説明

フィットネスマシン

本発明は、振動要素(3)、振動要素(3)に操作接続された振動発生器(4)、及び制振材(5)を含むフレーム(2)を備えて、身体をトレーニングするフィットネスマシン(1)に関する。制振材(5)が、振動要素(3)によって生成される振動を選択された程度まで吸収できるように、制振材(5)を設定することができる結果、ユーザーにとって望ましいトレーニング負荷を得ることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動要素、及び振動要素に操作接続された振動発生器を含むフレームを備えて、身体をトレーニングするフィットネスマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
このようなフィットネスマシンは、1960年代から知られており、一流スポーツ選手や損傷から回復中の人等の人々によってしばしば使用されている。
【0003】
冒頭に記載した型式の公知のフィットネスマシンは、中でも、パワープレート(登録商標)の名前で市販されている。この公知のフィットネスマシンは、設置面に近接して低く配置されたフレーム上に載置された振動板で形成されることにより、ユーザーは、トレーニング中に振動板上に立ったり他の位置を取ることができる。この場合、振動板は、ユーザーの身体にエネルギーとして伝達される振動を発生する。その結果として発生される機械的刺激は、振動板の設定周波数に応じて毎秒ある回数だけ発生する、いわゆる伸展反射を生成する。この結果、筋肉が連続的に非常に強く緊張させられる。このような振動板の使用は、短いトレーニング時間だけ使用する時は非常に大きな効果を生むと共に、従来のトレーニング方法によるよりも運動系の緊張が少ないことが知られている。身体の振動刺激の有益な効果は、中でも、ジャーナル・オブ・スポーツ・サイエンシズ(Journal of Sports Sciences)1999、17、pp.177−182に記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の公知のフィットネスマシンの問題点は、少なくとも移動ストローク、即ち、振動中の移行距離を適合させることなく、トレーニング負荷を所望レベルに変動できないことである。
【0005】
本発明の目的は、上記問題点及び他の問題点を解決することである。本発明の別の目的は、上記問題点及び他の問題点に対する安価で簡単な解決をもたらすことである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
その目的のために、本発明は、振動要素、振動要素に操作接続された振動発生器、及び制振材を含むフレームを備えて、身体をトレーニングするフィットネスマシンにおいて、制振材が、振動要素によって生成される振動を選択された程度まで吸収できるように、制振材を設定することができる結果、ユーザーにとって望ましいトレーニング負荷を得ることができるフィットネスマシンを提供する。
【0007】
本発明にかかるフィットネスマシンは、トレーニング負荷をユーザーの要求に合わせて調整することを非常に簡単に、且つ、スマートに可能にする。これは、異なるトレーニング負荷の異なる人々が1台の同じフィットネスマシンを使用する、例えば、体育大学でフィットネスマシンが使用される場合に特に好都合である。
【0008】
本発明にかかるフィットネスマシンのフレームは、多くのやり方で設計することができる。フレームは、一般に、振動要素と振動要素に操作接続された振動発生器を収納及び支持するのに役立つ。
【0009】
本発明にかかるフィットネスマシンの振動発生器は、期待する効果が得られる限り、多くのやり方で設計することができる。振動発生器は、一般に、例えば、天然ゴムや合成ゴム又は他の適当なプラスチック等の振動吸収材料から成る。
【0010】
当業者は、「トレーニング負荷」の意味、即ち、本発明にかかるフィットネスマシン上で行うエクササイズのむずかしさをすぐに理解するだろう。
【0011】
もし望ましければ、上記の制振材の他に、本発明にかかるフィットネスマシンのフレームには、その下側に、本発明にかかるフィットネスマシンの使用中に床への損傷を防止するための振動吸収手段を設けることができる。当業者は、これらの振動吸収手段が制振材と異なる目的を果たすものであるから、振動吸収手段が制振材と同じではないことをすぐに理解するだろう。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態にかかるフィットネスマシンでは、制振材が少なくとも部分的に取外し得る。これは、制振材の振動吸収能力の一部を除去できる結果、異なるトレーニング負荷を得ることができることを意味する。
【0013】
フィットネスマシンを使用している時、制振材が振動要素とユーザーの間に配置されることにより、振動が効率的に吸収される。
【0014】
本発明にかかる非常に有利な実施の形態にかかるフィットネスマシンでは、制振材が、振動吸収材料から成る1個以上の板を備える。
【0015】
所望の数の板を除去又は追加することにより、所望のトレーニング負荷を簡単に得ることができる。ここで、例えば、ベルクロ(登録商標)、スナップファスナー等により板が互いに止着され得ることが好ましい。これは、使用中のフィットネスマシンからの1個以上の板の無論望ましくない離脱を防止する。
【0016】
本発明の非常にスマートな実施の形態にかかるフィットネスマシンでは、制振材が、異なる振動吸収能力を有する板を備える。好ましくは、制振材が、厚さが振動吸収レベルを決定する3個の板を備えると共に、3個の板の厚さの比が約1:0.5:0.25である。
これは、トレーニング負荷を高精度に簡単に選択できる結果、損傷の危険が最小化されることを意味する。
【0017】
当業者は、本発明にかかるフィットネスマシンのトレーニング負荷が原理上、広範囲で調節自在であることを理解するだろう。中でも、ベルギー、ルーベンのカトリック大学で使用される型式のアクセルレータで測定される時に、トレーニング負荷が、好ましくは1Gと6Gの間、より好ましくは1.6Gと3.2Gの間で調節自在である場合に、非常に良好なトレーニング結果が得られる。
【0018】
振動要素が、又、大略水平に延在する板を備えることが好ましい。これは、本発明にかかるフィットネスマシン上でトレーニング中にユーザーが快適な位置を取ることを可能にする。振動要素の板は、丸、正方形、長方形等の所望の断面を有し得る。
【0019】
振動要素が、20Hzと80Hzの間、好ましくは25Hzと60Hzの間の振動周波数で振動できるように、振動発生器の周波数が調節自在である場合に好都合であることが判明した。振動要素が30Hzと45Hzの間の振動周波数で振動できるように、振動発生器が設定される場合に、最高のトレーニング結果が得られることが判明した。
【0020】
本発明にかかるフィットネスマシンにおいて、フレームが、ユーザーが握ることのできる支柱を備えることが更に好ましい。支柱が、好ましくは、トレーニングデータを示すことのできる表示装置を備える。
【0021】
本発明は、又、本発明にかかるフィットネスマシンに明らかに用いられる制振材に関する。
【0022】
本発明にかかる制振材の大きな利点は、もし望ましければ、制振材が、既存のフィットネスマシンに殆ど又は全く修正を施さずに既存のフィットネスマシンに使用できることである。
【0023】
制振材が、好ましくは、ゴム等の振動吸収材料から成る少なくとも2個の板、特に、異なる振動吸収能力を有する板を備える。より好ましくは、制振材が、厚さが振動吸収レベルを決定する3個の板を備えると共に、3個の板の厚さの比が約1:0.5:0.25である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1は、振動により身体をトレーニングするフィットネスマシンを正しい相関関係で示し、このフィットネスマシンは、一般に、参照番号1で表される。フィットネスマシン1は、振動要素3、及び振動要素3に操作接続された振動発生器4を含むフレーム2を含む。図示の実施の形態において、振動要素3は、大略水平に延在する板で形成されるように設計されている。
【0025】
フィットネスマシン1は、更に、制振材5を含む。制振材5は、振動要素3によって発生される振動を選択した吸収レベルまで吸収できるように設定される結果、ユーザーの所望するトレーニング負荷を得ることができる。この目的のために、制振材5は、3個のばらばらの振動吸収板5a、5bと5c(図2参照)で形成されるように設計され、振動吸収板5a、5bと5cの厚さが振動吸収のレベルを決定する。振動吸収板5a、5bと5cは、例えば、ゴムから成る。
【0026】
振動吸収板5a、5bと5c又はこれら振動吸収板の組合せを適当に選択することによりトレーニング負荷を正確に調整するために、振動吸収板5a、5bと5cの厚さの比は約1:0.5:0.25である。当業者は、振動吸収板5a、5bと5cが異なる厚さを有し得ることを理解するだろう。更に、制振材5は、又、3個の代わりに1個、2個又は4個以上の振動吸収板を含み得る。
【0027】
図2に明示するように、振動吸収板5a、5bと5cは、ベルクロ(登録商標)10によって互いに止着されている。
フィットネスマシン1のフレーム2は、更に、ユーザーがトレーニング中に握ることのできるハンドル7を設けた支柱6を備える。支柱には、更に、トレーニング時間、消費カロリー等のトレーニングデータを読取ることのできる表示装置8が設けられる。
【0028】
床11を損傷から保護するために、フィットネスマシン1の下側にはゴム台足9が設けられる。当業者は、これらの振動吸収手段9が、制振材5と異なる目的を有するから、制振材5と同じではないことをすぐに理解するだろう。
【0029】
フィットネスマシン1を使用する時、ユーザーは、振動要素3上に立って、支柱6のハンドル7を握る。この場合、振動発生器4によって振動要素3に発生される振動は、ユーザーの身体の筋系によって吸収される結果、身体に所望の伸展反射が生じる。上述したように、本発明の実施において、ユーザーは、一般に、振動要素3の30Hzと45Hzの間にある振動周波数でトレーニングする。この場合、振動吸収板5a、5bと5cを適当に選択することにより、トレーニング負荷は、一般に、1Gと6Gの間の値、好ましくは、1.6Gと3.2Gの間の値に設定される。経験を積んでいないユーザーは全ての振動吸収板5a、5bと5cを振動要素3上に載置する一方、フィットネスが高レベルのユーザーは最も薄い振動吸収板5cだけを使用するだろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明にかかるフィットネスマシンの概略断面図である。
【図2】図1のフィットネスマシンの制振材の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 フィットネスマシン
2 フレーム
3 振動要素
4 振動発生器
5 制振材
6 支柱
7 ハンドル
8 表示装置
9 ゴム台足

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動要素(3)、振動要素(3)に操作接続された振動発生器(4)、及び制振材(5)を含むフレーム(2)を備えて、身体をトレーニングするフィットネスマシン(1)において、
制振材(5)が、振動要素(3)によって生成される振動を選択された程度まで吸収できるように、制振材(5)を設定することができる結果、ユーザーにとって望ましいトレーニング負荷を得ることができるフィットネスマシン(1)。
【請求項2】
制振材(5)が少なくとも部分的に取外し得る請求項1に記載のフィットネスマシン。
【請求項3】
フィットネスマシンを使用している時、制振材(5)が振動要素(3)とユーザーの間に配置される請求項1又は2に記載のフィットネスマシン。
【請求項4】
制振材(5)が、振動吸収材料から成る1個以上の板(5a、5b、5c)を備える請求項1乃至3のいずれかに記載のフィットネスマシン。
【請求項5】
板(5a、5b、5c)が、互いに止着され得る請求項4に記載のフィットネスマシン。
【請求項6】
制振材(5)が、異なる振動吸収能力を有する板(5a、5b、5c)を備える請求項4又は5に記載のフィットネスマシン。
【請求項7】
制振材(5)が、厚さが振動吸収レベルを決定する3個の板(5a、5b、5c)を備えると共に、3個の板(5a、5b、5c)の厚さの比が約1:0.5:0.25である請求項6に記載のフィットネスマシン。
【請求項8】
トレーニング負荷が、好ましくは1Gと6Gの間、より好ましくは1.6Gと3.2Gの間で調節自在である請求項1乃至7のいずれかに記載のフィットネスマシン。
【請求項9】
振動要素(3)が、大略水平に延在する板を備える請求項1乃至8のいずれかに記載のフィットネスマシン。
【請求項10】
振動要素(3)が、20Hzと80Hzの間、好ましくは25Hzと60Hzの間でより好ましくは30Hzと45Hzの間の振動周波数で振動できるように、振動発生器(4)の周波数が調節自在である請求項1乃至9のいずれかに記載のフィットネスマシン。
【請求項11】
フレーム(2)が、ユーザーが握ることのできる支柱(6)を備える請求項1乃至10のいずれかに記載のフィットネスマシン。
【請求項12】
支柱(6)が、トレーニングデータを示すことのできる表示装置(8)を備える請求項11に記載のフィットネスマシン。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれかに記載のフィットネスマシン(1)に用いられる制振材(5)。
【請求項14】
振動吸収材料から成る少なくとも2個の板(5a、5b、5c)、特に、異なる振動吸収能力を有する板を備える請求項13に記載の制振材。
【請求項15】
厚さが振動吸収レベルを決定する3個の板(5a、5b、5c)を備えると共に、3個の板(5a、5b、5c)の厚さの比が約1:0.5:0.25である請求項14に記載の制振材。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−533358(P2007−533358A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532136(P2006−532136)
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/NL2004/000382
【国際公開番号】WO2005/000188
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(505436966)パワー・プレート・インターナショナル・ベスローテン・フェンノートシャップ (1)
【氏名又は名称原語表記】Power Plate International B.V.
【Fターム(参考)】