説明

ピッキング設備

【課題】検品可能な集品容器の数を自在に変更できるピッキング設備を提供する。
【解決手段】検品エリアCにおいて、ラベル番号13が表示されたラベル12が貼りつけられた集品容器10を連続搬送するローラコンベヤ17を設け、前記ローラコンベヤ17に沿って、前記ラベル番号13と集品容器10に集品予定の物品11の総数を表示する検品表示部22,26,30および切替え釦スイッチ24,28,32を備えた検品表示器21,25,29を設け、前記各検品表示器21,25,29は、切替え釦スイッチ24,28,32の操作入力により、使用の可否を切替え可能に構成され、使用可能な検品表示器に、検品エリアCへの集品容器10の搬送順に、集品容器10を特定するラベル番号13と検品する物品11の総数を順に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング設備、特に検品エリアを備えたピッキング設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の検品エリアを備えたピッキング設備の一例が、特許文献1に開示されている。
この特許文献1に開示されているピッキング設備は、集品される物品が保管されるストレージラインと、物品を注文した店舗(仕分け先の一例)毎に、物品を集品する集品容器を搬送する集品ラインから構成され、集品ラインの上流に、集品容器投入エリアが設けられ、集品ラインの下流に、検品エリアが設けられている。集品容器投入エリアでは、空の集品容器に、集品容器を特定するコード(集品容器を特定する情報の一例)が予め記憶された容器用タグを取り付ける作業が行われ、一定間隔で集品ラインへ供給される。
【0003】
前記ストレージラインは、流動棚から形成されたピッキング棚から構成され、複数段のラックを有し、各ラックにはそれぞれ、物品の収納容器が収納される複数の物品収納部が形成されている。また複数の物品収納部毎に、特定の作業者がピッキング作業を担当するピッキングゾーン(ピッキング作業領域の一例)が複数設けられている。各ピッキングゾーンには、容器用タグへデータを書き込むタグリーダ/ライタが備えられ、各ピッキングゾーンでは、集品ラインにより搬送されてきた集品容器に対して、店舗の注文に応じて、物品収納部より物品の集品が行われ、ゾーン内におけるこの集品容器への集品が終了すると、集品容器の容器用タグに、前記タグリーダ/ライタにより集品した物品を収納していた物品収納部のロケーションが書き込まれ、蓄積される。
【0004】
前記検品エリアには、搬送されてきた、集品が終了した集品容器(集品済み集品容器)の重量を計測する重量計と、この重量計に載せられた集品容器の容器用タグから、書き込まれた集品容器を特定するコードおよび蓄積された物品収納部のロケーションを読み出すタグリーダ/ライタが設けられている。また重量計の近傍に、検品結果を表示する緑ランプと赤ランプからなる検品表示器が設けられている。この検品表示器の緑ランプの点灯により検品の結果が“良”であることが表示され、赤ランプの点灯により検品の結果が“不良”であることが表示される。
【0005】
検品エリアでは、重量計により集品済みの集品容器の重量が測定され、また容器用タグに蓄積された集品容器のコードと物品収納部のロケーションがタグリーダ/ライタにより読み取られ、読み取られた集品容器のコードにより店舗が特定され、予め登録された物品収納部のロケーションと物品の品目との関係により物品収納部のロケーションに対応する物品の品目が特定され、これら特定された店舗の注文データと物品の品目により、品目にミスが有るかどうかが確認され、また特定された店舗の注文データにより予め求められた集品済みの集品容器の推定重量と、測定された重量により、数量にミスがあるかどうかが確認され、いずれかにミスがあると、検品表示器の赤ランプが点灯されて“不良”が示され、いずれにもミスが無いとき検品表示器の緑ランプが点灯されて“良”が示される。
【0006】
このように、集品が終了した集品容器の容器用タグに蓄積された物品収納部のロケーションにより、投入された物品の品目(種類)を特定でき、さらに集品が終了した集品容器の計測された重量により、数量にミスがあるかどうかが確認され、集品された物品の品目と個数により検品を完全に自動化することができる。また重量計の設置は1台で済み、集品容器毎に重量計を設けた場合と比較して設備価格を安価にできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−168955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に開示されているピッキング設備では、各容器に容器用タグを取り付け、各ピッキングゾーンにこの容器用タグへデータを書き込むタグリーダ/ライタを備えることから設備にかかるコストが高くなり、さらに検品エリアに設置される重量計は1台であり、この重量計に集品容器を載せ、検品を行うことから、集品容器を1台毎にしか検品を行うことができず、検品が必要な集品容器の数に応じて柔軟な運用を行うことはできなかった。
そこで、本発明は、設備のコストを抑えることができるとともに、検品可能な集品容器の数を自在に変更できるピッキング設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、予め仕分け先が割り付けられ、前記割り付けられた仕分け先を特定する符号が付された集品容器に対してそれぞれ、前記集品容器に割り付けられた仕分け先からの物品の注文情報に基づいて物品の集品が実行されるピッキングエリアを備えたピッキング設備であって、前記ピッキングエリアの下流に、ピッキングエリアから搬送されてきた前記各集品容器に対して集品された物品の数量の検品を実行する検品エリアを配置し、前記検品エリアには、搬入されてきた前記集品容器に対応して、前記仕分け先を特定する符号および前記仕分け先からの物品の注文情報に応じて集品される物品の数量を表示するとともに、その使用の可否が切替え可能に構成された検品表示手段を複数備え、前記各検品表示手段の表示、および前記使用の可否を制御する制御手段を設け、前記制御手段により、前記各検品表示手段の使用の可否が制御されることによって、前記検品エリアにおける検品可能な集品容器の数が変更されることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、検品エリアに搬入されてきた集品容器に対して、検品エリアに備えられる検品表示手段により、前記集品容器に割り付けられた仕分け先を特定する符号および仕分け先からの物品の注文情報に応じて集品される物品の数量が表示され、表示された符号により特定される集品容器に対して、表示された数量が一致するかどうかが検品される。また各検品表示手段の使用の可否が制御されることによって、検品エリアにおける検品可能な集品容器の数が変更される。
【0011】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記制御手段は、前記仕分け先を特定する符号を、前記検品エリアに搬入されてきた集品容器の順に記憶し、記憶した順で、前記集品容器に割り付けられた仕分け先を特定する符号および前記集品される物品の数量を、前記使用可能な検品表示手段に表示することを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、集品容器に割り付けられた仕分け先を特定する符号および集品される物品の数量が、検品エリアに搬入される集品容器順に、使用可能な検品表示手段に表示される。これにより、作業者は誤りなく検品対象の集品容器を特定することが可能となり、検品作業を効率よく行うことが可能とされる。
【0013】
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記検品表示手段毎に、使用の可否の切替えを入力する切替入力手段と、検品の完了を入力する完了入力手段とが設けられ、前記制御手段は、前記切替入力手段からの切替信号に基づいて、各検品表示手段の使用の可否を制御し、前記完了入力手段の完了信号を入力すると、前記検品表示手段の表示を消去することを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、切替入力手段が入力されることにより、検品表示手段の使用の可否が制御され、また完了入力手段が入力されることにより、検品表示手段の表示が消去される。
【0015】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、前記検品エリアに、前記集品容器を連続搬送する搬送手段と、前記搬送手段による前記各集品容器の搬送の停止と再開を入力する停止再開手段とを備え、前記制御手段は、前記停止再開手段から停止信号を入力すると、前記搬送手段による前記各集品容器の搬送を停止し、再開信号を入力すると、前記搬送手段による前記各集品容器の搬送を再開することを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、各集品容器は、搬送手段により連続搬送されることにより、集品容器を停止することなく、検品を実行することが可能とされる。
また検品エリアに備えられる停止再開手段から停止信号または再開信号が入力されることにより、搬送手段による前記各集品容器の搬送が停止または再開される。これにより、緊急時に、停止再開手段の操作により、搬送手段による各集品容器の搬送を停止することができ、検品が未完了の集品容器が検品エリアの下流へ搬送されることが防止可能とされる。
【0017】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記検品表示手段毎に、前記集品容器に集品された物品の数量が、前記検品表示手段に表示される物品の数量と異なることを入力する過不足入力手段を備え、前記制御手段は、前記過不足入力手段からの過不足信号を入力すると、過不足の検品不良の情報を検品対象の集品容器に割り付けられた仕分け先を特定する符号とともに記憶し、前記検品表示手段の表示を消去し、この検品表示手段に、次の搬入される集品容器に割り付けられた仕分け先を特定する符号および前記集品される物品の数量を表示することを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、集品容器に集品された物品の数量が、検品表示手段に表示される物品の数量と異なることが過不足入力手段より入力されることにより、過不足の検品不良の情報が検品対象の集品容器に割り付けられた仕分け先を特定する符号とともに記憶される。また検品表示手段の表示が消去され、続いて、この検品表示手段に、次の搬入される集品容器に割り付けられた仕分け先を特定する符号、および集品される物品の数量が表示される。
【発明の効果】
【0019】
本発明のピッキング設備は、検品エリアに搬送されてきた集品容器に対応して、集品容器に割り付けられた、仕分け先を特定する符号および仕分け先からの物品の注文情報に応じて集品される物品の数量を表示する各検品表示手段の使用の可否が制御されることにより、検品エリアにおける検品可能な集品容器の数を自在に変更することができ、所定時間で検品を行うことが求められる集品容器の数、または検品の作業に従事できる作業者の人数に応じて柔軟な運用を行うことができる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の検品エリアの要部平面図である。
【図2】同ピッキング設備の検品エリアの搬送方向視での側面図である。
【図3】同ピッキング設備の全体構成図である。
【図4】同ピッキング設備の検品端末の画面表示を示す図である。
【図5】同ピッキング設備の検品エリアの制御構成図である。
【図6】同ピッキング設備の統括コントローラ内のメモリに格納されるピッキングデータを示す図である。
【図7】同ピッキング設備の検品コントローラ内に各メモリに格納されるデータを示す図であり、(a)は総数メモリのデータを示す図、(b)は検品結果メモリのデータを示す図、(c)は出力メモリのデータを示す図、(d)はモードメモリのデータを示す図である。
【図8】同ピッキング設備の各検品表示器の動作を説明する図である。
【図9】本発明の他の実施の形態におけるピッキング設備の検品エリアの要部平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3は本発明の実施の形態におけるピッキング設備の全体構成図である。
このピッキング設備Aは、個別の予め登録されたユーザー(仕分け先の一例)から注文を受けた物品11を、ユーザーに割り付けられた集品容器10(コンテナ等)に集めて、物品11の数量の検品を行った後に、出荷・配送するピッキング設備であり、図3に示すように、集品容器10に対して物品11の集品を行うピッキングエリアBと、集品済みの集品容器10の物品11の検品を行う検品エリアCと、検品の結果、実際に集品された物品11の数量が集品予定の物品11の数量(総数)と異なる(「異常」)と判定された集品容器10に対して、物品11の補充を行う等して調整する調整エリアDを備えている。
以下、ピッキングエリアBと、検品エリアCと、調整エリアDの構成について、それぞれ説明する。
【0022】
ピッキングエリアBでは、搬送ライン18により搬送される集品容器10に対して、物品11の集品が行われる。
搬送ライン18に沿って、ピッキングエリアBの上流には、予め集品容器10に割り付けられたラベル番号13およびラベル番号13を表すバーコード14(仕分け先を特定する符号の一例)が表示されたラベル12(図1参照)を集品容器10に自動で貼り付けるオートラベラー15が設けられており、このオートラベラー15は、オートラベラー15の上流において搬送ライン18へ投入される空の集品容器10へ、ラベル12の自動貼り付けを搬送順に順次行うように構成されている。
【0023】
またピッキングエリアBには、流動棚から形成されたピッキング棚が配置され、このピッキング棚は、前方に傾斜している複数段のラックを有し、各ラックにはそれぞれ、物品11が収納される複数の物品収納部が形成されており、ピッキングエリアBでは、作業者Hにより、ユーザーから注文された物品11を各物品収納部から取り出し、搬送ライン18により搬送されている集品容器10に対して投入するピッキング作業が行われる。そして、ピッキングエリアBにおいて、物品11の集品が完了した集品容器10は、搬送ライン18により、検品エリアCへ搬送(搬出)される。
【0024】
検品エリアCには、集品済みの集品容器10がピッキングエリアBより搬送(搬入)され、検品エリアCでは、集品済みの集品容器10の物品11の検品が行われ、検品の結果、「正常」と判定された集品容器10は、出荷場へ搬送される。
図1に検品エリアCの要部平面図を、図2に検品エリアCの搬送方向視での側面図を示す。
検品エリアCには、集品容器10を連続搬送するローラコンベヤ17(搬送手段の一例)が設けられ、ローラコンベヤ17に沿って上流側にバーコードリーダ16が設けられている。このバーコードリーダ16は、検品エリアC内の上流において、集品容器10に貼り付けられたラベル12に表示されたバーコード14を、集品容器10が検品エリアCへ搬送(搬入)される順に読み取り、集品容器10毎に割り付けられたラベル番号13を検品コントローラ42(制御手段の一例)(図5参照)へ出力するように構成されている。
前記ローラコンベヤ17は、上流端がピッキングエリアBより各集品容器10を搬送する搬送ライン18に接続され、下流端が出荷場へ各集品容器10を搬送する出荷ライン19に接続されている。
また検品エリアCには、ローラコンベヤ17に沿って、集品容器10の搬送方向に順に下流側から、集品容器10毎に、集品容器10に貼り付けられたラベル12に表示されたラベル番号13(集品容器を特定する符号)および集品予定の物品11の総数(ユーザーからの注文に応じて集品される物品の数量)を表示する第1検品表示器21(検品表示手段の一例)、第2検品表示器25(検品表示手段の一例)、および第3検品表示器29(検品表示手段の一例)が設けられている。
【0025】
前記第1検品表示器21は、ラベル番号13と集品予定の物品11の総数を表示する検品表示部22(表示手段)と、検品結果が「正常」と判定されたときに操作される赤色のランプ付きの完了押釦スイッチ23(完了入力手段の一例)と、操作入力により第1検品表示器21の使用の可否を切替える切替え釦スイッチ24(切替入力手段の一例)を備えている。
また前記第2検品表示器25は、ラベル番号13と集品予定の物品11の総数を表示する検品表示部26(表示手段)と、検品結果が「正常」と判定されたときに操作される赤色のランプ付きの完了押釦スイッチ27(完了入力手段の一例)と、操作入力により第2検品表示器25の使用の可否を切替える切替え釦スイッチ28(切替入力手段の一例)を備えている。
また前記第3検品表示器29は、ラベル番号13と集品予定の物品11の総数を表示する検品表示部30(表示手段)と、検品結果が「正常」と判定されたときに操作される赤色のランプ付きの完了押釦スイッチ31(完了入力手段の一例)と、操作入力により第3検品表示器29の使用の可否を切替える切替え釦スイッチ32(切替入力手段の一例)を備えている。
検品結果が「正常」と判定されたときは、検品表示器21,25,29の完了押釦スイッチ23,27,31が操作入力される。
【0026】
また検品エリアC内には、操作入力によりローラコンベヤ17を停止、駆動させる停止・再開釦スイッチ34(停止再開手段の一例)と、実際に集品容器10に集品された物品11の数量が集品予定の数量(総数)と異なること、すなわち検品結果が「異常」と判定されたことを入力する検品端末33(過不足入力手段の一例)と、検品結果が「異常」と判定された集品容器10をローラコンベヤ17より降ろして、積載する台車(例えば、かご車)36が備えられている。前記検品端末33は、コンピュータと、このコンピュータに接続されたタッチパネル付き表示装置(たとえば液晶画面装置など)から構成されている。
【0027】
検品端末33の表示装置の画面には、図4(a)に示すように、第1検品表示器21(検品表示器の番号“1”)の検品表示部22に表示される「ラベル番号−総数」および「異常」押釦の画像と、第2検品表示器25(検品表示器の番号“2”)の検品表示部26に表示される「ラベル番号−総数」および「異常」押釦の画像と、第3検品表示器29(検品表示器の番号“3”)の検品表示部30に表示される「ラベル番号−総数」および「異常」押釦の画像とが表示される。また検品端末33のタッチパネルは、検品表示器21,25,29の「異常」押釦の画像部がタッチ(操作)されると、操作された検品表示器21,25,29の「異常」押釦の画像部のX−Y座標データ(過不足信号の一例)を検品コントローラ42へ出力する。
検品結果が「異常」と判定されたときは、検品端末33の表示装置に表示される検品表示器21,25,29に対応する「異常」押釦の画像に対応するタッチパネルの領域がタッチされる。
この検品エリアCにおいて、検品結果が「正常」と判定された集品容器10は、出荷場へ搬送され、検品結果が「異常」と判定された集品容器10は、作業者Hによりかご車36へ移載される。
【0028】
調整エリアDは、検品エリアCにおいて、「異常」と判定された集品容器10に対して、物品11の調整を行うエリアである。調整エリアDには、図3に示すように、「異常」と判定された集品容器10のデータを表示する調整端末35が備えられる。前記調整端末35は、コンピュータと、このコンピュータに接続された表示装置(たとえば液晶画面装置など)から構成され、調整端末35に図4(b)に示すように、「異常」と判定された集品容器10の「ラベル番号−複数の(物品の品目−数量)」からなるデータが表示される。調整エリアDの作業者Hは、調整端末35の表示に対応して、「異常」と判定された集品容器10が積載されたかご車36を検品エリアCより調整エリアDへ移動し、物品11の調整を行う。
調整エリアDにおいて、物品11の調整が行われた集品容器10は、出荷ライン19により出荷場へと搬送される。
【0029】
上記ピッキング設備の検品エリアCの制御構成図を図5に示す。
図5に示す統括コントローラ41は、ピッキング設備A全体の制御を行うコントローラであり、以下の機能を有している。
(1).ユーザー毎の「ユーザー−複数の(物品の品目−数量)」からなる注文データを入力すると、出荷順にユーザーにラベル番号13を割り付け、すなわちユーザーに割り付けられる集品容器10にラベル番号13を割り付け、「ラベル番号−複数の(物品の品目−数量)」からなるピッキングデータ{図6参照}を形成し、統括コントローラ41内のメモリ(図示せず)に記憶する。
(2).前記ピッキングデータを検品コントローラ42の総数データ形成部55へ出力する。
(3).検品コントローラ42の調整データ形成部62よりラベル番号13を入力すると、ピッキングデータを検索して、調整データ形成部62へラベル番号13の「ラベル番号−複数の(物品の品目−数量)」からなるデータを出力する。
(4).検品コントローラ42のコンベヤ制御部63へ起動信号または終了信号を出力する。
統括コントローラ41は、検品コントローラ42の総数データ形成部55、調整データ形成部62、およびコンベヤ制御部63に接続されている。
【0030】
検品コントローラ42は、検品エリアCの制御を行うコントローラであり、次の機能を有している。
(1).各集品容器10毎に、集品する物品11の数量を予め求め、記憶する。すなわち、集品容器10に割り付けられたラベル番号13毎に、集品予定の数量(総数)を記憶する{図7(a)参照}。
(2).検品表示器25,29が使用可能であるか使用不能であるかを規定し、使用モードを決定する{図7(d)参照}。なお、第1検品表示器21は、常に使用可能であるものとし、第2検品表示器25および第3検品表示器29は、使用可能と使用不能を切替えることができるものとしている。
(3).使用可能な検品表示器21,25,29の表示を行う{図7(c)参照}。
(4).搬送されてきた集品容器10の順、すなわちバーコードリーダ16により入力された集品容器10に割り付けられたラベル番号13を順に記憶し、表示する順を設定し、表示順に、機能(1)で求めた、ラベル番号13と集品予定の数量(総数)を記憶する{図7(b)参照}。
(5).各集品容器10の検品結果を記憶する{図7(b)参照}。
(6).使用可能な検品表示器21,25,29の表示を検品終了にて切り換える。
(7).検品不良の集品容器10のデータを、調整端末35へ出力する。
【0031】
上記機能を実現するために、図5に示すように、検品コントローラ42は、総数メモリ51と、検品結果メモリ52と、モードメモリ53と、出力メモリ54と、総数データ形成部55と、検品データ形成部56と、不一致信号入力部57と、完了制御部58と、表示器割当て制御部59と、モード切替え制御部60と、出力制御部61と、調整データ形成部62と、コンベヤ制御部63から構成されている。
【0032】
機能(1)は、総数データ形成部55により実現されている。すなわち、総数データ形成部55は、統括コントローラ41よりピッキングデータを入力すると、ピッキングデータに基づいて、ラベル番号13毎に、集品する物品11の総数を求め、「ラベル番号−総数」からなるデータを形成し、総数メモリ51へ出力し、記憶させる{図7(a)参照}。
【0033】
また前記機能(2)は、モード切替え制御部60により実現されている。すなわち、モード切替え制御部60は、第2検品表示器25の切替え釦スイッチ28または第3検品表示器29の切替え釦スイッチ32より切替え信号が入力されると、入力される毎に、第2検品表示器25と第3検品表示器29を使用可能、使用不能に切り替え、第2検品表示器25と第3検品表示器29がそれぞれ、使用可能であるか使用不能であるかによって、モード“0”、モード“1”、モード“2”、モード“3”を設定し、モードメモリ53に記憶する{図7(d)参照}。
第1検品表示器21は常に使用可能であり、モード“0”は、第2検品表示器25および第3検品表示器29が共に使用不能の状態、モード“1”は、第2検品表示器25が使用可能、第3検品表示器29が使用不能の状態、モード“2”は、第2検品表示器25が使用不能、第3検品表示器29が使用可能の状態、モード“3”は、第2検品表示器25および第3検品表示器29が共に使用可能の状態である。
【0034】
前記機能(3)は、出力制御部61により実現されている。すなわち、出力制御部61は、出力メモリ54{図7(c)参照}に記憶された「表示器番号−ラベル番号−総数」からなるデータを読み込み、対応する検品表示器へ、検品表示部に表示する「ラベル番号−総数」からなるデータと完了押釦スイッチのランプの点灯信号を出力し、使用可能な検品表示器21,25,29の表示を行う。また対応する検品表示器の「ラベル番号−総数」からなるデータを検品端末33のコンピュータへ出力し、表示させる{図4(a)参照}。
また出力制御部61は、後述する「表示器番号−消灯指令」を入力すると、対応する検品表示器へ、検品表示部の表示の消去と完了押釦スイッチのランプの消灯信号を出力し、対応する検品表示器の「ラベル番号−総数」からなるデータの消去信号を検品端末33のコンピュータへ出力する。
【0035】
機能(4)は、検品データ形成部56により実行されている。すなわち、検品データ形成部56は、バーコードリーダ16より「ラベル番号」のデータを入力すると、この「ラベル番号」により総数メモリ51を検索し、「ラベル番号−総数」からなるデータを読み込み、バーコードリーダ16よる「ラベル番号」の入力順を表示順として、「表示順−ラベル番号−総数」からなるデータを形成し、検品結果メモリ52に出力して、記憶させる{図7(b)参照}。
【0036】
機能(5)は、不一致信号入力部57と完了制御部58により実行されている。上述したように、検品結果が「正常」と判定されたときは、検品表示器21,25,29の完了押釦スイッチ23,27,31が操作入力され、また検品結果が「異常」と判定されたときは、検品端末33の表示装置に表示される検品表示器21,25,29に対応する「異常」押釦の画像に対応するタッチパネルの領域がタッチされる。
タッチパネルの操作入力は、不一致信号入力部57により判定される。すなわち、不一致信号入力部57は、検品端末33より前記X−Y座標データを入力すると、予め登録されている、各検品表示器21,25,29の「異常」押釦の画像が表示される領域と、入力した座標データが合致するかどうかを確認し、確認した領域の検品表示器21または25または29から不一致信号が入力されたと判断する。
完了制御部58は、使用可能な検品表示器21,25,29からの完了押釦スイッチ23,27,31の操作入力により、検品結果を「正常」と判定し、不一致信号入力部57から不一致信号の入力により、検品結果を「異常」と判定し、検品結果を、検品結果メモリ52に出力して、記憶させる{図7(b)参照}。
【0037】
機能(6)は、使用可能な検品表示器21,25,29全ての、完了押釦スイッチ23,27,31の操作入力または不一致信号の入力が揃うと、実行され、使用可能な検品表示器21,25,29の表示の切り換えが行われる。
すなわち、完了制御部58は、入力が揃うと、出力制御部61へ、前記「表示器番号−消灯指令」を出力して表示を消去させ、また表示器割り当て制御部59により、出力メモリ54の内容を更新させる。表示器割り当て制御部59は、モードメモリ53より検品表示器の使用状態のデータを読み込み、検品結果メモリ52より検品結果が“−”(検品未完了)であるラベル番号13について、「ラベル番号−総数」からなるデータを、使用可能な検品表示器の数だけ読み込みを行い、「表示器番号−ラベル番号−総数」からなるデータを出力メモリ54へ出力し、更新する。
出力メモリ54の更新によって、出力制御部61により、使用可能な検品表示器21,25,29の検品終了にて表示が切り換えられる。
【0038】
機能(7)は、調整データ形成部62により実現される。すなわち、調整データ形成部62は、検品結果が“1”(異常)のうち最も表示順が遅いものについて、「ラベル番号」を検品結果メモリ52より入力し、統括コントローラ41内のメモリに記憶されたピッキングデータをこの「ラベル番号」により検索し、「ラベル番号−複数の(物品の品目−数量)」からなるデータを形成し、この「ラベル番号−複数の(物品の品目−数量)」からなるデータを調整端末35のコンピュータへ出力し、図4(b)に示すように、調整端末35に、「ラベル番号−複数の(物品の品目−数量)」を表示させる。
【0039】
上記検品コントローラ42の機能による検品作業について、図8を参照しながら、説明する。
検品エリアCに集品容器10が搬送されてくると、バーコードリーダ16により読み取られたラベル番号13の順に検品が実行される。また第2検品表示器25の切替え釦スイッチ28または第3検品表示器29の切替え釦スイッチ32の入力により、上記モード0〜3が設定され、使用可能な検品表示器21,25,29が設定される。
モード“0”では、第1検品表示器21のみが使用されるので、検品順に、図8(a)に示すように、表示順“1”の集品容器10から、検品表示部22に「ラベル番号−総数」が表示され、完了押釦スイッチ23のランプが点灯される。作業者Hは、第1検品表示器21の検品表示部22に表示されるラベル番号13と、集品容器10に貼り付けられたラベル12に表示されたラベル番号13が一致することを確認し、集品容器10内の物品11の検品を行う。
作業者Hは、検品結果が「正常」と判定すると、第1検品表示器21の完了押釦スイッチ23を操作する。これにより、集品容器10の検品は正常なものと判断されて記憶され、次の表示順“2”の集品容器10の表示が実行される。
また作業者Hは、検品結果が「異常」と判定すると、検品端末33の表示装置に表示される第1検品表示器21の「異常」押釦の画像部の領域をタッチし、集品容器10をかご車36へ移載する。検品端末33のタッチ入力により、集品容器10の検品は不良なものと判断されて記憶され、調整端末35に、「ラベル番号−複数の(物品の品目−数量)」からなるデータが表示され、また次の表示順“2”の集品容器10の表示が実行される。
作業者Hは、次の表示順“2”の表示に基づく、検品を実行する。このような動作を繰り返すことにより、モード“0”における検品作業が実行される。
【0040】
またモード“1”では、第1検品表示器21と第2検品表示器25が使用されるので、検品順に、図8(b)に示すように、表示順“1”,“2”の集品容器10から、検品表示部22,26に「ラベル番号−総数」が表示され、完了押釦スイッチ23,27のランプが点灯される。
第1検品表示器21と第2検品表示器25によりそれぞれ検品を行う作業者Hは、検品表示部22,26に表示されるラベル番号13と、連続して搬送されている2個の集品容器10に貼り付けられたラベル12に表示されたラベル番号13が一致することを確認し、集品容器10内の物品11の検品を行う。
作業者Hは、検品結果が「正常」と判定すると、完了押釦スイッチ23,27を操作する。これにより、表示順“1”,“2”の集品容器10の検品は正常なものと判断されて記憶され、次の表示順“3”,“4”の集品容器10の表示が実行される。
また作業者Hは、検品結果が「異常」と判定すると、検品端末33の表示装置に表示される検品表示器21,25の「異常」押釦の画像部の領域をタッチし、集品容器10をかご車36へ移載する。検品端末33のタッチ入力により、集品容器10の検品は不良なものと判断されて記憶され、調整端末35に、「ラベル番号−複数の(物品の品目−数量)」からなるデータが表示され、また次の表示順“3”,“4”の集品容器10の表示が実行される。
作業者Hは、次の表示順“3”,“4”の表示に基づく、検品を実行する。このような動作を繰り返すことにより、モード“1”における検品作業が実行される。
【0041】
またモード“2”では、第1検品表示器21と第3検品表示器29が使用されるので、検品順に、図8(c)に示すように、表示順“1”,“2”の集品容器10から、検品表示部22,30に「ラベル番号−総数」が表示され、完了押釦スイッチ23,31のランプが点灯される。
モード“2”の動作は、モード“1”の動作と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0042】
モード“3”では、全ての検品表示器21,25,29が使用されるので、検品順に、図8(d)に示すように、表示順“1”,“2”,“3”の集品容器10から、検品表示部22,26,30に「ラベル番号−総数」が表示され、完了押釦スイッチ23,27,31のランプが点灯される。
検品表示器21,25,29によりそれぞれ検品を行う作業者Hは、検品表示部22,26,30に表示されるラベル番号13と、連続して搬送されている3個の集品容器10に貼り付けられたラベル12に表示されたラベル番号13が一致することを確認し、集品容器10内の物品11の検品を行う。
作業者Hは、検品結果が「正常」と判定すると、完了押釦スイッチ23,27,31を操作する。これにより、表示順“1”,“2”,“3”の集品容器10の検品は正常なものと判断されて記憶され、次の表示順“4”,“5”,“6”の集品容器10の表示が実行される。
また作業者Hは、検品結果が「異常」と判定すると、検品端末33の表示装置に表示される検品表示器21,25,29の「異常」押釦の画像部の領域をタッチし、集品容器10をかご車36へ移載する。検品端末33のタッチ入力により、集品容器10の検品は不良なものと判断されて記憶され、調整端末35に、「ラベル番号−複数の(物品の品目−数量)」からなるデータが表示され、また次の表示順“4”,“5”,“6”の集品容器10の表示が実行される。
作業者Hは、次の表示順“4”,“5”,“6”の表示に基づく、検品を実行する。このような動作を繰り返すことにより、モード“3”における検品作業が実行される。
【0043】
このように、検品コントローラ42により、検品エリアCに搬入(搬送)される集品容器10に対応して、ユーザーに割り付けられた、すなわち集品容器10に割り付けられるラベル番号13および集品容器10に割り付けられた、ユーザーからの物品11の注文データに応じて集品される物品11の総数が、第1検品表示器21の検品表示部22,第2検品表示器25の検品表示部26,第3検品表示器29の検品表示部30にそれぞれ、表示され、また検品表示器21,25,29の使用可能・使用不能が規定されて、検品が実行される。
【0044】
以上のように本実施の形態によれば、各検品表示器21,25,29の使用の可否が制御されることにより、検品エリアCにおける検品可能な集品容器10の数を自在に変更することができ、所定時間内で検品を行うことが求められる集品容器10の数、あるいは検品作業に従事できる作業者Hの人数の増減に応じて柔軟な運用を行うことができる。また従来のような容器用タグ、タグリーダ/ライタを使用することなく検品作業を実行でき、設備のコストを低減することができる。
【0045】
また本実施の形態によれば、集品容器10に割り付けられたラベル番号13および集品される物品11の総数が、検品エリアCに搬送(搬入)される集品容器10順に検品コントローラ42に記憶され、記憶された順で、使用可能な検品表示器に表示されることにより、作業者Hは、誤りなく検品対象の集品容器10を特定することができ、検品作業を効率よく行うことができる。
【0046】
また本実施の形態によれば、各検品表示器21,25,29は、各検品表示器21,25,29に設けられる切替え釦スイッチ24,28,32の操作入力により、各検品表示器21,25,29の各集品容器10に対応する使用の可否が切替え可能なことにより、忙しさに応じて、検品表示器の使用の可否の切替えを作業者Hが簡単に行うことができ、検品作業に柔軟に対応することができ、さらに各検品表示器21,25,29の完了押釦スイッチ23,27,31が操作入力されると、検品表示部22,26,30の表示が消去され、完了押釦スイッチ23,27,31のランプが消灯されることにより、検品作業の表示が明確となり、検品作業を効率よく行うことができる。
【0047】
また本実施の形態によれば、検品エリアCにおいて、各集品容器10は、ローラコンベヤ17により連続搬送されることにより、集品容器10の搬送を停止することなく検品作業を行うことができ、さらに停止・再開釦スイッチ34を操作入力することにより、各集品容器10を連続搬送するローラコンベヤ17の停止と駆動(再開)を行うことができ、検品が未完了の集品容器10が検品エリアCの下流へ搬送されることを防止できる。
【0048】
また本実施の形態によれば、ラベル番号13が表示されたラベル12を貼り付けられた集品容器10に集品された物品11の数量が、対応する第1検品表示器21、または第2検品表示器25、または第3検品表示器29に表示されるラベル番号13の総数と異なることが、検品端末33のタッチパネルにより操作入力されることにより、検品異常の情報を検品対象の集品容器10に割り付けられたラベル番号13とともに検品コントローラ42に記憶できるとともに、対応する検品表示器21,25,29の検品表示部22,26,30の表示を消去でき、続けて、次に搬送(搬入)される集品容器10のラベル番号13および集品される物品11の総数(数量)を表示することができる。このように、各検品表示器21,25,29に過不足の検品不良の情報を入力するスイッチ等の入力手段を設けることなく、検品不良に対応でき、検品表示器21,25,29の構成を簡易なものにできる。
【0049】
なお、本実施の形態では、検品エリアCにおいて、集品容器10を搬送する搬送手段としてローラコンベヤ17を用いているが、ローラコンベヤ17に限らず、ベルトコンベヤ等、他の形式のコンベヤを用いてもよい。
また本実施の形態では、第2検品表示器25または第3検品表示器29はそれぞれ、切替え釦スイッチ28または切替え釦スイッチ32の操作入力によりそれぞれの使用の可否を切替え可能な構成としているが、第2検品表示器25または第3検品表示器29の使用の可否の切替えは、外部から、例えばキーボード等を使用して切替え信号を入力することにより行うようにしてもよい。
【0050】
また本実施の形態では、検品エリアCにおいて、3つの検品表示器21,25,29を設ける構成としているが、これに代えて、図9に示すように、検品表示部72,75,78(表示手段)と、完了押釦スイッチ73,76,79(完了入力手段の一例)と、切替え釦スイッチ74,77,80(切替入力手段の一例)をそれぞれ3つずつ備えた検品表示器71(検品表示手段の一例)を設ける構成としてもよい。上記構成によれば、検品表示器71の設置は1台で済み、3つの検品表示器21,25,29を設けた場合と比較して設備のコストを低減することが可能となる。また検品表示器71を、検品表示部に相当する画像(表示手段)と、完了押釦スイッチに相当する画像(完了入力手段の一例)と、切替え釦スイッチに相当する画像(切替入力手段の一例)をそれぞれ3つずつ表示する液晶画面とタッチパネルにより構成することも可能である。なお、検品端末33の表示装置に表示される画面は、同じ構成でよい。
また本実施の形態では、検品端末33は、コンピュータと、コンピュータに接続されたタッチパネル付きの表示装置から構成し、タッチパネルの操作入力に応じて過不足の検品不良の情報を出力するようにしているが、タッチパネルに代えてキーボードを備え、キーボードの操作入力により過不足情報を出力する構成としてもよい。
【0051】
また本実施の形態では、検品結果が「異常」と判定された場合は、検品端末33のタッチパネルの操作入力に応じて、調整エリアDの調整端末35の表示装置の画面に過不足情報を出力する構成としているが、検品エリアCにおいて、検品端末33のコンピュータに接続されたラベルプリンタを備え、検品結果として、「異常」が入力された場合は、「異常」と判定された集品容器10に対応する「ラベル番号−複数の(物品の品目−数量)」からなるデータが表示された過不足ラベルをラベルプリンタにより発行し、「異常」と判定された集品容器10に貼り付けるようにしてもよい。これにより、調整する物品11の品目を容易に判断でき、検品作業の確実性を増すことができる。
また本実施の形態では、調整エリアDの作業者Hは、調整端末35の表示装置に表示される「ラベル番号」を確認することにより、集品容器10に対する物品11の調整作業を行う構成としているが、調整エリアDにブザー等の報知手段を設け、検品結果として、「異常」が入力されると、前記報知手段により、調整エリアDの作業者Hに調整作業が必要なことを報知する構成としてもよい。
【0052】
また本実施の形態では、バーコードリーダ16により集品容器10に貼り付けられたラベル12に表示されたバーコード14を検品エリアCに搬送(搬入)される順に読み取り、その順を各検品表示器21,25,29への表示順としているが、ピッキングエリアBの上流におけるオートラベラー15によるラベル12の貼り付け順と、検品エリアCに搬送される順が同じとなる場合は、オートラベラー15によるラベルの貼り付け順をそのまま表示順としてもよい。これにより、バーコードリーダ16を省く分、設備をより安価に構成することができる。
また本実施の形態では、第1検品表示器21の検品表示部22,第2検品表示器25の検品表示部26,第3検品表示器29の検品表示部30には、ラベル番号13と物品11の総数を表示する構成としているが、総数に限ることはなく、特定の1品目の物品11の数量を表示する構成とすることもできる。このとき、特定の1品目の物品11のみの検品が実行される。
【0053】
また本実施の形態では、仕分け先をユーザー別としているが、ユーザー別に限ることはなく、例えば地域別、店舗別、店舗内に設けられたエリア別、搬送トラック別、商品等のカテゴリー別としてもよい。
また本実施の形態では、集品容器10に割り付けられた仕分け先を特定する符号として、数字の番号を使用しているが、順序が認識できる符号であればよく、アルファベット、50音等の文字や絵文字、画像等を使用してもよい。
【0054】
また本実施の形態では、各種入力手段として、釦スイッチを用いているが、紐を引っ張ることにより操作入力する引っ張り式のスイッチや、足の動作により操作入力するフットスイッチ等を用いてもよい。
また本実施の形態では、集品容器10としてコンテナを例示したが、物品11を一時収納することができればどのようなものでもよく、集品容器10として段ボール、パレット等を用いてもよい。
【0055】
また本実施の形態では、検品エリアCには3つの検品表示器21〜23を設ける構成としているが、検品表示器の数は3つに限らず、2つ、あるいは4つ以上設ける構成とすることもできる。
また本実施の形態では、各検品表示器21〜23にはそれぞれ、1人の作業者Hを対応させる構成としているが、1つの検品表示器に複数の作業者Hを対応させる構成や、複数の検品表示器に1人の作業者Hを対応させる構成でもよい。
また本実施の形態では、ピッキングエリアBを、搬送ライン18により搬送される集品容器10に対して、物品11の集品を行う構成としているが、ピッキングエリアBを、集品容器10を手押しのピッキングカートに積載し、作業者Hによりピッキングカートを移動させながら、集品容器10に対する物品11の集品を行う構成とすることもできる。
【符号の説明】
【0056】
10 集品容器
11 物品
12 ラベル
13 ラベル番号
14 バーコード
15 オートラベラー
16 バーコードリーダ
17 ローラコンベヤ
21,25,29,71 検品表示器
22,26,30,72,75,78 検品表示部
23,27,31,73,76,79 完了押釦スイッチ
24,28,32,74,77,80 切替え釦スイッチ
33 検品端末
34 停止・再開釦スイッチ
41 統括コントローラ
42 検品コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め仕分け先が割り付けられ、前記割り付けられた仕分け先を特定する符号が付された集品容器に対してそれぞれ、前記集品容器に割り付けられた仕分け先からの物品の注文情報に基づいて物品の集品が実行されるピッキングエリアを備えたピッキング設備であって、
前記ピッキングエリアの下流に、ピッキングエリアから搬送されてきた前記各集品容器に対して集品された物品の数量の検品を実行する検品エリアを配置し、
前記検品エリアには、搬入されてきた前記集品容器に対応して、前記仕分け先を特定する符号および前記仕分け先からの物品の注文情報に応じて集品される物品の数量を表示するとともに、その使用の可否が切替え可能に構成された検品表示手段を複数備え、
前記各検品表示手段の表示、および前記使用の可否を制御する制御手段を設け、
前記制御手段により、前記各検品表示手段の使用の可否が制御されることによって、前記検品エリアにおける検品可能な集品容器の数が変更されること
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記制御手段は、前記仕分け先を特定する符号を、前記検品エリアに搬入されてきた集品容器の順に記憶し、記憶した順で、前記集品容器に割り付けられた仕分け先を特定する符号および前記集品される物品の数量を、前記使用可能な検品表示手段に表示すること
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記検品表示手段毎に、
使用の可否の切替えを入力する切替入力手段と、
検品の完了を入力する完了入力手段と
が設けられ、
前記制御手段は、前記切替入力手段からの切替信号に基づいて、各検品表示手段の使用の可否を制御し、前記完了入力手段の完了信号を入力すると、前記検品表示手段の表示を消去すること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記検品エリアに、
前記集品容器を連続搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による前記各集品容器の搬送の停止と再開を入力する停止再開手段と
を備え、
前記制御手段は、前記停止再開手段から停止信号を入力すると、前記搬送手段による前記各集品容器の搬送を停止し、再開信号を入力すると、前記搬送手段による前記各集品容器の搬送を再開すること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のピッキング設備。
【請求項5】
前記検品表示手段毎に、前記集品容器に集品された物品の数量が、前記検品表示手段に表示される物品の数量と異なることを入力する過不足入力手段を備え、
前記制御手段は、前記過不足入力手段からの過不足信号を入力すると、過不足の検品不良の情報を検品対象の集品容器に割り付けられた仕分け先を特定する符号とともに記憶し、前記検品表示手段の表示を消去し、この検品表示手段に、次の搬入される集品容器に割り付けられた仕分け先を特定する符号および前記集品される物品の数量を表示すること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のピッキング設備。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−201663(P2011−201663A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71186(P2010−71186)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】