説明

ファスナ付き袋とその製造方法

【課題】ファスナが不当に溶着することを防ぎ、ファスナを開かずに物品を収納可能なファスナ付き袋およびその製造方法を提供する。
【解決手段】ファスナ付き袋A1は、フィルム部材によって形成され、かつ互いに重ね合わされた第1パネル10および第2パネル20を備え、これら第1パネル10および第2パネル20はそれらの側部どうしと底部5どうしが連結されて袋状とされており、ファスナ3によって上部を開閉可能とされており、第1パネル10は、第2パネル20に連結された本体部11と、本体部11と第2パネル20との間に挟まれ、本体部11の上部13から底部5に向けて延びる折り返し部12とを備えており、折り返し部12には雄ファスナ3aが設けられており、本体部11には、雄ファスナ3aと嵌合する雌ファスナ3bが設けられており、かつ、本体部11における雌ファスナ3bが設けられた部位より上位には、切り開き手段4が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファスナを有する開閉自在のファスナ付き袋とその製造方法に関わる。
【背景技術】
【0002】
内容物を漏洩させることなく、比較的高い気密状態で保存するための袋として、開口端にファスナが設けられた袋が広く用いられている。このファスナは、たとえば、雄ファスナの一部が雌ファスナにくわえられることにより、上記開口端を遮蔽する構造となっている。このようなファスナ付き袋を製造するには、雄ファスナまたは雌ファスナが一体的に成形されたフィルムを適宜シールおよび裁断する方法と、雄ファスナおよび雌ファスナをフィルムに接合した後に、このフィルムを適宜シールおよび裁断する方法とがある。
【0003】
図27は、後者の方法によって製造されたファスナ付き袋の一例を断面図で示している(たとえば、特許文献1参照)。図27に示すファスナ付き袋Xは、雄ファスナ93aを備えた第1パネル91と雌ファスナ93bを備えた第2パネル92とを、雄ファスナ93aと雌ファスナ93bとが互いに嵌合するように重ね合わせ、その底縁および側縁に沿ってヒートシールまたは超音波シールすることによって形成されている。このファスナ付き袋Xは、第1パネル91と第2パネル92とがシールされていない開口縁96を備えており、雄ファスナ93aと雌ファスナ93bとを離間させることで、この開口縁96を通して物品の出し入れを行うことができる。このようなファスナ付き袋Xは、製造作業の流れ方向に沿って延びる、向かい合う一対のフィルム部材の一方に雄ファスナ93aを、他方に雌ファスナ93bを貼り付けた後に、所定の位置をシールし、フィルム部材を所定の間隔で裁断することで製造される。
【0004】
しかしながら、このようなファスナ付き袋Xにおいては、その製造工程で、雄ファスナ93aと雌ファスナ93bとが嵌合してしまうので、内部に物品を収容するためには雄ファスナ93aと雌ファスナ93bとを分離させる必要があった。このため、たとえば、製造ライン上にファスナ離間用の機材を設ける必要があり、製造工程の煩雑化の原因となっていた。また、雄ファスナ93aと雌ファスナ93bとをフィルムに貼り付ける際に、両者を加熱して溶着させるのが一般的であるが、この溶着の際に、加熱が大きすぎると雄ファスナ93aと雌ファスナ93bとが不当に溶着してしまうことがあった。逆に、加熱が小さすぎると、雄ファスナ93aと雌ファスナ93bとがフィルム部材に十分に溶着されない。このような加熱の過不足による不具合を回避するには、加熱量とフィルム部材の送り速度とを綿密に制御することを強いられていた。
【0005】
【特許文献1】特開平11−28771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の事情によって考え出されたものであり、ファスナをわざわざ開かなくても内容物を充填することが可能であり、かつ、フィルム部材に対してファスナを適切に取り付け可能なファスナ付き袋を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を採用した。
【0008】
本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋は、フィルム部材によって形成され、かつ互いに重ね合わされた第1パネルおよび第2パネルを備え、これら第1パネルおよび第2パネルはそれらの側部どうしと底部どうしが連結されて袋状とされており、ファスナによって上部を開閉可能とされたファスナ付き袋であって、上記第1パネルは、上記第2パネルに連結された本体部と、上記本体部と上記第2パネルとの間に挟まれ、上記本体部の上部から底部に向けて延びる折り返し部とを備えており、上記折り返し部には雄ファスナまたは雌ファスナが設けられており、上記本体部には、上記折り返し部の内面に設けられた上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナが設けられており、かつ、上記本体部における上記雌ファスナまたは雄ファスナが設けられた部位より上位には、切り開き手段が形成されていることを特徴とする。上記切り開き手段は、たとえば、フィルム部材自体にミシン目を形成したり、フィルム部材にカットテープを貼着したりして形成することができる。
【0009】
このような構成によると、上記第2パネルの内面と上記折り返し部の外面とは接着されていないので、上記雄ファスナと上記雌ファスナとが嵌合したままでも、上記第2パネルの内面と上記折り返し部の外面との間を通して物品の出し入れを行うことができる。すなわち、このファスナ付き袋においては、内部に物品を充填する際に、上記雄ファスナと上記雌ファスナとを引き離す必要がないので、充填作業を効率よく行うことができる。さらに、上記雄ファスナと上記雌ファスナとが上記折り返し部の内面に取り付けられているので、内部に物品を充填する際に、誤って上記雄ファスナと上記雌ファスナとの嵌合部に商品を充填してしまうこともない。
【0010】
好ましい実施の形態においては、上記折り返し部は、上記本体部と同一のフィルム部材であり、このフィルム部材の先端を底部へ向かうように折り曲げて形成されている。このような構成によれば、上記第1パネルと上記折り返し部とを一枚のフィルム部材から製造することができ、用意するフィルム部材が少なくてすみ経済的である。
【0011】
また、別の好ましい実施の形態においては、上の場合とは逆に、上記折り返し部は、上記本体部とは別のフィルム部材を、それらの上部において接着したものである。このような構成によれば、たとえば、上記第1パネルと上記折り返し部とを異なる構造のラミネートフィルムで形成することができる。
【0012】
また、好ましい実施の形態においては、上記本体部と上記折り返し部とは、それらの上部において所定の上下幅にわたって溶着されている。このような構成によれば、上記第1パネルから上記折り返し部が離れ上記充填口を狭めてしまうことを防ぐことができる。
【0013】
また、好ましい実施の形態においては、上記第1パネルと上記第2パネルの底部どうしは、1枚のフィルム部材を折りたたむことにより接合されている。このような構成によれば、上記第1パネルと上記第2パネルとを一枚のフィルム部材から形成することができ、経済的である。
【0014】
また、好ましい実施の形態においては、上記第1パネルと上記第2パネルとは、それらの底部において所定の上下幅にわたって溶着されている。このような構成によれば、このファスナ付き袋の底部は所定の厚みを有するようになり、底が破れにくくなる。
【0015】
さらに、好ましい実施の形態においては、上記第2パネルの内面と上記折り返し部の外面が形成する充填口から内容物を充填した後、上記充填口が封鎖されている。このような構成によれば、このファスナ付き袋は、上記切り開き手段により一部を切り開き、上記雄ファスナと上記雌ファスナとを露出させ、上記雄ファスナと上記雌ファスナとを嵌合・離間することで開閉自在な袋となる。
【0016】
本発明の第2の側面に係るファスナ付き袋の製造方法は、幅方向の第1端部と第2端部とを有し、所定幅で長手方向に延びるフィルム部材を用い、互いに重ね合わされた第1パネルおよび第2パネルを備え、これら第1パネルおよび第2パネルはそれらの側部どうしと底部どうしが連結されて袋状とされており、ファスナによって上部を開閉可能とされたファスナ付き袋の製造方法であって、上記第1端部寄りの部位に、幅方向に所定間隔を空けて長手方向に延びる雄ファスナおよび雌ファスナを取り付けるとともに、上記雄ファスナと上記雌ファスナとの間の所定部位に長手方向に延びる切り開き手段を形成する第1工程と、上記第1端部寄りの部位を折り返して上記切り開き手段を含む本体部と、上記本体部に連接され、上記第1端部を含む折り返し部とを形成し、上記雄ファスナと上記雌ファスナとを互いに嵌合させる第2工程と、上記第2端部寄りの部位を上記折り返し部に重ねるように折り畳んで上記第1端部側の第1パネルと上記第2端部側の第2パネルとが底部を形成しつつ互いに重なるようにする第3工程と、長手方向一定間隔ごとに、上記第1パネルと上記第2パネルとを幅方向に沿って互いに接合する第4工程と、を含むことを特徴とする。
【0017】
このような製造方法によると、一枚のフィルム部材から、上記雄ファスナと上記雌ファスナとが嵌合していても、一方に開口する充填口を備えているファスナ付き袋を効率的に製造することができる。さらに、上記雄ファスナと上記雌ファスナとを上記フィルム部材に取り付ける際に、取り付けのために加熱量を大きくしたとしても、上記雄ファスナと上記雌ファスナとが不当に溶着してしまうことがない。したがって、このような製造方法によれば袋の不良率を低減することが可能である。
【0018】
好ましい実施の形態においては、上記第2工程の後に、上記本体部と上記折り返し部との連結部分と上記切り開き手段との間の所定の領域において、上記本体部に上記折り返し部を熱溶着させる工程を行う。また、上記第3工程の後に、上記底部付近において上記第1パネルと上記第2パネルとを互いに熱溶着する工程を行ってもよい。このような製造方法によれば、製造されるファスナ付き袋の形状が変形しにくくなり、製造作業や製品の輸送作業などを行いやすくなる。また、上記充填口の形状が崩れにくくなり、充填作業の際に有利である。
【0019】
また、好ましい実施の形態においては、上記第4工程は、上記第1パネルと上記第2パネルとが接合された部分に沿って切断する操作を含んでいる。このような製造方法によれば、1枚のフィルム材から、上記充填口を備えたファスナ付き袋を連続的に複数個製造することが可能である。
【0020】
さらに、好ましい実施の形態においては、上記第4工程の後に、上記折り返し部の端部と上記第2パネルの端部とが形成する充填口から内容物を充填するとともに、この充填口を封鎖する工程を行う。このような製造方法によれば、上記雄ファスナと上記雌ファスナとを嵌合させたままで内部に内容物を充填することができ、製造工程を簡略にすることができる。
【0021】
本発明の第3の側面に係るファスナ付き袋の製造方法は、所定幅で、その幅方向と直交する長手方向に延びる複数のフィルム部材を用い、互いに重ね合わせられた第1パネルおよび第2パネルを備え、これら第1パネルおよび第2パネルはそれらの側部どうしと底部どうしが連結されて袋状とされており、雄ファスナと雌ファスナからなるファスナによって上部を開閉可能とされたファスナ付き袋の製造方法であって、上記第2パネルに連結される本体部と、上記本体部の上部から上記底部へ向けて延出する折り返し部と、上記本体部と上記折り返し部との間に形成された雄ファスナと雌ファスナと、上記本体部の上部と、上記雄ファスナと上記雌ファスナのうち上記本体部に接着された方との間に形成された切り開き手段と、を備えた上記第1パネルを形成する第1工程と、上記折り返し部を挟むように、上記第1パネルと上記第2パネルとを重ね合わせる第2工程と、上記底部を形成する第3工程と、長手方向一定間隔ごとに、上記第1パネルと上記第2パネルとを幅方向に沿う熱溶着部によって互いに接合する第4工程と、を含んでいる。上記第1工程は、上記複数のフィルム部材の1つである本体パネルに上記切り開き手段を形成する工程と、上記本体パネルの上部に、上記複数のフィルム部材の1つであり、その幅方向において上記本体パネルよりも短い追加パネルを、その幅方向における一端が上記本体パネルの上部と接し、もう一方の端が上記底部へ向かうように、上記本体パネルと重ね合わせる工程と、上記本体パネルと上記追加パネルとを、それらの上部から上記幅方向に沿う所定の幅において接着させることで、上記本体部と上記折り返し部とを形成する工程と、上記ファスナを形成する工程と、を有している。なお、上記本体パネルと上記追加パネルとの接着は熱溶着によって行われるのが好ましい。
【0022】
このような製造方法によると、たとえば、上記本体パネルと上記追加パネルとを異なる層構造のラミネートフィルムを用いて形成することができる。すなわち、熱溶着が行われる面が融解しやすいフィルムで形成されるように、上記本体パネルと上記追加パネルの素材を選択することが可能である。したがって、この製造方法によっても、本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋を円滑に製造することができる。
【0023】
好ましい実施の形態においては、上記ファスナを形成する工程は、上記本体パネルと上記追加パネルとを重ね合わせる前に行われ、上記雄ファスナと上記雌ファスナのうち一方を上記本体パネルに接着する工程と、上記本体パネルに接着された上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナを上記追加パネルの上記本体パネルと向かい合う面に接着する工程とを有している。
【0024】
このような製造方法によると、上記雄ファスナと上記雌ファスナとを上記本体パネルまたは上記追加パネルに取り付ける際に、取り付けのために加熱量を大きくしたとしても、上記雄ファスナと上記雌ファスナとが不当に溶着してしまうことがない。したがって、このような製造方法によれば袋の不良率を低減することが可能である。
【0025】
別の好ましい実施の形態においては、上記ファスナを形成する工程は、上記本体パネルと上記追加パネルとを重ね合わせる工程の終了後から、上記本体部と上記折り返し部とを形成する工程が終了するまでの間に行われ、嵌合した状態の上記雄ファスナと上記雌ファスナとを、上記本体部と上記折り返し部との間に挿入し、上記雄ファスナと上記雌ファスナのうち一方を上記本体部に接着し、上記本体部に接着された上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナを上記折り返し部の内面に接着する工程とを有している。
【0026】
このような製造方法によると、上記本体パネルと上記追加パネルとを熱溶着する際に、上記雄ファスナと上記雌ファスナをそれぞれ上記本体パネルまたは上記追加パネルに熱溶着させることができるので製造工程を簡略化することができる。
【0027】
さらに別の好ましい実施の形態においては、上記ファスナを形成する工程は、上記本体部と上記折り返し部とを形成する工程の後に行われ、嵌合した状態の上記雄ファスナと上記雌ファスナとを、上記本体部と上記折り返し部との間に挿入し、上記雄ファスナと上記雌ファスナのうち一方を上記本体部に接着し、上記本体部に接着された上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナを上記折り返し部の内面に接着する工程とを有している。
【0028】
このような製造方法によると、上記本体部と上記折り返し部とが固定されているので、上記雄ファスナおよび上記雌ファスナを接着する際に、上記本体部と上記折り返し部とがずれるおそれがない。
【0029】
また、好ましい実施の形態においては、上記第3工程は、上記第1パネルと上記第2パネルとを、それらの底部から上記幅方向に沿う所定幅を、たとえば熱溶着などを用いて接着する工程を含む。このような製造方法によれば、十分な厚みを有し、破れにくい底部を形成することが可能である。
【0030】
また、好ましい実施の形態においては、上記第4工程は、上記第1パネルと上記第2パネルとが接合された部分に沿って切断する操作を含む。このような製造方法によれば、2枚または3枚のフィルム材から、上記充填口を備えたファスナ付き袋を連続的に複数個製造することが可能である。
【0031】
また、好ましい実施の形態においては、上記第4工程の後に、上記折り返し部の端部と上記第2パネルの端部とが形成する充填口から内容物を充填するとともに、この充填口を封鎖する工程を行う。このような製造方法によれば、上記雄ファスナと上記雌ファスナとを嵌合させたままで内部に内容物を充填することができ、製造工程を簡略にすることができる。
【0032】
本発明の第4の側面に係るファスナ付き袋の製造方法は、幅方向の第1端部と第2端部とを有し、所定幅で長手方向に延びるフィルム部材と、上記フィルム部材よりも狭い所定幅で上記長手方向に延びるフィルムからなる追加パネルとを用い、互いに重ね合わされた第1パネルおよび第2パネルを備え、これら第1パネルおよび第2パネルはそれらの側部どうしと底部どうしが連結されて袋状とされており、ファスナによって上部を開閉可能とされたファスナ付き袋の製造方法であり、以下の第1から第3までの工程を含んでいる。第1工程は、上記第1端部と上記第2端部とが重なり合うように上記フィルム部材を折り曲げ、その折り曲げられた部分を上記底部とし、上記フィルム部材の上記第1端部から上記底部までの部分を上記第1パネルの本体部とし、上記フィルム部材の上記第2端部から上記底部までの部分を上記第2パネルとする工程と、上記本体部の上記第1端部寄りの所定の位置に、上記長手方向に沿って延びる雄ファスナまたは雌ファスナを形成する工程と、上記本体部に形成された上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナを上記追加パネルに形成する工程と、上記雄ファスナまたは雌ファスナが形成される予定の位置と上記第1端部との間に、上記長手方向に沿って延びる切り開き手段を形成する工程とを有している。第2工程においては、上記追加パネルを上記本体部の上記第1は支部に取り付けることで折り返し部を有する上記第1パネルを形成する。第3工程においては、長手方向一定間隔ごとに、上記第1パネルと上記第2パネルとを幅方向に沿って互いに接合する。
【0033】
このような製造方法によると、上記折り返し部と上記本体部とを別々のフィルム部材で形成することができ、本発明の第3の側面に係るファスナ付き袋の製造方法と同様の効果を得られる。さらに、製造時に用意するフィルム部材の種類を減らすことができる。また、上記底部の形成を、本発明の第2の側面に係るファスナ付き袋の製造方法と同様に行うことができるので、上記底部の一部を溶着し、ファスナ付き袋の底を厚くしてすることができる。逆に、ファスナ付き袋の底が広くなるように、上記底部を形成することもできる。
【0034】
好ましい実施の形態においては、上記フィルム部材を折り曲げる工程において、上記追加パネルの一端が上記フィルム部材の第2端部と重なるように、上記追加パネルと上記フィルム部材とを重ねた状態で、上記追加パネルを挟むようにして、上記フィルム部材を折り曲げる。このようにすると、上記第2端部を動かさずに上記第1端部を動かすことで、上記フィルム部材の折り曲げ作業と、上記追加パネルの位置合わせとを同時に行うことができる。このため円滑に製造を行うことが出来る。
【0035】
また、好ましい実施の形態においては、上記フィルム部材を折り曲げる工程において、上記追加パネルの一端が上記フィルム部材の第1端部と重なるように、上記追加パネルと上記フィルム部材とを重ねた状態で、上記追加パネルを挟むようにして、上記フィルム部材を折り曲げる。このようにすると、上記第1端部を動かさずに上記第2端部を動かすことで、上記フィルム部材を折り曲げ作業と、上記追加パネルの位置合わせとを同時に行うことができる。このため円滑に製造を行うことが出来る。
【0036】
別の、好ましい実施の形態においては、上記本体部の上記第1端部寄りの所定の位置に、上記長手方向に沿って延びる雄ファスナまたは雌ファスナを形成する工程と、上記本体部に形成された上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナを上記追加パネルに形成する工程とを、上記フィルム部材を折り曲げる工程と上記第2工程との間に同時に行う。このようにすると、上記雄ファスナと上記雌ファスナとを同時に取り付けることができ、製造工程が簡略化される。
【0037】
さらに、好ましい実施の形態においては、上記第3工程は、上記第1パネルと上記第2パネルとが接合された部分に沿って切断する操作を含む。このようにすれば、上記フィルム部材と上記追加パネルとから、上記充填口を備えたファスナ付き袋を連続的に複数個製造することが可能である。
【0038】
また、好ましい実施の形態においては、上記第3工程の後に、上記折り返し部の端部と上記第2パネルの端部とが形成する充填口から内容物を充填するとともに、この充填口を封鎖する工程を行う。このような製造方法によれば、上記雄ファスナと上記雌ファスナとを嵌合させたままで内部に内容物を充填することができ、製造工程を簡略にすることができる。
【0039】
本発明のその他の特徴および利点は、図面を参照して以下に行う詳細な説明から、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋の第1実施形態を図1〜図3に示す。図1はファスナ付き袋A1の正面図であり、図2は図1のII-II線に沿う断面図である。図1および図2によると、このファスナ付き袋A1は、第1パネル10と、第2パネル20と、ファスナ3と、ミシン目4と、底部5と、充填口6とを備えて構成されている。図3は、充填口6を封止し、ミシン目4を切り開いた状態を示している。
【0041】
第1パネル10は、たとえば、プラスチックフィルムなどのフィルム部材を折り曲げて形成される向かい合う側面の一方であって、本体部11と、折り返し部12とで構成されている。本体部11は、図1中の上方に上端部13を、下方に下端部14を、左右に側部15を備えている。折り返し部12は、本体部11から延出し、上端部13において底部5に向けてファスナ付き袋A1の内側に折り返された部分である。本体部11と折り返し部12とは、上端部13付近において接着され接着部7aが形成されており、折り返し部12が本体部11から離れることを防いでいる。
【0042】
第2パネル20は、上記フィルム部材を折り曲げて形成される向かい合う側面の他方である。また、第2パネル20は、図1中の上方に上端部23を、下方に下端部24を、左右に側部25を備えている。側部25は向かい合う側部15と、たとえば溶着することによって接着されており、ファスナ付き袋A1の図1中における左右を封止している。
【0043】
ファスナ3は、図2に示すように、互いに嵌合する雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとで構成されている。雄ファスナ3aは折り返し部12の内面側の接着部7aより底部5寄りの位置に形成されており、一方、雌ファスナ3bは本体部11の内面側の接着部7aより底部5寄りの位置に形成されている。
【0044】
ミシン目4は、本体部11の雌ファスナ3bと接着部7aの底部5寄りの端部との間に形成されており、このミシン目4において本体部11は上下に切り開くことができる。
【0045】
底部5は、第1パネル10と第2パネル20との折り曲げ部分として形成されている。この底部5においては、下端部14と下端部24とが接着され接着部7bが形成されており、底部5を補強している。このため、底部5が破れてファスナ付き袋A1の内容物が外に漏れることが起こりにくくなる。
【0046】
充填口6は、折り返し部12の外面側上端と第2パネル20の上端部23の内面側とによって囲まれて形成された開放部である。この充填口6を、図3のように、接着部7cにおいて封止すると、ファスナ付き袋A1を密閉状態とすることができる。
【0047】
このようなファスナ付き袋A1の作用について以下に説明を行う。
【0048】
上記のような構成のファスナ付き袋A1においては、ファスナ3を閉じた状態でも、充填口6を通して袋内に物品を収納することができ、充填口6を閉じることで密閉状態とすることができる。さらに、ミシン目4を切り開くと、図3に示すように、折り返し部12は本体部11から離れ、第2パネル20と一体となる。このため、ファスナ3を開くと、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとの間からファスナ付き袋A1内部の物を取り出すことが可能な状態となる。
【0049】
また、ファスナ付き袋A1においては、ファスナ3が、本体部11と折り返し部12の内側に取り付けられているので、充填口6から物品を収納する際に、ファスナ3に物品がひっかかることもない。
【0050】
このようなファスナ付き袋A1の製造方法について、図4〜9を参照して以下に説明を行う。
【0051】
ファスナ付き袋A1は、長手方向にそって所定の速度で移動するフィルム部材8に以下の操作を加えることで製造される。
【0052】
まず、図4に示すように、フィルム部材8に雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとを貼り付け、ミシン目4を形成する。フィルム部材8は、図4における左右方向を幅方向とし、紙面垂直方向を長手方向としている。雄ファスナ3a、雌ファスナ3bとミシン目4は、フィルム部材8の長手方向に沿ってそれぞれお互いに平行に延びるように形成される。フィルム部材8の左端寄りに雄ファスナ3aは溶着され、それよりも中央寄りに雌ファスナ3bは溶着される。ミシン目4は、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとの間の雌ファスナ3b寄りの位置に形成される。なお、雄ファスナ3aおよび雌ファスナ3bをフィルム部材8に貼り付ける作業は、超音波シール等で行ってもよい。
【0053】
次に、図5に示すように、ミシン目4と雄ファスナ3aとの間でフィルム部材8を折り曲げて上端部13を形成し、この上端部13において折り曲げられたフィルム部材8の長いほうを本体部11とし、短いほうを折り返し部12とする。なお、この折り曲げの際に、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとは嵌合させられる。さらに、本体部11と折り返し部12とをミシン目4よりも図中左側の所定範囲において接着し、接着部7aを形成する。この接着部7aによって折り返し部12は、本体部11から離れなくなり、以降の工程を安定して行うことができる。この接着部7aの形成は、接着剤を用いたり、縫合を行ったり、超音波シールを行ったり、または、熱溶着することで行うことができる。
【0054】
次に、図6に示すように、フィルム部材8を本体部11の幅方向の中央付近で折り曲げて底部5を形成し、この底部5を境にフィルム部材8を第1パネル10と第2パネル20とに区分する。これにより本体部11は上端部13から底部5までとなり、底部5より先の折り返された部分は第2パネル20となる。この折り曲げ作業において、第2パネル20は、折り返し部12を間に挟んで本体部11と向かい合い、その上端部23と上端部13とが重なり合うように折り曲げられている。
【0055】
次に、図7に示すように、フィルム部材8の長手方向に沿って所定の間隔ごとに、フィルム部材8の幅方向に延びるシール部8aを形成する。このシール部8aの形成は、たとえば、フィルム部材8の幅方向に延びる向かい合う一対のヒータによって第1パネル10と第2パネル20の両側から加熱し、両者を溶着させることによって行われる。
【0056】
次に、図8に示すように、底部5の所定幅を接着させ、接着部7bを形成する。この接着部7bの形成は、接着剤を用いたり、縫合したり、超音波シールを行ったり、または、熱溶着によって行うことができる。たとえば、熱溶着によって行う場合、フィルム部材8の長手方向に沿って延びる向かい合う一対のヒータによって第1パネル10と第2パネル20との両側から加熱し、両者を溶着させることによって行われる。この接着部7bを形成することで、底部5が薄くなることを防ぐことができる。
【0057】
次に、シール部8aによって区切られた各袋体に充填口6から物品を収納する。この作業は、連接された袋体をフィルム部材8の長手方向に移動させながら、各袋体に順次充填することで効率よく行うことができる。この後、図9に示すように、充填口6を接着して接着部7cを形成し、各袋体を密閉状態とする。接着部7cの形成は、接着剤を用いたり、縫合したり、超音波シールを行ったり、または、熱溶着することによって行われる。
【0058】
次に、フィルム部材8の長手方向に沿って複数形成されたシール部8aの各々において、フィルム部材8をその幅方向に沿って裁断する。裁断されたシール部8aは、ファスナ付き袋A1における側部15,25となる。これにより、ファスナ付き袋A1を連続的に複数製造することができる。なお、ファスナ付き袋A1をフィルム部材8から裁断してから物品の収納および接着部7cの形成を行ってもよい。
【0059】
このような製造方法によれば、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとがそれぞれ別々にフィルム部材8に溶着することができる。これにより、溶着作業において仮に加熱が大きくなりすぎたとしても、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとが不当に溶着してしまうおそれがない。したがって、フィルム部材8と雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとの接合不良を抑制することができる。すなわち、溶着作業における加熱量を比較的大きくし、フィルム部材8の移動速度を上げても顕著な接合不良が発生しにくくなるので、製造速度の向上を実現することができる。さらに、充填口6を通してファスナ3を閉じたまま物品の収納作業を行うことができる。このため、製造工程においてファスナ3を開く必要がなく、製造装置および製造作業をより簡略にすることが可能となる。
【0060】
また、折り返し部12の内側にファスナ3は形成されているので、充填口6より物品を収納する際に、ファスナ3に物品が引っかかることもなく、収納作業をよりスムーズに行うことができる。
【0061】
本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋の第2実施形態を図10に示す。図10はファスナ付き袋A2の正面図である。このファスナ付き袋A2は、すでに図1〜図3を参照して説明したファスナ付き袋A1の充填口6を封止し、接着部7cを形成したものに、吊り下げ孔16を形成したものである。吊り下げ孔16は、接着部7aおよび接着部7cが重なっている範囲内に形成されており、第1パネル10から第2パネル20まで貫通する孔である。この吊り下げ孔16をフックなどに引っ掛けることにより、たとえば、ファスナ付き袋A2は店頭に吊り下げて販売することができる。
【0062】
このようなファスナ付き袋A2は、ファスナ付き袋A1の製造工程の接着部7cを形成する工程ののちに、吊り下げ孔16を開ける工程を加えることで製造することができる。なお、吊り下げ孔16を容易に形成するためには、接着部7aおよび接着部7bが熱溶着によって形成されているのが好ましい。
【0063】
本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋の第3実施形態を図11〜13に示す。図11はファスナ付き袋A3の正面図であり、図12は図11のXII-XII線に沿う断面図である。このファスナ付き袋A3は、ファスナ付き袋A1におけるミシン目4のかわりに、カットテープ40を形成したものである。また、図12に示すように、ファスナ付き袋A1と異なり、ファスナ付き袋A3は、本体部11の下端部14と、第2パネル20の下端部24との間に折りたたみ可能な底部5を備えている。底部5は図12では折り畳まれており、これを開いた状態を図13に示している。なお、ファスナ付き袋A3のその他の主要な構成は、ファスナ付き袋A1と同様である。
【0064】
カットテープ40は、把持部41を備えており、この把持部41を持ち、図11中の右方向へ引っ張ることで、本体部11から引き離されるように構成されている。カットテープ40を本体部11から引き離すと、カットテープ40があった部分が切り込みとなり、ファスナ3が外部に臨むようになる。さらにファスナ3を開くことで、袋内部の物品を取り出すことができるようになる。
【0065】
ファスナ付き袋A3においては、下端部14,24は、それぞれ、本体部11と第2パネル20の下端において折り返された部分を溶着して形成されている。下端部14,24の間に形成された底部5は、袋内に何もいれていないときなどは、図12に示すように、折りたたまれているが、袋内に物品が収納された際には、図13に示すように広がった状態となる。このため、ファスナ付き袋A3は、袋内部の容積をファスナ付き袋A1,A2より大きくすることができる。
【0066】
このようなファスナ付き袋A3は、ファスナ付き袋A1の製造工程におけるミシン目4の形成のかわりにカットテープ40の形成を行い、フィルム部材8を折り曲げて底部5を形成する際に、底部5がファスナ付き袋A3の内部側へ入り込むように、さらにフィルム部材8を折り曲げることで製造することができる。
【0067】
本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋の第4実施形態を図14に示す。図14はファスナ付き袋A4の断面図である。このファスナ付き袋A4においては、第1パネル10を構成する本体部11と折り返し部12とが、それぞれ別の構造のラミネートフィルムで形成されている。また、第2パネル20は本体部11と同じ構成のラミネートフィルムで形成されている。さらに、接着部7a,7bは熱溶着によって形成されている。ファスナ付き袋A4の正面視の形状は、たとえばファスナ付き袋A1またはA2と同様であり、その他の構成もファスナ付き袋A1と同様である。なお、図14における上方を、ファスナ付き袋A4の上部側とし、下方を底部側とする。
【0068】
第1パネル10は、本体部11と、この本体部11の上端部13に溶着された折り返し部12とで構成されている。なお、このファスナ付き袋A4においては、上端部13は、本体部11の上部側の所定の範囲を指すとする。ファスナ付き袋A1と同様に、本体部11の折り返し部12と向かい合う面に雌ファスナ3bが溶着されており、折り返し部12の本体部11と向かいある面に雄ファスナ3aが溶着されている。また、本体部11の雌ファスナ3bと上端部13との間には、ミシン目4が形成されている。ミシン目4の代わりにファスナ付き袋A3において用いられているカットテープ40を用いてもよい。
【0069】
本体部11は、ポリエチレン(以下、PE)からなるPE層17とポリプロピレン(以下、PP)からなるPP層18の2層からなるラミネートフィルムで形成されている。PE層17は、ファスナ付き袋A4の内面側に位置しており、PE層18は、ファスナ付き袋A4の外面側に位置している。したがって、本体部11と折り返し部12との接着部7aと、本体部11と第2パネル20との接着部7bと、雌ファスナ3bが溶着される部分とのいずれにおいても熱溶着が行われる面がPE層17となっている。
【0070】
折り返し部12は、ポリエチレンからなるPE層12a,12cと、それらに挟まれたポリプロピレンからなるPP層12bとで構成されたラミネートフィルムによって形成されている。また、図14の紙面に垂直な方向においては、折り返し部12は本体部11および第2パネル20と同じ長さを有している。この折り返し部12においては、PE層12aが本体部11の内面側と向かい合うように位置しており、PE層12cが第2パネル20の内面側と向かい合うように位置している。したがって、本体部11と折り返し部12との接着部7aにおいて、本体部11に溶着されるのはPE層12aであり、雄ファスナ3aが熱溶着されるのもPE層12aである。また、充填口6を封止する際の折り返し部12と第2パネル20との接着部においても、第2パネル20と溶着されるのはPE層12cである。
【0071】
第2パネル20は、PE層27とPE層28からなるラミネートフィルムであり、第1パネル10と重なり合うように配置されている。PE層27は、ポリエチレンからなり、ファスナ付き袋A4の内面側に位置しており、PP層28は、ポリプロピレンからなり、袋の外面側に位置している。この第2パネル20は、ファスナ付き袋A1,A2と同様に、第1パネル10とその両側面において溶着されている。さらに、この第2パネル20の下端部24は、本体部11の下端部14と接着部7bにおいて溶着されている。このため、ファスナ付き袋A4は側面および底部5がシールされており、袋状となる。
【0072】
このようなファスナ付き袋A4は、ファスナ付き袋A1,A2,A3と同様にファスナ3を閉じたままでも充填口6から袋内に物品を収納することができる。さらに、このファスナ付き袋A4の外側はポリプロピレンで形成されたPP層18,28によって覆われている。一般的に、ポリプロピレンは防湿性に優れ、摩擦に強く、熱で溶解しにくいなどの性質を有しており、包装材として優れているが熱に強いため溶着工程に適さない。一方、内側はポリエチレンで形成されたPE層17,27,12a,12cによって覆われており、接着部7a,7bにおいて、熱溶着が行われる面がいずれもPE層となっている。さらに、充填口6を封止する際に熱溶着が行われる面も、PE層12cとPE層27となっている。ポリエチレンは、ポリプロピレンに較べ、熱で融解しやすく、熱溶着する際に好適な材料であるので、ファスナ付き袋A4は、製造の際に熱溶着作業が行いやすい。
【0073】
このようなファスナ付き袋A4の製造方法の第1実施形態について図15〜19を参照に説明を行う。
【0074】
ファスナ付き袋A4は、本体パネル81と、追加パネル82と、第2パネル20とから製造される。本体パネル81は、PE層17とPP層18とからなるラミネートフィルムであり、追加パネル82は、PE層12a,12cとPP層12bとからなるラミネートフィルムである。ファスナ付き袋A1の製造方法の場合と同様に、本体パネル81と、追加パネル82と、第2パネル20とは、それらに共通する長手方向にそって所定の速度で移動させられており、以下の操作が加えられる。
【0075】
まず、図15に示すように、上記長手方向に沿って延びる雌ファスナ3bを、本体パネル81上の所定の位置に設置し、同様に上記長手方向に沿って延びる雄ファスナ3aを追加パネル82上の所定の位置に設置する。さらに加熱することで、雌ファスナ3bをPE層18に、雄ファスナ3aをPE層12aに熱溶着させる。また、同時に、本体パネル81に上記長手方向に沿って延びるミシン目4を形成しておく。
【0076】
次に、図16に示すように、PE層17とPE層12aとが向かい合い、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとが嵌合するように、本体パネル81と追加パネル82とを重ね合わせる。
【0077】
次に、図17に示すように、本体パネル81と追加パネル82とを所定の範囲において熱溶着し、接着部7aを形成するとともに、第1パネル10を完成させる。これにより、本体パネル81は本体部11となり、追加パネル82は折り返し部12となる。また、接着部7aは、本体部11における上端部13に相当する部分である。接着部7aを形成する際の熱溶着作業は、PE層17とPE層12aとの熱溶着であるので、容易に行うことができる。
【0078】
次に、図18に示すように、PE層12cおよびPE層17と、PE層27とが向かい合うように、第1パネル10と第2パネル20とを重ね合わせる。第1パネル10および第2パネル20は、ともに上記長手方向に沿って延びているので、重ね合わせる際には、図18中の左右方向において第1パネル10と第2パネル20との位置合わせを行う。
【0079】
次に、図19に示すように、第1パネル10の下端部14と第2パネル20の下端部24とを熱溶着し、接着部7bを形成するとともに、ファスナ付き袋A4の底部5を形成する。この熱溶着作業は、PE層17とPE層27との間で行われる熱溶着であるので、容易に行うことができる。
【0080】
後は、ファスナ付き袋A1の製造方法の場合と同様に、上記長手方向に沿って所定の間隔ごとに第1パネル10と第2パネル20とを溶着し、その溶着部分を裁断することでファスナ付き袋A4は製造される。なお、上記の溶着部分を裁断する前に充填口6から物品を袋内に充填し、この充填口6において折り返し部12と第2パネル20とを熱溶着し、ファスナ付き袋A4を密閉状態としてもよい。充填口6における折り返し部12と第2パネル20との熱溶着は、PE層12cとPE層27との熱溶着であるので、容易に行うことができる。
【0081】
このような製造方法によれば、ファスナ付き袋A1の製造方法の場合と同様に、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとが不当に溶着してしまうおそれがなく、かつ、充填口6を通してファスナ3を閉じたまま物品の収納作業を行うことができる。また、異なる構造のラミネートフィルムを併用することで、袋の外側が熱に強い素材になるようにしつつ、常に熱溶着を容易に行うことが可能となっている。
【0082】
ファスナ付き袋A4の製造方法の第2実施形態について図20を参照して説明を行う。
【0083】
この製造方法においては、図20に示すように、本体パネル81および追加パネル82に雄ファスナ3aおよび雌ファスナ3bを溶着する前に、本体パネル81と追加パネル82とを向かい合わせている。さらに、向かい合う本体パネル81と追加パネル82との間に、嵌合した状態の雄ファスナ3aおよび雌ファスナ3bを挿入する。その後、本体パネル81および追加パネル82の両側から押圧および加熱することで、雄ファスナ3aをPE層12aに、雌ファスナ3bをPE層17に溶着させる。この溶着作業と同時、あるいは作業後に、接着部7aを形成すると、図17に示す状態となる。この後は、ファスナ付き袋A4の製造方法の第1実施形態と同様に工程を行う。
【0084】
このような製造方法においては、雄ファスナ3aおよび雌ファスナ3bの溶着作業を同時に行うことができる。さらに、同時に溶着部7aの形成も行うことが可能であり、製造工程を簡略にすることができる。
【0085】
ファスナ付き袋A4の製造方法の第3実施形態について図21を参照して説明を行う。
【0086】
この製造方法においては、図21に示すように、本体パネル81と追加パネル82とを重ね合わせ接着部7aを形成した後に、雄ファスナ3aおよび雌ファスナ3bを本体部11と折り返し部12との間に挿入して溶着させる。その他の製造工程は、ファスナ付き袋A4の製造方法の第2実施形態と同様である。
【0087】
このような製造方法によれば、雄ファスナ3aおよび雌ファスナ3bを本体部11と折り返し部12との間に挿入する際に、ファスナ3が、本体部11または折り返し部12と擦れ合っても、本体部11と折り返し部12とがずれる心配がない。
【0088】
本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋の第5実施形態を図22に示す。図22はファスナ付き袋A5の断面図である。このファスナ付き袋A5は、底部5が内部へ折り曲げられており、ファスナ付き袋A3同様の効果を持っている。また、折り返し部12が本体部11とは別体となっている。このため、ファスナ付き袋A4のように、折り返し部12と本体部11とを別のフィルム部材で形成することも可能である。その他の構成はファスナ付き袋A1と同様である。
【0089】
このようなファスナ付き袋A5の製造方法の第1実施形態について図23および図24を参照に説明を行う。
【0090】
ファスナ付き袋A5は、所定幅を有し、幅方向と直交する方向を長手方向とするフィルム部材83と、フィルム部材83よりも幅が短く、同じ長手方向を有する追加パネル84とを、所定の速度で上記長手方向にそって移動させつつ以下の操作を加えることで製造される。
【0091】
まず、図23に示すように、フィルム部材83に雌ファスナ3bを貼り付け、フィルム部材83の図中の左端と雌ファスナ3bが設置された位置との間にミシン目4を形成する。また、追加パネル84に雌ファスナ3bと嵌合する雄ファスナ3aを貼り付けておく。なお、雄ファスナ3aまたは雌ファスナ3aを取り付けるときには、フィルム部材83と追加パネル84の位置は、図23のような配置に限らず、どのような配置であってもよい。ただし、フィルム部材83と追加パネル84の位置を、図23のように、その端部同士が重なるように配置しておくと、次に行う工程において有利である。
【0092】
次に、図24に示すように、フィルム部材83を折り曲げ、底部5を形成する。底部5の形成は、ファスナ付き袋A3を製造する場合と同様に行うことができる。この底部5を形成することで、フィルム部材83は本体部11と第2パネル20とに区分される。この後に、追加パネル84を、本体部11と第2パネル20に差し込んでもかまわないが、以下のように行うほうが効率的である。まず、フィルム部材83を折り曲げる前に、たとえば図23に示すように、追加パネル84をフィルム部材83の一方の端に寄せておく。次に、この端部において、フィルム部材83と追加パネル84との位置をそろえて固定しておき、もう一方の端を折り曲げの際に動かす。このようにすれば、追加パネル84の位置合わせが容易であり、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとを嵌合させるのも容易である。
【0093】
その後、本体部11の上端部13に追加パネル84を接着する。この接着作業は、接着剤で貼り付けたり、縫合したり、超音波シールを行ったり、または、熱溶着によって行われる。本体部11に取り付けられた追加パネル84は、折り返し部12となる。その後はファスナ付き袋A1の製造方法と同様の工程によりファスナ付き袋A5を製造することができる。この製造方法においては、ファスナ付き袋A1の製造方法と同様に、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとが別々に取り付けられるので、貼り付け作業を溶着によって行っても、それらが不当に溶着されるおそれはない。
【0094】
図25には、ファスナ付き袋A5の製造方法の第2実施形態を示している。この場合、図26に示すように、フィルム部材83を折り曲げる前に、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとが嵌合するように追加パネル84をフィルム部材83と向かい合わせておく。その後、底部5を形成するように、フィルム部材83を折り曲げれば、図24に示す状態になる。あるいは、折り曲げる前に、フィルム部材83と追加パネル84とを、図25中の左端部分において接着してもよい。このような製造方法によれば、追加パネル84の位置決めがより容易になる。
【0095】
図26には、ファスナ付き袋A5の製造方法の第3実施形態を示している。この場合、図26に示すように、フィルム部材83と追加パネル84とを向かい合わせ、その間に嵌合した状態のファスナ3を挿入してから、追加パネル84とフィルム部材83にファスナ3を取り付ける。そうすると、図25の状態になるので、あとは第2実施形態の場合と同様に行うことができる。このような製造方法によれば、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとを1回の作業で取り付けることが可能であり、製造工程が簡略になる。
【0096】
本発明に係るファスナ付き袋およびその製造方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。たとえば、ファスナ付き袋A1〜A5における細部の各構成を組み合わせて実施してもかまわない。さらに、ファスナ付き袋A1の製造方法において、フィルム部材8の折り曲げる順序は自由に変えてよい。すなわち、底部5が形成されるようにフィルム部材を折り曲げた後に、折り返し部12が形成されるように上端部13においてフィルム部材8を折り曲げてもよい。また、接着部7a,7bの形成と、シール部8aの溶着とは、その順序を入れ替えて行ってもかまわない。
【0097】
さらに、ファスナ付き袋A1〜A5において、雄ファスナ3aと雌ファスナ3bとは互いに入れ替えてもかまわないし、ファスナ3として、上記の実施形態に挙げた形状以外のものでも開閉自在のものであれば用いることができる。また、接着部7a,7b,7cやシール部8a等の接合部分の形成は、上述の手段に限らず、適宜好適な接合方法を選択することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋の第1実施形態を示す平面図である。
【図2】図1のII-II線に沿う断面図である。
【図3】図1のファスナ付き袋の使用例を示す断面図である。
【図4】図1のファスナ付き袋のファスナおよびミシン目を形成する工程を示す断面図である。
【図5】図1のファスナ付き袋の折り返し部を形成する工程を示す断面図である。
【図6】図1のファスナ付き袋の第1パネルと第2パネルとを形成する工程を示す断面図である。
【図7】図1のファスナ付き袋をフィルム部材の長手方向に沿って所定の間隔毎に溶着する工程を示す平面図である。
【図8】図1のファスナ付き袋に物品を収納する工程を示す断面図である。
【図9】図1のファスナ付き袋の充填口を溶着する工程を示す断面図である。
【図10】本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋の第2実施形態を示す平面図である。
【図11】本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋の第3実施形態を示す平面図である。
【図12】図11のXII-XII線に沿う断面図である。
【図13】図11のファスナ付き袋の底部を開いた状態を示す断面図である。
【図14】本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋の第4実施形態を示す断面図である。
【図15】図14のファスナ付き袋のファスナおよびミシン目を形成する工程を示す断面図である。
【図16】図14のファスナ付き袋の第1パネルを構成する2枚のラミネートフィルムを向かい合わせる工程を示す断面図である。
【図17】図14のファスナ付き袋の第1パネルを構成する2枚のラミネートフィルムを接合する工程を示す断面図である。
【図18】図14のファスナ付き袋の第1パネルに、第2パネルを構成するラミネートフィルムを向かい合わせる工程を示す断面図である。
【図19】図14のファスナ付き袋の第1パネルに、第2パネルを構成するラミネートフィルムを接合する工程を示す断面図である。
【図20】図14のファスナ付き袋の第1パネルを構成する2枚のラミネートフィルムを、ファスナを形成する前に向かい合わせる工程を示す断面図である。
【図21】図14のファスナ付き袋の第1パネルを形成後にファスナを取り付ける工程を示す断面図である。
【図22】本発明の第1の側面に係るファスナ付き袋の第5実施形態を示す断面図である。
【図23】図22のファスナ付き袋にファスナを取り付ける工程を示す断面図である。
【図24】図22のファスナ付き袋の底部を形成する工程を示す断面図である。
【図25】図22のファスナ付き袋の別の製造工程を示す断面図である。
【図26】図22のファスナ付き袋に別の方法でファスナを取り付ける工程を示す断面図である。
【図27】従来のファスナ付き袋の断面図である。
【符号の説明】
【0099】
A1,A2,A3,A4,A5 ファスナ付き袋
10 第1パネル
11 本体部
12 折り返し部
13,23 上端部
14,24 下端部
15,25 側部
16 吊り下げ孔
17,12a,12c,27 PE層
18,12c,28 PP層
20 第2パネル
3 ファスナ
3a 雄ファスナ
3b 雌ファスナ
4 ミシン目(切り開き手段)
40 カットテープ(切り開き手段)
41 把持部
5 底部
6 充填口
7a,7b,7c 接着部
8,83 フィルム部材
8a シール部
81 本体パネル
82,84 追加パネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム部材によって形成され、かつ互いに重ね合わされた第1パネルおよび第2パネルを備え、これら第1パネルおよび第2パネルはそれらの側部どうしと底部どうしが連結されて袋状とされており、ファスナによって上部を開閉可能とされたファスナ付き袋であって、
上記第1パネルは、上記第2パネルに連結された本体部と、上記本体部と上記第2パネルとの間に挟まれ、上記本体部の上部から底部に向けて延びる折り返し部とを備えており、
上記折り返し部には雄ファスナまたは雌ファスナが設けられており、
上記本体部には、上記折り返し部の内面に設けられた上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナが設けられており、かつ、
上記本体部における上記雌ファスナまたは雄ファスナが設けられた部位より上位には、切り開き手段が形成されていることを特徴とする、ファスナ付き袋。
【請求項2】
上記折り返し部は、上記本体部と同一のフィルム部材であり、このフィルム部材の先端を底部へ向かうように折り曲げて形成されている、請求項1に記載のファスナ付き袋。
【請求項3】
上記折り返し部は、上記本体部とは別のフィルム部材を、それらの上部において接着したものである請求項1に記載のファスナ付き袋。
【請求項4】
上記本体部と上記折り返し部とは、それらの上部において所定の上下幅にわたって溶着されている、請求項3に記載のファスナ付き袋。
【請求項5】
上記第1パネルと上記第2パネルの底部どうしは、1枚のフィルム部材を折りたたむことにより接合されている、請求項1ないし4のいずれかに記載のファスナ付き袋。
【請求項6】
上記第1パネルと上記第2パネルとは、それらの底部において所定の上下幅にわたって溶着されている、請求項1ないし5に記載のファスナ付き袋。
【請求項7】
上記第2パネルの内面と上記折り返し部の外面が形成する充填口から内容物を充填した後、上記充填口が封鎖されている、請求項1ないし6のいずれかに記載のファスナ付き袋。
【請求項8】
幅方向の第1端部と第2端部とを有し、所定幅で長手方向に延びるフィルム部材を用い、互いに重ね合わされた第1パネルおよび第2パネルを備え、これら第1パネルおよび第2パネルはそれらの側部どうしと底部どうしが連結されて袋状とされており、ファスナによって上部を開閉可能とされたファスナ付き袋の製造方法であって、
上記第1端部寄りの部位に、幅方向に所定間隔を空けて長手方向に延びる雄ファスナおよび雌ファスナを取り付けるとともに、上記雄ファスナと上記雌ファスナとの間の所定部位に長手方向に延びる切り開き手段を形成する第1工程と、
上記第1端部寄りの部位を折り返して上記切り開き手段を含む本体部と、上記本体部に連結され、上記第1端部を含む折り返し部とを形成し、上記雄ファスナと上記雌ファスナとを互いに嵌合させる第2工程と、
上記第2端部寄りの部位を上記折り返し部に重ねるように折り畳んで上記第1端部側の第1パネルと上記第2端部側の第2パネルとが底部を形成しつつ互いに重なるようにする第3工程と、
長手方向一定間隔ごとに、上記第1パネルと上記第2パネルとを幅方向に沿って互いに接合する第4工程と、
を含むことを特徴とする、ファスナ付き袋の製造方法。
【請求項9】
上記第2工程の後に、上記本体部と上記折り返し部との連結部分と上記切り開き手段との間の所定の領域において、上記本体部に上記折り返し部を熱溶着させる工程を行う、請求項8に記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項10】
上記第3工程の後に、上記底部付近において上記第1パネルと上記第2パネルとを互いに熱溶着する工程を行う、請求項8または9に記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項11】
上記第4工程は、上記第1パネルと上記第2パネルとが接合された部分に沿って切断する操作を含む、請求項8ないし10のいずれかに記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項12】
上記第4工程の後に、上記折り返し部の端部と上記第2パネルの上記第2端部とが形成する充填口から内容物を充填するとともに、この充填口を封鎖する工程を行う、請求項8ないし11のいずれかに記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項13】
所定幅で、その幅方向と直交する長手方向に延びる複数のフィルム部材を用い、互いに重ね合わせられた第1パネルおよび第2パネルを備え、これら第1パネルおよび第2パネルはそれらの側部どうしと底部どうしが連結されて袋状とされており、雄ファスナと雌ファスナからなるファスナによって上部を開閉可能とされたファスナ付き袋の製造方法であって、
上記第2パネルに連結される本体部と、
上記本体部の上部から上記底部へ向けて延出する折り返し部と、
上記本体部と上記折り返し部との間に形成された雄ファスナと雌ファスナと、
上記本体部の上部と、上記雄ファスナと上記雌ファスナのうち上記本体部に接着された方との間に形成された切り開き手段と、
を備えた上記第1パネルを形成する第1工程と、
上記折り返し部を挟むように、上記第1パネルと上記第2パネルとを重ね合わせる第2工程と、
上記底部を形成する第3工程と、
長手方向一定間隔ごとに、上記第1パネルと上記第2パネルとを幅方向に沿って互いに接合する第4工程と、を含み、
上記第1工程は、
上記複数のフィルム部材の1つである本体パネルに上記切り開き手段を形成する工程と、
上記本体パネルの上部に、上記複数のフィルム部材の1つであり、その幅方向において上記本体パネルよりも短い追加パネルを、その幅方向における一端が上記本体パネルの上部と接し、もう一方の端が上記底部へ向かうように、上記本体パネルと重ね合わせる工程と、
上記本体パネルと上記追加パネルとを、それらの上部から上記幅方向に沿う所定の幅において接着させることで、上記本体部と上記折り返し部とを形成する工程と、
上記ファスナを形成する工程と、を有しているファスナ付き袋の製造方法。
【請求項14】
上記ファスナを形成する工程は、上記本体パネルと上記追加パネルとを重ね合わせる前に行われ、
上記雄ファスナと上記雌ファスナのうち一方を上記本体パネルに接着する工程と、
上記本体パネルに接着された上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナを上記追加パネルの上記本体パネルと向かい合う面に接着する工程と、
を有している請求項13に記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項15】
上記ファスナを形成する工程は、上記本体パネルと上記追加パネルとを重ね合わせる工程の終了後から、上記本体部と上記折り返し部とを形成する工程が終了するまでの間に行われ、
嵌合した状態の上記雄ファスナと上記雌ファスナとを、上記本体部と上記折り返し部との間に挿入し、上記雄ファスナと上記雌ファスナのうち一方を上記本体部に接着し、上記本体部に接着された上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナを上記折り返し部の内面に接着する工程と、
を有している請求項13に記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項16】
上記ファスナを形成する工程は、上記本体部と上記折り返し部とを形成する工程の後に行われ、
嵌合した状態の上記雄ファスナと上記雌ファスナとを、上記本体部と上記折り返し部との間に挿入し、上記雄ファスナと上記雌ファスナのうち一方を上記本体部に接着し、上記本体部に接着された上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナを上記折り返し部の内面に接着する工程と、
を有している請求項13に記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項17】
上記本体パネルと上記追加パネルとの接着は熱溶着によって行われる、請求項13ないし16のいずれかに記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項18】
上記第3工程は、上記第1パネルと上記第2パネルとを、それらの底部から上記幅方向に沿う所定幅に接着する工程を含む、請求項13ないし17のいずれかに記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項19】
上記の接着する工程を熱溶着によって行う、請求項18に記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項20】
上記第4工程は、上記第1パネルと上記第2パネルとが接合された部分に沿って切断する操作を含む、請求項13ないし20のいずれかに記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項21】
上記第4工程の後に、上記折り返し部の端部と上記第2パネルの端部とが形成する充填口から内容物を充填するとともに、この充填口を封鎖する工程を行う、請求項13ないし21のいずれかに記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項22】
幅方向の第1端部と第2端部とを有し、所定幅で長手方向に延びるフィルム部材と、
上記フィルム部材よりも狭い所定幅で上記長手方向に延びるフィルムからなる追加パネルとを用い、
互いに重ね合わされた第1パネルおよび第2パネルを備え、これら第1パネルおよび第2パネルはそれらの側部どうしと底部どうしが連結されて袋状とされており、ファスナによって上部を開閉可能とされたファスナ付き袋の製造方法であって、
上記第1端部と上記第2端部とが重なり合うように上記フィルム部材を折り曲げ、その折り曲げられた部分を上記底部とし、上記フィルム部材の上記第1端部から上記底部までの部分を上記第1パネルの本体部とし、上記フィルム部材の上記第2端部から上記底部までの部分を上記第2パネルとする工程と、
上記本体部の上記第1端部寄りの所定の位置に、上記長手方向に沿って延びる雄ファスナまたは雌ファスナを形成する工程と、
上記本体部に形成された上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナを上記追加パネルに形成する工程と、
上記雄ファスナまたは雌ファスナが形成される予定の位置と上記第1端部との間に、上記長手方向に沿って延びる切り開き手段を形成する工程と、
を有する第1工程と、
上記追加パネルを上記本体部の上記第1端部に取り付けることで折り返し部を有する上記第1パネルを形成する第2工程と、
長手方向一定間隔ごとに、上記第1パネルと上記第2パネルとを幅方向に沿って互いに接合する第3工程と、を含むファスナ付き袋の製造方法。
【請求項23】
上記フィルム部材を折り曲げる工程において、上記追加パネルの一端が上記フィルム部材の第2端部と重なるように、上記追加パネルと上記フィルム部材とを重ねた状態で、上記追加パネルを挟むようにして、上記フィルム部材を折り曲げる、請求項22に記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項24】
上記フィルム部材を折り曲げる工程において、上記追加パネルの一端が上記フィルム部材の第1端部と重なるように、上記追加パネルと上記フィルム部材とを重ねた状態で、上記追加パネルを挟むようにして、上記フィルム部材を折り曲げる、請求項22に記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項25】
上記本体部の上記第1端部寄りの所定の位置に、上記長手方向に沿って延びる雄ファスナまたは雌ファスナを形成する工程と、上記本体部に形成された上記雄ファスナまたは雌ファスナと嵌合する雌ファスナまたは雄ファスナを上記追加パネルに形成する工程とを、上記フィルム部材を折り曲げる工程と上記第2工程との間に同時に行う請求項24に記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項26】
上記第3工程は、上記第1パネルと上記第2パネルとが接合された部分に沿って切断する操作を含む、請求項22ないし25のいずれかに記載のファスナ付き袋の製造方法。
【請求項27】
上記第3工程の後に、上記折り返し部の端部と上記第2パネルの端部とが形成する充填口から内容物を充填するとともに、この充填口を封鎖する工程を行う、請求項22ないし26のいずれかに記載のファスナ付き袋の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−56345(P2008−56345A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266553(P2006−266553)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(594151911)キョウエイ株式会社 (5)
【Fターム(参考)】