説明

ピークの検出を向上させる濾過器具および方法

質量分析データのピークの識別を向上させるフィルタおよび方法が開示される。具体的には、本発明は、質量スペクトルデータを生成する際に使用される生物流体を精製するためにホールアレイフィルタを使用する方法を含む。本発明の方法を使用して、疾患を識別し、診断する際に使用される質量スペクトルデータの関連ピークを増強し、または特定の疾患治療に対する反応を予測することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、早期予測、検出およびヒトの疾患の治療に対する反応において使用される質量スペクトルデータのピークの識別を向上させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞および生物が含むタンパク質および他の分子は、その細胞および生物の健康状態を反映する。タンパク質および他の脂質や炭水化物などの分子の検出、同定および定量が、疾患機構の解明、疾患の早期検出、疾患の予測および治療の評価を容易にすることがある。
【0003】
ゲノミクス(genomics)研究の最近の進歩は、様々な疾患に関連した多数の遺伝子の識別につながった。しかし、ゲノミクス研究によって、疾患に対する遺伝的素因に関連した遺伝子を識別することはできるが、個々の患者に存在するタンパク質などのマーカの特徴を明らかにし、それらのマーカを識別する必要性がまだ残されている。「マーカ」は一般に、ある生物学的状態を他の状態から区別するポリペチドまたは他の分子を指す。最近開発された分子検出法は、これらの分子の大部分を測定することを可能にし、疾患を検出、予防および治療する目標とされた新しい方法の一領域への道を開いた。このような方法を効果的に実施するためには、数百または数千の異なる化合物の混合物から、しばしば低濃度の個々の分子またはマーカを識別できることが必要である。
【0004】
バイオアッセイの選択の方法として、質量分析法の使用はゲル(gel)に取って代わりつつある。例示的な質量分析構成には、マトリックス支援レーザ脱離/イオン化質量分析法(matrix assisted laser desorption/ionization mass spectrometry:MALDI)(例えば米国特許第5,118,937号および米国特許第5,045,694号参照)、および表面増強レーザ脱離/イオン化質量分析法(surface enhanced laser desorption/ionization mass spectrometry:SELDI)(例えば米国特許第5,719,060号参照)が含まれる。細胞機能のわずかな変化を包括的に検出、監視する他の技術に優る質量分析の大きな利点は、数マイクロリットルの生物流体中の数千の要素を迅速かつ安価に測定できることである。例えば、改変された遺伝子に起因する癌などの疾患過程は、ポリペチドとして血液とともに循環する改変されたタンパク質生成物および様々なサイズの他の分子を生み出す。質量分析は、このような生成物の検出、ならびにその後の疾患の診断および分析を可能にする。
【0005】
血清などの複雑な流体の多くの質量分析パターンは、視覚的な分析を拒むが、疾患でない人と比較したときの疾患の人の質量分析パターンのわずかな相違を区別するために、コンピュータによる方法が使用された。アッセイの感度を向上させる努力の結果、いくつかの質量分析構成を生物関連試料の分析に使用することができるようになった。質量分析技法のこれらの技術革新に加え、分析物を吸着する基板(「チップ」)も開発され、早期の設計には改良が加えられている。しかしながら、質量分析アッセイの感度を許容されるレベルまで高めるには、これらの方法は現在のところ、まだ不十分である。
【0006】
したがって、質量分析アッセイが、疾患の早期診断法、疾患を予測する方法、疾患の進行または治療に対する反応を監視する方法、および特定の治療の恩恵を受けると思われる患者を識別する方法において使用されるときに、質量分析アッセイの感度を高める方法が必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、早期予測、検出およびヒトの疾患の治療に対する反応において使用される質量スペクトルデータのピークの識別を向上させる方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態は、疾患の確率を決定する方法を含む。この方法は、ホールアレイフィルタで生物流体を濾過するステップと、濾過された生物流体から質量スペクトルデータを生成するステップと、質量スペクトルデータをデータベースと比較するステップとを含むことができる。
【0009】
本発明の他の実施形態は、疾患治療に対する反応を予測する方法を含む。この方法は、疾患Aの治療に反応する集団からの第1の試料セットから、第1の試料セットをホールアレイフィルタで濾過した後に、第1の質量スペクトルデータセットを生成するステップと、疾患Aの同じ治療に反応しない集団からの第2の試料セットから、第2の試料セットをホールアレイフィルタで濾過した後に、第2の質量スペクトルデータセットを生成するステップとを含むことができる。この方法はさらに、第1の質量スペクトルデータセットと第2の質量スペクトルデータセットの対応するピークを比較するステップを含むことができ、対応するピークが異なっていることが、これらのピークが、疾患Aの治療に対して反応する可能性を示す少なくとも1つのマーカを表すことを示す。少なくとも1つのマーカを識別した後に、その少なくとも1つのマーカを、疾患治療に対して反応する可能性を予測するために使用することができる。一実施形態では、第1の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタの構造と、第2の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタの構造が実質的に同じである。他の実施形態では、第1の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタと、第2の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタとが別個のホールアレイフィルタである。他の実施形態では、試料がそれぞれ別個のホールアレイフィルタで濾過される。
【0010】
本発明の他の実施形態は、質量分析法のピークの識別を向上させる方法を含む。この方法は、ホールアレイフィルタで試料を濾過するステップと、この試料から質量スペクトルデータを生成するステップとを含むことができる。
【0011】
本発明の他の実施形態は、疾患検出の感度および特異度を増大させる方法を含むことができる。この方法は、疾患Aを有する集団からの第1の生物流体試料セットから、第1の生物流体試料セットをホールアレイフィルタで濾過した後に、第1の質量スペクトルデータセットを生成するステップと、疾患Aを持たない集団からの第2の生物流体試料セットから、第2の生物流体試料セットをホールアレイフィルタで濾過した後に、第2の質量スペクトルデータセットを生成するステップとを含むことができる。この方法はさらに、第1の質量スペクトルデータセットと第2の質量スペクトルデータセットとを比較するステップを含むことができ、第1の質量スペクトルデータセットと第2の質量スペクトルデータセットの対応するピークが異なっていることが、少なくとも1つの疾患A陰性マーカを示す。一実施形態では、第1の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタの構造と、第2の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタの構造が実質的に同じである。他の実施形態では、第1の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタと、第2の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタとが別個のホールアレイフィルタである。他の実施形態では、試料がそれぞれ別個のホールアレイフィルタで濾過される。
【0012】
さらに、本発明の一実施形態は、疾患治療に対する反応を予測するために生物流体を濾過する器具であって、少なくとも1つのホールアレイフィルタを含む器具を含むことができる。疾患Aの治療に反応する集団からの第1の試料セットを、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過することができ、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過された後に、第1の試料セットから、第1の質量スペクトルデータセットを生成することができる。さらに、疾患Aの同じ治療に反応しない集団からの第2の試料セットを、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過することができ、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過された後に、第2の試料セットから、第2の質量スペクトルデータセットを生成することができる。さらに、第1の質量スペクトルデータセットと第2の質量スペクトルデータセットの対応するピークを比較することができ、対応するピークが異なっていることが、これらのピークが、疾患Aの前記治療に対して反応する可能性を示す少なくとも1つのマーカを表すことを示すことができる。一実施形態では、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタが、それぞれが実質的に同じ構造を有する少なくとも1つの第1のホールアレイフィルタと、少なくとも1つの第2のホールアレイフィルタとを含む。前記少なくとも1つの第1のホールアレイフィルタを使用して第1の試料セットを濾過することができ、前記少なくとも1つの第2のホールアレイフィルタを使用して第2の試料セットを濾過することができる。試料はそれぞれ別個のホールアレイフィルタで濾過することができる。
【0013】
さらに、本発明の一実施形態は、濾過された生物流体の質量スペクトルデータを測定することによって疾患を検出するために生物流体を濾過する器具であって、少なくとも1つのホールアレイフィルタを含む器具を含むことができる。疾患Aを有する集団からの第1の生物流体試料セットを、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタで濾過することができ、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過した後に、第1の生物流体試料セットから、第1の質量スペクトルデータセットを生成することができる。さらに、疾患Aを持たない集団からの第2の生物流体試料セットを、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過することができ、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過した後に、第2の生物流体試料セットから、第2の質量スペクトルデータセットを生成することができる。さらに、第1の質量スペクトルデータセットと第2の質量スペクトルデータセットとを比較することができ、第1の質量スペクトルデータセットと第2の質量スペクトルデータセットの対応するピークが異なっていることが、少なくとも1つの疾患A陰性マーカを示すことができる。一実施形態では、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタが、それぞれが実質的に同じ構造を有する少なくとも1つの第1のホールアレイフィルタと、少なくとも1つの第2のホールアレイフィルタとを含む。前記少なくとも1つの第1のホールアレイフィルタを使用して第1の試料セットを濾過することができ、前記少なくとも1つの第2のホールアレイフィルタを使用して第2の試料セットを濾過することができる。試料はそれぞれ別個のホールアレイフィルタで濾過することができる。
【0014】
さらに、本発明の一実施形態は、質量分析法のピークの識別を向上させるために生物流体を濾過する器具であって、ホールアレイフィルタを含む器具を含むことができる。このホールアレイフィルタで生物流体試料を濾過することができ、濾過された試料から質量スペクトルデータを生成することができる。
【0015】
さらに、本発明の一実施形態は、疾患を検出するために少なくとも1つの陰性マーカを検出する方法を含むことができる。この方法は、その疾患を有する集団からの第1の生物流体試料セットから、第1の生物流体試料セットをホールアレイフィルタで濾過した後に、第1の質量スペクトルデータセットを生成するステップと、その疾患を持たない集団からの第2の生物流体試料セットから、第2の生物流体試料セットをホールアレイフィルタで濾過した後に、第2の質量スペクトルデータセットを生成するステップとを含むことができる。この方法はさらに、第1の質量スペクトルデータセットと第2の質量スペクトルデータセットとを比較するステップを含むことができ、第1の質量スペクトルデータセットと第2の質量スペクトルデータセットの対応するピークが異なっていることが、その疾患を検出する少なくとも1つの陰性マーカを示す。一実施形態では、第1の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタの構造と、第2の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタの構造が実質的に同じである。他の実施形態では、第1の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタと、第2の試料セットが濾過されるホールアレイフィルタとが別個のホールアレイフィルタである。他の実施形態では、試料がそれぞれ別個のホールアレイフィルタで濾過される。
【0016】
さらに、本発明の一実施形態は、被検者の疾患を検出する方法を含むことができる。この方法は、直前の段落において説明された方法によって検出された少なくとも1つの陰性マーカを、被検者の疾患を検出する診断マーカとして利用するステップを含むことができる。特定の一実施形態では、この方法が、被検者からの生物流体試料をホールアレイフィルタで濾過するステップと、前記少なくとも1つの陰性マーカの量(1つまたは複数)を評価するために、濾過された生物流体から質量スペクトルデータを生成するステップとを含むことができる。この実施形態では、この方法がさらに、前記少なくとも1つの陰性マーカの量(1つまたは複数)に基づいて、被検者の疾患を診断するステップを含むことができる。
【0017】
本発明のこれらの目的および利点、ならびに他の目的および利点は、以下の説明、添付図面および添付の特許請求の範囲から明白となるであろう。
【0018】
本明細書の結論は、本発明を具体的に指摘し、本発明に係る特許権を明確に請求する請求項に示されているが、この結論は、添付図面を参照して以下の説明を読むことによってより十分に理解されるであろう。添付図面は、本発明を実施するために現時点で企図される最良の形態を非限定的に示す。添付図面では、全図面を通じて、同様の参照符号は同様の部分を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明の様々な実施形態が示されたこれらの図面を参照して、本出願の開示をより詳細に説明する。しかしながら、本出願の開示の内容は、多くの異なる形態で具体化することができるのであり、本出願の開示の内容が、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈してはならない。
【0020】
質量スペクトルデータを増強する方法を説明する。分かりやすく説明するため、本発明の原理は、本発明の例示的な様々な実施形態を参照することによって説明する。本明細書では特に、本発明の好ましい実施形態が開示されるが、当業者は、この同じ原理を、他の構成および方法に対して等しく使用でき、他の構成および方法によって実現できること、ならびにこのような変形形態は、本発明の範囲を逸脱しない変更の範囲に含まれることを容易に認識するであろう。当然ながら本発明は、示された特定の実施形態以外の実施形態でも実施できるため、本発明の開示の実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、その応用において、示された特定の実施形態の細部には限定されないことを理解されたい。本明細書で使用される用語は説明を目的としたものであり、限定を目的にしたものではない。また、いくつかの方法は、ある順序で本明細書に記載されるいくつかのステップに関して説明されるが、多くの場合、これらのステップは、当業者が理解することができる任意の順序で実行することができ、これらの方法は、本明細書に開示されるステップの特定の順序に限定されない。
【0021】
上記の背景技術の項に示された必要性、ならびに以下の説明から明白になる他の必要性および目的は、本発明において達成される。本発明は、限定はされないが、疾患を予測し、検出する方法、および疾患の治療に対する反応を予測する方法を含む。本発明は、限定はされないが、肺癌、膵臓癌、膀胱癌などの疾患を予測、検出し、これらの疾患の治療に対する反応を予測するのに特に有効である。これは、本発明が利用する原理の1つが、試料中の不必要な物質の除去に関し、この除去の結果、より良好なピークの生成およびよりノイズのないデータが達成されるからである。そのため、本発明のフィルタおよび方法は特定の疾患に限定されない。
【0022】
最初に、正常な(normal)流体と、本明細書では疾患Aとして識別されるある疾患を有するヒトの流体との間の相違を見つけるため、質量分析クロマトグラムを比較した。本開示ではクロマトグラムが例示されるが、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく、任意の頻度対時間プロットの使用および分析を利用することができることを当業者は理解されたい。これにはスペクトログラムが含まれる。ただしこれに限定されるわけではない。
【0023】
違いは小分子領域にはなく、タンパク質領域にあると考えられたため、本発明では、高分子領域に絞ってクロマトグラムを比較した。しかし、高分子領域において特にピークの相違を識別することはできなかった。そのため、2つの流体間の相違を低分子領域で見つけることを試みた。図2-1から2-19にピークAおよびBとして標識されたスポットでは、正常な流体クロマトグラムと疾患Aの流体クロマトグラムとの間にかなりの相違が識別された。正常血清のクロマトグラムは、AおよびBに対応するスポットに高いピークを示すが、疾患Aの流体クロマトグラムは、それらのスポットにおいてピークを一切示さないか、または小さなピークしか示さない。
【0024】
本発明の他の態様では、特定の化学療法に対して反応した群とその化学療法に反応しなかった群との間で質量分析クロマトグラムを比較した。反応しなかった人のうちのかなりの数の人に、ピークが識別された。これらの結果は図5-1から5-34に示されている。
【0025】
上記のアッセイによって生成されたデータは有用であったが、これらのデータを改善することができることが判明した。以外にも、生物流体を精製するステップは、バイオマーカを示すピークの有無を検出する能力を向上させることが分かった。血清の精製にはホールアレイフィルタ(hole array filter)を使用した。この濾過の結果、本明細書で論じられるとおり、本発明に基づくフィルタの使用の後に、感度は10%増大し、特異度は25%増大した。
【0026】
本発明で使用されるフィルタは、厚さ3から20μmのケイ素膜に形成された孔(ホール(hole))のアレイ(array)を含むことができる。この膜の厚さは約6〜10μmであることが好ましい。この厚さが6μm未満である場合、ホールアレイ(hole array)領域は非常にもろくなる可能性がある。この厚さが10μmを超える場合には、孔の表面領域Aの抵抗により濾過時間が長くなる可能性がある。厚さが10μmを超えると、なめらかな孔を形成する困難さが増す可能性もある。ホールアレイのサイズは1mm×1mmから10mm×10mmまでとすることができる。この領域が1mm×1mmよりも小さい場合、フィルタを通過する生物流体の量が、十分なデータを生成するのには不十分なものとなる可能性がある。この領域が10mm×10mmよりも大きい場合には、生物流体の量が大きくなりすぎる可能性があり、また、フィルタがより高価になる可能性もある。アレイの孔のサイズは約1μmから20μmとすることができ、約1〜10μmであることが好ましい。この場合、用語「サイズ」は、円形の孔では直径を指し、四角形の孔では対角線を指す。このサイズが1μm未満である場合、負圧が加えられたときに、フィルタのホールアレイ領域が破壊される可能性がある。このサイズが10μmよりも大きい場合には、生物流体の不必要な化合物がフィルタの孔を通過しやすくなる可能性があり、濾過過程が不十分になる可能性がある。ホールピッチ、すなわち孔と孔の間の距離は、孔のサイズの約3倍(好ましくは3〜30μm)とすることができるが、用途によっては、孔のサイズの3倍よりも大きく、または小さくすることができる(図3aおよび3b参照)。
【0027】
本発明に基づくホールアレイフィルタは主に2つの領域、すなわちホールアレイを含む薄い領域とフィルタの剛性を高める外側の厚い領域とからなることができる。当業者なら理解するように、フィルタの材料は堅い材料とすることができ、設計されたとおりのパターンに容易に加工することができる。フィルタ材料には、限定はされないが、金属材料、半導体材料などの材料が含まれる。一例は、Si(厚い層)/SiO2/Si(ホールアレイを含む薄い層)である。Si(厚い層)がSi(ホールアレイを含む薄い層)に向かって次第に薄くなっている場合、ホールアレイフィルタを通過する生物流体の流れはより円滑になる。ホールアレイフィルタに使用することができる他の材料はNi/Cuである。ホールアレイフィルタの材料は堅くなければならず、設計されたサイズに一致した均一に形成された孔を有していなければならない。
【0028】
本発明で使用されるフィルタは、リソグラフィまたはフィルタ製作の分野で知られている任意の方法によって製作することができる。例示的な一方法では、出発原料として、厚さ約575μmのケイ素基板を使用することができる。次いで、この基板の片面に、化学蒸着(CVD)などの一般的な方法を使用することによって、または酸素を含むプラズマに当てることにより基板の表面部分をさらに酸化させることによって、薄い二酸化ケイ素層を形成することができる。この二酸化ケイ素層の厚さは約2μmとすることができる。この酸化層上に、CVD、薄膜結晶化(thin film crystallization)などの方法によって、薄いケイ素層を形成することができる(図4A参照)。次いで、この薄い結晶ケイ素膜が基板の下面ないし裏面にくるように、基板を裏返すことができる。このケイ素は、厚さ数オングストローム程度の非常に薄い二酸化ケイ素層を自然に発達させる。この基板は一般に、シリオンオンアイソレータ(Silicon On Isolator:SOI)基板と呼ばれる。
【0029】
このSOIの表面をレジスト材料でコーティングすることができる。レジスト材料は、後続のプロセスにおいて紫外光などの光で露光するときにはフォトレジスト、電子ビームで露光するときには電子ビームレジストとすることができる。次いで、このレジストの表面に、またはこのレジストの近くに、パターン形成されたマスクを配置することができる。次に、紫外光、電子ビームなどのイオン化放射を、パターン形成されたマスク越しにレジストに照射することができる。マスクが取り外された後、溶剤などの除去材料によって、レジストの不必要なパターン部分を除去することができる。最後に、すべてのレジストを除去した後に図4Bに示されているような成形されたあるホールアレイが残るように、乾式または湿式プロセスを使用してSi層をエッチングすることができる。このような場合には、二酸化ケイ素層がエッチング停止層の働きをする。
【0030】
次いで、ホールアレイの表面を含む基板の表面全体に保護層を付着させることができる(図4C)。次いで、基板の上面の、その下のホールアレイに関して対称に配置された、孔よりも幅広い保護層の部分を、マスク/レジストエッチングプロセスによって除去することができる(図4D)。次いで、露出した基板を、酸化層に達するまでウェットエッチングして、図4Eに示されているように、その下のホールアレイの周囲の酸化層および露出したケイ素基板の傾斜した側壁を露出させることができる。次いで、図4Fに示されているように、保護層の残りの部分を、ウェットまたはドライエッチングプロセスによって除去することができる。次いで、図4Gに示されているように、酸化層の露出部分を、ウェットまたはドライエッチングプロセスによって除去して、フィルタを完成させることができる。
【0031】
本発明に基づくフィルタは、限定はされないがNi/Cuを含む他の材料で製作することもできる。当業者なら理解することだが、このようなフィルタを形成するのに使用されるステップは上記のステップと同様であり、それらのステップは図9に示されている。
【0032】
特定のステップおよびプロセスを使用して、本発明で使用されるフィルタの形成を説明したが、それらのステップおよびプロセスは例にすぎない。当技術分野ではよく知られているように、薄いケイ素層にホールアレイを形成する任意のプロセスを使用することができる。また、様々な層の厚さおよび孔のサイズ、ならびに孔と孔の間の距離は単に例として示されたものであり、これらに限定しようとする意図はまったくない。また、語「孔」は、特定の形状の空隙に限定されるものではなく、円形、四角形、三角形または他の任意の形状をとることができる。そのため、孔の断面が円筒形である必要はない。さらに、フィルタは一般的な任意のフィルタ材料を含むことができるため、フィルタ材料はケイ素に限定されない。
【0033】
本発明の実施形態では、適当な任意の生物試料を使用することができることにも留意されたい。生物試料には、組織(例えば生検による)、血液、血清、血漿、乳頭吸引物(nipple aspirate)、尿、涙、唾液、細胞、軟および硬組織、器官、精液、便などが含まれる。生物試料は、真核生物、原核生物またはウイルスを含む適当な任意の生物から得ることができる。
【0034】
生物試料には、ポリペチド、タンパク質、核酸、酵素、DNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、炭水化物、オリゴ糖、多糖などの高分子;核酸断片、ペプチド断片、タンパク質断片などの上記生物高分子の断片;核酸複合体、タンパク質-DNA複合体、レセプタ-リガンド複合体、酵素-基質、酵素阻害物質、ペプチド複合体、タンパク質複合体、炭水化物複合体、多糖複合体などの上記生物高分子の複合体;アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ステロイド、脂質、金属イオン、薬物、ホルモン、アミド、アミン、カルボン酸、ビタミンおよび補酵素、アルコール、アルデヒド、ケトン、脂肪酸、ポルフィリン、カロテノイド、植物成長調節物質、リン酸エステル、ヌクレオシド二リン酸などの生物小分子;薬物としてまたは治療上有効な作用物質、単量体、ペプチド類似体、ステロイド類似体、阻害物質、突然変異原、発癌物質、抗有糸分裂薬、抗生物質、イオノフォア、代謝拮抗物質、アミノ酸類似体、抗菌物質、輸送阻害物質、表面活性物質(界面活性物質)、ミトコンドリアおよびクロロプラスト機能阻害物質、電子供与体、担体および受容体、プロテアーゼの合成基質、ホスファターゼの基質、エステラーゼおよびリパーゼの基質、タンパク質修飾試薬などの合成小分子;ならびに合成重合体、オリゴマーおよび共重合体を含む生物分子が含まれる。生物試料にはさらに、上に具体的に挙げた物質の適当な混合物または組合せを含めることができる。
【0035】
本発明の濾過法をより十分に最適化し、その特徴を明らかにするため、下表に示したホールアレイフィルタについて、試料を浄化し、それによって本発明の方法の感度および特異度を向上させるフィルタの能力を評価した。
【表1】

【0036】
上記のフィルタをそれぞれ使用して血清試料を濾過した。MALDI-TOF-MSによる評価によれば、浄化効果には以下の傾向が見られた:1-11P>5-10P>5-20P>5-55P>10-40P>10-110P。すなわち、試験した試料に関しては、フィルタ1-11Pの浄化効果が最も高かった。しかしながら、これらの累進的な濾過レベルはそれぞれ、以前の濾過レベルと比較して、質量イオン種を表すピークを識別する能力を増大させた。したがって、これらのフィルタによって濾過された試料の質量スペクトルデータは、濾過されてない試料に比べて、潜在的な目的ピーク(例えば種々の分子の質量電荷比に対応するスペクトルピーク)に対する分解能が高く、すなわちシグナル対ノイズ比が高い。
【0037】
孔径2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μmおよび9μmのホールアレイフィルタの浄化効果も評価した。これらの実験の結果が図10a〜10eに示されている。図10aは、直径2μmのホールアレイフィルタによって濾過された癌血清試料のクロマトグラムである。図10bは、直径5μmのホールアレイフィルタによって濾過された癌血清試料のクロマトグラムである。図10cは、直径9μmのホールアレイフィルタによって濾過された癌血清試料のクロマトグラムである。図10dは、直径3μm、4μm、5μm、6μm、7μmおよび8μmのホールアレイフィルタによって濾過された癌血清試料のクロマトグラムである。図10eは、直径3μm、4μm、5μm、6μm、7μmおよび8μmのホールアレイフィルタによって濾過された正常血清試料のクロマトグラムである。一部の2μmフィルタは、濾過工程中に負圧が加えられたときに破壊された。これはおそらく、フィルタ層が生物流体によって覆われたときに、小さな孔が、フィルタ層内により大きな圧力を生じさせるためであると思われる。しかしながら、残りの2μmフィルタは試料のシグナル対ノイズ比を向上させた。
【0038】
9μm孔のフィルタは、それよりも孔の小さなフィルタよりも濾過効果が小さい傾向がある。ある場合には、これが、より大きな孔によって、生物流体中のシグナル対ノイズ比を低下させる物質(例えば分子)がより多くフィルタを通過することができることによる。しかしながら、他の場合には、より大きな孔のフィルタでも、ノイズ原因物質を十分に除去して、目的とする潜在的ピークの分解能を増大させるのに十分であることができる。それでもなお、この評価は、孔のサイズが2から9μmのフィルタが十分に機能することを示した。これは、最終データ中の関連ピークを増大させるのに十分な量のノイズ原因物質が濾過によって除かれたためである。
【0039】
以下の実施例1-4は、本発明の方法および器具を使用した特定の血清試験および分析を示す。これらの実施例はそれぞれ図1に示された方法を利用する。図1に示されているように、生物流体1をフィルタ2で濾過し、その結果得られた試料を集め、質量分析3用に調製する。次いで、この試料を質量分析プレート4上にロードし、質量分析計5にかける。次いで、質量分析データを、下記の実施例で論じられるとおりに分析する。これらの実施例はそれぞれ特定の疾患および試験環境に対するものであるが、これらの実施例は単に例示のために提供されるのであって、これらの実施例に、本発明の範囲および適用可能性を限定する意図はないことを当業者は理解する。
【実施例1】
【0040】
以下の議論は、上で論じた発明に基づく器具および方法を使用して実行した特定の肺癌スクリーニングについて論じる。MALDI-TOF-MSを使用して、血清中の異なるタンパク質/ペプチドパターンを表すスペクトル試料データセットを生成した。外科的手技の前に、臨床検査において、肺癌患者の血清または健康な対照の血清を得た。最終的な診断はすべて組織病理学的に確認した。対照はすべて肺癌に関してハイリスクであったが、臨床症状およびCTスキャン検査に基づく肺癌の証拠はなかった。
【0041】
質量分析計によって評価するため、血清試料のマトリックスを形成することによって血清を調製した。質量分析計マトリックスは、50%アセトニトリル-0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解した飽和α-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸を含む。血清を0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:1000に希釈した。画定された384個の領域を有する試料プレートの画定されたそれぞれの領域上にマトリックス0.5μLを置き、それらの画定された領域にそれぞれの個人の血清0.5μLを加え、続いて空気乾燥した。データの解釈を正確にするため、試料および試料プレート上の試料の位置を記録した。Kratos Analytical Inc.社製のAxima-CFR MALDI-TOF質量分析計を使用した。この機器を以下の仕様に設定した:チューナモード、リニア(linear);質量範囲、0から約5,000;レーザパワー、90;プロファイル、100;スポットあたりショット数、5。質量分析計の出力を、試料データセットの形態でコンピュータの記憶装置に記憶した。
【0042】
フィルタにかける前に、血清を0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:10に希釈した。Micro Amp 8ストリップチューブからマイクロチューブを1つずつ切断した。直径0.9mm以下の針(Becton Dickinson 20Gl)を使用して、マイクロチューブの底部に孔をあけた。この孔のあいたマイクロチューブを、ゲルパック(gel-pak)吸引装置(空気ポンプ)の金属プレート上に置き、孔を、空気ポンプの気流方向と同じ方向に調整した。マイクロチューブの上にフィルタを置いた。フィルタの上部に血清20μLをロードした。血清溶液は広がり、フィルタの内側の四角い部分を満たした。空気ポンプを手動でポンピングすることによって負の気流を作用させた。フィルタからマイクロチューブへ滴下した血清溶液を集め、新しいチューブに移した。濾過された血清をさらに、0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:100に希釈した。画定された384個の領域を有する試料プレートの画定されたそれぞれの領域上にマトリックス0.5μLを置き、それらの画定された領域にそれぞれの個人の血清0.5μLを加え、続いて空気乾燥した。データの解釈を正確にするため、試料および試料プレート上の試料の位置を記録した。Kratos Analytical Inc.社製のAxima-CFR MALDI-TOF質量分析計を使用した。この機器を以下の仕様に設定した:チューナモード、リニア;質量範囲、0から約5,000;レーザパワー、90;プロファイル、100;スポットあたりショット数、5。質量分析計の出力を、試料データセットの形態でコンピュータの記憶装置に記憶した。
【0043】
正常血清データと肺癌血清データの比較を図2-1から2-19に示す。濾過前および濾過後の正常試料は図2-1から2-11に示されており、濾過前および濾過後の肺癌(「疾患A」)試料は図2-12から2-19に示されている。また、図6a-1から6a-32は、肺癌患者の濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムを示し、図6b-1から6b-34は、正常者(normal patient)の濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムを示す。
【0044】
最初に、正常血清および肺癌血清を濾過前条件で試験した。11の正常血清および8つの肺癌血清を前述と同じ方法によって処理し、図に示されたクロマトグラムプロファイルを得た。これらのクロマトグラムプロファイルを固定範囲で比較したところ、図2-1から2-19の点AおよびBに対応するスポットにおいて、正常血清と肺癌血清の間にかなりの相違が見られた。これらの図に示されているように、点Aは、質量/電荷比456に対応し、点Bは、質量/電荷比472に対応する。これらの図に示されているように、正常血清のクロマトグラムはスポットAおよびBにピークを示した。しかし、肺癌血清のクロマトグラムは、スポットAおよびBのピークを実質的に示さなかった。
【0045】
正常血清の場合、図2-1から2-11に示すように、11のうち10の試料がスポットAのピークを示した。11のうち6つの試料はスポットBにピークを示す。しかし、肺癌血清の場合には、図2-12から2-19に示すように、8つの試料すべてがスポットAおよびBのピークを示さない。下表はこれらの結果をまとめたものである。
【表2】

【0046】
次に、濾過後の正常血清データおよび肺癌血清データを試験した。正常血清および肺癌血清は、前述の方法と同じ濾過法によって処理した。クロマトグラムプロファイルは、濾過された血清から調製した。正常血清のクロマトグラムプロファイルを固定範囲で比較したところ、11の試料すべてがスポットAのピークを示し、11のうち7つの試料がスポットBにピークを示した。しかし、肺癌血清の場合、結果は、濾過前のデータと同じであった。図2-12から2-19に示されているように、8つの試料すべてがスポットAおよびBのピークを示さなかった。下表はこれらの結果をまとめたものである。
【表3】

【0047】
肺癌血清の場合には、血清を濾過した後に、スポットAおよびBの低いピークが低減されまたは排除されたことに留意されたい。言い換えると、フィルタの使用は、肺癌を患っている人の血清と肺癌に罹っていない人の血清の質量スペクトログラムの相違を際立たせた。このことはピークの検出を向上させた。
【0048】
図2-1から2-19および6a-1から6b-34に示されたデータは、フィルタの使用が、濾過前のクロマトグラムと濾過後のクロマトグラムとの間の相違を際立たせることを示している。この強化はピークの検出を向上させる。
【0049】
具体的には、上記の表に示されたデータおよび図2-1から2-19に示されたクロマトグラムは、試料の濾過の結果、正常クロマトグラムにおいて、スポットAにおける感度が10パーセント増大し、スポットBにおける感度が9パーセント増大したことを示している。これらの表に示されているように、濾過前には、11の正常クロマトグラムのうち10のクロマトグラムでスポットAのピークが示され、濾過後には、すべての正常クロマトグラムがスポットAにピークを示した。同様に、濾過前には、11の正常クロマトグラムのうち6のクロマトグラムでスポットBのピークが示され、濾過後には、7つの正常クロマトグラムがスポットBのピークを示した。
【0050】
さらに、これらの図に示されたデータは、この疾患を有する試料のクロマトグラムの特異度の増大を示している。濾過前肺癌試料8つのうち6つ(図2-12、2-14、2-16、2-17、2-18および2-19)は、スポットAにピークを示している。しかし、濾過後、これらのピークはもはや存在しない。したがって、スポットAの検出特異度において、特異度の25パーセントの増大が実現された。
【0051】
上記の実施例は特に肺癌について論じているが、本発明を特定の疾患に限定する意図はないことを当業者は理解されたい。本発明は、正常者の質量クロマトグラムと比べて質量クロマトグラムに差がある可能性がある任意の疾患に対して適用可能である。疾患の例には、限定はされないが、呼吸、胃腸、腎臓、CNS、内分泌および血液系の癌、あるいは、生物流体(例えば血液および血液派生物、尿、脳脊髄液、痰、洗浄液)に含まれる分子に潜在的な変化がある他の疾患または疾患過程(例えば壊死、細胞消滅)が含まれる。このような生物分子には、限定はされないが、ポリペチド、タンパク質、核酸、酵素、DNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、炭水化物、オリゴ糖、多糖などの高分子、生物高分子の断片(例えば核酸断片、ペプチド断片およびタンパク質断片)、生物高分子の複合体(例えば核酸複合体、タンパク質-DNA複合体、レセプタ-リガンド複合体、酵素-基質、酵素阻害物質、ペプチド複合体、タンパク質複合体、炭水化物複合体および多糖複合体)、アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ステロイド、脂質、金属イオン、薬物、ホルモン、アミド、アミン、カルボン酸、ビタミンおよび補酵素、アルコール、アルデヒド、ケトン、脂肪酸、ポルフィリン、カロテノイド、植物成長調節物質、リン酸エステル、ヌクレオシド二リン酸などの生物小分子、薬物としてまたは治療上有効な作用物質、単量体、ペプチド類似体、ステロイド類似体、阻害物質、突然変異原、発癌物質、抗有糸分裂薬、抗生物質、イオノフォア、代謝拮抗物質、アミノ酸類似体、抗菌物質、輸送阻害物質、表面活性物質(界面活性物質)、ミトコンドリアおよびクロロプラスト機能阻害物質、電子供与体、担体および受容体、プロテアーゼの合成基質、ホスファターゼの基質、エステラーゼおよびリパーゼの基質、タンパク質修飾試薬などの合成小分子;ならびに合成重合体、オリゴマーおよび共重合体などが含まれる。生物試料にはさらに、上述の物質の適当な混合物または組合せを含めることができる。
【実施例2】
【0052】
以下の議論は、上で論じた発明に基づく器具および方法を使用して実行した特定の膵臓癌スクリーニングについて論じる。MALDI-TOF-MSを使用して、血清中の異なるタンパク質/ペプチドパターンを表すスペクトル試料データセットを生成した。外科的手技の前に、臨床検査において、膵臓癌患者の血清または健康な対照の血清を得た。最終的な診断はすべて組織病理学的に確認した。対照はすべて膵臓癌に関してハイリスクであったが、臨床症状およびCTスキャン検査に基づく膵臓癌の証拠はなかった。
【0053】
質量分析計によって評価するため、血清試料のマトリックスを形成することによって血清を調製した。質量分析計マトリックスは、50%アセトニトリル-0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解した飽和α-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸を含む。血清を0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:1000に希釈した。画定された384個の領域を有する試料プレートの画定されたそれぞれの領域上にマトリックス0.5μLを置き、それらの画定された領域にそれぞれの個人の血清0.5μLを加え、続いて空気乾燥した。データの解釈を正確にするため、試料および試料プレート上の試料の位置を記録した。Kratos Analytical Inc.社製のAxima-CFR MALDI-TOF質量分析計を使用した。この機器を以下の仕様に設定した:チューナモード、リニア;質量範囲、0から約5,000;レーザパワー、90;プロファイル、100;スポットあたりショット数、5。質量分析計の出力を、試料データセットの形態でコンピュータの記憶装置に記憶した。
【0054】
フィルタにかける前に、血清を0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:10に希釈した。Micro Amp 8ストリップチューブからマイクロチューブを1つずつ切断した。直径0.9mm以下の針(Becton Dickinson 20Gl)を使用して、マイクロチューブの底部に孔をあけた。この孔のあいたマイクロチューブを、ゲルパック吸引装置(空気ポンプ)の金属プレート上に置き、孔を、空気ポンプの気流方向と同じ方向に調整した。マイクロチューブの上にフィルタを置いた。フィルタの上部に血清20μLをロードした。血清溶液は広がり、フィルタの内側の四角い部分を満たした。空気ポンプを手動でポンピングすることによって負の気流を作用させた。フィルタからマイクロチューブへ滴下した血清溶液を集め、新しいチューブに移した。濾過された血清をさらに、0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:100に希釈した。画定された384個の領域を有する試料プレートの画定されたそれぞれの領域上にマトリックス0.5μLを置き、それらの画定された領域にそれぞれの個人の血清0.5μLを加え、続いて空気乾燥した。データの解釈を正確にするため、試料および試料プレート上の試料の位置を記録した。Kratos Analytical Inc.社製のAxima-CFR MALDI-TOF質量分析計を使用した。この機器を以下の仕様に設定した:チューナモード、リニア;質量範囲、0から約5,000;レーザパワー、90;プロファイル、100;スポットあたりショット数、5。質量分析計の出力を、試料データセットの形態でコンピュータの記憶装置に記憶した。
【0055】
実施例1に関して上で論じた肺癌スクリーニングと同様に、フィルタの使用は、濾過前と濾過後の膵臓癌のクロマトグラムのピークの存在間の相違を際立たせた。これらの結果は、当業者が、上で論じた肺癌スクリーニングの結果の検討と同じように図7-1から7-42を検討することによって明白となるであろう。明らかに、フィルタの使用は関連ピークの検出を向上させた。
【0056】
上記の実施例は特に膵臓癌について論じているが、本発明を特定の疾患に限定する意図はないことを当業者は理解されたい。本発明は、正常者の質量クロマトグラムと比べて質量クロマトグラムに差がある可能性がある任意の疾患に対して適用可能である。疾患の例には、限定はされないが、呼吸、胃腸、腎臓、CNS、内分泌および血液系の癌、あるいは、生物流体(例えば血液および血液派生物、尿、脳脊髄液、痰、洗浄液)に含まれる分子に潜在的な変化がある他の疾患または疾患過程(例えば壊死、細胞消滅)が含まれる。このような生物分子には、限定はされないが、ポリペチド、タンパク質、核酸、酵素、DNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、炭水化物、オリゴ糖、多糖などの高分子、生物高分子の断片(例えば核酸断片、ペプチド断片およびタンパク質断片)、生物高分子の複合体(例えば核酸複合体、タンパク質-DNA複合体、レセプタ-リガンド複合体、酵素-基質、酵素阻害物質、ペプチド複合体、タンパク質複合体、炭水化物複合体および多糖複合体)、アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ステロイド、脂質、金属イオン、薬物、ホルモン、アミド、アミン、カルボン酸、ビタミンおよび補酵素、アルコール、アルデヒド、ケトン、脂肪酸、ポルフィリン、カロテノイド、植物成長調節物質、リン酸エステル、ヌクレオシド二リン酸などの生物小分子、薬物としてまたは治療上有効な作用物質、単量体、ペプチド類似体、ステロイド類似体、阻害物質、突然変異原、発癌物質、抗有糸分裂薬、抗生物質、イオノフォア、代謝拮抗物質、アミノ酸類似体、抗菌物質、輸送阻害物質、表面活性物質(界面活性物質)、ミトコンドリアおよびクロロプラスト機能阻害物質、電子供与体、担体および受容体、プロテアーゼの合成基質、ホスファターゼの基質、エステラーゼおよびリパーゼの基質、タンパク質修飾試薬などの合成小分子;ならびに合成重合体、オリゴマーおよび共重合体などが含まれる。生物試料にはさらに、上述の物質の適当な混合物または組合せを含めることができる。
【実施例3】
【0057】
以下の議論は、上で論じた発明に基づく器具および方法を使用して実行した特定の膀胱癌スクリーニングについて論じる。MALDI-TOF-MSを使用して、尿中の異なるタンパク質/ペプチドパターンを表すスペクトル試料データセットを生成した。外科的手技の前に、臨床検査において、膀胱癌患者の尿または健康な対照の尿を得た。最終的な診断はすべて組織病理学的に確認した。対照はすべて膀胱癌に関してハイリスクであったが、臨床症状およびCTスキャン検査に基づく膀胱癌の証拠はなかった。
【0058】
質量分析計によって評価するため、尿試料のマトリックスを形成することによって試料を調製した。質量分析計マトリックスは、50%アセトニトリル-0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解した飽和α-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸を含む。尿試料を0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:1000に希釈した。画定された384個の領域を有する試料プレートの画定されたそれぞれの領域上にマトリックス0.5μLを置き、それらの画定された領域にそれぞれの個人の尿0.5μLを加え、続いて空気乾燥した。データの解釈を正確にするため、試料および試料プレート上の試料の位置を記録した。Kratos Analytical Inc.社製のAxima-CFR MALDI-TOF質量分析計を使用した。この機器を以下の仕様に設定した:チューナモード、リニア;質量範囲、0から約5,000;レーザパワー、90;プロファイル、100;スポットあたりショット数、5。質量分析計の出力を、試料データセットの形態でコンピュータの記憶装置に記憶した。
【0059】
フィルタにかける前に、尿を0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:10に希釈した。Micro Amp 8ストリップチューブからマイクロチューブを1つずつ切断した。直径0.9mm以下の針(Becton Dickinson 20Gl)を使用して、マイクロチューブの底部に孔をあけた。この孔のあいたマイクロチューブを、ゲルパック吸引装置(空気ポンプ)の金属プレート上に置き、孔を、空気ポンプの気流方向と同じ方向に調整した。マイクロチューブの上にフィルタを置いた。フィルタの上部に尿20μLをロードした。尿溶液は広がり、フィルタの内側の四角い部分を満たした。空気ポンプを手動でポンピングすることによって負の気流を作用させた。フィルタからマイクロチューブへ滴下した尿溶液を集め、新しいチューブに移した。濾過された尿をさらに、0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:100に希釈した。画定された384個の領域を有する試料プレートの画定されたそれぞれの領域上にマトリックス0.5μLを置き、それらの画定された領域にそれぞれの個人の尿0.5μLを加え、続いて空気乾燥した。データの解釈を正確にするため、試料および試料プレート上の試料の位置を記録した。Kratos Analytical Inc.社製のAxima-CFR MALDI-TOF質量分析計を使用した。この機器を以下の仕様に設定した:チューナモード、リニア;質量範囲、0から約5,000;レーザパワー、90;プロファイル、100;スポットあたりショット数、5。質量分析計の出力を、試料データセットの形態でコンピュータの記憶装置に記憶した。
【0060】
実施例1に関して先に論じた肺癌スクリーニングと同様に、フィルタの使用は、濾過前と濾過後の膀胱癌のクロマトグラムのピークの存在間の相違を際立たせた。これらの結果は、当業者が、図8-1から8-12(図8-1から8-6は、膀胱癌を有することが分かっている試料のクロマトグラムであり、図8-7から8-12は正常クロマトグラムである)を検討することによって明白となるであろう。明らかに、フィルタの使用は関連ピークの検出を向上させた。
【0061】
上記の実施例は特に膀胱癌について論じているが、本発明を特定の疾患に限定する意図はないことを当業者は理解されたい。本発明は、正常者の質量クロマトグラムと比べて質量クロマトグラムに差がある可能性がある任意の疾患に対して適用可能である。疾患の例には、限定はされないが、呼吸、胃腸、腎臓、CNS、内分泌および血液系の癌、あるいは、生物流体(例えば血液および血液派生物、尿、脳脊髄液、痰、洗浄液)に含まれる分子に潜在的な変化がある他の疾患または疾患過程(例えば壊死、細胞消滅)が含まれる。このような生物分子には、限定はされないが、ポリペチド、タンパク質、核酸、酵素、DNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、炭水化物、オリゴ糖、多糖などの高分子、生物高分子の断片(例えば核酸断片、ペプチド断片およびタンパク質断片)、生物高分子の複合体(例えば核酸複合体、タンパク質-DNA複合体、レセプタ-リガンド複合体、酵素-基質、酵素阻害物質、ペプチド複合体、タンパク質複合体、炭水化物複合体および多糖複合体)、アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ステロイド、脂質、金属イオン、薬物、ホルモン、アミド、アミン、カルボン酸、ビタミンおよび補酵素、アルコール、アルデヒド、ケトン、脂肪酸、ポルフィリン、カロテノイド、植物成長調節物質、リン酸エステル、ヌクレオシド二リン酸などの生物小分子、薬物としてまたは治療上有効な作用物質、単量体、ペプチド類似体、ステロイド類似体、阻害物質、突然変異原、発癌物質、抗有糸分裂薬、抗生物質、イオノフォア、代謝拮抗物質、アミノ酸類似体、抗菌物質、輸送阻害物質、表面活性物質(界面活性物質)、ミトコンドリアおよびクロロプラスト機能阻害物質、電子供与体、担体および受容体、プロテアーゼの合成基質、ホスファターゼの基質、エステラーゼおよびリパーゼの基質、タンパク質修飾試薬などの合成小分子;ならびに合成重合体、オリゴマーおよび共重合体などが含まれる。生物試料にはさらに、上述の物質の適当な混合物または組合せを含めることができる。
【実施例4】
【0062】
以下の議論は、本発明の様々な実施形態に基づく方法の使用を例示するために使用された特定の試験について論じる。MALDIT-OF-MSを使用して、血清中の異なる質量/電荷イオンピークを表すスペクトル試料データセットを生成した。これらのピークは、ポリペチド、タンパク質、核酸、酵素、DNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、炭水化物、オリゴ糖、多糖などの高分子、生物高分子の断片(例えば核酸断片、ペプチド断片およびタンパク質断片)、生物高分子の複合体(例えば核酸複合体、タンパク質-DNA複合体、レセプタ-リガンド複合体、酵素-基質、酵素阻害物質、ペプチド複合体、タンパク質複合体、炭水化物複合体および多糖複合体)、アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ステロイド、脂質、金属イオン、薬物、ホルモン、アミド、アミン、カルボン酸、ビタミンおよび補酵素、アルコール、アルデヒド、ケトン、脂肪酸、ポルフィリン、カロテノイド、植物成長調節物質、リン酸エステル、ヌクレオシド二リン酸などの生物小分子、薬物としてまたは治療上有効な作用物質、単量体、ペプチド類似体、ステロイド類似体、阻害物質、突然変異原、発癌物質、抗有糸分裂薬、抗生物質、イオノフォア、代謝拮抗物質、アミノ酸類似体、抗菌物質、輸送阻害物質、表面活性物質(界面活性物質)、ミトコンドリアおよびクロロプラスト機能阻害物質、電子供与体、担体および受容体、プロテアーゼの合成基質、ホスファターゼの基質、エステラーゼおよびリパーゼの基質、タンパク質修飾試薬などの合成小分子;ならびに合成高分子、オリゴマーおよび共重合体を含む生物分子を表すことができる。生物試料にはさらに、上述の物質の適当な混合物または組合せを含めることができる。
【0063】
質量分析計によって評価するため、血清試料のマトリックスを形成することによって血清を調製した。質量分析計マトリックスは、50%アセトニトリル-0.05%トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解した飽和α-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸を含む。血清を0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:1000に希釈した。画定された384個の領域を有する試料プレートの画定されたそれぞれの領域上にマトリックス0.5μLを置き、それらの画定された領域にそれぞれの個人の血清0.5μLを加え、続いて空気乾燥した。データの解釈を正確にするため、試料および試料プレート上の試料の位置を記録した。Kratos Analytical Inc.社製のAxima-CFR MALDI-TOF質量分析計を使用した。この機器を以下の仕様に設定した:チューナモード、リニア;質量範囲、0から約5,000;レーザパワー、90;プロファイル、100;スポットあたりショット数、5。質量分析計の出力を、試料データセットの形態でコンピュータの記憶装置に記憶した。
【0064】
フィルタにかける前に、血清を0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:10に希釈した。Micro Amp 8ストリップチューブからマイクロチューブを1つずつ切断した。直径0.9mm以下の針(Becton Dickinson 20Gl)を使用して、マイクロチューブの底部に孔をあけた。この孔のあいたマイクロチューブを、ゲルパック吸引装置(空気ポンプ)の金属プレート上に置き、孔を、空気ポンプの気流方向と同じ方向に調整した。マイクロチューブの上にフィルタを置いた。フィルタの上部に血清20μLをロードした。血清溶液は広がり、フィルタの内側の四角い部分を満たした。空気ポンプを手動でポンピングすることによって負の気流を作用させた。フィルタからマイクロチューブへ滴下した血清溶液を集め、新しいチューブに移した。濾過された血清をさらに、0.1%n-オクチルβ-D-グルコピラノシド中で1:100に希釈した。画定された384個の領域を有する試料プレートの画定されたそれぞれの領域上にマトリックス0.5μLを置き、それらの画定された領域にそれぞれの個人の血清0.5μLを加え、続いて空気乾燥した。データの解釈を正確にするため、試料および試料プレート上の試料の位置を記録した。Kratos Analytical Inc.社製のAxima-CFR MALDI-TOF質量分析計を使用した。この機器を以下の仕様に設定した:チューナモード、リニア;質量範囲、0から約5,000;レーザパワー、90;プロファイル、100;スポットあたりショット数、5。質量分析計の出力を、試料データセットの形態でコンピュータの記憶装置に記憶した。
【0065】
図5-1から5-34は、治療に対して反応を示した患者および治療に対して反応を示さなかった患者の濾過前試料と濾過後試料の比較を示す。図5-1から5-14は、タキソール(Taxol)ベースの化学療法に対して反応を示した患者の濾過前試料と濾過後試料を比較したクロマトグラムである。図5-15から5-34は、タキソールベースの化学療法に反応を示さなかった患者の濾過前試料と濾過後試料を比較したクロマトグラムである。これらのクロマトグラムの分析は、反応を示さなかった患者のうちのかなりの数の患者において、特定の点Cに、反応を示した患者には存在しないピークが存在することを明らかにした。これらの図に示されているように、点Cは、質量/電荷比491に対応する。この実施例では、点Cにおけるピークの存在が、タキソールベースの化学療法に対して無反応であることを示す。したがって、本発明の方法を使用して、濾過後のクロマトグラムが点Cのピークを示す患者は、タキソールベースの化学療法に対して反応を示さない患者であると予測することができると予測することができる。
【0066】
上記の実施例は特にタキソールベースの化学療法について論じているが、本発明を特定の疾患治療に限定する意図はないことを当業者は理解されたい。本発明を使用して、限定はされないが、呼吸、胃腸、腎臓、CNS、内分泌および血液系の癌、あるいは、生物流体(例えば血液および血液派生物、尿、脳脊髄液、痰、洗浄液)に含まれる分子に潜在的な変化がある他の疾患または疾患過程(例えば壊死、細胞消滅)の治療を含む様々な疾患の治療に対する反応を予測することができる。このような生物分子には、限定はされないが、ポリペチド、タンパク質、核酸、酵素、DNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、炭水化物、オリゴ糖、多糖などの高分子、生物高分子の断片(例えば核酸断片、ペプチド断片およびタンパク質断片)、生物高分子の複合体(例えば核酸複合体、タンパク質-DNA複合体、レセプタ-リガンド複合体、酵素-基質、酵素阻害物質、ペプチド複合体、タンパク質複合体、炭水化物複合体および多糖複合体)、アミノ酸、ヌクレオチド、ヌクレオシド、糖、ステロイド、脂質、金属イオン、薬物、ホルモン、アミド、アミン、カルボン酸、ビタミンおよび補酵素、アルコール、アルデヒド、ケトン、脂肪酸、ポルフィリン、カロテノイド、植物成長調節物質、リン酸エステル、ヌクレオシド二リン酸などの生物小分子、薬物としてまたは治療上有効な作用物質、単量体、ペプチド類似体、ステロイド類似体、阻害物質、突然変異原、発癌物質、抗有糸分裂薬、抗生物質、イオノフォア、代謝拮抗物質、アミノ酸類似体、抗菌物質、輸送阻害物質、表面活性物質(界面活性物質)、ミトコンドリアおよびクロロプラスト機能阻害物質、電子供与体、担体および受容体、プロテアーゼの合成基質、ホスファターゼの基質、エステラーゼおよびリパーゼの基質、タンパク質修飾試薬などの合成小分子;ならびに合成重合体、オリゴマーおよび共重合体などが含まれる。生物試料にはさらに、上述の物質の適当な混合物または組合せを含めることができる。
【0067】
本発明のある例示的な実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は、本発明の説明されたこれらの実施形態に、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を加えることができる。本明細書で使用された用語および記述は単に例として記載されたものであり、限定を意図したものではない。具体的には、例を挙げて本発明を説明したが、本明細書に記載された発明の概念は、様々な構成および方法によって実施されるであろう。本発明は、様々な用語およびいくつかの実施形態によって記述され、開示されたが、本発明の範囲は、それによって限定されるものではなく、またはそれによって限定されるとみなされるべきでもない。特に、本明細書の教示によって示唆されるようなその他の変更または実施形態は、特にそれらが、本明細書に添付された特許請求の範囲の広がりおよび範囲に含まれるときに、留保される。上記の特許請求の範囲およびそれらの等価物に定義された本発明の範囲内で、これらの変形形態および他の変形形態が可能であることを当業者は認識するであろう。
【0068】
本発明の特定の実施形態の以上の記述は、例示および説明のために示されたものである。それらの記述は、網羅的であることを意図したものでもなく、または本発明を開示の正確な形態に限定することを意図したものでもない。上記の教示を考慮すれば、多くの修正および変更が可能なことは明らかである。これらの実施形態は、本発明の原理およびその実際の使用を最もよく説明し、それによって当業者が本発明を最もよく利用できるようにするために、選択され、記述されたものだが、特定の用途に適合した様々な変更が加えられた様々な実施形態も可能である。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲およびそれらの等価物のみによって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態に基づく方法を示すフローチャートである。
【図2−1】濾過前および濾過後の正常血清試料のクロマトグラムである。
【図2−2】濾過前および濾過後の正常血清試料のクロマトグラムである。
【図2−3】濾過前および濾過後の正常血清試料のクロマトグラムである。
【図2−4】濾過前および濾過後の正常血清試料のクロマトグラムである。
【図2−5】濾過前および濾過後の正常血清試料のクロマトグラムである。
【図2−6】濾過前および濾過後の正常血清試料のクロマトグラムである。
【図2−7】濾過前および濾過後の正常血清試料のクロマトグラムである。
【図2−8】濾過前および濾過後の正常血清試料のクロマトグラムである。
【図2−9】濾過前および濾過後の正常血清試料のクロマトグラムである。
【図2−10】濾過前および濾過後の正常血清試料のクロマトグラムである。
【図2−11】濾過前および濾過後の正常血清試料のクロマトグラムである。
【図2−12】濾過前および濾過後の肺癌を有することが分かっている血清試料のクロマトグラムである。
【図2−13】濾過前および濾過後の肺癌を有することが分かっている血清試料のクロマトグラムである。
【図2−14】濾過前および濾過後の肺癌を有することが分かっている血清試料のクロマトグラムである。
【図2−15】濾過前および濾過後の肺癌を有することが分かっている血清試料のクロマトグラムである。
【図2−16】濾過前および濾過後の肺癌を有することが分かっている血清試料のクロマトグラムである。
【図2−17】濾過前および濾過後の肺癌を有することが分かっている血清試料のクロマトグラムである。
【図2−18】濾過前および濾過後の肺癌を有することが分かっている血清試料のクロマトグラムである。
【図2−19】濾過前および濾過後の肺癌を有することが分かっている血清試料のクロマトグラムである。
【図3a】本発明で使用されるフィルタの断面図である。
【図3b】このフィルタのホールアレイの上面図である。
【図4】図4a〜4gは、本発明に基づくフィルタを製作する際に使用することができるステップを示す図である。
【図5−1】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−2】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−3】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−4】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−5】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−6】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−7】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−8】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−9】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−10】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−11】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−12】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−13】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−14】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−15】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−16】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−17】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−18】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−19】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−20】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−21】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−22】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−23】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−24】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−25】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−26】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−27】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−28】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−29】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−30】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−31】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−32】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−33】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図5−34】図5-1から5-34は、化学感受性スクリーニングアッセイにおけるピークの向上を示す、濾過前および濾過後の血清のクロマトグラムである。
【図6a−1】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−2】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−3】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−4】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−5】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−6】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−7】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−8】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−9】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−10】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−11】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−12】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−13】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−14】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−15】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−16】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−17】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−18】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−19】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−20】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−21】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−22】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−23】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−24】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−25】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−26】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−27】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−28】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−29】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−30】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−31】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6a−32】図6a-1から6a-32は、濾過前および濾過後の肺癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−1】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−2】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−3】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−4】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−5】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−6】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−7】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−8】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−9】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−10】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−11】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−12】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−13】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−14】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−15】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−16】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−17】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−18】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−19】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−20】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−21】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−22】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−23】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−24】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−25】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−26】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−27】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−28】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−29】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−30】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−31】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−32】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−33】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図6b−34】図6b-1から6b-34は、濾過前および濾過後の正常者の血清のクロマトグラムである。
【図7−1】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−2】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−3】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−4】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−5】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−6】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−7】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−8】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−9】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−10】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−11】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−12】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−13】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−14】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−15】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−16】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−17】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−18】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−19】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−20】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−21】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−22】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−23】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−24】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−25】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−26】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−27】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−28】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−29】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−30】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−31】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−32】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−33】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−34】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−35】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−36】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−37】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−38】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−39】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−40】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−41】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図7−42】図7-1から7-42は、濾過前および濾過後の膵臓癌患者の血清のクロマトグラムである。
【図8−1】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図8−2】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図8−3】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図8−4】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図8−5】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図8−6】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図8−7】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図8−8】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図8−9】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図8−10】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図8−11】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図8−12】図8-1から8-12は、濾過前および濾過後の正常者および膀胱癌患者の尿のクロマトグラムである。
【図9】本発明に基づくフィルタを製作する際に使用することができるステップを示す図である。
【図10a】本発明の一実施形態に基づくホールアレイフィルタで血清を濾過した結果を示す図である。
【図10b】本発明の一実施形態に基づくホールアレイフィルタで血清を濾過した結果を示す図である。
【図10c】本発明の一実施形態に基づくホールアレイフィルタで血清を濾過した結果を示す図である。
【図10d】本発明の一実施形態に基づくホールアレイフィルタで血清を濾過した結果を示す図である。
【図10e】本発明の一実施形態に基づくホールアレイフィルタで血清を濾過した結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疾患の確率を決定する方法であって、
ホールアレイフィルタで生物流体を濾過すること、
前記濾過された生物流体から質量スペクトルデータを生成すること、および
前記質量スペクトルデータをデータベースと比較すること
を含む方法。
【請求項2】
前記疾患が肺癌である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記疾患が膀胱癌である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記疾患が膵臓癌である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記質量スペクトルデータがMALDI-TOF-MSによって取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記生物流体が血清である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記生物流体が尿である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記生物流体が血漿である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ホールアレイフィルタが、少なくとも約1から10μmの直径を有する孔を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記ホールアレイフィルタが、少なくとも約6から10μmの厚さを有するホールアレイ層を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記ホールアレイフィルタが、
ホールアレイを含む第1の領域と、
フィルタの剛性を維持するための第2の領域と
を含み、
前記第2の領域が、前記第1の領域の厚さよりも大きな厚さを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ホールアレイフィルタが第1のSi層、SiO2層および第2のSi層を含み、前記第1のSi層が、前記第2のSi層の厚さよりも大きな厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
疾患治療に対する反応を予測する方法であって、
疾患Aの治療に反応する集団からの第1の試料セットから、前記第1の試料セットをホールアレイフィルタで濾過した後に、第1の質量スペクトルデータセットを生成すること、
疾患Aの同じ治療に反応しない集団からの第2の試料セットから、前記第2の試料セットをホールアレイフィルタで濾過した後に、第2の質量スペクトルデータセットを生成すること、および
第1の質量スペクトルデータセットと第2の質量スペクトルデータセットの対応するピークを比較すること
を含み、
対応するピークが異なっていることが、これらのピークが、疾患Aの前記治療に対して反応する可能性を示す少なくとも1つのマーカを表すことを示し、
さらに、
前記少なくとも1つのマーカを識別した後に、前記少なくとも1つのマーカを、前記疾患治療に対して反応する可能性を予測するために使用すること
を含む
方法。
【請求項14】
前記第1の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタの構造と、前記第2の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタの構造が実質的に同じである、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
試料がそれぞれ別個のホールアレイフィルタで濾過される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタおよび前記第2の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタがそれぞれ、少なくとも約1から10μmの直径を有する孔を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタおよび前記第2の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタがそれぞれ、少なくとも約6から10μmの厚さを有するホールアレイ層を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記ホールアレイフィルタが、
ホールアレイを含む第1の領域と、
フィルタの剛性を維持するための第2の領域と
を含み、
前記第2の領域が、前記第1の領域の厚さよりも大きな厚さを有する、
請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記ホールアレイフィルタが第1のSi層、SiO2層および第2のSi層を含み、前記第1のSi層が、前記第2のSi層の厚さよりも大きな厚さを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の試料セットおよび前記第2の試料セットが生物流体である、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
前記生物流体が血清、尿または血漿である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
疾患Aが肺癌である、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
疾患Aが膀胱癌である、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
疾患Aが膵臓癌である、請求項13に記載の方法。
【請求項25】
前記質量スペクトルデータがMALDI-TOF-MSによって生成される、請求項13に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタと、前記第2の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタとが別個のホールアレイフィルタである、請求項13に記載の方法。
【請求項27】
質量分析法のピークの識別を向上させる方法であって、
ホールアレイフィルタで試料を濾過すること、および
前記濾過された試料から質量スペクトルデータを生成すること
を含む方法。
【請求項28】
前記ホールアレイフィルタが、少なくとも約1から10μmの直径を有する孔を備える、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記ホールアレイフィルタが、少なくとも約6から10μmの厚さを有するホールアレイ層を含む、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記ホールアレイフィルタが、
ホールアレイを含む第1の領域と、
フィルタの剛性を維持するための第2の領域と
を含み、
前記第2の領域が、前記第1の領域の厚さよりも大きな厚さを有する、
請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記ホールアレイフィルタが第1のSi層、SiO2層および第2のSi層を含み、前記第1のSi層が、前記第2のSi層の厚さよりも大きな厚さを有する、請求項27に記載の方法。
【請求項32】
前記質量スペクトルデータがMALDI-TOF-MSによって生成される、請求項27に記載の方法。
【請求項33】
前記試料が生物流体である、請求項27に記載の方法。
【請求項34】
前記試料が血清である、請求項27に記載の方法。
【請求項35】
前記試料が尿である、請求項27に記載の方法。
【請求項36】
前記試料が血漿である、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
疾患検出の感度および特異度を増大させる方法であって、
疾患Aを有する集団からの第1の生物流体試料セットから、前記第1の生物流体試料セットをホールアレイフィルタで濾過した後に、第1の質量スペクトルデータセットを生成すること、
疾患Aを持たない集団からの第2の生物流体試料セットから、前記第2の生物流体試料セットをホールアレイフィルタで濾過した後に、第2の質量スペクトルデータセットを生成すること、および
前記第1の質量スペクトルデータセットと前記第2の質量スペクトルデータセットとを比較すること
を含み、
前記第1の質量スペクトルデータセットと前記第2の質量スペクトルデータセットの対応するピークが異なっていることが、少なくとも1つの疾患A陰性マーカを示す
方法。
【請求項38】
前記少なくとも1つの疾患A陰性マーカを使用して、患者が疾患Aを有するかどうかを検出するステップをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記質量スペクトルデータがMALDI-TOF-MSによって生成される、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記生物流体試料が血清である、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記生物流体試料が尿である、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記生物流体試料が血漿である、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記第1の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタの構造と、前記第2の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタの構造が実質的に同じである、請求項37に記載の方法。
【請求項44】
前記第1の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタおよび前記第2の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタがそれぞれ、少なくとも約1から10μmの直径を有する孔を備える、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタおよび前記第2の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタがそれぞれ、少なくとも約6から10μmの厚さを有するホールアレイ層を含む、請求項37に記載の方法。
【請求項46】
前記ホールアレイフィルタが、
ホールアレイを含む第1の領域と、
フィルタの剛性を維持するための第2の領域と
を含み、
前記第2の領域が、前記第1の領域の厚さよりも大きな厚さを有する、
請求項37に記載の方法。
【請求項47】
前記ホールアレイフィルタが第1のSi層、SiO2層および第2のSi層を含み、前記第1のSi層が、前記第2のSi層の厚さよりも大きな厚さを有する、請求項37に記載の方法。
【請求項48】
疾患Aが肺癌である、請求項37に記載の方法。
【請求項49】
疾患Aが膀胱癌である、請求項37に記載の方法。
【請求項50】
疾患Aが膵臓癌である、請求項37に記載の方法。
【請求項51】
前記第1の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタと、前記第2の試料セットが濾過される前記ホールアレイフィルタとが別個のホールアレイフィルタである、請求項37に記載の方法。
【請求項52】
試料がそれぞれ別個のホールアレイフィルタで濾過される、請求項37に記載の方法。
【請求項53】
疾患治療に対する反応を予測するために生物流体を濾過する器具であって、
少なくとも1つのホールアレイフィルタ
を含み、
疾患Aの治療に反応する集団からの第1の試料セットが、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過され、
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過された後に、前記第1の試料セットから、第1の質量スペクトルデータセットが生成され、
疾患Aの同じ治療に反応しない集団からの第2の試料セットが、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過され、
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過された後に、前記第2の試料セットから、第2の質量スペクトルデータセットが生成され、
前記第1の質量スペクトルデータセットと前記第2の質量スペクトルデータセットの対応するピークが比較され、
対応するピークが異なっていることが、これらのピークが、疾患Aの前記治療に対して反応する可能性を示す少なくとも1つのマーカを表すことを示す
器具。
【請求項54】
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタが、少なくとも1つの第1のホールアレイフィルタと、少なくとも1つの第2のホールアレイフィルタとを含む、請求項53に記載の器具。
【請求項55】
前記第1の試料セットが、前記少なくとも1つの第1のホールアレイフィルタで濾過され、前記第2の試料セットが、前記少なくとも1つの第2のホールアレイフィルタで濾過される、請求項54に記載の器具。
【請求項56】
試料がそれぞれ別個のホールアレイフィルタで濾過される、請求項55に記載の器具。
【請求項57】
前記少なくとも1つのマーカを識別した後に、前記少なくとも1つのマーカが、前記疾患治療に対して反応する可能性を予測するために使用される、請求項53に記載の器具。
【請求項58】
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタがそれぞれ、少なくとも約1から10μmの直径を有する孔を備える、請求項53に記載の器具。
【請求項59】
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタがそれぞれ、少なくとも約6から10μmの厚さを有するホールアレイ層を含む、請求項53に記載の器具。
【請求項60】
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタがそれぞれ、
ホールアレイを含む第1の領域と、
フィルタの剛性を維持するための第2の領域と
を含み、
前記第2の領域が、前記第1の領域の厚さよりも大きな厚さを有する、
請求項53に記載の器具。
【請求項61】
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタがそれぞれ第1のSi層、SiO2層および第2のSi層を含み、前記第1のSi層が、前記第2のSi層の厚さよりも大きな厚さを有する、請求項53に記載の器具。
【請求項62】
濾過された生物流体の質量スペクトルデータを測定することによって疾患を検出するために生物流体を濾過する器具であって、
少なくとも1つのホールアレイフィルタ
を含み、
疾患Aを有する集団からの第1の生物流体試料セットが、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過され、
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過された後に、前記第1の生物流体試料セットから、第1の質量スペクトルデータセットが生成され、
疾患Aを持たない集団からの第2の生物流体試料セットが、前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過され、
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタのうちの1つのフィルタで濾過された後に、前記第2の生物流体試料セットから、第2の質量スペクトルデータセットが生成され、
前記第1の質量スペクトルデータセットと前記第2の質量スペクトルデータセットとが比較され、
前記第1の質量スペクトルデータセットと前記第2の質量スペクトルデータセットの対応するピークが異なっていることが、少なくとも1つの疾患A陰性マーカを示す
器具。
【請求項63】
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタが、第1のホールアレイフィルタと第2のホールアレイフィルタとを含む、請求項62に記載の器具。
【請求項64】
前記第1の試料セットが前記第1のホールアレイフィルタで濾過され、前記第2の試料セットが前記第2のホールアレイフィルタで濾過される、請求項63に記載の器具。
【請求項65】
試料がそれぞれ別個のホールアレイフィルタで濾過される、請求項64に記載の器具。
【請求項66】
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタがそれぞれ、少なくとも約1から10μmの直径を有する孔を備える、請求項62に記載の器具。
【請求項67】
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタがそれぞれ、少なくとも約6から10μmの厚さを有するホールアレイ層を含む、請求項62に記載の器具。
【請求項68】
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタがそれぞれ、
ホールアレイを含む第1の領域と、
フィルタの剛性を維持するための第2の領域と
を含み、
前記第2の領域が、前記第1の領域の厚さよりも大きな厚さを有する、
請求項62に記載の器具。
【請求項69】
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタがそれぞれ第1のSi層、SiO2層および第2のSi層を含み、前記第1のSi層が、前記第2のSi層の厚さよりも大きな厚さを有する、請求項62に記載の器具。
【請求項70】
質量分析法のピークの識別を向上させるために生物流体を濾過する器具であって、
ホールアレイフィルタ
を含み、
前記ホールアレイフィルタで生物流体試料が濾過され、前記濾過された試料から質量スペクトルデータが生成される
器具。
【請求項71】
前記ホールアレイフィルタが、少なくとも約1から10μmの直径を有する孔を備える、請求項70に記載の器具。
【請求項72】
前記ホールアレイフィルタが、少なくとも約6から10μmの厚さを有するホールアレイ層を含む、請求項70に記載の器具。
【請求項73】
前記ホールアレイフィルタが、
ホールアレイを含む第1の領域と、
フィルタの剛性を維持するための第2の領域と
を含み、
前記第2の領域が、前記第1の領域の厚さよりも大きな厚さを有する、
請求項70に記載の器具。
【請求項74】
前記少なくとも1つのホールアレイフィルタがそれぞれ第1のSi層、SiO2層および第2のSi層を含み、前記第1のSi層が、前記第2のSi層の厚さよりも大きな厚さを有する、請求項70に記載の器具。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図2−6】
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【図2−7】
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【図2−8】
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【図2−9】
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【図2−10】
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【図2−11】
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【図2−12】
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【図2−13】
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【図2−14】
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【図2−15】
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【図2−16】
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【図2−17】
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【図2−18】
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【図2−19】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図5−5】
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【図5−6】
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【図5−7】
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【図5−8】
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【図5−9】
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【図5−10】
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【図5−11】
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【図5−12】
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【図5−13】
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【図5−14】
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【図5−15】
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【図5−16】
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【図5−17】
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【図5−18】
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【図5−19】
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【図5−20】
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【図5−21】
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【図5−22】
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【図5−23】
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【図5−24】
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【図5−25】
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【図5−26】
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【図5−27】
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【図5−28】
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【図5−29】
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【図5−30】
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【図5−31】
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【図5−32】
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【図5−33】
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【図5−34】
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【図6a−1】
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【図6a−2】
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【図6a−3】
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【図6a−4】
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【図6a−5】
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【図6a−6】
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【図6a−7】
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【図6a−8】
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【図6a−9】
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【図6a−10】
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【図6a−11】
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【図6a−12】
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【図6a−13】
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【図6a−14】
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【図6a−15】
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【図6a−16】
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【図6a−17】
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【図6a−18】
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【図6a−19】
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【図6a−20】
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【図6a−21】
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【図6a−22】
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【図6a−23】
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【図6a−24】
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【図6a−25】
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【図6a−26】
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【図6a−27】
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【図6a−28】
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【図6a−29】
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【図6a−30】
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【図6a−31】
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【図6a−32】
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【図6b−1】
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【図6b−2】
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【図6b−3】
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【図6b−4】
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【図6b−5】
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【図6b−6】
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【図6b−7】
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【図6b−8】
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【図6b−9】
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【図6b−10】
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【図6b−11】
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【図6b−12】
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【図6b−13】
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【図6b−14】
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【図6b−17】
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【図6b−19】
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【図6b−20】
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【図6b−21】
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【図6b−22】
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【図6b−29】
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【図6b−30】
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【図6b−31】
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【図6b−32】
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【図6b−33】
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【図6b−34】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図7−3】
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【図7−4】
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【図7−5】
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【図7−6】
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【図7−7】
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【図7−8】
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【図7−9】
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【図7−10】
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【図7−11】
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【図7−12】
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【図7−13】
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【図7−14】
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【図7−15】
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【図7−16】
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【図7−17】
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【図7−18】
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【図7−19】
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【図7−20】
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【図7−21】
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【図7−22】
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【図7−23】
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【図7−24】
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【図7−25】
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【図7−26】
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【図7−27】
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【図7−28】
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【図7−29】
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【図7−30】
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【図7−31】
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【図7−32】
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【図7−33】
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【図7−34】
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【図7−35】
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【図7−36】
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【図7−37】
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【図7−38】
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【図7−39】
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【図7−40】
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【図7−41】
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【図7−42】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図8−4】
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【図8−5】
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【図8−6】
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【図8−7】
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【図8−8】
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【図8−9】
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【図8−10】
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【図8−11】
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【図8−12】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【公表番号】特表2009−531716(P2009−531716A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503017(P2009−503017)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/007855
【国際公開番号】WO2007/127011
【国際公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(508289442)キャンジェン バイオテクノロジーズ,インコーポレーテッド (1)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】