説明

ピラゾール誘導体及びその医薬用途

【課題】顕著な11β−HSD1阻害活性を有する化合物を提供するとともに、副作用が軽減された新たなメカニズムの糖尿病の治療薬及びインスリン抵抗性の改善薬を提供すること。
【解決手段】本発明は、下記の一般式で表されるピラゾール誘導体及びその薬学的に許容される塩を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピラゾール誘導体及びその医薬用途に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病とは、インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群であり、1型と2型に大別される。1型糖尿病は、インスリンを合成及び分泌する膵ランゲルハンス島β細胞の破壊や消失によるインスリン分泌量の低下を主要な原因として発症するのに対して、2型糖尿病は、インスリン分泌量の低下やインスリン抵抗性をきたす素因を含む複数の遺伝因子に、過食(特に高脂肪食)、運動不足、肥満、ストレスなどの環境因子及び加齢が加わり発症する。
【0003】
また、糖尿病による長期間の高血糖状態の持続は、糖尿病三大合併症と言われる糖尿病網膜症、糖尿病腎症及び糖尿病神経障害の他にも、失明や心血管障害などにつながる危険性が高いことが知られている。このため、糖尿病の発症時に、血糖値をコントロールして適正値へと導く治療を行い、耐糖能異常、食後高血糖、空腹時高血糖などを改善していくことが、QOL(quality of life)の観点からも重要であると考えられている(非特許文献1)。
【0004】
現在使用されている糖尿病治療薬としては、インスリン製剤、グリベンクラミドなどのスルホニルウレア剤、メトホルミンなどのビグアナイド剤、ボグリボースなどのα−グルコシダーゼ阻害剤、ピオグリタゾンなどのチアゾリジンジオン系薬剤が挙げられる(非特許文献1〜5)。
【0005】
インスリン製剤は、血糖低下作用を有するが、しばしば重篤な低血糖又は体重増加も引き起こすことが知られ、注射による投与が必要であるため、患者への負担が大きいデメリットがある。スルホニルウレア剤は、血糖低下作用を有するが、同様に重篤な低血糖や体重増加を引き起こし、長期間投与の場合には、2次無効と呼ばれる血糖値コントロールの悪化が起こることが知られている。ビクアナイド剤は、血糖低下作用及びインスリン抵抗性改善作用などを有するが、下痢又は膨満などの胃腸管障害を引き起こすことがあり、さらには重篤な乳酸アシドーシスを引き起こすリスクもあるため、腎障害又は肝機能障害のある患者には禁忌とされている。α−グルコシダーゼ阻害剤は、食後の血糖上昇(食後過血糖)を抑制する作用を有するが、腹痛、下痢又は膨満などの胃腸障害を引き起こすことが知られている。チアゾリジンジオン系薬剤は、インスリン抵抗性の改善を介した血糖降下作用を有するが、しばしば体重増加、浮腫、肝障害を引き起こし、心不全患者や心不全の既往者には不適とされ、治療期間中には定期的な肝機能検査が必要であるとされている。
【0006】
一方、インスリン抵抗性とは、血中のインスリン濃度に見合ったインスリン作用が得られない状態をいい、インスリン抵抗性の症状は、糖尿病を患っていない境界型のヒトにも認められることが知られている。また、インスリン抵抗性は、内臓脂肪型肥満とともに、メタボリックシンドロームの基盤病態であり、動脈硬化、肥満、高血圧及び脂質代謝異常の病態形成に密接に関わることが明らかにされている。ここでメタボリックシンドロームとは、肥満を基盤に、主として脂質代謝異常(高中性脂肪及び低HDLコレステロール)、高血圧及び耐糖能異常の持続が虚血性の心血管疾患の発症リスクを高めることを想定した概念である。
【0007】
このため、インスリン抵抗性の改善は、糖代謝異常の改善のみならず、メタボリックシンドローム、心血管障害さらには脳血管障害の治療にも重要であると考えられている(非特許文献1)。
【0008】
また、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1(11β−hydroxysteroid dehydrogenase type 1;以下、「11β−HSD1」)は、不活性型グルココルチコイド(ヒトではコルチゾン、げっ歯類では11−デヒドロコルチコステロン)を活性型グルココルチコイド(ヒトではコルチゾール、げっ歯類ではコルチコステロン)に細胞内で変換する酵素であり、肝臓、脂肪組織及び骨格筋において高発現している(非特許文献6)。活性型グルココルチコイドは、肝臓での糖新生亢進及び解糖系抑制又は脂肪組織及び筋肉での糖の取り込み抑制により、高血糖などの代謝異常を惹起することが報告されている(非特許文献7)。11β−HSD1ノックアウトマウスは、ストレス負荷や高脂肪食負荷に対する肝臓の糖新生酵素(PEPCKやG6Paseなど)が誘導されず、糖尿病の発症に対して明らかな抵抗性を示し、高脂肪食負荷による内臓脂肪の蓄積が選択的に抑制されるために、メタボリックシンドロームの発症や進展にも抵抗性を示すことが報告されている(非特許文献8)。
【0009】
特許文献1〜5には11β−HSD1阻害作用を有するピラゾール誘導体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第08/099145号
【特許文献2】国際公開第09/060232号
【特許文献3】国際公開第09/098501号
【特許文献4】国際公開第10/087770号
【特許文献5】国際公開第09/010416号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】日本糖尿病学会、「糖尿病治療ガイド2008−2009」、2008年
【非特許文献2】Moller、Nature、2001年、414巻、p.821−827
【非特許文献3】Skyler、Journal of Medicinal Chemistry、2004年、第47巻、p.4113−4117
【非特許文献4】Rossら、Chemical Review、2004年、第104巻、p.1255−1282
【非特許文献5】Stumvollら、Lancet、2005年、第365巻、p.1333−1346
【非特許文献6】Secklら、Endocrinology、2001年、第142巻、p.1371
【非特許文献7】土田ら、日本臨床、2002年、第60巻、増刊号7、p.280
【非特許文献8】Kotelevtsevら、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、1997年、第94巻、p.14924−14929
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記のように、糖尿病治療薬の既存薬は、そのいずれもが薬効は示すが、種々の欠点や副作用を有しているのが現状であるため、より活性が強く、慢性疾患や複合疾患を持つ患者に対する投与や長期的な投与が可能な使い勝手の良い糖尿病治療薬の創出が望まれているのが現状である。
【0013】
また、11β−HSD1阻害作用を有する化合物は、不活性型グルココルチコイドの変換を阻害し、組織における活性型グルココルチコイドの作用を減弱することが可能であるため、既存の医薬品に比べて新たなメカニズムで高血糖や肝糖新生を抑制し、インスリン抵抗性及びメタボリックシンドロームの改善にも薬効を示し得ることが期待されるが、未だに、11β−HSD1阻害作用を有する糖尿病治療薬やインスリン抵抗性の改善薬は医薬品として承認されていない。
【0014】
そこで本発明は、顕著な11β−HSD1阻害活性を有する化合物を提供するとともに、副作用が軽減された新たなメカニズムの糖尿病の治療薬及びインスリン抵抗性の改善薬を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、新規なピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩が、強力な11β−HSD1阻害活性を有し、糖尿病及びインスリン抵抗性の改善作用を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0016】
すなわち、本発明は、以下の一般式(I)
【化1】

[式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)、炭素数3〜10のシクロアルキル(該シクロアルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)、炭素数1〜3のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子又は水素原子を示し、kは、1〜5の整数を示し、Rは、炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよいが、メチルを除く。)又は炭素数3〜10のシクロアルキル(該シクロアルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)を示し、Rは、炭素数1〜6のアルキル、炭素数3〜6のシクロアルキル又は水素原子を示し、Rは、炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、炭素数1〜6のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン原子、水素原子、−O−(CH−R、−SO−R、−SO−OR、−NR(C=O)R、−NR(SO)R、−NR、−(C=O)−NR、−O−(C=O)−NR又は−SO−NRを示し、Rは、炭素数1〜3のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ヒドロキシ、−NR又は−(C=O)−NRを示し、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル(該アルキルは、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)又は水素原子を示し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル若しくは水素原子を示すか、又は、R、R及び窒素原子が一緒になってピロリジル、ピペリジル、モルホリル、ピペラジル若しくは4−アルキルピペラジン−1−イル(該4−アルキルピペラジン−1−イルを構成するアルキルの炭素数は1〜3である。)を示し、m及びnは、それぞれ独立して、1〜4の整数を示す。]で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を提供する。
【0017】
上記Rは、水素原子を示すことが好ましく、また、上記Rは、ヒドロキシ、−NR(C=O)R、−(C=O)−NR又は−O−(C=O)−NRを示すことが好ましく、ヒドロキシ、−NR(C=O)R又は−(C=O)−NRを示すことがさらに好ましい。その際、上記mは1を示すことが好ましい。
【0018】
また上記Rは、炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいが、メチルを除く。)又は炭素数3〜6のシクロアルキルを示すことが好ましく、2−プロピル又は2−メチル−2−プロピルを示すことがさらに好ましい。
【0019】
さらに上記Rは、炭素数1〜3のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)、炭素数1〜3のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子又は水素原子を示すことが好ましい。その際、上記kは1〜3の整数を示すことが好ましい。
【0020】
また本発明は、上記のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1阻害剤(11β−HSD1阻害剤)を提供する。
【0021】
また本発明は、上記のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する糖尿病の治療薬若しくは予防薬を提供する。上記糖尿病は、2型糖尿病であることがさらに好ましい。
【0022】
また本発明は、上記のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有するインスリン抵抗性の改善薬を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩は、顕著な11β−HSD1阻害活性を示し、糖尿病疾患からインスリン抵抗性を伴う疾患に対し顕著な治療効果を有している。また本発明の糖尿病の治療薬及びインスリン抵抗性の改善薬は、既存の糖尿病治療薬等で認められる体重増加などの副作用が軽減されており、慢性疾患や複合疾患を持つ患者に対する投与や長期的な投与が可能となることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例2の化合物のインスリン抵抗性改善作用を示す図である。
【図2】実施例7の化合物のインスリン抵抗性改善作用を示す図である。
【図3】実施例8の化合物のインスリン抵抗性改善作用を示す図である。
【図4】実施例23の化合物のインスリン抵抗性改善作用を示す図である。
【図5】実施例2の化合物のインスリン抵抗性改善作用を示す図である。
【図6】実施例2の化合物の肝糖新生抑制作用を示す図である。
【図7】実施例2の化合物の肝糖新生抑制作用を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本明細書で使用する次の用語は、特に断りがない限り、下記の定義のとおりである。
【0026】
「アルキル」とは、直鎖又は分岐の飽和炭化水素を意味し、例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル、1,1−ジメチルエチル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル又は1−ヘキシルが挙げられる。
【0027】
「シクロアルキル」とは、部分的に不飽和結合を有していてもよく、あるいは架橋環やスピロ環を形成していてもよい、飽和脂環式炭化水素を意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、ビシクロ[2,2,1]ヘキサン−1−イル、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[3,1,1]ヘプタン−3−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−1−イル、アダマンチル(アダマンタン−1−イル若しくはアダマンタン−2−イル)又はノルボルニルが挙げられる。
【0028】
「アルキルオキシ」とは、アルキルが酸素原子に結合した官能基を意味し、例えば、メトキシ、エトキシ、1−プロポキシ、2−プロポキシ又は1−ブトキシが挙げられる。
【0029】
「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味する。
【0030】
「糖尿病」とは、世界保健機構(WHO)、日本糖尿病学会、米国糖尿病協会又は欧州糖尿病協会などの診断基準に該当する病態を意味し、例えば、1型糖尿病、2型糖尿病又は妊娠糖尿病が挙げられる。
【0031】
「インスリン抵抗性」とは、インスリン抵抗性指数(空腹時血糖(mg/dL)×空腹時インスリン(μU/mL)÷405)、グルコースクランプ法などを診断基準とする、血中のインスリン濃度に見合ったインスリン作用が得られない病態を意味し、シンドロームXもこれに包含される。
【0032】
「治療又は予防薬」には、治療又は予防の一方に用いられるもののみならず、治療及び予防の双方を目的として同時に用いられるものも包含される。
【0033】
本発明のピラゾール誘導体は、以下の一般式(I)
【化2】

[式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)、炭素数3〜10のシクロアルキル(該シクロアルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)、炭素数1〜3のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子又は水素原子を示し、kは、1〜5の整数を示し、Rは、炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよいが、メチルを除く。)又は炭素数3〜10のシクロアルキル(該シクロアルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)を示し、Rは、炭素数1〜6のアルキル、炭素数3〜6のシクロアルキル又は水素原子を示し、Rは、炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、炭素数1〜6のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン原子、水素原子、−O−(CH−R、−SO−R、−SO−OR、−NR(C=O)R、−NR(SO)R、−NR、−(C=O)−NR、−O−(C=O)−NR又は−SO−NRを示し、Rは、炭素数1〜3のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ヒドロキシ、−NR又は−(C=O)−NRを示し、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル(該アルキルは、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)又は水素原子を示し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル若しくは水素原子を示すか、又は、R、R及び窒素原子が一緒になってピロリジル、ピペリジル、モルホリル、ピペラジル若しくは4−アルキルピペラジン−1−イル(該4−アルキルピペラジン−1−イルを構成するアルキルの炭素数は1〜3である。)を示し、m及びnは、それぞれ独立して、1〜4の整数を示す。]で表されることを特徴としている。
【0034】
上記Rは、炭素数1〜3のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)、炭素数1〜3のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子又は水素原子を示すことが好ましく、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、塩素、フッ素又は水素原子を示すことがより好ましい。その際、kは、1〜3の整数が好ましく、1又は2であることがより好ましい。
【0035】
上記Rは、メチル以外の炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいが、メチルを除く。)又は炭素数3〜6のシクロアルキルを示すことが好ましく、2−プロピル又は2−メチル−2−プロピルを示すことがさらに好ましい。
【0036】
上記Rは、炭素数1〜4のアルキル又は水素原子を示すことが好ましく、水素原子を示すことがより好ましい。
【0037】
上記Rは、ヒドロキシ、−NR(C=O)R、−(C=O)−NR又は−O−(C=O)−NRを示すことが好ましく、ヒドロキシ、−NR(C=O)R又は−(C=O)−NRを示すことがさらに好ましい。その際、mは、1又は2が好ましく、1がより好ましい。また、置換位置としては、窒素原子が結合している炭素から数えて4位が好ましく、相対配置としては、アダマンタン環上で互いにトランスであることが好ましい。
【0038】
上記Rは、ヒドロキシ、−NR又は−(C=O)−NRを示すことが好ましく、ヒドロキシ又は−NRを示すことがより好ましい。
【0039】
上記Rは、水素原子又は炭素数1〜3のアルキルを示すことが好ましく、メチル又は水素原子を示すことがより好ましい。
【0040】
上記R及び上記Rは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜3のアルキルを示すことが好ましく、水素原子を示すことがより好ましい。
【0041】
なお、一般式(I)で表されるピラゾール誘導体は、場合によってはエナンチオマー、ラセミ体又はジアステレオマーなどの立体異性体が存在し得るが、本発明のピラゾール誘導体には、全ての立体異性体及びそれぞれの異性体の混合物が包含される。
【0042】
一般式(I)で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩の具体例は、一般式(Ia)で表される。一般式(Ia)で表される化合物における好ましい置換基の組合せの例を、表1〜17に示す。なお、表1〜17において、構造式中の波線部はその位置で置換されていることを示し、i−Prは2−プロピルを、t−Buは2−メチル−2−プロピルを、それぞれ示す。
【化3】

【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
【表3】

【0046】
【表4】

【0047】
【表5】

【0048】
【表6】

【0049】
【表7】

【0050】
【表8】

【0051】
【表9】

【0052】
【表10】

【0053】
【表11】

【0054】
【表12】

【0055】
【表13】

【0056】
【表14】

【0057】
【表15】

【0058】
【表16】

【0059】
【表17】

【0060】
一般式(I)で表されるピラゾール誘導体の「薬学的に許容される塩」としては、該ピラゾール誘導体が塩基性置換基を有する場合には、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩若しくはリン酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、グルタル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マンデル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩などの有機カルボン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩若しくはカンファースルホン酸塩などの有機スルホン酸塩又はアスパラギン酸塩若しくはグルタミン酸塩などの酸性アミノ酸塩が挙げられるが、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸、フマル酸、酒石酸塩又はメタンスルホン酸塩が好ましい。
【0061】
また、該ピラゾール誘導体が酸性置換基を有する場合には、例えば、ナトリウム塩若しくはカリウム塩などのアルカリ金属塩、カルシウム塩若しくはマグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、アンモニウム塩、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩若しくはN,N−ジベンジルエチレンジアミン塩などの有機塩基塩又はアルギニン塩、リジン塩若しくはオルニチン塩などの塩基性アミノ酸塩が挙げられるが、ナトリウム塩、カリウム塩又はエタノールアミン塩が好ましい。
【0062】
一般式(I)で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩は、文献既知の合成法を適宜組み合わせることによって製造することができる。スキーム1に代表的な製造法を例示する。各反応式中の記号の意味は、特に断りのない限り、上記の定義のとおりである。
【0063】
下記の製造法により得られた一般式(I)で表されるピラゾール誘導体は、公知の手段によって単離精製することができる。単離精製のための公知の手段としては、例えば、溶媒抽出、再結晶又はクロマトグラフィーが挙げられる。
【0064】
一般式(I)で表されるピラゾール誘導体が、光学異性体又は立体異性体を含有する場合には、公知の方法により、それぞれの異性体を単一化合物として得ることができる。
【化4】

【0065】
スキーム1中、Xは、炭素数1〜6のアルキルを示す。
【0066】
〔第1工程〕
一般式(III)で表されるピラゾール−4−カルボン酸は、市販の化合物を用いるか、又は、一般式(II)で表されるピラゾール−4−カルボン酸エステルを酸性若しくは塩基性条件での加水分解反応によって合成できる。
【0067】
上記の加水分解反応は、Greenの方法(Protective Groups in Organic Synthesis、第5版、John Wieley & Sons.、1999年)又は実験化学講座(第4版、22巻、p.271−309)などに記載の方法に準じて実施可能である。
【0068】
上記の加水分解反応に用いる酸又は塩基の量は、一般式(II)で表されるピラゾール−4−カルボン酸エステルに対して0.5〜100当量が好ましく、1〜30当量がより好ましい。
【0069】
上記の加水分解反応に用いる反応溶媒は、通常反応を阻害しない溶媒から適宜選択されるが、例えば、テトラヒドロフラン(以下、「THF」)、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル若しくはジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、ベンゼン若しくはトルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」)若しくはジメチルスルホキシド(以下、「DMSO」)などの非プロトン性極性溶媒、アセトン若しくはメチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリルなどのニトリル系溶媒、メタノール、エタノール若しくは2−プロパノールなどのプロトン性アルコール溶媒又は水あるいはそれらの混合溶媒が挙げられるが、エーテル系溶媒、非プロトン性極性溶媒、プロトン性アルコール溶媒若しくは水又はそれらの混合溶媒が好ましい。
【0070】
上記の加水分解反応開始時点における、一般式(II)で表されるピラゾール−4−カルボン酸エステルの反応液中の濃度は、通常0.01mM〜1Mの範囲であることが好ましい。
【0071】
上記の加水分解反応温度は、−78〜200℃が好ましく、−20〜100℃がより好ましい。
【0072】
上記の加水分解反応時間は、反応温度などの条件に応じて適宜選択されるが、通常1〜30時間程度で満足すべき結果が得られる。
【0073】
〔第2工程〕
一般式(I)で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩は、一般式(III)で表されるピラゾール−4−カルボン酸と一般式(IV)で表されるアダマンタンアミンとの縮合反応によって合成できる。
【0074】
上記の縮合反応は、一般的なペプチド合成法(「実験化学講座(第16巻)有機化合物の合成IV」、第5版、p.258−270など)又は一般的なカルボン酸アミド合成法(「実験化学講座(第16巻)有機化合物の合成IV」、p.118−134;Benz、Comprehensive Organic Synthesis、1991年、第6巻、p.381−417、Pergamon Press;田辺ら、有機合成化学協会誌、2004年、第62巻、p.1249−1259;Montalbettiら、Tetrahedron、2005年、第61巻、p.10827−10852など)に記載の方法に準じて実施可能である。
【0075】
上記の縮合反応に用いる試薬(以下、「縮合剤」)としては、シクロヘキシルカルボジイミド、N−エチル−N’−3−ジメチルアミノプロピルカルボジイミド塩酸塩、N,N−カルボジイミダゾール、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスファート又はオルト−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(以下、「HBTU」)が好ましく、HBTUがより好ましい。
【0076】
上記の縮合剤の量は、一般式(III)で表されるピラゾール−4−カルボン酸に対して1〜10当量が好ましく、1〜3当量がより好ましい。
【0077】
上記の縮合反応に適する溶媒は、上記の縮合剤の種類により異なるが、例えば、THF、1,4−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル若しくはジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、DMF若しくはDMSOなどの非プロトン性極性溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリルなどのニトリル系溶媒が挙げられ、中でもハロゲン系溶媒若しくは非プロトン性極性溶媒が好ましく、ハロゲン系溶媒がより好ましい。
【0078】
上記の縮合反応開始時点における、一般式(III)で表されるピラゾール−4−カルボン酸の反応液中の濃度は、通常0.01mM〜1Mの範囲であることが好ましい。
【0079】
上記の縮合反応温度は、−78〜200℃が好ましく、0〜100℃がより好ましい。
【0080】
上記の縮合反応時間は、反応温度などの条件に応じて適宜選択されるが、通常6〜48時間程度で満足すべき結果が得られる。
【0081】
スキーム1に例示された製造法の出発原料である、一般式(II)で表されるピラゾール−4−カルボン酸エステルは、例えば、スキーム2に示す方法で合成することができる。各反応式中の記号の意味は、特に断りのない限り、上記の定義のとおりである。
【0082】
スキーム2における、一般式(VII)で表されるフェニルヒドラジン化合物としては、塩酸塩などの塩を用いても構わない。
【化5】

【0083】
〔第1工程〕
一般式(VI)で表される化合物は、一般式(V)で表される市販のアセト酢酸エステルにジメチルホルムアミドジメチルアセタールを作用させるアミノメチル化反応によって合成できる。
【0084】
上記のアミノメチル化反応に用いるジメチルホルムアミドジメチルアセタールの量は、一般式(V)で表されるアセト酢酸エステルに対して1〜20当量が好ましく、3〜10当量がより好ましい。
【0085】
上記のアミノメチル化反応は、反応溶媒を用いず、無溶媒で行うことが好ましい。一方で、上記のアミノメチル化反応に反応溶媒を用いる場合にあっては、該反応溶媒は通常反応を阻害しない溶媒から適宜選択される。そのような溶媒としては、例えば、THF、1,4−ジオキサン若しくはエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム若しくは1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒、ベンゼン若しくはトルエンなどの芳香族炭化水素系溶媒、DMF若しくはDMSOなどの非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール若しくは2−プロパノールなどのプロトン性アルコール溶媒又は水あるいは混合溶媒が挙げられるが、ハロゲン系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、非プロトン性極性溶媒又はプロトン性アルコール溶媒が好ましい。
【0086】
上記のアミノメチル化反応開始時点における、一般式(V)で表されるアセト酢酸エステルの反応液中の濃度は、通常0.1mM〜10Mの範囲であることが好ましい。
【0087】
上記のアミノメチル化反応温度は、0〜200℃が好ましく、20〜120℃がより好ましい。
【0088】
上記のアミノメチル化反応時間は、反応温度などの条件に応じて適宜選択されるが、通常0.5〜12時間程度で満足すべき結果が得られる。
【0089】
〔第2工程〕
一般式(II)で表されるピラゾール−4−カルボン酸エステルは、一般式(VI)で表される化合物に一般式(VII)で表されるフェニルヒドラジン化合物を作用させる環化反応によって合成できる。
【0090】
上記の環化反応に用いるフェニルヒドラジン化合物の量は、一般式(V)で表されるアセト酢酸エステルに対して1〜10当量が好ましく、1〜5当量がより好ましい。
【0091】
上記の環化反応に用いる反応溶媒は、通常反応を阻害しない溶媒から適宜選択されるが、例えば、DMF若しくはDMSOなどの非プロトン性極性溶媒、メタノール、エタノール若しくは2−プロパノールなどのプロトン性アルコール溶媒、アセトニトリル若しくはプロピオニトリルなどのニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸若しくはプロピオン酸などの有機カルボン酸又は水あるいはそれらの混合溶媒が挙げられ、中でもプロトン性アルコール溶媒又はニトリル系溶媒が好ましく、プロトン性アルコール溶媒がより好ましい。
【0092】
上記の環化反応開始時点における、一般式(VI)で表される化合物の濃度は、通常0.01mM〜10Mの範囲であることが好ましい。
【0093】
上記の環化反応温度は、0〜200℃が好ましく、20〜120℃がより好ましい。
【0094】
上記の環化反応時間は、反応温度などの条件に応じて適宜選択されるが、通常1〜12時間程度で満足すべき結果が得られる。
【0095】
一般式(IV)
【化6】

で表されるアダマンタンアミン化合物は、文献記載の方法(Tetrahedron Letters、2006年、第47巻、第46号、p.8063−8067;Journal of Medicinal Chemistry、2007年、第50巻、第1号、p.149−164など)により合成できる。
【0096】
また、本発明の11β−HSD1阻害剤、糖尿病の治療薬及び予防薬並びにインスリン抵抗性の改善薬は、上記の一般式(I)で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有することを特徴としている。
【0097】
上記の11β−HSD1阻害剤、糖尿病の治療薬及び予防薬並びにインスリン抵抗性の改善薬の薬効は、血中グリコヘモグロビン値(HbA1c)、空腹時血糖値、経口糖負荷試験(OGTT;oral glucose tolerance test)における血糖の2時間値、血中c−ペプチド値、血中グリコアルブミン値、1,5−AG(1,5−アンヒドログルシトール)、血中空腹時インスリン値、HOMA−IR(homeostasis model assessment of insulin resistance)、グルコースクランプ(euglycemic−hyperinsulinemic clamp)試験における糖注入率(GIR; glucose infusion rate)、糖産生率(HGP;Hepatic glucose production)、インスリン負荷テスト(ITT;insulin tolerance test)又はピルビン酸負荷試験(PTT;Pyruvate tolerance test)などで評価できる。
【0098】
一般式(I)で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩は、糖尿病、特に2型糖尿病の改善に効果的であり、具体的には、HbA1c、グリコアルブミン、フルクトサミン、1,5−AG、随時高血糖、空腹時高血糖、耐糖能異常、肝糖新生の亢進、HOMA−IR及びグルコースクランプ試験におけるGIRやHGPの改善が期待できる。さらに、一般式(I)で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩は、インスリン抵抗性の改善に用いることができるため、メタボリックシンドロームの治療又は予防薬として適している。
【0099】
一般式(I)で表されるピラゾール誘導体を、糖尿病又はインスリン抵抗性の治療若しくは予防薬として臨床で投与する場合にあっては、一般式(I)で表されるピラゾール誘導体のフリー体又はその薬学的に許容される塩をそのまま投与もよいし、さらに賦形剤、安定化剤、保存剤、緩衝剤、溶解補助剤、乳化剤、希釈剤又は等張化剤などの添加剤が適宜混合されたものを投与しても構わない。その投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤若しくはシロップ剤などの経口剤による経口投与、注射剤、坐剤若しくは液剤などによる非経口投与又は軟膏剤、クリーム剤若しくは貼付剤などによる局所投与が挙げられる。
【0100】
上記の各投与形態の製剤は、公知の製法によって作ることができるが、一般式(I)で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を0.00001〜90重量%含有することが好ましく、0.0001〜70重量%含有することがより好ましい。
【0101】
一般式(I)で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩の投与量は、症状、年齢、体重及び投与方法などに応じて適宜選択されるが、成人に対して経口剤として投与する場合、有効成分量として1日1μg〜10gが好ましく、それぞれ1回又は数回に分けて投与することができる。
【0102】
一般式(I)で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬、すなわち糖尿病又はインスリン抵抗性の治療若しくは予防薬は、その他の糖尿病治療薬、脂質異常症治療薬、肥満症治療薬又はメタボリックシンドローム治療薬(以下、「併用薬」)と組み合わせて用いても構わない。
【0103】
この際、一般式(I)で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬と、併用薬との投与時期は限定されず、これらを併用又は配合により同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、一般式(I)で表されるピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする医薬と、併用薬との併用容量比あるいは配合比は、投与対象、投与形態、症状又は各薬剤の組み合わせなどにより適宜選択することができる。
【0104】
上記の併用薬としては、例えば、インスリン製剤(超速効型インスリン製剤、速効型インスリン製剤、混合型インスリン製剤、中間型インスリン製剤、持続型インスリン製剤、持効型溶解インスリン製剤、経肺インスリン製剤、経口インスリン製剤など)、インスリン抵抗性改善薬(ピオグリタゾン(pioglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、ネトグリタゾン(netoglitazone)、ファルグリタザール(farglitazar)、リボグリタゾン(rivoglitazone)、バラグリタゾン(balaglitazone)など)、α−グルコシダーゼ阻害薬(アカルボース(acarbose)、ボグリボース(voglibose)、ミグリトール(miglitol)、エミグリテート(emiglitate)など)、ビグアナイド剤(メトホルミン(metformin)、ブホルミン(buformin)など)、スルホニルウレア剤(トルブタミド(tolbutamide)、アセトヘキサミド(acetohexamide)、クロルプロパミド(chlorpropamide)、トラザミド(tolazamide)、グリクロピラミド(glyclopyramide)、グリブゾール(glybuzole)、グリベンクラミド(glibenclamide)、グリクラジド(gliclazide)、グリメピリド(glimepiride)、グリピジド(glipizide)、グリキドン(gliquidone)など)、速効型インスリン分泌促進薬(ナテグリニド(nateglinide)、レパグリニド(repaglinide)、ミチグリニド(mitiglinide)など)、GLP−1作動薬(エクセナチド(exenatide)、リラグルチド(liraglutide)など)、アミリン作動薬(プラムリンチド(pramlintide)など)、DPP−IV阻害薬(ビルダグリプチン(vildagliptin)、シタグリプチン(sitagliptin)、サクサグリプチン(saxagliptin)、アログリプチン(alogliptin)、デナグリプチン(denagliptin)、ジェミグリプチン(Gemigliptin)、ドゥトグリプチン(Dutogliptin)など)、β3作動薬(ソラベグロン(solabegron)、ミラベグロン(mirabegron)、KRP−204など)、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ阻害薬(MB−6322、MB−07803など)、SGLT(sodium−dependent renal glucose transporter)阻害薬(セルグリフロジン(sergliflozin)、レモグリフロジン(remogliflozin)、AVE−2268、TS−033、KGA−2727、SAR−7226など)、11β−HSD1阻害薬(BVT−3498、AMG−221、INCB−13739、INCB−20817、JTT−654、PF−915275など)、PTP−1B(protein tyrosine phosphatase−1B)阻害薬(ISIS−113715、JTT−551など)、GSK3β(glycogen synthase kinase 3β)阻害薬(SAR−502250など)、グルカゴン拮抗薬(BAY−27−9955、NN−2501など)、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬(イソファゴミン(Isofagomine)、PSN−357など)、CPT1(カルニチン O−パルミトイルトランスフェラーゼ1)阻害薬(テグリカール(teglicar)など)、グルココルチコイド拮抗薬(ミフェプリストン(mifepristone)、KB−3305など)、HMG−CoA還元酵素阻害薬(プラバスタチン(pravastatin)、シンバスタチン(simvastatin)、フルバスタチン(fluvastatin)、アトルバスタチン(atorvastatin)、ピタバスタチン(pitavastatin)など)、陰イオン交換樹脂(コレスチラミン(colestyramine)、コレスチミド(colestimide)など)、フィブラート系薬(クロフィブラート(clofibrate)、クリノフィブラート(clinofibrate)、ベザフィブラート(bezafibrate)、フェノフィブラート(fenofibrate)など)、ニコチン酸系薬(ニコチン酸トコフェロール(tocopherol nicotinate)、CB1(カンナビノイド1)拮抗薬(リモナバン(rimonabant)、スリナバン(surinabant)、タラナバン(taranabant)、ドリナバン(drinabant)など)、リパーゼ阻害剤(オルリスタット(orlistat)など)又は中枢性食欲抑制剤(マジンドール(mazindol)、フェンフルラミン(fenfluramine)、デクスフェンフルラミン(dexfenfluramine)又はシブトラミン(sibutramine)、フェンターミン(phentermine)など)が挙げられる。
【実施例】
【0105】
以下、実施例を示して本発明を具体的に詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0106】
(実施例1)
1−フェニル−5−トリフルオロメチル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例1の化合物)の合成:
〔第1工程〕
trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(以下、参考化合物1)の合成:
5−ヒドロキシ−2−アダマンタノン(3.00g,18.1mmol)をトルエン(60mL)に溶解し、(−)−1−フェニルエチルアミン(2.4mL,19mmol)、アルミニウムイソプロポキシド(3.69g,18.1mmol)、水酸化パラジウム(0.25g,1.2mmol)を加え、水素雰囲気下50℃で攪拌した。16時間後、反応溶液をセライトろ過し濃縮して油状の粗生成物を得た。得られた組成生物をメタノール(130mL)に溶解し、水酸化パラジウム(0.15g,0.72mmol)を加え水素雰囲気下室温で攪拌した。14時間後、反応溶液をセライトろ過し濃縮し粗生成物(1.78g,96%)を白色固体として得た。ヘキサン/酢酸エチルを溶媒として再結晶を行い、表題化合物を0.98g(55%)、白色固体として得た。
【0107】
〔第2工程〕
実施例1の化合物の合成:
1−フェニル−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(0.10g,0.39mmol)のクロロホルム(4mL)溶液に対し、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.065g,0.39mmol)、ジイソプロピエチルアミン(0.34mL,2.0mmol)、HBTU(0.091g,0.39mmol)を加え室温で撹拌した。16時間後、水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=97/3〜89/11)で精製し、表題化合物0.15g(95%)を白色固体として得た。
【0108】
(実施例2)
5−イソプロピル−1−フェニル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例2の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 5−イソプロピル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物2)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(15g,92mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(61.0mL,460mmol)を加え、90℃で攪拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(320mL)に溶解し、フェニルヒドラジン(13g,63mmol)を加え室温で撹拌した。2時間後、1N HCl(63mL,63mmol)を加え、90℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し、濃縮後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜87/13)で精製し、表題化合物15g(93%)を黄色液体として得た。
【0109】
〔第2工程〕
実施例2の化合物の合成:
エチル 5−イソプロピル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(15g,59mmol)のメタノール(180mL)溶液に、1N NaOH(180mL,180mmol)を加えて50℃で撹拌した。8時間後、濃縮しクロロホルムで抽出した後、水層に対し1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=81/19〜26/74)で精製した。得られた精製物をクロロホルム(65mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(5.5g,33mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(17mL,98mmol)、HBTU(7.7g,33mmol)を加え室温で撹拌した。16時間後、水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物に対し、酢酸エチルによるスラリー洗浄を行い、表題化合物を8.0g(36%)を白色固体(非結晶)として得た。
【0110】
(実施例3)
5−シクロプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例3の化合物)の合成:
5−シクロプロピル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(0.10g,0.44mmol)のクロロホルム(2mL)溶液に、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.073g,0.44mmol)、ジイソプロピエチルアミン(0.12mL,0.66mmol)、HBTU(0.17g,0.46mmol)を加え室温で撹拌した。16時間後、水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール=100/0〜95/5)で精製し、表題化合物0.13g(76%)を白色固体として得た。
【0111】
(実施例4)
1−(4−クロロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例4の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 1−(4−クロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物3)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.30g,1.9mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.76mL,5.7mmol)を加え100℃で撹拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、4−クロロフェニルヒドラジン塩酸塩(0.34g,1.9mmol)、トリエチルアミン(0.79mL,5.7mmol)を加え80℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、表題化合物0.40g(72%)を黄色液体として得た。
【0112】
〔第2工程〕
実施例4の化合物の合成:
エチル 1−(4−クロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.40g,1.4mmol)のメタノール(8mL)溶液に、1N NaOH(2.8mL,2.8mmol)を加えて60℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し、1N HCl(2.8mL,2.8mmol)を加えて濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(15mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.23g,1.4mmol)、HBTU(0.52g,1.4mmol)を加え室温で撹拌した。60時間後、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、表題化合物0.21g(37%)を白色固体として得た。
【0113】
(実施例5)
1−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例5の化合物の合成:
〔第1工程〕
エチル 1−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物4)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.30g,1.9mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.76mL,5.7mmol)を加え100℃で撹拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、4−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(0.31g,1.9mmol)、トリエチルアミン(0.79mL,5.7mmol)を加え80℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、表題化合物0.38g(73%)を黄色液体として得た。
【0114】
〔第2工程〕
1−(4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例5の化合物)の合成:
エチル 1−イソプロピル−5−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.38g,1.4mmol)のメタノール(8mL)溶液に、1N NaOH(2.8mL,2.8mmol)を加えて60℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し、1N HCl(2.8mL,2.8mmol)を加えて濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(15mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.23g,1.4mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.73mL,4.2mmol)、HBTU(0.53g,1.4mmol)を加え室温で撹拌した。60時間後、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、表題化合物0.065g(12%)を白色固体として得た。
【0115】
(実施例6)
5−シクロペンチル−1−フェニル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例6の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 5−シクロペンチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物5)の合成:
エチル 3−シクロペンチル−3−オキソプロパノエート(0.30g,1.6mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.65mL,4.9mmol)を加え100℃で撹拌した。1時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、フェニルヒドラジン塩酸塩(0.24g,1.6mmol)、トリエチルアミン(0.68mL,4.9mmol)を加え80℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、表題化合物0.43g(93%)を黄色液体として得た。
【0116】
〔第2工程〕
実施例6の化合物の合成:
エチル 5−シクロペンチル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.43g,1.5mmol)のメタノール(8mL)溶液に、1N NaOH(3.1mL,3.1mmol)を加えて60℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し、1N HCl(3.1mL,3.1mmol)を加えて濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(15mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.25g,1.5mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.80mL,4.6mmol)、HBTU(0.58g,1.5mmol)を加え室温で撹拌した。60時間後、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、表題化合物0.17g(28%)を白色固体として得た。
【0117】
(実施例7)
5−(tert−ブチル)−1−フェニル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例7の化合物)の合成:
〔第1工程〕
メチル 5−(tert−ブチル)−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物6)の合成:
メチル 4,4−ジメチル−3−オキソペンタノエート(3.0g,19mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(7.6mL,57mmol)を加え100℃で撹拌した。4時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(50mL)に溶解し、フェニルヒドラジン(2.1g,19mmol)を加え80℃で撹拌した。5時間後、室温まで冷却し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、表題化合物1.6g(32%)を黄色液体として得た。
【0118】
〔第2工程〕
実施例7の化合物の合成:
メチル 5−(tert−ブチル)−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(1.6g,6.1mmol)のメタノール(80mL)溶液に、1N NaOH(12mL,12mmol)、NaOH(0.73g,18mmol)を加えて80℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し、1N HClを加えpH=4とし、クロロホルムで抽出した。有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(30mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.67g,4.0mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.7mL,10mmol)、HBTU(1.5g,4.0mmol)を加え室温で撹拌した。11時間後、1N HClを加えてクロロホルムで抽出した。有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1〜クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物0.83g(42%)を白色固体(非結晶)として得た。
【0119】
(実施例8)
1−(3−クロロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例8の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 1−(3−クロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物7)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(1.0g,6.3mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(4.2mL,32mmol)を加え90℃で攪拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(32mL)に溶解し、3−クロロフェニルヒドラジン硫酸塩(1.5g,6.3mmol)を加え80℃で撹拌した。2時間後、1N HCl(6.3mL,6.3mmol)を加え、再び80℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し、濃縮後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=96/4〜86/14)で精製し、表題化合物1.8g(97%)を黄色液体として得た。
【0120】
〔第2工程〕
実施例8の化合物の合成:
エチル 1−(3−クロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(1.8g,6.1mmol)のメタノール(18mL)溶液に、1N NaOH(18mL,18mmol)を加えて50℃で撹拌した。5時間後、濃縮しクロロホルムで抽出した後、水層に対し1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(14mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(1.0g,6.1mmol)、ジイソプロピエチルアミン(3.2mL,18mmol)、HBTU(1.4g,6.1mmol)を加え室温で撹拌した。14時間後、水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜97/3)で精製し、表題化合物0.81g(32%)を白色固体(非結晶)として得た。
【0121】
(実施例9)
1−(3−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例9の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 1−(3−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物8)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(1.0g,6.3mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(4.2mL,32mmol)を加え90℃で攪拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(32mL)に溶解し、3−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(1.0g,6.3mmol)を加え80℃で撹拌した。2時間後、1N HCl(6.3mL,6.3mmol)を加え、再び80℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し、濃縮後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=96/4〜86/14)で精製し、表題化合物1.5g(88%)を黄色液体として得た。
【0122】
〔第2工程〕
実施例9の化合物の合成:
エチル 1−(3−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(1.5g,5.5mmol)のメタノール(18mL)溶液に、1N NaOH(18mL,18mmol)を加えて50℃で撹拌した。5時間後、濃縮しクロロホルムで抽出した後、水層に対し1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(14mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(1.0g,6.2mmol)、ジイソプロピエチルアミン(3.2mL,18mmol)、HBTU(1.4g,6.2mmol)を加え室温で撹拌した。14時間後、水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜97/3)で精製し、表題化合物0.60g(27%)を白色固体として得た。
【0123】
(実施例10)
1−(2−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例10の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 1−(2−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物9)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(1.0g,6.3mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(4.2mL,32mmol)を加え90℃で攪拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(32mL)に溶解し、2−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(1.0g,6.3mmol)を加え80℃で撹拌した。2時間後、1N HCl(6.3mL,6.3mmol)を加え、再び80℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し、濃縮後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=96/4〜86/14)で精製し、表題化合物1.5g(88%)を黄色液体として得た。
【0124】
〔第2工程〕
実施例10の化合物の合成:
エチル 1−(2−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(1.5g,5.5mmol)のメタノール(18mL)溶液に、1N NaOH(18mL,18mmol)を加えて50℃で撹拌した。5時間後、濃縮しクロロホルムで抽出した後、水層に対し1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(14mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(1.0g,6.2mmol)、ジイソプロピエチルアミン(3.2mL,18mmol)、HBTU(1.5g,6.2mmol)を加え室温で撹拌した。14時間後、水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜97/3)で精製し、表題化合物0.70g(32%)を白色固体として得た。
【0125】
(実施例11)
5−イソプロピル−1−(4−メトキシフェニル)−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例11の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 5−イソプロピル−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物10)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.30g,1.9mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.76mL,5.7mmol)を加え100℃で撹拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、4−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩(0.33g,1.9mmol)、トリエチルアミン(0.79mL,5.7mmol)を加え80℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、表題化合物0.44g(80%)を黄色固体として得た。
【0126】
〔第2工程〕
実施例11の化合物の合成:
エチル 5−イソプロピル−1−(4−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.44g,1.5mmol)のメタノール(8mL)溶液に、1N NaOH(3.1mL,3.1mmol)を加えて80℃で撹拌した。2時間後、NaOH(0.25g,6.3mmol)を加えてさらに80℃で1時間撹拌した。室温まで冷却し、1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(5mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.26g,1.5mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.80mL,4.6mmol)、HBTU(0.58g,1.5mmol)を加え室温で撹拌した。12時間後、1N HClを加えクロロホルムで抽出し、有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物0.59g(94%)を白色固体として得た。
【0127】
(実施例12)
5−イソプロピル−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例12の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 5−イソプロピル−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物11)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.30g,1.9mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.76mL,5.7mmol)を加え100℃で撹拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、3−(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジン(0.33g,1.9mmol)、トリエチルアミン(0.79mL,5.7mmol)を加え80℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、表題化合物0.46g(74%)を黄色液体として得た。
【0128】
〔第2工程〕
実施例12の化合物の合成:
エチル 5−イソプロピル−1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.46g,1.4mmol)のメタノール(8mL)溶液に、1N NaOH(2.8mL,2.8mmol)を加えて80℃で撹拌した。2時間後、NaOH(0.25g,6.3mmol)を加えてさらに80℃で1時間撹拌した。室温まで冷却し、1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(5mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.24g,1.4mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.74mL,4.2mmol)、HBTU(0.53g,1.4mmol)を加え室温で撹拌した。12時間後、1N HClを加えクロロホルムで抽出し、有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物0.59g(95%)を白色固体として得た。
【0129】
(実施例13)
5−イソプロピル−1−(メタ−トリル)−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例13の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 5−イソプロピル−1−(メタ−トリル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物12)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.30g,1.9mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.76mL,5.7mmol)を加え100℃で撹拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、3−トリルヒドラジン塩酸塩(0.30g,1.9mmol)、トリエチルアミン(0.79mL,5.7mmol)を加え80℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、表題化合物0.40g(77%)を黄色固体として得た。
【0130】
〔第2工程〕
5−イソプロピル−1−(メタ−トリル)−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例13の化合物)の合成:
エチル 5−イソプロピル−1−(メタ−トリル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.40g,1.5mmol)のメタノール(8mL)溶液に、1N NaOH(2.9mL,2.9mmol)を加えて80℃で撹拌した。2時間後、NaOH(0.25g,6.3mmol)を加えてさらに80℃で1時間撹拌した。室温まで冷却し、1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(5mL)、DMF(2mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.24g,1.5mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.80mL,4.4mmol)、HBTU(0.55g,1.5mmol)を加え室温で撹拌した。12時間後、1N HClを加えクロロホルムで抽出し、有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物を0.51g(88%)を白色固体として得た。
【0131】
(実施例14)
5−イソプロピル−1−(2−メトキシフェニル)−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例14の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 5−イソプロピル−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物13)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.30g,1.9mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.76mL,5.7mmol)を加え100℃で撹拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、2−メトキシフェニルヒドラジン塩酸塩(0.33g,1.9mmol)、トリエチルアミン(0.79mL,5.7mmol)を加え80℃で撹拌した。9時間後、室温まで冷却し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、表題化合物0.37g(68%)を黄色液体として得た。
【0132】
〔第2工程〕
実施例14の化合物の合成:
エチル 5−イソプロピル−1−(2−メトキシフェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.37g,1.3mmol)のメタノール(8mL)溶液に、1N NaOH(2.6mL,2.6mmol)を加えて80℃で撹拌した。2時間後、NaOH(0.25g,6.3mmol)を加えてさらに80℃で1時間撹拌した。室温まで冷却し、1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(5mL)、DMF(2mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.22g,1.3mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.70mL,3.9mmol)、HBTU(0.49g,1.3mmol)を加え室温で撹拌した。12時間後、1N HClを加えクロロホルムで抽出し、有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物0.53g(100%)を白色固体として得た。
【0133】
(実施例15)
5−イソプロピル−1−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例15の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 5−イソプロピル−1−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物14)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.30g,1.9mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.76mL,5.7mmol)を加え100℃で撹拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、2−(トリフルオロメチル)フェニルヒドラジン塩酸塩(0.40g,1.9mmol)、トリエチルアミン(0.79mL,5.7mmol)を加え80℃で撹拌した。9時間後、室温まで冷却し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=5/1)で精製し、表題化合物0.40g(65%)を黄色固体として得た。
【0134】
〔第2工程〕
実施例15の化合物の合成:
エチル 5−イソプロピル−1−(2−(トリフルオロメチル)フェニル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.40g,1.2mmol)のメタノール(8mL)溶液に、1N NaOH(2.5mL,2.5mmol)を加えて80℃で撹拌した。2時間後、NaOH(0.25g,6.3mmol)を加えてさらに80℃で1時間撹拌した。室温まで冷却し、1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(5mL)、DMF(2mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.21g,1.2mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.64mL,3.7mmol)、HBTU(0.47g,1.2mmol)を加え室温で撹拌した。12時間後、1N HClを加えクロロホルムで抽出し、有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=8/1)で精製し、表題化合物0.48g(87%)を白色固体として得た。
【0135】
(実施例16)
5−イソプロピル−1−(オルト−トリル)−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例16の化合物の合成:
〔第1工程〕
エチル 5−イソプロピル−1−(オルト−トリル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物15)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.30g,1.9mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.76mL,5.7mmol)を加え100℃で撹拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、オルト−トリルヒドラジン塩酸塩(0.30g,1.9mmol)、トリエチルアミン(0.79mL,5.7mmol)を加え80℃で撹拌した。9時間後、室温まで冷却し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で精製し、表題化合物0.27g(52%)を黄色液体として得た。
【0136】
〔第2工程〕
実施例16の化合物の合成:
エチル 5−イソプロピル−1−(オルト−トリル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.27g,0.99mmol)のメタノール(8mL)溶液に、1N NaOH(2.0mL,2.0mmol)を加えて80℃で撹拌した。2時間後、NaOH(0.25g,6.3mmol)を加えてさらに80℃で1時間撹拌した。室温まで冷却し、1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(5mL)、DMF(2mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.17g,0.99mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.52mL,3.0mmol)、HBTU(0.37g,0.99mmol)を加え室温で撹拌した。12時間後、1N HClを加えクロロホルムで抽出し、有機層を乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物0.39g(100%)を白色固体として得た。
【0137】
(実施例17)
1−(2−クロロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例17の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 1−(2−クロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物16)の合成:
エチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(1.0g,6.3mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(4.2mL,32mmol)を加え90℃で攪拌した。1.5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(32mL)に溶解し、2−クロロフェニルヒドラジン塩酸塩(1.1g,6.3mmol)を加え80℃で撹拌した。2時間後、1N HCl(6.3mL,6.3mmol)を加え、再び80℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却し、濃縮後、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=96/4〜86/14)で精製し、表題化合物1.7g(95%)を黄色液体として得た。
【0138】
〔第2工程〕
実施例17の化合物の合成:
エチル 1−(2−クロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(1.7g,5.9mmol)のメタノール(18mL)溶液に、1N NaOH(18mL,18mmol)を加えて50℃で撹拌した。4時間後、濃縮しクロロホルムで抽出した後、水層に対し1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(14mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.99g,5.9mmol)、ジイソプロピエチルアミン(3.1mL,18mmol)、HBTU(1.4g,5.9mmol)を加え室温で撹拌した。14時間後、水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜97/3)で精製し、表題化合物0.89g(36%)を白色固体として得た。
【0139】
(実施例18)
1−フェニル−5−(2−ヒドロキシプロパン−2−イル)−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例18の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 4−(ベンジルオキシ)−4−メチル−3−オキソペンタノエート(以下、参考化合物17)の合成:
エチル 2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノエート(1.0g,7.6mmol)のDMF(7.6mL)溶液に水素化ナトリウム(0.40g、9.1mmol)、臭化ベンジル(0.86mL、7.2mmol)を加え室温で攪拌した。1時間後、反応溶液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をメタノール(20mL)に溶解し、1N NaOH(21mL、21mmol)を加え室温で撹拌した。16時間後、1N HClを(25mL、25mmol)加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をアセトニトリル(40mL)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(1.2g、7.6mmol)を加えて室温で撹拌した(これをA液とする)。マグネシウムクロリド(4.1g、32mmol)をアセトニトリル(20mL)に溶解し、マロン酸エチルカリウム塩(2.6g、15mmol)、トリエチルアミン(10mL、72mmol)を加え室温下で撹拌した(これをB液とする)。2時間後、A液をB液に加え90℃で撹拌した。2時間後、室温へと冷却し、1N HClを加え、室温において攪拌した。1時間後、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=96/4〜86/14)で精製し、表題化合物1.3g(68%)を黄色液体として得た。
【0140】
〔第2工程〕
エチル 1−フェニル−5−(2−(ベンジルオキシ)プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシレート(以下、参考化合物18)の合成:
エチル 4−(ベンジルオキシ)−4−メチル−3−オキソペンタノエート(1.1g,4.0mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(2.7mL,20mmol)を加え80℃で攪拌した。6時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(34mL)に溶解し、フェニルヒドラジン(0.35mL,3.6mmol)を加え80℃で撹拌した。4時間後、室温まで冷却し、1N HCl(6.3mL,6.3mmol)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0〜60/40)で精製し、表題化合物0.70g(56%)を黄色液体として得た。
【0141】
〔第3工程〕
実施例18の化合物の合成:
エチル 1−フェニル−5−(2−(ベンジルオキシ)プロピル−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.20g,0.55mmol)をメタノール(1.8mL)に溶解し、1N NaOH(1.3mL,1.3mmol)を加え50℃で撹拌した。6時間後、1N HClを(2.0mL,2.0mmol)加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮し,得られた粗生成物をクロロホルム(5.5mL)に溶解し、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.10g,0.60mmol)、ジイソプロピエチルアミン(0.35mL,2.0mmol)、HBTU(0.31g,82mmol)を加え室温で撹拌した。16時間後、水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5.0mL)に溶解し、水酸化パラジウム(0.073g,0.52mmol)を加え、水素雰囲気下、室温で攪拌を行った。2時間後、反応液をセライト濾過し、濾液を濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロフルム/メタノール=100/0〜80/20)で精製し、表題化合物0.16g(76%)を白色固体として得た。
【0142】
(実施例19)
1−フェニル−5−(1−ヒドロキシプロパン−2−イル)−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例19の化合物)の合成:
〔第1工程〕
エチル 1−フェニル−5−(1−(4−メトキシベンジロキシ)プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物19)の合成:
メチル 3−ヒドロキシ−2−メチルプロパノエート(0.90g,7.6mmol) をジクロロメタン(18mL)に溶解し、1,1,1−トリクロロ−4−(4−メトキシフェニル)ブタン−2−イミン(2.4g,8.4mmol)、10−カンファースルホン酸(0.18g,0.76mmol)を加えて室温で撹拌した。4時間後、濾過し飽和重曹水で中和した後、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をメタノール(47mL)に溶解し、1.5N NaOH(7.8mL,12mmol)を加えて室温で撹拌した。16時間後、濃縮し酢酸エチルで抽出した後、水層に対し1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、乾燥、濃縮し3−(4−メトキシベンジロキシ)−2−メチルプロパノイル酸の粗生成物を得た。得られた3−(4−メトキシベンジロキシ)−2−メチルプロパノイル酸をアセトニトリル(12mL)に溶解し、カルボニルジイミダゾール(1.0g,6.1mmol)を加えて室温で撹拌した(これをA液とする)。マグネシウムクロリド(1.2g,13mmol)をアセトニトリル(12mL)に溶解し、マロン酸エチルカリウム塩(2.1g,12mmol)、トリエチルアミン(3.7mL,26mmol)を加え室温下で撹拌した(これをB液とする)。2時間後、A液をB液に加え90℃で撹拌した。4時間後、室温へと冷却し、1N HClにてpH=5とし0.5時間攪拌した後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物に対しジメチルホルムアミドジメチルアセタール(3.9mL,29mmol)を加え90℃で撹拌した。2時間後、室温へと冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(58mL)に溶解し、フェニルヒドラジン(1.1mL,12mmol)を加え、室温で2時間攪拌した後、90℃で攪拌した。3時間後、1N HClを加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=94/6〜86/14)で精製し、表題化合物1.2g(40%)を得た。
【0143】
〔第2工程〕
1−フェニル−5−(1−(4−メトキシベンジロキシ)プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物20)の合成:
エチル 1−フェニル−5−(1−(4−メトキシベンジロキシ)プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.2g,0.51mmol)をメタノール(2.5mL)に溶解し、1N NaOH(2.5g,2.5mmol)を加え60℃で攪拌した。6時間後、濃縮し酢酸エチルで抽出した後、水層に対し1N HClを加えpH=4とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=91/9〜79/21)で精製し、表題化合物0.14g(76%)を得た。
【0144】
〔第3工程〕
1−フェニル−5−(1−(4−メトキシベンジロキシ)プロパン−2−イル)−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、参考化合物21)の合成:
1−フェニル−5−(1−(4−メトキシベンジロキシ)プロパン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.38g,0.38mmol)のクロロホルム溶液(4.0mL)に対し、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.10g,0.38mmol)、ジイソプロピエチルアミン(0.20mL,1.1mmol)、HBTU(0.09g,0.38mmol)を加え室温で撹拌した。16時間後、水を加えてクロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜97/3)で精製し、表題化合物0.16g(81%)を白色固体として得た。
【0145】
〔第4工程〕
実施例19の化合物の合成:
1−フェニル−5−(1−(4−メトキシベンジロキシ)プロパン−2−イル)−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(0.08g,0.16mmol)のエタノール溶液(1.5mL)に20%水酸化パラジウム−炭素(0.022g,0.032mmol)を加え水素雰囲気下、室温で4時間攪拌した後、50℃で攪拌した。4時間後、反応溶液をセライトで濾過し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜93/7)で精製し、表題化合物0.045g(73%)を白色固体として得た。
【0146】
(実施例20)
1−フェニル−5−イソプロピル−N−(trans−5−アセトアミドアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例20の化合物)の合成:
1−フェニル−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(0.14g,0.37mmol)のアセトニトリル(3.7mL)溶液に、濃硫酸(0.019mL,0.37mmol)を加えて70℃で撹拌した。4時間後、室温まで冷却した後、1N NaOH(1.5mL、1.5mmol)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜90/10)で精製し、表題化合物0.14g(88%)を白色固体として得た。
【0147】
(実施例21)
1−フェニル−5−イソプロピル−N−(trans−5−カルバモイルアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例21の化合物)の合成:
1−フェニル−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(0.35g,0.92mmol)の発煙硫酸(7.5mL)溶液に、ギ酸(6.50mL,168mmol)を加えて60℃で撹拌した。2時間後、室温まで冷却した後、水(10mL)を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(3.1mL)に溶解し、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.15g,0.80mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.12g,0.80mmol)を加え、室温で攪拌した。3時間後、アンモニア飽和クロロホルム溶液(15mL)を加え、室温で攪拌した。16時間後、反応液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜90/10)で精製し、表題化合物0.33g(89%)を白色固体として得た。
【0148】
(実施例22)
trans−4−(5−イソプロピル−1−フェニル−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド)アダマンタン−1−カルバマート(以下、実施例22の化合物)の合成:
アルゴン雰囲気下、1−フェニル−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(0.50g,1.3mmol)をTHF(6.5mL)に溶解し、クロロスルホニルイソシアナート(0.13mL,1.5mmol)を加え、室温で攪拌した。4時間後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え中和した後、室温で1時間攪拌した後、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄した後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜89/11)で精製し、表題化合物0.099g(18%)を白色固体として得た。
【0149】
(実施例23)
1−(3−クロロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−(アミノカルボニル)アミノアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例23の化合物)の合成:
trans−5−(1−(3−クロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド)アダマンタン−2−カルボン酸(0.50g,1.1mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.19g,1.2mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物(0.17g,1.2mmol)、トリエチルアミン(0.79mL,5.7mmol)を加え、室温で攪拌した。4時間後、飽和アンモニア−クロロホルム溶液(5mL)を加え、さらに3時間攪拌した。反応溶液に蒸留水を加えた後クロロホルムにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄した後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜91/9)で精製し、表題化合物0.31g(62%)を白色固体(非結晶)として得た。
【0150】
(実施例24)
trans−4−(1−(3−クロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド)アダマンタン−1−カルバマート(以下、実施例24の化合物)の合成:
アルゴン雰囲気下、1−(3−クロロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(0.40g,0.97mmol)をTHF(10mL)に溶解し、クロロスルホニルイソシアナート(0.13mL,1.4mmol)を加え、室温で攪拌した。4時間後、飽和炭酸ナトリウム水溶液を加え中和した後、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄した後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜91/9)で精製し、表題化合物0.29g(66%)を白色固体として得た。
【0151】
(実施例25)
1−(3−クロロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−アセチルアミノアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例25の化合物)の合成:
アルゴン雰囲気下、1−(3−クロロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(0.40g,0.97mmol)をアセトニトリル(6mL)に溶解し、濃硫酸(3mL)を加え、室温で攪拌した。16時間後、反応溶液に飽和重曹水を加え中和した後水酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜96/4)で精製し、表題化合物0.40g(92%)を白色固体として得た。
【0152】
(実施例26)
1−(2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例26の化合物)の合成:
〔第1工程〕
メチル 1−(2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物22)の合成:
メチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.072g,0.50mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.33mL,2.5mmol)を加え90℃で撹拌した。2時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニルヒドラジン(0.11g,0.50mmol)を加え80℃で撹拌した。3時間後、室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、表題化合物0.16g(92%)を黄色液体として得た。
【0153】
〔第2工程〕
実施例26の化合物の合成:
メチル 1−(2−クロロ−5−トリフルオロメチルフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.16g,0.46mmol)のメタノール(3mL)溶液に、1N NaOH(1.15mL,1.15mmol)を加えて50℃で一晩撹拌した。その後、1N NaOH(1.15mL,1.15mmol)をさらに加えて50℃で撹拌した。3時間後、室温まで冷却し、1N HCl(2.3mL,2.3mmol)を加えて濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(5mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.077g,0.46mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.12mL,0.69mmol)、HBTU(0.18g,0.46mmol)を加え室温で撹拌した。20時間後、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=1/1)で精製し、表題化合物0.20g(88%)を白色固体として得た。
【0154】
(実施例27)
1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例27の化合物)の合成:
〔第1工程〕
メチル 1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物23)の合成:
メチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.072g,0.50mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.33mL,2.5mmol)を加え90℃で撹拌した。2時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、3,5−ビストリフルオロメチルフェニルヒドラジン(0.12g,0.49mmol)を加え80℃で撹拌した。2.5時間後、室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、表題化合物0.17g(88%)を黄色液体として得た。
【0155】
〔第2工程〕
実施例27の化合物の合成:
メチル 1−(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.17g,0.44mmol)のメタノール(3mL)溶液に、1N NaOH(1.11mL,1.11mmol)を加えて50℃で4時間撹拌した。その後、1N NaOH(1.11mL,1.11mmol)をさらに加えて50℃で撹拌した。4時間後、室温まで冷却し、1N HCl(2.22mL,2.22mmol)を加えて濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(5mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.074g,0.44mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.12mL,0.67mmol)、HBTU(0.17g,0.44mmol)を加え室温で撹拌した。72時間後、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物0.22g(94%)を白色固体として得た。
【0156】
(実施例28)
1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例28の化合物)の合成:
〔第1工程〕
メチル 1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物24)の合成:
メチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.072g,0.50mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.33mL,2.5mmol)を加え90℃で撹拌した。2時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、2−クロロ−4−フルオロフェニルヒドラジン塩酸塩(0.099g,0.50mmol)を加え80℃で撹拌した。3時間後、室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、表題化合物0.12g(79%)を黄色液体として得た。
【0157】
〔第2工程〕
以下、実施例28の化合物の合成:
メチル 1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.12g,0.39mmol)のメタノール(3mL)溶液に、1N NaOH(0.99mL,0.99mmol)を加えて50℃で4時間撹拌した。その後、1N NaOH(0.99mL,0.99mmol)をさらに加えて50℃で撹拌した。4時間後、室温まで冷却し、1N HCl(1.98mL,1.98mmol)を加えて濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(5mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.066g,0.39mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.10mL,0.59mmol)、HBTU(0.15g,0.39mmol)を加え室温で撹拌した。72時間後、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物0.14g(84%)を白色固体として得た。
【0158】
(実施例29)
1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、実施例29の化合物)の合成:
〔第1工程〕
メチル 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(以下、参考化合物25)の合成:
メチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(0.072g,0.50mmol)にジメチルホルムアルデヒドジメチルアセタール(0.33mL,2.5mmol)を加え90℃で撹拌した。2時間後、反応溶液を室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(5mL)に溶解し、3,4−ジクロロフェニルヒドラジン塩酸塩(0.11g,0.50mmol)を加え80℃で撹拌した。2.5時間後、室温まで冷却し、濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で精製し、表題化合物0.14g(91%)を黄色液体として得た。
【0159】
〔第2工程〕
実施例29の化合物の合成:
メチル 1−(3,4−ジクロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシラート(0.14g,0.46mmol)のメタノール(5mL)溶液に、1N NaOH(2.29mL,2.29mmol)を加えて50℃で一晩時間撹拌した。その後、1N NaOH(1.15mL,1.15mmol)をさらに加えて50℃で撹拌した。24時間後、室温まで冷却し、1N HCl(3.44mL,3.44mmol)を加えて濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルム(5mL)、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.076g,0.46mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(0.12mL,0.69mmol)、HBTU(0.17g,0.46mmol)を加え室温で撹拌した。72時間後、濃縮して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10/1)で精製し、表題化合物0.19g(93%)を白色固体として得た。
【0160】
(比較例1)
1−フェニル−5−メチル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(以下、比較例1の化合物)の合成:
1−フェニル−5−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸(0.10g,0.50mmol)のクロロホルム(5mL)溶液に対し、trans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(0.083g,0.50mmol)、ジイソプロピエチルアミン(0.26mL,1.5mmol)、HBTU(0.12g,0.50mmol)を加え室温で撹拌した。16時間後、水を加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜93/7)で精製し、表題化合物0.11g(61%)を白色固体として得た。
【0161】
(比較例2)
trans−4−(1−フェニル−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド)アダマンタン−1−カルボン酸(以下、比較例2の化合物)の合成:
60℃に加熱した発煙硫酸(8.4mL)に、1−フェニル−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(0.20g,0.53mmol)のギ酸(2mL)溶液をゆっくり加え、攪拌した。4時間後、反応溶液を0℃に冷却し、水を加えた後、室温で攪拌した。16時間後、飽和重曹水を加えpH=3とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄した後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜91/9)で精製した後、酢酸エチル、ヘキサンによりスラリー洗浄することで表題化合物0.016g(7.0%)を白色固体として得た。
【0162】
(比較例3)
trans−4−(1−(3−クロロフェニル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド)アダマンタン−1−カルボン酸(以下、比較例3の化合物)の合成:
60℃に加熱した発煙硫酸(8.4mL)に、1−(3−クロロフェニル)−5−イソプロピル−N−(trans−5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−カルボキシアミド(1.0g,2.4mmol)のギ酸(8.4mL)溶液をゆっくり加え、攪拌した。4時間後、反応溶液を0℃に冷却し、水を加えた後、室温で攪拌した。1時間後、飽和重曹水を加えpH=3とした後、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄した後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0〜75/25)で精製し、表題の化合物1.0g(96%)を白色固体として得た。
【0163】
(比較例4)
4−(4−((5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)カルバモイル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−1−イル)安息香酸(以下、比較例4の化合物)の合成:
〔第1工程〕
N−(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−4−メチル−3−オキソペンタンアミド(以下、参考化合物26)の合成:
メチル 4−メチル−3−オキソペンタノエート(1.7mL,12mmol)のトルエン(18mL)溶液にtrans−5−ヒドロキシ−2−アダマンチルアミン(2.0g,12mmol)を加え、90℃で攪拌した。16時間後、反応溶液を室温まで冷却し、1N HClを加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜70/30)で精製し、表題化合物0.90g(36%)を白色個体として得た。
【0164】
〔第2工程〕
メチル 4−(4−((5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)カルバモイル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾエート(以下、参考化合物27)の合成:
N−(5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)−4−メチル−3−オキソペンタンアミド(0.90g,3.22mmol)にジメチルホルムアミドジメチルアセタール(2.2mL,16mmol)を加えて90℃で撹拌した。5時間後、反応溶液を室温まで冷却し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をエタノール(10mL)、4−ヒドラジノ安息香酸メチルエステル塩酸塩(0.38g,1.9mmol)を加え80℃で撹拌した。35時間後、反応溶液を室温まで冷却し、1N HClを加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10〜50/50)で精製し、表題化合物0.48g(59%)を白色固体として得た。
【0165】
〔第3工程〕
比較例4の化合物の合成:
メチル 4−(4−((5−ヒドロキシアダマンタン−2−イル)カルバモイル)−5−イソプロピル−1H−ピラゾール−1−イル)ベンゾエート(0.48g,1.1mmol)にメタノール(10mL)、1N NaOH(5.5mL,5.55mmol)加えて80℃で撹拌した。2時間後、反応溶液を室温まで冷却し、1N HClを加えて濃縮した。水を加えて酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥し濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=90/10)で精製し、表題化合物を0.38g(81%)、白色固体として得た。
【0166】
表18〜20に実施例1〜29の化合物、表21〜23に参考化合物1〜27、表24に比較例1〜4の化合物の構造式、1H−NMRデータ及び質量分析データをそれぞれ示した。
【0167】
【表18】

【0168】
【表19】

【0169】
【表20】

【0170】
【表21】

【0171】
【表22】

【0172】
【表23】

【0173】
【表24】

【0174】
(実施例30) 11β−HSD1阻害実験:無細胞評価系
ヒト11β−HSD1遺伝子発現ベクターをHEK293H細胞(インビトロジェン)に一過性導入して調製した細胞抽出液(以下、「ライセート」)を用いて、本発明のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩(以下、「実施例の化合物群」)の11β−HSD1阻害作用を評価した。
【0175】
1.試験方法
a.酵素源
I.M.A.G.Eクローン(クローンID:5193867、インビトロジェン)より調製したヒト11β−HSD1を含むプラスミドDNA(pCMV−SPORT6ベクターに挿入されている)を鋳型にして、ヒト11β−HSD1を含むDNA断片をPCRで増幅し、pTA2(東洋紡績)にサブクローニングした。塩基配列を解析して変異の無いことを確認したポジティブクローンを制限酵素XhoI,XbaIで切断し、ヒト11β−HSD1を含むDNA断片をpCI−neo(プロメガ)のXhoI,XbaI開裂部位に挿入し、ヒト11β−HSD1遺伝子発現ベクターh11β−HSD1/pCI−neoを得た。
【0176】
細胞ライセートの調製は以下の方法で行った。HEK293H細胞の細胞数をカウントし、2×10cells/5mL/6cm dishとなるように播種し、37℃、5%COインキュベーターで一晩培養した。2日目に培養液を交換(2mL培養液/dish)し、h11β−HSD1/pCI−neoをFuGENE HD Transfection Reagent(ロシュ・アプライド・サイエンス)を用いて細胞にトランスフェクションした。トランスフェクションは試薬添付の調製方法に従って行った。すなわち、dish1枚当たり5.0μgのh11β−HSD1/pCI−neoを、チューブ内でOpti−MEM(インビトロジェン)を用いて50μLに調製し、そこへ20μLのFuGENE HD Transfection Reagentを添加し、室温で15分間静置した後、細胞に混合液を添加し、37℃、5%COのインキュベーターで一晩培養した。3日目に細胞をPBSで縣濁してチューブに回収し、1,000rpm、5分間、4℃にて遠心した。上清を除き、細胞塊を液体窒素で凍結した。細胞をdish1枚当たり200μLの溶解バッファー(0.25mol/L sucrose、1mmol/L EDTA・2Na、10mmol/L Tris−HCl,pH7.4、1% protease inhibitor cocktail)に縣濁し、凍結融解を3回繰り返し行った。protein assay(バイオ・ラッド)を用いてBradford法によりタンパク質定量を行い、10%グリセロールとなるようにグリセロールを添加して、−80℃にて使用時まで凍結保存した。
【0177】
b.酵素阻害実験
反応は384ウェルのブラックプレート(コーニング)を用いて行った。被験化合物は、DMSOにて最終濃度の100倍に調製し、アッセイバッファー(20mmol/L HEPES(pH6.0),5mmol/L EDTA,0.1%BSA)にて最終濃度の8倍に希釈した。アッセイバッファーにて最終濃度の2.67倍に希釈したヒト11β−HSD1発現細胞ライセート(最終タンパク質濃度 100〜200μg/mL)12μLを96ウェルV底プレートに添加し、そこにアッセイバッファー又は希釈した被験化合物溶液4μLを添加して、37℃で10分間インキュベーションした。補酵素NADPH(最終濃度0.2mmol/L、シグマ)、コルチゾン(最終濃度200nmol/L、シグマ)をそれぞれアッセイバッファーにて最終濃度の4倍に希釈してそれを等量混合し、その基質混合液5μLを384ウェルブラックプレートに添加した。プレインキュベーションしたライセート5μLを上記384ウェルブラックプレートに添加し、37℃にて2時間インキュベーションした。生成されたコルチゾールの検出はCortisol kit(シスバイオ)を使用し、anti−cortisol cryptate及びcortisol−XL665を各5μLずつ添加して室温で2時間インキュベーションした後、反応液の蛍光(励起波長340nm,蛍光波長615nm及び665nm)を、マルチラベルリーダー(Arvo SX、パーキンエルマー)を用いて測定した。コルチゾール検量線を作成し、サンプル中のコルチゾンから変換されたコルチゾール濃度を算出した。
【0178】
測定結果より各被験化合物の各濃度について阻害率(% of inhibition)を求めた。以下に阻害率の求め方を示す。
Ratio=(A665nm/B615nm)×10
665nm:665nmにおける測定値、B615nm:615nmにおける測定値
阻害率(% of inhibition)=((被験化合物のRatio−被験化合物非添加のRatio)/(細胞ライセート非添加かつ被験化合物非添加のRatio−被験化合物非添加のRatio))×100
【0179】
2.結果
酵素活性を50%阻害する化合物濃度をIC50値として算出した。結果を表25に示す。表25に示した実施例の化合物群は、強力な11β−HSD1阻害活性を示した。一方、比較対照化合物として用いた比較例1〜4の化合物は僅かな11β−HSD1阻害活性しか示さなかった。
【0180】
【表25】

【0181】
(実施例31) 11β−HSD1阻害実験(細胞評価系)
ヒト11β−HSD1遺伝子安定発現細胞株を用いて、実施例の化合物群の11β−HSD1阻害作用を評価した。
【0182】
1.試験方法
a.ヒト11β−HSD1遺伝子安定発現細胞株
安定発現細胞株樹立は以下の方法で行った。細胞はラット肝癌由来細胞株H4−II−E−C3(American Type Culture Colleciton (ATCC))を用い、10% FBS、0.1mmol/L Non essential amino acid及び1mmol/Lピルビン酸ナトリウムを含んだMEM mediumを培地としてCOインキュベーター内で継代培養した。細胞を3.5cm dishに0.8又は1.0×10cells/2mL培養液/dishとなるように播種し、37℃、5%COインキュベーターで一晩培養した。2日目に培養液を交換(2mL培養液/dish)し、h11β−HSD1/pCI−neoをトランスフェクションした。トランスフェクションは以下の調製方法で行った。dish1枚当たり0.5μgのh11β−HSD1/pCI−neo及び2.5μLのFuGENE HD Transfection Reagentをチューブ内でOpti−MEM(インビトロジェン)にて25μLに調製し、室温で20分静置した後、細胞に混合液を添加し、37℃、5% COのインキュベーターで2日間培養した。細胞をPBSで洗浄し、トリプシン/EDTAではがした後、10mLの培地で懸濁し、G418を0.5又は0.6mg/mLとなるように添加した。数日おきに培養液を交換し、G418耐性になった細胞塊を20μL用のピペットマンを用いて培養プレートからピックアップし、ヒト11β−HSD1遺伝子安定発現細胞を得た。
【0183】
b.11β−HSD1活性の測定
11β−HSD1活性の評価は、96ウェルプレートに播いたヒト11β−HSD1遺伝子安定発現細胞にコルチゾンを添加し、培養上清中に産生されたコルチゾール量を指標にした。まず、初日に細胞を96ウェルプレートに1.2×10細胞/ウェルとなるように播種し、7時間後に培地を無血清培地(MEM、1%Non essential amino acid、1mmol/Lピルビン酸ナトリウム及び0.1%BSA)に交換して一晩培養した。2日目に、細胞をPBSで洗浄後、100nmol/Lコルチゾン及び20mmol/Lピルビン酸ナトリウムを添加したグルコース不含かつフェノールレッド不含のDMEM培地(シグマ;D−5030)に交換し、4時間培養した。被験化合物は事前に前述の培地で最終濃度に希釈(0.1%DMSO)し、処置した。培養上清10μL/ウェルを分取して試料として用いた。生成されたコルチゾールの検出はCortisol kit(シスバイオ)を使用し、anti−cortisol cryptate及びcortisol−XL665を各5μLずつ添加して室温で2時間インキュベーションした後、反応液の蛍光(励起波長340nm,蛍光波長615nm及び665nm)を、マルチラベルリーダー(Arvo SX、パーキンエルマー)を用いて測定した。コルチゾール検量線を作成し、サンプル中のコルチゾンから変換されたコルチゾール濃度を算出した。被験化合物の阻害率は、被験化合物非添加かつコルチゾン非添加時を100%活性、被験化合物非添加かつコルチゾン添加時を0%活性とした阻害率(% of inhibition)で表した。
【0184】
2.結果
酵素活性を50%阻害する化合物濃度をIC50値として算出した。結果を表26に示す。表26に示した実施例の化合物群は、強力な11β−HSD1阻害活性を示した。一方、比較対照化合物として用いた比較例4の化合物は僅かな11β−HSD1阻害活性しか示さなかった。
【0185】
【表26】

【0186】
(実施例32) 病態モデルでのインスリン抵抗性改善作用及び体重への影響
マウスDIO(Diet induced−obesity)モデル(以下、「DIOマウス」)を用いて、実施例の化合物群のインスリン抵抗性改善作用を評価した。
【0187】
1.試験方法
C57BL/6Nマウス(雄性、日本チャールス・リバー)を4週齢で入荷し、1週間通常飼料(CRF−1)で給餌した後、60%脂肪を含む固形飼料(D12492、リサーチダイエット)又は通常飼料で12〜13週間飼育した。
【0188】
実施例の化合物群及びピオグリタゾンは瑪瑙乳鉢を用いて0.5%メチルセルロース(MC)にて1又は3mg/mLとなるよう懸濁した。投与薬液は用時調製し、ディスポーザブルシリンジ(1mLサイズ、テルモ)及び経口投与用ゾンデを用いて投与した。投与薬液は10又は30mg/kgの用量で1日1回夕方、無麻酔下強制経口投与した。対照の溶媒群には0.5%MCを投与した。投与開始日を0日として13日目まで投与した。尚、群分けは投与開始前日(−1日目)の時点で各群(n=8)の体重が均等になるように実施した。60%脂肪を含む固形飼料で飼育したDIOマウスは、体重が平均値±2SD(標準偏差)内であった個体を群分け対象とした。通常飼料のマウス群(以下、「正常群」)のマウスは体重を測定し、ランダムに8匹を選択して実験に供した。また、体重は13日目まで毎日測定した。
【0189】
14日目の午前中に、予め絶食用5連ケージ内で一晩絶食させたマウスから採血を行った。血液は、マウス尾静脈(尾先端より約3cmのところ)をランセット(MEDIpoint)、注射針又は同等品で傷つけ、ヘパリン処理キャピラリー管を用いて同箇所より採取(50〜70μL)した。採血時に、簡易型血糖測定装置(メディセンス・プレシジョンエクシード、アボットジャパン)を用いた血糖測定を同時に行った。採取血は、ヘマトクリット遠心機(久保田製作所)にて遠心分離(10000rpm、7min、低温室内で遠心)し、血漿を回収し、使用時まで冷凍保存した。インスリン測定にはインスリン測定キット(レビス・インスリン−マウスT、シバヤギ)を用いた。詳細はキットの説明書に従った。必要に応じてサンプルを希釈し、再度測定した。
【0190】
インスリン抵抗性の指標であるHOMA−IR(homeostasis model assessment of insulin resistance)は、空腹時血糖値×血漿インスリン値/22.5の式にて算出した。
【0191】
インスリン負荷試験(ITT)は14日目に20時間以上の絶食後に実施した。14日目の午後、再度血糖値を測定した後、インスリン溶液を腹腔内投与(0.3unit/kg)した。インスリン溶液は100unit/mLの溶液(ヒューマリンR注、イーライ・リリー)を0.1%BSA含有生理食塩水で0.06unit/mLに希釈して調製した。インスリン負荷後30、60及び120分に血糖値を測定した。血糖値の測定は上述のとおり行った。
【0192】
実施例の化合物群及びピオグリタゾンの体重への影響は投与開始後13日目の時点での体重(g)及び投与開始日(0日目)からの変化量(g)によって評価した。
【0193】
DIOマウスの溶媒投与群(以下、「溶媒群」)と実施例の化合物群投与群との間の統計解析は以下の手法を用いて行った。2群の検定は等分散性の確認(F検定)後、Student’s t検定又はWelch検定を選択して行った。用量反応性は、等分散性の確認(Bartlett検定)後、パラメトリック又はノンパラメトリックWilliams検定で評価した。Williams検定ではP値が0.025未満(下側)、2群の検定ではP値が0.05未満の場合、統計学的に有意であると判断した。
【0194】
2.結果
実施例の化合物群を代表する化合物のHOMA−IR値に対する作用を、図1〜4に示す。図中の記号*は、溶媒群との比較で統計学的に有意であることを示す。実験の結果、実施例2、7、8及び23の化合物の投与群は、それぞれ溶媒群と比較して有意にHOMA−IR値を低下させた。
【0195】
ITTにおいて、実施例2の化合物とチアゾリジンジオン類の一つであるピオグリタゾンのインスリン感受性の血糖低下作用を評価した。図5に正常群(□)、溶媒群(■)、実施例2の化合物 10mg/kg投与群(○)、実施例2の化合物 30mg/kg投与群(●)及びピオグリタゾン 30mg/kg投与群(△)のインスリン負荷後の血糖値推移を示す。図中の記号*又は#は、それぞれ、実施例2の化合物投与群又はピオグリタゾン投与群が溶媒群との比較で統計学的に有意であることを示す。また、*(10,30)は実施例2の化合物の用量が10及び30mg/kgの両方の群で統計学的に有意であること、*(10)は実施例2の化合物の用量が10mg/kgの群で統計学的に有意であることを示す。図5に示すとおり、実施例2の化合物投与群のインスリン負荷30分後及び60分後の血糖値は、溶媒群と比較して有意に低値であった。また、実施例2の化合物投与群の血糖値推移はピオグリタゾン投与群と同程度であった。
【0196】
これらの結果から、実施例の化合物群はインスリン抵抗性改善作用を有することが示された。
【0197】
表27に投与開始後13日目時点での体重及び投与開始日(0日目)からの変化量(体重変化量)を示す(いずれも8例の平均値±標準誤差)。溶媒群は正常群に対して肥満状態にあることが示された。実施例2の化合物投与群の体重は溶媒群と比較して低値であり、また体重変化量については有意な変化(減少)を示した。一方、ピオグリタゾン投与により、体重は増加した。以上の結果から、実施例の化合物群は肥満の改善作用を持つこと及び体重増加の副作用がないことが示された。
【0198】
【表27】

【0199】
(実施例33) 病態モデルでの肝糖新生抑制作用
DIOマウスを用いて、実施例の化合物群の肝糖新生抑制作用を評価した。
【0200】
1.試験方法
C57BL/6Nマウス(雄性、日本チャールス・リバー)を4週齢で入荷し、1週間通常飼料(CRF−1)で給餌した後、60%脂肪を含む固形飼料(D12492、リサーチダイエット)又は通常飼料で13週間飼育した。なお、60%脂肪を含む固形飼料のマウスをDIOマウス、通常飼料のマウスを正常群のマウスとした。
【0201】
実施例2の化合物及びピオグリタゾンの調製、投与、群分け、採血方法、血糖値の測定並びに統計解析は実施例32に記載の方法と同様に行った。投与開始日を0日目として13日目まで投与した。
【0202】
肝糖新生抑制作用の評価はピルビン酸負荷試験(PTT)により行った。14日目の午後、20時間絶食したマウスの血糖値を測定した後、ピルビン酸ナトリウム溶液を直ちに腹腔内投与(2g/kg)した。ピルビン酸ナトリウム溶液はPBS(−)で0.2g/mLに希釈して調製した。ピルビン酸負荷後30、60、90、120及び180分に血糖値を測定した。
【0203】
2.結果
図6に正常群(□)、溶媒群(■)、実施例2の化合物 10mg/kg投与群(○)、実施例2の化合物 30mg/kg投与群(●)及びピオグリタゾン 30mg/kg投与群(△)のピルビン酸投与後の血糖値推移を示す(ピルビン酸負荷時点を0分とする)。また、図7に、ピルビン酸負荷後0〜180分までの血糖値AUC(Area under the curve)を示す。図中の記号*又は#は、それぞれ、実施例2の化合物投与群又はピオグリタゾン投与群が溶媒群との比較で統計学的に有意であることを示す。また、*(10,30)は実施例2の化合物の用量が10及び30mg/kgの両方の群で統計学的に有意であること、*(30)は実施例2の化合物の用量が30mg/kgの群で統計学的に有意であることを示す。図6に示すとおり、溶媒群は正常群と比べて血糖値が高値で推移し、ピルビン酸負荷180分後においても血糖値が下がり切らなかった。実施例2の化合物投与群の血糖値は溶媒群と比較してピルビン酸負荷60分以降有意に低下し、180分後においてピルビン酸負荷時点(0分)と同程度まで低下した。また、図7に示すとおり、実施例2の化合物投与群は溶媒群と比較して血糖値AUCを有意に低下させ、その効力はピオグリタゾン投与群よりも強かった。以上の結果から、実施例の化合物群は肝糖新生抑制作用を有することが示された。
【産業上の利用可能性】
【0204】
本発明のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩は、顕著な11β−HSD1阻害活性を示すとともに副作用が軽減されているため、医薬の分野において糖尿病の治療薬及び予防薬並びにインスリン抵抗性に対する改善薬として用いることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の一般式(I)
【化1】

[式中、Rは、炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)、炭素数3〜10のシクロアルキル(該シクロアルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)、炭素数1〜3のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子又は水素原子を示し、kは、1〜5の整数を示し、Rは、炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよいが、メチルを除く。)又は炭素数3〜10のシクロアルキル(該シクロアルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)を示し、Rは、炭素数1〜6のアルキル、炭素数3〜6のシクロアルキル又は水素原子を示し、Rは、炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、炭素数1〜6のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ヒドロキシ、シアノ、ハロゲン原子、水素原子、−O−(CH−R、−SO−R、−SO−OR、−NR(C=O)R、−NR(SO)R、−NR、−(C=O)−NR、−O−(C=O)−NR又は−SO−NRを示し、Rは、炭素数1〜3のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ヒドロキシ、−NR又は−(C=O)−NRを示し、Rは、それぞれ独立して、炭素数1〜3のアルキル(該アルキルは、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)又は水素原子を示し、R及びRは、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル若しくは水素原子を示すか、又は、R、R及び窒素原子が一緒になってピロリジル、ピペリジル、モルホリル、ピペラジル若しくは4−アルキルピペラジン−1−イル(該4−アルキルピペラジン−1−イルを構成するアルキルの炭素数は1〜3である。)を示し、m及びnは、それぞれ独立して、1〜4の整数を示す。]
で表される、ピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
前記Rは、水素原子を示す、請求項1記載のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
前記Rは、ヒドロキシ、−NR(C=O)R、−(C=O)−NR又は−O−(C=O)−NRを示し、前記mは1を示す、請求項1又は2記載のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
前記Rは、ヒドロキシ、−NR(C=O)R又は−(C=O)−NRを示し、前記mは1を示す、請求項1〜3のいずれか一項記載のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
前記Rは、炭素数1〜6のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子で置換されていてもよいが、メチルを除く。)又は炭素数3〜6のシクロアルキルを示す、請求項1〜4のいずれか一項記載のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
前記Rは、2−プロピル又は2−メチル−2−プロピルを示す、請求項1〜5のいずれか一項記載のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
前記Rは、炭素数1〜3のアルキル(該アルキルは、1〜5個のハロゲン原子又はヒドロキシで置換されていてもよい。)、炭素数1〜3のアルキルオキシ(該アルキルオキシは、1以上のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、ハロゲン原子又は水素原子を示し、前記kは1〜3の整数を示す、請求項1〜6のいずれか一項記載のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項記載のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1阻害剤。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか一項記載のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、糖尿病の治療薬又は予防薬。
【請求項10】
前記糖尿病は、2型糖尿病である、請求項9記載の糖尿病の治療薬又は予防薬。
【請求項11】
請求項1〜7のいずれか一項記載のピラゾール誘導体又はその薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、インスリン抵抗性の改善薬。

【図5】
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【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−158535(P2012−158535A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18020(P2011−18020)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】