説明

ピリジルエチルベンズアミド誘導体及び種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な化合物を含んでいる殺菌剤組成物

少なくとも、一般式(I)で表されるピリジルエチルベンズアミド誘導体(a)及び
種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な化合物(b)を、0.01〜20の(a)/(b)の重量比で含んでいる組成物。付加的な殺菌活性化合物をさらに含んでいる組成物。この組成物を使用することによる、作物の植物病原性菌類を予防的又は治療的に駆除する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピリジルエチルベンズアミド誘導体と種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な化合物を含んでいる新規殺菌剤組成物に関する。本発明は、さらにまた、植物病原性菌類が発生している場所又は発生しやすい場所に上記組成物を施用することによる、植物病原性菌類を駆除又は防除する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許出願WO01/11965号には、一般的に、多くの種類のピリジルエチルベンズアミド誘導体が開示されている。この多くのピリジルエチルベンズアミド誘導体の内の1種類以上を既知殺菌剤と組み合わせて殺菌活性を増大させる可能性について、一般論として開示されているが、具体的な例や生物学的データについては全く開示されていない。
【0003】
農業においては、環境中に散布される化学製品の薬量をできる限り少なくし且つ処理コストを低減しながら、とりわけ、農業従事者が使用する活性成分又は既知活性成分の混合物に対する抵抗性系統の発達を避けるか又は制御するために、相乗効果を示す新規農薬混合物を使用することに関して、常に高い関心が持たれたいる。
【発明の開示】
【0004】
本発明者らは、上記特性を有する数種類の新規殺菌剤組成物を見いだした。
【0005】
従って、本発明は、
(a)一般式(I):
【0006】
【化2】

[式中、
・ pは、1、2、3又は4に等しい整数である;
・ qは、1、2、3、4又は5に等しい整数である;
・ 各置換基Xは、互いに独立して、ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであるように選択される;
・ 各置換基Yは、互いに独立して、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、フェノキシ、アルキルチオ、ジアルキルアミノ、アシル、シアノ、エステル、ヒドロキシ、アミノアルキル、ベンジル、ハロアルコキシ、ハロスルホニル、ハロチオアルキル、アルコキシアルケニル、アルキルスルホンアミド、ニトロ、アルキルスルホニル、フェニルスルホニル又はベンジルスルホニルであるように選択される。]
で表されるピリジルエチルベンズアミド誘導体(ここで、該ピリジルエチルベンズアミド誘導体の2−ピリジンは、N−オキシドでもよい。);
及び
(b)種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な化合物;
を、0.01〜20の(a)/(b)の重量比で含んでいる組成物に関する。
【0007】
本発明に関連して、
・ ハロゲンは、塩素、臭素、ヨウ素又はフッ素を意味する;
・ 該分子内に存在しているアルキルラジカル又はアシルラジカルのそれぞれは、1〜10個の炭素原子、好ましくは、1〜7個の炭素原子、さらに好ましくは、1〜5個の炭素原子を含んでおり、また、直鎖であっても又は分枝鎖であってもよい;
・ 該分子内に存在しているアルケニルラジカル又はアルキニルラジカルのそれぞれは、2〜10個の炭素原子、好ましくは、2〜7個の炭素原子、さらに好ましくは、2〜5個の炭素原子を含んでおり、また、直鎖であっても又は分枝鎖であってもよい。
【0008】
本発明の組成物は、相乗効果を示す。この相乗効果により、環境中に散布される化学物質の量を低減することが可能となり、また、菌類の処理にかかるコストを低減することが可能となる。
【0009】
本発明に関連して、用語「相乗効果」は、以下の文献でコルビー(Colby)により定義されたものである:表題「Calculation of the synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations」(Weeds,(1967),15,第20〜22頁)。
【0010】
この文献には、下記式が記載されている:
【0011】
【数1】

式中、Eは、定められた薬量(例えば、それぞれ、x及びyに等しい)の2種類の殺菌剤の組合せについての病害の期待される阻害割合(%)を表し、xは、定められた薬量(xに等しい)の化合物(I)による病害の観察された阻害割合(%)であり、yは、定められた薬量(yに等しい)の化合物(II)による病害の観察された阻害割合(%)である。上記組合せについて観察された阻害割合(%)がEを超えている場合、相乗効果が存在している。
【0012】
本発明の組成物は、一般式(I)で表されるピリジルエチルベンズアミド誘導体を含んでいる。好ましくは、本発明は、一般式(I)で表されるピリジルエチルベンズアミド誘導体を含んでいる組成物に関し、ここで、式(I)の種々の特性は、以下に記載されているように、単独で又は組み合わせて選択され得る:
・ pに関しては、pは、2である;
・ qに関しては、qは、1又は2であり、さらに好ましくは、qは、2である;
・ Xに関しては、Xは、互いに独立して、ハロゲン又はハロアルキルであるように選択され、さらに好ましくは、Xは、互いに独立して、塩素原子又はトリフルオロメチル基であるように選択される;
・ Yに関しては、Yは、互いに独立して、ハロゲン又はハロアルキルであるように選択され、さらに好ましくは、Yは、互いに独立して、塩素原子又はトリフルオロメチル基であるように選択される。
【0013】
さらに好ましくは、本発明の組成物中に存在させる一般式(I)で表されるピリジルエチルベンズアミド誘導体は、
・ N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1);
・ N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−ヨードベンズアミド(化合物2);
又は
・ N−{2−[3,5−ジクロロ−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物3);
である。
【0014】
さらに好ましくは、本発明の組成物中に存在させる一般式(I)で表されるピリジルエチルベンズアミド誘導体は、N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)である。
【0015】
本発明の組成物は、種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な化合物を含んでいる。好ましくは、本発明は、種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な化合物を含んでいる組成物に関し、ここで、種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な化合物は、ジカルボキシイミド誘導体、フタルイミド誘導体、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−ベンゾピラン−4−オン、2,6−ジクロロ−N−{[3−クロロ−5−(トルフルオロメチル)−2−ピリジニル]メチル}ベンズアミド、(Z)−N−[α−(シクロプロピルメトキシイミノ)−2,3−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−フェニルアセトアミド、(RS)−2−(4−クロロフェニル)−N−[3−メトキシ−4−(プロプ−2−イニルオキシ)フェネチル]−2−(プロプ−2−イニルオキシ)アセトアミド、6−ヨード−2−プロポキシ−3−プロピルキナゾリン−4(3H)−オン、ベナラキシル、ベンチアバリカルブ、クロロタロニル、水酸化銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、硫酸銅(三塩基性)、亜酸化銅、シモキサニル、ジクロメジン、ジクロフルアニド、ジチアノン、ジメトモルフ、ドジン、エタボキサム、フェンピクロニル、フェンチン、ファーバム、フルアジナム、フルジオキソニル、フルスルファミド、グアザチン、イミノクタジン、マンコッパー、マンゼブ、マンネブ、メタラキシル、メタラキシル−M、メチラム、メタスルホカルブ、ナーバム、ニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、イプロバリカルブ、オキシン銅、プロパモカルブ、プロピネブ、キノキシフェン、硫黄、シルチオファム、チウラム、トリルフルアニド、トリアゾキシド、バリダマイシン、ジネブ、ジラム、亜リン酸及びホセチル−Alから選択される。2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−ベンゾピラン−4−オン、2,6−ジクロロ−N−{[3−クロロ−5−(トルフルオロメチル)−2−ピリジニル]メチル}ベンズアミド、クロロタロニリル、イプロバリカルブ、マンゼブ、プロパモカルブ及びホセチル−Alが好ましい。
【0016】
本発明では、ジカルボキシイミド誘導体は、例えば、クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン又はビンクロゾリンなどであり得る。イプロジオンがさらに好ましい。
【0017】
本発明では、フタルイミド誘導体は、例えば、キャプタホール、キャプタン、ホルペット又はチオクロルフェンヒム(thiochlorfenphim)などであり得る。キャプタン及びホルペットが好ましい。
【0018】
本発明の組成物は、(a)少なくとも、一般式(I)で表されるピリジルエチルベンズアミド誘導体及び(b)種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な化合物を、0.01〜20、好ましくは、0.05〜10、さらに好ましくは、0.1〜5の(a)/(b)の重量比で含んでいる。
【0019】
本発明の組成物は、さらに、少なくとも1種類の別の異なった殺菌活性成分(c)を含有し得る。
【0020】
そのような殺菌活性成分(c)は、以下のものから選択し得る:アザコナゾール、アゾキシストロビン、(Z)−N−[α−(シクロプロピルメトキシイミノ)−2,3−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−フェニルアセトアミド、6−ヨード−2−プロポキシ−3−プロピルキナゾリン−4(3H)−オン、6−ヨード−2−プロポキシ−3−プロピルキナゾリン−4(3H)−オン、ベナラキシル、ベノミル、ベンチアバリカルブ、ビフェニル、ビテルタノール、ブラストサイジン−S、ボスカリド、ボラックス(borax)、ブロムコナゾール、ブピリメート、s−ブチルアミン、多硫化カルシウム、キャプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、キノメチオネート、クロロタロニル、クロゾリネート、水酸化銅、オクタン酸銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、酸化銅、シアゾファミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ダゾメット、デバカルブ(debacarb)、ジクロフルアニド、ジクロロフェン、ジクロブトラゾール、ジクロシメット、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフェンゾコートメチル硫酸、ジフェンゾコート、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジニコナゾール、ジノブトン、ジノカップ、ジフェニルアミン、ジチアノン、ドデモルフ、酢酸ドデモルフ(dodemorph acetate)、ドジン、エジフェンホス、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エトキシキン、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェンアミドン、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェンピクロニル、フェノキサニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンチン、水酸化トリフェニルスズ、酢酸トリフェニルスズ、ファーバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルオルイミド(fluoroimide)、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルトラニル、フルトリアホール、ホルペット、ホルムアルデヒド、ホセチル、ホセチル−アルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、酢酸グアザチン、ヘキサクロロベンゼン、ヘキサコナゾール、硫酸8−ヒドロキシキノリン、硫酸ヒドロキシキノリンカリウム(potassium hydroxyquinoline sulfate)、ヒメキサゾール、硫酸イマザリル、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、イミノクタジン酢酸塩、イプコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩水和物、クレソキシム−メチル、マンコッパー、マンゼブ、マンネブ、メパニピリム、メプロニル、塩化第二水銀、酸化第二水銀、塩化第一水銀、メタラキシル、メタラキシル−M、メタム−ナトリウム、メタム、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチルイソチオシアネート、メチラム、メトミノストロビン、ミルディオマイシン、ミクロブタニル、ナーバム、ニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、ニトロタル−イソプロピル、ヌアリモール、オクチリノン、オフラセ、オレイン酸、オキサジキシル、オキシン銅、オキスポコナゾールフマル酸塩、オキシカルボキシン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンタクロロフェノール、ナトリウムペンタクロロフェノキシド、ラウリン酸ペンタクロロフェニル、酢酸フェニル水銀、ナトリウム2−フェニルフェノキシド、2−フェニルフェノール、亜リン酸、フタリド、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン(polyoxins)、ポリオキシンB、ポリオキシン(polyoxin)、ポリオキソリム、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ塩酸塩、プロパモカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラゾホス、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピロキロン、キノキシフェン、キントゼン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、硫黄、タール油、テブコナゾール、テクナゼン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート−メチル、チウラム、トルクロホス−メチル、トリルフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、バリダマイシン、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム及びゾキサミド。
【0021】
好ましくは、殺菌活性成分(c)は、ジエトフェンカルブ、ヘキサコナゾール、シプロジニル、テブコナゾール及びブロムコナゾールから選択する。
【0022】
上記で定義した第三の活性成分(c)が該組成物中に存在している場合、その化合物は、1:0.01:0.01〜1:20:20の(a):(b):(c)の重量比となる量で存在し得る。化合物(a)と化合物(c)の比率は、互いに独立して、変えることができる。好ましくは、(a):(b):(c)の重量比は、1:0.05:0.05〜1:10:10であり得る。
【0023】
本発明について非限定的な方法で例示するために、以下の組成物を挙げることができる:化合物1と2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−ベンゾピラン−4−オン、化合物1と2,6−ジクロロ−N−{[3−クロロ−5−(トルフルオロメチル)−2−ピリジニル]メチル}ベンズアミド、化合物1と(Z)−N−[α−(シクロプロピルメトキシイミノ)−2,3−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−フェニルアセトアミド、化合物1と(RS)−2−(4−クロロフェニル)−N−[3−メトキシ−4−(プロプ−2−イニルオキシ)フェネチル]−2−(プロプ−2−イニルオキシ)アセトアミド、化合物1と6−ヨード−2−プロポキシ−3−プロピルキナゾリン−4(3H)−オン、化合物1とベナラキシル、化合物1とベンチアバリカルブ、化合物1とクロロタロニル、化合物1と水酸化銅、化合物1と塩基性塩化銅、化合物1と硫酸銅、化合物1と硫酸銅(三塩基性)、化合物1と亜酸化銅、化合物1とシモキサニル、化合物1とジクロメジン、化合物1とジクロフルアニド、化合物1とジチアノン、化合物1とジメトモルフ、化合物1とドジン、化合物1とエタボキサム、化合物1とフェンピクロニル、化合物1とフェンチン、化合物1とファーバム、化合物1とフルアジナム、化合物1とフルジオキソニル、化合物1とフルスルファミド、化合物1とグアザチン、化合物1とイミノクタジン、化合物1とマンコッパー、化合物1とマンゼブ、化合物1とマンネブ、化合物1とメタラキシル、化合物1とメタラキシル−M、化合物1とメチラム、化合物1とメタスルホカルブ、化合物1とナーバム、化合物1とニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、化合物1とイプロバリカルブ、化合物1とオキシン銅、化合物1とプロパモカルブ、化合物1とプロピネブ、化合物1とキノキシフェン、化合物1と硫黄、化合物1とシルチオファム、化合物1とチウラム、化合物1とトリルフルアニド、化合物1とトリアゾキシド、化合物1とバリダマイシン、化合物1とジネブ、化合物1とジラム、化合物1と亜リン酸、化合物1とホセチル−Al、化合物1とクロゾリネート、化合物1とイプロジオン、化合物1とプロシミドン、化合物1とビンクロゾリン、化合物1とキャプタホール、化合物1とキャプタン、化合物1とホルペット、化合物1とチオクロルフェンヒム、化合物2と2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−ベンゾピラン−4−オン、化合物2と2,6−ジクロロ−N−{[3−クロロ−5−(トルフルオロメチル)−2−ピリジニル]メチル}ベンズアミド、化合物2と(Z)−N−[α−(シクロプロピルメトキシイミノ)−2,3−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−フェニルアセトアミド、化合物2と(RS)−2−(4−クロロフェニル)−N−[3−メトキシ−4−(プロプ−2−イニルオキシ)フェネチル]−2−(プロプ−2−イニルオキシ)アセトアミド、化合物2と6−ヨード−2−プロポキシ−3−プロピルキナゾリン−4(3H)−オン、化合物2とベナラキシル、化合物2とベンチアバリカルブ、化合物2とクロロタロニル、化合物2と水酸化銅、化合物2と塩基性塩化銅、化合物2と硫酸銅、化合物2と硫酸銅(三塩基性)、化合物2と亜酸化銅、化合物2とシモキサニル、化合物2とジクロメジン、化合物2とジクロフルアニド、化合物2とジチアノン、化合物2とジメトモルフ、化合物2とドジン、化合物2とエタボキサム、化合物2とフェンピクロニル、化合物2とフェンチン、化合物2とファーバム、化合物2とフルアジナム、化合物2とフルジオキソニル、化合物2とフルスルファミド、化合物2とグアザチン、化合物2とイミノクタジン、化合物2とマンコッパー、化合物2とマンゼブ、化合物2とマンネブ、化合物2とメタラキシル、化合物2とメタラキシル−M、化合物2とメチラム、化合物2とメタスルホカルブ、化合物2とナーバム、化合物2とニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、化合物2とイプロバリカルブ、化合物2とオキシン銅、化合物2とプロパモカルブ、化合物2とプロピネブ、化合物2とキノキシフェン、化合物2と硫黄、化合物2とシルチオファム、化合物2とチウラム、化合物2とトリルフルアニド、化合物2とトリアゾキシド、化合物2とバリダマイシン、化合物2とジネブ、化合物2とジラム、化合物2と亜リン酸、化合物2とホセチル−Al、化合物2とクロゾリネート、化合物2とイプロジオン、化合物2とプロシミドン、化合物2とビンクロゾリン、化合物2とキャプタホール、化合物2とキャプタン、化合物2とホルペット、化合物2とチオクロルフェンヒム、化合物3と2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−ベンゾピラン−4−オン、化合物3と2,6−ジクロロ−N−{[3−クロロ−5−(トルフルオロメチル)−2−ピリジニル]メチル}ベンズアミド、化合物3と(Z)−N−[α−(シクロプロピルメトキシイミノ)−2,3−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−フェニルアセトアミド、化合物3と(RS)−2−(4−クロロフェニル)−N−[3−メトキシ−4−(プロプ−2−イニルオキシ)フェネチル]−2−(プロプ−2−イニルオキシ)アセトアミド、化合物3と6−ヨード−2−プロポキシ−3−プロピルキナゾリン−4(3H)−オン、化合物3とベナラキシル、化合物3とベンチアバリカルブ、化合物3とクロロタロニル、化合物3と水酸化銅、化合物3と塩基性塩化銅、化合物3と硫酸銅、化合物3と硫酸銅(三塩基性)、化合物3と亜酸化銅、化合物3とシモキサニル、化合物3とジクロメジン、化合物3とジクロフルアニド、化合物3とジチアノン、化合物3とジメトモルフ、化合物3とドジン、化合物3とエタボキサム、化合物3とフェンピクロニル、化合物3とフェンチン、化合物3とファーバム、化合物3とフルアジナム、化合物3とフルジオキソニル、化合物3とフルスルファミド、化合物3とグアザチン、化合物3とイミノクタジン、化合物3とマンコッパー、化合物3とマンゼブ、化合物3とマンネブ、化合物3とメタラキシル、化合物3とメタラキシル−M、化合物3とメチラム、化合物3とメタスルホカルブ、化合物3とナーバム、化合物3とニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、化合物3とイプロバリカルブ、化合物3とオキシン銅、化合物3とプロパモカルブ、化合物3とプロピネブ、化合物3とキノキシフェン、化合物3と硫黄、化合物3とシルチオファム、化合物3とチウラム、化合物3とトリルフルアニド、化合物3とトリアゾキシド、化合物3とバリダマイシン、化合物3とジネブ、化合物3とジラム、化合物3と亜リン酸、化合物3とホセチル−Al、化合物3とクロゾリネート、化合物3とイプロジオン、化合物3とプロシミドン、化合物3とビンクロゾリン、化合物3とキャプタホール、化合物3とキャプタン、化合物3とホルペット、化合物3とチオクロルフェンヒム。
【0024】
本発明の組成物は、さらに、農業上許容される支持体、担体又は増量剤などの付加的な他の成分も含有し得る。
【0025】
本明細書において、用語「支持体(support)」は、該活性物質と合することで、その活性物質の施用、特に植物の一部分への施用を容易にする、天然又は合成の有機物質又は無機物質を意味する。かくして、そのような支持体は、一般に不活性であり、また、農業上許容されるものであるべきである。支持体は、固体であってもよいし、又は、液体であってもよい。適切な支持体の例としては、クレー、天然又は合成のシリケート、シリカ、樹脂、蝋、固形肥料、水、アルコール(特に、ブタノール)、有機溶媒、鉱油及び植物油、並びに、それらの誘導体などを挙げることができる。そのような支持体の混合物を使用することもできる。
【0026】
上記組成物は、さらにまた、付加的な別の成分も含有することができる。特に、該組成物は、さらに、界面活性剤を含有することができる。該界面活性剤は、イオン性若しくは非イオン性のタイプの乳化剤、分散剤若しくは湿潤剤であることが可能であるか、又は、そのような界面活性剤の混合物であることが可能である。例えば、以下のものを挙げることができる:ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノールスルホン酸塩若しくはナフタレンスルホン酸塩、エチレンオキシドと脂肪アルコールの重縮合物、エチレンオキシドと脂肪酸の重縮合物若しくはエチレンオキシドと脂肪アミンの重縮合物、置換されているフェノール(特に、アルキルフェノール又はアリールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タウリン誘導体(特に、アルキルタウレート)、ポリオキシエチル化アルコールのリン酸エステル若しくはポリオキシエチル化フェノールのリン酸エステル、ポリオールの脂肪酸エステル、並びに、硫酸官能基、スルホン酸官能基及びリン酸官能基を含んでいる上記化合物の誘導体など。該活性物質及び/又は該不活性支持体が水不溶性である場合、及び、施用のための媒介物(vector agent)が水である場合、一般に、少なくとも1種類の界面活性剤を存在させることが必要である。好ましくは、界面活性剤の含有量は、該組成物の5重量%〜40重量%であり得る。
【0027】
さらにまた、付加的な成分、例えば、保護コロイド、粘着剤、増粘剤、揺変剤、浸透剤、安定化剤、金属イオン封鎖剤などを含ませることもできる。さらに一般的には、該活性物質は、通常の製剤技術に従う固体又は液体の任意の添加剤と組み合わせることが可能である。
【0028】
一般に、本発明の組成物は、0.05〜99%(重量基準)の活性物質、好ましくは、10〜70重量%の活性物質を含有することができる。
【0029】
本発明の組成物は、エーロゾルディスペンサー、カプセル懸濁液剤(capsule suspension)、冷煙霧濃厚剤(cold fogging concentrate)、散粉性粉剤、乳剤、水中油型エマルション剤、油中水型エマルション剤、カプセル化粒剤、細粒剤、種子処理用フロアブル剤、ガス剤(加圧下)、ガス生成剤(gas generating product)、粒剤、温煙霧濃厚剤(hot fogging concentrate)、大型粒剤、微粒剤、油分散性粉剤、油混和性フロアブル剤、油混和性液剤、ペースト剤、植物用棒状剤(plant rodlet)、乾燥種子処理用粉剤、農薬粉衣種子、可溶性濃厚剤、可溶性粉剤、種子処理用溶液剤、懸濁液剤(フロアブル剤)、微量散布用(ulv)液剤、微量散布用(ulv)懸濁液剤、顆粒水和剤、水分散性錠剤、泥水処理用水和剤、水溶性顆粒剤、水溶性錠剤、種子処理用水溶性粉剤、及び、水和剤のような、さまざまな形態で使用することが可能である。
【0030】
これらの組成物には、処理対象の植物又は種子に対して噴霧装置又は散粉装置のような適切な装置により処理される状態にある組成物のみではなく、作物に対して施用する前に希釈することが必要な市販の濃厚組成物も包含される。
【0031】
本発明の殺菌剤組成物を使用して、作物の植物病原性菌類を治療的又は予防的に防除することができる。従って、本発明のさらに別の態様により、作物の植物病原性菌類を予防的又は治療的に防除する方法が提供され、ここで、該方法は、上記で定義した殺菌剤組成物を、種子、植物及び/若しくは植物の果実に施用するか、又は、植物が生育している土壌若しくは植物を栽培するのが望ましい土壌に施用することを特徴とする。
【0032】
作物の植物病原性菌類に対して使用する本発明の組成物は、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の一般式(I)の活性物質を含有している。
【0033】
「有効で且つ植物に対して毒性を示さない量」という表現は、作物上に存在しているか又はおそらく出現するであろう菌類を防除又は駆除するのに充分で、且つ、該作物について植物毒性の感知可能などのような症状も引き起こすことのない、本発明組成物の量を意味する。そのような量は、駆除又は防除対象の菌類、作物のタイプ、気候条件、及び、本発明の殺菌剤組成物に含まれている化合物に応じて、広い範囲で変わり得る。
【0034】
そのような量は、当業者が実行可能な範囲内にある体系的な圃場試験により決定することが可能である。
【0035】
本発明による処置方法は、塊茎又は根茎のような繁殖材料を処置するのに有用であるのみではなく、種子、実生又は移植実生(seedlings pricking out)及び植物又は移植植物(plants pricking out)を処置するのにも有用である。この処置方法は、根を処置するのにも有効であり得る。本発明による処置方法は、関係している植物の樹幹、茎又は柄、葉、花及び果実のような植物の地上部を処置するのにも有効であり得る。
【0036】
本発明の方法で保護可能な植物の中で、以下のものを挙げることができる:ワタ;アマ;ブドウ;果実作物、例えば、Rosaceae sp.(例えば、種子果(pip fruit)、例えば、リンゴ及びナシ、さらに、石果、例えば、アンズ、アーモンド及びモモ)、Ribesioidae sp.、Juglandaceae sp.、Betulaceae sp.、Anacardiaceae sp.、Fagaceae sp.、Moraceae sp.、Oleaceae sp.、Actinidaceae sp.、Lauraceae sp.、Musaceae sp.(例えば、バナナの木及びプランタン)、Rubiaceae sp.、Theaceae sp.、Sterculiceae sp.、Rutaceae sp.(例えば、レモン、オレンジ及びグレープフルーツ);マメ科作物、例えば、Solanaceae sp.(例えば、トマト)、Liliaceae sp.、Asteraceae sp.(例えば、レタス)、Umbelliferae sp.、Cruciferae sp.、Chenopodiaceae sp.、Cucurbitaceae sp.、Papilionaceae sp.(例えば、エンドウ)、Rosaceae sp.(例えば、イチゴ);大型作物(big crop)、例えば、Graminae sp.(例えば、トウモロコシ、禾穀類、例えば、コムギ、イネ、オオムギ及びライコムギ)、Asteraceae sp.(例えば、ヒマワリ)、Cruciferae sp.(例えば、ナタネ)、Papilionaceae sp.(例えば、ダイズ)、Solanaceae sp.(例えば、ジャガイモ)、Chenopodiaceae sp.(例えば、ビート(beetroot));園芸作物及び森林作物(forest crops);さらに、これら作物の遺伝的に修飾された相同物。
【0037】
本発明の方法で保護される植物及びそれら植物の可能性のある病害の中で、以下のものを挙げることができる:
・ コムギ〔以下に示す種子の病害の防除に関して〕:フザリア(fusaria)(Microdochium nivale、及び、Fusarium roseum)、なまぐさ黒穂病(Tilletia cariesTilletia controversa、又は、Tilletia indica)、セプトリア病(Septoria nodorum)、及び、裸黒穂病;
・ コムギ〔以下に示すコムギ植物の地上部の病害の防除に関して〕:穀類眼紋病(cereal eyespot)(Tapesia yallundaeTapesia acuiformis)、立枯病(Gaeumannomyces graminis)、赤かび病(foot blight)(F.culmorumF.graminearum)、ブラックスペック(black speck)(Rhizoctonia cerealis)、うどんこ病(Erysiphe graminis forma specie tritici)、さび病(Puccinia striiformis、及び、Puccinia recondita)、及び、セプトリア病(Septoria tritici、及び、Septoria nodorum);
・ コムギ及びオオムギ〔細菌病及びウイルス病の防除に関して〕:例えば、オオムギ縞萎縮病(barley yellow mosaic);
・ オオムギ〔以下に示す種子の病害の防除に関して〕:網斑病(Pyrenophora gramineaPyrenophora teres、及び、Cochliobolus sativus)、裸黒穂病(Ustilago nuda)、及び、フザリア(fusaria)(Microdochium nivale、及び、Fusarium roseum);
・ オオムギ〔以下に示すオオムギ植物の地上部の病害の防除に関して〕:穀類眼紋病(cereal eyespot)(Tapesia yallundae)、網斑病(Pyrenophora teres、及び、Cochliobolus sativus)、うどんこ病(Erysiphe graminis forma specie hordei)、小さび病(Puccinia hordei)、及び、雲形病(Rhynchosporium secalis);
・ ジャガイモ〔塊茎の病害の防除に関して〕:(特に、Helminthosporium solaniPhoma tuberosaRhizoctonia solaniFusarium solani)、べと病(Phytopthora infestans)、及び、特定のウイルス(ウイルスY);
・ ジャガイモ〔以下に示す茎葉部の病害の防除に関して〕:夏疫病(Alternaria solani)、べと病(Phytophthora infestans);
・ ワタ〔種子から生育した幼植物の以下に示す病害の防除に関して〕:立枯病及び地際部腐敗(collar rot)(Rhizoctonia solaniFusarium oxysporum)、及び、黒根腐病(black root rot)(Thielaviopsis basicola);
・ タンパク質産生作物(protein yielding crop)、例えば、エンドウ〔以下に示す種子の病害の防除に関して〕:炭疽病(Ascochyta pisiMycosphaerella pinodes)、フザリア(fusaria)(Fusarium oxysporum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、及び、べと病(Peronospora pisi);
・ 油料作物(oil-bearing crop)、例えば、ナタネ〔以下に示す種子の病害の防除に関して〕:Phoma lingamAlternaria brassicae、及び、Sclerotinia sclerotiorum
・ トウモロコシ〔種子の病害の防除に関して〕:(Rhizopus sp.、Penicillium sp.、Trichoderma sp.、Aspergillus sp.、及び、Gibberella fujikuroi);
・ アマ〔種子の病害の防除に関して〕:Alternaria linicola
・ 森林樹〔立枯病の防除に関して〕:(Fusarium oxysporumRhizoctonia solani);
・ イネ〔以下に示す地上部の病害の防除に関して〕:いもち病(Magnaporthe grisea)、紋枯病(bordered sheath spot)(Rhizoctonia solani);
・ マメ科作物〔種子又は種子から生育した幼植物の以下に示す病害の防除に関して〕:立枯病及び地際部腐敗(collar rot)(Fusarium oxysporumFusarium roseumRhizoctonia solaniPythium sp.);
・ マメ科作物〔以下に示す地上部の病害の防除に関して〕:灰色かび病(Botrytis sp.)、うどんこ病(特に、Erysiphe cichoracearumSphaerotheca fuliginea、及び、Leveillula taurica)、フザリア(fusaria)(Fusarium oxysporumFusarium roseum)、斑点病(Cladosporium sp.)、褐点病(alternaria leaf spot)(Alternaria sp.)、炭疽病(Colletotrichum sp.)、セプトリア斑点病(septoria leaf spot)(Septoria sp.)、ブラックスペック(black speck)(Rhizoctonia solani)、べと病(例えば、Bremia lactucaePeronospora sp.、Pseudoperonospora sp.、Phytophthora sp.);
・ 果樹〔地上部の病害に関して〕:モニリア病(Monilia fructigenaeM.laxa)、瘡痂病(Venturia inaequalis)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha);
・ ブドウ〔茎葉部の病害に関して〕:特に、灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Uncinula necator)、黒腐病(Guignardia biwelli)、及び、べと病(Plasmopara viticola);
・ ビート(beetroot)〔以下に示す地上部の病害に関して〕:サーコスポラ葉枯病(cercospora blight)(Cercospora beticola)、うどんこ病(Erysiphe beticola)、斑点病(Ramularia beticola)。
【0038】
本発明の殺菌剤組成物は、材木の表面又は内部で発生するであろう菌類病に対しても使用することができる。用語「材木」は、全ての種類の木、そのような木を建築用に加工した全てのタイプのもの、例えば、ソリッドウッド、高密度木材、積層木材及び合板などを意味する。本発明による材木の処理方法は、主に、本発明の1種類以上の化合物又は本発明の組成物を接触させることにより行う。これには、例えば、直接的な塗布、噴霧、浸漬、注入、又は、別の適切な任意の方法が包含される。
【0039】
さらにまた、本発明の殺菌剤組成物は、遺伝的に修飾されている生物の本発明化合物又は本発明農薬組成物による処理においても使用することができる。遺伝的に修飾されている植物は、興味深いタンパク質をコードする異種の遺伝子がゲノムに安定的に組み込まれている植物である。「興味深いタンパク質をコードする異種の遺伝子」という表現は、本質的に、形質転換された植物に新しい農業的特性を付与する遺伝子を意味するか、又は、形質転換された植物の農業的質を改善する遺伝子を意味する。
【0040】
本発明の処理において通常施用される活性物質の薬量は、茎葉処理における施用では、一般に、また、有利には、10〜2000g/ha、好ましくは、20〜1500g/haである。種子処理の場合は、活性物質の施用薬量は、一般に、また、有利には、種子100kg当たり1〜200g、好ましくは、種子100kg当たり2〜150gである。上記で示されている薬量が本発明を例証するための例として挙げられていることは、明確に理解される。当業者は、処理対象の作物の種類に基づいて、該施用薬量を適合させる方法を理解するであろう。
【0041】
さらにまた、本発明の組成物は、ヒト及び動物の菌類病、例えば、真菌症、皮膚病、白癬菌性疾患(trichophyton disease)及びカンジダ症、又は、Aspergillus spp.若しくはCandida spp.(例えば、それぞれ、Aspergillus fumigatus、又は、Candida albicans)に起因する疾患などを、治療的又は予防的に処置するのに有用な組成物を調製するのにも使用することができる。
【0042】
以下の実施例により、本発明について例示する。
【実施例】
【0043】
実施例1:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とマンゼブを含んでいる混合物のBotrytis cinereaに対する効力
製剤した該化合物を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0044】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のガーキン植物(品種 Petit vert de Paris)を、子葉Z11期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0045】
24時間経過した後、Botrytis cinereaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり150,000胞子)の滴を葉の上面にデポジットさせることにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取し、
・ 20g/Lのゼラチン
・ 50g/Lのカンショ糖
・ 2g/LのNHNO
・ 1g/LのKHPO
から構成される栄養溶液に懸濁させる。
【0046】
汚染されたガーキン植物を、5/7日間、15/11℃(昼/夜)で相対湿度80%の人工気象室内に静置する。上記汚染から5〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0047】
以下の表では、化合物1とマンゼブを単独で及び種々の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0048】
【表1】

【0049】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0050】
実施例2:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とプロピネブを含んでいる混合物のBotrytis cinereaに対する効力
製剤した該化合物を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のガーキン植物(品種 Petit vert de Paris)を、子葉Z11期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0051】
24時間経過した後、Botrytis cinereaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり150,000胞子)の滴を葉の上面にデポジットさせることにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取し、
・ 20g/Lのゼラチン
・ 50g/Lのカンショ糖
・ 2g/LのNHNO
・ 1g/LのKHPO
から構成される栄養溶液に懸濁させる。
【0052】
汚染されたガーキン植物を、5/7日間、15/11℃(昼/夜)で相対湿度80%の人工気象室内に静置する。上記汚染から5〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0053】
以下の表では、化合物1とプロピネブを単独で及び種々の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0054】
【表2】

【0055】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0056】
実施例3:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とキャプタンを含んでいる混合物のPuccinia reconditaに対する効力
被験活性成分は、アセトン/tween/水の混合物中で、ポッター均質化により調製する。次いで、この懸濁液を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0057】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、12℃で生育させたスターターカップ内のコムギ植物(品種 Scipion)を、1葉期(草丈10cm)で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。
【0058】
対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0059】
24時間経過した後、Puccinia reconditaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり100,000胞子)を葉に噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、汚染して10日間経過したコムギから採取し、2.5mL/Lのtween80(10%)を含んでいる水に懸濁させる。汚染されたコムギ植物を、20℃、相対湿度100%で24時間インキュベートし、次いで、20℃、相対湿度70%で10日間インキュベートする。上記汚染から10日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0060】
以下の表では、化合物1とキャプタンを単独で及び種々の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0061】
【表3】

【0062】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0063】
実施例4:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とホルペットを含んでいる混合物のBotrytis cinereaに対する効力
製剤した該化合物を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のガーキン植物(品種 Petit vert de Paris)を、子葉Z11期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0064】
24時間経過した後、Botrytis cinereaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり150,000胞子)の滴を葉の上面にデポジットさせることにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取し、
・ 20g/Lのゼラチン
・ 50g/Lのカンショ糖
・ 2g/LのNHNO
・ 1g/LのKHPO
から構成される栄養溶液に懸濁させる。
【0065】
汚染されたガーキン植物を、5/7日間、15/11℃(昼/夜)で相対湿度80%の人工気象室内に静置する。上記汚染から5〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0066】
以下の表では、化合物1とホルペットを単独で及び種々の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0067】
【表4】

【0068】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0069】
実施例5:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とイプロジオンを含んでいる混合物のBotrytis cinereaに対する効力
製剤した該化合物を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のガーキン植物(品種 Petit vert de Paris)を、子葉Z11期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0070】
24時間経過した後、Botrytis cinereaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり150,000胞子)の滴を葉の上面にデポジットさせることにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取し、
・ 20g/Lのゼラチン
・ 50g/Lのカンショ糖
・ 2g/LのNHNO
・ 1g/LのKHPO
から構成される栄養溶液に懸濁させる。
【0071】
汚染されたガーキン植物を、5/7日間、15/11℃(昼/夜)で相対湿度80%の人工気象室内に静置する。上記汚染から5〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0072】
以下の表では、化合物1とイプロジオンを単独で及び種々の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0073】
【表5】

【0074】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0075】
実施例6:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とフルジオキソニルを含んでいる混合物のBotrytis cinereaに対する効力
被験活性成分は、アセトン/tween/水の混合物中で、ポッター均質化により調製する。次いで、この懸濁液を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0076】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のガーキン植物(品種 Petit vert de Paris)を、子葉Z11期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0077】
24時間経過した後、Botrytis cinereaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり150,000胞子)の滴を葉の上面にデポジットさせることにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取し、
・ 20g/Lのゼラチン
・ 50g/Lのカンショ糖
・ 2g/LのNHNO
・ 1g/LのKHPO
から構成される栄養溶液に懸濁させる。
【0078】
汚染されたガーキン植物を、5/7日間、15/11℃(昼/夜)で相対湿度80%の人工気象室内に静置する。上記汚染から5〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0079】
以下の表では、化合物1とフルジオキソニルを単独で及び種々の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0080】
【表6】

【0081】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0082】
実施例7:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とベナラキシルを含んでいる混合物のBotrytis cinereaに対する効力
被験活性成分は、アセトン/tween/水の混合物中で、ポッター均質化により調製する。次いで、この懸濁液を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0083】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のガーキン植物(品種 Petit vert de Paris)を、子葉Z11期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0084】
24時間経過した後、Botrytis cinereaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり150,000胞子)の滴を葉の上面にデポジットさせることにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取し、
・ 20g/Lのゼラチン
・ 50g/Lのカンショ糖
・ 2g/LのNHNO
・ 1g/LのKHPO
から構成される栄養溶液に懸濁させる。
【0085】
汚染されたガーキン植物を、5/7日間、15/11℃(昼/夜)で相対湿度80%の人工気象室内に静置する。上記汚染から5〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0086】
以下の表では、化合物1とベナラキシルを単独で及び1:3の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0087】
【表7】

【0088】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0089】
実施例8:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とメタラキシル−Mを含んでいる混合物のBotrytis cinereaに対する効力
被験活性成分は、アセトン/tween/水の混合物中で、ポッター均質化により調製する。次いで、この懸濁液を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0090】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のガーキン植物(品種 Petit vert de Paris)を、子葉Z11期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0091】
24時間経過した後、Botrytis cinereaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり150,000胞子)の滴を葉の上面にデポジットさせることにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取し、
・ 20g/Lのゼラチン
・ 50g/Lのカンショ糖
・ 2g/LのNHNO
・ 1g/LのKHPO
から構成される栄養溶液に懸濁させる。
【0092】
汚染されたガーキン植物を、5/7日間、15/11℃(昼/夜)で相対湿度80%の人工気象室内に静置する。上記汚染から5〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0093】
以下の表では、化合物1とメタラキシル−Mを単独で及び1:3の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0094】
【表8】

【0095】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0096】
実施例9:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とプロパモカルブ−HClを含んでいる混合物のBotrytis cinereaに対する効力
製剤した該化合物を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0097】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のガーキン植物(品種 Petit vert de Paris)を、子葉Z11期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0098】
24時間経過した後、Botrytis cinereaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり150,000胞子)の滴を葉の上面にデポジットさせることにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取し、
・ 20g/Lのゼラチン
・ 50g/Lのカンショ糖
・ 2g/LのNHNO
・ 1g/LのKHPO
から構成される栄養溶液に懸濁させる。
【0099】
汚染されたガーキン植物を、5/7日間、15/11℃(昼/夜)で相対湿度80%の人工気象室内に静置する。上記汚染から5〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0100】
以下の表では、化合物1とプロパモカルブ−HClを単独で及び1:9の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0101】
【表9】

【0102】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0103】
実施例10:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とホセチル−Alを含んでいる混合物のBotrytis cinereaに対する効力
製剤した該化合物を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0104】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のガーキン植物(品種 Petit vert de Paris)を、子葉Z11期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0105】
24時間経過した後、Botrytis cinereaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり150,000胞子)の滴を葉の上面にデポジットさせることにより、該植物を汚染する。その胞子は、15日間培養したものから採取し、
・ 20g/Lのゼラチン
・ 50g/Lのカンショ糖
・ 2g/LのNHNO
・ 1g/LのKHPO
から構成される栄養溶液に懸濁させる。
【0106】
汚染されたガーキン植物を、5/7日間、15/11℃(昼/夜)で相対湿度80%の人工気象室内に静置する。上記汚染から5〜7日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0107】
以下の表では、化合物1とホセチル−Alを単独で及び1:9の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0108】
【表10】

【0109】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0110】
実施例11:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とトリルフルアニドを含んでいる組成物のSphaerotheca fuligineaに対する効力
製剤した該化合物を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0111】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、20℃/23℃で生育させたスターターカップ内のガーキン植物(品種 Vert petit de Paris)を、2葉期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0112】
24時間経過した後、Sphaerotheca fuligineaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり100,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、汚染された植物から採取する。汚染されたガーキン植物を、約20℃/25℃、相対湿度60/70%でインキュベートする。
【0113】
上記汚染から21日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0114】
以下の表では、化合物1とトリルフルアニドを単独で及び種々の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0115】
【表11】

【0116】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0117】
実施例12:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)と2,6−ジクロロ−N−{[3−クロロ−5−(トルフルオロメチル)−2−ピリジニル]メチル}ベンズアミド(化合物A)を含んでいる組成物のPeronospora parasiticaに対する効力
被験活性成分は、ポッター均質化により、100g/Lの濃厚懸濁液タイプ製剤に調製する。次いで、この懸濁液を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0118】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、18〜20℃で生育させたスターターカップ内のキャベツ植物(品種 Eminence)を、子葉期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。
【0119】
対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0120】
24時間経過した後、Peronospora parasiticaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり50,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、感染植物から採取する。
【0121】
汚染されたキャベツ植物を、20℃、湿潤雰囲気下で、5日間インキュベートする。
【0122】
上記汚染から5日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0123】
以下の表では、化合物1と化合物Aを単独で及び1:1の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0124】
【表12】

【0125】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0126】
実施例13:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とイプロバリカルブを含んでいる組成物のSphaerotheca fuligineaに対する効力
製剤した該化合物を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0127】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、20℃/23℃で生育させたスターターカップ内のガーキン植物(品種 Vert petit de Paris)を、2葉期で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0128】
24時間経過した後、Sphaerotheca fuligineaの胞子の水性懸濁液(1mL当たり100,000胞子)を噴霧することにより、該植物を汚染する。その胞子は、汚染された植物から採取する。汚染されたガーキン植物を、約20℃/25℃、相対湿度60/70%でインキュベートする。
【0129】
上記汚染から21日間経過した後、対照植物と比較して、等級付け(効力%)を行う。
【0130】
以下の表では、化合物1とイプロバリカルブを単独で及び1:9の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0131】
【表13】

【0132】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。
【0133】
実施例14:N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド(化合物1)とクロロタロニルを含んでいる組成物のErysiphe graminis f.sp.triticiに対する効力
製剤した該化合物を水で希釈して、所望の活性物質濃度とする。
【0134】
50/50の泥炭土−ポゾランの底土に播種し、12℃で生育させたスターターカップ内のコムギ植物(品種 Audace)を、1葉期(草丈10cm)で、上記水性懸濁液を噴霧することにより処理する。
【0135】
対照として使用する植物は、活性物質を含んでいない水溶液で処理する。
【0136】
24時間経過した後、Erysiphe graminis f.sp.triticiの胞子を振りかけることにより、該植物を汚染する。胞子は、発病している植物を用いて振りかける。
【0137】
上記汚染から7〜14日間経過した後、対照植物と比較して、等級付けを行う。
【0138】
以下の表では、化合物1とクロロタロニルを単独で及び種々の重量比の混合物として試験した場合に得られた結果について要約する。
【0139】
【表14】

【0140】
コルビー法により、被験混合物の相乗効果が観察された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)一般式(I):
【化1】

[式中、
・ pは、1、2、3又は4に等しい整数である;
・ qは、1、2、3、4又は5に等しい整数である;
・ 各置換基Xは、互いに独立して、ハロゲン、アルキル又はハロアルキルであるように選択される;
・ 各置換基Yは、互いに独立して、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、フェノキシ、アルキルチオ、ジアルキルアミノ、アシル、シアノ、エステル、ヒドロキシ、アミノアルキル、ベンジル、ハロアルコキシ、ハロスルホニル、ハロチオアルキル、アルコキシアルケニル、アルキルスルホンアミド、ニトロ、アルキルスルホニル、フェニルスルホニル又はベンジルスルホニルであるように選択される。]
で表されるピリジルエチルベンズアミド誘導体(ここで、該ピリジルエチルベンズアミド誘導体の2−ピリジンは、N−オキシドでもよい。);
及び
(b)種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な化合物;
を、0.01から20の(a)/(b)の重量比で含んでいる組成物。
【請求項2】
pが2であることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
qが又は2であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
Xが、互いに独立して、ハロゲン又はハロアルキルであるように選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
Xが、互いに独立して、塩素原子又はトリフルオロメチル基であるように選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
Yが、互いに独立して、ハロゲン又はハロアルキルであるように選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
Yが、互いに独立して、塩素原子又はトリフルオロメチル基であるように選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載に組成物。
【請求項8】
一般式(I)で表される化合物が、
・ N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド;
・ N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−ヨードベンズアミド;
又は
・ N−{2−[3,5−ジクロロ−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミド;
であることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
一般式(I)で表される化合物が、N−{2−[3−クロロ−5−(トリフルオロメチル)−2−ピリジニル]エチル}−2−トリフルオロメチルベンズアミドであることを特徴とする、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な前記化合物が、ジカルボキシイミド誘導体であることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記ジカルボキシイミド誘導体が、クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン又はビンクロゾリンであることを特徴とする、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な前記化合物が、フタルイミド誘導体であることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
前記フタルイミド誘導体が、キャプタホール、キャプタン、ホルペット又はチオクロルフェンヒムであることを特徴とする、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
種々の代謝経路に作用することにより胞子発芽又は菌糸成長を阻害することが可能な前記化合物が、2−ブトキシ−6−ヨード−3−プロピル−ベンゾピラン−4−オン、2,6−ジクロロ−N−{[3−クロロ−5−(トルフルオロメチル)−2−ピリジニル]メチル}ベンズアミド、(Z)−N−[α−(シクロプロピルメトキシイミノ)−2,3−ジフルオロ−6−(トリフルオロメチル)ベンジル]−2−フェニルアセトアミド、(RS)−2−(4−クロロフェニル)−N−[3−メトキシ−4−(プロプ−2−イニルオキシ)フェネチル]−2−(プロプ−2−イニルオキシ)アセトアミド、6−ヨード−2−プロポキシ−3−プロピルキナゾリン−4(3H)−オン、ベナラキシル、ベンチアバリカルブ、クロロタロニル、水酸化銅、塩基性塩化銅、硫酸銅、硫酸銅(三塩基性)、亜酸化銅、シモキサニル、ジクロメジン、ジクロフルアニド、ジチアノン、ジメトモルフ、ドジン、エタボキサム、フェンピクロニル、フェンチン、ファーバム、フルアジナム、フルジオキソニル、フルスルファミド、グアザチン、イミノクタジン、マンコッパー、マンゼブ、マンネブ、メタラキシル、メタラキシル−M、メチラム、メタスルホカルブ、ナーバム、ニッケルビス(ジメチルジチオカルバメート)、イプロバリカルブ、オキシン銅、プロパモカルブ、プロピネブ、キノキシフェン、硫黄、シルチオファム、チウラム、トリルフルアニド、トリアゾキシド、バリダマイシン、ジネブ、ジラム、亜リン酸又はホセチル−Alであることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
殺菌性化合物(c)をさらに含んでいる、請求項1から14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記殺菌性化合物(c)が、ジエトフェンカルブ、ヘキサコナゾール、シプロジニル、テブコナゾール及びブロムコナゾールから選択されることを特徴とする、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
農業上許容される支持体、担体、増量剤及び/又は界面活性剤をさらに含んでいることを特徴とする、請求項1から16のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
作物の植物病原性菌類を予防的又は治療的に防除する方法であって、有効で且つ植物に対して毒性を示さない量の請求項1から17のいずれか1項に記載の組成物を、種子、植物及び/若しくは植物の果実に施用するか、又は、植物がそこで生育している土壌若しくは植物をそこで栽培するのが望ましい土壌に施用することを特徴とする、前記方法。

【公表番号】特表2007−522185(P2007−522185A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−552585(P2006−552585)
【出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002566
【国際公開番号】WO2005/077181
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(503325538)バイエル・クロツプサイエンス・エス・アー (73)
【Fターム(参考)】