、第3、第4、第5、第6と番号を付し、また1つのタクトに相当する6個で一群の物品集品容器1についても、下流側から第1、第2、第3、第4、第5、第6…と番号を付して、序数(順序数)を用いて取り扱うことにする。
【0023】
また、各物品収納部11の開口部分にはそれぞれピッキング表示器(収納部側表示器)13が配置され、各仮置台4にはそれぞれ、先行投入表示器(仮置台側表示器)14と投入指示表示器15が配置されている。
【0024】
各ピッキング表示器13は、図2に示すように、ピッキングする物品の数量を示す2桁のディジタル表示器13aと、ピッキング作業があることを表示するランプとピッキング作業終了時に操作するボタンスイッチを兼ねた表示/完了ボタン13bから形成されている。
【0025】
また各先行投入表示器14は、図2に示すように、仮置台4上の物品を投入する物品集品容器1がどのピッキングゾーンZにあるか(移動しているか)を、上流のピッキングゾーンZまでの数、つまりタクト数で表示する2桁のディジタル表示器14aと、仮置台4上への物品投入が終了したことを表示するランプと仮置台4上への物品投入終了確認時に操作するボタンスイッチを兼ねた表示/完了ボタン14bから形成されている。
【0026】
また各投入指示表示器15は、仮置台4上の物品を到着した物品集品容器1へ投入することを指示(表示)するランプと仮置台4から物品集品容器1への物品の投入終了時に操作するボタンスイッチを兼ねた表示/完了ボタン15aから形成されている。
【0027】
上記切出用コンベヤ装置6は、ローラコンベヤ装置から構成され、図3に示すように、切出用コンベヤ装置6には、搬送方向の下流端に物品集品容器1の移動を阻止する第1ストッパ21が設けられ、この第1ストッパ21より上流側に3個の物品集品容器1が入る範囲で区切り、物品集品容器1の移動を阻止する第2ストッパ22が設けられ、この第2ストッパ22より上流側にさらに3個の物品集品容器1が入る範囲で区切り、物品集品容器1の移動を阻止する第3ストッパ23が設けられ、この第3ストッパ23の上流側に第3ストッパ23より4個目の物品集品容器1を係止する切出ストッパ24が設けられている。また切出用コンベヤ装置6の第3ストッパ23の上流側には、この位置を移動する物品集品容器1に設けられたバーコードを読み取るバーコードリーダ25が設けられている。
【0028】
次に、制御装置7について説明する。
この制御装置7は、図4に示すように、各ピッキングゾーンZ毎に設けられた、ピッキングゾーンZを形成する物品収納部11のピッキング表示器13と、仮置台4毎の6台の先行投入表示器14および投入指示表示器15を制御するピッキングコントローラ31と、切出用コンベヤ装置6を制御して物品集品容器1の切り出し制御を行う切り出しコントローラ32と、各ピッキングゾーンZ毎のピッキングコントローラ31および切り出しコントローラ32を統括する統括コントローラ33から形成されている。これら各コントローラ31,32,33について詳細に説明する。
「統括コントローラ33」
統括コントローラ33には、各ピッキングコントローラ31、切り出しコントローラ32、バーコードリーダ25および搬送用コンベヤ装置2が接続されており、予め物品を仕分けて出荷する店舗(仕分け先の一例)のリストが設定され、各店舗から物品の品目および数量からなる注文データが入力される。また、統括コントローラ33には、各ピッキングゾーンZに保管される物品の品目が予め設定される。
【0029】
統括コントローラ33は、図4に示すように、全体制御部41と、後述する注文リスト(図5)を記憶する注文リスト記憶部42と、後述する店舗−物品集品容器のバーコードのデータ(図5)を記憶する店舗−物品集品容器リスト記憶部43と、後述するタクト送りリスト(図6)を記憶するタクト送りリスト記憶部44と、ピッキング制御部45と、切り出し制御部46から構成されている。各制御部41,45,46について説明する。
*全体制御部41
全体制御部41は、以下の3つの機能を有している。
【0030】
イ.各店舗から物品の品目および数量からなる注文データが入力されると、入力された注文データにしたがって各ピッキングゾーンZ毎に、図5に示すように、各店舗と注文された物品5の品目および数量からなる注文リストを形成して注文リスト記憶部42へ記憶する。
【0031】
ロ.バーコードリーダ25より新たな、搬送用コンベヤ装置2の最上流へ投入される物品集品容器1のバーコードを入力すると、入力順に店舗コード(店舗を特定する情報の一例)に割り付け、図5に示すように、店舗コード−物品集品容器のバーコードの店舗割り付けデータを形成して店舗−物品集品容器リスト記憶部43へ記憶する。また同時に図6に示すように、割り付けた6個の店舗コードを仮置台4の下流側から順にタクト送りリストの切り出し予定欄に書き込む。前記タクト送りリストは、図6に示すように、各ピッキングゾーンZ1〜Z11の各仮置台4位置にある物品集品容器1が割り付けられた店舗コードのリストである。
【0032】
ハ.後述するピッキング制御部45からのタクトピッキング終了信号により、タクト送りリストの各ピッキングゾーンZの各仮置台4の店舗コード(物品集品容器1が割り付けられた店舗コード)を1段下へ移動して、タクト送りリストを更新する。例えば、ピッキングゾーンZ11の各仮置台4の店舗コードm,n,o,p,q,rをピッキングゾーンZ10へそのまま移動する。そして、最も上流側のピッキングゾーンZ11に、上記切り出し予定欄に書き込まれた店舗コードを移動する。
【0033】
ニ.ピッキング作業開始に伴い、ピッキング制御部45と切り出し制御部46へピッキング開始信号を出力する。
*ピッキング制御部45
ピッキング制御部45には、各ピッキングゾーンZ毎のピッキングコントローラ31が接続されており、以下の3つの機能を有している。
【0034】
イ.注文リスト記憶部42に記憶された注文リストより、各ピッキングゾーンZ毎に各店舗と注文された物品の品目および数量からなるピッキングデータを形成し、全体制御部51よりピッキング開始信号を入力すると、各ピッキングゾーンZのピッキングコントローラ31へ該当するピッキングデータを出力する。
【0035】
ロ.全ピッキングゾーンZのピッキングコントローラ31より、後述するゾーンピッキング終了信号を入力すると、このタクトにおける全ピッキングゾーンZのピッキング作業が終了したと判断して、全体制御部41と切り出し制御部46へタクトピッキング終了信号を出力する。
【0036】
ハ.切り出し制御部46よりタクト送り要求信号(後述する)を入力すると、タクト送りリスト記憶部44に記憶されている、更新済みのタクト送りリスト(データ)を各ピッキングゾーンZ毎のピッキングコントローラ31へ出力する。
*切り出し制御部46
切り出し制御部46には、搬送用コンベヤ装置2と切り出しコントローラ32が接続されており、次の機能を有している。
【0037】
ピッキング制御部45よりタクトピッキング終了信号を入力すると、切り出しコントローラ32とピッキング制御部45へタクト送り要求信号を出力し、同時に搬送用コンベヤ装置2を駆動して、物品集品容器1群をそれぞれ隣接する下流側のピッキングゾーンZへ移動させる。つまりタクト送りする。
「ピッキングコントローラ31」
各ピッキングコントローラ31には、所属するピッキングゾーンZを形成する物品収納部11のピッキング表示器13と、仮置台4毎の6台の先行投入表示器14および6台の投入指示表示器15が接続されており、次の機能を有している。なお、各物品収納部11に収納されている物品の品目は予め設定されているものとする。
【0038】
イ.統括コントローラ33(ピッキング制御部45)より前記ピッキングデータ(各店舗毎に注文された物品5の品目および数量からなるデータ)を入力すると、図7に示すピッキングリストを形成し、入力したピッキングデータを記憶し、またピッキングデータの物品の品目によりこの物品が収納されている物品収納部11を求めてピッキングリストとして記憶する。またピッキングリストにより各店舗のピッキングデータに基づいて、ピッキング作業が実行されたかどうかを管理する(後述する)。
【0039】
ロ.自己のピッキングゾーンZの6台の仮置台4の使用状況を、図8に示す仮置台使用状況リストにより管理する。この仮置台使用状況リストでは、仮置台4が使用してピッキング作業が実行されると「使用中」とし、使用したピッキングデータの店舗コードを記憶し、上流の何タクト前のピッキングデータによるか示すタクト数を記憶する(後述する)。また仮置台使用状況リストでは、仮置台4上の物品が物品集品容器1へ投入されると「未使用」とする。
【0040】
ハ.自己のピッキングゾーンZに到達している物品集品容器1に対して直接、物品を投入する通常ピッキング作業を行うのか、仮置台4に貯留している物品を、到達した物品集品容器1へ投入する投入作業を行うのか、仮置台4へ一旦物品を投入して貯留する先行ピッキング作業を行うのか、を判断してピッキング作業を実行する。
【0041】
この実行手順を図9に示すフローチャートにしたがって説明する。
まず、タクト送りリスト(図6)を入力すると、自己のピッキングゾーンZに到達している6個の物品集品容器1の店舗コードを読み出し(ステップ−1)、これら店舗コードによりピッキングリスト(図7)を検索して各店舗コードのピッキング作業の実行状況が「実行済み」かどうかを判断する(ステップ−2)。例えば、ピッキングゾーンZがピッキングゾーンZ9の場合、図6に示すように、店舗コードa,b,c,d,e,fが割り付けられた物品集品容器1が到達しているとすると、これら店舗コードでピッキングリストを検索してピッキング作業の実行状況が実行済みとされているか、つまり先行ピッキング作業が既に実行されていたかを確認する。図7では、店舗コードc,dのピッキング作業が実行済みとされている。
【0042】
ステップ−2において、先行ピッキング作業が終了していないピッキングデータがあると、このピッキングデータを取り出し、店舗毎に通常ピッキングを実行する(ステップ−3)。
【0043】
[通常ピッキング]
すなわち、この店舗の物品集品容器1が位置する投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点滅し、ピッキングデータにより予め検索していた物品収納部11のピッキング表示器13の表示/完了ボタン13bのランプを点灯し(点滅とすることも可能)、ディジタル表示器13aにピッキングする物品の数量を表示する。
【0044】
そして、表示/完了ボタン13bの操作信号によりこの表示/完了ボタン13bを設けた物品収納部11におけるピッキング作業が終了と判断し(ピッキング作業の実行を確認し)、ディジタル表示器13aの数量表示を消し、表示/完了ボタン13bのランプを消灯する。
【0045】
そして、店舗の全てのピッキング作業が終了したことを確認すると(ピッキングする物品収納部11の表示/完了ボタン13bの操作信号を全て入力したことを確認すると)、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点灯状態とする。
【0046】
そして投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのボタンの操作信号を入力すると、通常ピッキング作業終了が確認されたと判断し、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを消灯し、ピッキングリストに記憶していたこの店舗の実行状況を「実行済み」に更新して、終了する。
【0047】
通常ピッキング作業は、各店舗毎に実行される。
そして上記ステップ−2において、先行ピッキング作業が終了していないピッキングデータがないと、つまり通常ピッキング動作を実行する店舗がないと、次に、仮置台使用状況リスト(図8)により管理している仮置台4の使用状況の店舗のコードと、自己のピッキングゾーンZに到達している6個の物品集品容器1の店舗コードが一致しているかどうかを確認し(ステップ−4)、一致していると、一致している仮置台4から物品集品容器1へ物品の投入動作を実行する(ステップ−5)。
【0048】
「投入動作」
すなわち、一致している仮置台4の投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点滅状態として、仮置台4における投入作業を示す。そして投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのボタンの操作信号を入力すると、投入作業が終了したと判断し、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを消灯し、仮置台使用状況リスト(図8)により管理している仮置台4の使用状況を「未使用」とする。
【0049】
そして、直接あるいは仮置台4から、6個全ての物品集品容器1へのピッキング作業が終了すると(ステップ−6)、統括コントローラ33(ピッキング制御部45)へゾーンピッキング終了信号を出力する(ステップ−7)。
【0050】
続いて、管理している仮置台使用状況リスト(図8)の仮置台4の使用状況から未使用の仮置台4を求め(ステップ−8)、未使用の仮置台4毎に、同位置の上流の仮置台4のピッキングデータを取り出し、最も上流に近いピッキングデータを先行ピッキングデータとする(ステップ−9)。例えば、ピッキングゾーンZ9の第2の仮置台4では、図6に示す例の場合、ピッキングリスト(図7)より上流の第2の仮置台4の店舗コードh,n,tのピッキングデータを取り出し、最も近い店舗コードhのピッキングデータを先行ピッキングデータとし、どれだけ上流のピッキングゾーンZのデータか、つまりタクト数を記憶する。なお、最も近い店舗のためのピッキングデータ、つまり1タクト前のピッキングデータが無いとき(ピッキングする物品が無いとき)、次に近い店舗のピッキングデータ、つまり2タクト前のピッキングデータを先行ピッキングデータとする。
【0051】
先行ピッキングデータに基づいてそれぞれ先行ピッキング動作を実行する(ステップ−10)。
「先行ピッキング」
先行ピッキング作業を実行する先行投入表示器14のディジタル表示器14aに、何タクトの前のピッキングデータを実行するかを示すタクト数を表示し、表示/完了ボタン14bのランプを点滅し、ピッキングデータにより予め検索していた物品収納部11のピッキング表示器13の表示/完了ボタン13bのランプを点灯し(点滅とすることも可能)、ディジタル表示器13aにピッキングする物品の数量を表示する。
【0052】
そして、表示/完了ボタン13bの操作信号によりこの表示/完了ボタン13bを設けた物品収納部11における先行ピッキング作業が終了と判断し(ピッキング作業の実行を確認し)、ディジタル表示器13aの数量表示を消し、表示/完了ボタン13bのランプを消灯する。
【0053】
そして、店舗の全ての先行ピッキング作業が終了したことを確認すると(ピッキングする物品収納部11の表示/完了ボタン13bの操作信号を全て入力したことを確認すると)、先行投入表示器14の表示/完了ボタン14bのランプを点灯状態とする。
【0054】
そして先行投入表示器14の表示/完了ボタン14bのボタンの操作信号を入力すると、先行ピッキング作業終了が確認されたと判断し、先行投入表示器14の表示/完了ボタン14bのランプを消灯し、管理しているピッキングリスト(図7)においてこの店舗の実行状況を「実行済み」に更新し、管理している仮置台使用状況リスト(図8)の仮置台4の使用状況を「使用中」に更新し、店舗コードとタクト数を記憶して終了する。
【0055】
そして、各先行ピッキングデータによるピッキング作業が終了すると(ステップ−11)、ピッキングは終了する。
また先行投入表示器14のディジタル表示器14a表示したタクト数は、タクト送りが実行される毎に、1つずつ減少されて、目的の店舗コードが割り付けられた物品集品容器1が接近してきたことが表示される。
「切り出しコントローラ32」
切り出しコントローラ32には、切出用コンベヤ装置6が接続されており、次の物品集品容器1の切り出し制御を実行する。
【0056】
この切り出し制御を図10を参照しながら説明する。なお、今、図10(a)に示すように、第1ストッパ21によりNo.1〜3の3個の物品集品容器1の移動が停止され、第2ストッパ22によりNo.4〜6の3個の物品集品容器1の移動が停止され、第3ストッパ23によりNo.7の物品集品容器1より上流側の物品集品容器1の移動が停止され、さらに切出ストッパ24によりNo.10の物品集品容器1が係止されているものとする。
【0057】
まず、図10(b)に示すように、統括コントローラ33(切り出し制御部46)からのタクト送り要求信号に基づいて、第1ストッパ21と第2ストッパ22を開放して、No.1〜3の3個の物品集品容器1、さらにNo.4〜6の3個の物品集品容器1を搬送用コンベヤ装置2へ搬出する。このとき、切出用コンベヤ装置6と搬送用コンベヤ装置2の搬送速度の差により、No.1〜3の3個の物品集品容器1とNo.4〜6の3個の物品集品容器1との間に上記隙間5が形成される。
【0058】
続いて図10(c)に示すように、物品集品容器1が1個分下流へ移動したタイミングで、第3ストッパ23を開放してNo.7〜9の3個の物品集品容器1を切り出し、さらに図10(d)に示すように、物品集品容器1がさらに1個分下流へ移動したタイミングで、切出ストッパ24を開放してNo.10〜12の3個の物品集品容器1を切り出す。
【0059】
続いて図10(e)に示すように、No.6の物品集品容器1が搬送用コンベヤ装置2へ搬出されたタイミングで、第1ストッパ21と第2ストッパ22と第3ストッパ23と切出ストッパ24により物品集品容器1の移動を停止する。これにより、図10(a)に示したものと同様に、第1ストッパ21によりNo.7〜9の3個の物品集品容器1の移動が停止され、第2ストッパ22によりNo.10〜12の3個の物品集品容器1の移動が停止され、第3ストッパ23によりNo.13の物品集品容器1より上流側の物品集品容器1の移動が停止され、さらに切出ストッパ24によりNo.16の物品集品容器1が係止される。
【0060】
このように、6個の物品集品容器1により物品集品容器1群が形成され、かつ群の途中に隙間5が空けられて、搬送方向の最も上流側のピッキングゾーン11へ送られ(搬送用コンベヤ装置2の最上流へ供給され)、タクト送りされることにより、各ピッキングゾーンZにおいて、図11に示すように、各物品集品容器1は仮置台4にそれぞれ1対1で対向し隙間5を設けて配置される。
【0061】
上記ピッキング設備の構成による作用を説明する。
切出用コンベヤ装置6において、物品集品容器1がバーコードリーダ25位置を通過したときに、物品集品容器1のバーコードが読み取られ、統括コントローラ33へ入力され、仕分け先の店舗が順にこの物品集品容器1のバーコードに割り付けられ、店舗コード−物品集品容器1のバーコードからなる店舗割り付けデータが形成され、店舗と物品集品容器1が関連付けされて記憶される。また切出用コンベヤ装置6の下流端から6個の物品集品容器1に割り付けられた店舗コードがタクト用リスト(図6)に記憶される。
【0062】
そして、ピッキング作業が開始されると、統括コントローラ33からのタクト送り要求信号が切出用コンベヤ装置6へ出力され、切出用コンベヤ装置6から、物品集品容器1群が隙間5を設けて搬送用コンベヤ装置2へ切り出され、同時に搬送用コンベヤ装置2が駆動されて各ピッキングゾーンZへ物品集品容器1群がタクト送りされる。またタクト送りによりタクト送りリスト(図6)が更新される。
【0063】
また統括コントローラ33は、各店舗から物品の品目および数量からなる注文データが入力されると、図5に示す注文リストを形成し、続いてこの注文リストに基づいて、各ピッキングゾーンZ毎のピッキングデータを形成し、各ゾーンのピッキングコントローラ31へそれぞれ出力する。また上記タクト用リストを各ゾーンのピッキングコントローラ31へそれぞれ出力する。
これにより、各ピッキングコントローラ31はピッキングデータに基づいてピッキング動作を実行する。
【0064】
各ピッキングゾーンZにおけるピッキング作業を説明する。
各ピッキングゾーンZでは、物品集品容器1群をタクト送りし迅速にピッキング作業を進めるために最低限、上記通常ピッキング作業および投入作業を実行して、タクト送りを可能するゾーン作業を終了しなければならない。
【0065】
まず、到達している物品集品容器1に対する通常ピッキング作業が必要なとき、最優先で実行する。すなわち投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点滅させ、続いてピッキング表示器13の表示/完了ボタン13bのランプを点灯させ、ディジタル表示器13aにピッキングする物品の数量を表示してピッキング作業を作業者Pへ報知し、作業者Pは、投入指示表示器15で示された位置の物品集品容器1に、ピッキング表示器13の表示にしたがってピッキングした物品を投入する。このとき、物品集品容器1群に隙間5が設けられことにより、さらに隙間5の前後(主搬送経路Rに沿って物品集品容器1の搬送方向の上流側と下流側)で仮置台4が色分けされることにより、多く(図では6個)の物品集品容器1の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器1を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率が向上される。
【0066】
そして、通常ピッキングが終了すると、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点灯状態へ変更させ、作業者Pがこの表示/完了ボタン15aを操作すると、物品集品容器1への通常ピッキング作業は終了され、ピッキングリストが更新される(実行済みとされる)。
【0067】
また到達している物品集品容器1に対する投入作業が必要なとき、続いて投入動作を実行する。すなわち、到達している物品集品容器1の位置の投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプを点滅させ、このときピッキング表示器13の表示がないことにより、投入作業の実行を作業者Pへ報知し、作業者Pは、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプが点滅している位置の仮置台4から、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aのランプが点滅している位置の物品集品容器1へ物品を投入する。投入が終了すると、投入指示表示器15の表示/完了ボタン15aを操作する。この操作により物品集品容器1への投入作業は終了し、仮置台使用状況リスト(図8)は未使用に更新される。
【0068】
6個の物品集品容器1の全てへの上記通常ピッキング作業および投入作業が終了すると、このピッキングゾーンZにおける1タクトのピッキング作業が終了し、ゾーンピッキング終了信号が統括コントローラ31へ出力され、そして全ピッキングゾーンZにおけるピッキングが終了すると、各ピッキングゾーンZの物品集品容器1群はタクト送りされ、最も上流のピッキングゾーンZ11には、切出用コンベヤ装置6により6個の物品集品容器1が搬入され、タクト送りリストが更新され、再び更新済みタクト送りリストがピッキングコントローラ31へ出力される。
【0069】
また各ピッキングゾーンZでは、通常ピッキング作業および投入作業が終了していて未だタクト送りが実行させずに、時間的に余裕が有るときに、先行ピッキング作業を実行する。今、ピッキングゾーンZ9を例として先行ピッキング動作を説明する。
【0070】
ピッキングゾーンZ9では、上流側、ピッキングゾーンZ10,Z11および切り出し予定の個所にある、店舗コードが割り当てられた物品集品容器1のための先行ピッキング作業が可能であるが、仮置台4は、到達する物品集品容器1に対して1対1で配置されているため、各仮置台4への先行ピッキングはそれぞれ1店舗に限られる。また各仮置台4毎に最も接近している物品集品容器1用のピッキングでないと、先行ピッキングの意味がない。
【0071】
そこで、未使用の仮置台4に対して、最も近い上流の同じナンバーの仮置台4に位置する物品集品容器1に割り付けられた店舗コードより、ピッキングデータを求め、このときのタクト数を求める。
【0072】
この未使用の仮置台4の先行投入表示器14のディジタル表示器14aにタクト数を表示させ、かつ表示/完了ボタン14bのランプを点滅させて、先行ピッキング作業を作業者Pへ報知し、続いて求めたピッキングデータに基づいて、各物品収納部11のピッキング表示器13の表示/完了ボタン13bのランプを点灯させ、ディジタル表示器13aにピッキングする物品の数量を表示させる。作業者Pは、先行投入表示器14で示された仮置台4に、ピッキング表示器13の表示にしたがってピッキングした物品を投入する。先行ピッキング作業が終了すると、表示/完了ボタン14bのランプを点灯状態に変更させ、この表示/完了ボタン14bが作業者Pにより操作されると、先行ピッキング作業は終了し、仮置台使用状況リスト(図8)において先行ピッキングを実行した仮置台4は「使用中」に更新され、ピッキングリスト(図7)おいて先行ピッキングを実行した店舗の実行状況は「実行済み」に更新される。
【0073】
この先行ピッキング作業に際して、仮置台4群に隙間5が設けられ、さらに隙間5の前後(主搬送経路Rに沿って物品集品容器1の搬送方向の上流側と下流側)で仮置台4が色分けされることにより、多く(図では6台)の仮置台4の中から物品を投入する目的の1つの仮置台4を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上される。
【0074】
また図11に示すように、先行投入表示器14のディジタル表示器14aにタクト数が表示されることから、急いで実行する必要がある先行ピッキング作業であるか否かが判断され、タクト数が大きく、急いで実行する必要がないと判断できる場合、この先行ピッキング作業をすぐに実行せずに、前後のピッキングゾーンZにおいてタクト数が少ないピッキングが実行されているときに手助けすることが可能となっている。
【0075】
なお、タクト送りが実行されると、先行投入表示器14のディジタル表示器14aに表示されたタクト数は更新される(タクト数は1減少される)。タクト数が0のとき、物品集品容器1が到達していることが示される。
【0076】
以上のように本実施の形態によれば、各ピッキングゾーンZ毎に搬送される所定個数の物品集品容器1からなる物品集品容器1群に、これら物品集品容器1群を分ける隙間5が設けられことにより、多くの物品集品容器1の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器1を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
【0077】
また本実施の形態によれば、仮置台4が物品集品容器1の所定個数と同じ台数だけ、前記隙間5を空けて主搬送経路Rに沿って配置され、つまり物品集品容器1と仮置台4は1対1で対向して配置され、仮置台4群が隙間5により前後に分離されていることにより、多くの物品集品容器1の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器1、或いは多くの仮置台4の中から物品を投入する目的の1つの仮置台4を瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
【0078】
また本実施の形態によれば、仮置台4が隙間5の前後(主搬送経路Rに沿って物品集品容器1の搬送方向の上流側と下流側)で色分けされることにより、多くの物品集品容器1の中から物品を投入する目的の1つの物品集品容器1、或いは多くの仮置台4の中から物品を投入する目的の1つの仮置台4をより瞬間的に判別することが可能となり、作業効率を向上させることができる。
【0079】
また本実施の形態によれば、作業者Pによりピッキングデータに基づいて物品を仮置台4に投入する先行ピッキング作業を行っているとき、この仮置台4上の物品を投入する物品集品容器1が上流のどのピッキングゾーンZにあるかが先行投入表示器14に表示されることにより、作業者Pは、実行しているピッキング作業が時間的に余裕があるピッキング作業なのか否かを判断でき、余裕があるとき、前後のピッキングゾーンZにおいて近くに物品集品容器1が移動してきて未だピッキングが実行されているときに手助けすることが可能となる。
【0080】
また本実施の形態によれば、先行投入表示器14には、仮置台4上の物品を投入する物品集品容器1が上流のどのピッキングゾーンにあるかが、タクト数で、かつカウントダウン方式で表示されることにより、作業者Pは、より的確に実行しているピッキング作業が余裕があるピッキング作業なのか否かを判断できる。
【0081】
また本実施の形態によれば、先行ピッキングして仮置台4に貯留されていた物品を、物品集品容器1に移載する指示が、投入指示表示器15により指示されることにより、作業者Pは、この投入指示表示器15の指示に従って、物品を移載すればよくなり、作業者P自身で判断する必要を無くすことができ、作業効率を改善することができる。
【0082】
なお、本実施の形態では、タクト送りする物品集品容器1の所定数量を6個としているが、さらに多くの数量とすることもできる。また所定数量の物品集品容器1群には、隙間5を1ヶ所しか設けていないが、さらに多くの隙間5を設けることもでき、このように多くの隙間5を設けることにより、物品を投入する目的の1つの物品集品容器1の瞬間的な判別がさらに可能となり、作業効率をさらに向上させることができる。またこのとき仮置台4を、これら多くの隙間5に合わせて同じ位置に同じ隙間を空けることにより、多くの隙間5を空けた物品集品容器1に対向して1対1で仮置台4を配置することができるとともに、多くの隙間5により仮置台4の位置(主搬送経路Rに沿って物品集品容器1の搬送方向の位置)をより容易に判別でき、物品を投入する目的の1つの物品集品容器1或いは仮置台4の瞬間的な判別がより可能となり、作業効率をさらに向上させることができる。
【0083】
また本実施の形態では、仮置台4から物品集品容器1への物品の投入を作業者Pが行うようにしているが、例えば自動投入にて行うようにしてもよい。
また本実施の形態では、隙間形成手段を、各物品集品容器1群をその群毎に隙間5を空けて搬送用コンベヤ装置2の最上流へ切り出す切出用コンベヤ装置6により構成しているが、このような切出用コンベヤ装置6に限ることはなく、隙間5を設けて物品集品容器1群を搬送用コンベヤ装置2の最上流へ供給できる装置であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の概略構成を示す平面図である。
【図2】同ピッキング設備のピッキングゾーンの平面図である。
【図3】同ピッキング設備の切出用コンベヤ装置の平面図である。
【図4】同ピッキング設備の制御構成図である。
【図5】同ピッキング設備の統括コントローラに記憶される注文リスト、店舗−物品集品容器リストの説明図である。
【図6】同ピッキング設備の統括コントローラに記憶されるタクト送りリストの説明図である。
【図7】同ピッキング設備のピッキングコントローラに記憶されるピッキングリストの説明図である。
【図8】同ピッキング設備のピッキングコントローラに記憶される仮置台使用状況リストの説明図である。
【図9】同ピッキング設備のピッキングコントローラで実行されるピッキング作業の動作を示すフローチャートである。
【図10】同ピッキング設備の切出用コンベヤ装置による切り出し制御の説明図である。
【図11】同ピッキング設備の先行ピッキング作業時の動作説明図である。
【図12】従来のピッキング設備の課題の説明図である。
【符号の説明】
【0085】
1 物品集品容器
2 搬送用コンベヤ装置
3 収納棚
4 仮置台
5 隙間
6 切出用コンベヤ装置
7 制御装置
11 物品収納部
13 ピッキング表示器
13a ディジタル表示器
13b 表示/完了ボタン
14 先行投入表示器
14a ディジタル表示器
14b 表示/完了ボタン
15 投入指示表示器
15a 表示/完了ボタン
21 第1ストッパ
22 第2ストッパ
23 第3ストッパ
24 切出ストッパ
25 バーコードリーダ
31 ピッキングコントローラ
32 切り出しコントローラ
33 統括コントローラ
41 全体制御部
42 注文リスト記憶部
43 店舗−物品集品容器リスト記憶部
44 タクト送りリスト記憶部
45 ピッキング制御部
46 切り出し制御部
P 作業者
R 主搬送経路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定個数の物品集品容器からなる物品集品容器群を搬送する搬送装置が備えられ、前記搬送装置に沿って、異なる品目の物品が収納された複数の物品収納部から形成される複数のピッキング作業領域が配置され、
前記各ピッキング作業領域には、前記物品集品容器群が前記搬送装置により順に搬送され、搬送されてきた物品集品容器群に対して前記物品収納部より物品のピッキング作業が実行されるピッキング設備であって、
前記物品集品容器群毎を、その群の途中に少なくとも1つの隙間を空けて前記搬送装置の最上流へ供給する隙間形成手段を設け、
前記搬送装置は、前記各ピッキング作業領域に、前記隙間を設けた物品集品容器群を順に搬送すること
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記隙間形成手段を、前記各物品集品容器群をその群毎に前記隙間を空けて前記搬送装置の最上流へ切り出す切り出し装置により構成したこと
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記各ピッキング作業領域毎に、前記物品収納部より先行してピッキングされた物品を貯留する仮置台を、前記搬送されてくる物品集品容器群の物品集品容器の所定個数と同じ台数だけ、同じ位置に隙間を空けて前記搬送装置に沿って配置したこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記各ピッキング作業領域毎に、前記隙間の前記物品集品容器搬送方向の上流側の仮置台と下流側の仮置台を色分けしたこと
を特徴とする請求項3に記載のピッキング設備。
【請求項1】
所定個数の物品集品容器からなる物品集品容器群を搬送する搬送装置が備えられ、前記搬送装置に沿って、異なる品目の物品が収納された複数の物品収納部から形成される複数のピッキング作業領域が配置され、
前記各ピッキング作業領域には、前記物品集品容器群が前記搬送装置により順に搬送され、搬送されてきた物品集品容器群に対して前記物品収納部より物品のピッキング作業が実行されるピッキング設備であって、
前記物品集品容器群毎を、その群の途中に少なくとも1つの隙間を空けて前記搬送装置の最上流へ供給する隙間形成手段を設け、
前記搬送装置は、前記各ピッキング作業領域に、前記隙間を設けた物品集品容器群を順に搬送すること
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記隙間形成手段を、前記各物品集品容器群をその群毎に前記隙間を空けて前記搬送装置の最上流へ切り出す切り出し装置により構成したこと
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記各ピッキング作業領域毎に、前記物品収納部より先行してピッキングされた物品を貯留する仮置台を、前記搬送されてくる物品集品容器群の物品集品容器の所定個数と同じ台数だけ、同じ位置に隙間を空けて前記搬送装置に沿って配置したこと
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記各ピッキング作業領域毎に、前記隙間の前記物品集品容器搬送方向の上流側の仮置台と下流側の仮置台を色分けしたこと
を特徴とする請求項3に記載のピッキング設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−222350(P2008−222350A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61147(P2007−61147)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
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