説明

ピロリジンおよびインドリジン化合物のマクロライド接合体

本発明は、ピロリジンおよびインドリジン誘導体のマクロサイクル抗生物質およびその誘導体とのマクロライド接合体に関する。マクロライド接合体は5−リポオキシゲナーゼおよびシクロオキシゲナーゼの強力な阻害剤であり、それ故リユウマチタイプの障害の処置およびアレルギー誘発障害の防止に適している。マクロライド接合体は有意に増強された強度および有効性を持っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロリジンおよびインドリジン化合物のマクロライド接合体と、そしてそれらを含有する薬剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
マクロライドは、広範囲の生物学的活性を有する天然に得られるそして半合成化合物であるマクロ環状のラクトンである。これらの生物活性の最良に知られたものは、細菌リボソームへの結合によって達成される抗生物質活性である。生物学的活性を有するマクロライドは、例えば、US3,478,018;US3,652,537;US4,328,334;US5,543,400;WO95/09601;WO02/32917;WO02/50091;WO02/087596;WO03/42228;WO03/077830;WO04/052904;WO04/101585;WO04/101586;WO04/101587;WO04/101588;WO04/101190;WO04/106353;およびEP467 331Aに開示されている。
【0003】
近年マクロサイクルは、活性物質がエステル結合のような化学結合を介してマクロサイクルへ共有しかし可逆的に結合し、マクロライド接合体を形成する薬物運搬体としての広い用途が発見されている。マクロサイクルと活性物質の間のリンカーを持つ、またはそのようなリンカーを持たないそのような接合体が知られている。例えば、WO03/070173;WO03/070174;およびWO03/070175を見よ。運搬体と薬物の間のリンカーを有する接合体は、さらにWO02/055531;WO04/05313,WO04/005309;WO04/094449からも知られている。
【0004】
このための原理は、多くのマクロライド抗生物質が好中性球、単球、好エオシン球、マクロファージ、肺胞マクロファージ、BおよびTリンパ球、NK細胞、ジャイアント細胞、クプファー細胞、グリア細胞および類似の標的細胞を含む多数の免疫適合性細胞に蓄積し、そのため自家免疫病がマクロライド系プロドラッグを使用して処置することができる良く知られた性質である。いくつかの薬物クラスの例がマクロライドまたはマクロライド誘導抗生物質への接合から利益を受けることが示された。これらの薬物クラスはCOX阻害剤、コルチコステロイド、細胞分裂抑制剤およびIMPDH阻害剤を含む。アザライド誘導化合物は特に適しているように見える。一般に、細菌抵抗性を防止するため非抗生物質化合物を使用するのが望ましい。それ故抗バクテリア活性をなくすがしかし細胞および腸取り込みに関して有利な性質を保存する親マクロライドの修飾が望ましい。修飾はまた、開裂動力学に影響し、薬物半減期の変調が実現可能であることを意味するであろう。他方、細胞取り込みおよび他のパラメータはマクロライド運搬体分子へ連結された薬物の性格に依存するであろう。薬物の化学構造は免疫細胞への取り込みの基準ではない。むしろ類似の性質を持った類似の分子でも免疫細胞内への全く異なる取り込みを発揮し得る。WO03/07174の58頁を見よ。このことはUS5,260,451;US5,939,415;およびUS5,958,943に開示されている一群のピロリジンおよびインドリジン化合物について特に真理である。前記化合物の一つは、シクロオキシゲナーゼおよび5−リポオキシゲナーゼの有望な阻害剤であり、そして以下の構造式を有するリコフェロン(ML3000)である。
【0005】
【化1】

【0006】
これら化合物は高度に水不溶性であり、その上不安定であり、そのため高度に有効で安定な好適な薬剤投与形を調製するための問題である。
【0007】
それ故本発明の課題は、改善された抗炎症活性を有し、そして安定な投与形を得ることを許容する上記ピロリジン化合物の修飾形を提供することである。
【0008】
今や驚くべきことに、この課題は前記ピロリジンおよびインドリジン化合物のある種のマクロライド接合体によって解決されることが発見された。
【発明の開示】
【0009】
本発明は下式のマクロライド接合体、その薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物および立体化学異性体に関する。
【化2】

式中、RはヒドロキシもしくはC−Cアルコキシ、またはRおよびRが一緒でそれらが結合する炭素原子と共にテトラヒドロフラン環であり;
21は、式
【化3】

であって、基RおよびRの一方はORであり、他方はNRであり、
はOH、OR10、または式
【化4】

であり;
はHか、またはRおよびRが一緒でそれらが結合する炭素原子と共にカルボニル基であり;
およびRは同一または異なって、C−CアルキルまたはRO−C−Cアルキルであり;
はHまたはR10であり;
はHまたはR10であり;
10は式
【化5】

であり;
XはNR11CH,CHNR11,C=0、またはC=NOR20であり;
11はHまたはC−Cアルキルであり;
はH,R10または
−(CH−Y−(CH−Y−(CH−CHであり;
Yは0または結合手であり;
kは1または2であり;
lは1,2または3であり;
mは0,1または2であり;
nは0,1,2または3であり;
oは1,2または3であり;
pは1,2または3であり;
Zは式
【化6】

であって、式中、R12およびR13は同一または異なって、任意に1または2個のハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、フェノキシ、C−CアルキルまたはCFで置換されることができるフェニル、O,NまたはSから選ばれた1,2または3個のヘテロ原子を含みそして任意に1または2個のハロゲン、C−CアルキルまたはCFで置換されることができる5または6員芳香複素環基、またはO,NまたはSから選ばれた1,2または3個のヘテロ原子を含みそして任意に1または2個のハロゲン、C−CアルキルまたはCFで置換されることができるベンゾ縮合5または6員芳香複素環基から選ばれ;
Aは結合手または任意にヒドロキシまたはC−Cアルキルで置換されることができるC−Cアルキレンであり;
14およびR15は同一または異なって、HまたはC−Cアルキルであるか、またはR14およびR15の一方がH,C−Cアルキル、ヒドロキシ−C−CアルキルまたはC−Cアルコキシ−C−Cアルキルであり、他方がOH,C−CアルコキシまたはC−Cアルキルカルボニルオキシであり;
DはBと、炭素原子を持っているR16およびR17の間の結合手か、またはCHであり;
16およびR17は同一または異なって、HまたはC−Cアルキルか、またはR16,R17,R18およびR19のうちの二つが二重結合を形成し、他の二つがHまたはC−Cアルキルである。
【0010】
さらに本発明は、少なくとも一つの基Zを含む式Iのマクロライド接合体を含んでいる薬剤組成物と、そしてリユウマチタイプの障害の処置のための薬剤組成物の製造のための前記マクロライド接合体の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
用語「アルキル」は、直鎖または分岐鎖の指示した炭素数を含む炭素水素鎖を指す。そのようなアルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチルおよびt−ブチルである。
【0012】
用語「アルコキシ」は、アルキル基が前記定義である0−アルキル基を指す。
【0013】
用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素の基を意味する。
【0014】
用語「アルキレン」は、指示した炭素数を含んでいる直鎖または分岐鎖アルキレンを指す。C−Cアルキレンが、そして特に−CH−,−CHCH−,−CHCHCH−および−CH(CH)CH−が好ましい。
【0015】
#は基が接続する結合手を指示する。
【0016】
5員環芳香複素環基の例は、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリルおよびトリアゾリルである。
【0017】
6員環芳香複素環基の例は、ピリジニル、ピリミジニルおよびトリアジニルである。
【0018】
ベンゾ縮合芳香複素環基の例は、ベンゾチエニル、ベンゾフリル、インドリルおよびキノリニルである。
【0019】
好ましい芳香複素環基はチエニル、クロロチエニル、フリルおよびベンゾフリルである。
【0020】
式Iの化合物の生理学的に許容し得る塩は特に酸付加塩である。酸付加塩は、塩酸、硫酸またはリン酸のような無機酸、または酒石酸、クエン酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、マンデル酸、アスコルビン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のような有機酸で生成することができる。
【0021】
式Iの化合物は不斉炭素原子を含んでいる。それ故それらはラセミ体、ラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー、ジアステレオマー混合物、またはシン−およびアンチイソマー(X=NOR20の場合)の形で存在し得る。それらの形のすべてが本発明に含まれる。
【0022】
好ましくは、Rはヒドロキシか、またはRおよびそれらが結合する炭素原子を共にテトラヒドロフラン環を形成する。
【0023】
好ましい具体例は、RがORであり、RがNRである式Iの化合物である。そのような場合、Rは好ましくはOR10であり、そしてRはNRであって、ここでRおよびRはC−Cアルキル、特にメチルである。代ってRがヒドロキシであり、RがNRであって、ここでRはC−Cアルキルであり、RはR10O−C−Cアルキルとである。
【0024】
さらなる好ましい具体例は、RがNRであり、RがORである式Iの化合物である。好ましくは、RはOR10であり、RおよびRはC−Cアルキルである。代ってRはヒドロキシであり、RはC−Cアルキルであり、RはR10O−C−Cアルキルである。
【0025】
21は好ましくは
【化7】

である。
【0026】
は好ましくはヒドロキシ、または下記式
【化8】

そして特に下記式の残基である。
【化9】

ここでRはHまたはR10である。
【0027】
代って、RとRはそれらが結合する炭素原子と共にカルボニルを形成する。
【0028】
Xは、好ましくは
a)以下の式
【化10】

をもたらすNR11CHであり、ここでR11はC−Cアルキルであり、R,R21,RおよびRは上で定義したとおりであり;
b)C=NO(CHY(CHY(CH−CHであって、ここでY,k,lおよびmは上で定義したとおりであり、そして好ましくはY,k,lおよびmは基C=NOCHO(CHO−CHを与えるように選定され;または
c)C=NOR10であって、ここでR10は上で定義したとおりである。
【0029】
式Iのマクロライド接合体は、カルボキシル基を含んでいるピロリジンまたはインドリゾン薬物の残基を含んでいる。Zはカルボキシル基のヒドロキシル基を除去した後の前記薬物の残基である。Zは直接またはリンカーを介してマクロライド残基へ共有共合する。もし薬物残基がマクロライド残基へ直接結合していれば、その時R10がZである。もしそれがリンカーを介して結合するのであれば、R10は好ましくは−〔−CO−(CH−Y−(CH−O−〕−Zであって、ここでY,Z,oおよびpは上で定義したとおりである。好ましくはYは結合手で、o+p=2または3である。
【0030】
ピロリジンおよびインドリジン残基Zは式
【化11】

を有し、ここでA,B,D,R12ないしR19は上で定義したとおりである。Aは好ましくはメチレンまたはエチレンである。
【0031】
Bは好ましくはCHである。Dは好ましくはBと、R16およびR17を担持する炭素原子との間の結合手である。
【0032】
好ましくはR16およびR17は、互いに独立して水素か、またはC−Cアルキルか、またはR16,R17,R18およびR19のうちの二つが二重結合を形成し、残りの二つがHかまたはC−Cアルキルである。R18およびR19は好ましくは水素である。
【0033】
好ましくは、R12およびR13は同一または異なって、フェニル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ベンゾフリルまたはキノリニルであり、そして任意に1または2個のハロゲンまたはCFで置換されていてもよい。好ましいハロゲン置換基はFまたはClである。R12およびR13はフェニル、ハロゲン置換フェニル、チエニル、ハロゲン置換チエニル、またはベンゾフリルが特に好ましい。
【0034】
特に好ましい具体例によれば、Zは以下の式を有する。
【化12】

式中、Aは結合手またはC−Cアルキレン、特にCHまたはCHCHであり;
12は任意にハロゲンで置換されたフェニル、チエニルまたはベンゾフリル、特にクロロフェニル、クロロチエニルまたはベンゾフリルであり;
13はフェニルであり;そして
16およびR17は水素またはC−Cアルキルである。
【0035】
さらに好ましい具体例においては、R16およびR17はメチルであり、R12は4−クロロフェニル、5−クロロ−2−チエニルまたはベンゾフル−2−イルであり、そして最も好ましくはZが次式の基である。
【化13】

【0036】
特に好ましいマクロライド接合体は以下の式を有する。
【化14】

式中、R21,R,RおよびXは上で定義したとおりである。
【0037】
特に好ましい具体例は、式IaaないしIafのマクロライド接合体である。
【化15】

式中、RおよびRは同一または異なってC−Cアルキルであり;
【化16】

式中、RはC−Cアルキルであり、Rはヒドロキシ−C−CアルキルまたはR10O−C−Cアルキルであり;
【化17】

式中、RおよびRは同一または異なって、C−Cアルキルであり;
【化18】

式中、RはC−Cアルキルであり、Rはヒドロキシ−C−C−アルキルまたはR10O−C−C−アルキルであり;
【化19】

式中、RおよびRは同一または異なって、C−Cアルキルであり;
【化20】

式中、RはC−Cアルキルであり、Rはヒドロキシ−C−C−アルキルまたはR10−C−C−アルキルであり;
そして式IaaないしIafにおいてRはヒドロキシか、または
【化21】

であり、そしてX,RおよびR10は上で定義したとおりである。
【0038】
製造のための出発原料の製造はWO03/070173,WO03/070174およびWO2004/005309に開示されているか、または類似の態様で実施することができる。また、本発明のマクロライド接合体はWO03/070173,WO03/070174およびWO2004/005309に開示された方法に類似して製造することができる。本発明のマクロライド接合体の製造はアジスロマイシン、エリスロマイシンまたはロキシスロマイシンから出発する。式IにおいてXがNR11CHである化合物は、アジスロマイシンから反応スキーム1および2に示すように変換することによって製造することができる。
【0039】
反応スキーム1:
【化22】

中間体化合物M1を得るため、アジスロマイシンは塩酸または硫酸のような希薄鉱酸で処理される(WO02/070174の実施例2参照)。この酸加水分解は高収率でデクラジノシル化生成物を与え、このものは種々の官能基の導入のための出発原料として使用することができ、または薬物を2’−位へ直接接合するために使用することができる。
【0040】
アジスロマイシンは、RおよびRがそれらが結合する炭素原子と共にカルボニル基を形成する式Iの化合物の製造のための出発原料である中間体M2へ直接変換することもできる。M2を得るため、ジクロロメタンのような塩素化炭化水素溶媒中ジメチルサルファイドとN−クロロスクシンイミドとが接触させられる。得られた沈澱物は次にアジスロマイシンと反応させられる。WO03/070174実施例3を見よ。
【0041】
アジスロマインシは中間体M6を与えるため、アジ化ナトリウムの存在下ジメチルホルムアミド中で加熱することができる。
【0042】
反応スキーム2:
【化23】

反応スキーム2に示すように、アジスロマイシンはエピクロルヒドリンと反応によって中間体M3へ変換される。M3中のオキシラン環が次に種々の求核試薬、特に2級アミンおよびアミノアルコールによって開環される。反応スキーム2において、この反応は位置異性体M4およびM5を与えるようにヒドロキシエチルメチルアミンで示されている。
【0043】
XがC=0またはC=NOR20である式Iの化合物は、下記式のエリスロマイシンAまたはロキシスロマイシンから得ることができる。
【化24】

【0044】
エリスロマイシンAは、ヒドロキシアミンとの反応およびヒドロキシル基のエーテル化によって慣用の態様でケト基を対応するオキシムエーテル(XがC=NOR20)へ変換することによって修飾することができる。代って、ロキシスロマイシンを出発原料として使用することができる。エリスロマイシン、そのオキシムエーテル、およびロキシスロマイシンは、薬物残基導入Zのための好適な出発原料を与えるため、反応スキーム1および2に示したように同じ反応へ服させることができる。
【0045】
前記薬物残基Zは、薬物カルボキシル酸と前記出発原料のアルコール基の間のカップリング反応(エステル化)によって導入されることができる。このカップリング反応は、一般に薬物カルボキシル酸のための活性化ステップを含んでいる。活性化は前記中間体の存在下ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N−カルボニルジイミダゾールまたは1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドによって好都合に実施することができる。カップリング反応の選択性は使用した出発原料と、そしてエステル化触媒に依存する。反応は−20℃ないし50℃の温度で実施することができる。氷浴温度から出発し、反応を環境温度で終わらせるのが最も便利である。好ましくは、反応はテトラヒドロフラン、ジオキサンまたはジメトキシエタンのようなエーテル、酢酸エチルのようなエステル、塩化メチレンのようなハロゲン化炭化水素、またはアセトニトリルのような有機溶媒中で実施される。反応混合物の後処理およびマクロライド接合体の精製は慣用の態様で実施される。精製は好ましくはシリカゲル上でアンモニアまたは揮発性アミンを含んでいる僅かに塩基性の溶離剤システムを使用するカラムクロマトグラフィーによって実施される。
【0046】
本発明の化合物は安定であり、そしてリユウマチタイプの障害の処置およびアレルギーによって誘発される障害の予防に高度に活性である。このためそれらは効果的な抗炎症剤、鎮痛剤、解熱剤、抗アレルギー剤および気管支炎剤であり、または抗気管支縮活性を有する。それ故それらは血栓予防のためおよびアナフイラキシーおよび敗血症ショックの予防のために、そして乾癬、じん麻疹、急性および慢性発疹のようなアレルギー性および非アレルギー性皮膚障害の処置のために使用することができる。特にそれらは関節炎、特にリユウマチ性関節炎の処置に使用することができる。
【0047】
本発明の化合物は、未接合薬物に比較して増大した化学的安定性および改善されたバイオアベイラビリティーを持っており、そして非経口的に投与することができる。
【0048】
本発明による化合物は個々の治療活性化合物として、または他の治療活性化合物との混合物として投与することができる。それらはそのまま投与することができるが、しかし一般にはそれらは薬剤組成物の形で、すなわち薬学的に許容し得る補助剤、特に担体または希釈剤および/または添加剤との活性化合物の混合物として投与される。化合物または組成物は経腸的、例えば経口または経直腸的に、例えば静脈内または筋肉内投与することができるが、しかしそれらは好ましくは経口投与形で投与される。本発明化合物の安定性のため局所投与形を提供することができる。
【0049】
薬剤組成物および薬剤担体または希釈剤の性格は希望する投与態様に依存する。経口組成物は、例えば錠剤またはカプセルとして依存することができ、そして結合剤(例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニルピロリドン)、充填剤(例えば乳糖、ショ糖、メイズデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトール、またはグリシン)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレン、グリコールまたはシリカ)、崩壊剤(例えばデンプン)、または湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)のような慣用の補助剤を含むことができる。経口液剤は水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ、エリキサー、スプレー等の形で存在することができ、または水または他の適当な担体で再構成のためのドライパウダーとして存在することができる。このタイプの液剤は慣用の添加剤、例えば懸濁剤、喬味剤、希釈剤または乳化剤を含むことができる。非経口投与のため、慣用の薬剤担体を使用した溶液または懸濁液を使用することができる。
【0050】
処置のコースにおいて本発明化合物の使用は、処置すべき個体、好ましくは哺乳類、特にヒト、農業動物またはペットへ原則として薬学的および獣医学的プラクティスに対応して処方された一以上の化合物の有効量を投与することを含む。そのような処置が指示されるかどうかおよびそれが実施されなければならない形は個々のケースに依存し、そして現在の徴候、症状および/または機能障害、リスク、特異性徴候、症状および/または機能障害の発展の医学的評価(診断)に服し、そしてさらなるファクターを含む。
【0051】
原則として、処置は、約0.1mgないし約1000mg、そして特に約0.5mgないし約100mg/kg体重の毎日の投与量が処置される個人へ投与されるように、もし適切であれば他の活性化合物または活性化合物含有組成物と共にまたはそれに代って1日1回以上投与することによって実施される。
【0052】
以下の実施例はそれに限定されることなく本発明を例証する。
【実施例】
【0053】
溶媒および試薬は商業グレードで、一般にさらなる精製なしで使用された。もし乾燥溶媒が必要であれば、それらは分子ふるい4オングストローム上で乾燥され、その上に保たれた。TLC分析はMerck,Darmstadtのアルミ箔上のシリカゲル60グループ上で実施された。可視化はアニスアルデヒド試薬を消光および染色に用いてUVによって行われた。カラムクロマトグラフィーはMerck,Darmstadtのシリカゲル上の開放ガラスカラム中で実施された。
【0054】
略号
TLC:薄層クロマトグラフィー
MS:質量スペクトル分析
DMF:ジメチルホルムアミド
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
THF:テトラヒドロフラン
CDI:N,N’−カルボニルジイミダゾール
EDCI:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
【0055】
実施例1:M4およびM5
【化25】

DMF20ml中のWO03/070174に記載されているように製造された2−エチル−3,4,10−トリヒドロキシ−13−(5−ヒドロキシ−4−メトキシ−4,6−ジメチル−テトラヒドロ−ピラン−2−イルオキシ)−3,5,6,8,10,12,14−ヘプタメチル−11−(4−メチル−3,7−ジオキサ−ビシクロ〔4.1.0〕ペプト−2−イルオキシ)−1−オキサ−6−アザ−シクロペンタデカン−15−オン(M3)4.5gの80℃の溶液へ、2−ヒドロキシエチルアミン3gを加え、加熱を20時間続けた。冷後大部分のDMFを真空で蒸発した。残渣を酢酸エチル80mlに取った。この溶液を水と食塩水で洗い、乾燥(NaSO)し、溶媒を真空で蒸発した。残渣をシリカゲル上でクロマトグラフィーし、クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)20:1:1で溶出し、1.8gの化合物M5と、2.5gの化合物M4とを得た。
【0056】
実施例2:M6
【化26】

DMF140ml中のアジスロマイシン12gの溶液を粉末アジ化ナトリウム5gの存在下還流へ48時間加熱した。この期間後溶媒の大部分を真空蒸発し、そして残渣を水中へ注いだ。この混合物を酢酸エチルで抽出した。合併した有機抽出液を食塩水で洗い、乾燥(NaSO)し、そして真空濃縮した。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかけ、クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)で溶出し、僅かに褐色の固体として3.6gのM6を得た。
【0057】
実施例3:化合物1
【化27】

乾燥THF9ml中のアジスロマイシン1.5gのかきまぜ溶液を0℃へ冷やし、リコフェロン1.1gと、次にDCC0.59gを加えた。1時間後混合物が環境温度へ来るのを許容し、さらに12時間攪拌した。混合物を濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣をトルエンに取り、そしてシリカゲル上のクロマトグラフィー(カラム15cm×2.5cm)にかけ、クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)40:1:1で溶出し、所望の生成物を得た。
【0058】
実施例4:化合物2
【化28】

0.5gの化合物1を環境温度で1M HClに溶解した。3時間後混合物をジエチルエーテルで抽出した。有機相を捨て、氷冷した水相をpH約10へ調節するため炭酸カリウムで処理した。混合物をジクロロメタンで抽出した。合併した有機抽出液を食塩水で洗い、乾燥(NaSO)し、真空下濃縮し、実施例7に記載したように得た生成物とMSおよびTLCにより同一である所望の生成物を得た。
【0059】
実施例5:化合物3
【化29】

THF6ml中のロキシスロマイシン1.2gの懸濁液を0℃へ冷却し、そして急速攪拌下リコフエロン820mg、続いてDCC430mgを加えた。混合物を30分間同じ温度に保ち、そして次に環境温度へ来るのを許容した。さらに16時間後、混合物を濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーにかけ、クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)25:1:1で溶出し、無色固体として所望の生成物1.5gを得た。
【0060】
実施例6:化合物4
【化30】

丸底フラスコ中、乾燥THF20mlに5.9gのM2を懸濁した。混合物を氷浴中で0〜5℃へ冷やし、リコフエロン5.2gを加え、直ちにDCC2.8gを続いて加えた。混合物を同温度で0.5時間攪拌し、その後氷浴を除去した。混合物を環境温度においてさらに12時間攪拌し、濾過した。残渣をジクロロメタン20mlで洗浄した。揮発分は真空中で除去した。残渣をトルエン5mlとジクロロメタン5mlに取り、シリカゲルカラム35cm×4.5cmへジクロロメタン:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)100:1:1中のスラリーとして移した。溶出液としてジクロロメタン:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)30:1:1まで変化するジクロロメタン:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)60:1:1の600mlを使用した。生成物を含んでいる分画を集め、30℃をこえない浴温において減圧下蒸発し、所望の生成物6.8gを得た。Rf=0.28(クロロホルム:イソプロパノール;アンモニア=30:1:1中)MS:476.7(M+2H
【0061】
実施例7:化合物2
【化31】

乾燥THF20mlを丸底フラスコへ入れ、これへ5.9gのM1を懸濁した。混合物を氷浴中へ0〜5℃へ冷やし、そしてリコフエロン5.2を加え、その直後DCC2.8gを加えた。混合物を同温度で0.5時間攪拌し、そして氷浴を除去した。混合物を環境温度でさらに12時間攪拌し、濾過した。残渣をジクロロメタン20mlで洗った。すべての揮発分を真空で除去した。残渣をトルエン5mlとジクロロメタン5mlに取り、ジクロロメタン:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)100:1:1のスラリーとしてパックしたシリカゲルのカラム35cm×4.5cmへ移した。溶出液として、ジクロロメタン:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)60:1:1からジクロロメタン:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)30:1:1まで変化する溶出液600mlを用いた。生成物を含んでいる集めた分画を30℃をこえない温度の浴で減圧蒸発し、望みの生成物6.8gを得た。Rf=0.28(ジクロロメタン:イソプロパノール:アンモニア=30:1:1中)MS:476.7(M+2H
【0062】
実施例8:化合物5
【化32】

THF5ml中の800mgの(2−ベンゾフラン−2−イル−6,6−ジメチル−1−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロリジン−3−イル)酢酸を環境温度においてCDI350mgで処理した。5分後700mgのM2を加え、混合物を環境温度において24時間攪拌した。混合物を真空濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)40:1:1で溶出し、僅かに褐色の固体として所望の生成物0.75gを得た。Rf=0.63(クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア=30:1:1中)。
【0063】
実施例9:化合物8
【化33】

乾燥THF7mlの1.1gのM2溶液を0℃へ冷やし、800mgの〔2−(5−クロロチオフェン−2−イル)6,6−ジメチル−1−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロリジン−3−イル〕酢酸を攪拌下に加え、続いて470mgのDCCを加えた。混合物を同温度で1時間急速に攪拌し、その後環境温度へ来るのを許容した。12時間後混合物を濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)40:1:1で溶出し、所望の生成物1.3gを得た。Rf=0.69(クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア=30:1:1中)MS:475.7(M+2H
【0064】
実施例10:化合物7
【化34】

乾燥THF4ml中の670mgのM4の溶液を0℃へ冷やし、リコフエロン600mgを攪拌下に加え、続いてDCC290mgを加えた。30分後混合物が環境温度へ来るのを許容し、そしてさらに10時間攪拌した。混合物を濾過し、残渣を真空濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)40:1:1で溶出し、所望の生成物0.75gを得た。Rf=0.41(クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア=30:1:1中)MS:570.7(M+2H+
【0065】
実施例11:化合物8
【化35】

乾燥THF4ml中の430mgのM5の溶液を0℃へ冷やし、攪拌下リコフエロン600mgと、DCC290mgを加えた。30分後混合物が環境温度へ昇温するのを許容し、そしてさらに10時間攪拌した。混合物を濾過し、残渣を真空濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)40:1:1で溶出し、望む生成物0.75gを得た。Rf=0.4(クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア=30:1:1中)MS:570.7(M+2H
【0066】
実施例12:化合物9
【化36】

THF6ml中の1.5gのM6の溶液を0℃へ冷やし、急速攪拌下リコフエロン1.4g、続いてDCC770mgを加えた。混合物を同温度に30分間維持し、その後環境温度へ昇温を許容した。さらに10時間後混合物を濾過し、濾液を真空濃縮した。残渣をシリカゲル上のクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)40:1:1で溶出し、所望の生成物1.7gを得た。Rf=0.40(クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア=30:1:1中)MS:467.7(M+2H+
【0067】
実施例13:化合物10
【化37】

乾燥THF7ml中の2−ベンゾフラン−2−イル−6,6−ジメチル−1−フェニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピロリジン−3−イル)酢酸400mgの溶液を200mgのCDIで処理した。10分後2−ヒドロキシプロピオン酸140mgを加え、混合物を45℃へ12時間加熱した。冷後混合物を真空濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、酢酸エチルで溶出してエステル220mgを得た。このエステルを300mgのM2と共にTHF4mlに溶解し、DCC100mgを加えた。16時間後混合物を濾過し、残渣を真空濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム:イソプロパノール:アンモニア(メタノール中7M)40:1:1で溶出し、所望の生成物290mgを得た。MS:507.8(M+2H+
【0068】
実施例14:接合体の取り込み
接合体取り込みの決定のために、新たに引いたヘパリン化血液またはバッフィーコート調製物が使用される。バッフィーコート調製物が好ましい。それらはドナー血液から全血の単純な遠心(4795g 10分間)によって得ることができる。遠心後表面から血漿が採取され、その後白血球層の直下に横たわる赤血球層と共に免疫細胞がドナーバッグから押し出される。これは高収量と分配のための赤血球の十分な集団を確実にする。生成する細胞懸濁液5mlをT25培養フラスコ中に分配する。基質を最終濃度1ないし10μMの間まで加え、懸濁液を37℃で5%CO雰囲気中でインキュベートする。取り込み動態の分析のため、サンプルを基質添加後0,2,5,10,30,60,90,180または240分において引く。スクリーニング目的のため、サンプルを0および120分において採取する。
【0069】
バッファーおよび溶液:
PBS 73mM NaCl,2.7mM KCl,1.5mM KHPO,8mM NaHPO,pH7.4
DPBS 137mM NaCl,3mM KCl,8mM NaHPO,1mM KHPO,1mM CaCl,0.5mM MgCl,5mM グルコース,pH7.4
【0070】
血球分画の分離−密度勾配遠心
血球分画は密度勾配遠心を使用して調製される。単核球および多核球は、典型的にはFicollまたは類似物(商業的供給社は:Lymphoprep,Axis Shield,1031966;Lymphoflot HLA,824010;またはPMN Separation Medium Robbins Scientific 1068−00−0を含む)を含んでいる溶液からなる粘稠な媒体上に血球懸濁液をレイヤーすることによって本質的に赤血球から分離される。レイヤーされた懸濁液は次に600gで20分遠心され、その後血球分画および血漿(インキュベーション媒質)分画がゆるやかな吸引によって除去され、PBSバッファー中2回洗浄され、その後血球数およびペレット体積が推計される。
【0071】
分析:
化合物の取り込みは質量選択検出を伴ったクロマトグラフィー分析(LC/MS)を用いてモニターされる。取り込みはまた推計体積および総タンパク質に基づく血球の量に対して正規化される。これらのデータを得るため、血球調製物は水中に溶かされ、そして砕片が16100gにおいて10分間沈降される。上清が回収され、タンパク質およびDNA含量のためにサブサンプルが採取される。上清中のタンパク質は溶液を100%v/vエタノールへもたらし、そして16100gにおいて10分間再び遠心することによって分離される。化合物取り込みは、細胞の平均濃度を得るために細胞の細胞質体積に従って正規化される。細胞体積は溶解した細胞部分標本のDNA,タンパク質またはヘム含量を細胞数および溶解前のパック体積に対して相関させることによって推計される。
【0072】
【表1】

キー:−=血球から除かれた
+=等しいか類似
++=>血球中5倍増加
+++=>血球中10倍増加
【0073】
実施例15:動物モデルにおける有効性
関節炎を抑制する薬物の有効性は動物モデルを使用して決定することができる。げつ歯動物においてコラーゲン誘発関節炎はリユウマチ性関節炎の良く確立された実験モデルであり、そして抗炎症薬の有効性をテストするために適切であると考えられている。このモデルは動物を外因性コラーゲン(例えばウシまたはニワトリ)で免疫化し、そして病気の出現後物質を投与することによって実施される。病気は応答を増加させるように後押しされ得る。ここで報告されるデータはDBAJ1マウスのネズミモデルを使用して得られた。日ゼロにおいて完全フロイドアジュバント中のコラーゲン懸濁液が尾基部に皮下注射された。日20において、完全フロインドアジュバント中のコラーゲンが尾基部に近い位置に注射された。関節炎が発症した時、動物がランダムに処置グループに割り当てられた。モニターされた徴候は、体重、足スコア、足厚さおよび全体の状態を含んでいた。動物は10日間観察され、処置された。マクロライド接合体は水中1.5%クエン酸塩、6%フラクトース中の溶液として処方された。結果は以下の表2に示されている。
【0074】
【表2】

*すべての関節が以下に基いたスコアリング
システルに従ってグレード化された:
−:健全な足;+:足の1本が炎症;++:関節の2タイプが炎症(例えば足根骨および足指);+++:足の二つの別の部分の3つの関節の炎症;++++:足全体が炎症
【0075】
さらなる実験において、関節炎は上に記載したようにウシコラーゲンを用いて誘発された。動物は病気の陽性発症後1日1回化合物経口投与によって処置された。対照動物(未処置)との比較は処置後9日になされた。結果は以下の表3に示されている。
【0076】
【表3】

【0077】
本発明はその詳細な説明に関して記載されたが、以上の説明は例証であり、特許請求の範囲に規定された本発明の範囲の限定を意図しないことを理解すべきである。他の局面、利益および修飾は特許請求の範囲内である。
【0078】
参考文献



【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式のマクロライド接合体、その薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、水和物および立体化学異性体:
【化1】

式中、RはヒドロキシもしくはC−Cアルコキシ、またはRおよびRが一緒でそれらが結合する炭素原子と共にテトラヒドロフラン環であり;
21は、式
【化2】

であって、基RおよびRの一方はORであり、他方はNRであり、
はOH、OR10、または式
【化3】

であり;
はHか、またはRおよびRが一緒でそれらが結合する炭素原子と共にカルボニル基であり;
およびRは同一または異なって、C−CアルキルまたはRO−C−Cアルキルであり;
はHまたはR10であり;
はHまたはR10であり;
10は式
【化4】

であり;
XはNR11CH,CHNR11,C=0、またはC=NOR20であり;
11はHまたはC−Cアルキルであり;
はH,R10または
−(CH−Y−(CH−Y−(CH−CHであり;
Yは0または結合手であり;
kは1または2であり;
lは1,2または3であり;
mは0,1または2であり;
nは0,1,2または3であり;
oは1,2または3であり;
pは1,2または3であり;
Zは式
【化5】

であって、式中、R12およびR13は同一または異なって、任意に1または2個のハロゲン、ヒドロキシ、C−Cアルコキシ、フェノキシ、C−CアルキルまたはCFで置換されることができるフェニル、O,NまたはSから選ばれた1,2または3個のヘテロ原子を含みそして任意に1または2個のハロゲン、C−CアルキルまたはCFで置換されることができる5または6員芳香複素環基、またはO,NまたはSから選ばれた1,2または3個のヘテロ原子を含みそして任意に1または2個のハロゲン、C−CアルキルまたはCFで置換されることができるベンゾ縮合5または6員芳香複素環基から選ばれ;
Aは結合手または任意にヒドロキシまたはC−Cアルキルで置換されることができるC−Cアルキレンであり;
14およびR15は同一または異なって、HまたはC−Cアルキルであるか、またはR14およびR15の一方がH,C−Cアルキル、ヒドロキシ−C−CアルキルまたはC−Cアルコキシ−C−Cアルキルであり、他方がOH,C−CアルコキシまたはC−Cアルキルカルボニルオキシであり;
DはBと、炭素原子を持っているR16およびR17の間の結合手か、またはCHであり;
16およびR17は同一または異なって、HまたはC−Cアルキルか、またはR16,R17,R18およびR19のうちの二つが二重結合を形成し、他の二つがHまたはC−Cアルキルである。
【請求項2】
がORであり、RがNRである請求項1のマクロライド接合体。
【請求項3】
がOR10であり、RがNRであって、ここでRおよびRがC−Cアルキルである請求項2のマクロライド接合体。
【請求項4】
がOHであり、RがNRであって、ここでRはC−Cアルキルであり、そしてRはR10O−C−Cアルキルである請求項2のマクロライド接合体。
【請求項5】
がNRであり、RがORである請求項1のマクロライド接合体。
【請求項6】
およびRは同一または異なって、C−Cアルキルであり、RはOR10である請求項5のマクロライド接合体。
【請求項7】
がC−CアルキルでありRがR10O−C−Cアルキルであり、RがOHである請求項5のマクロライド接合体。
【請求項8】
がOHか、または
【化6】

である請求項1ないし7のいずれかのマクロライド接合体。
【請求項9】
およびRが一緒でそれらが結合する炭素原子と共にカルボニル基を形成する請求項1ないし7のいずれかのマクロライド接合体。
【請求項10】
XがNR11CH,C=NO(CHY(CHY(CH−CH、またはC=NOR10であって、ここでR11はC−Cアルキルであり、そしてY,k,lおよびmは請求項1に定義したとおりである、請求項1ないし9のいずれかのマクロライド接合体。
【請求項11】
10がZまたは−CO−(CH)o−Y−(CH)p−O−Zであって、ここでYは結合手であり、そしてZ,oおよびpは請求項1に定義したとおりである、請求項1ないし10のいずれかのマクロライド接合体。
【請求項12】
式Iaを有する請求項1のマクロライド接合体:
【化7】

式中、R,R,R21およびXは請求項1に定義したとおりである。
【請求項13】
式IaaaないしIafから選ばれた請求項12のマクロライド接合体:
【化8】

式中、RおよびRは同一または異なってC−Cアルキルであり;
【化9】

式中、RはC−Cアルキルであり、Rはヒドロキシ−C−CアルキルまたはR10O−C−Cアルキルであり;
【化10】

式中、RおよびRは同一または異なって、C−Cアルキルであり;
【化11】

式中、RはC−Cアルキルであり、Rはヒドロキシ−C−C−アルキルまたはR10O−C−C−アルキルであり;
【化12】

式中、RおよびRは同一または異なって、C−Cアルキルであり;
【化13】

式中、RはC−Cアルキルであり、Rはヒドロキシ−C−C−アルキルまたはR10−C−C−アルキルであり;
そして式IaaないしIafにおいてRはヒドロキシか、または
【化14】

であり、そしてX,RおよびR10は請求項1に定義したとおりである。
【請求項14】
式IaaないしIafにおいて、XはNR11CHである請求項13のマクロライド接合体。
【請求項15】
12およびR13は、同一または異なって、フェニル、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、オキサゾリル、ピリジニル、ピリミジル、ベンゾフリル、キノリルまたはインドリルであり、そしてこれらは1または2個のハロゲンまたはCFで置換されてもよい請求項1ないし14のいずれかのマクロライド接合体。
【請求項16】
12およびR13は、同一または異なって、フェニル、ハロゲン置換フェニル、チエニル、ハロゲン置換チエニル、またはベンゾフリルである請求項15のマクロライド接合体。
【請求項17】
14,R15,R18およびR19がHであり、そしてR17がHまたはC−Cアルキルである請求項15または16のマクロライド接合体。
【請求項18】
Zが
【化15】

であり;
Aが単結合またはC−Cアルキレンであり;
12がフェニル、ハロゲン置換フェニル、チエニル、ハロゲン置換チエニル、またはベンゾフリルであり;
13がフェニルであり;
16およびR17がHまたはC−Cアルキルであり;
18およびR19がHである、請求項1ないし14のいずれかのマクロライド接合体。
【請求項19】
AがCHであり、R12がクロロフェニル、クロロチエニルまたはベンゾフリルである請求項18のマクロライド接合体。
【請求項20】
12が4−クロロフェニル、5−クロロチエン−2−イルまたはベンゾフル−2−イルである請求項19のマクロライド接合体。
【請求項21】
Zが
【化16】

である請求項20マクロライド接合体。
【請求項22】
請求項1ないし21のいずれかのマクロライド接合体と、薬学的に許容し得る補助剤とを含んでいる薬剤組成物。
【請求項23】
非経口または局所製剤の形の請求項22の薬剤組成物。
【請求項24】
リユウマチタイプの障害のための薬剤組成物を製造するための請求項1ないし21のいずれかのマクロライド接合体の使用。
【請求項25】
リユウマチタイプの障害の処置を必要とする個人へ請求項1のマクロライド接合体の有効量を投与することを含む、そのような障害を処置する方法。

【公表番号】特表2009−502838(P2009−502838A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523223(P2008−523223)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【国際出願番号】PCT/EP2006/007339
【国際公開番号】WO2007/012464
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(507288626)メルクレ,ゲーエムベーハー (4)
【Fターム(参考)】