説明

ピペリジノアルカノール化合物のための医薬組成物

【課題】 本発明は、治療効率が改善されたピペリジノアルカノール化合物を含む医薬組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】 a)ピペリジノアルカノール化合物または薬学的に許容されるその塩の治療有効量;およびb)不活性成分少なくとも1つを含有する固体単位剤形の医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
米国特許3,878,217号、4,254,129号および4,285,957号に記載の通り、種々のピペリジ
ノアルカノール化合物が抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤および気管支拡張剤として有用であることが知られている。これらの種々のピペリジノアルカノール化合物の処方の例を以下に記載する。
【背景技術】
【0002】
米国特許4,929,605号においてJ. DometとD. Shahはピペリジノアルカノール化合物または薬学的に許容されるその塩の治療有効量、組成物の重量を基にして約0.1%〜約6%の量の薬学的に許容される非イオン性またはカチオン性界面活性剤、および組成物の重量を基にして約2%〜約50%の量の薬学的に許容される炭酸塩を含有する固体単位剤形の医薬組成物を記載している。
【0003】
米国特許4,996,061号においてN. WebbとG. Hammerは治療有効鬱血除去量の交感神経興
奮剤の持続放出を行う製剤から作成した独立した領域および治療有効抗ヒスタミン量のピペリジノアルカノールおよび場合により治療有効鬱血除去量の交感神経興奮剤の即時放出を行う異なる製剤から作成した独立した領域を有する複合圧縮錠剤の形態の医薬組成物を記載している。
【0004】
治療効率を改善するために種々のピペリジノアルカノール化合物のバイオアベイラビリティーを改善することに着目して研究が行われている。本発明は、ピペリジノアルカノール化合物またはその薬学的に許容される塩を不活性成分と組み合わせた固体単位剤形の医薬組成物に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は下記成分:
a) ピペリジノアルカノール化合物または薬学的に許容されるその塩の治療有効量;および
b) 不活性成分少なくとも1つ
を含有する固体単位剤形の医薬組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はまた、下記式:
【化1】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の化合物およびその個々の光学異性体、希釈剤および錠剤崩壊剤をバインダー溶液と混合して湿潤顆粒を調製し、湿潤顆粒をスクリーニングし、湿潤顆粒を乾燥するような湿潤顆粒化を包含する、湿式造粒法により調製される医薬組成物を提供する。更に、本発明は上記乾燥顆粒と滑沢剤との組み合わせも提供する。本発明は更に上記最終混合物の錠剤への圧縮成形も提供する。
【0007】
本明細書において「ピペリジノアルカノール化合物」および「ピペリジノアルカノール化合物および薬学的に許容されるその塩」とは、米国特許3,878,217号、4,254,129号および4,285,957号に開示されている式(I)、(II)および(III)の化合物を指し、上記特許は参考のために本明細書に組み込まれる。更に、「医薬組成物ピペリジノアルカノール化合物」と題する1995年2月28日出願のUSSN 08/395,952の出願も参考のために本明細書に組み込まれる。
【0008】
式(I)のピペリジノアルカノール化合物は下記式:
【化2】

〔式中R1は水素またはヒドロキシであり;R2は水素であるか;あるいは、R1とR2は一緒になってR1およびR2を担持する炭素原子の間の第2の結合を形成し;nは1〜33の整数であり;Zはチエニル、フェニルまたは置換フェニルであり、ここで置換フェニル上の置換基は未置換のフェニル環のオルト位、メタ位またはパラ位に連結していてよく、そして、ハロゲン原子、炭素原子1〜4個の直鎖または分枝鎖の低級アルキル鎖、炭素原子1〜4個の低級アルコキシ基、ジ(低級)アルキルアミノ基またはピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、またはN−(低級)アルキルピペリジノよりなる群から選択される飽和単環ヘテロ環よりなる群から選択される〕に相当する化合物または薬学的に許容されるその酸付加塩である。
【0009】
式(II)のピペリジノアルカノール化合物は下記式:
【化3】

〔式中R1は水素またはヒドロキシであり;R2は水素であるか;あるいは、R1とR2は一緒になってR1およびR2を担持する炭素原子の間の第2の結合を形成し;mは1〜5の整数であり;R3は-CH3または-CH2OHであり;AおよびBの各々は水素またはヒドロキシであるが;ただし、R3が-CH3である場合は、AまたはBの少なくとも一方は水素であり、AまたはBの一方は水素ではない〕に相当する化合物および薬学的に許容されるその塩およびその個々の光学異性体である。
【0010】
式(III)のピペリジノアルカノール化合物は、下記式:
【化4】

〔式中R1は水素またはヒドロキシであり;R2は水素であるか;あるいは、R1とR2は一緒になってR1およびR2を担持する炭素原子の間の第2の結合を形成し;mは1〜5の整数であり;R4は-CO2Hまたは-CH2アルキルであり、ここでアルキル部分は炭素原子1〜6個を有し、直鎖または分枝鎖であり;AおよびBの各々は水素またはヒドロキシであるが;ただし、AまたはBの少なくとも一方は水素である〕に相当する化合物および薬学的に許容されるその塩およびその個々の光学異性体である。
【0011】
より典型的には下記式(IIIa):
【化5】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩およびその個々の光学異性体が好ましいピペリジノアルカノール化合物である。式(IIIa)においてXが0または1であるような化合物4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩が最も好ましいピペリジノアルカノール化合物である。
【0012】
更に、下記式(IIIb):
【化6】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸の遊離の塩基およびその個々の光学異性体もまた好ましいピペリジノアルカノール化合物である。
【0013】
更に式(III)、(IIIa)および(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物の範囲に含まれるものは、多形体、偽形体および無定形体の化合物およびこれらの混合物である。より典型的には、本明細書でI型およびIII型として示される無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩の多形体が含まれる。無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩のI型多形体は以下の特徴:即ち、目視による融点(毛管)は約196〜201℃であり;示差走査熱量分析により測定した開始推定による融解吸熱温度は約195〜199℃であり;X線粉末回折パターンは本質的に、XRPDパターンをCo X線管線源を付設した粉末回折計を用いて測定した表1に示すものであるという特徴により同定される。試料をCo Κα1放射線を用いて照射し、XRPDデータを5〜55°2θの範囲で記録した(最適な方向があるため強度は大きく変化する)。
【0014】
【表1】

【0015】
無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩のIII型多形体は以下の特徴:即ち、目視による融点(毛管)は約166〜171℃であり;示差走査熱量分析により測定したブロードな吸熱は約90℃より低温に有り、開始推定による融解吸熱は約166℃にあり;X線粉末回折パターンは本質的に、XRPDパターンをCo X線管線源を付設した粉末回折計を用いて測定した表2に示すものであるという特徴により同定される。試料をCo Κα1放射線を用いて照射し、XRPDデータを5〜55°2θの範囲で記録した(最適な方向があるため強度は大きく変化する)。
【0016】
【表2】

【0017】
更に、水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩の偽形体は本明細書ではII型およびIV型と称することとする。水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩のII型偽形体は以下の特徴:即ち、目視による融点(毛管)は約100〜105℃であり;示差走査熱量分析により測定した大型のブロードな吸熱は約100℃より低温に有り、開始推定による小型の融解吸熱ピーク(約2ジュール/グラム)は約124〜126℃にあり;そしてX線粉末回折パターンは本質的に、XRPDパターンをCo X線管線源を付設した粉末回折計を用いて測定した表3に示すものであるという特徴により同定される。試料をCo Κα1放射線を用いて照射し、XRPDデータを5〜55°2θの範囲で記録した(最適な方向があるため強度は大きく変化する)。
【0018】
【表3】

【0019】
水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩のIV型偽形体は以下の特徴;即ち、目視による融点(毛管)は約113〜118℃であり;示差走査熱量分析により測定した2つのブロードな重複する吸熱は約100℃より低温に有り、開始推定による別の吸熱は約146℃にあり;そしてX線粉末回折パターンは本質的に、XRPDパターンをCo X線管線源を付設した粉末回折計を用いて測定した表4に示すものであるという特徴により同定される。試料をCo Κα1放射線を用いて照射し、XRPDデータを5〜55°2θの範囲で記録した(最適な方向があるため強度は大きく変化する)。
【0020】
【表4】

【0021】
本発明の範囲には、4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸の水和または無水の遊離の塩基の偽形体および多形体が包含される。4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸の遊離の塩基は、当該分野の技術者の良く知る技術と操作法を用いて容易に調製される。例えば、4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸の塩酸塩をメタノールに溶解し、1当
量の重炭酸ナトリウム水溶液で処理する。約5〜30分撹拌した後、白色固体を濾過して集め、水で洗浄し、風乾して4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸の遊離の塩基の二水和物が得られる。
【0022】
本明細書における炭素原子1〜4個を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基の代表例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルである。本明細書における炭素原子1〜6個を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基の代表例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシルおよびシクロヘキシルである。本明細書における炭素原子1〜4個を有する低級アルコキシ基の代表例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、s−ブトキシおよびt−ブトキシである。「ハロ」、「ハロゲン」または「ハライド」という用語はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素の原子を指す。
【0023】
「薬学的に許容される塩」とは所望の作用を達成するために投与される用量で実質的に毒性を示さず、それ自体独立して有意な薬理学的活性を有さないような式(I)、(II)、(III)および(IIIa)の塩を指す。この用語の範囲に含まれる塩は、適当な無機酸または有機酸の薬学的に許容される酸付加塩である。適当な無機酸の例は塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸である。適当な有機酸にはカルボン酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サイクラミン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、ジヒドロキシマレイン酸、安息香酸、フェニル酢酸、4−アミノ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アントラニル酸、ケイヒ酸、サリチル酸、4−アミノサリチル酸、2−フェノキシ安息香酸、2−アセトキシ安息香酸およびマンデル酸、スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸およびβ−ヒドロキシエタンスルホン酸が包含される。更に、薬学的に許容される塩にはアルカリ金属、例えばナトリウム、カリウムおよびリチウム、アルカリ土類金属、例えば、カルシウムおよびマグネシウム、IIIA族の軽金属、例えば、アルミニウム、有機アミン、例えば第1、第2または第3アミン、例えばシクロヘキシルアミン、エチルアミン、ピリジン、メチルアミノエタノールおよびピペラジンの塩のような、無機および有機の塩基を用いて形成した式(I)、(II)、(III)および(IIIa)の塩が包含される。塩は例えば適切な酸または塩基で式(I)、(II)、(III)または(IIIa)の化合物を処理する等、当該分野で良く知られた従来の方法により調製する。このような塩は、水和した形態、または、実質的に無水の形態のいずれかで存在できる。
【0024】
本明細書においては、「式I〜IIIb」という表現は式I、II、III、IIIaおよびIIIbを指す。
【0025】
本明細書においては、「共沸混合物」という用語は、液体の部分的蒸発により生じる蒸気が液体と同じ組成を有するという点で単一の物質と同様の挙動を示すような2つ以上の物質の液体混合物を指す。一定に沸騰している混合物は同じ物質の他の混合物と比較して最高または最低の何れかの沸点を示す。
【0026】
本明細書においては、「共沸蒸留」という用語は、ある物質を分離するべき混合物に添加することにより元の混合物の成分の1つ以上との共沸混合物を形成するような蒸留の種類を指す。このようにして形成された共沸物は元の混合物の沸点とは異なる沸点を有する。本明細書においては、「共沸蒸留」という用語は同時蒸留も指すものとする。
【0027】
本明細書においては、「水最小限化再結晶」という用語は、基質水和物に対する無水溶媒の比が、存在する水の%の最小限にするようなものであり、これにより基質の無水物型の析出を誘発するような再結晶を指す。
【0028】
本明細書においては「水性再結晶」という用語は、1)固体物質を、溶解させるのに十分なある量の水または水/有機溶媒混合物に溶解し、固体物質を溶媒の蒸発により回収するか;2)固体物質を、溶解させるのには十分ではない最少量の水または水/有機溶媒混合物で処理し、加熱して溶解させ、冷却して結晶化を起こすか;または、3)固体物質を、溶解させるのに十分なある量の水または水/有機溶媒混合物に溶解し、次に溶媒を部分的に蒸発させて飽和溶液を形成し、結晶化を起こすかの何れかであるような工程を指す。
【0029】
本明細書においては「結晶消化」とは固体物質を、溶解させるのには十分ではない最少量の水または水/有機溶媒混合物で処理し、所望の変換が起こるまで周囲の温度で加熱または撹拌するような工程を指す。
【0030】
本明細書においては「アンチ溶媒」とはある物質の溶液に添加した場合にその物質を析出させるような、目的の物質に対する不十分な溶媒を指す。
【0031】
本明細書においては「適当な温度」とは、溶解を起こし、かつ、アンチ溶媒の添加時、または、共沸蒸留による共溶媒の除去時の何れかに所望の物質の析出を可能にするのに十分な温度を指す。
【0032】
本明細書においては「微小化」とはピペリジノアルカノール化合物または薬学的に許容されるその塩の粒子の表面積を約1.0m2/gより広く増大させる工程を指す。
【0033】
微小化されない式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物は、約1.0m2/gより小さい粒子表面積を有する。
【0034】
本発明の医薬組成物は固体単位剤形の形態で経口投与する。固体単位剤形の例は錠剤、コーティング錠剤、粉末、糖衣錠、ハードまたはソフトゼンチンカプセル等である。本発明の好ましい固体単位剤形はカプセル、錠剤等である。最も好ましい固体単位剤形は錠剤である。単位用量とは、個々に投与される医薬組成物の量を指す。本発明の医薬組成物は抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、気管支拡張剤として、そして、蕁麻疹の治療において有用である。
【0035】
本明細書において、「患者」という用語は、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、気管支拡張剤および蕁麻疹治療の必要な、哺乳類のような温血動物を指す。「患者」という用語の範囲は、ヒト、マウスおよびラットを包含するものとする。
【0036】
治療有効量は、知られた方法を用いることより、そして類似の状況下で得られた結果の観察により、当該分野の技術者である担当診断医により容易に決定することができる。治療有効量または用量の決定においては、例えば、哺乳類の種、体格、年齢、全身状態、個々の患者の応答、投与する特定の化合物、投与方法、投与する製剤のバイオアベイラビリティー、選択された用法、併用薬剤の使用、および他の関連状況のような多くの要因を担当診断医は考慮する。
【0037】
式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物の治療有効量は、単回投与または複数回投与の用法に従って経口投与された際に、所望の治療応答(即ち、抗ヒスタミン、抗アレルギー、気管支拡張作用、または蕁麻疹の軽減または治癒)をもたらすような量である。式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物の治療有効量は、投与当たり約0.01mg/kg体重〜約20mg/kg体重の範囲で広範に変化してよい。単位製剤当たり式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物約5mg〜約360mgを与えるような医薬組成物が好ましく、単位製剤当たり約40mg〜約240mgを与えるようなものが最も好ましい。
【0038】
本発明によれば、式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物は微小化された場合に、約1.0m2/gより大きい粒子表面積を有する。微小化された場合の好ましい粒子表面積は、約2〜10m2/gであり、微小化された場合の最も好ましい粒子表面積は、約2〜6m2/gであり、微小化された場合の式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物の特に好ましい粒子表面積は、約2〜4m2/gである。
【0039】
式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物は例えば、米国特許3,878,217号、4,254,129号および4,285,957号、 1993年10月28日公開の国際出願PCT/US 93/02103号、WO 93/21156、および1995年1月5日公開の国際出願PCT/US 94/05982号、 WO 95/00480に記載された技術および操作法を用いて、当該分野の通常の方法で容易に調製され、上記特許および出願は参考のため本明細書に組み込まれる。
【0040】
式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の無水の薬学的に許容される酸付加塩は、式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の相当する水和した薬学的に許容される酸付加塩を共沸蒸留に付すことにより、式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の相当する水和した薬学的に許容される酸付加塩から調製することができる。
【0041】
例えば、適切な式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の水和した薬学的に許容される酸付加塩をまず溶解を起こすのに十分な量の適当な溶媒または溶媒混合物に溶解する。このような溶媒の例は、水、メタノール、エタノールなどのC1〜C5アルカノール類;アセトン、メチルエチルケトン等のようなケトン溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸イソプロピル等のような脂肪族エステル溶媒およびこれらの溶媒の水性混合物、例えば、アセトン/水、メチルエチルケトン/水、水/アセトンおよび水/アセトン/酢酸エチルである。この溶液に、溶解させるために用いたものと同様の溶媒、または第2の適当な無水アンチ溶媒を更に添加して、次に水や他の低沸点成分を共沸除去するのに適するような沸点まで加熱する。共沸蒸留に用いるのに適する無水のアンチ溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のようなケトン溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸イソプロピル等のような脂肪族エステル溶媒;ペンタン、ヘキサン等のようなC5〜C8脂肪族溶媒;アセトニトリルのような脂肪族ニトリル類、およびこれらの溶媒の混合物、例えば、アセトン/酢酸エチルなどである。水と溶媒の共沸混合物は、共沸混合物が完全に除去されたことを示す温度変化があるまで蒸留により除去する。反応混合物を冷却し、式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の相当する無水の薬学的に許容される酸付加塩を例えば濾過により反応領域から回収する。
【0042】
更に、式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の無水の薬学的に許容される酸付加塩は式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の相当する水和した薬学的に許容される酸付加塩を水最小限化再結晶に付することにより、式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の相当する水和した薬学的に許容される酸付加塩から調製してよい。
【0043】
例えば、適切な式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の水和した薬学的に許容される酸付加塩を溶解を起こすのに十分な量の適切な無水溶媒または溶媒混合物に溶解し、還流下に加熱する。このような溶媒の例は、水、メタノール、エタノールなどのC1〜C5アルカノール類;アセトン、メチルエチルケトン等のようなケトン溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸イソプロピル等のような脂肪族エステル溶媒およびこれらの溶媒の水性混合物、例えば、アセトン/水、メチルエチルケトン/水、水/アセトンおよび水/アセトン/酢酸エチルである。次に、溶解させるために用いたものと同様の溶媒、または第2の適当な無水アンチ溶媒を、式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の無水の薬学的に許容される酸付加塩の析出を開始するのに十分な量で更に添加する。適当な無水アンチ溶媒は、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のようなケトン溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸イソプロピル等のような脂肪族エステル溶媒;アセトン/酢酸エチル等のようなケトン溶媒と脂肪族エステル溶媒の混合物;ペンタン、ヘキサン等のようなC5〜C8脂肪族溶媒;アセトニトリルのような脂肪族ニトリル類、およびこれらの溶媒の混合物、例えば、アセトン/酢酸エチル等、並びに、アセトン/水のような水とケトン溶媒の混合物;および、アセトン/水/酢酸エチルのような水、ケトン溶媒および脂肪族エステル溶媒の混合物である。反応混合物を冷却し、式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の相当する無水の薬学的に許容される酸付加塩を例えば濾過により反応領域から回収する。
【0044】
無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩の多形体(I型およびIII型)は以下に記載する種々の方法により調製することができる。
【0045】
III型からI型
例えば、無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(I型)は、無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(III型)を上記した結晶消化に付すことにより、無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(III型)から調製することができる。
【0046】
II型からIII型
更に、無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(III型)は、水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(II型)を上記した水最小限化再結晶に付すことにより、水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(II型)から調製することができる。
【0047】
II型からI型
更に、無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(I型)は、水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(II型)を上記した水最小限化再結晶に付すか、または、水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(II型)を共沸蒸留に付すことにより、水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(II型)から調製することができる。
【0048】
IV型からI型
更に、無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(I型)は、水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(IV型)を上記した水最小限化再結晶または共沸蒸留に付すことにより、水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(IV型)から調製することができる。
【0049】
式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の水和した薬学的に許容される酸付加塩は、下記式(IV):
【化7】

〔式中R1は水素またはヒドロキシであり;R2は水素であるか;あるいは、R1とR2は一緒になってR1およびR2を担持する炭素原子の間の第2の結合を形成し;mは1〜5の整数であり;R4は-CO2アルキルであり、ここでアルキル部分は炭素原子1〜6個を有し、直鎖または分枝鎖であり;AおよびBの各々は水素またはヒドロキシであるが;ただし、AまたはBの少なくとも一方は水素である〕の相当する化合物を原料として、約1/2時間〜8時間の範囲の反応時間、約0℃〜溶媒還流温度の範囲の温度で、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールまたはn−ブタノール、その水性混合物、またはその塩基性溶液のような適当な溶媒中、ナトリウムボロハイドライド、カリウムボロハイドライド、ナトリウムシアノボロハイドライド、またはテトラメチルアンモニウムボロハイドライドのような適切な還元剤を用いて、式(IV)の相当する化合物を還元することにより、調製することができる。塩酸のような適切な酸でクエンチングし酸性化した後、式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の水和した薬学的に許容される酸付加塩を結晶化および濾過により反応領域から回収する。
【0050】
更に、式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の水和した薬学的に許容される酸付加塩は、相当する式(III)および(IIIa)の無水の薬学的に許容される酸付加塩を水性再結晶に付すことにより、式(III)、(IIIa)および(IIIb)の相当する無水の薬学的に許容される酸付加塩から調製することができる。
【0051】
例えば、適切な式(I)および(II)のピペリジノアルカノール化合物の無水の薬学的に許容される酸付加塩を溶解を起こすには不十分な、最少量の水、または適当な水/有機溶媒混合物で処理し、還流下に加熱する。反応混合物を冷却し、相当する式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の水和した薬学的に許容される酸付加塩を例えば濾過により反応領域から回収する。あるいは、適切な式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の無水の薬学的に許容される酸付加塩を溶解を起こすのに十分な量の水または適当な水/有機溶媒混合物で処理し、水または水/有機溶媒を、式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の水和した薬学的に許容される酸付加塩の結晶化を誘発するような容量まで、部分的または完全に蒸発させる。上記再結晶に用いるのに適する溶媒は、水、アセトン/水、エタノール/水、メチルエチルケトン/水性メタノール、メチルエチルケトン/水等である。
【0052】
水和した4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩の偽形体(II型およびIV型)は以下に記載するような種々の方法により調製することができる。
【0053】
エチルエステル/ケトンからII型
水和した4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(IV型)は、R3が-COOアルキルであるような式(IV)の相当する化合物からの式(III)のピペリジノアルカノール化合物の水和した薬学的に許容される酸付加塩の一般的調製に関して前に記載した通り、エチル4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−オキソブチル〕−α,α−ジメチルベンゼンアセテート、塩酸塩または遊離の塩基から調製し、約−20℃〜50℃の範囲の温度で1分〜45分の範囲の時間に渡り急速に水を添加しながら、水和した4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(II型)を析出させた。
【0054】
エチルエステル/ケトンからIV型
水和した4−〔4−〔4−ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(IV型)は、R3が-COOアルキルであるような式(IV)の相当する化合物からの式(III)のピペリジノアルカノール化合物の水和した薬学的に許容される酸付加塩の一般的調製に関して前に記載した通り、エチル4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−オキソブチル〕−α,α−ジメチルベンゼンアセテートの塩酸塩または遊離の塩基から調製し、約0℃〜50℃の範囲の温度で約30分〜24時間の範囲の時間に渡りゆっくり水を添加しながら、場合により、結晶種を用いながら、水和した4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(IV型)を析出させた。
【0055】
I型からII型
水和した4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(II型)は、無水の4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(I型)から、水和した4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(II型)を上記した水性再結晶に付すことにより調製することができる。
【0056】
本発明で用いる出発物質は、当業者が容易に入手できるものである。例えば、エチル4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−オキソブチル〕−α,α−ジメチルベンゼンアセテートの塩酸塩は1981年3月3日の米国特許4,254,129号に記載されている。
【0057】
所望の粒子表面積を有する式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物の調製は、当該分野の通常の方法で容易に行われる。例えば、ジェットミル(Jet-O-Mizer(R),Fluid Energy Processing and Equipment Company, Hatfield, Pennsylvania)を用いてピペリジノアルカノール化合物をミリングすることにより表面積を大きくすることができる。マイクロジェット(Fluid Energy Processing and Equipment Company)およびSturtevant Micronizer (Sturtevant, Boston, MA)のような同様のミルも用いることができる。ジェットミルを用いる場合は、ピペリジノアルカノール化合物の粒子は圧縮空気を用いてミリングチャンバー内で加速する。ピペリジノアルカノール粒子の表面積は粒子対粒子の衝撃により増大する。ミルは、粒子がミリングチャンバーから吐出され、収集容器内に収集されるように設計されている。微細な粒子もまたフィルターバッグに収集される。ミリングされたピペリジノアルカノール化合物の粒子の表面積は、圧縮空気の圧力により、そしてピペリジノアルカノール化合物のミルへの供給量により影響される。粒子表面積の増大は、当該分野の通常の方法で決定される条件下でのピペリジノアルカノール化合物の制御結晶化によっても行ってよい。
【0058】
式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物の粒子表面積は当該分野の通常技術を有する者が容易に測定できる。例えば、表面積は、BET法により測定できる(S. Brunauer, P.H. EmmetおよびE. Teller, J.Amer, Chem. Soc., 60 (1938) 309-319参照)。Quantasorb(R)ガス収着システム(Quantachrome Corp., Syosset. NY 11791)のようなガス吸着機器を用いて窒素吸着による多点分析を行うことができる。
【0059】
本明細書においては「不活性成分」とは単独で、または、種々の組み合わせにおいて使用できる製薬学分野で良く知られた治療上不活性な成分を指し、例えば、バインダー、希釈剤、滑沢剤、滑剤、甘味剤、錠剤崩壊剤、着色剤、着香剤、抗酸化剤、可溶化剤、コーティング剤等を包含し、米国薬局方XXII、1990 (The United States Pharmacopeial Convention, Inc. 1989)、1857-1859ページに記載されているとおりである、この文献は参考のために本明細書に組み込まれる。例えば、以下の不活性成分、即ち、バインダー、例えばゼラチン、ポリビニルピロリドン(PVP)、アルファ化澱粉、ポビドン、セルロース誘導体、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドキシプロピルセルロース(HPC)、スクロース等;希釈剤、例えば炭酸カルシウム、乳糖、澱粉、微結晶セルロース等;滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、タルク、水添植物油など;滑剤、例えば、二酸化ケイ素、タルク等;錠剤崩壊剤、例えばアルギン酸、メタクリル酸DVB、架橋PVP、微結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム(croscarmellose sodium)、クロスポビドン、ポラクリリンカリウム、ナトリウム澱粉グリコレート、澱粉、アルファ化澱粉等;好ましい錠剤崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウム、澱粉、アルファ化澱粉およびナトリウム澱粉グリコレート、最も好ましい錠剤崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウム;甘味剤;着色剤;着香剤;抗酸化剤;等を、単独で、または種々の組み合わせにおいて、用いることができる。上記した不活性成分は、総組成物の重量を基にして約95%までの量で存在することができる。
【0060】
不活性成分の適当な組み合わせは微結晶セルロース、アルファ化澱粉、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウムおよびナトリウム澱粉グリコレートを、約20〜約85%、5%〜約50%、1%〜約15%、0.05%〜約3%、5%〜約50%、および1%〜約15%の量で含有する。不活性成分の好ましい組み合わせは微結晶セルロース、アルファ化澱粉、炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムおよびナトリウム澱粉グリコレートを、約20〜約85%、5%〜約50%、5%〜約50%、0.05%〜約3%および1%〜約15%の量で含有する。不活性成分の別の好ましい組み合わせは、微結晶セルロース、アルファ化澱粉、ステアリン酸マグネシウムおよびクロスカルメロースナトリウムを、約20〜約85%、5%〜約50%、0.05%〜約3%、1%〜約10%の量で含有する。不活性成分の最も好ましい組み合わせは、クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、乳糖、アルファ化澱粉およびゼラチンを、約1〜約10%、20%〜約85%、20%〜約85%、1%〜約30%および1%〜約15%の量でそれぞれ含有する。不活性成分の特に好ましい組み合わせは、クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、乳糖、アルファ化澱粉、ゼラチンおよびステアリン酸マグネシウムを、約1〜約10%、 20%〜約85%、20%〜約85%、1%〜約30%、1%〜約15%および0.05%〜約3%の量でそれぞれ含有する。表5に示す以下の例1〜7は錠剤またはカプセル剤形の調製において使用できる個々の不活性成分の最も好ましい量を示すものである。
【0061】
【表5】

【0062】
表5における上記の数値は、組成物の重量%として示したものである。#2、#3および#4の括弧内の数値は、錠剤をコーティングした後の組成物の重量%である。当該分野の技術者の知るとおり、上記した不活性物質の組み合わせは、4−〔4−〔4−(ヒドキ
シジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩のような式(I)〜(IIIb)の選択されたピペリジノアルカノール
化合物またはその多形体、偽形体またはその混合物と組み合わせた後、製薬分野で良く知られた方法を用いてカプセルまたは錠剤のような選択された単位剤形に製造する。
【0063】
一般的に、本発明の固体単位剤形は以下に示す方法を用いてカプセル形態に調剤製造する。
【0064】
所望の不活性成分を当該分野で良く知られた通常の技術と操作法を用いて式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物と混合する。例えば、微結晶セルロース、乳糖、アルファ化澱粉および粒子表面積が約1m2/gより大きい4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩のような式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物を混合する。水中のゼラチンの溶液を添加し、粉末混合物に添加混合する。次に得られた湿潤顆粒を乾燥し、均一な粒径になるまでミリングする。次にクロスカルメロースナトリウムをミリングされた顆粒に添加し、混合して最終顆粒を形成する。次にこの顆粒を当該分野で良く知られる通り、従来の条件下ハードゼラチンカプセルに充填する。
【0065】
一般的に、本発明の固体単位剤形は以下の方法を用いて錠剤形態に調剤製造できる。
【0066】
所望の不活性成分を当該分野で良く知られた通常の技術と操作法を用いて式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物と混合する。例えば、微結晶セルロース、乳糖、アルファ化澱粉および粒子表面積が約1.0m2/gより大きい4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩のような式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物、またはその多形体、偽形体またはその混合物を混合する。水中のゼラチンの溶液を添加し、粉末混合物に添加混合する。次に得られた湿潤顆粒を乾燥し、均一な粒径になるまでミリングする。次にクロスカルメロースナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムをミリングされた顆粒に添加し、混合して最終顆粒を形成する。次にこの顆粒を当該分野で良く知られる通り、従来の条件下、圧縮成形して錠剤とする。圧縮錠剤は製薬分野で一般的に使用される良く知られた標準的な成分および操作法を用いてフィルムコーティングできる。
【0067】
別の一般的な方法においては、微結晶セルロース、アルファ化澱粉、クロスカルメロースナトリウムの一部および4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩のような式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物を混合する。水を添加し、粉末混合物と混合する。次に得られた湿潤顆粒を乾燥しミリングして均一な粒径とする。更に微結晶セルロースおよびクロスカルメロースナトリウムを顆粒に添加し、混合する。最後に、ステアリン酸マグネシウムを添加し、混合物と混合して最終顆粒を形成する。次にこの顆粒を当該分野で良く知られた従来の条件下で圧縮成形して錠剤とする。圧縮錠剤は製薬分野で使用される良く知られた標準的な成分および操作法を用いてフィルムコーティングできる。
【0068】
別の実施例では、微結晶セルロース、アルファ化澱粉、炭酸カルシウム、ナトリウム澱粉グリコレートの一部、および4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩のような式(I)〜(IIIb)の化合物、またはその多形体、偽形体またはその混合物を混合する。水を添加し、粉末混合物と混合する。次に得られた湿潤顆粒を乾燥しミリングして均一な粒径とする。更に微結晶セルロースおよび残りのナトリウム澱粉グリコレート混合する。得られた混合物をステアリン酸マグネシウムと混合し、最終顆粒を形成する。次にこの顆粒を当該分野で良く知られた従来の条件下圧縮成形して錠剤とする。圧縮錠剤は製薬分野で使用される良く知られらた標準的な成分および操作法を用いてフィルムコーティングできる。
【0069】
上記した操作法はまた、4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩のような式(I)〜(IIIb)のピペリジノアルカノール化合物、またはその多形体、偽形体またはその混合物が約1m2/gより小さい粒子表面積を有するような固体単位剤形の調製のために用いてもよい。
【0070】
固体単位剤形が錠剤である表5の#1〜4の場合は、米国薬局方23(U.S. Pharmacopeial Convention, Inc., Rockville, MD, 20852(1995), 1791-1793ページ、参考のため本明細書に組み込まれる)に記載される通り、USP装置2により測定した場合に、温度約37℃約50rpmの条件の水中では、45分間で溶出する下記式:
【化8】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の化合物およびその個々の光学異性体の量は標示値の75%以上である。
【0071】
固体単位剤形が錠剤である表5の記載#5〜7の場合は、米国薬局方23(U.S. Pharmacopeial Convention, Inc., Rockville, MD, 20852(1995), 1791-1793ページ、参考のため本明細書に組み込まれる)に記載される通り、USP装置2により測定した場合に、温度約37℃約50rpmの条件の0.001N塩酸水溶液中では、45分間で溶出する下記式:
【化9】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の化合物およびその個々の光学異性体の量は標示値の75%以上である。
【0072】
以下の実施例は、例示のみを目的としており、本発明の範囲を限定する意図はない。試薬および原料は当業者が容易に入手できるものである。本明細書では、用語の定義として、「m2/g」はグラム当たりの平方メートルを指し、粒子の表面積の尺度として用い;「kg」はキログラムであり;「g」はグラムであり;「mmol」はミリモルであり;「ml」はミリリットルであり;「bp」は沸点であり;「mp」は融点であり;「℃」は摂氏の温度であり;「°F」は華氏の温度であり;「mmHg」はミリメートル水銀柱であり;「μl」はマイクロリットルであり;そして「μg」はマイクログラムを指すものとする。
【0073】
実施例1 経口投与用20mgゼラチンカプセル
粒子表面積が約2〜4m2/gである4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩32.4kg、微結晶セルロース76.1kg、乳糖76.1kgおよびアルファ化澱粉21.6kgを合わせ、5分間ミキサー中で混合した。この混合物に、精製水55.0kg中のゼラチン7.9kgの溶液(水にゼラチンを添加し、分散液がゼラチン溶液となるまで混合しながら加熱することにより調製)を添加し、良好な顆粒が形成されるまで混合を継続した。0.375インチのスクリーンに顆粒を通し、125℃でComputrac水分バランスにより測定した場合に水分含有量が3.0%未満となるまで60℃で乾燥した。乾燥した顆粒を0.065インチのスクリーンを通してミリングした。顆粒にクロスカルメロースナトリウム10.8kgを添加し、約10分間混合した。顆粒をサイズ3のハードゼラチンカプセルに充填し、カプセル当たり顆粒138.9mgの充填重量となるようにした。この操作法により以下の表6に示す組成の約1,620,000個のカプセルが得られた。
【0074】
【表6】

【0075】
実施例2 経口投与用30mgカプセル
粒子表面積が約2〜4m2/gである4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩144.0g、微結晶セルロース338.5g、乳糖338.5gおよびアルファ化澱粉96.0gをブレンダー中で合わせ混合した。この粉末混合物に、精製水286.1g中のゼラチン35.0gの溶液(水にゼラチンを添加し、分散液がゼラチン溶液となるまで混合しながら加熱することにより調製)を添加し、良好な顆粒が形成されるまで混合を継続した。スクリーンに顆粒を通し、必要に応じて顆粒を乾燥した。乾燥した顆粒をミリングした。ブレンダー中のミリングされた顆粒にクロスカルメロースナトリウム48.0gを添加し混合した。最終顆粒をサイズ1のハードゼラチンカプセルに所望の重量となるように充填した。この操作法により以下の表7に示す組成の総充填重量各208.3mgのカプセル4801個が得られた。
【0076】
【表7】

【0077】
実施例3 経口投与用30mgカプセル
粒子表面積が約2〜4m2/gである4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩144.1g、微結晶セルロース338.5g、乳糖338.5gおよびアルファ化澱粉96.0gをブレンダー中で合わせ混合した。この粉末混合物に、精製水286.2g中のゼラチン35.1gの溶液(水にゼラチンを添加し、分散液がゼラチン溶液となるまで混合しながら加熱することにより調製)を添加し、良好な顆粒が形成されるまで混合を継続した。スクリーンに顆粒を通し、必要に応じて顆粒を乾燥した。乾燥した顆粒をミリングした。ブレンダー中のミリングされた顆粒にクロスカルメロースナトリウム48.0gを添加し混合した。混合物にステアリン酸マグネシウム4.8gを添加し、さらに混合した。最終顆粒をサイズ1のハードゼラチンカプセルに所望の重量となるように充填した。この操作法により以下の表8に示す組成の総充填重量各209.3mgのカプセル4802個が得られた。
【0078】
【表8】

【0079】
実施例4 経口投与用40mgゼラチンカプセル
粒子表面積が約2〜4m2/gである4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩32.4g、微結晶セルロース76.1kg、乳糖76.1kgおよびアルファ化澱粉21.6kgを合わせ、5分間ミキサー中で混合した。この混合物に、精製水55.0kg中のゼラチン7.9kgの溶液(水にゼラチンを添加し、分散液がゼラチン溶液となるまで混合しながら加熱することにより調製)を添加し、良好な顆粒が形成されるまで混合を継続した。0.375インチのスクリーンに顆粒を通し、125℃でComputrac水分バランスにより測定した場合に水分含有量が3.0%未満となるまで60℃で乾燥した。乾燥した顆粒を0.065インチのスクリーンを通してミリングした。顆粒にクロスカルメロースナトリウム10.8kgを添加し、約10分間混合した。顆粒をサイズ1のハードゼラチンカプセルに充填し、カプセル当たり顆粒277.8mgの総充填重量となるようにした。この操作法により以下の表9に示す組成の約810,000個のカプセルが得られた。
【0080】
【表9】

【0081】
実施例5 経口投与用60mgゼラチンカプセル
粒子表面積が約2〜4m2/gである4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩32.4g、微結晶セルロース76.1kg、乳糖76.1kgおよびアルファ化澱粉21.6kgを合わせ、5分間ミキサー中で混合した。この混合物に、精製水55.0kg中のゼラチン7.9kgの溶液(水にゼラチンを添加し、分散液がゼラチン溶液となるまで混合しながら加熱することにより調製)を添加し、良好な顆粒が形成されるまで混合を継続した。0.375インチのスクリーンに顆粒を通し、125℃でComputrac水分バランスにより測定した場合に水分含有量が3.0%未満となるまで60℃で乾燥した。乾燥した顆粒を0.065インチのスクリーンを通してミリングした。顆粒にクロスカルメロースナトリウム10.8kgを添加し、約10分間混合した。顆粒をサイズ0のハードゼラチンカプセルに充填し、カプセル当たり顆粒416.7mgの総充填重量となるようにした。この操作法により以下の表10に示す組成の約540,000個のカプセルが得られた。
【0082】
【表10】

【0083】
実施例6 経口投与用30mg錠剤
粒子表面積が約2〜4m2/gである4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩144.1g、微結晶セルロース338.5g、乳糖338.5gおよびアルファ化澱粉96.0gを合わせ、5分間ミキサー中で混合した。この粉末混合物に、精製水286.2g中のゼラチン35.1gの溶液(水にゼラチンを添加し、分散液がゼラチン溶液となるまで混合しながら加熱することにより調製)を添加し、良好な顆粒が形成されるまで混合を継続した。スクリーンに顆粒を通し、必要に応じて顆粒を乾燥した。乾燥した顆粒をミリングし、クロスカルメロースナトリウム48.0gを添加し、ブレンダー中で混合した。次に、ステアリン酸マグネシウム4.8gをブレンダーに添加し、更に混合した。最終顆粒を圧縮成形して錠剤とした。錠剤をコーティングパンに入れ、水138.0g中のオパドライ(Opadry)YS-1-18027-A(Colorcon, West Point PA) 30.0gの分散液、および、水121.9g中のオパドライYS-1-19016(Colorcon, West PointPA) 10.6gの分散液で錠剤をコーティングした。この操作法により以下の表11に示す組成の総重量各217.8mgの錠剤4802個が得られた。表11中の括弧内のパーセントは錠剤をコーティングした後の組成物の重量を基にした重量%である。
【0084】
【表11】

【0085】
実施例7 経口投与用30mg錠剤
粒子表面積が約2〜4m2/gである4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩149.9g、微結晶セルロース214.2g、炭酸カルシウム218.7gおよびアルファ化澱粉411.6gをブレンダー中で合わせ、混合した。この粉末混合物に、精製水400.0g中のゼラチン45.5gの溶液(水にゼラチンを添加し、分散液がゼラチン溶液となるまで混合しながら加熱することにより調製)を添加し、良好な顆粒が形成されるまで混合を継続した。スクリーンに顆粒を通し、必要に応じて顆粒を乾燥した。残りの微結晶セルロースをスクリーニングし、微結晶セルロース274.1gをナトリウム澱粉グリコレート78.3gとともにブレンダー中の乾燥顆粒に添加し、混合した。ステアリン酸マグネシウムをスクリーニングし、ステアリン酸マグネシウム7.5gを混合物に添加し、更に混合した。最終顆粒を圧縮成形して錠剤とした。錠剤をコーティングパンに入れ、水191.0g中のオパドライ(Opadry)YS-1-18027-A(Colorcon,West Point PA)42.0gの分散液、および、水166.8g中のオパドライYS-1-19016(Colorcon, West Point PA)14.5gの分散液で錠剤をコーティングした。この操作法により以下の表12に示す組成の総重量各291.3mgの錠剤4999個が得られた。表12中の括弧内のパーセントは錠剤をコーティングした後の組成物の重量を基にした重量%である。
【0086】
【表12】

【0087】
実施例8 経口投与用30mg錠剤
粒子表面積が約2〜4m2/gである4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩149.9g、微結晶セルロース214.2g、炭酸カルシウム218.7gおよびアルファ化澱粉434.3gをブレンダー中で合わせ、混合した。この粉末混合物に、精製水460.0gを添加し、良好な顆粒が形成されるまで混合した。スクリーンに顆粒を通し、必要に応じて顆粒を乾燥した。残りの微結晶セルロースをスクリーニングし、微結晶セルロース296.8gをナトリウム澱粉グリコレート78.3gとともにブレンダー中の乾燥顆粒に添加し、混合した。ステアリン酸マグネシウムをスクリーニングし、ステアリン酸マグネシウム7.5gを混合物に添加し、更に混合した。最終顆粒を圧縮成形して錠剤とした。錠剤をコーティングパンに入れ、水191.3g中のオパドライ(Opadry)YS-1-18027-A(Colorcon, West Point PA)42.0gの分散液、および、水166.8g中のオパドライYS-1-19016(Colorcon, West Point PA)14.5gの分散液で錠剤をコーティングした。この操作法により以下の表13に示す組成の総重量各291.3mgの錠剤4999個が得られた。表13中の括弧内のパーセントは錠剤をコーティングした後の組成物の重量を基にした重量%である。
【0088】
【表13】

【0089】
実施例9
実施例1〜8に記載した方法と同様の方法で、粒子表面積が約2m2/g〜約6m2/gの4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩を用いて、それぞれの錠剤およびカプセルを調製した。
【0090】
実施例10
実施例1〜8に記載した方法と同様の方法で、粒子表面積が約2m2/g〜約10m2/gの4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩を用いて、それぞれの錠剤およびカプセルを調製した。
【0091】
実施例11
実施例1〜8に記載した方法と同様の方法で、粒子表面積が約1m2/gより大きい4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩を用いて、それぞれの錠剤およびカプセルを調製した。
【0092】
実施例12
実施例1〜8に記載した方法と同様の方法で、4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩が約1.0m2/gより小さい粒子表面積を有するように微小化しなかった4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩を用いて、それぞれの錠剤およびカプセルを調製した。
【0093】
実施例13
実施例1〜12に記載した方法を用いて、4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩を約5mg〜約120mgを含有するような錠剤およびカプセルを調製した。4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩および不活性成分は、前に記載した実施例に基づいて当業者が容易に決定しうるような、記載した重量%で存在するものとした。例えば、当業者は同様に実施例1〜12の操作法に従って、既に記載したものの他に、4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩が10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mgおよび120mgの量で存在するような錠剤およびカプセルを調製することができる。
【0094】
実施例14 経口投与用180mg錠剤
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩180.0g、微結晶セルロース(Avicel pH 101)78.0g、アルファ化澱粉180.0gおよびナトリウムクロスカルメロース36.0gの一部をブレンダー中で合わせ、混合した。粉末混合物に、精製水180gを添加し、混合した。得られた湿潤顆粒を乾燥した。乾燥した顆粒を20メッシュのスクリーンでスクリーニングした。顆粒をブレンダーに移し、微結晶セルロース(Avicel PH102)121.5gおよび残りのナトリウムクロスカルメロースを添加した。これらの成分を混合した、ステアリン酸マグネシウム4.5gを添加し、混合した。最終顆粒を圧縮成形して錠剤とした。表14は錠剤をコーティングする前の重量を基にした重量%で各錠剤の組成を示している。
【0095】
ピーチ水性コーティングで圧縮錠剤をコーティングするために、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(USP2910 E-15)2.84g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(USP2910 E-5)1.89g、ポビドン(Povidone)(USP)0.51g、二酸化チタン(USP)2.02g、ピンク酸化鉄混合物0.025g、イエロー酸化鉄混合物0.04g、二酸化ケイ素(M7)0.73g、ポリエチレングリコール400(N.F.)3.94gおよび精製水約88gを含有する水性懸濁液を調製した。錠剤をコーティングパンに入れ、ピーチ水性懸濁液を用いて錠剤をコーティングし、重量を約3%増加させた。この操作法により、総重量618.0mgの錠剤が得られた。
【0096】
【表14】

【0097】
実施例15 経口投与用180mg錠剤
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩180.0g、微結晶セルロース(Avicel PH101)84.5g、アルファ化澱粉240.0g、炭酸カルシウム(重質)125.0g、およびナトリウム澱粉グリコレート80.0gの一部をブレンダー中で合わせ、混合した。粉末混合物に水224gを添加し、混合した。得られた湿潤顆粒を乾燥した。乾燥した顆粒を20メッシュのスクリーンでスクリーニングした。顆粒をブレンダーに移した。微結晶セルロース(Avicel PH102)84.5gおよび残りのナトリウム澱粉グリコレートを添加した。これらの成分を混合した。ステアリン酸マグネシウム6.0gを添加し、混合した。最終顆粒を圧縮成形して錠剤とした。表15は錠剤をコーティングする前の重量を基にした重量%で各錠剤の組成を示している。
【0098】
ホワイト水性コーティングで圧縮錠剤をコーティングするために、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(USP2910 E-15)2.84g、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(USP2910 E-5)1.89g、ポビドン(Povidone)(USP)0.51g、二酸化チタン(USP)2.1g、二酸化ケイ素(M7)0.73g、ポリエチレングリコール400(N.F.)3.94gおよび精製水約88gを含有する水性懸濁液を調製した。錠剤をコーティングパンに入れ、ホワイト水性懸濁液を用いて錠剤をコーティングし、重量を約3%増加させた。この操作法により、総重量824.0mgの錠剤が得られた。
【0099】
【表15】

【0100】
実施例16 経口投与用180mg錠剤
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩180.0g、微結晶セルロース(Avicel PH101)154.0g、アルファ化澱粉57.5g、および乳糖(含水物、Fast-Flo)154gをブレンダー中で合わせ、混合した。水142gにゼラチン21.2gを添加し、分散液を加熱することにより顆粒化液を調製した。
【0101】
顆粒化液を粉末混合物に添加し、混合した。得られた湿潤顆粒を乾燥した。乾燥した顆粒を20メッシュのスクリーンでスクリーニングした。顆粒をブレンダーに移した。ナトリウムクロスカルメロース28.8gを顆粒に添加し、混合した。ステアリン酸マグネシウム4.5gを顆粒に添加し、混合した。最終顆粒を圧縮成形して錠剤とした。表16は錠剤をコーティングする前の重量を基にした重量%で各錠剤の組成を示している。
【0102】
最終錠剤は、ピーチ水性コーティングで実施例14に記載の通り、またはホワイト水性コーティングで実施例15に記載の通り、同様の方法でコーティングした。
【0103】
【表16】

【0104】
実施例17 経口投与用60mg錠剤
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩60g、微結晶セルロース141.0g、乳糖141.0g、およびアルファ化澱粉40gをブレンダー中で合わせ、混合した。この混合物に、精製水101.9g中のゼラチン14.7gの溶液(水にゼラチンを添加し、分散液がゼラチン溶液となるまで混合しながら加熱することにより調製)を添加し、顆粒が形成されるまで混合を継続した。スクリーンに顆粒を通し乾燥した。顆粒にクロスカルメロースナトリウム20.0gを添加し、混合した。次に混合物にステアリン酸マグネシウム2.1gを添加し、更に混合した。最終顆粒を圧縮成形して錠剤とした。表17は錠剤をコーティングする前の重量を基にした重量%で各錠剤の組成を示している。
【0105】
得られた錠剤は実施例6に記載の方法と同様にしてオパドライYS-1-18027-AおよびオパドライYS-1-19016でコーティングした。あるいは、得られた錠剤は、ピーチ水性コーティングで実施例14に記載の通り、またはホワイト水性コーティングで実施例15に記載の通り、同様の方法でコーティングした。
【0106】
【表17】

【0107】
実施例18
実施例14〜17に記載した方法と同様の方法で、粒子表面積が約2m2/g〜約6m2/gの4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩を用いて、錠剤を調製した。
【0108】
実施例19
実施例14〜17に記載した方法と同様の方法で、粒子表面積が約2m2/g〜約10m2/gの4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩を用いて、錠剤を調製した。
【0109】
実施例20
実施例14〜17に記載した方法と同様の方法で、粒子表面積が約1m2/gより大きい4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩を用いて、錠剤を調製した。
【0110】
実施例21
実施例14〜17に記載した方法と同様の方法で、4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩が約1.0m2/gより小さい粒子表面積を有するように微小化しなかった4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩を用いて、それぞれの錠剤およびカプセルを調製した。
【0111】
以下の実施例は式(III)および(IIIa)のピペリジノアルカノール化合物の無水または水和された薬学的に許容される酸付加塩、その多形体および偽形体を調製するための典型的な方法を示すものである。これらの実施例は説明を目的とするのみであり、本発明の範囲を制限する意図は全くない。
【0112】
示差走査熱量分析は、開放アルミニウムパンを用いてTA2910DSCで実施した。50mL/分での窒素パージを行いながら5℃/分の割合で240℃まで試料を加熱した。
X線粉末回折分析は以下の通り実施した。
【0113】
試料をXRPDパターン測定用石英(散乱ゼロ)試料ホルダーに入れた。XRPDパターンはCo X線管線源、一次ビームモノクロメーターおよび位置感受性検知器(PSD)を搭載した粉末回折測定器を用いて測定した。1°の発散スリットを用いて入射ビームを視準した。PSD
の活性領域は約5°2θに相当するものであった。線源を35kV、30mAで走査し、試料をCo Κα1放射線で照射した。XRPDデータは0.25°2θ/分の割合で、ステップ幅0.02°2θで5〜55°2θの範囲で記録した。XRPDパターンは内部標準物質を添加することなく測定した。
【0114】
最も顕著な特徴に対するピーク位置および強度をダブルデリバティブピーク選択法を用いて測定した。I/I0が20%より大きいX線ピークを記録した。カットオフは任意に選択した。強度は最も近い5%おきの数値として記録した。特定のピークは、結晶形態の変化によって生じる最適な配向に対して感応する。これによりI/I0値の大きな変化が生じる。
【0115】
実施例22 II型の調製
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩
方法A
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−オキソブチル〕−α,α−ジメチルベンゼンアセテート塩酸塩(101.92g、0.1807モル)をメタノール(510mL)と混合し、撹拌した。50%水酸化ナトリウム(72.27g、0.903モル)を急速に添加し、水(61ml)で洗浄した。2時間還流下に加熱し、35℃まで放冷し、ナトリウムボロハイドライド(3.42g、0.0903モル)で処理した。水(100mL)を添加し、10時間、35℃に維持した。37%塩酸(53.0g)を添加し、pHを11.5とした。アセトン(26.5ml)および水(102ml)を添加した。2時間、35℃に維持し、37%塩酸(44.69g)でpHを2.5とした。水(408ml)で希釈し、−15℃まで冷却し、1.5時間撹拌し、真空濾過により沈殿を回収した。フィルターケーキを脱イオン水(3×100ml)で洗浄し、真空乾燥して4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(97.10g)を得た。
【0116】
方法B
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−オキソブチル〕−α,α−ジメチルベンゼンアセテート塩酸塩(60.01g、0.106モル)を1L容の三つ口丸底フラスコに入れ、フラスコにメカニカルスターラー、クライゼンヘッド、温度計および窒素バブリング器が上端に付いた還流冷却器を装着した。メタノール(300ml)を添加し、スターラーを駆動させた。スラリーを水(60ml)で希釈し、15〜20分かけて52〜54℃に加熱した。2時間、52℃に維持し、次に50%水酸化ナトリウム(42.54g、0.532モル)を添加した。約1時間45分間、73℃に加熱し、水浴で35℃未満に冷却し、次にナトリウムボロハイドライド(2.02g、0.0534モル)を添加した。35℃で一夜撹拌し、アセトン(15.5ml)で処理し、35℃で2時間撹拌した。28%塩酸(75.72g)で混合物のpHを1.85まで酸性化し、水(282ml)で希釈し、約30分間撹拌し、−15℃まで約2時間かけて冷却した。固体を濾過し、水(2×75ml)および酢酸エチル(2×75ml)で洗浄した。固体を真空乾燥し、2日間放置し、微細粉末として4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(II型)(57.97g、91.5%)を得た。
【0117】
方法C
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−オキソブチル〕−α,α−ジメチルベンゼンアセテート(56.12g、0.1064モル)を1L容の三つ口丸底フラスコに入れ、フラスコにメカニカルスターラー、クライゼンヘッド、温度計および窒素バブリング器が上端に付いた還流冷却器を装着した。メタノール(300ml)を添加し、スターラーを駆動させた。スラリーを水(60ml)で希釈し、Therm-O-Watchで制御された加熱マントルを用いて還流下に加熱した。混合物の温度が約35℃に達した時点で、50%水酸化ナトリウム(34.05g、0.4256モル)で処理し、水(42ml)で洗浄した。2時間15分還流下に加熱し、1時間かけて35℃に冷却し、次にナトリウムボロハイドライド(2.02g、0.0534モル)で処理した。7.5時間撹拌し、1.75日間撹拌することなく室温で放置した。混合物を35℃に加温し、アセトン(15.5ml、0.21モル)でクエンチングし、2時間撹拌した。水(60ml)を添加し、32%塩酸(65.22g)でpHを2.5とした。40℃まで冷却し、pH計を水(25ml)で洗浄した。水を約30分かけて(192ml)添加し、10分間33℃に維持し、数個の結晶種を添加した。スラリーを−12℃まで約45分かけて冷却し、固体を濾過して分離した(586.2g)。水(2×100ml)次いで酢酸エチル(100ml、約−10℃に予備冷却)で洗浄した。一夜真空乾燥(1mmHg、50℃)し、白色固体として4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(II型)(58.86g、98%)を得た。
【0118】
実施例23 IV型の調製
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−オキソブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(IV型)
エチル4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−オキソブチル〕−α,α−ジメチルベンゼンアセテート(56.12g、0.1064モル)を1L容の三つ口丸底フラスコに入れ、フラスコにメカニカルスターラー、クライゼンヘッド、温度計および窒素バブリング器が上端に付いた還流冷却器を装着した。メタノール(300ml)を添加し、スターラーを駆動させた。スラリーを水(60ml)で希釈し、Therm-O-Watchで制御された加熱マントルを用いて還流下に加熱した。混合物の温度が約35℃に達した時点で、50%水酸化ナトリウム(34.05g、0.4256モル)で処理し、水(42ml)で洗浄した。2時間15分還流下に加熱し、1時間かけて35℃に冷却し、次にナトリウムボロハイドライド(2.02g、0.0534モル)で処理した。7.5時間撹拌し、1.75日間撹拌することなく室温で放置した。混合物を35℃に加温し、アセトン(15.5ml、0.21モル)でクエンチングし、2時間撹拌した。水(60ml)を添加し、32%塩酸(65.22g)でpHを2.5とした。40℃まで冷却し、pH計を水(25ml)で洗浄した。10分間33℃に維持し、数個の結晶種を添加し、35℃で約4時間に渡り水(192ml)を添加した。スラリーを−12℃まで約45分かけて冷却し、固体を濾過して分離した(586.2g)。水(2×100ml)次いで酢酸エチル(100ml、約−10℃に予備冷却)で洗浄した。一夜真空乾燥(1mmHg、50℃)し、4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(IV型)を得た。融点115〜116℃(分解)。
XRPD:表18
【0119】
【表18】

【0120】
実施例24 II型からI型への変換
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(I型)
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(II型)(20.0g、0.0355モル)を脱イオン水(2g)で処理し、撹拌しながら数分間に渡り少しずつアセトン(60ml)を添加した。濾過助剤を通して濾過し、フィルターケーキをアセトン(30ml)で洗浄した。フィルターケーキをアセトン(22ml)で洗浄し、濾液を還流し、次に、還流下に混合物を維持しながら酢酸エチル(32ml、15分間)をゆっくり添加した。10分間還流し、次に更に酢酸エチル(23ml、10分間)をゆっくり添加し、更に15分間還流させた。更に酢酸エチル(60ml、5〜10分間)を添加し、還流を15分間継続した。氷浴上で約8℃に冷却し、固体を濾過し酢酸エチル(85ml)で洗浄した。55℃で1.5時間真空乾燥し、標題化合物(18.16g、95%)を得た。
【0121】
実施例25 II型からI型への変換
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩
方法A:
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(II型)(5.00g、0.0083モル)をメチルエチルケトン(130ml)で処理した。水(0.4ml)をゆっくり添加し、濾過助剤で濾過し、フィルターケーキをメチルエチルケトン(20ml)で洗浄した。還流下に加熱し、溶媒75mlを留去し、−15℃まで冷却し、真空濾過により回収した。メチルエチルケトン(2×10ml)で洗浄し、60℃で真空乾燥し、標題化合物(4.33g、97%)を得た。融点196〜198℃。
【0122】
方法B:
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(II型)(1.4g)をアセトン(60ml)で処理し、還流下に加熱した。容量を約36mlまで減らすことにより共沸混合物として蒸発する全ての水を除去した(88/12:アセトン/水)。溶液を冷却し、標題化合物結晶固体として回収した。
【0123】
方法C:
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(II型)(53.88g、0.100モル)を水(4.79g)およびメチルエチルケトン(240ml)に添加混合した。固体がスラリーとなるまで撹拌し、更にメチルエチルケトン(1L)を添加した。0.5時間撹拌し、濾過助剤パッドを通して濾過し、メチルエチルケトン(100ml)でフィルターケーキを洗浄し、濾液と洗液を、温度計、メカニカルスターラーおよび蒸留ヘッドを装着した2L容の三つ口フラスコに移した。メチルエチルケトン総量721mlを留去し、40℃まで1時間かけて撹拌冷却した。−15℃に冷却し、10分間維持した。真空濾過より固体を回収し、フィルターケーキをメチルエチルケトン(2×65ml)で洗浄し、55℃で一夜真空乾燥し、標題化合物(52.76g、97.9%)を得た。融点197.5〜200℃。
【0124】
方法D:
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(II型)(存在する水の量を0.89gとして純度93.6%で検定した場合は40.0g、0.0696モル、存在する水の量を2.47gとして純度88.0%で検定した場合は35.1g、0.0575モル)を水(8.30g;存在する水の重量を、含水塩中の水を考慮しながら4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物の無水重量の17%とするための計算量)で処理した。メチルエチルケトン(約500ml)を添加し、大部分の固体が溶解するまで撹拌した。更にメチルエチルケトン(700ml)を少しずつ約10分間かけて添加し、1/2時間撹拌を継続した。濾過助剤の薄いパッドを通して濾過し、フィルターケーキとフラスコを更にメチルエチルケトン(100ml)で洗浄し、温度計、メカニカルスターラー、加熱マントル、12プレート Oldershaw(真空ジャケット付き)蒸留カラム、および大まかな還流速度の調節が可能な蒸留ヘッドを付設した煮沸フラスコに移し、更にメチルエチルケトン(100ml)で洗浄した。溶媒450mlを留去し、−15℃に冷却し、固体を濾過した。メチルエチルケトン(2×100ml)で洗浄し、乾燥して、標題化合物(68.3g、99.9%)を得た。融点197〜199℃。
【0125】
方法E:
メチルエチルケトン(4ml)を煮沸し、4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(500mg)を添加した。上層を傾瀉し、メチルエチルケトン(3ml)を水層に添加した。溶液を温度が79℃に達するまで煮沸し、容量を25%減らし、加熱器から外しアルミホイルで被覆した。溶液を放冷し得られた結晶を濾過し、風乾して標題化合物を得た。
【0126】
実施例26 I型からII型への変換
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物
方法A:
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(I型)(2.0g)をエタノール(4ml)および脱イオン水(20ml)で処理した。溶液となるまで80℃で加熱し、次に23時間室温で撹拌した。得られたスラリーを濾過し、水(2×10ml)で洗浄し、35℃で一夜真空下に乾燥し、標題化合物を得た(1.88g)。融点100〜105℃。
XRPD:表19
【0127】
【表19】

【0128】
方法B:
水(35.5ml)、メタノール(26.3ml)および塩化ナトリウム(2.59g)を混合した。4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(I型)(4.77g)を添加した。溶解するまで蒸気浴上で還流下に加熱し、−10℃に冷却した。得られた固体を濾過し、水(2×25ml)で洗浄し、一夜真空下に乾燥して標題化合物(4.80g)を得た。
【0129】
実施例27 II型からIII型への変換
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(III型)
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(II型)(55.56g、0.0929モル、水10%含有)を水(2.96g)およびアセトン(38.1g)とともに加圧ビン中に入れた。ビンを密封し、約80℃に加熱した。約50℃に冷却し、粗焼結ガラス漏斗中濾過助剤を通して濾過し、アセトン(90g)で稀釈した。メカニカルスターラー、温度計および還流冷却器を装置した1L容のフラスコに移した。混合物を還流下加熱し、放冷し、週末を通じて撹拌した。−15℃に冷却し、粗焼結ガラス漏斗上で濾過し、酢酸エチル(2×50ml)で洗浄し、50℃で真空乾燥した。
【0130】
得られた固体(45.24g)の大部分をメカニカルスターラー、温度計および還流冷却器を装置した500mL容の三つ口フラスコに入れた。アセトン(240ml)および水(4.82g)を添加し、混合物を一夜還流した。スラリーを放冷して35℃とし、氷水浴に入れ、5℃未満に冷却した。固体を粗焼結ガラス漏斗上で濾過し、酢酸エチル(50ml)で洗浄し、50℃で数時間真空乾燥し、白色結晶性粉末として標題化合物(43.83g、97%)を得た。融点166.5〜170.5℃。
XRPD:表20
【0131】
【表20】

【0132】
実施例28 III型からII型への変換
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(I型)
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(III型)(酢酸エチル湿潤ケーキとして40.0g、乾燥重量は27.8g)をメカニカルスターラー、温度計および還流冷却器を装置した1L容の三つ口フラスコに入れた。アセトン(240ml)を添加し、混合物を約20時間還流下に加熱した。スラリーを−15℃に冷却し、固体を粗焼結ガラスフリット漏斗上で濾過して単離した。酢酸エチル(50ml)で洗浄し、一夜真空乾燥し、標題化合物(26.1g、93.7%)を得た。融点197.5〜199.5℃。
XRPD:表21
【0133】
【表21】

【0134】
実施例29 IV型からI型への変換
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(I型)
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩(IV型)(54.35g、0.0970モル、 水4%含有)を水(4.16g)およびアセトン(38.1g)とともに加圧ビン中に入れた。ビンを密封し、約80℃に加熱した。60℃未満に冷却し、粗焼結ガラス漏斗中の濾過助剤を通して濾過し、アセトン(32.4g)でフィルターケーキを洗浄した。アセトン(215g)をメカニカルスターラー、温度計、還流冷却器を装置し、少量の式Iの結晶の入った1L容の三つ口フラスコに入れ、還流下に加熱した。約10分間かけて、還流中のアセトンに4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(IV型)(47.65g)のアセトン/水溶液の一部を添加した。45分間かけて酢酸エチル(157.5g)をゆっくり添加し、次に、残りの4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩水和物(IV型)のアセトン/水溶液を添加
し、約20mlのアセトンで洗浄した。更に酢酸エチル(157.5g)を45分〜1時間かけて添加し、その間スラリーの還流を維持した。15分間撹拌し、−15℃に冷却し、白色固体を350mlの粗焼結ガラス漏斗上で真空濾過した。固体を酢酸エチル(2×50ml)で洗浄し、一夜真空乾燥し、標題化合物(50.36g、97%)を得た。融点198〜199℃。
XRPD:表22
【0135】
【表22】

【0136】
上記実施例に記載した方法を用いて、I型の無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩、III型の無水4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩、またはこれらの種々の混合物から相当するる錠剤およびカプセルを調製した。更に、上記実施例に記載した方法を用いて、II型の水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩、IV型の水和4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩、またはこれらの種々の混合物から相当する錠剤およびカプセルを調製した。当業者の知るとおり、上記実施例に記載した錠剤およびカプセルの調製工程において、4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩の上記した多形体および偽形体の間に相互変換が起こる場合がある。更に、得られた錠剤またはカプセルは、式I、II、IIIおよびIVの4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩の水和物、無水物の種々の混合物を含有してよいものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記成分:
a) ピペリジノアルカノール化合物が下記式:
【化1】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の化合物およびその個々の光学異性体であるような、ピペリジノアルカノール化合物または薬学的に許容されるその塩の治療有効量;および
b) クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、乳糖、アルファ化澱粉およびゼラチンの、組成物の重量を基にしてそれぞれ約1%〜約10%、20%〜約85%、20%〜約85%、1%〜約30%および1%〜約15%の量(但し、それぞれ4.8%、33.8%、33.8%、9.6%および3.5%の量で存在する場合を除く)
を含有する抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項2】
下記成分:
a) 下記式:
【化2】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕のピペリジノアルカノール化合物およびその個々の光学異性体の治療有効量、および
b) 微結晶セルロース、アルファ化澱粉、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウムおよびナトリウム澱粉グリコレートの、組成物の重量を基にしてそれぞれ約20%〜約85%、 5%〜約50%、1%〜約15%、0.05%〜約3%、5%〜約50%および1%〜約15%の量
を含有する抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項3】
微結晶セルロース、アルファ化澱粉、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウムおよびナトリウム澱粉グリコレートが組成物の重量を基にしてそれぞれ約34.9%、29.4%、3.3%、0.5%、15.6%、5.6%の量で存在する請求項2に記載の抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項4】
下記成分:
a) ピペリジノアルカノール化合物が下記式:
【化3】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の化合物およびその個々の光学異性体であるような、ピペリジノアルカノール化合物または薬学的に許容されるその塩の治療有効量、および
b) クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、乳糖、アルファ化澱粉、ゼラチンおよびステアリン酸マグネシウムの、組成物の重量を基にしてそれぞれ約1%〜約10%、20%〜約85%、20%〜約85%、1%〜約30%、1%〜約15%および0.05%〜約3.0%の量(但し、それぞれ約4.8%、33.7%、33.7%、9.6%、3.5%および0.5%の量で存在する場合を除く)
を含有する抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項5】
クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、乳糖、アルファ化澱粉、ゼラチンおよびステアリン酸マグネシウムが組成物の重量を基にしてそれぞれ約4.8%、25.7%、25.7%、9.6%、3.5%および0.75%の量で存在する請求項4に記載の抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項6】
下記成分:
a) 下記式:
【化4】

〔式中Xは0〜5の範囲の数である〕のピペリジノアルカノール化合物の治療有効量、および
b) 微結晶セルロース、アルファ化澱粉、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウムおよびナトリウム澱粉グリコレートの、組成物の重量を基にしてそれぞれ20%〜85%、5%〜50%、0.05%〜3%、5%〜50%および1%〜15%の量よりなる不活性成分を含有する抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物(但し、該組成物は薬学的に許容されるノニオン性表面活性剤および薬学的に許容できる陽イオン性表面活性剤を含まないものとする)。
【請求項7】
微結晶セルロース、アルファ化澱粉、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウムおよびナトリウム澱粉グリコレートが組成物の重量を基にしてそれぞれ約36.5%、31.0%、0.5%、15.6%および5.6%の量で存在する請求項6に記載の抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項8】
微結晶セルロース、アルファ化澱粉、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウムおよびナトリウム澱粉グリコレートが組成物の重量を基にしてそれぞれ約21.1%、30.0%、0.75%、15.6%および10.0%の量で存在する請求項6に記載の抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項9】
下記成分:
a) ピペリジノアルカノール化合物が下記式:
【化5】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の化合物およびその個々の光学異性体であるような、ピペリジノアルカノール化合物または薬学的に許容されるその塩の治療有効量;および
b) クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、アルファ化澱粉およびステアリン酸マグネシウムの、組成物の重量を基にしてそれぞれ約1%〜約10%、20%〜約85%、5%〜約50%および0.05%〜約3%の量
を含有する抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項10】
クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、アルファ化澱粉およびステアリン酸マグネシウムが組成物の重量を基にしてそれぞれ約6%、33.3%、30%および0.75%の量で存在する請求項9に記載の抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項11】
ピペリジノアルカノール化合物が4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩であるような請求項1〜10の何れかに記載の抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項12】
4−〔4−〔4−(ヒドロキシジフェニルメチル)−1−ピペリジニル〕−1−ヒドロキシブチル〕−α,α−ジメチルベンゼン酢酸塩酸塩が約5mg〜約180mgの量で存在する請求項11に記載の抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項13】
下記式:
【化6】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の化合物およびその個々の光学異性体を微結晶セルロース、炭酸カルシウムおよびアルファ化澱粉と混合すること;水中のゼラチンの溶液を混合しながら添加すること;顆粒化混合物を乾燥すること;更に微結晶セルロースおよびナトリウム澱粉グリコレートを混合しながら添加すること;および混合しながらステアリン酸マグネシウムを添加すること、を包含する工程により調製され、その際、最終混合物を圧縮成形して錠剤とし、微結晶セルロース、炭酸カルシウム、アルファ化澱粉、ゼラチン、ナトリウム澱粉グリコレートおよびステアリン酸マグネシウムが組成物の重量を基にしてそれぞれ約34.9%、15.6%、29.4%、3.3%、5.6%および0.5%の量で混合されているような、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物。
【請求項14】
下記式:
【化7】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の化合物およびその個々の光学異性体を微結晶セルロース、炭酸カルシウムおよびアルファ化澱粉と混合すること;水を混合しながら添加すること;顆粒化混合物を乾燥すること;更に微結晶セルロースおよびナトリウム澱粉グリコレートを混合しながら添加すること;および混合しながらステアリン酸マグネシウムを添加すること、を包含する工程により調製され、その際、最終混合物を圧縮成形して錠剤とし、微結晶セルロース、炭酸カルシウム、アルファ化澱粉、ナトリウム澱粉グリコレートおよびステアリン酸マグネシウムが組成物の重量を基にしてそれぞれ約36.5%、15.6%、31.0%、5.6%および0.5%の量で混合されているような、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体単位剤形の医薬組成物(但し、該組成物は薬学的に許容されるノニオン性表面活性剤および薬学的に許容できる陽イオン性表面活性剤を含まないものとする)。
【請求項15】
クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、乳糖、アルファ化澱粉、ゼラチンおよびステアリン酸マグネシウムが組成物の重量を基にしてそれぞれ約4.8%、25.7%、25.7%、9.6%、3.5%および0.75%の量で存在し、USP装置2を用いて測定した場合に、約37℃、約50rpmの条件下、0.001N塩酸水溶液中、45分間で溶出する下記式:
【化8】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の化合物およびその個々の光学異性体の量が、標示値の75%以上であるような錠剤に最終混合物が圧縮成形された抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体形態の医薬組成物。
【請求項16】
微結晶セルロース、アルファ化澱粉、ステアリン酸マグネシウム、炭酸カルシウムおよびナトリウム澱粉グリコレートが組成物の重量を基にしてそれぞれ約21.1%、30.0%、0.75%、15.6%および10.0%の量で存在し、USP装置2を用いて測定した場合に、約37℃、約50rpmの条件下、0.001N塩酸水溶液中、45分間で溶出する下記式:
【化9】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の化合物およびその個々の光学異性体の量が、標示値の75%以上であるような錠剤に最終混合物が圧縮成形された抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体形態の医薬組成物(但し、該組成物は薬学的に許容されるノニオン性表面活性剤および薬学的に許容できる陽イオン性表面活性剤を含まないものとする)。
【請求項17】
クロスカルメロースナトリウム、微結晶セルロース、アルファ化澱粉およびステアリン酸マグネシウムが組成物の重量を基にしてそれぞれ約6%、33.3%、30%および0.75%の量で存在し、USP装置2を用いて測定した場合に、約37℃、約50rpmの条件下、0.001N塩酸水溶液中、45分間で溶出する下記式:
【化10】

〔式中Xは約0〜5の範囲の数である〕の化合物およびその個々の光学異性体の量が、標示値の75%以上であるような錠剤に最終混合物が圧縮成形された抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、若しくは気管支拡張剤として使用するための、又は蕁麻疹治療のための固体形態の医薬組成物。

【公開番号】特開2008−266347(P2008−266347A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152525(P2008−152525)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【分割の表示】特願2004−170680(P2004−170680)の分割
【原出願日】平成8年1月26日(1996.1.26)
【出願人】(500137976)アベンティス・ファーマスーティカルズ・インコーポレイテツド (76)
【Fターム(参考)】