説明

ファイル表示装置及びプログラム

【課題】ファイルへの付加情報の付加の履歴を参照者が容易に把握可能とする。
【解決手段】表示対象文書のレイアウト等の概略の内容を表し、更新箇所や表示対象文書に付加された注釈(アノテーション)170を明示した概略イメージを俯瞰用シンボル150に、詳細な内容を内容表示ウインドウ154内に表示する。俯瞰用シンボル150は高さ方向が時間軸方向とされ、時間スライダ152の位置が変更されることで表示対象の日時が変更されると、スライダ152の位置に対応する日時における表示対象文書の内容を表し、更新箇所を明示し かつ前記日時迄に付加された注釈があれば当該注釈も明示した概略イメージを、俯瞰用シンボル150のうち表示対象の日時に対応する高さ位置に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はファイル表示装置及びファイル表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、データベースの各データが縮小画像として一覧表示されている仮想的な3次元空間内で、ユーザが任意の視点への移動を指示することを可能とすることで、データベース内の個々のデータファイルの内容と各データ同士の関係を視覚化し、データの管理やユーザが必要とする情報の検索を容易に行えるようにする技術が開示されている。
【0003】
また特許文献2には、プリンタで文書を印刷する印刷媒体に記載された識別情報及び座標情報を読み取り、これを文書と対応して文書管理データベースに格納すると共に、文書の印刷や更新等に関する履歴情報を文書管理データベースの対応するレコードと関係を有するレコードに格納し、文書が更新されると、履歴管理データベースにおける加筆履歴番号を1インクリメントし、更新後の文書を新たなレコードに登録し、加筆時に読み取った識別情報に基づいて更新情報をユーザに呈示する技術が開示されている。
【0004】
また特許文献3には、文書ID、アノテーション位置、アノテーション付与時刻をデータベースに登録しておき、アノテーションを検索キーとする検索指示があると、検索条件に合致するアノテーションを含む文書を付与時刻を参照して時系列で表示させるか、その文書のアノテーション部分を切り出し、時間順に並べ替えて表示させる開示されている。
【0005】
更に特許文献4には、ユーザ毎にアノテーションへのアクセス権限を設定しておき、ユーザ認証を行う際にその情報を元にアノテーションへのアクセス制御を行うと共に、アノテーションを編集して保存した際には、センタ装置で管理しているアノテーション情報ファイルにアノテーションへの編集履歴情報を自動的に書き込み、簡単な操作でその履歴を一覧表示させることを可能とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−307936号公報
【特許文献2】特開2003−67363号公報
【特許文献3】特開2004−199407号公報
【特許文献4】特開2002−245034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ファイルへの付加情報の付加の履歴を、参照者に容易に把握させることが可能なファイル表示装置及びファイル表示プログラムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係るファイル表示装置は、表示対象のファイル、及び、当該ファイルに対して過去に付加された付加情報を当該付加情報の付加が行われた日時と対応付けた更新情報を記憶する第1記憶手段と、前記ファイルに対して付加情報の付加が行われた期間を含む過去の期間のうち表示対象の日時又は期間を指定するための指定手段と、前記第1記憶手段に記憶されている情報に基づき、前記ファイルの内容を表し、かつ、前記指定手段を介して指定された表示対象の日時迄に前記ファイルに付加されていた付加情報、又は、前記指定手段を介して指定された表示対象の期間内に前記ファイルに付加されていた付加情報を明示した画像を生成する画像生成手段と、前記画像生成手段によって生成された画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、を含んで構成されている。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記画像生成手段は、明示対象の付加情報を、当該付加情報の前記ファイルへの付加日時又は付加順序が判別可能に明示した画像を生成する。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記画像生成手段は、明示対象の個々の付加情報の予め定めた方向に沿った表示位置を前記ファイルへの付加日時又は付加順序に応じて相違させた画像を生成することで、前記個々の付加情報の前記ファイルへの付加日時又は付加順序が判別可能に明示する。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れかに記載の発明において、前記第1記憶手段は、前記更新情報として、前記付加情報を、当該付加情報の前記ファイルへの付加を指示した付加指示者を識別するための識別情報とも対応付けた情報を記憶しており、前記画像生成手段は、明示対象の個々の付加情報に、対応する前記識別情報が表す付加指示者も明示した画像を生成する。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の発明において、前記第1記憶手段が記憶する前記更新情報には、前記表示対象のファイルに対して過去に行われた更新の内容を当該更新が行われた日時と対応付けた情報も含まれており、前記画像生成手段は、前記第1記憶手段に記憶されている情報に基づき、前記指定手段を介して指定された表示対象の日時における前記ファイルの内容を表しかつ前記表示対象の日時迄に行われた更新を明示した画像、又は、前記ファイルの内容を表しかつ前記指定手段を介して指定された表示対象の期間内に行われた更新を明示した画像を生成する。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記表示制御手段は、前記画像生成手段によって生成された画像を、仮想的な3次元表示空間のうち予め設定した時間軸に沿って、前記指定手段を介して指定された表示対象の日時又は表示対象の期間に対応する位置に配置した画面を前記表示手段に表示させる。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記表示制御手段は、前記画面として、過去の互いに異なる複数の日時における前記ファイルの内容を各々表す複数の画像を前記時間軸に沿って前記日時に対応する位置に各々配置したときの、前記複数の画像の外縁の包絡面を外面とする外形形状の俯瞰用シンボルを配置すると共に、前記画像生成手段によって生成された画像を、前記俯瞰用シンボル内のうち前記時間軸に沿って前記指定された日時又は表示対象期間に対応する位置に配置した画面を生成し、前記表示手段に表示させる。
【0015】
請求項8記載の発明は、請求項5〜請求項7の何れかに記載の発明において、前記第1記憶手段に記憶されている前記更新情報に基づき、前記画像生成手段によって生成される画像によって前記ファイルの内容が表示される特定日時における前記ファイルの内容と、前記ファイルの現在の内容と、における対応箇所を判断する対応箇所判断手段を更に備え、前記画像生成手段は、前記特定日時における前記ファイルの内容を表す画像として、前記特定日時における前記ファイルの内容のうち前記対応箇所判断手段によって判断された前記対応箇所の位置が、前記ファイルの現在の内容のうち前記対応箇所判断手段によって判断された前記対応箇所の位置に一致するように、前記特定日時における前記ファイルの内容のレイアウトを変更したときのレイアウト変更後のファイルの内容を表す画像を生成する。
【0016】
請求項9記載の発明に係るファイル表示プログラムは、表示対象のファイル、及び、当該ファイルに対して過去に付加された付加情報を当該付加情報の付加が行われた日時と対応付けた更新情報を記憶する第1記憶手段と、前記ファイルに対して付加情報の付加が行われた期間を含む過去の期間のうち表示対象の日時又は期間を指定するための指定手段と、を備えたコンピュータを、前記第1記憶手段に記憶されている情報に基づき、前記ファイルの内容を表し、かつ、前記指定手段を介して指定された表示対象の日時迄に前記ファイルに付加されていた付加情報、又は、前記指定手段を介して指定された表示対象の期間内に前記ファイルに付加されていた付加情報を明示した画像を生成する画像生成手段、及び、前記画像生成手段によって生成された画像を表示手段に表示させる表示制御手段として機能させる。
【0017】
請求項10記載の発明に係るファイル表示プログラムは、表示対象のファイル、及び、当該ファイルに対して過去に付加された付加情報を当該付加情報の付加が行われた日時と対応付けた更新情報を記憶する第1記憶手段と、前記ファイルに対して付加情報の付加が行われた期間を含む過去の期間のうち表示対象の日時又は期間を指定するための指定手段と、を備えたコンピュータを、請求項1〜請求項9の何れか1項記載の各手段として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1,9,10に記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、ファイルへの付加情報の付加の履歴を、参照者に容易に把握させることが可能になる、という効果を有する。
【0019】
請求項2,3記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、ファイルへの付加情報の付加の履歴を参照者により正確に把握させることが可能になる、という効果を有する。
【0020】
請求項4記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、個々の付加情報のファイルへの付加を指示した付加指示者を参照者に認識させることが可能となる、という効果を有する。
【0021】
請求項5記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、ファイルに対する更新の履歴及び更新箇所も参照者に把握させることが可能になる、という効果を有する。
【0022】
請求項6,7記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、表示対象の日時又は期間を参照者に視覚的に把握させることが可能になる、という効果を有する。
【0023】
請求項8記載の発明は、本構成を有しない場合と比較して、表示対象のファイルの異なる日時の内容における対応箇所を参照者に容易に把握させることができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係るコンピュータ・システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】(A)は文書更新時処理、(B)は文書保存時処理の内容を各々示すフローチャートである。
【図3】文書表示処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】スライス文書及びその概略イメージの生成を説明するための概念図である。
【図5】表示画面の一例を示すイメージ図である。
【図6】アノテーションの表示の一例を示すイメージ図である。
【図7】表示切替処理の内容を示すフローチャートである。
【図8】表示対象文書における、(A)は特定項目の配置の変遷の表示、(B)は特定箇所の内容の変遷の表示の一例を各々示すイメージ図である。
【図9】表示対象文書におけるは特定項目の配置の変遷の表示の他の例を示すイメージ図である。
【図10】俯瞰用シンボルの他の例を示すイメージ図である。
【図11】指定された表示対象期間内に行われた更新箇所を全て明示した概略イメージを表示する態様を説明するためのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係るデータとして文書を適用した態様を説明する。図1には本実施形態に係るコンピュータ・システム10が示されている。コンピュータ・システム10は、サーバ・コンピュータ12がイントラネット14(インターネットでもよい)を介して多数台のクライアント端末16と各々接続されて構成されている。
【0026】
個々のクライアント端末16は、互いに異なる利用者によって操作される端末であり、例えばパーソナル・コンピュータ(PC)等から成り、CPU16A、RAM等から成るメモリ16B、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部16C、ネットワークインタフェース(I/F)部16Dを備えている。個々のクライアント端末16には、表示手段としてのディスプレイ18、入力手段としてのキーボード20及びマウス22が各々接続されており、ネットワークI/F部16Dを介してイントラネット14に接続されている。クライアント端末16の記憶部16Cには、文書の作成及び編集を行うための文書作成編集アプリケーションのプログラムと、請求項9,10に記載のファイル表示プログラムとしての文書表示プログラムが各々インストールされている。クライアント端末16は、CPU16Aが上記の文書表示プログラムを実行することで、本発明に係るファイル表示装置(より詳しくは請求項1〜8に記載のファイル表示装置)として機能する。
【0027】
一方、サーバ・コンピュータ12は、CPU12A、RAM等から成るメモリ12B、HDD等から成る記憶部12C、ネットワークI/F部12Dを備えており、ネットワークI/F部12Dを介してイントラネット14に接続されている。記憶部12Cには、クライアント端末16上で文書作成編集アプリケーションが稼働している状態で、利用者が当該文書作成編集アプリケーションを介して作成又は更新を行った文書のデータを登録するための文書DB(データベース)が記憶されており、本発明に係る第1記憶手段に対応している。文書DBにデータが登録されている文書のうち、当該文書の作成者以外の利用者にもアクセス権限が付与されている文書については、アクセス権限を有する複数の利用者によって更新操作が行われる。また文書DBには、文書のデータ以外に、文書DBに登録されている個々の文書の更新履歴を表す文書更新情報ファイル(後述)も各々登録されている。
【0028】
次に本実施形態の作用を説明する。文書の新規作成、或いは文書DBに既にデータが登録されている既存文書の更新は、利用者により、クライアント端末16上で文書作成編集アプリケーションを起動させ、文書の新規作成であれば雛形文書等を、既存文書の更新であればサーバ・コンピュータ12からデータをダウンロードした既存文書を文書作成編集アプリケーションによって開いた後に、開いた文書に対し、文字(列)や各種オブジェクト(例えば画像等の各種ファイル)、アノテーションの追加(挿入)、削除、移動等の更新操作が繰り返されることによって行われる。なお、アノテーションとしてはテキストを含む注釈が一般的であるが、本実施形態におけるアノテーションには、画像や音声、任意のウェブページへのリンク等の各種の付加情報が含まれる。ここで、本実施形態に係る文書作成編集アプリケーションは上記の更新操作が行われる毎に図2(A)に示す文書更新時処理を行う。
【0029】
なお、この文書更新時処理は、例えば追加(挿入)、削除、移動等の単一の更新操作(例えば文字に関する更新操作であれば1文字や1文節を単位とする操作、オブジェクトやアノテーションに関する更新操作であれば単一のオブジェクトや単一のアノテーションを単位とする操作)が行われる毎に行うことが好適であるが、複数の更新操作を単位として行うようにしてもよいし、更新操作に伴って蓄積されたデータが一定量に達する毎に行うようにすることも可能である。
【0030】
図2(A)に示す文書更新時処理では、まずステップ30において、文書作成編集アプリケーションを介して作成又は編集が行われている文書に対して利用者によりキーボード20やマウス22を介して更新操作が行われることで、メモリ16Bに記憶された今回の更新操作の内容を表す情報をメモリ16Bから取得する。なお、更新操作の内容を表す情報としては、操作種別(例えば追加(挿入)/削除/移動)、更新対象種別(例えば文字/オブジェクト/アノテーション等)、文書中の更新対象位置、更新情報(更新対象種別が文字であればテキストデータ、更新対象種別がオブジェクトであれば画像等のオブジェクト自体のデータ、更新対象種別がアノテーションであれば追加(挿入)されたアノテーション自体の情報(テキストデータ/画像データ/音声データ/リンクのデータ))、更新を指示した指示者を識別する識別情報等が挙げられる。次のステップ32では、ステップ30で取得した今回の更新操作の内容を表す情報を、更新日時としての現在日時と対応付け、文書更新情報としてメモリ16Bの所定領域に記憶させ、文書更新時処理を終了する。
【0031】
また、本実施形態に係る文書作成編集アプリケーションは、利用者によって更新操作が行われた文書の文書DBへの保存が利用者によって指示された場合、図2(B)に示す文書保存時処理を行う。この文書保存時処理では、まずステップ36において、更新操作が行われた後に保存が指示された文書のデータを、イントラネット14経由でサーバ・コンピュータ12へアップロードする。これにより、サーバ・コンピュータ12では、保存が指示された文書が新規に作成された文書であれば、アップロードされた上記文書のデータが文書DBに追加登録され、保存が指示された文書が既存の文書に対して更新操作が行われた文書であれば、アップロードされた上記文書のデータが文書DBに既に登録されている対応する既存文書のデータに上書きして登録される。
【0032】
またステップ38では、メモリ16Bの所定領域に記憶されている全ての文書更新情報を、文書の保存日時(現在の日時)と共にイントラネット14経由でサーバ・コンピュータ12へアップロードし、文書保存時処理を終了する。これにより、サーバ・コンピュータ12では、保存が指示された文書が新規に作成された文書であれば、アップロードされた文書更新情報及び文書の保存日時が、先に文書DBへデータを追加登録した文書に対応する文書更新情報ファイルとして文書DBに追加登録され、保存が指示された文書が既存の文書に対して更新操作が行われた文書であれば、先に文書DBへ上書きしてデータを登録した文書に対応する文書更新情報ファイルが文書DBに既に登録されているので、アップロードされた文書更新情報が既存の文書更新情報ファイルの末尾に付加されることで、文書DBに追加記録される。
【0033】
上記のように、本実施形態では文書作成編集アプリケーションを介して文書の作成又は編集が行われた後に当該文書の保存が指示される毎に、文書の作成又は編集の際に行われた個々の更新操作の内容が文書更新情報(ファイル)として文書DBに登録・保存されることになる。
【0034】
次に、文書表示プログラムによって行われる文書表示処理について説明する。文書DBに登録されている特定の文書の更新履歴等の把握を所望している場合、利用者はキーボード20やマウス22を介し、表示対象文書を選択すると共に、選択した表示対象文書をその変遷(更新履歴)を把握可能に表示させる指示を入力する操作を行う。これにより、クライアント端末16のCPU16Aで文書表示プログラムが実行されることで、図3に示す文書表示処理がクライアント端末16で行われる。
【0035】
この文書表示処理では、まずステップ50において、表示対象として利用者に選択された文書のデータ及び当該文書に対応する文書更新情報ファイルをサーバ・コンピュータ12からイントラネット14経由で取得する。ここで取得した表示対象文書のデータは、表示対象文書の現在の内容(最新の内容)を表しており、次のステップ52では、ステップ50で取得した表示対象文書のデータに基づき、現在の表示対象文書の概略の内容(例えばレイアウト等)を表す概略イメージを生成し、生成した概略イメージのデータをメモリ16B等に記憶させる。
【0036】
なお、概略イメージとしては、一例として図4における「現在の文書」の下方に示すように、文書中の項目や各項目毎の内容表示領域、文書に付加された注釈170等のアノテーションが明示された画像を適用することができる。各項目毎の内容表示領域を概略イメージに明示する場合、各項目毎の内容表示領域は一定サイズとしてもよいが、表示対象文書における各項目毎の文章量等に応じてサイズを変化させることが好ましい。また、表示対象文書に貼り付けられている画像等のオブジェクトについても、アノテーションと同様に明示するようにしてもよい。
【0037】
なお、表示対象文書の同一位置又は近接した位置(アノテーションが重なって表示される程度に近い位置)に複数のアノテーションが付加されていた場合、ステップ52では、例として図6(A)に示す注釈170A〜170Cのように、個々のアノテーションの表示位置を個々のアノテーションの更新日時(表示対象文書への付加日時)から判断できる表示対象文書への付加順序に応じて予め定めた方向(例えば図6(A)の左右方向(図6(A)の矢印A方向))に一定距離ずつ相違させると共に、個々のアノテーションを表示対象文書への付加順序の昇順又は降順に手前側(前面側)に表示させた概略イメージを生成する。なお、図6(A)では、表示対象文書への付加順序が注釈170A,170B,170Cの順とされ、これらの注釈170A〜170Cを、表示対象文書への付加順序が早くなるに従って表示位置が図6(A)の矢印A方向の上流側に位置し、かつ前面側に表示されるように表示した例を示している。表示対象文書の同一位置又は近接した位置に付加されている複数のアノテーションを上記のように表示することで、上記画像を参照した利用者に、表示対象文書への個々のアノテーションの付加順序を認識させることができる。
【0038】
なお、図6(A)の例では、個々の注釈170A〜170Cの表示位置を図6(A)の矢印A方向と交差する方向にも相違させているが、これに限られるものではなく、図6(A)の矢印A方向と交差する方向に沿った各注釈170A〜170Cの表示位置を同一としてもよい。また、図6(A)の例では、図6(A)の矢印A方向に沿った個々の注釈170A〜170Cの表示位置を、表示対象文書への付加順序に応じて相違させているが、これに限られるものではなく、例として図6(C)に示すように、表示対象文書への付加日時に応じて相違させるようにしてもよい。図6(C)に示す例では、注釈170Aが日時t1に、注釈170Bが日時t2に、注釈170Cが日時t3に表示対象文書へ付加された場合に、注釈170A,170Bの表示位置の図6(C)の矢印A方向に沿った間隔を日時t1と日時t2の差に応じた大きさにし、注釈170B,170Cの表示位置の図6(C)の矢印A方向に沿った間隔を日時t2と日時t3の差に応じた大きさにしている。上記画像を参照した利用者に、表示対象文書への個々のアノテーションの付加日時がどの程度相違しているかを認識させることができる。
【0039】
次のステップ54では、ステップ50で取得した文書更新情報ファイルを参照し、表示対象文書の更新期間の長さを算出する。この更新期間としては、例えば表示対象文書の作成が開始されてからの経過期間を適用することができる。本実施形態では、図5に示すような俯瞰用シンボル150及び時間スライダ152を用いて表示対象文書の変遷(更新履歴)を表示する。ここで、俯瞰用シンボル150は高さ方向が時間軸方向とされ、その外形形状が、更新期間内の複数の日時における表示対象文書の概略の内容を表す複数の概略イメージを、前記時間軸に沿って個々の日時に対応する位置に各々配置したときの、複数の概略イメージの外縁の包絡面を外面とする外形形状、すなわち直方体状とされており、請求項7に記載の俯瞰用シンボルに対応している。時間スライダ152がスライド移動されることで俯瞰用シンボル150における高さ位置が指定されると、指定された高さ位置に対応する日時における表示対象文書の概略の内容を表す概略イメージが俯瞰用シンボル150の指定された高さ位置に表示されるが、このとき指定された高さ位置に対応する日時は、指定された高さ位置の位置変化量に応じて更新期間内でリニアに日時が変化したものとして算出される。
【0040】
このため、上記の更新期間として表示対象文書の作成が開始されてからの経過期間を適用した場合、例えば指定された高さ位置が、上記の経過期間のうち表示対象文書の更新が行われた期間に対応する位置を移動されている間は、俯瞰用シンボル150に表示される表示対象文書の概略イメージが変化する一方、指定された高さ位置が、上記の経過期間のうち表示対象文書の更新が行われていない期間に対応する位置を移動されている間は、俯瞰用シンボル150に表示される表示対象文書の概略イメージは変化しないことになる。
【0041】
また、上記の更新期間としては、例えば表示対象文書に対して実際に更新が行われた期間を適用してもよい。表示対象文書に対して実際に更新が行われた期間は、例えばステップ50で取得した文書更新情報ファイルに含まれる文書更新情報から更新日時を抽出すると共に、文書更新情報ファイルから文書の保存日時を全て抽出し、これらの日時を日時の昇順にソートした後に、i番目の保存日時よりも前でi−1番目の保存日時よりも後の更新日時を全て抽出し、抽出した更新日時のうちの最も前の日時からi番目の保存日時の期間を、表示対象文書に対して実際に更新が行われた期間と判断することを、抽出した全ての保存日時について順に行い、判断した期間を全て積算することで求めることができる。上記の更新期間として実際に更新が行われた期間を適用した場合は、指定された高さ位置に拘わらず、指定された高さ位置の移動に伴って、俯瞰用シンボル150に表示される表示対象文書の概略イメージが連続的に変化することになる。
【0042】
また本実施形態では、ステップ54で算出した更新期間を有限個の期間に分割したときの個々の期間の分割位置(日時)をスライスと称し、個々のスライス(に対応する日時)毎に概略イメージを生成すると共に、時間スライダ152がスライド移動されることで俯瞰用シンボル150における高さ位置が変更された場合に、俯瞰用シンボル150に表示する表示対象文書の概略イメージを変更後の高さ位置に対応するスライスの概略イメージに切り替えることで、表示対象文書の変遷(更新履歴)を表示している。このため、次のステップ56では、ステップ54で算出した更新期間の長さに基づいてスライスの総数nmax及びスライスの時間間隔を決定する。なお、スライスの総数nmaxは更新期間の長さが長くなるに従って増加するように決定することができ、スライスの時間間隔としては更新期間をスライスの総数nmaxで除した商を設定することができるが、これに代えて、スライスの総数nmaxは一定とし、スライスの時間間隔のみ上記に従って演算するようにしてもよい。
【0043】
また、次のステップ58では、先のステップ50で取得した文書更新情報ファイルに含まれる文書更新情報から更新日時を抽出し、抽出した更新日時を日時の昇順にソートした後に、i番目のスライスの日時よりも後でi+1番目のスライスの日時よりも前の更新日時を全て抽出し、抽出した更新日時に対応する文書更新情報をi番目のスライスと対応付けることを、全てのスライスについて順に行うことで、文書更新情報ファイルに含まれる全ての文書更新情報を、その更新日時に基づいて何れかのスライスと対応付ける。またステップ60ではスライスの総数nmaxから1を減算した値を変数nに代入する。
【0044】
次のステップ62では、日時の昇順でn番目のスライス(当初はn=nmax−1であるので、対応する日時が現在の日時に最も近いスライス)を処理対象として選択する。ステップ64では、処理対象として選択したスライスに文書更新情報が対応付けられているか否か判定する。n番目のスライスの日時からn+1番目のスライスの日時(この日時はn=nmax−1であれば現在の日時)に至る期間内に表示対象文書の更新が行われている場合は、ステップ64の判定が肯定されてステップ66へ移行し、n+1番目のスライス(1つ後のスライス)における表示対象文書(n=nmax−1であれば現在の表示対象文書)のデータに対し、n番目のスライスに対応付けられた文書更新情報が表す更新と逆の更新を行うことで、n番目のスライスの日時における表示対象文書のデータを生成し、生成したデータを記憶部16C又はメモリ16Bに記憶させる。
【0045】
一例として、処理対象のスライスの日時が図4における日時t3、n+1番目のスライスの日時が現在の日時であり、日時t3から現在の日時に至る期間に、図4に示す「旧項目Cの削除」「旧項目Dの新項目Cへの変更」「新項目Dの追加」及び「新項目Dへの注釈(アノテーション)追加」の各更新が行われていた場合、処理対象のスライスと対応付けられた文書更新情報(これらの更新を表す文書更新情報)に基づき、現在の表示対象文書のデータに対して逆の更新、すなわち「新項目Dへ追加された注釈(アノテーション)の削除」「追加された新項目Dの削除」「新項目Cの項目Dへの変更(移動)」及び「削除された旧項目Cの復元」が各々行われる。これにより、n番目のスライスの日時における表示対象文書のデータとして、図4に「日時t3における文書(スライス文書)」と表記したような文書のデータが生成されることになる。
【0046】
ステップ68では、処理対象のスライスと対応付けられた文書更新情報に基づいて、処理対象のスライス(n番目のスライス)の日時の表示対象文書(以下「n番目のスライス文書」と称する)と、n+1番目のスライスの日時の表示対象文書(以下「n+1番目のスライス文書」と称する)と、における対応箇所を認識し、対応箇所の認識結果をメモリ16Bに対応箇所情報として記憶させる。なお、ステップ68は後述するステップ82と共に請求項8に記載の対応箇所判断手段に対応している。
【0047】
例えば図4のうち、n番目のスライスの日時がt3、n+1番目のスライスの日時が現在の日時の例では、日時t3から現在の日時に至る期間に「旧項目Cの削除」「旧項目Dの新項目Cへの変更(移動)」「新項目Dの追加」及び「新項目Dへの注釈(アノテーション)追加」の各更新が行われているので、n番目のスライス文書における項目Aはn+1番目のスライス文書における項目Aに、n番目のスライス文書における項目Aに付加された注釈(アノテーション)はn+1番目のスライス文書における項目Aに付加された注釈(アノテーション)に、n番目のスライス文書における項目Bはn+1番目のスライス文書における項目Bに、n番目のスライス文書における項目Dはn+1番目のスライス文書における項目Cに、n番目のスライス文書における項目Dに付加された注釈(アノテーション)はn+1番目のスライス文書における項目Cに付加された注釈(アノテーション)に各々対応している一方、n番目のスライス文書における項目Cについてはn+1番目のスライス文書に対応箇所が存在しないと判断することができる。
【0048】
次のステップ70では、ステップ66で生成した処理対象のスライス文書のデータと、ステップ68における対応箇所の認識結果とに基づき、n番目のスライス文書の概略イメージとして、対応箇所の認識結果を反映した概略イメージを生成し、生成した概略イメージのデータをメモリ16Bに記憶させる。本実施形態では、個々のスライス文書の概略イメージを同一サイズとしており、対応箇所の認識結果を反映した概略イメージは、n番目のスライス文書のうちn+1番目のスライス文書に対応箇所が存在している箇所については、n番目のスライス文書の概略イメージ上での配置位置が、n+1番目のスライス文書の概略イメージ上での対応箇所の配置位置と可能な範囲で一致するように配置すると共に、n番目のスライス文書のうちn+1番目のスライス文書に対応箇所が存在していない箇所、及び、概略イメージ上での対応箇所の配置位置を一致させることに伴って生じた空白箇所については、それぞれが明示されるように表示を変更することによって生成される。
【0049】
具体的には、例えば図4のうち、n番目のスライスの日時がt3、n+1番目のスライスの日時が現在の日時の例では、n番目のスライス文書における項目A,B,Dはn+1番目のスライス文書における項目A,B,Cと対応しているので、n番目のスライス文書の概略イメージにおける項目A,B,Dの配置位置がn+1番目のスライス文書の概略イメージにおける項目A,B,Cの配置位置と一致するように、n番目のスライス文書の概略イメージ上に項目A,B,Dを配置することが試行される。但し、この例ではn番目のスライス文書の項目Bと項目Dの間に、n+1番目のスライス文書に対応箇所が存在しない項目Cが存在しているので、n番目のスライス文書のうち項目Dについては概略イメージ上で項目Cの後に配置され、n+1番目のスライス文書の概略イメージにおける対応する項目Cとは異なる位置に配置される。また、n番目のスライス文書のうち項目Cについてはn+1番目のスライス文書に対応箇所が存在していないので、n番目のスライス文書の概略イメージ上に、n+1番目のスライス文書に対応箇所が存在しない箇所として明示される(図4ではこの明示をハッチングで表している)。
【0050】
また、例えば図4のうち、n番目のスライスの日時がt1、n+1番目のスライスの日時がt2の例では、日時t1から日時t2に至る期間に「項目Aへの文章の追加」「新項目Bの追加」「旧項目Bの項目Cへの変更(移動)」及び「項目Aへの注釈(アノテーション)追加」の各更新が行われており、n番目のスライス文書における項目A,Bはn+1番目のスライス文書における項目A,Cと対応しているので、n番目のスライス文書の概略イメージにおける項目A,Bの配置位置がn+1番目のスライス文書の概略イメージにおける項目A,Cの配置位置と一致するように、n番目のスライス文書の概略イメージ上に項目A,Bを配置することが試行される。そして、項目A,Bをn番目のスライス文書の概略イメージ上に上記のように配置することで生じた概略イメージ上の空白箇所(項目A,Bの間及び項目Bの後側の箇所)は空白箇所として明示される(図4ではこの明示を対応箇所が存在しない箇所と逆方向のハッチングで表している)。
【0051】
なお、n番目のスライス文書の概略イメージの生成に際し、n番目のスライス文書の同一位置又は近接した位置に複数のアノテーションが付加されていた場合にも、先に説明した図6(A)(図6(C))に示すように、個々のアノテーションが、個々のアノテーションの付加順序又は付加日時に応じて、予め定めた方向に沿ってずれた位置に配置される。
【0052】
次のステップ72では、処理対象のスライス(n番目のスライス)と対応付けられた文書更新情報に基づき、当該文書更新情報が表す更新(n番目のスライスの日時からn+1番目のスライスの日時に至る期間に行われた更新)が、n+1番目のスライス文書(n=nmax−1であれば現在の表示対象文書)及びその概略イメージ上に明示されるように、メモリ16Bに記憶されているn+1番目のスライス文書及びその概略イメージを変更する。なお、スライス文書及びその概略イメージへの更新の明示は、例えば更新箇所に相当する文字や画像等のオブジェクト、注釈等のアノテーション(概略イメージであればそれらを含む項目)の表示色の変更や、文字であればフォントの変更、オブジェクトやアノテーションであれば枠や影の追加による表示の強調等を行うことで実現できる。また、文書更新情報が表す各種更新のうちの削除については、明示すべき対象がn+1番目のスライス文書中に存在していないので、削除箇所を明示するマーク(例えば図4において、現在の文書の概略イメージに付したマーク166)をn+1番目のスライス文書やその概略イメージに付加することで更新を明示することができる。なお、上述したステップ66,70,72は、後述するステップ76,78と共に請求項1〜5に記載の画像生成手段に対応している。
【0053】
また、次のステップ74では、処理対象のスライス(n番目のスライス)と対応付けられた文書更新情報に基づき、n番目のスライス文書からn+1番目のスライス文書への変更量を演算し、演算結果をメモリ16Bに記憶させてステップ84へ移行する。
【0054】
一方、n番目のスライスの日時からn+1番目のスライスの日時に至る期間内に表示対象文書の更新が行われていない場合は、前述のステップ64の判定が否定されてステップ76へ移行し、n−1番目のスライス文書のデータをn番目のスライス文書のデータとしてもメモリ16Bに記憶させる。またステップ78では、n+1番目のスライス文書の概略イメージのデータを、n番目のスライス文書の概略イメージとしてもメモリ16Bに記憶させる。またステップ80では、n番目のスライス文書からn+1番目のスライス文書への変更量として変更量=0をメモリ16Bに記憶させ、次のステップ82では、n+1番目とn番目のスライス文書の同一箇所を対応付ける対応箇所情報をメモリ16Bに記憶させ、ステップ84へ移行する。
【0055】
ステップ84では変数nが1に達したか否か判定する。判定が否定された場合はステップ86へ移行し、変数nを1だけデクリメントした後にステップ62に戻る。これにより、ステップ84の判定が肯定される迄ステップ62〜ステップ86が繰り返され、個々のスライスを処理対象として、上述したスライス文書(のデータ)の生成・記憶、概略イメージ(のデータ)の生成・記憶、文書変更量の演算記憶及び対応箇所情報の記憶の各処理が各々行われることになる。
【0056】
また、ステップ84の判定が肯定されるとステップ88へ移行し、例として図5に示すように、俯瞰用シンボル150と内容表示ウインドウ154を含む文書表示画面を生成し、生成した文書表示画面をクライアント端末16のディスプレイ18に表示させる。本実施形態では、文書表示画面に当初、表示対象文書の現在の内容を表示させるので、ステップ88では、例として図(A)に示すように、俯瞰用シンボル150の上面に表示対象文書の現在の概略イメージが表示されると共に、時間スライダ152も移動範囲内の上端に位置し、内容表示ウインドウ154内に表示対象文書の現在の内容が表示された文書表示画面を生成し、ディスプレイ18に表示させる。また文書表示画面には、図5に示すように、内容表示ウインドウ154内に表示された表示対象文書のスクロールを指示するためのスライダ156、俯瞰用シンボル150に表示されている概略イメージのうち内容表示ウインドウ154内に表示されている範囲を明示する枠158、及び、個々のスライス文書間の変更量を各々表す変更量インジケータ160も表示される。なお、上記のステップ88は、後述する表示切替処理と共に、請求項1,6,7に記載の表示制御手段に対応している。
【0057】
次のステップ90では、利用者からの指示に応じて文書表示画面内の表示を切り替える表示切替処理を行う。この表示切替処理について、図7を参照して説明する。表示切替処理では、まずステップ100で利用者から何らかの指示が入力されたか否かが判定され、判定が肯定される迄ステップ100が繰り返される。利用者によってキーボード20やマウス22が操作されることで何らかの指示が入力されると、ステップ100の判定が肯定されてステップ102へ移行し、利用者によって入力された指示が文書表示画面の表示を終了する指示か否か判定する。
【0058】
この判定が否定された場合はステップ103へ移行し、俯瞰用シンボル150に表示している表示対象文書の概略イメージに明示しているアノテーションのうちの何れかが選択されたか否か判定する。ステップ103の判定が否定された場合はステップ104へ移行し、利用者による指示入力のための操作が、俯瞰用シンボル150に表示している表示対象文書の概略イメージのうちの任意の項目が選択された後に、時間スライダ152の位置を移動させる操作であったか否か判定する。ステップ104の判定も否定された場合はステップ106へ移行し、利用者による指示入力のための操作が、俯瞰用シンボル150に表示している表示対象文書の概略イメージのうちの任意の箇所が選択された後に、時間スライダ152の位置を移動させる操作であったか否か判定する。この判定も否定された場合はステップ108へ移行し、利用者による指示入力のための操作が時間スライダ152の位置を移動させる操作であったか否か判定する。
【0059】
表示対象文書のうち内容表示ウインドウ154内に表示されている範囲のスクロールを所望している場合、利用者はマウス22を介してスライダ156の位置を移動させる操作を行う。この操作が行われた場合はステップ108の判定が否定されてステップ110へ移行し、表示対象文書のうち内容表示ウインドウ154内に表示されている範囲を、利用者によって移動された後のスライダ156の位置に応じて変更するスクロール処理を行う。また、このスクロール処理では、内容表示ウインドウ154内に表示する範囲の変更に伴って枠158の位置も移動される(必要であれば枠158のサイズも変更される)。そしてステップ110の処理を行うとステップ100に戻る。
【0060】
また、表示対象文書の更新履歴(表示対象文書が過去にどのように更新されたか)の確認を所望している場合、利用者はマウス22を介して時間スライダ152の位置を移動させる操作を行う。このように、時間スライダ152は、この時間スライダ152の位置を変更する際に操作されるマウス22と共に請求項1に記載の指定手段に対応している。なお、文書表示画面内に表示されている変更量インジケータ160は、上記操作において、利用者による時間スライダ152の移動先の位置の決定を補助する目的で設けられており、表示対象文書に対する過去の更新のうち、例えば変更量が特に大きい更新が行われたときの表示対象文書の内容確認を所望している等の場合、変更量インジケータ160が表す変更量が特に大きい位置へ時間スライダ152を移動させる操作を利用者が行うことで、変更量が特に大きい更新が行われたときの表示対象文書の内容を表示させる指示を容易に行うことができる。
【0061】
時間スライダ152の位置を移動させる操作が行われた場合はステップ108の判定が肯定されてステップ114へ移行し、利用者によって移動された後の時間スライダ152の位置に基づき、当該位置に対応する表示対象文書の更新期間内の日時を判断し、判断した日時に最も近い日時のスライス文書を判定する。次のステップ116では、俯瞰用シンボル150に表示している表示対象文書の概略イメージを消去すると共に、メモリ16Bに記憶されている各スライス文書の概略イメージのうち、ステップ114で判定したスライス文書の概略イメージのデータをメモリ16Bから読み出し、俯瞰用シンボル150のうち時間スライダ152の移動後の位置に対応する高さ位置に表示させる。またステップ118では、メモリ16Bに記憶されている各スライス文書のうち、ステップ114で判定したスライス文書のデータをメモリ16Bから読み出し、その内容の一部(例えば先頭部分)を内容表示ウインドウ154内に表示させる。そしてステップ118の処理を行うとステップ100に戻る。
【0062】
上記処理により、例として図5(B)に示すように、俯瞰用シンボル150に表示している表示対象文書の概略イメージが、時間スライダ152の移動後の位置に応じた日時における表示対象文書のレイアウト等を表す概略イメージに切り替わると共に、当該概略イメージの表示位置も時間スライダ152の移動後の位置に対応する位置へ移動し、更に、内容表示ウインドウ154内の表示も、時間スライダ152の移動後の位置に応じた日時における表示対象文書の内容を表す表示に切り替わることになる。ステップ114〜ステップ118の処理は時間スライダ152が移動される毎に繰り返されるので、利用者は、時間スライダ152を適宜移動させると共に、時間スライダ152の移動に応じて切り替わる概略イメージや内容表示ウインドウ154内の表示を参照することで、表示対象文書の更新履歴(表示対象文書が過去にどのように更新されたか)を把握することが可能となる。
【0063】
また本実施形態では、表示対象文書の更新期間内の任意の期間に、表示対象文書中の特定の項目の配置が表示対象文書の更新に伴ってどのように変遷したのかを表示させることも可能とされており、上記の表示を所望している場合、利用者は、更新期間内のうち表示対象期間の先頭又は末尾に相当する日時の概略イメージが俯瞰用シンボル150に表示されている状態で、表示されている概略イメージ上で表示対象の項目を選択した後に、表示対象期間の末尾又は先頭に相当する位置へ時間スライダ152を移動させることで表示対象期間を指定する操作を行う。
【0064】
利用者によって上記操作が行われた場合、ステップ104の判定が肯定されてステップ120へ移行し、利用者による時間スライダ152の移動における移動範囲(移動開始位置及び移動終了位置)に基づき、当該移動範囲に対応する表示対象文書の日時範囲(表示対象期間)を判断し、メモリ16Bに記憶されているスライス文書のうち前記判断した表示対象期間内の全てのスライス文書を、メモリ16Bから読み出すことによって抽出する。またステップ122では、ステップ120で抽出した個々のスライス文書に対応する対応箇所情報に基づき、利用者によって概略イメージ上で選択された項目に対応する範囲を個々のスライス文書について各々判定する。そしてステップ124では、俯瞰用シンボル150に表示している表示対象文書の概略イメージを消去すると共に、表示対象期間内の個々のスライス文書についてステップ122で判定した範囲の対応付けを明示する図形(個々のスライス文書における前記範囲の外縁の包絡面を外形形状とする図形)を俯瞰用シンボル150に追加表示させる。
【0065】
これにより、例えば図4,5に示す表示対象文書に対し、表示対象期間として日時t1〜現在迄の期間が指定されると共に、項目Aが表示対象として指定された場合は、例として図8(A)に示すような図形162Aが表示される。また、同一の表示対象文書に対し、表示対象期間として同一の期間が、表示対象として項目Bが指定された場合は、例として図8(B)に示すような図形162Bが表示されることになる。この図形を参照することで、利用者は、指定した表示対象期間内における表示対象文書の更新に伴い、表示対象として指定した項目の配置がどのように変遷したかを把握することが可能となる。
【0066】
次のステップ126では、利用者による移動が終了した後の時間スライダ152の位置に対応するスライス文書(時間スライダ152の位置に対応する日時に最も近い日時のスライス文書)の内容を内容表示ウインドウ154内に表示させ、ステップ100に戻る。なお、上記処理において、配置の変遷を表示させる単位は、表示対象文書中の「項目」に限られるものではなく、例えば表示対象文書中の画像等のオブジェクトや注釈等のアノテーションを対象として配置の変遷を表示させることも可能である。
【0067】
また本実施形態では、表示対象文書の更新期間内の任意の期間に、表示対象文書中の特定箇所の内容が表示対象文書の更新に伴ってどのように変遷したのかを表示させることも可能とされており、上記の表示を所望している場合、利用者は、更新期間内のうち表示対象期間の先頭又は末尾に相当する日時の概略イメージが俯瞰用シンボル150に表示されている状態で、表示されている概略イメージ上で表示対象の箇所を選択した後に、表示対象期間の末尾又は先頭に相当する位置へ時間スライダ152を移動させることで表示対象期間を指定する操作を行う。
【0068】
利用者によって上記操作が行われた場合、ステップ106の判定が肯定されてステップ128へ移行し、利用者による時間スライダ152の移動における移動範囲(移動開始位置及び移動終了位置)に基づき、当該移動範囲に対応する表示対象文書の日時範囲(表示対象期間)を判断し、メモリ16Bに記憶されているスライス文書のうち前記判断した表示対象期間内の全てのスライス文書を、メモリ16Bから読み出すことによって抽出する。またステップ130では、ステップ128で抽出した個々のスライス文書に対応する対応箇所情報に基づき、利用者によって概略イメージ上で選択された箇所に対応する範囲を個々のスライス文書について各々判定し、判定した範囲内のスライス文書の内容を各々抽出する。そしてステップ132では、俯瞰用シンボル150に表示している表示対象文書の概略イメージを消去すると共に、表示対象期間内の個々のスライス文書についてステップ130で抽出した内容を各々明示する図形を俯瞰用シンボル150に追加表示させる。
【0069】
これにより、例えば図4,5に示す表示対象文書に対し、表示対象期間として日時t1〜現在迄の期間が指定されると共に、表示対象箇所として図8(B)に円で示す範囲が指定された場合は、例として図8(B)に示すように円筒状で、各スライス文書のうち指定された円形状の範囲内の内容が明示された図形164が表示される。この図形を参照することで、利用者は、指定した表示対象期間内における表示対象文書の更新に伴い、表示対象として指定した箇所の内容がどのように変遷したかを把握することが可能となる。
【0070】
次のステップ134では、利用者による移動が終了した後の時間スライダ152の位置に対応するスライス文書(時間スライダ152の位置に対応する日時に最も近い日時のスライス文書)のうち、利用者によって選択された箇所を含む部分の内容を内容表示ウインドウ154内に表示させ、ステップ100に戻る。なお、上記処理において利用者によって選択される表示対象の箇所の外形形状は円形に限られるものではなく、矩形状等の他の形状を適用することも可能である。
【0071】
また、利用者によるマウス22の操作に伴って位置が移動するポインタ172(図6(B)参照)の指示位置が、俯瞰用シンボル150に表示している表示対象文書の概略イメージ中のアノテーションのうちの何れかに合致された等の場合には、ポインタ172によって指示されたアノテーションが選択されたと判断し、ステップ103の判定が肯定されてステップ136へ移行する。ステップ136では今回選択されたアノテーションが他のアノテーションよりも前面に表示されるように表示を切り替える。またステップ138では、先のステップ50で取得した文書更新情報ファイルに含まれる各更新情報の中から、今回選択されたアノテーションに対応する更新情報を抽出し、例として図6(B)に示すように、抽出した更新情報に含まれる各情報(選択されたアノテーションに関する詳細情報)を表示させ、ステップ100に戻る。
【0072】
なお、図6(B)では、選択されたアノテーションに関する詳細情報として、選択されたアノテーションの表示対象文書への付加日時と、選択されたアノテーションとしての注釈(コメント)の内容、選択されたアノテーションの付加を指示した付加指示者の氏名を表示した例を示している。また、図6(B)は選択されたアノテーションがテキストを含む注釈の場合を示しているが、選択されたアノテーションが画像であれば当該画像が表示され、選択されたアノテーションが音声であれば当該音声が再生出力され、選択されたアノテーションが任意のウェブページへのリンクであれば当該リンクによって関連付けられたウェブページが取得されて表示されることになる。また、上記では概略イメージに表示されている任意のアノテーションが選択された場合に選択されたアノテーションの詳細情報の表示等を行っているが、内容表示ウインドウ154内に表示されているアノテーションが選択された場合に詳細情報の表示等を行うようにしてもよい。
【0073】
このように、本実施形態では、利用者が時間スライダ154の位置を移動させると、前述のように、俯瞰用シンボル150に表示される概略イメージや内容表示ウインドウ154内の表示が切り替わるが、この概略イメージ(や内容表示ウインドウ154内の表示)には、時間スライダ154の移動後の位置に応じた日時迄に表示対象文書に付加されたアノテーションも表示されているので、利用者は、概略イメージ(や内容表示ウインドウ154内の表示)に表示されているアノテーションを注視しながら時間スライダ154の位置を移動させる操作を行うことで、表示対象文書の各箇所へのアノテーションの付加の履歴(現在、表示対象文書の各箇所に付加されているアノテーションが、過去にどのような順序で付加されたのか等)を把握することができる。
【0074】
また、任意の日時における表示対象文書の概略の内容を表す概略イメージが表示されている状態で、当該概略イメージ中の任意のアノテーションを選択する操作を利用者が行えば、選択したアノテーションに関する詳細情報が表示されるので、利用者は、表示された詳細情報を参照することで、例えばアノテーションの付加と同時に行われた更新の理由や意図を把握したり、選択したアノテーションの付加を指示した付加指示者を認識することができる。従って、利用者は、上述した各操作を適宜行い、表示対象文書の各箇所へのアノテーションの付加の履歴や個々のアノテーションの内容等を把握することで、表示対象文書の内容把握や評価等を的確に行うことができる。
【0075】
上述した表示切替処理を経て表示対象文書の更新履歴を把握した利用者によって文書表示画面の表示終了が指示されると、ステップ102の判定が肯定されて表示切替処理が終了し、文書表示プログラムによる文書表示処理が終了する。
【0076】
なお、上記では指定された表示対象期間内における表示対象文書中の特定の項目の配置の変遷の表示が指示された場合に、表示対象期間内の個々のスライス文書における特定の項目の配置の対応付けを明示する図形として、個々のスライス文書における前記範囲の外縁の包絡面を外形形状とする図形(例えば図8(A)に示す図形162Aや図8(B)に示す図形162B等)を俯瞰用シンボル150に追加表示させる態様を説明したが、例えば図9に示すように、表示対象期間内の個々のスライス文書における特定の項目の配置の対応付けを矢印等の図形によって明示することで、特定の項目の配置の変遷を表示するようにしてもよい。
【0077】
また、上記では個々のスライス文書の概略イメージを同一サイズとし、n+1番目のスライス文書(1つ後のスライス文書)に対応箇所が存在しているn番目のスライス文書の概略イメージを、n番目のスライス文書の概略イメージ上での前記箇所の配置位置が、n+1番目のスライス文書の概略イメージ上での対応箇所と可能な範囲で一致するように生成する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、個々のスライス文書の概略イメージを個々のスライス文書のサイズに応じたサイズとし、個々のスライス文書中の対応箇所の概略イメージ上での位置を一致させる処理を省略してもよい。一般に文書は更新に伴ってサイズが増大するので、上記の例において、俯瞰用シンボルの外形形状を、個々のスライス文書の概略イメージの外縁の包絡面を外面とする形状とした場合、俯瞰用シンボルは、例として図10に示すように、高さ位置が高くなるに従って断面積(概略イメージのサイズ)が増大する形状となる。このように、請求項7に記載の俯瞰用シンボルは直方体状に限られるものではない。
【0078】
また、上記では個々のスライス文書間の変更量(更新期間内における更新量の推移)を変更量インジケータ160(図5参照)によって表示する態様を説明したが、これに限られるものではなく、例えば俯瞰用イメージの側面の各高さ位置毎の濃度を更新量の推移に応じて変化させる等の他の表示方法で更新量の推移を表示することも可能である。
【0079】
更に、上記では時間スライダ152が操作されることで日時が指定されると、指定された日時に最も近い日時のスライス文書の概略イメージを俯瞰用シンボル150に表示させる態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例として図11に示すように、表示対象期間の先頭に相当する日時を指定するための先頭スライダ166Aと、表示対象期間の末尾に相当する日時を指定するための末尾スライダ166Bを各々設け、この先頭スライダ166A及び末尾スライダ166Bが操作されることで表示対象期間が指定されると、例として図11(B)に示すように、指定された表示対象期間内における表示対象文書の概略の内容(例えば指定された表示対象期間内の末尾の日時における表示対象文書の概略の内容)を表し、指定された表示対象期間内に行われた更新箇所を、指定された表示対象期間内に付加されたアノテーションを含めて全て明示した概略イメージを生成し、生成した概略イメージをディスプレイ18に表示させるようにしてもよい。
【0080】
上記の概略イメージの生成は、例えば、指定された表示対象期間内に相当するスライス文書の概略イメージを全て抽出し、抽出した個々の概略イメージに明示されている更新箇所を、表示対象期間内の末尾の日時における表示対象文書の概略の内容を表す概略イメージ上の対応箇所に全て表示させることで実現できる。上記処理に用いる概略イメージとしては、個々のスライス文書における対応箇所の位置が一致するように配置(レイアウト)を変更した後のスライス文書の概略の内容を表す概略イメージであることが望ましく、この場合、個々の概略イメージに明示されている更新箇所を、表示対象期間内の末尾の日時における表示対象文書の概略の内容を表す概略イメージ上に単に投影(透過表示)させる、という簡単な処理で上記の概略イメージを生成することができる。
【0081】
なお、また、上述した態様からも明らかなように、本発明は表示対象文書の概略イメージを仮想的な3次元空間内に配置した画面を表示させることに限られるものではなく、図11に示すように表示対象文書の概略イメージを平面表示させることも本発明の権利範囲に含まれる。更に、上述のように指定された表示対象期間内に行われた更新箇所を全て明示した概略イメージを、先に説明した俯瞰用シンボル150に表示させるようにしてもよい。
【0082】
また、上記では文書更新情報を記憶しておき、文書更新情報が表す更新と逆の更新を行うことで、各スライスに対応する表示対象文書のデータを生成する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、文書に対して更新が行われる毎に文書データを記憶しておくようにしてもよい。この場合、文書のデータを記憶する記憶手段(上記態様ではサーバ・コンピュータ12の記憶部12C)を大容量化する必要が生ずるものの、各スライスに対応する表示対象文書のデータを生成する処理が不要となり、各スライスに対応する表示対象文書の概略イメージを短時間で生成することが可能となる。
【0083】
また、上記では俯瞰用シンボル150に表示対象文書の概略の内容(レイアウト等)を表す概略イメージを表示させる態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記では内容表示ウインドウ154に表示していた表示対象文書の内容(例えば文字等)も俯瞰用シンボル150に表示させるようにしてもよい。
【0084】
更に、表示対象文書のデータ及び概略イメージを予め生成してメモリ16B等に記憶しておく態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば時間スライダ152を介して日時が指定された後に、指定された日時に対応する表示対象文書のデータを生成し、生成した表示対象文書のデータから概略イメージを生成して俯瞰用シンボル150に表示させるようにしてもよい。
【0085】
また、上記では文書のデータ及び文書更新情報が、クライアント端末16とイントラネット14を介して接続されたサーバ・コンピュータ12の記憶部12Cに記憶される態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、文書のデータ及び文書更新情報ファイルがクライアント端末16の記憶部16C(本発明に係るファイル表示装置として機能するコンピュータと直接接続された記憶手段)に記憶される構成であってもよい。
【0086】
また、上記では表示対象の日時が指定される場合は、指定された表示対象の日時における表示対象文書の内容を表し、表示対象の日時迄に表示対象文書に付加されたアノテーションを明示した概略イメージ等を表示し、表示対象の期間が指定される場合は、指定された表示対象の期間内の日時(例えば指定された表示対象の期間内の末尾の日時)における表示対象文書の内容を表し、表示対象の期間内に表示対象文書に付加されたアノテーションを明示した概略イメージ等を表示する態様を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示対象の日時又は期間が変更されても概略イメージ等が表す表示対象文書の内容を変化させない(例えば表示対象文書の現在の内容を常に表示させる)一方、概略イメージ等に明示するアノテーションは表示対象の日時又は期間の変更に応じて切り替えるようにしてもよい。
【0087】
更に、上記では本発明に係るデータとして文書を例に説明したが、本発明に係るデータはこれに限られるものではなく、本発明に係るデータとしては、例えばプログラムのソースコードや動画像、CAD等を用いて作成される図面等を適用可能である。
【0088】
また、上記では本発明に係るファイル表示プログラムがクライアント端末16の記憶部16Cに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、本発明に係るファイル表示プログラムは、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体に記録されている形態で提供することも可能である。
【符号の説明】
【0089】
10 コンピュータ・システム
12 サーバ・コンピュータ
12C 記憶部
14 イントラネット
16 クライアント端末
18 ディスプレイ
20 キーボード
22 マウス
150 俯瞰用シンボル
152 時間スライダ
154 内容表示ウインドウ
160 変更量インジケータ
166A 先頭スライダ
166B 末尾スライダ
170A〜170C 注釈

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示対象のファイル、及び、当該ファイルに対して過去に付加された付加情報を当該付加情報の付加が行われた日時と対応付けた更新情報を記憶する第1記憶手段と、
前記ファイルに対して付加情報の付加が行われた期間を含む過去の期間のうち表示対象の日時又は期間を指定するための指定手段と、
前記第1記憶手段に記憶されている情報に基づき、前記ファイルの内容を表し、かつ、前記指定手段を介して指定された表示対象の日時迄に前記ファイルに付加されていた付加情報、又は、前記指定手段を介して指定された表示対象の期間内に前記ファイルに付加されていた付加情報を明示した画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段によって生成された画像を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を含むファイル表示装置。
【請求項2】
前記画像生成手段は、明示対象の付加情報を、当該付加情報の前記ファイルへの付加日時又は付加順序が判別可能に明示した画像を生成する請求項1記載のファイル表示装置。
【請求項3】
前記画像生成手段は、明示対象の個々の付加情報の予め定めた方向に沿った表示位置を前記ファイルへの付加日時又は付加順序に応じて相違させた画像を生成することで、前記個々の付加情報の前記ファイルへの付加日時又は付加順序が判別可能に明示する請求項2記載のファイル表示装置。
【請求項4】
前記第1記憶手段は、前記更新情報として、前記付加情報を、当該付加情報の前記ファイルへの付加を指示した付加指示者を識別するための識別情報とも対応付けた情報を記憶しており、
前記画像生成手段は、明示対象の個々の付加情報に、対応する前記識別情報が表す付加指示者も明示した画像を生成する請求項1〜請求項3の何れか1項記載のファイル表示装置。
【請求項5】
前記第1記憶手段が記憶する前記更新情報には、前記表示対象のファイルに対して過去に行われた更新の内容を当該更新が行われた日時と対応付けた情報も含まれており、
前記画像生成手段は、前記第1記憶手段に記憶されている情報に基づき、前記指定手段を介して指定された表示対象の日時における前記ファイルの内容を表しかつ前記表示対象の日時迄に行われた更新を明示した画像、又は、前記ファイルの内容を表しかつ前記指定手段を介して指定された表示対象の期間内に行われた更新を明示した画像を生成する請求項1〜請求項4の何れか1項記載のファイル表示装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記画像生成手段によって生成された画像を、仮想的な3次元表示空間のうち予め設定した時間軸に沿って、前記指定手段を介して指定された表示対象の日時又は表示対象の期間に対応する位置に配置した画面を前記表示手段に表示させる請求項5記載のファイル表示装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記画面として、過去の互いに異なる複数の日時における前記ファイルの内容を各々表す複数の画像を前記時間軸に沿って前記日時に対応する位置に各々配置したときの、前記複数の画像の外縁の包絡面を外面とする外形形状の俯瞰用シンボルを配置すると共に、前記画像生成手段によって生成された画像を、前記俯瞰用シンボル内のうち前記時間軸に沿って前記指定された日時又は表示対象期間に対応する位置に配置した画面を生成し、前記表示手段に表示させる請求項6記載のファイル表示装置。
【請求項8】
前記第1記憶手段に記憶されている前記更新情報に基づき、前記画像生成手段によって生成される画像によって前記ファイルの内容が表示される特定日時における前記ファイルの内容と、前記ファイルの現在の内容と、における対応箇所を判断する対応箇所判断手段を更に備え、
前記画像生成手段は、前記特定日時における前記ファイルの内容を表す画像として、前記特定日時における前記ファイルの内容のうち前記対応箇所判断手段によって判断された前記対応箇所の位置が、前記ファイルの現在の内容のうち前記対応箇所判断手段によって判断された前記対応箇所の位置に一致するように、前記特定日時における前記ファイルの内容のレイアウトを変更したときのレイアウト変更後のファイルの内容を表す画像を生成する請求項5〜請求項7の何れか1項記載のファイル表示装置。
【請求項9】
表示対象のファイル、及び、当該ファイルに対して過去に付加された付加情報を当該付加情報の付加が行われた日時と対応付けた更新情報を記憶する第1記憶手段と、前記ファイルに対して付加情報の付加が行われた期間を含む過去の期間のうち表示対象の日時又は期間を指定するための指定手段と、を備えたコンピュータを、
前記第1記憶手段に記憶されている情報に基づき、前記ファイルの内容を表し、かつ、前記指定手段を介して指定された表示対象の日時迄に前記ファイルに付加されていた付加情報、又は、前記指定手段を介して指定された表示対象の期間内に前記ファイルに付加されていた付加情報を明示した画像を生成する画像生成手段、
及び、前記画像生成手段によって生成された画像を表示手段に表示させる表示制御手段として機能させるためのファイル表示プログラム。
【請求項10】
表示対象のファイル、及び、当該ファイルに対して過去に付加された付加情報を当該付加情報の付加が行われた日時と対応付けた更新情報を記憶する第1記憶手段と、前記ファイルに対して付加情報の付加が行われた期間を含む過去の期間のうち表示対象の日時又は期間を指定するための指定手段と、を備えたコンピュータを、請求項1〜請求項9の何れか1項記載の各手段として機能させるためのファイル表示プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−218015(P2010−218015A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61318(P2009−61318)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】