説明

ピリドン系化合物含有毛髪化粧料及びピリドン系化合物の樹脂への吸着抑制方法

【課題】有効成分の樹脂への吸着が効果的に抑制され、その有効性が十分に発現し、かつ使用後の毛髪の仕上り感が向上するピリドン系化合物含有毛髪化粧料及びピリドン系化合物の樹脂への吸着抑制方法を提供する。
【解決手段】(A)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物を含有し、オレフィン系樹脂で形成された容器に収容されてなる毛髪化粧料に、(B)カチオン性界面活性剤、(C)炭素鎖長が14〜24の直鎖脂肪族アルコール、及び(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物を配合したことを特徴とするピリドン系化合物含有毛髪化粧料。
上記(A)ピリドン系化合物を含有し、オレフィン系樹脂で形成された容器に収容されてなる化粧料に、上記(B)、(C)及び(D)を配合する前記化粧料におけるピリドン系化合物の樹脂への吸着抑制方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有効成分であるピリドン系化合物の樹脂への吸着が効果的に抑制され、その有効性が十分に発現し、かつ使用後の毛髪の仕上り感が向上するピリドン系化合物含有毛髪化粧料及びピリドン系化合物の樹脂への吸着抑制方法に関する。
【背景技術】
【0002】
毛髪化粧料は、使用後の髪の仕上り感をよくするために使用されるが、更に頭皮・頭髪の状態を改善するなどのために有効成分を配合することがある。
【0003】
製剤に配合された有効成分は、製剤の組成及び保管条件によっては保存時に容器等の樹脂に吸着することがあり、その結果、使用時に十分な有効成分量を保てず、期待した効能が発揮されないことがある。そのため、有効成分の樹脂への吸着を抑制し、十分な有効性を保つことが重要である。
【0004】
従来、髪の仕上り感をよくするだけでなく、更に頭皮・頭髪の状態を改善するなどのため有効成分を配合した毛髪化粧料(特許文献1:特開2009−013117号公報、特許文献2:特開2006−045126号公報)などが提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの技術ではオレフィン系の樹脂容器に保管した場合、有効成分が樹脂に吸着することにより、保管条件によっては十分な有効性を保ち難かった。
【0006】
出願人は、1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物を含有するリンス系毛髪化粧料にベタイン型界面活性剤を配合することで、上記ピリドン系化合物のオレフィン系樹脂製のプラスチック容器への吸着が抑制され、組成物の安定性も良好とし得る技術を特許文献3(特開2009−155279号公報)に提案した。
【0007】
しかしながら、特許文献3の毛髪化粧料は、ベタイン型両性界面活性剤を配合することによって、その配合量及びベタイン型両性界面活性剤以外の原料との兼ね合いにより、伸びやすく、泡立ちにくいが、仕上がり性能成分が洗い流されて、なめらかさやしっとり感などの仕上り性能の点で十分とは言い難く、この点で改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−013117号公報
【特許文献2】特開2006−045126号公報
【特許文献3】特開2009−155279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、有効成分であるピリドン系化合物の樹脂への吸着を効果的に抑制し、かつ使用後の仕上り性能も良好となる新たな技術が望まれる。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、有効成分の樹脂への吸着が効果的に抑制され、その有効性が十分に発現し、かつ使用後の毛髪の仕上り感が向上するピリドン系化合物含有毛髪化粧料及びピリドン系化合物の樹脂への吸着抑制方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、有効成分として1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物を含有し、オレフィン系樹脂で形成された容器に収容される毛髪化粧料に、カチオン性界面活性剤及び高級脂肪族アルコールを配合し、かつポリグリセリン骨格を有する化合物、特にポリグリセリン、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる化合物を配合することにより、上記ピリドン系化合物の樹脂への吸着が効果的に抑制され、その有効性が十分に発現する上、使用後の毛髪の仕上り感を向上できることを見出し、本発明をなすに至った。
【0011】
上述したように、特許文献3の1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物を含有するリンス系毛髪化粧料にベタイン型界面活性剤を配合する技術では、ピリドン系化合物のオレフィン系樹脂で形成されたプラスチック容器内壁の樹脂への吸着を抑制できるものの、組成物が発泡し易く、このため組成の自由度が低く応用範囲が限られる上、仕上がり性能成分が洗い流されて、なめらかさやしっとり感などの仕上り性能の点で改善の余地があった。これに対して、本発明によれば、ピリドン系化合物含有毛髪化粧料に、カチオン性界面活性剤と高級脂肪族アルコールとポリグリセリン骨格を有する化合物とを併用することで、ベタイン型界面活性剤を配合しなくてもピリドン系化合物の樹脂への吸着を効果的に抑制でき、しかも、毛髪の仕上がり性能も優れたものとすることができ、それ故、有効成分の樹脂への吸着抑制効果と仕上がり性能とを兼ね備えた毛髪化粧料を得ることができる。
【0012】
従って、本発明は、下記の毛髪化粧料を提供する。
請求項1:
(A)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物を含有し、オレフィン系樹脂で形成された容器に収容されてなる毛髪化粧料に、(B)カチオン性界面活性剤、(C)炭素鎖長が14〜24の直鎖脂肪族アルコール、及び(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物を配合したことを特徴とするピリドン系化合物含有毛髪化粧料。
請求項2:
(A)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物が、ピロクトンオラミンであることを特徴とする請求項1記載の毛髪化粧料。
請求項3:
(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物が、ポリグリセリン、ポリグリセリンアルキルエーテル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。
請求項4:
(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物が、ポリグリセリン及び/又はポリグリセリンアルキルエーテルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。
請求項5:
(C)成分が、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
請求項6:
(A)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物と(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物との比率(A)/(D)が質量比で20以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
請求項7:
(A)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物を含有し、オレフィン系樹脂で形成された容器に収容されてなる化粧料において、前記ピリドン系化合物の樹脂への吸着を抑制する方法であって、前記化粧料に(B)カチオン性界面活性剤、(C)炭素鎖長が14〜24の直鎖脂肪族アルコール、及び(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物を配合することを特徴とする前記化粧料におけるピリドン系化合物の樹脂への吸着抑制方法。
【発明の効果】
【0013】
本発明のピリドン系化合物含有毛髪化粧料によれば、製剤中の有効成分の経時での樹脂への吸着が有効に抑制され、かつ使用後の毛髪の仕上り感が向上する。本発明方法によれば、ピリドン系化合物の樹脂への吸着を有効に抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明につき更に詳細に説明する。
本発明の毛髪化粧料は、(A)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物を含有し、かつ(B)カチオン性界面活性剤、(C)炭素鎖長が14〜24の直鎖脂肪族アルコール、及び(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物を配合したことを特徴とするもので、リンス、トリートメント、コンデショナー、整髪剤などの剤型、特にリンスとして好適に調製される。
【0015】
(A)成分は、有効成分である1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物である。
1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物は、下記一般式(I)で表される。
【0016】
【化1】

【0017】
上記式中、R1は、炭素数1〜17のアルキル基、炭素数2〜17のアルケニル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基、炭素数7〜9のビシクロアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基かつ炭素数1〜4のアルキル基を有するシクロアルキル−アルキル基(但し、シクロアルキル基は、その水素原子の一部又は全部が炭素数1〜4のアルキル基によって置換されていてもよい。)、炭素数6〜14のアリール基、炭素数6〜14のアリール基かつ炭素数1〜4のアルキル基を有するアラルキル基、炭素数6〜14のアリール基かつ炭素数2〜4のアルケニル基を有するアリールアルケニル基、炭素数6〜14のアリール基かつ炭素数1〜4のアルキル基を有するアリールオキシアルキル基又はアリールメルカプトアルキル基、ベンズヒドリル基、炭素数1〜4のアルキル基を有するフェニルスルホニルアルキル基、フリル基、又は炭素数2〜4のアルケニル基を有するフリルアルケニル基を示す。但し、上記アリール基は、その水素原子の一部又は全部が、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基又はハロゲン原子によって置換されていてもよい。R2は、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、ハロゲン原子、フェニル基又はベンジル基を表す。X+は、有機塩基、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオン又は2〜4価の陽イオンを表す。
【0018】
上記一般式(I)で表される化合物の具体例としては、例えば下記化合物及びその塩等を挙げることができる。
1−ヒドロキシ−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−6−シクロヘキシル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−6−メチル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4,6−ジメチル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−ヘプチル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(1−エチルペンチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−ウンデシル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−プロペニル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−オクテニル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,2−ジブチル−ビニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(シクロヘキセニリデン−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−シクロヘキシル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(メチル−シクロヘキシル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−〔2−(ジメチルシクロヘキシル)−プロピル〕−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−メチル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−メチル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−第3ブチル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−メチル−4−クロル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3,5−ジクロル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−ブロム−4−クロル−フェニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−メトキシスチリル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−〔1−(4−ニトロフェノキシ)−ブチル〕−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−シアノフェノキシメチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(フェニルスルホニルメチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−〔1−(4−クロルフェニルスルホニル)−ブチル〕−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−ベンジル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4−ジメチルベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(第3ブチル−ベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2−クロル−ベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−クロルベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,5−ジクロル−ベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−ブロム−ベンジル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(フェノキシメチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(3−メチルフェノキシ−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−第2ブチルフェノキシ−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,5−トリクロルフェノキシ−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−ブロムフェノキシ−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−クロルフェニルメルカプト−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(4−メチルフェニルメルカプト−メチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2−ナフチル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−ベンズヒドリル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−フリル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(フリルビニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−スチリル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(フェニルブタジエニル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−フェニル−6−メチル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4,6−ジフェニル−2−ピリドン等を挙げることができる。
【0019】
上記化合物は、塩として用いられ、例えば有機アミンとの塩として好適に使用することができる。具体的には、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチルアミノ−エタノール、2−アミノ−2−メチル−n−プロパノール、ジメチルアミノプロパノール、2−アミノ−2−メチル−プロパンジオール、トリ−イソプロパノールアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、モルホリン、ピペリジン、シクロヘキシルアミン、トリブチルアミン、ドデシルアミン、N,N−ジメチル−ドデシルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、N−エチルベンジルアミン、ジメチルステアリルアミン、N−メチル−モルホリン、N−メチルピペラジン、4−メチルシクロヘキシルアミン、N−ヒドロキシエチル−モルホリン等が挙げられる。
【0020】
また、本発明に用いられる1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物は、無機イオンとの塩であってもよく、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びマグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等を用いることができる。更に、亜鉛塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩等の2〜4価の陽イオンとの塩も用いることができる。
【0021】
上記(I)の1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物としては特に制限されないが、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−シクロヘキシル−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(メチル−シクロヘキシル)−2−ピリドン、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプチル)−2−ピリドン等の6−シクロヘキサン系、1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−ピリドンのモノエタノールアミン塩等が好ましく、特に、有効性から、下記式(II)で表される1−ヒドロキシ−4−メチル−6−(2,4,4−トリメチルペンチル)−2−ピリドンのモノエタノールアミン塩(別名:ピロクトンオラミン)、下記式(III)で表される1−ヒドロキシ−6−シクロヘキシル−2−ピリドンのモノエタノールアミン塩がより好ましく、とりわけ下記式(II)のピロクトンオラミンが最も好ましい。
【0022】
【化2】

【0023】
(A)成分の1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物は、1種単独でも2種以上を併用してもよく、その含有量は特に制限されないが、毛髪化粧料組成中0.01〜3%(質量%、以下同様。)、特に0.01〜2%、とりわけ0.1〜2%が好適である。(C)成分の含有量が0.01%未満では有効成分としての有効性を確保することができず、3%を超えても有効性に変化はなく、経済的に不利となる場合がある。
【0024】
(B)成分のカチオン性界面活性剤としては、毛髪化粧料に配合し得るものであればその種類は特に限定されず、アミン系、第4級アンモニウム塩型、グアニジン誘導体又はその塩、アミドアミン型、アミノ酸型等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。中でも、アルキル第4級アンモニウム塩、直鎖アルコキシプロピルジメチルアミン、とりわけアルキル第4級アンモニウム塩が、優れた毛髪の仕上がり性能を発揮させる点で好適である。
【0025】
アルキル第4級アンモニウム塩としては、アルキル基の炭素数が12〜28、特に使用後の髪のしっとり感の観点から炭素数が16〜24、とりわけ18〜22のものが好ましい。中でも炭素数22の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基、特に直鎖アルキル基を有するものが好ましい。
【0026】
上記アルキル第4級アンモニウム塩は、通常、塩の形で含有され、具体的には塩酸塩、臭素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、グリコール酸塩、酢酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酸性アミノ酸塩、高級脂肪酸塩、ピログルタミン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩等として用いることができ、塩酸塩が好適である。
【0027】
上記アルキル第4級アンモニウム塩の具体例としては、例えば、ベヘニルトリメチルアンモニウム、アラキルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、ミリスチルトリメチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウム、セトステアリルトリメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、ジベヘニルジメチルアンモニウム、オレイルトリメチルアンモニウム、イソステアリルトリメチルアンモニウム、ステアロキシプロピルトリメチルアンモニウム、(C10−40)分岐アルキルトリメチルアンモニウム等のアルキル第4級アンモニウムの塩が挙げられる。アルキル第4級アンモニウムとしては、好ましくはベヘニルトリメチルアンモニウム、アラキルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、セチルトリメチルアンモニウム、ラウリルトリメチルアンモニウムなどである。中でも、ベヘニルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、特にベヘニルトリメチルアンモニウムが毛髪補修効果の点から望ましい。
【0028】
直鎖アルコキシプロピルジメチルアミンは、アルコキシ基の炭素鎖長が12〜22、特に12〜18のものが好ましい。例えば、セチロキシプロピルジメチルアミン、ステアロキシプロピルジメチルアミン、アラキロキシプロピルジメチルアミン、ベヘニロキシプロピルジメチルアミンが挙げられ、特にステアロキシプロピルジメチルアミンがより好適である。
【0029】
(B)成分のカチオン性界面活性剤の含有量は特に制限されないが、毛髪化粧料組成中0.1〜10%、特に毛髪のしっとり感の点から0.5〜5%が好適である。含有量が0.1%未満では、毛髪のしっとり感を満足に確保することができず、10%を超えると毛髪のしっとり感は頭打ちになり不経済な場合がある。
【0030】
(C)成分としては、炭素鎖長が14〜24、好ましくは16〜22の直鎖脂肪族アルコールが用いられる。
炭素鎖長が14〜24の直鎖脂肪族アルコールとしては、特に限定されないが、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール(セチルアルコール)、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級脂肪族一価アルコールが挙げられ、これらの1種又は2種以上を使用できる。特に、毛髪のしっとり感の点から、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール(セチルアルコール)、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールがより好適であり、中でも毛髪の仕上がり性能を発揮させる点からステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが最も好適である。
【0031】
(C)成分の直鎖脂肪族アルコールの含有量は特に制限されないが、仕上がり性能の点から、毛髪化粧料組成中に0.1%以上、特に毛髪のしっとり感の点から0.5〜20%、とりわけ1〜15%が好適である。含有量が0.1%未満では、毛髪の仕上がり性能、とりわけしっとり感を確保することができない場合がある。20%を超えると製剤の安定性を確保できなくなったり、乾燥後の毛髪の仕上がり感が重くなる場合がある。
【0032】
(D)成分は、ポリグリセリン骨格を有する化合物である。本発明では、その作用機序は不明であるが、ポリグリセリン骨格を有する化合物が、ピロクトンオラミンの溶解性を高めることにより、これが一つの要因となって、容器内壁の樹脂への有効成分の吸着が抑制されると共に、製剤のしっとり感、伸ばしやすさといった仕上がり性能も向上させ良好に保持されると推測される。なお、本発明では、(D)成分のポリグリセリン骨格を有する化合物の代わりにポリエチレングリコール等の多価アルコールを使用しても、本発明の目的を達成できない。
【0033】
ポリグリセリン骨格を有する化合物としては、例えばポリグリセリン、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられ、1種又は2種以上が使用できる。特に、ポリグリセリンアルキルエーテル、ポリグリセリンが、有効成分の樹脂吸着抑制効果が高いことから好適であり、中でもポリグリセリンアルキルエーテルが最も好適である。
【0034】
ポリグリセリン骨格としては、分子内に平均1〜3,000個、特に2〜1,000個のグリセリン単位を含むものが好ましい。また、水酸基価は500〜2,000、特に700〜1,500が好ましい。なお、水酸基価は当該分野で公知の方法により測定された値である。
【0035】
ポリグリセリンアルキルエーテルとしては、炭素数4〜22、特に8〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有するものが好ましい。アルキル基として具体的には、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、イソデシル基、ドデシル基、2−メチルドデシル基、イソドデシル基、ミリスチル基、2−メチルミリスチル基、イソミリスチル基、セチル基、2−メチルセチル基、イソセチル基、ステアリル基、2−メチルステアリル基、イソステアリル基、アラキル基、2−メチルアラキル基、イソアラキル基、ベヘニル基、2−メチルベヘニル基、イソベヘニル基等が挙げられ、特にドデシル基(ラウリル基)、セチル基、イソステアリル基、中でもドデシル基(ラウリル基)が好ましい。
【0036】
ポリグリセリンアルキルエーテルのポリグリセリル基は、平均重合度が1〜100、特に2〜50であることが好ましく、1未満では有効成分の安定化効果が低く、100を超えると製剤の安定化が難しくなるおそれがある。
【0037】
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、脂肪酸の炭素数は特に限定されないが、12〜22のものが好ましい。
このようなポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸として具体的には、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソカプリン酸、イソラウリン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸等が挙げられる。特にイソステアリン酸ポリグリセリル、ステアリン酸ポリグリセリル、ラウリン酸ポリグリセリルがより好ましい。
【0038】
(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物の含有量は特に制限されないが、毛髪化粧料組成中に0.1〜10%、特に(A)成分の容器樹脂への吸着防止の点から0.3〜10%が最も好適である。0.1%に満たないと樹脂への有効成分の吸着抑制効果が満足に発揮されない場合があり、10%を超えても吸着抑制効果は頭打ちとなり不経済になる場合や、毛髪の仕上がり性能に劣る場合がある。
【0039】
本発明の毛髪化粧料に於いて、(A)成分と(D)成分の比率(A)/(D)は、質量比で20以下が好ましく、特に10以下がより好ましい。20を超えると仕上がり性能を満足にしつつ有効成分の吸着抑制効果を満足に果たせない場合がある。なお、下限値は、0.05以上が好ましく、特に樹脂への有用成分の吸着抑制効果及び仕上がり性能の点から0.1以上がより好ましい。0.05未満では、もはや有効成分の樹脂への吸着抑制効果を向上できず不経済であり、また、仕上がり性能に劣る場合がある。
【0040】
本発明の毛髪化粧料を充填、収容し、保存する容器の材質は、容器内壁がオレフィン系樹脂であれば形態などに制限はない。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン樹脂及び/又はポリプロピレン樹脂が挙げられ、容器内壁がこれらから形成された容器であればよく、容器全体がこれらオレフィン系樹脂で形成されていてもよい。
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられるが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)を好適に用いることができる。
【0041】
容器形状は特に限定されず、剤型に応じたものを使用できる。例えばチューブ容器、ディスペンサー容器、スクイーズ容器、スポイト容器、スティック容器、ボトル容器、パウチ等の詰め替え用容器等が挙げられ、アルミニウムを蒸着させたポリエチレンパウチ容器(最内層が直鎖状低密度ポリエチレン)等を好適に用いることができる。
【0042】
本発明の毛髪化粧料は、上記(A)〜(D)成分を含有するものであるが、更に、シリコーン化合物を配合することができ、これにより使用後の仕上がりのサラサラ感をより向上させることができる。
【0043】
シリコーン化合物としては、ジメチルシリコーン、シクロメチコン、メチルフェニルポリシロキサン、メチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、(ジメチルシロキサン/メチルセチルオキシシロキサン)コポリマー、ステアロキシメチルポリシロキサン、セトキシメチルポリシロキサン、(ポリメタクリル酸メチル/ジメチルポリシロキサングラフトアクリル樹脂)コポリマー、アモジメチコン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、(アミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコンプロピルPGベタイン、(PEG/PPG/ブチレン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールエチル、(PEGメチコン/オレイルPPGメチコン/ジメチコン)コポリマー、(メチルPEGプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー等の化合物及びそれらの工業的混合物が挙げられる。
【0044】
シリコーン化合物は、アミノ変性シリコーンであってもよい。アミノ変性シリコーンとしては、アモジメチコン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、アミノプロピルジメチコン、アミノガムを用いることができる。中でも好ましくはアモジメチコンが挙げられる。アモジメチコンの市販品としては、東レ・ダウコーニング社のアモジメチコーンエマルションSM8704C、SM8904や、信越化学工業社のKF−8004、KF−867S、KF−880等が挙げられる。(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマーの市販品としては、信越化学工業社のKF−8005等が挙げられる。アミノプロピルジメチコンの市販品としては、信越化学工業社のKF−8015、KF−865等が挙げられる。また、アミノガムとしては信越化学工業社のKF−8017、KF−8018、KF−8020等が挙げられる。
【0045】
また、ポリエーテル変性シリコーンをシリコーン化合物として用いてもよい。ポリエーテル変性シリコーンとしてはシリコーンポリエーテルコポリマー、ポリエーテル変性シリコーンなどが挙げられる。
シリコーンポリエーテルコポリマーの市販品としては、東レダウコーニング社のSH3771M、SH3772M、SH3773M、SH3775M、SH3749、SS−2801、SS−2802、SS−2803、SS−2804、SS−2805や信越化学工業社のKF−351、KF−352、KF−353、KF−354L、KF−355A、KF−615A、KF−945、KF−618、KF−6011、KF−6015、KF−6004などが挙げられる。
アルキル変性シリコーンの市販品としては、信越化学工業社のKF−412、KF−413、KF−414やデグッサ社のABIL Wax9800、ABIL Wax9801、ABIL Wax9810P、ABIL Wax9814、ABIL Wax9840、などが挙げられる。
【0046】
上記シリコーン化合物は、上記シリコーン類を界面活性剤により乳化し、エマルション化したものも使用することができる。なお、このようなエマルションは、乳化剤や乳化方法に特に制限はなく、種々の方法を用いることができる。
特に、ジメチコン、アミノ変性タイプのシリコーン、ポリエーテル変性タイプのシリコーンが、毛髪吸着性があり、サラサラ感を付与する点で好ましい。
【0047】
シリコーン化合物は、その粘度等が特に制限されるものではないが、通常、温度25℃における粘度が1〜500,000,000mm2/s、好ましくは30〜250,000,000mm2/sのものが好適に用いられる。
【0048】
上記粘度は医薬部外品原料規格一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定した方法であるが、前記方法に於いて測定できない高粘度シリコーンの粘度は、下記方法で求めることができる。
1g/100mL濃度のシリコーンのトルエン溶液を作成し、式1により比粘度ηsp(25℃)を求める。次に、式2に示すHugginsの関係式に代入し、固有粘度〔η〕を求める。Huggins定数は中牟田、日化、77 588[1956]に記載のものを用いる。次に、〔η〕を式3に示すA.Kolorlovの式に代入し、分子量を求める。最後に、Mを式4に示すA.J.Barryの式に代入し、シリコーンの粘度ηを求める。
式1:ηsp=(η/η0)−1 ただしη0=トルエンの粘度、η=溶液の粘度
式2:ηsp=〔η〕+K’〔η〕2
式3:〔η〕=0.215×10-40.65
式4:logη=1.00+0.0123M0.5
なお、上記η0、ηは化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定したものである。
【0049】
上記シリコーン化合物は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用でき、同一種であっても分子量の異なる2種以上を併用してもよい。その含有量は特に制限されないが、配合する場合は、毛髪化粧料組成中0.005〜10%、特に毛髪のサラサラ感の点から0.01〜8%、とりわけ0.05〜5%が好ましい。含有量が0.005%未満では、サラサラ感、仕上がりのなめらかさが満足に得られないことがあり、10%を超えるとサラサラ感が得られず、べたつきが強くなる場合がある。
【0050】
更に、本発明化粧料は、下記のような高分子化合物を配合することができ、これにより製剤の伸ばしやすさを向上させることができる。
【0051】
高分子化合物としては、官能基がジメチルジアリルアンモニウムハライドである塩化ジメチルジアリルアンモニウムホモポリマー、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド・アクリル酸3元共重合体、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化グアーガム、カチオン化デキストラン、カチオン化プルラン、四級化ビニルピロリドン−アミノエチルメタクリレート共重合体、ポリエチレンイミン、ジプロピレントリアミン縮合物、アジピン酸ジメチル−アミノヒドロキシプロピルジエチルトリアミン共重合体、第四級窒素含有スターチなどの化合物、加水分解ケラチン、加水分解シルク、加水分解コラーゲン、加水分解小麦、カチオン化加水分解ケラチン、カチオン化加水分解シルク、カチオン化加水分解コラーゲン、カチオン化加水分解小麦、シリコーン化加水分解コラーゲン、シリコーン化加水分解シルクのタンパク加水分解にカチオン基を導入したもの、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウム、マルメロ種子抽出物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子や、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのセルロース系高分子化合物、可溶性デンプン等の半合成高分子、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、メタクリロイルエチルベタイン・メタクリル酸エステル共重合体等の合成高分子を例示することができる。
【0052】
なお、上記高分子化合物は、1種又は2種以上使用できるが、中でも、製剤の伸ばし易さの点から、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、メタクリロイルエチルベタイン・メタクリル酸エステル共重合体、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、カチオン化グアーガム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好適に使用できる。
【0053】
高分子化合物の粘度は特に制限されるものではないが、通常、温度25℃における1%水溶液粘度が0.1〜100Pa・sのものが好適に用いられる。上記粘度は医薬部外品原料規格一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定した値である。
【0054】
高分子化合物の毛髪化粧料への配合量は特に制限されないが、0.01〜10%、特に製剤の伸ばし易さの点から組成中0.03〜8%が好ましく、とりわけ0.03〜5%であると、製剤の伸ばし易さがより向上し、すすぎ性、仕上がりの毛髪のなめらかさも向上することからより好適である。含有量が0.01%未満であったり、10%を超えると、製剤の伸ばし易さが劣り、すすぎ性、仕上がりのなめらかさも向上しない場合がある。
【0055】
更に、本発明化粧料には、多価アルコールを配合することができ、これにより使用後の毛髪のしっとり感を向上させることができる。
【0056】
多価アルコールとしては、(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物以外のもので、分子内に2つ以上の水酸基を持つ化合物であれば特に限定されないが、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、及びこれらの共重合体、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、ソルビット、マンニトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、ラフィノース、マルトース、マルチトール、トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられ、1種又は2種以上を用いることができる。中でも、しっとり感向上の点から、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ソルビトール、ポリエチレングリコールがより好適である。
【0057】
多価アルコールの配合量は、毛髪化粧料組成中0.01〜80%、特にしっとり感の向上の点から0.1〜65%が好ましく、更に好ましくは1〜50%である。0.01%未満では十分なしっとり感が得られない場合があり、80%を超えると、著しいゲル化を生じる場合がある。
【0058】
更に、本発明の毛髪化粧料には、上記成分に加えて、通常の毛髪化粧料に用いられているその他の公知成分、例えば、有機酸、(B)成分及び(D)成分のポリグリセリン骨格含有化合物以外の界面活性剤、油脂、保湿剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、(C)成分や上記多価アルコール以外のアルコール類、色素、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、水等を適宜必要に応じて配合することができる。毛髪化粧料に添加される任意成分は、前述のものに限定されるものではない。
【0059】
本発明の毛髪化粧料は、有機酸が好適に配合できる。
有機酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、イソパルミチン酸、イソノナン酸、イソオクタン酸、セバシン酸、アジピン酸、ネオペンタン酸、オレイン酸、オクタン酸、イソステアリン酸、エルカ酸、エイコセン酸、ヒドロキシステアリン酸、リノール酸、イノシン酸、エライジン酸、ペトロセリニン酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキン酸、ガドレイン酸、エルシン酸、ブラシジン酸、ロジン酸、ヤシ油脂肪酸、ラノリン脂肪酸、ホホバ油脂肪酸、(C10−40)分岐アルキル脂肪酸、パーフルオロ脂肪酸、キシレンスルホン酸、パントテン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ココアンホ酢酸、アルキルスルホン酸、没食子酸、没食子酸−3,5ジグルコシド、没食子酸−3,4ジグルコシド、没食子酸メチル−3,5ジグルコシド、没食子酸ブチル−3,5ジグルコシド、没食子酸−3,5ジマンノシド、エデト酸、ソルビン酸、サリチル酸、アクリル酸、メタクリル酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、ラウリルアミノプロピオン酸、ココイルアミノプロピオン酸、アミノ酸であるアルギニン、アラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン酸、シスチン、カルボシステイン、レボドパ、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、トリメチルグリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロジン、バリン、ピロリドンカルボン酸、N−アシル−L−グルタミン酸、ラウロイルメチル−β−アラニン、ココイルメチルタウリン、α−ヒドロキシ酸であるグリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸、の酸又は塩類、及びそれらの工業的混合物である。中でも分子内に水酸基を有するα−ヒドロキシ酸が好ましく、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、マンデル酸が更に好ましい。
【0060】
有機酸の配合量は、毛髪化粧料組成中0.001〜10%、特に0.01〜5%が好ましい。0.01%未満では、すすぎにより流れてしまい、毛髪への滞留量が少なくなる場合があり、10%を超えると、毛髪化粧料の安定化を妨げる場合がある。
【0061】
界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を、本発明の効果を妨げない範囲で配合してもよい。なお、上記(D)成分以外にノニオン性界面活性剤は配合しなくてもよい。
【0062】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アシル化アミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、N−アシル−N−メチルタウリン塩、α−オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、アルキルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、脂肪酸石ケン、アルキルリン酸エステル塩、N−ラウロイルグルタミン酸塩、N−パルミトイルグルタミン酸塩、N−ラウロイル−N−エチルグリシン塩、N−ラウロイルザルコシン塩、N−ミリストイル−β−アラニン塩等が挙げられる。
【0063】
両性界面活性剤としては、アミノプロピオン酸系活性剤、アミノ酸系活性剤等が挙げられる。
具体的には、例えばN−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N−カルボキシメチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N−(2−ヒドロキシエチル)−N’,N’−ビス(カルボキシエチル)エチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−カルボキシメトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン、N−ラウロイル−N’−カルボキシエチル−N’−カルボキシエトキシエチルエチレンジアミン等を挙げることができ、これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。
【0064】
油脂として、常温で固体又は液体の脂肪族誘導体化合物を配合することもできる。具体的には、乳酸ミリスチル、乳酸イソステアリル、カプリル酸ヤシ油アルキル、カプリン酸ヤシ油アルキル、ラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸コレステリル、ステアリン酸フィトステリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸セトステアリル、イソオクタン酸セチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸コレステリル、オクタン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸フィトステリル、エルカ酸オレイル、エルカ酸オクチルドデシル、エイコセン酸カプリリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、トリオクタノイン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンヒマシ油類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンステロール類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキル脂肪酸アミド類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ホホバ油エステル、ヤシ油、ヒマシ油、カカオ油、硬化パーム油、木ロウ、ホホバ油、油茶油、ひまわり油、小麦胚芽油、月見草油、カレンデュラ油、グレープシード油、ココナッツ油、ローズヒップ油、セントジョーンズワート油、リノール油、ボリジ油、アーモンド油、紅花油、メドウフォーム油、シア脂、アボガド油、キャロット油、杏仁油、ククイナッツ油、スイートアーモンド油、トウモロコシ胚芽油、ミンク油、卵黄油、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン、グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル、2−エチルヘキシルステアレート、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート及びそれらの工業的混合物である。混合物の例としては、エルデュウCL202、CL301、PS203、PS304(以上、味の素社製)等が挙げられる。特に、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、オレイン酸エチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、エルカ酸オレイル、エルカ酸オクチルドデシル、エイコセン酸カプリリル、ホホバ油等の液状エステル油がカチオン性界面活性剤や油剤との相溶性の点で望ましい。
【0065】
保湿剤としては、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、硬化ヒマシ油(30E.O.)等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、エタノール、ケーソン、サリチル酸、ペンタンジオール、フェノキシエタノール等を例示することができる。
【0066】
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸等を例示することができる。
キレート剤としては、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸等を例示することができる。
pH調整剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、コハク酸、トリエタノールアミン、アンモニア水、トリイソプロパノールアミン、リン酸等が例示される。
【0067】
香料、香料組成物は、特開2006−63044号公報の[表5]〜[表10]に記載した香料A、香料B、香料C、香料D等が挙げられる。
香料組成物の配合量は特に限定されないが、毛髪化粧料中0.005〜40%、特に0.01〜10%とすることができる。
アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロパノール等の炭素数2〜4の低級一価アルコールなどが挙げられる。
【0068】
紫外線吸収・散乱剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチル ジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク等を例示することができる。
ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸及びその誘導体等を例示することができる。
アミノ酸類としては、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、メチオニン、システイン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン及びその誘導体等を例示することができる。
【0069】
本発明の毛髪化粧料は、一般の毛髪化粧料に限定されるものではなく、医薬部外品を包含するものである。
本発明の毛髪化粧料は、特に制限されることなく、各種剤型の常法に従って製造することができる。
【0070】
本発明では、(A)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物を含有し、オレフィン系樹脂で形成された容器に収容されてなる化粧料に、(B)カチオン性界面活性剤、(C)炭素鎖長が14〜24の直鎖脂肪族アルコール、及び(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物を配合することで、前記ピリドン系化合物の樹脂への吸着を有効に抑制することができる。この場合、配合成分、その配合量や割合などの構成要件はいずれも上記と同様である。
【実施例】
【0071】
以下、実施例及び比較例、処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%を示し、また、特に記載がある場合を除いては、表中及び各例の各成分の量は成分の純分換算量である。
【0072】
〔実施例、比較例〕
毛髪化粧料を常法により調製してポリエチレン(PE)容器に充填し、下記評価を行った。結果を表1〜5に示す。また、各例で使用した主な原料は表6に示すとおりである。
【0073】
(1)有効成分((A)成分の1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物)の残存率(%)の評価
調製した毛髪化粧料をポリエチレン容器(50mL)に約40mL充填し(内溶液と接触している容器内壁の表面積は53cm2)、40℃で6ヶ月保存後、容器から全ての内容液を取り出し、均一にしてから、約0.2gを採取し、液体クロマトグラフィーを用いて下記条件で(A)成分量を定量し、下記式に基づいて(A)成分の残存率を算出した。
残存率(%)=
((保存後の(A)成分の定量値)/(調製初期の(A)成分の定量値))×100
【0074】
〈液体クロマトグラフィーの条件〉
紫外吸光光度計
測定波長:300nm
カラム:内径4.6mm、長さ25cmのステンレス管に5μm液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填した。
ガードカラム:内径4.0mm、長さ10mmのステンレス管に5μm液体クロマトグラフィー用オクタデシルシリル化シリカゲルを充填した。
カラム温度:40℃
移動相:メタノール/水/エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物0.25%水溶液/リン酸混液=40:8:1:1(容量比)
検出器:HITACHI L−7405H((株)日立製作所製)
【0075】
(2)仕上がりの毛髪のしっとり感の評価
長さがショート〜セミロングの髪の女性10名により、毛髪化粧料を10日間使用し、下記評点に基づいて仕上がりの毛髪のしっとり感を評価した。結果を10名の合計点から下記基準で示した。また、毛髪化粧料の前に使用するシャンプーやスタイリング剤、ヘアケア剤等のアウトバス製品は、各パネラーが日常用いているものをそのまま使用した。
<仕上がりの毛髪のしっとり感評点>
+2点:非常によい
+1点:やや良い
−1点:やや悪い
−2点:非常に悪い
<評価基準>
6点:合計点が10点以上
5点:合計点が9〜5点
4点:合計点が4〜0点
3点:合計点が−1〜−4点
2点:合計点が−5〜−9点
1点:合計点が−10点以下
【0076】
(3)毛髪化粧料ののばし易さの評価
長さがショート〜セミロングの髪の女性10名により、毛髪化粧料を10日間使用し、下記評点に基づいて毛髪化粧料ののばしやすさを評価した。結果を10名の合計点から下記基準で示した。
<毛髪化粧料ののばし易さ評点>
+2点:非常によい
+1点:やや良い
−1点:やや悪い
−2点:非常に悪い
<評価基準>
6点:合計点が10点以上
5点:合計点が9〜5点
4点:合計点が4〜0点
3点:合計点が−1〜−4点
2点:合計点が−5〜−9点
1点:合計点が−10点以下
【0077】
【表1】

【0078】
【表2】

【0079】
【表3】

【0080】
【表4】

【0081】
【表5】

【0082】
次に、本発明にかかわる毛髪化粧料の処方例を下記に示す。下記処方例の組成物は、いずれもピリドン系化合物の樹脂への吸着が効果的に抑制され、その有効性が十分に発現し、かつ使用後の毛髪の仕上がり感が向上したものであった。
〔処方例1〕
(A)(A)−1 0.5%
(B)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2
(C)ステアリルアルコール 5
(D)ポリグリセリン(4) 1
香料A 0.5
水 バランス
合計 100.0%
容器材質 PE
(A)/(D) 0.5
【0083】
〔処方例2〕
(A)(A)−1 0.5%
(B)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2
(C)ステアリルアルコール 5
(D)ポリグリセリン(6) 1
香料A 0.5
水 バランス
合計 100.0%
容器材質 PE
(A)/(D) 0.5
【0084】
〔処方例3〕
(A)(A)−1 0.5%
(B)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2
(C)ステアリルアルコール 5
(D)ポリグリセリン(10) 1
香料A 0.5
水 バランス
合計 100.0%
容器材質 PE
(A)/(D) 0.5
【0085】
〔処方例4〕
(A)(A)−1 0.5%
(B)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2
(C)ステアリルアルコール 5
(D)イソステアリン酸ポリグリセリル(4) 1
香料A 0.5
水 バランス
合計 100.0%
容器材質 PE
(A)/(D) 0.5
【0086】
〔処方例5〕
(A)(A)−1 0.5%
(B)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2
(C)ステアリルアルコール 5
(D)イソステアリン酸ポリグリセリル(10) 1
香料A 0.5
水 バランス
合計 100.0%
容器材質 PE
(A)/(D) 0.5
【0087】
〔処方例6〕
(A)(A)−1 0.5%
(B)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2
(C)ステアリルアルコール 5
(D)ステアリン酸ポリグリセリル(4) 1
香料A 0.5
水 バランス
合計 100.0%
容器材質 PE
(A)/(D) 0.5
【0088】
〔処方例7〕
(A)(A)−1 0.5%
(B)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2
(C)ステアリルアルコール 5
(D)ステアリン酸ポリグリセリル(10) 1
香料A 0.5
水 バランス
合計 100.0%
容器材質 PE
(A)/(D) 0.5
【0089】
〔処方例8〕
(A)(A)−1 0.5%
(B)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2
(C)ステアリルアルコール 5
(D)ラウリン酸ポリグリセリル(4) 1
香料A 0.5
水 バランス
合計 100.0%
容器材質 PE
(A)/(D) 0.5
【0090】
〔処方例9〕
(A)(A)−1 0.5%
(B)塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム 2
(C)ステアリルアルコール 5
(D)ラウリン酸ポリグリセリル(10) 1
香料A 0.5
水 バランス
合計 100.0%
容器材質 PE
(A)/(D) 0.5
【0091】
【表6】

表中、原料名の( )内の数値はポリグリセリン又はポリオキシエチレンの平均重合度である。
香料Aとしては、特開2006−63044号公報に記載の香料Aを使用した。
【0092】
【化3】

【0093】
【化4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物を含有し、オレフィン系樹脂で形成された容器に収容されてなる毛髪化粧料に、(B)カチオン性界面活性剤、(C)炭素鎖長が14〜24の直鎖脂肪族アルコール、及び(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物を配合したことを特徴とするピリドン系化合物含有毛髪化粧料。
【請求項2】
(A)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物が、ピロクトンオラミンであることを特徴とする請求項1記載の毛髪化粧料。
【請求項3】
(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物が、ポリグリセリン、ポリグリセリンアルキルエーテル、及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。
【請求項4】
(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物が、ポリグリセリン及び/又はポリグリセリンアルキルエーテルであることを特徴とする請求項1又は2に記載の毛髪化粧料。
【請求項5】
(C)成分が、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールから選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項6】
(A)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物と(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物との比率(A)/(D)が質量比で20以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の毛髪化粧料。
【請求項7】
(A)1−ヒドロキシ−2−ピリドン系化合物を含有し、オレフィン系樹脂で形成された容器に収容されてなる化粧料において、前記ピリドン系化合物の樹脂への吸着を抑制する方法であって、前記化粧料に(B)カチオン性界面活性剤、(C)炭素鎖長が14〜24の直鎖脂肪族アルコール、及び(D)ポリグリセリン骨格を有する化合物を配合することを特徴とする前記化粧料におけるピリドン系化合物の樹脂への吸着抑制方法。

【公開番号】特開2012−6850(P2012−6850A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142535(P2010−142535)
【出願日】平成22年6月23日(2010.6.23)
【出願人】(000006769)ライオン株式会社 (1,816)
【Fターム(参考)】