説明

ピリジニル−イソオキサゾール及び除草剤としてのそれらの使用

本発明は、式(I)においてQは基Q1、Q2又はQ3から選択される一つであり;R1、R2及びR3はそれぞれ異なる基でありそしてnは0ないし2である、ピリジニル−イソオキサゾール及びそれらの塩に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は除草剤の技術分野、殊に有用植物の作物栽培において広葉及びイネ科雑草を選択的に防除する除草剤の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
種々の刊行物からは、ベンゾイル又はヘテロアロイル基で置換された或る種のイソオキサゾール及びジケトニトリルが除草剤特性を有することが既に知られている。例えば、EP 0 588 357は多数の4−ヘテロアロイル−イソオキサゾールを開示している。そこにおける記述には、結合がピリジン環の3位であり、そしてそのピリジン環は2位において更なる置換基を有している幾つかの4−ピリジニル−オイル−イソオキサゾールが含まれている。EP 0 524 018には4位にカルボニル基を有する5−アリール−イソオキサゾールが記載されていて、そこにおけるアリールの可能な意味の一つはピリジニルである。これに対し、5−(3−ピリジニル) イソオキサゾールは、開示されてはいない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、既知の化合物はしばしば不十分な除草剤活性又は作物植物にとって不十分な耐性がみられる。それ故、本発明の目的は除草剤特性が改善された ― 改善とは、即ち、先行化合物の除草剤特性を凌駕していることである、除草剤活性化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
今日では、ピリジン環が6位において更に置換されている4−(3−ピリジニル−オイル)
イソオキサゾール、5−(3−ピリジニル) イソオキサゾール又は(3−ピリジニル−オイル)−3−オキソプロピオニトリルは除草剤として極めて好適なものであることが知られている。それ故、本発明は、式(I):
【化1】

[式中、
Qは基Q1、Q2又はQ3から選択される一つであり;
【化2】

R1はメチルであり;
R2はCl、Br、CF3、S(O)nCH3又はS(O)nC2H5であり;
R3はメチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル又は第三級−ブチルであり;そして
nは0、1又は2である]
で表される化合物及びそれらの塩を提供するものである。
【0005】
QがQ3の場合は、本発明に係る式(I)の化合物は、溶媒及びpHのような外的条件の如何によって、異なる互変異性構造をとることができる:
【化3】

【0006】
置換基の性質及び結合の如何によって、式(I)の化合物は、立体異性体の形態で存在することができる。例えば一つ若しくはそれより多い不斉炭素原子が存在する場合には、エナンチオマー及びジアステレオマーが起こりえる。立体異性体は製造された混合物それ自体から、例えば、カラムクロマトグラフィーによる分離法のような標準的な分離法によって得ることができる。立体異性体はまた、立体選択的な反応及び光学的に活性な出発物質及び/又は補助剤を使用することによっても選択的に製造することができる。更に本発明は、式(I)に含まれてはいるが特定的には定義されていない全ての立体異性体及びそれらの混合物をも提供するものである。
【0007】
好ましい式(I)の化合物は、QがQ1である化合物である。
【0008】
殊に好ましい式(I)の化合物は、R3がシクロプロピルである化合物である。
【0009】
以下の全ての式において、置換基及び記号は、他に定義されていない限り、式(I)において記載されているものと同一である。
【0010】
Pesticide Science 50, 83-84 (1997)からは、或る種のイソオキサゾール ―Q1及びQ2の構造に類似― は或る条件下において転位を起こし開−鎖の3−オキソプロピオニトリル ―Q3構造に類似― を形成することができる。
【0011】
本発明に係る式(I)の化合物で、QがQ1又はQ2であるものは、例えばスキーム1に基づき、それ自体既知である式A1のβ−ケトエステル (Y.Oikawa ら、JOC 43, 2087, 1978) を、Tが塩素である式A2のピリジンカルボン酸誘導体によりアシル化して式A3のエステルを得ることによって製造することができる。引き続く酸分解により、例えばトリフルオロ酢酸の存在下での加熱又はトルエン中でのp−トルエンスルホン酸の存在下での加熱によって、式A4の1,3−ジケトンを得ることができ、それをオルトカルボン酸エステル又はカルボキサミドアセタールとの反応により、Lがエトキシ又はN,N−ジメチルアミノのような脱離基である式A5の化合物を得ることができる。最後に、ヒドロキシルアミンによる塩基−触媒による反応及びそれに引き続くクロマトグラフィーによる分離により、Qが式Q1又はQ2の置換基である本発明に係る式(I)の化合物を得ることができる。
【0012】
【化4】

【0013】
QがQ3である本発明に係る式(I)の化合物は、例えばQがQ1又はQ2である本発明に係る式(I)の化合物から、NEt3のような塩基の存在下での反応(スキーム2)、又は式A6のシアノケトンのマグネシウムエノラートと式A2 (T=Cl)のピリジン−カルボン酸誘導体との反応(スキーム3)により、直接的に得ることができる。
【0014】
【化5】

【0015】
Tが塩素である式A2のピリジン−カルボン酸誘導体は、式A2 (T=OH)のピリジン−カルボン酸と塩化チオニル又は塩化オキサリルとの反応により従来の方法によって製造することができる。
【0016】
式A2 (T=OH)のピリジンカルボン酸は、対応する式A2 (T=C1−C4アルコキシ)の対応するエステルから酸又は塩基加水分解によって従来の方法によって製造することができる。
【0017】
式A2のピリジンカルボン酸は既知であるか又は従来の方法によって製造することができる。
【0018】
本発明に係る式(I)で表わされる化合物は、経済的に重要な単子葉及び双子葉の雑草植物の広範囲に対して優れた除草活性を有している。当該活性物質は、根茎から出芽し、根茎その他の多年性器官を生成して容易に防除することができない多年生雑草をも同様によく防除する。本発明においては、当該物質が播種前、出芽前又は出芽後に適用されるか否かは一般的に重要ではない。本発明に係る化合物によって防除され得るいくつかの代表的な単子葉及び双子葉の雑草植物が実施例として個々に示されてはいるが、しかしながらこのことは或る特殊な種に限定されるものと解されるべきものではない。
【0019】
良好に防除され得る単子葉雑草としては、例えば、1年生雑草ではカラスムギ(Avena)、ネズミムギ(Lolium)、スズメノテッポウ(Alopecurus)、クサヨシ(Phararis)、ヒエ(Echinochloa)、メヒシバ(Digitaria)、エノコログサ(Setaria)及びカヤツリグサ(Cyperus)があり、そして多年生雑草ではカモジグサ(Agropyron)、ギョウギシバ(Cynodon)、チガヤ(Imperata)及びモロコシ(Sorghum)、その他多年生のカヤツリグサ(Cyperus)がある。双子葉雑草種の場合には、例えば1年生雑草ではヤエムグラ(Galium)、スミレ(Viola)、イヌノフグリ(Veronica)、オドリコソウ(Lamium)、ハコベ(Stellaria)、ヒユ(Amaranthus)、カラシ(Sinapis)、ノアサガオ(Ipomoea)、アメリカキンゴジカ(Sida)、カミツレ(Matricaria)及びイチビ(Abutilon)、そして多年生雑草ではセイヨウヒルガオ(Convolvulus)、アザミ(Cirsium)、スイバ(Rumex)及びヨモギ(Artemisia)のような種に活性スペクトルは拡大される。稲の特殊な栽培条件下において見られる有害な植物、例えばヒエ(Echinochloa)、ウリカワ(Sagittaria)、オモダカ(Alisma)、クログワイ(Eleocharis)、ホタルイ(Scirpus)及びカヤツリグサ(Cyperus)もまた本発明に係る活性物質によって極めてよく防除することができる。もしも本発明に係る化合物を発芽前に土壌表面に施用した場合は、雑草苗の出芽を完全に抑制するか、又は雑草は子葉期に達するまで生育するがしかしながらやがて生育は停止して3〜4週間後には植物は完全に枯死する。活性物質を発芽後に植物の緑色部に施用したときは、施用後直ちに生育を強烈に停止させ、そして雑草は施用時の生育状態に止まり、又は或る時間経過後に完全に枯死し、その結果、作物にとって有害な雑草との競合は極めて早期の段階で除去することができ、そしてそれを持続させることができる。殊に、本発明に係る化合物は、セイヨウヌカボ(Apera spica-venti)、シロザ(Chenopodium album)、ヒメオドリコソウ(Lamium purpureum)、ソバカズラ(Polygonum convolvulus)、ハコベ(Stellaria media)、フラサバソウ(Veronica hederifolia)、オオイヌノフグリ(Veronica persica)及び三色スミレ(Viola tricolor)に対して顕著な効果を示した。
【0020】
本発明に係る化合物は、単子葉及び双子葉の雑草に対して極めて優れた除草効果を示し、経済的に重要な作物、例えば、小麦、大麦、ライムギ、稲、トウモロコシ、砂糖大根、棉及び大豆に対して損傷があった場合であってもそれは極めて微小なものであった。殊に小麦、大麦及びトウモロコシのような穀類、特に小麦において優れて耐性であった。それ故、本化合物は、農業用に又は観賞用に有用な植物の観点において望ましくない植生の選択的防除にとって極めて適切なものである。
【0021】
これらが示す除草剤特性により、当該活性物質は既知の植物又は開発されるべき遺伝子的に修飾された植物の作物栽培における雑草植物を防除するために使用することができる。一般にトランスジェニック植物(遺伝子導入植物)は、例えば或る種の農薬、殊に或る種の除草剤に対して耐性であり、植物病害に対して又は或る種の昆虫、又は真菌、細菌若しくはウイルスのような微生物で植物病害の原因となるものに対して耐性であるという特別に有利な特性によって区別される。その他の特別な特性としては、例えば収穫物の収量、品質、貯蔵期間、組成及び特殊成分に関するものがある。このように、トランスジェニック植物は、増加したデンプン含量、若しくは改変されたデンプンの質、又は収穫物の脂肪酸組成が相異することで知られている。
【0022】
本発明に係る式(I)で表わされる化合物又はそれらの塩は、有用な植物又は観賞用植物の経済的に重要なトランスジェニック作物、例えば小麦、大麦、ライムギ、エンバク、アワ、キビ、イネ、キャッサバ及びトウモロコシのような穀物類、又は他の作物、砂糖大根、棉、大豆、菜種、ジャガイモ、トマト、エンドウ及びその他の野菜類にも好適に施用することができる。本発明に係る化学式(I)で表わされる化合物は、除草剤の植物毒性に対して耐性な、又は遺伝子的に修飾されて耐性化された有用植物の作物栽培に対する除草剤として好適に施用することができる。
【0023】
現存する植物と比較して変異した特性を有する新規な植物の発生のための従来の方法としては、例えば伝統的な育種法及び突然変異体の作成がある。別法として、変異した特性を有する新規な植物は、組換え法によって発生させることができる(例えば、EP-A-0221044、EP-A-0131624を参照)。例えば以下のような幾つかのケースが記載されている。
― 植物中で合成されるデンプンを変異するための作物植物の組換え修飾法(例えばWO 92/11376、WO 92/14827、WO 91/19806)、
― グルホシネート系(例えばEP-A-0242236、EP-A-242246を参照)、グリホサート系(WO 92/00377)又はスルホニルウレア系(EP-A-0257993、US-A-5013659)の除草剤に対して耐性を示すトランスジェニック作物植物
― トランスジェニック作物植物、例えばバチルス ツリンギエンシス(Bacillus thuringiensis) 毒素(Bt毒素)を産生する能力を獲得し、その結果として或る種の植物病原菌に対して耐性となった棉(EP-A-0142924、EP-A-0193259)、
― 改変された脂肪酸組成を有するトランスジェニック作物植物(WO 91/13972)。
【0024】
改変された特性を有する新規なトランスジェニック植物を生成させるのに役立つ分子生物学における数多くの技術は、原理的には既知のものであり;例えば、Sambrook ら、1989、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual」2版、 Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; 又はWinnacker「Gene und Klone」(Genes and Clones)、VCH Weinheim 2版、1996 又はChristou、「Trends in Plant Science」1 (1996) 423-431を参照することができる。
【0025】
分子生物学における数多くの技術は、変異した特性を有する新規なトランスジェニック植物を発生させるのに役立つことができるが、原理的には既知ものであり;例えば、Sambrook ら、1989、「Molecular Cloning, A Laboratory Manual」2版、 Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; 又はWinnacker「Gene und Klone」(Genes and Clones)、VCH Weinheim 2版、1996 又はChristou、「Trends in Plant Science」1 (1996) 423-431を参照することができる。
【0026】
このような組換え操作の遂行のため、DNA配列の組換えにより突然変異誘導又は配列変換を生じさせるように、核酸分子をプラスミド中に導入することができる。上記に記載した標準的な方法によって、例えば、塩基置換を遂行すること、部分的配列を除去すること、又は天然の若しくは合成された配列を付加することが可能である。DNA断片を互いに結合させるためには、DNA断片はアダプター又はリンカーと一緒に供給することができる。
【0027】
遺伝子産生の低下した活性を持つ植物細胞は、例えば、少なくとも一つの対応するアンチセンスRNA、共抑制効果(cosuppression effect)を遂行するセンスRNAの発現、又は上記の遺伝子産生の転写産物を特異的に切断する少なくとも一つの適切に構成されたリボザイムの発現により得ることができる。
【0028】
この目的ために、存在可能性のある如何なるフランキング配列をも含んでいる遺伝子産物のコード配列の全てを含むDNA分子を使用することは可能であるが、またコード配列の一部分しか含んでいないDNA分子でも、その部分が細胞中でアンチセンス効果を引き起こすに十分な長さであれば、それを使用することも可能である。遺伝子産物のコード配列と完全には同一ではないが、高度の相同性を有しているDNA配列を使用することもまた可能である。
【0029】
植物中で核酸分子を発現するときは、合成されたタンパク質は植物細胞のどの所望するコンパートメント(小胞)中にでも局在させることができる。しかしながら、特殊なコンパートメント中に局在させるために、コード領域は例えば特定のコンパートメント中の局在を確実にするDNA配列に結合させることができる。そのような配列は当業者にとっては既知のものである(例えば、Braun ら、EMBO J. 11 (1992)、3219-3227; Wolter ら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85 (1988)、846-850; Sonnewald ら、Plant J. 1 (1991)、95-106を参照)。
【0030】
トランスジェニック植物の細胞は、既知の方法により再生して、一個の完全な植物体へと生育させることができる。原理的には、如何なる所望する植物種、即ち単子葉植物及び双子葉植物の両方について、トランスジェニック植物とすることができる。
【0031】
このようにトランスジェニック植物は、相同(即ち、天然)遺伝子若しくは遺伝子配列の過剰発現、抑制若しくは阻害、又は非相同(即ち、外来)遺伝子若しくは遺伝子配列の発現により修飾された特性を現すものとして作成することができる。
【0032】
本発明に係る活性物質をトランスジェニック植物に使用するとき、効果はしばしば ― 他の作物において観察される雑草植物に対する効果に追加的に観察され― そしてそれは、問題としているトランスジェニック植物に使用するのに特異的であり、例えば防除されうる雑草スペクトルの変更又は特異的拡大、適用可能な施用量の変更、トランスジェニック作物植物が耐性である除草剤との好適な組合せ能力、並びにトランスジェニック作物植物の生育及び収率に対する効果である。それ故本発明はまた、トランスジェニック作物植物に有害な植物を防除するための本発明に係る化合物の除草剤としての使用に関するものである。
【0033】
更に本発明に係る化合物は作物植物に対する顕著な成長調整特性をも有している。これらは調節の仕方で、植物代謝に関与し、それ故植物構成物の標的制御、また例えば、脱水を引き起こし及び発育を抑制するような仕方での収穫の容易化に用いることができる。尚その上、生育中の植物に影響を与えることなく、不要な植物の生育を一般的に調節又は抑制するのに好適である。植物の生育を抑制することは、倒伏を減少することができ又は完全に防止することができる故に、多くの単子葉及び双子葉の作物植物にとって重要な役割を有している。
【0034】
本発明に係る化合物は、慣用的な調製による水和剤、乳剤、散布用溶液、粉剤又は粒剤に適用することができる。それ故本発明は、更に化学式(I)で表わされる化合物を含む除草剤組成物にも関するものである。化学式(I)で表わされる化合物は、一般的な生物学的及び/又は化学物理的パラメーターに依存して、種々の方法で製剤することができる。調製可能な適当な製剤の態様としては、水和剤(WP)、水溶性粉剤(SP)、水溶性濃縮剤、乳剤(EC)、水中油型及び油中水型エマルションのようなエマルション剤(EW)、散布用溶液、懸濁濃縮剤(SC)、油又は水ベースの分散剤、油混和性溶液、カプセル懸濁剤(CS)、粉剤(DP)、種子粉衣製品、拡散用及び土壌処理用粒剤、マイクログラニュールの形状の粒剤(GR)、散布用粒剤、被覆粒剤及び吸着粒剤、水−分散性粒剤(WG)、水−可溶性粒剤(SG)、ULV製剤、マイクロカプセル剤及びワックス剤がある。これらの個々の製剤は、基本的には既知のものであり、例えば、Winnacker-Kuechler, 「Chemische Technologie」(Chemical Technology)、7巻、C. Hauser Verlag Munich、4版、1986、 Wade van Valkenburg、「Pesticide Formulaions」、Marcel Dekker, N.Y., 1973; K. Martens, 「Spray Drying Handbook」、3版、1979、G. Goodwin Ltd. London中に記載されている。
【0035】
不活性物質、界面活性剤、溶剤及びその他の付加物のような必要な製剤補助剤も既知のものであり、例えば、Watkins、「Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers」、2版、Darland Books, Caldwell N.J., H. v. Olphen, 「Introduction to Clay Colloid Chemistry」、2版、J. Wiley & Sons, N.Y.; C. Marsden 「Solvents Guide」、2版、Interscience, N.Y. 1963; McCutcheon's 「Detergents and Emulsifiers Annual」、MC Publ. Corp., Ridgewood N,J,: Sisley and Wood、「Encyclopedia of Surface Active Agents」、Chem. Publ. Co. Inc., N.Y. 1964; Schoenfeldt、「Grenzflaechenaktive Athylenoxidaddukte」(Surface-active ethyleneoxide adducts)、Wiss. Verlagsgesell., Stuttgart 1976: Winnacker-Kuechler、「Chemische Technologie」、7巻、 C. Hauser Verlag Munich、4版、1986中に記載されている。
【0036】
水和剤は水中に均一に分散できる製剤であり、活性物質に加えて、イオン性及び/又は非イオン性界面活性剤(湿潤剤、分散剤)、例えばポリオキシエチル化アルキルフェノール、ポリオキシエチル化脂肪アルコール、ポリオキシエチル化脂肪アミン、脂肪アルコールポリグリコールエーテルサルフェート、アルカンスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、2、2’−ジナフチルメタン−6,6’−ジスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム又はオレオイルメチルタウリンナトリウムを希釈剤又は不活性物質の他に追加的に含んでいる。水和剤を調製するために、除草剤活性物質は、例えばハンマーミル、ブローイングミル及びエアージェットミルのような慣用的な装置で細かく粉砕され、同時に又はその後に製剤補助剤と混合される。
【0037】
乳剤は、ブタノール、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、キシレン、若しくはその他のより高沸点の芳香族若しくは炭化水素、又はこれら有機溶媒に加えて、又は該有機溶媒と一つ若しくはそれより多いイオン性及び/又は非イオン性の界面活性剤(乳化剤)との混合物の有機溶媒に、活性物質を溶解させることによって調製される。使用することができる乳化剤の例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムのようなアルキルアリールスルホン酸カルシウム、又は脂肪酸ポリグリコールエステル、アルキルアリールポリグリコールエーテル、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、プロピレンオキシド/エチレンオキシド縮合物、アルキルポリエーテル、例えばソルビタン脂肪酸エステルのようなソルビタンエステル、又は例えばポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルのようなポリオキシエチレンソルビタンエステル、のような非イオン性の乳化剤を挙げることができる。
【0038】
粉剤は活性物質を細かく粉砕した固形物、例えばタルク、又はカオリン、ベントナイト及びパイロフィライトのような天然の粘土、又は珪藻土と一緒に粉砕して調製される。
【0039】
懸濁製剤は水ベースのものであるか又は油ベースのものでありうる。これらの製剤は、例えば慣用的なビードミルを用いて湿式粉砕法により、場合によっては、例えば上記の他の製剤の場合おいて既に言及したように、界面活性剤を加えて調製されうる。
【0040】
例えば水中油型エマルションのようなエマルション剤(EW)は、水性の有機溶媒を用いて、スターラー、コロイドミル及び/又はスタテイックミキサーにより調製することができ、場合によっては、例えば上記の他の製剤の場合において既に言及した界面活性剤を加えて調製されうる。
【0041】
粒剤は、吸着性の造粒された不活性物質の上に活性物質を噴霧することにより、又は砂、カオリナイト、若しくは造粒された不活性物質のような担体の表面に、活性物質の濃縮物を、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、又はその他鉱油のような粘着付与剤の助けを得て適用することにより調製されうる。もしも肥料との混合が望まれる場合は、肥料粒剤の製造に通常用いられる態様で、適当な有効成分を造粒することができる。
【0042】
水−分散性粒剤は、噴霧乾燥法、流動床造粒法、デイスク造粒法、高速撹拌機による混合法、及び固形不活性物質なしでの押出し法のような慣用的な方法によって、一般的に調製されうる。
【0043】
デイスク粒剤、流動床粒剤、押出し粒剤及び噴霧乾燥粒剤の調製については、例えば「Spray Drying Handbook」、3版、1979, G. Goodwin Ltd., London; J. E. Browning, 「Agglomeration」、 Chemical and Engineering、1967、147頁以下参照; 「Perry's Chemical Engineer's Handbook」、5版、McGraw-Hill, New York 1973、8〜57頁 に記載の方法を参照されたい。
【0044】
作物保護製品の製剤についての更なる詳細については、例えば、G. C. Klingman、「Weed Control as a Science」、John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961、81-96頁及びJ. D. Freyer, S. A. Evans、「Weed Control Handbook」、5版、Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1968、101-103頁を参照されたい。
【0045】
一般的に、この農薬製剤は式(I)で表わされる活性物質を、0.1から99質量%、殊に0.1から95質量%含んでいる。水和剤の場合は活性物質の濃度は、例えば約10から90質量%であり、残部は慣用的な製剤成分により100質量%としている。乳剤の場合は、活性物質の濃度は、約1から90質量%であり、好ましくは5から80質量%である。粉剤の製剤の場合は、活性物質を約1から30質量%、好ましくは多くの場合5から20質量%を含み、そして噴霧用溶液の場合は約0.05から80質量%、好ましくは2から50質量%の活性物質を含んでいる。水−分散性粒剤の場合は、活性物質の濃度は、活性物質が液状か固形かにより、また使用する造粒補助剤、増量剤及びその他のものに部分的に依存している。水−分散性粒剤の場合は、例えば、活性物質の濃度は1と95質量%との間であり、好ましくは10と80質量%との間である。
【0046】
付言するに、ここに言及した活性物質の製剤は、場合によっては、粘着剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、浸透剤、保存剤、不凍剤、溶媒、増量剤、担体、着色剤、消泡剤、蒸発防止剤、pH及び粘度調節剤を含むことができるが、それらはそれぞれ通常用いられているものである。
【0047】
これらの製剤を基礎として、例えば殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、殺菌剤のような他の農薬活性物質、薬害軽減剤、肥料及び/又は植物成長調節剤を、例えばレディミックス(readymix)又はタンクミックスの方式で組み合わせることができる。
【0048】
本発明に係る活性物質と混合製剤又はタンクミックスの方式で組み合わせることができる活性物質としては、例えば、Weed Research 26、441〜445頁 (1986); 「The Pesticide Manual」、11版、The British Crop Protection Council and the Royal Soc. of Chemistry, 1997及びそこに引用されている文献に記載されている既知の活性物質を挙げることができる。式(I)の化合物と組み合わせることができるもので列挙すべき既知の除草剤としては、例えば、以下のような活性物質がある(注:化合物は国際標準化機構(ISO)に基づく一般名で定義しているか、又は化学名を用いているが、場合によっては慣用的なコード番号も併せて記載している):
アセトクロール;アシフルオルフェン;アクロニフェン; AKH 7088、即ち、 [[[1−[5−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)−フェノキシ]−2−ニトロフェニル]−2−メトキシエチリデン]アミノ]オキシ] 酢酸及びそのメチルエステル; アラクロール;アロキシジム;アメトリン;アミドスルフロン;アミトール;AMS、即ち、スルファミン酸アンモニウム;アニロホス;アシュラム;アトラジン;アジムスルフロン(DPX-A8947);アジプロトリン;バルバン;BAS 516 H、即ち、5−フルオロ−2−フェニル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン;ベナゾリン;ベンフルラリン;ベンフレセート;ベンスルフロン−メチル;ベンスリド;ベンタゾン;ベンゾフェナップ;ベンゾフルオル;ベンゾイルプロップ−エチル;ベンズチアズロン;ビアラホス;ビフェノックス;ブロマシル;ブロモブチド;ブロモフェノキシム;ブロモキシニル;ブロムロン;ブミナホス;ブソキノン;ブタクロール;ブタミホス;ブテナクロール;ブチダゾール;ブトラリン;ブチレート;カフェンストロール(CH-900);カルベタミド;カフェントラゾン(ICI-A0051);CDAA、即ち、2−クロロ−N,N−ジ−2−プロペニルアセタミド;CDEC、即ち、ジエチルジチオカルバミン酸 2−クロロアリル;クロメトキシフェン;クロランベン;クロラジホップ−ブチル;クロルメスロン(ICI-A0051);クロルブロムロン;クロルブファム;クロルフェナック;クロルフルレコール−メチル;クロリダゾン;クロリムロン エチル;クロルニトロフェン;クロロトルロン;クロロキスロン;クロルプロファム;クロルスルフロン;クロルタール−ジメチル;クロルチアミド;シンメチリン;シノスルフロン;クレトジム;クロジナホップ及びそのエステル誘導体(例えばクロジナホップ−プロパルギル);クロマゾン;クロメプロップ;クロプロキシジム;クロピラリド;クミルロン(JC 940);シアナジン;シクロエート;シクロスルファムロン(AC 104);シクロキシジム;シクルロン;シハロホップ及びそのエステル誘導体(例えばブチルエステル、DEH-112);シペルコート;シプラジン;シプラゾール;ダイムロン;2,4−DB;ダラポン;デスメデイファム;デスメトリン;ジアレート;ジカンバ;ジクロベニル;ジクロルプロップ;ジクロホップ及びそのエステル例えばジクロホップ−メチル;ジエタチル;ジフェノキスロン;ジフェンゾコート;ジフルフェニカン;ジメフロン;ジメタクロール;ジメタメトリン;ジメテナミド(SAN-582H);ジメタゾン;クロマゾン;ジメチピン;ジメトラスルフロン;ジニトラミン;ジノセブ;ジノテルブ;ジフェナミド;ジプロペトリン;ジクワット;ジチオピル;ジウロン;DNOC;エグリナジン−エチル;EL77、即ち、5−シアノ−1−(1,1−ジメチルエチル)−N−メチル−1H−ピラゾール−4−カルボキサミド;エンドタール;EPTC;エスプロカルブ;エタルフルラリン;エタメトスルフロン−メチル;エチジムロン;エチオジン;エトフメセート; F5231、即ち、N−[2−クロロ−4−フルオロ−5−[4−(3−フルオロプロピル)−4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−テトラゾール−1−イル]フェニル]エタンスルホンアミド;エトキシフェン及びそのエステル誘導体(例えばエチルエステル、HN-252); エトベンザニド (HW 52);フェノプロップ;フェノキサン;フェノキサプロップ及びフェノキサプロップ−P及びそのエステル誘導体、例えばフェノキサプロップ−P−エチル、フェノキサプロップ−エチル;フェノキシジム;フェニュロン;フラムプロップ−メチル;フラザスルフロン;フルアジホップ及びフルアジホップ−P及びそれらのエステル誘導体、例えばフルアジホップ−ブチル及びフルアジホップ−P−ブチル;フルクロラリン;フルメツラム(flumetsulam);フルメツロン;フルミクロラック及びそのエステル誘導体(例えばペンチルエステル、S-23031);フルミオキサジン(S-482);フルミプロピン;フルポキサム(KNW-739);フルオロジフェン;フルオログリコフェン−エチル;フルプロパシル(UBIC-4243);フルリドン;フルロクロリドン;フルロキシピル;フルルタモン;ホメサフェン;ホサミン;フリルオキシフェン(furyloxyfen);グルホシネート;グリホサート;ハロサフェン;ハロスルフロン及びそのエステル(例えばメチルエステル、NC-319);ハロキシホップ及びそのエステル;ハロキシホップ−P(=R−ハロキシホップ)及びそのエステル;ヘキサジノン;イマザピル;イマザメタゼンズ−メチル;イマザキン及び塩、例えばアンモニウム塩;アイオキシニル;イマゼタメタピル;イマゼタピル;イマゾスルフロン;イソカルバミド;イソプロパリン;イソプロツロン;イソウロン;イソキサベン;イソキサピリホップ;カルブチレート;ラクトフェン;レナシル;リニュロン;MCPA;MCPB;メコプロップ;メフェナセット;メフルイジド;メタミトロン;メタザクロール;メタム;メタベンズチアズロン;メタゾール;メトキシフェノン;メチルダイムロン;メタベンズロン;メトベンズロン;メトブロムロン;メトラクロール;メトシュラム(metosulam) (XRD511);メトキスロン;メトリブジン;メトスルフロン−メチル;MH;モリネート;モナリド;モノリニュロン;モニュロン;硫酸二水素モノカルバミド;MT 128、即ち、6−クロロ−N−(3−クロロ−2−プロペニル)−5−メチル−N−フェニル−3−ピリダジンアミン;MT5950、即ち、N−[3−クロロ−4−(1−メチルエチル)フェニル]−2−メチルペンタンアミド;ナプロアニリド;ナプロパミド;ナプタラム;NC 310、即ち、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1−メチル−5−ベンジルオキシピラゾール;ネブロン;ニコスルフロン;ニピラクロフェン;ニトラリン;ニトロフェン;ニトロフルオルフェン;ノルフルラゾン;オルベンカルブ;オリザリン;オキサジアルギル(RP020630);オキサジアゾン;オキシフルオルフェン;パラコート;ペブレート;ペンジメタリン;ペルフルイドン;フェニソファム;フェンメデイファム;ピクロラム;ピペロホス;ピリブチカルブ;ピリフェノップ−ブチル;プレチラクロール;プリミスルフロン−メチル;プロシアジン;プロジアミン;プロフルラリン;プログリナジン−エチル;プロメトン;プロメトリン;プロパクロール;プロパニル;プロパキザホップ及びそのエステル;プロパジン;プロファム;プロピソクロール;プロピザミド;プロスルファリン;プロスルホカルブ;プロスルフロン(CGA-152005);プリナクロール;ピラゾリネート;ピラゾン;ピラゾスルフロン−エチル;ピラゾキシフェン;ピリデート;ピリチオバック(KIH-2031);ピロキソホップ及びそのエステル(例えばプロパルギルエステル);キンクロラック;キンメラック;キノホップ及びそのエステル誘導体;キザロホップ及びキザロホップ−P及びそれらのエステル誘導体、例えばキザロホップ−エチル、キザロホップ−P−テフリル及び−エチル;レンリデュロン(renriduron);リムスルフロン(DPX-E 9636);S 275、即ち、2−[4−クロロ−2−フルオロ−5−(2−プロピニルオキシ)フェニル]−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−インダゾール; セクブメトン;セトキシジム;シデュロン;シマジン;シメトリン;SN 106279、即ち、2−[[7−[2−クロロ−4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−2−ナフタレニル]オキシ]プロパン酸及びそのメチルエステル; スルフェントラゾン(FMC-97285, F-6285);スルファズロン;スルホメツロン−メチル;スルホセート(ICI-A0224);TCA;テブタム(GCP-5544);テブチウロン;テルバシル;テルブカルブ;テルブクロール;テルブメトン;テルブチラジン;テルブトリン;TFH 450、即ち、N,N−ジエチル−3−[(2−エチル−6−メチルフェニル)スルホニル]−1H−1,2,4−トリアゾール−1−カルボキサミド;テニルクロール(NSK-850);チアザフルロン;チアゾピル(Mon-13200);チジアジミン(SN24085);チオベンカルブ;チフェンスルフロン−メチル;チオカルバジル;トラルコキシジム;トリアレート;トリアスルフロン;トリアゾフェナミド;トリベニュロン−メチル;トリクロピル;トリジファン;トリエタジン;トリフルラリン;トリフルスルフロン及びエステル(例えばメチルエステル、DPX-66037);トリメツロン(trimeturon);チトデフ(tsitodef);バーナレート;WL 110547、即ち、5−フェノキシ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1H−テトラゾール;UBH-509;D-489;LS 82-556;KPP-300;NC324; NC-330;KH-218;DPX-N8189;SC-0774;DOWCO-535;DK-8910;V53482; PP-600;MBH-001;KIH-9201;ET-751;KIH-6127 及び KIH-2023がある。
【0049】
商業的に入手可能な剤形で存在する本製剤を使用するときは、水和剤、乳剤、分散剤及び水−分散性粒剤の場合は、例えば水を用いて慣用的な仕方で稀釈される。粉剤、土壌粒剤、散布用粒剤、噴霧用溶液の剤形の製剤を使用するときは、通常は使用前に他の不活性物質では更に稀釈されない。
【0050】
式(I)で表わされる化合物の施用量は、特に温度、湿度及び使用する除草剤の性質のような外的条件によって変動する。それは広範囲において変動することができ、例えば活性物質が0.001と1.0kg/haとの間、又はそれ以上であってもよいが、好ましくは0.005と750g/ha との間である。
【0051】
以下の実施例は本発明を説明するものである。
A.化学実施例
1. (5−シクロプロピルイソオキサゾール−4−イル)−(2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)メタノン (表の実施例 1.44) 及びシクロプロピル{5−[2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]イソオキサゾール−4−イル}メタノン (表の実施例 2.44)
a) 1−シクロプロピル−3−[2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]
プロパン−1,3−ジオン
2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ニコチン酸 4.83g(24mmol) をCH2Cl2 150mlに溶解し、そしてDMFの一滴及び塩化オキサリル 5.98g(47mmol) を加えた。ガスの発生が停止したとき、その混合物を還流下に3時間以上加熱しそしてその後濃縮した。残留物をトルエン 100mlに懸濁した。第2のバッチ中に、3−シクロプロピル−3−オキソプロパン酸tert−ブチル 4.34g(24mmol) をメタノール 150mlに溶解し、そしてマグネシウム切片(magnesium turnings)0.57g(24mmol) 及びCCl4の一滴を加えた。この混合系を全てのマグネシウムが反応するまで室温で撹拌した。その後に、完全に濃縮しそして残留物をトルエン 150mlに溶解した。この溶液を上記の酸塩化物溶液に滴下して混合し、そしてこの混合系を室温で3時間撹拌した。濃縮しそしてEE 200mlに取り出し、水で洗浄しそしてMgSO4上で乾燥した。この混合系を再び濃縮した。残留物をトルエン 100mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸 0.1gを加え、そしてその後還流下で2時間加熱した。次いで濃縮しそして残留物をEE 200mlに取り出し、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥しそして再び濃縮した。
収率: 5.07g(18.7mmol) 78%、褐色油状、HPLCでの純度95% 、
1H NMR: δ [CDCl3] 1.05 (m,2H), 1.25 (m,2H), 1.78 (m,1H), 2.78 (s,3H), 5.95 (s,1H), 7.58 (d,1H), 7.92 (d,1H)
【0052】
b) 1−シクロプロピル−2−[(ジメチルアミノ)メチレン]−3−[2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル]プロパン−1,3−ジオン
1−シクロプロピル−3−[2−メチル−6−(トリフルオロメチル) ピリジン−3−イル] プロパン−1,3−ジオン 5.07g(19mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール 8.9g(75mmol) と一緒に室温で3時間撹拌した。この混合物をその後濃縮しそしてクロマトグラフィーによって精製した。
収率: 5.7g(17.5mmol) 92%、褐色油状、HPLCでの純度95% 、
1H NMR: δ [CDCl3] 0.65 (m,2H), 0.95 (m,2H),1.82 (m,1H),2.7 (s,3H),2.82 (s,br,3H),3.25 (s,br,3H),7.45 (s,1H),7.52 (d,1H),7.75 (d,1H)
【0053】
c) (5−シクロプロピルイソオキサゾール−4−イル)(2−メチル−6−(トリフルオロメチル) ピリジン−3−イル) メタノン及びシクロプロピル{5−[2−メチル−6−(トリフルオロメチル) ピリジン−3−イル] イソオキサゾール−4−イル}メタノン
1−シクロプロピル−2−[(ジメチルアミノ) メチレン]−3−[2−メチル−6−トリフルオロメチル) ピリジン−3−イル] プロパン−1,3,−ジオン 1g(2mmol)をエタノール 50mlに溶解し、そして次いでヒドロキシルアミン塩酸塩1.15g(2mmol)を加えた。この混合物を室温で4時間撹拌した。その後に、濃縮しそして残留物をEE 100mlに取り出し、水で洗浄し、そしてMgSO4上で乾燥し、そして再び濃縮した。得られた2つの生成物をクロマトグラフィーによって分離した。
収率: 235mg(0.79mmol) 40%、黄色味を帯びた残留物としての(5−シクロプロピルイソオキサゾール−4−イル)[2−メチル−6−(トリフルオロメチル) ピリジン−3−イル] メタノン
1H NMR: δ [CDCl3] 1.3 (m,2H),1.4 (m,2H),2.7 (m,1H),2.7 (s,3H),7.65 (d,1H),7.85 (d,1H),8.15 (s,1H) 及び
120mg (0.41mmol) 20%、黄色味を帯びた固形物としてのシクロプロピル{5−[2−メチル−6−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル] イソオキサゾール−4−イル}メタノン
1H NMR: δ [CDCl3] 1.0 (m,2H),1.2 (m,2H),2.05 (m,1H),2.6 (s,3H),7.65 (s,1H),7.98 (d,1H),8.8 (s,1H)
【0054】
2.3−シクロプロピル−2−{[2−メチル−6−(メチルスルホニル) ピリジン−3−イル]カルボニル}−3−オキソプロパンニトリル (表の実施例3.4)
(5−シクロプロピルイソオキサゾール−4−イル)[2−メチル−6−(メチルスルホニル) ピリジン−3−イル]メタノン 1.48g (5mmol)をCH2Cl2の100mlに溶解し、そしてNEt3 0.58g (6mmol)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌し、次いで10%濃度の硫酸及び飽和したNaCl溶液で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、そして濃縮した。
収率:1.18g (3.9mmol) 78%、黄色味を帯びた油状として、
1H NMR: δ [CDCl3] 1.35 (m,2H),1.5 (m,2H),2.4 (m,1H),2.75 (s,3H),3.25 (s,3H),8.05 (m,2H)
【0055】
以下の表に記載した実施例は、上記に特定した方法に類似して合成したものであるか、又は上記に特定した方法に類似して合成することができものである。
【0056】
ここで使用されている略語は以下の定義を有する:
Et=エチル Me=メチル i−Pr=イソプロピル
C−Pr=シクロプロピル t−Bu=第三級−ブチル m.p. =融点
RT=室温 EE=エチルエタノエート Rf=保持値
[酢酸のエチルエステル]
【0057】
【表1】

【0058】
【表2】

【0059】
【表3】

【0060】
【表4】

【0061】
【表5】

【0062】
【表6】

【0063】
B.製剤実施例
1.粉剤
粉剤は式(I)の化合物の10質量部及び不活性物質としてのタルク90質量部の混合物をハンマーミルで粉末にして調製した。
2.分散性粉剤
容易に水中に分散することができる水和剤は、式(I)の化合物の25質量部、不活性物質として石英含有カオリンの64質量部、湿潤剤及び分散剤としてリグニンスルホン酸カリウムの10質量部及びオレオイルメチルタウリンナトリウムの1質量部からなる混合物をピン付デイスクミルで粉砕して調製した。
3.分散濃縮剤
容易に水中に分散することができる分散濃縮剤は、式(I)の化合物の20質量部、アルキルフェノールポリグリコールエーテル(Triton(登録商標) X207)の6質量部、イソトリデカノールポリグリコールエーテル(8EO)の3質量部、及びパラフィン鉱油(沸点範囲は例えば約255から277℃以上)の71質量部を混合し、その混合物をボールミル中で5ミクロン以下の微細となるまで粉砕して調製した。
4.乳剤
乳剤は式(I)の化合物の15質量部、溶媒としてのシクロヘキサノン75質量部及び乳化剤としてのノニルフェノールオキシエチレン10質量部より調製した。
【0064】
5.水−分散性粒剤
水−分散性粒剤は、
式(I)の化合物 75重量部、
リグニンスルホン酸カルシウム 10重量部、
ラウリル硫酸ナトリウム 5重量部、
ポリビニルアルコール 3重量部、及び
カオリン 7重量部
上記を混合してその混合物をピン付デイスクミルで粉砕し、そしてその粉末を流動式床中で造粒液としての水に噴霧することにより造粒して調製した。
【0065】
更に、水−分散性粒剤は、
式(I)の化合物 25質量部、
2,2'−ジナフチルメタン−6,6'−ジスルホン酸ナトリウム 5質量部、
オレオイルメチルタウリンナトリウム 2質量部、
ポリビニルアルコール 1質量部、
炭酸カルシウム 17質量部、及び
水 50質量部
上記を混合してコロイドミル中でホモジナイズ及び予備粉末化し、続いてその混合物をビードミル中で粉砕して得られた懸濁を、単一流体ノズルを用いてスプレイタワー中で微粉末としそして乾燥して調製した。
【0066】
C.生物学的実施例
1.出芽前の除草活性
単子葉及び双子葉の雑草植物の種子を、ボール紙製ポットの砂状ローム土壌中に蒔種して表土をかけた。その後、水和剤又は乳剤に製剤した本発明に係る化合物を、それぞれ水溶性懸濁液又はエマルションとして、ヘクタール当たり水600から800リットル(換算)の処理率で、表土の表面にヘクタール当たり有効成分320g(換算)又はそれ以下の施用量で処理した。処理後ポットを温室に移し、雑草植物にとって良好な生育条件下で静置した。試験期間3から4週間後に出芽した試験植物に対する損傷及び出芽に対する損傷を目視で評価し、無処理対照と比較した。この試験において、化合物番号1.4、1.19、1.39、2.14、2.19、2.39 及び3.44は、アオゲオトウ(Amaranthus retroflexus)、シロガラシ (Sinapis arvensis)、エノコログサ(Setaria viridis)に対して100%の活性を示した。化合物番号1.14、2.34及び3.4は、アオゲオトウ(Amaranthus retroflexus)及びエノコログサ(Setaria viridis)に対して少なくとも90%の活性を示した。
【0067】
2.雑草植物に対する出芽後の除草活性
単子葉及び双子葉の雑草植物の種子をボール紙製ポットの砂状ローム土壌中に蒔種して表土をかけ、そして良好な生育条件下の温室中で生育させた。蒔種2から3週間後に、試験植物の第三葉期に処理をした。水和剤又は乳剤に製剤した本発明に係る化合物を、ヘクタール当たり水600〜800リットル(換算)の処理率の種々の施用量で植物の緑色部の表面に噴霧した。最適生育条件下の温室中に3から4週間静置した後に化合物の活性を評価した。この試験において、例えば、化合物番号1.39、2.4、3.4及び3.39は、320gの施用量において、シロガラシ (Sinapis arvensis)及びハコベ(Stellaria media)に対して、少なくとも90%の活性を示した。
【0068】
3.作物植物の耐性
更なる温室試験において、作物並びに単子葉及び双子葉の雑草植物の種子を砂状ローム土壌中に静置して表土をかけ、植物が2枚から3枚の本葉を付けるまで温室中に静置した。その後本発明に係る式(I)の化合物を処理し、そして上記の第1節で記載したように、先行文献に開示されているものと比較した。処理後4から5週間のもの及び温室に静置して置いたものを目視で評価した。この試験において、例えば、化合物番号1.44、2.39及び3.44は、320gの施用量において、トウモロコシ又は小麦に対しては全く損傷を起こさなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
Qは基Q1、Q2又はQ3から選択される一つであり;
【化2】

R1はメチルであり;
R2はCF3、Cl、Br、S(O)nCH3 又はS(O)nC2H5であり;
R3はメチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピル又は第三級−ブチルであり;
nは0、1又は2である]
で表わされるピリジニルイソオキサゾール又はその塩。
【請求項2】
Qが基Q1である、請求項1に記載のピリジニルイソオキサゾール。
【請求項3】
R3がシクロプロピルである、請求項1又は2に記載のピリジニルイソオキサゾール。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物の少なくとも1つを除草有効量で含んでいる除草剤組成物。
【請求項5】
製剤補助剤との混合物としての、請求項4に記載の除草剤組成物。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又は請求項4又は5に記載の除草剤組成物の少なくとも一つの有効量を、植物又は望ましくない植物の生育する場所に施用することからなる、望ましくない植物を防除する方法。
【請求項7】
望ましくない植物を防除するための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の式(I)の化合物又は請求項4又は5に記載の除草剤組成物の使用。
【請求項8】
有用植物の作物栽培において望ましくない植物を防除するために式(I)の化合物を使用する、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
有用植物がトランスジェニックの植物である、請求項8に記載の使用。

【公表番号】特表2008−502615(P2008−502615A)
【公表日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515819(P2007−515819)
【出願日】平成17年6月4日(2005.6.4)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006017
【国際公開番号】WO2005/123726
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【出願人】(507203353)バイエル・クロップサイエンス・アーゲー (172)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE AG
【Fターム(参考)】