説明

ピッキング設備

【課題】ゾーン分岐式ピッキング設備であって、ラベルを必要なゾーンの近傍で発行でき、ピッキング作業の効率を改善できるピッキング設備を提供することを目的とする。
【解決手段】複数の物品収納部でゾーンZを形成し、ゾーンZに渡って集品容器25を搬送するピッキングライン32を備え、ゾーンZ毎に、このライン32より集品容器25を分岐し合流するバイパスライン33を設け、空の集品容器25をライン32へ投入する複数の投入ゾーン42を設け、投入ゾーン42毎に、店舗を特定するラベルを発行するラベルプリンタを配置し、店舗毎に、店舗に割り付けた集品容器25に対して最初にピッキング作業を開始するゾーンを判断し、この判断した開始ゾーンの最も近い上流に位置する前記投入ゾーン42を選択し、選択した投入ゾーン42に配置したラベルプリンタにより前記店舗を特定するラベルを発行し、空の集品容器25に添付してライン32へ投入する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキング設備、特にゾーン分岐式で集品するピッキング設備(ゾーン分岐式ピッキング設備)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のゾーン分岐式ピッキング設備の一例が、特許文献1に開示されている。
このピッキング設備は、長手方向に沿って複数個のゾーン(物品収納ゾーン)を区画形成した棚と、その棚から取り出した物品を収納するための集品容器を前記各ゾーンの作業箇所に搬送するピッキングライン部と、前記各ゾーンの作業箇所を迂回して集品容器を搬送するバイパスライン部と、前記各ゾーンの夫々に対応して前記ピッキングライン部と前記バイパスライン部との間での集品容器の搬送を行う分岐合流ライン部とを備えている。
前記各ゾーンはそれぞれ、集品容器の搬送方向において“最初に作業がある物品収納ゾーン”が自己である集品容器を、前記ピッキングライン部に供給可能に構成され、また前記各ゾーンのそれぞれから前記ピッキングライン部に供給する集品容器に付設するラベルを、客先の物品仕分け用の作業データに基づいて発行するラベル発行手段が設けられている。前記ラベルには、客先を示す店名等の情報、容器搬送方向において最初に作業がある物品収納ゾーンの番号(スタートゾーン番号)等が表示され、ラベルは、前記ラベル発行手段により予め発行されて各ゾーンに配付される。
【0003】
上記構成により、各ゾーンにおいて、作業者は、自己のゾーンに最初の作業がある集品容器の搬送をスタートさせる場合には、前記棚より未使用の容器を取り出し、予め配布されたラベルを、ラベルに表示されているスタートゾーン番号が自己の番号であることを確認してから集品容器の側面の所定位置に張り付けて、前記ピッキングライン部に投入する。ピッキングライン部に投入された集品容器は、ゾーンの作業箇所に搬送されて、ピッキング作業が実行され、ピッキング作業が終了した集品容器は、分岐合流ライン部を介してバイパスライン部へ搬出され、バイパスライン部により搬送され、次のピッキング作業が有るゾーンに分岐され、次のピッキング作業が実行される。分岐するか否かは、ラベルの情報により、集品容器が到達したゾーンにおいてピッキング作業が有るかどうかにより判断される。
【0004】
以上のように、各集品容器を、作業のあるゾーンにおいてのみ作業箇所に搬送させて、作業のないゾーンの作業箇所には搬送させないようにするとともに、各集品容器を最初に作業があるゾーンから搬送を開始させることにより、例えば搬送始端側に近いゾーンでのピッキング作業がない集品容器を、搬送始端側から最初に作業があるゾーンまでの間を搬送させる無駄がなくなるとともに、特に作業開始時や作業中において搬送上手側から集品容器が搬送されない場合には、搬送下手側のゾーンにおいて作業員の手待ち状態が生じることを回避でき、もって、物品仕分け作業の一層の能率向上を実現できる。
【0005】
また従来のピッキング設備には、客先の名称、および集品容器内の物品とその数量が記載されている伝票(納品書)を、集品容器に入れることが要求される設備がある。このような設備では、伝票を入れる集品容器を分岐させ、該当の伝票を目視確認して投入する伝票投入ステーションを設けて、予め事前に発行された伝票を集品容器に投入して、ゾーンを巡る搬送経路へ戻している。また複数の集品容器で集品を行うときは、集品容器のいずれか一つに「伝票在中」を記したラベルを貼ることが要求され、伝票投入ステーションにおいて、伝票を入れた集品容器の側面に、「伝票在中」を記したラベルを貼り付けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3568308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に開示されているピッキング設備では、事前に、ラベルを発行して各ゾーンに配布する必要があり、大量のラベルを予め準備するには、多くの手間と時間が必要であった。また未使用の集品容器を、各ゾーンに保管しておく必要があり、棚の一部を保管スペースとして使用すると、物品を収納する区画が減少される恐れがあった。
【0008】
また伝票を集品容器にいれることが要求されるピッキング設備においては、伝票の枚数や種類が多く、伝票投入ステーションでリアルタイムに発行することは無理であり、かといって、大量に事前発行したものから、集品容器の到着順が不定のために、該当の伝票を探すのも困難であり、伝票を探す時間がかかり、さらに伝票の誤投入は取引先への信用問題に関わることで許されないため、作業に慎重にならざるを得ず、作業に時間がかかり、その結果、伝票投入ステーションの作業待ちで、全体の作業が停滞してしまう恐れがあった。また“伝票在中”を記したラベルが貼り付けられた集品容器が搬送されてきた場合は、作業者は目視で客先の名称等を確認し、該当する伝票を探し出して集品容器へ収納する必要があり、時間がかかる要因となっていた。
また伝票の誤投入を防ぐために、伝票と伝票を入れる集品容器を確実に連動させることが望まれている。
【0009】
そこで、本発明は、ゾーン分岐式ピッキング設備であって、伝票に対応したラベルを必要なゾーンの近傍で発行でき、ピッキング作業の効率を改善でき、さらに伝票の投入のために全体の作業に停滞が発生することを防止できることを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、複数の物品収納部でゾーンを形成し、前記各ゾーンに渡って、予め仕分け先が割り付けられた集品容器を搬送する第1搬送経路を備え、前記ゾーン単位で、前記第1搬送経路により搬送される前記集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記物品収納部から取り出した物品を投入するピッキング作業を行うピッキング設備であって、空の集品容器を前記第1搬送経路へ投入する第1投入箇所を、複数備え、前記各第1投入箇所にそれぞれ、前記仕分け先を特定する識別符号を表示し、前記空の集品容器に添付される第1符号表示手段を発行する第1発行手段を配置し、前記仕分け先をそれぞれ特定する識別符号と、前記各ゾーンの各物品収納部にそれぞれ収納される物品を特定する情報が設定された制御手段を備え、前記制御手段は、各仕分け先毎に、前記仕分け先の物品要求情報と予め設定された前記各物品収納部の物品を特定する情報により、仕分け先に割り付けられた集品容器に対して、最初に前記ピッキング作業を開始するゾーンを判断し、前記複数の第1投入箇所の中から、この判断した開始ゾーンに近い上流に位置する第1投入箇所を選択し、選択した第1投入箇所に配置した前記第1発行手段へ、前記仕分け先を特定する識別符号を出力し、前記空の集品容器に添付される第1符号表示手段を発行させることを特徴とするものである。
【0011】
上記構成によれば、仕分け先毎に、制御手段により仕分け先に割り付けられた空の集品容器を投入する第1投入箇所が選択され、この第1投入箇所の第1発行手段により、前記仕分け先を特定する識別符号が表示された第1符号表示手段が発行され、発行された第1符号表示手段は空の集品容器に添付されて第1搬送経路へ投入される。前記第1投入箇所として、仕分け先に割り付けられた集品容器に対して、最初にピッキング作業を開始するゾーンに近い上流に位置する第1投入箇所が選択され、集品容器は開始ゾーンに近い第1投入箇所から投入されることにより、第1搬送経路による無駄な搬送が回避され、ピッキング作業の効率が改善される。また第1符号表示手段を必要な箇所(投入箇所)で発行でき、事前に準備しておく手間を省くことができる。さらに空の集品容器の投入箇所が分散されることにより、集品容器の投入作業による集品容器の停滞が回避される。
【0012】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記仕分け先の単位で、前記仕分け先の物品要求情報を表示した用紙を発行する第2発行手段を備え、前記制御手段は、前記仕分け先毎に、前記仕分け先の物品要求情報に、前記仕分け先を特定する情報、前記判断した開始ゾーンの情報、および前記用紙を特定する符号情報を加えた用紙発行情報を形成して前記第2発行手段へ出力し、前記用紙発行情報が表示された前記仕分け先単位の用紙を発行させることを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、第2発行手段により、仕分け先単位に、仕分け先の物品要求情報と、仕分け先を特定する情報と、ピッキング作業を最初に開始する開始ゾーンの情報と、用紙を特定する符号情報とからなる用紙発行情報が表示された用紙が発行される。
【0014】
また請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明であって、前記第2発行手段は、前記制御手段より入力した前記用紙発行情報の開始ゾーンの情報に基づき、開始ゾーン毎に、前記用紙発行情報が表示された仕分け先単位の用紙を発行することを特徴とするものである。
上記構成によれば、仕分け先単位の用紙は、用紙発行情報の開始ゾーンの情報に基づいて、開始ゾーン毎に発行される。
【0015】
また請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記仕分け先の単位で、前記仕分け先の物品要求情報を表示した用紙を発行する第2発行手段を備え、前記制御手段は、前記仕分け先毎に、前記仕分け先の物品要求情報に、前記仕分け先を特定する情報、および前記用紙を特定する符号情報を加えた用紙発行情報を形成して前記第2発行手段へ出力し、前記用紙発行情報が表示された前記仕分け先単位の用紙を発行させ、前記仕分け先単位の用紙より前記用紙を特定する符号情報を読み取り、前記制御手段へ出力する読み取り手段を備え、前記制御手段には、前記物品収納部に収納される各物品の容積と、前記集品容器に収納可能な物品の容積が設定され、前記制御手段は、予め、前記仕分け先毎に、前記仕分け先の物品要求情報と前記予め設定された各物品の容積に基づいて、仕分け先より要求された物品の総容積を求め、この総容積を、前記予め設定された集品容器に収納可能な物品の容積により除算して前記総容積を満たす集品容器の個数を求め、前記読み取り手段より前記符号情報を入力すると、この符号情報より前記用紙発行情報を検索して、用紙に表示された仕分け先を求め、前記選択していた、この仕分け先の第1投入箇所の第1発行手段へ、前記予め求めていた、この仕分け先の前記集品容器の個数に対応する数値を出力し、前記第1発行手段は、入力した数値に基づく枚数の前記第1符号表示手段を発行することを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、予め、仕分け先毎に、仕分け先の物品要求情報と予め設定された各物品の容積に基づいて、仕分け先より要求された物品の総容積が求められ、この総容積を、予め設定された集品容器に収納可能な物品の容積により除算して集品に必要な集品容器の個数が求められる。そして、第2発行手段により発行された仕分け先単位の用紙より用紙を特定する符号情報を読み取られると、符号情報より用紙発行情報を検索して、用紙に表示された仕分け先を求め、前記選択していた、この仕分け先の第1投入箇所の第1発行手段により、前記求めていた、この仕分け先の集品容器の個数に対応する枚数の第1符号表示手段が発行され、第1投入箇所において、第1符号表示手段の枚数に合わせた集品容器が準備され、各集品容器にそれぞれ第1符号表示手段が添付されて第1搬送経路へ投入される。
【0017】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、前記各第1投入箇所はそれぞれ、使用・不使用を任意に設定可能であることを特徴とするものである。
上記構成によれば、第1投入箇所の使用・不使用が任意に設定可能なことにより、第1投入箇所を、ピッキング作業量や仕分け先の数の増減に応じて使用または不使用に設定でき、最もピッキング作業の効率が高めることが可能な位置に設定できる。
【0018】
また請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明であって、ピッキング作業量が通常期と比較して少ない閑散期は、前記ピッキング作業を前記第1搬送経路の一部に連続して位置するゾーンに集約し、前記第1投入箇所を任意に不使用に設定することにより、前記通常期と比較して少なく設定することを特徴とするものである。
【0019】
上記構成によれば、閑散期は、ピッキング作業は、第1搬送経路の一部に連続して位置する、例えば上流に位置するゾーンにおいて集約して実行され、合わせて第1投入箇所が少なく設定され、ピッキング作業を行う作業者と、空の集品容器を第1搬送経路へ投入する作業者の数を減らすことができる。
【0020】
また請求項7に記載の発明は、複数の物品収納部でゾーンを形成し、前記各ゾーンに渡って、予め仕分け先が割り付けられた集品容器を搬送する第2搬送経路を備え、前記ゾーン単位で、前記第2搬送経路により搬送される前記集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記物品収納部から取り出した物品を投入するピッキング作業を行うピッキング設備であって、前記第2搬送経路の下流と上流を接続し、各ゾーンを搬送される前記集品容器の循環を可能とする戻し経路を備え、空の前記集品容器を、前記第2搬送経路へ投入する投入箇所を、予め任意に、複数備え、前記各投入箇所にそれぞれ、前記仕分け先を特定する識別符号を表示し、前記空の集品容器に添付される符号表示手段を発行する発行手段を配置し、前記仕分け先をそれぞれ特定する識別符号が予め設定され、前記仕分け先毎に、任意の投入箇所に配置した前記発行手段へ、前記仕分け先を特定する識別符号の情報を出力する制御手段を備え、前記任意の投入箇所に配置した発行手段は、入力した仕分け先を特定する識別符号を表示し、前記空の集品容器に添付される符号表示手段を発行することを特徴とするものである。
【0021】
上記構成によれば、戻し経路により第2搬送経路の下流と上流が接続され、第2搬送経路はループ状とされ、集品容器は循環して搬送可能とされる。したがって、投入箇所を、任意に設定しても、各ゾーンにおけるピッキング作業が可能となり、任意の投入箇所より、仕分け先を特定する識別符号が表示された符号表示手段を、空の集品容器に添付して投入できる。
【0022】
また請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明であって、前記第2搬送経路から、集品が終了した集品容器を送りだす送り経路と、前記各ゾーンでの集品容器に対する物品の集品状況を把握し、前記第2搬送経路から、集品が終了した集品容器を前記送り経路へ送りだす第2制御手段を備えることを特徴とするものである。
上記構成によれば、集品が終了した集品容器は、ループ状とされた第2搬送経路より送り経路に送り出され、搬送されて出荷される。
【発明の効果】
【0023】
本発明のピッキング設備は、第1符号表示手段が添付された空の集品容器を第1搬送経路へ投入する第1投入箇所として、仕分け先に割り付けられた集品容器に対して、最初にピッキング作業を開始する開始ゾーンの最も近い上流に位置する投入箇所が選択され、集品容器は開始ゾーンに近い第1投入箇所から投入されることにより、集品容器の第1搬送経路による無駄な搬送を回避でき、よってピッキング作業の効率を改善でき、また第1符号表示手段を必要な第1投入箇所で発行できることにより、第1符号表示手段を事前に準備しておく手間を省くことができ、さらに空の集品容器の投入箇所を分散させることにより、集品容器の投入作業による集品容器の停滞を回避できる、という効果を有している。
【0024】
また本発明のピッキング設備は、戻し経路により第2搬送経路の下流と上流が接続され、第2搬送経路はループ状とされ、集品容器は循環して搬送可能とされることにより、空の集品容器の投入箇所を、任意に設定しても、各ゾーンにおけるピッキング作業を可能にでき、任意の投入箇所より、仕分け先を特定する識別符号が表示された符号表示手段を添付した空の集品容器を投入できる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施の形態におけるピッキング設備の構成図である。
【図2】同ピッキング設備のピッキング作業を実行するゾーンの構成を示す図であり、(a)は要部平面図、(b)は要部側面図である。
【図3】同ピッキング設備の空の集品容器を投入する投入ゾーンの構成を示す図であり、(a)は第1投入ゾーンの構成図、(b)は第2投入ゾーンの構成図である。
【図4】同ピッキング設備の制御構成図である。
【図5】同ピッキング設備のデータを示す図であり、(a)は全体ピッキングデータを示す図、(b)は全体ゾーンデータを示す図である。
【図6】同ピッキング設備の統括コントローラとゾーンコントローラの機能を示す図である。
【図7】(a)は同ピッキング設備の概略構成図、(b)は第1投入ゾーンの数を増したピッキング設備の概略構成図である。
【図8】本発明の他の実施の形態におけるピッキング設備の概略構成図であり、(a)はループ型のピッキング設備の概略構成図、(b)は、ライン型とループ型を組み合わせたピッキング設備の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態におけるピッキング設備の概略配置図であり、この図1に示すように、ピッキング設備は、第1ゾーンZ1から第nゾーンZnまでのn個(nは2以上の自然数;図では9個のゾーン)のゾーンZから構成されている。
【0027】
「ゾーン」;各ゾーンZの構成について、詳細に説明する。
図2に示すように、各ゾーンZには、ピッキング棚11が配置されている。このピッキング棚11は流動棚から形成され、前方に傾斜している複数段(図では3段)のラック13を有しており、各ラック13にはそれぞれ、商品(物品の一例)14の収納容器15が収納される複数の物品収納部(間口)16が形成され、各物品収納部16毎にフリーローラコンベヤ17が設けられ、各フリーローラコンベヤ17の前端にはストッパ18が設けられている。この構成により、ストッパ18により係止された収納容器15から必要な商品14を取り出し、収納容器15が空になればその収納容器15を除去することにより、次の収納容器15が前面にでてくる。ゾーンZはp個(pは1以上の自然数;図では33個)の物品収納部16から形成される。
【0028】
またピッキング棚11の物品収納部16毎にそれぞれ、その前面に、ピッキング表示器21が設けられている。各ピッキング表示器21は、ピッキングする商品14の数量を示す3桁のディジタル表示器22と、ピッキング作業があることを表示するランプとボタンスイッチを兼ねた表示/完了ボタン23から形成される。
また各ゾーンZには、後述するゾーンピッキングライン33のフリーコンベヤ36の下流端部に、ピッキング終了を表示するランプとボタンスイッチを兼ねたピッキング終了表示スイッチ24が設けられている。
【0029】
このようなゾーンZの構成によって、ゾーンZの単位で、ピッキング表示器21とピッキング終了表示スイッチ24の表示に従って、ゾーンZ内に搬送されてくる集品容器25(後述する)と物品収納部16との間で、商品14のピッキング作業が行われ、集品容器25への集品が終了すると、ピッキング終了表示スイッチ24が操作される。
前記集品容器25は、ピッキングした商品14を集品する容器であり、例えばコンテナから形成される。
【0030】
「ラベル」;上記各集品容器25にはそれぞれ、1枚のラベル26が添付される。
このラベル26は、図3に示すように、1つの店舗(仕分け先の一例)の注文された商品14の集品に、m個(mは2以上の自然数;図3では10個)の集品容器25を使用する場合は、1枚の親ラベル(第2符合表示手段の一例)26Aと、残り(m−1)枚の子ラベル(第1符合表示手段、符合表示手段の一例)26Bから構成され、1個の集品容器25に親ラベル26Aが添付され、残りの(m−1)個の集品容器25にそれぞれ子ラベル26Bが添付される。なお、集品容器25が1個の場合は、1枚の親ラベル26Aのみで構成され、親ラベル26Aが集品容器25に添付される。
【0031】
親ラベル26Aには、店舗の名称(仕分け先を特定する情報の一例)と、“1/m”(1店舗用に商品14を集品する集品容器25がm個から構成され、その1番目であることを示す)と、“伝票在中”の文字列と、予め店舗に割り付けられた、店舗を特定するバーコード(仕分け先を特定する識別符号の一例)27が表示・印刷される。
また子ラベル26Bには、店舗の名称と、“2/m”〜“m/m”(1店舗用の集品容器25がm個から構成され、その2番目〜m番目であることを示す)と、親ラベル26Aと同一のバーコード27が表示・印刷される。
【0032】
「伝票」;親ラベル26Aが添付される集品容器25には、伝票(仕分け先単位の用紙の一例)28が入れられる。
伝票28には、店舗の名称と、店舗により注文された各商品14の名称および数量(注文リスト)と、ピッキングを開始するゾーンZ(以下、開始ゾーンと称す)のナンバー29と、この伝票28を特定するバーコード(仕分け先単位の用紙を特定する識別符号の一例)30が印刷されており、店舗毎に、予め事前に(実際にピッキング作業が開始される前に)、(伝票発行用高速)プリンタ(第2発行手段の一例)31(図4)により印刷される。
【0033】
「搬送経路」;図1に示すように、ピッキング設備には、前記集品容器25を搬送するピッキングライン32が各ゾーンZの前面に沿って敷設されており、各ゾーンZ毎にそれぞれ、前記物品収納部16との間で商品14のピッキング作業が行われる前記集品容器25が移動されるゾーンピッキングライン33が設けられ、各ゾーンピッキングライン33より集品容器25をピッキングライン32へ合流し、ピッキングライン32より各ゾーンピッキングライン33へ集品容器25を分岐するように構成されている。
この構成により、前記ピッキングライン32によりゾーンZに渡って集品容器25を搬送する搬送経路が形成され、前記ゾーンピッキングライン33により、ゾーンZ内において前記ピッキング作業が行われる集品容器25が移動される移動経路が形成される。また前記ゾーンピッキングライン33により、ピッキングライン32より分岐された集品容器25をゾーンZ内に搬入し、ゾーンZ内より集品容器25をピッキングライン32へ合流する分岐・合流経路が形成されている。
【0034】
前記ピッキングライン32は、ローラ駆動コンベヤから形成され、各ゾーンピッキングライン33の容器分岐点にはそれぞれ、分岐装置34が設けられている。また各ゾーンピッキングライン33はそれぞれ、図2に示すように、ピッキングライン32の分岐装置34から分岐された集品容器25をゾーンZ内へ搬入する搬入ローラ駆動コンベヤ35と、この搬入ローラ駆動コンベヤ35により搬入された集品容器25に対してピッキングするゾーンを形成するフリーコンベヤ36と、ピッキングが終了した集品容器25をピッキングライン32へ戻す(搬出する)搬出ローラ駆動コンベヤ37から形成されている。
またピッキングライン32のゾーンピッキングライン33の分岐装置34毎にそれぞれその上流位置(ゾーンピッキングライン33の入口付近)に、前記ラベル26(26A,26B)のバーコード27を読み取る第1バーコードリーダ39が設けられている。
【0035】
「集品容器の投入ゾーン」;図1に示すように、ピッキングライン32には、空の集品容器25を投入するゾーンとして、第1投入ゾーン(第2投入箇所の一例)41と、複数(図1では2ヶ所)の第2投入ゾーン(第1投入箇所の一例)42が設けられている。
【0036】
「第1投入ゾーン41」;第1投入ゾーン41は、図3(a)に示すように、親ラベル26Aが添付され、伝票28が入れられた集品容器25を、ピッキングライン32に投入するゾーンであり、基本的に、ピッキングライン32の最も上流位置に配置される。
この第1投入ゾーン41には、空の集品容器25が保管され、また無線式移動可能端末44が配置されている。この無線式移動可能端末44は、事前に配布された伝票28より伝票28を特定するバーコード30を読み取る第2バーコードリーダ(読み取り手段の一例)46と、この第2バーコードリーダ46により読み取られたバーコードのデータを無線で送信する送信機47と、親ラベル26Aを発行する受信機能付きの第1ラベルプリンタ(第3発行手段の一例)48と、これら第2バーコードリーダ46、送信機47およびラベルプリンタ48を搭載する移動台車49から構成されている。
また第1投入ゾーン41の上方には、送信機47および第1ラベルプリンタ48とデータ送受信を行う送受信機50が設けられ、送受信機50は、後述する統括コントローラ53に接続されている。
【0037】
このような構成により、第1投入ゾーン41に配置された作業者は、第2バーコードリーダ46を使用して、伝票28を特定するバーコード30を読み取ると、そのバーコードのデータが、送信機47および送受信機50を介して統括コントローラ53へ入力され、後述する統括コントローラ53の機能により、親ラベル26Aの印刷データが送受信機50を介して第1ラベルプリンタ48へ送信され、第1ラベルプリンタ48により親ラベル26Aが印刷・発行される。
第1投入ゾーン41に配置された作業者は、第1ラベルプリンタ48により印刷された親ラベル26Aを空きの集品容器25に添付し(貼り)、伝票28を入れてピッキングライン32へ投入する。
【0038】
「第2投入ゾーン42」;第2投入ゾーン42は、図3(b)に示すように、子ラベル26Bが添付された集品容器25をピッキングライン32に投入するゾーン(投入箇所)であり、ピッキングライン32の最も上流位置(以下、第1地点と称す)と、ピッキングライン32に沿った、任意に設定可能な位置(以下、第2地点と称す)に配置される。実施の形態では、第2地点を、ゾーンZ3とゾーンZ4との間で、ゾーンZ4に設けられた第1バーコードリーダ39の取り付け位置より上流位置に配置している。また各第2投入ゾーン42の使用・不使用は、任意に設定可能としている。
各第2投入ゾーン42には、多くの空の集品容器25が保管され、また子ラベル26Bを印刷する第2ラベルプリンタ(第1発行手段、発行手段の一例)52が配置されている。また、この第2ラベルプリンタ52は、統括コントローラ53に接続されている。
後述する統括コントローラ53の機能により、子ラベル26Bの印刷データおよび枚数(m−1)のデータが第2ラベルプリンタ52へ入力され、第2ラベルプリンタ52により、入力された枚数(m−1)の子ラベル26Bが印刷・発行される。
第2投入ゾーン42に配置された作業者は、第2ラベルプリンタ52により印刷された子ラベル26Bの枚数(m−1)に合わせて空きの集品容器25を用意し、各空きの集品容器25にそれぞれ1枚の子ラベル26Bを添付し(貼り)、ピッキングライン32へ投入する。
【0039】
図4に制御構成図を示す。
図4に示すように、ゾーンZ毎に、ゾーンコントローラ55が設けられ、全体のピッキング作業を管理する前記統括コントローラ(制御手段の一例)53が設けられている。
【0040】
[統括コントローラ53];統括コントローラ53には、プリンタ31と、ピッキングライン32と、第1投入ゾーン41の送受信機50と、各第2投入ゾーン42の第2ラベルプリンタ52と、各ゾーンコントローラ55が接続され、予め次のデータが設定されている。
(1)各ゾーンZの各物品収納部16にそれぞれ割り付けた、収納されている商品14を特定する情報(例えば、商品の品種、商品名、商品コード等)。
(2)各商品14の容積と、集品容器25に収納可能な商品14の容積。
(3)各店舗にそれぞれ割り付けられた店舗を特定するバーコード27。
【0041】
統括コントローラ53は、起動・停止に関する第1の機能と、親ラベル26A、子ラベル26B、および伝票28を発行させるための第2の機能を有している。
第1の機能は、次の通りである。
(1)ピッキングライン32を起動し・停止する機能。
(2)ピッキング開始指令とピッキング終了指令を、各ゾーンコントローラ55へ出力する機能。前記ピッキング開始指令は、後述する伝票データを形成してプリンタ31へ出力した後、一定の時間をおいて出力する。この一定の時間は、発行された伝票28が、第1投入ゾーン41へ配布されるまでの時間に相当する。またピッキング終了指令は、後述するピッキング終了信号を全ゾーンコントローラ55から入力したときに、出力する。
【0042】
また第2の機能は、次の通りである。各機能の関連、印刷データの作成手順を図6に示す。
(1)全体のピッキングデータを形成する機能。各店舗から注文データ{物品要求情報の一例;注文の商品14を特定する情報と数量(個数)からなる単数または複数のデータ}を受け付けると、この注文データと、予め記憶された前記各物品収納部16にそれぞれ収納されている商品14を特定する情報に基づいて、図5(a)に示すように、全体のピッキングデータを形成して記憶し、図6に示すように、各ゾーンコントローラ55へ出力する。この全体のピッキングデータは、店舗を特定する店舗ナンバー(店舗を特定するコードで、バーコード27に対応している)と、各ゾーンZの物品収納部16のナンバー毎、すなわち物品収納部16に収納されている商品14毎の数量(注文数量)から形成される。
(2)全体のゾーンデータを形成する機能。形成した全体のピッキングデータに基づいて、図5(b)に示すように、店舗毎に、ピッキング作業を実行するゾーンZであるかどうかを示す全体のゾーンデータを形成して記憶し、図6に示すように、各ゾーンコントローラ55へ出力する。全体のゾーンデータは、店舗ナンバーと、各ゾーンZにおいてピッキングする商品14の有無のデータ(“1”でピッキング作業有り、“0”でピッキング作業無し)から形成されている。
【0043】
(3)最初にピッキング作業を実行する開始ゾーンZ(上記ナンバー29)を求める機能。形成した全体のゾーンデータに基づいて、各店舗毎に、各店舗に割り付けられた集品容器25に対して、最初に前記ピッキング作業を実行する開始ゾーンZを求める。全体のゾーンデータにおいて、各ゾーンZのピッキングする商品14の有無のデータとして“0”が続き、初めて“1”となったゾーンが開始ゾーンZとなる。
(4)子ラベル26Bの発行地点を求める機能。上記各店舗毎に求めた開始ゾーンZが、第2地点の第2投入ゾーン42を設けた位置の下流ゾーン、図1では、ゾーンZ4以降であるかどうかにより、各店舗毎に、子ラベル26Bの発行地点を、前記第1地点または第2地点より選択する。開始ゾーンZが、ゾーンZ4以降のとき、最も近い上流に位置する第2地点を選択し、ゾーンZ4より上流のゾーンZのとき、第1地点を選択する。
【0044】
(5)商品14の集品に必要な集品容器25の個数mを求める機能。各店舗毎に、形成された全体のピッキングデータに基づく各店舗の注文商品14および数量のデータと、予め記憶された商品14の容積に基づいて、店舗毎に、集品される商品14の総容積を求め、この総容積を、予め記憶された集品容器25の容積により除算して、各店舗毎に商品14の集品に必要な集品容器25の個数mを求めて記憶する。個数mが、発行するラベル26の枚数(総数)となる。
(6)伝票28を発行する機能。形成された全体のピッキングデータ、および店舗毎に求めた開始ゾーンのデータ(ナンバー29)に基づいて、開始ゾーン毎にまとめて、事前に伝票28を発行する。すなわち、前記求めた開始ゾーンのナンバー29が小さい順に(上流のゾーンZからの順に)、店舗毎に、前記求めた開始ゾーンのナンバー29と、店舗の名称と、店舗により注文された各商品14の名称および数量と、伝票28を特定するバーコード30とからなる伝票データ(用紙発行情報)を形成し、記憶し、プリンタ31へ出力し、プリンタ31により、開始ゾーン毎に伝票28を発行させる。
【0045】
(7)(8)親ラベル26Aと子ラベル26Bを同時に発行する機能。送受信機50より、伝票28を特定するバーコード30のデータを入力すると、親ラベル26Aと子ラベル26Bを同時に発行する。すなわち、入力した伝票28のバーコード30のデータにより前記伝票データを検索して店舗を求め、この店舗により、前記記憶した、この店舗の注文の集品に必要な集品容器25の個数mと、店舗を特定するバーコード27を求め、親ラベル26Aの印刷データとして、店舗の名称と、集品容器25の個数mと、“伝票在中”の文字列と、店舗を特定するバーコード27を送受信機50を介して第1ラベルプリンタ48へ出力する。これにより、第1ラベルプリンタ48により、上述したように、店舗の名称と、“1/m”と、“伝票在中”の文字列と、店舗を特定するバーコード27が表示された親ラベル26Aが1枚、印刷・発行される。
また子ラベル26Bの印刷データとして、発行する枚数のデータ、すなわち(m−1)と、店舗の名称と、親ラベル26Aと同一のバーコード27を、第2ラベルプリンタ52へ出力する。これにより、第2ラベルプリンタ48により、上述したように、店舗の名称と、“2/m”〜“m/m”と、店舗を特定するバーコード27が表示された子ラベル26Bが、(m−1)枚、印刷・発行される。
これにより、親ラベル26Aが1枚、子ラベル26Bが(m−1)枚発行され、店舗の注文の集品に必要な集品容器25の個数mを満たすラベル26(26A,26B)が発行される。
【0046】
[ゾーンコントローラ55];各ゾーンコントローラ55にはそれぞれ、統括コントローラ53と、各物品収納部16のピッキング表示器21と、ピッキング終了表示スイッチ24と、分岐装置34と、搬入ローラ駆動コンベヤ35と、搬出ローラ駆動コンベヤ37と、第1バーコードリーダ39が接続され、予め、上記各物品収納部16にそれぞれ収納されている商品14を特定する情報が設定されている。
【0047】
各ゾーンコントローラ55は次の機能を有している。
(1)自ゾーンZのピッキングデータを形成する機能。統括コントローラ53より、全体のピッキングデータを入力すると、担当する自ゾーンZのピッキングデータを形成する。すなわち、店舗毎に、自ゾーンZの各物品収納部16よりピッキングされる数量のデータを形成する。
(2)自ゾーンZへ集品容器25を分岐させる分岐データを作成する機能。統括コントローラ53より、全体のゾーンデータを入力すると、担当する自ゾーンZに“1”が設定されている店舗を求め、ピッキング作業を実行する店舗のデータ、すなわち自ゾーンZへ集品容器25を分岐させる分岐データを形成する。
【0048】
(3)搬入ローラ駆動コンベヤ35と搬出ローラ駆動コンベヤ37の起動・停止の機能。統括コントローラ53より、ピッキング開始指令を入力すると、搬入ローラ駆動コンベヤ35と搬出ローラ駆動コンベヤ37を駆動し、ピッキング終了指令を入力すると、搬入ローラ駆動コンベヤ35と搬出ローラ駆動コンベヤ37を停止する。
(4)集品容器25を分岐する機能。第1バーコードリーダ39より、集品容器25に添付されたラベル26のバーコード27の読み取りデータ、すなわち店舗を特定するデータ(識別符号)を入力すると、この店舗を特定するデータにより上記分岐データを検索して自ゾーンZでピッキング作業があるかどうかを確認し、確認すると、この店舗を特定するデータを記憶するとともに、分岐装置34を駆動して集品容器25を分岐して搬入ローラ駆動コンベヤ35により、フリーコンベヤ36へ搬送させる。
【0049】
(5)ピッキング作業を実行する機能。記憶された順に、分岐された集品容器25の店舗を特定するデータに基づいて、ピッキング表示器21を駆動する。すなわち、店舗を特定するデータに対応する自ゾーンZのピッキングデータを求め、求めたピッキングデータに基づいて自ゾーンZの各物品収納部16のピッキング表示器21のディジタル表示器22へ、商品14のピッキング数量を出力し、表示/完了ボタン23のランプを点灯する。
表示/完了ボタン23の押し操作信号の入力により、このピッキング表示器21が取り付けられた物品収納部16からの商品14の取り出しと判断し、この物品収納部16のピッキングデータを削除し(ピッキングが終了されたと確認し)、このピッキング表示器21のディジタル表示器22と表示/完了ボタン23のランプを消灯する。また集品容器25への全ての集品が終了すると、ピッキング終了表示スイッチ24のランプを点灯する。
ピッキング終了表示スイッチ24より押し操作信号を入力すると、この時点で、ピッキング作業が必要な物品収納部16の表示/完了ボタン23の押し操作信号が入力されずに残っているかどうかを確認し、確認するとピッキングが終了していないピッキングデータを保存し、続いて全てのピッキング表示器21のディジタル表示器22と表示/完了ボタン23のランプを消灯する。m個の集品容器25に分散して商品14が集品されるため、分岐・搬送されてきた集品容器25に対して、必ずしも、自ゾーンZにおいてピッキング作業が必要な商品14を投入できるとは限らず、このとき、次に遅れて搬送されてくる、同じ店舗が割り付けられた集品容器25に集品が実行される。
またピッキング終了表示スイッチ24より押し操作信号を入力すると、次に記憶していた店舗のデータ(次に分岐された集品容器25の店舗のデータ)によるピッキング表示器21の表示を開始する。
また1つの店舗のピッキングデータの全ての集品が終了すると、この店舗の集品終了とし記憶し、またこの店舗に割り付けられた集品容器25の分岐データを“分岐無し”に変更し、自ゾーンZのピッキングデータの全ての店舗の集品が終了すると、ピッキング終了信号を統括コントローラ53へ出力する。
【0050】
「作用」;上記構成による作用を、第1投入ゾーン41、各第2投入ゾーン42、および各ゾーンZに配置された作業者の作業を含めて説明する。
(1)まず、統括コントローラ53に、各店舗の注文データが入力されると、統括コントローラ53により、上記全体のピッキングデータと全体のゾーンデータが形成され、店舗毎に、開始ゾーンZと商品14の集品に必要な集品容器25の個数mが求められる。
(2)次に、開始ゾーンZ毎に、事前に店舗毎の伝票28が発行される。すなわち、統括コントローラ53は、前記求めた開始ゾーンZの順に、店舗毎に、開始ゾーンのナンバー29と、店舗の名称と、店舗により注文された各商品14の名称および数量と、この伝票28を特定するバーコード30からなる伝票データをプリンタ31へ出力し、プリンタ31により伝票28を発行させる。
(3)第1投入ゾーン41の作業者は、開始ゾーンZ毎に、プリンタ31により発行された、各店舗毎の伝票28を第1投入ゾーン41へ搬送する。
【0051】
(4)プリンタ31による伝票28の発行後、統括コントローラ53により、ピッキングライン32が駆動され、各ゾーンZのゾーンコントローラ55により搬入ローラ駆動コンベヤ35および搬出ローラ駆動コンベヤ37が駆動される。
(5)第1投入ゾーン41の作業者は、プリンタ31により発行された順に(開始ゾーンZが上流の順に)、第2バーコードリーダ46により、伝票28のバーコード30を読み取らせる。すると、この伝票28のバーコード30に対応する店舗の1枚の親ラベル26Aが、第1ラベルプリンタ48により発行され、同時に、各店舗の開始ゾーンZの上流に最も近い地点(第2投入ゾーン42;第1地点または第2地点)の第2ラベルプリンタ52により(m−1)枚の子ラベル26Bが発行される。
【0052】
(6)第1投入ゾーン41に配置された作業者は、印刷された親ラベル26Aを空きの集品容器25に貼り(添付し)、伝票28を入れてピッキングライン32へ投入する。
(7)子ラベル26Bが発行された第2投入ゾーン42に配置された作業者は、印刷された子ラベル26Bの枚数(m−1)に合わせて空きの集品容器25を用意し、各空きの集品容器25にそれぞれ子ラベル26Bを貼り、ピッキングライン32へ投入する。
このように、店舗毎に、第1投入ゾーン41から1個、第2投入ゾーン42から(m−1)個の合計m個の集品容器25がピッキングライン32へ投入されて搬送される。このとき、親ラベル26Aが添付された空きの集品容器25には、伝票28が入れられ、子ラベル26Bが添付された空きの集品容器25は、開始ゾーンZの上流に最も近い第2投入ゾーン42から投入される。
【0053】
(8)各ゾーンZでは、集品容器25に添付されたラベル26(26A,26B)のバーコード27が第1バーコードリーダ39により読み取られて、分岐するかどうか判断され、分岐装置34により分岐された集品容器25は、ゾーンZ内に搬入されて、フリーコンベヤ36へ搬送されてくる。各ゾーンZに配置された作業者は、搬入されてきた順に集品容器25に対してピッキング作業を実行する。すなわち、各物品収納部16のピッキング表示器21の表示に基づいて、物品収納部16より商品14を取り出し、表示/完了ボタン23を押し操作して集品容器25へ投入する。そして、集品容器25が商品14で満杯となると、あるいは、ピッキング表示器21が表示された物品収納部16より全ての商品14の取り出しが終了すると、ピッキング終了表示スイッチ24を操作して、搬出ローラ駆動コンベヤ37へ押し出してピッキングライン32へ合流させる。ピッキング終了表示スイッチ24を操作すると、次の集品容器25のピッキング作業のための表示がピッキング表示器21に表示される。ピッキングライン32に合流された集品容器25は下流のゾーンZへ搬送される。
(9)ゾーンZへ分岐されない集品容器25はそのままピッキングライン32により下流のゾーンZへ搬送され、各ゾーンZにおいてピッキング作業が実行された集品容器25は、ピッキングライン32の下流端より出荷場へ搬送される。
(10)全てのゾーンZにおいてピッキング作業が終了し、集品容器25が全て出荷場へ搬出されると、統括コントローラ53により、ピッキングライン32が停止され、各ゾーンZのゾーンコントローラ55により搬入ローラ駆動コンベヤ35および搬出ローラ駆動コンベヤ37が停止される。
【0054】
以上のように本実施の形態によれば、子ラベル26Bが添付される空の集品容器25の投入箇所、すなわち親ラベル26Aが添付される1台の空の集品容器25を除いた殆どの空の集品容器25の投入箇所として、店舗が割り付けられた集品容器25に対して、最初にピッキング作業を開始する開始ゾーンZに近い上流(最も近い上流のほうがよい)に位置する第2投入ゾーン42が選択され、殆どの集品容器25は、開始ゾーンZに近い第2投入ゾーン42から投入されることにより、集品容器25のピッキングライン32による無駄な搬送を回避でき、よってピッキング作業の効率を改善でき、また子ラベル26Bを、必要な投入箇所(第2投入ゾーン42)で発行できることにより、事前に子ラベル26Bを準備しておく手間を省くことができる。さらに空の集品容器25の投入箇所を第1地点と第2地点に分散させることにより、集品容器25の投入作業による集品容器25の停滞を回避できる。
【0055】
また本実施の形態によれば、各店舗毎に、形成された全体のピッキングデータに基づく各店舗の注文商品14および数量のデータと、予め記憶された商品14の容積に基づいて、集品される商品14の総容積が求められ、この総容積を、予め記憶された集品容器25の容積により除算して、各店舗毎に商品14の集品に必要な集品容器25の個数mが求められ、そして第2バーコードリーダ46により、伝票28を特定するバーコード30が読み取られると、このバーコード30により伝票28に表示された店舗を求められ、前記求めていた、この店舗の注文の集品に必要な集品容器25の個数mに合わせた枚数の子ラベル26Bが、前記選択していた、この店舗の第2投入ゾーン42の第2ラベルプリンタ52により発行され、前記第2投入ゾーン42において、子ラベル26Bの枚数に合わせた集品容器25が準備され、各集品容器25に子ラベル26Bが添付されてピッキングライン32へ投入されることにより、必要な集品容器25を確実に確保することができる。
【0056】
また本実施の形態によれば、伝票28のバーコード30に応じて第1ラベルプリンタ48により親ラベル26Aが発行されることにより、親ラベル26Aと伝票28を連動させることができ、親ラベル26Aが添付される集品容器25への伝票28の誤投入を回避でき、さらに伝票28の投入のために全体の作業に停滞が発生することを防止できる。また“伝票在中”との文字列が表示される親ラベル26Aの添付により、店舗単位の伝票28が収納されている集品容器25を特定することができる。
【0057】
また本実施の形態によれば、伝票28は開始ゾーン毎に発行され、開始ゾーンが上流、すなわち開始ナンバー29が小さい伝票28から順に伝票28のバーコード30が読み取られ、これに対応して発行された親ラベル26Aを添付した空の集品容器25が、順にピッキングライン25へ投入することにより、上流のゾーンZに分岐される、すなわち上流のゾーンZにおいて集品が必要な集品容器25が先行してピッキングライン25へ投入でき、よって上流のゾーンZから下流の多数のゾーンZを巡る集品容器25に対して、いち早くピッキング作業を開始できる。
【0058】
また本実施の形態によれば、第1ラベルプリンタ48による親ラベル26Aの発行と同時に、第2ラベルプリンタ52より子ラベル26Bが発行され、この第2ラベルプリンタ52が配置された第2投入ゾーン42より、発行された子ラベル26Bは空の集品容器25に添付されて投入されることによって、伝票28を入れて上流端の第1投入ゾーン41より投入される集品容器25と、第2投入ゾーン42から投入される集品容器25の時間的同期を取ることができ、出荷場で店舗毎の集品容器25を集める荷合せ作業を、少しでも軽減することができる。
【0059】
また本実施の形態によれば、第2投入ゾーン42を使用・不使用を任意に設定可能なことにより、第2投入ゾーン42を、ピッキング作業量や店舗の数の増減に応じて使用または不使用に設定でき、最もピッキング作業の効率が高まる位置に設定できる。
また本実施の形態によれば、第2投入ゾーン42に多くの空の集品容器25を保管することにより、ピッキング棚11の物品収納部16を使用して空の集品容器25を保管する必要がなくなり、各ゾーンZにおいて、空の集品容器25の保管のために、実際に商品14を収納する物品収納部16の数が減少する恐れをなくすことができ、収納できる商品14の種類を確実に確保することができる。
【0060】
なお、本実施の形態では、図7(a)に示すように、第1投入ゾーン41をピッキングライン32の最も上流位置に配置しているが、図7(b)に示すように、ピッキング作業量が多い多忙期には、第1投入ゾーン41を複数の位置に配置するようにしてもよい。第1投入ゾーン41では、1個の集品容器25に対して、伝票28のバーコード30の読み取り作業、親ラベル26Aの空の集品容器25への貼り付け(添付)作業、およびこの集品容器25への伝票28の投入作業が必要であり、1個の集品容器25をピッキングライン32へ投入するには時間がかかるが、第1投入ゾーン41を複数にすることによって、この時間がかかる集品容器25のピッキングライン32への投入作業が分散され、この集品容器25の投入作業の遅れにより、全体のピッキング作業に遅れがでることを回避できる。このとき、各第1投入ゾーン41にそれぞれ無線式移動可能端末44を備えてもよく、また1台の無線式移動可能端末44をピッキング作業中に移動させて使用するようにしてもよい。移動可能端末44は、無線式の為、第1投入ゾーン41の位置に柔軟に対応できる。なお、第1投入ゾーン41から、親ラベル26Aを空きの集品容器25に貼り、ピッキングライン32へ投入するので、第1投入ゾーン41より下流に位置するゾーンZにおいて、この集品容器25に、ピッキング作業があることを条件として、新しく第1投入ゾーン41を配置し、伝票28を、新しく配置した第1投入ゾーン41へ配布する。これにより、新しく設定された第1投入ゾーン41から投入された集品容器25に対して先行してピッキング作業が実行されることにより、ピッキング作業の効率の改善を期待できる。
【0061】
また本実施の形態では、第2投入ゾーン42は2箇所に備えられているが、さらに多くの箇所に備えてよいことは言うまでもない。このとき、店舗毎に、これら複数の第2投入ゾーン42(第1投入箇所)の中から、店舗の開始ゾーンに最も近い上流に位置する第2投入ゾーン42を選択し、選択した第2投入ゾーン42において、店舗の子ラベル26Bを発行させる。
また本実施の形態では、ピッキング作業は、ピッキングライン32に沿って配置された9つのゾーンZにより実行されているが、ピッキング作業量が少ないとき、例えば、閑散期は、ピッキング作業は、ピッキングライン32に沿って連続して位置する、例えば上流に位置する6つのゾーンにおいて集約して実行するようにしてもよい。また合わせて第2投入ゾーン42(例えば、第2地点)を不使用に設定することにより、投入ゾーン42を削減することも可能であり、ピッキング作業を行う作業者と、空の集品容器25をピッキングライン25へ投入する作業者の数を減らすことができる。
【0062】
また本実施の形態では、ピッキングライン32は、1本ライン型としているが、図8(a)に示すように、ピッキングライン(第2搬送経路の一例)32の下流と上流を接続し、各ゾーンZを搬送される集品容器25の循環を可能とする戻しライン(ループを形成する戻し経路の一例)57を設け、ループ型を形成するようにしてもよい。このとき、ループから集品が終了した集品容器25を出荷場へ送りだす送りライン(送り経路の一例)58とループから送りライン58へ集品容器25を分岐する分岐装置59を備え、送りライン58の上流に、ラベル26のバーコード27を読み取る第3バーコードリーダ60を設け、統括コントローラ53に、第3バーコードリーダ60により読み取るラベル26のバーコード27により特定される店舗の集品容器25に対する、各ゾーンZでの商品14の集品状況を把握し、集品が終了した集品容器25を分岐装置59により送りライン58へ送りだす機能(第2制御手段の機能)を付加する必要がある。集品が終了した集品容器25は、ループ状とされたピッキングライン32より送りライン58へ送り出され、搬送されて出荷される。またこのループ型では、空の集品容器25の投入箇所(第1投入ゾーン41および第2投入ゾーン42)を、任意に設定している。
この構成によれば、戻しライン57により搬送経路をループ型とすることにより、集品容器25は循環して搬送可能とされ、したがって、空の集品容器25の投入箇所を、任意に設定しても、各ゾーンZにおけるピッキング作業が可能となり、任意の投入箇所より、ラベル26が添付された空の集品容器25を投入できる。また分岐が必要なゾーンZ内に集品容器25が多く滞留しているときは、分岐せずにループを循環した後、再度、分岐するようにすることもでき、ピッキング作業の効率を改善できる。
また図8(b)に示すように、1本ライン(ピッキングライン32)型のピッキング設備と、ループ型のピッキング設備を組み合わせて、新たなピッキング設備を構成することができる。図8(b)では、ピッキングライン32の終端に、ループ型のピッキング設備を接続している。
【0063】
また本実施の形態では、第2投入ゾーン42を、ピッキングライン32に沿って配置し、ピッキングライン32へ直接、空の集品容器25を投入する構成としているが、第2投入ゾーン42を、前記第2地点として選択された投入箇所に最も近い下流のゾーンピッキングライン33に沿って配置し、ゾーンピッキングライン33を介してピッキングライン32へ空の集品容器25を投入する構成としてもよい。図8(a)に示すループ型のピッキング整備においても同様である。
【0064】
また本実施の形態では、無線式移動可能端末44を、第2バーコードリーダ46と、送信機47と、第1ラベルプリンタ48と、移動台車49から構成しているが、無線式移動可能端末44を、バーコードリーダおよびプリンタ付きの携帯型端末により構成してもよい。
また本実施の形態では、ゾーンピッキングライン33を、搬入ローラ駆動コンベヤ(分岐経路)35、フリーコンベヤ36、および搬出ローラ駆動コンベヤ(合流経路)37により構成しているが、1ゾーンZのみで、集品容器25へのピッキング作業が終了するゾーンでは、搬送経路(ピッキングライン32)より分岐してゾーンZ内に搬入する分岐経路(搬入ローラ駆動コンベヤ35)が不要なことは言うまでもない。
また本実施の形態では、各ゾーンZには、ゾーンピッキングライン33を設けているが、各ゾーンZを、ゾーンピッキングライン33無しで、ピッキングライン32上に設定し、集品容器25をゾーンZ毎にゾーンピッキングライン33へ分岐・合流することなく、各ゾーンZに渡って搬送するように構成することもできる。このときでも、空の集品容器25をピッキングライン32に投入する第2投入ゾーン42を複数設け、店舗が割り付けられた集品容器25に対して、最初にピッキング作業を開始する開始ゾーンZに近い上流(最も近い上流のほうがよい)に位置する第2投入ゾーン42が選択され、殆どの集品容器25は、開始ゾーンZに近い第2投入ゾーン42から投入されることにより、集品容器25のピッキングライン32による無駄な搬送を回避でき、よってピッキング作業の効率を改善でき、また子ラベル26Bを、必要な投入箇所(第2投入ゾーン42)で発行できることにより、事前に子ラベル26Bを準備しておく手間を省くことができる。
【0065】
また本実施の形態では、各ゾーンZにおけるピッキング作業を、ピッキング表示器21を使用したディジタルピッキング方式としているが、ディジタルピッキング方式に限定することはなく、ピッキングカートを使用したピッキング方式など、他のピッキング方式としてもよい。
また本実施の形態では、集品容器25としてコンテナを用いているが、この集品容器25は、商品14を一時収納することができればどのようなものでもよく、例えば、段ボール、パレット等を用いることができる。
また本実施の形態では、商品棚(ピッキング棚)11として流動棚を使用しているが、商品14または収納容器15が移動しない一般棚を使用することもできる。またピッキング棚11をフリーコンベヤ36(ゾーンピッキングライン33)に沿って配置しているが、物品収納部16がゾーンZ毎に配置されていればよく、ゾーンZ毎にフリーコンベヤ36(ゾーンピッキングライン33)とは、直角な向きに配置してもよい。
また本実施の形態では、店舗を特定する符号としてバーコードを使用しているが、バーコードに限る必要はなく、数字、文字、絵文字、画像などを使用することも可能であり、このとき、数字、文字、絵文字、画像を判別できる画像処理装置を設ける。
また本実施の形態では、各ゾーンZは、1人の作業者を配置する構成としているが、各ゾーンZに複数(例えば、2人)の作業者を配置する構成とすることもできる。これにより、ゾーンZ内にピッキング対象の集品容器25が間を置くことなく搬入される状況にあっても、ゾーンZ内の作業速度が向上するため、集品容器25がゾーンZを通過する時間(ピッキング時間)を短縮でき、全体のピッキング作業の効率を向上できる。
また本実施の形態では、仕分け先を店舗としているが、店舗に限ることはなく、ユーザー別、商品などのカテゴリー別あるいは区分別、地域別、搬送トラック別などとすることもできる。
【符号の説明】
【0066】
11 ピッキング棚
14 商品
16 物品収納部
21 ピッキング表示器
24 ピッキング終了表示スイッチ
25 集品容器
26 ラベル
26A 親ラベル
26B 子ラベル
27,30 バーコード
28 伝票
29 開始ゾーンのナンバー
31 プリンタ
32 ピッキングライン
33 ゾーンピッキングライン
34 分岐装置
39,46,60 バーコードリーダ
41 第1投入ゾーン
42 第2投入ゾーン
44 無線式移動可能端末
47 送信機
48,52 ラベルプリンタ
49 移動台車
50 送受信機
53 統括コントローラ
55 ゾーンコントローラ
57 戻しライン
58 送りライン
59 分岐装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品収納部でゾーンを形成し、前記各ゾーンに渡って、予め仕分け先が割り付けられた集品容器を搬送する第1搬送経路を備え、
前記ゾーン単位で、前記第1搬送経路により搬送される前記集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記物品収納部から取り出した物品を投入するピッキング作業を行うピッキング設備であって、
空の集品容器を、前記第1搬送経路へ投入する第1投入箇所を、複数備え、
前記各第1投入箇所にそれぞれ、前記仕分け先を特定する識別符号を表示し、前記空の集品容器に添付される第1符号表示手段を発行する第1発行手段を配置し、
前記仕分け先をそれぞれ特定する識別符号と、前記各ゾーンの各物品収納部にそれぞれ収納される物品を特定する情報が設定された制御手段を備え、
前記制御手段は、各仕分け先毎に、前記仕分け先の物品要求情報と予め設定された前記各物品収納部の物品を特定する情報により、仕分け先に割り付けられた集品容器に対して、最初に前記ピッキング作業を開始するゾーンを判断し、前記複数の第1投入箇所の中から、この判断した開始ゾーンに近い上流に位置する第1投入箇所を選択し、選択した第1投入箇所に配置した前記第1発行手段へ、前記仕分け先を特定する識別符号を出力し、前記空の集品容器に添付される第1符号表示手段を発行させること
を特徴とするピッキング設備。
【請求項2】
前記仕分け先の単位で、前記仕分け先の物品要求情報を表示した用紙を発行する第2発行手段を備え、
前記制御手段は、前記仕分け先毎に、前記仕分け先の物品要求情報に、前記仕分け先を特定する情報、前記判断した開始ゾーンの情報、および前記用紙を特定する符号情報を加えた用紙発行情報を形成して前記第2発行手段へ出力し、前記用紙発行情報が表示された前記仕分け先単位の用紙を発行させること
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項3】
前記第2発行手段は、前記制御手段より入力した前記用紙発行情報の開始ゾーンの情報に基づき、開始ゾーン毎に、前記用紙発行情報が表示された仕分け先単位の用紙を発行すること
を特徴とする請求項2に記載のピッキング設備。
【請求項4】
前記仕分け先の単位で、前記仕分け先の物品要求情報を表示した用紙を発行する第2発行手段を備え、
前記制御手段は、前記仕分け先毎に、前記仕分け先の物品要求情報に、前記仕分け先を特定する情報、および前記用紙を特定する符号情報を加えた用紙発行情報を形成して前記第2発行手段へ出力し、前記用紙発行情報が表示された前記仕分け先単位の用紙を発行させ、
前記仕分け先単位の用紙より前記用紙を特定する符号情報を読み取り、前記制御手段へ出力する読み取り手段を備え、
前記制御手段には、前記物品収納部に収納される各物品の容積と、前記集品容器に収納可能な物品の容積が設定され、
前記制御手段は、予め、前記仕分け先毎に、前記仕分け先の物品要求情報と前記予め設定された各物品の容積に基づいて、仕分け先より要求された物品の総容積を求め、この総容積を、前記予め設定された集品容器に収納可能な物品の容積により除算して前記総容積を満たす集品容器の個数を求め、
前記読み取り手段より前記符号情報を入力すると、この符号情報より前記用紙発行情報を検索して、用紙に表示された仕分け先を求め、前記選択していた、この仕分け先の第1投入箇所の第1発行手段へ、前記予め求めていた、この仕分け先の前記集品容器の個数に対応する数値を出力し、
前記第1発行手段は、入力した数値に基づく枚数の前記第1符号表示手段を発行すること
を特徴とする請求項1に記載のピッキング設備。
【請求項5】
前記各第1投入箇所はそれぞれ、使用・不使用を任意に設定可能であること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のピッキング設備。
【請求項6】
ピッキング作業量が通常期と比較して少ない閑散期は、前記ピッキング作業を前記第1搬送経路の一部に連続して位置するゾーンに集約し、前記第1投入箇所を任意に不使用に設定することにより、前記通常期と比較して少なく設定すること
を特徴とする請求項5に記載のピッキング設備。
【請求項7】
複数の物品収納部でゾーンを形成し、前記各ゾーンに渡って、予め仕分け先が割り付けられた集品容器を搬送する第2搬送経路を備え、
前記ゾーン単位で、前記第2搬送経路により搬送される前記集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記物品収納部から取り出した物品を投入するピッキング作業を行うピッキング設備であって、
前記第2搬送経路の下流と上流を接続し、各ゾーンを搬送される前記集品容器の循環を可能とする戻し経路を備え、
空の前記集品容器を、前記第2搬送経路へ投入する投入箇所を、予め任意に、複数備え、
前記各投入箇所にそれぞれ、前記仕分け先を特定する識別符号を表示し、前記空の集品容器に添付される符号表示手段を発行する発行手段を配置し、
前記仕分け先をそれぞれ特定する識別符号が予め設定され、前記仕分け先毎に、任意の投入箇所に配置した前記発行手段へ、前記仕分け先を特定する識別符号の情報を出力する制御手段を備え、
前記任意の投入箇所に配置した発行手段は、入力した仕分け先を特定する識別符号を表示し、前記空の集品容器に添付される符号表示手段を発行すること
を特徴とするピッキング設備。
【請求項8】
前記第2搬送経路から、集品が終了した集品容器を送りだす送り経路と、
前記各ゾーンでの集品容器に対する物品の集品状況を把握し、前記第2搬送経路から、集品が終了した集品容器を前記送り経路へ送りだす第2制御手段
を備えること
を特徴とする請求項7に記載のピッキング設備。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−207568(P2011−207568A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76499(P2010−76499)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】