説明

ピンセット、電子部品実装方法、および部品整列パレット

【課題】円筒状外周面の円周位置を自由に調整(回転)することができるピンセット、このピンセットを適用した電子部品実装方法、部品整列パレットを提供する。
【解決手段】ピンセット1は、後端11t(第1把持部11)、後端12t(第2把持部12)が相互に連結され先端11p(第1把持部11)、先端12p(第2把持部12)が相互に分離された第1把持部11および第2把持部12を備える。ピンセット1では、第1把持部11は、第1把持部11と平行に配置され被処理物SBに当てられる第1挟持部13と、第1挟持部13が第1把持部11に対して移動するように第1挟持部13を保持する保持部14とを備え、第2把持部12は、第1挟持部13に対向するように配置された第2挟持部15を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピンセット、ピンセットを適用した電子部品実装方法、およびピンセットが適用される部品整列パレットに関する。
【背景技術】
【0002】
人間の指では把持(挟持)することが困難な被処理物を把持(挟持)するために種々のピンセットが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1に開示されたピンセットは、円筒状ガイドを前方にスライドすることによってクランプ爪の先端部を閉じ、微小物体をクランプする。微小物体をクランプしたクランプ爪を締付固定した状態のままで軸棒によってクランプ爪を回転させ、微小物体の向きを反転させる回転式ピンセットである。つまり、この回転式ピンセットは、具体的には、ピンセットの長さ方向と交差する面で微小物体の方向を変更するものである。
【0004】
特許文献1に開示されたピンセットは、ピンセットの長さ方向と交差する面で微小物体を回転させて微小物体の方向を変更することは可能であるが、円筒状外周面を有する被処理物を円筒状外周面が中心に有する軸線を回転中心として回転させることはできない。つまり、被処理物が例えば空芯コイル(電子部品)であり、両端からリード端子が導出されている場合、軸線を回転中心として回転させてリード端子が向く方向を変更することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−38363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された回転式ピンセットを含む従来のピンセットでは、例えば空芯コイルを部品整列パレットから取り出して実装基板に実装する場合、空芯コイルを一旦ピンセットから離してリード端子の方向を調整した後、再度ピンセットで空芯コイルを挟持して実装基板(貫通孔)にリード端子を実装(挿入)する形態を取る必要がある。
【0007】
つまり、一旦挟持した被処理物を離して円筒状外周面の方向を調整した後、再度ピンセットで被処理物を挟持するという重複する複数回の挟持作業が必要となり、作業時間の短縮を妨げ、作業効率を低下させていた。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、円筒状外周面を有する被処理物を第1挟持部の直線的な移動に応じて円周方向で回転させることにより円筒状外周面の円周位置を自由に調整(回転)することができるピンセットを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明に係る電子部品実装方法は、本発明に係るピンセットを適用することにより、電子部品の実装基板への実装時間を短縮して作業性、生産性を向上させることができる電子部品実装方法を提供することを他の目的とする。
【0010】
また、本発明に係る部品整列パレットは、本発明に係るピンセットを適用することが可能で整列した電子部品を抽出するときのピンセットの挿入を容易にかつ高精度に実行することが可能な部品整列パレットを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係るピンセットは、後端が相互に連結され先端が相互に分離された第1把持部および第2把持部を備えるピンセットであって、前記第1把持部は、前記第1把持部と平行に配置され被処理物に当てられる第1挟持部と、前記第1挟持部が前記第1把持部に対して移動するように前記第1挟持部を保持する保持部とを備え、前記第2把持部は、前記第1挟持部に対向するように配置された第2挟持部を備えることを特徴とする。
【0012】
したがって、本発明に係るピンセットは、円筒状外周面を有する被処理物を第1挟持部の移動方向での移動に応じて円周方向で回転する(円筒状外周面が中心に有する軸線を回転中心として被処理物が回転する)ように第1挟持部と第2挟持部とで挟持することができるので、被処理物が有する円筒状外周面の円周位置を自由に調整(回転)することができる。例えば、被処理物が導線を円筒状に巻いた電子部品(例えば空芯コイル)である場合、円筒状外周面を円周方向で回転させることによって円筒の両端に導出されたリード端子の向きを調整し、リード端子を実装基板の側へ容易に向けることができる。
【0013】
本発明に係るピンセットでは、前記第1挟持部は、前記第2挟持部に対向する第1対向面を備え、前記第2挟持部は、前記第1対向面に対向する第2対向面を備えてあり、前記第2対向面は、延長方向で湾曲した弧状の凹部を備えることを特徴とする。
【0014】
したがって、本発明に係るピンセットは、第2挟持部(第2対向面)の側では湾曲した弧状の凹部で被処理物の円筒状外周面を位置決めし、第1挟持部(第1対向面)の側では円筒状外周面に外接する第1挟持部の直線的な移動を被処理物の回転に変換するので、被処理物を確実に挟持した状態で、第1挟持部の移動に応じて被処理物を容易にかつ正確に回転させることができる。
【0015】
本発明に係るピンセットでは、前記凹部は、円滑面とされていることを特徴とする。
【0016】
したがって、本発明に係るピンセットは、凹部を円滑面としていることから被処理物を容易に回転させることができる。
【0017】
本発明に係るピンセットでは、前記第1挟持部は、前記第2挟持部に対向する面に滑り止め部を備えることを特徴とする。
【0018】
したがって、本発明に係るピンセットは、被処理物を挟持した状態で、第1挟持部の直線的な移動を被処理物の円筒状外周面に容易にかつ正確に作用させて被処理物を精度良く回転させることができる。
【0019】
本発明に係るピンセットでは、前記第1挟持部は、移動方向での外力を受ける突起部を備えることを特徴とする。
【0020】
したがって、本発明に係るピンセットは、突起部で外力を受けて第1挟持部を容易に移動させることができるので、被処理物に対する処理を迅速化することができる。
【0021】
本発明に係るピンセットでは、前記保持部は、前記第1挟持部を前記第1把持部の側へ押し当てる押圧部を備える構成とされていることを特徴とする。
【0022】
したがって、本発明に係るピンセットは、押圧部で第1挟持部の位置を規制することができるので、第1挟持部を正確に移動させることができる。
【0023】
本発明に係るピンセットでは、前記押圧部は、ばねとされていることを特徴とする。
【0024】
したがって、本発明に係るピンセットは、第1挟持部を容易に移動させることができる。
【0025】
本発明に係る電子部品実装方法は、円筒状外周面を有する電子部品が整列された部品整列パレットから前記電子部品をピンセットで抽出して実装基板に実装する電子部品実装方法であって、前記円筒状外周面をピンセットで挟持して前記部品整列パレットから前記電子部品を抽出する第1工程と、前記ピンセットで前記電子部品を挟持した状態のままで前記円筒状外周面を円周方向で回転させることによって前記電子部品の端部から導出されたリード端子の向きを調整する第2工程と、前記ピンセットで前記電子部品を挟持した状態のままで前記リード端子を前記実装基板に形成された貫通孔に挿入する第3工程とを備えてあり、前記ピンセットは、本発明に係るピンセットであることを特徴とする。
【0026】
したがって、本発明に係る電子部品実装方法は、電子部品を本発明に係るピンセットで挟持した状態のままでリード端子の向きを調整(変更)することから、電子部品の実装基板への実装時間を短縮して作業性、生産性を向上させることができる。
【0027】
本発明に係る部品整列パレットは、円筒状外周面を有する電子部品が整列して載置される溝状の整列凹部を備える部品整列パレットであって、前記整列凹部は、前記円筒状外周面の半径より大きい高さの壁部と前記直径より大きい幅の底部とを備え、前記電子部品を抽出するピンセットに挟持される前記円筒状外周面に対向する前記壁部を除去して形成され前記ピンセットが導入されるピンセット導入路と前記ピンセット導入路に続いて形成され前記ピンセットが挿入されるピンセット挿入路とを備えてあり、前記ピンセットは、本発明に係るピンセットであることを特徴とする。
【0028】
したがって、本発明に係る部品整列パレットは、例えば、被処理物としての電子部品が導線を円筒状に巻いた電子部品(例えば空芯コイル)である場合、円筒状外周面を溝状の整列凹部に沿って載置し、本発明に係るピンセットを利用して電子部品を抽出するとき、ピンセットの挿入を容易にかつ高精度に実行することが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係るピンセットは、第1把持部および第2把持部を備えるピンセットであって、第1把持部は、第1把持部と平行に配置され被処理物に当てられる第1挟持部と、第1挟持部が第1把持部に対して移動するように第1挟持部を保持する保持部とを備える。
【0030】
したがって、本発明に係るピンセットは、円筒状外周面を有する被処理物を第1挟持部の移動方向での移動に応じて円周方向で回転する(円筒状外周面が中心に有する軸線を回転中心として被処理物が回転する)ように第1挟持部と第2挟持部とで挟持することができるので、被処理物が有する円筒状外周面の円周位置を自由に調整(回転)することができるという効果を奏する。
【0031】
本発明に係る電子部品実装方法は、本発明に係るピンセットが適用され、円筒状外周面をピンセットで挟持して部品整列パレットから電子部品を抽出する第1工程と、ピンセットで電子部品を挟持した状態のままで円筒状外周面を円周方向で回転させることによって電子部品の端部から導出されたリード端子の向きを調整する第2工程と、ピンセットで電子部品を挟持した状態のままでリード端子を実装基板に形成された貫通孔に挿入する第3工程とを備える。
【0032】
したがって、本発明に係る電子部品実装方法は、電子部品を本発明に係るピンセットで挟持した状態のままでリード端子の向きを調整(変更)することから、電子部品を実装基板へ実装する際の実装時間を短縮して作業性、生産性を向上させることができるという効果を奏する。
【0033】
本発明に係る部品整列パレットは、本発明に係るピンセットが適用され、円筒状外周面を有する電子部品が整列して載置される溝状の整列凹部を備える部品整列パレットであって、ピンセットが導入されるピンセット導入路とピンセット導入路に続いて形成されピンセットが挿入されるピンセット挿入路とを備える。
【0034】
したがって、本発明に係る部品整列パレットは、例えば、被処理物としての電子部品が導線を円筒状に巻いた電子部品(例えば空芯コイル)である場合、円筒状外周面を溝状の整列凹部に沿って載置し、本発明に係るピンセットを利用して電子部品を抽出するとき、ピンセットの挿入を容易にかつ高精度に実行することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の実施の形態1に係るピンセットを斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図2A】図1に示したピンセットが処理する被処理物(電子部品)を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図2B】図2Aに示した被処理物が部品整列パレットに載置された状態を示す模式図である。
【図3A】部品整列パレットに図2Bで示すように載置された被処理物としての電子部品をリード端子の側(部品整列パレットに対する垂直方向で上側)からピンセットで挟持した状態を示す側面図である。
【図3B】ピンセットに挟持された電子部品を第1挟持部の移動方向への移動によって円周方向に回転させる状態を示す側面図である。
【図3C】電子部品を円周方向で回転させることによってリード端子の向きを変更してピンセットの延長方向に向けた状態を示す側面図である。
【図4A】本発明の実施の形態2に係るピンセットでの第1挟持部と保持部との関係(実施例1)を示す断面図である。
【図4B】本実施の形態に係るピンセットでの第1挟持部と保持部との関係(実施例2)を示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係るピンセットの第2挟持部の変形例を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【図6A】本発明の実施の形態4に係る電子部品実装方法の工程状態を示す模式側面図であり、部品整列パレットの整列凹部に載置(整列)された被処理物としての電子部品(例えば空芯コイル)をピンセットで挟持した状態を示す。
【図6B】図6Aに続く工程状態を示す模式側面図であり、部品整列パレットから電子部品をピンセットで挟持して抽出した状態を示す。
【図6C】図6Bに続く工程状態を示す模式側面図であり、ピンセットで挟持した状態のままで電子部品を円周方向に回転させてリード端子の方向を当初の方向から反転させた状態を示す。
【図6D】図6Cに続く工程状態を示す模式側面図であり、リード端子の方向を反転させた電子部品のリード端子を実装基板の貫通孔に挿入した状態を示す。
【図6E】図6Dに続く工程状態を示す模式側面図であり、リード端子が貫通孔に挿入された状態の実装基板を示す。
【図7A】本発明の実施の形態5に係る部品整列パレットに電子部品を整列させた状態を示す平面図である。
【図7B】図7Aに示した部品整列パレットとピンセットに挟持された電子部品との関係を側面から見た状態として示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0037】
<実施の形態1>
図1ないし図3Cを参照して、本実施の形態に係るピンセットについて説明する。
【0038】
図1は、本発明の実施の形態1に係るピンセット1を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【0039】
図2Aは、図1に示したピンセット1が処理する被処理物SB(電子部品50)を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【0040】
図2Bは、図2Aに示した被処理物SBが部品整列パレット60に載置された状態を示す模式図である。
【0041】
図3Aは、部品整列パレット60に図2Bで示すように載置された被処理物SBとしての電子部品50をリード端子51の側(部品整列パレット60に対する垂直方向で上側)からピンセット1で挟持した状態を示す側面図である。
【0042】
図3Aでは、被処理物SB(電子部品50)の円筒状外周面SBsに対して外接方向で移動方向SDの直線的な移動を作用させ、被処理物SBに対して回転作用を及ぼす状態を示す。つまり、第1挟持部13を移動方向SD方向へ引き戻すことによって、被処理物SBを円周方向RDで回転させることができる。
【0043】
図3Bは、ピンセット1に挟持された電子部品50を第1挟持部13の移動方向SDへの移動によって円周方向RDに回転させる状態を示す側面図である。
【0044】
図3Bでは、図3Aに示した被処理物SB(電子部品50)に対して90度回転した状態を示している。回転に対応する円筒状外周面SBsの外周分に対応して第1挟持部13が移動方向SDへ移動した状態を示している。
【0045】
図3Cは、電子部品50を円周方向RDで回転させることによってリード端子51の向きを変更してピンセット1の延長方向に向けた状態を示す側面図である。
【0046】
図3Cでは、図3Bに示した被処理物SB(電子部品50)に対してさらに90度回転した状態を示している。つまり、図3Aに示した当初の被処理物SB(電子部品50)に対して180度回転した状態(反転した状態、リード端子51の方向を逆転した状態)を示している。また、被処理物SBの回転に伴う円筒状外周面SBsの外周分(円周の半周分)に対応して第1挟持部13が移動方向SDへさらに移動した状態を示している。
【0047】
本実施の形態に係るピンセット1は、後端11t(第1把持部11)、後端12t(第2把持部12)が相互に連結され先端11p(第1把持部11)、先端12p(第2把持部12)が相互に分離された第1把持部11および第2把持部12を備える。
【0048】
ピンセット1では、第1把持部11は、第1把持部11と平行に配置され被処理物SBに当てられる第1挟持部13と、第1挟持部13が第1把持部11に対して移動するように第1挟持部13を保持する保持部14とを備え、第2把持部12は、第1挟持部13に対向するように配置された第2挟持部15を備える。
【0049】
被処理物SBは、例えば空芯コイルなど円筒状外周面SBsを有する電子部品50である。電子部品50の両端(円筒状外周面SBsの両端)からは、リード端子51が導出されている。円筒状外周面SBsは、同一の直径で円筒状に巻かれた導線の最外周で構成される。
【0050】
被処理物SB(電子部品50)は、部品整列パレット60に載置され、リード端子51は、部品整列パレット60に対する垂直方向で上側を向くように整列される。
【0051】
図3Aないし図3Cで示すように、被処理物SB(電子部品50)は、第1挟持部13の根元側(第1把持部11に近い側)と第2挟持部15(凹部15g)とによって挟持され、第1挟持部13を移動方向SDで第1把持部11(後端11t)の方へ引き戻すことによって、円周方向RDで回転される。
【0052】
したがって、ピンセット1は、円筒状外周面SBsを有する被処理物SBを第1挟持部13の移動方向SDでの移動に応じて円周方向RDで回転する(円筒状外周面SBsが中心に有する軸線CAを回転中心として被処理物SBが回転する)ように第1挟持部13と第2挟持部15とで挟持することができるので、被処理物SBが有する円筒状外周面SBsの円周位置を自由に調整(回転)することができる。
【0053】
例えば、被処理物SBが導線を円筒状に巻いた電子部品50(例えば空芯コイル)である場合、円筒状外周面SBsを円周方向RDで回転させることによって円筒の両端に導出されたリード端子51の向きを調整し、リード端子51を実装基板70(図6D参照)の側へ容易に向けることができる。
【0054】
ピンセット1では、第1挟持部13は、第2挟持部15に対向する第1対向面13fを備え、第2挟持部15は、第1対向面13fに対向する第2対向面15fを備えてあり、第2対向面15fは、延長方向で湾曲した弧状の凹部15gを備えることが望ましい。
【0055】
この構成によって、ピンセット1は、第2挟持部15(第2対向面15f)の側では湾曲した弧状の凹部15gで被処理物SBの円筒状外周面SBsを位置決めし、第1挟持部13(第1対向面13f)の側では円筒状外周面SBsに外接する第1挟持部13の直線的な移動を被処理物SBの回転に変換するので、被処理物SBを確実に挟持した状態で、第1挟持部13の移動に応じて被処理物SBを容易にかつ正確に回転させることができる。
【0056】
凹部15gは、挟持された被処理物SB(電子部品50)の円筒状外周面SBsが有する軸線CAの方向が、第1対向面13fおよび第2対向面15fの間の仮想平面CS(図3Aないし図3C参照)において第1挟持部13および第2挟持部15の延長方向と交差する方向(直交する方向)となるように配置(形成)される。
【0057】
凹部15gは、円滑面とされていることが望ましい。この構成によって、ピンセット1は、凹部15gを円滑面としていることから被処理物SBを容易に回転させることができる。
【0058】
凹部15gは、板状部材の第2対向面15fを凹状に除去することによって形成される。また、板状部材を弧状に折り曲げることによっても形成することができる(図5参照)。凹部15gの湾曲状態(湾曲の曲率)は、被処理物SB(電子部品50)の形状(直径)に応じて適宜設定すれば良い。
【0059】
ピンセット1(第1把持部11、第2把持部12、第1挟持部13、第2挟持部15)の素材としては、耐摩耗性、機械的強度などを考慮して金属製とすることが望ましい。一般的には、金属の中でもステンレスが望ましい。
【0060】
第1挟持部13は、第2挟持部15に対向する面に滑り止め部13sを備えることが望ましい。この構成によって、ピンセット1は、被処理物SBを挟持した状態で、第1挟持部13の直線的な移動を被処理物SBの円筒状外周面SBsに容易にかつ正確に作用させて被処理物SBを精度良く回転させることができる。
【0061】
滑り止め部13sは、第1挟持部13を構成する部材の材質と異なる材質の部材を貼り付けることで形成することができる。滑り止め部13sを貼り付けて形成する場合は、第1挟持部13に比較して摩擦係数の大きい素材(例えば、ABS樹脂など。)を適用することが容易となる。
【0062】
滑り止め部13sは、第1挟持部13を構成する部材をそのまま利用して形成することもできる。例えば、第1挟持部13の表面を粗面化することによっても形成することができる。この場合は、他の素材を貼り付ける必要がないことから安定したピンセット1とすることができる。
【0063】
また、滑り止め部13sとして、例えば粘着力の弱い粘着性を有する部材を設けて形成することも可能である。つまり、被処理物SB(電子部品50)の円筒状外周面SBsに粘着して回転させる程度の粘着力を有する部材を滑り止め部13sとすることができる。
【0064】
第1挟持部13は、移動方向SDでの外力を受ける突起部13dを備えることが望ましい。この構成によって、ピンセット1は、突起部13dで外力を受けて第1挟持部13を容易に移動させることができるので、被処理物SBに対する処理を迅速化することができる。なお、突起部13dの形状は、外力を受けて第1挟持部13を第1把持部11に対して移動させるように作用するものであれば、どのような形状であっても良い。
【0065】
また、第1挟持部13(第1対向面13f)の先端部分(被処理物SBを直接挟持する部分)における軸線CAの方向での幅Wf、第2挟持部15(第2対向面15f)の先端部分(被処理物SBを直接挟持する部分)における軸線CAの方向での幅Wsは、円筒状外周面SBs(被処理物SB)を円周方向RDで回転させるとき、リード端子51による影響を受けないように円筒状外周面SBsの両端間の長さLLより小さく形成されている。また、幅Wfと幅Wsとは円周方向RDでの回転の均衡を考慮して等しいことが望ましい。
【0066】
第1挟持部13は、第1把持部11に対して別部材(スライド部材)として配置される。第2挟持部15は、第2把持部12の延長部として同一部材で形成することも可能であるが、凹部15gを被処理物SBに応じて種々の形状とした場合に変更を容易にするために第2把持部12に対して第2挟持部15を差し替える形態とすることもできる。
【0067】
この形態によれば、第1把持部11および第2把持部12を共通部材として確保し、第1挟持部13および第2挟持部15を交換部材として取り扱うことが可能となる。したがって、被処理物SBの種類(形状)によってピンセット1を取り替える手間を省くことができる。
【0068】
第1挟持部13には、移動方向SDでの移動の程度を客観的に視認(確認)できるように適宜のスケール(目盛り)を設けても良い。
【0069】
<実施の形態2>
図4A、図4Bを参照して、本実施の形態に係るピンセットについて説明する。本実施の形態に係るピンセットの基本的な構成は、実施の形態1で示したピンセット1と同様であり、保持部14と第1挟持部13との関係(実施例)を実施の形態2として説明するので、符号を援用し、主に異なる事項について説明する。
【0070】
図4Aは、本発明の実施の形態2に係るピンセット1での第1挟持部13と保持部14との関係(実施例1)を示す断面図である。図4Aでは、移動方向SDと交差する方向での保持部14の断面を示す。
【0071】
本実施の形態に係るピンセット1では、保持部14は、第1挟持部13を第1把持部11の側へ押し当てる押圧部14cを備える構成とされている。したがって、ピンセット1は、押圧部14cで第1挟持部13の位置を規制することができるので、第1挟持部13を正確に移動させることができる。
【0072】
つまり、第1挟持部13は、スライド部材として第1把持部11に保持される構成とされている。したがって、必要に応じて(処理対象である被処理物SBの大きさ(直径)によって必要となる移動方向SDでの長さに応じて)変更すること(差し替えること)が可能である。
【0073】
図4Bは、本実施の形態に係るピンセット1での第1挟持部13と保持部14との関係(実施例2)を示す断面図である。図4Bでは、実施例1の押圧部14cに対する変形例を実施例2として示す。
【0074】
押圧部14cは、第1挟持部13を第1把持部11に押圧する状態での弾性を向上させて第1挟持部13の第1把持部11に対する移動を容易にするため「ばね」とされることが望ましい。つまり、この構成によって、ピンセット1は、第1挟持部13を適度な弾性の下で容易に移動させることができる。また、第1把持部11に対して第1挟持部13の交換を容易に行うことができる。
【0075】
<実施の形態3>
図5を参照して、本実施の形態に係るピンセットについて説明する。実施の形態1で示したピンセット1では、凹部15gを板状部材の第2対向面15fを凹状に除去することによって形成されている。
【0076】
図5は、本発明の実施の形態3に係るピンセット1の第2挟持部15の変形例を斜め上方から見た状態を示す斜視図である。
【0077】
本実施の形態に係る凹部15gは、板状部材を弧状に折り曲げて形成されている。弧の曲率は被処理物SBの曲率に応じて適宜設定することができる。板状部材を単に折り曲げるだけで形成するので、実施の形態1の場合の凹部15gに比較して容易に形成することができ、また寸法調整の自由度が向上する。
【0078】
<実施の形態4>
図6Aないし図6Eを参照して、本実施の形態に係る電子部品実装方法について説明する。本実施の形態に係る電子部品実装方法は、実施の形態1ないし実施の形態3で示したピンセット1を適用して部品整列パレット60に整列された電子部品50を実装基板70に実装する方法である。
【0079】
図6Aは、本発明の実施の形態4に係る電子部品実装方法の工程状態を示す模式側面図であり、部品整列パレット60の整列凹部61に載置(整列)された被処理物SBとしての電子部品50(例えば空芯コイル)をピンセット1で挟持した状態を示す。
【0080】
部品整列パレット60の整列凹部61に載置された電子部品50の円筒状外周面SBsの対向する両側にピンセット1の第1挟持部13および第2挟持部15を差し込んで円筒状外周面SBsを両側(通常は円筒状外周面SBsの水平方向での直径と交差する位置)から挟持する。つまり、滑り止め部13sと凹部15gとで電子部品50を挟持する。
【0081】
なお、整列された電子部品50の両側にピンセット1が挿入される部品整列パレット60の形状については、実施の形態5でさらに説明する。
【0082】
図6Bは、図6Aに続く工程状態を示す模式側面図であり、部品整列パレット60から電子部品50をピンセット1で挟持して抽出した状態を示す。
【0083】
ピンセット1で挟持した電子部品50を部品整列パレット60から抽出する。つまり、電子部品50の円筒状外周面SBsをピンセット1で挟持して部品整列パレット60から電子部品50を抽出する(第1工程)。
【0084】
図6Cは、図6Bに続く工程状態を示す模式側面図であり、ピンセット1で挟持した状態のままで電子部品50を円周方向RDに回転させてリード端子51の方向を当初の方向から反転させた状態を示す。
【0085】
実施の形態1で説明したとおり、第1挟持部13を第1把持部11の方向へ引き上げて移動方向SDへ移動させ、電子部品50を円周方向RDで回転させるので、リード端子51の向きを変更することができる。第1挟持部13を移動方向SDで円筒状外周面SBsの外周に対応する距離だけ移動させることによってリード端子51の位置を調整することができる。
【0086】
つまり、ピンセット1で電子部品50を挟持した状態のままで円筒状外周面SBsを円周方向RDで回転させることによって電子部品50の端部から導出されたリード端子51の向きを調整する(第2工程)。通常は、リード端子51の当初の方向が移動方向SDであり、リード端子51の方向を実装基板70(図6D参照)の方向へ変更すれば良いことから、円筒状外周面SBsは180度回転させれば良い。
【0087】
したがって、通常は、円周の長さの半分に対応する距離だけ第1挟持部13を移動させれば良い。リード端子51の当初の位置(方向)が多少傾いているときは、第1挟持部13の移動方向SDでの移動量を適宜調整することで最終的な位置を実装基板70に対応させることができる。
【0088】
図6Dは、図6Cに続く工程状態を示す模式側面図であり、リード端子51の方向を反転させた電子部品50のリード端子51を実装基板70の貫通孔71に挿入した状態を示す。
【0089】
図6Cに示した第2工程で、移動方向SDの方向を向いていたリード端子51は、貫通孔71の方向へ向くように方向変換されている。したがって、極めて容易に電子部品50を実装基板70へ実装することができ、極めて容易にリード端子51を貫通孔71へ挿入することができる。
【0090】
つまり、ピンセット1で電子部品50を挟持した状態のままでリード端子51を実装基板70に形成された貫通孔71に挿入する(第3工程)。
【0091】
図6Eは、図6Dに続く工程状態を示す模式側面図であり、リード端子51が貫通孔71に挿入された状態の実装基板70を示す。
【0092】
図6Aないし図6Dの作業によって、配置方向が逆方向であったリード端子51をピンセット1で挟持した状態のままで方向転換させるので、電子部品50を持ち替えたりする必要がなく作業性を向上させることができる。
【0093】
従来のピンセットでは、電子部品50のリード端子51を反転させるときにピンセットを開放(被処理物SBとしての電子部品50をピンセットから離すこと)する必要があり、リード端子51を反転させた後、再度ピンセットで挟持していた。つまり、ピンセットでの挟持(部品整列パレット60からの抽出)、ピンセットの開放(リード端子51の方向転換)、ピンセットでの挟持(リード端子51を反転させた電子部品50を再度挟持)、ピンセットの開放(リード端子51を貫通孔71に挿入した後の開放)と、「挟持」「開放」の工程がそれぞれ2重に必要(2回必要)となることから作業時間が長くなっていた。
【0094】
これに対し、本実施の形態に係る電子部品実装方法によれば、ピンセット1で電子部品50を挟持したままでリード端子51の方向を転換(調整)することから、従来のピンセットでは2重に必要であった「挟持」「開放」の工程をそれぞれ1回で済ませるので、作業性を向上させることができるので作業時間を短縮することができる。
【0095】
具体的な作業時間を測定したところ、従来のピンセットを適用した方法では、1個当たり4秒必要であったが、本実施の形態に係る電子部品実装方法によれば、1個当たり3秒の作業時間であった。つまり、25%の作業時間の短縮が可能となり、例えばある電気製品へ10個の電子部品50(空芯コイル)を実装する場合、従来の方法で10人の作業者が必要であれば、本実施の形態に係る電子部品実装方法によれば、8人の作業者で済み、大幅に作業効率を向上させることができる。
【0096】
上述したとおり、本実施の形態に係る電子部品実装方法は、円筒状外周面SBsを有する電子部品50が整列された部品整列パレット60から電子部品50をピンセット1で抽出して実装基板70に実装する電子部品実装方法であって、円筒状外周面SBsをピンセット1で挟持して整列パレットから電子部品50を抽出する第1工程と、ピンセット1で電子部品50を挟持した状態のままで円筒状外周面SBsを円周方向RDで回転させることによって電子部品50の端部から導出されたリード端子51の向きを調整する第2工程と、ピンセット1で電子部品50を挟持した状態のままでリード端子51を実装基板70に形成された貫通孔71に挿入する第3工程とを備えてあり、ピンセット1は、実施の形態1ないし実施の形態3に記載したピンセット1である。
【0097】
したがって、本実施の形態に係る電子部品実装方法は、電子部品50をピンセット1で挟持した状態のままでリード端子51の向きを調整(変更)することから、電子部品50の実装基板70への実装時間を短縮して作業性、生産性を向上させることができる。
【0098】
<実施の形態5>
図7Aおよび図7Bを参照して、本実施の形態に係る部品整列パレットについて説明する。本実施の形態に係る部品整列パレット60は、実施の形態1ないし実施の形態3で示したピンセット1を適用して実施される電子部品実装方法(実施の形態4)に適用されるパレットである。
【0099】
図7Aは、本発明の実施の形態5に係る部品整列パレット60に電子部品50を整列させた状態を示す平面図である。
【0100】
図7Bは、図7Aに示した部品整列パレット60とピンセット1に挟持された電子部品50との関係を側面から見た状態として示す模式断面図である。
【0101】
部品整列パレット60には、被処理物SBとしての電子部品50を整列して載置するために溝状の整列凹部61が多数平行に形成されている。図7Aでは、1個の整列凹部61のみを示している。また、電子部品50は、整列凹部61に沿って多数載置されるが図7Aでは、1個の電子部品50を示している。
【0102】
整列凹部61には電子部品50がリード端子51を上向き(部品整列パレット60の表面に対して垂直方向でリード端子51が外側へ向かう方向)にして載置される。つまり、電子部品50の円筒状外周面SBsが整列凹部61にリード端子51の方向を揃えて整列され、載置される。リード端子51を上向きにして整列させるのは、整列凹部61の形状を単純化して電子部品50(リード端子51)の整列を容易にするためである。また、部品整列パレット60にリード端子51を差し込むための穴が不要になるという利点もある。
【0103】
本実施の形態に係る部品整列パレット60では、整列凹部61に載置される電子部品50の両側にピンセット1を挿入するためのピンセット導入路63、ピンセット挿入路64を備えている。ピンセット導入路63およびピンセット挿入路64は、説明の便宜上別の領域として説明するが部品整列パレット60の内部では相互に連続する状態として形成されている。
【0104】
ピンセット導入路63は、部品整列パレット60の表面側、つまり、整列凹部61に対応する表面側領域(整列凹部61の壁面を構成する壁部61k、整列凹部61の底面を構成する底部61sの間の領域)に対応して配置され、ピンセット挿入路64は、ピンセット導入路63の延長上で部品整列パレット60の内部に配置される。
【0105】
ピンセット導入路63、ピンセット挿入路64の幅Wgは、ピンセット1の第1対向面13f(第1挟持部13)の幅Wf、第2対向面15f(第2挟持部15)の幅Wsが挿入される大きさであれば良い。また、このときの部品整列パレット60に載置される電子部品50の両端間の長さLL(図2参照)は、幅Wgより大きい形状とされているので、電子部品50は、整列凹部61に整列して載置される。
【0106】
ピンセット導入路63の深さは、整列凹部61と同様として規定することができ、また、ピンセット挿入路64の深さは、ピンセット導入路63の延長上として規定することができる。ピンセット導入路63およびピンセット挿入路64を貫通する領域の深さは、ピンセット1の第1対向面13f(第1挟持部13)が挿入されて、電子部品50を両側から挟持できる程度の深さであれば良い。
【0107】
なお、図7Bでは、整列凹部61の両側にピンセット導入路63、ピンセット挿入路64を配置して同一の深さとして表示したが、ピンセット1の長さに対応させて第2挟持部15(第2対向面15f)に対応する側のピンセット導入路63、ピンセット挿入路64を浅くし、第1挟持部13(第1対向面13f)に対応する側のピンセット導入路63、ピンセット挿入路64を深くすることも可能である。
【0108】
上述したとおり、本実施の形態に係る部品整列パレット60は、円筒状外周面SBsを有する電子部品50が整列して載置される溝状の整列凹部61を備える部品整列パレット60であって、整列凹部61は、円筒状外周面SBsの半径より大きい高さの壁部61kと直径より大きい幅の底部61sとを備え、電子部品50を抽出するピンセット1に挟持される円筒状外周面SBsに対向する壁部61kを除去して形成されピンセット1が導入されるピンセット導入路63とピンセット導入路63に続いて形成されピンセット1が挿入されるピンセット挿入路64とを備えてあり、ピンセット1は、実施の形態1ないし実施の形態3に記載したピンセット1である。
【0109】
したがって、本実施の形態に係る部品整列パレット60は、例えば、被処理物SBとしての電子部品50が導線を円筒状に巻いた電子部品50(例えば空芯コイル)である場合、円筒状外周面SBsを溝状の整列凹部61に沿って載置し、ピンセット1を利用して電子部品50を抽出するとき、ピンセット1の挿入を容易にかつ高精度に実行することが可能となるので、電子部品50のリード端子51の向きを容易に調整することができる。
【0110】
上述した実施の形態1ないし実施の形態5は相互に他の実施の形態にそれぞれ適宜適用することができ、それぞれの実施の形態に固有の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0111】
1 ピンセット
11 第1把持部
11t 後端
11p 先端
12 第2把持部
12p 先端
12t 後端
13 第1挟持部
13d 突起部
13f 第1対向面
13s 滑り止め部
14 保持部
14c 押圧部
15 第2挟持部
15f 第2対向面
15g 凹部
50 電子部品
51 リード端子
60 部品整列パレット
61 整列凹部
61k 壁部
61s 底部
63 ピンセット導入路
64 ピンセット挿入路
70 実装基板
71 貫通孔
CA 軸線
CS 仮想平面
LL 長さ
SB 被処理物
SBs 円筒状外周面
SD 移動方向
RD 円周方向
Wf、Wg、Ws 幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
後端が相互に連結され先端が相互に分離された第1把持部および第2把持部を備えるピンセットであって、
前記第1把持部は、前記第1把持部と平行に配置され被処理物に当てられる第1挟持部と、前記第1挟持部が前記第1把持部に対して移動するように前記第1挟持部を保持する保持部とを備え、
前記第2把持部は、前記第1挟持部に対向するように配置された第2挟持部を備えること
を特徴とするピンセット。
【請求項2】
請求項1に記載のピンセットであって、
前記第1挟持部は、前記第2挟持部に対向する第1対向面を備え、前記第2挟持部は、前記第1対向面に対向する第2対向面を備えてあり、
前記第2対向面は、延長方向で湾曲した弧状の凹部を備えること
を特徴とするピンセット。
【請求項3】
請求項2に記載のピンセットであって、
前記凹部は、円滑面とされていること
を特徴とするピンセット。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか一つに記載のピンセットであって、
前記第1挟持部は、前記第2挟持部に対向する面に滑り止め部を備えること
を特徴とするピンセット。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載のピンセットであって、
前記第1挟持部は、移動方向での外力を受ける突起部を備えること
を特徴とするピンセット。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載のピンセットであって、
前記保持部は、前記第1挟持部を前記第1把持部の側へ押し当てる押圧部を備える構成とされていること
を特徴とするピンセット。
【請求項7】
請求項6に記載のピンセットであって、
前記押圧部は、ばねとされていること
を特徴とするピンセット。
【請求項8】
円筒状外周面を有する電子部品が整列された部品整列パレットから前記電子部品をピンセットで抽出して実装基板に実装する電子部品実装方法であって、
前記円筒状外周面をピンセットで挟持して前記部品整列パレットから前記電子部品を抽出する第1工程と、
前記ピンセットで前記電子部品を挟持した状態のままで前記円筒状外周面を円周方向で回転させることによって前記電子部品の端部から導出されたリード端子の向きを調整する第2工程と、
前記ピンセットで前記電子部品を挟持した状態のままで前記リード端子を前記実装基板に形成された貫通孔に挿入する第3工程とを備えてあり、
前記ピンセットは、請求項1から請求項7までのいずれか一つに記載のピンセットであること
を特徴とする電子部品実装方法。
【請求項9】
円筒状外周面を有する電子部品が整列して載置される溝状の整列凹部を備える部品整列パレットであって、
前記整列凹部は、前記円筒状外周面の半径より大きい高さの壁部と前記直径より大きい幅の底部とを備え、前記電子部品を抽出するピンセットに挟持される前記円筒状外周面に対向する前記壁部を除去して形成され前記ピンセットが導入されるピンセット導入路と前記ピンセット導入路に続いて形成され前記ピンセットが挿入されるピンセット挿入路とを備えてあり、
前記ピンセットは、請求項1から請求項7までのいずれか一つに記載のピンセットであること
を特徴とする部品整列パレット。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2012−56022(P2012−56022A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201759(P2010−201759)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】